JP2003251938A - 光情報記録媒体および情報記録方法 - Google Patents

光情報記録媒体および情報記録方法

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JP2003251938A JP2002060606A JP2002060606A JP2003251938A JP 2003251938 A JP2003251938 A JP 2003251938A JP 2002060606 A JP2002060606 A JP 2002060606A JP 2002060606 A JP2002060606 A JP 2002060606A JP 2003251938 A JP2003251938 A JP 2003251938A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CD−RやDVD−Rで用いるレーザ光より
も更に短波長のレーザ光、特に波長550nm以下、と
りわけ記録密度の増大のために重要な波長450nm以
下のレーザ光によって記録再生が可能であって、かつ優
れた記録特性を示す光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板上に、少なくとも、有機化合物を含
有する記録層を有し、レーザ光の照射によって情報の記
録再生が可能な光情報記録媒体であって、前記記録層、
又は該記録層に隣接する層中に、これらの層の蛍光強度
を実質的に減少させる化合物を含有する光情報記録媒体
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
情報の記録再生が可能な光情報記録媒体および情報記録
方法に関するものである。特に本発明は、波長550n
m以下の短波長レーザ光を用いて情報を記録するのに適
したヒートモード型の光情報記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知ら
れている。この光ディスクは、追記型CD(CD−R)
とも呼ばれ、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上
に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる光反
射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設け
られている。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近
赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波長のレー
ザ光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層
の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物
理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生
じてその光学的特性が変わることにより、情報が記録さ
れる。一方、情報の読み取り(再生)もまた通常、記録
用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射することによ
り行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部
分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違い
を検出することにより情報が再生される。
【0003】近年、記録密度が増加した光情報記録媒体
が求められている。このような要望に対して、追記型デ
ジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD−R)と呼
ばれる光ディスクが提案されている。このDVD−R
は、照射されるレーザ光のトラッキングのための案内溝
(プレグルーブ)がCD−Rに比べて半分以下(0.7
4〜0.8μm)と狭い条件で形成された透明な円盤状
基板上に、記録層、そして通常は該記録層の上に光反射
層、そして更に必要により保護層を設けたディスクを二
枚、あるいは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板と
を該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有
している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レー
ザ光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長の
レーザ光)を照射することにより行なわれ、CD−Rよ
り高密度の記録が可能である。
【0004】最近、インターネット等の画像情報の通信
を含むネットワークやハイビジョンTVが急速に普及し
ている。また、HDTV(High Definiti
onTelevision)の放映も予定されており、
画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体
の要求が高まっている。DVD−Rは、大容量の記録媒
体としての地位をある程度までは確保されるものの、将
来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量を有して
いるとは言えない。そこで、DVD−Rよりも更に短波
長のレーザ光を用いることによって記録密度を向上さ
せ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進
められている。
【0005】例えば、高密度記録に適した高NAのレン
ズを通した光による記録を前提とする、基盤上に金属反
射層(光反射層)、記録層、基盤よりも薄いカバー層、
をこの順で設けた光情報記録媒体が開示されており、ま
た記録層側から光反射層側に向けて波長550nm以下
の短波長側のレーザ光を照射することによって、情報の
記録再生を行なう記録再生方法が開示されている。そし
て、そのような短波のレーザ光を利用する情報記録媒体
の記録層形成色素として、ポルフィリン化合物、アゾ色
素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチン
シアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、そし
てクマリン化合物等が提案されている(例、特開平4−
74690号広報、同7−304256号広報、同7−
304257号広報、8−1271705号公報、同1
1−53758号公報、同11−334204号公報、
同11−334205号公報、同11−334206号
公報、同11−334207号公報、特開2000−4
3423号公報、同2000−108513号公報、同
2000−149320号公報、同2000−1588
18号広報、同2000−228028号広報、及び同
2001−146074号広報など)。これら以外の化
合物であっても記録に用いるレーザ光を吸収し得る化合
物であれば原理的には記録層用色素として用いることが
できることは当業者にとって容易に想起し得ることであ
る。そして、記録再生用のレーザ光としては、青紫色
(波長405nmあるいは410nm)、青色(波長4
30nmあるいは488nm)または青緑色(波長51
5nm)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の検討では、
上記公報に記載の色素を用いた光ディスクは、感度、そ
して反射率や変調度などの実用上において必要な記録特
性においては、なお充分でないことから、更に改良を要
することが判明した。特に基板上にグルーブ幅とトラッ
クピッチの狭いレリーフ構造を持つ金属反射層(光反射
層)と有機化合物からなる記録層をこの順で担持したデ
ィスク構成の場合、読み取りの対象となる記録ビットに
隣接トラックや記録ビットからの光学的な干渉が起こり
やすく、ノイズやジッタが上昇して良好な信号再生がで
きなくなる可能性があった。このような好ましくない傾
向は特に記録再生に用いる光の波長が短くなるほど顕著
になる。
【0007】本発明の課題は、CD−RやDVD−Rで
用いるレーザ光よりも更に短波長のレーザ光、特に波長
550nm以下、とりわけ記録密度の増大のために重要
な波長450nm以下のレーザ光によって記録再生が可
能であって、かつ優れた記録特性を示す光情報記録媒体
を提供することである。特にグルーブ幅とトラックピッ
チの狭いレリーフ構造を持つ金属反射層(光反射層)の
表面に主に有機化合物からなる記録層を設置した光情報
記録媒体を提供することである。また、本発明の別の課
題は、上記本発明の光情報記録媒体に情報を記録する情
報記録方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下の
ないしによって解決された。 基板上に、少なくとも、有機化合物を含有する記録層
を有し、レーザ光の照射によって情報の記録再生が可能
な光情報記録媒体であって、該記録層又は該記録層に隣
接する層中に、該記録層もしくは隣接する層の蛍光強度
を実質的に減少させる化合物を含有することを特徴とす
る光情報記録媒体である。
【0009】上記に記載の光情報記録媒体に波長55
0nm以下のレーザ光を照射して情報を記録する情報記
録方法である。なお、ここで蛍光強度を「実質的」に減
少させるとは、記録または再生に影響を及ぼす波長域に
おける蛍光強度を減少させることを意味するのであっ
て、文字通り蛍光強度を減じる場合と、蛍光の波長を例
えば読み取り装置が感知しないような長波長域へシフト
させる場合を含む。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体は、基板
上に、必要に応じて金属反射層(光反射層)とレーザ光
の照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報
記録媒体であって、該記録層が350ないし550nm
の波長領域の少なくとも一部の光を吸収する有機化合物
を含有し、該記録層又は該記録層に隣接する層中に、該
記録層もしくは隣接する層の蛍光強度を実質的に減少さ
せる化合物(以下、「蛍光消光剤」と称する。)を含有
している。本発明により、波長が550nm以下の短波
長のレーザ光に対しても高い感度を示し、かつ大きな溝
信号出力を示し、そして高いC/Nを与える良好な記録
再生特性を備えた光情報記録媒体が得られることが見出
された。なお記録層に隣接する層の定義には基板も含ま
れる。
【0011】本発明の光情報記録媒体に用いられる蛍光
消光剤は、記録層もしくはこれに隣接する層を構成する
化合物の励起状態を何らかの機構により失活させる化合
物である。例えば、記録層を構成する化合物の励起状
態からのエネルギー移動により励起されるが、実質的に
蛍光を発しない化合物、記録層を構成する化合物の励
起状態に電子を注入することにより励起電子が光を発し
て元に戻るのを阻害する化合物、あるいは記録層を構
成する化合物の励起状態から電子を受容することにより
励起電子が光を発して元に戻るのを阻害する化合物など
が挙げられる。
【0012】上記おいて、記録層を構成する化合物の
励起状態からのエネルギー移動により励起されるには、
いわゆるフェルスター型エネルギー移動が起こるための
要件である、該記録層を構成する化合物の蛍光スペクト
ルと該可視蛍光を発する化合物の吸収スペクトルがある
波長域において重なること、が満たされることが好まし
く、これらの化合物の1光子励起エネルギーが記録層を
構成する化合物の1光子励起エネルギーより小さいこと
が必要である。
【0013】上記において、記録層を構成する化合物
の励起状態に電子を注入できるためには、記録層を構成
する化合物の最高被占軌道のエネルギー準位よりも高エ
ネルギーの被占軌道を有することが好ましい。
【0014】上記において、記録層を構成する化合物
の励起状態から電子を受容できるためには、記録層を構
成する化合物の最低空軌道のエネルギー準位よりも低エ
ネルギーの空軌道を有することが好ましい。
【0015】上記ないしの方式のうち効果が著しい
点で、の方式が最も好ましく、次いでの方式、の
方式の順で好ましい。
【0016】単独では蛍光を発する化合物でも組み合わ
せることによって実質的に有害の蛍光を発しない状況を
作ることができる。例えば、フェルスター型エネルギー
移動が起こるための要件を満たす化合物を組み合わせて
多段階のエネルギー移動を繰り返し、エネルギー移動の
連鎖の最終段階で励起される化合物が本記録媒体の機能
上実質的に支障の無い波長領域に蛍光を発するようにす
れば、実質的な無蛍光状態を達成できる。
【0017】本発明の光情報記録媒体に用いられる蛍光
消光剤としては、種々のものを用いることができる。記
録層を構成する有機化合物の励起エネルギーを受容し得
る化合物としては、いわゆるフェルスター型エネルギー
移動が起こるための要件である、該記録層を構成する化
合物の蛍光スペクトルと該可視蛍光を発する化合物の吸
収スペクトルがある波長域において重なること、を満た
す化合物とされることが好ましい。エネルギー移動の結
果生じる励起一重項が速やかに、励起三重項に変化する
か、あるいは電子移動などの化学的変化を起こす化合物
が好ましいが、不要な化学変化を起こさない点で前者が
より好ましい。蛍光消光剤としては種々の化合物群を挙
げることができるが、代表例としては、強い電子受容性
の化合物群(例えばニトロ化合物、キノン類、テトラシ
アノキノジメタン類、アミニウム類、ジインモニウム
類)、強い電子供与性化合物群(例えばヒドラジン類、
ヒドラジド類、ヒドロキシルアミン類、ハイドロキノン
類、四置換ホウ素陰イオン類)、重金属錯体のような高
周期元素を含有する化合物群(例えばフェロセンなどの
メタロセン類、ビス(1,2−ベンゼンジチオラト)ニ
ッケル類、アゾ色素の重金属錯体類、ジピロメテン金属
錯体類、ポルフィリン重金属錯体類、重金属フタロシア
ニン類、重金属ナフタロシアニン類)などを挙げること
ができる。
【0018】本発明において蛍光消光剤は記録層のほ
か、これに隣接する保護層、中間層、下塗り層、接着
層、などの層、あるいは基板の中に添加されるが、好ま
しくは記録層または、これに隣接する有機化合物からな
る層中に添加することが好ましく、特に好ましくは記録
層中または保護層中である。
【0019】蛍光消光剤の例を挙げるが、本発明はこれ
らのみに限定されるものではない。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】本発明において蛍光消光剤の添加量として
は、記録層など、添加される層の固形分質量に対して
0.1〜50質量%とすることが好ましく、0.5〜2
0質量%とすることがより好ましい。
【0025】本発明の光情報記録媒体は、基板上に色素
化合物(有機化合物)を含有する記録層を有する。その
ような記録層形成色素の例としては、既に公知のポルフ
ィリン化合物、アゾ色素、金属アゾ系色素、キノフタロ
ン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフ
ェニル骨格色素、そしてクマリン化合物等が挙げられる
(例、特開平4−74690号広報、同7−30425
6号広報、同7−304257号広報、8−12717
05号公報、同11−53758号公報、同11−33
4204号公報、同11−334205号公報、同11
−334206号公報、同11−334207号公報、
特開2000−43423号公報、同2000−108
513号公報、同2000−149320号公報、同2
000−158818号広報、同2000−22802
8号広報、及び同2001−146074号広報な
ど)。これら以外の化合物であっても記録に用いるレー
ザ光を吸収し得る化合物であれば原理的には記録層用色
素として用いることができることは、当業者にとって容
易に想起しうることである。記録層に用いられる色素化
合物は、任意の位置で結合して多量体を形成していても
よく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていて
もよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ
ビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合し
ていてもよい。
【0026】本発明の光情報記録媒体の記録層の色素材
料として用いられる化合物は、例えば、特公昭57−1
9767号、同58−26016号、及び同61−57
619号の各公報、及び米国特許第4163671号明
細書に記載の方法、もしくはこれらに類似の方法により
合成することができる。
【0027】本発明の光情報記録媒体には、種々の構成
のものが含まれる。本発明の光情報記録媒体は、一定の
トラックピッチのプレグルーブが形成された円盤状基板
上に、記録層、光反射層および保護層をこの順に有する
構成、あるいは該基板上に光反射層、記録層および保護
層をこの順に有する構成であることが好ましい。また、
一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された透明
な円盤状基板上に、記録層及び光反射層が設けられてな
る二枚の積層体が、それぞれの記録層が内側となるよう
に接合された構成も好ましい。
【0028】本発明の光情報記録媒体では、より高い記
録密度を達成するために、CD−RやDVD−Rに比べ
て、さらに狭いトラックピッチのプレグルーブが形成さ
れた基板を用いることが可能である。本発明の光情報記
録媒体の場合、該トラックピッチは0.2〜0.8μm
の範囲にあることが好ましく、更に0.25〜0.8μ
mの範囲、特に0.27〜0.4μmの範囲にあること
が好ましい。基板のプレグルーブの深さは、0.03〜
0.18μmの範囲にあることが好ましく、0.05〜
0.15μmの範囲にあることがさらに好ましく、0.
06〜0.1μmの範囲にあることが特に好ましい。
【0029】本発明の光情報記録媒体として、円盤状基
板上に光反射層、記録層、および保護層をこの順に有す
る構成のものを例にとって、以下にその製造方法を説明
する。
【0030】本発明の光情報記録媒体の基板は、従来の
光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料
から任意に選択することができる。基板材料としては、
例えばガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル
共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモル
ファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げる
ことができ、所望によりそれらを併用してもよい。な
お、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある
基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿
性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネー
トが好ましい。
【0031】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目
的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料として
は例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メ
タクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合
体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルア
ミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスル
ホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート等の高分子物質;およびシランカップリン
グ剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層
は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液
を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップ
コート、エクストルージョンコートなどの塗布法により
基板表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあ
り、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0032】記録層の形成は、前記色素化合物、蛍光消
光剤、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤
に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表
面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行
うことができる。塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、
セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、
クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムア
ミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テ
トラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどの
エーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノールジアセトンアルコールなどのア
ルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノール
などのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール
エーテル類などを挙げることができる。
【0033】上記の溶剤は、使用する色素の溶解性を考
慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用す
ることができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV
吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じ
て添加してもよい。
【0034】結合剤を使用する場合に用いる結合剤の例
としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラ
ン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソ
ブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合
体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコー
ル、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹
脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等
の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙
げることができる。記録層の材料として結合剤を併用す
る場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.
01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましく
は0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このよ
うにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に
0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1
〜5質量%の範囲にある。
【0035】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層
の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好まし
くは30〜300nm、さらに好ましくは50〜300
nm、特に好ましくは50〜100nmの範囲にある。
【0036】記録層には、記録層の耐光性を向上させる
ために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャー
が用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に
公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用するこ
とができる。その具体例としては、特開昭58−175
693号、同59−81194号、同60−18387
号、同60−19586号、同60−19587号、同
60−35054号、同60−36190号、同60−
36191号、同60−44554号、同60−445
55号、同60−44389号、同60−44390
号、同60−54892号、同60−47069号、同
63−209995号、特開平4−25492号、特公
平1−38680号、及び同6−26028号等の各公
報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学
会誌1992年10月号第1141頁などに記載のもの
を挙げることができる。
【0037】好ましい一重項酸素クエンチャーの例とし
ては、例えば特開2001−146074号公報の一般
式(II)で表される化合物を挙げることができる。
【0038】前記の一重項酸素クエンチャーなどの褪色
防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜5
0質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量
%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特
に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
【0039】記録層の上側あるいは下側に隣接した位置
に、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射
層を設けることが好ましい。特に好ましくは基盤に接し
て光反射層を設置しその表面に自己組織化単分子層を設
置し、これに接して記録層を設置することが好ましい。
光反射層の材料である光反射性物質は、レーザ光に対す
る反射率が高い物質である。その例としては、Mg、S
e、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、M
o、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、
Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、A
l、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、S
n、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を
挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよ
いし、あるいは二種以上の組合せで用いてもよく、また
は合金として用いてもよい。これらの内で好ましいもの
は、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びス
テンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金
属、Al金属、あるいはこれらの合金であり、最も好ま
しくは、Ag金属、Al金属あるいはそれらの合金であ
る。光反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、ス
パッタリングまたはイオンプレーティングすることによ
り基板もしくは記録層の上に形成することができる。光
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲に
あり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
なお、以上の光反射層は、記録層により十分な反射率を
得ることができる場合には必ずしも必要なく、その場合
記録層が光反射層の役割を果たす。
【0040】光反射層もしくは記録層の上には、記録層
などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設
けることが好ましい。なお、DVD−R型の光情報記録
媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を
記録層を内側にして張り合わせる構成をとる場合は、必
ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層に用いられ
る材料の例としては、SiO、SiO2、MgF2、Sn
2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができ
る。保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られ
たフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートする
ことにより形成することができる。あるいは真空蒸着、
スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよ
い。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、こ
れらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、こ
の塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成するこ
とができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもし
くは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗
布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっ
ても形成することができる。これらの塗布液中には、更
に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤
を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般に
は0.1μm〜1mmの範囲、特に0.1〜100μm
の範囲にある。
【0041】以上の工程によって、基板上に、記録層、
光反射層そして保護層、あるいは基板上に、光反射層、
記録層そして保護層が設けられた光情報記録媒体を得る
ことができる。
【0042】本発明の情報記録方法は、上記光情報記録
媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず光情
報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場合は1.
2〜1.4m/秒)または定角速度にて回転させなが
ら、基板側あるいは保護層側から半導体レーザ光などの
記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層
が、照射された光を吸収して局所的に温度上昇し、物理
的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じ
て、その光学的特性を変えることにより、情報が記録さ
れる。本発明の光情報記録媒体は、記録光として550
nm以下、好ましくは390〜550nmの範囲の発振
波長を有する半導体レーザ光を用いる光情報記録方法に
特に有利に用いられる。好ましい光源の例としては、3
90〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導
体レーザ、中心発振波長515nmの青緑色半導体レー
ザ、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザを光導
波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425
nmの青紫色SHGレーザを挙げることができる。なか
でも、記録密度の点で青紫色半導体またはSHGレーザ
ーを用いることが特に好ましい。
【0043】上記の方法で記録された情報の再生は、情
報記録媒体を上記と同一の定線速度または定各速度で回
転させながら、半導体レーザ光を基板側あるいは保護層
側から照射して、その反射光を検出することにより実施
することができる。
【0044】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】[実施例1]表面にスパイラル状のプレグ
ルーブ(トラックピッチ:0.4μm、グルーブ幅:
0.2μm、グルーブの深さ:0.08μm)が射出成
形時に形成されたポリカーボネート基板(直径:120
mm、厚さ:1.1mm)のそのプレグルーブ側の表面
に銀をスパッタして、厚さ約100nmの光反射層を形
成した。この光反射層の上に、以下に示す色素化合物
(I−1)と前記蛍光消光剤(Q10)を2,2,3,
3−テトラフルオロプロパノールに溶解して得た塗布液
(濃度:色素に関して1質量%、蛍光消光剤に関して
0.1質量%)を、スピンコート法により塗布し、記録
層(厚さ(プレグルーブ内):約80nm)を形成し
た。次に、記録層上に厚さ0.1mmのポリカーボネー
トシートを貼り付けて、本発明に従う光ディスク(光情
報記録媒体)を得た。
【0046】
【化5】
【0047】[比較例1]実施例1において、蛍光消光
剤を添加しない以外は実施例1と同様にして、比較用の
光ディスクを得た。
【0048】[光ディスクとしての評価]実施例あるい
は比較例で作製した光ディスクを線速度4.9m/秒で
回転させながら、2T−EFM信号を発振波長405n
mの青紫色半導体レーザを用い、NA0.65のレンズ
を通して集光して記録し、その後、記録した信号を再生
した。最適パワーでのC/Nおよび変調度を測定した。
記録および記録特性評価はパルステック社製DDU10
00を用いて行なった。評価結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果から、蛍光消光剤を用いた本発
明の光ディスク(実施例1)は、蛍光消光剤を用いない
光ディスク(比較例1)に比べて、高いC/Nと変調度
を与えることがわかる。従って、本発明の光情報記録媒
体は短波長レーザ光に対して良好な記録特性を備えた光
情報記録媒体が得られることが分かる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、記録層又は該記録層に
隣接する層中に蛍光消光剤を添加することにより、55
0nm以下、特に450nm以下の短波長のレーザ光に
対して良好な記録特性を示す光情報記録媒体、及びこの
光情報記録媒体を用いた情報記録方法を得ることができ
る。従って、本発明により、CD−RやDVD−Rのよ
うな従来の光情報記録媒体よりも更に大容量の情報の記
録が可能な光情報記録媒体の記録再生特性を改良するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも、有機化合物を含
    有する記録層を有し、レーザ光の照射によって情報の記
    録再生が可能な光情報記録媒体であって、 前記記録層、又は該記録層に隣接する層中に、これらの
    層の蛍光強度を実質的に減少させる化合物を含有するこ
    とを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光情報記録媒体に波長
    550nm以下のレーザ光を照射して情報を記録するこ
    とを特徴とする情報記録方法。
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