JP2003251654A - アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法 - Google Patents

アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法

Info

Publication number
JP2003251654A
JP2003251654A JP2002361724A JP2002361724A JP2003251654A JP 2003251654 A JP2003251654 A JP 2003251654A JP 2002361724 A JP2002361724 A JP 2002361724A JP 2002361724 A JP2002361724 A JP 2002361724A JP 2003251654 A JP2003251654 A JP 2003251654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
composite
resin
producing
terephthalate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002361724A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4365578B2 (ja
Inventor
Masanori Narutomi
正徳 成富
Naoki Ando
直樹 安藤
Masao Takahashi
正雄 高橋
Masao Shiraishi
雅夫 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Purasu Co Ltd
Original Assignee
Taisei Purasu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Purasu Co Ltd filed Critical Taisei Purasu Co Ltd
Priority to JP2002361724A priority Critical patent/JP4365578B2/ja
Publication of JP2003251654A publication Critical patent/JP2003251654A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4365578B2 publication Critical patent/JP4365578B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電子機器、家電機器等において、金属製筐体の
良さと合成樹脂構造の良さを両立させ、生産性が高く量
産性があり、形状、構造の設計が自由にできる。また、
電子機器、家電機器のみに囚われず、各種部品、構造物
での軽量高強度化に役立つものである。 【解決手段】前処理として、アンモニア、ヒドラジン、
ヒドラジン誘導体、及び水溶性アミン系化合物から選択
される1種以上の水溶液に浸漬する。これをリブ3を射
出するための射出成形金型にインサートする。金属フレ
ーム2の表面に射出成形により熱可塑性樹脂組成物が充
填してリブ3の成形を行う。成形されたケースカバー1
の筐体は、金属フレーム2と熱可塑性樹脂組成物で作ら
れたリブ3とが一体に接合されて、強度的にも、外観の
デザイン上も金属の特徴を活かし、しかも筐体内部の形
状、構造も複雑な形状とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の筐体、
家電機器の筐体、構造用部品、機械部品等に用いられる
アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法に関
する。更に詳しくは、各種機械加工方法で製造されたア
ルミニューム合金形状物に、熱可塑性樹脂を一体化した
構造物に関し、モバイル用の各種電子機器、家電製品、
医療機器、車両用構造部品、車両搭載用品、建築資材の
部品、その他の構造用部品や外装用部品等に用いられる
アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】金属と樹脂を一体化する技術は、自動
車、家庭電化製品、産業機器等の部品製造等の広い分野
から求められており、このために多くの接着剤が開発さ
れている。この中には非常に優れた接着剤がある。常
温、又は加熱により機能を発揮する接着剤は、金属と合
成樹脂を一体化する接合に使われ、この接合方法は現在
では一般的な技術である。
【0003】しかしながら、接着剤を使用しない、より
合理的な接合方法がないか従来から研究されて来た。マ
グネシューム、アルミニュームやその合金である軽金属
類、ステンレスなど鉄合金類に対して、接着剤の介在な
しで高強度のエンジニアリング樹脂を一体化する方法、
例えば、金属側に樹脂成分を射出成形等の方法で接着
(固着)する方法、略して本発明者が定義し銘々する
「射出接着」(射出成形による成形方法に限定する意味
ではない。)法は、現在のところ実用化されていない。
【0004】本発明者らは鋭意研究開発を進め、水溶性
還元剤の水溶液にアルミニウム合金形状物を浸漬した
後、アルキレンテレフタレート樹脂を主成分とする熱可
塑性樹脂組成物と高温高圧下で接触させると特異的に接
着力(本発明では、「固着力」と同義に用いる。)が上
昇することを発見した。これを特許文献1として提案し
た。
【0005】本発明者らは、金属合金のうち特にアルミ
ニューム合金に注目した。アルミニュームは軽量であり
資源としても豊富である。この合金化や表面処理で、本
来の物性である優れた伸展性、電導性、熱伝導性に加
え、合金化で高強度化、高耐食性化、快削性化、高伸展
性化などが可能であり、現在、広い分野で用いられてい
るためである。特に今後、個人の情報化が更に進展しモ
バイル電子機器が汎用的に使われるようになれば、これ
らの機器の軽量化への要望はがより高くすることが予想
される。この点でアルミニューム合金は更に利用度が大
きくなると予想される。
【0006】本発明者らは、本発明者らによる前述した
発明のうちアルミニュ−ム合金とポリブチレンテレフタ
レート(以下、「PBT」という。)を主に含有する熱
可塑性樹脂組成物に対象を絞って、前述した発明に関す
る水平展開に関し実験を繰り返した。前述した発明では
アルミニューム合金を、水溶性還元剤の水溶液で処理す
るのが特徴であったが、還元剤を使用しても処理水溶液
から取り出すと空気中の酸素により瞬時に表面は酸化さ
れ、最終的な表面状態で言えば表面はゼロ価のアルミニ
ューム金属状態ではないことがX線電子分光法(XP
S)による表面分析等で観察された。
【0007】一方、前述した発明で主に使用したヒドラ
ジンは特に危険なものではないが、これ以外で表面処理
した有効な処理薬品を確認することも大事なことと考え
た。これらを勘案し、射出接着理論の仮説作りと実証実
験を行なうこととした。これは、確実な射出接着法を開
発する上で役立つと考えたからである。
【特許文献1】特願2001−314854号。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した本発明者らの
発明を発展させ、ヒドラジンや高価な水素化ホウ素ナト
リューム(NaBH4)、扱いが難しい水素化アルミニウム
リチューム(LiAlH4)等の還元剤を使用しないでアルミ
ニューム合金の表面を処理し、同じ目的を達成する方法
を開発しようとした。
【0009】また、アルミニューム合金には強度やその
他の性質を改良した多くの種類がある。マグネシュー
ム、珪素、銅、その他の金属が含有されるアルミニュー
ム合金に対しても満足できる射出接着力で樹脂が接着で
きるような前処理方法も必要であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の本発明のアルミニ
ューム合金と樹脂の複合体は、アンモニア、ヒドラジ
ン、ヒドラジン誘導体、及び水溶性アミン系化合物から
選択される1種以上の水溶液に浸漬する工程を経たアル
ミニューム合金形状物と、前記アルミニューム合金形状
物の表面に、ポリアルキレンテレフタレート、前記ポリ
アルキレンテレフタレートを主体とする共重合体、及び
前記ポリアルキレンテレフタレートを成分として含む熱
可塑性樹脂組成物から選択される1種以上が一体に付着
していることを特徴とする。
【0011】第1の本発明のアルミニューム合金と樹脂
の複合体の製造方法は、前記アルミニューム合金を機械
加工してアルミニューム合金形状物とする加工工程と、
前記アルミニューム合金形状物をアンモニア、ヒドラジ
ン、ヒドラジン誘導体、及び水溶性アミン系化合物から
選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程と、成
形用の金型に前記浸漬工程で浸漬処理された前記アルミ
ニューム合金形状物を挿入して、前記アルミニューム合
金形状物の表面に、ポリアルキレンテレフタレート、前
記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合
体、及び前記ポリアルキレンテレフタレートを成分とし
て含む熱可塑性樹脂組成物から選択される1種以上を加
圧、加熱して一体にする成形工程とからなることを特徴
とする。
【0012】第2の本発明のアルミニューム合金と樹脂
の複合体は、塩基水溶液に浸漬し、次に酸水溶液に浸漬
した後に、アンモニア、ヒドラジン、ヒドラジン誘導
体、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上
の水溶液に浸漬する工程を経たアルミニューム合金形状
物と、前記アルミニューム合金形状物の表面に、ポリア
ルキレンテレフタレート、前記ポリアルキレンテレフタ
レートを主体とする共重合体、及び前記ポリアルキレン
テレフタレートを成分として含む熱可塑性樹脂組成物か
ら選択される1種以上が一体に付着していることを特徴
とする。
【0013】第2の本発明のアルミニューム合金と樹脂
の複合体の製造方法は、前記第1の発明の製造方法に加
えて、前記アルミニューム合金形状物の前記加工工程の
後に、前記アルミニューム合金形状物を塩基性水溶液に
浸漬する第1浸漬工程と、前記第1浸漬処理で浸漬処理
された前記アルミニューム合金形状物を中和処理するた
めに酸水溶液に浸漬する第2浸漬工程と、を加えると良
い。
【0014】第3の本発明のアルミニューム合金と樹脂
の複合体は、水溶性還元剤水溶液に浸漬した後に、アン
モニア、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、及び水溶性ア
ミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬す
る工程を経たアルミニューム合金形状物と、前記アルミ
ニューム合金形状物の表面に、ポリアルキレンテレフタ
レート、前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とす
る共重合体、及び前記ポリアルキレンテレフタレートを
成分として含む熱可塑性樹脂組成物から選択される1種
以上が一体に付着していることを特徴とする。
【0015】第3の本発明のアルミニューム合金と樹脂
の複合体の製造方法は、前記アルミニューム合金を機械
加工してアルミニューム合金形状物とする加工工程と、
前記アルミニューム合金形状物を水溶性還元剤の水溶液
に浸漬する第1浸漬工程と、前記第1浸漬工程で浸漬処
理された前記アルミニューム合金形状物を、アンモニ
ア、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、及び水溶性アミン
系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬する第
3浸漬工程と、成形用の金型に前記第3浸漬工程で浸漬
処理された前記アルミニューム合金形状物を挿入して、
前記アルミニューム合金形状物の表面に、ポリアルキレ
ンテレフタレート、前記ポリアルキレンテレフタレート
を主体とする共重合体、及び前記ポリアルキレンテレフ
タレートを成分として含む熱可塑性樹脂組成物から選択
される1種以上を加圧、加熱して一体にする成形工程と
からなることを特徴とする。
【0016】以下、前述した各本発明のアルミニューム
合金と樹脂の複合体の製造を構成する各要件毎に詳細に
説明する。 〔アルミニューム合金形状物〕アルミニューム合金形状
物の素材として使用されるアルミニューム合金は、JI
S規格化されている1000〜7000番系の物、また
ダイキャストグレードの各種のものが使用できる。10
00番系は高純度アルミ系の合金であるが、その他はア
ルミニューム以外にマグネシューム、珪素、銅、マンガ
ン、その他が含まれた多種の目的に合わせた合金系であ
る。この表面の前処理工程は、アルミニューム以外の金
属が比較的多く含まれる合金種では、後述する「前処理
工程/処理法II」が好ましい方法であるが、必ずしもこ
の前処理工程は必要なものではない。何れにせよ、高純
度アルミニューム合金のみならず現在実際に使用されて
いるアルミニューム合金の多くが使用可能である。
【0017】射出成形による樹脂の接着を行う場合、ア
ルミニウム合金形状物は、アルミニウム合金の塊、板
材、棒材などから塑性加工、鋸加工、フライス加工、放
電加工、ドリル加工、プレス加工、研削加工、研磨加工
等を単独、又はこれらの加工を組み合わせて所望の形状
に機械加工する。この機械加工により、射出成形加工の
インサート用として必要な形状、構造に加工される。必
要な形状、構造に加工されたアルミニウム合金形状物
は、接着すべき表面が酸化や水酸化された錆等の厚い被
膜がないことが必要であり、長期間の自然放置で表面に
錆の存在が明らかなものは研磨して取り除くことが必要
である。
【0018】研磨と兼ねてもよいが、以下に述べる水溶
液を使った表面処理工程の直前にサンドブラスト加工、
ショットブラスト加工、研削加工、バレル加工等で表面
層を機械加工により除去することが好ましい。後述する
熱可塑性樹脂組成物と接着(固着)する面がこれらの加
工によって表面が粗い面、即ち表面粗さが大きくなり、
より接着効果を高めることが好ましい。
【0019】加えて、表面加工は、金属加工工程で残っ
た表面の油脂層、機械加工後にアルミニューム合金形状
物の保存保管期間中に、その表面に生じた酸化物層、腐
食物層等を剥ぎ取ってアルミニューム合金表面を更新す
るなどの重要な役目がある。これで次工程の効果を更新
された表面全体に均一に作用させることができる。ま
た、本発明者らによれば、ブラスト処理をしたアルミニ
ューム合金形状物は、乾燥空気下での1週間程度の保管
であれば、即日、次工程で処理したものとその表面状態
は大差ないようであった。
【0020】〔洗浄工程〕この洗浄工程は、前述した機
械加工で表面を加工するので必ずしも必要ではない。し
かしながら、アルミニューム合金形状物の表面には、油
脂類や微細な塵が付着している。特に、機械加工された
表面には、機械加工時に用いられるクーラント液、切粉
等が付いておりこれらを洗浄することが好ましい。汚れ
の種類によるが、有機溶剤での洗浄と水洗浄の組合せで
行なうのが好ましい。水溶性の有機溶剤、例えば、アセ
トン、メタノール、エタノールなどであれば、有機溶剤
に浸漬して油性汚れを除いた後で水洗して溶剤を除くの
が容易である。もし強く油性物が付着している状況であ
れば、ベンジン、キシレンなどの有機溶剤で洗浄する。
【0021】この場合も後で水洗浄して乾燥することが
好ましい。洗浄後の保存期間も可能な限り短くする。出
来れば、洗浄工程と次に示す工程(前処理工程)は時間
を置かずに引き続いて処理されるのが好ましい。連続的
に処理する場合は、洗浄工程の後に乾燥する必要はな
い。
【0022】〔前処理工程/処理法I〕アルミニューム
合金形状物をアンモニア(NH3)、ヒドラジン(N
2H4)、ヒドラジン誘導体、及び水溶性アミン系化合物
から選択される1種以上の水溶液に浸漬する。アンモニ
アの水溶液は、市販のアンモニア水が使用できる。ヒド
ラジンを使用するときは、ヒドラジン水和物やヒドラジ
ン60%水溶液が市販されておりこれも使用できるし、
ヒドラジン誘導体の水溶液、例えばカーボジヒドラジド
(NH2-NH-CO-NH-NH2)の水溶液も使用できる。水溶性ア
ミン系化合物としては低級アミン類が使え、特にメチル
アミン(CH3NH2)、ジメチルアミン((CH3)2NH)、トリ
メチルアミン((CH3)3N)、エチルアミン(C2H5NH2)、
ジエチルアミン((C2H5)2NH)、トリエチルアミン
((C2H5)3N)、エチレンジアミン(H2NCH2CH2NH2)、エ
タノールアミン(モノエタノールアミン(HOCH2CH2N
H2)、アリルアミン(CH2CHCH2NH2)、ジエタノールア
ミン((HOCH2CH2)2NH)、等が好ましい。
【0023】使用する水溶液での上記化合物濃度は、2
〜30%程度が使用でき、浸漬時間は常温〜60℃で数
分〜30分である。例えば、アンモニアであれば、濃度
10〜30%、常温下で15〜120分が好ましい。こ
れらの水溶液で浸漬処理後、水洗して乾燥する。
【0024】アンモニア水溶液にアルミニューム合金を
浸漬することで、アルミニュームは水素を発泡しつつア
ルミン酸イオンとなって溶解し、表面は微細なエッチン
グ面となる。このアンモニア水溶液に浸漬し、水洗乾燥
した後のアルミニューム合金の表面のX線電子分光法
(XPS)による分析では、確かではないがアルミニュ
ーム合金の表面に窒素が残存しており、これが射出接着
に有効なように推定される。
【0025】〔前処理工程/処理法II〕前述した前処理
Iの前に次に説明する前処理IIを行うと、アルミニュー
ム合金形状物と熱可塑性樹脂組成物との接着が効果的で
ある。アルミニューム合金表面に微細なエッチング面を
形成するための処理である。アルミニューム合金形状物
をまず塩基性水溶液(pH>7)に浸漬し、その後にアル
ミニューム合金形状物を水洗する。塩基性水溶液に使う
塩基としては、水酸化ナトリューム(NaOH)、水酸化カ
リューム(KOH)等の水酸化アルカリ金属類の水酸化
物、又はこれらが含まれた安価な材料であるソーダ灰
(Na2CO3、無水炭酸ナトリウム)、アンモニア等が使用
できる。
【0026】また、水酸化アルカリ土類金属(Ca,Sr,B
a,Ra)類も使用できるが、実用上は安価で効能のよい前
者の群から選べばよい。水酸化ナトリューム使用の場合
は0.1〜数%濃度の水溶液、ソーダ灰使用の場合も0.
1〜数%が好ましく、浸漬時間は常温では数分である。
この浸漬処理後、水洗する。塩基性水溶液に浸漬するこ
とにより、アルミニューム合金の表面は水素を放ちつつ
アルミン酸イオンになって溶解しアルミニューム合金表
面は微細なエッチング面になる。
【0027】中和処理 次に酸水溶液に浸漬し、その後水洗する。酸水溶液を使
用する目的は中和である。水酸化ナトリュームなどが前
工程でアルミニューム表面に残存すると、製品として使
用されるとき腐食の進行を早めることが予想されるので
中和が必要である。また、マグネシューム、銅、珪素等
のアルミニューム合金内に固溶していた金属が塩基性水
溶液の前工程では完全溶解せずに表面近傍に水酸化物そ
の他の組成物となって存在しているので、酸水溶液に浸
漬することでこれらを取り除くこともできる。
【0028】従って、この目的に合う酸水溶液であれば
如何なる酸水溶液であってもよい。具体的には、希硝酸
が好ましく、珪素含有のアルミニューム合金では酸化ケ
イ素対策でフッ化水素酸を添加することも好ましい。硝
酸(HNO3)の濃度は数%程度、フッ化水素酸(液体フッ
化水素の水溶液)の濃度は0〜0.5%が好ましく使用
できる。硝酸の濃度が高いと、アルミニューム合金の表
面がアルマイト状態に近づき次工程で不都合が生じ易
い。浸漬時間は数分で十分である。前工程で、表面に灰
汁の様な物(アルミニュームに添加されている金属の水
酸化物や酸化ケイ素が主成分)が付着して汚れ付着の様
になっている場合は、この灰汁状物が溶けるか剥がれれ
ばこの工程を終了してよいと判断する。次に、アルミニ
ューム合金形状物を酸水溶液から引き上げて水洗する。
【0029】アミン系化合物等への浸漬 次に、前述した前処理Iと同様に、アンモニア、ヒドラ
ジン、ヒドラジン誘導体、及び水溶性アミン系化合物か
ら選択される1種以上の水溶液に浸漬し水洗し乾燥す
る。水溶液とするこれら化合物の濃度は薄くてもよく、
0.05〜10%で十分である。常温で数分浸漬し、水
洗乾燥する。
【0030】〔前処理工程/処理法III〕前述した前処
理Iの前に次に説明する前処理IIIを行うと、アルミニ
ューム合金形状物と熱可塑性樹脂組成物との接着が効果
的である。アルミニューム合金形状物をまず水溶性還元
剤の水溶液に浸漬し水洗する。水溶性還元剤としては、
亜硫酸アルカリ金属、亜硫酸水素アルカリ金属、ヒドラ
ジン(N2H4)、水素化ホウ素アルカリ金属(例えば、水
素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)等)、水素化アルミニ
ュームアルカリ金属(例えば、水素化アルミニウムリチ
ューム(LiAlH4)等)等が使用できるが、特に、亜硫酸
ナトリュームが好ましく使用できる。亜硫酸ナトリュー
ム水溶液を使用する場合、濃度は1〜5%程度、浸漬時
間は常温で数分〜10分である。
【0031】次に、前述した前処理I及び前処理IIと同
様に、アンモニア、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、及
び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶
液に浸漬し水洗し乾燥する。水溶液とするこれら化合物
の濃度は薄くてよく、0.05〜1%で十分である。常
温で数分浸漬し、水洗乾燥する。
【0032】〔前処理後のアルミニューム合金形状物の
保管〕乾燥後のアルミニューム合金形状物は乾燥空気下
で保管する。この保管時間は短いほうがよいが、常温で
1週間以内であれば問題はない。
【0033】〔熱可塑性樹脂組成物〕アルミニウム合金
形状物に固着される熱可塑性樹脂組成物について述べ
る。ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンテ
レフタレートを主体とする共重合体、及びポリアルキレ
ンテレフタレートを成分として含む熱可塑性樹脂組成物
から選択される1種以上からなる。ポリアルキレンテレ
フタレートとしてポリブチレンテレフタレート(PB
T)が好ましい。
【0034】このPBTを含むポリマーは、PBT単独
のポリマー、PBTとポリカーボネート(以下、「P
C」という。)のポリマーコンパウンド、PBTとアク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(以下、「A
BS」という。)のポリマーコンパウンド、PBTとポ
リエチレンテレフタレート(以下、「PET」とい
う。)のポリマーコンパウンド、PBTとポリスチレン
(以下、「PS」という。)のポリマーコンパウンドか
ら選択される1種以上が好ましく使用できる。
【0035】また、これらポリマーにフィラーを含有さ
せて機械的特性を改善する。フィラーの含有は、特にア
ルミニューム合金形状物と熱可塑性樹脂組成物との線膨
張率を一致させるという観点から非常に重要である。フ
ィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊
維、その他これらに類する高強度繊維が良い。
【0036】前記ポリマーコンパウンドには、物性を改
良するための充填材が加えられていると良い。充填材
は、カーボンブラック、炭酸カルシューム、ケイ酸カル
シウム、炭酸マグネシューム、シリカ、タルク、粘土、
リグニン、アスベスト、雲母、石英粉、ガラス球等のよ
うに公知の材料から選択される1種以上からなると良
い。
【0037】前記フィラーを含まない場合でも強固に接
着し、金属に接着した樹脂成形物を取り去るには非常に
強い力が必要である。しかしながら成形された複合体を
温度サイクル試験にかけると、前記フィラーを含まない
熱可塑性樹脂組成物の系ではサイクルを重ねることで急
速に接着強度が低下する。これには二つの原因があると
推定される。
【0038】一つは、線膨張率でアルミニウム合金形状
物と熱可塑性樹脂組成物に大きな差があることによる。
純アルミニュームの線膨張率は金属の中では大きい方だ
が、それでも熱可塑性樹脂組成物よりかなり小さい。フ
ィラーの存在は熱可塑性樹脂組成物の線膨張率を下げ、
アルミニューム合金の線膨張率(純アルミニュームで
2.386×10−5)に近づける。フィラーの種類と
その含有率を選べば線膨張率はアルミニューム合金にか
なり近い値にできる。
【0039】もう一つは、インサート成形後のアルミニ
ウム合金形状物の冷却縮みと熱可塑性樹脂組成物の成形
収縮の関係である。フィラーを含まない熱可塑性樹脂組
成物の成形収縮率は小さなものでも0.6%程度であ
る。一方、アルミニューム合金の冷却縮み、例えば熱可
塑性樹脂組成物を射出してから室温まで100℃程度冷
えるとして約0.2%、は熱可塑性樹脂組成物の成形収
縮率よりずっと小さく、差がある。射出成形金型から離
型して時間が経ち、熱可塑性樹脂組成物が落ち着いてく
ると、界面に内部歪が生じ僅かな衝撃で界面破壊が起こ
って剥がれてしまう。
【0040】この現象をより具体的に述べると次のよう
になる。アルミニューム合金では熱膨張率、詳しくは温
度変化に対する線膨張率は2〜3×10-5-1である。
一方、PBTやPBT含有のポリマーコンパウンドのそ
れは7〜8×10-5-1である。線膨張率を下げるた
め、フィラーの熱可塑性樹脂組成物における含有率は高
い方が好ましく、含有率は20%以上、より好ましくは
30%以上が好ましい。PBTやPBT含有のポリマー
コンパウンドに高強度繊維や無機フィラーを含有率で3
0〜50%含ませると線膨張率は2〜3×10-5-1
なりアルミニュームとほぼ一致する。
【0041】また、このとき成形収縮率も低下する。成
形収縮率について言えば、PBTの高い結晶性が収縮率
を上げているので、結晶性の低い樹脂、PET、PC、
ABS、PS、その他を混ぜてコンパウンド化した方が
更に低下できる。しかし、PBT濃度も下がるのでその
最適含有率はまだ詳細には調べていない。
【0042】〔成形/射出成形〕射出成形金型を用意
し、金型を開いてその一方にアルミニューム合金形状物
をインサートし、金型を閉め、前記の熱可塑性樹脂組成
物を射出し、金型を開き離型する方法である。形状の自
由度、生産性など最も優れた成形法である。大量生産で
は、インサート用にロボットを用意すればよい。
【0043】次に、射出条件について述べる。金型温
度、射出温度は高い方が良い結果が得られるが無理に上
げることはなく、前記の熱可塑性樹脂組成物を使う通常
の射出成形時とほぼ同様の条件で十分な接着効果が発揮
できる。接着力を上げるためには、むしろ金型のゲート
構造において出来るだけピンゲートを使うことに留意し
た方がよい。ピンゲートでは樹脂通過時に生じるせん断
摩擦で瞬時に樹脂温度が上がりこれが良効果を生むこと
が多い。要するに、円滑な成形を阻害しない範囲で出来
るだけ接着面に高温の樹脂溶融物が接するように工夫す
るのが良いようにみられた。
【0044】〔成形/射出成形以外の方法〕金型にアル
ミニューム合金形状物と薄い熱可塑性樹脂組成物からな
る樹脂形状物の双方をインサートし、他方の金型で閉め
て加熱しつつ押し付ける成形法、即ち加熱プレス成形で
も一体化品を得ることができる。量産に適した方法では
ないが、形状によっては使える可能性はある。接着の原
理は、前記した射出接着と同じである。
【0045】その他に、パイプ状物、板状物などの一体
化品が求められる場合に、押し出し成形という方法が使
用されるが、この押し出し成形でも本発明は利用可能で
ある。前述した熱可塑性樹脂組成物が、加熱溶融状態の
時に処理されたアルミニューム合金形状物の表面と接触
することが重要であるだけであり、理論的には成形方法
を選ばないはずである。ただ、押し出し成形では溶融樹
脂とアルミニューム合金形状物の表面の間にかかる圧力
が射出成形等と比較すると著しく低い。この点で最強の
接着力を示すことは期待できないが実用性との関係で十
分使用に耐える設計があるはずである。
【0046】
【作用】本発明によれば、アルミニューム合金形状物を
アンモニア、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、及び水溶
性アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸
漬する。この工程を経たアルミニューム合金形状物とポ
リアルキレンテレフタレートを含む熱可塑性樹脂組成物
は、インサートを使った射出成形、その他による手法で
強固に接着することができる。実用的には、この熱可塑
性樹脂組成物として、高濃度のフィラーを含むPBTや
PBTを主成分とするコンパウンドが好ましい。
【0047】この様なことが可能になった理由は、アル
ミニューム合金をアミン系化合物の水溶液で処理したこ
とにある。この処理によりアルミニューム合金の表面が
親PBT表面に変わったものと推定される。更に、各種
のアルミニューム合金に対して前記の熱可塑性樹脂組成
物を強固に付けられるようにするため、アミン系化合物
水溶液処理の前に化学的エッチングや、塩基/酸水溶液
への浸漬処理を加えた方法が使えることについて開示す
るものである。
【0048】本発明を使用することで、モバイル電子機
器や家電機器の軽量化や、車載機器や部品の軽量化、ロ
ボットの腕や足の軽量化、その他多くの分野で部品、筐
体の供給に役立つものとみている。
【0049】
【発明の実施の形態】図1は、携帯電話ケースカバーの
外観図である。図2は、図1で示す携帯電話ケースカバ
ーをI−I線で切断したときの断面図である。ケースカ
バー1は、アルミニューム合金製の板材から機械加工に
より作られた金属フレーム2から形成されている。金属
フレーム2は、詳細にはプレス機とこれで駆動される金
型により塑性加工し、更に必要に応じて切削加工して作
られたものである。
【0050】金属フレーム2の内面には、隔壁と補強に
ために熱可塑性樹脂組成物のリブ3が一体に固着されて
いる。この固着は後述する方法により射出成形されて金
属フレーム2と一体化されている。射出に使用する熱可
塑性樹脂組成物については前述したものである。リブ3
を射出成形する前に金属フレーム2の表面は前述した各
種水溶液による浸漬処理が既になされている。
【0051】以下、リブ3等を射出成形法で固着する方
法(射出固着)について詳細に説明する。前述した金属
フレーム2は、浸漬による表面処理後、可能な限り保管
開始1週間以内に取り出され、リブ3を射出するための
射出成形金型にインサートされる。図3は、金属フレー
ム2の表面に射出成形により熱可塑性樹脂組成物が充填
される射出成形金型の断面図である。可動側型板10の
キャビティーに、前処理された金属フレーム2を挿入配
置する。
【0052】金属フレーム2をキャビティーに挿入した
状態で可動側型板10を閉じる。キャビティー11は、
可動側型板10と固定側型板13とを閉めた状態で、金
属フレーム2、可動側型板10、固定側型板13で形成
された空間である。このキャビティー11にランナー1
5、ゲート14を介してリブ3を構成する溶融樹脂が供
給され、リブ3の成形を行う。完成されたケースカバー
1の筐体は、金属フレーム2と熱可塑性樹脂組成物で作
られたリブ3とが一体に接合されて、強度的にも、外観
のデザイン上も金属の特徴を生かし、しかも筐体内部の
形状、構造も複雑な形状とすることができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を実験例に代えて詳記
する。実験例1 市販の1mm厚のA1100アルミニューム合金板を購
入した。20mm×50mmの長方形片100個に切断
した。このアルミニュウーム片を両面テープでゴムシー
トに貼り付けブラスト装置(図示せず)に入れた。研磨
量が約5μレベルになるようにエヤーパルス時間を設定
し、エヤーブラスト処理した。ブラスト装置から取り出
し、平均で5時間以内置いた後、アセトン4リットルに
10分浸漬して取り出し、イオン交換水4リットルに漬
けてかき混ぜプラスチック製ザルにあけ、更にイオン交
換水2リットルをかけて洗浄した。
【0054】次に、28%濃度のアンモニア水をポリエ
チレン製ビーカーに0.5リットル用意し、先ほどのア
ルミニューム片を浸漬した。これを25分後に引き上
げ、水道水で十分に洗浄した。更に、ビーカーに満たし
たアセトンに数秒漬けた後、高圧空気を吹き付けて乾燥
し、乾燥空気で満たされている保管箱内に収納した。
【0055】2日後、保管箱からアルミニューム片を取
り出て、油分等が付着せぬよう手袋で摘まんで射出成形
金型にインサートした。金型を閉め、ガラス繊維20
%、炭素繊維10%、超微粉炭酸カルシューム10%含
有のPBT/PET樹脂(PBT約85%とPET約1
5%、三菱レイヨン(株)社製)を射出し、図4で示す
ように一体化した複合体を得た。
【0056】図4に示す矩形の基台は板状の金属片21
である。これは先ほど得たアルミニューム片と同じ厚さ
1mmであり20mm×50mmの長方形形状である。
ここへ2個のピンゲート22、23から樹脂組成物が注
入されボス形状物24とリブ形状物25が形成される。
ボス形状物24は接着面が直径8mmの円形状であり、
リブ形状物25は接着面が8mm×25mmの長方形状
である。ボス形状物24、リブ形状物25とも高さが8
mmあり、ボス形状物24の方は中心に直径2mmの穴
が開いておりトルク測定用のネジ山付き測定端をねじ込
めるようにしてある。
【0057】金型温度は90℃とし、射出成形機の加熱
筒の最終部分温度とノズル温度は260℃とした。成形
品を成形後室内に1週間放置した後、接着力を検査し
た。アルミ板部分を机の上に押さえ付けボス形状物24
およびリブ形状物25の先端を親指で水平方法に強く押
して樹脂部分を剥がそうとしたが指に傷が行きそうにな
るまで押しても剥がすことは出来なかった。この簡易的
な試験を10個の成形品について実施したが全て同じで
あった。
【0058】この10個を含む計70個について、ペン
チでリブ形状物25の樹脂部を真上から(ペンチが垂直
方向になるようにして)掴み、そのままペンチを傾けリ
ブ形状物25を剥がそうとした。しかし、70個とも接
着面は全く剥がれずリブ形状物25が途中から折れた。
ボス形状物24を同様にペンチで挟んで折り曲げたとこ
ろ、17個はアルミニューム板から剥がすことが出来た
が、ボス形状物24の接着していたアルミ面には点々と
小さな樹脂残砕が残っており材料破壊が生じていた。残
りの53個は剥がすことはできずボス形状物24が途中
で折れた。
【0059】更に、別の10個についてボス形状物24
にある穴にネジ山付き測定端を突っ込んでトルク測定器
を回した。ボス形状物24が剥がれる時のトルクを測ろ
うとしたが、全てのものでトルクが約200Ncmを過
ぎた辺りで樹脂側の穴が削れてしまい空回りしボス形状
物24は剥がれなかった。
【0060】更に、別の10個を取って金属皿の上に乗
せ、85℃と−40℃の間の温度サイクル試験を実施し
た。室温から+0.7℃/分で昇温して85℃にして2
時間置き、次に0.7℃/分の速度で室温(実験時は2
5℃)まで戻し、1時間置いてからまた同じ速度で−2
0℃まで冷やした。−40℃に2時間置き、今度は+
0.7℃/分で昇温して室温に戻し1時間置いてからま
た昇温するという温度サイクル試験である。全100サ
イクルしてから前記と同じペンチとトルク測定器を使っ
た試験をした。結果は温度サイクル試験をしない場合の
試験結果と同じであった。
【0061】更に、別の10個について高温高湿試験を
実施した。具体的には85℃、60%湿度の条件下に2
4時間放置し室温下に1時間かけて戻してから前期と同
じペンチとトルク測定器を使った試験をした。結果は高
温高湿試験を行っていない前記試験結果と同じであっ
た。全体として見た場合、接着物の破壊試験としては驚
くほど安定した結果を得た。
【0062】実験例2 市販の1mm厚のA5052アルミニューム合金板を購
入した。20mm×50mmの長方形片50個に切断し
た。これを実施例1と同じ方法で洗浄した。次に、1%
濃度の水酸化ナトリューム水溶液をポリエチレン製ビー
カーに500g用意し、前述したアルミニューム片を浸
漬した。2分後に引き上げ、水道水で十分に洗浄した。
【0063】次に、1%濃度の硝酸と0.2%濃度のフ
ッ化水素酸を含む水溶液をポリエチレン製ビーカーに5
00cc用意し、先ほどのアルミニューム片を1分間浸
漬して中和した。引き上げて水道水で十分に洗浄した。
次に、1%濃度のメチルアミン水溶液をポリエチレン製
ビーカーに500g用意し、先ほどのアルミニューム片
を1分間浸漬し、引き上げて水道水で十分に洗浄した。
【0064】更に、ビーカーに満たしたアセトンに数秒
漬けた後、高圧空気を吹き付けて乾燥し、乾燥空気で満
たされている保管箱内に収納した。2日後、保管箱から
アルミニューム片を取り出し、油分等が付着せぬよう手
袋で摘まんで射出成形金型にインサートした。その後は
実施例1と全く同様に成形を実施した。得られた一体化
物のうち10個について、アルミ板部分を机の上に押さ
えつけボス形状物24およびリブ形状物25の先端を親
指で水平方法に強く押して樹脂部分を剥がそうとした
が、全て、指に傷が行きそうになるまで押しても剥がす
ことは出来なかった。
【0065】この10個を含む計50個について、ペン
チでリブ形状物25の樹脂部を真上から(ペンチが垂直
方向になるようにして)掴み、そのままペンチを傾けリ
ブ形状物25を剥がそうとした。しかし、50個とも接
着面は全く剥がれずリブ形状物25が途中から折れた。
ボス形状物24を同様にペンチで挟んで折り曲げたとこ
ろ、7個はアルミニューム板から剥がすことが出来た
が、ボス形状物24の接着していたアルミ面には点々と
小さな樹脂残砕が残っており材料破壊が生じていた。残
りの43個は剥がすことはできずボス形状物24が途中
で折れた。
【0066】実験例3 市販の1mm厚のA1100アルミニューム合金板を購
入した。20mm×50mmの長方形片50個に切断し
た。これを実施例1と同じ方法で洗浄した。次に、5%
濃度の亜硫酸ナトリューム水溶液をポリエチレン製ビー
カーに500g用意し、先ほどのアルミニューム片を浸
漬した。10分後に引き上げ、水道水で十分に洗浄し
た。
【0067】次に、1%濃度のエチレンジアミン水溶液
をポリエチレン製ビーカーに500g用意し、先ほどの
アルミニューム片を1分間浸漬し、引き上げて水道水で
十分に洗浄した。更に、ビーカーに満たしたアセトンに
数秒漬けた後、高圧空気を吹き付けて乾燥し、乾燥空気
で満たされている保管箱内に収納した。
【0068】2日後、保管箱からアルミニューム片を取
り出し、油分等が付着せぬよう手袋で摘まんで射出成形
金型にインサートした。その後は実施例1と全く同様に
成形を実施した。得られた一体化物のうち10個につい
てアルミ板部分を机の上に押さえつけボス形状物24お
よびリブ形状物25の先端を親指で水平方法に強く押し
て樹脂部分を剥がそうとしたが、全て、指に傷が行きそ
うになるまで押しても剥がすことは出来なかった。
【0069】この10個を含む計50個について、ペン
チでリブ形状物25の樹脂部を真上から(ペンチが垂直
方向になるようにして)掴み、そのままペンチを傾けリ
ブ形状物25を剥がそうとした。しかし、50個とも接
着面は全く剥がれずリブ形状物25が途中から折れた。
ボス形状物24を同様にペンチで挟んで折り曲げたとこ
ろ、10個はアルミニューム板から剥がすことが出来た
が、ボス形状物24の接着していたアルミ面には点々と
小さな樹脂残砕が残っており材料破壊が生じていた。残
りの40個は剥がすことはできずボス形状物24が途中
で折れた。
【0070】実験例4 市販の1mm厚のA1100アルミニューム合金板を2
0mm×50mmの長方形片に切断した。これを実験例
1と同様にブラスト装置にかけ研磨量が約5μmレベル
になることを想定した条件で研磨した。これを、超音波
を振動させたエタノール1リットルの中で洗浄し、取り
出して風乾した。
【0071】翌日、5%の一水和ヒドラジンを含む水溶
液1リットルを50℃に過熱し、ここへ先ほどのアルミ
片を2分間浸漬し取り出した。その後、イオン交換水1
リットルに浸漬した後、70℃に保った温風乾燥機に2
0分入れて乾燥し、プラスチック製の保管容器(密閉で
きる)に保管した。
【0072】その2日後、保管容器からアルミニューム
片を取り出して、油分等が付着せぬよう手袋で摘んで射
出成形金型にインサートした。100℃に維持した金型
を閉め、ガラス繊維20%、微粉タルク20%含有のP
BT/PC樹脂(若干の黒顔料含むPBT約75%とP
C約25%からなる混合物、三菱レイヨン(株)社製)
を射出温度270℃で射出し、図4で示すように一体化
した複合体を得た。
【0073】ペンチを使用して成形され接着した樹脂製
ボスを挟み強く折り曲げて強引に剥がした。樹脂製ボス
は剥がれたが、その跡には微細な黒点(樹脂残り)がア
ルミ板上に残された。この点々とある黒点部分に注目
し、赤外線吸収分析をフーリエ変換赤外分光光度計(FT
IR)で行なった。
【0074】場所によって明らかに吸収の様子は異な
る。例えば、(1)黒点に焦点を合わせて吸収グラフを
取ると、これはPBT及びPCの独自の吸収グラフから
得られる吸収線が明確であり、樹脂が構成要素であるこ
とが分かった。
【0075】次に、(2)ボスの接着していなかった箇
所のアルミ合金部分に焦点を合わせると処理後のアルミ
合金表面による吸収が得られる。又、更に、(3)ボス
の剥がれた跡域の中で黒点に見える極近傍で目視ではア
ルミ地肌に見える部分に焦点を当てて赤外線吸収のデー
タも得た。FT−IR装置では、差スペクトルを取るこ
とができるので、(3)と(2)の差スペクトルを計算
させグラフ化できた。この操作で、目視ではアルミ地肌
には見えているが、アルミとは異なる何か、その何かは
射出接着によって生じたもの、による吸収線が明確にな
る可能性があった。
【0076】差スペクトルを示すグラフ(縦軸は赤外線
吸収量、横軸は波数(cm-1))で得られたピークは、
低波数側から例示すると、733、1019、110
0、1124、1163、1216、1268、129
5、1421、1468、1645、1725、178
7、2853、2926、3188、3376、339
7が得られた。
【0077】一方、日本電子株式会社から提供されたF
T−IRの吸収線ライブラリーから類似のものをコンピ
ュータ検索したところ驚くべきことに酸アミドがピック
アップされた。ピックアップされたライブラリーによる
酸アミドの吸収線は、722、1119、1421、1
467、1644、2850、2926、3170、3
395、であり、これらの全てが極僅かな数字差で上記
差スペクトルのグラフに含まれていた。
【0078】これらから、射出接着前のアルミ合金表面
にはアミン系化合物、本実験ではヒドラジンが誘導され
たもの、が存在していて、溶融したPBTが接触してき
たときにアンモノリシス反応やその類似反応が起こって
エステル結合部が分解し、片方は酸アミドに片方はアル
コールになるというプロセスが想定できることになる。
面白いことにエステルのアンモノリスは明確な発熱反
応である。
【0079】おそらく、アンモノリシスやアンモノリシ
ス類似反応によって発熱があり、それが、アルミ合金表
面が為す微細凹部や微細穴部への樹脂の浸入を許してい
るものと思われる。アルミ合金表面の微細凹部の隅々ま
で樹脂が入り込むと樹脂とアルミ板の間で強烈な接着力
を示すのは当然である。何故、このような簡便な処理
で、アルミ合金とアンモニア、ヒドラジン、アミン系化
合物との間で比較的安定な結合状態ができるのかは従来
の常識では不可解である。
【0080】アンモニア水溶液や、ヒドラジン水溶液に
浸漬した後で、水洗し、温風乾燥し、しかも射出接着時
には短時間といえ100℃の高温下となるから、これら
が物理的に吸着していた場合には既に脱離しているはず
である。従って、アルミとアンモニア等の間に高温にも
耐える結合らしきものがあると想定するのが自然であ
る。大気中にオープンにされた水溶液中でアルミと窒素
の化学結合ができることは想定し難いがあり得ないこと
でもなかろう。この点での解明が今後求められるが、少
なくとも射出接着の大枠の機構は明確になった。
【0081】実施例5 実施例4と全く同様でA1100アルミニューム合金板
を処理して準備し、射出成形金型にインサートした。1
00℃に維持した金型を閉め、ガラス繊維20%、微粉
タルク20%含有のポリブチレンナフタレート樹脂(三
菱レイヨン(株)社試作品)を射出温度270℃で射出
し、図4で示すように一体化した複合体を得た。10枚
の成形品の全てで、リブ部を指で剥がそうとしたが剥す
ことはできなかった。ポリブチレンナフタレート系樹脂
も同様に射出接着することがわかった。
【0082】
【発明の効果】以上の詳記したように、本発明のアルミ
ニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法は、一体に
される熱可塑性樹脂組成物とアルミニューム合金形状物
とは容易に剥がれることなく一体になる。従って、形
状、構造上も機械的強度の上でも問題がない各種機器の
筐体や部品、構造物等を作ることができる。本発明によ
って製造した筐体、部品、構造物は、軽量化や機器製造
工程の簡素化に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、携帯電話ケースカバーの外観図であ
る。
【図2】図2は、図1で示す携帯電話ケースカバーのI
−I線で切断したときの断面図である。
【図3】図3は、金属フレームの表面に射出成形により
熱可塑性樹脂組成物が充填される射出成形金型の断面図
である。
【図4】図4は、アルミニューム合金と樹脂の複合体の
実験片である。
【符号の説明】
1…ケースカバー 2…金属フレーム 3…リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 高橋 正雄 東京都中央区日本橋本町1丁目10番5号 大成プラス株式会社内 (72)発明者 白石 雅夫 東京都中央区日本橋本町1丁目10番5号 大成プラス株式会社内 Fターム(参考) 4F206 AA24 AB11 AB25 AD03 AD33 AG03 JA07 JB12 JB13 JF05

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンモニア、ヒドラジン、ヒドラジン誘導
    体、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上
    の水溶液に浸漬する工程を経たアルミニューム合金形状
    物と、 前記アルミニューム合金形状物の表面に、ポリアルキレ
    ンテレフタレート、前記ポリアルキレンテレフタレート
    を主体とする共重合体、及び前記ポリアルキレンテレフ
    タレートを成分として含む熱可塑性樹脂組成物から選択
    される1種以上が一体に付着していることを特徴とする
    アルミニューム合金と樹脂の複合体。
  2. 【請求項2】塩基水溶液に浸漬し、次に酸水溶液に浸漬
    した後に、アンモニア、ヒドラジン、ヒドラジン誘導
    体、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上
    の水溶液に浸漬する工程を経たアルミニューム合金形状
    物と、 前記アルミニューム合金形状物の表面に、ポリアルキレ
    ンテレフタレート、前記ポリアルキレンテレフタレート
    を主体とする共重合体、及び前記ポリアルキレンテレフ
    タレートを成分として含む熱可塑性樹脂組成物から選択
    される1種以上が一体に付着していることを特徴とする
    アルミニューム合金と樹脂の複合体。
  3. 【請求項3】水溶性還元剤の水溶液に浸漬した後に、ア
    ンモニア、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、及び水溶性
    アミン系化合物から選択される1種以上の水溶液に浸漬
    する工程を経たアルミニューム合金形状物と、 前記アルミニューム合金形状物の表面に、ポリアルキレ
    ンテレフタレート、前記ポリアルキレンテレフタレート
    を主体とする共重合体、及び前記ポリアルキレンテレフ
    タレートを成分として含む熱可塑性樹脂組成物から選択
    される1種以上が一体に付着していることを特徴とする
    アルミニューム合金と樹脂の複合体。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3から選択される1項に記
    載のアルミニューム合金と樹脂の複合体において、 前記ポリアルキレンテレフタレートが、ポリブチレンテ
    レフタレートであることを特徴とするアルミニューム合
    金と樹脂の複合体。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のアルミニューム合金と樹
    脂の複合体において、 前記ポリブチレンテレフタレートのポリマーが、ポリブ
    チレンテレフタレート単独のポリマー、ポリブチレンテ
    レフタレートとポリカーボネートのポリマーコンパウン
    ド、ポリブチレンテレフタレートとアクリロニトリル・
    ブタジエン・スチレン樹脂のポリマーコンパウンド、ポ
    リブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレー
    トのポリマーコンパウンド、及びポリブチレンテレフタ
    レートとポリスチレンのポリマーコンパウンドから選択
    される1種以上であることを特徴とするアルミニューム
    合金と樹脂の複合体。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のアルミニューム合金と樹
    脂の複合体において、 前記ポリマーには、機械的強度を高めるために高強度繊
    維が加えられていることを特徴とするアルミニューム合
    金と樹脂の複合体。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のアルミニューム合金と樹
    脂の複合体において、 前記高強度繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミ
    ド繊維から選択される1種以上からなることを特徴とす
    るアルミニューム合金と樹脂の複合体。
  8. 【請求項8】請求項5に記載のアルミニューム合金と樹
    脂の複合体において、 前記ポリマーには、物性を改良するための充填材が加え
    られていることを特徴とするアルミニューム合金と樹脂
    の複合体。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のアルミニューム合金と樹
    脂の複合体において、 前記充填材は、カーボンブラック、炭酸カルシューム、
    ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシューム、シリカ、タル
    ク、粘土、リグニン、アスベスト、雲母、石英粉、及び
    ガラス球から選択される1種以上からなることを特徴と
    するアルミニューム合金と樹脂の複合体。
  10. 【請求項10】アルミニューム合金と熱可塑性樹脂組成
    物の複合体の製造方法であって、 前記アルミニューム合金を機械加工してアルミニューム
    合金形状物とする加工工程と、 前記アルミニューム合金形状物をアンモニア、ヒドラジ
    ン、ヒドラジン誘導体、及び水溶性アミン系化合物から
    選択される1種以上の水溶液に浸漬する浸漬工程と、 成形用の金型に前記浸漬工程で浸漬処理された前記アル
    ミニューム合金形状物を挿入して、前記アルミニューム
    合金形状物の表面に、ポリアルキレンテレフタレート、
    前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合
    体、及び前記ポリアルキレンテレフタレートを成分とし
    て含む熱可塑性樹脂組成物から選択される1種以上を加
    圧、加熱して一体にする成形工程とからなることを特徴
    とするアルミニューム合金形状物と樹脂の複合体の製造
    方法。
  11. 【請求項11】アルミニューム合金と熱可塑性樹脂組成
    物の複合体の製造方法であって、 前記アルミニューム合金を機械加工してアルミニューム
    合金形状物とする加工工程と、 前記アルミニューム合金形状物を塩基性水溶液に浸漬す
    る第1浸漬工程と、 前記第1浸漬工程で浸漬処理された前記アルミニューム
    合金形状物を中和処理するために酸水溶液に浸漬する第
    2浸漬工程と、 前記第2浸漬工程で浸漬処理された前記アルミニューム
    合金形状物をアンモニア、ヒドラジン、ヒドラジン誘導
    体、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以上
    の水溶液に浸漬する第3浸漬工程と、 成形用の金型に前記第3浸漬工程で浸漬処理された前記
    アルミニューム合金形状物を挿入して、前記アルミニュ
    ーム合金形状物の表面に、ポリアルキレンテレフタレー
    ト、前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共
    重合体、及び前記ポリアルキレンテレフタレートを成分
    として含む熱可塑性樹脂組成物から選択される1種以上
    を加圧、加熱して一体にする成形工程とからなることを
    特徴とするアルミニューム合金形状物と樹脂の複合体の
    製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載のアルミニューム合金
    と樹脂の複合体の製造方法であって、 前記塩基性水溶液は、水酸化アルカリ金属の水溶液であ
    ることを特徴とするアルミニューム合金形状物と樹脂の
    複合体の製造方法。
  13. 【請求項13】アルミニューム合金と熱可塑性樹脂組成
    物の複合体の製造方法であって、 前記アルミニューム合金を機械加工してアルミニューム
    合金形状物とする加工工程と、 前記アルミニューム合金形状物を水溶性還元剤の水溶液
    に浸漬する第1浸漬工程と、 前記第1浸漬工程で浸漬処理された前記アルミニューム
    合金形状物を、アンモニア、ヒドラジン、ヒドラジン誘
    導体、及び水溶性アミン系化合物から選択される1種以
    上の水溶液に浸漬する第2浸漬工程と、 成形用の金型に前記第2浸漬工程で浸漬処理された前記
    アルミニューム合金形状物を挿入して、前記アルミニュ
    ーム合金形状物の表面に、ポリアルキレンテレフタレー
    ト、前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共
    重合体、及び前記ポリアルキレンテレフタレートを成分
    として含む熱可塑性樹脂組成物から選択される1種以上
    を加圧、加熱して一体にする成形工程とからなることを
    特徴とするアルミニューム合金形状物と樹脂の複合体の
    製造方法。
  14. 【請求項14】請求項13に記載のアルミニューム合金
    と樹脂の複合体の製造方法において、 前記酸水溶性還元剤は、亜硫酸アルカリ金属、亜硫酸水
    素アルカリ金属、ヒドラジン、水素化ホウ素アルカリ金
    属、及び水素化アルミニュームアルカリ金属から選択さ
    れる1種以上の水溶液であることを特徴とするアルミニ
    ューム合金形状物と樹脂の複合体の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項10ないし14から選択される1
    項に記載のアルミニューム合金と樹脂の複合体の製造方
    法において、 前記成形工程は、射出成形で行うものであることを特徴
    とするアルミニューム合金形状物と樹脂の複合体の製造
    方法。
  16. 【請求項16】請求項10ないし15から選択される1
    項に記載のアルミニューム合金と樹脂の複合体の製造方
    法において、 前記ポリアルキレンテレフタレートが、ポリブチレンテ
    レフタレートであることを特徴とするアルミニューム合
    金と樹脂の複合体の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項16に記載のアルミニューム合金
    と樹脂の複合体の製造方法において、 前記ポリブチレンテレフタレートのポリマーが、ポリブ
    チレンテレフタレート単独のポリマー、ポリブチンテレ
    フタレートとポリカーボネートのポリマーコンパウン
    ド、ポリブチレンテレフタレートとアクリロニトリル・
    ブタジエン・スチレン樹脂のポリマーコンパウンド、ポ
    リブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレー
    トのポリマーコンパウンド、及びポリブチレンテレフタ
    レートとポリスチレンのポリマーコンパウンドから選択
    される1種以上であることを特徴とするアルミニューム
    合金と樹脂の複合体の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項17に記載のアルミニューム合金
    と樹脂の複合体の製造方法において、 前記ポリマーには、機械的強度を高めるために高強度繊
    維が加えられていることを特徴とするアルミニューム合
    金と樹脂の複合体の製造方法。
  19. 【請求項19】請求項18に記載のアルミニューム合金
    と樹脂の複合体の製造方法において、 前記高強度繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、及びアラミ
    ド繊維から選択される1種以上からなることを特徴とす
    るアルミニューム合金と樹脂の複合体の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項17又は18に記載のアルミニュ
    ーム合金と樹脂の複合体の製造方法において、 前記ポリマーには、物性を改良するための充填材が加え
    られていることを特徴とするアルミニューム合金と樹脂
    の複合体の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項20に記載のアルミニューム合金
    と樹脂の複合体の製造において、 前記充填材は、カーボンブラック、炭酸カルシューム、
    ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシューム、シリカ、タル
    ク、粘土、リグニン、アスベスト、雲母、石英粉、及び
    ガラス球から選択される1種以上からなることを特徴と
    するアルミニューム合金と樹脂の複合体の製造方法。
JP2002361724A 2001-12-28 2002-12-13 アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法 Expired - Lifetime JP4365578B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002361724A JP4365578B2 (ja) 2001-12-28 2002-12-13 アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400986 2001-12-28
JP2001-400986 2001-12-28
JP2002361724A JP4365578B2 (ja) 2001-12-28 2002-12-13 アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003251654A true JP2003251654A (ja) 2003-09-09
JP4365578B2 JP4365578B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=28677431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002361724A Expired - Lifetime JP4365578B2 (ja) 2001-12-28 2002-12-13 アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4365578B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007138641A1 (ja) 2006-05-25 2007-12-06 Taisei Plas Co., Ltd. 金属と樹脂の複合体とその製造方法
JP2008055679A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Tosoh Corp 金属箔積層フィルム
JP2008090437A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Toshiba Corp 電子機器
KR20120054430A (ko) * 2010-11-19 2012-05-30 현대자동차주식회사 금속 다공체의 성형 방법
JP2012152200A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Globeride Inc 魚釣用リールの構成部材
KR101476074B1 (ko) * 2010-11-26 2014-12-23 다이세이 플라스 가부시끼가이샤 금속 수지 복합체와 그 제조 방법
KR101583480B1 (ko) 2014-03-31 2016-01-13 한국생산기술연구원 이종소재의 시험편 제조장치
JP2017039280A (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 大成プラス株式会社 金属とポリスチレン樹脂との複合体

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007138641A1 (ja) 2006-05-25 2007-12-06 Taisei Plas Co., Ltd. 金属と樹脂の複合体とその製造方法
JPWO2007138641A1 (ja) * 2006-05-25 2009-10-01 大成プラス株式会社 金属と樹脂の複合体とその製造方法
JP2008055679A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Tosoh Corp 金属箔積層フィルム
JP2008090437A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Toshiba Corp 電子機器
KR20120054430A (ko) * 2010-11-19 2012-05-30 현대자동차주식회사 금속 다공체의 성형 방법
KR101601320B1 (ko) 2010-11-19 2016-03-09 현대자동차주식회사 금속 다공체의 성형 방법
KR101476074B1 (ko) * 2010-11-26 2014-12-23 다이세이 플라스 가부시끼가이샤 금속 수지 복합체와 그 제조 방법
JP2012152200A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Globeride Inc 魚釣用リールの構成部材
KR101583480B1 (ko) 2014-03-31 2016-01-13 한국생산기술연구원 이종소재의 시험편 제조장치
JP2017039280A (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 大成プラス株式会社 金属とポリスチレン樹脂との複合体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4365578B2 (ja) 2009-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1459882B1 (en) Production method for composite material of aluminum alloy and resin
JP4195881B2 (ja) アルミニウム合金と樹脂の複合体とその製造方法
JP3954379B2 (ja) アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法
JP4076807B2 (ja) アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法
US8322013B2 (en) Method for manufacturing composite with high corrosion resistance
JP4452220B2 (ja) 複合体およびその製造方法
KR100827916B1 (ko) 알루미늄 합금과 수지조성물의 복합체 및 그 제조방법
JP5055288B2 (ja) 金属と樹脂の複合体とその製造方法
JP3967104B2 (ja) 金属と樹脂の複合体とその製造方法
JP4527196B2 (ja) 複合体およびその製造方法
JP4202015B2 (ja) 金属と樹脂の複合体及びその製造方法
JP2008162115A (ja) 金属と樹脂の複合体の製造方法
JP2007203585A (ja) アルミニウム合金と樹脂の複合体とその製造方法
JP2004216425A (ja) アルミニウム合金パイプの連結継手とその製造方法
JP2006001216A (ja) アルマイト化アルミニウム合金と樹脂の複合体とその製造方法
JP2008173967A (ja) 金属と樹脂の複合体とその製造方法
JP4112378B2 (ja) 金属と熱可塑性樹脂組成物の複合体とその製造方法
JP2003251654A (ja) アルミニューム合金と樹脂の複合体とその製造方法
JP2005119237A (ja) 耐候性あるアルミニウム合金と樹脂の複合体とその製造方法
JP2004268936A (ja) 接着構成によるアルミニウム合金容器とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070501

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070502

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070731

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070831

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20071012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090624

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090821

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4365578

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130828

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term