JP2003251194A - 光機能物品 - Google Patents

光機能物品

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JP2003251194A
JP2003251194A JP2002054979A JP2002054979A JP2003251194A JP 2003251194 A JP2003251194 A JP 2003251194A JP 2002054979 A JP2002054979 A JP 2002054979A JP 2002054979 A JP2002054979 A JP 2002054979A JP 2003251194 A JP2003251194 A JP 2003251194A
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titania
nanostructure
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Susumu Yoshikawa
暹 吉川
Motonari Adachi
基齊 足立
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
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  • Photovoltaic Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色素増感太陽電池等の光機能品の顕著な特性
の向上と、新しい光機能材の創製を可能とする。 【解決手段】 1種以上の金属酸化物により構成される
ナノチューブおよびナノワイヤーの少くともいずれかの
ナノ構造体が光機能を発現することを特徴とする光機能
物品とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、光機能物
品に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発
明は、金属酸化物ナノ構造体による新しい光機能物品に
関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】従来より、Nb、Zn、S
n、Mg、Tiなどの金属酸化物は光半導体としての特
性を持っていることが知られている。光励起により、酸
化還元反応を触媒したり、光電子を発生するという特性
である。なかでも、TiO2は400nm以下の紫外線
領域に光吸収を示し、紫外線光下に優れた半導体特性を
有している。紫外線光励起の結果、価電子帯の正孔はフ
ッ素分子に匹敵する酸化力を有し(3.0Vvs NH
E)、吸着した有機分子の酸化分解に寄与する一方、伝
導帯電子はTiO2に吸着した酸素を還元して、有機分
子の酸化分解に寄与する酸化アニオンラジカルをあたえ
る。吸着水分子の正孔酸化で生じるヒドロキシラジカル
も有機分子の常温分解に寄与する。
【0003】このようなTiO2の光半導体特性は微弱
光下でも有効であって、光エネルギーは量子化されたエ
ネルギーであるため、光子1個のエネルギーは波長で決
められるが、酸化チタンを光励起する照射光子数が少な
くても、光子数に比例して生じた電子と正孔が酸化チタ
ン表面で必ず酸化還元反応を引き起こす。このTiO 2
の光酸化還元反応の量子収率は照射光の強度と相関関係
を持つが、日常の室内照明程度の照度下では10%位と
見込まれている。従って、物体表面に日常的に汚染有機
物質とか、生活空間の中に存在する悪臭物質を光分解処
理の対象とした場合、日常の生活空間の照明光の中に含
まれている程度の紫外線によっても処理が可能になる。
そこで、高活性光触媒TiO2が開発されたこともあっ
て、従来の光触媒の概念では考えられなかった応用展開
がなされてきている。たとえば、TiO2の優れた特性
によって、脱臭効果、抗菌、防カビ効果に加えたセルフ
クリーニング効果と超親水性効果と呼ばれる生活散乱光
下における汚染防止効果が応用展開されている。
【0004】脱臭効果については、対象物質を光触媒の
表面に捕集する吸着が初期の律速過程となるため、吸着
剤と光触媒を共存させて、吸着剤が吸着捕集した物を光
触媒が分解するという複合システムを構成することによ
り高性能の除去システムが構成された。活性炭等の無機
材料と組み合わせてハニカム構造とした脱臭機能材料が
開発されている。また、光触媒を内添した脱臭繊維や光
触媒を塗布したポリマーシート、脱臭布地などの開発も
進められている。
【0005】また、抗菌・防カビ効果については、表面
にTiO2の薄膜を熱定着したタイルの抗菌作用が注目
されており、原理的な面で十分に解明されていない点が
あるものの、紫外線照度として僅か1μW/cm2で殺
菌効果が認められ、日常の生活空間の照明光でも抗菌・
防カビ機能の発現が期待されている。最近、抗菌性金属
イオンとTiO2光触媒作用とのハイブリッド化も注目
されている。
【0006】さらには、固体表面の汚れは一般的に油成
分の付着が主原因であるが、表面に油成分が定常的に蓄
積されていくような状況下で、この表面をTiO2薄膜
で覆っておけば、その光酸化速度が油成分蓄積速度を上
回っている限り、その表面に汚染は蓄積されないことに
なる。光触媒のこのような効果は、セルフクリーニング
効果と呼ばれている。光触媒のセルフクリーニング効果
の実用化例としては、たとえば、高速自動車道路のトン
ネル内部の照明灯のカバーガラスや、東京ドームの屋根
に使用されているテント地への適用である。なおまた、
日常の家庭生活における微量の汚染の蓄積防止への応用
が考えられる。たとえば喫煙家がいる場合の居間の壁
画、天井面、家具表面などのタバコのヤニによる汚染、
台所のガスレンジ周辺に飛散する油による汚染、ガスレ
ンジ上部の換気扇およびフードの油蒸気による汚染、浴
室の壁面、天井面のカビによる汚染などへの適用対象が
考えられている。実際、この種の用途を対象とした光触
媒コーティング液剤が開発さている。アルキルシリケー
トの加水分解で析出するシリカゾルを主成分とする物質
であり、シリカゾルが酸化チタン微粒子のバインダーの
役割を果たしている常温効果型の液剤である。シリカゾ
ルが乾燥の過程でゲルとなり、非常に硬くて光触媒反応
にも安定な膜を形成する。この液剤による薄膜は脱臭、
防汚、抗菌のすべての機能を備えた多機能膜でもある。
このような光触媒をシート状またはフィルム状に固定
し、それを壁面や天井面、または家具の表面に簡便に適
用して自然の状態で脱臭するという手法も実現しつつあ
る。ゾルゲル法によるTiO2のポリエステル膜化商品
の発売も開始されるといわれている。
【0007】そして、TiO2の光半導体特性は、太陽
電池素子への応用としても注目されている。チタニアの
伝導帯に流れ込んだ励起電子を電流として取り出すこと
ができれば、この素子を太陽電池として用いることがで
きるからである。特に、可視光による光電変換を実現す
るために、色素を固定したチタニアを利用することが注
目されている。TiO2の伝導帯に可視光エネルギーで
電子を注入する手法は色素光増感法と呼ばれ、この原理
を用いた、高効率な色素増感酸化チタン太陽電池がグレ
ッチェルより、1991年に発明されたからである。
【0008】色素を励起して色素LUMOに生じた電子
は、そのポテンシャルが酸化チタンの伝導帯よりも十分
上であると、励起電子はTiO2の伝導帯に移動する。
酸化チタンが形成する伝導帯は電子受容体として機能す
ることになる。色素増感TiO2太陽電池が高い変換効
率を達成できる因子はナノサイズ酸化チタン微結晶が構
成する薄膜(膜厚10μ程度)が投影面積に対して10
00倍以上の表面積を有し、しかもその粒界は伝導帯に
よって電子的に通じていることにある。その表面に色素
を化学的かつ単分子的に結合させると色素に生じた光励
起電子は高い効率でTiO2の伝導帯に電子移動するこ
とになる。
【0009】たとえば以上のように特長のある光機能特
性をもつTiO2ではあるが、その光機能性については
これまでのところ様々な限界があった。たとえば、太陽
電池素子については、色素増感TiO2太陽電池の場合
には、原理的には30%を越える太陽光エネルギーの変
換効率をもつはずであるが、現在までのところ、10%
のレベルにとどまっている。また、光触媒性についても
その性能向上には制約があった。
【0010】このような限界や制約については、従来の
TiO2についてはいずれも微粒子や超微粒子、あるい
はそれらの結晶膜からなる繊維のものが用いられている
こと、そして、これ以外のものについての探索的検討が
ほとんどなく進展していないことにも理由があった。光
機能性の点において同様に注目されているSnO2、Z
nO等のTiO2以外の金属酸化物についても、同様の
理由から、充分にその機能が発現されないでいた。
【0011】そこで、この出願の発明は、以上のとおり
の従来の限界や制約を克服して、光機能性の発現と向上
を顕著なものとすることのできる、新しい技術的手段を
提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
のとおりの課題を解決するものとして、第1には、1種
以上の金属酸化物により構成されるナノチューブおよび
ナノワイヤーの少くともいずれかのナノ構造体が光機能
を発現することを特徴とする光機能物品を提供する。
【0013】また、第2には、金属酸化物を形成してい
る金属は、二価以上の原子価を有するものであることを
特徴とする上記の光機能物品を、第3には、ナノ構造体
は、複数種の金属酸化物の複合体として構成されている
ことを特徴とする光機能物品を、第4にはナノ構造体
は、長軸に直交する断面の最大径が500nm以下であ
ることを特徴とする光機能物品を提供する。
【0014】そして、この出願の発明は、第5には、上
記の第1ないし第4のいずれかの発明の光機能物品が、
光触媒、光電変換素子または色素増感型太陽電池である
ことを特徴とする光機能物品を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】この出願は以上のとおりの特徴を
もつものであるが、以下に発明の実施の形態について説
明する。
【0016】なによりも特徴的なことは、この出願の発
明が提供する光機能物品とは、1種以上の金属酸化物に
より構成されるナノチューブおよびナノワイヤーの少く
ともいずれかのナノ構造体が光機能を発現することであ
る。
【0017】この場合の金属酸化物を形成している金属
としては、原子価が2価以上の多価金属であって、これ
らの金属酸化物の1種または2種以上のものは上記のナ
ノ構造体を構成しているのである。
【0018】この場合、金属には、いわゆ半金属と呼ば
れているB、Si等も含まれる。たとえば、このような
多価金属としては、Be、B、Mg、Al、Si、S
c、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Cd、
Ga、Ge、Sr、Y、Nb、Sn、Sb、Ba、P
b、Bi、Ta、Hf、Mo、W、In、La、Ce、
Dy、Eu、Nd、Yb、Sc、Er、Fe、Co、N
i、Ru、Ir、Pd、Pt等の各種のものが例示され
る。
【0019】この出願の発明では、主として、これら多
価金属の酸化物によりセラミックスナノ構造体が構成さ
れ、この構造体には、単一種または複数種の多価金属元
素が含まれることになる。セラミックスナノ構造体を形
成する多価金属の元素については、少くともその一部の
金属原子が酸素原子を介して、または介さずに相互に結
合していることができる。
【0020】この出願のセラミックスナノ構造体は、金
属酸化物により形成されているとともに、その形状が、
ナノスケールの柱状体であって、中空状のナノチューブ
あるいは中実状のナノワイヤーを構成している。より好
ましくは、短軸断面の最大径が500nm以下である。
この場合の柱状体は、たとえば、その長軸に直交する短
軸断面の外形が円形、楕円形あるいはその他の形状を含
めた湾曲状であるか、あるいはn個の角部を持つ多角形
状であって、その両端あるいは片端が開いた開口先端部
を有する中空体であってもよいし、両端が閉じている中
実体であってもよい。
【0021】中空体の場合にはたとえばナノチューブと
なり、また中実体の場合にはナノワイヤとなる。
【0022】この出願の発明においては、より代表的な
ナノ構造体としては、たとえば、柱状体の長軸の長さ
(L)が、断面最大径(D)に比べて3倍以上、L≧3
Dであるものを例示することができる。
【0023】たとえば以上のとおりのこの出願の発明の
光機能物品を構成するナノ構造体についてその製造法を
説明すると、まず、従来よりナノ構造体の形成において
通常用いられるガス蒸気を利用する方法やアーク放電を
用いる方法では、構造とサイズの均一性の高い構造とす
ることや、単一の結晶とすることも難しい。また、高温
プロセスを使用することなく、低温プロセスでの作製は
環境適合の面からも望まれているが、未だこのような方
法は知られていない。
【0024】一方、この出願の発明においては、多価金
属の化合物を両親媒性分子の存在下に溶媒中で固化する
ことにより製造可能としている。両親媒性分子はいうな
れば鋳型の役割を果たすものであって、たとえば代表的
には界面活性剤をその例として示すことができる。
【0025】より具体的に説明すると、以下のとおりの
形態としてその製造を例示することができる。
【0026】すなわち、ナノチューブあるいはナノワイ
ヤー等の形状を有する金属酸化物のナノ構造体の製造に
おいては、多価金属の化合物あるいはその有機溶媒溶液
と、界面活性剤と、水とを接触させて混合して固化す
る。
【0027】出発物質としての金属化合物は、水との反
応で水酸化物に変換される金属ハロゲン化物、各種の金
属塩等の溶液を用いることができるが、なかでも、金属
アルコキシドが出発物質として推奨される。
【0028】これらの金属アルコキシドは、金属元素を
M、アルコキシル基をORとするとき、一般式、M(O
R)m:mは2以上の数を示す;として表される各種の
ものを用いることができる。アルコキシル基ORを構成
する有機基Rとしては、たとえば、炭素数1〜25のア
ルキル基等であってよく、中でも炭素数1〜6の、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基等の低級アルキル基であることが好ま
しい。これらは同一のものであっても異なるものであっ
てもよい。この出願の発明においては、有機基Rが同一
の、たとえば、炭素数1〜6のトリまたはテトラアルコ
キシル基であることが好ましい例とし示される。より具
体的には、金属アルコキシドとして、たとえば、Ti
(OiPr)4、Ce(OnBu)4、Hf(OnBu)
4や、Fe(OCH(CH3)CH 2OCH33等を用い
ることなどが例示される。アルコキシル基の炭素数は、
大きすぎると加水分解の反応性が低くなりすぎるため好
ましくない。
【0029】上記の金属アルコキシドを溶解する有機溶
媒としては、アルコールや多座配位子化合物等を用いる
ことが例示される。多座配位子化合物としては、たとえ
ば、ビアセチル、ベンジル、アセチルアセトン等のジケ
トン化合物が好適な例として示される。特に、アセチル
アセトンを用いることが好ましい。これらの多座配位子
化合物等は、単独で用いてもよいし、イソプロピルアル
コール、メトキシプロパノール、ブタノール等のアルコ
ールと混合して用いてもよい。この有機溶媒中に多価金
属の複数種のものの金属アルコキシドを、その合計モル
比が、有機溶媒:金属アルコキシドとして、5:1〜
1:1.5、より好ましくは、1:1ないしはその付近
となるように溶解させる。この金属アルコキシド溶液中
でアルコキシドは安定化し、後の加水分解反応の速度調
整が容易になる。
【0030】界面活性剤は、両親媒性分子として極めて
重要な役割を担うものである。この界面活性剤として
は、各種のものを選択することができるが、好適には、
陽イオン界面活性剤を用いることができる。なかでも脂
肪族第1級〜第3級アミン塩、あるいは第4級アンモニ
ウム塩を用いることが好ましい。たとえば、炭素数8〜
20の1級アミンとしての脂肪族アミン塩等が例示され
る。より具体的には、たとえば、ラウリルアミン塩酸塩
等である。
【0031】上記の金属アルコキシドの有機溶媒溶液
は、界面活性剤と、水とを接触させて混合して固化させ
るが、その手段としては、次の2通りのものを考慮する
ことができる。まず1つは、金属アルコキシドの有機溶
媒溶液と、界面活性剤の水溶液とを混合する方法であ
る。そしてもう1つは、金属アルコキシドの有機溶媒溶
液に界面活性剤を溶解した有機溶液に、水を混合する方
法である。いずれの場合においても、複数の多価金属の
酸化物によってナノ構造体を形成する場合には、これら
の金属元素の化合物、より好ましくはアルコキシドの各
々は、同時に、あるいは順次に混合することができる。
【0032】複数種の金属アルコキシド等の多価金属の
化合物の各々の使用比率については、目的とする複合ナ
ノ構造体の形状や性質、機能、用途等に応じて適宜に選
択や変更を行うことができる。この比率によって、複合
ナノ構造体の形状、性質等を変化させることができるか
らである。
【0033】以上のようにして調整される溶液におい
て、金属アルコキシドおよび界面活性剤は、各々、次の
ような挙動を示す。金属アルコキシドについては、
(a)加水分解反応および重縮合反応が進行し、ゾルま
たはゲル化して金属の酸化物もしくはカルコゲン化物を
形成する。このゾルまたはゲルが固化することで固形体
を得ることができる。界面活性剤については、混合溶液
中で自由エネルギーが最小となるように(b)分子集合
体を形成する。この分子集合体は、界面活性剤の疎水部
が小さい場合に球形となり、疎水部が大きい場合にラメ
ラ構造の平板状となり、そして、疎水部の大きさがこれ
らの中間である場合に棒状の集合体となる。そして、金
属アルコキシドと界面活性剤が接触した場合には、
(C)金属イオンが界面活性剤の親水部に付着して複合
体を形成する。この方法においては、多価金属元素の種
類と組合わせ、そして以上の3つのどれが優位に作用す
るか等により、得られる複合ナノ構造体の形状が決定さ
れることになる。
【0034】すなわち、たとえば、まず、界面活性剤1
分子と金属アルコキシドの1分子が対応した複合体を形
成すると、界面活性剤の疎水部と親水部のバランスが崩
れ、界面活性剤は疎水部を中心にした棒状の集合体とな
る。そして引き続きこの棒状体の表面において金属アル
コキシドの縮重合反応が進行することで、チューブ形状
の構造が形成されると考えられる。
【0035】また、一方で、加水分解した金属アルコキ
シド同士の縮重合反応が先行すると、まず粒子状の金属
酸化物が形成される。そして界面活性剤は、形成された
粒子のある特定の面に選択的に吸着してその面の成長を
妨げるため、粒子の吸着の内面あるいは少ない面が成長
してナノワイヤー形状の構造が形成されると考えられ
る。このようにアルコキシドと界面活性剤の複合体形成
と、加水分解したアルコキシドの重合反応のどちらが優
勢かによって、アルコキシドが界面活性剤と円筒形の組
織を作るかアルコキシド同士で粒子を形成するかが分か
れ、得られる形状がナノチューブあるいはナノワイヤー
形状等に決定されることになる。なお、これらの構造の
中には粒状の組成物が含まれることもある。
【0036】すなわち、ナノ構造体の生成においては、
金属アルコキシド由来の粒子が伴うことがある。このた
め実際的には、粒子を含有するナノ構造体の組成物が得
られることがある。
【0037】このような組成物は、その用途や性質に応
じてそのまま光機能物品に利用してもよいし、組成物か
らナノ構造体のみを分離精製して用いてもよい。
【0038】以上の金属アルコキシド、界面活性剤、水
の混合において、金属アルコキシドと界面活性剤の混合
比は、反応の進行および混合溶液の固化時間に影響を与
える。この出願の発明においては、金属アルコキシドと
界面活性剤のモル比は、金属アルコキシド合計量:界面
活性剤として、0.1:1〜30:1、より好ましくは
0.5:1〜8:1の範囲で考慮することができる。
【0039】混合比が上記範囲外であったり、また水が
多すぎたりすると、加水分解および重縮合反応の進行が
速すぎて均質な固形体が得られなかったり、逆に、固化
の時間がかかりすぎる等の不都合が生じる場合がある。
【0040】なお、この出願の発明の方法において、製
造された金属酸化物の固化体中に存在する界面活性剤
は、具体的には、たとえば、イソプロピルアルコール等
のアルコール、THF、ジオキサン等で洗浄することで
容易に除去することができる。
【0041】また、固化反応により生成された固化体、
あるいは前記の通り、アルコール等によって洗浄して界
面活性剤を除去した固化体については、自然乾燥ないし
風乾されてもよいし、あるいは通常の意味での加熱乾燥
が行われてもよい。従って、この発明の方法において
は、「固化」には、これらの乾燥が包含されている。
【0042】そして、この出願の発明においては、固化
の条件を、たとえば283〜373Kで、0.1〜50
0時間程度とすることができる。混合溶液における金属
アルコキシドおよび界面活性剤の反応は、金属の種類や
各種の条件によってその進行度合いは様々に変化するた
め、より好適な固化の条件として、313〜373Kで
0.5〜300時間程度とすることが例示される。
【0043】固化によってナノ構造体は結晶体として得
られるが、なかには非晶質相が混在してもいる。そのた
め、焼成処理を施し、非晶質相を結晶に転移させること
が望ましい。
【0044】金属化合物としては、代表的には金属アル
コキシドの1種または2種以上を用いることができる。
【0045】金属化合物として、2種以上の金属アルコ
キシド等を用いた場合には、おのおのの単独系において
得られる混合物ではなく、それら金属の複合体を、ナノ
チューブ形状あるいはナノワイヤー形状等のものとして
得ることになる。この場合の複合ナノ構造体において特
徴的なことや、それぞれの単独系で得られたものには見
られない結晶構造を有していることである。
【0046】筒状の形状や、ワイヤー状、帯状の形状な
どの柱状形状のナノ構造体としてはカーボンナノチュー
ブが知られているが、他の元素での作製の報告例は少な
く、さらに複数の異種元素での作製は全く知られていな
い。ナノ柱状構造体からなる光機能物品がこの出願の発
明によって提供されることで、光触媒、光電変換素子ま
たは色素増感型太陽電池等として多様な領域での使用を
可能とすることができる。
【0047】このような応用のために、この出願の発明
では、上記のセラミックスナノ構造体と、無機物、金
属、合金および有機物の1種以上のものとの組成物も提
供されることになる。混合と固化のナノ構造体の製造プ
ロセスにおいて、これらの別の成分を添加することで上
記組成物を得ることもできる。
【0048】以上のようなこの出願の発明のセラミック
スナノ構造体は特徴的な形状を有し、表面積が広く、大
きさがナノサイズの微小な結晶である。
【0049】この結晶では、極めて顕著な作用が得られ
ることになる。たとえば、原理的にはチタニアを用いた
色素増感型太陽電池によって30%を超える太陽光の変
換効率を持つはずであるが、現在では10%に止まって
いる。その理由としては、チタニア層の高い抵抗に原因
の一つがある。これに対し、ナノチューブ構造体におい
てはより高い変換効率を実現することになる。たとえ
ば、チタニアや酸化亜鉛等のセラミックスナノ構造体を
色素増感型太陽電池の酸化物半導体層に応用することが
考慮される。
【0050】また、たとえばTi(チタン)とSn(ス
ズ)との複合ナノ構造体の場合には、Sn酸化物の5%
の複合化によって光触媒の活性は大きく増加し、また、
近年、湿式太陽光発電のための膜形成材料として注目さ
れているSn酸化物の特徴をも生かすことができる。
【0051】以下、実施例を示し、この発明の実施の形
態についてさらに詳しく説明する。
【0052】
【実施例】(実施例1)テトラブチルオルトスタネート
の0.5mol/kgのブタノール(BuOH)の溶液
に、テトライソプロピルオルトチタネートをモル分率で
0から1の全範囲に変えて加え、その溶液に全金属(S
n+Ti)とacac(アセチルアセトン)のモル比で
1:1になるようにacacを加えた。チタニア単独及
び酸化錫単独系はすでに特願2001−150030で
詳しく記したので、ここでは混合系の場合について記
す。313Kで0.1Mラウリルアミン塩酸塩(LAH
C)水溶液に(Sn+Ti)のアルコキシドのアセチル
アセトン溶液を(Sn+Ti)とLAHCのモル比が
4:1となるように加えた。混合後、数時間でゲル化し
た。その後、353Kで3日反応させた後に取り出して
353Kで乾燥した。その後、773Kで4時間焼成し
た。種々のモル分率の試料並びに同様の方法により調製
したチタニア単独及び酸化錫単独系のXRDの結果を表
1に示すこの表1に示したように、チタニア単独ではア
ナターゼであるが、錫との混合系ではチタニアモル分率
の増加と共に酸化錫の正方晶からチタニアのアナターゼ
に変化するが、全範囲にわたり結晶性であることが示さ
れた。組成と共にXRDパターンが変化している様子を
図1に示した。この変化は単独系の2種が混合したので
はなく、二種の酸化物が原子のレベルで混合して全く新
しい結晶構造を作っていることを示している。即ち、S
nO2とTiO2がそれぞれ独立に正方晶とアナターゼを
形成することはなく、両者が複合して正方晶からアナタ
ーゼに至る新しい結晶構造を作ることが明らかとなっ
た。室温に近い温度で原子のレベルで混合した新しい結
晶構造が形成できる方法は他に例がなく、高い新規性と
独創性・有効性を示すものである。
【0053】図2はXRDのTi100%、Ti50
%、Ti0%のパターンを例示したものである。
【0054】
【表1】
【0055】以上のようにTi−Sn混合試料では酸化
錫100%のテトラゴナル結晶構造に近い構造を示すピ
ークしか現れていないことが確認できる。これはTi原
子が、酸化錫が支配するテトラゴナル構造内に原子レベ
ルで組み込まれていることを示唆している。このように
結晶構造は酸化錫が支配しているが、窒素吸着等温線形
状はナノチューブの存在を示すIUPAC IV型の等温
線形状を示した(図3)。これらの結果から酸化錫のテ
トラゴナル構造を持ったナノチューブが形成されている
ことが考えられる。
【0056】続いて、この試料のTEM像および電子線
回折像を示す(図4)。先ほど示したようにチタニア単
独の場合にはナノチューブの形成が見られ、酸化錫単独
の場合にはナノワイヤーの形成が確認されている。そし
て混合試料では短軸断面の最大直径が10nm、長さ1
80nm程度のナノチューブが束状になった構造体の形
成が確認できた。窒素吸着等温線の結果からはナノチュ
ーブの形成が示唆されており、このTEM像はこの結果
を支持している。また電子線回折像からは数点の回折斑
点も確認でき、結晶構造を有したナノチューブであるこ
とが分かった。
【0057】(実施例2)実施例1に示した種々の組成
を持つチタニアと酸化錫の混合ナノチューブの光触媒活
性を評価した。評価方法は、573Kで焼成した粉末状
のナノチューブ試料を、Kl水溶液中にマグネットスタ
ーラーを用いて懸濁させた時の、I3 -の生成速度を測定
することで評価した。I3 -は、波長365nmの紫外線
をKl水溶液に照射したときに、2I-→I2 +2e、I2
+I-→I3 -の反応によって発生する。即ち、チタニア
ナノチューブが高い活性を示すほどI3 -の生成が促進さ
れる。I3 -は、波長353nmと288nmに大きな吸
収をもつが、I2とI-はこれらの光を吸収しないこと
と、Iの濃度が高くIは完全に、I3 -になるため、
3 -の吸収から光触媒活性を知ることができる。図5
に、結果を示す。チタニア100よりもチタニア95%
と酸化錫5%を含む試料の方が高い活性を示した。これ
は、元素レベルでの複合化を証明するものであると同時
に、2成分を混合して新しい結晶構造とすることによ
り、高い光触媒活性が得られることを示しており、複合
化の有効性を示すものである。60分於ける組成にとも
なう活性の変化をプロットしたものを図6に示した。
【0058】(実施例3)チタニア酸化錫系と同様に、
テトライソプロピルオルトチタネートに種々の金属アル
コキシドをモル分率で5%加え、その溶液に全金属とa
cacのモル比が1:1になるようにacacを加えた
後、313Kで0.1Mラウリルアミン塩酸塩(LAH
C)水溶液に混合金属アルコキシドのアセチルアセトン
溶液を全金属としてLAHCのモル比が4:1となるよ
うに加えた。その後、353Kで3日反応させた後に取
り出して353Kで乾燥した。その後、573Kで4時
間焼成した。錫以外の加えた金属アルコキシドは、テト
ラブトキシセリウム、テトラブトキシハフニウム、テト
ラブトキシジルコニウム、テトラエトキシシラン、ニオ
ビウムエトキシド(Nb(OEt)5)である。図7に
示したように、チタン以外の金属酸化物が僅か5モル%
加わると、大きく光触媒活性が変化することは、チタニ
アと加えられた金属酸化物が原子レベルで複合化して新
しい結晶構造を作ることを再び示している。光触媒活性
は15分では、錫、セリウム、ジルコニウム、ハフニウ
ム、シリコン、ニオブの順に大きな活性を示した。60
分では、セリウムの活性が低下し、ハフニウムの次とな
る。
【0059】以上に示したように、二種以上の金属酸化
物を複合化することにより、全く新しい結晶構造を構築
でき、これに基づき優れた性質が得られることが分か
る。 (実施例4)ジメトキシプロピルオルトジンケート:Z
n(OCHCH3CH2OCH32のテトラヒドロフラン
(THF)溶液(0.5mol/kg)の溶液に、界面
活性剤のラウリルアミン塩酸液(LAHC)の水溶液
を、モル比でZn:界面活性剤=4:1となるように添
加して313Kの温度で攪拌混合した。直ちに白濁物の
沈殿が生じはじめた。
【0060】357K(80℃)の温度で3日間加熱し
て固化させ、乾燥後固化物を773K(500℃)の温
度で4時間焼成した。XRDの測定結果より、ZnOの
ヘキサゴナル結晶であることが確認された。図8は、こ
のXRDパターンを示したものである。また、図9に
は、TEM観察の結果を示した。TEM像(バー:6
2.5nm)は明確にナノチューブの形成を示してい
る。高倍率TEM像(バー:17.4nm)では、格子
像が得られているので、ナノチューブは単結晶であるこ
とが分る。同時に外径約30−100nmの大きな微粒
子の形成もみられた。ナノチューブの直径は17.4n
m長さは、約180nmであった。また、窒素吸着等温
線より、BET比表面積は、35m2/gであった。 (実施例5) セラミックナノチューブの色素増感太陽電池 <チタニアナノチューブ>フッ素ドープされた酸化スズ
からなる透明導電性ガラス上にチタニアナノチューブ試
料を塗布し、乾燥後723Kで30分間焼成した。この
基板をルテニウム錯体色素(Cis-di(thiocyanate)bis(2,
2'-bipyridyl-4,4'-di-carboxylate)ruthenium(II)) に
一晩漬け、色素を吸着させた。色素増感太陽電池はチタ
ニア薄膜電極とプラチナ対極との間に電解液を挟み込ん
だサンドイッチ型のセルである。電解液として、アセト
ニトリルとNMOを混合(1/9,v/v)した溶液中
にI 2 0.03M、LiI 0.3Mを混ぜたものを
用いた。このセルにAM1.5、100mW/cm2
擬似太陽光を照射して光電変換特性を測定した。比較基
準用のチタニアとしてP−25を用いた。
【0061】チタニアナノチューブ試料中の界面活性剤
はアルコールで洗浄することによりメソ孔から取り除か
れた。遠心分離機の回転数で試料中のアルコール含量を
調節した。その際、開放電圧はどのセルでも0.6Vと
なりほぼ一定であったので、短絡電流密度が最高となる
ようアルコール含量を調節した。
【0062】図10はチタニアナノチューブからなるセ
ルの光電変換特性の一例である。膜厚は4μm、セルサ
イズは0.5×0.5cmである。短絡電流密度15.
3mA/cm2、開放電圧0.58Vが得られている。
光電変換効率は4.88%、フィルファクターは0.5
5であった。
【0063】このチタニアナノチューブからなるセルの
性能を評価するために、チタニアナノ粒子P−25と比
較した。P−25は色素増感太陽電池に一般的に用いら
れているチタニアである。P−25からなるセルにより
得られた開放電圧は約0.6Vであり、これはチタニア
ナノチューブと同程度であった。それゆえセル性能を短
絡電流密度で評価することにした。
【0064】図11はチタニアナノチューブとP−25
の短絡電流密度と膜厚の関係を示したものである。グラ
フより、膜厚の小さい部分ではチタニアナノチューブの
方がP−25よりも2〜3倍高い短絡電流密度が得られ
ていることがわかる。また図12は短絡電流密度と吸着
色素量の関係を示したものである。短絡電流密度と吸着
色素量は比例関係にあることから、チタニア試料の表面
積が短絡電流密度を決定する上で重要な役割を担ってい
ると考えられる。P−25とチタニアナノチューブのB
ET表面積はそれぞれ約55m2/g、150m2/gで
あり、チタニアナノチューブの方が約3倍高いことが短
絡電流密度の大きさに関係していると思われる。また図
12に見られるように、吸着色素濃度が高いとき、チタ
ニアナノチューブからなるセルの短絡電流密度はP−2
5よりも高い値を示している。これは即ち表面積以外の
別のファクターが短絡電流密度に影響を及ぼしていると
考えられる。
【0065】なお、図13は、色素増感太陽電池のチタ
ニアナノチューブを用いた半導体薄膜の断面を示したS
EM像である。
【0066】断面最下部は、硝子、つぎの大きな粒状の
層が酸化錫の透明導電膜層を示し、その上部の厚み約
2.3μの層がチタニア層である。チタニア層は酸化錫
層と密着性良く塗布されている。約12nmの粒状粒子
の焼結体中に直径約10nmのナノチューブが焼結体を
結んでいることがわかる。粒子状の焼結体だけが存在す
るだけではなく、単結晶のチタニアナノチューブがそれ
らを連結することで、チタニア層中の電子の輸送が促進
され、逆反応過程が防止でき、高い電流密度が得られた
ことを示している。 (実施例6) <酸化亜鉛ナノチューブ>チタニア以外の他の酸化物半
導体も色素増感太陽電池に応用可能であることが知られ
ており、また近年チタニアを凌ぐ性能をもつものも報告
されている。そこで実施例4のように新たに合成した酸
化亜鉛ナノチューブを色素増感太陽電池に応用すること
を試みた。実験条件はチタニアの際と同様で行った。図
14は新規な酸化亜鉛からなるセルの光電変換特性の一
例である。膜厚は8μm、セルサイズは1×1cmであ
る。短絡電流密度4.0mA/cm2、開放電圧0.4
8が得られている。光電変換効率は0.78%、フィル
ファクターは0.406であった。
【0067】これまでの市販の酸化亜鉛を用いたセルに
よる測定結果が多数報告されているが、本データはそれ
らを凌ぐ値を示している。このように、ナノチューブを
用いることにより、著しく光電変換特性が改善されるこ
とがわかる。 (実施例7) (複合ナノ材料TiO2(95%)−GeO2(5%)半
導体膜の色素増感太陽電池特性)テトラブトキシゲルマ
ニウムの0.5mol/kgのブタノール溶液とテトラ
イソプロピルオルトチタネートをモル比で5:95で混
合し、0.1Mラウリルアミン塩酸塩水溶液と混合して
40℃で1日、80℃で3日反応させて得た試料をイソ
プロピルアルコールで洗浄後、5wt%のポリエチレン
グリコール(分子量2000)をチタニアゲルに混合し
たのち、チタニアサンプルと同様に、透明導電膜に塗布
し、乾燥後450℃で30分焼成した。この基板にルテ
ニウム色素を吸着させたのち、電池系を組み光電変換特
性を測定した。結果を図15に示した。
【0068】図15に示したように、複合ナノ材料を用
いても、色素増感太陽電池の半導体薄膜として機能する
ことがわかる。図15の系では、短絡電流密度11.0
mA、開放電圧0.623V、フィルファクター0.5
91、光電変換効率4.05%が得られている。
【0069】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によりナノ構造体とすることで、色素増感太陽電池
等の光機能品の顕著な特性の向上と、新しい光機能材の
創製を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1について組成XRDパターンの変化を
例示した図である。
【図2】実施例1におけるTi100%、Ti50%、
Ti0%のXRDパターンを例示した図である。
【図3】実施例1における窒素吸着等温線を例示した図
である。
【図4】実施例1におけるTi−Sn試料のTEM像と
電子線回折像を例示した写真図である。
【図5】実施例2における光触媒活性を例示した図であ
る。
【図6】実施例2における組成にともなう光触媒活性の
変化を例示した図である。
【図7】実施例3における組成にともなう光触媒活性の
変化を例示した図である。
【図8】実施例4における酸化亜鉛ナノチューブのXR
Dパターンを例示した図である。
【図9】実施例4の酸化亜鉛ナノチューブのTEM系を
例示した写真図である。
【図10】実施例5のチタニアナノチューブセルの場合
の光電変換特性を例示した図である。
【図11】チタニアナノチューブの場合の短絡電流密度
と膜厚との関係を例示した図である。
【図12】チタニアナノチューブの場合の短絡電流密度
と吸着色素量との関係を例示した図である。
【図13】チタニアナノチューブによる色素増感太陽電
池の半導体薄膜の断面を例示した写真図である。
【図14】実施例6の酸化亜鉛ナノチューブセルの場合
の光電変換特性を例示した図である。
【図15】TiO2(95%)−GeO2(5%)ナノチ
ューブ半導体膜の色素増感太陽電池特性を例示した図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/20 B01J 23/20 M H01L 31/04 H01L 31/04 Z Fターム(参考) 4G069 AA02 AA08 AA11 BA48A BB04B BC22B BC35B BC43B BC50B BC51B BC52B BC55B BD05B EB19 FB08 FB09 5F051 AA14 CB13 CB27 CB29 FA03 FA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種以上の金属酸化物により構成される
    ナノチューブおよびナノワイヤーの少くともいずれかの
    ナノ構造体が光機能を発現することを特徴とする光機能
    物品。
  2. 【請求項2】 金属酸化物を形成している金属は、二価
    以上の原子価を有するものであることを特徴とする請求
    項1の光機能物品。
  3. 【請求項3】 ナノ構造体は、複数種の金属酸化物の複
    合体として構成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2の光機能物品。
  4. 【請求項4】 ナノ構造体は、長軸に直交する断面の最
    大径が500nm以下であることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかの光機能物品。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの光機能物
    品が、光触媒、光電変換素子または色素増感型太陽電池
    であることを特徴とする光機能物品。
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