JP2003250705A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JP2003250705A JP2002060166A JP2002060166A JP2003250705A JP 2003250705 A JP2003250705 A JP 2003250705A JP 2002060166 A JP2002060166 A JP 2002060166A JP 2002060166 A JP2002060166 A JP 2002060166A JP 2003250705 A JP2003250705 A JP 2003250705A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 余計な電力消費を抑制する。調理性能を損な
うことなく、油の飛び跳ねや油煙の発生を抑制する。 【解決手段】 調理容器16が設定温度と同じ状態のまま
一定時間が経過すると、調理容器16が自動的に設定温度
よりも低い温度になる。従って、過度に調理容器16を加
熱せずに調理を行なえる。また、調理容器16を設定温度
より低く維持しているときには、調理容器16からの油の
飛び跳ねや油煙の発生が抑制される。さらに、被調理物
を調理容器16に投入すると、調理容器16を速やかに加熱
するので、焼き肉性能の低下も殆どない。調理容器16は
電磁誘導加熱されるので、調理容器16の速熱性が高まっ
て熱応答が速く、調理性能がより向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭において
焼肉などを行うのに使用されるホットプレートなどの吸
煙機能付きの加熱調理器に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種の加熱調
理器にあっては、被調理物を収容するための調理容器が
所定温度に達するまで、調理容器に対し加熱を行なった
後、焼き肉などの調理を行なうようにしているが、次の
ような不具合ある。すなわち、調理容器が安定温度に達
した後に焼き肉などの調理を行なうために、どうしても
最初は温度が高すぎて油煙が多量に発生したり、油が周
囲に飛び跳ねてしまい、加熱調理器の周囲を汚してしま
う。また、安定温度に達した後、調理に取り掛かるまで
の間に電力などのエネルギーを余計に消費してしまう。
【0003】これに対して、近年吸煙機能を付加したホ
ットプレートが、例えば特開平8−299195号公報
などに開示されている。このホットプレートは、調理容
器に相当する長方形状の金属製プレートと、金属製プレ
ートを加熱するヒータと、金属製プレートの一対の両側
に設けた吸引手段と、吸引手段の両外側に設けた吹出し
手段とを備え、前記金属製プレートの下方にあって、吸
引手段と吹出し手段との間に吸油煙手段であるターボフ
ァンを設けて構成される。
【0004】しかし、この種のホットプレートにおける
プレートは通常220℃〜250℃の制御温度に制御さ
れるが、初回の加熱時には温度調節器の性能からこの制
御温度が280℃〜300℃に達するのが一般的であ
る。そのため、焼き肉時には油煙の吸引はできても、吸
煙しきれない油の飛び跳ねが著しく発生してしまうもの
であった。また制御温度を低くすると、こうした油煙の
発生や油の飛び散りは抑えられるが、焼き肉に時間が掛
かって肉汁が流れ出し、美味しさが損なわれてしまう。
【0005】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、余計な電力消費を抑制し、しかも調理性
能を損なうことなく、調理容器からの油の飛び跳ねや油
煙の発生を抑制できる加熱調理器を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
の加熱調理器では、例えば調理容器に被調理物が投入さ
れず、調理容器が設定温度と同じ第2の温度に維持され
たまま一定時間が経過すると、調理容器は自動的に設定
温度よりも低い第1の温度に移行する。従って、過度に
調理容器を加熱することなく調理を行なうことができ、
余計な電力消費を抑制できる。また、調理容器を第1の
温度に維持しているときに、被調理物を調理容器に投入
しても、調理容器の温度は低くなっているので、油の飛
び跳ねや油煙の発生を抑制できる。しかも、被調理物を
調理容器に投入することによって、調理容器が所定温度
以上に低下すると、第2の温度にまで速やかに加熱する
ので、焼き肉性能の低下も殆どない。
【0007】本発明における請求項2の加熱調理器で
は、吸煙手段による吸煙機能との組み合せにより、油煙
の発生が一層抑制される。しかも、吸煙するので加熱調
理器周辺の空気が汚れない。
【0008】
【発明の実施形態】以下、本発明の加熱調理器の一実施
例について図1〜図6を参照しながら説明する。なお、
本実施例の加熱調理器はホットプレートである。
【0009】先ず、加熱調理器の機構的な構成を図1〜
図3に基づき説明すると、1は調理器本体で、この調理
器本体1は、下ケース2と、この下ケース2上に固定さ
れた上ケース3とによって、ほぼ四角形状をなした外殻
が構成されている。上ケース3は、ほぼ枠状になってお
り、下面が開口しているとともに、上面にも開口部4を
有している。また、上ケース3の内部には、耐熱性を有
する樹脂製の容器受け板6が設けられている。この容器
受け板6は、前記下ケース2上にねじ7などにより固定
されている。容器受け板6には上面を開口した有底筒状
の容器収容部8が形成されているとともに、この容器収
容部8の一側である後側に位置して吸煙部9が形成され
ている。この吸煙部9は、上下に貫通する角筒状になっ
ている。また、容器受け板6の容器収容部8内の底面上
には、耐熱ガラスからなる天板10が設けられており、こ
の天板10と容器受け板6との間には、後述する調理容器
を電磁誘導加熱する加熱手段としての誘導加熱コイル11
が設けられている。さらに図3に示すように、容器受け
板6には、容器収容部8の中央部に位置して温度検出手
段としての温度センサ12が設けられている。この温度セ
ンサ12は、前記天板10の中央部を貫通して上方へ突出し
ている。これとともに、温度センサ12は、所定範囲上下
動自在になっており、弾性部材としてのスプリング13に
より上方へ付勢されている。
【0010】そして、前記容器収容部8内に金属製の調
理容器16が着脱自在に装着されるようになっている。こ
の調理容器16は、上方へ突出した突縁部17を周囲に有
し、上面の中央部で焼肉などの食材の調理を行うもので
ある。なお、前記上ケース3の外周壁部は、調理容器16
の突縁部17よりも高く位置している。また、調理容器16
は、熱伝導性の良好な非磁性体材料、例えばアルミニウ
ムやその合金などからなっていて、前記天板10に当接し
て支えられるものであり、調理容器16における天板10に
当接する側すなわち下側には、磁性体材料からなる発熱
体18が溶射または一体で取り付けられている。そして、
前記誘導加熱コイル11に高周波電流を通電すると、発熱
体18が発熱して調理容器16が加熱されるようになってい
る。また、前記温度センサ12が容器収容部8内に装着さ
れた調理容器16の底面に弾発的に当接して、この調理容
器16の温度を検出し、この検出結果に応じて誘導加熱コ
イル11による加熱が行なわれるようになっている。
【0011】前記調理容器16内の上面には、前後方向へ
延びるビード状の複数の突起19がほぼ全面に形成されて
いる。また、前記調理容器16内の上面において、突起19
間の底部は、後方すなわち前記吸煙部9の方へ向かって
下降する方向に傾斜した傾斜面20になっている。さら
に、調理容器16内の上面の最後部には、前記各傾斜面20
を繋ぐようにして、これら傾斜面20よりもさらに深い凹
溝状の凹部21が形成されている。この凹部21は、前記吸
煙部9に沿っている。
【0012】また、前記吸煙部9の上側には、風ガイド
板26が突設されており、この風ガイド板26を含めると、
上ケース3の外周壁部の一辺は他の3辺よりも高く位置
している。そして、風ガイド板26は、吸煙部9に連通し
調理容器16の突縁部17との間へ開口した吸引手段として
の吸煙口27を形成するものである。なお、風ガイド板26
は、必須のものではなく、上ケース3の外周壁部の4辺
をほぼ同じ高さに位置させてもよい。また、前記吸煙部
9の上面開口にはパルプ製のフィルタ28が設けられてい
る。さらに、調理器本体1内で前記吸煙部9の下方には
送風機29が設けられている。この送風機29は、駆動装置
である小型の高効率のモータ30と、このモータ30により
回転駆動される吸煙用ファン31を上下同芯上に配置して
構成される。前記モータ30は、前記容器受け板6の下側
にねじ32などにより固定された整流板33に支持されてい
る。また、前記吸煙用ファン31は、整流板33とともに容
器受け板6に固定されたファンカバー34により覆われて
おり、吸気側が前記吸煙部9に連通させてある。さら
に、前記吸煙口27以外の三辺側、または吸煙口27の位置
した側と相対向する側(他側)において、上ケース3お
よび容器収容部8の外周壁部の上部間の隙間により、上
ケース3と調理容器16との間に開口した吹出し手段とし
ての排出口35が形成される。そして、前記吸煙用ファン
31の排気側が下ケース2内の空間部36を介して前記排出
口35に連通している。
【0013】さらに、前記調理器本体1の上面後部には
表示および操作部41が設けられており、この表示および
操作部41は、表示器としてのLEDランプ42の他に、操
作手段としての運転スイッチ43や、設定温度を決めるた
めの温度設定スイッチ44などを有している。
【0014】ここで、吸煙手段である送風機29の構成を
さらに詳しく説明すると、送風機29を構成するモータ30
ひいては吸煙用ファン31の回転軸Sは、図2に示すよう
に調理容器16よりも外方に位置しているものの、吸煙用
ファン31の外周部の一部は、容器収容部8の外周下部に
潜るように、すなわち調理容器16と上下に交差するよう
に配置される。また、本実施例におけるモータ30はDC
ブラシレスモータを使用している。この点に関し、従来
吸煙用ファンの駆動装置は、隈取りモータや、整流子モ
ータが専ら用いられてきた。しかし、これらは吸引能力
を高めるために回転数を上昇させようとすると、回転に
よる摩擦音が大きくなる欠点があった。本実施例では、
駆動装置がDCブラシレスモータで構成されるため、回
転による摩擦音などがなく、吸引能力を高めるために回
転数を上昇させても、静かな運転音を保つことができ
る。また、従来よりも小形のモータ30でも、同等または
それ以上の吸引能力を発揮できるため、調理器本体1の
小形化も達成できる。
【0015】図4は、電気的な構成を示すブロック図で
ある。同図において、51はマイクロコンピュータなどで
構成される制御手段で、これは誘導加熱コイル11のみな
らず、他のモータ30やLED42なども制御するものであ
る。制御手段51は、温度センサ12からの検出温度に基い
て、誘導加熱コイル11の出力を制御する加熱制御手段52
を備えており、この加熱制御手段52は誘導加熱コイル11
による加熱時間をカウントするタイマ手段53を備えてい
る。加熱制御手段52は、誘導加熱コイル11で調理容器16
を加熱して、温度センサ12が決められた設定温度よりも
低い第1の制御温度を検出するとその状態を維持し、そ
こで温度センサ12が所定温度以上の温度低下を検出する
と、調理容器16が設定温度とほぼ同じ第2の制御温度と
なるように調理容器16を加熱すると共に、温度センサ12
が第2の制御温度を検出したらタイマ手段53による時間
計測を開始して、その後温度センサ12が所定温度以上の
温度低下を検出することなく一定時間以上継続したら、
調理容器16が第1の制御温度になるように加熱制御を移
行するものである。また特に本実施例における加熱制御
手段52は、温度設定スイッチ44により高めの設定温度を
選択した場合に、温度センサ12が第1の制御温度を検出
すると、その状態を維持すると共にタイマ手段53による
時間計測を開始し、その後温度センサ12が所定温度以上
の温度低下を検出することなく一定時間以上継続した
ら、調理容器16が第1の制御温度よりもさらに低い第3
の制御温度になるように加熱制御を移行してその状態を
継続し、そこで温度センサ12が所定温度以上の温度低下
を検出すると、調理容器16が第2の制御温度となるよう
に調理容器16を加熱する構成となっている。
【0016】次に、上記構成について、その作用を図5
におけるフローチャートと、図6における温度センサ12
の温度変化を示したグラフとに基づき説明する。
【0017】先ず、運転スイッチ43を押して加熱制御手
段52による加熱制御を開始すると、誘導加熱コイル11に
通電されて、調理容器16の底部の発熱体18が発熱し、こ
の発熱体18と一体に構成された調理容器16に熱伝導によ
り熱が伝わって、調理容器16が電磁誘導加熱される(ス
テップS1)。この調理容器16への加熱に伴ない、調理
容器16の温度を検出する温度センサ12がステップS2で
設定温度よりも低い第1の制御温度を検出すると、タイ
マ手段53で時間計時を開始すると同時に、予熱完了をL
EDランプ42若しくは図示しない鳴動手段たるブザーで
報知する。そして、温度センサ12の検出温度に大きな変
化がなく、すなわち使用者が調理容器16に被調理物を投
入することなくそのままの状態で報知した場合には、再
度ステップS1およびステップS2の手順に戻り、調理
容器16が第1の制御温度に維持されるように、加熱制御
手段52が誘導加熱コイル11の出力を制御する。
【0018】一方、前記ステップS1およびステップS
2において、調理容器16を第1の制御温度に維持するよ
うな加熱制御を行なっている最中に、使用者が焼き肉な
どの被調理物を調理容器16に投入して、実質的な調理を
開始すると、調理容器16の温度が低下する。その際、温
度センサ12が第1の所定温度Δt以上の温度低下を検出
すると(ステップS3)、次のステップS4に移行し
て、加熱制御手段52は調理容器16が設定温度と同じ第2
の制御温度に上昇するように、誘導加熱コイル11の出力
を増加させる。こうして、調理時に調理容器16の温度を
設定温度にまで加熱上昇させることで、焼き肉の焼き上
がりなどの調理性能を阻害することなく、調理を行なう
ことが可能になる。
【0019】そして、調理容器16に肉などの食材を入れ
ると、調理容器16の突起19から熱を受けて食材が加熱さ
れるともに、食材の肉などから水分や油分が出る。この
水分や油分は、調理容器16内の突起19間の底部の傾斜面
20に伝わり、一部は熱により煙となって室内に上昇す
る。一方、上昇しない残りの水分や油分は、傾斜面20を
伝わって吸煙部9の方へ流れ下り、凹部21に流れ込む。
【0020】ここで、モータ30に通電すると、吸煙用フ
ァン31が回転して図1に鎖線の矢印で示すような空気流
が生じる。すなわち、調理容器16内の空気が吸煙口27か
ら吸い込まれ、フィルタ28、吸煙用ファン31、整流板3
3、下ケース2内の空間部36および排出口35を順次通っ
て、上ケース3と調理容器16との間の隙間から調理面に
排出される。前記空気中には調理によって発生した煙や
水蒸気が含まれているが、吸煙口27内のフィルタ28を通
るときに空気中の油分が除去され、油分の除去された空
気が調理容器16へ還流される。そして、排出口35から排
出される空気は、調理時に調理容器16内で発生する水蒸
気や油分を吸煙口27の方へ導き、この吸煙口27からの吸
煙を補助する。これにより、煙の室内への分散が抑制さ
れる。また、前述のように肉などの食材から発生した油
分や水分は、突起19間を通過して吸煙口27の下方に位置
する凹部21に集められるが、この凹部21に溜まった油分
から発生した煙は、その上方近傍に吸煙口27が位置して
いることにより、この吸煙口27から確実に吸煙される。
【0021】また、調理容器16への加熱に伴ない調理容
器16の温度が上昇して、温度センサ12が第2の制御温度
を検出すると、加熱制御手段52はタイマ手段53による時
間計測を開始する。調理容器16への被調理物の再投入に
より、一定時間A以内に温度センサ12が第2の所定温度
(前述の所定温度Δtと同じ値であっても、異なってい
てもよい)以上の温度低下を検出すると、タイマ手段53
の時間計測はクリアされ、再度その時点から計測が開始
されるが、例えば使用者による運転スイッチ43の切り忘
れなどで、一定時間Aが経過しても温度センサ12が第2
の所定温度以上の温度低下を検出しない場合には(ステ
ップS6)、ステップS1およびステップS2の手順に
戻り、調理容器16が設定温度よりも低い第1の制御温度
になるように、加熱制御手段52によって誘導加熱コイル
11の出力を低減させる。こうして、調理を行なっていな
い場合には、調理容器16の温度を設定温度よりも下げる
ことで、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0022】上記一連の手順において、調理の形態とし
て焼き肉を想定した場合の一実施例として、第1の制御
温度を210℃とし、第2の制御温度を250℃に設定
する。また、タイマ手段53により第2の制御温度から第
1の制御温度に移行させるまでの一定時間Aを1〜2分
に設定する。さらに、第1の制御温度で調理容器16を加
熱制御中に所定温度Δtの温度低下を検出して、第2の
制御温度に移行させるときの所定温度の変化量(Δt)
を、5〜20℃に設定する。
【0023】こうすると、設定温度(250℃)よりも
若干低い温度(約210℃)で焼き肉を開始することに
なるので、調理容器16に肉を投入したときに、肉汁の急
激な加熱が緩和され、油の飛び跳ねや油煙の発生が、従
来の250℃に加熱された状態で焼き肉を行なう場合に
比べて大幅に抑制される。しかも、調理容器16の温度低
下を検出して速やかに加熱を開始して、調理容器16を高
温(約250℃)に維持しようと動作するので、焼き肉
に必要な火力そのものの低下は、焼き上がりに影響を及
ぼすほど低下しない。因みに、実験によれば、味付けカ
ルビ肉200グラムを調理した場合、調理容器16の外部
に飛散した油の量は従来のものに比べて1/5に低減さ
れた。
【0024】また本実施例では、温度設定スイッチ44で
選択した設定温度に応じて、加熱制御手段52による制御
の仕方が若干異なっている。ここでは設定温度を複数段
階、すなわち80℃,120℃,160℃,200℃,
220℃の5段階に可変設定できるようになっている
が、電力消費の少ない低温設定(80℃,120℃,1
60℃)の場合には、図6の温度特性線TLに示すよう
に、上述のステップS1〜S6と同じ手順で加熱制御が
行なわれる。すなわち運転スイッチ43を押すと、調理容
器16が設定温度よりも10℃低い第1の制御温度に維持
されるように、加熱制御手段52が誘導加熱コイル11の出
力を制御し、その後、温度センサ12が第1の所定温度Δ
t以上の温度低下を検出したら、実質的な調理の開始と
判断して、調理容器16を設定温度とほぼおなじ第2の制
御温度にまで加熱上昇させる。そして、この状態で一定
時間A(例えば2分)が経過しても、温度センサ12が第
2の所定温度以上の温度低下を検出しない場合には、再
び調理容器16が第1の制御温度になるように、誘導加熱
コイル11の出力を低減させ、上記一連の動作を繰り返
す。
【0025】一方、電力消費の多い高温設定(200
℃,220℃)の場合には、図6の温度特性線THに示
すように、運転スイッチ43を押すと、調理容器16が設定
温度よりも10℃低い第1の制御温度に維持されるよう
に、加熱制御手段52が誘導加熱コイル11の出力を制御す
る共に、温度センサ12の検出温度が第1の制御温度に達
した時点でタイマ手段53による時間計測を開始する。そ
して、調理容器16への被調理物の投入により、一定時間
(例えば2分)以内に温度センサ12が第1の所定温度Δ
t以上の温度低下を検出したら、実質的な調理の開始と
判断して、タイマ手段53の時間計測をクリアし、調理容
器16を設定温度とほぼおなじ第2の制御温度にまで加熱
上昇させる。これに対して、一定時間が経過しても、温
度センサ12が第1の所定温度Δt以上の温度低下を検出
しない場合には、第1の制御温度よりもさらに低い(設
定温度よりも20℃低い)第3の制御温度に調理容器16が
維持されるように、誘導加熱コイル11の出力を低減す
る。すなわち予熱完了後、一定時間が経過しても調理容
器16の温度低下を検出できない場合に、調理容器16の温
度をさらに第3の制御温度に低下させることで、不必要
な消費電力をさらに抑制できる。
【0026】その後加熱制御手段52は、調理容器16の温
度を第3の制御温度に維持するように、誘導加熱コイル
11の出力を制御するが、やがて温度センサ12が第3の所
定温度(第1の所定温度Δtと同じ温度であってもよ
い)以上の温度低下を検出したら、実質的な調理の開始
と判断して、調理容器16を設定温度とほぼおなじ第2の
制御温度にまで加熱上昇させる。調理時に調理容器16の
温度が設定温度にまで上昇するので、調理性能が阻害さ
れることは殆どない。
【0027】温度センサ12が設定温度である第2の制御
温度を検出すると、加熱制御手段52はタイマ手段53によ
る時間計測を開始すると共に、調理容器16が第2の制御
温度に維持されるように、誘導加熱コイル11の出力を制
御する。そして、この状態で一定時間A(例えば2分)
が経過しても、温度センサ12が第2の所定温度以上の温
度低下を検出しない場合には、再び調理容器16が第1の
制御温度になるように、誘導加熱コイル11の出力を低減
させ、それ以降は上記一連の動作を繰り返す。
【0028】以上のように本実施例によれば、調理容器
16を電磁誘導加熱する加熱手段としての誘導加熱コイル
11と、調理容器16の温度を検出する温度検出手段として
の温度センサ12と、加熱時間をカウントする計時手段と
してのタイマ手段53と、調理容器16を通常の設定温度よ
りも低い第1の制御温度と通常の設定温度である第2の
制御温度のいずれかに維持する加熱制御を行ない、調理
容器16を第1の制御温度に維持しているときに、この調
理容器16が所定温度以上低下したら第2の制御温度にま
で調理容器16を加熱すると共に、調理容器16が第2の制
御温度の状態のままタイマ手段53が一定時間Aのカウン
トを行なった場合には、第1の制御温度による加熱制御
に移行させる制御手段(加熱制御手段52)とを備えてい
る。
【0029】このようにすると、例えば調理容器16に被
調理物が投入されず、調理容器16が設定温度と同じ第2
の制御温度に維持されたまま一定時間Aが経過すると、
加熱制御手段52は調理容器16を自動的に設定温度よりも
低い第1の制御温度に移行させる。従って、過度に調理
容器16を加熱することなく焼き肉などの調理を行なうこ
とが可能になり、余計な電力消費を抑制できる。また、
調理容器16を第1の制御温度に維持しているときに、被
調理物を調理容器16に投入しても、調理容器16は設定温
度よりも低くなっているので、油の飛び跳ねや油煙の発
生を抑制できる。しかも、被調理物を調理容器16に投入
することによって、調理容器16が所定温度以上に低下す
ると、第2の制御温度にまで調理容器16を速やかに加熱
するので、焼き肉性能の低下も殆どない。さらに、調理
容器16は誘導加熱コイル11によって電磁誘導加熱される
ので、調理容器16の速熱性が高まって熱応答が速くな
り、調理容器16は第1の制御温度から第2の制御温度に
短時間に移行して、調理性能がより向上する。
【0030】また本実施例では、上記構成において調理
容器16から発生する煙を吸い込む吸煙手段としての送風
機29を備えている。こうすると、送風機29による吸煙機
能との組み合せにより、油煙の発生が一層抑制される。
しかも、吸煙するので加熱調理器周辺の空気が汚れな
い。
【0031】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
上記実施例中における各設定温度,制御温度,時間の設
定はあくまでも一例にすぎず、実際の加熱調理器の性能
などを考慮して適宜変更すればよい。
【0032】
【発明の効果】本発明の請求項1の加熱調理器によれ
ば、余計な電力消費を抑制し、しかも調理性能を損なう
ことなく、調理容器からの油の飛び跳ねや油煙の発生を
抑制できる。
【0033】また、本発明の請求項2の加熱調理器によ
れば、吸煙手段を設けたことによる相乗効果で、油煙の
発生を一層抑制できると共に、加熱調理器周辺の空気を
汚れないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱調理器の一実施例を示す平面図で
ある。
【図2】同上加熱調理器全体の断面図である。
【図3】同上温度センサ周辺の断面図である。
【図4】同上電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】同上制御手順を示すフローチャートである。
【図6】同上加熱制御時における温度センサの特性を示
すグラフである。
【符号の説明】
11 誘導加熱コイル(加熱手段) 12 温度センサ(温度検出手段) 29 送風機(吸煙手段) 52 加熱制御手段(制御手段) 53 計時手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関川 一宏 新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝 ホームテクノ株式会社内 Fターム(参考) 3K051 AB12 AC33 AC35 AD07 AD12 3L087 AA03 AB07 BB07 BC12 DA08 DA27 4B040 AA03 AA08 AB04 AC03 AD04 AE13 CA06 CA13 EB20 LA04 LA12 NA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱する加熱手段と、調理容器の温度を
    検出する温度検出手段と、カウントする計時手段と、制
    御を行ない、第1の温度に維持しているときに所定温度
    以上低下したら、第2の温度にまで加熱すると共に、前
    記計時手段がカウントを行なった場合には、第1の温度
    による制御に移行させる制御手段とを備えたことを特徴
    とする加熱調理器。
  2. 【請求項2】 吸煙手段を備えたことを特徴とする請求
    項1記載の加熱調理器。
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JP2012248499A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Panasonic Corp 誘導加熱調理器

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