JP2003249212A - 非水電解質電池の製造方法 - Google Patents
非水電解質電池の製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造段階において、良好なサイクル特性を得
るための調整をする。 【解決手段】 正極集電体上に正極活物質層が形成され
てなる正極と、負極集電体上に負極活物質層が形成され
てなる負極と、正極と負極との間に介在されてなる非水
電解質とを備えた非水電解質電池の製造方法であって、
正極又は負極の電極活物質と結合剤とを含有する電極合
剤を電極集電体上に塗布、乾燥して電極活物質層を形成
する際に、結合剤として炭素以外の元素を含有するもの
を用い、電極集電体上に塗布された電極合剤の表面にお
いて上記元素の濃度を観測することにより当該電極合剤
の乾燥状態を評価し、当該評価結果に応じて乾燥条件を
変化させる。
るための調整をする。 【解決手段】 正極集電体上に正極活物質層が形成され
てなる正極と、負極集電体上に負極活物質層が形成され
てなる負極と、正極と負極との間に介在されてなる非水
電解質とを備えた非水電解質電池の製造方法であって、
正極又は負極の電極活物質と結合剤とを含有する電極合
剤を電極集電体上に塗布、乾燥して電極活物質層を形成
する際に、結合剤として炭素以外の元素を含有するもの
を用い、電極集電体上に塗布された電極合剤の表面にお
いて上記元素の濃度を観測することにより当該電極合剤
の乾燥状態を評価し、当該評価結果に応じて乾燥条件を
変化させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造の段階で良好
なサイクル特性を得るための調整が可能な非水電解質電
池の製造方法に関する。
なサイクル特性を得るための調整が可能な非水電解質電
池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ラップトップコンピュータ、ワー
プロ等の携帯情報機器、カメラ一体型VTR、液晶TV
等のAV機器や、携帯電話等の移動体通信機器等の発展
はめざましく、電源として用いられる電池に対して小
型、軽量、高エネルギー密度の二次電池が要求される。
これまで、鉛電池、ニッケルカドミウム電池等の水溶液
系二次電池が使用されてきたが、軽量化、高エネルギー
密度、低自己放電等の要求に対して、十分でない。
プロ等の携帯情報機器、カメラ一体型VTR、液晶TV
等のAV機器や、携帯電話等の移動体通信機器等の発展
はめざましく、電源として用いられる電池に対して小
型、軽量、高エネルギー密度の二次電池が要求される。
これまで、鉛電池、ニッケルカドミウム電池等の水溶液
系二次電池が使用されてきたが、軽量化、高エネルギー
密度、低自己放電等の要求に対して、十分でない。
【0003】最近、高エネルギー密度を有し、しかも、
クリーンな電池としてリチウム二次電池に対して、大き
な関心と期待が持たれている。
クリーンな電池としてリチウム二次電池に対して、大き
な関心と期待が持たれている。
【0004】リチウムのドープ・脱ドープが可能な炭素
材料を負極とし、リチウムコバルト酸化物、リチウムニ
ッケル酸化物等のリチウム複合酸化物を正極としたリチ
ウムイオン電池の開発が、近年、活発に行われている。
これらの電池は、正極/負極の設計容量を最適化するこ
とにより、リチウム金属を用いた電池系でみられるリチ
ウムデンドライトの形成はなく、自己放電が少なく、サ
イクル特性、安全性に優れ、さらに低温特性、負荷特
性、あるいは急速充電性にも優れており、おおいに期待
が持たれているとともに、ラップトップコンピュータ、
ワープロ、カメラ一体型VTR、液晶TV、携帯電話等
のポータブル機器用電源として、実用化に至っている。
材料を負極とし、リチウムコバルト酸化物、リチウムニ
ッケル酸化物等のリチウム複合酸化物を正極としたリチ
ウムイオン電池の開発が、近年、活発に行われている。
これらの電池は、正極/負極の設計容量を最適化するこ
とにより、リチウム金属を用いた電池系でみられるリチ
ウムデンドライトの形成はなく、自己放電が少なく、サ
イクル特性、安全性に優れ、さらに低温特性、負荷特
性、あるいは急速充電性にも優れており、おおいに期待
が持たれているとともに、ラップトップコンピュータ、
ワープロ、カメラ一体型VTR、液晶TV、携帯電話等
のポータブル機器用電源として、実用化に至っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】リチウムイオン系二次
電池での電極製造工程では、集電体である金属箔に流動
性のある活物質等(電極合剤)を塗布し、乾燥させるこ
とで電極を製造している。電極合剤組成は電池反応(充
放電反応)に直接寄与する活物質と、この電池反応をサ
ポートする導電剤、さらに、それらをつなぎ止めるバイ
ンダーとから構成されている。これらを均一に混合、か
つ塗布するために溶剤を加えて電極合剤としている。そ
して、塗布後の乾燥では、特に電池反応に寄与しない電
極合剤中の溶剤をとばすことを目的としている。
電池での電極製造工程では、集電体である金属箔に流動
性のある活物質等(電極合剤)を塗布し、乾燥させるこ
とで電極を製造している。電極合剤組成は電池反応(充
放電反応)に直接寄与する活物質と、この電池反応をサ
ポートする導電剤、さらに、それらをつなぎ止めるバイ
ンダーとから構成されている。これらを均一に混合、か
つ塗布するために溶剤を加えて電極合剤としている。そ
して、塗布後の乾燥では、特に電池反応に寄与しない電
極合剤中の溶剤をとばすことを目的としている。
【0006】ところで、最近のリチウムイオン系二次電
池の需要増加に伴い、これら電極の生産性を上げるた
め、塗布・乾燥速度を上げることが試みられている。塗
布速度を上げるには、溶剤量を増やすと粘度が低下し、
塗布が容易になるが、後の乾燥が難しくなる。また、乾
燥不足を補うため、温度を上げ過ぎて乾燥を急激に行う
と、サイクル特性等に見られる二次電池特性が急激に劣
化する。最適な乾燥とは、より長い時間をかけて乾燥さ
せることが好ましいが、生産性と矛盾する。さらに、た
とえ最適な乾燥条件を設定しても、電極合剤粘度管理に
よる溶剤量の変動、塗布時の膜厚変動も乾燥状態を左右
し、粗悪な電池となってしまう。
池の需要増加に伴い、これら電極の生産性を上げるた
め、塗布・乾燥速度を上げることが試みられている。塗
布速度を上げるには、溶剤量を増やすと粘度が低下し、
塗布が容易になるが、後の乾燥が難しくなる。また、乾
燥不足を補うため、温度を上げ過ぎて乾燥を急激に行う
と、サイクル特性等に見られる二次電池特性が急激に劣
化する。最適な乾燥とは、より長い時間をかけて乾燥さ
せることが好ましいが、生産性と矛盾する。さらに、た
とえ最適な乾燥条件を設定しても、電極合剤粘度管理に
よる溶剤量の変動、塗布時の膜厚変動も乾燥状態を左右
し、粗悪な電池となってしまう。
【0007】装置での改善として、塗膜の乾燥状態を観
測して、乾燥条件へフィードバックすることが考えられ
るが、高温となる乾燥炉内で移動する電極の乾燥状態等
を測定することは困難であり、乾燥できたから、サイク
ル特性がよいという保証はない。なお、サイクル試験に
は短くても2ヶ月以上の評価が必要で、リアルタイムで
のフィードバックは不可能である。
測して、乾燥条件へフィードバックすることが考えられ
るが、高温となる乾燥炉内で移動する電極の乾燥状態等
を測定することは困難であり、乾燥できたから、サイク
ル特性がよいという保証はない。なお、サイクル試験に
は短くても2ヶ月以上の評価が必要で、リアルタイムで
のフィードバックは不可能である。
【0008】また、リチウムイオン電池のサイクル特性
は、電極の外観だけで判断することが不可能なため、電
池を作製し、評価しなければいけなかった。従って、サ
イクル不良品を判別するためにセルを生産し、一定期間
の評価期間が必要なため、電池になってから不良品が多
量に発生する点と在庫期間の短縮化が難しいことが問題
であった。従って、電池を作る前の工程でサイクル特性
が予測できるシステムの構築が望まれていた。
は、電極の外観だけで判断することが不可能なため、電
池を作製し、評価しなければいけなかった。従って、サ
イクル不良品を判別するためにセルを生産し、一定期間
の評価期間が必要なため、電池になってから不良品が多
量に発生する点と在庫期間の短縮化が難しいことが問題
であった。従って、電池を作る前の工程でサイクル特性
が予測できるシステムの構築が望まれていた。
【0009】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、乾燥中及び乾燥直後の電極表層
のバインダー濃度を観測、乾燥状態の変動を管理し、乾
燥炉にフィードバックすることで、良好なサイクル特性
を得るための調整をすることができる非水電解質電池の
製造方法を提供することを目的とする。
提案されたものであり、乾燥中及び乾燥直後の電極表層
のバインダー濃度を観測、乾燥状態の変動を管理し、乾
燥炉にフィードバックすることで、良好なサイクル特性
を得るための調整をすることができる非水電解質電池の
製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の非水電解質電池
の製造方法は、正極集電体上に正極活物質層が形成され
てなる正極と、負極集電体上に負極活物質層が形成され
てなる負極と、正極と負極との間に介在されてなる非水
電解質とを備えた非水電解質電池の製造方法であって、
正極又は負極の電極活物質と結合剤とを含有する電極合
剤を電極集電体上に塗布、乾燥して電極活物質層を形成
する際に、上記結合剤として、炭素以外の元素を含有す
るものを用い、電極集電体上に塗布された電極合剤の表
面において、上記元素の濃度を観測することにより当該
電極合剤の乾燥状態を評価し、当該評価結果に応じて乾
燥条件を変化させることを特徴とする。
の製造方法は、正極集電体上に正極活物質層が形成され
てなる正極と、負極集電体上に負極活物質層が形成され
てなる負極と、正極と負極との間に介在されてなる非水
電解質とを備えた非水電解質電池の製造方法であって、
正極又は負極の電極活物質と結合剤とを含有する電極合
剤を電極集電体上に塗布、乾燥して電極活物質層を形成
する際に、上記結合剤として、炭素以外の元素を含有す
るものを用い、電極集電体上に塗布された電極合剤の表
面において、上記元素の濃度を観測することにより当該
電極合剤の乾燥状態を評価し、当該評価結果に応じて乾
燥条件を変化させることを特徴とする。
【0011】上述したような本発明に係る非水電解質電
池の製造方法では、電極集電体上に塗布された電極合剤
の表面において、上記元素の濃度を観測することにより
当該電極合剤の乾燥状態を評価し、当該評価結果に応じ
て乾燥条件を変化させているので、電極合剤の乾燥状態
を、良好なサイクル特性が得られるために最適な状態と
することができる。
池の製造方法では、電極集電体上に塗布された電極合剤
の表面において、上記元素の濃度を観測することにより
当該電極合剤の乾燥状態を評価し、当該評価結果に応じ
て乾燥条件を変化させているので、電極合剤の乾燥状態
を、良好なサイクル特性が得られるために最適な状態と
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明を適用して製造される非水
電解質電池の一構成例を示す縦断面図である。この非水
電解液電池1は、フィルム状の正極2と、フィルム状の
負極3とが、セパレータ4を介して密着状態で巻回され
た巻層体が、電池缶5内部に装填されてなる。
電解質電池の一構成例を示す縦断面図である。この非水
電解液電池1は、フィルム状の正極2と、フィルム状の
負極3とが、セパレータ4を介して密着状態で巻回され
た巻層体が、電池缶5内部に装填されてなる。
【0014】上記正極2は、正極活物質と結合剤とを含
有する正極合剤を集電体上に塗布、乾燥することにより
作製される。集電体には例えばアルミニウム箔等の金属
箔が用いられる。
有する正極合剤を集電体上に塗布、乾燥することにより
作製される。集電体には例えばアルミニウム箔等の金属
箔が用いられる。
【0015】正極活物質には、目的とする電池の種類に
応じて金属酸化物、金属硫化物又は特定の高分子を用い
ることができる。
応じて金属酸化物、金属硫化物又は特定の高分子を用い
ることができる。
【0016】例えば、リチウム一次電池を構成する場
合、正極活物質としては、TiS2、MnO2、黒鉛、
FeS2等を使用することができる。また、リチウム二
次電池を構成する場合、正極活物質としては、Ti
S2、MoS2、NbSe2、V2O5等の金属硫化物
あるいは酸化物を使用することができる。また、LiM
xO 2(式中Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池
の充放電状態によって異なり、通常0.05以上、1.
10以下である。)を主体とするリチウム複合酸化物等
を使用することができる。このリチウム複合酸化物を構
成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ま
しい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては
LiCoO2、LiNiO2、LiNiyCo1−yO
2(式中、0<y<1である。)、LiMn2O4等を
挙げることができる。これらのリチウム複合酸化物は、
高電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物
質となる。正極2には、これらの正極活物質の複数種を
あわせて使用してもよい。
合、正極活物質としては、TiS2、MnO2、黒鉛、
FeS2等を使用することができる。また、リチウム二
次電池を構成する場合、正極活物質としては、Ti
S2、MoS2、NbSe2、V2O5等の金属硫化物
あるいは酸化物を使用することができる。また、LiM
xO 2(式中Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池
の充放電状態によって異なり、通常0.05以上、1.
10以下である。)を主体とするリチウム複合酸化物等
を使用することができる。このリチウム複合酸化物を構
成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ま
しい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては
LiCoO2、LiNiO2、LiNiyCo1−yO
2(式中、0<y<1である。)、LiMn2O4等を
挙げることができる。これらのリチウム複合酸化物は、
高電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物
質となる。正極2には、これらの正極活物質の複数種を
あわせて使用してもよい。
【0017】また、上記正極合剤の結合剤としては、通
常、電池の正極合剤に用いられている公知の結合剤を用
いることができるが、後述するようにポリフッ化ビニリ
デンを用いることが好ましい。また、上記正極合剤に導
電剤等、公知の添加剤を添加することができる。
常、電池の正極合剤に用いられている公知の結合剤を用
いることができるが、後述するようにポリフッ化ビニリ
デンを用いることが好ましい。また、上記正極合剤に導
電剤等、公知の添加剤を添加することができる。
【0018】負極3は、負極活物質と結合剤とを含有す
る負極合剤を、集電体上に塗布、乾燥することにより作
製される。上記集電体には、例えば銅箔等の金属箔が用
いられる。
る負極合剤を、集電体上に塗布、乾燥することにより作
製される。上記集電体には、例えば銅箔等の金属箔が用
いられる。
【0019】リチウム一次電池又はリチウム二次電池を
構成する場合、負極材料としては、リチウム、リチウム
合金、又はリチウムをドープ、脱ドープできる材料を使
用することが好ましい。リチウムをドープ、脱ドープで
きる材料として、例えば、難黒鉛化炭素系材料やグラフ
ァイト系材料等の炭素材料を使用することができる。具
体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス
状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性
炭等の炭素材料を使用することができる。上記コークス
類には、ピッチコークス、ニートルコークス、石油コー
クス等がある。また、上記有機高分子化合物焼成体と
は、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成
し炭素化したものを示す。
構成する場合、負極材料としては、リチウム、リチウム
合金、又はリチウムをドープ、脱ドープできる材料を使
用することが好ましい。リチウムをドープ、脱ドープで
きる材料として、例えば、難黒鉛化炭素系材料やグラフ
ァイト系材料等の炭素材料を使用することができる。具
体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス
状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性
炭等の炭素材料を使用することができる。上記コークス
類には、ピッチコークス、ニートルコークス、石油コー
クス等がある。また、上記有機高分子化合物焼成体と
は、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成
し炭素化したものを示す。
【0020】上述した炭素材料のほか、リチウムをドー
プ、脱ドープできる材料として、ポリアセチレン、ポリ
ピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用するこ
ともできる。また、リチウム合金として、リチウム−ア
ルミニウム合金等を使用することができる。
プ、脱ドープできる材料として、ポリアセチレン、ポリ
ピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用するこ
ともできる。また、リチウム合金として、リチウム−ア
ルミニウム合金等を使用することができる。
【0021】また、上記負極合剤の結合剤としては、通
常リチウムイオン電池の負極合剤に用いられている公知
の結合剤を用いることができるが、後述するようにポリ
フッ化ビニリデンを用いることが好ましい。また、上記
負極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
常リチウムイオン電池の負極合剤に用いられている公知
の結合剤を用いることができるが、後述するようにポリ
フッ化ビニリデンを用いることが好ましい。また、上記
負極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
【0022】非水電解液は、電解質を非水溶媒に溶解し
て調製される。
て調製される。
【0023】電解質としては、通常、電池電解液に用い
られている公知の電解質を使用することができる。具体
的には、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、Li
ClO4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)
2、LiC(SO2CF3) 3、LiAlCl4、Li
SiF6等のリチウム塩を挙げることができる。その中
でも特にLiPF6、LiBF4が酸化安定性の点から
望ましい。
られている公知の電解質を使用することができる。具体
的には、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、Li
ClO4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)
2、LiC(SO2CF3) 3、LiAlCl4、Li
SiF6等のリチウム塩を挙げることができる。その中
でも特にLiPF6、LiBF4が酸化安定性の点から
望ましい。
【0024】このような電解質は、非水溶媒中に0.1
mol/l〜3.0mol/lの濃度で溶解されている
ことが好ましい。さらに好ましくは、0.5mol/l
〜2.0mol/lである。
mol/l〜3.0mol/lの濃度で溶解されている
ことが好ましい。さらに好ましくは、0.5mol/l
〜2.0mol/lである。
【0025】また、非水溶媒としては、従来より非水電
解液に使用されている種々の非水溶媒を使用することが
できる。例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の環
状炭酸エステルや、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の鎖
状炭酸エステル、プロピオン酸メチルや酪酸メチル等の
カルボン酸エステル、γ−ブチルラクトン、スルホラ
ン、2−メチルテトラヒドロフランやジメトキシエタン
等のエーテル類等を使用することができる。これらの非
水溶媒は単独で使用してもよく、複数種を混合して使用
してもよい。その中でも特に、酸化安定性の点からは、
炭酸エステルを用いることが好ましい。
解液に使用されている種々の非水溶媒を使用することが
できる。例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の環
状炭酸エステルや、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の鎖
状炭酸エステル、プロピオン酸メチルや酪酸メチル等の
カルボン酸エステル、γ−ブチルラクトン、スルホラ
ン、2−メチルテトラヒドロフランやジメトキシエタン
等のエーテル類等を使用することができる。これらの非
水溶媒は単独で使用してもよく、複数種を混合して使用
してもよい。その中でも特に、酸化安定性の点からは、
炭酸エステルを用いることが好ましい。
【0026】そして、このような非水電解液電池1は、
つぎのようにして製造される。以下、本発明を適用した
非水電解質電池の製造方法について説明する。なお、以
下の説明では、正極と負極とをまとめて電極と称する場
合がある。
つぎのようにして製造される。以下、本発明を適用した
非水電解質電池の製造方法について説明する。なお、以
下の説明では、正極と負極とをまとめて電極と称する場
合がある。
【0027】正極2は、正極活物質と結合剤とを含有す
る正極合剤を、正極集電体となる例えばアルミニウム箔
等の金属箔上に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形
成することにより作製される。上記正極合剤の結合剤と
しては、公知の結合剤を用いることができるが、後述す
るようにポリフッ化ビニリデンを用いることが好まし
い。また、上記正極合剤に公知の添加剤等を添加するこ
とができる。
る正極合剤を、正極集電体となる例えばアルミニウム箔
等の金属箔上に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形
成することにより作製される。上記正極合剤の結合剤と
しては、公知の結合剤を用いることができるが、後述す
るようにポリフッ化ビニリデンを用いることが好まし
い。また、上記正極合剤に公知の添加剤等を添加するこ
とができる。
【0028】負極3は、負極活物質と結合剤とを含有す
る負極合剤を、負極集電体となる例えば銅箔等の金属箔
上に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成すること
により作製される。上記負極合剤の結合剤としては、公
知の結合剤を用いることができるが、後述するようにポ
リフッ化ビニリデンを用いることが好ましい。また、上
記負極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
る負極合剤を、負極集電体となる例えば銅箔等の金属箔
上に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成すること
により作製される。上記負極合剤の結合剤としては、公
知の結合剤を用いることができるが、後述するようにポ
リフッ化ビニリデンを用いることが好ましい。また、上
記負極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
【0029】そして、本発明では、上記電極合剤を電極
集電体に塗布、乾燥して電極活物質層を形成する際に、
電極集電体上に塗布された電極合剤の表面において、当
該電極合剤に結合剤として含有されるポリフッ化ビニリ
デン濃度、すなわちフッ素濃度を観測している。そし
て、観測されたフッ素濃度から電極合剤の乾燥状態を評
価し、当該評価結果に応じて乾燥条件を変化させてい
る。
集電体に塗布、乾燥して電極活物質層を形成する際に、
電極集電体上に塗布された電極合剤の表面において、当
該電極合剤に結合剤として含有されるポリフッ化ビニリ
デン濃度、すなわちフッ素濃度を観測している。そし
て、観測されたフッ素濃度から電極合剤の乾燥状態を評
価し、当該評価結果に応じて乾燥条件を変化させてい
る。
【0030】現在のリチウムイオン系二次電池におい
て、サイクル特性改善に有効な方法は公知のもので、負
極材料の改良にある。本発明者らは、同一の負極材料を
用いてサイクル特性の違うサンプ電池ルを作製して評価
分析した結果、負極活物質層中の結合剤成分であるフッ
素濃度が電極表面付近で変化していることに気が付い
た。
て、サイクル特性改善に有効な方法は公知のもので、負
極材料の改良にある。本発明者らは、同一の負極材料を
用いてサイクル特性の違うサンプ電池ルを作製して評価
分析した結果、負極活物質層中の結合剤成分であるフッ
素濃度が電極表面付近で変化していることに気が付い
た。
【0031】詳しくは後述する実施例で説明するが、図
2に、電極表面におけるフッ素濃度と、サイクル特性と
の関係を示す。フッ素濃度が8原子%〜12原子%の範
囲のときに、良好なサイクル特性が得られていることが
わかる。また、図3に、電極の乾燥温度と電極表面にお
けるフッ素濃度との関係について調べた結果を示す。図
3から、例えば電極表面のフッ素濃度を8原子%〜12
原子%の範囲とするためには、乾燥温度を85℃〜95
℃程度とすればよいことがわかる。
2に、電極表面におけるフッ素濃度と、サイクル特性と
の関係を示す。フッ素濃度が8原子%〜12原子%の範
囲のときに、良好なサイクル特性が得られていることが
わかる。また、図3に、電極の乾燥温度と電極表面にお
けるフッ素濃度との関係について調べた結果を示す。図
3から、例えば電極表面のフッ素濃度を8原子%〜12
原子%の範囲とするためには、乾燥温度を85℃〜95
℃程度とすればよいことがわかる。
【0032】すなわち、本発明は、電極合剤の塗布、乾
燥の段階において、電極活物質層表面の結合剤濃度(こ
こでは当該結合剤中のフッ素濃度)を観測し、それに応
じて乾燥条件を最適化することにより、電極活物質層表
面における結合剤濃度(ここではフッ素濃度)を、良好
なサイクル特性が得られる範囲に調整することで、良好
なサイクル特性を有する非水電解液電池を得ようとする
ものである。良好なサイクル特性を得るためには、電極
活物質層表面におけるフッ素濃度が、電極合剤中に含有
されるフッ素濃度よりも大きい、具体的には1.0〜
1.5倍程度であることが好ましい。
燥の段階において、電極活物質層表面の結合剤濃度(こ
こでは当該結合剤中のフッ素濃度)を観測し、それに応
じて乾燥条件を最適化することにより、電極活物質層表
面における結合剤濃度(ここではフッ素濃度)を、良好
なサイクル特性が得られる範囲に調整することで、良好
なサイクル特性を有する非水電解液電池を得ようとする
ものである。良好なサイクル特性を得るためには、電極
活物質層表面におけるフッ素濃度が、電極合剤中に含有
されるフッ素濃度よりも大きい、具体的には1.0〜
1.5倍程度であることが好ましい。
【0033】電極合剤表面においてフッ素濃度を観測す
る方法としては、例えば蛍光X線法、X線光電子分光
法、エネルギー分散型X線法、全反射蛍光法などが挙げ
られる。
る方法としては、例えば蛍光X線法、X線光電子分光
法、エネルギー分散型X線法、全反射蛍光法などが挙げ
られる。
【0034】また、観測されたフッ素濃度に応じて変化
させる乾燥条件としては、まず乾燥温度が挙げられる。
本発明者らが、乾燥温度と表面フッ素濃度との関係を調
べた試験では、限られた範囲内ではあるが、フッ素濃度
と温度に良い相関関係が得られている。また、近似式も
得られることから、フッ素濃度測定値を乾燥温度の設定
に利用することができる。その他にも、乾燥条件として
電極原反の走行速度や、風速等を変化させてもよい。
させる乾燥条件としては、まず乾燥温度が挙げられる。
本発明者らが、乾燥温度と表面フッ素濃度との関係を調
べた試験では、限られた範囲内ではあるが、フッ素濃度
と温度に良い相関関係が得られている。また、近似式も
得られることから、フッ素濃度測定値を乾燥温度の設定
に利用することができる。その他にも、乾燥条件として
電極原反の走行速度や、風速等を変化させてもよい。
【0035】図4に、本発明を適用して電極を製造する
ための電極製造装置の一構成例を示す。この製造装置2
0は、ガイドローラー21でガイドされて走行する電極
集電体22上に、電極合剤を供給し塗布する塗布部23
と、電極集電体上に塗布された電極合剤を乾燥とする乾
燥部24と、電極合剤が乾燥された電極活物質層の厚み
を測定する膜厚測定部25と、検査を行い欠陥を検出す
る検査部26とを備える。
ための電極製造装置の一構成例を示す。この製造装置2
0は、ガイドローラー21でガイドされて走行する電極
集電体22上に、電極合剤を供給し塗布する塗布部23
と、電極集電体上に塗布された電極合剤を乾燥とする乾
燥部24と、電極合剤が乾燥された電極活物質層の厚み
を測定する膜厚測定部25と、検査を行い欠陥を検出す
る検査部26とを備える。
【0036】膜厚測定部25においては、X線等を用い
た膜厚測定装置によって膜厚を測定し、管理している。
例えばこの膜厚測定部25に、表面観測装置27を取り
付ければよい。そして、この表面観測装置27によって
電極表面のフッ素濃度を測定し、その測定結果から近似
式を利用することで乾燥温度設定の最適化が可能とな
る。なお、表面観測装置27は、上記膜厚測定部25に
限られず、例えば乾燥部24の内部や、乾燥部24と膜
厚測定部25との間などに取り付けることもできる。
た膜厚測定装置によって膜厚を測定し、管理している。
例えばこの膜厚測定部25に、表面観測装置27を取り
付ければよい。そして、この表面観測装置27によって
電極表面のフッ素濃度を測定し、その測定結果から近似
式を利用することで乾燥温度設定の最適化が可能とな
る。なお、表面観測装置27は、上記膜厚測定部25に
限られず、例えば乾燥部24の内部や、乾燥部24と膜
厚測定部25との間などに取り付けることもできる。
【0037】以上のようにして得られる正極2と、負極
3とを、例えば微孔性ポリプロピレンフィルムからなる
セパレータ4を介して密着させ、渦巻型に多数回巻回す
ることにより巻層体が構成される。
3とを、例えば微孔性ポリプロピレンフィルムからなる
セパレータ4を介して密着させ、渦巻型に多数回巻回す
ることにより巻層体が構成される。
【0038】次に、その内側にニッケルメッキを施した
鉄製の電池缶5の底部に絶縁板6を挿入し、さらに巻層
体を収納する。そして負極の集電をとるために、例えば
ニッケルからなる負極リード7の一端を負極3に圧着さ
せ、他端を電池缶5に溶接する。これにより、電池缶5
は負極3と導通をもつこととなり、非水電解液電池1の
外部負極となる。また、正極2の集電をとるために、例
えばアルミニウムからなる正極リード8の一端を正極2
に取り付け、他端を電流遮断用薄板9を介して電池蓋1
0と電気的に接続する。この電流遮断用薄板9は、電池
内圧に応じて電流を遮断するものである。これにより、
電池蓋10は正極2と導通をもつこととなり、非水電解
液電池1の外部正極となる。
鉄製の電池缶5の底部に絶縁板6を挿入し、さらに巻層
体を収納する。そして負極の集電をとるために、例えば
ニッケルからなる負極リード7の一端を負極3に圧着さ
せ、他端を電池缶5に溶接する。これにより、電池缶5
は負極3と導通をもつこととなり、非水電解液電池1の
外部負極となる。また、正極2の集電をとるために、例
えばアルミニウムからなる正極リード8の一端を正極2
に取り付け、他端を電流遮断用薄板9を介して電池蓋1
0と電気的に接続する。この電流遮断用薄板9は、電池
内圧に応じて電流を遮断するものである。これにより、
電池蓋10は正極2と導通をもつこととなり、非水電解
液電池1の外部正極となる。
【0039】次に、この電池缶5の中に非水電解液を注
入する。この非水電解液は、電解質を非水溶媒に溶解さ
せて調製される。次に、アスファルトを塗布した絶縁封
口ガスケット11を介して電池缶5をかしめることによ
り電池蓋10が固定されて円筒型の非水電解液電池1が
作製される。
入する。この非水電解液は、電解質を非水溶媒に溶解さ
せて調製される。次に、アスファルトを塗布した絶縁封
口ガスケット11を介して電池缶5をかしめることによ
り電池蓋10が固定されて円筒型の非水電解液電池1が
作製される。
【0040】なお、この非水電解液電池1においては、
図1に示すように、負極リード7及び正極リード8に接
続するセンターピン12が設けられているとともに、電
池内部の圧力が所定値よりも高くなったときに内部の気
体を抜くための安全弁装置13及び電池内部の温度上昇
を防止するためのPTC素子14が設けられている。
図1に示すように、負極リード7及び正極リード8に接
続するセンターピン12が設けられているとともに、電
池内部の圧力が所定値よりも高くなったときに内部の気
体を抜くための安全弁装置13及び電池内部の温度上昇
を防止するためのPTC素子14が設けられている。
【0041】以上のようにして得られる非水電解液電池
1は、電極合剤の塗布、乾燥の段階において、電極活物
質層表面の結合剤濃度を観測し、それに応じて乾燥条件
を最適化しているので、電極活物質層表面における結合
剤濃度(ここではフッ素濃度)が最適化されており、良
好なサイクル特性を有するものとなる。
1は、電極合剤の塗布、乾燥の段階において、電極活物
質層表面の結合剤濃度を観測し、それに応じて乾燥条件
を最適化しているので、電極活物質層表面における結合
剤濃度(ここではフッ素濃度)が最適化されており、良
好なサイクル特性を有するものとなる。
【0042】なお、上述した実施の形態では、非水電解
液を用いた非水電解液電池を製造する場合例に挙げて説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導
電性高分子化合物の単体あるいは混合物を含有する固体
電解質を用いた固体電解質電池や、非水電解液がマトリ
クスポリマによってゲル状とされてなるゲル状電解質を
用いたゲル状電解質電池を製造する場合についても適用
可能である。
液を用いた非水電解液電池を製造する場合例に挙げて説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導
電性高分子化合物の単体あるいは混合物を含有する固体
電解質を用いた固体電解質電池や、非水電解液がマトリ
クスポリマによってゲル状とされてなるゲル状電解質を
用いたゲル状電解質電池を製造する場合についても適用
可能である。
【0043】上記の高分子固体電解質に含有される導電
性高分子化合物として具体的には、シリコン、アクリ
ル、アクリロニトリル、ポリフォスファゼン変性ポリ
マ、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、フッ素系ポリマ又はこれらの化合物の複合ポリマや
架橋ポリマ、変性ポリマ等が挙げられる。上記フッ素系
ポリマとしては、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポ
リ(ビニリデンフルオライド−co−ヘキサフルオロプ
ロピレン)、ポリ(ビニリデンフルオライド−co−テ
トラフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデンフルオライ
ド−co−トリフルオリエチレン)等が挙げられる。
性高分子化合物として具体的には、シリコン、アクリ
ル、アクリロニトリル、ポリフォスファゼン変性ポリ
マ、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、フッ素系ポリマ又はこれらの化合物の複合ポリマや
架橋ポリマ、変性ポリマ等が挙げられる。上記フッ素系
ポリマとしては、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポ
リ(ビニリデンフルオライド−co−ヘキサフルオロプ
ロピレン)、ポリ(ビニリデンフルオライド−co−テ
トラフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデンフルオライ
ド−co−トリフルオリエチレン)等が挙げられる。
【0044】マトリクスポリマは、ポリマ単体もしくは
これを用いたゲル電解質が、室温で1mS/cm以上の
イオン伝導度を示すものであれば、特に化学的な構造は
限定されない。このマトリクスポリマとしては、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン
オキサイド、ポリシロキサン系化合物、ポリフォスファ
ゼン系化合物、ポリプロピレンオキサイド、ポリメチル
メタアクリレート、ポリメタクリロニトリル、ポリエー
テル系化合物等が挙げられる。
これを用いたゲル電解質が、室温で1mS/cm以上の
イオン伝導度を示すものであれば、特に化学的な構造は
限定されない。このマトリクスポリマとしては、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン
オキサイド、ポリシロキサン系化合物、ポリフォスファ
ゼン系化合物、ポリプロピレンオキサイド、ポリメチル
メタアクリレート、ポリメタクリロニトリル、ポリエー
テル系化合物等が挙げられる。
【0045】また、上述した実施の形態では、二次電池
を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、一次電池についても適用可能である。ま
た、本発明を適用して製造される電池は、円筒型、角
型、コイン型、ボタン型等、その形状については特に限
定されることはなく、また、薄型、大型等の種々の大き
さにすることができる。
を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、一次電池についても適用可能である。ま
た、本発明を適用して製造される電池は、円筒型、角
型、コイン型、ボタン型等、その形状については特に限
定されることはなく、また、薄型、大型等の種々の大き
さにすることができる。
【0046】
【実施例】つぎに、本発明の効果を確認すべく行った実
施例について説明する。なお、以下に示す例では、具体
的な化合物名及び数値等を挙げて説明しているが、本発
明はこれらに限定されるものではないことは言うまでも
ない。
施例について説明する。なお、以下に示す例では、具体
的な化合物名及び数値等を挙げて説明しているが、本発
明はこれらに限定されるものではないことは言うまでも
ない。
【0047】・第1の実験
ここでは、負極表面の乾燥温度とフッ素濃度、及び容量
維持率との関係についての実験を行った。
維持率との関係についての実験を行った。
【0048】〈サンプル1〜サンプル11〉まず、負極
活物質として黒鉛を90重量部と、結合剤としてポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)を10重量部とを混合し、
NMPで混練りしてスラリー状の負極合剤を調製した。
この負極合剤を負極集電体となる銅箔上に塗布し、表1
に示すように70〜125℃の範囲の所定の温度で60
分間乾燥して負極活物質層を形成した。このときの乾燥
時間は、70℃でも十分に乾燥する時間であった。ま
た、負極活物質層の面積密度は20mg/cm2であっ
た。
活物質として黒鉛を90重量部と、結合剤としてポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)を10重量部とを混合し、
NMPで混練りしてスラリー状の負極合剤を調製した。
この負極合剤を負極集電体となる銅箔上に塗布し、表1
に示すように70〜125℃の範囲の所定の温度で60
分間乾燥して負極活物質層を形成した。このときの乾燥
時間は、70℃でも十分に乾燥する時間であった。ま
た、負極活物質層の面積密度は20mg/cm2であっ
た。
【0049】また、正極活物質としてLiCoO2を8
5重量部と、鱗片状黒鉛を5重量部とPVDFを10重
量部とを混合し、NMPで混練りして正極合剤を調製し
た。この正極合剤を正極集電体となるアルミニウム箔上
に塗布し、120℃で10分間乾燥して正極活物質層を
形成した。正極活物質層の面積密度は50mg/cm 2
であった。
5重量部と、鱗片状黒鉛を5重量部とPVDFを10重
量部とを混合し、NMPで混練りして正極合剤を調製し
た。この正極合剤を正極集電体となるアルミニウム箔上
に塗布し、120℃で10分間乾燥して正極活物質層を
形成した。正極活物質層の面積密度は50mg/cm 2
であった。
【0050】以上のようにして得られた正極、負極を帯
状に切断し、これを用いて電池を作製した。負極と正極
とを、徴多孔性ポリエチレンフイルムよりなるセパレー
タを介して、負極、セパレータ、正極、セパレータの順
に積層してから多数回巻回し、粘着テープで固定し、渦
巻型電極体を作製した。
状に切断し、これを用いて電池を作製した。負極と正極
とを、徴多孔性ポリエチレンフイルムよりなるセパレー
タを介して、負極、セパレータ、正極、セパレータの順
に積層してから多数回巻回し、粘着テープで固定し、渦
巻型電極体を作製した。
【0051】このようにして作製した渦巻型電極体を、
ニッケルめっきを施した電池容器に収納した。そして、
渦巻型電極上下両面には絶縁極を配設し、アルミニウム
製正極リードを正極集電体がら導出して安全弁装置に、
ニッケル製負極リードを負極集電体から導出して電池容
器に溶接した。この電池容器6の中に、非水電解液を注
入した。なお、非水電解液は、エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒に、LiPF
6を1mol/l濃度で溶解して調製した。
ニッケルめっきを施した電池容器に収納した。そして、
渦巻型電極上下両面には絶縁極を配設し、アルミニウム
製正極リードを正極集電体がら導出して安全弁装置に、
ニッケル製負極リードを負極集電体から導出して電池容
器に溶接した。この電池容器6の中に、非水電解液を注
入した。なお、非水電解液は、エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒に、LiPF
6を1mol/l濃度で溶解して調製した。
【0052】次いで、アスファルトで表面を塗布した絶
縁封ロガスケットを介して電池容器をがしめることによ
り、電流遮断機構を有する安全弁装置並びに電池蓋を固
定し、電池内の気密性を保特させ、直径18mm、高さ
65mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。
縁封ロガスケットを介して電池容器をがしめることによ
り、電流遮断機構を有する安全弁装置並びに電池蓋を固
定し、電池内の気密性を保特させ、直径18mm、高さ
65mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0053】以上のようにして作製された非水電解液電
池について、負極表面におけるフッ素濃度、放電容量維
持率との関係を調べた。
池について、負極表面におけるフッ素濃度、放電容量維
持率との関係を調べた。
【0054】負極表面のフッ素濃度定量分析は、エネル
ギー分散型X線を用いて行った。測定条件は、加速電圧
を3kV、有効時間を120秒とした。なお、水素は測
定不能のため、炭素とフッ素の原子数の割合を示してい
る。
ギー分散型X線を用いて行った。測定条件は、加速電圧
を3kV、有効時間を120秒とした。なお、水素は測
定不能のため、炭素とフッ素の原子数の割合を示してい
る。
【0055】放電容量維持率の評価は、まず、各電池に
対して、1Aの定電流定電圧充電を終止電圧4.2Vま
で3時間行った。その後、0.7Aの定電流放電を終止
電圧2.5Vまで行った。以上を1サイクルとし、これ
を300サイクル繰り返した。そして、1サイクル目に
おける放電容量に対する、300サイクル目における放
電容量の割合(%)を放電容量維持率として算出した。
対して、1Aの定電流定電圧充電を終止電圧4.2Vま
で3時間行った。その後、0.7Aの定電流放電を終止
電圧2.5Vまで行った。以上を1サイクルとし、これ
を300サイクル繰り返した。そして、1サイクル目に
おける放電容量に対する、300サイクル目における放
電容量の割合(%)を放電容量維持率として算出した。
【0056】各サンプル電池の乾燥温度、負極表面のフ
ッ素濃度、300サイクル放電容量維持率の評価結果を
表1に示す。また、さらにいくつかのサンプルも加えて
電極表面におけるフッ素濃度と、サイクル特性との関係
を図2に示し、電極の乾燥温度と電極表面におけるフッ
素濃度との関係を図3に示す。
ッ素濃度、300サイクル放電容量維持率の評価結果を
表1に示す。また、さらにいくつかのサンプルも加えて
電極表面におけるフッ素濃度と、サイクル特性との関係
を図2に示し、電極の乾燥温度と電極表面におけるフッ
素濃度との関係を図3に示す。
【0057】
【表1】
【0058】図2から、フッ素濃度が8原子%〜12原
子%の範囲のときに、良好なサイクル特性が得られてい
ることがわかる。そして、図3から、電極表面のフッ素
濃度を8原子%〜12原子%の範囲とするためには、乾
燥温度を85℃〜95℃程度とすればよいことがわか
る。また、図3において、乾燥温度(y)とフッ素濃度
(x)との関係について、y=3.93x+50.5と
いう近似式が得られた。
子%の範囲のときに、良好なサイクル特性が得られてい
ることがわかる。そして、図3から、電極表面のフッ素
濃度を8原子%〜12原子%の範囲とするためには、乾
燥温度を85℃〜95℃程度とすればよいことがわか
る。また、図3において、乾燥温度(y)とフッ素濃度
(x)との関係について、y=3.93x+50.5と
いう近似式が得られた。
【0059】また、今回は、電極合剤の結合剤としてフ
ッ素を含有するPVDFを用いたが、PVDF以外でも
負極活物質と異なる原子を含むものであれば、エネルギ
ー分散型X線を使用することにより、乾燥状態を管理す
ることが可能である。
ッ素を含有するPVDFを用いたが、PVDF以外でも
負極活物質と異なる原子を含むものであれば、エネルギ
ー分散型X線を使用することにより、乾燥状態を管理す
ることが可能である。
【0060】・第2の実験
つぎに、以下に示す第2及び第3の実験では、上記第1
の実験で得られたサンプルデータを基に、電極の乾燥工
程において負極表面のフッ素濃度を測定し、それに応じ
て乾燥温度を最適化しながら非水電解液電池を作製し、
その特性を評価した。
の実験で得られたサンプルデータを基に、電極の乾燥工
程において負極表面のフッ素濃度を測定し、それに応じ
て乾燥温度を最適化しながら非水電解液電池を作製し、
その特性を評価した。
【0061】〈実施例1〉まず、負極活物質として黒鉛
を48.0重量%と、結合剤としてPVDFを4.2重
量%と、NMPを48±2重量%の割合で混合し、粘度
の調整用に適度にNMPを加えて負極合剤を調製した。
を48.0重量%と、結合剤としてPVDFを4.2重
量%と、NMPを48±2重量%の割合で混合し、粘度
の調整用に適度にNMPを加えて負極合剤を調製した。
【0062】また、正極活物質としてLiCoO2を7
5.0重量%と、結合剤としてPVDFを2.6重量%
と、導電剤を2.4重量%と、NMPを20重量%の割
合で混合し、正極合剤を調製した。
5.0重量%と、結合剤としてPVDFを2.6重量%
と、導電剤を2.4重量%と、NMPを20重量%の割
合で混合し、正極合剤を調製した。
【0063】以上のようにして調製された負極合剤を負
極集電体上に塗布、乾燥して負極活物質層を形成した。
このときの乾燥条件は、電極原反の走行速度を15m/
分、設定温度を95℃とした。また、正極合剤を正極集
電体上に塗布、乾燥して正極活物質層を形成した。この
ときの乾燥条件は、電極原反の走行速度を15m/分、
設定温度を105℃とした。
極集電体上に塗布、乾燥して負極活物質層を形成した。
このときの乾燥条件は、電極原反の走行速度を15m/
分、設定温度を95℃とした。また、正極合剤を正極集
電体上に塗布、乾燥して正極活物質層を形成した。この
ときの乾燥条件は、電極原反の走行速度を15m/分、
設定温度を105℃とした。
【0064】蛍光X線により負極表面におけるフッ素濃
度を測定したところ、13原子%であった。そして、電
極の乾燥温度と電極表面におけるフッ素濃度との関係を
示した図3から、電極表面における実際の乾燥温度は1
01.6℃であり、設定温度よりも6.6(=105.
6−95)℃だけ高かったことがわかる。このため、設
定温度95℃からの誤差である6.6℃を差し引き、8
8.4(=95−6.6)℃に設定温度の自動補正を行
い、負極表面温度を95℃に保つようにした。なお、温
度補正後の負極表面におけるフッ素濃度を測定したとこ
ろ、12原子%に変化していた。
度を測定したところ、13原子%であった。そして、電
極の乾燥温度と電極表面におけるフッ素濃度との関係を
示した図3から、電極表面における実際の乾燥温度は1
01.6℃であり、設定温度よりも6.6(=105.
6−95)℃だけ高かったことがわかる。このため、設
定温度95℃からの誤差である6.6℃を差し引き、8
8.4(=95−6.6)℃に設定温度の自動補正を行
い、負極表面温度を95℃に保つようにした。なお、温
度補正後の負極表面におけるフッ素濃度を測定したとこ
ろ、12原子%に変化していた。
【0065】以上のようにして得られた正極、負極を帯
状に切断し、これを用いて電池を作製した。負極と正極
とを、徴多孔性ポリエチレンフイルムよりなるセパレー
タを介して、負極、セパレータ、正極、セパレータの順
に積層してから多数回巻回し、粘着テープで固定し、渦
巻型電極体を作製した。
状に切断し、これを用いて電池を作製した。負極と正極
とを、徴多孔性ポリエチレンフイルムよりなるセパレー
タを介して、負極、セパレータ、正極、セパレータの順
に積層してから多数回巻回し、粘着テープで固定し、渦
巻型電極体を作製した。
【0066】このようにして作製した渦巻型電極体を、
ニッケルめっきを施した電池容器に収納した。そして、
渦巻型電極上下両面には絶縁極を配設し、アルミニウム
製正極リードを正極集電体がら導出して安全弁装置に、
ニッケル製負極リードを負極集電体から導出して電池容
器に溶接した。この電池容器6の中に、非水電解液を注
入した。なお、非水電解液は、エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒に、LiPF
6を1mol/l濃度で溶解して調製した。
ニッケルめっきを施した電池容器に収納した。そして、
渦巻型電極上下両面には絶縁極を配設し、アルミニウム
製正極リードを正極集電体がら導出して安全弁装置に、
ニッケル製負極リードを負極集電体から導出して電池容
器に溶接した。この電池容器6の中に、非水電解液を注
入した。なお、非水電解液は、エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒に、LiPF
6を1mol/l濃度で溶解して調製した。
【0067】次いで、アスファルトで表面を塗布した絶
縁封ロガスケットを介して電池容器をがしめることによ
り、電流遮断機構を有する安全弁装置並びに電池蓋を固
定し、電池内の気密性を保特させ、直径18mm、高さ
65mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。
縁封ロガスケットを介して電池容器をがしめることによ
り、電流遮断機構を有する安全弁装置並びに電池蓋を固
定し、電池内の気密性を保特させ、直径18mm、高さ
65mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0068】〈比較例1〉乾燥温度の補正を行わなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電池を
作製した。
たこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電池を
作製した。
【0069】以上のようにして作製された電池について
サイクル特性を評価した。サイクル特性の評価は、ま
ず、各電池に対して、1.8Aの定電流定電圧充電を終
止電圧4.2Vまで行った。その後、6.48Wの定電
流放電を終止電圧2.5Vまで行った。以上を1サイク
ルし、これを150サイクル繰り返した。そして、10
サイクル目における放電容量に対する、150サイクル
目における放電容量の割合(%)を放電容量維持率とし
て算出した。
サイクル特性を評価した。サイクル特性の評価は、ま
ず、各電池に対して、1.8Aの定電流定電圧充電を終
止電圧4.2Vまで行った。その後、6.48Wの定電
流放電を終止電圧2.5Vまで行った。以上を1サイク
ルし、これを150サイクル繰り返した。そして、10
サイクル目における放電容量に対する、150サイクル
目における放電容量の割合(%)を放電容量維持率とし
て算出した。
【0070】その結果、乾燥温度の補正を行わなかった
比較例1の電池では、容量維持率が82%とサイクル劣
化がみられたのに対し、乾燥温度の補正を行った実施例
1では、容量維持率が90%と良好なサイクル特性が得
られた。
比較例1の電池では、容量維持率が82%とサイクル劣
化がみられたのに対し、乾燥温度の補正を行った実施例
1では、容量維持率が90%と良好なサイクル特性が得
られた。
【0071】また、負極表面における乾燥温度が、75
℃、85℃、100℃、105℃と変えて同様にして非
水電解液電池を作製し、充放電サイクル試験を実施し
た。サイクル数と放電容量との関係を、上記実施例で行
った95℃の場合も併せて図5及び表2に示す。これら
から明らかなように、乾燥温度を75℃、85℃、10
0℃、105℃とした場合には、サイクル充放電による
劣化が大きく、十分な容量維持率が得られていないのに
対し、負極表面における乾燥温度が95℃のときには、
サイクル充放電による劣化が抑えられ、高い容量維持率
が得られていることがわかる。
℃、85℃、100℃、105℃と変えて同様にして非
水電解液電池を作製し、充放電サイクル試験を実施し
た。サイクル数と放電容量との関係を、上記実施例で行
った95℃の場合も併せて図5及び表2に示す。これら
から明らかなように、乾燥温度を75℃、85℃、10
0℃、105℃とした場合には、サイクル充放電による
劣化が大きく、十分な容量維持率が得られていないのに
対し、負極表面における乾燥温度が95℃のときには、
サイクル充放電による劣化が抑えられ、高い容量維持率
が得られていることがわかる。
【0072】
【表2】
【0073】・第3の実験
〈実施例2〉負極合剤乾燥時の、電極原反の走行速度を
20m/分とし、設定温度を95℃とした。蛍光X線に
より負極表面におけるフッ素濃度を測定したところ、8
原子%であった。そして、電極の乾燥温度と電極表面に
おけるフッ素濃度との関係を示した図3から、電極表面
における実際の乾燥温度は82℃であり、設定温度より
も13(=95−82)℃だけ低かったことがわかる。
このため、設定温度95℃からの誤差である13℃を加
え、108(=95+13)℃に設定温度の自動補正を
行い、負極表面温度を95℃に保つようにした。なお、
温度補正後の負極表面におけるフッ素濃度を測定したと
ころ、12原子%に変化していた。
20m/分とし、設定温度を95℃とした。蛍光X線に
より負極表面におけるフッ素濃度を測定したところ、8
原子%であった。そして、電極の乾燥温度と電極表面に
おけるフッ素濃度との関係を示した図3から、電極表面
における実際の乾燥温度は82℃であり、設定温度より
も13(=95−82)℃だけ低かったことがわかる。
このため、設定温度95℃からの誤差である13℃を加
え、108(=95+13)℃に設定温度の自動補正を
行い、負極表面温度を95℃に保つようにした。なお、
温度補正後の負極表面におけるフッ素濃度を測定したと
ころ、12原子%に変化していた。
【0074】そして、得られた負極、正極を用いて実施
例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
【0075】〈比較例2〉乾燥温度の補正を行わなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電池を
作製した。
たこと以外は、実施例1と同様にして非水電解液電池を
作製した。
【0076】以上のようにして作製された電池について
サイクル特性を評価した。サイクル特性の評価は、ま
ず、各電池に対して、1.8Aの定電流定電圧充電を終
止電圧4.2Vまで行った。その後、1.8Aの定電流
放電を終止電圧2.5Vまで行った。以上を1サイクル
とし、これを100サイクル繰り返した。そして、10
サイクル目における放電容量に対する、100サイクル
目における放電容量の割合(%)を放電容量維持率とし
て算出した。
サイクル特性を評価した。サイクル特性の評価は、ま
ず、各電池に対して、1.8Aの定電流定電圧充電を終
止電圧4.2Vまで行った。その後、1.8Aの定電流
放電を終止電圧2.5Vまで行った。以上を1サイクル
とし、これを100サイクル繰り返した。そして、10
サイクル目における放電容量に対する、100サイクル
目における放電容量の割合(%)を放電容量維持率とし
て算出した。
【0077】その結果、乾燥温度の補正を行わなかった
比較例2の電池では、容量維持率が60%とサイクル劣
化がみられたのに対し、乾燥温度の補正を行った実施例
2では、容量維持率が88%と良好なサイクル特性が得
られた。
比較例2の電池では、容量維持率が60%とサイクル劣
化がみられたのに対し、乾燥温度の補正を行った実施例
2では、容量維持率が88%と良好なサイクル特性が得
られた。
【0078】以上の結果から、電極の乾燥工程におい
て、負極表面のフッ素濃度を測定し、それに応じて乾燥
温度等の乾燥条件を最適化することにより、良好なサイ
クル特性を有する非水電解液電池を製造することができ
ることが確認された。
て、負極表面のフッ素濃度を測定し、それに応じて乾燥
温度等の乾燥条件を最適化することにより、良好なサイ
クル特性を有する非水電解液電池を製造することができ
ることが確認された。
【0079】
【発明の効果】本発明では、電極の乾燥工程において、
電極表面の状態を測定し、それに応じて乾燥条件を最適
化することにより、良好なサイクル特性を有する非水電
解液電池を製造することが可能となる。また、乾燥速度
や膜厚の変動に対し、乾燥温度を微調整することができ
ることで、不良品発生率の低下及び検出期間の短縮化に
つながり、生産性を向上することが可能になる。
電極表面の状態を測定し、それに応じて乾燥条件を最適
化することにより、良好なサイクル特性を有する非水電
解液電池を製造することが可能となる。また、乾燥速度
や膜厚の変動に対し、乾燥温度を微調整することができ
ることで、不良品発生率の低下及び検出期間の短縮化に
つながり、生産性を向上することが可能になる。
【図1】本発明を適用して製造される非水電解液電池の
一構成例を示す縦断面図である。
一構成例を示す縦断面図である。
【図2】電極表面におけるフッ素濃度と、サイクル特性
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図3】電極の乾燥温度と電極表面におけるフッ素濃度
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図4】本発明を適用して電極を作製するために用いら
れる塗布装置の構成例を模式的に示す図である。
れる塗布装置の構成例を模式的に示す図である。
【図5】乾燥温度を変え作製した電池について、サイク
ル数と放電容量との関係を示す図である。
ル数と放電容量との関係を示す図である。
1 非水電解液電池、 2 正極、 3 負極、 4
セパレータ、 5 電池缶、 6 絶縁板、 7 負極
リード、 8 正極リード、 9 電流遮断用薄板、
10 電池蓋、 11 絶縁封口ガスケット、 12
センターピン、13 安全弁装置、 14 PTC素子
セパレータ、 5 電池缶、 6 絶縁板、 7 負極
リード、 8 正極リード、 9 電流遮断用薄板、
10 電池蓋、 11 絶縁封口ガスケット、 12
センターピン、13 安全弁装置、 14 PTC素子
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 5H029 AJ05 AJ14 AK02 AK03 AK05
AL06 AL07 AL08 AL12 AL16
AM02 AM03 AM04 AM05 AM07
BJ02 BJ14 CJ02 CJ22 EJ12
HJ02 HJ14
5H050 AA07 AA19 BA17 CA02 CA08
CA09 CA11 CB02 CB07 CB08
CB09 CB12 CB20 CB21 DA11
EA09 EA24 FA05 GA02 GA22
GA28 HA02 HA14
Claims (5)
- 【請求項1】 正極集電体上に正極活物質層が形成され
てなる正極と、負極集電対上に負極活物質層が形成され
てなる負極と、正極と負極との間に介在されてなる非水
電解質とを備えた非水電解質電池の製造方法であって、 正極又は負極の電極活物質と結合剤とを含有する電極合
剤を電極集電体上に塗布、乾燥して電極活物質層を形成
する際に、 上記結合剤として、炭素以外の元素を含有するものを用
い、 電極集電体上に塗布された電極合剤の表面において、上
記元素の濃度を観測することにより当該電極合剤の乾燥
状態を評価し、当該評価結果に応じて乾燥条件を変化さ
せることを特徴とする非水電解質電池の製造方法。 - 【請求項2】 上記結合剤はポリフッ化ビニリデンであ
り、上記元素はフッ素であることを特徴とする請求項1
記載の非水電解質電池の製造方法。 - 【請求項3】 蛍光X線法、X線光電子分光法、エネル
ギー分散型X線法、全反射蛍光法のいずれかによって、
電極合剤表面における上記元素の濃度を観測することを
特徴とする請求項1記載の非水電解質電池の製造方法。 - 【請求項4】 上記変化させる乾燥条件は、乾燥温度で
あることを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池の
製造方法。 - 【請求項5】 上記正極活物質が、リチウムと遷移金属
との複合酸化物であり、 上記負極活物質が、リチウムのドープ・脱ドープが可能
な炭素質材料又は金属材料であることを特徴とする請求
項1記載の非水電解質電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002050215A JP2003249212A (ja) | 2002-02-26 | 2002-02-26 | 非水電解質電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002050215A JP2003249212A (ja) | 2002-02-26 | 2002-02-26 | 非水電解質電池の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003249212A true JP2003249212A (ja) | 2003-09-05 |
Family
ID=28662515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002050215A Withdrawn JP2003249212A (ja) | 2002-02-26 | 2002-02-26 | 非水電解質電池の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003249212A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011001666A1 (ja) | 2009-06-30 | 2011-01-06 | パナソニック株式会社 | 非水電解質二次電池用正極及びその製造方法並びに非水電解質二次電池 |
WO2011104843A1 (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-01 | トヨタ自動車株式会社 | 非水系二次電池用負極板の製造方法及び非水系二次電池の製造方法 |
JP2013187135A (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-19 | Toyota Motor Corp | 電池用電極の製造方法及び製造装置 |
-
2002
- 2002-02-26 JP JP2002050215A patent/JP2003249212A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011001666A1 (ja) | 2009-06-30 | 2011-01-06 | パナソニック株式会社 | 非水電解質二次電池用正極及びその製造方法並びに非水電解質二次電池 |
CN102160216A (zh) * | 2009-06-30 | 2011-08-17 | 松下电器产业株式会社 | 非水电解质二次电池用正极及其制造方法以及非水电解质二次电池 |
WO2011104843A1 (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-01 | トヨタ自動車株式会社 | 非水系二次電池用負極板の製造方法及び非水系二次電池の製造方法 |
CN102782904A (zh) * | 2010-02-25 | 2012-11-14 | 丰田自动车株式会社 | 非水系二次电池用负极板的制造方法和非水系二次电池的制造方法 |
JP5348142B2 (ja) * | 2010-02-25 | 2013-11-20 | トヨタ自動車株式会社 | 非水系二次電池用負極板の製造方法及び非水系二次電池の製造方法 |
US8974550B2 (en) | 2010-02-25 | 2015-03-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Manufacturing method of negative electrode plate for non-aqueous secondary battery and manufacturing method of non-aqueous secondary battery |
CN102782904B (zh) * | 2010-02-25 | 2015-04-01 | 丰田自动车株式会社 | 非水系二次电池用负极板的制造方法和非水系二次电池的制造方法 |
JP2013187135A (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-19 | Toyota Motor Corp | 電池用電極の製造方法及び製造装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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