JP2003249106A - 車両用灯具 - Google Patents

車両用灯具

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JP2003249106A JP2002050526A JP2002050526A JP2003249106A JP 2003249106 A JP2003249106 A JP 2003249106A JP 2002050526 A JP2002050526 A JP 2002050526A JP 2002050526 A JP2002050526 A JP 2002050526A JP 2003249106 A JP2003249106 A JP 2003249106A
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    • B60QARRANGEMENT OF SIGNALLING OR LIGHTING DEVICES, THE MOUNTING OR SUPPORTING THEREOF OR CIRCUITS THEREFOR, FOR VEHICLES IN GENERAL
    • B60Q1/00Arrangement of optical signalling or lighting devices, the mounting or supporting thereof or circuits therefor
    • B60Q1/02Arrangement of optical signalling or lighting devices, the mounting or supporting thereof or circuits therefor the devices being primarily intended to illuminate the way ahead or to illuminate other areas of way or environments
    • B60Q1/04Arrangement of optical signalling or lighting devices, the mounting or supporting thereof or circuits therefor the devices being primarily intended to illuminate the way ahead or to illuminate other areas of way or environments the devices being headlights
    • B60Q1/18Arrangement of optical signalling or lighting devices, the mounting or supporting thereof or circuits therefor the devices being primarily intended to illuminate the way ahead or to illuminate other areas of way or environments the devices being headlights being additional front lights

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーブ走行時および交差点右折左折時におけ
る視認性が向上されること。安全性が確保されること。 【解決手段】 光源5を点灯する。すると、光源5から
の光は、第1反射面6の各セグメント61、62、63
で反射されて、カーブ配光パターンP1としてカーブ配
光ゾーンDZ1を積極的に照明する。また、光源5から
の光は、第2反射面7の各セグメント71、72、73
で反射されて、交差点配光パターンP2として交差点配
光ゾーンDZ2を積極的に照明する。この結果、カーブ
走行時および交差点右折左折時における視認性が向上さ
れ、さらには、安全性が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、路上の前方域を
照明する車両用前照灯(たとえば、ヘッドランプやフォ
グランプなど)の光源と別個の専用の光源により路上の
側方域を照明して車両用前照灯の配光を補足する車両用
灯具にかかるものである。特に、この発明は、目的とす
る配光パターンで目的とする側方域の配光ゾーンを積極
的に照明することにより、視認性が向上され、さらに
は、安全性が確保される車両用灯具に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の車両用灯具としては、ベンディ
ングランプ、補助前照灯、雨灯などがあり、たとえば、
特開平10−3806号公報や特開平10−83702
号公報などに記載のコーナリングランプ(補助前照灯の
1種)がある。このコーナリングランプは、交差点を右
折または左折する際に、その右折または左折する方向の
路上を照明することにより、交差点右折左折時の視認性
を確保するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の車両
用灯具は、ただ単に、交差点右折左折時の視認性を確保
するものであり、目的とする配光パターンで目的とする
側方域の配光ゾーンを積極的に照明するものではない。
【0004】この発明は、目的とする配光パターンで目
的とする側方域の配光ゾーンを積極的に照明することに
より、視認性が向上され、さらには、安全性が確保され
る車両用灯具を提供することを目的とする。
【0005】前記目的とする側方域の配光ゾーンとして
は、たとえば、カーブ走行時にドライバーの視線が向け
られるカーブ前方域を含むカーブ配光ゾーンと、交差点
右折左折時に横断歩道全域およびその周辺域を含む交差
点配光ゾーンとがある。また、前記目的とする配光パタ
ーンとしては、前記カーブ配光ゾーンを照明するカーブ
配光パターンと、前記交差点配光ゾーンを照明する交差
点配光パターンとがある。以下、目的とするカーブ配光
パターンおよびカーブ配光ゾーンと、目的とする交差点
配光パターンおよび交差点配光ゾーンと、目的とする側
方域配光パターンおよび側方域配光ゾーンとについて、
図12〜図14を参照してそれぞれ説明する。
【0006】なお、以下の説明は、左側通行区分におけ
る配光パターンおよび配光ゾーンについて説明するもの
である。したがって、右側通行区分における配光パター
ンおよび配光ゾーンは、以下の説明とほぼ左右逆とな
る。たとえば、「αR(右にα°)」とあるのは、「α
L(左にα°)」となる。また、図12〜図14におい
て、符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線
を示す。符号「VU−VD」は、同じく、スクリーンの
上下の垂直線を示す。さらに、図12〜図14は、自動
車の右側に搭載された車両用灯具をアイポイントとして
その右側の車両用灯具から見た前方10m先のスクリー
ンに投影された説明図である。
【0007】(目的とするカーブ配光パターンおよびカ
ーブ配光ゾーンの説明)カーブ走行時では、一般に、進
行方向に対してカーブの内側のレーンライン(あるい
は、縁石など)とロービームのカットラインとが交差す
る付近、すなわち、ドライバーの視線が向けられるカー
ブ前方域を照明することが望ましいとされている。
【0008】ただし、カーブ前方域より近方域がほぼ同
一光度で同時に照明されることは、路面照度が距離の2
乗に反比例する関係により、近方域の路面照度がカーブ
前方域の路面照度よりも大幅に上昇し、ドライバーの視
線が狙いとするカーブ前方域と逆に近方域に引き付けら
れてしまう結果となり、望ましくないとされている。こ
のために、カーブ走行時においては、カーブ前方域に高
光度帯が存在することが望ましいとされている。
【0009】前記カーブ前方域とは、前記のとおり、進
行方向に対してカーブの内側のレーンラインとロービー
ムのカットラインとが交差する付近である。ここで、こ
のロービームの配光パターンについて簡単に説明する。
このロービームの配光パターンは、たとえば、ECE規
格の3ポイントを例に取ると、図12(A)のスクリー
ンに示すように、0.86D−V(正面50m前方)の
ポイントと、1.72D−9R(右路肩25m前方)の
ポイントと、2.86D−20R(右路肩15m前方)
のポイントとのように、直線路を基本に考えられてい
る。
【0010】なお、図12(A)において、CLはカッ
トライン(太い実線にて示されている)を、1は自走車
線を、2は対向車線をそれぞれ示す。また、前記0.8
6D−Vのポイントは、スクリーン上において、水平線
HL−HRから下に0.86°と、垂直線VU−VD
(左右0°)との交点である。前記1.72D−9Rの
ポイントは、スクリーン上において、水平線HL−HR
から下に1.72°と、垂直線VU−VDから右に9°
との交点である。前記2.86D−20Rのポイント
は、スクリーン上において、水平線HL−HRから下に
2.86°と、垂直線VU−VDから右に20°との交
点である。
【0011】そして、ロービームの配光パターンLP
は、一般に、図12(B)に示すように、前記3ポイン
トを結ぶライン3(太い点線にて示されている)より下
側においては十分な明るさがあるが、上側においては明
るさが弱くなる傾向にある。
【0012】つぎに、前記3ポイントに対して、右カー
ブ時の内側レーンライン(中央線)をR280、R10
0、R50、R30についてそれぞれスクリーン上に投
影してみる。すると、図13(A)に示すように、ドラ
イバーの視線が向けられるカーブ前方域は、全て前記3
ポイントを結ぶライン3より上側となる。逆に、前記3
ポイントを結ぶライン3より下側は、カーブ手前域とな
る。
【0013】以上から、図13(B)に示すように、目
的とする(望ましい)カーブ配光ゾーンDZ1とは、5
R(スクリーン上において、垂直線VU−VDから右に
5°)付近を頂点もしくは頂線とし、カットラインCL
と、前記3ポイントを結ぶライン3とにより囲まれる横
に細長いデルタゾーンもしくは台形ゾーン(太い点線に
て示されている)である。また、目的とする(望まし
い)カーブ配光パターンとは、前記カーブ配光ゾーンD
Z1を効率よく照明することができる配光パターンであ
る。
【0014】また、前記目的とするカーブ配光パターン
およびカーブ配光ゾーンDZ1は、前記R280〜R3
0を基準として作られるものである。ここで、前記R2
80〜R30は、道路構造令により規定されている車道
の曲線半径である。前記の曲線半径R280〜R30
は、道路構造令から、道路の設計速度80km/h〜3
0km/hに対応している。この設計速度80km/h
〜30km/hは、車両の走行速度に対応している。こ
れにより、前記目的とするカーブ配光パターンおよびカ
ーブ配光ゾーンDZ1は、車両の一般道路における通常
速度の走行に適しており、また、車両のロービーム点灯
時の走行に適している。
【0015】(目的とする交差点配光パターンおよび交
差点配光ゾーンの説明)交差点を右折左折する時では、
一般に、横断歩道全域とその周辺域を照明することが望
ましいとされている。
【0016】以下、コーナリングランプに関するSAE
規格あるいはADR規格における3ポイントを例に取
り、右折時の交差点をスクリーン上に投影してみる。す
ると、図14(A)に示すように、2.5D−30Rの
ポイントと、2.5D−45Rのポイントと、2.5D
−60Rのポイントとの3ポイントは、横断歩道CW全
域をほぼカバーする形となる。また、望ましい交差点配
光パターンおよび交差点配光ゾーンDZ2は、前記のよ
うに、横断歩道CWの周囲域をも考慮する必要がある。
【0017】以上から、図14(A)に示すように、目
的とする(望ましい)交差点配光ゾーンDZ2とは、横
断歩道CWからさらに側方(右側)および下方に広げた
横に細長い台形ゾーン(太い点線にて示されている)で
ある。また、目的とする(望ましい)交差点配光パター
ンとは、前記目的とする交差点配光ゾーンDZ2を効率
よく照明することができる配光パターンである。
【0018】なお、図14(A)において、PNは歩行
者を示す。また、前記2.5D−30Rのポイントは、
スクリーン上において、水平線HL−HRから下に2.
5°と、垂直線VU−VDから右に30°との交点であ
る。前記2.5D−45Rのポイントは、スクリーン上
において、水平線HL−HRから下に2.5°と、垂直
線VU−VDから右に45°との交点である。前記2.
5D−60Rのポイントは、スクリーン上において、水
平線HL−HRから下に2.5°と、垂直線VU−VD
から右に60°との交点である。
【0019】(目的とする側方域配光パターンおよび側
方域配光ゾーンの説明)ここで、目的とする側方域配光
ゾーンDZとは、前記目的とするカーブ配光ゾーンDZ
1と前記目的とする交差点配光ゾーンDZ2とが合成さ
れてなる配光ゾーンである。すなわち、この目的とする
側方域配光ゾーンDZは、図14(B)中の太い実線に
て示されるように、左右に細長く、上下幅が内側が小さ
く外側に行くにしたがって徐々に大きくなる横長の台形
ゾーンをなす。また、目的とする側方域配光パターンと
は、前記目的とするカーブ配光パターンと前記目的とす
る交差点配光パターンとが合成されてなる配光パターン
である。すなわち、目的とする側方域配光パターンと
は、前記目的とする側方域配光ゾーンDZを効率よく照
明することができる配光パターンである。
【0020】なお、カーブ走行時においては、直線路走
行時と同様に、対向車とのすれ違いを伴なうことから、
カーブ配光の際には、対向車に眩惑を与えないようにす
る必要がある。そこで、2003年にECE規格に導入
されるAFS規格では、ロービームのカットラインの上
方のグレアがスクリーンの垂直線VU−VDから左右に
20°(側方±20°)、および、スクリーンの水平線
HL−HRから上に0.5°(0.5U以上)のライン
まで規制されるので、この規格を満足する必要がある。
【0021】そして、前記側方域配光ゾーンDZのう
ち、内側部分の前記カーブ配光ゾーンDZ1の上端は、
図13(B)に示すように、ロービームのカットライン
CLに沿って、スクリーンの垂直線VU−VDから右に
約5°〜30°の範囲に亘って位置する。これにより、
図14(B)に示すように、前記側方域配光ゾーンDZ
の上端は、前記の上方グレア規制ラインGL(太い実線
にて示されている)をクリアすることができ、前記側方
域配光ゾーンDZは、前記AFS規格を満足することが
できる。
【0022】なお、図12(B)、図13(B)および
図14(A)中のロービームの配光パターンLPにおい
て、中央の等光度曲線は、20000cdを示し、その
他の曲線は、外に行くにしたがって、10000cd、
5000cd、2000cd、1000cd、500c
d、300cdをそれぞれ示す。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる発明は、車両用前照灯と別個の
専用の光源と、前記光源からの光を反射させて細長の配
光パターンで側方域を照明する第1反射面と、前記光源
からの光を反射させて幅広の配光パターンで側方域を照
明する第2反射面と、を備え、前記第1反射面が横断面
凸面および縦断面凹面の自由曲面から構成されており、
前記第2反射面が横断面凹面および縦断面凹面の自由曲
面から構成されている、ことを特徴とする。
【0024】この結果、請求項1にかかる発明は、光源
を点灯すると、その光源からの光が第1反射面で反射さ
れて細長の配光パターンとして側方域を積極的に照明す
ることができる。また、前記光源からの光が第2反射面
で反射されて幅広の配光パターンで側方域を積極的に照
明することができる。これにより、請求項1にかかる発
明は、目的とする配光パターンで目的とする側方域の配
光ゾーンを積極的に照明することができるので、視認性
が向上され、さらには、安全性が確保されることとな
る。
【0025】また、請求項1にかかる発明は、第1反射
面が横断面凸面および縦断面凹面の自由曲面から構成さ
れているので、第1反射面に入射するフィラメント像の
群を、横断面凸面でオープン拡散させて横に細長いフィ
ラメント像の群に形成し、かつ、その横に細長いフィラ
メント像の群を縦断面凹面で縦に集めることができる。
したがって、請求項1にかかる発明は、第1反射面によ
り、目的とする細長の配光パターンを効率よく形成する
ことができる。
【0026】一方、請求項1にかかる発明は、第2反射
面が横断面凹面および縦断面凹面の自由曲面から構成さ
れているので、第2反射面に入射するフィラメント像の
群を、横断面凹面でクロス拡散させて横縦に広いフィラ
メント像の群に形成し、かつ、その横縦に広いフィラメ
ント像の群を縦断面凹面で縦に集めることができる。し
たがって、請求項1にかかる発明は、第2反射面によ
り、目的とする幅広の配光パターンを効率よく形成する
ことができる。
【0027】さらに、請求項1にかかる発明は、第1反
射面および第2反射面の自由曲面をNURBSの自由曲
面とすることにより、第1反射面および第2反射面を高
精度、高速度、高自由度に制御して作ることができる。
【0028】また、請求項2にかかる発明は、細長の配
光パターンがカーブ前方域を含むカーブ配光ゾーンDZ
1を照明するカーブ配光パターンであり、幅広の配光パ
ターンが横断歩道全域およびその周辺域を含む交差点配
光ゾーンDZ2を照明する交差点配光パターンであり、
第1反射面の焦点距離が第2反射面の焦点距離より長
い、ことを特徴とする。
【0029】この結果、請求項2にかかる発明は、焦点
距離が長い第1反射面に入射される光源からフィラメン
ト像が細長いので、目的とする細長の配光パターンを効
率よく形成することができる。しかも、請求項2にかか
る発明は、目的とする細長の配光パターンをカーブ配光
パターンとしてカーブ前方域を含むカーブ配光ゾーンD
Z1を積極的に照明することができる。特に、請求項2
にかかる発明は、目的とする細長の配光パターンがカー
ブ配光パターンとしてカーブ前方域を積極的に照明する
ことができるので、カーブ前方域より近方域が同時に照
明されていても、ドライバーの視線は、狙いとするカー
ブ前方域に向けられたままであるから、カーブ走行時の
配光に適している。
【0030】また、請求項2にかかる発明は、焦点距離
が短い第2反射面に入射される光源からフィラメント像
が幅広いので、目的とする幅広の配光パターンを効率よ
く形成することができる。しかも、請求項2にかかる発
明は、目的とする幅広の配光パターンを交差点配光パタ
ーンとして横断歩道全域およびその周辺域を含む交差点
配光ゾーンDZ2を積極的に照明することができる。
【0031】また、請求項3にかかる発明は、第1反射
面と第2反射面とが境界面を介して左右に繋がってお
り、前記第1反射面および前記境界面および前記第2反
射面が横長の矩形をなし、前記第1反射面が前記境界面
より車両の内側に配置されており、前記第2反射面が前
記境界面より車両の外側に配置されている、ことを特徴
とする。
【0032】この結果、請求項3にかかる発明は、第1
反射面の配光特性と、第2反射面の配光特性とが異なる
のにも拘わらず、境界面により、配光特性が異なる第1
反射面と第2反射面とを横長の矩形の範囲内に配置する
ことができる。
【0033】また、請求項3にかかる発明は、第1反射
面および境界面および第2反射面が横長の矩形をなすこ
とにより、縦方向における寸法を小さくすることがで
き、その分、縦方向にコンパクトな車両用灯具を提供す
ることができる。
【0034】さらに、請求項3にかかる発明は、第1反
射面が車両の内側に配置されていることと、カーブ配光
ゾーンDZ1が交差点配光ゾーンDZ2に対して内側
(すなわち、側方域配光ゾーンDZのうちの内側)に位
置することとが合致して配光上好ましい。一方、第2反
射面が車両の外側に配置されていることと、交差点配光
ゾーンDZ2がカーブ配光ゾーンDZ1に対して外側
(すなわち、側方域配光ゾーンDZのうちの外側)に位置
することとが合致して配光上好ましい。この結果、請求
項3にかかる発明は、第1反射面によりカーブ配光ゾー
ンDZ1を効率よくかつ積極的に照明することができ、
また、第2反射面により交差点配光ゾーンDZ2を効率
よくかつ積極的に照明することができる。
【0035】また、請求項4にかかる発明は、光源が第
2反射面側に配置されており、第1反射面が、前記光源
から前記第1反射面に映り込むフィラメント像の群がカ
ーブ配光パターンを形成するのに適した横長の四角形の
縦寸法および横寸法を有し、第2反射面が、前記光源か
ら前記第2反射面に映り込むフィラメント像の群が交差
点配光パターンを形成するのに適した四角形の縦寸法お
よび横寸法を有する、ことを特徴とする。
【0036】この結果、請求項4にかかる発明は、横長
の四角形の第1反射面により、光源から反射面に映り込
むフィラメント像の群のうち、細長いカーブ配光パター
ンを形成するのに適した細長いフィラメント像の群を使
用することができる。このために、請求項4にかかる発
明は、横長の四角形の第1反射面で横長のカーブ配光パ
ターンを効率よく形成することができ、しかも、その細
長いカーブ配光パターンで細長いカーブ配光ゾーンを効
率よくかつ積極的に照明することができる。その上、フ
ィラメント像が横長の場合、この横長のフィラメント像
が横長の第1反射面に入射することに適している。
【0037】一方、請求項4にかかる発明は、四角形の
第2反射面により、光源から反射面に映り込むフィラメ
ント像の群のうち、側方に広くかつ下方に若干広い交差
点配光パターンを形成するのに適した側方に広くかつ下
方に若干広いフィラメント像の群を使用することができ
る。このために、請求項4にかかる発明は、四角形の第
2反射面で側方に広くかつ下方に若干広い交差点配光パ
ターンを効率よく形成することができ、しかも、その側
方に広くかつ下方に若干広いカーブ配光パターンで側方
に広くかつ下方に若干広いカーブ配光ゾーンを効率よく
かつ積極的に照明することができる。
【0038】また、請求項5にかかる発明は、第1反射
面の光軸および第2反射面の光軸が光源の軸に対して自
動車の外側にそれぞれ振り向けられており、第2反射面
の振り角が第1反射面の振り角より大きい、ことを特徴
とする。
【0039】この結果、請求項5にかかる発明は、車両
用前照灯により得られる配光パターン(たとえば、ヘッ
ドランプの場合、ロービームの配光パターン、ハイビー
ムの配光パターン、フォグランプの場合、フォグビーム
の配光パターンなど)の外側にカーブ配光パターンおよ
び交差点配光パターンを効率よく配光させることができ
る。
【0040】特に、請求項5にかかる発明は、第2反射
面の振り角が第1反射面の振り角より大きいので、カー
ブ配光ゾーンの外側の交差点配光ゾーンを第2反射面か
らの交差点配光パターンで効率よくかつ積極的に照明す
ることができる。しかも、請求項5にかかる発明は、道
路構造令に規定されている交差角が60°、75°の鋭
角交差点の場合においても、交差点配光パターンで横断
歩道全域とその周辺域を照明することができる。
【0041】また、請求項6にかかる発明は、第2反射
面の外側の端部が光源の発光部よりも後方に位置する、
ことを特徴とする。
【0042】この結果、請求項6にかかる発明は、光源
からの直射光が第2反射面の外側の端部に遮られずに外
部に照射されるので、その直射光が交差点配光パターン
と共に交差点配光ゾーンおよびその周辺を積極的に照明
することができる。
【0043】また、請求項7にかかる発明は、光源がC
−8タイプであり、光源の軸がカーライン(車両の前後
方向の軸)に対して平行である、ことを特徴とする。
【0044】この結果、請求項7にかかる発明は、光源
のフィラメントの小さい端面が車両の前方に向くので、
光源から車両の前方に照射される直射光の光束量が少な
く、グレア光の虞も少ない。しかも、請求項7にかかる
発明は、少ない光束量の直遮光を遮光するには小さくか
つ簡単な構造の遮光シェードで十分であり、その小さく
かつ簡単な構造の遮光シェードにより、少ない光束量の
直遮光を確実に遮光することができるので、グレア光の
発生を確実に防止することができる。
【0045】また、請求項7にかかる発明は、遮光シェ
ードを使用する代わりに、C−8タイプの光源に遮光の
トップコートを設けることにより、光源からの直射光の
うち、フィラメントの中心を頂点としかつ光源の軸を中
心軸とする半径30°の円錐形の内の直射光を、遮光シ
ェードを用いずに遮光することができる。これにより、
請求項7にかかる発明は、カーブ配光の際の対向車への
眩惑をコストをかけずに防止することができる。
【0046】さらに、請求項7にかかる発明は、光源が
カーラインに対して平行に配置されるので、外観上一般
に好まれる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる車両用灯
具の実施の形態の1例を図1〜図11を参照して説明す
る。なお、この実施の形態によりこの発明が限定される
ものではない。また、この実施の形態にかかる車両用灯
具は、左側通行区分の自動車に取り付けられるものであ
る。したがって、右側通行区分の自動車に取り付けられ
る車両用灯具は、この実施の形態にかかる車両用灯具と
左右逆となる。さらに、図中、図12〜図14と同符号
は同一のものを示す。
【0048】図1において、符号「F」は、自動車の進
行方向(実線矢印方向)であって、ドライバー側から見
た前方を示す。符号「B」は、自動車の進行方向と逆方
向であって、ドライバー側から見た後方を示す。符号
「U」は、ドライバー側から見た上側を示す。符号
「D」は、ドライバー側から見た下側を示す。符号
「L」は、ドライバー側から前方を見た場合の左側を示
す。符号「R」は、ドライバー側から前方を見た場合の
右側を示す。また、図2〜図5において、符号「X」
は、車両用灯具の左右の水平軸を示す。符号「Y」は、
車両用灯具の上下の垂直軸を示す。符号「Z」は、車両用
灯具の前後の光源の軸を示す。図5(A)、図6〜図1
0において、符号「HL−HR」は、スクリーンの左右
の水平線を示す。符号「VU−VD」は、同じく、スク
リーンの上下の垂直線を示す。
【0049】また、図6〜図10は、自動車の右側に搭
載された車両用灯具をアイポイントとしてその右側の車
両用灯具から見た前方10m先のスクリーンに投影され
た説明図である。なお、この明細書において、上、下、
左、右、前、後とは、この発明の車両用灯具が自動車に
装備されたときの上、下、左、右、前、後を示す。
【0050】(実施の形態の構成の説明)図1におい
て、符号4Lおよび4Rは、この実施の形態にかかる車
両用灯具である。この車両用灯具4Lおよび4Rは、自
動車C(車両)の前部の左右にそれぞれ装備されてい
る。この車両用灯具4Lおよび4Rは、路上の側方域を
照明して、車両用前照灯により得られる配光パターン
(たとえば、ヘッドランプの場合、ロービームの配光パ
ターン、ハイビームの配光パターン、フォグランプの場
合、フォグビームの配光パターンなど)を補足するもの
である。なお、図1において、C・Cは、自動車Cのカ
ーライン(前後方向の軸)を示す。
【0051】以下、右側の車両用灯具4Rについて詳細
に説明する。なお、左側の車両用灯具4Lの構成は、こ
の右側の車両用灯具4Rの構成の左右逆となる。
【0052】この車両用灯具4Rは、ヘッドランプやフ
ォグランプなどの車両用前照灯と別個の専用の光源5
と、第1反射面6と、第2反射面7とを備える。前記第
1反射面6および前記第2反射面7は、リフレクタ9の
表面にアルミ蒸着や銀塗装などにより設けられている。
前記リフレクタ9のうち、前記第2反射面7に対応する
部分には、透孔90が設けられている。前記透孔90に
は、前記光源5が配置されている。すなわち、前記光源
5は、前記第2反射面7側に配置されている。
【0053】前記第1反射面6は、前記光源5からの光
を反射させて、細長の配光パターンで側方域を照明する
ものである。この細長の配光パターンとは、10000
cd以上の高光度帯PMが存在するカーブ配光パターン
P1(図8(B)参照)であって、カーブ走行時における
ドライバーの視線が向けられるカーブ前方域を含むカー
ブ配光ゾーンDZ1(図13(B)参照)を照明するもの
である。
【0054】前記第2反射面7は、前記光源5からの光
を反射させて、幅広の配光パターンで側方域を照明する
ものである。この幅広の配光パターンとは、交差点配光
パターンP2(図10(B)参照)であって、交差点右折
左折時における横断歩道CW全域およびその周辺域を含
む交差点配光ゾーンDZ2(図14(A)参照)を照明す
るものである。
【0055】前記第1反射面6の焦点距離(擬似フォー
カス)は、この例では約40mmである。一方、前記第
2反射面7の焦点距離(擬似フォーカス)は、この例で
は約16mmである。すなわち、前記第1反射面6の焦
点距離は、前記第2反射面7の焦点距離より長い。
【0056】前記第1反射面6は、図2および図5に示
すように、3つの四角形のセグメント61、62、63
から構成されている。この3つのセグメント61、6
2、63は、左右に3つに分割されている。前記第1反
射面6、すなわち、前記3つのセグメント61、62、
63は、横断面凸面および縦断面凹面の自由曲面から構
成されている。この自由曲面は、反射面が複合的に組み
合わせられてなる。なお、外側から第1セグメント6
1、第2セグメント62、第3セグメント63と称す
る。
【0057】前記第2反射面7は、同じく図2および図
5に示すように、3つのほぼ四角形のセグメント71、
72、73から構成されている。この3つのセグメント
71、72、73は、左右に2つ、さらに、内側の1つ
が上下に2つに分割されている。この上下に2つに分割
されているセグメント71、72は、前記光源5の上下
に配置されている。また、外側の1つのセグメント73
は、前記光源5の横に配置されている。前記第2反射面
7、すなわち、前記3つのセグメント71、72、73
は、横断面凹面および縦断面凹面の自由曲面から構成さ
れている。この自由曲面は、反射面が複合的に組み合わ
せられてなる。なお、内側の上を第1セグメント71、
内側の下を第2セグメント72、外側を第3セグメント
73と称する。
【0058】前記第1反射面6の3つのセグメント6
1、62、63および前記第2反射面7の3つのセグメ
ント71、72、73は、NURBSの自由曲面(特開
2001−35215号公報を参照)から形成されてい
る。なお、図においては、セグメント61、62、6
3、71、72、73の境界線が見えているが、一連の
セグメントの場合(セグメントが連続的に成形されてい
る場合)、セグメントの境界線が見えない場合がある。
【0059】前記第1反射面6の焦点F1および第2反
射面7の焦点F2においては、厳密な意味での単一の焦
点を有していないが、複数の反射面相互の焦点距離の差
異が僅少であり、ほぼ同一の焦点を共有している。この
ために、この明細書および図面においては、ただ単に焦
点と称する。また、同様に、前記第1反射面6の光軸Z
1および前記第2反射面7の光軸Z2においては、厳密
な意味での単一の光軸を有していないが、複数の反射面
相互の光軸の差異が僅少であり、ほぼ同一の光軸を共有
している。このために、この明細書および図面において
は、ただ単に光軸と称する。
【0060】図2〜図6に示すように、前記第1反射面
6と前記第2反射面7とは、境界面8を介して左右に繋
がっている。前記第1反射面6および前記境界面8およ
び前記第2反射面7は、この例では、高さ(縦)Hが約
40mmの横長の矩形をなす。また、前記第1反射面6
は、前記境界面8より自動車Cの内側に配置されてい
る。一方、前記第2反射面7は、前記境界面8より自動
車Cの外側に配置されている。さらに、前記境界面8
は、角度θ3で傾斜配置されている。
【0061】前記第1反射面6は、図5に示すように、
前記光源5から前記第1反射面6の各セグメント61、
62、63に映り込むフィラメント像の群がカーブ配光
パターンを形成するのに適した横長の四角形の縦寸法H
および横寸法L1を有する。この例では、図2におい
て、正面視の場合の縦寸法Hが約40mm×横寸法L1
が約80mmである。
【0062】前記第2反射面7は、同じく図5に示すよ
うに、前記光源5から前記第2反射面7の各セグメント
71、72、73に映り込むフィラメント像の群が交差
点配光パターンを形成するのに適した四角形の縦寸法H
および横寸法L2を有する。この例では、図2におい
て、正面視の場合の縦寸法Hが約40mm×横寸法L2
が約60mmである。
【0063】前記第1反射面6の光軸Z1(基本光軸も
しくは擬似光軸)は、前記光源5の軸Zに対して自動車
Cの外側に角度θ1(この例では、10°)振り向けら
れている。また、前記第2反射面7の光軸Z2は、前記
光源5の軸Zに対して自動車Cの外側に角度θ2振り向
けられている。前記第2反射面7の光軸Z2の振り角θ
2は、前記第1反射面6の光軸Z1の振り角θ1より大
きい。
【0064】第2反射面2の外側の端部、すなわち、第
3セグメント73の外側の縁が前記光源5の発光部であ
るフィラメント51よりも後方Bに位置する。
【0065】前記光源5は、C−8タイプの光源であ
る。この光源5は、図3、図4および図6に示すよう
に、バルブ50中に細長い円筒形状のフィラメント51
が封入されている。この光源5において、バルブ50の
先端部には、円錐形の遮光のトップコート52が設けら
れている。また、バルブ50の基端部には、口金53が
設けられている。
【0066】前記光源5の口金53が前記リフレクタ9
の透孔90の縁に当接された状態で、前記光源5が前記
リフレクタ9に着脱可能に取り付けられている。このと
き、前記光源5は、光源5の軸Z(すなわち、フィラメ
ント51の軸Z)がカーラインC・Cに対して平行とな
るように、配置されることとなる。
【0067】また、前記光源5のフィラメント51の中
心が前記第1反射面6の焦点(基本焦点もしくは擬似焦
点)F1および前記第2反射面7の焦点(基本焦点もし
くは擬似焦点)F2の近傍に位置する。なお、前記第1
反射面6の焦点F1と前記第2反射面7の焦点F2と
は、ほぼ同一位置に位置する。
【0068】前記光源5のフィラメント51の軸長は、
4.1mmであり、フィラメント51の半径は、1.3
mmであり、フィラメント51の光束量は、1500l
mである。
【0069】(セグメントの基本フィラメント像の説
明)図6(A)は、主なセグメント61、63、73
R、73Lにおいて反射されてスクリーンに投影された
基本的なフィラメント像61P、63P、73RP、7
3LPを示す説明図である。
【0070】第1反射面6の第1セグメント61は、光
源5から最も遠い位置に配置されている。また、第1反
射面6の焦点距離は、第2反射面7の焦点距離より長
い。このために、前記第1セグメント61に入射される
光源5からのフィラメント像は、最も小さい。この最も
小さいフィラメント像は、横断面凸面の第1セグメント
61でオープン拡散されて横に細長い基本のフィラメン
ト像61Pとして反射される。
【0071】第1反射面6の第3セグメント63は、第
1反射面6中において、光源5に最も近い位置に配置さ
れているが、第2反射面7(第3セグメント73の外側
部分73R)より遠い位置に配置されている。また、第
1反射面6の焦点距離は、第2反射面7の焦点距離より
長い。このために、前記第3セグメント63に入射され
る光源5からのフィラメント像は、前記第1セグメント
61に入射するフィラメント像よりも大きいが、第2反
射面7に入射するフィラメント像よりも小さい。このフ
ィラメント像は、横断面凸面の第3セグメント63でオ
ープン拡散されて横に細長く、かつ、上下幅が内側から
外側に行くにしたがって徐々に大きくなるフィラメント
像63Pとして反射される。
【0072】第2反射面7の第3セグメント73の外側
部分73Rは、第2反射面7中において、光源5から最
も遠い位置に配置されているが、第1反射面6(第3セ
グメント63)よりも近い位置に配置されている。ま
た、第2反射面7の焦点距離は、第1反射面6の焦点距
離より短い。このために、前記第3セグメント73の外
側部分73Rに入射される光源5からのフィラメント像
は、前記第1反射面6に入射するフィラメント像よりも
大きいが、第3セグメント73の内側部分73Lに入射
するフィラメント像よりも小さい。このフィラメント像
は、横断面凹面の第3セグメント73の外側部分73R
でクロス拡散されて横縦に広く、かつ、上下幅が内側か
ら外側に行くにしたがって徐々に大きくなるフィラメン
ト像73RPとして反射される。
【0073】第2反射面7の第3セグメント73の内側
部分73Lは光源5に最も近い位置に配置されている。
また、第2反射面7の焦点距離は、第1反射面6の焦点
距離より短い。このために、前記第3セグメント73の
内側部分73Lに入射される光源5からのフィラメント
像は、最も大きい。この最も大きいフィラメント像は、
横断面凹面の第3セグメント73の内側部分73Lでク
ロス拡散されて横縦に広く、かつ、上下幅が内側から外
側に行くにしたがって徐々に大きくなるフィラメント像
73LPとして反射される。
【0074】前記の基本のフィラメント像61P、63
P、73RP、73LPを繋げると、横に細長く、か
つ、上下幅が内側から外側に行くにしたがって徐々に大
きくなる台形形状をなす。これは、横長の台形形状の側
方域配光ゾーンDZとほぼ合致する。また、前記基本フ
ィラメント像61P、63P、73RP、73LPの上
端は、ロービームのカットラインCLとほぼ合致する。
【0075】(各セグメントの配光パターンの説明)図
7(A)、(B)、図8(A)、図9(A)、(B)、
図10(A)は、コンピュータのシュミレーションで得
られた各セグメントの配光パターン(小四角形のフィラ
メント像の群が集合された配光パターン)を簡略化して
示す説明図である。
【0076】図7(A)は、第1反射面6の第1セグメ
ント61により形成される配光パターンを示す。この配
光パターンにおける横に細長いフィラメント像(前記基
本フィラメント像61Pを参照)の群は、第1セグメン
ト61の横断面凸面により横方向(左右方向)に中央が
密に左右両端が疎に拡散され、かつ、第1セグメント6
1の縦断面凹面により縦方向において密に集められてい
る。
【0077】第1反射面6の第1セグメント61は、光
源5から最も遠い位置に配置されているので、この第1
セグメント61に入射される光は、最も弱い光である。
この第1セグメント61は、最も弱い光を密に集めて図
7(A)に示す配光パターンを形成するものである。こ
の図7(A)に示す配光パターンは、カーブ配光パター
ンP1の高光度帯PMおよびその周辺域近辺特に左側の
周辺域近辺を形成するものである。
【0078】図7(B)は、第1反射面6の第2セグメ
ント62により形成される配光パターンを示す。この配
光パターンにおける横に細長いフィラメント像(前記基
本フィラメント像61Pと63Pとの中間の大きさのフ
ィラメント像)の群は、第2セグメント62の横断面凸
面により横方向(左右方向)に中央が密に左右両端が疎
に拡散され、かつ、第2セグメント62の縦断面凹面に
より縦方向において密に集められている。
【0079】第2セグメント62は、第1セグメント6
1よりも光源5に近いので、その分、斜めのフィラメン
ト像の傾き角度が若干大きくなっている。また、第2セ
グメント62は、第1セグメント61よりも自動車Cの
外側に位置するので、その分、フィラメント像の群は、
外側に振られている。たとえば、第2セグメント62の
フィラメント像の群の左端(5R)は、第1セグメント
61のフィラメント像の群の左端(4R)に対して約1
°右側に振られている。一方、第2セグメント62のフ
ィラメント像の群の右端(22R)は、第1セグメント
61のフィラメント像の群の右端(17R)に対して約
5°右側に振られている。
【0080】この第2セグメント62は、光源5から2
番目に遠い位置に配置されているので、この第2セグメ
ント62に入射される光は、2番目に弱い光である。こ
の第2セグメント62は、2番目に弱い光を密に集めて
図7(B)に示す配光パターンを形成するものである。
この図7(B)に示す配光パターンは、カーブ配光パタ
ーンP1の高光度帯PMおよびその周囲域近辺を形成す
るものである。
【0081】図8(A)は、第1反射面6の第3セグメ
ント63により形成される配光パターンを示す。この配
光パターンにおける横に細長いフィラメント像(前記基
本フィラメント像63Pを参照)の群は、第3セグメン
ト63の横断面凸面により横方向(左右方向)に中央が
密に左右両端が疎に拡散され、かつ、第3セグメント6
3の縦断面凹面により縦方向において密に集められてい
る。
【0082】第3セグメント63は、第1セグメント6
1および第2セグメント62よりも光源5に近いので、
その分、斜めのフィラメント像の傾き角度がさらに大き
くなっている。また、第3セグメント63は、第1セグ
メント61および第2セグメント62よりも自動車Cの
外側に位置するので、その分、フィラメント像の群は、
さらに外側に振られている。たとえば、第3セグメント
63のフィラメント像の群の左端(11R)は、第1セ
グメント61のフィラメント像の群の左端(4R)に対
して約7°、第2セグメント62のフィラメント像の群
の左端(5R)に対して約6°右側に振られている。一
方、第3セグメント63のフィラメント像の群の右端
(32R)は、第1セグメント61のフィラメント像の
群の右端(17R)に対して約15°、第2セグメント
62のフィラメント像の群の右端(22R)に対して約
10°右側に振られている。
【0083】この第3セグメント63は、光源5から3
番目に遠い位置に配置されているので、この第3セグメ
ント63に入射される光は、3番目に弱い光である。こ
の第3セグメント63は、3番目に弱い光を密に集めて
図8(A)に示す配光パターンを形成するものである。
この図8(A)に示す配光パターンは、カーブ配光パタ
ーンP1の高光度帯PMおよびその周辺域および右側端
部を形成するものである。
【0084】図9(A)は、第2反射面7の第1セグメ
ント71により形成される配光パターンを示す。この配
光パターンにおけるフィラメント像(前記基本フィラメ
ント像73LPよりも大きいフィラメント像)の群は、
第1セグメント71の横断面凹面により横方向(左右方
向)にほぼ均一に拡散されている。
【0085】また、第1セグメント71は、光源5の上
方に配置されており、また、第1セグメント71の縦幅
は小さい。このために、この第1セグメント71により
形成されるフィラメント像の群は、縦長のフィラメント
像が横方向に1列に並んでおり、かつ、左右両端に位置
する縦長のフィラメント像が傾いている。
【0086】この第1セグメント71は、光源5に最も
近い位置に配置されているので、この第1セグメント7
1に入射される光は、最も強い光である。この第1セグ
メント71は、最も強い光を広げて図9(A)に示す配
光パターンを形成するものである。この図9(A)に示
す配光パターンは、交差点配光パターンP2のほぼ全体
を形成するものである。
【0087】図9(B)は、第2反射面7の第2セグメ
ント72により形成される配光パターンを示す。この配
光パターンにおけるフィラメント像(前記基本フィラメ
ント像73LPよりも大きいフィラメント像)の群は、
前記第1セグメント71により形成されるフィラメント
像の群とほぼ同様に、第2セグメント72の横断面凹面
により横方向(左右方向)にほぼ均一に拡散されてい
る。
【0088】また、第2セグメント72は、光源5の下
方に配置されており、また、第2セグメント72の縦幅
は、第1セグメント71の縦幅と同様に小さい。このた
めに、この第2セグメント72により形成されるフィラ
メント像の群は、前記第1セグメント71により形成さ
れるフィラメント像の群とほぼ同様に、縦長のフィラメ
ント像が横方向に1列に並んでおり、かつ、左右両端に
位置する縦長のフィラメント像が傾いている。
【0089】この第2セグメント72は、前記第1セグ
メント71と同様に、光源5に最も近い位置に配置され
ているので、この第2セグメント72に入射される光
は、最も強い光である。この第2セグメント72は、最
も強い光を広げて図9(B)に示す配光パターンを形成
するものである。この図9(B)に示す配光パターン
は、交差点配光パターンP2のほぼ全体を形成するもの
である。
【0090】図10(A)は、第2反射面7の第3セグ
メント73により形成される配光パターンを示す。この
配光パターンにおけるフィラメント像(前記基本フィラ
メント像73LPおよび73RPを参照)の群は、第3
セグメント73の横断面凹面により横方向(左右方向)
に拡散され、かつ、第3セグメント73の縦断面凹面に
より縦方向において集められている。
【0091】また、第3セグメント73は、光源5の側
方に配置されており、また、第3セグメント73の縦幅
は、第1反射面6の縦幅と同等の大きさである。このた
めに、この第3セグメント73により形成されるフィラ
メント像の群は、横長のフィラメント像と斜めのフィラ
メント像と縦長のフィラメント像とがそれぞれ横方向に
並んでいる。しかも、そのフィラメント像は、内側から
外側にかけて徐々に大きくなっている。
【0092】この第3セグメント73は、光源5の側方
に配置されているので、この第3セグメント73の外側
部分73Rに入射される光は、内側部分73Lに入射さ
れる光よりも若干弱い。このために、第3セグメント7
3の外側部分73Rは、若干弱い光を集め、かつ、内側
部分73Lは、強い光を広げて、図10(A)に示す配
光パターンを形成するものである。この図10(A)に
示す配光パターンは、交差点配光パターンP2の横断歩
道全域P3、P4およびその周辺域P5の部分を形成す
るものである。
【0093】なお、前記各セグメント61、62、6
3、71、72、73により形成されるフィラメント像
の群の上端は、ロービームのカットラインCLにほぼ合
致する。
【0094】(カーブ配光パターンP1の説明)図8
(B)は、この実施の形態の車両用灯具により得られる
カーブ配光パターンP1のスクリーン上に投影されるイ
メージ図である。この図8(B)に示されるカーブ配光
パターンP1は、前記図7(A)、(B)、図8(A)
に示す第1反射面6の各セグメント61、62、63に
より形成される配光パターンがそれぞれ合成されたもの
である。
【0095】前記図8(B)に示すカーブ配光パターン
P1は、図13(B)に示すカーブ配光ゾーンDZ1を
照明するものである。このカーブ配光パターンP1の中
心部には、10000cd以上の高光度帯PMが存在す
る。一方、このカーブ配光パターンP1の中心は、車両
用前照灯の光軸(スクリーンの垂直線VU−VD)に対
してスクリーンの垂直線VU−VD「右30°」より内
側に存在する。
【0096】この結果、カーブ配光パターンP1の中心
部である10000cd以上の高光度帯PMは、図8
(B)に示すように、スクリーンの垂直線VU−VD
「右7°」〜「右20°」およびスクリーンの水平線H
L−HR「下2.86°」より上方に存在する。すなわ
ち、10000cd以上の高光度帯PMは、図13
(A)に示す3ポイントを結ぶライン3より上方の部分
である「ドライバーの視線が向けられるカーブ前方域」
に存在することとなる。
【0097】前記カーブ配光パターンP1の上端は、ほ
ぼロービームのカットラインCL上であって、スクリー
ンの垂直線VU−VD「右4°」〜「右32°」の範囲
に亘って位置する。なお、前記カーブ配光パターンP1
において、中央の等光度曲線は、10000cdを示
し、その他の曲線は、外に行くにしたがって、5000
cd、2000cd、1000cd、500cd、30
0cdをそれぞれ示す。
【0098】(交差点配光パターンP2の説明)図10
(B)は、この実施の形態の車両用灯具により得られる
交差点配光パターンP2のスクリーン上に投影されるイ
メージ図である。この図10(B)に示される配光パタ
ーンは、前記図9(A)、(B)、図10(A)に示す
第2反射面7の各セグメント71、72、73により形
成される配光パターンがそれぞれ合成されたものであ
る。
【0099】前記図10(B)に示す交差点配光パター
ンP2は、図14(A)に示す交差点配光ゾーンDZ2
を照明するものである。この交差点配光パターンP2の
中心は、車両用前照灯の光軸(スクリーンの垂直線VU
−VD)に対してスクリーンの垂直線VU−VD「右3
0°」より外側に存在する。
【0100】この結果、交差点配光パターンP2の中心
部のうち2000cd以上の部分が、スクリーンの垂直
線VU−VD「右24°」〜「右51°」およびスクリ
ーンの水平線HL−HR「下1.5」〜「下3.5°」
に存在する。この結果、交差点配光パターンP2の中心
部のうち2000cd以上の部分が横断歩道奥P3をカ
バーすることができる。
【0101】また、交差点配光パターンP2の中心部の
うち1000cd以上の部分が、スクリーンの垂直線V
U−VD「右23°」〜「右63°」およびスクリーン
の水平線HL−HR「下1」〜「下5°」に存在する。
この結果、交差点配光パターンP2の中心部のうち10
00cd以上の部分が横断歩道手前P4をカバーするこ
とができる。
【0102】以上から、交差点配光パターンP2の10
00cd以上の中心部は、図14(A)に示す「2.5
D−30Rのポイントと、2.5D−45Rのポイント
と、2.5D−60Rのポイントとの3ポイント」、す
なわち、横断歩道CW全域をほぼカバーすることができ
る。
【0103】さらに、交差点配光パターンP2の500
cd以上の周辺部は、スクリーンの垂直線VU−VD
「右22°」〜「右68°」およびスクリーンの水平線
HL−HR「下0.5」〜「下8°」に存在する。この
結果、交差点配光パターンP2の500cd以上の周辺
部は、横断歩道周縁域P5をカバーすることができる。
【0104】さらにまた、交差点配光PターンP2の内
側の左側部分の光度は、密に分布されている。すなわ
ち、交差点配光パターンP2の内側端部には、カーブ配
光パターンP1と光度差なく連続的にかつ滑らかに繋げ
るための補足配光部P6が分布されている。
【0105】前記交差点配光パターンP2の上端は、ほ
ぼロービームのカットラインCLの延長線上であって、
スクリーンの垂直線VU−VD「右22°」〜「右63
°」の範囲に亘って位置する。なお、前記交差点配光パ
ターンP2において、中央の等光度曲線は、2000c
dを示し、その他の曲線は、外に行くにしたがって、1
000cd、500cd、300cdをそれぞれ示す。
【0106】(側方域配光パターンP7の説明)図11
(A)、(B)は、この実施の形態の車両用灯具により
得られる側方域配光パターンP7のスクリーン上に投影
されるイメージ図である。この図11(A)、(B)に
示される配光パターンは、前記図8(B)に示すカーブ
配光パターンP1と、図10(B)に示す交差点配光パ
ターンP2とがそれぞれ合成されたものである。
【0107】前記図11(A)、(B)に示す側方域配
光パターンP7は、図14(B)に示す側方域配光ゾー
ンDZを照明するものである。また、前記図11(A)
に示す側方域配光パターンP7は、カーブ走行時の状態
を示し、前記図11(B)に示す側方域配光パターンP
7は、交差点走行時の状態を示す。
【0108】前記側方域配光パターンP7は、補足配光
部(図10(B)中P6を参照)を介して、カーブ配光
パターンP1の外側の2000cd以上の部分と、交差
点配光パターンP2の内側の2000cd以上の部分と
が光度差なく連続的にかつ滑らかに繋がっている。
【0109】前記側方域配光パターンP7の上端は、ほ
ぼロービームのカットラインCL上およびその延長線上
であって、スクリーンの垂直線VU−VD「右4°」〜
「右63°」の範囲に亘って位置する。なお、前記側方
域配光パターンP7において、中央の等光度曲線は、1
0000cdを示し、その他の曲線は、外に行くにした
がって、5000cd、2000cd、1000cd、
500cd、300cdをそれぞれ示す。
【0110】(実施の形態の作用効果の説明)この実施
の形態にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からな
り、以下、その作用効果について説明する。
【0111】まず、光源5を点灯する。すると、光源5
からの光は、第1反射面6の各セグメント61、62、
63において、図7(A)、(B)、図8(A)に示す
フィラメント像の群の配光パターンとしてそれぞれ反射
される。この反射された各セグメント61、62、63
の配光パターンは、図8(B)に示すカーブ配光パター
ンP1として合成されて、図13(B)に示すカーブ配
光ゾーンDZ1を積極的に照明する。
【0112】前記カーブ配光ゾーンDZ1は、図13
(B)に示すように、ECE規格の3ポイントを結ぶラ
イン3より上側のカーブ前方域をカバーするものであ
る。したがって、前記カーブ配光パターンP1は、カー
ブ走行時にドライバーの視線が向けられるカーブ前方域
を含むカーブ配光ゾーンDZ1を積極的に照明すること
ができる。
【0113】また、光源5からの光は、第2反射面7の
各セグメント71、72、73において、図9(A)、
(B)、図10(A)に示すフィラメント像の群の配光
パターンとしてそれぞれ反射される。この反射された各
セグメント71、72、73の配光パターンは、図10
(B)に示す交差点配光パターンP2として合成され
て、図14(A)に示す交差点配光ゾーンDZ2を積極
的に照明する。
【0114】前記交差点配光ゾーンDZ2は、図14
(A)に示すように、横断歩道CW全域およびその横断
歩道CWの周囲域をカバーするものである。したがっ
て、前記交差点配光パターンDZ2は、交差点右折左折
時に横断歩道CW全域およびその周辺域を含む交差点配
光ゾーンDZ2を積極的に照明することができる。
【0115】そして、前記カーブ配光パターンP1と前
記交差点配光パターンP2とが合成されて、図11
(A)、(B)に示す側方域配光パターンP7が形成さ
れて側方域配光ゾーンDZを積極的に照明する。前記側
方域配光ゾーンDZは、図14(B)に示すように、前
記カーブ配光ゾーンDZ1と前記交差点配光ゾーンDZ
2とが合成されてなるものである。
【0116】したがって、前記側方域配光パターンP7
は、図11(A)に示すように、カーブ走行時にドライ
バーの視線が向けられるカーブ前方域を積極的に照明す
ることができる。また、前記側方域配光パターンP7
は、図11(B)に示すように、交差点右折左折時に横
断歩道CW全域およびその周辺域を積極的に照明するこ
とができる。
【0117】このように、この実施の形態にかかる車両
用灯具は、カーブ走行時および交差点右折左折時におけ
る視認性が向上され、さらには、安全性が確保される。
【0118】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、図8(B)、図11(A)に示すように、カーブ配
光パターンP1の高光度帯PMをカーブ前方域に持って
いくことができる。このために、この実施の形態にかか
る車両用灯具は、カーブ前方域より近方域が同時に照明
されていても、カーブ前方域の高光度帯PMにより、ド
ライバーの視線は、狙いとするカーブ前方域に向けられ
たままであるから、カーブ走行時の配光に適している。
【0119】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、図8(B)に示すように、カーブ配光パターンP1
の中心がスクリーン上において30Rより内側に存在す
るので、図11(A)に示すように、車道の曲線半径R
280〜R30全般に亘ってカーブ前方域全体を照明す
ることができる。また、この実施の形態にかかる車両用
灯具は、図8(B)に示すように、高光度帯PMがスク
リーン上において2.86Dより上方に存在するので、
図11(A)に示すように、カーブ配光パターンP1の
高光度帯PMをカーブ前方域に持っていくことができ
る。このように、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、カーブ前方域を含むカーブ配光ゾーンDZ1を望ま
しいカーブ配光パターンP1で積極的に照明することが
できる。
【0120】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、図8(B)、図11(A)に示すように、カーブ配
光パターンP1の上端がロービームのカットラインCL
に沿って位置するので、カーブ走行時において、対向車
へのグレアを防止することができる。しかも、この実施
の形態にかかる車両用灯具は、カーブ配光パターンP1
の上端がロービームのカットラインCLに沿って位置す
るので、上方グレア規制ラインGLをクリアすることが
でき、AFS規格を満足することができる。
【0121】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、図8(B)、図11(A)に示すように、カーブ配
光パターンP1の高光度帯PMが10000cd以上で
あるから、40m以上先のカーブ前方域においては5l
x以上の照度が得られる。この5lxは、一般に、視認
性の基準となる。これにより、この実施の形態にかかる
車両用灯具は、カーブ配光パターンP1においてロービ
ームの保安基準の40m以上の視認性が確保できる。
【0122】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、図10(B)、図11(B)に示すように、交差点
配光パターンP2の中心がスクリーン上において30R
より外側に存在するので、横断歩道CW全域を照明する
ことができる。また、この実施の形態にかかる車両用灯
具は、図10(B)、図11(B)に示すように、交差
点配光パターンP2の最下端がスクリーン上において
2.5Dより下方に存在するので、横断歩道CWの周辺
域を照明することができる。
【0123】このように、この実施の形態にかかる車両
用灯具は、図10(B)、図11(B)に示すように、
横断歩道CW全域およびその周辺域を含む交差点配光ゾ
ーンDZ2を望ましい交差点配光パターンP2で積極的
に照明することができる。さらに、この実施の形態にか
かる車両用灯具は、図10(B)、図11(B)に示す
ように、交差点配光パターンP2の中心がスクリーン上
において30Rより外側に存在するので、道路構造令に
規定されている交差角が60°、75°の鋭角交差点の
場合においても、前記の交差点配光パターンP2で横断
歩道CW全域とその周辺域を照明することができる。
【0124】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、図10(B)、図11(B)に示すように、交差点
配光パターンP2の上端がロービームのカットラインC
Lの延長線に沿って位置するので、交差点右折左折時に
おいて、右折方向(または左折方向)に停車中の車両の
搭乗者、および、歩行者へのグレアを防止することがで
きる。
【0125】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、図10(B)、図11(B)に示すように、交差点
配光パターンP2において、横断歩道奥P3が2000
cd以上、横断歩道手前P4が1000cd以上、横断
歩道周辺域P5が500cd以上の光度分布である。一
方、交差点進入時において、右折時の自車両から横断歩
道CWまでの直線距離は、およそ15m(横断歩道手前
P4)から20m(横断歩道奥P3)である。したがっ
て、前記の直線距離の横断歩道CW全域およびその周辺
域においては、5lx以上の照度が得られる。これによ
り、この実施の形態にかかる車両用灯具は、5lx以上
の保安基準の視認性が確保することができる。
【0126】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、図11(A)、(B)に示すように、補足配光部P
6を介して、カーブ配光パターンP1の外側の2000
cd以上の部分と、交差点配光パターンP2の内側の2
000cd以上の部分とが光度差なく連続的にかつ滑ら
かに繋がった側方域配光パターンP7を形成することが
できる。このために、この実施の形態にかかる車両用灯
具は、配光特性が異なる2つの配光パターン(カーブ配
光パターンP1、交差点配光パターンP2)を繋げたに
も拘わらず、違和感がなく好ましい側方域配光パターン
P7が得られる。
【0127】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、第1反射面6と第2反射面7とが境界面8を介して
左右に繋がっている。このために、この実施の形態にか
かる車両用灯具は、第1反射面6のカーブ配光パターン
P1の配光特性と、第2反射面7の交差点配光パターン
P2の配光特性とが異なるのにも拘わらず、境界面8に
より、配光特性が異なる第1反射面6と第2反射面7と
を横長の矩形の範囲内に配置することができる。
【0128】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、第1反射面6および境界面8および第2反射面7が
横長の矩形をなすので、縦方向における寸法を小さくす
ることができ、その分、縦方向にコンパクトな車両用灯
具を提供することができる。
【0129】さらに、この実施の形態にかかる車両用灯
具は、第1反射面6が境界面8より車両の内側に配置さ
れていることと、カーブ配光ゾーンDZ1が交差点配光
ゾーンDZ2に対して内側(すなわち、側方域配光ゾー
ンDZのうちの内側)に位置することとが合致して配光
上好ましい。一方、第2反射面7が境界面8より車両の
外側に配置されていることと、交差点配光ゾーンDZ2
がカーブ配光ゾーンDZ1に対して外側(すなわち、側
方域配光ゾーンDZのうちの外側)に位置することとが
合致して配光上好ましい。
【0130】これにより、この実施の形態にかかる車両
用灯具は、第1反射面6によりカーブ配光ゾーンDZ1
を効率よくかつ積極的に照明することができ、また、第
2反射面7により交差点配光ゾーンDZ2を効率よくか
つ積極的に照明することができる。
【0131】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、横長の四角形の第1反射面6により、光源5から反
射面に映り込むフィラメント像の群のうち、細長いカー
ブ配光パターンP1を形成するのに適した細長いフィラ
メント像の群を使用することができる。このために、こ
の実施の形態にかかる車両用灯具は、横長の四角形の第
1反射面6で横長のカーブ配光パターンP1を効率よく
形成することができ、しかも、その細長いカーブ配光パ
ターンP1で細長いカーブ配光ゾーンDZ1を効率よく
かつ積極的に照明することができる。その上、フィラメ
ント像が横長の場合、この横長のフィラメント像が横長
の第1反射面6に入射することに適している。
【0132】一方、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、四角形の第2反射面7により、光源5から反射面に
映り込むフィラメント像の群のうち、側方に広くかつ下
方に若干広い交差点配光パターンP2を形成するのに適
した側方に広くかつ下方に若干広いフィラメント像の群
を使用することができる。このために、この実施の形態
にかかる車両用灯具は、四角形の第2反射面7で側方に
広くかつ下方に若干広い交差点配光パターンP2を効率
よく形成することができ、しかも、その側方に広くかつ
下方に若干広いカーブ配光パターンP2で側方に広くか
つ下方に若干広いカーブ配光ゾーンDZ2を効率よくか
つ積極的に照明することができる。
【0133】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、第1反射面6の光軸Z1および第2反射面7の光軸
Z2が光源5の軸Zに対して自動車の外側にそれぞれ振
り向けられており、第2反射面7の振り角θ2が第1反
射面6の振り角θ1より大きい。このために、この実施
の形態にかかる車両用灯具は、車両用前照灯により得ら
れる配光パターン(たとえば、ヘッドランプの場合、ロ
ービームの配光パターン、ハイビームの配光パターン、
フォグランプの場合、フォグビームの配光パターンな
ど)の外側にカーブ配光パターンおよび交差点配光パタ
ーンを効率よく配光させることができる。
【0134】特に、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、第2反射面7の振り角θ2が第1反射面6の振り角
θ1より大きいので、カーブ配光ゾーンDZ1の外側の
交差点配光ゾーンDZ2を第2反射面7からの交差点配
光パターンP2で効率よくかつ積極的に照明することが
できる。しかも、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、道路構造令に規定されている交差角が60°、75
°の鋭角交差点の場合においても、交差点配光パターン
P2で横断歩道CW全域とその周辺域を照明することが
できる。
【0135】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、第2反射面7の外側の端部が光源5のフィラメント
51よりも後方に位置する。この結果、この実施の形態
にかかる車両用灯具は、光源5からの直射光を第2反射
面7の外側の端部に遮られずに外部に照射することがで
きる。これにより、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、その直射光が交差点配光パターンP2と共に交差点
配光ゾーンDZ2およびその周辺を積極的に照明するこ
とができる。
【0136】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、光源5が遮光のトップコート52を有するC−8タ
イプであり、この光源5の軸ZがカーラインC・Cに対
して平行である。この結果、この実施の形態にかかる車
両用灯具は、図4に示すように、光源5からの直射光の
うち、フィラメント51の中心を頂点としかつ光源5の
軸Zを中心軸とする半径30°(θ4/2)の円錐形の
内の直射光を、遮光シェードを用いずに遮光することが
できる。これにより、この実施の形態にかかる車両用灯
具は、カーブ配光の際の対向車への眩惑をコストをかけ
ずに防止することができる。また、この実施の形態にか
かる車両用灯具は、光源5がカーラインC・Cに対して
平行に配置されるので、外観上一般に好まれる。
【0137】また、この実施の形態にかかる車両用灯具
は、第1反射面6の自由曲面および第2反射面7の自由
曲面をNURBSの自由曲面とするので、第1反射面6
および第2反射面7を高精度、高速度、高自由度に制御
して作ることができる。
【0138】(実施の形態以外の例の説明)なお、前記
実施の形態においては、細長の配光パターンがカーブ配
光ゾーンDZ1を照明するカーブ配光パターンP1であ
り、また、幅広の配光パターンが交差点配光ゾーンDZ
2を照明する交差点配光パターンP2である。ところ
が、この発明は、細長の配光パターンとして、目的とす
る配光パターンで目的とする側方域を積極的に照明する
ことができるものであれば良いし、また、幅広の配光パ
ターンとして、目的とする配光パターンで目的とする側
方域を積極的に照明することができるものであれば良
い。
【0139】また、前記実施の形態においては、フィラ
メント51の軸長が4.1mmであり、フィラメント5
1の半径が1.3mmであり、フィラメント51の光束
量が1500lmである仕様の光源5を使用するもので
あるが、この発明においては、前記の仕様以外の光源を
使用しても良い。
【0140】また、前記実施の形態においては、第1反
射面6の光軸Z1が光源5の軸Zに対して自動車Cの外
側に角度θ1振り向けられており、また、第1反射面6
の大きさが図2の正面視の寸法で縦約40mm×横約8
0mmであり、さらに、第1反射面6の焦点距離が約4
0mmであり、さらにまた、第1反射面6が横断面凸面
および縦断面凹面を基本とする自由曲面の3つのセグメ
ント61、62、63から構成されている。
【0141】この構成からなる第1反射面6と前記仕様
の光源5との組み合わせは、前記の望ましいカーブ配光
ゾーンDZ1を積極的に照明する前記の望ましいカーブ
配光パターンP1を得るのに最も効果的な1例である。
前記の組み合わせは、最も効果的な1例であるから、こ
の発明においては、第1反射面の構成を特に限定しな
い。なお、第1反射面において、いかなる構成の場合で
あっても、この第1反射面により得られるカーブ配光パ
ターンの中心は、スクリーン上において30Rまたは3
0Lより外側に存在することはない。
【0142】また、前記実施の形態においては、第2反
射面7の光軸Z2が光源5の軸Zに対して自動車Cの外
側に角度θ2振り向けられており、また、第2反射面7
の大きさが図2の正面視の寸法で縦約40mm×横約6
0mmであり、さらに、第2反射面7の焦点距離が約1
6mmであり、さらにまた、第2反射面7が横断面凹面
および縦断面凹面を基本とする自由曲面の3つのセグメ
ント71、72、73から構成されている。この構成か
らなる第2反射面7と前記仕様の光源5との組み合わせ
は、前記の望ましい交差点配光ゾーンDZ2を積極的に
照明する前記の望ましい交差点配光パターンP2を得る
のに最も効果的な1例である。前記の組み合わせは、最
も効果的な1例であるから、この発明においては、第2
反射面の構成を特に限定しない。なお、第2反射面にお
いて、いかなる構成の場合であっても、この第2反射面
により得られるカーブ配光パターンの中心は、スクリー
ン上において30Rまたは30Lより内側に存在するこ
とはない。
【0143】さらに、前記実施の形態においては、補足
配光部P6を交差点配光パターンP2の内側に配光分布
させたものであるが、この発明においては、補足配光部
をカーブ配光パターンP1の外側に設けても良いし、ま
た、カーブ配光パターンP1の外側と交差点配光パター
ンP2の内側の双方に設けても良い。
【0144】なお、この発明の車両用灯具は、ヘッドラ
ンプやフォグランプなどの車両用前照灯と別個の専用の
光源を使用するので、この発明の車両用灯具により得ら
れる側方域配光パターンDZ(カーブ配光パターンDZ
1と交差点配光パターンDZ2との合成の配光パター
ン)は、ヘッドランプのロービームの配光パターン、ハ
イビームの配光パターン、フォグランプのフォグビーム
の配光パターンと、別個に、または、合成されて、路上
の側方域を照明するものである。また、この発明の車両
用灯具は、スイッチ操作により、光源5を常時点灯して
側方域配光パターンDZを常時照射しても良いし、また
は、ステアリング操作と連動して光源5をカーブ走行時
や交差点右折左折時に点灯させて側方域配光パターンD
Zをカーブ走行時や交差点右折左折時に照射するように
しても良い。
【0145】
【発明の効果】以上から明らかなように、この発明にか
かる車両用灯具(請求項1)によれば、目的とする配光
パターンで目的とする側方域の配光ゾーンを積極的に照
明することができるので、視認性が向上され、さらに
は、安全性が確保されることとなる。
【0146】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項1)によれば、第1反射面が横断面凸面および縦断面
凹面の自由曲面から構成されているので、第1反射面に
入射するフィラメント像の群を、横断面凸面でオープン
拡散させて横に細長いフィラメント像の群に形成し、か
つ、その横に細長いフィラメント像の群を縦断面凹面で
縦に集めることができる。したがって、請求項1にかか
る発明は、第1反射面により、目的とする細長の配光パ
ターンを効率よく形成することができる。
【0147】一方、この発明にかかる車両用灯具(請求
項1)によれば、第2反射面が横断面凹面および縦断面
凹面の自由曲面から構成されているので、第2反射面に
入射するフィラメント像の群を、横断面凹面でクロス拡
散させて横縦に広いフィラメント像の群に形成し、か
つ、その横縦に広いフィラメント像の群を縦断面凹面で
縦に集めることができる。したがって、請求項1にかか
る発明は、第2反射面により、目的とする幅広の配光パ
ターンを効率よく形成することができる。
【0148】さらに、この発明にかかる車両用灯具(請
求項1)によれば、第1反射面および第2反射面の自由
曲面をNURBSの自由曲面とすることにより、第1反
射面および第2反射面を高精度、高速度、高自由度に制
御して作ることができる。
【0149】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項2)によれば、焦点距離が長い第1反射面に入射され
る光源からフィラメント像が細長いので、目的とする細
長の配光パターンを効率よく形成することができる。し
かも、この発明にかかる車両用灯具(請求項2)によれ
ば、目的とする細長の配光パターンをカーブ配光パター
ンとしてカーブ前方域を含むカーブ配光ゾーンDZ1を
積極的に照明することができる。
【0150】特に、この発明にかかる車両用灯具(請求
項2)によれば、目的とする細長の配光パターンがカー
ブ配光パターンとしてカーブ前方域を積極的に照明する
ことができるので、カーブ前方域より近方域が同時に照
明されていても、ドライバーの視線は、狙いとするカー
ブ前方域に向けられたままであるから、カーブ走行時の
配光に適している。
【0151】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項2)によれば、焦点距離が短い第2反射面に入射され
る光源からフィラメント像が幅広いので、目的とする幅
広の配光パターンを効率よく形成することができる。し
かも、この発明にかかる車両用灯具(請求項2)によれ
ば、目的とする幅広の配光パターンを交差点配光パター
ンとして横断歩道全域およびその周辺域を含む交差点配
光ゾーンDZ2を積極的に照明することができる。
【0152】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項3)によれば、第1反射面と第2反射面とが境界面を
介して左右に繋がっているので、第1反射面のカーブ配
光パターンの配光特性と、第2反射面の交差点配光パタ
ーンの配光特性とが異なるのにも拘わらず、境界面によ
り、配光特性が異なる第1反射面と第2反射面とを横長
の矩形の範囲内に配置することができる。
【0153】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項3)によれば、第1反射面および境界面および第2反
射面が横長の矩形をなすことにより、縦方向における寸
法を小さくすることができ、その分、縦方向にコンパク
トな車両用灯具を提供することができる。
【0154】さらに、この発明にかかる車両用灯具(請
求項3)によれば、第1反射面が車両の内側に配置され
ていることと、カーブ配光ゾーンDZ1が交差点配光ゾ
ーンDZ2に対して内側(すなわち、側方域配光ゾーン
DZのうちの内側)に位置することとが合致して配光上
好ましい。一方、第2反射面が車両の外側に配置されて
いることと、交差点配光ゾーンDZ2がカーブ配光ゾー
ンDZ1に対して外側(すなわち、側方域配光ゾーンD
Zのうちの外側)に位置することとが合致して配光上好
ましい。これにより、請求項3にかかる発明は、第1反
射面によりカーブ配光ゾーンDZ1を効率よくかつ積極
的に照明することができ、また、第2反射面により交差
点配光ゾーンDZ2を効率よくかつ積極的に照明するこ
とができる。
【0155】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項4)によれば、横長の四角形の第1反射面により、光
源から反射面に映り込むフィラメント像の群のうち、細
長いカーブ配光パターンを形成するのに適した細長いフ
ィラメント像の群を使用することができる。このため
に、この発明にかかる車両用灯具(請求項4)は、横長
の四角形の第1反射面で横長のカーブ配光パターンを効
率よく形成することができ、しかも、その細長いカーブ
配光パターンで細長いカーブ配光ゾーンを効率よくかつ
積極的に照明することができる。その上、フィラメント
像が横長の場合、この横長のフィラメント像が横長の第
1反射面に入射することに適している。
【0156】一方、この発明にかかる車両用灯具(請求
項4)によれば、四角形の第2反射面により、光源から
反射面に映り込むフィラメント像の群のうち、側方に広
くかつ下方に若干広い交差点配光パターンを形成するの
に適した側方に広くかつ下方に若干広いフィラメント像
の群を使用することができる。このために、この発明に
かかる車両用灯具(請求項4)は、四角形の第2反射面
で側方に広くかつ下方に若干広い交差点配光パターンを
効率よく形成することができ、しかも、その側方に広く
かつ下方に若干広いカーブ配光パターンで側方に広くか
つ下方に若干広いカーブ配光ゾーンを効率よくかつ積極
的に照明することができる。
【0157】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項5)によれば、車両用前照灯により得られる配光パタ
ーン(たとえば、ヘッドランプの場合、ロービームの配
光パターン、ハイビームの配光パターン、フォグランプ
の場合、フォグビームの配光パターンなど)の外側にカ
ーブ配光パターンおよび交差点配光パターンを効率よく
配光させることができる。
【0158】特に、この発明にかかる車両用灯具(請求
項5)によれば、第2反射面の振り角が第1反射面の振
り角より大きいので、カーブ配光ゾーンの外側の交差点
配光ゾーンを第2反射面からの交差点配光パターンで効
率よくかつ積極的に照明することができる。しかも、こ
の発明にかかる車両用灯具(請求項5)は、道路構造令
に規定されている交差角が60°、75°の鋭角交差点
の場合においても、交差点配光パターンで横断歩道全域
とその周辺域を照明することができる。
【0159】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項6)によれば、光源からの直射光が第2反射面の外側
の端部に遮られずに外部に照射されるので、その直射光
が交差点配光パターンと共に交差点配光ゾーンおよびそ
の周辺を積極的に照明することができる。
【0160】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項7)によれば、光源のフィラメントの小さい端面が車
両の前方に向くので、光源から車両の前方に照射される
直射光の光束量が少なく、グレア光の虞も少ない。しか
も、請求項7にかかる発明は、少ない光束量の直遮光を
遮光するには小さくかつ簡単な構造の遮光シェードで十
分であり、その小さくかつ簡単な構造の遮光シェードに
より、少ない光束量の直遮光を確実に遮光することがで
きるので、グレア光の発生を確実に防止することができ
る。
【0161】また、この発明にかかる車両用灯具(請求
項7)によれば、遮光シェードを使用する代わりに、C
−8タイプの光源に遮光のトップコートを設けることに
より、光源からの直射光のうち、フィラメントの中心を
頂点としかつ光源の軸を中心軸とする半径30°の円錐
形の内の直射光を、遮光シェードを用いずに遮光するこ
とができる。これにより、請求項7にかかる発明は、カ
ーブ配光の際の対向車への眩惑をコストをかけずに防止
することができる。
【0162】さらに、この発明にかかる車両用灯具(請
求項7)によれば、光源がカーラインに対して平行に配
置されるので、外観上一般に好まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施の形態にかかる車両用灯具が装備され
ている自動車の平面図である。
【図2】第1反射面および第2反射面および境界面を示
す斜視図である。
【図3】第1反射面の光軸および第2反射面の光軸と光
源の軸との間の角度を示す概略平面図である。
【図4】境界面の傾斜角度とトップコートによる遮光範
囲を示す概略平面図である。
【図5】第1反射面および第2反射面の縦寸法および横
寸法と、各反射面に写り込むフィラメント像の群が各配
光パターンを形成するのに適した範囲と相対関係を示す
説明図である。
【図6】(A)は、第1反射面の第1セグメント、第2
セグメント、第2反射面の第3セグメントの外側部分、
内側部分によるそれぞれの基本フィラメント像を示す説
明図、(B)は、第1反射面の各セグメント、第2反射
面の第3セグメントの外側部分、内側部分の配置を示す
説明図である。
【図7】(A)は、第1反射面の第1セグメントにより
得られる配光パターンを示す説明図、(B)は、第1反
射面の第2セグメントにより得られる配光パターンを示
す説明図である。
【図8】(A)は、第1反射面の第3セグメントにより
得られる配光パターンを示す説明図、(B)は、第1反
射面の各セグメントにより得られる配光パターンが合成
されたカーブ配光パターンを示す説明図である。
【図9】(A)は、第2反射面の第1セグメントにより
得られる配光パターンを示す説明図、(B)は、第2反
射面の第2セグメントにより得られる配光パターンを示
す説明図である。
【図10】(A)は、第2反射面の第3セグメントによ
り得られる配光パターンを示す説明図、(B)は、第2
反射面の各セグメントにより得られる配光パターンが合
成された交差点配光パターンを示す説明図である。
【図11】(A)は、第1反射面により得られるカーブ
配光パターンと第2反射面により得られる交差点配光パ
ターンとが合成された側方域配光パターンを示すカーブ
走行時の説明図、(B)は、第1反射面により得られる
カーブ配光パターンと第2反射面により得られる交差点
配光パターンとが合成された側方域配光パターンを示す
交差点右折時の説明図である。
【図12】(A)は、ECE規格の3ポイントを示す説
明図、(B)は、ECE規格の3ポイントをロービーム
の配光パターンに投影させた説明図である。
【図13】(A)は、ECE規格の3ポイントに対して
右カーブ時の内側レーンライン(中央線)をR280〜
R30で投影させた説明図、(B)は、望ましいカーブ
配光ゾーンを示す説明図である。
【図14】(A)は、望ましい交差点配光ゾーンを示す
説明図、(B)は、望ましい側方域配光ゾーンを示す説
明図である。
【符号の説明】
1 自走車線 2 対向車線 3 ECE規格の3ポイントを結ぶライン 4L、4R 車両用灯具 5 光源 50 バルブ 51 フィラメント 52 トップコート 53 口金 6 第1反射面 61 第1セグメント 62 第2セグメント 63 第3セグメント 7 第2反射面 71 第1セグメント 72 第2セグメント 73 第3セグメント 73R 第3セグメントの外側部分 73L 第3セグメントの内側部分 8 境界面 9 リフレクタ 90 透孔 HL−HR スクリーンの左右の水平線 VU−VD スクリーンの上下の垂直線 CL ロービームのカットライン LP ロービームの配光パターン DZ1 望ましいカーブ配光ゾーン DZ2 望ましい交差点配光ゾーン DZ 望ましい側方域配光ゾーン CW 横断歩道 PN 歩行者 GL 上方グレア規制ライン F 自動車の前方 B 自動車の後方 U 自動車の上側 D 自動車の下側 L 自動車の左側 R 自動車の右側 X 水平軸 Y 垂直軸 Z 光源の軸 C 自動車 C・C カーライン F1 第1反射面の焦点 F2 第2反射面の焦点 Z1 第1反射面の光軸 Z2 第2反射面の光軸 P1 望ましいカーブ配光パターン PM 高光度帯 P2 望ましい交差点配光パターン P3 横断歩道奥 P4 横断歩道手前 P5 横断歩道周辺域 P6 補足配光部 P7 望ましい側方域配光パターン θ1 第1反射面の光軸と光源の軸との間の角度 θ2 第2反射面の光軸と光源の軸との間の角度 θ3 境界面と光源の軸との間の角度 θ4 トップコートにより直遮光を遮光する範囲の角度 θ5 スクリーン上の水平線から基本フィラメント像の
上端までの角度 61P 第1セグメントによる基本フィラメント像 63P 第3セグメントによる基本フィラメント像 73RP 第3セグメントの外側部分よる基本フィラメ
ント像 73LP 第3セグメントの内側部分よる基本フィラメ
ント像

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路上の側方域を照明して車両用前照灯の
    配光を補足する車両用灯具であって、 前記車両用前照灯と別個の専用の光源と、 前記光源からの光を反射させて細長の配光パターンで側
    方域を照明する第1反射面と、 前記光源からの光を反射させて幅広の配光パターンで側
    方域を照明する第2反射面と、 を備え、 前記第1反射面は、横断面凸面および縦断面凹面に近似
    する自由曲面から構成されており、 前記第2反射面は、横断面凹面および縦断面凹面に近似
    する自由曲面から構成されている、 ことを特徴とする車両用灯具。
  2. 【請求項2】 前記細長の配光パターンは、カーブ前方
    域を含むカーブ配光ゾーンを照明するカーブ配光パター
    ンであり、 前記幅広の配光パターンは、横断歩道全域およびその周
    辺域を含む交差点配光ゾーンを照明する交差点配光パタ
    ーンであり、 前記第1反射面の焦点距離は、前記第2反射面の焦点距
    離より長い、 ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 【請求項3】 前記第1反射面と前記第2反射面とは、
    境界面を介して左右に繋がっており、 前記第1反射面および前記境界面および前記第2反射面
    は、横長の矩形をなし、 前記第1反射面は、前記境界面より車両の内側に配置さ
    れており、前記第2反射面は、前記境界面より車両の外
    側に配置されている、 ことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
  4. 【請求項4】 前記第1反射面は、前記光源から前記第
    1反射面に映り込むフィラメント像の群が前記カーブ配
    光パターンを形成するのに適した横長の四角形の縦寸法
    および横寸法を有し、 前記第2反射面は、前記光源から前記第2反射面に映り
    込むフィラメント像の群が前記交差点配光パターンを形
    成するのに適した四角形の縦寸法および横寸法を有す
    る、 ことを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
  5. 【請求項5】 前記前記第1反射面の光軸および前記第
    2反射面の光軸は、前記光源の軸に対して自動車の外側
    にそれぞれ振り向けられており、 前記第2反射面の振り角は、前記第1反射面の振り角よ
    り大きい、 ことを特徴とする請求項3または4のいずれか1に記載
    の車両用灯具。
  6. 【請求項6】 前記第2反射面の外側の端部は、前記光
    源の発光部よりも後方に位置する、 ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1に記載の車
    両用灯具。
  7. 【請求項7】 前記光源は、C−8タイプであり、 前記光源の軸は、カーラインに対して平行である、 ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の車
    両用灯具。
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