JP2003248970A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2003248970A
JP2003248970A JP2002044516A JP2002044516A JP2003248970A JP 2003248970 A JP2003248970 A JP 2003248970A JP 2002044516 A JP2002044516 A JP 2002044516A JP 2002044516 A JP2002044516 A JP 2002044516A JP 2003248970 A JP2003248970 A JP 2003248970A
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polymer
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transmitting layer
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Application number
JP2002044516A
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English (en)
Inventor
Kazutomi Suzuki
和富 鈴木
Shunichi Matsumura
俊一 松村
Nobuaki Kido
伸明 城戸
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境変化においても反りの変化の少なく、優
れた電気特性を有する光記録媒体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる支持基板上に、順
に少なくとも反射膜、及び光透過層が形成され、光透過
層側から情報の記録及び/または再生が行なわれる光記
録媒体において、該支持基板が主鎖に脂環構造を含む重
合体からなり、かつ支持基板及び/または光透過層表面
に形成されているグルーブ及び/又はピットの底部表面
の中心線平均粗さ(Ra)が0.10nmから0.70
nmの範囲であることを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ヘッドの高開口
数化、短波長化に対応可能な高密度光記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスクや光カードなどの光記録用の
基板材料としては、従来、ポリカーボネート樹脂やポリ
メチルメタクリレート樹脂などが光学材料として優れる
ため、広く利用されてきた。中でもポリカーボネート樹
脂は、透明性、耐熱安定性、靭性などに優れるため、広
く光ディスク用基板材料として、使用されている。
【0003】近年、光(光磁気)記録ディスクの大容量
化、あるいはDVDの開発、ブルーレーザの開発に代表
される記録密度の高密度化はますます進展している。デ
ィスク基板の厚みは、CDの1.2mmから、DVDの
0.6mmと薄くなっており、更に次世代の光ディスク
として、厚さ0.1mm前後の光透過層と1.1mm程
度の支持基板の貼り合せからなる構成が主流になってき
ている。
【0004】この支持基板の要求特性としては、媒体の
反りを小さくするという観点から剛性の優れた材料が必
要ということで、いくつかの提案がなされている。例え
ば特開平9−147417号公報、特開平11−185
291号公報では、ポリカーボネート、金属、ガラスの
記載がなされている。また特開平10−154351号
公報ではAl、Niなどの金属、ガラス、強化プラスチ
ックが挙げられている。しかし金属、ガラスでは生産性
が悪いだけでなく、重いという問題があった。またガラ
スの場合には、割れやすいという欠点がある。ポリカー
ボネート、強化プラスチックの場合は、これらの点につ
いては比較的良好であるが、環境変化による反り変動の
問題が生じることがわかってきた。つまり、次世代の媒
体では媒体とヘッドの距離が近いため、単に媒体の反り
が小さいだけでなく、温度や湿度などの環境変化によっ
ても、反りの変化が小さいことが要求されるようになっ
てきている。しかし、ポリカーボネートはこの点では不
十分であることがわかってきた。
【0005】更に良好な電気特性を得るためには、グル
ーブやピット部の表面粗さが小さいことが必要である
が、例え、同一スタンパーを用いてもポリカーボネート
樹脂ではグルーブやピット部の表面粗さが大きくなり、
この点でもポリカーボネート樹脂は不十分である。
【0006】表面粗さに関しても、従来にもいくつかの
提案がある。例えば特開平11−134711号公報で
は「高さがレーザー波長の1/4以上のものがない」こと
が記載されている。しかし、これは浮上型光学ヘッドと
の衝突を問題にしているため、例えばレーザー波長が4
00nmであれば、100nmと非常に大きい数値のも
のである。また特開平2001−273675号公報で
は平均表面粗さが10nm以下と記載されており、実施
例には3〜8nmのものが記載されている。更にWO
2000/48172号公報では、特許請求の範囲にR
aが10nm以下と記載されている。
【0007】上記の様に中心線平均粗さに関する具体的
な記載で最小のものは3nmであるが、本発明者らはこ
の点について検討した結果、中心線平均粗さ(Ra)が
1nmであっても、電気特性に問題があることを見出し
た。
【0008】このように従来提案されている支持基板で
は、生産性が良好で材料コストも低く、かつ温度や湿度
に対する良好な寸法安定性、優れた電気特性など、要求
特性を満足することが出来なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、こう
した課題、とりわけ環境変化においても反りの変化の少
なく、優れた電気特性を有する光記録媒体を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この問題
について鋭意検討した結果、本発明に到達した。つまり
本発明は、熱可塑性樹脂からなる支持基板上に、順に少
なくとも反射膜、及び光透過層が形成され、光透過層側
から情報の記録及び/または再生が行なわれる光記録媒
体において、該支持基板が主鎖に脂環構造を含む重合体
からなり、かつ支持基板及び/または光透過層表面に形
成されているグルーブ及び/又はピットの底部表面の中
心線平均粗さ(Ra)が0.10nmから0.70nm
の範囲であることを特徴とする光記録媒体である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明での一つの特徴である、支
持基板に使用される主鎖に脂環構造を含む重合体につい
て説明する。本発明でいう主鎖とは、重合体の長さ方向
から結合に沿って一筆書きで同じ結合を通らなくてもな
ぞっていける範囲を言う。例えば、下図(A)では、a→b
→c→d→e→f→g→h→c→b→i と結合をなぞっていく
と、b−c間を2回通らないといけないので、主鎖はa−b
−i となる。シクロヘキサン構造は側鎖である。一方
(B)では、a→b→h以外にa→b→c→d→e→h、もしく
はa→b→c→f→g→e→h が通り道となり、いずれも同
じ結合を通らない。そこでこのノルボルナン構造も主鎖
となる。(C)、(D)、(E)においても、同じ理由
でこのノルボルナン構造も含めて主鎖という。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】 本発明の主鎖には、この脂環構造以外に、上記(B)
(C)に示したようなエチレン構造(−CH2−CH
2−)を始めとするアルケン構造や、アリール構造があ
っても良い。これらと脂環構造の主鎖が炭素−炭素結合
からなっていることを特徴とする。この炭素−炭素結合
は二重結合であっても良いが、脂肪族炭化水素における
二重結合は熱化学的に不安定なので、ない方が好まし
い。フェニル基やアリール基の場合には、π電子の非局
在化で安定化しているので、有っても問題ない。
【0017】しかし、後述する吸水の影響を最小限にす
る上では、水素化して一重結合のみになっていることが
より好ましい。また、この炭素原子に結合している元素
は、炭素、水素だけではなく、他の元素と結合していて
も良い。
【0018】脂環構造としては、シクロアルカン、シク
ロアルケンが挙げられるが、耐熱性、化学的安定性、吸
水性などの点で、シクロアルカンが好ましい。これを構
成する炭素原子の数は、耐熱性、流動性(成形性)、機
械的強度などの観点から、5〜20個が好適に用いられ
る。具体例としては、(1)、(2)、(3)、(4)
に記載したものが挙げられるが、もちろんこれらに限定
されるものではない。
【0019】これらの脂環構造中の水素原子が、メチル
基、エチル基などのアルカン基やカルボン酸エステル基
などに替っていても良い。例えば(3)のR1、R2
が、これらのものであることが、合成上、特性上好まし
い。ここでのR1,R2は水素原子、炭素数1〜6の脂
肪族炭化水素基、COOR3で表されるカルボン酸エス
テル基のいずれかが好適に用いられる。ここで、R3
炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基が好適に用いられる。
特にR1、R2が各々、CH3、COOCH3であるもの
がよく用いられる。脂環構造にはこれ以外の多くの構成
が考えられるが、上記(B)(C)(D)(E)は原料
コストが低く、製造が容易で、結果的に安価な支持基板
を得ることが出来るので好ましい。また、ひとつの炭素
原子に結合している水素原子が、他の基に置換されてい
ても良い。更に、(1)、(2)、(3)、(4)に示
した物同士の共重合体やブレンドしたものでも良い。
【0020】これらの主鎖に結合する置換基(側鎖)、
原子においても、極性基を有しないものであれば、全て
の構造中に極性基を含まないことになる。その結果、重
合体の含水率が小さくなり、得られる光記録媒体の特性
は後述するように良好になるので、より好ましい。
【0021】この脂環構造を含む重合体の分子量は、そ
の熱特性、機械特性、流動性などを考慮して、適宜選択
される。通常は重量平均分子量で、5000〜1000
000g/mol、好ましくは30000〜50000
0g/molの範囲が用いられる。分子量が小さすぎる
ともろすぎて、機械的強度が低下する。逆に高すぎると
流動性が低下し、成形時の転写性に問題が出る可能性が
あるので、目的、用途などを勘案し、適宜選択される。
また、(1)、(2)は、各々(1A)、(1B)、
(2A)、(2B)を含む重合体からなることを特徴と
する。これらの成分は、その特性を保持するため、合計で
全体の80重量%入っていることが好ましい。これらの
各成分は、ランダムに入っていても良いし、連続して結
合しているブロック共重合体でも良い。これら両成分の
比率は1:99から99:1の範囲で、要求特性に応じ
て使用される。
【0022】これを得る合成法としては、公知の方法が
用いられる。一般的には開環重合後、水素化する方法が
好適に用いられる。
【0023】本発明における脂環構造を含む重合体に
は、必要に応じて、離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤等の添加剤を含有させても良い。
【0024】本発明の光記録媒体は、上記の脂環構造を
含む重合体からなる支持基板と、光透過層を有する。光
透過層の厚さは、記録密度の向上に伴って薄くなる方向
にあり、0.01mm〜0.2mmの範囲が好ましい。
薄くなるほど高密度化には有利であるが、厚さ分布の均
一性確保等の要求特性を満たした作成法が難しくなる。
その観点から0.05mmから0.1mmが好適に用い
られる。
【0025】一方、支持基板の厚さは厚い方が機械特性
的に好ましいが、実際にはその光記録媒体の厚さの規格
を満足するように選択される。光記録媒体には光透過
層、支持基板の他に、これらを貼り合せる接着層、記録
方式に適応した記録層、誘電体層及び/又は金属反射層
等が存在する。これら合計の厚さが規格を満足するよう
に支持基板の厚さが選ばれるため、一義的に定めること
は出来ない。現在一般的に用いられている1.2mm厚
さの光記録媒体では、1.0mmから1.15mmの厚
さになる。
【0026】なお、この支持基板には、その記録形式に
対応したグルーブ及び/又はピットが存在する。一般的
に、グルーブが存在する領域はユーザーが書き込みに使
用する領域であり、ピットは製造者が情報を書き込んだ
ものである。例えば、ROMと呼ばれる音楽や映像情報
などが記録されている媒体では、ピットだけが存在す
る。またRAMと呼ばれる書き換え可能ディスクでは、
グルーブ、ピットの両方が存在する。
【0027】これらは共にスタンパーに書かれたもの
を、成形工程で転写して得られる。基本的には、スタン
パーの表面形状は電気特性などが最適になるように設計
され、成形ではそれを完全に転写するように成形条件が
選ばれる。ここでいう表面形状とは、ランド高さ(グル
ーブ深さ)、ランド幅、グルーブ幅、ランド/グルーブ
間の斜面角度、ピット高さ、ピット幅、ピット間隔など
である。しかし現実には、基板の熱収縮、表面張力、成
形条件などによって、完全なスタンパー形状の転写とは
ならない。通常はこれらを考慮して最適な、グルーブ、
ピット形状を持つスタンパ−が設計される。
【0028】これらの見かけの形状以外に、基板各部の
表面粗さもスタンパー表面の微小な凹凸が反映される。
この表面粗さは、媒体のノイズ増加の原因となるため、
小さい方が好ましい。とりわけ、光透過層が薄い光記録
媒体では、記録密度を向上させるために、グルーブ幅、
ランド幅が小さくなり、この影響が顕著になってきた。
スタンパー表面の凹凸は、スタンパー製造時に用いたガ
ラスの表面性、フォトポリマーの種類、エッチング条件
等の影響を受け、スタンパー製造時にはこの低減に大き
な努力が行なわれている。
【0029】本発明の脂環構造を含む重合体を用いて成
形すると、同じスタンパーを用いた他の樹脂による成形
基板と比較して、グルーブやピットの形状は同じである
にもかかわらず、各部の表面粗さが小さくなることを見
出した。例えば、スタンパーでの凸部(成形基板ではグ
ルーブ部の底部に相当)の表面粗さがRaで0.62n
mのスタンパーを用いた場合、得られた成形基板のグル
ーブ底部のRaは、ポリカーボネート樹脂の場合では
0.60nmであるのに対し、本発明で用いる樹脂では
例えば0.48nmと表面粗さが小さくなる。つまり、
スタンパーは同じでもノイズの少ない基板を得ることが
出来る。なおここでいうRaとは、中心線平均粗さを意
味する。
【0030】本発明の光記録媒体は、基板表面に形成さ
れているグルーブ及び/又はピットの底部表面の中心線
平均粗さ(Ra)が0.10nmから0.70nmの範
囲であることを特徴とする。ランド表面及びピットの上
面は、成形時において最後の転写状況で変化する。とこ
ろがグルーブ、及びピットの底部は初期に転写され、若
干転写条件が甘くてもスタンパー表面及び樹脂物性によ
って決まり、成形条件の影響をほとんど受けない。そこ
でのRaがこの条件を満足することが必要である。これ
より大きいと、光記録媒体のノイズが大きくなる。逆に
小さいと、そのようなスタンパーを作製するコストが高
くなるだけでなく、基板上に設ける金属膜、酸化物、窒
化物などの層との接着性が悪くなる。またそのような平
滑なスタンパーを作製することが困難になり、ひいては
製造コストの増加につながる。
【0031】この値そのものはスタンパー(表面状態)に
よっても変化するが、スタンパー状態にはかかわらず光
記録媒体のノイズを小さくするには支持基板のRaをこ
の範囲にすることが必要である。この値の上限は好まし
くは0.50nm以下、更には0.45nm以下がより
好ましい。本発明の重合体を用いてこのような表面粗さ
の支持基板を得るには、0.6nm程度以下のRaを有
するスタンパーを用い、熱変形温度から10℃前後高温
の範囲の金型温度で成形することにより得られる。
【0032】なお、このRaはセイコー電子工業(株)製
原子間力顕微鏡SFA−300を用い、グルーブもしく
はピットに沿って針を走査して測定し、Raの評価もグ
ルーブ底部、ピット底部の中央をスキャンして求めた値
である。
【0033】次に光透過層について説明する。この片面
にはピット、グルーブが存在する場合と存在しない場合
の二つのケースがある。いずれにしてもこの層を介して
レーザーで書き込み,読み取りが行なわれるため,用い
るレーザー光の波長での透過率が高いほうが好ましい。
400nmでの光線透過率が80%以上のものが好まし
く、85%以上が更に好ましく、90%以上が更に好ま
しい。また、製造時、及び製品での寸法,形状安定性の
点から、耐熱性は高いほうが好ましい。ガラス転移点は
100℃以上あることが好ましい。さらに良好な電気信
号特性を得るために、複屈折は小さい方が好ましい。レ
ターデーションとしては、20nm以下、更には10n
m以下が好ましい。また、環境変化に対する反り変化を
小さくする上で、吸水率は小さい方が好ましい。AST
M D542による評価で、1%以下、更に好ましくは
0.1%以下が好ましい。また、この層の厚さ変動は電
気信号特性に大きな影響を与えるため、小さい方が好ま
しく、5μm以下、更には1μm以下が好ましい。
【0034】このような条件を満足すればどのような材
料でも良いが、生産性、軽量性などの点で有機高分子樹
脂が好適に用いられる。中でも、ポリカーボネート樹
脂、アモルファスポリオレフィン樹脂が好ましい。とり
わけ、本発明の支持基板と同じ材料である脂環構造を含
む重合体を用いると、積層する材料が同じで、力学的バ
ランス、接着などで有利というだけでなく、吸水率が小
さい、レターデーションが小さい、表面硬度が高いとい
う点でより好ましい。
【0035】次に本発明の光記録媒体の製造法について
述べる。
【0036】まず、光透過層について説明する。前述し
たように、この層にはグルーブ、ピットが存在する場合
としない場合がある。最初に存在しない場合について述
べる。
【0037】この場合には、通常のシート作成法が用い
られる。樹脂温度を上げて溶融状態になった樹脂をT
型ダイスから押し出すTダイ法、空気を用いたインフ
レーション法などの溶融成膜法と射出成形法有機溶
剤や水に溶かした溶液を支持体上に流延していく溶液流
延成膜法(キャスティング法)ロール間で圧延してい
くカレンダー法によって製造可能である。本発明で用い
られる光透過層は、これらのどの方法によって作成して
もかまわない。しかし、溶融成膜法は生産性に優れる反
面、ダイラインと呼ばれるTダイに起因する微小な厚み
斑の問題や、異物やゲルによる外観品質の問題をおこす
ことがある。また、カレンダー法も厚み斑がでやすい。
光記録基板の場合、厚さ斑は電気特性に大きな影響を与
え、数μm以下であることが必要であるとも言われてお
り、これらの方法では難しい。射出成形法はシートを得
ると同時に、光記録媒体の形状そのもの(外形、内径穴)が
出来上がるというメリットがあるが、本発明のような薄
い厚さの場合には高速射出、高い金型温度、樹脂温度な
ど成形機、金型成形条件の選択幅が狭い。
【0038】溶液流延成膜法は生産性に劣る反面、厚み
斑及び表面粗さが小さく、異物やゲルの少ないフィルム
を容易に得ることができる。この方法の欠点は厚いシー
トを得るのが困難なことであるが、将来の光記録基板は
0.3mm、更には0.1mm前後と薄くなる方向であ
り、この点でも本発明の有機高分子シートの製造方法と
してより望ましい。またシート作製プロセスで溶剤を含
むため、緩和が起こりやすく配向もおきにくいので、複屈
折も小さくなるというメリットもあり、より好ましい。
【0039】一方、グルーブやピットが存在する場合に
は、射出成形法上記シート作成法でシートを作製し
た後、スタンパーに接触させ加熱プレスして転写などの
方法が用いられる。射出成形法は前述したようにいろい
ろな制約があり、溶液流延製膜法で作製してスタンパー
に加熱プレスするという方法が好ましい。
【0040】支持基板は、通常用いられる射出成形法、
射出圧縮成形法など、公知の方法によって作製される。
【0041】本発明の光記録媒体とは、光カードや光デ
ィスクのように、光を用いて記録や再生を行なう媒体で
ある。特に、円形状の光ディスクに好適に用いられる。
例えば書き換え可能なディスクとして、光磁気記録媒
体、相変化を利用した記録媒体、染料などを用いた1度
だけ書き込み可能な媒体(−Rと言われる)、ピットの
形で最初から信号が記録されている媒体(−ROMと言
われる)などに用いられる。これらには、目的に応じ
て、各種の記録層、反射層、保護層、保護樹脂層などが
形成される。また、これらが設けられた支持基板と光透
過層を貼り合せる方法は、紫外線硬化樹脂、ホットメル
ト樹脂、粘着シートなど公知の方法が用いられる。
【0042】
【発明の効果】本発明の光記録媒体は薄い光透過層と支
持基板を有する、環境変化に対して反り変化が少なく、
かつノイズの少ない光記録媒体である。今後の高密度記
録化に必要な記録や読み取り波長の短波長化、光ヘッド
の高開口数化に有利な、高密度情報記録用の光記録媒体
である。
【0043】以下に実施例により本発明を詳述する。但
し、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではな
い。
【0044】本実施例、比較例で用いた材料、測定法に
ついて説明する。 1)寸法安定性評価 クリーンルーム環境(25℃、50%RH)で媒体の反
りを測定し、温湿度試験機(30℃、90%RH)に3
日間保持した後、媒体を再びクリーンルーム環境に戻
し、その後の反りの経時変化を追う。 2)反り測定 キーエンス社製高精度レーザー角度測定器LA−200
0により、媒体の半径方向Tilt(R−Tilt)を
測定した。レーザー光が入射するのは光透過層側からの
ため、符号の−は光透過層面が凹、+は支持基板側が凹
を意味する。 3)表面粗さ測定法 AFMによる測定は下記の方法により行なった。
【0045】 測定器:セイコー電子工業(現セイコーインスツルメンツ)(株)製SFA‐3 00 測定カンチレバー:セイコーインスツルメンツ(株)製 SI−AF01 測定条件: 走査幅 5μm 走査速度 10μm/sec 走査方向 形状測定時 −−− ディスク半径方向(グルーブに垂直) 表面粗さ測定時 −−− ディスク円周方向(グルーブに平行) Raの評価は、上記表面粗さ測定画像のグルーブ部(ピ
ット部)中央を、グルーブ方向(円周方向)に走査してR
aを求めた。これを別のグルーブ(ピット)で8回繰り返
し、その平均値を求めることにより行なった。 4)ディスクノイズ測定法 <媒体作製> 基板上に、ZnS−SiO2(95nm)、GeSbT
e(20nm)、ZnS−SiO2(15nm)、Al
−Cr(150nm)を順次堆積した。 <評価機>パルステック工業(株)製DDU−1000
(650nmピックアップ)を用いた。 <評価条件> 測定位置:半径25r、グルーブ、 再生レーザーパワ
ー:1mw、線速:6m/sec、 測定帯域:0〜1
0MHz
【0046】
【実施例1】日本ゼオン(株)製ゼオネックス280R
を用い、光透過層と支持基板を作製した。
【0047】まず光透過層は該ポリマーをトルエンに溶
解し、濃度33重量%の重合体溶液を得た。この重合体
溶液を1.0μmのメンブレンフィルターでろ過し、ク
リアランスが300μmのドクターブレードを用いてガ
ラス板上に流延した。これを25℃で10分間放置した
後、熱風乾燥機中で60℃から150℃まで徐々に昇温
させて乾燥した。乾燥後、フィルムをガラス基板から剥
離し、平均膜厚100μmの透明なシートを得た。この
シートの400nmにおける透過率は、89.8%であ
った。また、複屈折を測定した結果、レターデーション
は入射角が垂直で6.5nm、30度入射で8.8nm
であった。また、20cm角のシートの厚さを1cm間
隔でマイクロメーターにより縦横測定したところ、全て
の測定点で100±1μmを満足していた。また、吸水
率は0.01%以下、鉛筆硬度はHから2Hであった。
これを外形120mm、内径15mmの大きさに切り取
り、光透過層とした。
【0048】支持基板は日精樹脂(株)製ディスク用成
形機MO40D3Hを用い、射出圧縮成形により外形1
20mm、厚さ1.1mmの基板を得た。樹脂温度は3
30℃、金型温度は125℃で行なった。スタンパーは
トラックピッチ0.6μm、グルーブ部深さ及びピット
深さが40nmの物を用いた。成形で得られた基板は、
AFM測定によりこれと同じ形状を有していることを確
認した。また、この基板のグルーブ底部のRaは0.4
8nm、ピット底部のRaは0.50nmであった。ま
た、基板のグルーブ、ピット底部に対応するスタンパー
のランド部及びピット周辺部のRaは、共に0.61n
mであった。この支持基板上に、スパッタリング法によ
って、Al(100nm)、ZnS・SiO2(17n
m)、GeSbTe(17nm)、ZnS・SiO2
(25nm)、SiO2(50nm)、ZnS・SiO
2(50nm)を設け、更にその上に紫外線硬化樹脂層
を2μm設けて保護層とした。
【0049】このようにして作成された光透過層と支持
基板を日東電工(株)製ディスク貼り合せ用粘着テープ
(厚さ約30μm)を用いて貼り合せ、合計厚さ1.2
mmの光記録媒体を作製した。この基板のディスクノイ
ズを表1に示す。
【0050】この媒体をクリーンルーム内(25℃、5
0%RH)に3日間保管した後、反り測定を行なったと
ころR−Tiltは−0.54度であった。この媒体を
30℃、90%RHの温湿度試験機に3日間入れ、そこ
から取り出した後の経時変化を測定した。その結果を図
1に示したが、ほとんど変化していないことがわかる。
【0051】
【実施例2】光透過層を帝人(株)製キャスティングポ
リカーボネートフィルムであるピュアエース(100μ
m厚さ)を用い、それ以外は実施例1と同じ方法で光記
録媒体を作製し、評価した。作成後クリーンルーム内
(25℃、50%RH)に3日間保管した後のR−Ti
ltは、−0.56度であった。また、温湿度試験機取
り出し後の結果は、図1に示した。反りの絶対値は若干
異なるが、この場合も取り出し後の経時変化はほとんど
ないことがわかる。また、この基板のディスクノイズの
結果を表1に示した。
【0052】
【比較例1】実施例1と同じスタンパー、樹脂を用い、
ただ金型温度を135℃にして基板成形を行なった。こ
の基板のグルーブ底部のRaは0.71nm、ピット底
部のRaは0.75nmであった。この基板を用いた時
のディスクノイズ測定結果も表1に示した。同じスタン
パー、同じ樹脂を用いても成形条件が適切でなければ、
表面粗さRaが大きくなる。また、Raが0.7nmよ
り大きくなると、ディスクノイズが非常に大きくなるこ
とがわかる。
【0053】
【比較例2】帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂A
D5503を用い、射出圧縮成形法で実施例1と同じス
タンパーを用いて成形し、厚さ1.1mmの支持基板を
得た。この基板のグルーブ底部のRaは0.58nm、
ピット底部のRaは0.56nmであった。 光透過層
は実施例2と同じピュアエースを用い、実施例1と同じ
方法で光記録媒体を作製し、評価を行なった。この基板
を用いた時のディスクノイズ測定結果も表1に示した。
Raが比較例1ほど大きくなくても、0.5nmを超え
ると、ディスクノイズが大きくなることがわかる。
【0054】媒体作成後クリーンルーム内(25℃、5
0%RH)に3日間保管した後のR−Tiltは、−
0.50度であった。また、温湿度試験機取り出し後の
結果は、図1に示した。この場合は、取り出し後数時間
で反りが+側に移動し、その後徐々に−側にシフトして
テスト前の−0.5度に近づくことがわかった。この間
の反り変化量は0.7度にもなり、実施例1、2に比べ
て大きいことがわかる。
【0055】上述した結果は、脱湿過程での反り変化で
ある。逆に吸湿する過程での反りがどのようになるか検
討するために、以下の測定を行なった。温湿度試験機の
中で反り測定器を用いることは装置安全上できないた
め、便宜的に温湿度試験機(30度、90%RH)から
取り出した後、5分以内に測定するという方法を用い
た。実施例1及び比較例1の光記録媒体について、温湿
度試験機での保管時間を8時間、100時間両方につい
て測定を行なった。そのR−Tiltの結果を表2に示
す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】 実施例1ではこの場合にも、そりの変化はほとんどな
い。一方、比較例1では脱湿の場合とは逆の方向にそり
が大きく変化することがわかった。
【0058】実際の光記録媒体の使用形態では、湿度が
高い場所と低い場所の間を光記録媒体が移動することは
一般的である。その時、100時間以上経過しないと安
定しないだけでなく、数時間内では反りが急激に変化す
る。現実で起こりうる吸湿過程も含めて考えると、比較
例1では−1.15度から0.2度の間の変動になる。
実際の環境では、30℃、90%RHよりもっと吸湿が
おこる環境もあることを考えると、より本発明の有効性
がわかる。
【0059】以上示したように、本発明の光記録媒体で
は、ディスクノイズが少なく、かつ環境変化に対して反
りの変化が少ない光記録媒体であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光記録媒体の反り変化を示す図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 210/02 C08F 210/02 232/00 232/00 C08G 61/08 C08G 61/08 (72)発明者 城戸 伸明 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J032 CA34 CB04 CC03 CG02 4J100 AA02P AR09Q AR11Q CA04 DA01 JA36 5D029 KA12 LA03 LB07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる支持基板上に、順
    に少なくとも反射膜、及び光透過層が形成され、光透過
    層側から情報の記録及び/または再生が行なわれる光記
    録媒体において、該支持基板が主鎖に脂環構造を含む重
    合体からなり、かつ支持基板及び/または光透過層表面
    に形成されているグルーブ及び/又はピットの底部表面
    の中心線平均粗さ(Ra)が0.10nmから0.70
    nmの範囲であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 該光透過層の厚さが、0.01mmから
    0.2mmであることを特徴とする請求項1記載の光記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 該光透過層が、主鎖に極性基を有しない
    脂環構造を含む重合体からなることを特徴とする請求項
    1または2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 該支持基板が、側鎖に極性基を有しない
    脂環構造を含む重合体からなることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 該支持基板が、下記(1)〜(4)の内
    の少なくとも一種の重合体からなることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体。 (1)下記式1Aで表される繰り返し単位が1〜99モ
    ル%、及び下記式1Bで表される繰り返し単位が99〜
    1モル%からなる共重合体。 【化1】 (2)下記式2Aで表される繰り返し単位が1〜99モ
    ル%、及び下記式2Bで表される繰り返し単位が99〜
    1モル%からなる共重合体。 【化2】 (3)下記式で表される繰り返し単位からなる重合体。 【化3】 〔R1、R2は水素原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水
    素基、−COOR3で表されるカルボン酸エステル基
    (R3は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基)のいずれか
    である。〕 (4)下記式で表される繰り返し単位からなる重合体。 【化4】
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