JP2003248130A - 石英系光導波路部品 - Google Patents
石英系光導波路部品Info
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Abstract
さくした石英系光導波路部品を提供する。 【解決手段】 石英系光導波路部品10は、基板1と、
前記基板上に形成された中間層12と、前記中間層の上
に石英系材料で形成されたコア3と該コアを収容する石
英系材料で形成されたクラッド層5とからなる石英系光
導波路層7とを備え、前記中間層のヤング率は、前記石
英系光導波路層及び前記基板のそれぞれのヤング率より
も小さい。また、中間層は、シリコンまたはシリコン酸
化物を主成分とする多孔質層が好ましい。
Description
用いられる石英系光導波路部品に関する。
化、多機能化が進み、その機構部品となる光ファイバや
光導波路部品には、高性能化、高機能化が求められてい
る。中でも石英系ガラス材料を用いた光ファイバは、低
損失、高信頼性の点から最も多用されている。この石英
系光ファイバとマッチングが容易な、同じ石英系材料を
用いた石英系光導波路部品もその応用が広がりつつあ
る。この石英系光導波路部品は、半導体製造プロセスで
用いられる成膜・加工プロセスを応用し、基板上に任意
の光導波路パターンを作り込んだもので、主な応用例と
しては波長分割多重(WDM)システムの光合分波器に
用いるアレイ導波路などがある。このアレイ導波路は複
雑な回路パターンを必要とするが、半導体製造プロセス
の適用により、優れた特性のものを一括して再現性良く
製造することができ、量産性と製造コストの点で極めて
有利である。
て説明する。光導波路部品は、基板上に光導波路層を積
層して作製される。このため、光導波路部品は、例え
ば、図10の断面図に示すように、基板51と、該基板
51の上に形成された下部クラッド層52、コア53、
及び上部クラッド層54からなる光導波路層とから構成
される。ここで、コア53の屈折率を、該コア53を収
容している下部クラッド層52及び上部クラッド層54
(合せてクラッド層55という)の屈折率より僅かに大
きくすることにより、光をコア53内に閉じ込めて導波
させることができる。また、この光導波路の材料とし
て、一般的な光ファイバと同じ石英系ガラス材料を用い
ることにより、石英系光導波路部品となる。
に、石英系光導波路部品は基板上に導波路を作り込むと
いう手法ゆえに、基板と導波路膜との熱膨張率の差に起
因した偏波依存性が避けられなかった。これは、石英系
光導波路部品の膜面方向と膜厚方向の残留応力、あるい
は加熱あるいは冷却時の発生応力に差が生じるために、
導波路が複屈折性をもつことによる。つまり、膜厚方向
の応力は常にほぼ解放状態であるのに対して、膜面方向
は基板と導波路膜との熱膨張率の差に起因する引っ張
り、あるいは圧縮応力が働き、環境温度によりその傾向
が変化する。従来、この複屈折性を低減するために基板
を導波路膜の材料に合わせることにより、あるいは逆に
基板の熱膨張率に合わせた導波路膜を形成することによ
り、その低減が図られてきた。例えば、基板と、導波路
膜とにそれぞれ石英を用いる方法や、基板としてシリコ
ンウエハを用い、リンを高濃度添加した導波路膜を用い
る方法などがある。しかし、これらの場合、基板材料が
限られたり、導波路膜に過剰な添加元素が導入されるこ
とからガラス材料として不安定になるなどの問題があっ
た。また、別の方法として、導波路上面に応力付与膜を
設ける方法もあるが、低減の効果は小さい。
さくした石英系光導波路部品を提供することである。
波路部品は、基板と、前記基板上に形成された中間層
と、前記中間層の上に石英系材料で形成されたコアと該
コアを収容する石英系材料で形成されたクラッド層とか
らなる石英系光導波路層とを備え、前記中間層のヤング
率は、前記石英系光導波路層及び前記基板のそれぞれの
ヤング率よりも小さいことを特徴とする。
は、本発明に係る石英系光導波路部品は、前記中間層
は、シリコンまたはシリコン酸化物を主成分とする多孔
質層からなることを特徴とする。
に膜を有する基板と、前記少なくとも一方の膜の上に石
英系材料で形成されたコアと該コアを収容する石英系材
料で形成されたクラッド層とからなる石英系光導波路層
とを備え、前記両面に膜を有する基板の全体の熱膨張率
は、前記石英系光導波路層の熱膨張率と実質的に同一で
あることを特徴とする。
は、前記石英系光導波路部品であって、前記膜は、シリ
コンを含む材料からなることを特徴とする。
品は、石英系材料で形成されたコアと、該コアを収容す
る石英系材料で形成されたクラッド層とを備え、前記ク
ラッド層は、平板状であることを特徴とする。
波路部品は、前記フィルム状石英系光導波路部品であっ
て、前記クラッド層内に複数のコアで構成される光回路
を備えることを特徴とする。
導波路部品は、前記フィルム状石英系光導波路部品であ
って、前記クラッド層の周囲を保護する保護膜をさらに
備えたことを特徴とする。
と、請求項5から7のいずれか一項に記載の前記フィル
ム状石英系光導波路部品と、前記基板と前記フィルム状
石英系光導波路部品の少なくとも一部とを接着する接着
層とを備えたことを特徴とする。
は、前記石英系光導波路部品であって、前記接着層は、
前記石英系光導波路部品の前記コアと、該コアと対向す
る前記基板との間に中空部分を備えたことを特徴とす
る。
は、前記石英系光導波路部品であって、前記基板は、伸
縮制御可能であることを特徴とする。
部品は、前記石英系光導波路部品であって、前記基板
は、圧電体基板又はバイメタル板からなることを特徴と
する。
は、前記石英系光導波路部品であって、前記基板は、ヒ
ータ又はペルティエ素子を備えることを特徴とする。
は、前記石英系光導波路部品であって、前記接着層は、
樹脂系接着剤、低融点ガラス及び低融点金属の群から選
ばれる少なくとも1つからなることを特徴とする。
光導波路部品について、添付図面を用いて説明する。な
お、実質的に同一の部材には同一符号を付している。
る石英系光導波路部品について、図1を用いて説明す
る。この石英系光導波路部品10は、基板1と、該基板
1の上に形成された中間層12と、該中間層12の上に
形成された下部クラッド層2、コア3及び上部クラッド
層4とからなる石英系導波路層7とを備えている。中間
層12は、そのヤング率が、石英系光導波路層7と基板
1のそれぞれのヤング率よりも小さい材料により形成し
ている。この中間層12を設けることによって、光導波
路層7と基板1との熱膨張率差に起因して発生する応力
を緩和し、その結果、光導波路層7における複屈折性が
低減され、偏波依存性を低減することができる。
12の材料等を適宜選択することにより、光導波路層7
の複屈折性を低減しつつ、光導波路層7および基板1の
材料の選択の幅を広げることができる。ヤング率が石英
系光導波路層7と基板1のヤング率よりも小さい中間層
12としては、例えばシリコンの多孔質膜、シリコン酸
化物(石英膜)の多孔質膜などが好ましい。これらの中
間層であれば、石英系材料の合成温度でも変質すること
がないので、その上部に石英系光導波路層7の形成をそ
のまま行なうことができる。ただし、これらの材料は一
例であって、この二つに限るものではない。
導波路部品について、実施例1においてさらに詳細に説
明する。
光導波路部品について、図1を用いて説明する。この石
英系光導波路部品10は、シリコンウエハからなる基板
1と、該基板1の上に形成されたシリコン多孔質膜から
なる中間層12と、該中間層12の上に形成された下部
クラッド層2、コア3及び上部クラッド層4とからなる
石英系導波路層7とを備えている。この中間層12に
は、ヤング率が石英系光導波路層7と基板1のそれぞれ
のヤング率よりも小さいシリコン多孔質膜を用いてい
る。このように中間層12を設けることによって、光導
波路層7と基板1との熱膨張率差に起因して発生する応
力を緩和し、その結果、光導波路層7における複屈折性
が低減され、偏波依存性を低減することができる。
12の材料又は形態を適宜選択することにより、光導波
路層7の複屈折性を低減しつつ、光導波路層7および基
板1の材料の選択の幅を広げることができる。ヤング率
が石英系光導波路層7と基板1のヤング率よりも小さい
中間層12としては、上記シリコンの多孔質膜に限られ
ず、シリコン酸化物(石英膜)の多孔質膜等を用いるこ
とができる。これらの中間層であれば、石英系材料の合
成温度でも変質することがないので、その上部に石英系
光導波路層7の形成をそのまま行なうことができる。
方法について説明する。この製造方法では、基板1に中
間層12を形成し、その中間層12の上に石英系光導波
路層7を形成している。 (a)先ず、基板1として外形寸法15.24cm(6
インチ)、厚さ0.6mmのシリコンウエハを用意し、
該基板1の裏面に絶縁皮膜を形成した。 (b)そして、シリコンウエハ1の表面側に、陽極酸化
法により厚さ20〜100μmのシリコン多孔質膜を形
成した。この陽極酸化の条件を制御して表面近傍の孔径
が小さくなるようにし、多孔質膜の孔径がおよそ0.0
5〜1μmとなるようにした。 (c)その後、裏面の絶縁膜を除去し、多孔質膜の表面
にCVD法によりシリコン膜を形成し、さらに該シリコ
ン膜の表面の平坦化処理を行った。これによってシリコ
ン多孔質膜を中間層12とした。平坦化処理は、水素中
での高温アニール又は化学機械研磨法のどちらで行なっ
てもよい。 (d)次に平坦化したシリコン多孔質膜12の上部に石
英系光導波路層7を形成した。まず、厚さ15μmの下
部クラッド層2をCVD法により形成し、引き続きその
上部に厚さ6μm、屈折率差0.7%のコア層3をCV
D法により形成した。次に、写真製版法とエッチング工
程によりコア層3を幅6μmの直線パターンとした後、
そのコアパターンを覆うように厚さ15μmの上部クラ
ッド層4をCVD法により形成した。これによって、コ
ア3と、該コア3を収容するクラッド層5とからなる光
導波路層7を形成した。
価方法及び評価結果について説明する。ここでは、グレ
ーティングフィルタにおける偏波依存性を評価してい
る。まず、作製した石英系光導波路部品のコア3に水素
添加処理と紫外線照射を行なって1.5μm帯用グレー
ティングフィルタを形成した。このグレーティングフィ
ルタについて、互いに直交する二つの異なる偏波光(T
M光とTE光)による反射の中心波長のずれを測定し偏
波依存性を評価した。その結果、中間層12のシリコン
多孔質層の厚さが厚くなるほど中心波長のずれは小さく
なり、厚さが20μm程度で0.01nm、厚さが10
0μmで0.005nmとすることができた。なお、比
較として、中間層を設けないで基板の上に直接光導波路
層を形成している従来の石英系光導波路部品の場合につ
いて、上記と同様にグレーティングフィルタを形成し、
その偏波依存性を評価した。その結果、中心波長のずれ
は0.1nmと非常に大きかった。従来のように、基板
にシリコンウエハを用い、光導波路に石英系材料を用い
た場合には、両材料の熱膨張率の違いからくる複屈折性
を避けられなかったが、この石英系光導波路部品では、
基板と光導波路層との間に熱膨張率差による歪みを緩和
するための中間層を設けることによって、偏波依存性を
大幅に改善することができた。
の中間層は、基板と光導波路層の材料よりもヤング率が
小さければよい。例えば、材料固有のヤング率が小さい
材料をそのままバルクとして用いるか、または材料固有
のヤング率が高い材料であっても見かけのヤング率を減
少させた構造体、例えば、内部に空孔等の間隙を多く含
む多孔質膜等を用いることができる。この中間層の厚さ
が厚くなるほど、また多孔質膜の空孔率が大きいほど歪
みを緩和する効果が大きくなる。ただし、膜厚を厚くす
るほど、また空孔率を大きくするほど光導波路部品全体
としての機械的な強度は弱くなる。
孔質膜以外の中間層を形成する場合について説明する。
まず、中間層として、上記シリコン多孔質膜よりもさら
に材料的にヤング率を小さいシリコン酸化膜とする方法
がある。この場合、上記シリコン多孔質及びシリコン膜
を形成した後に当該部分を熱酸化し、シリコン酸化膜
(石英)とする。このシリコン酸化膜を中間層として用
いた石英系光導波路部品に上記と同様に1.5μm帯用
グレーティングフィルタを形成し、互いに直交する二つ
の異なる偏波光による中心波長のずれを測定した。その
結果、中間層の厚さが20μm程度で0.01nm、厚
さが50μmで0.005nmとシリコン多孔質膜を形
成した場合よりも歪みを緩和する効果が大きくなった。
膜よりもさらに構造的にヤング率を低くできるシリコン
酸化物多孔質膜を形成する方法について説明する。この
シリコン酸化物多孔質膜は、半導体用途の塗布型低誘電
率層間絶縁膜を形成する方法によって得られる。これは
塗布法によりペーストの皮膜を形成し、熱処理により発
泡させながらシリコン系の多孔質膜とするものである。
なお、形成工程は簡単であるが厚膜の形成がやや困難な
場合がある。このような構成で作製した本発明の光導波
路部品に上記と同様に1.5μm帯用グレーティングフ
ィルタを形成し、互いに直交する二つの異なる偏波光に
よる中心波長のずれを測定した。その結果、中間層の厚
さが10μm程度の場合、中心波長のずれは0.01n
m、厚さが20μmの場合で0.005nmが得られ
た。このように、基板と光導波路の間にヤング率が両者
よりも小さい中間層を設けることにより、熱膨張率差に
よる歪みが緩和され、光導波路部品の複屈折性が減少
し、偏波依存性が大きく改善される。
る石英系光導波路部品について図2を用いて説明する。
この石英系光導波路部品20は、実施の形態1に係る石
英系光導波路部品と比較すると、基板1の両面に熱膨張
率を制御する基板制御膜14を形成され、基板制御膜1
4の少なくとも一つの面に石英系光導波路層7が形成さ
れている点で相違する。ここで、両面に基板制御膜14
を有する基板の全体の熱膨張率、いわゆる見かけの基板
11の熱膨張率は、石英系光導波路層7の熱膨張率と実
質的に同一に調整されている。これによって、見かけの
基板11と石英系光導波路層7との熱膨張率の差がない
ので、温度変化を受けた場合にも石英系光導波路層7へ
の応力が発生せず、導波路の複屈折性を低減し、偏波依
存性を小さくすることができる。
張率を制御する基板制御膜14が基板1の両面に形成さ
れた見かけの基板11を実質的な基板としてみることが
できる。この見かけの基板11の熱膨張率は、基板1と
基板制御膜14の厚さの比と、それぞれの部分の熱膨張
率とを適宜選択することにより決定することができる。
最も単純な例としては、基板1の両面に同じ材質で同じ
膜厚の基板制御膜14を形成した場合である。また、複
雑な例としては熱膨張率の異なる基板制御膜14を基板
1のそれぞれの面に形成し、それぞれの基板制御膜14
の厚さを変える場合である。どちらの場合でも、基板1
と基板制御膜14を含めた見かけの基板11でのそりが
発生しない。また、見かけの基板11の熱膨張率を、そ
の上に成膜する石英系光導波路層7の熱膨張率と実質的
に同じとすることによって石英系光導波路膜への応力が
発生せず、光導波路層7における複屈折性を低減し、偏
波依存性を小さくすることができる。
導波路部品について、実施例2においてさらに詳細に説
明する。
光導波路部品について、図2を用いて説明する。この石
英系光導波路部品20は、実施例1に係る石英系光導波
路部品と比較すると、基板1の両面に熱膨張率を制御す
る基板制御膜14として熱酸化膜が形成され、基板制御
膜14の少なくとも一つの面に石英系光導波路層7が形
成されている点で相違する。ここで、両面に基板制御膜
14としての熱酸化膜を有する基板の全体の熱膨張率、
いわゆる見かけの基板11の熱膨張率は、石英系光導波
路層7の熱膨張率と実質的に同一に制御されている。こ
れによって、見かけの基板11と石英系光導波路層7と
の熱膨張率の差がないので、温度変化を受けた場合にも
石英系光導波路層7への応力が発生せず、導波路の複屈
折性を低減し、偏波依存性を小さくすることができる。
なお、基板制御膜14は、上記熱酸化膜に限られず、石
英薄板等を貼付して用いてもよい。
率を制御する基板制御膜14が基板1の両面に形成され
た見かけの基板11を実質的な基板としてみることがで
きる。この見かけの基板11の熱膨張率は、基板1と基
板制御膜14の厚さの比と、それぞれの部分の熱膨張率
とを適宜選択することにより決定することができる。最
も単純な例としては、基板1の両面に同じ材質で同じ膜
厚の基板制御膜14を形成した場合である。また、複雑
な例としては熱膨張率の異なる基板制御膜14を基板1
のそれぞれの面に形成し、それぞれの基板制御膜14の
厚さを変える場合である。どちらの場合でも、基板1と
基板制御膜14を含めた見かけの基板11でのそりが発
生しない。また、見かけの基板11の熱膨張率を、その
上に成膜する石英系光導波路層7の熱膨張率と実質的に
同じとすることによって石英系光導波路層7への応力が
発生せず、光導波路層7における複屈折性を低減し、偏
波依存性を小さくすることができる。
方法について説明する。この製造方法では、基板1の両
面に基板制御膜14として熱酸化膜を形成した後、光導
波路層7を形成している。 (a)まず、基板1として外形寸法10.16cm(4
インチ)、厚さ0.15mmのシリコンウエハを用意し
た。 (b)シリコンウエハ1の両面を熱酸化によって厚さ1
5〜30μmの熱酸化膜14を形成した。この熱酸化の
方法は、通常用いられる方法で行なうことができる。な
お、熱酸化膜なので、基板1の両面に均一な膜厚で形成
することができる。 (c)次いで、基板の両面に形成した熱酸化膜14のう
ち、片面の熱酸化膜14の上に光導波路層7を形成し
た。まず、厚さ20μmの下部クラッド層2をCVD法
で形成し、引き続きその上部に厚さ8μm、屈折率差
0.3%のコア層3をCVD法により形成した。次に、
写真製版法とエッチング工程によりコア層3を幅8μm
の直線パターンとした後、そのコアパターンを覆うよう
に厚さ20μmの上部クラッド層4をCVD法により形
成した。これによって、コア3と、該コア3を収容する
クラッド層5とからなる光導波路層7を形成した。
の評価方法及び評価結果について説明する。ここでは、
グレーティングフィルタにおける偏波依存性を評価して
いる。まず、作製した石英系光導波路部品20のコア3
に水素添加処理と紫外線照射を行なって1.5μm帯用
グレーティングフィルタを形成した。このグレーティン
グフィルタについて、互いに直交する二つの異なる偏波
光(TM光とTE光)による反射の中心波長のずれを測
定し偏波依存性を評価したところ、0.02〜0.00
5nmと小さな値が得られた。
方法の別の例について説明する。この場合には基板制御
膜14として石英薄板を用いて、基板1の両面に貼付し
ている。 (a)まず、基板1として外形寸法10.16cm(4
インチ)、厚さ0.5mmのシリコンウエハを用意す
る。 (b)次に、接着用ガラスとして厚さ15〜30μmの
硼素添加(3〜10wt%)ガラス膜をCVD法により
両面に形成した。 (c)そして、シリコン基板1の両面に形成された接着
用ガラスの上に、外形寸法10.16cm(4イン
チ)、厚さ0.1〜0.2mmの石英薄板14を被着
し、 (d)真空中で900〜1200℃の範囲の温度で熱処
理を施し、シリコン基板1と石英薄板14の被着を行っ
た。 (e)このシリコン基板1の両面に被着した石英薄板1
4のうち、一方の石英薄板の上に石英系光導波路層7を
形成した。まず、厚さ15μmの下部クラッド層2をC
VD法で形成し、引き続きその上部に厚さ6μm、屈折
率差0.7%のコア層3をCVD法により形成した。次
に写真製版法とエッチング工程によりコア層3を幅6μ
mの直線パターンとした後、そのコアパターンを覆うよ
うに厚さ15μmの上部クラッド層4をCVD法により
形成した。これによって、コア3と、該コア3を収容す
るクラッド層5とからなる光導波路層7を形成した。
価方法及び評価結果について説明する。ここでは、グレ
ーティングフィルタにおける偏波依存性を評価してい
る。まず、作製した本発明による光導波路部品に水素添
加処理と紫外線照射を行なって1.5μm帯用グレーテ
ィングフィルタを形成した。このグレーティングフィル
タについて、互いに直交する二つの異なる偏波光(TM
光とTE光)による反射の中心波長のずれを測定し、偏
波依存性を評価したところ、0.01〜0.005nm
と小さな値が得られた。
張率を制御する基板制御膜14を形成することにより、
見かけの基板11の熱膨張率を光導波路層7の熱膨張率
と同等にすることができる。これにより、基板1と光導
波路層7の熱膨張率差に起因する偏波依存性を小さく抑
えることができる。また、本実施例では、基板1の両面
に同一の基板制御膜14を形成したが、例えば異なる膜
種の組み合わせであってもよい。例えば、シリコン酸化
膜、シリコン窒化膜、多結晶シリコン膜などの任意の組
み合わせでも良い。また、基板制御膜の熱膨張率と膜厚
との最適化により、基板と基板制御膜の組み合わせとし
て基板の両面に働く応力を等しくすることでそりを生じ
ることなく、しかも見かけの基板11の熱膨張率を光導
波路層7の熱膨張率と実質的に等しくすることができ
る。
るフィルム状石英系光導波路部品について、図3を用い
て説明する。このフィルム状石英系光導波路部品17
は、実施の形態1及び2に係る石英系光導波路部品と比
較すると、基板を有することなく、コア3と該コア3を
収納するクラッド層5とからなる光導波路層のみのフィ
ルム状石英系光導波路部品である点で相違する。また、
このフィルム状石英系光導波路部品17は、光ファイバ
と比較すると、クラッド層5が平板状、換言すればフィ
ルム状である点で相違する。このように基板に積層され
ていないので、基板側から受ける応力に起因する複屈折
性を解消でき、偏波依存性を改善できる。さらに、クラ
ッド層5内に複数のコア3からなる光回路を構成しても
よい。なお、このフィルム状石英系光導波路部品は、基
板上に石英系光導波路層を積層形成した後、基板の部分
を除去することによってフィルム状の石英系光導波路層
のみとしたものである。その製造方法の詳細は実施例3
において述べる。
状石英系光導波路部品について、実施例3及び実施例4
においてさらに詳細に説明する。
ム状石英系光導波路部品について説明する。このフィル
ム状石英系光導波路部品17は、実施例1及び2に係る
石英系光導波路部品と比較すると、基板を有することな
く、コア3と該コア3を収納するクラッド層5とからな
る光導波路層のみのフィルム状石英系光導波路部品であ
る点で相違する。また、このフィルム状石英系光導波路
部品17は、光ファイバと比較すると、クラッド層5が
平板状、換言すればフィルム状である点で相違する。な
お、厚みはクラッド層の厚みを適宜制御することによっ
て、20μm〜100μmの範囲、好ましくは30〜5
0μmの範囲にすることができる。このように基板に積
層されていないので、基板側から受ける応力に起因する
複屈折性を解消でき、偏波依存性を改善できる。さら
に、クラッド層5内に複数のコア3からなる光回路を構
成することができる。
品をアクリル系、エポキシ系、シリコンゴム系、および
ポリイミド系樹脂等の樹脂膜で被覆してもよい。このよ
うに樹脂膜で被覆することで保護することができる。ま
た、光ファイバとの接続部分のみに基板を接着すること
により、偏波依存性、および温度依存性のさらに小さな
石英系光導波路部品が実現できる。
の製造方法について説明する。 (a)先ず、基板1として外形寸法10.16cm(4
インチ)、厚さ1mmのシリコンウエハ((100)
面)を用意した。 (b)次に、基板1の片面に光導波路層を形成した。ま
ず、厚さ15μmの下部クラッド層2をCVD法で形成
し、引き続きその上部に厚さ6μm、屈折率差0.7%
のコア層3をCVD法により形成した。次いで、写真製
版法とエッチング工程によりコア層3を幅6μmの直線
パターンとした後、そのコアパターンを覆うように厚さ
15μmの上部クラッド層4をCVD法により形成し
た。これによって、コア3と、該コア3を収容するクラ
ッド層5とからなる光導波路層7を形成した。 (d)その後、所望の大きさに切り出してから、基板1
を裏面研削することにより全体の厚さを0.1〜0.2
mmとし、さらに、加熱した苛性カリ系エッチング液に
浸し、シリコン基板1を溶解除去して、フィルム状の石
英系光導波路層17とした。 上記手順によってフィルム状石英系光導波路部品を得る
ことができた。その形状は平板状、あるいはフィルム状
であって、厚みは約36μmである。
ム状アレイ導波路フィルタ(AWG)について図9を用
いて説明する。このアレイ導波路フィルタは、実施例3
に係るフィルム状石英系光導波路部品と比較すると、複
数のコアで構成されるアレイ導波路フィルタの光回路が
構成されている点で相違する。このようにフィルム状石
英系光導波路部品を用いることによって、基板との間の
熱膨張率差に起因する応力を受けないので、偏波依存性
を大幅に低減できる。また、フィルム状であるため、熱
容量が小さく、例えば、薄膜ヒータ等を用いて容易に加
熱でき、フィルタ中心波長を容易にシフトさせることが
できる。なお、薄膜ヒータはこのアレイ導波路フィルタ
に必須ではないので任意に用いることができる。
タの各構成要素について、図9を用いて説明する。この
フィルム状アレイ導波路フィルタ40は、入力光側から
出力光側にわたって、入力光ファイバアレイ固定用治具
31、一括波長調整用ヒータ33、一括波長調整用ヒー
タ端子34、個別波長調整用ヒータ35、個別波長調整
用ヒータ端子36、出力光ファイバアレイ固定治具32
を含んでいる。このうち、フィルム状であるため、各端
子部分は機械的に補強するのが好ましいので、入力光フ
ァイバアレイ固定用治具31、一括波長調整用ヒータ端
子34、個別波長調整用ヒータ端子36、出力光ファイ
バアレイ固定治具32をフィルム状光導波路部品37の
片面又は両面に被着している。なお、これらは装架する
ことが好ましい。さらに、このフィルム状アレイ導波路
フィルタ40の全体をゲル状またはゴム状の充填物を用
いてケース内に封入したり、樹脂被膜等で全体を被覆し
て、保護することができる。
る石英系光導波路部品について、図4を用いて説明す
る。この石英系光導波路部品30は、実施の形態3に係
るフィルム状石英系光導波路部品17が基板21の上に
接着層22で接着されている。このようにフィルム状石
英系光導波路部品17を用い、接着層22と基板21の
材料を選択することによって、光導波路層17には応力
が及ばないようにすることで、複屈折性を低減した石英
系光導波路部品とすることができる。また、温度変化に
よる特性の変動をうち消す方向に応力をかけることもで
きる。
17を用いた石英系光導波路部品30aの別の例につい
て、図5を用いて説明する。この石英系光導波路部品3
0aは、図4に示した上記石英系光導波路部品と比較す
ると、フィルム状石英系光導波路17の一部のみを基板
21に接着層22で接着し、接着層22にはフィルム状
石英系光導波路17と基板21との間に中空部分23を
設けている点で相違する。例えば、この石英系導波路部
品は、光導波路層17の周辺部分のみを接着層22で基
板21に接着し、コア3の直下の基板21との間に中空
部分23を設けている。このようにフィルム状石英系光
導波路17を接着する面積を少なくすることによって、
光導波路17が受ける応力に起因する複屈折性を低減で
きる。
導波路部品について、実施例5及び実施例6においてさ
らに詳細に説明する。
光導波路部品について、図4を用いて説明する。この石
英系光導波路部品30は、実施例3に係るフィルム状石
英系光導波路部品17が基板21の上に接着層22で接
着されている。このようにフィルム状石英系光導波路部
品17を用い、接着層22と基板21の材料を選択する
ことによって、光導波路層17には応力が及ばないよう
にすることで、複屈折性を低減した石英系光導波路部品
とすることができる。また、温度変化による特性の変動
をうち消す方向に応力をかけることもできる。
17を用いた石英系光導波路部品の別の例について、図
5を用いて説明する。この石英系光導波路部品30a
は、図4に示した上記石英系光導波路部品と比較する
と、フィルム状石英系光導波路17の一部のみを基板2
1に接着層22で接着し、フィルム状石英系光導波路1
7と基板21との間に中空部分23を設けている点で相
違する。例えば、この石英系導波路部品は、光導波路層
17の周辺部分のみを接着層22で基板21に接着し、
接着層22にはコア3の直下の基板21との間に中空部
分23を設けている。このようにフィルム状石英系光導
波路17を接着する面積を少なくすることによって、光
導波路17が受ける応力に起因する複屈折性を低減でき
る。特に、図5に示すように、フィルム状石英系光導波
路部品17と基板21との接着部分を周辺部のみに限定
し、導波路のコア3の直下を中空とすることで、基板と
導波路層の熱膨張率差に起因する偏波依存性、および温
度依存性を小さくできる。
について説明する。 (a)まず、上記フィルム状石英系光導波路部品17を
用意する。なお、この製造方法は実施例3で説明した製
造方法と同様である。 (b)次に、フィルム状石英系光導波路部品17のコア
3に水素添加処理と紫外線照射を行なって1.5μm帯
用グレーティングフィルタを形成する。 (c)次いで、接着層8として樹脂系接着剤のシリコン
ゴム系接着剤を用いて、フィルム状石英系光導波路部品
17を実質的に同じ大きさのシリコン基板21に接着し
た。
価方法及び評価結果について説明する。ここでは、グレ
ーティングフィルタにおける偏波依存性を評価してい
る。まず、作製した石英系光導波路部品30,30aに
対して、互いに直交する二つの異なる偏波光(TM光と
TE光)による反射の中心波長のずれを測定し偏波依存
性を評価したところ、0.005nm〜0.001nm
と非常に小さい値が得られた。なお、比較として、基板
上にそのまま光導波路層を積層した従来の石英系光導波
路部品について、1.5μm帯用グレーティングフィル
タを形成し、中心波長のずれを測定したところ、0.1
nmと非常に大きかった。このように、基板にシリコ
ン、光導波路に石英系材料を用いた場合は、両材料の熱
膨張率の違いからくる複屈折性が避けられなかったが、
この石英系光導波路部品では、フィルム状石英系光導波
路部品を、樹脂系接着剤で基板に接着することにより、
光導波路層にかかる応力を非常に小さくすることがで
き、その結果として偏波依存性が大幅に改善された。
のシリコンゴム系接着剤を用いたが、他の種々の接着剤
を使用してもよい。例えば、アクリル樹脂系、エポキシ
樹脂系、合成ゴム系接着剤等の樹脂系接着剤、高ナトリ
ウムガラス系又は鉛ガラス系の低融点ガラス、インジウ
ムやはんだ等の低融点金属、およびこれらを組み合わせ
て用いてもよい。例えば、光ファイバーとの接合によ
り、機械強度が必要な端面部分は硬度の高い紫外線硬化
樹脂接着剤を用い、低応力であることが必要なグレーテ
ィングフィルタ部分は柔らかい合成ゴム系接着剤を用い
る方法などがある。
ム状石英系光導波路部品及び石英系光導波路部品につい
て説明する。このフィルム状石英系光導波路部品27
は、実施例3に係るフィルム状石英系光導波路部品と比
較すると、図6に示すように、クラッド層5中に複数の
コア3への分岐部分を備えた光回路を含んでいる点で相
違する。このフィルム状石英系光導波路部品27では、
フィルム状のクラッド層5内にあらかじめ光回路を構成
することができるので、複数本の光ファイバを組み合わ
せて光回路を構成する場合よりもコンパクトに光回路を
構成することができる。
27を用いた石英系光導波路部品30bについて図7及
び図8を用いて説明する。この石英系光導波路部品30
bは、複数の異なる波長のレーザダイオード24と上記
フィルム状石英系光導波路部品27を組み合わせた合波
モジュールである。この合波モジュールは、上記フィル
ム状石英系光導波路部品27を基板21の上に接着層で
接着し、コア3の端部にレーザチップ24をマウントし
ている。この石英系光導波路部品30bでは、レーザチ
ップ24を放熱性の良好な基板21にマウントした場合
でも、導波路層の偏波依存性を小さくできる。また、図
8は、この石英系光導波路部品30bの出射光側の端部
の構成を示す端面図である。この端面には、光ファイバ
との融着を可能とする石英ブロック25が面一となるよ
うに固着されているので、中空の光導波路モジュールで
ありながら光ファイバの融着が可能となる。
る石英系光導波路部品について、図4を用いて説明す
る。この石英系光導波路部品は、実施の形態4に係る石
英系光導波路部品と比較すると、基板21として、伸縮
あるいは屈曲状態の制御が可能な伸縮制御基板を用いる
点で相違する。この伸縮制御基板を用いることによっ
て、光導波路への応力を制御することができる。例え
ば、光導波路層21のコア3にグレーティングフィルタ
を形成している場合には、中心波長の温度依存性を制御
することができる。この伸縮制御基板としては、例え
ば、圧電体基板、バイメタル板、あるいは任意の基板の
裏面に機械的な伸縮機構を配置した基板等の機械的伸縮
制御基板、熱膨張率の大きな金属板や樹脂板とヒータ又
はペルティエ素子とを組み合わせた温度制御による温度
制御型伸縮制御基板、又はこれらを複合したものなどを
使用することができる。さらに、金属、ガラス、セラミ
ックス、樹脂等の基板材料を組み合わせてもよい。ま
た、石英系光導波路部分は薄いガラス膜であるので、保
護のための樹脂膜で被覆したものも使用可能である。
導波路部品について、実施例7においてさらに詳細に説
明する。
光導波路部品について説明する。この石英系光導波路部
品は、実施例5及び6に係る石英系光導波路部品と比較
すると、フィルム状石英系光導波路部品を接着している
基板21が伸縮を制御できる伸縮制御基板である点で相
違する。この伸縮の制御が可能な伸縮制御基板を用いる
ことによって、石英系光導波路部品の偏波依存性及びグ
レーティングフィルタの中心波長の能動あるいは受動制
御が可能となる。例えば、基板21に圧電体基板を光の
導波方向と直角方向に伸縮を制御できるように配置する
ことによって、偏波依存性の調整が可能となる。また、
光導波路部品にグレーティングフィルタを設け、光の導
波方向と平行に伸縮を制御できるように配置することに
よって、フィルタの中心波長の調整が可能となる。
の他、バイメタル板、裏面に機械的な伸縮機構を配置し
た基板等の機械的伸縮制御基板、ヒータ又はペルチェ素
子等を備えた温度制御型伸縮制御基板、又はこれらの組
み合わせを用いてもよい。さらに、一般的な樹脂材料の
ように熱膨張率の大きな材料、負膨張性ガラスセラミッ
クスのような熱膨張率が負の材料、低熱膨張ガラスのよ
うに熱膨張率がゼロに近い材料、あるいはそれらの組み
合わせた基板を用いてもよい。これにより、光導波路の
温度依存性を任意に制御する事が可能となる。また、バ
イメタル板のように温度に応じて屈曲する基板を用い、
屈曲の凸面か凹面のどちらかの面に張り付ける事によ
り、グレーティングフィルタの中心波長の温度依存性任
意に受動制御することが可能となる。
フィルタやアレイ導波路フィルタ(AWG)を形成する
ことにより本発明の効果を説明したが、本発明の石英系
光導波路部品はグレーティングフィルタ、AWGの他、
方向性結合器、カプラ型光合分波器、および導波路型光
スイッチなど、光導波路を使用する全ての光部品に対し
て適用することができる。また、従来、偏波依存性が悪
かったために光導波路が用いられなかった光部品に対し
ても、光導波路化が可能となり生産性の向上が期待でき
る。
英系光導波路部品は、コアと、該コアを収容する上部ク
ラッド層及び下部クラッド層からなる石英系光導波路層
が、中間層を介して基板に積層されている。この中間層
のヤング率を石英系光導波路層と基板よりも小さくする
ことにより、光導波路層と基板との熱膨張率差に起因し
て発生する応力を緩和する。その結果、光導波路層にお
ける複屈折性が低減され、偏波依存性を低減することが
でき、光導波路の複屈折性を低減した偏波依存性の小さ
な光導波路部品が実現できる。
は、中間層としてシリコンまたはシリコン酸化物を主成
分とする多孔質層を用いることにより、石英系材料の合
成温度でも変質することがないので、その上部に石英系
光導波路層7の形成をそのまま行なうことができる。
に基板制御膜を有する基板を用い、その基板制御膜の上
に石英系光導波路層を形成している。この両面に基板制
御膜を有する基板の全体の熱膨張率、いわゆる見かけの
基板の熱膨張率は、石英系光導波路層の熱膨張率と実質
的に同一に制御されている。これによって、見かけの基
板と石英系光導波路層との熱膨張率の差がないので、温
度変化を受けた場合にも石英系光導波路層への応力が発
生せず、導波路の複屈折性を低減し、偏波依存性を小さ
くすることができる。
は、基板の両面に有する膜がシリコンを含む材料からな
るので、例えば、シリコン基板の両面を熱酸化して得ら
れる熱酸化膜を基板制御膜とすることができる。これに
よって、熱酸化により基板の両面に容易に同じ膜厚の基
板制御膜を形成することができ、導波路の複屈折性を低
減し、偏波依存性を小さくすることができる。
品は、コアと該コアを収容する平板状のクラッド層とを
備えている。このように基板を有しないので、基板から
受ける応力がなく、光導波路における複屈折性を低減
し、偏波依存性を小さくすることができる。
波路部品は、クラッド層内に複数のコアで構成される光
回路を備えているので、光ファイバに比べてコンパクト
に光回路を構成することができる。
導波路部品は、クラッド層の周囲を保護する保護膜をさ
らに備えるので、基板を用いることなく使用できる。
ルム状石英系光導波路部品の一部を接着層で基板に接着
している。このようにフィルム状石英系光導波路を基板
に接着しているので使用しやすく、また、光導波路への
応力を考慮して接着できるので、複屈折性を低く抑える
ことができる。
は、接着層がコアの直下に中空部分を設けているので、
フィルム状石英系導波路の基板への接着によってコアが
受ける応力の影響を低く抑えることができる。これによ
り、光導波路における複屈折性を低減することができ
る。
は、伸縮の制御が可能な基板を用いているので、光導波
路の複屈折性を能動的又は受動的に制御することがで
き、これによって偏波依存性を制御できる。
部品は、伸縮制御できる基板が圧電体基板又はバイメタ
ル板からなるので、機械的に基板の伸縮を制御でき、光
導波路の複屈折性を能動的又は受動的に制御することが
でき、これによって偏波依存性を制御できる。
は、伸縮制御できる基板がヒータ又はペルティエ素子を
備えるので、温度によって基板の伸縮を制御でき、光導
波路の複屈折性を能動的又は受動的に制御することがで
き、これによって偏波依存性を制御できる。
は、接着層は、樹脂系接着剤、低融点ガラス及び低融点
金属の群から選ばれる少なくとも1つからなる。これに
よって、基板に接着した場合にも光導波路に加わる応力
を低く抑えることができ、光導波路の複屈折性を抑制す
ることができる。
英系光導波路部品の導波方向に垂直な断面構造を示す断
面図である。
英系光導波路部品の導波方向に垂直な断面構造を示す断
面図である。
ィルム状の石英系光導波路部品の導波方向に垂直な断面
構造を示す断面図である。
波路部品の導波方向に垂直な断面構造を示す断面図であ
る。
波路部品の別の例の導波方向に垂直な断面構造を示す断
面図である。
導波路部品の導波方向に垂直な断面構造を示す断面図で
ある。
の上に接着した場合の導波方向に垂直な断面構造を示す
断面図である。
面部分を示す図である。
G)の平面図である。
面構造を示す断面図である。
ラッド層、5 クラッド層、7 石英系光導波路層、1
0、20、30、30a、30b 石英系光導波路部
品、11 見かけの基板、12 中間層、14 基板制
御膜、17、27、37 フィルム状石英系光導波路部
品、21 基板、22 接着層、23 中空部分、24
レーザダイオードチップ、25 光ファイバ融着用石
英ブロック、31 入力光ファイバ固定用治具、32
出力光ファイバ固定用治具33 一括波長調整用薄膜ヒ
ータ、34 一括波長調整用ヒータ端子、35 個別波
長調整用薄膜ヒータ、36 個別波長調整用ヒータ端
子、40 アレイ導波路フィルタ、50 光導波路部
品、51 基板、52 下部クラッド層、53コア、5
4 上部クラッド層、55 クラッド層、57 光導波
路層
Claims (13)
- 【請求項1】 基板と、 前記基板上に形成された中間層と、 前記中間層の上に石英系材料で形成されたコアと該コア
を収容する石英系材料で形成されたクラッド層とからな
る石英系光導波路層とを備え、 前記中間層のヤング率は、前記石英系光導波路層及び前
記基板のそれぞれのヤング率よりも小さいことを特徴と
する石英系光導波路部品。 - 【請求項2】 前記中間層は、シリコンまたはシリコン
酸化物を主成分とする多孔質層からなることを特徴とす
る請求項1に記載の石英系光導波路部品。 - 【請求項3】 両面に膜を有する基板と、 前記少なくとも一方の膜の上に石英系材料で形成された
コアと該コアを収容する石英系材料で形成されたクラッ
ド層とからなる石英系光導波路層とを備え、 前記両面に膜を有する基板の全体の熱膨張率は、前記石
英系光導波路層の熱膨張率と実質的に同一であることを
特徴とする石英系光導波路部品。 - 【請求項4】 前記膜は、シリコンを含む材料からなる
ことを特徴とする請求項3に記載の石英系光導波路部
品。 - 【請求項5】 石英系材料で形成されたコアと、該コア
を収容する石英系材料で形成されたクラッド層とを備
え、 前記クラッド層は、平板状であることを特徴とするフィ
ルム状石英系光導波路部品。 - 【請求項6】 前記クラッド層内に複数のコアで構成さ
れる光回路を備えることを特徴とする請求項5に記載の
フィルム状石英系光導波路部品。 - 【請求項7】 前記クラッド層の周囲を保護する保護膜
をさらに備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載
のフィルム状石英系光導波路部品。 - 【請求項8】 基板と、 請求項5から7のいずれか一項に記載の前記フィルム状
石英系光導波路部品と、 前記基板と前記フィルム状石英系光導波路部品の少なく
とも一部とを接着する接着層とを備えたことを特徴とす
る石英系光導波路部品。 - 【請求項9】 前記接着層は、前記石英系光導波路部品
の前記コアと、該コアと対向する前記基板との間に中空
部分を備えたことを特徴とする請求項8に記載の石英系
光導波路部品。 - 【請求項10】 前記基板は、伸縮制御可能であること
を特徴とする請求項8又は9に記載の石英系光導波路部
品。 - 【請求項11】 前記基板は、圧電体基板又はバイメタ
ル板からなることを特徴とする請求項10に記載の石英
系光導波路部品。 - 【請求項12】 前記基板は、ヒータ又はペルティエ素
子を備えることを特徴とする請求項10に記載の石英系
光導波路部品。 - 【請求項13】 前記接着層は、樹脂系接着剤、低融点
ガラス及び低融点金属の群から選ばれる少なくとも1つ
からなることを特徴とする請求項8から12のいずれか
一項に記載の石英系光導波路部品。
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