JP2003248090A - 蓄積性蛍光体パネル - Google Patents
蓄積性蛍光体パネルInfo
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Abstract
圧に変化が生じても、蓄積性蛍光体層の吸湿を防止する
と共にこの蓄積性蛍光体層から読み取られる画像信号の
品質の低下を抑制する。 【解決手段】 剛性を有するガラス基板50と、蓄積性
蛍光体層60と、ガラス板70とをこの順に積層し、蓄
積性蛍光体層60を、ガラス基板50とガラス板70と
の間にスペーサ枠82を介して密閉された密閉領域80
内に収容して封止するとともに、ピストン84とシリン
ダ85とからなる容量可変の容量可変機構86を上記密
閉領域80と連通させて配設する。
Description
ルに関し、詳しくは、蓄積性蛍光体層を封止する防湿カ
バーを備えている蓄積性蛍光体パネルに関するものであ
る。
この放射線エネルギの一部を蓄積し、その後、可視光等
の励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギに応じ
て輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用
して、人体等の被写体の放射線像を蓄積性蛍光体層に一
旦潜像として記録し、この蓄積性蛍光体層にレーザ光等
の励起光を照射して輝尽発光光を生じせしめ、この輝尽
発光光を光電的に検出して被写体の放射線像を表す画像
信号を取得する放射線画像記録装置および放射線画像読
取装置等からなる放射線画像記録再生システムがCR
(ComputedRadiography)としてが
知られている。
れる記録媒体として、剛性を有する基板と蓄積性蛍光体
層と保護層とを層状に積層して形成した蓄積性蛍光体パ
ネルが知られている。上記蓄積性蛍光体パネルは、この
蓄積性蛍光体パネルから放射線像が読み取られた後に消
去光が照射されて蓄積性蛍光体層に残存している放射線
エネルギーが放出されると再度放射線像の記録が可能と
なり、放射線像の記録および読取りに繰り返して使用さ
れる。
に亘る多数回の放射線像の記録および読取りに使用され
るので、外部からの物理的および化学的な刺激による劣
化を防止する必要がある。特に、蓄積性蛍光体層を形成
する蓄積性蛍光体の種類によっては水分を吸収しやす
く、この水分の吸収により放射線像の記録および読取り
性能が大きく低下するものもあるので、蓄積性蛍光体パ
ネルには、保護層に防湿性を有する透明素材を使用し、
この保護層となる透明防湿カバーと基板との間に蓄積性
蛍光体層を密閉して封止したものも知られている。
明防湿カバーと基板との間に蓄積性蛍光体層を密閉して
封止した蓄積性蛍光体パネルを気圧の低い高所や温度の
高い環境下で使用しようとすると、透明防湿カバーと基
板との間の密閉領域内に存在する気体が膨張し、各層の
層間隔が広がったり、蓄積性蛍光体層が歪んだりするこ
とがある。
間の間隔が広がったときには、蓄積性蛍光体層に記録さ
れている放射線像を読み取るために透明防湿カバーを通
して蓄積性蛍光体層に照射された励起光が、蓄積性蛍光
体層と透明防湿カバーとの間で繰り返し反射され、蓄積
性蛍光体層への励起光の照射領域が広がってしまう。
バーと蓄積性蛍光体層との間の間隔が広げられて空間4
1A生じているときには、透明防湿カバーと蓄積性蛍光
体層との間における1回の反射による励起光の伝播距離
が長いので、透明防湿カバー30と蓄積性蛍光体層20
との間で反射された励起光Leは領域R1の範囲に広が
り、図5に示すように、透明防湿カバー30と蓄積性蛍
光体層20とが密着あるいは近接しているときには1回
の反射における励起光の伝播距離が短いので、透明防湿
カバー30と蓄積性蛍光体層20との間で反射された励
起光Leは上記領域R1より狭い領域R2の範囲に広が
る。したがって、透明防湿カバーと蓄積性蛍光体層との
間で励起光が同じ回数反射されても、両者の間隔が広い
場合には、両者の間隔が狭い場合に比して励起光の照射
領域が広がる。
の広い領域R1に相当する太い光束を持つ励起光の照射
を受けたことと同等の作用によって輝尽発光光が発せら
れ、この検出範囲外を含む広い領域から発生した輝尽発
光光の検出により取得された画像信号で表される放射線
像の鮮鋭性が低下してしまうという問題がある。
積性蛍光体層が歪んでしまったときには、図14に示す
ように、励起光の蓄積性蛍光体層への照射位置は蓄積性
蛍光体層が歪んでいないときの所定の位置H1とは異な
る変形した蓄積性蛍光体層20上の位置H2に照射され
る。そして、蓄積性蛍光体層上の所定の位置H1(歪ん
でしまった蓄積性蛍光体層20においては位置H1′)
に照射されるはずの励起光Leがこの位置とは異なる変
形した蓄積性蛍光体層20上の位置H2に照射されて、
この位置H2から発生した輝尽発光光が、位置H1から
発生した輝尽発光光を検出するように設定されている検
出手段90によって検出される。その結果、検出手段9
0による輝尽発光光の集光効率が低下すると共に、輝尽
発光光の発生位置が蓄積性蛍光体層上の所定の位置H
1′(H1)からずれた位置H2となるので、このずれ
た位置から取得された画像信号によって表される放射線
像が歪んだものとなってしまい、蓄積性蛍光体層に記録
されている放射線像を正確に読み取ることが難しくな
る。
であり、温度および気圧の変化が生じても、蓄積性蛍光
体層の吸湿を防止すると共にこの蓄積性蛍光体層から読
み取られる画像信号の品質の低下を抑制することができ
る蓄積性蛍光体パネルを提供することを目的とするもの
である。
ネルは、剛性を有する基板と、蓄積性蛍光体層と、透明
防湿カバーとをこの順に積層してなり、蓄積性蛍光体層
が、基板と透明防湿カバーとの間に密閉された密閉領域
内に収容され封止されている蓄積性蛍光体パネルであっ
て、密閉領域と連通した拡縮自在のバッファ空間を備え
ていることを特徴とするものである。
容積の1/10倍以上、2倍以下の容積を持つものであ
ることが好ましく、さらに、密閉領域中の空間の容積の
1倍以上、2倍以下の容積を持つものであることがより
好ましい。また、このバッファ空間は、防湿性を有する
容量可変のシリンダ、あるいは防湿性を有する拡縮自在
の袋で形成することができ、バッファ空間および密閉領
域中の空間は、乾燥空気または不活性ガスで満たすよう
にするとよい。
とし、バッファ空間を、この透明防湿カバー中の一部分
の領域を兼用して形成したものとすることができる。
積性蛍光体層中の空隙をも含めた容積を意味するもので
ある。
基板と透明防湿カバーとの間に密閉された密閉領域と連
通した拡縮自在のバッファ空間を備えているので、外部
の気圧が低下したり、蓄積性蛍光体パネルの温度が上昇
して密閉領域内の圧力が上昇しても、この密閉領域内に
存在する気体の膨張分がバッファ空間へ移動しこのバッ
ファ空間の拡大によって吸収されて、上記密閉領域内に
存在する気体の膨張に起因する、基板と蓄積性蛍光体層
との間および蓄積性蛍光体層と透明防湿カバーとの間の
間隔の拡大や、蓄積性蛍光体層の変形を少なく抑えるこ
とができる。これにより、温度および気圧の変化が生じ
ても、蓄積性蛍光体層の吸湿を防止すると共にこの蓄積
性蛍光体層から読み取られる画像信号の品質の低下を抑
制することができる。
の容積の1/10倍以上、2倍以下の容積を持つものと
すれば、温度および気圧の変化が生じたときに、上記画
像信号の品質の低下を抑制する効果を奏することができ
ると共にこの蓄積性蛍光体パネルの大きさを取り扱いに
支障のない程度の大きさに抑えることができる。さら
に、バッファ空間を、密閉領域中の空間の容積の1倍以
上、2倍以下の容積を持つものとすれば、密閉領域内に
存在する気体の膨張分をより確実にバッファ空間で吸収
することができ、上記効果をより確実に奏することがで
きる。
容量可変のシリンダ、あるいは防湿性を有する拡縮自在
の袋で形成されているものとすれば、密閉領域内の気体
の膨張分をバッファ空間へより確実に移動させることが
できる。
ムとし、バッファ空間を、透明防湿カバー中の一部分の
領域を兼用して形成されたものすれば、この蓄積性蛍光
体パネルの構成をより簡素化することができる。
ッファ空間を、乾燥空気、または不活性ガスで満たすよ
うにすれば、蓄積性蛍光体層の吸湿をより確実に防止す
ることができる。
て、図面を用いて説明する。図1(a)は、本発明の第
1の実施の形態の蓄積性蛍光体パネルの概略構成を示す
平面図、図1(b)は図1(a)のH1―H2断面を示
す図、図2(a)は上記蓄積性蛍光体パネルのバッファ
空間内に密閉空間内の気体が移動された様子を示す図、
図2(b)は図2(a)のH1―H2断面を示す図、図
3は密着界面中の気体の膨張により防湿フィルムと蓄積
性蛍光体層との間の間隔が広げられた様子を示す側面の
断面図、図4は蓄積性蛍光体層と防湿フィルムとの間の
間隔が広がった状態での繰り返し反射によって励起光が
広がる領域を側面から示した概念図、図5は蓄積性蛍光
体層と防湿フィルムとの間の間隔が広がっていない状態
での繰り返し反射によって励起光が広がる領域を側面か
ら示した概念図、図6はバッファ空間を透明防湿カバー
の角部に形成した蓄積性蛍光体パネルの概略構成を示す
平面図、図7はバッファ空間を透明防湿カバーの傾斜部
に形成した蓄積性蛍光体パネルの概略構成を示す図、図
8は透明防湿カバーを蓄積性蛍光体層の側面に沿って配
設した蓄積性蛍光体パネルの概略構成を示す図である。
なお、図5の概念図では、繰り返し反射によって励起光
が広がる領域をわかり易く示すために密着界面41に厚
みを持たせて図示している。
光体パネル101は、ガラス素材またはアルミニウム素
材等からなる剛性を有する基板10と、蓄積性蛍光体層
20と、透明防湿カバーである変形自在の防湿フィルム
30とがこの順に積層されて形成されており、蓄積性蛍
光体層20は基板10と防湿フィルム30との間に密閉
された密閉領域40内に収容され封止されている。さら
に、この蓄積性蛍光体パネル101は、上記密閉領域4
0と連通した拡縮自在のバッファ空間42を備えてい
る。
着または塗布されて形成されており、この蓄積性蛍光体
層20の他方の側は防湿フィルム30の表面に密着せし
められている。すなわち、防湿フィルム30が引張り力
を受けて弾性変形したたまま基板10と接着されたこと
による反力によってこの防湿フィルム30の表面と蓄積
性蛍光体層20の表面とが密着せしめられて、蓄積性蛍
光体層20と防湿フィルム30との間には密着界面41
が形成されている。
の面積および防湿フィルム30における積層面の面積
は、共に4角形状の蓄積性蛍光体層20における積層面
の面積より大きくなっており、基板10の周縁部11と
防湿フィルム30の周縁部12とが接着されることによ
って基板10と防湿フィルム30との間に正四角錐台形
状となる密閉領域40が形成されている。
の一部分の領域を兼用して形成されているものであり、
この防湿フィルム30の周辺を熱成形して作成した複数
の袋43内に形成される。なお、図1(a)および図1
(b)に示すように、この袋43は常温常圧(20℃、
1気圧)においては内部に気体は存在せず収縮している
が、内部が気体で満たされて拡大したときの容積は密閉
領域40内の空間の容積の1/10倍である。
体は、乾燥空気または不活性ガスである。
閉領域40内の空間の容積について説明する。
40の容積から蓄積性蛍光体層20が占める体積を除い
た容積と、蓄積性蛍光体層20中に存在する空隙の容積
とを加えたものである。
430mm、横430mm、高さ0.5mmで体積9
2.45cm3であり、密閉領域40の容積である正四
角錐台形状部分の体積は約94.186cm3である。
よって、密閉領域40内の容積から蓄積性蛍光体層20
が占める体積を除いた容積は約1.7cm3となる。ま
た蓄積性蛍光体層20中に含まれる空隙の容積は蓄積性
蛍光体層20の体積の約10%なので、この空隙の容積
は約9.2cm3である。
1.7cm3+9.2cm3=10.9cm3となる。
数の袋43の内部を気体で満たしたときの容積の総和で
あり、その値は密閉領域40内の空間の容積の約1/1
0倍の1.1cm3である次に上記第1の実施の形態に
おける作用について説明する。ここでは、防湿フィルム
30側からの励起光の照射により蓄積性蛍光体層20か
ら発生した輝尽発光光を防湿フィルム30側から検出す
る場合について説明する。
光の照射を受けて蓄積性蛍光体層20から輝尽発光光が
発生する。蓄積性蛍光体層20から発生した輝尽発光光
は密着界面41と防湿フィルム30とを通して外気Aに
射出され、この輝尽発光光が検出されて蓄積性蛍光体層
20に記録されている放射線像を表す画像信号が取得さ
れる。
自在のバッファ空間42を備えていることによる効果に
ついて説明する。
を、1気圧、温度50℃の状態で使用すると密閉領域4
0内の気体は約1.1倍に膨張する。この密閉領域40
内の気体膨張分である1.09cm3 は1.1cm3
の容積を持つ複数の袋43への移動よって吸収されるの
で、密閉領域40および袋43内の圧力は外部の気圧に
倣い1気圧のままである。なお、図2(a)および図2
(b)に示すように、このとき複数の袋43内のバッフ
ァ空間42には上記気体が取り込まれて各袋43の体積
が増大する。
ファ空間42を形成する袋43が配設されていなかった
場合に、この蓄積性蛍光体パネルを上記と同様の環境
下、すなわち、1気圧、温度50℃の状態で使用すると
きには、密閉領域40内が外気に対して与圧になり、図
3に示すように、密着界面41中の気体の膨張によって
防湿フィルム30と蓄積性蛍光体層20との間の間隔が
広がり、防湿フィルム30と蓄積性蛍光体層20との間
に空間41Aが生じる。
線像を読み取るために防湿フィルム30を通して蓄積性
蛍光体層20に励起光を照射すると、照射された励起光
が蓄積性蛍光体層20と防湿フィルム30との間で減衰
されながら繰り返し反射される。図4に示すように、こ
のとき蓄積性蛍光体層20と防湿フィルム30との間に
おける励起光LeのN回の繰り返し反射によってこの励
起光Leが広がる領域は領域R1となる。この領域R1
は、図5に示すように、蓄積性蛍光体層20と防湿フィ
ルム30とが密着界面41を介して密着されているとき
に、上記と同様に防湿フィルム30を通して蓄積性蛍光
体層20に照射された励起光Leが蓄積性蛍光体層20
と防湿フィルム30との間で減衰されながらN回繰り返
し反射されて広がる領域であるR2より大きくなる(R
1>R2)。
の広い領域R1に相当する太い光束からなる励起光の照
射を受けたことと同等の作用によって輝尽発光光が発せ
られ、蓄積性蛍光体層20上の上記領域R1中の各所か
ら発生した輝尽発光光が同時に蓄積性蛍光体パネルから
射出される。このように広い領域から輝尽発光光が発生
すると、検出範囲外を含む領域からの輝尽発光光の発生
により蓄積性蛍光体層に蓄積されていた放射線エネルギ
ーを無駄に消費すると共に、検出範囲外の領域から発生
した輝尽発光光がノイズとして画像信号に混入すること
があるので、領域R1への励起光の照射により発生した
輝尽発光光の検出によって得られた画像信号で表される
放射線像は、領域R1より狭い領域R2への励起光の照
射により発生した輝尽発光光の検出によって得られた画
像信号によって表される放射線像に比して鮮鋭性が低下
したものとなる。
施の形態に限らず、図6に示すように、防湿フィルム3
0を基板10に接着する際に4角形状の4隅に生じる防
湿フィルム30の複数の弛み45を上記袋43の替わり
に利用してバッファ空間44を形成するようにしてもよ
い。また、図7(a)および図7(a)のH1−H2断
面を表す図7(b)に示すように、防湿フィルム30が
基板10に接着されている周縁の領域から蓄積性蛍光体
層20に密着されている領域に亘る、蓄積性蛍光体層2
0の周囲に形成されている防湿フィルム30の傾斜部4
7の弛みを利用してバッファ空間46を形成するように
してもよい。
1−H2断面を表す図8(b)に示すように、防湿フィ
ルム30が蓄積性蛍光体層20の側面21に沿って配設
されるように、基板10上の蓄積性蛍光体層20が積層
されていない領域13の全てを防湿フィルム30との接
着面とするようにしてもよい。なおこの場合において
も、上記と同様に、蓄積性蛍光体層20の側面21と防
湿フィルム30との間に防湿フィルム30の熱成形によ
って形成した袋49Aや、4隅に生じる防湿フィルム3
0の弛み49Bによって上記と同様の機能を有するバッ
ファ空間48を作成することができる。
蓄積性蛍光体パネルの概略構成を示す平面図、図9
(b)は図9(a)のJ1−J2断面を表す図、図10
は密着界面中の気体の膨張によって蓄積性蛍光体層が変
形した様子を示す側面の断面図、図11は歪んだ蓄積性
蛍光体層から放射線像を読み取る様子を示す側面の断面
図、図12、および図13はバッファ空間の異なる態様
を示す断面図である。
02は、剛性を有するガラス基板50と、蓄積性蛍光体
層60と、透明防湿カバーであるガラス板70とがこの
順に積層されて形成されており、蓄積性蛍光体層60
が、ガラス基板50とガラス板70との間に密閉された
密閉領域80内に収容されて封止されている。さらに、
この蓄積性蛍光体パネル102は、上記密閉領域80内
に連通した拡縮自在のバッファ空間83を備えている。
びガラス板70における積層面の面積は、蓄積性蛍光体
層60における積層面の面積より大きく、ガラス基板5
0の周縁部51が、周縁部51に対応した四角形状を有
し蓄積性蛍光体層60と略等しい厚さのガラス素材等か
らなるスペーサ枠82を介して、ガラス板70の周縁部
72に接着されてガラス基板50とガラス板70との間
に密閉領域80が形成されている。
の表面に塗布または蒸着されて形成されており、この蓄
積性蛍光体層60の他方の側は、ガラス基板50の表面
に密着せしめられて、蓄積性蛍光体層60とガラス基板
50との間には密着界面81が形成されている。
の表面に垂直な方向にこのガラス基板50を貫通する連
通孔52が形成されており、密閉領域80内の気体はこ
の連通孔52を通してバッファ空間83に移動される。
ダ85とからなる容量可変の防湿性を有する容量可変機
構86によって形成されており、シリンダ85の開口の
先端がガラス基板50を貫通する連通孔52に接続され
ている。この容量可変機構86内のバッファ空間83を
気体で満たしたときの容積は密閉領域80内の空間の容
積の2倍である。なお、常温常圧(20℃、1気圧)に
おいては容量可変機構86の内部には気体が存在しない
ように設定されている。
0内の空間は乾燥空気、または不活性ガスで満たされて
いる。
閉領域80内の空間の容積について説明する。
80の容積から蓄積性蛍光体層60が占める体積を除い
た容積と蓄積性蛍光体層60中の空隙の容積とを加えた
ものである。
430mm、横430mm、高さ0.5mmで体積9
2.45cm3であり、密閉領域80の容積である正四
角柱形状部分の容積は約100cm3である。よって密
閉領域80の容積から蓄積性蛍光体層60が占める体積
を除いた容積は約7.5cm3となる。また、蓄積性蛍
光体層60中に含まれる空隙は蓄積性蛍光体層60の体
積の約10%なので、この空隙の容積は約9.2cm3
となる。よって密閉領域80の中の空間の容積は、7.
5cm3+9.2cm3=16.7cm3となる。
量可変機構86の内部を気体で満たしたときの容積であ
り、密閉領域80内の空間の容積の約2倍の33cm3
である。
て説明する。ここでは、ガラス基板50側からの励起光
の照射により蓄積性蛍光体層60から発生した輝尽発光
光をガラス基板50側から検出する場合について説明す
る。
の照射を受けて蓄積性蛍光体層60から輝尽発光光が発
生する。蓄積性蛍光体層60から発生した輝尽発光光は
密着界面81とガラス基板50とを通して外気Bに射出
され、この輝尽発光光が検出されて蓄積性蛍光体層60
に記録されている放射線像を表す画像信号が取得され
る。
えていることによる効果について説明する。
標高2500mの高所で使用する場合には外気圧は約
0.7気圧となり、さらに、この場所で蓄積性蛍光体パ
ネル102が温度60℃の状態で使用されると、密閉領
域80内の気体は常温常圧の環境下で使用される場合の
約1.6倍に膨張するが、密閉領域80内の気体の膨張
はこの気体の容量可変機構86内への移動よって吸収さ
れ、密閉領域80内の圧力は外部に倣い約0.7気圧と
なる。なお、このとき容量可変機構86には上記気体が
取り込まれ、ピストン84が外部に向けて移動する。
る容量可変機構86が蓄積性蛍光体パネルに配設されて
いなかった場合に、この蓄積性蛍光体パネルを上記と同
様の環境下、すなわち、外気圧約0.7気圧、温度60
℃の状態で使用すると、密閉領域80内が外気Bに対し
て与圧になり密閉領域80内の気体が膨張し、図10に
示すように、ガラス基板50と蓄積性蛍光体層60との
間の間隔が広がり、ガラス基板50と蓄積性蛍光体層6
0との間に空間81Aが生じ、ガラス板70とこのガラ
ス板70に塗布されて形成されている蓄積性蛍光体層6
0とが変形する。
線像を読み取るために、ガラス基板50を通して蓄積性
蛍光体層60に励起光が照射されると、図11に示すよ
うに、この励起光の照射位置は蓄積性蛍光体層60が変
形していないときの所定の位置P1とは異なる変形した
蓄積性蛍光体層上の位置P2に照射される。そして、蓄
積性蛍光体層60上の所定の位置P1′(P1)に照射
されるはずの励起光Leがこの位置とは異なる変形した
蓄積性蛍光体層上の位置P2に照射されて、この位置P
2から発生した輝尽発光光が、位置P1から発生した輝
尽発光光を検出するように設定されている検出手段91
によって検出される。その結果、輝尽発光光の集光効率
が低下すると共に、輝尽発光光の発生位置が蓄積性蛍光
体層上の所定の位置P1′(P1)からずれた位置P2
になるので、このずれた位置から取得された画像信号に
よって表される放射線像が歪んだものとなる。さらに、
ガラス基板50と蓄積性蛍光体層60との間の間隔が広
がることにより、上記第1の実施の形態で説明したこと
と同様の鮮鋭性の低下も同時に生じる。
ルによれば、温度および気圧の変化が生じても、蓄積性
蛍光体層が変形したり、蓄積性蛍光体パネルを構成する
各層間の間隔が広がることもなく、蓄積性蛍光体層の吸
湿を防止すると共にこの蓄積性蛍光体層から読み取られ
る画像信号の品質の低下を抑制することができる。
87は、ガラス基板50を貫通して配設する場合に限ら
ず、スペーサ枠82を貫通して配設するようにしてもよ
い。
変機構を、拡縮自在の袋88で代替することもできる。
圧下において容量可変機構内に気体が存在しないように
設定した例を示したが、常温常圧下において容量可変機
構内に気体を収容しておけば、外部の気圧が高くなった
とき、および蓄積性蛍光体パネルの温度が常温より低下
したときに、容量可変機構の空間バファの容量が縮小さ
れることにより密閉領域内が外部に対して負圧になるこ
とを防ぐこともできる。
ルに放射線像を記録する際に照射される放射線は、透明
防湿シート側を通して蓄積性蛍光体層に照射される。
の空間の容積の1/10倍以上、2倍以下の容積を持つ
ものとすればよく、その形態は袋、あるいはシリンダと
ピストンとを用いた容量を自在に変更できる機構に限る
ものではない。また、上記温度および気圧の変化が生じ
ても、読み取られる画像信号の品質の低下を抑制するよ
り確実な効果を得るにはバッファ空間の容積を、密閉領
域中の空間の容積の1倍以上、2倍以下の容積とするこ
とが好ましい。
は不活性ガスで満たされる必要はなく、通常の空気で満
たされていても上記画像信号の品質の低下を抑制する効
果を得ることができる。
ルの概略構成を示す図
様子を示す図
げられた様子を示す断面図
った状態での繰り返し反射によって励起光が広がる領域
を側面から示した概念図
っていない状態での繰り返し反射によって励起光が広が
る領域をわかり易くするために密着界面に厚みを持たせ
て示した側面の概念図
た概略構成を示す平面図
した概略構成を示す図
て配設しバッファ空間を形成した概略構成を示す図
構成を示す図
げられた様子を示す側面の断面図
る様子を示す側面の断面図
ピストン機構を示す断面図
袋を示す断面図
る様子を示す側面の断面図
Claims (5)
- 【請求項1】 剛性を有する基板と、蓄積性蛍光体層
と、透明防湿カバーとをこの順に積層してなり、前記蓄
積性蛍光体層が、前記基板と前記透明防湿カバーとの間
に密閉された密閉領域内に収容され封止されている蓄積
性蛍光体パネルであって、 前記密閉領域と連通した拡縮自在のバッファ空間を備え
ていることを特徴とする蓄積性蛍光体パネル。 - 【請求項2】 前記バッファ空間が、前記密閉領域中の
空間の容積の1/10倍以上、2倍以下の容積を持つも
のであることを特徴とする請求項1記載の蓄積性蛍光体
パネル。 - 【請求項3】 前記透明防湿カバーが変形自在のフィル
ムであり、前記バッファ空間が、前記透明防湿カバー中
の一部分の領域を兼用して形成されているものであるこ
とを特徴とする請求項1または2記載の蓄積性蛍光体パ
ネル。 - 【請求項4】 前記バッファ空間が、防湿性を有する容
量可変のシリンダ、あるいは防湿性を有する拡縮自在の
袋で形成されているものであることを特徴とする請求項
1または2記載の蓄積性蛍光体パネル。 - 【請求項5】 前記バッファ空間および前記密閉領域中
の空間が、乾燥空気、または不活性ガスで満たされてい
ることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載
の蓄積性蛍光体パネル。
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