JP2003248089A - 蓄積性蛍光体パネル - Google Patents

蓄積性蛍光体パネル

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JP2003248089A
JP2003248089A JP2002048377A JP2002048377A JP2003248089A JP 2003248089 A JP2003248089 A JP 2003248089A JP 2002048377 A JP2002048377 A JP 2002048377A JP 2002048377 A JP2002048377 A JP 2002048377A JP 2003248089 A JP2003248089 A JP 2003248089A
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phosphor layer
moisture
substrate
proof cover
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JP2002048377A
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Seiji Tazaki
誠二 田崎
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄積性蛍光体パネルにおいて、温度および気
圧の変化が生じても、蓄積性蛍光体層の吸湿を防止する
と共にこの蓄積性蛍光体層から読み取られる画像信号の
品質の低下を抑制することができるようにする。 【解決手段】 剛性を有する基板10と蓄積性蛍光体層
20と透明防湿カバー30とをこの順に積層し、基板1
0と透明防湿カバー30とで密閉され減圧された減圧空
間40内に蓄積性蛍光体層20を封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄積性蛍光体パネ
ルに関し、詳しくは、防湿カバーを備えている蓄積性蛍
光体パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、X線等の放射線を照射すると
この放射線エネルギの一部を蓄積し、その後、可視光等
の励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギに応じ
て輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用
して、人体等の被写体の放射線像を蓄積性蛍光体層に一
旦潜像として記録し、この蓄積性蛍光体層にレーザ光等
の励起光を照射して輝尽発光光を生じせしめ、この輝尽
発光光を光電的に検出して被写体の放射線像を表す画像
信号を取得する放射線画像記録装置および放射線画像読
取装置等からなる放射線画像記録再生システムがCR
(ComputedRadiography)としてが
知られている。
【0003】上記放射線画像記録再生システムに使用さ
れる記録媒体として、剛性を有する基板と蓄積性蛍光体
層と保護層とを層状に積層して形成した蓄積性蛍光体パ
ネルが知られている。上記蓄積性蛍光体パネルは、この
蓄積性蛍光体パネルから放射線像が読み取られた後に消
去光が照射されて蓄積性蛍光体層に残存している放射線
エネルギーが放出されると再度放射線像の記録が可能と
なり、放射線像の記録および読取りに繰り返して使用さ
れる。
【0004】また、上記蓄積性蛍光体パネルは、長期間
に亘る多数回の放射線像の記録および読取りに使用され
るので、外部からの物理的および化学的な刺激によって
劣化しないように保護する必要がある。特に、蓄積性蛍
光体層は水分を吸収すると放射線像の記録および読取り
における性能が低下するものもあるので、蓄積性蛍光体
パネルには、保護層に防湿性を有する透明素材を使用
し、この保護層となる透明防湿カバーと基板との間に蓄
積性蛍光体層を密閉して封止したものも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記透
明防湿カバーと基板との間に蓄積性蛍光体層を密閉して
封止した蓄積性蛍光体パネルを気圧の低い高所や温度の
高い環境下で使用しようとすると、透明防湿カバーと基
板との間に密封されている領域内に存在する気体が膨張
し、上記層状に積層されている各層の境界中に存在する
気体の膨張によりこれらの層の間の間隔が広がったり、
蓄積性蛍光体層が歪んだりすることがある。
【0006】上記透明防湿カバーと蓄積性蛍光体層との
間の間隔が広がったときには、蓄積性蛍光体層に記録さ
れている放射線像を読み取るために透明防湿カバーを通
して蓄積性蛍光体層に照射された励起光が、蓄積性蛍光
体層と透明防湿カバーとの間で繰り返し反射され、蓄積
性蛍光体層への励起光の照射領域が広がってしまう。
【0007】すなわち、透明防湿カバーと蓄積性蛍光体
層との間の間隔が広いときには1回の反射における励起
光の伝播距離が長いので、図3に示すように透明防湿カ
バー30と蓄積性蛍光体層20との間で反射された励起
光Leは領域R1の範囲に広がり、透明防湿カバーと蓄
積性蛍光体層との間の間隔が狭いときには1回の反射に
おける励起光の伝播距離が短いので、図4に示すように
透明防湿カバー30と蓄積性蛍光体層20との間で反射
された励起光Leは上記領域R1より狭い領域R2の範
囲に広がる。したがって、透明防湿カバーと蓄積性蛍光
体層との間で、励起光が同じ回数反射されても、両者の
間隔が広い場合には励起光の照射領域が広がる。
【0008】その結果、蓄積性蛍光体層20からは、こ
の広い領域R1に相当する太い光束を持つ励起光の照射
を受けたことと同等の作用によって輝尽発光光が発せら
れ、検出範囲外を含む広い領域からの輝尽発光光の発生
により取得された画像信号で表される放射線像は鮮鋭性
が低下してしまうという問題がある。
【0009】一方、蓄積性蛍光体層が歪んでしまったと
きには、図8に示すように、この励起光の蓄積性蛍光体
層への照射位置は蓄積性蛍光体層が歪んでいないときの
所定の位置H1とは異なる変形した蓄積性蛍光体層20
上の位置H2に照射される。そして、蓄積性蛍光体層上
の所定の位置H1(歪んでしまった蓄積性蛍光体層20
における位置H1′)に照射されるはずの励起光Leが
この位置とは異なる変形した蓄積性蛍光体層20上の位
置H2に照射されて、この位置H2から発生した輝尽発
光光が、位置H1から発生した輝尽発光光を検出するよ
うに設定されている検出手段90によって検出される。
その結果、検出手段90による輝尽発光光の集光効率が
低下すると共に、輝尽発光光の発生位置が蓄積性蛍光体
層上の所定の位置H1′(H1)からずれた位置H2と
なるので、このずれた位置から取得された画像信号によ
って表される放射線像が歪んだものとなってしまい、蓄
積性蛍光体層に記録されている放射線像を正確に読み取
ることが難しくなる。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、温度および気圧の変化が生じても、蓄積性蛍光
体層の吸湿を防止すると共にこの蓄積性蛍光体層から読
み取られる画像信号の品質の低下を抑制することができ
る蓄積性蛍光体パネルを提供することを目的とするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の蓄積性蛍光体パ
ネルは、剛性を有する基板と、蓄積性蛍光体層と、透明
防湿カバーとをこの順に積層してなる蓄積性蛍光体パネ
ルであって、蓄積性蛍光体層が、基板と透明防湿カバー
との間に密閉されて減圧された減圧空間内に封止されて
いることを特徴とするものである。
【0012】前記減圧空間内の圧力は、0.1気圧以
上、0.9気圧以下であることが好ましく、0.1気圧
以上、0.5気圧以下であることがより好ましい。さら
に、この減圧空間は、乾燥空気、または不活性ガスで満
たされるようにするとよい。
【0013】前記蓄積性蛍光体層は、透明防湿カバーお
よび基板の少なくとも一方の表面に密着せしめられてい
ることが好ましく、さらに、この蓄積性蛍光体層は、上
記蓄積性蛍光体層の密着せしめられている側とは反対側
の基板および透明防湿カバーのいずれか一方の表面に、
蒸着あるいは塗布されて形成されているものとすること
ができる。
【0014】ここで言う密着とは、蓄積性蛍光体層面
と、透明防湿カバーあるいは基板面とが、物理的に接触
した部分と、空気層などの隙間を介して近接した部分と
を、ある面積比率で不連続に持っている状態のことであ
る。
【0015】
【発明の効果】本発明の蓄積性蛍光体パネルによれば、
蓄積性蛍光体層が、基板と透明防湿カバーとの間に密閉
されて減圧された減圧空間内に封止されているので、外
部の気圧が低下したり、蓄積性蛍光体パネルの温度が上
昇して減圧空間内の圧力が上昇しても、この減圧空間内
に存在する気体の膨張が抑制され、上記減圧空間内に存
在する気体の膨張に起因する、基板と蓄積性蛍光体層と
の間および蓄積性蛍光体層と透明防湿カバーとの間の間
隔の拡大や、蓄積性蛍光体層の変形を少なく抑えること
ができる。これにより、温度および気圧の変化が生じて
も、蓄積性蛍光体層の吸湿を防止すると共にこの蓄積性
蛍光体層から読み取られる画像信号の品質の低下を抑制
することができる。
【0016】また、減圧空間内の圧力を、0.1気圧以
上、0.9気圧以下とすれば、減圧により外部から付与
される力によって蓄積性蛍光体パネルを変形させること
なく上記効果を得ることができる。さらに、減圧空間内
の圧力を、0.1気圧以上、0.5気圧以下とすれば、
より確実に上記効果を得ることができる。
【0017】さらに加えて、減圧空間を、乾燥空気、ま
たは不活性ガスで満たすようにすれば蓄積性蛍光体層の
劣化をより確実に抑制することができる。
【0018】また、蓄積性蛍光体層を、透明防湿カバー
および基板の少なくとも一方の表面に密着せしめられて
いるものとすれば、この密着されている境界に気体層が
形成され、この気体層を通して、蓄積性蛍光体層から発
生した輝尽発光光を射出させることにより輝尽発光光の
光束の広がりをより小さく抑えることができるので、こ
の輝尽発光光を効率よく検出することができる。
【0019】ここで、上記蓄積性蛍光体層を、この蓄積
性蛍光体層の上記密着せしめられている側とは反対側の
基板および透明防湿カバーのいずれか一方の表面に蒸着
あるいは塗布されて形成されているものとすれば、蓄積
性蛍光体層中の蓄積性蛍光体の密度をより高めることが
でき、この蓄積性蛍光体層に記録される放射線像の鮮鋭
性および蓄積性蛍光体層から読み取られるの放射線像の
鮮鋭性を高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。図1(a)は、本発明の第
1の実施の形態の蓄積性蛍光体パネルの概略構成を示す
平面図、図1(b)は上記蓄積性蛍光体パネルの側面の
断面図、図2は密着部中の気体の膨張により防湿フィル
ムと蓄積性蛍光体層との間の間隔が広げられた様子を示
す側面の断面図、図3は蓄積性蛍光体層と防湿フィルム
との間の間隔が広げられた状態での繰り返し反射によっ
て励起光が広がる領域を側面から示した概念図、図4は
密着部中での繰り返し反射によって励起光が広がる領域
を側面から示した概念図である。なお、図4の概念図で
は、繰り返し反射によって励起光が広がる領域をわかり
易く示すために密着部41に厚みを持たせて図示してい
る。
【0021】本発明の第1の実施の形態による蓄積性蛍
光体パネル101は、ガラス素材またはアルミニウム素
材等からなる剛性を有する基板10と、蓄積性蛍光体層
20と、透明防湿カバーである防湿フィルム30とがこ
の順に積層されており、蓄積性蛍光体層20が、基板1
0と防湿フィルム30との間に密閉されて減圧された減
圧空間40内に封止されている。
【0022】減圧空間40内の圧力は、0.4気圧とさ
れ、この減圧空間40は、乾燥空気、または不活性ガス
で満たされている。
【0023】蓄積性蛍光体層20は基板10の表面に蒸
着されて形成されており、この蓄積性蛍光体層20の他
方の側は減圧によって外部から付与される圧力によって
防湿フィルム30の表面に密着せしめられて、蓄積性蛍
光体層20と防湿フィルム30との間には物理的に接触
している領域と薄い気体層を介して近接している領域と
が共に存在する密着部41が形成されている。
【0024】なお、基板10における積層される側の面
の面積および防湿フィルム30における積層される側の
面の面積は、蓄積性蛍光体層20における積層される側
の面の面積より大きくなっており、減圧空間40は、基
板10の周縁部11と防湿フィルム30の周縁部12と
が接着されることによって、基板10と防湿フィルム3
0との間に形成されている。
【0025】次に上記第1の実施の形態における作用に
ついて説明する。ここでは、防湿フィルム30側からの
励起光の照射により蓄積性蛍光体層20から発生した輝
尽発光光を防湿フィルム30側から検出する場合につい
て説明する。
【0026】防湿フィルム30を通して入射された励起
光の照射を受けて蓄積性蛍光体層20から輝尽発光光が
発生する。蓄積性蛍光体層20から発生した輝尽発光光
は密着部41と防湿フィルム30とを通して外気Aに射
出され、この輝尽発光光が検出されて蓄積性蛍光体層2
0に記録されている放射線像を表す画像信号が取得され
る。
【0027】ここで、減圧空間40内が0.4気圧に減
圧されていることによる効果について説明する。
【0028】例えば、この蓄積性蛍光体パネル101を
標高2500mの高所で使用する場合には外気圧は約
0.7気圧となり、さらに、この場所で蓄積性蛍光体パ
ネル101の温度が60℃の状態になると減圧空間40
内のは0.4気圧から約0.45気圧に上昇するが、こ
の減圧空間40内は外気圧に対して負圧のままであり、
減圧空間40内の気体が膨張することはなく、防湿フィ
ルム30と蓄積性蛍光体層20との間の密着部41の密
着は保たれ防湿フィルム30と蓄積性蛍光体層20との
間の間隔が広がることはない。
【0029】しかしながら、蓄積性蛍光体パネルの減圧
空間40が減圧されておらず減圧空間40内の圧力が1
気圧であった場合に、この蓄積性蛍光体パネルを上記と
同様の環境下、すなわち、外気圧約0.7気圧、温度6
0℃の状態で使用すると、減圧空間40内が外気に対し
て与圧になり減圧空間40内の気体が膨張し、図2に示
すように、密着部41の密着が損なわれ防湿フィルム3
0と蓄積性蛍光体層20との間の間隔が広がる。
【0030】この状態で、蓄積性蛍光体パネルから放射
線像を読み取るために防湿フィルム30を通して蓄積性
蛍光体層20に励起光を照射すると、照射された励起光
が蓄積性蛍光体層20と防湿フィルム30との間で減衰
されながら繰り返し反射される。図3に示すように、こ
のとき蓄積性蛍光体層20と防湿フィルム30との間に
おける励起光LeのN回の繰り返し反射によってこの励
起光Leが広がる領域は領域R1となり、この領域R1
は、図4に示すように、蓄積性蛍光体層20と防湿フィ
ルム30とが密着部41を介して密着されているとき
に、上記と同様に防湿フィルム30を通して蓄積性蛍光
体層20に照射された励起光Leが蓄積性蛍光体層20
と防湿フィルム30との間で減衰されながらN回繰り返
し反射されて広がる領域であるR2より大きくなる(R
1>R2)。
【0031】その結果、蓄積性蛍光体層20からは、こ
の広い領域R1に相当する太い光束からなる励起光の照
射を受けたことと同等の作用によって輝尽発光光が発せ
られ、上記領域R1中の蓄積性蛍光体層20上の各所か
ら発生した輝尽発光光が同時に蓄積性蛍光体パネルから
射出される。このように広い領域から輝尽発光光が発生
すると、検出範囲外を含む領域からの輝尽発光光の発生
により蓄積性蛍光体層に蓄積されていた放射線エネルギ
ーを無駄に消費すると共に、検出範囲外の領域から発生
した輝尽発光光がノイズとして画像信号に混入すること
があるので、領域R1への励起光の照射により発生した
輝尽発光光の検出によって得られた画像信号で表される
放射線像は、領域R1より狭い領域R2への励起光の照
射により発生した輝尽発光光の検出によって得られた画
像信号によって表される放射線像に比して鮮鋭性が低下
したものとなる。
【0032】なお、上記減圧空間40内の減圧は、上記
周縁部11と周縁部12とを接着する作業を減圧チャン
バー内で行なう等のことにより実施することができる。
【0033】図5(a)は第2の実施の形態の蓄積性蛍
光体パネルの概略構成を示す平面図、図5(b)は上記
蓄積性蛍光体パネルの側面の断面図、図6は密着部中の
気体の膨張によってガラス基板と蓄積性蛍光体層との間
の間隔が広がった様子を示す側面の断面図、図7は歪ん
だ蓄積性蛍光体層から放射線像を読み取る様子を示す側
面の断面図である。
【0034】第2の実施の形態の蓄積性蛍光体パネル1
02は、剛性を有するガラス基板50と、蓄積性蛍光体
層60と、透明防湿カバーであるガラス板70とがこの
順に積層されており、蓄積性蛍光体層60が、ガラス基
板50とガラス板70との間に密閉されて減圧された減
圧空間80内に封止されている。
【0035】減圧空間80内の圧力は、0.4気圧であ
り、この減圧空間80は乾燥空気、または不活性ガスで
満たされている。
【0036】蓄積性蛍光体層60はガラス板70の表面
に蒸着されて形成されており、この蓄積性蛍光体層60
の他方の側は、ガラス基板50の表面に密着せしめられ
て、蓄積性蛍光体層60とガラス基板50との間には密
着部81が形成されている。
【0037】なお、ガラス基板50における積層される
側の面の面積およびガラス板70における積層される側
の面の面積は、蓄積性蛍光体層60における積層される
側の面の面積より大きく、ガラス基板50の周縁部51
が、蓄積性蛍光体層60と略等しい厚さのガラス素材等
からなり周縁部51に対応した四角形状を有するスペー
サ枠82を介して、ガラス板70の周縁部72に接着さ
れてガラス基板50とガラス板70との間に減圧空間8
0が形成されている。
【0038】また、ガラス基板50には、このガラス基
板50の表面に垂直な方向にこのガラス基板50を貫通
する減圧用孔52が形成されており、減圧空間80はこ
の減圧用孔52を通して減圧される。減圧空間80が減
圧された後、ゴム製のゴム仮栓55とガラス製のガラス
栓56が減圧用孔52内に挿入されてこの減圧空間80
が封止される。
【0039】次に第2の実施の形態における作用につい
て説明する。ここでは、ガラス基板50側からの励起光
の照射により蓄積性蛍光体層60から発生した輝尽発光
光をガラス基板50側から検出する場合について説明す
る。
【0040】ガラス基板50を通して伝播された励起光
の照射を受けて蓄積性蛍光体層60から輝尽発光光が発
生する。蓄積性蛍光体層60から発生した輝尽発光光は
密着部81とガラス基板50とを通して外気Aに射出さ
れ、この輝尽発光光が検出されて蓄積性蛍光体層60に
記録されている放射線像を表す画像信号が取得される。
【0041】ここで、減圧空間80内が0.4気圧とな
っている効果について説明する。
【0042】例えば、この蓄積性蛍光体パネル102を
標高2500mの高所で使用する場合には外気圧は約
0.7気圧となり、さらに、この場所で蓄積性蛍光体パ
ネル102の温度が60℃の状態になると減圧空間80
内の圧力は0.4気圧から約0.45気圧に上昇する
が、この減圧空間80内は外気圧に対して負圧のままで
あり、減圧空間80内の気体が膨張することはなく、ガ
ラス基板50と蓄積性蛍光体層60との間の密着部81
の密着が損なわれることはない。
【0043】しかしながら、蓄積性蛍光体パネルの減圧
空間80が減圧されておらず減圧空間80内の圧力が1
気圧であった場合に、この蓄積性蛍光体パネルを上記と
同様の環境下、すなわち、外気圧約0.7気圧、温度6
0℃の状態で使用するときには、減圧空間80内が外気
Aに対して与圧になり減圧空間80内の気体が膨張し、
図6に示すように、ガラス板70とこのガラス板70に
塗布されて形成されている蓄積性蛍光体層60とが変形
し、ガラス基板50と蓄積性蛍光体層60との間の間隔
が広がることにより密着部81の密着が損なわれる。
【0044】このような状態で、蓄積性蛍光体パネルか
ら放射線像を読み取るために、ガラス基板50を通して
蓄積性蛍光体層60に励起光が照射されると、図7に示
すように、この励起光の照射位置は蓄積性蛍光体層60
が変形していないときの所定の位置P1とは異なる変形
した蓄積性蛍光体層上の位置P2に照射される。そし
て、蓄積性蛍光体層60上の所定の位置P1′(P1)
に照射されるはずの励起光Leがこの位置とは異なる変
形した蓄積性蛍光体層上の位置P2に照射されて、この
位置P2から発生した輝尽発光光が、位置P1から発生
した輝尽発光光を検出するように設定されている検出手
段91によって検出される。その結果、輝尽発光光の集
光効率が低下すると共に、輝尽発光光の発生位置が蓄積
性蛍光体層上の所定の位置P1′(P1)からずれた位
置P2になるので、このずれた位置から取得された画像
信号によって表される放射線像が歪んだものとなる。さ
らに、ガラス基板50と蓄積性蛍光体層60との間の間
隔が広がることにより、上記第1の実施の形態で説明し
たことと同様の鮮鋭性の低下も同時に生じる。
【0045】上記のように、本発明の蓄積性蛍光体パネ
ルによれば、温度および気圧の変化が生じても、蓄積性
蛍光体層が変形したり、蓄積性蛍光体パネルを構成する
各層間の間隔が広がることもなく、蓄積性蛍光体層の吸
湿を防止すると共にこの蓄積性蛍光体層から読み取られ
る画像信号の品質の低下を抑制することができる。
【0046】なお、上記実施の形態の蓄積性蛍光体パネ
ルに放射線像を記録する際に照射される放射線は、透明
防湿シート側を通して蓄積性蛍光体層に照射される。
【0047】また、上記実施の形態においては、減圧空
間内の圧力を0.4気圧としたが、0.1気圧以上、
0.9気圧以下の範囲であれば、温度および気圧の変化
が生じても、蓄積性蛍光体層から読み取られる画像信号
の品質の低下を抑制する効果を得ることができる。
【0048】また、蓄積性蛍光体層が、透明防湿カバー
および基板の両方の表面に密着せしめられているものと
してもよく、また、減圧空間が、必ずしも乾燥空気、ま
たは不活性ガスで満たされる必要はなく、通常の空気で
満たされていても上記画像信号の品質の低下を抑制する
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の蓄積性蛍光体パネ
ルの概略構成を示す図
【図2】防湿フィルムと蓄積性蛍光体層の間の間隔が広
げられた様子を示す側面の断面図
【図3】蓄積性蛍光体層と防湿フィルムとの間の間隔が
広げられた状態での繰り返し反射によって励起光が広が
る領域を側面から示した概念図
【図4】密着部中での繰り返し反射によって励起光が広
がる領域を、繰り返し反射によって励起光が広がる領域
をわかり易く示すために密着部41に厚みを持たせて側
面から示した概念図である。
【図5】第2の実施の形態の蓄積性蛍光体パネルの概略
構成を示す図
【図6】ガラス基板と蓄積性蛍光体層の間の間隔が広げ
られた様子を示す側面の断面図
【図7】歪んだ蓄積性蛍光体層から放射線像を読み取る
様子を示す側面の断面図
【図8】歪んだ蓄積性蛍光体層から放射線像を読み取る
様子を示す側面の断面図
【符号の説明】
10 基板 20 蓄積性蛍光体層 30 防湿フィルム 40 減圧空間 41 密着部 101 蓄積性蛍光体パネル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する基板と、蓄積性蛍光体層
    と、透明防湿カバーとをこの順に積層してなる蓄積性蛍
    光体パネルであって、 前記蓄積性蛍光体層が、前記基板と前記透明防湿カバー
    との間に密閉されて減圧された減圧空間内に封止されて
    いることを特徴とする蓄積性蛍光体パネル。
  2. 【請求項2】 前記減圧空間内の圧力が、0.1気圧以
    上、0.9気圧以下であることを特徴とする請求項1記
    載の蓄積性蛍光体パネル。
  3. 【請求項3】 前記減圧空間が、乾燥空気、または不活
    性ガスで満たされていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の蓄積性蛍光体パネル。
  4. 【請求項4】 前記蓄積性蛍光体層が、前記透明防湿カ
    バーおよび基板の少なくとも一方の表面に密着せしめら
    れていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1
    項記載の蓄積性蛍光体パネル。
  5. 【請求項5】 前記蓄積性蛍光体層が、該蓄積性蛍光体
    層の前記密着せしめられている側とは反対側の前記基板
    および前記透明防湿カバーのいずれか一方の表面に、蒸
    着あるいは塗布されて形成されているものであることを
    特徴とする請求項4記載の蓄積性蛍光体パネル。
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