JP2003247304A - 防水工法、防水構造、防水施工用樹脂シート - Google Patents
防水工法、防水構造、防水施工用樹脂シートInfo
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Abstract
水作業を行えるようにする。 【解決手段】 コンクリート下地面4に、紫外線硬化型
樹脂などの光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂材(FR
P)により被覆層6を形成し、この被覆層6に上方から
ブラックライト8等により紫外線等の光を照射して、光
硬化型樹脂を硬化させて、繊維強化樹脂材からなる防水
層を形成する。一実施形態において繊維強化樹脂材を予
めシート状に成形し、防水対象面に敷設して光硬化させ
る。また、一実施形態において、このシートを防水層で
ある下層と防食層である上層とにより構成する。
Description
水処理面に、繊維強化樹脂材(FRP)からなる防水層
を形成する防水工法及び防水構造に関する。また、本発
明は、防水施工で用いられる樹脂シートにも関する。
トまたは駐車場などには、従来から繊維強化樹脂材(F
RP:Fiber Reinforced Plastics)により防水処理を
施すことが行われている。この繊維強化樹脂材は、主に
強化材と樹脂材とから構成され、強化材には、カーボン
やガラス、アラミド、ポリエチレンなどからなる繊維材
が用いられている。また、樹脂材には、不飽和ポリエス
テル樹脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂といった熱硬
化性樹脂材や、ポリプロピレンやナイロン、ポリカーボ
ネートといった熱可塑性樹脂材をはじめ、各種樹脂材が
用いられている。このような繊維強化樹脂材は、建物の
屋上面や床面などに、所定の厚みに塗布されるなどし
て、これらを被覆するようになっている。
脂材を用いた従来の防水工法にあっては、建物の屋上面
や床面などに繊維強化樹脂材を塗布して、これを自然放
置により乾燥させて硬化させていたため、当該繊維強化
樹脂材が十分に硬化するまでに相当の時間がかかってい
た。このため、施工作業の長期化を招き、また、その分
だけ余分な労力が必要となり、コストアップを招く要因
になっていた。
と、雑排水ピットなどに対する防水工事にあっては、次
の作業工程と作業日数が必要とされている。 (1)プライマーの塗布・乾燥作業…………………… 1日 (2)防水用ポリエステルの塗布・乾燥作業………… 1日 (3)入隅部などの処理塗り作業……………………… 1日 (4)防水用ポリエステルの塗布・乾燥作業………… 1日 (5)防水用ガラスマットの敷設作業および 防水用ポリエステルの塗布・乾燥作業………… 1日 (6)防食用ポリエステルの塗布・乾燥作業………… 1日 (7)防水用ガラスマットの敷設作業………………… 1日 (8)防食用ポリエステルの塗布・乾燥作業………… 1日 (9)防食用ポリエステルの塗布・乾燥作業………… 1日 (10)防食用ポリエステルの塗布・乾燥作業…………1日 合計 10日
樹脂材を用いた防水工法にあっては、施工時間の短縮と
作業手間の軽減が切望されていた。本発明は、このよう
な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、繊
維強化樹脂材を用いて簡単かつ短時間に防水施工を行え
るようにすることにある。
るため、本発明に係る防水工法は、防水対象物の防水処
理面に、未硬化の光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂材
により被覆層を形成し、この被覆層に光を当てて前記光
硬化型樹脂を硬化させて、防水層を形成することを特徴
とする。
らなる繊維強化樹脂材を用いているから、光を当てるだ
けで繊維強化樹脂材を硬化させることができる。これに
より、防水対象物の防水処理面に簡単かつ短時間に防水
層を形成することができる。
維強化樹脂材をシート材として成形し、該シート材を前
記防水処理面上に敷設して前記被覆層を形成することと
してもよい。このように繊維強化樹脂材をシート材とし
て成形し、これを防水処理面上に敷設するようにするこ
とで、施工作業をさらに簡単化することができる。
機能する下層と、防食層として機能する上層とを含むこ
ととしてもよい。このように、シート材を2層構造とす
ることで、防水性と防食性とを兼ね備えた防水施工を行
うことができる。この下層は、上層を構成する光硬化型
樹脂を改質して軟化させた樹脂により構成されることと
してもよい。このようにすれば、上層と下層とが同様の
光硬化特性を示すことで、光照射による硬化処理をより
容易に行うことができる。
する樹脂として互いに密度の異なる光硬化型樹脂を用い
ることとしてもよい。このようにすれば、各層の樹脂の
密度が異なることで、上層の樹脂と下層の樹脂とが硬化
前に混じり合うのを抑えることができ、シート材の2層
構造を確実に維持することができる。
物の防水処理面に、光硬化型樹脂材からなる繊維強化樹
脂材により形成された防水層が設けられていることを特
徴とする。この防水構造にあっては、前記防水層が、前
記防水処理面に敷設された前記繊維強化樹脂材からなる
シートにより形成されていることとしてもよい。
は、防水層として機能する第1の光硬化型樹脂層と、防
食層として機能する第2の光硬化型樹脂層と、当該樹脂
シート内に含浸された強化材とを含むことを特徴とす
る。
防水構造の実施の形態について添付図面を用いて説明す
る。図1及び図2は、本発明に係る防水工法及び防水構
造の第1の実施形態をそれぞれ示すものである。
水処理面に、未硬化状態の光硬化型樹脂からなる繊維強
化樹脂材により被覆層を形成し、この被覆層に光を当て
てその光硬化型樹脂を硬化させることによって防水層を
設ける方法である。本発明に係る防水構造は、このよう
な防水工法などにより、防水対象物の防水処理面に、光
硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂材により防水層が形成
された構造である。
維強化樹脂材による防水工法が適用されている建物の屋
上や床、ベランダ、雑排水ピットまたは駐車場などがあ
り、これらの防水処理面としては、建物の屋上面や建物
の床面、また路面などがある。
脂材とから構成される。強化材としては補強材に用いら
れるのと同様な、カーボン、ガラス、アラミド、ポリエ
チレンなどの繊維材が使用される。この繊維強化樹脂材
に用いられる樹脂材としては、従来から一般に用いられ
ている熱硬化性樹脂材や熱可塑性樹脂材とは異なり、紫
外線硬化型などの光硬化型樹脂材が使用される。
と、光エネルギの作用で液状から固体に変化することを
「光硬化」と呼び、硬化する合成有機材料を光硬化型樹
脂材と称する。硬化作用を生じさせる光としては、紫外
線が一般的に広く用いられている。光硬化型樹脂材は、
光重合性オリゴマー、光重合性モノマー(反応性希釈
剤)、光重合開始剤、光開始助剤、その他の添加剤、ま
た必要に応じて顔料や染料などの着色剤などから構成さ
れる。
クリレート、エポキシアクリレートおよびポリエステル
アクリレートなどのアクリレート、不飽和ポリエステ
ル、エポキシ等がある。光重合性モノマーとしては、単
官脂アクリレートまたは多官脂アクリレートのアクリレ
ート、エポキシ等がある。光重合開始剤としては、ベン
ゾイン系、アセトファセトフェノン系、パーオキシド
系、並びにオニウム塩などがある。
ラスチックを形成する有機材料であり、オリゴマーは、
モノマーを予めいくつか反応させてあるもので、モノマ
ーと同様に重合して大きな分子となり、プラスチックを
形成する材料である。これらモノマーやオリゴマーは、
簡単には重合反応を起こさないため、光重合開始剤を配
合し、これにより反応を開始させる。つまり、光重合開
始剤が光(紫外線)を吸収して活性化(励起)し、開裂
反応、水素引き抜き、電子移動などの反応を起こし、こ
の反応によりラジカル分子、水素イオンなど反応を開始
する物質が生成される。生成されたラジカル分子や水素
イオンなどがオリゴマーやモノマーの分子を励起して3
次元的な重合や架橋反応が連鎖的に進行し、光照射した
部分が液体状態から固体状態に硬化する。
ポキシアクリレートを使用し、光開始剤としてオキサイ
ド系を使用し、添加剤として熱重合禁止剤、充填剤、チ
クソ付与剤、可塑剤を使用する。光開始助剤としては、
前述したものの中から適当なものを使用する。
色透明である。光硬化型樹脂には、光が当てられて硬化
すると、乳白色に着色されるものもある。この光硬化型
樹脂は、防水性や防食性に優れ、本発明に係る防水工法
や防水構造に非常に好適である。
面4に、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂材により防
水処理を施すときの様子を示したものである。ここで、
繊維強化樹脂材は、図1(a)に示すように、従来と同
様に、コンクリート下地面4の上に薄層状に塗布され
て、コンクリート下地面4には、所定の厚みの被覆層6
が形成される。本実施形態では、繊維強化樹脂材の塗布
終了後、そのまま速やかに被覆層6の繊維強化樹脂材を
硬化させる作業に移行する。この硬化作業では、従来の
ように樹脂をそのまま放置して自然乾燥により硬化させ
るのではなく、図1(b)に示すように、被覆層6の上
方に1個または複数個のライト8を配置して、このライ
ト8から当該被覆層6に対して光を照射する。このライ
ト8にあっては、繊維強化樹脂材が紫外線硬化型樹脂か
らなる場合には、ブラックライト等の紫外線を照射可能
なライトを用いる。光の照射時間は、使用した光硬化型
樹脂の種類や被覆層6の膜厚などに応じて適宜調節され
る。
ト8から光を照射することによって、被覆層6を形成す
る繊維強化樹脂材の光硬化型樹脂を十分に硬化させるこ
とができる。これによって、被膜層6がコンクリート下
地面4に充分に定着されて、コンクリート下地面4上に
防水層を形成することができる。
下地面4への定着形態としては、機械的接合(アンカー
効果)、物理的相互作用(ファンデルワース力)、化学
的結合(共有結合)などがある。ここでは、繊維強化樹
脂材がコンクリート下地面の微細なクラック、背面骨材
の空隙、連続気泡等に進入して投錨効果を発揮し、一種
のプライマーとしても機能している。
ンクリートと馴染みの良いエポキシ樹脂を用いれば、非
常に定着性の良い被膜層6を形成することができる。こ
れは、エポキシ樹脂が硬化剤との重合反応により生じた
水酸基(−OH)と、コンクリート下地面の水酸基(−
OH)との間に、図3に示すような、水素結合が作用す
るためであり、さらに重合(硬化)反応が進行すれば、
コンクリート下地面の−OHと水素結合して一体化する
ものと考えられる。
によれば、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂材を用い
て防水層を形成するから、光を当てるだけで簡単に繊維
強化樹脂材を硬化させることができ、これにより、従来
のように通常の熱硬化性樹脂材や熱可塑性樹脂材からな
る繊維強化樹脂材を用いる場合に比べて、飛躍的に短時
間に施工作業を終了させることができ、このため、作業
時間の大幅な短縮を達成することができる。また、施工
作業も簡略化することができ、これにより、大幅なコス
トダウンを図ることができる。また、自然乾燥で硬化さ
せる場合のように硬化時間が温度等の環境条件に左右さ
れることがないため、施工が容易になり現場作業での熟
練が不要となるというメリットもある。
場合に限るものではなく、自然光等により天日干しする
などして自然硬化させることも本発明の範囲に含まれ
る。
どにおいては、入隅部や配管回り等を中心にプライマー
処理やパテ塗りなどを施すことも可能である。
うな光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂材を予め工場等
でシート状に成形しておき、この繊維強化樹脂シート1
0を施工現場に搬入して、図2(b)に示すように、そ
の端部を重ねしろ10aにして隙間無く重ね合わせて、
コンクリート下地面4上に敷設する。このように繊維強
化樹脂シート10を予め形成して、これをコンクリート
下地面4上に敷設することで、より簡単に被覆層6を設
けることができ、これにより、さらなる施工時間の短縮
と施工作業の簡略化を達成することができる。
明する。本実施形態では、2層構造を有する樹脂シート
をコンクリート下地面4に敷設し、光硬化させることで
被覆層を施工する。図4は、本実施形態で用いられる繊
維強化樹脂シート20(以下、単に、樹脂シート20と
いう)がコンクリート下地面4に敷設され、被覆層30
が形成された状態を示す断面図である。同図に示すよう
に、樹脂シート20は、上層22と下層24とを含んで
おり、内部には強化材26が含浸されている。
形態で用いられる樹脂と同様である。すなわち、光重合
性オリゴマー、光重合性モノマー(反応性希釈剤)、光
重合開始剤、光開始助剤、その他の添加剤などから構成
される光硬化型樹脂材が用いられ、光重合性オリゴマー
としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレー
トおよびポリエステルアクリレートなどのアクリレー
ト、不飽和ポリエステル、エポキシ等があり、光重合性
モノマーとしては、単官脂アクリレートまたは多官脂ア
クリレートのアクリレート、エポキシ等がある。光重合
開始剤としては、ベンゾイン系、アセトファセトフェノ
ン系、パーオキシド系、並びにオニウム塩などがある。
そして、好ましくは、光重合性オリゴマーとしてエポキ
シアクリレートを使用し、光開始剤としてオキサイド系
を使用し、添加剤として熱重合禁止剤、充填剤、チクソ
付与剤、可塑剤を使用する。光開始助剤としては、前述
したものの中から適当なものを使用する。
施形態と同様に、カーボン、ガラス、アラミド、ポリエ
チレンなどの繊維材を用いることができるが、本実施形
態では、ガラス繊維を用いている。
アクリレートは防水性および防食性に優れた材料である
が、その物理的な性質は硬く、破断時の伸びは小さい。
したがって、コンクリート下地面4に変形が生じない場
合は、上記第1の実施形態のようにエポキシアクリレー
トからなる単一層の被覆層6を設ければ十分であるが、
本実施形態では、コンクリート下地面4が熱、地震、乾
燥等によって変形した場合にも被覆層30がその変形に
追従して防水性を維持できるように、下層24としてエ
ポキシアクリレートに改質材を加えて軟化させた樹脂を
用いている。この改質材として、ウレタン系樹脂あるい
はシリコーン系樹脂を用いることができるが、本実施形
態では、ウレタン系樹脂であるウレタンアクリレートを
用いている。ウレタンアクリレートの配合は、エポキシ
アクリレート100重量部に対して好ましくは50〜7
0重量部である。
アクリレートで改質した樹脂(以下、改質エポキシアク
リレートという)および改質しない通常のエポキシアク
リレートについて、標準状態および劣化処理後の状態で
引張試験を行った結果を示す。
ある。 加熱処理:JIS A 6021−2000(建築用塗膜
防水材)の6.7.2(試験片の処理)の加熱処理(80
℃±2℃で168時間、その後、標準状態:4時間以
上) 促進暴露処理:温度63℃±3℃のスプレーサイク
ル:120分中18分、試験時間:250時間、その
後、標準状態:4時間以上 アルカリ処理:23℃±2℃:168時間、その後、
標準状態:4時間以上 酸処理:23℃±2℃:168時間、その後、標準状
態:4時間以上 また、引張試験は、JIS K 7113により行い、
引張速度は5.0±0.5mm/分とした。
リレートでは、標準状態における破断時の伸びが改質前
の4.0%から25.5%に増大しており、改質によっ
て軟化され、下地に対する十分な追従性が得られている
ことがわかる。
うに下地面への追従性に優れた改質エポキシアクリレー
トを用い、上層22として防食性に優れた通常のエポキ
シアクリレートを用いている。このため、下地面が熱、
地震、乾燥等に変形した場合にも下層24により防水性
を確保しつつ、上層22により防食性を確保することが
できる。すなわち、本実施形態では、下層24が防水層
として機能し、上層22が防食層として機能することと
なる。
る樹脂と下層24を構成する樹脂について、例えばスチ
レンの配合量を変えることにより密度に差をつけてい
る。このように密度差をつけることで、樹脂硬化前の液
状状態で上層22と下層24とが混ざり合うのを抑える
ことができる。
示す。まず、同図(a)に示すように、先ず、底板40
に上層22または下層24の何れか一方(例えば樹脂の
密度の大きい方)の樹脂をシート状に流し込む。次に、
同図(b)に示すように、強化材としてのガラスマット
26を含浸させる。ガラスマット26として、例えば、
ガラス繊維を結合材で結合したガラスチョップドストラ
ンドマット(JISR 3411)を用いるが、その結
合材としては例えばスチレン溶解性が区分H(0〜40
秒)のポリエステル系樹脂を用いている。結合材のスチ
レン溶解性は好ましくは30秒以下であり、そのような
高いスチレン溶解性を実現するために結合材の使用量を
通常よりも少なくしている。このようにスチレン溶解性
の高い結合材を用いることで、ガラスマット26を樹脂
表面上に置いただけで、結合材が樹脂にしみ込み、ガラ
スマット26のガラス繊維がばらけて樹脂になじみ易く
なる。このため、ローラや刷毛を用いてガラス繊維を含
浸させることは不要となり、ガラス繊維の含浸工程が簡
単になる。
ット24を含浸させた樹脂層の上に、上層22または下
層24の他方の樹脂を流し込む。上述のように、上層2
2を構成する樹脂と上層24を構成する樹脂とに密度差
があるため、両層の樹脂が混ざりにくくなっている。こ
れにより、上層22および下層24からなる2層構造が
確実に維持される。
接、ガラスマットを含浸させる等の方法を用いてもよ
い。
め工場等で行っておく。そして、製造された樹脂シート
20を施工現場へ搬入して、上記第1実施形態の図2を
参照して述べたのと同様にしてコンクリート下地面4上
に敷設し、その後、ブラックライト等のライトを用いて
紫外線を照射し、樹脂を硬化させることで、被覆層30
の施工が完了する。上述の通り、本実施形態では、上層
22および下層24の光重合性オリゴマートとして共に
エポキシアクリレートを用いているため、両層の光硬化
特性も同様となり、2層からなる樹脂シート20の硬化
処理を容易に行うことができる。
脂シート20を防食層として機能する上層22と防水層
として機能する下層24とからなる2層構造とし、この
シートを敷設することにより、防水性および防食性を兼
ね備えた被覆層30を設けることができる。したがっ
て、例えば雑排水ピットのように硫化水素などの侵食性
ガスに晒されるために特に防食性(耐薬品性、耐熱性、
耐摩耗性など)が要求される場合にも、防水性および防
食性を確保することができる。
よい軟化した樹脂を用いるので、下地面が熱、乾燥、地
震等により変形する場合にも被覆層30をその変形に追
従させて防水性を確保することができる。
0を敷設した後、樹脂を紫外線照射で硬化させるだけで
施工が完了するので、工期短縮および作業の簡略化を実
現できる。すなわち、従来、繊維強化樹脂を用いて防水
層および防食層を施工する場合、上記解決課題の項で述
べたように、下地面へのプライマーの塗布、防水層の塗
布・乾燥、防食層の塗布・乾燥等、非常に多くの工程が
必要であったのに対して、樹脂シート20の敷設および
紫外線照射という少ない工程で防水層および防食層を設
けることができるため、作業の手間を大幅に抑えること
ができ、これにより、工期短縮およびコスト削減の効果
が得られるのである。
る場合は、樹脂特有の臭気が強いために例えば地下ピッ
トのような閉塞空間での施工や、臭気を嫌う建物用途で
の補修への適用は不向きであった。これに対して、本実
施形態では、樹脂が予めシート化されているため、樹脂
の臭気も軽減されるので、閉塞空間等への適用も可能と
なる。
繊維強化樹脂材を用いるから、光を当てるだけで簡単か
つ短時間に繊維強化樹脂材を硬化させることができる。
また、繊維強化樹脂材をシート材として成形して敷設す
ることにより、さらに施工作業を簡単化することができ
る。さらに、シート材を、防水層として機能する下層
と、防食層として機能する上層とにより構成することに
よって、防水性および防食性を兼ね備えた被覆層を施工
することができる。
施形態を示す説明図である。
形態を示す説明図である。
脂材の下地面への定着を概念的に説明する説明図であ
る。
がコンクリート下地面に敷設され、被覆層が形成された
状態を示す断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 防水対象物の防水処理面に、未硬化の光
硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂材により被覆層を形成
し、この被覆層に光を当てて前記光硬化型樹脂を硬化さ
せて、防水層を形成することを特徴とする防水工法。 - 【請求項2】 前記繊維強化樹脂材をシート材として成
形し、該シート材を前記防水処理面上に敷設して前記被
覆層を形成することを特徴とする請求項1に記載の防水
工法。 - 【請求項3】 前記シート材は、防水層として機能する
下層と、防食層として機能する上層とを含むことを特徴
とする請求項2に記載の防水工法。 - 【請求項4】 前記下層を構成する光硬化型樹脂とし
て、前記上層を構成する光硬化型樹脂を改質して軟化さ
せた樹脂を用いることを特徴とする請求項3に記載の防
水工法。 - 【請求項5】 前記上層および前記下層を夫々構成する
光硬化型樹脂として互いに密度の異なる樹脂を用いるこ
とを特徴とする請求項3または4記載の防水工法。 - 【請求項6】 防水対象物の防水処理面に、光硬化型樹
脂材からなる繊維強化樹脂材により形成された防水層が
設けられていることを特徴とする防水構造。 - 【請求項7】 前記防水層が、前記防水処理面に敷設さ
れた前記繊維強化樹脂材からなるシートにより形成され
ていることを特徴とする請求項6に記載の防水構造。 - 【請求項8】 前記シートは、防水層として機能する下
層と、防食層として機能する上層とを含むことを特徴と
する請求項7に記載の防水構造。 - 【請求項9】 防水施工に用いられる樹脂シートであっ
て、防水層として機能する第1の光硬化型樹脂層と、防
食層として機能する第2の光硬化型樹脂層と、当該樹脂
シート内に含浸された強化材とを含むことを特徴とする
防水施工用樹脂シート。
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---|---|---|---|
JP2002362207A JP4051275B2 (ja) | 2001-12-20 | 2002-12-13 | 防水工法、防水構造、防水施工用樹脂シート |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006168279A (ja) * | 2004-12-17 | 2006-06-29 | Sowa Chemical Industrial Co Ltd | 被覆層構造体の施工方法及び被覆層構造体 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002362207A patent/JP4051275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2006168279A (ja) * | 2004-12-17 | 2006-06-29 | Sowa Chemical Industrial Co Ltd | 被覆層構造体の施工方法及び被覆層構造体 |
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