JP2003246790A - プレグナン誘導体の製造方法 - Google Patents

プレグナン誘導体の製造方法

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JP2003246790A
JP2003246790A JP2002322581A JP2002322581A JP2003246790A JP 2003246790 A JP2003246790 A JP 2003246790A JP 2002322581 A JP2002322581 A JP 2002322581A JP 2002322581 A JP2002322581 A JP 2002322581A JP 2003246790 A JP2003246790 A JP 2003246790A
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Makoto Nakazawa
信 仲澤
Shigeo Osono
重雄 大園
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクアラミンの合成中間体などとして有用な
プレグナン誘導体を、入手容易な原料より、短段階で効
率よく製造し得る方法を提供すること。 【解決手段】 式(I) 【化1】 で示される化合物の7位水酸基を保護し、ついで21位
シリル基を脱保護することを特徴とする一般式(II
I) 【化2】 で示される21−ヒドロキシプレグナン誘導体の製造方
法(上記式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立し
て、置換基を有していてもよい、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基またはアラルキル基を
表し、R4は水酸基の保護基を表す。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレグナン誘導体
の製造方法に関する。本発明により製造されるプレグナ
ン誘導体は、例えば、下式で示されるスクアラミン(s
qualamine)の合成中間体として有用である。
【0002】
【化7】
【0003】
【従来の技術】スクアラミンは、グラム陽性菌、グラム
陰性菌、真菌などに対する強力な抗菌活性を有するとと
もに、抗ガン活性を有することが報告され、新たな抗生
物質として注目されている化合物である(非特許文献
1;非特許文献2;特許文献1など参照)。
【0004】従来、スクアラミンはサメの肝臓から抽出
されていたが、その抽出効率が0.001〜0.002
wt%と極めて低いため、化学的合成方法の検討が行わ
れてきた。スクアラミンの化学的合成方法としては、
1)3β−アセトキシ−5−コレン酸を出発原料とする
方法(非特許文献3参照)、2)3β−ヒドロキシ−5
−コレン酸を出発原料とする方法(非特許文献4;特許
文献2参照)、3)21−ヒドロキシ−20−メチルプ
レグナ−4−エン−3−オンを出発原料とする方法(特
許文献1参照)、4)スティグマステロールを出発原料
とする方法(非特許文献1;非特許文献2;特許文献1
参照)が知られている。
【0005】
【特許文献1】国際公開第98/24800号パンフレ
ット
【特許文献2】国際公開第94/19366号パンフレ
ット
【特許文献3】国際公開第01/79255号パンフレ
ット
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・オーガニック・ケ
ミストリー(J.Org.Chem.)、63巻、37
86頁(1998年)
【非特許文献2】ジャーナル・オブ・オーガニック・ケ
ミストリー(J.Org.Chem.)、63巻、85
99頁(1998年)
【非特許文献3】テトラヘドロン・レターズ(Tetr
ahedron Lett.)、35巻、8103頁
(1994年)
【非特許文献4】ジャーナル・オブ・オーガニック・ケ
ミストリー(J.Org.Chem.)、60巻、51
21頁(1995年)
【非特許文献5】バイオオルガニック&メディシナル・
ケミストリー(Bioorg.Med.Chem.)、
8巻、2059頁(2000年)
【非特許文献6】プロテクティブ・グループス・イン・
オルガニック・シンセシス(Protective G
roups in Organic Synthesi
s)第3版、114頁(1999年)、ジョン・ワイリ
ー&サンズ出版(John Wiley & Son
s, Inc.)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記1)、2)および
3)の方法で出発原料として用いる3β−アセトキシ−
5−コレン酸、3β−ヒドロキシ−5−コレン酸、21
−ヒドロキシ−20−メチルプレグナ−4−エン−3−
オンはいずれも高価である。また、上記1)の方法では
スクアラミンを得るまでに17工程を要し、2)の方法
では19工程、3)の方法では15工程を要し、反応操
作がいずれも煩雑である。したがって、これらの方法は
スクアラミンの工業的に有利な製造方法とは言い難い。
【0007】一方、上記4)の方法は、出発原料として
用いるスティグマステロールを安価に入手可能である
が、スクアラミンの合成までには20工程を要する。ま
た、3位水酸基を選択的に酸化する工程で使用する炭酸
銀が高価であること、低温下でのオゾン酸化工程を経由
するので特殊な反応設備が必要なこと、などの問題点を
有していることから、この方法も必ずしも工業的に有利
な方法とはいえない。
【0008】しかして、本発明の目的は、スクアラミン
の合成中間体などとして有用なプレグナン誘導体を、入
手容易な原料より、短段階で効率よく製造し得る方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、(5α,7α,20S)−7,21
−ジヒドロキシ−20−メチルプレグナ−3−オンの2
1位水酸基を保護した誘導体、例えば(5α,7α,2
0S)−7−ヒドロキシ−20−メチルプレグナ−3−
オン−21−オール (1,1−ジメチルエチル)ジメ
チルシリル エーテル(非特許文献5参照)から、例え
ば上記方法4)における合成中間体であり、スティグマ
ステロールから7工程で合成される(5α,7α,20
S)−20−ホルミル−3−(スピロ−2'−(1',
3'−ジオキソラン))−プレグナン−7−オール ベ
ンゾエートを、高価な反応剤を用いることなく、3工程
で収率よく製造できることを見出した。
【0010】また、(5α,7α,20S)−7−ヒド
ロキシ−20−メチルプレグナ−3−オン−21−オー
ル (1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル エー
テルおよび(5α,7α,20S)−21−(((1,
1−ジメチルエチル)ジメチルシリル)オキシ)−20
−メチルプレグナ−3−オン−7−オール ベンゾエー
トが、結晶性を有しており、これらを製造する工程から
得られる粗生成物が、工業的に容易に実施可能な再結晶
操作、例えば溶媒存在下、粗生成物を加熱させ溶媒に溶
解後冷却することにより溶媒中から目的物を析出させる
再結晶法ないしは溶媒中で粗生成物を懸濁洗浄させ夾雑
物を溶媒中に溶解させて精製する懸濁洗浄法により精製
できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、 式(I)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独
立して置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を
有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
よいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール
基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表
す。)で示される21−シリルオキシプレグナン誘導体
(以下、21−シリルオキシプレグナン誘導体(I)ま
たは化合物(I)と略称する)に、塩基の存在下で、水
酸基を保護することを特徴とする式(II)
【0014】
【化9】
【0015】(式中、R1、R2およびR3は前記と同義
であり、R4は水酸基の保護基を表す。)で示されるプ
レグナン誘導体(以下、プレグナン誘導体(II)と略
称する)の製造方法、
【0016】 プレグナン誘導体(II)の21位シ
リルオキシ基のシリル基を脱保護することを特徴とする
一般式(III)
【0017】
【化10】
【0018】(式中、R4は前記と同義である。)で示
される21−ヒドロキシプレグナン誘導体(以下、21
−ヒドロキシプレグナン誘導体(III)と略称する)
の製造方法、
【0019】 式(IV)
【0020】
【化11】
【0021】(式中、R41は水素原子またはベンゾイル
基を表す。)で示される21−(((1,1−ジメチル
エチル)ジメチルシリル)オキシ)−20−メチルプレ
グナン誘導体(以下、21−シリル−20−メチルプレ
グナン誘導体(IV)と略称する)の精製法であって、
該21−シリル−20−メチルプレグナン誘導体(I
V)を結晶化させることを特徴とする方法、および
【0022】 式(II−1)
【0023】
【化12】
【0024】で示される化合物(以下、化合物(II−
1)と略称する)、すなわち(5α,7α,20S)−
21−(((1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリ
ル)オキシ)−20−メチルプレグナ−3−オン−7−
オール ベンゾエートを提供することにより達成され
る。
【0025】
【発明の実施の形態】R1、R2およびR3が表すアルキ
ル基としては、炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状の
アルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メ
チルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメ
チルエチル基(tert−ブチル基)、n−ペンチル
基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル
基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプ
ロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基など
が挙げられる。なかでも炭素数1〜4のアルキル基、特
にメチル基、1,1−ジメチルエチル基が好ましい。こ
れらのアルキル基は置換基を有していてもよく、かかる
置換基としては、例えば水酸基;フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのア
ルコキシル基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などが挙げ
られる。
【0026】R1、R2およびR3が表すアルケニル基と
しては、炭素数3〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルケ
ニル基が好ましく、例えば2−プロペニル基、2−ブテ
ニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル
基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル
基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル
−2−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、2−
メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル
基、2−メチリデンブチル基、3−メチル−2−ブテニ
ル基、3−メチル−3−ブテニル基、1−エチル−2−
プロペニル基、1−ヘキセニル基などが挙げられる。ま
た、R1、R2およびR3が表すアルキニル基としては、
炭素数3〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキニル基が
好ましく、例えば2−プロピニル基、2−ブチニル基、
3−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル
基、4−ペンチニル基、3−メチル−2−プロピニル
基、2−エチニルプロピル基、2−ヘキシニル基などが
挙げられる。これらのアルケニル基およびアルキニル基
は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、
例えば水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;フェ
ノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基な
どのアラルキルオキシ基などが挙げられる。
【0027】R1、R2およびR3が表すアリール基とし
ては、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、例えば
フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニ
ル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニ
ル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチル
フェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、4−プロピ
ルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ナフチル基、
2,3−ジメチルナフチル基、2,4−ジメチルナフチ
ル基などが挙げられる。これらのアリール基は置換基を
有していてもよく、かかる置換基としては、例えば水酸
基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など
のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアル
コキシル基;フェニル基などのアリール基;ベンジルオ
キシ基などのアラルキルオキシ基などが挙げられる。
【0028】R1、R2およびR3が表すアラルキル基と
しては、炭素数7〜13のアラルキル基が好ましく、例
えばベンジル基、1−フェニルエチル基、ナフチルメチ
ル基などが挙げられる。これらのアラルキル基は置換基
を有していてもよく、かかる置換基としては、例えば水
酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子な
どのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのア
ルコキシル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル
オキシ基などのアラルキルオキシ基などが挙げられる。
【0029】R1、R2およびR3が表す基としては、炭
素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基が好ま
しく、なかでも炭素数1〜4のアルキル基、特にメチル
基、1,1−ジメチルエチル基が好ましい。
【0030】上記一般式中、R4が表す水酸基の保護基
としては、水酸基の保護基として作用する限りどのよう
な保護基でもよく、例えばtert−ブチル基、ter
t−アミル基などのアルキル基;ベンジル基、o−メチ
ルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベン
ジル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル
基、p−フェニルベンジル基、ジフェニルメチル基、ト
リフェニルメチル基などのアラルキル基;アセチル基、
クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロア
セチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシアセチル
基、トリフェニルメトキシアセチル基、フェノキシアセ
チル基、p−クロロフェノキシアセチル基、フェニルア
セチル基、ジフェニルアセチル基、プロピオニル基、ブ
チリル基、バレリル基、4−ペンテノイル基、ピバロイ
ル基、クロトノイル基、ベンゾイル基、o−メチルベン
ゾイル基、m−メチルベンゾイル基、p−メチルベンゾ
イル基、2,3−ジメチルベンゾイル基、2,4−ジメ
チルベンゾイル基、2,5−ジメチルベンゾイル基、
2,6−ジメチルベンゾイル基、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル基、p−フェニルベンゾイル基などのアシ
ル基;メトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2,2−
トリクロロエトキシカルボニル基、1,1−ジメチル−
2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、2−
(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基などのアル
コキシカルボニル基;ビニルオキシカルボニル基、アリ
ルオキシカルボニル基などのアルケニルオキシカルボニ
ル基;フェノキシカルボニル基、p−ニトロフェノキシ
カルボニル基などのアリールオキシカルボニル基;ベン
ジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシ
カルボニル基、3,4−ジメトキシベンジルオキシカル
ボニル基、o−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p
−ニトロベンジルオキシカルボニル基、2−(4−ニト
ロフェニル)エトキシカルボニル基、2−(2,4−ジ
ニトロフェニル)エトキシカルボニル基などのアラルキ
ルオキシカルボニル基;メトキシメチル基、ベンジルオ
キシメチル基、p−メトキシベンジルオキシメチル基、
p−ニトロベンジルメトキシメチル基、o−ニトロベン
ジルメトキシメチル基、(4−メトキシフェノキシ)メ
チル基、tert−ブトキシメチル基、2−メトキシエ
トキシメチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメ
チル基などのアルコキシアルキル基;トリメチルシリル
基、エチルジメチルシリル基、イソプロピルジメチルシ
リル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチ
ルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ト
リフェニルシリル基などの三置換シリル基などが挙げら
れる。なかでもアシル基、特にベンゾイル基が好まし
い。
【0031】以下、各工程について説明する。
【0032】工程1:化合物(I)の7位水酸基を保護
してプレグナン誘導体(II)を得る工程 化合物(I)の7位の水酸基の保護は、水酸基を保護す
るに際して通常行われる方法と同様の方法で行うことが
できる。
【0033】例えば、水酸基の保護基として、前記した
アルキル基またはアラルキル基を用いる場合は、ter
t−ブチルクロリド、tert−アミルクロリドなどの
アルキルハライド;ベンジルクロリド、ベンジルブロミ
ド、o−メチルベンジルクロリド、m−メチルベンジル
クロリド、p−メチルベンジルクロリド、p−ニトロベ
ンジルクロリド、p−メトキシベンジルクロリド、p−
フェニルベンジルクロリド、ジフェニルメチルクロリ
ド、トリフェニルメチルクロリドなどのアラルキルハラ
イドを、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カ
リウム、水素化カルシウムなどの金属水素化物;リチウ
ム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネ
シウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属;炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩;炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩などの塩基の存
在下に、化合物(I)と反応させることにより行うこと
ができる。アルキルハライドまたはアラルキルハライド
の使用量は、化合物(I)1モルに対して1モル以上が
好ましく、1〜10モルの範囲がより好ましい。また、
塩基の使用量は、アルキルハライドまたはアラルキルハ
ライド1モルに対して1モル以上が好ましく、1〜10
モルの範囲がより好ましい。
【0034】水酸基の保護基として、前記したアシル基
を用いる場合は、アセチルクロリド、アセチルブロミ
ド、クロロアセチルクロリド、ジクロロアセチルクロリ
ド、トリクロロアセチルクロリド、トリフルオロアセチ
ルクロリド、メトキシアセチルクロリド、トリフェニル
メトキシアセチルクロリド、トリフェニルメトキシアセ
チルブロミド、フェノキシアセチルクロリド、p−クロ
ロフェノキシアセチルクロリド、フェニルアセチルクロ
リド、フェニルアセチルブロミド、ジフェニルアセチル
クロリド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、
バレリルクロリド、4−ペンテノイルクロリド、ピバロ
イルクロリド、クロトノイルクロリド、ベンゾイルクロ
リド、ベンゾイルブロミド、o−メチルベンゾイルクロ
リド、m−メチルベンゾイルクロリド、p−メチルベン
ゾイルクロリド、2,3−ジメチルベンゾイルクロリ
ド、2,4−ジメチルベンゾイルクロリド、2,5−ジ
メチルベンゾイルクロリド、2,6−ジメチルベンゾイ
ルクロリド、2,4,6−トリメチルベンゾイルクロリ
ド、p−フェニルベンゾイルクロリドなどの酸ハロゲン
化物;無水酢酸、無水クロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、
無水トリクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水メト
キシ酢酸、無水トリフェニルメトキシ酢酸、無水フェノ
キシ酢酸、無水p−クロロフェノキシ酢酸、無水フェニ
ル酢酸、無水ジフェニル酢酸、無水4−ペンテン酸、無
水ピバリン酸、無水クロトン酸、無水安息香酸、無水p
−フェニル安息香酸などの酸無水物を、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシ
ウムなどの金属水素化物;リチウム、ナトリウム、カリ
ウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムな
どのアルカリ土類金属;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
などの炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
などの炭酸水素塩;トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−
ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、イミダゾールなどのアミン
などの塩基の存在下に、化合物(I)と反応させること
により行うことができる。酸ハロゲン化物または酸無水
物の使用量は、化合物(I)1モルに対して1モル以上
が好ましく、1〜10モルの範囲がより好ましい。ま
た、塩基の使用量は、酸ハロゲン化物または酸無水物1
モルに対して0.1モル以上が好ましく、1〜10モル
の範囲がより好ましい。さらに、2種類以上の塩基を共
存させてもよく、2種類以上の塩基を共存させる場合の
塩基の使用量は、酸ハロゲン化物または酸無水物1モル
に対して少なくとも一つの塩基が0.1モル以上である
ことが好ましく、一つの塩基が少なくとも0.1〜10
モルの範囲であることがより好ましい。
【0035】水酸基の保護基として、前記したアルコキ
シカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル
基を用いる場合、反応は、クロロギ酸メチル、クロロギ
酸エチル、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、
クロロギ酸9−フルオレニルメチル、クロロギ酸1,1
−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチル、クロロギ
酸2−(トリメチルシリル)エチルなどのアルコキシカ
ルボニルハライド;クロロギ酸ビニル、クロロギ酸アリ
ルなどのアルケニルオキシカルボニルハライド;クロロ
ギ酸フェニル、クロロギ酸p−ニトロフェニルなどのア
リールオキシカルボニルハライド;クロロギ酸ベンジ
ル、クロロギ酸p−メトキシベンジル、クロロギ酸3,
4−ジメトキシベンジル、クロロギ酸o−ニトロベンジ
ル、クロロギ酸p−ニトロベンジル、クロロギ酸2−
(4−ニトロフェニル)エチル、クロロギ酸2−(2,
4−ジニトロフェニル)エチルなどのアラルキルオキシ
カルボニルハライドを、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
などの炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
などの炭酸水素塩;トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−
ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、イミダゾールなどのアミン
などの塩基の存在下に、化合物(I)と反応させること
により行うことができる。アルコキシカルボニルハライ
ド、アルケニルオキシカルボニルハライド、アリールオ
キシカルボニルハライドまたはアラルキルオキシカルボ
ニルハライドの使用量は、化合物(I)1モルに対して
1モル以上が好ましく、1〜10モルの範囲がより好ま
しい。また、塩基の使用量は、アルコキシカルボニルハ
ライド、アルケニルオキシカルボニルハライド、アリー
ルオキシカルボニルハライドまたはアラルキルオキシカ
ルボニルハライド1モルに対して0.1モル以上が好ま
しく、1〜10モルの範囲がより好ましい。さらに、2
種類以上の塩基を共存させてもよく、2種類以上の塩基
を共存させる場合の塩基の使用量は、アルコキシカルボ
ニルハライド、アルケニルオキシカルボニルハライド、
アリールオキシカルボニルハライドまたはアラルキルオ
キシカルボニルハライド1モルに対して少なくとも一つ
の塩基が0.1モル以上であることが好ましく、一つの
塩基が少なくとも0.1〜10モルの範囲であることが
より好ましい。
【0036】前記したアルコキシアルキル基を水酸基の
保護基とする場合、反応は、1−メトキシメチルクロリ
ド、1−メトキシメチルブロミド、ベンジルオキシメチ
ルクロリド、p−メトキシベンジルオキシメチルクロリ
ド、p−ニトロベンジルメトキシメチルクロリド、o−
ニトロベンジルメトキシメチルクロリド、(4−メトキ
シフェノキシ)メチルクロリド、tert−ブトキシメ
チルクロリド、2−メトキシエトキシメチルクロリド、
2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドなど
のアルコキシアルキルハライドを、水素化リチウム、水
素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウムな
どの金属水素化物;リチウム、ナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどのア
ルカリ土類金属;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの
炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの
炭酸水素塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジ
イソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチ
ルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N
−ジエチルアニリンなどのアミンなどの塩基の存在下
に、化合物(I)と反応させることにより行うことがで
きる。アルコキシアルキルハライドの使用量は、化合物
(I)1モルに対して1モル以上が好ましく、1〜10
モルの範囲がより好ましい。塩基の使用量は、アルコキ
シアルキルハライド1モルに対して0.1モル以上が好
ましく、1〜10モルの範囲がより好ましい。さらに、
2種類以上の塩基を共存させてもよく、2種類以上の塩
基を共存させる場合の塩基の使用量は、アルコキシアル
キルハライド1モルに対して少なくとも一つの塩基が
0.1モル以上であることが好ましく、一つの塩基が少
なくとも0.1〜10モルの範囲であることがより好ま
しい。
【0037】水酸基の保護基として、前記した三置換シ
リル基を用いる場合、反応は、トリメチルシリルクロリ
ド、トリメチルシリルブロミド、エチルジメチルシリル
クロリド、イソプロピルジメチルシリルクロリド、te
rt−ブチルジメチルシリルクロリド、トリエチルシリ
ルクロリド、tert−ブチルジフェニルシリルクロリ
ド、トリフェニルシリルクロリドなどの三置換シリルハ
ライド;トリメチルシリル トリフルオロメタンスルホ
ネート、エチルジメチルシリル トリフルオロメタンス
ルホネート、イソプロピルジメチルシリル トリフルオ
ロメタンスルホネート、tert−ブチルジメチルシリ
ル トリフルオロメタンスルホネート、トリエチルシリ
ル トリフルオロメタンスルホネート、tert−ブチ
ルジフェニルシリル トリフルオロメタンスルホネー
ト、トリフェニルシリル トリフルオロメタンスルホネ
ートなどの三置換シリル トリフルオロメタンスルホネ
ートを、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属
水素化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸
塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸
水素塩;トリエチルアミン、ジエチルアミノピリジン、
イミダゾール、2,6−ルチジンなどのアミンなどの塩
基の存在下に、化合物(I)と反応させることにより行
うことができる。三置換シリルハライドまたは三置換シ
リル トリフルオロメタンスルホネートの使用量は、化
合物(I)1モルに対して1モル以上が好ましく、1〜
10モルの範囲がより好ましい。また、塩基の使用量
は、三置換シリルハライドまたは三置換シリル トリフ
ルオロメタンスルホネート1モルに対して0.1モル以
上が好ましく、0.1〜10モルの範囲がより好まし
い。さらに、2種類以上の塩基を共存させてもよく、2
種類以上の塩基を共存させる場合の塩基の使用量は、三
置換シリルハライドまたは三置換シリル トリフルオロ
メタンスルホネート1モルに対して少なくとも一つの塩
基が0.1モル以上であることが好ましく、一つの塩基
が少なくとも0.1〜10モルの範囲であることがより
好ましい。
【0038】化合物(I)の水酸基を保護する反応は、
溶媒の存在下または不存在下で行うことができる。使用
できる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に
制限はなく、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメ
トキシエタンなどのエーテル;ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン
などの炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミドなどの
N−アルキル置換アミドまたはこれらの混合物などが挙
げられる。溶媒を用いる場合、その使用量に特に制限は
ないが、通常、化合物(I)に対して1〜100重量倍
の範囲が好ましい。
【0039】反応温度は、−80℃〜200℃の範囲が
好ましく、−20℃〜180℃の範囲がより好ましい。
また、反応時間は、通常0.1〜100時間、好ましく
は1〜24時間である。
【0040】このようにして得られたプレグナン誘導体
(II)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられ
る方法により単離・精製することができる。例えば、反
応混合物を食塩水または水にあけ、ジエチルエーテル、
酢酸エチル、塩化メチレンなどの有機溶媒で抽出する。
抽出液を、必要に応じて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
などで洗浄して酸性物質を除去し、希塩酸、水、食塩水
などで洗浄して塩基性物質、水溶性物質を除去した後、
無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウムなどで乾燥
し、濃縮して得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、ク
ロマトグラフィー、再結晶などにより精製する。
【0041】特に7位水酸基の保護基として好適な保護
基として、ベンゾイル基が挙げられる。化合物(I)の
7位水酸基をベンゾイル基で保護した化合物(II−
1)、すなわち(5α,7α,20S)−21−
(((1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル)オキ
シ)−20−メチルプレグナ−3−オン−7−オール
ベンゾエートは、新規化合物であり、しかも工業的に容
易に実施可能な再結晶により精製することができるもの
である。
【0042】工程2:プレグナン誘導体(II)の21
位シリルオキシ基のシリル基を脱保護させて21−ヒド
ロキシプレグナン誘導体(III)を得る工程 プレグナン誘導体(II)の21位シリルオキシ基のシ
リル基を脱保護させて21−ヒドロキシプレグナン誘導
体(III)を得る反応は、通常知られているシリルオ
キシ基のシリル基を脱保護させる方法を使用できる(非
特許文献6など参照)。
【0043】反応に際しては、反応系に少なくとも塩類
または酸を共存させることが特に好ましい。かかる塩類
としては、例えば、テトラメチルアンモニウムフルオリ
ド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、テトラプロ
ピルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウ
ムフルオリドなどの含フッ素アンモニウム塩類;フッ化
リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化
セシウムなどの含フッ素アルカリ金属塩類;フッ化カル
シウムなどの含フッ素アルカリ土類金属塩類などが挙げ
られる。また、酸としては、例えば、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン
酸;フッ化水素酸、塩酸、硫酸などの鉱酸;トリフルオ
ロホウ素、トリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体な
どのルイス酸;酢酸;トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢
酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などの含ハロゲン酢
酸類などが挙げられる。
【0044】塩類を共存させる場合、その使用量に特に
制限はないが、通常、プレグナン誘導体(II)1モル
に対して1モル以上が好ましく、1〜10モルの範囲が
より好ましい。また、酸を共存させる場合、その使用量
に特に制限はないが、通常、プレグナン誘導体(II)
1モルに対して0.001モル以上が好ましく、0.0
1〜1モルの範囲がより好ましい。また、上記の酸、塩
類の2種類以上を混合させて使用してもよい。
【0045】反応は、溶媒の存在下または不存在下で行
うことができる。使用できる溶媒としては、反応に悪影
響を与えない限り特に制限はないが、好ましくは有機溶
媒が挙げられ、例えばメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベン
ジルアルコールなどのアルコール;テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテ
ル;トルエン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、石油エーテルなどの炭化水素;ジクロロメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロ
ロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど
のハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などが挙げ
られる。溶媒を使用する場合、その使用量に特に制限は
ないが、通常、プレグナン誘導体(II)に対して1〜
200重量倍の範囲が好ましい。
【0046】また反応は、反応に悪影響を与えない限り
水の存在下または不存在下で行うこともできる。水が存
在する場合、その存在量に特に制限はないが、通常、プ
レグナン誘導体(II)に対して0.001〜200重
量倍の範囲が好ましい。さらに上記溶媒中に含有する
水、また上記の酸、塩類またはこれら混合物に含有する
水の存在下または不存在下で反応を行ってもよく、含有
される水の重量は通常、プレグナン誘導体(II)に対
して0.001〜200重量倍の範囲が好ましい。
【0047】反応温度は、−100℃〜200℃の範囲
が好ましく、−30℃〜180℃の範囲がより好まし
い。また、反応時間は、通常0.1〜100時間、好ま
しくは1〜24時間である。
【0048】反応は、プレグナン誘導体(II)、必要
に応じて塩類または酸、溶媒を混合し、所定温度で撹拌
して行うのが好ましい。
【0049】このようにして得られた21−ヒドロキシ
プレグナン誘導体(III)は、通常の有機化合物の単
離・精製に用いられる方法により単離・精製することが
できる。例えば、反応混合物を食塩水または水にあけ、
ジエチルエーテル、酢酸エチル、塩化メチレンなどの有
機溶媒で抽出する。抽出液を、必要に応じて飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液などで洗浄して酸性物質を除去し、
希塩酸、水、食塩水などで洗浄して水溶性物質を除去し
た後、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウムなど
で乾燥し、濃縮して得られる粗生成物を必要に応じて蒸
留、クロマトグラフィー、再結晶などにより精製する。
【0050】21−ヒドロキシプレグナン誘導体(II
I)、例えば(5α,7α,20S)−21−ヒドロキ
シ−20−メチルプレグナン−3−オン−7−オール
ベンゾエートは、3位ケトンを保護することにより(5
α,7α,20S)−21−ヒドロキシ−3−(スピロ
−2'−(1',3'−ジオキソラン))−20−メチル
プレグナン−7−オール ベンゾエートとし、ついで2
1位水酸基を酸化して(5α,7α,20S)−20−
ホルミル−3−(スピロ−2'−(1',3'−ジオキソ
ラン))−プレグナン−7−オール ベンゾエートに誘
導される(参考例4〜6参照)。この化合物は、ジエチ
ルホスホノ−3−メチル−2−ブタノンとの反応により
(5α,7α,20R,22E)−24−オキソ−3−
(スピロ−2'−(1',3'−ジオキソラン))−コレ
ステ−7−オール ベンゾエートに誘導され、さらに、
非特許文献1;非特許文献2に記載された方法(下記ス
キーム参照)によりスクアラミンに変換される。
【0051】
【化13】
【0052】ところで、上記工程1の出発原料である2
1−シリルオキシプレグナン誘導体(I)、例えば(5
α,7α,20S)−7−ヒドロキシ−20−メチルプ
レグナ−3−オン−21−オール (1,1−ジメチル
エチル)ジメチルシリル エーテルの合成方法は、公知
である(非特許文献5;特許文献3参照)。しかしなが
ら、(5α,7α,20S)−7−ヒドロキシ−20−
メチルプレグナ−3−オン−21−オール (1,1−
ジメチルエチル)ジメチルシリル エーテルが再結晶法
により精製可能であることは知られていない。
【0053】また、化合物(I)の7位水酸基をベンゾ
イル基で保護した化合物(II−1)、すなわち(5
α,7α,20S)−21−(((1,1−ジメチルエ
チル)ジメチルシリル)オキシ)−20−メチルプレグ
ナ−3−オン−7−オール ベンゾエートは、工業的に
容易に実施可能な再結晶法により精製することができ
る。
【0054】すなわち、(5α,7α,20S)−7−
ヒドロキシ−20−メチルプレグナ−3−オン−21−
オール (1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル
エーテルおよび(5α,7α,20S)−21−
(((1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル)オキ
シ)−20−メチルプレグナ−3−オン−7−オール
ベンゾエート(すなわち、21−シリル−20−メチル
プレグナン誘導体(IV))は結晶性を有するので、こ
れらを製造する工程から得られる粗生成物は、工業的に
容易に実施可能な再結晶操作、例えば溶媒存在下、粗生
成物を加熱させ溶媒に溶解後冷却することにより溶媒中
から目的物を析出させる再結晶法ないしは溶媒中で粗生
成物を懸濁洗浄させ夾雑物を溶媒中に溶解させて精製す
る懸濁洗浄法により精製することができる。
【0055】以下、21−シリル−20−メチルプレグ
ナン誘導体(IV)の結晶化による精製方法(結晶精製
法)の一例を説明する。
【0056】工程3:21−シリル−20−メチルプレ
グナン誘導体(IV)の結晶精製法 21−シリル−20−メチルプレグナン誘導体(IV)
の結晶精製は通常溶媒中で行うことができる。
【0057】溶媒としては、21−シリル−20−メチ
ルプレグナン誘導体(IV)の溶媒への溶解度(以下、
単に溶解度と称する)が高温の場合において大きく、低
温の場合に小さい溶媒が好ましい。高温の場合としては
例えば溶媒の加熱還流下を挙げることができ、低温の場
合としては例えば室温以下、あるいは室温以上に溶媒の
凝固点がある場合は溶媒の凝固点付近を挙げることがで
きる。なお、本明細書中でいう室温とは15〜30℃の
ことである。高温の場合の溶解度と低温の場合の溶解度
の差は、差があるほど好適であるが、少なくとも溶解度
が高温の場合の溶解度が低温の場合の溶解度の10%以
上大きいことが望ましい。
【0058】また、21−シリル−20−メチルプレグ
ナン誘導体(IV)の溶解度が、低温、例えば室温にお
いて溶媒の重量に対して50%以下、望ましくは10%
以下である溶媒が好ましい。
【0059】溶媒は、低温での溶解度が小さく、高温で
の溶解度が高い溶媒であればどのような溶媒でもよい
が、好ましくは有機溶媒が挙げられ、例えば、ペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシク
ロヘキサン、オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化
水素;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、ジ(n−プロピル)エ
ーテル、ジ(n−ブチル)エーテル、テトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロピランなどのエーテル;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢
酸n−ブチルなどのエステルまたはこれらの混合物など
が挙げられる。
【0060】溶媒の使用量に特に制限はないが、通常、
21−シリル−20−メチルプレグナン誘導体(IV)
に対して0.001〜1000重量倍の範囲、好ましく
は0.01〜100重量倍の範囲である。
【0061】21−シリル−20−メチルプレグナン誘
導体(IV)の結晶精製において特に好適な溶媒として
は、R41が水素原子を表すとき、エーテル(特にジイソ
プロピルエーテル);R41がベンゾイル基を表すとき、
脂肪族炭化水素(特にヘキサン)が挙げられる。
【0062】結晶精製の際の温度としては、−40℃か
ら200℃までが好ましく、特に−20℃から180℃
ないしは当該溶媒の大気圧下の沸点の範囲が特に好まし
い。圧力は、大気圧下から減圧下が好ましく、減圧下で
行う場合は温度範囲が−40℃から200℃になるよう
な圧力範囲が好ましい。
【0063】結晶精製の方法は、21−シリル−20−
メチルプレグナン誘導体(IV)の粗結晶に上記溶媒を
添加するか、上記溶媒に21−シリル−20−メチルプ
レグナン誘導体(IV)の粗結晶を加え、撹拌する。必
要に応じて加熱し、粗結晶が溶解したことを確認後、冷
却させ、結晶を析出させる。冷却時に必要に応じて種結
晶を結晶析出の助剤として添加してもよい。
【0064】また、21−シリル−20−メチルプレグ
ナン誘導体(IV)の粗結晶を含む反応抽出液を大気圧
ないしは減圧下に加熱濃縮して粗結晶とする際、上記溶
媒を添加して上記溶媒に濃縮置換し、粗結晶を得ること
なく結晶精製を行ってもよく、溶媒濃縮置換後の冷却時
に種結晶を結晶析出の助剤として添加してもよい。
【0065】これら結晶精製において、結晶を析出させ
る時間あるいは不純物を除去させる時間としては、結晶
精製の際の温度において、溶媒に溶解していた目的化合
物が析出し、溶媒中に目的化合物が飽和している状態、
あるいは目的化合物中に含まれる不純物が十分に溶媒に
溶解し、不純物が溶媒中に飽和している状態となるまで
の時間であることが望ましく、例えば0.01〜100
時間の範囲であるのが好ましく、0.1〜24時間の範
囲であるのがより好ましい。
【0066】得られた結晶を含む溶液からの結晶の分離
は、濾紙、濾布上に結晶を含む溶液を展開し、濾過する
ことにより行う。必要に応じて上記溶媒で結晶を洗浄し
てもよく、また溶媒を除去するために乾燥器等で乾燥さ
せてもよい。
【0067】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定さ
れるものではない。
【0068】参考例1 (7α,20S)−7,21−
ジヒドロキシ−20−メチルプレグナ−1,4−ジエン
−3−オンの合成 (7α,20S)−7−ヒドロキシ−3−オキソプレグ
ナ−1,4−ジエン−20−カルバルデヒド20.0g
(54.8mmol)にエタノール200mlを加え、
撹拌しながら氷冷した。この溶液に、水素化ホウ素ナト
リウム0.61g(16.1mmol)を数回に分けて
加え、添加終了後、氷冷下で1時間撹拌した。反応液に
3%塩酸を加えて中和し、さらに水200mlを加えた
後、エタノールを減圧下で留去した。残留物中に析出し
た粗結晶を濾過して回収後、水洗した。得られた粗結晶
にトルエンを添加して加熱し、粗結晶中の水をトルエン
との共沸により除去した後、トルエンを減圧下で留去す
ることにより、下記の物性を有する(7α,20S)−
7,21−ジヒドロキシ−20−メチルプレグナ−1,
4−ジエン−3−オン18.8g(収率93%)を得
た。
【0069】1H−NMRスペクトル(270MHz、
CDCl3、TMS、ppm) δ:0.765(s,
3H),1.048(d,3H,J=6.6Hz),
1.238(s,3H),2.490(dd,1H,J
=3.3,13.9Hz),2.737(ddd,1
H,J=1.8,3.3,13.9Hz),3.366
(dd,1H,J=6.9,10.2Hz),3.63
5(dd,1H,J=3.3,10.2Hz),4.0
41(brs,1H),6.143(m,1H),6.
253(dd,1H,J=1.8,10.1Hz),
7.072(d,1H,J=10.1Hz).
【0070】参考例2 (5α,7α,20S)−7,
21−ジヒドロキシ−20−メチルプレグナ−3−オン
の合成 窒素雰囲気下、容量200mlの三口フラスコに液体ア
ンモニア(70ml)を−78℃でため、次いでリチウ
ム金属0.403g(58.1mmol)を−78℃に
保ちながらゆっくり加えた。リチウム金属を完全に溶解
させた後、この混合物に参考例1の方法で得られた(7
α,20S)−7,21−ジヒドロキシ−20−メチル
プレグナ−1,4−ジエン−3−オン2.00g(5.
81mmol)をテトラヒドロフラン50mlに懸濁さ
せた溶液をゆっくり滴下し、滴下終了後、−78℃で2
時間撹拌した。反応液に塩化アンモニウム3.73g
(69.7mmol)を加えた後、反応液を室温まで徐
々に昇温しながら12時間撹拌し、アンモニアを除去し
た。得られた白色の残渣にトルエン50mlおよび3%
塩酸100mlを加えて溶解させ、有機層と水層を分離
した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、濃縮し、得られた粗生成物2.09gを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:酢酸エ
チル/ヘキサン=2/1(容量比))で精製することに
より、下記の物性を有する(5α,7α,20S)−
7,21−ジヒドロキシ−20−メチルプレグナ−3−
オン1.32gを得た(収率65%)。
【0071】(5α,7α,20S)−7,21−ジヒ
ドロキシ−20−メチルプレグナ−3−オン1 H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl3、T
MS、ppm) δ:0.710(s,3H),1.0
07(s,3H),1.044(d,3H,J=6.9
Hz),1.0−2.5(m,22H),3.339
(dd,1H,J=6.9,10.9Hz),3.61
4(dd,1H,J=3.0,10.9Hz),3.8
4−3.85(brs,1H).
【0072】参考例3 (5α,7α,20S)−7−
ヒドロキシ−20−メチルプレグナ−3−オン−21−
オール (1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル
エーテルの合成(21−シリルオキシプレグナン誘導体
(I)の合成) 窒素雰囲気下、容量500mlのフラスコに参考例2の
方法で得られた(5α,7α,20S)−7,21−ジ
ヒドロキシ−20−メチルプレグナ−3−オン56.3
5g(0.162mol)、イミダゾール14.8g
(0.217mol)およびテトラヒドロフラン250
mlを入れて撹拌しながら溶解させ、氷冷した。この溶
液に、tert−ブチルジメチルクロロシラン26.2
g(0.174mol)を添加し、添加終了後、氷冷下
で15分間撹拌し、その後、室温まで昇温して1時間撹
拌した。反応液を水500mlにあけ、酢酸エチル25
0mlで2回抽出した。水層を分離した有機層を水25
0ml、飽和食塩水250mlで順次洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、濃縮し、粗(5α,7α,20
S)−7−ヒドロキシ−20−メチルプレグナ−3−オ
ン−21−オール (1,1−ジメチルエチル)ジメチ
ルシリル エーテル69.98gを得た。
【0073】実施例1 (5α,7α,20S)−7−
ヒドロキシ−20−メチルプレグナ−3−オン−21−
オール (1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル
エーテルの精製(21−シリル−20−メチルプレグナ
ン誘導体(IV)の結晶精製法) 参考例3で得られた粗(5α,7α,20S)−7−ヒ
ドロキシ−20−メチルプレグナ−3−オン−21−オ
ール (1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル エ
ーテル69.98gにジイソプロピルエーテル140m
lを添加し、室温下1時間撹拌した。撹拌後濾過し、得
られた結晶をジイソプロピルエーテル169mlで洗浄
したのちに減圧乾燥させることにより、下記の物性を有
する(5α,7α,20S)−7−ヒドロキシ−20−
メチルプレグナ−3−オン−21−オール (1,1−
ジメチルエチル)ジメチルシリル エーテル37.39
gを得た(参考例3と実施例1を通しての通算収率50
%)。
【0074】1H−NMRスペクトル(270MHz、
CDCl3、TMS、ppm) δ:0.029(s,
6H),0.699(s,3H),0.890(s,9
H),0.992(d,3H,J=7.9Hz),1.
007(s,3H),1.1−2.4(m,22H),
3.264(dd,1H,J=7.9,9.9Hz),
3.570(dd,1H,J=3.0,9.9Hz),
3.874(bd,1H,J=1.7Hz). 融点:211〜217℃
【0075】実施例2 (5α,7α,20S)−21
−(((1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル)オ
キシ)−20−メチルプレグナ−3−オン−7−オール
ベンゾエートの合成(プレグナン誘導体(II)を得
る工程) 窒素雰囲気下、容量500mlのフラスコに実施例1の
方法で得られた(5α,7α,20S)−7−ヒドロキ
シ−20−メチルプレグナ−3−オン−21−オール
(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル エーテル
37.39g(80.8mmol)、4−ジメチルアミ
ノピリジン9.7g(79.4mmol)、ピリジン3
2.6ml(403mmol)、炭酸カリウム11.2
g(81.0mmol)およびトルエン370mlを入
れて撹拌しながら氷冷した。この溶液に、ベンゾイルク
ロリド23.46ml(202mmol)をゆっくり滴
下し、滴下終了後、氷冷下で15分間撹拌し、その後、
加熱還流させ9時間撹拌した。反応液を水300mlに
展開し、有機層と水層を分離し、水層をトルエン300
mlで再抽出した。水層分離後、有機層を混合後、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液300ml、水300ml、
希塩酸1982ml(35%塩酸33mlと水1949
mlより調製)、水300mlで順次洗浄した。水層分
離後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過濃縮すること
により、粗(5α,7α,20S)−21−(((1,
1−ジメチルエチル)ジメチルシリル)オキシ)−20
−メチルプレグナ−3−オン−7−オール ベンゾエー
ト55.1gを得た。
【0076】実施例3 (5α,7α,20S)−21
−(((1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル)オ
キシ)−20−メチルプレグナ−3−オン−7−オール
ベンゾエートの精製(21−シリル−20−メチルプ
レグナン誘導体(IV)の結晶精製法) 実施例2で得られた粗(5α,7α,20S)−21−
(((1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル)オキ
シ)−20−メチルプレグナ−3−オン−7−オール
ベンゾエート55.1gにヘキサン200mlを添加
し、65℃に加熱し溶解させた。溶解確認後、15分間
攪拌し、冷却した。氷冷下15分間撹拌後、濾過し、氷
冷下で冷却したヘキサン50mlで2回析出物を洗浄し
た。析出物を減圧下乾燥させることにより下記物性を有
する(5α,7α,20S)−21−(((1,1−ジ
メチルエチル)ジメチルシリル)オキシ)−20−メチ
ルプレグナ−3−オン−7−オール ベンゾエート2
6.2gを得た(実施例2,3を通しての通算収率57
%)。
【0077】1H−NMRスペクトル(270MHz、
CDCl3、クロロホルム基準(7.26ppm)、p
pm) δ:−0.005(s,6H),0.721
(s,3H),0.860(s,9H),0.985
(d,3H,J=5.9Hz),1.079(s,3
H),1.0−1.8(m,15H),1.9−2.5
(m,7H),3.171(dd,1H,J=8.9,
9.9Hz),3.543(dd,1H,J=3.0,
9.9Hz),5.184(bd,1H,J=2.0H
z),7.467(dd,2H,J=6.9,7.9H
z),7.576(dd,1H,J=6.9,6.9H
z),8.011(d,2H,J=7.9Hz). 融点:166〜169℃
【0078】実施例4 (5α,7α,20S)−21
−ヒドロキシ−3−オキソ−20−メチルプレグナン−
7−オール ベンゾエートの合成(21−ヒドロキシプ
レグナン誘導体(III)を得る工程) 50mlの三口フラスコ中で実施例3の方法で得られた
(5α,7α,20S)−21−(((1,1−ジメチ
ルエチル)ジメチルシリル)オキシ)−20−メチルプ
レグナ−3−オン−7−オール ベンゾエート1.00
g(1.76mmol)をテトラヒドロフラン10ml
に溶解させ、ついで9%塩酸0.6mlを添加し、40
℃で7時間撹拌した。反応完結後、反応液を濃縮し、水
20ml、酢酸エチル30mlを加え抽出した。水層を
分離し、分離した水層をさらに酢酸エチル20mlで抽
出した。有機層を混合し、飽和重曹水10mlで2回洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濃
縮し、下記物性を有する粗(5α,7α,20S)−2
1−ヒドロキシ−3−オキソ−20−メチルプレグナン
−7−オール ベンゾエート0.80gを得た。得られ
た粗生成物にアセトン2mlを添加し、加熱溶解後氷冷
した。結晶を濾過し、氷冷したアセトン0.5mlで析
出物を洗浄した。析出物を減圧下乾燥させることによ
り、(5α,7α,20S)−21−ヒドロキシ−3−
オキソ−20−メチルプレグナン−7−オール ベンゾ
エート0.30gを得た(収率38%)。
【0079】1H−NMRスペクトル(270MHz、
CDCl3、TMS、ppm) δ:0.729(3
H,s),1.044(3H,d,J=5.9Hz),
1.080(3H,s),0.9−2.5(22H,
m),3.341(1H,dd,J=5.9,9.9H
z),3.587(1H,dd,J=2.0,9.9H
z),5.192(1H,bs),7.475(2H,
d,J=7.9Hz),7.557(1H,dd,J=
6.9,7.9Hz),8.006(2H,d,J=
6.9Hz). 融点:156〜161℃
【0080】実施例5 (5α,7α,20S)−21
−ヒドロキシ−3−オキソ−20−メチルプレグナン−
7−オール ベンゾエートの合成(21−ヒドロキシプ
レグナン誘導体(III)を得る工程) 50mlの三口フラスコ中で実施例3の方法で得られた
(5α,7α,20S)−21−(((1,1−ジメチ
ルエチル)ジメチルシリル)オキシ)−20−メチルプ
レグナ−3−オン−7−オール ベンゾエート5.00
g(8.82mmol)をテトラヒドロフラン50ml
に溶解させ、ついで18%塩酸1.74mlを添加し、
40℃で7時間撹拌した。反応完結後、反応液を濃縮
し、酢酸エチル50mlを加え抽出した。水層を分離
し、飽和重曹水30mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥させた。濾過後、濃縮し、実施例4と同様に、
粗(5α,7α,20S)−21−ヒドロキシ−3−オ
キソ−20−メチルプレグナン−7−オール ベンゾエ
ート3.99gを得た。得られた粗生成物にアセトン1
4mlを添加し、加熱溶解後氷冷した。結晶を濾過し、
氷冷したアセトン0.5mlで析出物を洗浄した。析出
物を減圧下乾燥させることにより、(5α,7α,20
S)−21−ヒドロキシ−3−オキソ−20−メチルプ
レグナン−7−オール ベンゾエート2.60gを得た
(収率65%)。
【0081】参考例4 (5α,7α,20S)−21
−ヒドロキシ−3−(スピロ−2'−(1',3'−ジオ
キソラン))−20−メチルプレグナン−7−オール
ベンゾエートの合成 実施例4の方法で得られた(5α,7α,20S)−2
1−ヒドロキシ−3−オキソ−20−メチルプレグナン
−7−オール ベンゾエート16.59g(36.65
mmol)をトルエン166mlに溶解させ、エチレン
グリコール16.0g(258mmol)、p−トルエ
ンスルホン酸・1水和物0.49g(2.6mmol)
を添加し、加熱還流下40時間撹拌した。反応完結後、
飽和重曹水100mlに反応液を添加し、洗浄した。水
層を分離後、有機層を飽和食塩水100mlで洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過濃縮
し、得られた粗生成物16.2gをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1
/6)で精製することにより、下記物性を有する(5
α,7α,20S)−21−ヒドロキシ−3−(スピロ
−2'−(1',3'−ジオキソラン))−20−メチル
プレグナン−7−オール ベンゾエート5.16gを得
た(収率28%)。
【0082】1H−NMRスペクトル(270MHz、
CDCl3、TMS、ppm) δ:0.699(s,
3H),0.882(s,3H),1.039(d,3
H,J=6.9Hz),1.00−2.10(m,22
H),3.328(dd,1H,J=5.9,9.9H
z),3.577(dd,1H,J=3.0,9.9H
z),3.83−3.93(m,4H),5.159
(brd,1H,J=2.0Hz),7.48(dd,
2H,J=6.9,6.9Hz),7.59(d,1
H,J=6.9Hz),8.056(d,2H,J=
6.9Hz).
【0083】参考例5 (5α,7α,20S)−21
−ヒドロキシ−3−(スピロ−2'−(1',3'−ジオ
キソラン))−20−メチルプレグナン−7−オール
ベンゾエートの合成 実施例4の方法で得られた(5α,7α,20S)−2
1−ヒドロキシ−3−オキソ−20−メチルプレグナン
−7−オール ベンゾエート3.97g(8.77mm
ol)をトルエン49mlに溶解させ、エチレングリコ
ール2.75g(44.3mmol)、p−トルエンス
ルホン酸・1水和物0.05g(0.3mmol)を添
加し、加熱還流下4時間撹拌した。反応完結後、飽和重
曹水10mlに反応液を添加し、洗浄した。水層を分離
後、有機層を飽和食塩水10mlで洗浄した。有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過濃縮し、得られた粗
生成物4.71gをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1/6)で精製す
ることにより、参考例4と同様に、(5α,7α,20
S)−21−ヒドロキシ−3−(スピロ−2'−(1',
3'−ジオキソラン))−20−メチルプレグナン−7
−オール ベンゾエート3.44gを得た(収率79
%)。
【0084】参考例6 (5α,7α,20S)−20
−ホルミル−3−(スピロ−2'−(1',3'−ジオキ
ソラン))−プレグナン−7−オール ベンゾエートの
合成 参考例4の方法で得られた(5α,7α,20S)−2
1−ヒドロキシ−3−(スピロ−2'−(1',3'−ジ
オキソラン))−20−メチルプレグナン−7−オール
ベンゾエート21.4g(43mmol)、2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ,フリ
ーラジカル0.13g(0.8mmol)をジクロロメ
タン214mlに溶解させて氷冷し、この溶液に、臭化
カリウム0.51g(4.3mmol)を水21mlに
溶解させて得られた溶液を氷冷下で添加して、激しく撹
拌させた。次いで、この混合液に、次亜塩素酸ナトリウ
ム水溶液(2.64wt%,108ml,40mmo
l)に炭酸水素ナトリウム(1.0g)を添加した水溶
液を氷冷下で滴下し、滴下終了後、氷冷下で2時間反応
させた。反応終了後、有機層と水層を分離し、水層をジ
クロロメタンで抽出した(30ml×2)。抽出液を有
機層と合わせて水(50ml×2)、飽和食塩水(20
ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1/4
(容量比))で精製することにより、下記の物性を有す
る(5α,7α,20S)−20−ホルミル−3−(ス
ピロ−2'−(1',3'−ジオキソラン))−プレグナ
ン−7−オール ベンゾエート16.9gを得た(収率
79%)。
【0085】1H−NMRスペクトル(270MHz、
CDCl3、TMS、ppm) δ:0.725(s,
3H),0.886(s,3H),1.108(d,3
H,J=6.9Hz),1.13−1.97(m,21
H),2.30−2.38(m,1H),3.830−
3.929(m,4H),5.166(m,1H),
7.483(dd,2H,J=6.9,6.9Hz),
7.580(ddd,1H,J=2.0,6.9,6.
9Hz),8.050(dd,2H,J=2.0,6.
9Hz),9.518(d,1H,J=3.0Hz).
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、スクアラミンの合成中
間体などとして有用なプレグナン誘導体を、入手容易な
原料より、短段階で効率よく製造することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C091 AA01 BB01 CC03 DD01 EE07 FF01 GG13 HH01 JJ03 KK01 LL01 MM03 NN01 PA02 PA05 PB03 QQ01 RR08 4H006 AA01 AB84 AC80 4H049 VN01 VP01 VQ24 VQ30 VR23 VR41 VS24 VS30 VU06 VW02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して置換基
    を有していてもよいアルキル基、置換基を有していても
    よいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニ
    ル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換
    基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で示され
    る21−シリルオキシプレグナン誘導体に、塩基の存在
    下で、水酸基を保護することを特徴とする式(II) 【化2】 (式中、R1、R2およびR3は前記と同義であり、R4
    水酸基の保護基を表す。)で示されるプレグナン誘導体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化3】 (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して置換基
    を有していてもよいアルキル基、置換基を有していても
    よいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニ
    ル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換
    基を有していてもよいアラルキル基を表し、R4は水酸
    基の保護基を表す。)で示されるプレグナン誘導体の2
    1位シリルオキシ基のシリル基を脱保護することを特徴
    とする一般式(III) 【化4】 (式中、R4は前記と同義である。)で示される21−
    ヒドロキシプレグナン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(IV) 【化5】 (式中、R41は水素原子またはベンゾイル基を表す。)
    で示される21−(((1,1−ジメチルエチル)ジメ
    チルシリル)オキシ)−20−メチルプレグナン誘導体
    の精製法であって、該21−(((1,1−ジメチルエ
    チル)ジメチルシリル)オキシ)−20−メチルプレグ
    ナン誘導体を結晶化させることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 式(II−1) 【化6】 で示される(5α,7α,20S)−21−(((1,
    1−ジメチルエチル)ジメチルシリル)オキシ)−20
    −メチルプレグナ−3−オン−7−オール ベンゾエー
    ト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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