JP2003245829A - 放電加工機の加工液供給装置および供給方法 - Google Patents

放電加工機の加工液供給装置および供給方法

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JP2003245829A JP2002044914A JP2002044914A JP2003245829A JP 2003245829 A JP2003245829 A JP 2003245829A JP 2002044914 A JP2002044914 A JP 2002044914A JP 2002044914 A JP2002044914 A JP 2002044914A JP 2003245829 A JP2003245829 A JP 2003245829A
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敦司 岡田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 導電粒子の使用量を削減できるために処理コ
ストの低下を図ることができるとともに、安定した放電
加工を長期間にわたって維持できる放電加工機の加工液
供給装置および加工液供給方法を提供する。 【解決手段】加工液供給装置21は放電加工液収容槽22
と、汚濁加工液収容槽23と、汚濁加工液収容槽23に収容
された加工液30から残渣を除去するための濾過器24と、
濾過器24により残渣が除去された加工液30を加工液30を
放電加工液収容槽22へ供給するための清浄加工液収容槽
25とを備える。濾過器24が加工液30を逆洗して汚濁加工
液収容槽23に逆流させるとともに、放電加工液収容槽22
および汚濁加工液収容槽23の間に、放電加工液収容槽22
から排出される加工液30に含まれる残渣を除去するため
の、磁力を利用した第1の残渣除去装置26、および、重
力を利用した第2の残渣除去装置27を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電加工機の加工
液供給装置および加工液供給方法に関する。具体的に
は、本発明は、例えば、電極内部から加工液を供給させ
ながら、鋼帯の圧延ロールの表面を放電ダル加工(粗面
化加工)するための放電ダル加工機の加工液供給装置お
よび加工液供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、放電加工とは、パルス状
の放電で材料を加熱および溶融することにより除去加工
を行う加工法であり、例えば圧延用ワークロールの表面
にダル加工を施す際に利用される。なお、以降の説明で
は、被加工材が鋼帯の圧延用ロールである場合を例にと
る。
【0003】この放電加工は、鉱油や脱イオン状態にあ
る水等の加工液中で電極と圧延用ロールとの間にパルス
状の50〜300V程度の電圧を印加することによって放電を
繰り返し発生させ、放電による溶融現象と冷却による溶
融部の飛散現象とを繰り返し生じさせることが可能な放
電加工機を用いて、行われる。この放電加工機において
加工液を用いる理由は、電極と圧延用ロールとの間の間
隙を電気的絶縁性を有する加工液で満たすことにより、
放電に必要な電気的絶縁を確保するとともに、加工粉の
排出や加工熱の冷却等を併せて行うためである。したが
って、圧延用ロールに高品質の放電加工を安定して行う
ためには、放電加工機への加工液の供給に充分配慮する
必要がある。
【0004】図6は、一般的な放電ダル加工機1を用い
て圧延用ロール4に放電加工を行う際における加工液供
給装置2の構成例を模式的に示す説明図である。同図に
示すように、放電加工機本体3および圧延用ロール4
は、ともに、放電加工液収容槽5の内部に配置される。
放電加工液収容槽5には加工液6が満たされており、電
極3aと圧延用ロール4との間の間隙が加工液6により満
たされる。
【0005】放電加工液収容槽5内の加工液6は、クリ
ーンタンク7からポンプ (図示しない) によって供給さ
れる。放電加工液収容槽5へ供給された加工液6は、放
電加工後に一旦ダーティータンク8へ戻され、逆洗機能
付きの濾過器9へ送られて固形物を捕捉・除去された後
に、クリーンタンク7へ移送される。濾過器9により捕
捉された固形物は、逆洗工程によってスラッジバック10
へ排出される。なお、濾過器9により捕捉される固形物
とは、放電加工によって発生した圧延用ロール4あるい
は電極3aの消耗粉や塵埃等であり、加工液6にカーボン
等の粒子を添加した場合にはこの粒子も含まれる。な
お、加工液供給装置2は、このような循環系統に加え
て、さらにこの循環系統外に沈殿タンク (図示しない)
を設置して、定期的に加工液6を入れ替えることも一般
的に行われている。
【0006】ところで、放電加工の問題点として、放電
の集中現象による局部加工が挙げられる。特に、圧延用
ロール4にダル加工を行う、いわゆる放電ダル加工は、
一般に圧延ロール4を回転させながら、電極3aや圧延用
ロ一ル4をロール回転軸方向(図面に直交する方向) に
往復移動させながら行われるため、局部放電痕が電極の
通り道に沿ったスパイラル状の筋模様となって表れ易
く、圧延用ロール4の表面に欠陥を生じることがある。
そのため、放電の集中現象を抑制するために、加工液6
中にシリコンやカーボン等の導電粒子を添加する方法が
知られている。
【0007】例えば米国特許第4870243 号では、添加す
る導電粒子の濃度は加工液6に対して0.05〜7質量%が
好適であり、また、添加する導電粒子の大きさは7μm
以上が好適であるとしている。また、放電加工における
電極3aと圧延用ロール4との間隙は加工する目的にもよ
るが、圧延用ロール4の表面を粗面化する放電ダル加工
では概して数μm〜数10μm程度であるとされている。
さらに、電極3aの消耗や圧延用ロール4の粗面化による
加工残査の発生もあり、これら残査は概して比重が大き
いため、放電加工液収容槽5に沈殿し易く、装置廻りに
溜まり易いことら、定期的に除去することが必要とな
る。
【0008】つまり、放電加工機における加工液供給装
置には、ある程度の大きさの導電粒子をある程度の濃度
に保ちながら、発生する加工残査をできるだけ系外へ排
出することが求められる。そのためには、加工液6の濾
過器を設置し、定期的に沈殿除去を行えばよいのではと
も一見考えられる。しかし、濾過器や放電加工液収容槽
への沈殿によって、加工に必要となる粒子も同時に捕捉
されてしまうため、その都度導電粒子を補給せねばなら
ず、その費用や作業の繁雑さが懸念される。
【0009】そこで、特開平2−30423 号公報には、図
7に示すように、放電加工液収容槽11内の電極12と被加
工物13とで形成する加工極間に荒加工時には加工液を供
給するとともに、仕上加工時にはシリコン粉末を混入し
た加工液を供給して被加工物13の放電加工を行う放電加
工機14において、シリコン粉末を加工液内に混入させる
混合用のタンク15と、加工液に含まれたシリコン粉末を
粒子の大きさによって加工粉から分離する分離器C11
C12 、C21 、C22 と、分離器C11 〜C22 を通って仕上用
の加工液タンク16内の加工液を逆流して環流させる逆流
流路17とを備え、逆流流路17に仕上用の加工液タンク16
内の加工液を逆流させて分離器C11 〜C2 2 に付着した粉
末物質を混合用のタンク15内に環流して回収することに
より繰り返して使用する、放電加工機14の加工液処理装
置18にかかる発明が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの検討によれば、この発明には以下に列記する課題
(1) 〜(3) がある。
【0011】(1) 粉末物質と加工粉とを分離器を用いて
分離するとしているが、例えばカーボン粒子のような、
フィルタによる分離の際に凝集してフィルタに高粘度の
凝集固形物を形成する粉末物質を含む加工液には、適用
できない。
【0012】すなわち、特開平2−30423 号公報におい
て実施例として開示されたシリコン粒子以外の粒子を含
む加工液、例えばカーボン粒子を含む加工液の場合に
は、フィルタを用いてカーボン粒子を加工残査とともに
濾過しようとすると、このカーボン粒子は凝集して非常
に高粘度の凝集固形物を形成して、フィルタに付着す
る。このため、特開平2−30423 号公報に開示されてい
るように、粉末粒子の粒子径に着目した分離、遠心分離
器による分離さらには磁気力による分離を行ったとして
も、カーボン粉末と加工粉とを分離することはできな
い。このため、この発明によっても、加工液から、例え
ばカーボン粒子のような、フィルタによる分離の際に凝
集してフィルタに高粘度の凝集固形物を形成する粉末物
質を分離・回収することは不可能である。
【0013】(2) 荒加工用と仕上加工用の2種類の加工
液タンクを必要とし、さらにこれら2種類の加工液タン
クを使い分けるための複雑な流路を設ける必要があると
ともに、粗加工および仕上加工に応じて、加工液タンク
を切り替えるための複雑な制御弁の切り換え操作を行う
必要もあり、作業が極めて煩雑なものとなる。
【0014】(3) 上述したように、加工液中にシリコン
粒子が含有されている場合にしか適用できず、加工液中
にカーボン粒子が含有されている場合には適用できない
ため、シリコン粒子はカーボン粒子よりも高価であるこ
とから、基本的に加工液の処理コストの低減を図ること
ができない。
【0015】したがって、例えばカーボン粒子のよう
な、フィルタによる分離の際に凝集してフィルタに高粘
度の凝集固形物を形成する粉末物質に対しては、濾過器
のフィルタに付着した凝集固形物を逆洗により定期的に
スラッジバックに排出せざるを得ない。このため、凝集
したままの状態で戻された凝集固形物は、タンク底に堆
積し、結果的に必要な添加粒子を確保するためにその都
度粒子の補給をしなけらばならなくなり、タンクの清掃
も必要となる。したがって、この発明によっても、導電
粒子の使用量を削減することはできず、処理コストが著
しく嵩んでしまう。
【0016】したがって、この加工液処理装置18を備え
る放電加工機14では、加工条件を最適な状態に維持する
ことが極めて難しく、安定した放電加工を長期間にわた
って維持することができないという課題があった。
【0017】本発明は、従来の技術が有するかかる課題
に鑑みてなされたものであり、例えばカーボン粒子のよ
うな、フィルタによる分離の際に凝集してフィルタに高
粘度の凝集固形物を形成する粉末物質を含有する加工液
を用いた場合であっても、導電粒子の使用量を削減でき
るために処理コストの低下を図ることができるととも
に、安定した放電加工を長期間にわたって維持すること
ができる放電加工機の加工液供給装置および加工液供給
方法、具体的には、例えば、鋼帯の圧延ロールの表面を
放電ダル加工するための放電ダル加工機の加工液供給装
置および加工液供給方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、離間して対向
配置された被加工物との間隙に、粉末物質を混入された
加工液を供給される放電加工機の電極と、放電加工機に
よる放電加工に伴って残渣が発生した加工液を収容する
ための汚濁加工液収容槽と、汚濁加工液収容槽に収容さ
れた加工液から残渣を除去するためのフィルタを有する
濾過器と、濾過器により残渣が除去された加工液を収容
し、収容した加工液を間隙へ供給するための清浄加工液
収容槽とを備える放電加工機の加工液供給装置であっ
て、濾過器が、粉末物質が凝集してフィルタに付着する
ことにより形成される凝集固形物をフィルタから剥離さ
せるための逆洗機能を有するとともに、逆洗機能の作用
によりフィルタから剥離した凝集固形物を、濾過器から
排出された加工液とともに収容して攪拌することによっ
て凝集固形物を加工液に分散させ、凝集固形物が分散し
た加工液を汚濁加工液収容槽へ供給する凝集固形物分散
槽を備えることを特徴とする放電加工機の加工液供給装
置である。
【0019】この本発明にかかる放電加工機の加工液供
給装置では、放電加工機の電極と汚濁加工液収容槽との
間に、放電加工機の電極から排出される加工液に含まれ
る残渣を除去するための、磁力を利用した第1の残渣除
去装置、および/または、重力を利用した第2の残渣除
去装置を有することが望ましい。
【0020】これらの本発明にかかる放電加工機の加工
液供給装置では、電極が、加工油流出孔を備えるととも
に被加工物であるロールにダル加工を施す放電加工用電
極であって、加工油流出方向と直交する断面における孔
部を除く電極断面積が70mm2以下であって、この断面に
おける電極の長軸方向長さ(L) とそれに直交する短軸方
向長さ(T) の比である扁平率(L/T) が1.5 以上の電極で
あることが望ましい。
【0021】これらの本発明にかかる放電加工機の加工
液供給装置では、放電加工機が、放電加工用電極を、電
極の長軸方向がロールの軸長方向と一致するように、ロ
ールに対向配置した放電加工機であることが望ましい。
【0022】これらの本発明にかかる放電加工機の加工
液供給装置では、粉末物質がカーボン粉末であることが
望ましい。別の観点からは、本発明は、粉末物質を混入
された加工液を、放電加工機の電極および電極に離間し
て対向配置された被加工物の間隙に供給し、放電加工機
による放電加工に伴って残渣が発生した加工液を汚濁加
工液収容槽に供給し、汚濁加工液収容槽に供給された加
工液を濾過機に供給し、粉末物質が凝集してフィルタに
付着することにより形成された凝集固形物を、加工液を
逆流させることによりフィルタから剥離させ、フィルタ
から剥離した凝集固形物を加工液とともに攪拌すること
により凝集固形物を加工液に分散させた後、凝集固形物
が分散した加工液を汚濁加工液収容槽に供給し、汚濁加
工液収容槽に収容された加工液を濾過器を介して間隙に
供給することを特徴とする放電加工機の加工液供給方法
である。
【0023】この本発明にかかる放電加工機の加工液供
給方法では、放電加工機による放電加工に伴って残渣が
発生した、粉末物質を混入された加工液を、磁力を利用
した第1の残渣除去装置、および/または重力を利用し
た第2の残渣除去装置に供給し、第1の残渣除去装置お
よび/または第2の残渣除去装置に供給された加工液を
汚濁加工液収容槽に供給することが望ましい。
【0024】さらに、これらの本発明にかかる放電加工
機の加工液供給方法では、粉末物質がカーボン粉末であ
ることが例示される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる、放電ダル
加工機の加工液供給装置および加工液供給方法の実施の
形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。な
お、以降の説明では、被加工物が鋼帯の圧延用ロールで
あるとともに、加工液が粉末物質としてカーボン粒子を
含有する場合を例にとる。また、以降の説明では、放電
ダル加工機20が放電加工液収容槽22を有する場合を例に
とるが、本発明はこれに限定されるものではなく、放電
加工液収容槽を有さない放電ダル加工機であっても等し
く適用される。
【0026】図1は、本実施の形態の放電ダル加工機20
の加工液供給装置21を示す説明図である。同図に示すよ
うに、本実施の形態の加工液供給装置21は、放電加工液
収容槽22と、汚濁加工液収容槽23と、濾過器24と、清浄
加工液収容槽25と、第1の残渣除去装置26と、第2の残
渣除去装置27と、凝集固形物分散槽35とを有する。そこ
で、以下、加工液供給装置21のこれらの構成要素につい
て順次説明する。
【0027】[放電加工液収容槽22]本実施の形態の加工
液供給装置21は、放電加工液収容槽22を有する。放電加
工液収容槽22は、放電加工機の電極28、およびこの電極
28に離間して対向配置された圧延用ロール29の間隙に供
給される加工液30が収容される。加工液30は、粉末物質
としてカーボン粉末 (導電粒子) を混入された加工液で
ある。
【0028】この電極28は、被加工物である圧延用ロー
ル29にダル加工を施す放電加工用電極であって、圧延用
ロール29に臨む面に加工油流出孔28a を備えている。そ
して、この電極28は、加工油流出方向と直交する断面に
おける孔部を除く電極断面積が70mm2 以下であって、こ
の断面における電極の長軸方向長さ(L) とそれに直交す
る短軸方向長さ(T) の比である扁平率(L/T) が1.5 以上
である、扁平の横断面形状を有する。本実施の形態の電
極28は、かかる寸法を有するため、圧延用ロール29の表
面における放電集中現象を抑制し、放電の分散を促進さ
せることができる。
【0029】また、本実施の形態の電極28は、その長軸
方向が圧延用ロール29の軸方向と一致するように、ロー
ルに離間して対向配置されている。この本実施の形態の
電極28によれば、電極28の内部から加工油を流出するこ
とができるため、極間における加工残査の排出が充分に
行われるとともに、扁平状の水平断面の長軸方向が圧延
用ロール29の軸方向と一致するように圧延用ロール29に
対向配置されている。このため、この電極28を用いて放
電加工を行えば、加工筋が発生せず、また放電の集中現
象も生じない。
【0030】本実施の形態の放電加工液収容槽22の上記
以外の構成要素は、この種の収容槽として慣用される放
電加工液収容槽の構成要素と同じであるため、これ以上
の説明は省略する。
【0031】本実施の形態の放電加工液収容槽22は、以
上のように構成される。[汚濁加工液収容槽23]本実施の
形態の加工液供給装置21は、汚濁加工液収容槽23を有す
る。汚濁加工液収容槽23は、放電加工液収容槽22に収容
された放電加工機による放電加工に伴って残渣が発生し
た加工液30を、後述する第1の残渣除去装置26および第
2の残渣除去装置27による残査除去処理を介して、収容
する。
【0032】すなわち、放電加工液収容槽22に収容され
て残渣が発生した加工液30は、配管31を介して第1の残
渣除去装置26に送られるとともに、配管32を介して第2
の残渣除去装置27に送られる。そして、第1の残渣除去
装置26に送られた加工液30は、後述するように磁力によ
る残査除去処理を行われ、配管33を介して汚濁加工液収
容槽23に送られる。一方、第2の残渣除去装置27に送ら
れた加工液30は、後述するように重力による残査除去処
理を行われ、配管34を介して汚濁加工液収容槽23に送ら
れる。
【0033】このように、汚濁加工液収容槽23は、第1
の残査除去装置26および第2の残査除去装置27を用いて
も除去できなかった粒子が含まれた加工液30に、凝集固
形物分散槽35から戻った液が加えられて、濾過器24に送
られる。
【0034】本実施の形態の汚濁加工液収容槽23の上記
以外の構成要素は、この種の収容槽として慣用される汚
濁加工液収容槽の構成要素と同じであるため、これ以上
の説明は省略する。
【0035】本実施の形態の汚濁加工液収容槽23は、以
上のように構成される。[濾過器24]本実施の形態の加工
液供給装置21は、濾過器24を有する。濾過器24は、配管
40を介して汚濁加工液収容槽23から加工液30を供給さ
れ、加工液30に含まれる残渣を除去する。
【0036】この濾過器24は逆洗機能を有する。図2
は、この濾過器24の構成の一例を模式的に示す説明図で
ある。同図に示すように、濾過器24の内部には、加工液
30を上下2層に区分するための仕切り板Pが水平に設け
られており、この仕切り板Pの略中央には加工液30を通
過させるための孔Hが設けられている。そして、この孔
部Hの下面には上端面が開放されたフィルタFの上端部
が装着されている。また、濾過器24の上部には、濾過器
24の内部へエアーまたは加工液を供給するための配管60
が接続されるとともに、仕切り板Pの上部には濾過され
た加工液30を清浄加工液収容槽25に供給するための配管
41が、濾過器24の仕切り板Pの下部にはフィルタFに付
着した凝集固形物を凝集固形物分散槽35へ送るための配
管38が取り付けられている。また、配管41、40、38、60
には、加工液30の流通を制御するための制御弁A、B、
C、Dがそれぞれ設けられている。
【0037】この濾過器24において、制御弁AおよびB
を開放するとともに制御弁CおよびDを閉鎖すると、汚
濁加工液収容槽23に収容された加工液30は配管40を介し
てフィルタFにより加工残査 (鉄粉や電極の消耗粉等)
を濾過された後、カーボン等の粉末粒子とともに清浄加
工液収容槽25に送られる。かかる状態を一定時間継続す
ると、本実施の形態の加工液30にはカーボン粒子が含ま
れているために、フィルタFに高粘度の凝集固形物が一
定量堆積する。このため、フィルタFによる濾過開始後
一定時間が経過した時点で、制御弁AおよびBを閉じる
とともに制御弁C、Dを開放する切り換え操作を行っ
て、フィルタFに堆積した凝集固形物をフィルタFから
剥離させる。
【0038】すなわち、制御弁AおよびBを閉じるとと
もに制御弁C、Dを開放し、さらに、濾過器24の内部に
配管60を介して高圧のエアーまたは加工液を濾過器24の
上側から供給することにより濾過器24内に収容された加
工液30の液面を濾過器24の底部まで押し下げることによ
り、フィルタFに付着した凝集固形物 (添加粉末、鉄
粉、電極消耗粉、加工液油等からなる) を剥離させる。
そして、フィルタFから剥離した凝集固形物を、配管38
を介して、加工液30とともに凝集固形物分散槽35へ送る
ことにより、濾過器24の逆洗を行う。
【0039】このように、凝集された凝集固形物を含む
濾過器24の逆洗液は、濾過器24に接続された配管38を介
して、凝集固形物分散槽35に供給される。凝集固形物分
散槽35に供給された濾過器24の逆洗液は、凝集固形物分
散槽35の内部に配置された攪拌機37により、凝集固形物
が微細に分散されるまで充分な時間をかけて分散され
る。そして、凝集固形物が微細に再分散された加工液30
は、配管39を介して、汚濁加工液収容槽23へ戻される。
【0040】すなわち、濾過器24により、汚濁加工液収
容槽23から送られた加工液30に含まれる、主として、鉄
粉、カーボン粒子および電極消耗粉がフィルタFにおい
て凝集し、これらは逆洗により凝集固形物分散槽35へ送
られる。そして、凝集固形物分散槽35にはフィルタFに
より捕捉されたものが送られてくるため、各粒子の濃度
は高められている。
【0041】このように、本実施の形態の濾過器24は、
カーボン粒子が凝集してフィルタFに付着することによ
り形成される高粘度の凝集固形物をフィルタFから剥離
させるための逆洗機能を有する。また、本実施の形態の
凝集固形物分散槽35は、上述した逆洗機能の作用によ
り、フィルタFから剥離した凝集固形物を、濾過器24か
ら排出された加工液30とともに収容して攪拌することに
よって凝集固形物を加工液30に分散させ、凝集固形物が
分散した加工液30を汚濁加工液収容槽23へ向けて供給す
る。
【0042】本実施の形態の濾過器24は、以上のように
構成される。 [清浄加工液収容槽25]本実施の形態の加工液供給装置21
は、清浄加工液収容槽25を有する。清浄加工液収容槽25
は、濾過器24により残渣が除去された加工液30を配管41
を介して収容するとともに、収容したこの加工液30を配
管42を介して放電加工液収容槽22へ供給する。
【0043】すなわち、清浄加工液収容槽25には、フィ
ルタFを通過できた粒子を含む加工液30が送られる。こ
の加工液30の一部には、鉄粉および電極消耗粉の一部も
含まれるが、大部分はカーボン粒子である。
【0044】本実施の形態の清浄加工液収容槽25は、以
上のように構成される。 [第1の残渣除去装置26]本実施の形態の加工液供給装置
21は、第1の残渣除去装置26を有する。図3は、この第
1の残渣除去装置26の構成を模式的に示す説明図であ
る。
【0045】同図に示すように、この第1の残渣除去装
置26は、放電加工によって発生した圧延用ロール29の加
工残査を吸着するためのマグネット式鉄分除去装置であ
るマグネットロール43と、このマグネットロール43によ
り吸着された加工残査をそぎ落とすための擦り板44とを
有する。すなわち、本実施の形態では、磁力を利用した
第1の残査除去装置26により、放電加工液収容槽22から
排出される加工液30に含まれる残査のうちの、主に鉄粉
が除去される。
【0046】このように、本実施の形態の第1の残渣除
去装置26は、放電加工液収容槽22および汚濁加工液収容
槽23の間に配置されて、放電加工液収容槽22から排出さ
れる加工液30に含まれる残渣を磁力を利用して除去し、
系外に排出する。
【0047】本実施の形態の第1の残渣除去装置26は、
以上のように構成される。 [第2の残渣除去装置27]本実施の形態の加工液供給装置
21は、第2の残渣除去装置27を有する。図4は、この第
2の残渣除去装置27の構成を模式的に示す説明図であ
る。
【0048】同図に示すように、この第2の残渣除去装
置27は、循環沈殿タンク45を有する。この循環沈殿タン
ク45には、タンク底部排出用バルブ46と、タンク上部排
出用バルブ47とが設けられており、通常、タンク底部排
出用バルブ46は閉じられているとともにタンク上部排出
用バルブ47は開かれている。循環沈殿タンク45は、放電
加工液収容槽22から排出された加工液30を常時収容し、
加工液30の液面高さがタンク上部排出用バルブ47の設置
高さを超えると、加工液30をオーバーフロー配管34を介
して系外へ排出する。これにより、放電加工液収容槽22
から排出される加工液30に含まれる鉄分や電極の消耗
粉、砂屑等の比較的比重の重い固形物48を循環沈殿タン
ク45の底部に堆積させるとともに、比重の軽いカーボン
粒子を加工液30とともにオーバーフロー配管34を介し
て、汚濁加工液収容槽23へ戻すことが可能である。
【0049】なお、ある期間循環させることにより循環
沈殿タンク45の下層に堆積する固形物48の堆積量が一定
量に達した場合にはタンク底部排出用バルブ46を開くこ
とにより、固形物48は、底部配管49を介してスラツジバ
ック50へ排出される。
【0050】つまり、循環沈殿タンク45を有する第2の
残査除去装置47は、放電加工液収容槽22から戻ってくる
加工液30を収容し、マグネット式鉄粉除去装置である第
1の残査除去装置26だけでは捕捉することが難しい、鉄
粉や砂屑さらには電極消耗粉のような比較的比重の大き
い異物を重力により沈殿させるとともにタンク上部排出
用バルブ47からのオーバーフローによって加工液30を汚
濁加工液収容槽23に戻すことにより、除去する。すなわ
ち、本実施の形態では、重力を利用した第2の残査除去
装置27により、放電加工液収容槽22から排出される加工
液30に含まれる残査のうちの、主に、鉄粉および電極消
耗粉が除去される。
【0051】このように、本実施の形態の第2の残渣除
去装置27は、放電加工液収容槽22および汚濁加工液収容
槽23の間に配置されて、放電加工液収容槽22から排出さ
れる加工液30に含まれる残渣を重力を利用して除去す
る。
【0052】本実施の形態の第2の残渣除去装置27は、
以上のように構成される。本実施の形態の放電ダル加工
機20の加工液供給装置21は、以上のように構成される。
次に、放電ダル加工機20により圧延用ロール29に放電加
工を行う際における、加工液供給装置21による加工液の
循環状況を説明する。
【0053】すなわち、放電ダル加工機20の電極28およ
びこの電極28に離間して対向配置された圧延用ロール29
の間隙に供給されるとともに、放電ダル加工機20による
放電加工に伴って残渣が発生した、粉末物質を混入され
た加工液30は、磁力を利用した第1の残渣除去装置26、
および重力を利用した第2の残渣除去装置27へ供給され
る。そして、加工液30は、第1の残渣除去装置26および
第2の残渣除去装置27それぞれにより、残渣を除去され
る。
【0054】次に、第1の残渣除去装置26および第2の
残渣除去装置27に供給されて残査を除去された加工液30
は、汚濁加工液収容槽23に供給される。そして、汚濁加
工液収容槽23に供給された加工液30は、濾過機24に供給
される。濾過器24では、前述したように、初めに制御弁
AおよびBは開放されるとともに制御弁CおよびDは閉
鎖されており、これにより、加工液30は配管40を介して
フィルタFにより、第1の残渣除去装置26および第2の
残渣除去装置27によっても除去されずに残存した加工残
査 (鉄粉や電極の消耗粉等) を完全に濾過されて除去さ
れる。この際、濾過機24を通過した後の加工液30には、
カーボン粒子が含まれており、このカーボン粒子を含む
加工液30は清浄加工液収容槽25に送られる。制御弁A〜
Dのかかる開閉状態は、濾過器24のフィルタFに高粘度
の凝集固形物が相当量形成されるまで、一定時間継続し
て維持される。
【0055】そして、カーボン粒子がフィルタFによる
分離の際に凝集することにより形成される高粘度の凝集
固形物がフィルタFに一定量堆積すると、濾過器24が有
する逆洗機能が発揮される。すなわち、制御弁Aおよび
Bを閉じるとともに制御弁CおよびDを開放し、さら
に、濾過器24の内部に配管60を介して高圧のエアーまた
は加工液を濾過器24の上側から供給することにより濾過
器24内に収容された加工液30の液面を濾過器24の底部ま
で押し下げる。これにより、フィルタFに付着した凝集
固形物 (添加粉末、鉄粉、電極消耗粉、加工液油等から
なる) は、フィルタFの内部から外部へ向かう加工液流
によりフィルタFの外表面から剥離し、配管38を介し
て、加工液30とともに凝集固形物分散槽35へ送られる。
【0056】なお、本実施の形態では、制御弁A〜Dの
かかる開閉切り換えは、予め適宜定めた一定時間毎に定
期的に行った。このように、本実施の形態によれば、濾
過器24に供給された加工液30を、濾過器24が有する逆洗
機能を利用して逆流することにより、フィルタFにカー
ボン粒子の凝集に起因して形成された高粘度の凝集固形
物が多量に付着していても、この凝集固形物をフィルタ
Fから容易かつ確実に剥離させることができる。
【0057】さらに、剥離した凝集固形物を含む逆洗液
(加工液)30 は、濾過器24に接続された配管38を介し
て、凝集固形物分散装置35に供給される。そして、凝集
固形物分散装置35に収容された加工液30は、凝集固形物
分散槽35の内部に回転自在に設けられた攪拌機37によ
り、凝集固形物が加工液中に微細小片として分散するま
で、充分時間をかけて攪拌される。本実施の形態では、
濾過器24を15分間おきに5分間の逆洗をさせ、逆洗液を
受け入れてから7分間攪拌した後、汚濁加工液収容槽23
に戻した。
【0058】そして、凝集固形物が微細に再分散された
加工液30は、配管39を介して、汚濁加工液収容槽23へ戻
される。汚濁加工液収容槽23に逆流した加工液30は、制
御弁AおよびBを開放するとともに制御弁CおよびDを
閉鎖することにより、濾過器24を介して清浄加工液収容
槽25に供給される。
【0059】さらに、清浄加工液収容槽25に供給された
加工液30は、図示しないポンプにより電極28の上端開孔
部へ送られ、電極28の内部の流通孔を介して、電極28お
よび圧延用ロール29の間隙に供給され、放電加工時の加
工液として用いられる。
【0060】すなわち、本実施の形態の加工液供給装置
21によれば、加工液30は、清浄加工液収容槽25から図示
しないポンプを使って、放電加工液収容槽22に供給され
る。そして、放電加工液収容槽22において放電ダル加工
に供された加工液30は、放電加工によって発生した残査
をも含んで汚濁加工液収容槽23へ送られる。
【0061】この際に、本実施の形態では、第1の残渣
除去装置26および第2の残渣除去装置27の双方を用い
て、加工液30に含まれる残査の除去が充分に行われる。
さらに、本実施の形態では、第1の残渣除去装置26およ
び第2の残渣除去装置27の双方を介して汚濁加工液収容
槽23へ送られた加工液30を、図示しないポンプを使って
濾過器24へ供給し、さらに清浄加工液収容槽25ヘ送られ
る。
【0062】この際、濾過器24は一定時間毎に逆洗機能
によりフィルタFの逆洗を行い、この逆洗により、濾過
器24の表面に凝集された高粘度の凝集固形物は、配管38
を介して、凝集固形物分散装置35に送られ、攪拌機37に
よって充分な時間をかけて微細小片に分散される。そし
て、凝集固形物が充分に微細に分散された加工液30は、
その後に汚濁加工液収容槽23へ戻され、最終的に電極28
の内部に戻される。このため、残査の除去に伴って放電
加工のために有効なカーボン粒子を無駄に系外排出する
ことが防止され、カーボン粒子を循環再利用することが
できる。
【0063】このように、本実施の形態の加工液供給装
置21は、大別すると、 放電ダル加工機20の加工液供給系統に、逆洗機能付き
の濾過器24を設け、逆洗液を攪拌機37付きの凝集固形物
分散装置35のタンク内で充分な時間をかけて攪拌するこ
とにより、フィルタFに付着した高粘度の凝集固形物を
剥離させ、加工液中に微細に分散させること、 第1の残査除去装置であるマグネット式の鉄分除去装
置26を設置することにより、加工により発生したロール
の消耗残査を系外に排出することができるとともに、カ
ーボン粒子が排出されることを防止できること、および 第2の残査除去装置27を設置することにより、比重の
大きな残査を沈殿させて系外に排出することができるこ
と という3つの特徴を有する。
【0064】このため、本実施の形態の加工液供給装置
21によれば、カーボン粒子を無駄に排出することを防い
で確実に回収することができる。このため、カーボン粒
子の使用量を削減でき、これにより、処理コストの低下
を図ることができるとともに、安定した放電加工を長期
間にわたって維持することができる。
【0065】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながらより
具体的に説明する。図1〜図4により示す本発明にかか
る装置21を使用した場合 (本発明例) と、図6に示す従
来例とについて、放電加工を行い、加工液性状を、清浄
加工液収容槽25、7で採取した加工液30、6に含まれる
固形物の重量%の変化により、比較した。本発明例の結
果を図5(a) に、比較例の結果を図5(b) にそれぞれグ
ラフで示す。なお、重量測定では、平均メッシュが0.8
、5、10μmである3種のフィルタを用いて固形物を
採取した。また、本データを採取した時の各機器の操業
条件を表1にまとめて示す。
【0066】
【表1】
【0067】図5(b) にグラフで示すように、比較例で
は、カーボン固形物を添加した初期状態から徐々に固形
物濃度が低下し、特に粒子径の大きな固形物の減少が著
しいことがわかる。これは、濾過器9によって捕捉され
た固形物が逆洗によりスラッジバック10に廃棄されたこ
とによるものと推定される。
【0068】これに対し、図5(a) にグラフで示すよう
に、本発明例では、固形物の濃度の低下は見られるもの
の、比較例と対比すると極端に小さく、操業上問題のな
いレベルであることがわかる。
【0069】また、加工液30に含まれる固形物を数種に
分類して重量比率を調査した。その結果を表2にまとめ
て示す。
【0070】
【表2】
【0071】表2から、本発明例では、磁力および沈殿
の双方を利用して凝集固形物を分散させたため、鉄分及
び砂屑のような不要固形物の含有量が極端に低く、第1
の残渣除去装置26ならびに第2の残渣除去装置27との組
合せにより一層効果的に不要固形物の含有量を低下させ
ることができたことがわかる。
【0072】なお、凝集固形物の分散時間が不充分であ
ると、固形物 (多くはカーボン) の重量が減少していき
安定した加工をするためにカーボン粒子の添加が必要に
なり、また汚濁加工液収容槽には凝集固形物が沈殿堆積
するために好ましくない。
【0073】以上のように、本実施例によれば、加工液
30の性状が安定化され、加工液30に添加されたカーボン
粒子の使用量の削減、さらにはタンク切替といった繁雑
な作業の回避が可能となり、放電加工も安定化されるこ
とがわかる。
【0074】(変形形態)以上の実施の形態および実施例
の説明では、第1の残渣除去装置であるマグネット式鉄
分除去装置と、第2の残渣除去装置とを、放電加工液収
容槽と汚濁加工液収容槽との間に並列に配置した場合を
例にとった。しかし、本発明はこの形態に限定されるも
のではなく、第1の残渣除去装置および第2の残渣除去
装置の配列順序は特に限定を要さない。また、これらの
装置に汚濁加工液収容槽から例えばポンプ等の適当な供
給手段により供給するようにしてもよい。
【0075】また、汚濁加工液収容槽や清浄加工液収容
槽の内面底部に添加剤やその他固形物が沈殿堆積しない
ように、例えば図1に例示するように、加工液30を循環
させるとともに底面に向かって加工液30を吐出させる攪
拌配管51を設けるようにしてもよい。
【0076】さらに、実施の形態および実施例の説明で
は、加工液に含まれる粉末物質がカーボン粉末である場
合を例にとった。しかし、本発明は加工液に含まれる粉
末物質が、カーボン粉末に限定されるものではなく、フ
ィルタにより濾過を行った場合にフィルタの表面に高粘
度の凝集固形物を形成する粉末粒子である場合であれ
ば、同様に適用される。
【0077】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、例えばカーボン粒子のような、フィルタによる分離
の際に凝集してフィルタに高粘度の凝集固形物を形成す
る粉末物質を含有する加工液を用いた場合であっても、
導電粒子の使用量を削減できるために処理コストの低下
を図ることができるとともに、安定した放電加工を長期
間にわたって維持することができる放電加工機の加工液
供給装置および加工液供給方法、例えば、鋼帯の圧延ロ
ールの表面を放電ダル加工するための放電ダル加工機の
加工液供給装置および加工液供給方法を提供することが
できた。
【0078】かかる効果を有する本発明の意義は極めて
著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の放電ダル加工機の加工液供給装置
を示す説明図である。
【図2】濾過器の構成の一例を模式的に示す説明図であ
る。
【図3】第1の残渣除去装置の構成を模式的に示す説明
図である。
【図4】第2の残渣除去装置の構成を模式的に示す説明
図である。
【図5】実施例の結果を示すグラフであり、図5(a) は
本発明例を示し、図5(b) は比較例の結果を示す。
【図6】一般的な放電ダル加工機を用いて圧延用ロール
に放電加工を行う際における加工液供給装置の構成例を
模式的に示す説明図である。
【図7】特開平2−30423 号公報により提案された、放
電加工機の加工液処理装置の構成を模式的に示す説明図
である。
【符号の説明】
20 放電加工機 21 加工液供給装置 22 放電加工液収容槽 23 汚濁加工液収容槽 24 濾過器 25 清浄加工液収容槽 26 第1の残渣除去装置 27 第2の残渣除去装置 28 電極 29 圧延用ロール 30 加工液 35 凝集固形物分散装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23H 1/10 B01D 35/02 E Fターム(参考) 3C059 AA01 AB00 EA06 EB02 EB05 EB06 EC08 4D064 AA23 BM28 BM34 BM37 BM40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離間して対向配置された被加工物との間
    隙に、粉末物質を混入された加工液を供給される放電加
    工機の電極と、 前記放電加工機による放電加工に伴って残渣が発生した
    加工液を収容するための汚濁加工液収容槽と、 該汚濁加工液収容槽に収容された加工液から前記残渣を
    除去するためのフィルタを有する濾過器と、 該濾過器により前記残渣が除去された加工液を収容し、
    収容した該加工液を前記間隙へ供給するための清浄加工
    液収容槽とを備える放電加工機の加工液供給装置であっ
    て、 前記濾過器は、前記粉末物質が凝集して前記フィルタに
    付着することにより形成される凝集固形物を当該フィル
    タから剥離させるための逆洗機能を有するとともに、 該逆洗機能の作用により前記フィルタから剥離した前記
    凝集固形物を、前記濾過器から排出された加工液ととも
    に収容して攪拌することによって該凝集固形物を前記加
    工液に分散させ、前記凝集固形物が分散した加工液を前
    記汚濁加工液収容槽へ供給する凝集固形物分散槽を備え
    ることを特徴とする放電加工機の加工液供給装置。
  2. 【請求項2】 前記放電加工機の電極と前記汚濁加工液
    収容槽との間に、該放電加工機の電極から排出される加
    工液に含まれる残渣を除去するための、磁力を利用した
    第1の残渣除去装置、および/または、重力を利用した
    第2の残渣除去装置を有することを特徴とする請求項1
    に記載された放電加工機の加工液供給装置。
  3. 【請求項3】 前記電極は、加工油流出孔を備えるとと
    もに前記被加工物であるロールにダル加工を施す放電加
    工用電極であって、加工油流出方向と直交する断面にお
    ける孔部を除く電極断面積が70mm2 以下であって、該断
    面における電極の長軸方向長さ(L) とそれに直交する短
    軸方向長さ(T) の比である扁平率(L/T) が1.5 以上の電
    極である請求項1または請求項2に記載された放電加工
    機の加工液供給装置。
  4. 【請求項4】 前記放電加工機が、放電加工用電極を、
    電極の長軸方向が前記ロールの軸長方向と一致するよう
    に、該ロールに対向配置した放電加工機である請求項3
    に記載された放電加工機の加工液供給装置。
  5. 【請求項5】 前記粉末物質はカーボン粉末である請求
    項1から請求項4までのいずれか1項に記載された放電
    加工機の加工液供給装置。
  6. 【請求項6】 粉末物質を混入された加工液を、放電加
    工機の電極および該電極に離間して対向配置された被加
    工物の間隙に供給し、 該放電加工機による放電加工に伴って残渣が発生した加
    工液を汚濁加工液収容槽に供給し、 該汚濁加工液収容槽に供給された加工液を濾過機に供給
    し、前記粉末物質が凝集して前記フィルタに付着するこ
    とにより形成された凝集固形物を、前記加工液を逆流さ
    せることにより当該フィルタから剥離させ、 前記フィルタから剥離した凝集固形物を前記加工液とと
    もに攪拌することにより前記凝集固形物を前記加工液に
    分散させた後、該凝集固形物が分散した加工液を汚濁加
    工液収容槽に供給し、 該汚濁加工液収容槽に収容された加工液を前記濾過器を
    介して前記間隙に供給することを特徴とする放電加工機
    の加工液供給方法。
  7. 【請求項7】 前記放電加工機による放電加工に伴って
    残渣が発生した、粉末物質を混入された加工液を、磁力
    を利用した第1の残渣除去装置、および/または重力を
    利用した第2の残渣除去装置に供給し、前記第1の残渣
    除去装置および/または前記第2の残渣除去装置に供給
    された加工液を汚濁加工液収容槽に供給することを特徴
    とする請求項6に記載された放電加工機の加工液供給方
    法。
  8. 【請求項8】 前記粉末物質はカーボン粉末である請求
    項6または請求項7に記載された放電加工機の加工液供
    給方法。
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