JP2003243703A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JP2003243703A
JP2003243703A JP2002040030A JP2002040030A JP2003243703A JP 2003243703 A JP2003243703 A JP 2003243703A JP 2002040030 A JP2002040030 A JP 2002040030A JP 2002040030 A JP2002040030 A JP 2002040030A JP 2003243703 A JP2003243703 A JP 2003243703A
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current blocking
semiconductor
emitting device
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JP2002040030A
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Masashi Kawasaki
雅司 川崎
Hajime Saito
肇 齊藤
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、活性層への電流注入効率、
および、発光効率が高い半導体発光素子を提供する。 【解決手段】 サファイア基板101上に、GaNバッ
ファ層102、ノンドープGaN層103、n型GaN
コンタクト層104、n型AlGaN下クラッド層10
5、多重量子井戸発光層106、p型AlGaN上クラ
ッド層107およびp型GaN電流拡散層108が順次
積層されている。p型AlGaN上クラッド層107と
p型GaN電流拡散層108との間には、エピタキシャ
ル成長されたLiGaOからなる島状の電流阻止層1
09を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体発光素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、青色から紫外域の短波長発光材料
として、ワイドギャップ半導体であるIII族窒化物半導
体および酸化亜鉛系半導体の結晶成長やデバイス技術が
急速に発展している。本明細書中において、III族窒化
物半導体とは、GaN、AlN、InNおよびこれらの
混晶を含めるものとし、酸化亜鉛系半導体とは、ZnO
およびMg1-xZnxOあるいはCd1-xZnxOで表され
る混晶を含めるものとする。
【0003】半導体発光素子では電流を発光領域に効率
的に注入する技術が重要であり、従来、発光ダイオード
や半導体レーザにおいては様々な電流狭窄機構または電
流阻止層を備えたものがある。
【0004】第1の従来例の端面共振器型半導体レーザ
では、メサ型のp−クラッド層の側面を電流阻止層で埋
め込むことにより、p−クラッド層下に形成した活性層
への電流注入効率を向上させている(特開平9−283
845号公報など参照)。
【0005】また、第2の従来例の面発光レーザでは、
開口部を有する電流阻止層を活性層上のスペーサ層に形
成して、活性層への電流注入効率を向上させている(特
開2000−114657号公報など参照)。
【0006】また、第3の従来例の発光ダイオードで
は、半導体層内に逆導電型に不純物添加した電流阻止層
を設けて、電極直下など光取り出し効率の低い領域への
電流注入を防止している(特開平7−326793など
参照)。
【0007】更に、第4の従来例の半導体発光素子で
は、第2従来例と同様にメサ型のpクラッド層の側面を
電流阻止層で埋め込み、電流狭窄と単一横モード閉じ込
めを実現している(特開平9−232680号公報など
参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記第1,
第2の従来例では、電流阻止層を多結晶や非晶質の絶縁
物で形成している。この場合、上記電流阻止層と半導体
層との界面や、電流阻止層の内部には結晶欠陥や粒界が
多数存在する。このため、上記電流阻止層の電流阻止機
能が十分に発揮されず、活性層への電流注入効率が低下
するという問題がある。
【0009】上記第3,第4の従来例によれば、電流阻
止層は半導体を材料として用い、電流阻止層と接する半
導体層と共にエピタキシャル成長で形成されている。こ
の場合、上記電流阻止層と半導体層との界面や、電流阻
止層の内部に結晶欠陥などは少ないが、電流阻止層が電
流阻止機能を有するためには、電流阻止層と接する半導
体層とは逆の導電型の不純物を電流阻止層にドープし
て、pn接合を形成し、このpn接合が逆バイアスされ
る必要がある。しかし、pn接合における逆方向の降伏
を防ぐために、不純物を高濃度に電流阻止層にドープし
た場合、不純物による光吸収損失が生じ易く、発光効率
が低下するという問題がある。
【0010】また、上記第3,第4の従来例においてア
ンドープの高抵抗半導体を電流阻止層の材料として用い
た場合は、逆バイアスされたpn接合界面で空乏層が大
きく広がるため、降伏し易くなる。その結果、上記電流
阻止層の電流阻止機能が低下し、活性層への電流注入効
率が低下するという問題がある。
【0011】そこで、本発明の目的は、発光層または活
性層への電流注入効率、および、発光効率が高い半導体
発光素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明の半導体発光素子は、酸化亜鉛系または
III族窒化物系半導体より成る半導体層を備えた半導体
発光素子において、上記半導体層に、エピタキシャル成
長された酸化物絶縁体を含む電流狭窄機構が設けられた
ことを特徴としている。
【0013】上記構成の半導体発光素子によれば、上記
電流狭窄機構の酸化物絶縁体は酸化亜鉛系またはIII族
窒化物系半導体に類似の結晶構造を有し、酸化亜鉛系ま
たはIII族窒化物系半導体と酸化物絶縁体とをエピタキ
シャル成長させた際の格子不整合は5%以下である。従
って、上記酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体と酸
化物絶縁体との界面は原子オーダーで清浄であり、酸化
物絶縁体は結晶性が高く内部に結晶欠陥や粒界が少な
い。また、上記酸化物絶縁体上に酸化亜鉛系またはIII
族窒化物系半導体をエピタキシャル成長しても、その半
導体の結晶性が劣化することは無い。
【0014】このように、上記酸化亜鉛系またはIII族
窒化物系半導体と酸化物絶縁体との界面や、酸化物絶縁
体の内部に結晶欠陥や粒界が少ないので、例えば活性層
への電流注入効率を高めることができる。
【0015】また、上記酸化物絶縁体は素子の発光波長
に比して十分大きなバンドギャップを有するので、不純
物ドープなどを酸化物絶縁体に行う必要が無くて、光吸
収損失が発生せず、発光効率を高めることができる。
【0016】また、上記酸化物絶縁体は、酸化亜鉛系お
よびIII族窒化物系半導体に比して屈折率が低いので、
酸化物絶縁体を例えば半導体レーザの電流阻止層として
用いた場合には、実屈折率導波構造が得られる。この場
合、例えば光ディスク用半導体レーザなどにおいて重要
な単一横モード発振を容易に実現出来る。
【0017】また、第2の発明の半導体発光素子は、基
板上に形成された発光層と、この発光層上に形成された
電流拡散層とを備え、上記発光層および上記電流拡散層
は、夫々、酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体より
成り、かつ、上記発光層と上記電流拡散層との間に、エ
ピタキシャル成長された酸化物絶縁体を含む電流阻止層
が設けられたことを特徴としている。
【0018】上記構成の半導体発光素子によれば、上記
電流阻止層の酸化物絶縁体は酸化亜鉛系またはIII族窒
化物系半導体に類似の結晶構造を有し、酸化亜鉛系また
はIII族窒化物系半導体と酸化物絶縁体とをエピタキシ
ャル成長させた際の格子不整合は5%以下である。従っ
て、上記酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体と酸化
物絶縁体との界面は原子オーダーで清浄であり、電流阻
止層は結晶性が高く内部に結晶欠陥や粒界が少ない。ま
た、上記電流阻止層上に酸化亜鉛系またはIII族窒化物
系半導体をエピタキシャル成長しても、その半導体の結
晶性が劣化することは無い。
【0019】このように、上記酸化亜鉛系またはIII族
窒化物系半導体と酸化物絶縁体との界面や、酸化物絶縁
体の内部に結晶欠陥や粒界が少ないので、発光層への電
流注入効率を高めることができる。
【0020】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は素
子の発光波長に比して十分大きなバンドギャップを有す
るので、不純物ドープなどを電流阻止層に行う必要が無
くて、光吸収損失が発生せず、発光効率を高めることが
できる。
【0021】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は、
酸化亜鉛系およびIII族窒化物系半導体に比して屈折率
が低いので、実屈折率導波構造が得られ、例えば光ディ
スク用半導体レーザなどにおいて重要な単一横モード発
振を容易に実現出来る。
【0022】また、第3の発明の半導体発光素子は、基
板上に順次積層された下クラッド層、活性層および上ク
ラッド層を備えると共に、上記活性層からの発振光を反
射する多層反射鏡を備え、上記下クラッド層、上記活性
層および上記上クラッド層は、夫々、酸化亜鉛系または
III族窒化物系半導体より成り、かつ、上記上クラッド
層と、エピタキシャル成長で形成された酸化物絶縁体を
含む電流阻止層とが積層されていることを特徴としてい
る。
【0023】上記構成の半導体発光素子によれば、上記
電流阻止層の酸化物絶縁体は酸化亜鉛系またはIII族窒
化物系半導体に類似の結晶構造を有し、酸化亜鉛系また
はIII族窒化物系半導体と酸化物絶縁体とをエピタキシ
ャル成長させた際の格子不整合は5%以下である。従っ
て、上記酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体と酸化
物絶縁体との界面は原子オーダーで清浄であり、電流阻
止層は結晶性が高く内部に結晶欠陥や粒界が少ない。ま
た、上記電流阻止層上に酸化亜鉛系またはIII族窒化物
系半導体をエピタキシャル成長しても、その半導体の結
晶性が劣化することは無い。
【0024】このように、上記酸化亜鉛系またはIII族
窒化物系半導体と酸化物絶縁体との界面や、酸化物絶縁
体の内部に結晶欠陥や粒界が少ないので、活性層への電
流注入効率を高めることができる。
【0025】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は素
子の発光波長に比して十分大きなバンドギャップを有す
るので、不純物ドープなどを電流阻止層に行う必要が無
くて、光吸収損失が発生せず、発光効率を高めることが
できる。
【0026】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は、
酸化亜鉛系およびIII族窒化物系半導体に比して屈折率
が低いので、実屈折率導波構造が得られ、例えば光ディ
スク用半導体レーザなどにおいて重要な単一横モード発
振を容易に実現出来る。
【0027】一実施形態の半導体発光素子は、上記電流
阻止層は開口部を有し、上記開口部を上記上クラッド層
が満たしている。
【0028】一実施形態の半導体発光素子は、上記発光
層または上記活性層からの光に対して透過性を有するオ
ーミック電極を備えている。
【0029】上記実施形態の半導体発光素子によれば、
上記発光層または上記活性層からの光に対して透過性を
有するオーミック電極を備えているので、光取り出し効
率をさらに向上させることが出来る。
【0030】また、第4の発明の半導体発光素子は、基
板上に順次積層された下クラッド層、活性層、上クラッ
ド層およびコンタクト層を備え、上記上クラッド層がス
トライプ状に形成された半導体発光素子において、上記
下クラッド層、上記活性層、上記上クラッド層および上
記コンタクト層は、夫々、酸化亜鉛系またはIII族窒化
物系半導体より成り、かつ、上記上クラッド層の側方
に、エピタキシャル成長された酸化物絶縁体を含む電流
阻止層が設けられたことを特徴としている。
【0031】上記構成の半導体発光素子によれば、上記
電流阻止層の酸化物絶縁体は酸化亜鉛系またはIII族窒
化物系半導体に類似の結晶構造を有し、酸化亜鉛系また
はIII族窒化物系半導体と酸化物絶縁体とをエピタキシ
ャル成長させた際の格子不整合は5%以下である。従っ
て、上記酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体と酸化
物絶縁体との界面は原子オーダーで清浄であり、電流阻
止層は結晶性が高く内部に結晶欠陥や粒界が少ない。ま
た、上記電流阻止層上に酸化亜鉛系またはIII族窒化物
系半導体をエピタキシャル成長しても、その半導体の結
晶性が劣化することは無い。
【0032】このように、上記酸化亜鉛系またはIII族
窒化物系半導体と酸化物絶縁体との界面や、酸化物絶縁
体の内部に結晶欠陥や粒界が少ないので、活性層への電
流注入効率を高めることができる。
【0033】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は素
子の発光波長に比して十分大きなバンドギャップを有す
るので、不純物ドープなどを電流阻止層に行う必要が無
くて、光吸収損失が発生せず、発光効率を高めることが
できる。
【0034】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は、
酸化亜鉛系およびIII族窒化物系半導体に比して屈折率
が低いので、実屈折率導波構造が得られ、例えば光ディ
スク用半導体レーザなどにおいて重要な単一横モード発
振を容易に実現出来る。
【0035】一実施形態の半導体発光素子は、上記電流
阻止層によって上記上クラッド層の光出射側端部が埋め
込まれている。
【0036】上記実施形態の半導体発光素子によれば、
上記電流阻止層が上記上クラッド層の光出射側端部を覆
っているので、その光出射側端部の劣化を防ぐことがで
きる。
【0037】一実施形態の半導体発光素子は、上記電流
狭窄機構または上記電流阻止層が、上記酸化物絶縁体と
半導体との多重積層構造より成る。
【0038】上記実施形態の半導体発光素子によれば、
上記電流狭窄機構または電流阻止層を、エピタキシャル
成長された酸化物絶縁体と、半導体との多重積層構造で
形成することにより、電流狭窄機構または電流阻止層の
実効的な層折率を制御することが出来る。
【0039】特に、酸化亜鉛系半導体から成るクラッド
層を用いて半導体レーザを作製した場合、小さい屈折率
差を制御することが出来るので、電流狭窄によるストラ
イプ幅が広くても単一横モード発振が得易く、素子作製
が容易となる。
【0040】一実施形態の半導体発光素子は、上記電流
狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶縁体が、
Li1-(x+y)NaxyAl1-zGaz2(0≦x,y,z≦
1)である。
【0041】一実施形態の半導体発光素子は、上記電流
狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶縁体が、
Li1-xNaxAlO2、Li1-xNaxGaO2、LiAl
1-yGay2およびNaAl1-yGay2(0≦x,y≦
1)のいずれかである。
【0042】一実施形態の半導体発光素子は、上記電流
狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶縁体が、 RABO4またはRAO3(BO)n R:ScおよびInの中から選択した少なくとも1つ A:Al、FeおよびGaの中から選択した少なくとも
1つ B:Mg、Mn、Fe、Co、Cu、ZnおよびCdの
中から選択した少なくとも1つ n:自然数 で示される構造を有する。
【0043】一実施形態の半導体発光素子は、上記電流
狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶縁体が、
ScAlMgO4、ScGaMgO4、ScAlMn
4、ScGaCoO4、ScAlCoO4、ScGaZ
nO4、ScAlZnO4、ScGaO3(ZnO)nおよ
びScAlO3(ZnO)nのいずれかである。
【0044】一実施形態の半導体発光素子は、上記電流
狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶縁体が、
KNbO3、KTaO3、BaTiO3、CaSnO3、C
aZrO3、CaHfO3、CdSnO3、SrHfO3
SrSnO3、SrTiO3およびYScO3のいずれか
である。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の半導体発光素子
の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
【0046】(実施形態1)本実施形態1では、III族
窒化物を用いたpn接合発光ダイオード素子の電流阻止
層をLiGaO2で形成した場合について説明する。
【0047】図1は本発明の実施形態1の半導体発光素
子としての発光ダイオード素子の断面図である。
【0048】本実施形態1の発光ダイオード素子は、c
面を主面とするサファイア基板101上に、GaNバッ
ファ層102、ノンドープGaN層103、n型GaN
コンタクト層104、n型AlGaN下クラッド層10
5、多重量子井戸発光層106、p型AlGaN上クラ
ッド層107およびp型GaN電流拡散層108が順次
積層されている。その多重量子井戸発光層106はGa
NとInGaNとで構成されている。
【0049】また、n型GaNコンタクト層104の上
にはn型オーミック電極110が形成され、p型GaN
電流拡散層108の上にはp型オーミック電極111が
形成されている。そして、p型オーミック電極111直
下において、p型AlGaN上クラッド層107とp型
GaN電流拡散層108との間には、LiGaO2から
なる島状の電流阻止層109を形成している。この電流
阻止層109の面積・形状はp型オーミック電極111
の面積・形状にほぼ等しくなっている。
【0050】以下、上記発光ダイオードの製造方法につ
いて説明する。ここでは、上記発光ダイオード素子を例
えばMOCVD(有機金属気相成長)法およびレーザM
BE(分子線エピタキシャル成長)法で形成する。
【0051】まず、洗浄処理したサファイア基板101
を、図示しないMOCVD装置に導入した後、水素ガス
を流しながら温度1100℃でサファイア基板101を
10分間加熱して清浄化する。
【0052】次に、基板温度を500℃まで降温し、水
素、アンモニアおよびトリメチルガリウム(以下、「T
MG」と言う)を流しながら、サファイア基板101上
にGaNバッファ層102を500Å形成する。
【0053】次に、基板温度を再び1100℃まで昇温
し、GaNバッファ層102と同様にして、GaNバッ
ファ層102上にノンドープGaN層103を1μm形
成する。
【0054】次に、水素希釈したSiH4を更に流し、
ノンドープGaN層103と同様にして、ノンドープG
aN層103上にn型GaNコンタクト層104を2μ
m形成する。
【0055】次に、トリメチルアルミニウム(以下、
「TMA」と言う)を更に流し、n型GaNコンタクト
層104と同様にして、n型GaNコンタクト層104
上にn型AlGaN下クラッド層105を2000Å形
成する。
【0056】次に、基板温度を800℃まで降温し、水
素、アンモニアおよびTMGを流しながら、トリメチル
インジウム(以下、「TMI」と言う)を流量を変化さ
せながら流して、n型AlGaN下クラッド層105上
に多重量子井戸発光層106を形成する。この多重量子
井戸発光層106の構成は、GaN障壁層を100Å、
In0.08Ga0.92N井戸層を70Åとして20周期積層
した。つまり、多重量子井戸発光層106は、100Å
のGaN障壁層と、70ÅのIn0.08Ga0.92N井戸層
との20ペアで構成する。
【0057】次に、基板温度を再び1100℃まで昇温
し、水素、アンモニア、TMG、TMAおよびcp2
gを流して、多重量子井戸発光層106上にp型AlG
aN上クラッド層107を2000Å形成する。
【0058】次に、サファイア基板101をMOCVD
装置から取り出し、図示しないレーザMBE装置にサフ
ァイア基板101を導入し、基板温度を500℃に設定
して、p型AlGaN上クラッド層107上にLiGa
2電流阻止層109を5000Å形成する。このと
き、原料ターゲットとしてはLiGaO2単結晶を用
い、アブレーションを行うパルスレーザにはKrFエキ
シマレーザ(波長:248nm,パルス数:10Hz,出
力0.9mJ/cm2)を用いた。
【0059】次に、サファイア基板101をレーザMB
E装置から取り出し、フォトリソグラフィと、HNO3
容液のウエットエッチングとによって、電流阻止層10
9を100μm径の島状にエッチングして、p型AlG
aN上クラッド層107上に電流阻止層109を形成す
る。ある素子の電流阻止層とこれに隣接する素子の電流
阻止層との間隔は300μmに設定した。
【0060】そして、レジスト膜を洗浄後、サファイア
基板101を再びMOCVD装置に導入し、基板混度を
300℃まで昇温し、水素、アンモニア、TMGおよび
cp 2Mgを流して、電流阻止層109を覆うようにp
型GaN電流拡散層108を非晶質で3μm形成する。
【0061】その後、基板温度を1100℃まで昇温
し、p型GnN電流拡散層108を再結晶化する。この
再結晶化のプロセスにより、水素還元によるLiGaO
2の消失を防ぐことが出来る。
【0062】次に、サファイア基板101をMOCVD
装置から取り出し、電流阻止層109を中心に200μ
m径以外の部分をドライエッチングし、n型GaNコン
タクト層104の一部を露出させる。
【0063】次に、真空蒸着とフォトリソグラフィとに
よって、露出したn型GaNコンタクト層104上にn
型オーミック電極110としてアルミニウム(Al)を
1000Å形成し、p型GaN電流拡散層108の上に
p型オーミック電極111として50Åのニッケル(N
i)と100Åの金(Au)を形成する。そのp型オー
ミック電極111は、電流阻止層109の直上に位置す
るようにパターニングした。また、p型オーミック電極
111は入射した発光の70%以上を透過する。
【0064】最後に、サファイア基板101を厚さ10
0μmまで研磨し、p型オーミック電極111が中央に
くるよう300μm角に素子分離した。
【0065】本実施形態1の発光ダイオード素子に20
mAの電流を流したこところ、本実施形態1の発光ダイ
オード素子の輝度は、電流阻止層109を形成しない場
合に比べて2倍に向上し、また、電流阻止層109の代
わりにn型GaN電流阻止層を用いた場合と比べても5
0%向上した。
【0066】上記発光ダイオード素子では、電流阻止層
109が、LiGaO2から成り、エピタキシャル成長
で形成された単結晶であるので、p型AlGaN上クラ
ッド層107およびp型GaN電流拡散層108と電流
阻止層109との界面や、電流阻止層109の内部に結
晶欠陥や粒界が少ない。その結果、上記電流阻止層10
9の電流阻止機能が向上し、多重量子井戸発光層106
の所望領域への電流注入を高効率に行うことが出来る。
【0067】また、電流阻止層109はワイドギャップ
でドーピングする必要が無いので、電流阻止層109に
対する不純物のドープを無くして、電流阻止層109の
光吸収による発光効率低下を防ぐことができる。
【0068】以上より、発光効率に優れた半導体発光素
子を作製することができる。
【0069】上記実施形態1では、発光ダイオード素子
をMOCVD法およびレーザMBE法で形成していた
が、発光ダイオードをレーザMBE法のみで形成しても
良い。
【0070】また、電流阻止層109を形成する位置は
本実施形態1に限定されるものではなく、サファイア基
板101と多重量子井戸発光層106との間でも良い。
また、多重量子井戸発光層106を狭んむように電流阻
止層を上下に形成するなどして、電流阻止層を複数配置
しても良い。つまり、多重量子井戸発光層106の上下
それぞれに電流阻止層を形成しても良い。
【0071】また、下クラッド層、多重量子井戸発光
層、上クラッド層および電流拡散層は、夫々、酸化亜鉛
系またはIII族窒化物系半導体より成っても良い。
【0072】(実施形態2)本実施形態2では、酸化亜
鉛系半導体を用いた端面発光型半導体レーザ素子の電流
阻止層をCaZrO3で形成した例を示す。
【0073】図2は本発明の実施形態2の半導体発光素
子としての端面発光型半導体レーザ素子の断面図であ
る。
【0074】本実施形態2の半導体レーザ素子は、n型
ZnO単結晶基板201上に、n型MgZnO下クラッ
ド層202、n型MgZnO光ガイド層203、多重量
子井戸活性層204、p型MgZnO光ガイド層20
5、p型MgZnO上クラッド層206およびp型Zn
Oコンタクト層207が順次積層されている。その多重
量子井戸活性層204はZnOとMgZnOとで構成さ
れている。
【0075】p型MgZnO上クラッド層206はリッ
ジストライプ状にエッチング加工され、p型MgZnO
上クラッド層206の側面はCaZrO3より成る電流
阻止層208によって埋め込まれている。
【0076】また、n型ZnO単結晶基板201の下に
はn型オーミック電極209が形成され、p型ZnOコ
ンタクト層207の上にはp型オーミック電極210が
形成されている。
【0077】以下、上記半導体レーザ素子の製造方法に
ついて説明する。ここでは、上記半導体レーザ素子を例
えばレーザMBE法で形成する。
【0078】まず、洗浄処理したn型ZnO単結晶基板
201を、図示しないレーザMBE装置に導入した後、
酸素ガスを流しながら温度700℃でn型ZnO単結晶
基板201を30分間加熱して清浄化する。
【0079】次に、基板温度を550℃に降温し、ノン
ドープZnO単結晶およびGa23を添加したMgZn
O焼結体を原料ターゲットとして、KrFエキシマレー
ザのパルス周期とターゲットテーブルの公転周期とを同
期させて所望の比率でアブレーションを行って、n型Z
nO単結晶基板201上にn型MgZnO下クラッド層
202を1μm成長させる。
【0080】引き続き、上記アブレーション比率を変え
て、n型MgZnO下クラッド層202上にn型MgZ
nO光ガイド層203を2000Å成長させる。
【0081】次に、ノンドープZnO単結晶およびノン
ドープMgZn焼結体を原料ターゲットとして、アブレ
ーション比率を制御してZnO/MgZnO多重量子井
戸活性層204を成長させる。多重量子井戸活性層20
4の構成は、MgZnO障壁層を50Å、ZnO井戸層
を80Åとして3周期積層した。つまり、多重量子井戸
活性層204は、50ÅのMgZnO障壁層と80Åの
ZnO井戸層との3ペアから構成する。
【0082】次に、酸素ガスと共にプラズマ化した窒素
ガスを流しながら、ノンドープZnO単結晶およびMg
ZnO焼結体を原科ターゲットとして、アブレーション
比率を制御して、多重量子井戸活性層204上にp型M
gZnO光ガイド層205を2000Å成長させる。
【0083】引き続き、アブレーション比率を変えて、
p型MgZnO光ガイド層205上にp型MgZnO上
クラッド層206を1μm成長させる。
【0084】次に、n型ZnO単結晶基板201をレー
ザMBE装置から取り出し、フォトリソグラフィと、H
NO3溶液のウエットエッチングとを行って、p型Mg
ZnO上クラッド層206を5μm幅のストライプ状に
エッチングする。
【0085】そして、レジスト膜を洗浄した後、n型Z
nO単結晶基板201を再びレーザMBE装置に導入し
て、基板温度を300℃まで昇温し、CaZrO3焼結
体を原科ターゲットとして、p型MgZnO光ガイド層
205上に電流阻止層208を1μm成長させる。これ
により、p型MgZnO上クラッド層206の側面が電
流阻止層208によって埋め込まれる。
【0086】次に、n型ZnO単結晶基板201を再び
レーザMBE装置から取り出し、フォトリソグラフィ
と、HNO3溶液のウエットエッチングとを行って、p
型MgZnO上クラッド層206上に堆積したCaZr
3をエッチング除去する。
【0087】そして、レジスト膜を洗浄した後、n型Z
nO単結晶基板201を再びレーザMBE装置に導入し
て基板温度を550℃に昇温し、酸素ガスと共にプラズ
マ化した窒素ガスを流しながら、ノンドープZnO単結
晶を原料ターゲットとして、p型MgZnO上クラッド
層206および電流阻止層208上にp型ZnOコンタ
クト層207を5000Å成長させる。
【0088】次に、n型ZnO単結晶基板201をレー
ザMBE装置から取り出し、厚さ50μmまでn型Zn
O単結晶基板201を裏側から研磨した後、真空蒸着と
フォトリソグラフィとを行う。これによって、n型Zn
O単結晶基板201の下面にn型オーミック電極209
を形成し、p型ZnOコンタクト層207の上にp型オ
ーミック電極210を形成する。n型オーミック電極2
09は、100Åのチタン(Ti)とl000Åの金
(Au)とで構成し、p型ZnOコンタクト層207
は、100Åのニッケル(Ni)と1000Åの金(A
u)とで構成する。
【0089】次に、ドライエッチングによってn型Zn
O単結晶基板201の(11−20)方向に沿って30
0μm間隔で垂直に深さ10μmエッチングして端面ミ
ラーを形成し、このエッチグで形成された溝を用いてス
クライブし、n型ZnO単結晶基板201をバー状に分
離する。
【0090】最後に、保護膜(図示せず)をエッチング
した端面ミラーに真空蒸着し、バー状のn型ZnO単結
晶基板201を300μmに分離する。
【0091】本実施形態2の半導体レーザ素子に電流を
流したところ、本実施形態2の半導体レーザ素子の端面
から波長380nmの発振光が得られた。また、電流阻
止層208の代わりに、n型ZnOからなる電流阻止層
を有する半導体レーザ素子では、発振閾値電流が本実施
形態2の半導体レーザ素子よりも30%高くなった。上
記半導体レーザ素子では、電流阻止層208が、CaZ
rO3から成り、エピタキシャル成長で形成された単結
晶であるので、p型MgZnO光ガイド層205、p型
MgZnO上クラッド層206およびp型ZnOコンタ
クト層207と電流阻止層208との界面や、電流阻止
層208の内部に結晶欠陥や粒界が少ない。その結果、
上記電流阻止層208の電流阻止機能が向上し、p型M
gZnO上クラッド層206直下の活性層領域への電流
注入を高効率に行うことが出来る。
【0092】また、電流阻止層208はワイドギャップ
でドーピングする必要が無いので、電流阻止層208に
対する不純物のドープを無くして、電流阻止層208の
光吸収による発光効率低下を防ぐことができる。
【0093】以上より、電流注入効率に優れ低閾値で発
振する半導体レーザ素子を作製することができる。
【0094】上記実施形態2ではリッジ構造の半導体レ
ーザ素子を示したが、チャネル構造のSAS(Self−al
igned structure)構造の半導体レーザ素子において
も、本実施形態2と同様の同様の効果を得ることが出来
る。この場合、p型MgZnO光ガイド層205を成長
後にCaZrO3を成長し、CaZrO3にチャネル溝を
形成して、p型MgZnO光ガイド層205上にCaZ
rO3電流阻止層を形成する。その後、本実施形態2と
同様に、p型MgZnO上クラッド層206およびp型
ZnOコンタクト層207を順次積層すれば良い。
【0095】また、ストライプ状の上クラッド層206
の光出射側端部を除去し、酸化物絶縁体電流阻止層が上
クラッド層上クラッド層206の端部を埋め込む様に形
成しても良い。このような所謂「窓構造」の半導体レー
ザ素子は、エネルギー密度の高い光出射面に電流を注入
しないため、欠陥の伝播を防止して高出力動作時の劣化
を防ぐものであるが、本発明の電流狭窄機構を適用する
ことにより、電流素子機能を更に向上させることが出来
る。
【0096】また、下クラッド層、多重量子井戸活性層
および上クラッド層は、夫々、酸化亜鉛系またはIII族
窒化物系半導体より成っても良い。
【0097】(実施形態3)図3は本発明の実施形態3
の半導体発光素子としての端面発光型半導体レーザ素子
の断面図である。また、図3において、図2に示した実
施形態2と構成部と同一構成部には、図2における構成
部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0098】本実施形態3の端面発光型半導体レーザ
は、電流阻止層308のみが図2の端面発光型半導体レ
ーザ素子と異なる。つまり、本実施形態3では、図2の
電流阻止層208の代わりに、500ÅのCaZrO3
層308aと500ÅのCdZnO層308bとの10
周期の積層構造の電流阻止層308を用いた他は、実施
形態2と同様にして端面発光型半導体レーザ素子を作製
する。
【0099】本実施形態3の半導体レーザ素子は、電流
阻止層308の実効的な屈折率とp型MgZnOクラッ
ド層205の屈折率との差が実施形態2より小さくなっ
ており、リッジストライプ幅を10μmまで広げて横モ
ード発振を維持出来る。
【0100】また、電流阻止層308がCaZrO3
308aとCdZnO層308bとから成るので、電流
阻止層308の屈折率がp型MgZnOクラッド層20
5に比して低く、実屈折率導波構造が得られる。その結
果、例えば光ディスク用半導体レーザなどにおいて重要
な単一横モード発振を容易に実現出来る。
【0101】また、電流阻止層308をCaZrO3
308aとCdZnO層308bとの多重積層構造にす
ることにより、電流阻止層308の実効的な屈折率を制
御することが出来、リッジストライプ幅が広くても単一
横モード発振を得易いので、素子作製を容易にすること
ができる。
【0102】また、電流阻止層308を構成する酸化物
絶縁体層,半導体層の層厚および積層周期は、本実施形
態3に限定されるものではない。
【0103】(実施形態4)本実施形態4では、酸化亜
鉛系半導体を用いた面発光型半導体レーザ素子の電流阻
止層をScAlMgO4で形成した例を示す。
【0104】図4は本発明の実施形態4の半導体発光素
子としての面発光型半導体レーザ素子の断面図である。
【0105】本実施形態4の面発光半導体レーザは、n
型ZnO単結晶401上に、多層反射鏡としての下部多
層反射膜402、n型MgZnO下クラッド層403、
多重量子井戸活性層404、p型MgZnO上クラッド
層405および多層反射鏡としての上部多層反射膜40
6が順次積層されている。その多重量子井戸活性層40
4はZnOとMgZnOとで構成されている。また、下
部多層反射膜402,上部多層反射膜406は導電性を
有している。そして、p型MgZnO上クラッド層40
5内には、ScAlMgO4より成る電流阻止層407
が形成されている。この電流阻止層407は中央に開口
部408を有している。
【0106】また、n型ZnO単結晶基板401の下に
はn型オーミック電極409が形成され、上部多層反射
膜406の上には光取り出しのための開口部を有するp
型オーミック電極410が形成されている。このp型オ
ーミック電極410の開口部は、電流阻止層407の開
口部408と同心円になるように形成されている。
【0107】本実施形態4の面発光半導体レーザ素子
は、実施形態2,3と同じくレーザMBE法で形成す
る。ここでは、本実施形態3の面発光半導体レーザ素子
の作製方法の詳細は省略する。
【0108】本実施形態4の面発光半導体レーザ素子に
よれば、n型ZnO単結晶基板401は上記実施形態2
と同様の構成で形成され、p型オーミック電極410は
実施形態1と回様の構成で形成されている。従って、p
型オーミック電極410は入射した発光の70%以上を
透過する。
【0109】また、上記面発光半導体レーザ素子の発振
閥値電流は、電流阻止層407の代わりに、n型ZnO
からなる電流阻止層を有する面発光半導体レーザ素子に
比べて30%低かった。
【0110】上記面発光半導体レーザ素子では、電流阻
止層407が、ScAlMgO4より成り、エピタキシ
ャル成長で形成された単結晶であるので、p型MgZn
O上クラッド層405と電流阻止層407との界面や、
電流阻止層407の内部に結晶欠陥や粒界が少ない。そ
の結果、上記電流阻止層407の電流阻止機能が向上
し、開口部408直下の活性層領域への電流注入を高効
率に行うことが出来る。
【0111】また、電流阻止層407はワイドギャップ
でドーピングする必要が無いので、電流阻止層407に
対する不純物のドープを無くして、電流阻止層208の
光吸収による発光効率低下を防ぐことができる。
【0112】以上より、電流注入効率に優れ低閾値で発
振する面発光半導体レーザ素子を作製することが出来
る。
【0113】上記実施形態4では、導電性を有する下部
多層反射膜401,上部多層反射膜406を用いていた
が、下部多層反射膜401,上部多層反射膜406の代
わりに、導電性を有さない下部多層反射膜,上部多層反
射膜を用いても良い。例えば、上記下部多層反射膜,上
部多層反射膜は、導電性を有さない誘電体材料などで形
成できる。
【0114】また、n型オーミック電極409およびp
型オーミック電極410を各々n型ZnO単結晶基板4
01およびp型MgZnO上クラッド層405に接する
ような構成としても良い。つまり、n型オーミック電極
409とn型ZnO単結晶基板401とが接するよう
に、p型オーミック電極410とp型MgZnO上クラ
ッド層405とがが接するようにしても良い。
【0115】また、下クラッド層、多重量子井戸活性層
および上クラッド層は、夫々、酸化亜鉛系またはIII族
窒化物系半導体より成っても良い。
【0116】以上のように、上記実施形態1〜4を用い
て本発明の半導体発光素子について説明したが、本発明
の半導体発光素子によれば、電流阻止層の酸化物絶縁体
は、Li1-(x+y)NaxyAl1-zGaz2(0≦x,y,
z≦1)であっても良い。より具体的には、電流阻止層
の酸化物絶縁体は、Li1-xNaxAlO2、Li1-xNa
xGaO2、LiAl1-yGay2およびNaAl1-yGa
y2(0≦x,y≦1)のいずれかであっても良い。
【0117】また、電流阻止層の酸化物絶縁体は、 RABO4またはRAO3(BO)n R:ScおよびInの中から選択した少なくとも1つ A:Al、FeおよびGaの中から選択した少なくとも
1つ B:Mg、Mn、Fe、Co、Cu、ZnおよびCdの
中から選択した少なくとも1つ n:整数 で示される構造を有してもよい。RABO4またはRA
3(BO)nとしては、例えば、ScAlMgO4、S
cGaMgO4、ScAlMnO4、ScGaCoO4
ScAlCoO4、ScGaZnO4、ScAlZn
4、ScGaO3(ZnO)nおよびScAlO3(Zn
O)nなどがある。
【0118】また、電流阻止層の酸化物絶縁体は、KN
bO3、KTaO3、BaTiO3、CaSnO3、CaZ
rO3、CaHfO3、CdSnO3、SrHfO3、Sr
SnO3、SrTiO3およびYScO3のいずれかであ
っても良い。
【0119】また、酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半
導体より成る半導体層に、エピタキシャル成長された酸
化物絶縁体を含む電流狭窄機構を設けても良い。
【0120】
【発明の効果】以上より明らかなように、第1の発明の
半導体発光素子によれば、酸化亜鉛系またはIII族窒化
物系半導体より成る半導体層に、エピタキシャル成長さ
せた酸化物絶縁体を含む電流狭窄機構が設けられている
ので、酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体と酸化物
絶縁体との界面や、酸化物絶縁体の内部に結晶欠陥や粒
界が少なく、例えば活性層への電流注入効率を高めるこ
とができる。
【0121】また、上記酸化物絶縁体は素子の発光波長
に比して十分大きなバンドギャップを有するので、不純
物ドープなどを酸化物絶縁体に行う必要が無くて、光吸
収損失が発生せず、発光効率を高めることができる。
【0122】また、上記酸化物絶縁体は酸化亜鉛系およ
びIII族窒化物系半導体に比して屈折率が低いので、酸
化物絶縁体を例えば半導体レーザの電流阻止層として用
いた場合には、実屈折率導波構造が得られる。この場
合、例えば光ディスク用半導体レーザなどにおいて重要
な単一横モード発振を容易に実現出来る。
【0123】また、上記酸化物絶縁体と半導体層とはエ
ピタキシャル成長出来るので、半導体層の任意の場所に
電流狭窄機構を作り付けることが出来、構造設計の自由
度を向上させることができる。
【0124】また、第2の発明の半導体発光素子は、酸
化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体より成る発光層
と、酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体より成る電
流拡散層との間に、エピタキシャル成長された酸化物絶
縁体を含む電流阻止層が設けられたので、発光層および
電流拡散層と電流阻止層との界面や、電流阻止層の内部
に結晶欠陥や粒界が少なく、発光層への電流注入効率を
高めることができる。
【0125】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は素
子の発光波長に比して十分大きなバンドギャップを有す
るので、不純物ドープなどを電流阻止層に行う必要が無
くて、光吸収損失が発生せず、発光効率を高めることが
できる。
【0126】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は酸
化亜鉛系およびIII族窒化物系半導体に比して屈折率が
低いので、実屈折率導波構造が得られ、例えば光ディス
ク用半導体レーザなどにおいて重要な単一横モード発振
を容易に実現出来る。
【0127】また、上記電流阻止層と半導体層はエピタ
キシャル成長出来るので、構造設計の自由度を向上させ
ることが出来る。
【0128】また、第3の発明の半導体発光素子は、酸
化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体より成る上クラッ
ド層と、エピタキシャル成長で形成された酸化物絶縁体
を含む電流阻止層とが積層されているので、上クラッド
層と電流阻止層との界面や、電流阻止層の内部に結晶欠
陥や粒界が少なく、活性層への電流注入効率を高めるこ
とができる。
【0129】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は素
子の発光波長に比して十分大きなバンドギャップを有す
るので、不純物ドープなどを電流阻止層に行う必要が無
くて、光吸収損失が発生せず、発光効率を高めることが
できる。
【0130】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は酸
化亜鉛系およびIII族窒化物系半導体に比して屈折率が
低いので、実屈折率導波構造が得られ、例えば光ディス
ク用半導体レーザなどにおいて重要な単一横モード発振
を容易に実現出来る。
【0131】また、上記電流阻止層と半導体層とはエピ
タキシャル成長出来るので、構造設計の自由度を向上さ
せることが出来る。
【0132】また、第4の発明の半導体発光素子は、酸
化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体より成る上クラッ
ド層の側方に、エピタキシャル成長された酸化物絶縁体
を含む電流阻止層が設けられたので、上クラッド層と電
流阻止層との界面や、電流阻止層の内部に結晶欠陥や粒
界が少なく、活性層への電流注入効率を高めることがで
きる。
【0133】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は素
子の発光波長に比して十分大きなバンドギャップを有す
るので、不純物ドープなどを電流阻止層に行う必要が無
くて、光吸収損失が発生せず、発光効率を高めることが
できる。
【0134】また、上記電流阻止層の酸化物絶縁体は酸
化亜鉛系およびIII族窒化物系半導体に比して屈折率が
低いので、実屈折率導波構造が得られ、例えば光ディス
ク用半導体レーザなどにおいて重要な単一横モード発振
を容易に実現出来る。
【0135】また、上記電流阻止層と半導体層とはエピ
タキシャル成長出来るので、構造設計の自由度を向上さ
せることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1における発光ダイオード
素子の断面図である。
【図2】 本発明の実施形態2における端面発光型半導
体レーザ素子の断面図である。
【図3】 本発明の実施形態3における端面発光型半導
体レーザ素子の断面図である。
【図4】 本発明の実施形態4における面発光半導体レ
ーザ素子の断面図である。
【符号の説明】
101 サファイア基板 105 n型AlGaN下クラッド層 106 多重量子井戸発光層 107 p型AlGaN上クラッド層 108 p型GaN電流拡散層 109,208,308,407 電流阻止層 201,401 n型ZnO単結晶基板 202,403 n型MgZnO下クラッド層 204,404 多重量子井戸活性層 206,405 p型MgZnO上クラッド層 207 p型ZnOコンタクト層 208 電流阻止層 408 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 5/327 H01S 5/327 (72)発明者 齊藤 肇 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F041 AA03 CA05 CA12 CA34 CA40 CA41 CA46 CA65 CA66 CA74 CA77 5F073 AA13 AA45 AA51 AA74 AB17 CA07 CA22 CB05 CB07 CB11 DA05 DA06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体
    より成る半導体層を備えた半導体発光素子において、 上記半導体層に、エピタキシャル成長された酸化物絶縁
    体を含む電流狭窄機構が設けられたことを特徴とする半
    導体発光素子。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された発光層と、この発光
    層上に形成された電流拡散層とを備え、 上記発光層および上記電流拡散層は、夫々、酸化亜鉛系
    またはIII族窒化物系半導体より成り、かつ、上記発光
    層と上記電流拡散層との間に、エピタキシャル成長され
    た酸化物絶縁体を含む電流阻止層が設けられたことを特
    徴とする半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 基板上に順次積層された下クラッド層、
    活性層および上クラッド層を備えると共に、上記活性層
    からの発振光を反射する多層反射鏡を備え、 上記下クラッド層、上記活性層および上記上クラッド層
    は、夫々、酸化亜鉛系またはIII族窒化物系半導体より
    成り、かつ、上記上クラッド層と、エピタキシャル成長
    で形成された酸化物絶縁体を含む電流阻止層とが積層さ
    れていることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体発光素子におい
    て、 上記電流阻止層は開口部を有し、上記開口部を上記上ク
    ラッド層が満たしていることを特徴とする半導体発光素
    子。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれか1つに記載の
    半導体発光素子において、 上記発光層または上記活性層からの光に対して透過性を
    有するオーミック電極を備えたことを特徴とする半導体
    発光素子。
  6. 【請求項6】 基板上に順次積層された下クラッド層、
    活性層、上クラッド層およびコンタクト層を備え、上記
    上クラッド層がストライプ状に形成された半導体発光素
    子において、 上記下クラッド層、上記活性層、上記上クラッド層およ
    び上記コンタクト層は、夫々、酸化亜鉛系またはIII族
    窒化物系半導体より成り、かつ、上記上クラッド層の側
    方に、エピタキシャル成長された酸化物絶縁体を含む電
    流阻止層が設けられたことを特徴とする半導体発光素
    子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体発光素子におい
    て、 上記電流阻止層によって上記上クラッド層の光出射側端
    部が埋め込まれたことを特徴とする半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1つに記載の
    半導体発光素子において、 上記電流狭窄機構または上記電流阻止層が、上記酸化物
    絶縁体と半導体との多重積層構造より成ることを特徴と
    する半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の
    半導体発光素子において、 上記電流狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶
    縁体が、Li1-(x+y)NaxyAl1-zGaz2(0≦
    x,y,z≦1)であることを特徴とする半導体発光素
    子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の半導体発光素子にお
    いて、 上記電流狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶
    縁体が、Li1-xNaxAlO2、Li1-xNaxGaO2
    LiAl1-yGay2およびNaAl1-yGay2(0≦
    x,y≦1)のいずれかであることを特徴とする半導体
    発光素子。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至8のいずれか1つに記載
    の半導体発光素子において、 上記電流狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶
    縁体が、 RABO4またはRAO3(BO)n R:ScおよびInの中から選択した少なくとも1つ A:Al、FeおよびGaの中から選択した少なくとも
    1つ B:Mg、Mn、Fe、Co、Cu、ZnおよびCdの
    中から選択した少なくとも1つ n:自然数 で示される構造を有することを特徴とする半導体発光素
    子。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の半導体発光素子に
    おいて、 上記電流狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶
    縁体が、ScAlMgO4、ScGaMgO4、ScAl
    MnO4、ScGaCoO4、ScAlCoO4、ScG
    aZnO4、ScAlZnO4、ScGaO3(ZnO)n
    およびScAlO3(ZnO)nのいずれかであることを
    特徴とする半導体発光素子。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至8のいずれか1つに記載
    の半導体発光素子において、 上記電流狭窄機構または上記電流阻止層の上記酸化物絶
    縁体が、KNbO3、KTaO3、BaTiO3、CaS
    nO3、CaZrO3、CaHfO3、CdSnO3、Sr
    HfO3、SrSnO3、SrTiO3およびYScO3
    いずれかであることを特徴とする半導体発光素子。
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