JP2003242926A - 質量分析装置 - Google Patents

質量分析装置

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JP2003242926A JP2002042511A JP2002042511A JP2003242926A JP 2003242926 A JP2003242926 A JP 2003242926A JP 2002042511 A JP2002042511 A JP 2002042511A JP 2002042511 A JP2002042511 A JP 2002042511A JP 2003242926 A JP2003242926 A JP 2003242926A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン/イオン反応による電荷減少の効率の向
上を容易に行うことの出来る分析装置を提供する。 【解決手段】測定対象試料をイオン化する第1のイオン
源と、当該第1のイオン源で生成されたイオンと反対の
極性のイオンを生成する第2のイオン源と、当該第1及
び第2のイオン源からのイオンを導入し偏向するイオン
偏向器と、リング電極と一対のエンドキャップ電極から
なるイオントラップ形質量分析計と、当該質量分析計か
ら放出されたイオンを検出する検出器を備え、当該第1
及び第2のイオン源からイオンは、共に前記イオン偏向
器を介して前記イオントラップ形質量分析計に導入さ
れ、当該イオントラップ形質量分析計内で両イオン源か
らのイオンが混合された後、前記検出器においてイオン
の検出を行うことを特徴とする。 【効果】反応イオンを十分に供給することが出来るた
め、イオン/イオン反応による電荷減少の効率を向上さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料溶液をイオン
化し、質量分析する質量分析装置に関する。
【0002】特に、多価イオン(Multiply-charged io
n)により複雑化したプロダクトイオン(Product ion)
のマススペクトルの解析を容易にすることの出来る質量
分析装置に関する。
【0003】
【従来の技術】質量分析計は、物質の質量を直接、高感
度,高精度に測定できる装置である。そのため、宇宙物
理からバイオ技術分野まで広範な分野で使用されてい
る。
【0004】質量分析計には、測定原理を異にする多く
の装置がある。この中で四重極質量分析計(Quadrupole
mass spectrometer,QMS)やイオントラップ質量分
析計(Ion trap mass spectrometer)は、小型でありな
がら多くの機能を有することから、多くの分野に普及し
てきた。四重極質量分析計とイオントラップ質量分析計
は、1950年代にDr. Paul により発明され、その基
本的概念は米国特許第2,939,952 号に開示されている。
【0005】その後、多くの研究者やメーカーにより、
QMSやイオントラップ質量分析計に関して装置や手法
の改良がなされてきた。例えば、イオントラップ質量分
析計によるマススペクトルの取得の基本的手法は、米国
特許第4,540,884 号に示されている。更に米国特許第4,
736,101 号には、補助交流電圧(Supplementary ACvolta
ge)を印加してイオンを共鳴的に放出して検出する方法
が開発された。また、イオントラップ空間に圧力1mTo
rr(10-3Torr)程度のHeガスを導入することで、分
解能や感度が大幅に改善されることも示された。
【0006】近年、マトリックス支援レーザー脱離イオ
ン化法(Matrix-assisted laserdesorption ionization
(MALDI))やエレクトロスプレイイオン化(Elect
rospray ionization,ESI)などのイオン化技術が開
発され、タンパクやDNAなど生体高分子も質量分析の
対象となった。特にESIは、熱分解しやすい生体高分
子を溶液の状態から直接気相状態の安定なイオンとして
取り出すことが可能なイオン化法である。
【0007】ESIでは、タンパク,タンパクを消化し
たペプチド,DNA等の生体高分子は、多くの電荷を持
つ多価イオンを与える。多価イオンは、一つの分子
(m)に複数の電荷(n価)を持つイオンである。質量
分析計(MS)は、質量対電荷比(m/z)に従いイオ
ンを質量分析するため、質量mでn価のイオンは、m/
nの質量対電荷比のイオンとして質量分析される。例え
ば、質量30,000 のタンパクが30価の多価イオン
を与えるとき、この多価イオンのm/zは、m/z=3
0,000/30=1,000となり、質量1,000の
1価のイオンと同等に質量分析できる。
【0008】タンパクやペプチドの多くは、正の多価イ
オンを、DNAは、負の多価イオンを与える。そのた
め、四重極質量分析計(QMS)やイオントラップ質量
分析計などの小形の質量分析計でも、分子量が10,0
00 を超えるタンパクやDNAなどの測定を容易に行
うことが可能になった。
【0009】血液や生体組織中の極微量成分を分析する
際には、質量分析の前に、大量に存在する妨害成分(夾
雑物)を取り除く前処理やクリーンアップが必要であ
る。この前処理やクリーンアップには、多くの時間と人
手が必要とされる。しかし、複雑な前処理によっても夾
雑物を取り除くことは困難である。マススペクトル上に
おいて、これら夾雑物が生体試料成分の信号に重畳す
る。この妨害を化学ノイズと言う。
【0010】夾雑物の除去や分離のため、液体クロマト
グラフィー(LC)が質量分析計(MS)の前段に結合
した液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS)が
開発された。図19に従来技術のLC/MSの模式図を
示す。LC100の移動相溶媒101はLCポンプ10
2で送り出され、注入口103から試料溶液が移動相溶
媒中に注入される。試料溶液は分析カラム104に導入
され、分析対象の生体試料成分に分離される。試料成分
はオンラインでESIイオン源2のESIプローブ1に
導入され、高電圧が印加されたESIプローブ1の先端
部に送られる。試料溶液は、ESIプローブ1の先端付
近に形成された高電界の作用により、プローブ先端から
極微細な帯電した液滴(〜μm)となり、大気中に噴霧
される。帯電した液滴は、ESIイオン源2中の大気分
子との衝突により機械的に破砕され、更に微細な液滴と
なる。液滴の微細化を繰り返し、最終的にイオン3が大
気中に放出される。これがエレクトロスプレイイオン化
(ESI)である。イオンは、複数の真空ポンプ10
5,106,107により真空排気された質量分析装置
に導入される。導入されたイオンは、中間圧力室24,
真空室108に置かれた高周波多重極イオンガイド(rf
multipole ion guide)31を経て、高真空の室108
に置かれた質量分析計110に導入される。質量分析計
110に導入されたイオンは質量分析され検出器16で
検出される。結果は、データ処理装置19によりマスス
ペクトルとして与えられる。
【0011】血液や生体組織中の生体成分の分析におい
て、極微量成分の高感度測定は、前処理やクリーンアッ
プ,液体クロマトグラフィー(LC)の助けによっても
容易に達成できない。これは、多くの場合、分析対象が
極微量(pg=10-12g以下)であるため、分析対象
成分に較べ妨害成分が圧倒的に多く、前処理や液体クロ
マトグラフィー(LC)でも試料成分に重畳する妨害成
分を十分に除去できないことに由来する。
【0012】化学ノイズと分析対象成分を識別するため
の一つの解決策が、McLuckey等によりAnalytical Chemi
stry Vol.68(1996),4026-4032やInternational Journal
ofMass Spectrometry and Ion processes Vol.162(199
7),89-106に示された。これは、質量分析計により、妨
害成分(化学ノイズ)や不純物成分と分析対象成分を識
別しようとする試みである。生体関連試料のLC/MS
分析の場合、妨害成分の多くは、溶媒,塩,脂質,炭水
化物など、分子量1,000 以下の比較的分子量が小さ
い分子に由来する。これらが、タンパク,ペプチド,D
NAなど、分子量2,000 以上の生体高分子のマスス
ペクトル上において重畳してくる。それは、生体高分子
が多価イオンとなり、見かけ上低質量領域にマスピーク
が出現するためである。ESIのイオン化において、比
較的低分子量の妨害成分の多くは、1価のイオンを与え
る。これに対し、タンパクやペプチドなど、生体高分子
の多くは多価イオンを与える。
【0013】McLuckeyらは、1価の化学ノイズイオンと
多価試料イオンの電荷数の差を利用して両者を識別しよ
うとした。図18に、McLuckeyらが用いた装置の模式図
を示す(International Journal of Mass Spectrometry
and Ion processes Vol.162(1997)89-106より)。生体
試料溶液は、高電圧が印加されたESIプローブ1に送
られ、ESIイオン源2空間で噴霧イオン化される。生
成した正のイオン3は真空隔壁5に形成された細孔4か
ら真空ポンプで排気された中間圧力室24に導入され
る。イオンビーム6は更にイオントラップ質量分析計が
配置された高真空室25に導入される。イオンはレンズ
9により収束され、イオントラップ質量分析計のエンド
キャップ電極(Endcap electrode)11に設けられた細
孔12からイオントラップ空間29内に導入される。イ
オントラップ質量分析計のリング電極(ring electrod
e)13には直径3mmの孔8が開けられている。ガスだ
め23に溜められたフッ化炭素のガスは、グロー放電イ
オン源26に送られる。グロー放電イオン源26の電極
21に、負の高電圧が印加される。グロー放電イオン源
26内のグロー放電により、フッ化炭素ガスは負イオン
を生成する。生成した負イオンは高真空室25に導入さ
れレンズ27により収束され、リング電極13に開けら
れた細孔8を経てイオントラップ質量分析計のイオント
ラップ空間29に導入される。リング電極13に印加さ
れた主高周波電圧(Main rf voltage)により、イオント
ラップ空間29内には高周波四重極電界が形成される。
ESIにより生成された正の多価イオンとグロー放電で
生成した負のイオンは、イオントラップ空間29内に形
成された高周波四重極電界により安定にトラップされ
る。
【0014】1mTorr(10-3Torr)程度の圧力下で、
1価の負イオンと正の多価イオンを一緒に主高周波電圧
が印加されたイオントラップ空間29内に閉じ込める
と、イオン同士がクーロン引力で引き合い、イオン/イ
オン反応を起こすようになる。イオン/イオン反応には
種々の反応が報告されているが、その中でプロトン移動
反応が重要な役割を果たしている。このイオン/イオン
反応の際、負イオンのプロトン親和力(Proton Affinit
y:PA)が多価イオンのそれを上回ると、式(1)の
ように負イオンA-は、n価の多価イオン(m+nH)n+
からプロトンH+を引き抜き、電荷数が一つ小さい多価
イオン{m+(n−1)H}(n-1)+を与える。
【0015】 (m+nH)n+ +A- → {m+(n−1)H}(n-1)+ +AH …(1) 多価イオンは、クーロン引力が大きいため、イオン/イ
オン反応が起こりやすく、容易にプロトンを負イオンに
手渡してしまう。一方、多価イオンの電荷が少なくなる
とイオンのクーロン引力は小さくなり、このイオン分子
反応が比較的おきにくくなる。即ち、1価のイオンは電
荷の減少はおきにくく、一方、多価イオンは電荷の減少
が起きやすい。
【0016】いま、n価の正の多価イオンが1価の負イ
オンとのイオン/イオン反応により、電荷の減少が起
き、(n−1)価の正の多価イオンが生じたとする。式
(1)で水素の質量は1(H=1)であるからであるか
ら、多価イオンのm/zの変化は(2)のように表され
る。左辺はイオン/イオン反応前のm/z、右辺はイオ
ン/イオン反応後のm/zを示す。
【0017】 (m+n)/n → (m+n−1)/(n−1) …(2) (2)式は更に、 m/n+1 → m/(n−1)+1 …(3) となるから、(4)式のように表される。
【0018】 m/n → m/(n−1) …(4) イオン/イオン反応前後の多価イオンのm/zの変化Δ
は、次式で表される。
【0019】 Δ=m/n−m/(n−1)=−m/{n(n−1)}<0 …(5) ここでm,n,n−1共に正の整数であるため、(6)
式が導かれる。
【0020】 m/n<m/(n−1) …(6) 即ち、イオン/イオン反応による電荷が減少した多価イ
オンのm/zは、イオン/イオン反応前のm/zに較べ
て大きくなる。
【0021】一方、一価のイオンは、イオン/イオン反
応が起きにくいため、マススペクトル上の元のm/zの
位置のままである。また、イオン/イオン反応が起きた
1価のイオンは電荷を失い中性となるため、質量分析の
対象とならず真空ポンプで排気される。その結果、電荷
が減少して高質量領域に移動した多価イオンと化学ノイ
ズの質量領域の差が拡大し、両者の識別が容易になる。
【0022】McLuckeyらは最近、この手法を改良し、M
S/MSの後に生成した多価プロダクトイオンのマスス
ペクトルを単純化するために、このイオン/イオン反応
による電荷減少を用いることを提案した。(McLuckey,
Analytical Chemistry, Vol.72,(2000),899-907)このイ
オン/イオン反応による電荷減少により、高質量の多価
イオンは低質量領域の化学ノイズとの識別が明瞭にな
る。また、試料が混合物の場合、不純物イオンのm/z
と試料分子のm/zが乖離し、これらのイオン間の識別
が容易になる。
【0023】上記のように、McLuckey等で示された、イ
オントラップ内のイオン/イオン反応による電荷減少に
よれば、化学ノイズと多価イオンのマススペクトル信号
の識別を行うことが可能となる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】イオン/イオン反応を
長時間行うと、多価イオンの電荷は減少して行き、高質
量領域にマスピークは移行する。最終的には、質量分析
計のマスレンジを超えるようになる。これでは測定がで
きなくなるため、正負両イオンのイオン量にあわせて反
応を制御することが必要である。正の多価イオンと負の
イオンとの反応の進行度合いは、負イオンの導入時間に
より制御できる。反応時間を長くすれば、電荷の減少は
進み、1価のイオンから最終的には中性の分子となり、
反応は停止する。
【0025】図18に示した構造では、イオントラップ
質量分析計のリング電極13に開けられた細孔8から負
イオンを導入する。しかしながら、リング電極13には
高周波電圧が印加されているため、リング電極13に開
けられた細孔8を通過できるイオン量は、エンドキャッ
プの側の中心軸上に設けられた細孔12から導入する場
合と比べて、1/100以下になってしまう。負イオン
の量の不足は、負イオンの導入時間、ひいてはイオン/
イオン反応時間を長くし、イオントラップ内で副次的な
反応や多価イオンの損失などを招くことになる。
【0026】また、リング電極13に開けた直径3mmの
細孔8により、イオントラップ空間29内の高周波四重
極電界は歪められ、イオントラップ質量分析計にとって
最も重要な仕様である分解能,感度などの性能を損ねて
しまう。
【0027】また、イオントラップ質量分析計の場合、
その性能を保つため、イオントラップ空間には圧力1m
Torr(10-3Torr)のHeガス(バッファガス)の導入
が必須とされる。リング電極13に開けられた大きな孔
8のため、イオントラップ電極の周囲を高真空(<105
Torr)に保ったままイオントラップ空間を1mTorrに保
つことが困難になる。これがイオントラップ質量分析計
の性能を損ねることになる。
【0028】また、試料イオン化モードの極性の切り替
えに伴う反応イオンの極性の切り替え、反応イオン種の
切り替えなどに多くの手間と時間を必要とするなど問題
が多かった。
【0029】また、従来イオン/イオン反応が適用され
た質量分析計は、イオン蓄積型の質量分析計、即ち、イ
オントラップ質量分析計のみであった。イオントラップ
質量分析計などの小形の質量分析計は、測定できる質量
範囲に限界があるため、タンパクやDNA等の生体高分
子は、多価イオンであったからこそ測定できている。化
学ノイズとのマススペクトルの重畳を除去するために、
イオン/イオン反応を利用すると、生体高分子は、測定
範囲外となってしまい、測定することができなかった。
【0030】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、イオン/イオン反応による電荷減少
の効率の向上と、様々な質量分析計を用いてもイオン/
イオン反応が適用可能な質量分析装置を提供することを
目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的における本発明
の特徴は、測定対象試料をイオン化して質量分析する質
量分析装置において、測定対象試料をイオン化する第1
のイオン源と、当該第1のイオン源で生成されたイオン
と反対の極性のイオンを生成する第2のイオン源と、当
該第1及び第2のイオン源からのイオンを導入し偏向す
るイオン偏向器と、リング電極と一対のエンドキャップ
電極からなるイオントラップ形質量分析計と、当該質量
分析計から放出されたイオンを検出する検出器を備え、
当該第1及び第2のイオン源からイオンは、共に前記イ
オン偏向器を介して前記イオントラップ形質量分析計に
導入され、当該イオントラップ形質量分析計内で両イオ
ン源からのイオンが混合された後、前記検出器において
イオンの検出を行うことである。
【0032】また、測定対象試料をイオン化して質量分
析する質量分析装置において、測定対象試料をイオン化
する第1のイオン源と、当該第1のイオン源で生成され
たイオンと反対の極性のイオンを生成する第2のイオン
源と、当該第1及び第2のイオン源からのイオンを導入
し偏向するイオン偏向器と、イオンを質量分析する質量
分析計と、当該質量分析計から放出されたイオンを検出
する検出器を備え、前記第1及び第2のイオン源と前記
質量分析計の間で、当該第1及び第2のイオン源からの
イオンを混合した後、前記質量分析計にイオンを導き、
分析を行うことである。
【0033】また、測定対象試料をイオン化して質量分
析する質量分析装置において、測定対象試料をイオン化
する第1のイオン源と、当該第1のイオン源で生成され
たイオンと反対の極性のイオンを生成する第2のイオン
源と、前記第1のイオン源からのイオンを質量分析する
四重極質量分析計と、当該四重極質量分析計から放出さ
れたイオンのプロダクトイオンを生成する高周波多重極
イオンガイドと、当該高周波多重極イオンガイド及び第
2のイオン源からのイオンを導入し偏向するイオン偏向
器と、前記イオン偏向器から放出されたイオンを質量分
析する質量分析計と、当該質量分析計から放出されたイ
オンを検出する検出器を備え、前記高周波多重極イオン
ガイド内で、前記第1のイオン源からのイオンと前記第
2のイオン源からのイオンを衝突させることである。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を示す。
説明の簡素化のため、試料の多価イオンの極性は正、反
応イオンの極性は負の場合で説明する。試料の多価イオ
ンが負の場合は、反応イオンを正として測定を行う。
【0035】(実施例1)図1に本実施例の装置構成図
を示す。
【0036】液体クロマトグラフ(LC)から送り出さ
れた試料溶液は、ESIイオン源62の高圧電源35か
ら供給される正の高電圧が印加されたESIプローブ6
1に導入され、大気中に正に帯電した微細な液滴として
噴霧され、イオン化される。生成した正の多価イオン
は、隔壁63,73に設けられた細孔を経て、ターボ分
子ポンプ(図示せず)によって高真空に排気された質量
分析装置の真空室に導入される。尚、隔壁63,73の
間は、油回転ポンプ(図示せず)によって排気された中
間圧力室である。隔壁63,73間には、電源75から
加速電圧が印加され、イオン源62から導入されたイオ
ンは加速される。即ち、隔壁63は、イオン加速電極と
して作用する。真空室に導入された多価イオンは、その
後、レンズ64により収束された後、電極30b,30
cの間から四重極静電偏向器30に入り、時計回りに9
0度偏向される。四重極静電偏向器30によるイオンの
偏向は、例えば特開2000−357488号公報に示
されている。
【0037】四重極静電偏向器30は、4つの扇形(偏
向角90度)の柱状電極(30a,30b,30c,3
0d)で構成される。図1のように、正のイオンを時計
回りに90度偏向するためには、電極30a,30cに
四重極静電偏向器電源36から供給される正の直流電
圧、電極30b,30dに四重極静電偏向器電源36か
ら供給される負の直流電圧を印加する。時計回りに90
度偏向された正の多価イオンは、電極30a,30bの
間から四重極静電偏向器30を出て、高周波電源32か
ら供給される高周波が印加された高周波多重極イオンガ
イド31に送られ、イオントラップ質量分析計のイオン
トラップ空間29に導入される。
【0038】イオントラップ質量分析計は、一つのドー
ナツ状のリング電極13とそれを挟むように配置された
2つのエンドキャップ電極11,15とで構成される。
リング電極13には主高周波電圧が主高周波電源17か
ら供給され印加されている。その結果、3つの電極によ
り形づくられたイオントラップ空間内29に高周波四重
極場(rf quadrupole field)が形成される。また、2つ
のエンドキャップ電極11,15には補助交流電源41
から補助交流電圧が適宜印加され、イオントラップ空間
29内に四重極場に重畳して2極子場(dipole field)
が形成される。イオントラップ空間29に導入されたイ
オンは高周波四重極場の働きにより、イオントラップ空
間29内に安定にトラップされる。イオントラップ空間
29にトラップされたイオンは、次に、主高周波電圧の
振幅(電圧)の掃引により、イオントラップ空間29か
ら質量順に放出され検出器16により検出される。検出
されたイオン電流は、直流増幅器で増幅され、データ処
理装置19に送られる。データ処理装置19は、イオン
トラップの主高周波電源17,補助交流電源41やレン
ズ電源65,71などを制御してマススペクトルを収集
する。
【0039】イオン/イオン反応による電荷減少のため
の負イオンは、APCIイオン源68で生成される。
【0040】大気圧化学イオン化(APCI)で正負イ
オンを良く生成する化合物として、界面活性剤が知られ
ている。本実施例では、ポリエチレングリコール(Poly
ethylene Glycol:PEG),ポリプロピレングリコー
ル(PolypropyleneGlycol:PPG)やポリエチレング
リコールサルフェート(Polyethylene GlycolSulfate)
などを濃度1ppmになるよう調製したメタノール溶液3
9をポンプ38により大気圧化学イオン化(APCI)
イオン源68に送り込む。
【0041】APCIイオン源68は、四重極静電偏向
器30を介してESIイオン源62と相向い合うように
配置されている。PEGなどのメタノール溶液は、AP
CI噴霧プローブ66からAPCIイオン源68内に噴
霧される。噴霧流を加熱気化させた後、高電圧が印加さ
れたコロナ放電針67先端から発生したコロナ放電によ
り、PEGなどの分子がイオン化される。
【0042】PEGなどは、APCIの負イオン化モー
ドにより、(7)から(9)式に示すように、負イオン
を生成する。
【0043】 PEG:H−(−O−CH2−CH2−)n−OH → H−(−O−CH2−CH2−)n−O- …(7) PPG:H−(−O−CH2−CH2−CH2−)n−OH → H−(−O−CH2−CH2−CH2−)n−O- …(8) PEG Sulfate:H−(−O−CH2−CH2−)n−SO4H → H−(−O−CH2−CH2−)n−SO4 - …(9) 尚、界面活性剤としては、酸性(PEG−Sulfateな
ど),塩基性(PEG−Amineなど)及び中性の化合物
(PEGなど)が知られている。酸性の界面活性剤は負
の反応イオンに、塩基性の界面活性剤は正の反応イオン
として活用できる。中性の界面活性剤(PEGなど)
は、APCIイオン源68でのイオン化モードの切り替
えにより、正負両極性の反応イオンを生成可能である。
即ち、コロナ放電針67に印加する電圧の極性により生
成するイオンの極性が定まるものであり、例えば、正の
高電圧をコロナ放電針67に印加すれば正のイオン、負
の高電圧をコロナ放電針67に印加すれば負のイオンが
生成される。中性の界面活性剤の溶液一つで、正負両極
性の反応イオンを提供できることになる。
【0044】また、PEGなどの界面活性剤の場合、重
合度により分子量が異なる試料を容易に入手できる。そ
のため、試料の多価イオンに対応した分子量の反応イオ
ンを用意できる。測定者は反応性や分子量を自由に選択
できるため、測定結果の解析を容易にする。
【0045】生成した多価イオンの反応性により、反応
負イオンのイオン種を交換する必要がある。また、多価
イオンの構造情報を得るために、反応負イオンを変える
場合がある。例えば、ポリエチレングライコールPEG
からポリプロピレングライコールPPGやPEG−Sulf
ate へ、また、別の負イオンへと反応負イオンを変えた
い場合であるが、そのときは、ポンプ38はメタノール
溶液39からPPG溶液40に、また別の溶液へと吸引
を切り替えればよい。
【0046】APCIイオン源68で生成した負のイオ
ンは、隔壁72,69間の油回転ポンプ(図示せず)に
よって排気された中間圧力室を経て、ターボ分子ポンプ
(図示せず)によって高真空に排気された質量分析装置
の真空室に導入される。隔壁69,72間には、電源7
4から加速電圧が印加され、APCIイオン源68から
のイオンを加速させる。即ち、隔壁69は、イオン加速
電極として作用する。真空室に導入されたイオンは、レ
ンズ70により収束された後、四重極静電偏向器30に
送り込まれる。ESIイオン源62で生成された正の多
価イオンを時計回りに90度偏向するために、電極30
a,30cに正、電極30b,30dに負の直流電圧が
既に印加されている。この条件下で、APCIイオン源
68で生成した負のイオンは、反時計回りに90度偏向
され、正イオンと同様に、電極30a,30bの間から
放出され、高周波多重極イオンガイド31を経てイオン
トラップに導入される。即ち、四重極静電偏向器30の
電極30a,30b,30c,30dに印加する電圧を
変更することなく、2つのイオン源62,68で生成し
た正負イオンを同時に90度偏向し、一つの方向からイ
オントラップ質量分析計に導入することが出来る。
【0047】また、タンパクからDNAへと測定試料を
変える場合は、DNAは負の多価イオンを与えるため、
質量分析装置の測定モードを正イオンモードから負イオ
ンモードに切り替える必要がある。また、反応イオンは
DNAの反対極性、即ち正のイオンに切り替える必要が
ある。PEGやPPGは、APCIイオン源の極性を負
から正に切り替えると、負イオンの場合と同様に、安定
で大量の正イオンを与える事が出来る。即ち、PEGや
PPGは両極性の化合物といえる。そのため、PEGや
PPGを反応イオンとして用いると、正負の極性の切り
替えに伴い、反応イオン用の溶液そのものを変える必要
は無い。PEGやPPGはAPCIの正イオン化モード
で(10),(11)式のように正の反応イオンBH+
が生成される。
【0048】 PEG:H−(−O−CH2−CH2−)n−OH → H−(−O−CH2−CH2−)n−OH2 + …(10) PPG:H−(−O−CH2−CH2−CH2−)n−OH → H−(−O−CH2−CH2−CH2−)n−OH2 + …(11) 生成した正の反応イオンBH+ 、即ちH−(−O−CH2
−CH2−)n−OH2 +やH−(−O−CH2−CH2−C
2−)n−OH2 + などは、負の多価イオン(m−n
H)n-と(12)式のようなイオン/イオン反応により
負の多価イオンの電荷を減少させる。
【0049】 (m−nH)n- +BH+→ {m−(n−1)H}(n-1)-+B …(12) 試料のイオン化のためのESIイオン源62の正から負
への極性の切り替えは、先ず、高圧電源35の極性を正
から負へと切り替える。また、レンズ64などの供給電
圧の極性も切り替える。四重極静電偏向器30も極性の
切り替えが必要であり、電源36から各電極に供給され
る電圧の極性を切り替える。30a,30cには負の直
流電圧が、電極30b,30dには正の直流電圧が印加
される。高周波多重極イオンガイド31や検出器16に
ついては、一般的に行われる極性切り替え法に従い行わ
れる。APCIイオン源68の負から正への極性の切り
替えは、高圧電源37からコロナ放電針67に供給印加
される高圧電圧の極性を切り替える。即ち、負の高電圧
から正の高電圧へと切り替える。これらの切り替えは、
データ処理装置19から各電源への極性切替の指示によ
り行う事ができる。ESIイオン源62で生成された負
の多価イオンとAPCIイオン源68で生成された正の
1価のイオンは共に、四重極静電偏向器30により、イ
オントラップ方向(右方向)に偏向され、イオントラッ
プ質量分析計に導入される。
【0050】質量分析計にイオントラップ質量分析計や
FT−ICR(Fourier-transformion cyclotron reson
ance)質量分析計などのイオン蓄積型の質量分析計を用
いる場合、試料イオンと反応イオンの導入には2つの方
法がある。
【0051】第一の方法は、正負イオンを時分割でイオ
ントラップ質量分析計に導入し、質量分析計内でイオン
/イオン反応による電荷減少をおこす方法である。第二
の方法は、正負イオンを同時に四重極静電偏向器30に
導入し、イオントラップ質量分析計に導入する以前の段
階(例えば、高周波多重極イオンガイド31内)でイオ
ン/イオン反応による電荷減少をおこす方法である。
【0052】何れの方法においても、2つのイオン源6
2,68で生成する正負両極性のイオンの電流量は同じ
でないため、イオン/イオン反応の電荷減少の進行度合
いを制御することが必要である。具体的には、イオン源
62で生成される正の多価イオンに対するイオン源68
からの負の反応イオンのイオン量を制御することであ
る。正及び負イオンの導入量の制御は、イオン加速のO
N/OFFやレンズ64,70への印加電圧の調整によ
って行われる。
【0053】前記第一の方法に適した制御としては、正
負各々のイオンの導入時間を独立に変えることが考えら
れる。この場合、イオン/イオン反応に先立ち、正のイ
オンと負の反応イオンを独立にイオントラップ質量分析
計に導入し、各々マススペクトルを測定して正負のイオ
ン電流値を計測する。この後、正のイオン電流値と負の
反応イオン電流値を比較し、その比に応じて各イオン源
62,68に対応した隔壁63・73間、及び隔壁69
・72間に印加する電圧(イオン加速電圧)のON/O
FF時間を調整することにより、イオントラップ質量分
析計に導入されるイオン量を調節する。例えば、正の多
価イオンのイオン電流値に対して負の反応イオンのイオ
ン電流値が2倍の時、負イオンの導入時間は正の多価イ
オンの導入時間に対して1/2以下にする。
【0054】尚、ここでイオン加速電圧とは、イオンを
加速することが可能な電圧値のことをいう。イオンの導
入をOFF状態とするには、イオン加速電極に印加する
イオン加速電圧をOFFとし接地電位とすれば良い。例
えば、隔壁69・72間における負イオンのイオン加速
電圧が−10Vの時、加速電圧を0Vにすれば、四重極
静電偏向器30に負イオンは導入されない。逆に、イオ
ンの導入をON状態とするには、隔壁69・72間にイ
オン加速電圧−10Vを印加すれば、負の反応イオン
は、四重極静電偏向器30に導入される。正の多価イオ
ンについても、隔壁63・73間に対して同様の制御を
行うことが出来る。
【0055】また、第一の方法に加え、第二の方法にも
適した制御としては、レンズ64,70への印加電圧値
を制御して、イオンの四重極静電偏向器30への導入量
を制御することが考えられる。例えば、正の多価イオン
のイオン電流値に対して負の反応イオンのイオン電流値
が2倍の時、負イオンの電流値が1/2以下となるよう
に、レンズ70の印加電圧値を調整する。この結果、正
負導入時間は同じであるが、イオントラップ質量分析計
に導入される正負イオン電流は均衡する。尚、この場合
も、イオン/イオン反応に先立ち、正のイオンと負の反
応イオンを独立にイオントラップ質量分析計に導入し、
各々マススペクトルを測定して正負のイオン電流値を計
測する必要がある。
【0056】第一の方法は、イオン蓄積型の質量分析計
特有の動作方法である。対して第二の方法は、質量分析
計がイオン蓄積型以外の場合でも適用可能である。本実
施例では、第一の方法について説明し、第二の方法は、
他の実施例中で説明する。
【0057】図6に、上記第一の方法を用いた動作シー
ケンスを示す。
【0058】基本的な動作として、イオンの導入,MS
/MS,反対極性の反応イオンの導入,イオン/イオン
反応,マススペクトルの取得を行う。以下に詳細を説明
する。
【0059】(1)A期間:試料イオン(多価イオン)
の導入期間 まず、主高周波電圧が電源17からリング電極13に印
加される。次に、イオン源62側のイオン加速電圧をO
N状態にして正イオンを四重極静電偏向器30に導入す
る。四重極静電偏向器30に導入された正イオンは、時
計回りに90度偏向され、高周波多重極イオンガイド3
1を経てイオントラップ質量分析計に導入される(図
4)。一方、反対極性の反応イオンはイオン源68側の
イオン加速電圧をOFF状態にしてあるため、四重極静
電偏向器30に導入される事が阻止される。即ち、A期
間では、試料の正の多価イオンのみがイオントラップ質
量分析計に導入蓄積される。
【0060】(2)B期間:B期間とC期間は、MS/
MSの期間である。MS/MSを行わない場合は、B,
C期間をスキップできる。
【0061】B期間ではA期間で蓄積された試料の多価
イオンの中から、MS/MSのための前駆イオンを単離
する。補助交流電圧をエンドキャップ電極11,15間
に印加して、前駆イオン以外のイオンをイオントラップ
空間29から排除する。前駆イオンの単離法には他にい
くつかの方法が知られている。この期間、イオン源62
側のイオン加速電圧はOFF状態となり、正の多価イオ
ンが四重極静電偏向器30に導入されるのを遮断する。
また、反応イオン用のイオン源68側のイオン加速電圧
はA期間と同様にOFF状態のままである。
【0062】(3)C期間:前駆イオンの励起,解離
(CID)の期間 B期間で単離された前駆イオンの固有振動数(secular m
otion)と同じ周波数の補助交流電圧をエンドキャップ電
極11,15間に印加して、イオントラップ空間29内
に2極子場を形成する。これにより、2極子場と前駆イ
オンと間で共鳴励起が起き、前駆イオンとバッファガス
分子との衝突が頻度高く起きる。その結果、前駆イオン
の開裂(Collision Induced Dissociation,CID)が
進み、多くのプロダクトイオンを得ることが出来る。
【0063】(4)D期間:イオン/イオン反応による
プロダクトイオンの電荷減少期間 補助交流電圧をOFFとして、CIDを終了する。イオ
ン源62側のイオン加速電圧はB,C期間と同じく印加
されず接地電位のままで、正の多価イオンは遮断された
ままである。イオン源68側のイオン加速電圧を印加し
ON状態にして、反応イオンをイオントラップ空間29
に導入する(図5)。この期間Dの長さは、前述の正負
イオン量の調整によりあらかじめ設定される。この期間
は、イオン/イオン反応による電荷減少がイオントラッ
プ空間29内で進行する。
【0064】(5)E期間:プロダクトイオンのマスス
ペクトルを得る期間 電荷減少反応を終了するために、イオン源68側のイオ
ン加速電圧をOFF状態とする。正の多価イオン用のイ
オン源62側のイオン加速電圧もOFF状態のままであ
る。補助交流電圧をマススペクトル取得のために、イオ
ンの共鳴放出に必要な電圧(1V程度)と周波数になる
ように設定して、エンドキャップ電極11,15に印加
する。主高周波電源17から供給されリング電極13に
印加された主高周波電圧の掃引を開始する。イオントラ
ップ空間29内のプロダクトイオンは質量順に共鳴し、
イオントラップ外に放出され、検出器16で検出され、
データ処理装置19によりマススペクトルを得ることが
出来る。
【0065】(1)から(5)を繰り返し、データ処理
装置19はマススペクトルを繰り返し取得する。
【0066】イオントラップ空間29中に導入された負
イオンの大半は、イオントラップ空間29の中でイオン
/イオン反応により消費される。しかし、一部の負イオ
ンは、イオントラップ空間29中に残り、主高周波電圧
の掃引に伴い、正イオンと共にイオントラップ空間29
から排出され検出器16に入射し、低質量領域に化学ノ
イズを与えることになる。これを防ぐためには、エンド
キャップ電極15と検出器16間に電極57を配置し、
電極57に電源56から負の電圧を印加することで、負
イオンの検出器への進入を阻止する。電極57への負の
電位の印加により、負イオンは電極57の前で押し戻さ
れ、検出器16に到達しなくなる。一方、正イオンは電
極57に印加された負の電位により加速され、検出器1
6に到達してイオン電流が検出される。
【0067】図13から図16に、本実施例によって得
られた結果を示す。
【0068】図13は、LC/ESI−MS装置で得ら
れた生体関連物質の正イオンマススペクトルであり、M
S/MSや電荷減少反応などを行わない場合のマススペ
クトルである。試料溶液はLCカラムで分離され、ES
Iイオン源62に導入される。LCの分離が不十分のた
め、多くの成分が重畳して溶出した。そのため、マスス
ペクトルは複雑でm/z3000以下には試料成分のマ
スピークに重畳して多くの化学ノイズが出現している。
m/z1126,1501,2251などのマスピーク
が観察されるが、それらの帰属は不明である。
【0069】次に、溶出成分の構造情報を得るため、M
S/MSを行った。図14のように、前駆イオンをm/
z1501として、上述の方法でイオントラップ空間2
9で単離した。
【0070】m/z1501の前駆イオンを励起して開
裂(CID)させて得たプロダクトイオンのマススペクト
ルを図15に示す。m/z4000からm/z100ま
でマスピークが出現している。特に目立ったマスピーク
はなく、このマススペクトルから直接構造情報を得るこ
とは難しい。図15のようなプロダクトイオンのマスス
ペクトルの複雑さは次の理由による。
【0071】今、一つのn価の前駆イオンからN個のプ
ロダクトイオンが出来る可能性があるとする。N個のプ
ロダクトイオンは1価からn価までの電荷を持つ可能性
がある。そのため、n価の前駆イオンから生成される可
能性のあるプロダクトイオンは、n*N通り存在する可
能性がある。図14に示したm/z1501の前駆イオ
ンの電荷数を3として、このイオンから10個のプロダ
クトイオン(娘イオン)が生成されるとすると、全体のプ
ロダクトイオン種の可能性は3*10=30種になる。
また、前述のように、多価のプロダクトイオンは、保持
する電荷により前駆イオンのm/zを上回る場合(マス
スペクトル上で、前駆イオンのm/z軸上の右に位置す
る)や、前駆イオンのm/zを下回る(マススペクトル
上で前駆イオンのm/zの左側に位置する)場合があ
り、複雑さを増してくる。図15において、前駆イオン
のm/z=1,501 を上回るイオンは多価イオンのプ
ロダクトイオンと推定できるが、帰属は不明である。そ
のため、マススペクトル上で隣同士のイオンでも、それ
らの電荷数を知らなければ、これらイオン間の関係を推
察できない。これが多価の前駆イオンから生成した多価
のプロダクトイオンのマススペクトルの解析の難しさに
なる。
【0072】MS/MSの後、APCIで生成したPE
G負イオンをイオントラップ空間に導入し、イオン/イ
オン反応による電荷減少を起こした後のプロダクトイオ
ンのマススペクトルを図16に示す。図15に比してm
/z1000以下のイオンが相対的に減少し、マススペ
クトルが単純化した。多くのイオンの電荷は1価まで減
少している。そのため、イオンの帰属の判断は、格段に
簡単になる。特に、m/z2510〜m/z1724の
領域に出現したプロダクトイオンから、試料のペプチド
の構造に関する情報が得られた。
【0073】前述の応用では、MS/MS分析で前駆イ
オンを選択し、CIDでプロダクトイオンを生成した。
しかし、CIDによるプロダクトイオンを生成せずに、
イオン/イオン反応を行うことにより、新たな応用が可
能である。
【0074】CIDを省略するにはイオントラップの測
定期間AからEの中で、前駆イオンの励起解離の期間C
をスキップすれば良い。期間Bにおいて前駆イオンを単
離後、D期間にスキップして、直接イオン/イオン反応
による前駆イオンの電荷減少を行わせる。
【0075】図20,図21に測定結果を示す。この例
では、図13と同じ測定試料に対して、図14のよう
に、m/z1,501 のイオンを前駆イオンとして選択
する例を示す。まずイオンを導入後(A期間)、前駆イ
オン(m/z1,501)を単離する(B期間)。この前駆
イオンに負イオンを反応させて前駆イオンの電荷を減少
させる(D期間)。これにより、図20のような電荷が減
少した前駆イオンのマススペクトルが得られる(E期
間)。わずかに3本のマスピークがマススペクトル上に
出現しており、他に化学ノイズは見られない。これか
ら、m/z1,501のイオンは3価のイオンで、分子
量は4,500 であることが一義的に求まる。
【0076】また、m/z1,501 のイオンに複数の
多価イオンが重畳した場合も、簡単に解析が可能にな
る。m/z1,501 の前駆イオンの電荷減少反応によ
り、図21のようなマススペクトルが得られた。このマ
ススペクトルから、少なくとも2つの成分がm/z1,
501 のマスピークに多価イオンとして重畳している
ことが判明した。分子量6,000と分子量4,500の
2成分が存在し、これらの4価と3価のイオンがm/z
1,501 として重畳し出現している。また、これら成
分に由来するイオンの強度を積算する事で概略の混合割
合を推定できる。この場合、c成分に対してd成分は約
55%程度であることがわかる。
【0077】従来は、多価イオンの純度検定は分解能が
極めて高いFT−ICRのみ可能であった。しかし、F
T−ICRは大型で高価な装置である。本実施例の構成
によれば、イオントラップ質量分析装置でも、イオン/
イオン反応により、イオンの純度決定を容易に行うこと
が可能となる。
【0078】(実施例2)図2に本発明の他の実施例を
示す。
【0079】この実施例では、実施例1と異なり、質量
分析計に四重極質量分析計(QMS)や磁場型質量分析計
を用いた例を示す。他の構成は、実施例1の場合と同じ
である。尚、本実施例以降の説明で用いる図面では、図
1において開示した中間圧力室の構成は省略して開示す
る。また、本実施例では、イオンを加速するための加速
電極95,96を備えている。これは、実施例1で説明
した隔壁63・73や、隔壁69・72のような低真空
部でイオンを加速する代わりに、高真空部でイオンを加
速するために設けたものであり、印加電圧値によってイ
オンのON/OFF制御を行える点では、隔壁63・7
3や、隔壁69・72と同じである。この加速電極9
5,96は、質量分析計が磁場型質量分析計や後に示す
飛行時間質量分析計(TOF−MS)の場合に、必要と
なる。これは、イオン加速後中性分子と衝突が起きる
と、運動エネルギーが失われたり、運動エネルギーの広
がりやイオンの開裂が発生したりする恐れがあるためで
ある。逆に、運動エネルギーの広がりが問題になりにく
いイオントラップ質量分析計や四重極質量分析計(QM
S)の場合は、特にこの加速電極95,96は無くても
良い。
【0080】本実施例では、図7に示すように、ESI
イオン源62で生成された正の多価イオンとAPCIの
イオン源68で生成された負の反応イオンは、同時に四
重極静電偏向器30に導入されて偏向される。即ち、実
施例1中で説明した第二の方法を用いてイオンを導入す
る。
【0081】図2のように、電極30a,30bの間か
ら放出された正負両イオンは、次に高周波多重極イオン
ガイド31に導入される。この高周波多重極イオンガイ
ド31は、複数(4,6,8本)の円柱状の電極が一つ
の円周上に配置され、一つ置きの電極が結線されてい
る。この高周波多重極イオンガイド31の2組の電極に
は高周波電源32から高周波が印加されている。また、
高周波多重極イオンガイド31の電極はシールドのため
の金属の筒94に覆われている。この中に、ガス溜33
内のHeやN2 ガスがバッファガスとして配管92を経
由して送り込まれる。高周波多重極イオンガイド31内
の圧力は、1mTorr(10-3Torr)程度である。この高
周波多重極イオンガイド31内に送り込まれた正・負イ
オンは、高周波電界により振動を受けながら右方向(質
量分析計方向)に移動する。正・負イオンは、バッファ
ガスとの衝突によりその運動エネルギを失い、高周波多
重極イオンガイド31の中心軸上に収束されながら移送
される。図7のように、正の多価イオンと負の反応イオ
ンは、高周波電界の収束作用により接近すると互いにク
ーロン引力で引き合いようになる。正イオンと負イオン
が衝突すると、正の多価イオンからプロトンが負イオン
に引き抜かれ、多価イオンは電荷が一つ減少する。高周
波多重極イオンガイド31内に正・負イオンを同時に導
入すれば、高周波多重極イオンガイド31内でイオン/
イオン反応により電荷減少が進行する。電荷が減少した
多価イオンは四重極質量分析計(QMS)34に送られ
質量分析される。電荷が減少した多価イオンは、質量ご
とに検出器16で検出され、データ処理装置19でマス
スペクトルを与える。電荷が減少し高質量領域に移動し
た試料のイオンは、化学ノイズと識別しやすくなる。
【0082】高周波多重極イオンガイド31中に導入さ
れた負イオンの大半は、高周波多重極イオンガイド31
の中でイオン/イオン反応により消費される。しかし、
一部の負イオンは四重極質量分析計34を通過し検知器
16に入射し、低質量領域に化学ノイズを与えることに
なる。これを防ぐためには、高周波多重極イオンガイド
31に対して四重極質量分析計34に負のバイアス電位
を印加するか、質量分析計34と検出器16間に電極5
7を配置し、電極57に負の電圧を印加することで、負
イオンが検出器へ進入する事を防止できる。電極57へ
の負の電位の印加により、負イオンは電極57の前で押
し戻され、検出器16に到達しない。一方、正イオンは
電極57に印加された負の電位により加速され検出器1
6に到達しイオン電流が検出される。
【0083】この実施例2では、正負イオンは同時に高
周波多重極イオンガイド31内に導入されていることが
必要である。正負イオンの電流値に差があっても、実施
例1のようにイオン導入をON/OFFする事で正負イ
オン量をバランスさせることはできない。しかし、レン
ズ64や70の電圧を制御する事で、正負イオンの量の
差をバランスさせることができる。即ち、試料のイオン
に比して反応イオンのイオン量が多い場合、レンズ70
に印加されるレンズ電圧を高めに設定することで、四重
極静電偏向器30に入射する反応イオンのイオン量を減
らすことが出来る。
【0084】図17に本実施例で得られた結果を示す。
試料は実施例1で用いたものと同じものである。試料が
微量の場合、通常のLC/ESI−QMSでは図13の
ように複雑なマススペクトルを与える。しかし、本実施
例に従いイオン/イオン反応を行うと、図17のような
マススペクトルが得られる。m/z3,000 以下の化
学ノイズは小さくなり、強度の高いマスピークがm/z
2,000 以上に移動し出現している。これにより化学
ノイズと信号との識別が容易になる。更に、電荷数の減
った多価イオンは解析が簡単になり、m/z4,501
は成分cの1価のイオン、m/z2,251は成分cの
2価のイオン、m/z3,581は成分bの1価のイオ
ン、m/z1,791 は成分bの2価のイオンと解釈さ
れる。更に注目すべきはm/z3,251 のピークであ
る。これは成分aの1価のイオンと推定される。成分a
は図13上では全くピークすら観察されなかった。本実
施例の測定により、LCから溶出し、ESIイオン源に
導入された成分は、少なくとも3つあることが判明し
た。ここでは、MS/MSを行わず、四重極質量分析計
による多価イオンの電荷減少によるマススペクトルの単
純化の応用例を示した。
【0085】尚、本実施例では、質量分析計が四重極質
量分析計(QMS)の場合で説明したが、磁場型質量分
析計を用いる場合は、上記の四重極質量分析計34の構
成が磁場型質量分析計に置き換わることで、本実施例と
同様のイオン/イオン反応を用いた分析を行うことが出
来る。
【0086】(実施例3)図3に他の実施例を示す。こ
こでは、二つのイオン源と一つの四重極静電偏向器を2
組有するイオントラップ質量分析計の例を示す。
【0087】イオントラップ質量分析計の左側には、実
施例1で示した試料のイオン化のためのESIイオン源
62と反応イオンのためのAPCIイオン源68を備え
た四重極静電偏向器30を配置する。またイオントラッ
プ質量分析計の右側には、対称的に、試料のイオン化の
ためのESIイオン源62′と反応イオンのためのAP
CIイオン源68′、そして四重極静電偏向器30′を
配置する。検出器16は、四重極静電偏向器30と3
0′を結んだ軸の直線上に配置される。
【0088】本実施例では、いずれの組の試料イオン
も、一度イオントラップ質量分析計へ導入され、実施例
1のときの要領で、イオン/イオン反応によって電荷減
少を行うものとする。ただし、四重極静電偏向器30′
の電極に印加する直流電圧は、四重極静電偏向器30の
電極に印加する電圧と極性は逆になる。即ち、電極30
a,30c,30b′,30d′は正の直流電圧、電極
30b,30d,30a′,30c′への印加電圧は負
とする。
【0089】異なる試料が複数ある場合、クロマトグラ
フを2つのイオン源62,62′にそれぞれ結合したま
ま分析を行うことが可能である。即ち、左側のイオン源
62によってイオン化した試料をイオントラップ質量分
析計へ導入して分析し、検出器16で検出した後、右側
のイオン源62′によってイオン化した試料をイオント
ラップ質量分析計へ導入して分析し、検出器16で検出
する、というように、交互に分析を行うことが可能とな
る。尚、イオン/イオン反応には、APCIイオン源6
8,68′のどちらのイオン源からの反応イオンも利用
することが出来る。即ち、左側のイオン源62からのイ
オンについてイオン/イオン反応を行うとき、APCI
イオン源68からの反応イオンをイオントラップ質量分
析計へ導入しても良く、或いは、APCIイオン源6
8′からの反応イオンをイオントラップ質量分析計へ導
入しても良い。右側のイオン源62′からのイオンの場
合も同様に、APCIイオン源68,68′のどちらの
イオン源も利用できる。
【0090】イオントラップ質量分析計から放出される
イオンのマススペクトルの取得は、レンズ64,70,
64′,70′に大きな電圧を印加し、正負イオンを共
に遮断した後、四重極静電偏向器30′の4つの電極を
接地電位とする。イオントラップ質量分析計から放出さ
れたイオンは、四重極静電偏向器30′を通過し、検出
器16で検出される。
【0091】この実施例3でも、負イオンの検出器への
進入を防ぐために、負の電位が印加された電極57が必
要である。
【0092】(実施例4)図8に他の実施例を示す。こ
こでは質量分析計として四重極質量分析計(QMS)を用い
た場合のMS/MSとイオン/イオン反応を行うための
構成例を示す。
【0093】ESIイオン源62で生成された正の多価
イオンは高真空室に導入される。ESIイオン源62に
導入された試料溶液はイオン化され、正の多価イオンを
与える。レンズ64に収束された正の多価イオンは、第
1のQMS80に導入される。第1のQMS80で多価
イオンの中から前駆イオンを選択する。前駆イオンは第
1のQMS80から高周波多重極イオンガイド81に導
入される。前駆イオンは、この高周波多重極イオンガイ
ド81を通過しながら、この高周波多重極イオンガイド
中を満たしたArガス分子と衝突を繰り返して励起さ
れ、開裂(CID)し、多くのプロダクトイオンを与える。
生成したプロダクトイオンは高周波多重極イオンガイド
81を出てレンズ82で収束された後、四重極静電偏向
器30に導入される。イオンは時計回りに90度偏向さ
れる。負の反応イオンはAPCIイオン源68で生成さ
れ、レンズ70で収束され四重極静電偏向器30に正の
プロダクトイオンと共に導入される。負の反応イオンは
反時計回りに90度偏向される。正のプロダクトイオン
と負の反応イオンは、四重極静電偏向器30を出て高周
波多重極イオンガイド84に同方向から同時に導入され
る。高周波多重極イオンガイド84の中を移動しながら
正・負イオンは電荷減少反応を起こし、プロダクトイオ
ンの電荷が減少する。電荷の減少を受けたプロダクトイ
オンは高周波多重極イオンガイド84を抜け、第2の四
重極質量分析計(QMS)85に導入される。この第2の
QMS85により、電荷が減少したプロダクトイオンを
質量ごとに検知器16で検知し、データ処理装置19に
よりのプロダクトイオンのマススペクトルを与える。
【0094】本実施例でも、負イオンの検出器への進入
を防ぐために、負の電位が印加された電極57が必要で
ある。
【0095】図9に図8の実施例の変形例を示す。図8
の構成では、質量分析計に四重極質量分析計(QMS)
を用いたが、図9の構成では、質量分析計に飛行時間質
量分析計(TOF−MS)を用いる例を示す。
【0096】ESIイオン源62で生成された正の多価
イオンは質量分析装置の高真空室に導入される。レンズ
64に収束されたイオンは、QMS80に導入される。
ここで多価イオンの中から前駆イオンが選択される。前
駆イオンはQMS80から高周波多重極イオンガイド8
1に導入される。前駆イオンは、この高周波多重極イオ
ンガイド81を通過しながら、この高周波多重極イオン
ガイド中を満たしたArガス分子と衝突を繰り返して励
起されて開裂(CID)し、多くのプロダクトイオンを
与える。生成したプロダクトイオンは、高周波多重極イ
オンガイド81を出てレンズ82で収束され、四重極静
電偏向器30に導入される。正のプロダクトイオンは時
計回りに90度偏向される。負の反応イオンはAPCI
イオン源68で生成され、レンズ70で収束されて四重
極静電偏向器30に正のプロダクトイオンと共に導入さ
れる。負の反応イオンは反時計回りに90度偏向され
る。正のプロダクトイオンと負の反応イオンは、四重極
静電偏向器30を出て高周波多重極イオンガイド84に
同方向から同時に導入される。ここで、正負イオンは電
荷減少反応を起こし、プロダクトイオンの電荷は減少す
る。電荷の減少を受けたプロダクトイオンは、高周波多
重極イオンガイド84を抜け、飛行時間質量分析計54
に導入される。イオンは直進し、リペラー電極(Repell
erelectrode)50とイオン加速電極(Acceleration e
lectrode)51に挟まれたイオン加速空間に送り込まれ
る。リペラー電極50への超短時間(psec=10-12se
c)の電圧印加により、プロダクトイオンは加速電極5
1のほうに偏向される。プロダクトイオンは加速電極に
印加された高電圧により、一気に加速され、TOF−M
S空間54中を飛行する。プロダクトイオンは平行なイ
オンビームとして飛行し、イオン加速電極51の反対側
に配置されたリフレクトロン52に入射する。リフレク
トロン52は複数の電極が多層階構造をしており、リフ
レクトロン52内に勾配電位が形成される。リフレクト
ロン52の底の電極には加速電圧を上回る電圧が印加さ
れている。そのため、リフレクトロン52に進入したプ
ロダクトイオンは、リフレクトロン52内で押し戻さ
れ、TOF−MS空間54を再び飛行する。プロダクト
イオンは、マルチチャンネルプレート検知器(Multi-cha
nnel plate,MCP)53に到達し検出される。
【0097】イオン加速開始からマルチチャンネルプレ
ート検知器53に到達する時間tが、質量mの平方根に
比例することから、TOF−MSはマススペクトルを得
ることが出来る。
【0098】本実施例では、電荷が減少したプロダクト
イオンをTOF−MS部54のマルチチャンネルプレー
ト検知器53で検知することにより、データ処理装置1
9においてマススペクトルが得られる。TOF−MS
は、原理上、測定範囲に上限がないため、分子量が非常
に大きい生体高分子の測定に非常に有利である。
【0099】また、本実施例では、実施例1〜4の場合
と異なり、負イオンのマルチチャンネルプレート検知器
53への進入を防ぐための負の電位が印加されたリペラ
ー電極57は必要無い。それは、高周波多重極イオンガ
イド84を出た負イオンは、リペラー電極50に印加さ
れた正の電位により取り除かれためである。一方、正イ
オンはイオン加速空間で加速され、マルチチャンネルプ
レート検知器53に到達することが出来る。
【0100】(実施例5)図10に他の実施例を示す。
実施例4と同様の2つのQMSを有する例である。ただ
し、実施例4では、正のプロダクトイオンと負の反応イ
オンは、高周波多重極イオンガイド84に同一方向から
同時に導入され、高周波多重極イオンガイド84の中を
同一方向に飛行しながら反応したが、本実施例では、正
の多価イオンと負の反応イオンの反応位置が実施例4の
場合と異なる。即ち、本実施例では、正の多価イオンと
負の反応イオンは、高周波多重極イオンガイドの前後か
ら別々に導入され、高周波多重極イオンガイドの中で互
いに向い合うように飛行し電荷減少反応が行われる。
【0101】ESIイオン源62で生成された正の多価
イオンは質量分析装置の真空室に導入され、レンズ64
で収束される。イオンは次に第1の四重極質量分析計(Q
MS)80に導入され、前駆イオンが単離される。単離さ
れた前駆イオンは、次に高周波多重極イオンガイド81
に左側から導入される。高周波多重極イオンガイド81
内には、ガスだめ33から配管92′を経由してArガ
スが圧力1mTorr(10-3Torr)になるよう導入され
る。導入された前駆イオンは、この高周波多重極イオン
ガイド81内を進みながら、Ar分子と衝突し励起され
る。最終的に前駆イオンは開裂してプロダクトイオンを
与える。負の反応イオンはAPCIイオン源68で作ら
れ、質量分析装置の真空室に導入される。負の反応イオ
ンはレンズ70′で収束され、四重極静電偏向器30に
導入され、時計回りに90度偏向を受ける。負の反応イ
オンは右手から高周波多重極イオンガイド81へ入射
し、左側から来るプロダクトイオンと衝突し、電荷減少
反応を起こす。高周波多重極イオンガイド81で電荷減
少したプロダクトイオンは、四重極静電偏向器30に導
入され、時計回りに90度偏向を受ける。プロダクトイ
オンは、第2の四重極質量分析計85に導入され質量分
析される。プロダクトイオンは質量ごとに検出器16に
より検出され、データ処理装置19にてマススペクトル
を与える。
【0102】本実施例では、図10のように、イオンの
開裂、電荷の減少反応を一つの高周波多重極イオンガイ
ド81で行うことが出来る。
【0103】また、図11のように2つの高周波多重極
イオンガイドを直列に配置して、前段の高周波多重極イ
オンガイド81では前駆イオンの開裂、次の高周波多重
極イオンガイド84で電荷減少反応を行わしても良い。
図11の場合、シールド筒94とバッファガスの導入は
共通とすることが出来る。
【0104】図12に本実施例の変形例を示す。ここで
は、図10の質量分析計を飛行時間質量分析計(TOF
−MS)に換えた場合の例を示す。
【0105】TOF−MSに導入されるまでのイオンの
挙動は、図10の場合と同様である。TOF−MSに導
入されたプロダクトイオンは、リペラー電極50,イオ
ン加速電極51に印加された電位により、加速され、飛
行を開始する。プロダクトイオンはリフレクトロン52
で折り返し、マルチチャンネルプレート検知器53で検
出され、データ処理装置19にてマススペクトルを与え
る。
【0106】図12の例においても、イオンの開裂,電
荷の減少反応を一つの高周波多重極イオンガイド81で
行うことが出来る。また、図11のように2つの高周波
多重極イオンガイドを直列に配置して、前段の高周波多
重極イオンガイドでは前駆イオンの開裂、次の高周波多
重極イオンガイドで電荷減少反応を行わせても良い。
【0107】本実施例は、実施例4,5に比して、高周
波多重極イオンガイド81とバッファガス導入機構が単
純になる利点がある。また、本実施例では、イオン/イ
オン反応の際に未反応の負イオンは、高周波多重極イオ
ンガイド81中を、正イオンと反対方向(図10の右か
ら左へ)飛行するため、検出器16に入射することは無
い。そのため、負イオンの押し返しのための、電極57
や電源56は不要である。
【0108】以上、本発明について、実施例に従い詳細
に説明したが、本発明は試料の多価イオンを生成するイ
オン源として、ESIイオン源に限定されず、ソニック
スプレイイオン源(SSI),ナノスプレイイオン源,
イオンスプレイイオン源,マトリックス支援レーザー脱
離イオン源などにも応用可能である。また、反応イオン
用のイオン源としては、APCIイオン源の他、グロー
放電イオン化(GDI)イオン源,化学イオン化(CI)
イオン源,電子イオン化(EI)イオン源を用いること
も可能である。試料イオンと反応イオンの極性は、互い
に反対極性となるようイオン化モードを設定すれば良
い。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、イオントラップ質量分
析であっても反応イオンを十分に供給することが出来る
ため、イオン/イオン反応による電荷減少の効率を向上
させることができる。
【0110】また、イオン/イオン反応を四重極質量分
析計や飛行時間型質量分析計であっても適用することが
出来るため、生体高分子の多価イオンに由来するマスピ
ークを単純化でき、マススペクトル解析を容易にするこ
とが出来る。
【0111】また、試料により正負切り替えや反応イオ
ン種の切り替えなどデータ処理装置からの指示により容
易に切り替えることが可能になり、試料の情報を増やす
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の概略構成図である。
【図2】実施例2の概略構成図である。
【図3】実施例3の概略構成図である。
【図4】試料イオンの動作説明図である。
【図5】反応イオンの動作説明図である。
【図6】実施例1の動作説明図である。
【図7】実施例2の動作説明図である。
【図8】実施例4の概略構成図である。
【図9】実施例4の概略構成図である。
【図10】実施例5の概略構成図である。
【図11】実施例5の概略構成図である。
【図12】実施例5の概略構成図である。
【図13】従来法により得られたマススペクトルであ
る。
【図14】選択された成分のマススペクトルである。
【図15】図14の成分のプロダクトイオンのマススペ
クトルである。
【図16】本発明で得られたマススペクトルである。
【図17】本発明で得られたマススペクトルである。
【図18】従来技術の説明図である。
【図19】従来技術の説明図である。
【図20】本発明の動作を説明するためのマススペクト
ルである。
【図21】本発明の動作を説明するためのマススペクト
ルである。
【符号の説明】
1,61…ESIプローブ、2,62…ESIイオン
源、3…イオン、4…細孔、5,7,22,63,69
…真空隔壁、6…イオンビーム、9,27,64,7
0,82,83…レンズ、11,15…エンドキャップ
電極、12,14…エンドキャップ細孔、13…リング
電極、16…検出器、18…真空容器、19…データ処
理装置、20…グロー放電電源、21…グロー放電電
極、23,33…ガスだめ、24…中間圧力室、25…
高真空室、26…グロー放電イオン源、29…イオント
ラップ空間、30…四重極静電偏向器、31,81,8
4…高周波多重極イオンガイド、32,87,90…高
周波電源、35…ESI高圧電源、36…四重極静電偏
向器電源、37…APCI高圧電源、38…ポンプ、3
9…メタノール溶液、40…PPG溶液、41…補助交
流電源、42,86,91…四重極質量分析計電源、5
0,56,57…リペラー電極、51…イオン加速電
極、52…リフレクトロン、53…マルチチャンネルプ
レート検知器、54…TOF−MS部、55…イオンス
トッパ、65,71…レンズ電源、66…APCI噴霧プロ
ーブ、67…コロナ放電針、68…APCIイオン源、
80,85…四重極質量分析計、88,89…バッファ
ガスだめ、92…配管、93…高周波多重極イオンガイ
ド空間、94…シールド筒、95,96…イオン加速電
極、100…液体クロマトグラフ、101…移動相溶媒、
102…ポンプ、103…注入口、104…分析カラ
ム。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 49/26 H01J 49/26

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象試料をイオン化して質量分析する
    質量分析装置において、 測定対象試料をイオン化する第1のイオン源と、当該第
    1のイオン源で生成されたイオンと反対の極性のイオン
    を生成する第2のイオン源と、当該第1及び第2のイオ
    ン源からのイオンを導入し偏向するイオン偏向器と、リ
    ング電極と一対のエンドキャップ電極からなるイオント
    ラップ形質量分析計と、当該質量分析計から放出された
    イオンを検出する検出器を備え、 当該第1及び第2のイオン源からイオンは、共に前記イ
    オン偏向器を介して前記イオントラップ形質量分析計に
    導入され、当該イオントラップ形質量分析計内で両イオ
    ン源からのイオンが混合された後、前記検出器において
    イオンの検出を行うことを特徴とする質量分析装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記イオン偏向器は、4本の電極からなる四重極静電偏
    向器であることを特徴とする質量分析装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記第1のイオン源と前記イオン偏向器間、及び前記第
    2のイオン源と前記イオン偏向器間のそれぞれに、電圧
    の印加によってイオン源からのイオンの流れを遮断、も
    しくは加速する電極を備えたことを特徴とする質量分析
    装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、 測定対象試料をイオン化する第3のイオン源と、当該第
    3のイオン源で生成されたイオンと反対の極性のイオン
    を生成する第4のイオン源と、当該第3及び第4のイオ
    ン源からのイオンを導入し偏向する第2のイオン偏向器
    を備え、 当該第2のイオン偏向器を前記イオントラップ形質量分
    析計と検出器の間に配置したことを特徴とする質量分析
    装置。
  5. 【請求項5】測定対象試料をイオン化して質量分析する
    質量分析装置において、 測定対象試料をイオン化する第1のイオン源と、当該第
    1のイオン源で生成されたイオンと反対の極性のイオン
    を生成する第2のイオン源と、当該第1及び第2のイオ
    ン源からのイオンを導入し偏向するイオン偏向器と、イ
    オンを質量分析する質量分析計と、当該質量分析計から
    放出されたイオンを検出する検出器を備え、 前記第1及び第2のイオン源と前記質量分析計の間で、
    当該第1及び第2のイオン源からのイオンを混合した
    後、前記質量分析計にイオンを導き、分析を行うことを
    特徴とする質量分析装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記イオン偏向器からのイオンが通過する位置に配置さ
    れた高周波多重極イオンガイドを備え、 前記第1及び第2のイオン源からのイオンは、共に前記
    イオン偏向器を介して前記イオン偏向器に導入され、当
    該高周波多重極イオンガイド内で第1及び第2のイオン
    源からのイオンを混合した後、前記質量分析計にイオン
    を導き、分析を行うことを特徴とする質量分析装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記高周波多重極イオンガイドは、筒状の筐体内に配置
    され、当該筐体には、バッファガスが供給されることを
    特徴とする質量分析装置。
  8. 【請求項8】請求項5において、 前記第1及び第2のイオン源は、前記イオン偏向器に対
    して同時にイオンを導入することを特徴とする質量分析
    装置。
  9. 【請求項9】請求項5において、 前記質量分析計は、四重極質量分析計,飛行時間質量分
    析計(Time-of-flightmass spectrometer),三連四重
    極質量分析計(Triple quadrupole massspectromete
    r),磁場型質量分析計のいずれかであることを特徴とす
    る質量分析装置。
  10. 【請求項10】請求項5において、前記第1のイオン源
    からのイオンを質量分析する四重極質量分析計と、当該
    四重極質量分析計から放出されたイオンのプロダクトイ
    オンを生成する第2の高周波多重極イオンガイドを備
    え、 前記四重極質量分析計と第2の高周波多重極イオンガイ
    ドは、前記第1のイオン源と前記イオン偏向器の間に配
    置されることを特徴とする質量分析装置。
  11. 【請求項11】請求項5において、 前記第1のイオン源と前記イオン偏向器間、及び前記第
    2のイオン源と前記イオン偏向器間のそれぞれに、電圧
    の印加によって通過するイオンの量を制御するレンズ電
    極を備えたことを特徴とする質量分析装置。
  12. 【請求項12】測定対象試料をイオン化して質量分析す
    る質量分析装置において、 測定対象試料をイオン化する第1のイオン源と、 当該第1のイオン源で生成されたイオンと反対の極性の
    イオンを生成する第2のイオン源と、 前記第1のイオン源からのイオンを質量分析する四重極
    質量分析計と、 当該四重極質量分析計から放出されたイオンのプロダク
    トイオンを生成する高周波多重極イオンガイドと、 当該高周波多重極イオンガイド及び第2のイオン源から
    のイオンを導入し偏向するイオン偏向器と、 前記イオン偏向器から放出されたイオンを質量分析する
    質量分析計と、当該質量分析計から放出されたイオンを
    検出する検出器を備え、 前記高周波多重極イオンガイド内で、前記第1のイオン
    源からのイオンと前記第2のイオン源からのイオンを衝
    突させることを特徴とする質量分析装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、 前記第1のイオン源,前記四重極質量分析計,前記高周
    波多重極イオンガイド、及び前記イオン偏向器を同軸上
    に配置し、 前記第2のイオン源,前記イオン偏向器、及び前記質量
    分析計を同軸上に配置し、 前記第1のイオン源が含まれる軸と、前記第2のイオン
    源が含まれる軸は、直交するように配置されることを特
    徴とする質量分析装置。
  14. 【請求項14】請求項12において、 前記高周波多重極イオンガイドは、前記第1のイオン源
    からのイオンのプロダクトイオンを生成する第1の領域
    と、当該プロダクトイオンと前記第2のイオン源からの
    イオンを衝突させる第2の領域からなることを特徴とす
    る質量分析装置。
  15. 【請求項15】請求項12において、 前記質量分析計は、四重極質量分析計或いは飛行時間質
    量分析計であることを特徴とする質量分析装置。
  16. 【請求項16】請求項1,5,12のいずれかにおい
    て、 前記第2のイオン源に供給する溶液中には、化合物とし
    てポリエチレングリコール(PEG)或いはポリプロピ
    レングライコール(PPG)が含まれることを特徴とす
    る質量分析装置。
  17. 【請求項17】請求項1,5,12のいずれかにおい
    て、 前記検出器の前段に電極を配置し、当該電極に前記第2
    のイオン源で生成されるイオンと同極性の電圧を印加す
    ることを特徴とした質量分析装置。
  18. 【請求項18】測定対象試料をイオン化して試料イオン
    を生成し、 当該試料イオンと反対の極性の反応用イオンを生成し、 前記試料イオンと前記反応用イオンを、リング電極と一
    対のエンドキャップ電極からなるイオントラップ形質量
    分析計内に時系列的に区別して、且つ前記エンドキャッ
    プ電極に設けられた細孔を介して導入し、 前記イオントラップ形質量分析計内で、前記試料イオン
    と前記反応用イオンを反応させ、反応後のイオンを質量
    分析することを特徴とする質量分析方法。
  19. 【請求項19】測定対象試料をイオン化して試料イオン
    を生成し、 当該試料イオンと反対の極性の反応用イオンを生成し、 前記試料イオンと反応用イオンを混合し、 混合後のイオンを質量分析計に導入して質量分析を行う
    ことを特徴とする質量分析方法。
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