JPH09292368A - 粒子衝突反応測定装置 - Google Patents

粒子衝突反応測定装置

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JPH09292368A
JPH09292368A JP8131113A JP13111396A JPH09292368A JP H09292368 A JPH09292368 A JP H09292368A JP 8131113 A JP8131113 A JP 8131113A JP 13111396 A JP13111396 A JP 13111396A JP H09292368 A JPH09292368 A JP H09292368A
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JP
Japan
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collision
ions
reaction
mass
collision reaction
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JP8131113A
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English (en)
Inventor
Takehiro Takeda
武弘 竹田
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の粒子同士を衝突させ、その衝突反応を
解析することのできる装置を提供する。 【解決手段】 衝突反応室CCの周囲に、複数の質量分
析装置MS1、MS2と反応生成粒子分析装置ANAを放
射状に設ける。各質量分析装置MS1、MS2により所望
のイオンI1、I2を選択し、イオンレンズによりそれら
を衝突反応室CC内の所定の衝突点CPに収束させて衝
突させる。衝突により生成したフラグメントイオン、非
開裂イオン、結合イオン等を衝突反応室CCから引き出
し、反応生成粒子分析装置ANAにより解析する。反応
生成粒子分析装置ANAとしては、質量分析装置やエネ
ルギ分析装置を用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン及び中性粒
子同士の衝突により生じる結合反応や開裂反応を測定す
る装置に関する。本発明に係る粒子衝突反応測定装置
は、例えば、未知物質の同定や、既知物質の他の物性や
物理的・化学的挙動を解明するための情報を得る目的で
用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、物質を分析する手段の一つと
して質量分析装置が広く用いられている。質量分析装置
には、磁場型、飛行時間型、四重極型、フーリエ変換イ
オンサイクロトロン共鳴型等種々の種類があるが、いず
れも、運動する荷電粒子(イオン)を電場又は磁場によ
り分離するものであり、荷電粒子はその質量/電荷比
(m/z)毎に分離される。なお、質量分析装置の前に
イオン化装置を配置することにより、中性分子、中性原
子等の中性粒子についても質量分離を行なうことができ
る。
【0003】しかし、質量分析装置は荷電粒子をその質
量で分離するのみであり、粒子の構成或いは内部構造を
知ることはできない。そこで、第1段の質量分析装置で
選別したイオンを衝突反応室に入れ、その中でガスと衝
突させることによりイオンを開裂させて、開裂の態様を
第2段の質量分析装置で測定するというMS/MS分析
装置が開発された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】MS/MS分析装置で
は、衝突ガスには開裂しないものを用い、第1段の質量
分析装置で選別された粒子、すなわち測定すべき粒子の
みが衝突により開裂するようにする。
【0005】一方、最近の物質科学の発達に伴い、気相
反応についての研究が必要となってきているが、気相反
応を詳細に研究するためには、反応に寄与する双方の粒
子を明確に区別し、選別した上で反応(気相反応の場
合、衝突)させる必要がある。従来の質量分析装置で
は、このような選択された粒子同士の衝突という反応を
生成することができなかった。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、選択し
た粒子同士を衝突させ、その衝突反応を解析することの
できる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る装置は、 a)所定の衝突点を囲う衝突反応室と、 b)それぞれ粒子入口から入る荷電粒子群より一の質量/
電荷比を有する荷電粒子を分離して粒子出口から射出す
る複数の質量分離手段と、 c)各質量分離手段毎に設けられ、対応する質量分離手段
の粒子出口から射出された荷電粒子を上記衝突点に収束
させるイオンレンズと、 d)衝突反応室から荷電粒子を引き出し、解析を行なう反
応生成粒子分析手段と、を備えることを特徴とする粒子
衝突反応測定装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】質量分離手段としては、従来より
質量分析装置に用いられている磁場型や四重極型等の各
種質量分析装置を用いることができる。
【0009】簡単のため、第1及び第2の2台の質量分
離手段を用いる場合の実施の形態を説明する。第1の質
量分離手段の入口より第1目的イオンを含む荷電粒子群
を投入し、第1目的イオンを分離して出口から射出させ
る。第2の質量分離手段についても同様に、第2目的イ
オンを含むイオン群を入口から投入し、第2目的イオン
を出口から射出させる。両質量分離手段から射出された
イオンは、各質量分離手段毎に設けられたイオンレンズ
により衝突反応室内の衝突点に収束され、そこで衝突す
る。衝突により開裂したフラグメントイオン(及び、非
開裂イオンや結合イオン)は、反応生成粒子分析手段に
より衝突反応室から引き出され、分析される。ここにお
ける分析には、質量分析、エネルギ分析等が含まれ、こ
れらにより、第1目的イオンと第2目的イオンとの衝突
により生ずる反応のメカニズムが明らかにされる。な
お、衝突反応室には、衝突反応を促進させるための反応
用ガスを導入してもよい。
【0010】上記はイオン同士の気相反応を解析する場
合の用い方であるが、イオンと分子又は分子と分子のよ
うに中性粒子が介在する衝突反応についても、質量分離
手段の後に中性化室を設けたり、又は、質量分離手段の
前にイオン化室を設けたりすることにより解析を行なう
ことができる。
【0011】なお、3台以上の質量分離手段を用いる場
合には、3台の質量分離手段からの荷電粒子を一の衝突
点に収束させるという多重衝突型の構成の他、まず2台
の質量分析手段からの荷電粒子について衝突反応を生じ
させ、その生成イオンに対して更に3台目の質量分離手
段からの荷電粒子を衝突させるという多段衝突型の構成
をとることもできる。
【0012】
【発明の効果】本発明に係る粒子衝突反応測定装置で
は、所望のイオン又は中性粒子同士を選択して衝突さ
せ、その反応の結果を分析することができる。そのた
め、各種気相反応の研究に大きな解析手段を提供する。
例えば、近年、クラスタや炭素フラーレンが注目されて
いるが、従来は近似した複数種のクラスタや炭素フラー
レンの混合物しか扱うことができず、それらの中の特定
の種類のクラスタ又は特定の種類の炭素フラーレンのみ
が関与する特定の反応を解明することができなかった。
本発明に係る装置により、そのような特定クラスタ、特
定炭素フラーレン間の反応を作り出すことができるた
め、それらの構造の解析や新しい特性の発見等が促進さ
れる。
【0013】
【実施例】本発明の第1の実施例として、イオン衝突反
応測定装置を図1及び図2により説明する。図1に示す
ように、本実施例のイオン衝突反応測定装置は、衝突反
応室CCと、それを中心に放射状に配置された2台の入
射側質量分析装置MS1、MS2及び反応生成粒子分析装
置ANAから成る。入射側質量分析装置MS1、MS2に
は通常用いられている各種の質量分析装置が用いられ
る。反応生成粒子分析装置ANAには質量分析装置又は
エネルギ分析装置が用いられる。なお、本実施例におけ
る入射側質量分析装置MS1、MS2はイオン生成機構を
備えたものであり、例えば、クラスタイオン分析を行な
う場合にはクラスタイオン生成機構を、炭素フラーレン
分析の場合は炭素フラーレンイオン生成機構をこの入射
側質量分析装置MS1、MS2の中に設ける。また、各質
量分析装置MS1、MS2には、イオンを衝突反応室CC
に向けて加速させる加速電極も設けられている(図示せ
ず)。
【0014】本実施例のイオン衝突反応測定装置を用い
てイオン同士の衝突反応を解析する手順を次に説明す
る。まず、入射側の質量分析装置MS1、MS2にそれぞ
れ所望の駆動条件を与えることにより、所望の質量/電
荷比を有するイオンI1、I2のみを選別する。選別され
たイオンI1、I2は加速電極により衝突反応室CCに投
入される。衝突反応室CCにはバイアス電圧Vccを印加
することができるようになっており、衝突反応室CCに
入射するイオンI1、I2のエネルギは、質量分析装置M
S1、MS2における加速電圧Vac1、Vac2及びそれらに
対する衝突反応室CCのバイアス電圧Vccの大きさを各
種変化させることにより、任意の値に調節される。
【0015】図2に示すように、衝突反応室CCには、
各入射側質量分析装置MS1、MS2からのイオンI1、
I2の飛行経路にイオン導入口A1、A2が設けられ、各
イオン導入口A1、A2の前後にそれぞれイオンレンズL
11、L12、L21、L22が設けられている(図2には示さ
れていないが、紙面垂直方向にも収束作用及び偏向作用
を有するレンズや電極が配置されている)。イオンレン
ズL11、L12、L21、L22(及び後述のイオンレンズL
31、L32も)にはハーフプレート型レンズ、メッシュレ
ンズ、アイツェルレンズ等の従来より用いられている各
種形式のものを用いることができ、その印加電圧も従来
と同様の方法で印加する。偏向電極Dの印加電圧は、特
定のイオンのみを対象とする場合には一定とし、全イオ
ンを対象とする場合には所定範囲を掃引する。これらの
イオンレンズL11、L12、L21、L22により、各質量分
析装置MS1、MS2からのイオンI1、I2は衝突反応室
CC内の所定の衝突点CPに収束される。両質量分析装
置MS1、MS2からのイオンI1、I2はここで衝突反応
を生じ、各イオンI1、I2の種類及びそれらの衝突前の
エネルギに応じた態様で開裂や結合が生ずる。
【0016】衝突反応室CCには、反応生成粒子分析装
置ANAの方向に第3の開口である生成イオン導出口A
3が設けられており、その前後にもイオンレンズL31、
L32が設けられている。また、衝突点CPと生成イオン
導出口A3との間には偏向電極Dが設けられている。衝
突反応室CC内で生成された開裂イオン、非開裂原イオ
ン或いは結合イオンIrは、偏向電極Dによりイオン導
出口A3の方に向けられ、イオンレンズL31、L32によ
り反応生成粒子分析装置ANAに送られる。反応生成粒
子分析装置ANAが質量分析装置の場合は、衝突反応に
より生成した各種イオンIrの質量スペクトルが得られ
る。反応生成粒子分析装置ANAがエネルギ分析装置の
場合は、開裂イオン、非開裂イオン、結合イオン等Ir
のエネルギスペクトルが得られる。このエネルギ情報に
は、イオンのエネルギレベルに関する情報も含まれる。
これらの情報より、両イオンI1、I2の衝突反応の機構
の解明及び各物質の特性の調査に関する有力な手がかり
が得られる。
【0017】なお、衝突反応によりイオンばかりではな
く中性粒子も生成し、原イオンI1、I2も衝突により中
性粒子化する場合がある。これらも分析の対象としたい
場合には、衝突反応室CCにイオン化機構を備えておく
必要がある。イオン化法としては、従来より質量分析装
置等で用いられている電子衝撃法やレーザーイオン化法
のものを用いることができる。
【0018】図1の装置はイオン−イオン衝突を対象と
するものであるが、図3に示すように一方の質量分析装
置MS2と衝突反応室CCの間に中性化室NCを設ける
ことにより、イオン−中性粒子衝突の質量/エネルギ解
析を行なうことができる。また、図4に示すように、双
方の質量分析装置MS1、MS2に中性化室NC1、NC2
を設けることにより、中性粒子−中性粒子衝突反応の分
析を行なうこともできる。中性化には、衝突による電荷
変換法や電子シャワーによる方法を用いることができ
る。
【0019】図5に示すように、両入射側質量分析装置
MS1、MS2に対する反応生成粒子分析装置ANAの角
度を変化させるような機構を設けることにより、衝突反
応の角度依存性を調べることが可能となる。この場合、
衝突反応室CC内の偏向電極Dや他のレンズ系は設ける
必要はない。
【0020】図6に示すように、3台の入射側質量分析
装置MS1、MS2、MS3を用いて3種のイオン・中性
粒子の同時衝突時の反応を解析することもできる。ま
た、図7に示すように、第1及び第2の質量分析装置M
S1、MS2からのイオンI1、I2で第1段の衝突反応を
生じさせ、それにより生成したイオン等Ir1に対して第
3の質量分析装置MS3からのイオンI3を当てて第2段
の衝突反応を生じさせるというように、多段階の衝突反
応を実現し、解析することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるイオン−イオン衝突
反応測定装置の概略構成図。
【図2】 衝突反応室の構成を示す平面図。
【図3】 本発明の他の実施例であるイオン−中性粒子
衝突反応測定装置の概略構成図。
【図4】 本発明の他の実施例である中性粒子−中性粒
子衝突反応測定装置の概略構成図。
【図5】 本発明の他の実施例である角度依存性検出機
能付の粒子衝突反応測定装置の概略構成図。
【図6】 本発明の他の実施例である3重粒子衝突反応
測定装置の概略構成図。
【図7】 本発明の他の実施例である2段階粒子衝突反
応測定装置の概略構成図。
【符号の説明】
MS1、MS2…質量分析装置 CC…衝突反応室 A1、A2、A3…衝突反応室の開口 CP…衝突点 I1、I2、Ir…イオン L11、L12、L21、L22、L31、L32…イオンレンズ ANA…反応生成粒子分析装置 NC…中性化室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)所定の衝突点を囲う衝突反応室と、 b)それぞれ粒子入口から入る荷電粒子群より一の質量/
    電荷比を有する荷電粒子を分離して粒子出口から射出す
    る複数の質量分離手段と、 c)各質量分離手段毎に設けられ、対応する質量分離手段
    の粒子出口から射出された荷電粒子を上記衝突点に収束
    させるイオンレンズと、 d)衝突反応室から荷電粒子を引き出し、解析を行なう反
    応生成粒子分析手段と、 を備えることを特徴とする粒子衝突反応測定装置。
JP8131113A 1996-04-26 1996-04-26 粒子衝突反応測定装置 Pending JPH09292368A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6828551B2 (en) 2002-02-20 2004-12-07 Hitachi High-Technologies Corporation Mass spectrometer system

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6828551B2 (en) 2002-02-20 2004-12-07 Hitachi High-Technologies Corporation Mass spectrometer system
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