JP2003242923A - 電子ビーム照射装置及び電子ビーム照射方法 - Google Patents

電子ビーム照射装置及び電子ビーム照射方法

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JP2003242923A
JP2003242923A JP2002035873A JP2002035873A JP2003242923A JP 2003242923 A JP2003242923 A JP 2003242923A JP 2002035873 A JP2002035873 A JP 2002035873A JP 2002035873 A JP2002035873 A JP 2002035873A JP 2003242923 A JP2003242923 A JP 2003242923A
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electron beam
master
static pressure
beam irradiation
objective lens
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JP2002035873A
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Yuichi Aki
祐一 安芸
Masanobu Yamamoto
眞伸 山本
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビームカラム12が内蔵される真空チャ
ンバー15に静圧浮上パッド19が連結され、この静圧
浮上パッド19が被照射体1に非接触で吸着した状態で
電子ビームが被照射体1に照射される構造の電子ビーム
照射装置において、焦点のビームスポット径をより小さ
く絞ることができるようにする。 【解決手段】 電子ビームカラム12の先端の対物レン
ズ部30を切り離し、これを静圧浮上パッド19と一体
化した構造とすることにより、対物レンズ部30と被照
射体1との間の距離を近接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば光ディスクの
原盤記録に用いられる電子ビーム照射装置及び電子ビー
ム照射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクにおいては記録密度の
一層の高密度化が求められており、これを実現するため
には記録ピットをより微細に形成する必要がある。この
ため光ディスクの原盤の作製においては、従前のレーザ
ー光に代えて電子ビームを原盤に照射して記録を行なう
装置が提案されている。
【0003】この電子ビーム照射装置では、電子ビーム
が気体分子と衝突して散乱することがないように、真空
環境での電子ビーム照射が必要となる。この場合、電子
ビーム照射装置全体を真空環境に置くとすると、大きな
真空空間及び大型の排気手段が必要となり、装置が大型
で高価なものとなる。
【0004】そこでこれを回避するものとして本出願人
は、先に「特願2000−57374」等において、電
子ビームを照射する部分のみを真空状態とする部分真空
方式の電子ビーム照射装置を提案した。
【0005】この部分真空方式の電子ビーム照射装置の
構成例を図1に示す。ここでは光ディスクの原盤記録に
用いる電子ビーム照射装置を例示してあり、この装置は
電子ビームカラム12の電子発生部13から出射される
電子ビームを被照射体であるディスク原盤1に照射して
信号の記録(信号パターンの記録ピットの形成)を行な
うものである。
【0006】2はこの装置の基台であり、この基台2上
には原盤1を支持する支持機構部3が構成されている。
この支持機構部3は、基台2上に水平に配置固定される
ガイドレール4と、このガイドレール4に沿って水平の
一軸方向に移動可能に支持されるスライドテーブル5と
を有し、このスライドテーブル5に原盤1の回転駆動手
段であるスピンドルモーター6が搭載されており、この
スピンドルモーター6の回転軸に取り付けられた回転テ
ーブル7の上面に原盤1が載置支持される。
【0007】回転テーブル7に載置された原盤1は、回
転テーブル7に設けられた真空吸着機構8によって吸着
固定され、これによって回転テーブル7と一体に原盤1
が回転されるようになっている。
【0008】スライドテーブル5と基台2との間には、
図には表われていないがリニアモーターが設けられてお
り、このリニアモーターの駆動によってスライドテーブ
ル5がガイドレール4に沿って水平に移動し、これと一
体に原盤1がその径方向に移動される構造となってい
る。
【0009】このように構成される原盤の支持機構部2
に対しその上方には、原盤1上を部分的に真空状態にし
て電子ビームを照射する電子ビーム照射機構部10が構
成されている。
【0010】基台2上には垂直の支持柱11aと水平の
天板11bによりなる支持構体11が構成されており、
この支持構体11の天板11bに電子ビーム照射手段で
ある電子ビームカラム12が垂直に載置支持されてい
る。さらに天板11bには真空チャンバー15が懸架支
持されており、この真空チャンバー15に電子ビームカ
ラム12の先端部が内蔵される形となっている。
【0011】電子ビームカラム12と真空チャンバー1
5には夫々排気管16と17を介して真空ポンプにより
なる排気手段が連結されており、この排気手段によって
電子ビームカラム12と真空チャンバー15の内部を排
気して電子ビームの照射に支障のない真空度に保つよう
にしてある。
【0012】真空チャンバー15の下端部の電子ビーム
出口には伸縮連結機構18を介して静圧浮上パッド19
が取り付けられており、この静圧浮上パッド19が原盤
1に対し5μm程度の僅かな隙間をもって非接触で吸着
し、その状態で電子ビームカラム12の上端の電子発生
部13から出射された電子ビームが静圧浮上パッド19
の中心部の電子ビーム通口を通って原盤1に照射され
る。
【0013】図2にこの静圧浮上パッド19の詳細な構
造を示す。この静圧浮上パッド19は、その中心部に電
子ビームが通る電子ビーム通口20を有する金属製のブ
ロック21により構成される。このブロック21は二重
ベローズ構造の伸縮連結機構18によって真空チャンバ
ー15の下端開口部に気密的に連結されており、この伸
縮連結機構18の伸縮によりブロック21は原盤1に厚
さムラや回転ぶれ等があってもそれに追従して確実に5
μm程度の隙間を維持できるようになっている。
【0014】そしてこのブロック21を原盤1の方向に
引き寄せる力を発生させる手段としてブロック21に
は、原盤1との対向面に開口する第1の吸引溝22と第
2の吸引溝23が設けられている。この第1の吸引溝2
2と第2の吸引溝23は原盤1との対向面から見て電子
ビーム通口20を中心とする同心円状に形成されている
もので、この第1の吸引溝22と第2の吸引溝23には
夫々排気管24と25を介して排気手段が連結され、こ
の排気手段によって第1の吸引溝22と第2の吸引溝2
3から排気即ち気体の吸引が行なわれる如くなされてい
る。
【0015】この排気手段としては真空ポンプが用いら
れ、ここで電子ビーム通口20に近い第1の吸引溝22
には、これより外側の第2の吸引溝23よりも高い真空
度に排気できる真空ポンプを連結し、第1の吸引溝22
での吸引力が第2の吸引溝23よりも強くなるように設
定する。
【0016】さらにブロック21には、第2の吸引溝2
3の外側において原盤1との対向面に露出する通気体2
6が埋め込まれている。この通気体26は通気性を有す
る多孔質の固体材料によりなるもので、原盤1との対向
面から見て電子ビーム通口20を中心とするリング状に
形成されており、この通気体26の裏側においてブロッ
ク21の内部には気体の流路27が形成されている。
【0017】この流路27には給気手段が連結されてお
り、この給気手段から流路27に圧縮気体(正圧)が供
給され、これが通気体26から原盤1に向けて噴出され
るようになっている。
【0018】このように構成される静圧浮上パッド19
を原盤1の上に載せた状態で各排気手段及び給気手段を
作動させると、通気体26から噴出される気体によって
静圧浮上パッド19が原盤1から僅かに浮き上がり、同
時に第1及び第2の吸引溝22及び23から気体が吸引
されて溝内が負圧となることによって静圧浮上パッド1
9が原盤1に吸い付くように作用し、このため静圧浮上
パッド18は原盤1に対し5μm程度の僅かな隙間を保
ちながら非接触で浮上する状態となるので、原盤1の回
転には支障がない。
【0019】このとき通気体26から噴出される気体
は、その周囲に形成されている第1及び第2の吸引溝2
2及び23で吸引されることにより電子ビーム通口20
に至ることが回避され、この場合、通気体26からの気
体は先ず第2の吸引溝23で吸引され、さらに第1の吸
引溝22で吸引されることになり、ここで第1の吸引溝
22での吸引力は第2の吸引溝23の吸引力より強くな
っているため、静圧浮上パッド19の中心部にいくほど
真空度を高くでき、これによって真空チャンバー15の
内部を電子ビームの照射に支障のない真空度に保つこと
ができるものである。
【0020】30は真空チャンバー15に内蔵される電
子ビームカラム12の先端の対物レンズ部であり、電子
ビームカラム12の電子発生部から発せられた電子ビー
ムは電子ビーム通路31を通ってこの対物レンズ部30
の先端から出射され、静圧浮上パッド19の電子ビーム
通口20を通って原盤1の記録面に照射される。この対
物レンズ部30においては電子ビーム通路31の周りに
電磁コイル32が配されており、この電磁コイル32に
よって電子ビームが収束されて原盤1の記録面上にビー
ムスポットを形成する。
【0021】そしてこのようにして原盤1に電子ビーム
が照射されると同時に、支持機構部3のスピンドルモー
ター6の駆動により原盤1が回転されると共にリニアモ
ーターの駆動によって原盤1が径方向に移動されること
で所定のトラックに記録が行なわれるものである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く構成される
従来の電子ビーム照射装置では、電子ビームカラム12
の対物レンズ部30と被照射体である原盤1との間に静
圧浮上パッド19があるため、対物レンズ部30の先端
と原盤1の記録面との間の距離、つまり作動距離を短く
するのに限界があった。一般に作動距離を短くすると電
子ビームの収束角を大きくとれるため、焦点のビームス
ポットの径を小さくでき、高密度記録等に有利となる
が、前述した従来の電子ビーム照射装置ではこの作動距
離を短くすることに制限があるため、ビームスポットの
径をより小さく絞るには限界があった。
【0023】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、静圧浮上パッドを用いた部分真空方式の電子ビーム
照射装置において、電子ビームカラムの対物レンズ部と
被照射体との間の作動距離を短くしてビームスポット径
をより小さくできる電子ビーム照射装置を提供すること
を課題としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、電子ビームカラムが内蔵される真空チャ
ンバーに静圧浮上パッドが連結され、この静圧浮上パッ
ドが被照射体に非接触で吸着した状態で電子ビームが被
照射体に照射される構造の電子ビーム照射装置におい
て、電子ビームカラムの対物レンズ部を静圧浮上パッド
と一体化した構造としてなるものである。
【0025】このように電子ビームカラムの対物レンズ
部を静圧浮上パッドと一体化したことにより、対物レン
ズ部と被照射体との間の作動距離を近接させられるた
め、被照射体に照射される電子ビームのスポット径をよ
り小さくすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施例について詳述する。本例においても、前述した
従来例と同様に、光ディスクの原盤記録に用いる電子ビ
ーム照射装置を例示して説明する。
【0027】この電子ビーム照射装置の基本的な構成
は、前述した従来例の構成と同様である。即ちこの装置
は図1に示す如く、電子ビームカラム12の電子発生部
13から出射される電子ビームを被照射体であるディス
ク原盤1に照射して信号の記録(信号パターンの記録ピ
ットの形成)を行なうものである。
【0028】2はこの装置の基台であり、この基台2上
には原盤1を支持する支持機構部3が構成されている。
この支持機構部3は、基台2上に水平に配置固定される
ガイドレール4と、このガイドレール4に沿って水平の
一軸方向に移動可能に支持されるスライドテーブル5と
を有し、このスライドテーブル5に原盤1の回転駆動手
段であるスピンドルモーター6が搭載されており、この
スピンドルモーター6の回転軸に取り付けられた回転テ
ーブル7の上面に原盤1が載置支持される。
【0029】回転テーブル7に載置された原盤1は、回
転テーブル7に設けられた真空吸着機構8によって吸着
固定され、これによって回転テーブル7と一体に原盤1
が回転されるようになっている。
【0030】スライドテーブル5と基台2との間には、
図には表われていないがリニアモーターが設けられてお
り、このリニアモーターの駆動によってスライドテーブ
ル5がガイドレール4に沿って水平に移動し、これと一
体に原盤1がその径方向に移動される構造となってい
る。
【0031】このように構成される原盤の支持機構部2
に対しその上方には、原盤1上を部分的に真空状態にし
て電子ビームを照射する電子ビーム照射機構部10が構
成されている。
【0032】基台2上には垂直の支持柱11aと水平の
天板11bによりなる支持構体11が構成されており、
この支持構体11の天板11bに電子ビーム照射手段で
ある電子ビームカラム12が垂直に載置支持されてい
る。さらに天板11bには真空チャンバー15が懸架支
持されており、この真空チャンバー15に電子ビームカ
ラム12の先端部が内蔵される形となっている。
【0033】電子ビームカラム12と真空チャンバー1
5には夫々排気管16と17を介して真空ポンプにより
なる排気手段が連結されており、この排気手段によって
電子ビームカラム12と真空チャンバー15の内部を排
気して電子ビームの照射に支障のない真空度に保つよう
にしてある。
【0034】真空チャンバー15の下端部の電子ビーム
出口には伸縮連結機構18を介して静圧浮上パッド19
が取り付けられており、この静圧浮上パッド19が原盤
1に対し5μm程度の僅かな隙間をもって非接触で吸着
し、その状態で電子ビームカラム12の上端の電子発生
部13から出射された電子ビームが静圧浮上パッド19
の中心部の電子ビーム通口を通って原盤1に照射され
る。
【0035】図3にこの静圧浮上パッド19の詳細な構
造を示す。この静圧浮上パッド19は、その中心部に電
子ビームが通る電子ビーム通口20を有する金属製のブ
ロック21により構成される。このブロック21は二重
ベローズ構造の伸縮連結機構18によって真空チャンバ
ー15の下端開口部に気密的に連結されており、この伸
縮連結機構18の伸縮によりブロック21は原盤1に厚
さムラや回転ぶれ等があってもそれに追従して確実に5
μm程度の隙間を維持できるようになっている。
【0036】そしてこのブロック21を原盤1の方向に
引き寄せる力を発生させる手段としてブロック21に
は、原盤1との対向面に開口する第1の吸引溝22と第
2の吸引溝23が設けられている。この第1の吸引溝2
2と第2の吸引溝23は原盤1との対向面から見て電子
ビーム通口20を中心とする同心円状に形成されている
もので、この第1の吸引溝22と第2の吸引溝23には
夫々排気管24と25を介して排気手段が連結され、こ
の排気手段によって第1の吸引溝22と第2の吸引溝2
3から排気即ち気体の吸引が行なわれる如くなされてい
る。
【0037】この排気手段としては真空ポンプが用いら
れ、ここで電子ビーム通口20に近い第1の吸引溝22
には、これより外側の第2の吸引溝23よりも高い真空
度に排気できる真空ポンプを連結し、第1の吸引溝22
での吸引力が第2の吸引溝23よりも強くなるように設
定する。
【0038】さらにブロック21には、第2の吸引溝2
3の外側において原盤1との対向面に露出する通気体2
6が埋め込まれている。この通気体26は通気性を有す
る多孔質の固体材料によりなるもので、原盤1との対向
面から見て電子ビーム通口20を中心とするリング状に
形成されており、この通気体26の裏側においてブロッ
ク21の内部には気体の流路27が形成されている。
【0039】この流路27には給気手段が連結されてお
り、この給気手段から流路27に圧縮気体(正圧)が供
給され、これが通気体26から原盤1に向けて噴出され
るようになっている。
【0040】このように構成される静圧浮上パッド19
を原盤1の上に載せた状態で各排気手段及び給気手段を
作動させると、通気体26から噴出される気体によって
静圧浮上パッド19が原盤1から僅かに浮き上がり、同
時に第1及び第2の吸引溝22及び23から気体が吸引
されて溝内が負圧となることによって静圧浮上パッド1
9が原盤1に吸い付くように作用し、このため静圧浮上
パッド18は原盤1に対し5μm程度の僅かな隙間を保
ちながら非接触で浮上する状態となるので、原盤1の回
転には支障がない。
【0041】このとき通気体26から噴出される気体
は、その周囲に形成されている第1及び第2の吸引溝2
2及び23で吸引されることにより電子ビーム通口20
に至ることが回避され、この場合、通気体26からの気
体は先ず第2の吸引溝23で吸引され、さらに第1の吸
引溝22で吸引されることになり、ここで第1の吸引溝
22での吸引力は第2の吸引溝23の吸引力より強くな
っているため、静圧浮上パッド19の中心部にいくほど
真空度を高くでき、これによって真空チャンバー15の
内部を電子ビームの照射に支障のない真空度に保つこと
ができるものである。
【0042】30は真空チャンバー15に内蔵される電
子ビームカラム12の先端の対物レンズ部であり、電子
ビームカラム12の電子発生部から発せられた電子ビー
ムは電子ビーム通路31を通ってこの対物レンズ部30
の先端から出射され、静圧浮上パッド19の電子ビーム
通口20を通って原盤1の記録面に照射される。この対
物レンズ部30においては電子ビーム通路31の周りに
電磁コイル32が配されており、この電磁コイル32に
よって電子ビームが収束されて原盤1の記録面上にビー
ムスポットを形成する。
【0043】そしてこのようにして原盤1に電子ビーム
が照射されると同時に、支持機構部3のスピンドルモー
ター6の駆動により原盤1が回転されると共にリニアモ
ーターの駆動によって原盤1が径方向に移動されること
で所定のトラックに記録が行なわれるものである。
【0044】このように構成される電子ビーム照射装置
において特に電子ビームカラム12の対物レンズ部30
について注目すると、本発明ではこの対物レンズ部30
が静圧浮上パッド19と一体化されている。即ち、この
対物レンズ部30は従来は電子ビームカラム12の先端
に一体に設けられていたが、本発明ではこの対物レンズ
部30を切り離し、これを静圧浮上パッド19のブロッ
ク21に気体の漏れがないように結合した構造としてあ
る。
【0045】このような構造としたことにより本例の電
子ビーム照射装置では、電子ビームカラム12の対物レ
ンズ部30の先端と被照射体である原盤1の記録面との
間の作動距離を近接させつつ真空チャンバー15内の到
達真空度を維持することが可能となり、作動距離の近接
により原盤1の記録面に照射される電子ビームの収束角
を大きくとれるため、焦点のビームスポットの径をより
小さく絞ることができる。従ってこの電子ビーム照射装
置では、原盤1に記録される信号トラックの線幅をより
細くできるので、さらなる高密度記録が可能となるもの
である。
【0046】図4は他の実施例を示すもので、ここでは
対物レンズ部30は静圧浮上パッド19のブロック21
と一体に形成されており、この対物レンズ部30の適切
な位置、本例ではスペース的に余裕のある上端部に、電
子ビーム通路31を閉塞する封止弁33を設けてある。
【0047】この封止弁33は電子ビーム通路31を塞
ぐように組み込まれるボール状の弁であり、これには電
子ビーム通路31と連通する孔34が設けられている。
そしてこの封止弁33にはロッド35が一体に設けら
れ、さらにこのロッド35には継手36を介して操作ロ
ッド37が連結されてこれが真空チャンバー15の外部
に導出されており、この操作ロッド37を軸回転操作す
ることで封止弁33を回転させて電子ビーム通路31を
開閉する構造となっている。
【0048】即ち、封止弁33の孔34が電子ビーム通
路31と対応している状態では電子ビーム通路31が開
放され、この状態から操作ロッド37によって封止弁3
3を回転させて孔34を電子ビーム通路31と非対応状
態とすることにより電子ビーム通路31が閉塞される。
【0049】そしてこのように静圧浮上パッド19と一
体の対物レンズ部30に電子ビーム通路31を閉塞する
封止弁33を設けたことにより、静圧浮上パッド19の
排気を停止しても電子ビームカラム12及び真空チャン
バー15内を真空状態に維持することが可能となるもの
である。従って、原盤1を交換する時や静圧浮上パッド
19の点検清掃時などでも電子ビームカラム12内の圧
力、熱的平衡状態を安定に保つことが可能となり、電子
ビーム照射前の安定化時間を大幅に短縮することができ
る。
【0050】尚、ここで用いられる封止弁33は、図示
のようなボール状の弁に限ることなく、他にも例えばピ
ストン式やゲートバルブ状のものなど、対物レンズ部の
具体的形状に合わせて適切な形式を選ぶとよい。
【0051】以上、本発明の実施例として本発明を光デ
ィスクの原盤記録に用いる電子ビーム照射装置に適用し
た例を示したが、本発明はこれに限ることなく他にも例
えば液晶や半導体製造で用いる石英、シリコンウェハな
どに対する電子ビームの照射や、電子ビーム照射による
各種の検査装置及び顕微鏡装置など、幅広い用途に適用
することができるものである。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く本発明は、
静圧浮上パッドを用いた部分真空方式の電子ビーム照射
装置において、電子ビームカラムの対物レンズ部と被照
射体との間の作動距離をより近接させられるため、焦点
のビームスポットの径をより小さくすることができる。
これにより例えば光ディスクの原盤記録装置では信号ト
ラックの線幅をより細くできるので高密度記録に有利と
なり、また検査装置や顕微鏡装置などでは分解能をより
細かくできる効果がある。
【0053】さらに本発明では、封止弁により真空チャ
ンバー内を常に真空状態に維持できるため、電子ビーム
カラムの熱的、機械的安定を維持できるので、電子ビー
ム照射前の安定化待ち時間をほぼ解消することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子ビーム照射装置の全体構造図である。
【図2】従来例を示す要部の縦断面図である。
【図3】本発明の実施例を示す要部の縦断面図である。
【図4】同、他の実施例を示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1‥‥原盤(被照射体)、12‥‥電子ビームカラム、
15‥‥真空チャンバー、19‥‥静圧浮上パッド、3
0‥‥対物レンズ部、31‥‥電子ビーム通路、33‥
‥封止弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームカラムが内蔵される真空チャ
    ンバーに静圧浮上パッドが連結され、この静圧浮上パッ
    ドが被照射体に非接触で吸着した状態で電子ビームが被
    照射体に照射される構造の電子ビーム照射装置におい
    て、上記電子ビームカラムの対物レンズ部を上記静圧浮
    上パッドと一体化した構造としたことを特徴とする電子
    ビーム照射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子ビーム照射装置に
    おいて、上記対物レンズ部の適切な位置に、電子ビーム
    通路を閉塞し上記真空チャンバー内の真空を維持するた
    めの封止弁を設けたことを特徴とする電子ビーム照射装
    置。
  3. 【請求項3】 電子ビームカラムが内蔵される真空チャ
    ンバーに静圧浮上パッドを連結し、この静圧浮上パッド
    を被照射体に非接触で吸着させた状態で電子ビームを被
    照射体に照射するようにした電子ビーム照射方法におい
    て、上記電子ビームカラムの対物レンズ部を上記静圧浮
    上パッドと一体化し、上記電子ビームカラムの対物レン
    ズ部と被照射体との間の距離をより近接させた状態で電
    子ビームを照射するようにしたことを特徴とする電子ビ
    ーム照射方法。
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