JP2003241254A - 光量調整装置及びそれを有する光学系並びに撮影装置 - Google Patents

光量調整装置及びそれを有する光学系並びに撮影装置

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JP2003241254A
JP2003241254A JP2002043121A JP2002043121A JP2003241254A JP 2003241254 A JP2003241254 A JP 2003241254A JP 2002043121 A JP2002043121 A JP 2002043121A JP 2002043121 A JP2002043121 A JP 2002043121A JP 2003241254 A JP2003241254 A JP 2003241254A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NDフィルターの微小な透過波面位相差によ
って光学性能劣化する。 【解決手段】 絞り羽根S11,S12によって形成さ
れた開口を通過する光の光量を減衰するためのNDフィ
ルターP1を備えた光量調整装置において、NDフィル
ターP1の透過率の異なる領域(光路中、N11のみが
存在する領域、N11とN12の双方が存在する領域)
を通過する所定の波長λの光の位相差が{1±(1/
5)}λ又は{2±(1/5)}λの範囲内となるよう
に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオカメラやデ
ジタルスチルカメラ等の撮影装置に好適な光量調整装置
に関し、画素ピッチの小さな撮像素子においても光学性
能の劣化を抑制することが可能な技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラ等の撮影装置の撮影光学系
には、複数枚の絞り羽根で形成する開口径を変化させて
光量を調整する光量調整装置が使用されている。このよ
うな絞り装置では、開口径が小さくなりすぎると光の回
折による光学性能劣化が問題となる。
【0003】そこで、明るい被写体条件でも開口径が小
さくなり過ぎないようにするため、絞り羽根とND(Ne
utral Density)フィルターを併用した光量調整装置が
提案され実用化されている。
【0004】特許公報第2592949号には、絞り羽
根で形成される開口内に位置するようにNDフィルター
が絞り羽根に貼付けられ、NDフィルターはそれぞれ均
一な透過率に設定された複数の領域を有し、開口の外側
から内側に向かって順に透過率が大きくなるよう設定し
た絞り装置が開示されている。
【0005】特開昭52−117127号公報には、開
放から所定の開口面積までは機械的な絞り羽根を移動さ
せ、一定の絞り値以下の小絞り制御は濃淡によって透光
度が連続的に変化しているNDフィルターを透過率の高
いフィルター部から順に開口に進入させる絞り装置が開
示されている。
【0006】特開2000−106649号公報には、
複数の濃度領域を有するNDフィルターの透過率が与え
る光学性能への影響を説明し、対策を施した露出制御機
構を有する撮像装置が開示されている。
【0007】従来のこれらの提案においては、開放から
小絞りに至るまでの中間絞り状態での光学性能劣化の主
因は、絞り羽根により形成される開口部を覆うNDフィ
ルター透過率の差に起因する回折の影響が支配的と考え
られており、複数の濃度領域を有するNDフィルターの
各領域の透過率や面積に着目した回折の影響への対策案
が提案されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、中間絞り状態で
の光学性能劣化の原因は、NDフィルター透過率差に起
因する回折の影響だけでなく、NDフィルターの厚み成
分に起因する透過波面位相差も大きく影響している。
【0009】絞り開口部の一部を厚みのあるフィルター
が覆うと光学性能が劣化することは経験的に知られてい
るが、フィルター厚み成分がどのように光学性能に影響
するかを解析し、その具体的な対策をなした例は知られ
ていない。
【0010】NDフィルターの厚みが光学性能に与える
影響への回避策として、特開平6−265971号公報
では、透明な部分と透過率が連続的または段階的に変化
する部分を有するNDフィルターを固定の円形絞り開口
を全て覆う状態で可動させて透過光量を調整する構成が
提案されている。
【0011】しかしながら、特開平6−265971号
公報に記載された発明は、フィルター部材を通過する部
分としない部分との大きな位相差についてのみ着目した
もので、実際に透過率変化のあるNDフィルターを実現
するときに、透過率変化を与えるために生じるであろう
微小厚み変化または微小屈折率変化による光の波長λの
2倍程度までの微小な透過波面位相差についての問題提
起と対策については何ら示されていない。発明者の検討
によれば、このような光の波長オーダー近傍の微小な透
過波面位相差が、ある条件下では光学性能に非常に大き
な影響を与えていることが分かった。
【0012】そこで本発明は、絞りと、NDフィルター
のような透過光を減衰させるフィルター部材とを併用し
て光量調整を行なう光量調整装置において、フィルター
部材の微小な厚み成分の影響による光学性能劣化を低減
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1発明では、開口を形成するための絞りと、
その絞りの開口を通過する光の光量を減衰するためのフ
ィルター部材を備えた光量調整装置において、そのフィ
ルター部材の透過率の異なる位置を通過する所定の波長
λの光の位相差が略1λ又は略2λとなるように設定す
ることを特徴としている。
【0014】また、本願第2発明では、開口を形成する
ための絞りと、その絞りの開口を通過する光の光量を減
衰するためのフィルター部材を備えた光量調整装置にお
いて、そのフィルター部材が絞りの開口を覆った状態
で、開口内のフィルター部材の透過率が異なる位置を通
過する波長λの光の位相差が略1λ又は略2λとなるよ
うに設定している。
【0015】ここで、本願第1発明、第2発明における
「所定の波長」とは、光量調整装置の使用状態によって
適宜定めるものであり、例えば、使用波長帯域の中心波
長などが用いられ、可視光域が使用波長帯域である場合
には、λ=550nmであることが好ましい。
【0016】また、「略1λ又は略2λ」の位相差と
は、製造誤差を含めて{1±(1/5)}λ又は{2±
(1/5)}λの範囲内の位相差であることを意味して
いる。この範囲内の位相差であれば実質的に1λ又は2
λの位相差とみなせ、本発明の当初の目的を十分に達成
することができる。
【0017】また、本願第3発明では、開口を形成する
ための絞りと、その絞りの開口を通過する光の光量を減
衰するためのフィルター部材を備えた光量調整装置にお
いて、フィルター部材の透過率の異なる位置を通過する
光の位相差を所定値に設定するための手段を有すること
を特徴としている。
【0018】本願第1乃至第3発明の光量調整装置は、
光学系を通過する光量を調整するために好適に用いら
れ、特にCCDやCMOS等の撮像素子(光電変換素
子)上に像を形成する撮影装置の光学系に好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】本実施形態の光量調整装置(絞り
装置)の説明をする前に、透過波面位相差が像に対して
どのような影響を与えるかについて説明する。
【0020】まず、絞り開口部の一部を厚みのあるフィ
ルターが覆うと光学的にどのような現象が発生するかに
ついて図9を用いて説明する。
【0021】図9(a)〜(e)は、無収差の理想レン
ズLの前方(物体側)にフィルターPと開口絞りSを配
置し、波長λの単色光の平面波である平行光線が入射し
た場合の幾何光学的な結像点I近傍の点像強度分布Qを
示している。
【0022】図9(a)はフィルターPが厚みゼロで透
過波面に影響を与えていない状態である。この場合、強
度分布QはFナンバーFと光線の波長λの関係による回
折像となる。(参照:「レンズ設計のための波面光学」
草川徹著、東海大学出版会)絞りSが円形開口の場合、
半径が1.22Fλの1つの点像が結像され、その周り
にリング状の弱い光の回折光が形成される。ここで、絞
りSの開口の半分に相当するフィルターPの紙面下側の
領域の厚みを微小量増加させ、図9(b)に示すように
透過波面位相差が(1/4)λになるよう設定すると、
強い強度の点像の横に小さな強度の点像が出現する。
【0023】更にフィルターPの下側領域の厚みを増加
させ、図9(c)に示すように透過波面位相差が(2/
4)λになるよう設定すると、強度分布Qは1つの点像
にならず紙面内で上下方向に分離した2点の像強度分布
になる。これは、幾何光学的な結像点Iに集光するべき
光のうち、瞳の紙面上側半分を通過する光の波面と紙面
下側半分の波面の位相が(1/2)λずれているため、
波動光学的には波の打ち消し合い現象が発生し、結像点
I上での強度がゼロになってしまうからである。その一
方でエネルギー保存法則により結像点Iに集光するべき
光エネルギーが消失することはないので、結像点Iの紙
面上下方向に分散され2つの点に集まることになる。
【0024】更にフィルターPの下側領域の厚みを増加
させ、図9(d)に示すように透過波面位相差が(3/
4)λになるよう設定すると、2点像の上側の強度が弱
まり下側の強度が強くなる。
【0025】更にフィルターPの下側領域の厚みを増加
させ、図9(e)に示すように透過波面位相差が(4/
4)λになるよう設定すると、強度分布Qは再び1つの
点像の回折像になり図9(a)と同様な状態に戻る。
【0026】更にフィルターPの下側領域の厚みを増加
させると、強度分布Qは透過波面位相差に応じて周期的
に変化を繰り返すことになる。
【0027】図9(c)に示した透過波面位相差が(1
/2)λの場合に分離する2点像の間隔ΔyはΔy≒2
Fλの関係があり、Fナンバーと波長λに比例する。例
えばFナンバーF=4で波長λ=550nmの場合は、
2点像の間隔Δy≒4.4μmになる。これは2点分離
のローパスフィルターと同じ原理で、カットオフ周波数
が1/(2Δy)=114本/mmのローパスフィルタ
ーをかけた場合と同じような効果が発生し、光学系のM
TFが劣化することを意味している。
【0028】光学計算で無収差の理想レンズを設定し、
図9(a)〜(e)の状態の点像強度分布を計算した結
果を図10〜14に示す。図10〜14は、それぞれ、
単色光λ=550nm、FナンバーF=2の円形絞りと
いう条件で、絞り開口の半分の領域の透過波面位相差が
(0/4)λから(4/4)λまで(1/4)λずつ増
加するようにフィルター厚を増加させた場合の点像強度
分布である。図10〜14において、(a)〜(c)は
点像強度分布をそれぞれ鳥瞰図示、上面図示、側面図示
したものである。
【0029】ひとつの波長からなる単色光の場合は、フ
ィルター厚の変化に伴う透過波面位相差に応じて結像点
Iの強度分布が周期的に変化することが図10〜14か
らも分かる。
【0030】ところで、実際に撮影系で使用される光は
単色光ではなく、種々の波長の光が混合した白色光であ
る。図10〜14と同じ条件設定で白色光の点像強度分
布を計算した結果を図15〜19に示す。なお、白色光
としては、標準比視感度に合わせて可視光400nm〜
700nmの範囲で550nm近傍に感度ピークをもつ
カラーウエイトを設定している。
【0031】波長λ=550nmでの透過波面位相差が
ゼロλから1λまでの点像強度分布の変化は、白色光の
場合も単色光の場合とほぼ同じように、点像が1点から
2点に分離し再び1点に変化することが図15〜19か
ら分かる。
【0032】図17は、波長λ=550nmでの透過波
面位相差が(1/2)λのとき、白色光の強度分布が2
点分離像になった状態を示している。前述したように、
2点分離像の分離幅はFナンバーと波長λに比例するの
で、波長の長い赤い光の2点分離像の分離幅は広く、逆
に波長の短い青い光の2点分離像の分離幅は狭くなる。
したがって、図17に示した白色光の2点分離像は少し
色にじみをもった像になっている。単色光の場合は2点
分離像の中間の谷間の部分の強度はゼロになるが、白色
光の場合は谷間の部分の強度は色にじみの影響でゼロに
はならない。
【0033】図19は、波長λ=550nmでの透過波
面位相差がちょうど(4/4)λ=1λのときの白色光
の点像強度分布を示している。フィルターを透過する光
の位相差は波長によって異なり白色光全ての波長の位相
差が1λにはならないため、図19(b)から明らかな
ように、点像強度分布は完全な円形にならず上下方向に
少し伸びた楕円形状になっている。
【0034】このように白色光の場合、透過波面位相差
が略2λ以下の比較的小さい領域であれば、単色光の場
合と同様に結像点Iの強度分布が周期的に1点になった
り2点になったりする。しかしながら、透過波面位相差
が数λ以上の大きな領域では、透過波面位相差の波長に
よるずれが大きくなり、単色光とは点像強度分布に対し
て異なる挙動を示すことになる。これについて次に説明
する。
【0035】波長λ=550nmでの透過波面位相差が
5.5λと6λ発生した場合の単色光と白色光の点像強
度分布の違いを計算した結果を図20〜23に示す。
【0036】図20は単色光で位相差5.5λ発生条件
での単色光点像強度分布、図21は白色光での点像強度
分布である。
【0037】図22は単色光で位相差6λ発生条件での
単色光点像強度分布、図23は白色光での点像強度分布
である。
【0038】単色光の場合、図20に示した透過波面位
相差5.5λでは(1/2)位相ずれているため図12
と同様に2点に分離した強度分布を持つが、白色光の場
合は既に2点像とはならない。各波長の位相差が全て
(1/2)位相ではなく波長による位相差が大きくな
り、図21に示すように位相差が存在する方向(図21
の上下方向)に伸びた楕円形状の1つの点像強度分布と
なる。
【0039】次に透過波面位相差6λの場合を見ると、
単色光の場合は丁度位相が合った状態なので、図22に
示すように1点の円形の点像強度分布になる。白色光の
場合は、図23に示すように位相差が存在する方向(図
23の上下方向)に伸びた楕円形の強度分布になってい
る。
【0040】図21と図23の強度分布を比較すると、
白色光の場合は透過波面位相差が5.5λから6λに変
化してもほとんど点像強度分布に変化がないことが分か
る。これは、絞り開口である瞳面での透過波面位相差が
略2λ以下の微小な場合と5λ以上の大きな場合とで、
透過波面位相差が光学性能へ与える影響が白色光では大
きく異なっていることを示している。
【0041】NDフィルターを用いた光量調整装置にお
いて、透過波面位相差が略2λ以下の領域とは、NDフ
ィルター基板が開口を全て覆っている状態で、NDフィ
ルター基板上での光学薄膜程度の厚みによって生ずる位
相差を意味している。この領域では透過波面位相差はn
λ(n=0,1)から{n+(1/2)}λに変化する
とき光学性能が急激に劣化し、{n+(1/2)}λか
ら(n+1)λに変化すると光学性能がある程度まで回
復する。
【0042】一方、透過波面位相差が5λ以上の領域と
は、NDフィルター基板の端縁部が絞り開口に掛かって
いる状態でのNDフィルター基板自身の厚みによって生
ずる位相差などを意味しており、この領域では多少の透
過波面位相差が変動しても光学性能はあまり変化しな
い。
【0043】これに関して、光学性能評価としてMTF
値を用い、透過波面位相差との関係がどのようになって
いるかを図24を用いて説明する。ここではNDフィル
ターの透過率に起因する回折の影響は考慮せず、フィル
ターの厚み成分に起因した透過波面位相差によるMTF
値の変化のみに限定して話を進める。
【0044】図24は、絞り開口の下側半分領域のフィ
ルター厚みをゼロから徐々に増加させ、透過波面位相差
を6λまで変化させた場合の無収差理想レンズ系での白
色光の波動光学的MTF計算値である。
【0045】図24(a)は空間周波数50本/mm、
図24(b)は空間周波数100本/mmの白色MTF
値をグラフ表示している。グラフの縦軸はMTF値、横
軸は波長λ=550nmでの透過波面位相差である。円
形開口のFナンバーがF1,F1.4、F2、F2.
8、F4、F5.6,F8の状態での各MTF値をグラ
フに示している。
【0046】ここで、MTF計算で評価する空間周波数
について説明する。撮像素子の画素ピッチがPμmの場
合、この撮像素子が解像できる限界の空間周波数は1/
(2×P)までである。通常この限界の空間周波数近傍
よりも高い周波数はモアレや偽色信号の原因となるため
ローパスフィルターでカットする。画質評価として重要
な空間周波数は撮像素子の限界周波数の半分程度であ
る。
【0047】そこで、評価空間周波数=1/(4×P)
と定義し、撮像素子の画素ピッチが5μmの場合は50
本/mm、画素ピッチが2.5μmの場合は100本/
mmを評価空間周波数とした。
【0048】例えば、有効画素数38万画素、受光素子
画面対角寸法4.5mmのビデオカメラ用の撮像素子の
場合、画素ピッチは約5μmで評価空間周波数50本/
mmになり、垂直方向テレビジョン解像度に換算すると
270TV本に相当する。有効画素数が同じ条件で受光
素子画面対角寸法が2.25mmの撮像素子の場合、画
素ピッチは約2.5μmで評価空間周波数100本/m
mとなる。この場合も垂直方向テレビジョン解像度に換
算すると270TV本に相当する。
【0049】透過波面位相差が光学性能へ与える影響に
ついての説明に話を戻す。
【0050】評価空間周波数における目標MTF値を仮
に70%以上と設定する。なお、ここでのMTF計算
は、NDフィルター透過率を考慮していないことと無収
差理想レンズ系であることを考慮して少し高めの値を目
標MTF値に仮設定しているが、この値は目安であり絶
対的な数値目標ではない。
【0051】まず、図24(a)に示す空間周波数50
本/mmでの白色MTF値の説明をする。
【0052】F8まで開口を絞り込んだ状態での透過波
面位相差がゼロλの場合はMTF値72%を確保してい
るが、透過波面位相差が(1/2)λになるとMTF値
は21%まで急激に劣化する。更に透過波面位相差を増
加させ1λの状態でMTF値は62%まで回復する。透
過波面位相差を更に増加させるとMTF値は振動しなが
ら変動し、透過波面位相差が5λ以上でMTF値42%
程度に安定する。F8状態で目標MTF値を満足させる
ためには透過波面位相差をほぼゼロλ近傍設定にする必
要がある。
【0053】F5.6状態をみると、透過波面位相差ゼ
ロλではMTF値80%を確保しているが、透過波面位
相差(1/2)λ状態で44%まで劣化し、透過波面位
相差1λでMTF値76%まで回復するが、その後振動
しながら透過波面位相差5λ以上でMTF値61%程度
に安定する。
【0054】F4状態をみると、透過波面位相差がゼロ
λの場合はMTF値85%、透過波面位相差(1/2)
λ発生時は58%まで劣化し、透過波面位相差1λでM
TF値82%まで回復するが、その後振動しながら透過
波面位相差5λ以上でMTF値72%に安定する。
【0055】F2.8状態をみると、透過波面位相差が
ゼロλの場合はMTF値90%、透過波面位相差(1/
2)λ発生時でも71%を確保し、透過波面位相差1λ
でMTF値88%まで回復し、その後振動しながら透過
波面位相差5λ以上でMTF値80%に安定する。
【0056】F2.8よりも明るい開口絞り状態であれ
ば透過波面位相差の影響でMTF値が70%よりも下が
ることがない。
【0057】次に、図24(b)に示す空間周波数10
0本/mmでの白色MTF値の説明をする。
【0058】F8まで開口を絞り込んだ状態では回折の
影響で、MTF値は45%まで劣化し、透過波面位相差
が5λ以上でMTF値5%程度まで劣化してしまう。F
8状態では目標MTF値を満足させることは不可能であ
る。
【0059】F5.6状態をみると、透過波面位相差ゼ
ロλでMTF値61%、透過波面位相差(1/2)λ状
態で6%まで劣化し、透過波面位相差1λでMTF値5
3%まで回復するが、その後振動しながら透過波面位相
差5λ以上でMTF値27%程度に安定する。F5.6
状態でもまだ回折の影響が大きく目標MTF値を満足さ
せることはできない。
【0060】F4状態をみると、透過波面位相差ゼロλ
ではMTF値72%を確保しているが、透過波面位相差
(1/2)λ状態で21%まで劣化し、透過波面位相差
1λでMTF値66%まで回復するが、その後振動しな
がら透過波面位相差5λ以上でMTF値45%程度に安
定する。F4状態で目標MTF値を満足させるには透過
波面位相差はゼロλ近傍に設定する必要がある。という
ことは絞り開口F4状態でNDフィルターを挿入すると
フィルター厚みによる大きな透過波面位相差が発生し目
標MTF値を満足できなくなる。
【0061】F2.8状態をみると、透過波面位相差ゼ
ロλではMTF値80%を確保しているが、透過波面位
相差(1/2)λ状態で43%まで劣化し、透過波面位
相差1λでMTF値76%まで回復するが、その後振動
しながら透過波面位相差5λ以上でMTF値60%程度
に安定する。
【0062】F2状態をみると、透過波面位相差ゼロλ
ではMTF値85%を確保しているが、透過波面位相差
(1/2)λ状態で58%まで劣化し、透過波面位相差
1λでMTF値73%まで回復するが、その後振動しな
がら透過波面位相差5λ以上でMTF値71%程度に安
定する。
【0063】F1.4状態をみると、透過波面位相差ゼ
ロλではMTF値90%を確保しているが、透過波面位
相差(1/2)λ状態で70%まで劣化し、透過波面位
相差1λでMTF値88%まで回復し、その後振動しな
がら透過波面位相差5λ以上でMTF値89%程度に安
定する。
【0064】絞り開口部にフィルターが挿入されフィル
ター端縁部が開口中央に位置する状態は透過波面位相差
が5λ以上の状態である。この透過波面位相差状態にお
いて、評価空間周波数が50本/mmの場合はF4まで
絞り込んでもMTF値70%を確保することができる。
一方、評価空間周波数が100本/mmの場合は、F2
まで開口を広げなくてはMTF値70%を確保すること
ができない。
【0065】ところで、NDフィルターとしては、材料
の中に光を吸収する有機色素または顔料を混ぜ練り込む
タイプのものと、材料の表面に光学薄膜を蒸着するもの
とが知られている。練り込みタイプNDフィルターの特
徴は、均一な濃度のフィルターを大量に安価で加工可能
な点であるが、蒸着タイプNDフィルターに比べて分光
透過率の波長依存性が劣るため、撮影装置用の絞り装置
として用いられるNDフィルターとしては蒸着タイプが
優れている。蒸着タイプNDフィルターは、金属膜や誘
電体膜を複数層重ねることで分光透過率の波長依存性が
少なくかつ反射防止膜としての作用も併せ持たせること
が可能である。(参照:「光学薄膜の設計・製作・評価
技術」技術情報協会)蒸着タイプNDフィルターを用い
て濃度を段階的に複数領域設定した例を図25に示す。
図中、P3は蒸着タイプNDフィルターで2種類の濃度
領域を持った例を示している。フィルター基板B3の表
面全面にND膜N31を蒸着し、裏面の異なる面積領域
にND膜N32を蒸着している。この場合、図示してい
るように裏面のND蒸着膜境界部でND膜厚の段差に起
因する透過波面位相差が発生する。
【0066】図24において透過波面位相差が略2λ以
下の領域とは、この膜厚の段差などに起因した微小な透
過波面位相差が存在する場合を意味している。以下の具
体的な実施例では、透過波面位相差を所定の範囲内に収
めることによって、光学性能の劣化を最小限に抑える構
成を開示する。
【0067】(実施例1)本発明の実施例1を図1に示
す。図1は本発明を応用した光量調整装置(絞り装置)
の実施例である。図1(A)は開放絞り状態、図1
(B)は中間絞り状態、図1(C)は最小絞り状態を示
している。
【0068】図中、S11,S12は絞り開口を形成す
るための絞り羽根であり、相対的に移動させることによ
って開口面積を変えることができる。P1はNDフィル
ター(フィルター部材)であり、絞り羽根S12に貼り
付けられ固定されている。したがって、絞り羽根S1
1,S12の相対的な移動に伴って、NDフィルターP
1が開口を覆う面積が変化する。
【0069】NDフィルターP1は、基板B1の一方の
面に所定の透過率の領域N11が形成され、他方の面の
一部に領域N11とは透過率の異なる領域N12が形成
されている。したがって、光が領域N11のみを通過す
る場合と、領域N11,N12の双方を通過する場合と
で透過率が異なっており、領域N11のみを通過する場
合のほうが透過率が小さい。
【0070】基板B1には、セルロースアセテート、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル、ア
クリル樹脂等の合成樹脂フィルムが用いられる。合成樹
脂フィルムを使用する主な理由は、比重が軽いことと、
薄く加工しても割れにくい点である。基板B1の厚みは
100μm〜50μm程度である。
【0071】NDフィルター部P1を透過する透過波面
の様子を図2に示す。図2での各領域N11,N12は
蒸着膜で各透過率を設定している。そして各領域の膜厚
及びその材料の屈折率を適宜設定することにより、製造
誤差を含めた透過波面位相差が{1±(1/5)}λ又
は{2±(1/5)}λの範囲内になるようにしてい
る。
【0072】NDフィルターP1の領域N12は、図3
に示すように、フィルム状の基板B1上に3つの役割を
もつ蒸着層を有している。すなわち、透過波面位相差を
所定値({1±(1/5)}λ又は{2±(1/5)}
λ)に設定するためのベースコート層31、波長によら
ず均一に透過率を落とすためのND層32、表面反射を
防止するARコート層33である。領域11はベースコ
ート層を31を備えず、ND層32とARコート層33
のみで構成される。
【0073】ベースコート層31は、基板B1上にAl
やSiO等の基板B1の屈折率に近い誘電体膜
の膜厚を適切に設定し蒸着することで透過波面位相差を
所望の値に設定している。透過率を下げるためのND層
32は多層膜で構成し、波長依存性が少なくなるように
設定する。ND層32は、所望の透過率(所望の濃度)
に設定するため微小な厚さを有しており、これが透過波
面位相差の主要因となっている。ベースコート層31は
これを適切な透過波面位相差に調整するためのものであ
る。そして最終層として表面反射を防止するARコート
層33を蒸着する。ARコート層33はMgFなどの
誘電体膜を蒸着している。
【0074】ここで、微小な厚み成分の影響による光学
性能劣化を低減するための適切な透過波面位相差とは、
所定の波長λの光の位相差が0λ近傍又は1λ近傍又は
2λ近傍である場合を言う。本実施形態では「近傍」の
範囲として「±(1/5)λ」を想定しており、「0λ
近傍又は1λ近傍又は2λ近傍」を式により表現すると
以下のようになる。
【0075】{n±(1/5)}λ(n=0,1,2) 光学性能劣化を最も少なくするためには、透過波面位相
差を0λ近傍((1/5)λ以下)に設定するのが望ま
しい。しかし、透過波面位相差を0λ近傍にするために
は、領域N12が所定の厚みを持つ以上、そこで生じる
透過波面位相差を補正する領域を領域N11や領域N1
2の生成工程とは別に設ける必要がある。これは製造工
程が増すことを意味するのでコストアップにつながる。
そこで、本実施形態では、領域N12を構成する膜の生
成工程の一環として形成可能なベースコート層31を用
いて透過波面位相差が{1±(1/5)}λ又は{2±
(1/5)}λの範囲となるように設定している。
【0076】図24に示した透過波面位相差と白色MT
Fの関係を参照すると、透過波面位相差が{n+(1/
5)}λを超えるとMTF値は急激に劣化し、透過波面
位相差が{n+(1/4)}λから{n+(3/4)}
λの状態では透過波面位相差が5λ以上発生した状態よ
りもMTF値が下がってしまう。これは、Fナンバーが
小さな状態(絞り開口が大きい状態)では透過波面位相
差が全くない状態と比べてもMTF値の劣化は比較的少
ないが、Fナンバーが大きな状態(絞り開口が小さい状
態)で特に顕著である。透過波面位相差が{n±(1/
5)}λの領域では、MTF値は大きな周期で減衰しな
がらではあるが、{n+(1/4)}λから{n+(3
/4)}λの領域に比べて回復していることが分かる。
【0077】本実施例において、図1(A)に示すよう
に絞り開口内に数μm以上の厚みのあるNDフィルター
P1の端縁部が存在する状態は、透過波面位相差が5λ
以上発生する状態に相当する。しかし、図1(A)のよ
うにFナンバーの小さな場合に、この状態となるように
設定しているため、光学性能の劣化は実施上問題ないレ
ベルに抑えられる。
【0078】一方、図1(B)のような中間絞り状態で
のFナンバーの大きな場合には、NDフィルターP1が
開口全体を覆うように設定し、しかもNDフィルターP
1の透過波面位相差が{1±(1/5)}λ又は{2±
(1/5)}λになるように設定しているので、光学性
能の劣化を抑制できる。また図1(C)のようなFナン
バーの大きな場合には、濃度段差も透過波面位相差もな
い状態に設定することで光学性能の劣化を抑制できる。
【0079】このような構成により、絞り込んだ状態で
もMTF値の劣化を最小限度に抑え、画質の向上を図る
ことができる光量調整装置が実現できる。また、本実施
例の光量調整装置をビデオカメラやデジタルスチルカメ
ラ等の撮影装置に用いれば、画質の劣化を抑えつつ、画
素ピッチの小さな撮像素子を用いることが可能となる。
【0080】(実施例2)本発明の実施例2を図4に示
す。図4は実施例1と同様に本発明を応用した光量調整
装置(絞り装置)の実施例であるが、実施例1とは異な
り、絞り羽根とNDフィルターを独立して駆動して光量
調整を行う装置の実施例である。
【0081】図中、S21,S22は開口を形成するた
めの絞り羽根であり、相対的に移動させることによって
開口面積を変えることができる。P2はNDフィルター
であり、絞り羽根S11,S12とは独立に駆動可能で
ある。本実施例では、図4(A)に示す開放状態から図
4(B)に示す所定の絞り状態までは絞り羽根S21,
S22で開口を絞ることで光量調整を行い、それ以降は
開口面積を固定として、図4(C)に示すようにNDフ
ィルターP2を透過率の大きな領域から透過率の小さな
領域の順に開口内に挿入することで光量調整を行なう。
【0082】NDフィルターP2は、基板B2の一方の
面に減光作用のない領域N21と所定の透過率の領域N
22が設けられ、他方の面に減光作用のない領域N23
と領域N22と同じ透過率の領域N23が設けられい
る。したがって、光が領域N21と領域N23を通過す
る場合に透過率が最も小さく、領域N22と領域N23
を通過する場合に透過率が次に小さく、領域N22と領
域N24を通過する場合に透過率が最も大きくなる。こ
のように本実施例のNDフィルターP2は、2種類の透
過率を有する蒸着ND膜を組合せ、3種類の透過率(濃
度)を設定している。なお、基板B2は実施例1で説明
した基板B1と同様のものが用いられる。
【0083】NDフィルター部P2を透過する透過波面
の様子を図5に示す。本実施例でも領域N22,N24
の膜厚及びその材料の屈折率を適宜設定することによ
り、製造誤差を含めた透過波面位相差が{1±(1/
5)}λ又は{2±(1/5)}λになるように設定し
ている。
【0084】NDフィルターP2の拡大断面図を図6に
示す。本実施例の各領域N22,N24も実施例1の各
濃度領域と同様に、ベースコート層61、ND層62、
ARコート層63によって構成されている。本実施例に
おいても、このベースコート層61の膜厚を適切に設定
することで、各領域の透過波面位相差が{1±(1/
5)}λ又は{2±(1/5)}λの範囲になるように
設定している。なお、ベースコート層61、ND層6
2、ARコート層63に用いられる材料は実施例1と同
様である。
【0085】本実施例も実施例1と同様に、絞り込んだ
状態でもMTF値の劣化を最小限度に抑え、画質の向上
を図ることができる光量調整装置が実現できる。また、
本実施例の光量調整装置をビデオカメラやデジタルスチ
ルカメラ等の撮影装置に用いれば、画質の劣化を抑えつ
つ、画素ピッチの小さな撮像素子を用いることが可能と
なる。
【0086】(実施例3)図7は、実施例1,2で説明
した光量調整装置を適用した光学系の概略構成図であ
る。
【0087】図7において、10は屈折系、反射系、回
折系等によって構成された撮影光学系、11は光学系1
0を通過する光を制限し、明るさを調整する絞り、12
は光学系10によって形成される被写体像を受光面で受
光し電気信号に変換するCCDやCMOS等の撮像素子
(光電変換素子)である。本実施例において、絞り11
には実施例1や2で説明した光量調整装置を用いてい
る。
【0088】このように、撮影光学系等の光学系の絞り
として、実施例1,2で説明したような光量調整装置を
用いることによって、絞り込んだときのNDフィルター
の透過波面位相差による影響を少なくして画質の向上を
図ることができる。また、画素ピッチの小さな撮像素子
を用いることが可能となる。
【0089】(実施例4)次に実施例3で説明した撮影
光学系を用いた撮影装置の実施形態を図8を用いて説明
する。
【0090】図8において、20は撮影装置本体、10
は実施例4で説明した撮影光学系、11は実施例1や2
の光量調整装置によって構成される絞り、12は撮影光
学系10によって形成される被写体像を受光する撮像素
子、13は撮像素子12が受光した被写体像を記録する
記録媒体、14は被写体像を観察するためのファインダ
ーである。ファインダー14としては、光学ファインダ
ーや液晶パネル等の表示素子に表示された被写体像を観
察するタイプのファインダーが考えられる。
【0091】このように実施例4で説明した撮影光学系
をビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像素子上
に被写体像を形成するタイプの撮影装置に適用すること
により、NDフィルターの透過波面位相差による影響を
少なくして画質の向上を図ることができる。また、画素
ピッチの小さな撮像素子を用いることが可能となる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルター部材の微小な厚み成分の影響による光学性能
劣化を低減した光量調整装置を実現できる。
【0093】また本発明の光量調整装置を、撮像素子に
像を形成する撮影装置の撮影光学系に用いれば、画素ピ
ッチの小さな撮像素子であっても良好な画像情報を得る
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の光量調整装置の概略構成図である。
【図2】実施例1の光量調整装置のNDフィルターを透
過した波面の位相の様子を示す図である。
【図3】実施例1のNDフィルターの拡大断面図であ
る。
【図4】実施例2の光量調整装置の概略構成図である。
【図5】実施例2の光量調整装置のNDフィルターを透
過した波面の位相の様子を示す図である。
【図6】実施例2のNDフィルターの拡大断面図であ
る。
【図7】光量調整装置を備えた光学系の概略構成図であ
る。
【図8】光量調整装置を備えた撮影装置の概略構成図で
ある。
【図9】透過波面位相差が光学性能へ与える影響を説明
するための図である。
【図10】位相差(0/4)λのときの単色光の点像強
度分布を示した図である。
【図11】位相差(1/4)λのときの単色光の点像強
度分布を示した図である。
【図12】位相差(2/4)λのときの単色光の点像強
度分布を示した図である。
【図13】位相差(3/4)λのときの単色光の点像強
度分布を示した図である。
【図14】位相差(4/4)λのときの単色光の点像強
度分布を示した図である。
【図15】位相差(0/4)λのときの白色光の点像強
度分布を示した図である。
【図16】位相差(1/4)λのときの白色光の点像強
度分布を示した図である。
【図17】位相差(2/4)λのときの白色光の点像強
度分布を示した図である。
【図18】位相差(3/4)λのときの白色光の点像強
度分布を示した図である。
【図19】位相差(4/4)λのときの白色光の点像強
度分布を示した図である。
【図20】位相差5.5λのときの単色光の点像強度分
布を示した図である。
【図21】位相差5.5λのときの白色光の点像強度分
布を示した図である。
【図22】位相差6.0λのときの単色光の点像強度分
布を示した図である。
【図23】位相差6.0λのときの白色光の点像強度分
布を示した図である。
【図24】空間周波数50本/mm及び空間周波数10
0本/mmの白色MTF値と透過波面位相差の関係を示
すグラフである。
【図25】従来のNDフィルターを透過した波面の位相
の様子を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 11/00 G02B 1/10 A 2K009 Fターム(参考) 2H042 AA04 AA06 AA11 AA22 2H048 GA04 GA14 GA23 GA32 GA61 2H049 BA06 BA46 BB01 BB03 BB44 BB46 BB49 BB65 BC21 2H080 AA20 AA31 CC07 2H083 AA05 AA19 AA26 AA34 AA53 2K009 AA04 BB14 BB24 BB28 CC03 CC06 DD03 EE00

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口を形成するための絞りと、該開口を
    通過する光の光量を減衰するためのフィルター部材を備
    えた光量調整装置において、前記フィルター部材は位置
    によって透過率が異なり、該透過率の異なる位置を通過
    する所定の波長λの光の位相差が{1±(1/5)}λ
    又は{2±(1/5)}λの範囲であることを特徴とす
    る光量調整装置。
  2. 【請求項2】 前記フィルター部材は多層膜によって形
    成された透過率の異なる複数の領域を有することを特徴
    とする請求項1記載の光量調整装置。
  3. 【請求項3】 前記多層膜は反射を低減させるための層
    を有することを特徴とする請求項2記載の光量調整装
    置。
  4. 【請求項4】 前記絞りは複数の絞り羽根によって構成
    され、該複数の絞り羽根を相対的に移動することによっ
    て前記開口の面積が変化することを特徴とする請求項1
    乃至3いずれか1項記載の光量調整装置。
  5. 【請求項5】 前記フィルター部材は、前記複数の絞り
    羽根の1つに固定され、前記複数の絞り羽根の相対的な
    移動に伴って、前記フィルター部材が前記開口を覆う面
    積が変化することを特徴とする請求項4記載の光量調整
    装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルター部材は、前記複数の絞り
    羽根とは独立に移動可能であることを特徴とする請求項
    4記載の光量調整装置。
  7. 【請求項7】 前記所定の波長λは使用波長帯域の中心
    波長であることを特徴とする請求項1記載の光量調整装
    置。
  8. 【請求項8】 前記所定の波長λは550nmであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光量調整装置。
  9. 【請求項9】 開口を形成するための絞りと、該開口を
    通過する光の光量を減衰するためのフィルター部材を備
    えた光量調整装置において、前記フィルター部材が前記
    開口を覆った状態で、前記開口内の前記フィルター部材
    の透過率の異なる位置を通過する波長λの光の位相差が
    {1±(1/5)}λ又は{2±(1/5)}λの範囲
    であることを特徴とする光量調整装置。
  10. 【請求項10】 前記フィルター部材は多層膜によって
    形成された透過率の異なる複数の領域を有することを特
    徴とする請求項9記載の光量調整装置。
  11. 【請求項11】 前記多層膜は反射を低減させるための
    層を有することを特徴とする請求項10記載の光量調整
    装置。
  12. 【請求項12】 前記絞りは複数の絞り羽根によって構
    成され、該複数の絞り羽根を相対的に移動することによ
    って前記開口の面積が変化することを特徴とする請求項
    9乃至11いずれか1項記載の光量調整装置。
  13. 【請求項13】 前記フィルター部材は、前記複数の絞
    り羽根の1つに固定され、前記複数の絞り羽根の相対的
    な移動に伴って、前記フィルター部材が前記開口を覆う
    面積が変化することを特徴とする請求項12記載の光量
    調整装置。
  14. 【請求項14】 前記フィルター部材は、前記複数の絞
    り羽根とは独立に移動可能であることを特徴とする請求
    項12記載の光量調整装置。
  15. 【請求項15】 前記所定の波長λは使用波長帯域の中
    心波長であることを特徴とする請求項9記載の光量調整
    装置。
  16. 【請求項16】 前記所定の波長λは550nmである
    ことを特徴とする請求項9記載の光量調整装置。
  17. 【請求項17】 開口を形成するための絞りと、該開口
    を通過する光の光量を減衰するためのフィルター部材を
    備えた光量調整装置において、前記フィルター部材は位
    置によって透過率が異なると共に、該透過率の異なる位
    置を通過する光の位相差を所定値に設定するための手段
    を有することを特徴とする光量調整装置。
  18. 【請求項18】 前記フィルター部材は多層膜によって
    形成された透過率の異なる複数の領域を有し、該多層膜
    は各領域を通過する光の位相差を所定値に設定するため
    の層を有することを特徴とする請求項17記載の光量調
    整装置。
  19. 【請求項19】 前記多層膜は反射を低減させるための
    層を有することを特徴とする請求項18記載の光量調整
    装置。
  20. 【請求項20】 前記絞りは複数の絞り羽根によって構
    成され、該複数の絞り羽根を相対的に移動することによ
    って前記開口の面積が変化することを特徴とする請求項
    17乃至19いずれか1項記載の光量調整装置。
  21. 【請求項21】 前記フィルター部材は、前記複数の絞
    り羽根の1つに固定され、前記複数の絞り羽根の相対的
    な移動に伴って、前記フィルター部材が前記開口を覆う
    面積が変化することを特徴とする請求項20記載の光量
    調整装置。
  22. 【請求項22】 前記フィルター部材は、前記複数の絞
    り羽根とは独立に移動可能であることを特徴とする請求
    項20記載の光量調整装置。
  23. 【請求項23】 請求項1乃至22いずれか1項記載の
    光量調整装置を有することを特徴とする光学系。
  24. 【請求項24】 光電変換素子上に像を形成することを
    特徴とする請求項23記載の光学系。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至22いずれか1項記載の
    光量調整装置を有する光学系と、該光学系によって形成
    される像を受光する光電変換素子とを備えることを特徴
    とする撮影装置。
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