JP2003240994A - 光導波路部品の製造方法及び光導波路部品 - Google Patents

光導波路部品の製造方法及び光導波路部品

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JP2003240994A JP2002037108A JP2002037108A JP2003240994A JP 2003240994 A JP2003240994 A JP 2003240994A JP 2002037108 A JP2002037108 A JP 2002037108A JP 2002037108 A JP2002037108 A JP 2002037108A JP 2003240994 A JP2003240994 A JP 2003240994A
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朋子 四方
Takeshi Sakuma
健 佐久間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 損失を低減し、損失の偏波依存性を抑制する
ことが可能な光導波路部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 石英ガラス等からなる基板5にレーザ光
2を集光照射して作製した光導波路部品に対して、600
℃から1000℃の範囲で2時間以上熱処理を行うことによ
って、光導波路の伝搬損失及び伝搬損失の偏波依存性を
低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野におい
て用いられる光導波路部品の製造方法に関し、特に、損
失を低減し、損失の偏波依存性を抑制した光導波路部品
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光導波路を形成するにあたり、近年フェ
ムト秒パルスレーザ光をレンズによって、ガラス等の透
明材料内部に集光照射することにより屈折率の高い領域
を誘起し、これを精密ステージを用いて走査して透明材
料内部に直接3次元形状の光導波路を形成する方法が提
案されており、この技術が特開平9−311237号公
報において開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法で
作製した光導波路は伝搬損失が大きく、光導波路部品と
して光通信システムで用いる場合には信号光の劣化など
の問題を引き起こす。また、損失の偏波依存性も大きく
信号光の偏光状態によって光導波路の特性が変化すると
いう問題点もあった。本発明は、このような事情を考慮
してなされたもので、損失を低減し、損失の偏波依存性
を抑制することが可能な光導波路部品の製造方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、レーザ光を透明材料から
なる基板に集光照射し、該基板またはレーザ光導入光学
系を走査し、該基板内部に高屈折率領域を連続的に誘起
して光導波路コアを形成した後、この光導波路コアが形
成された基板を一定時間加熱処理することを特徴とする
光導波路部品の製造方法である。これにより、伝搬損失
を低減し、伝搬損失の偏波依存性を抑制することが可能
な光導波路部品の製造方法を実現することができる。
【0005】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
導波路部品の製造方法において、前記加熱処理を600
℃から1000℃の温度範囲内で行うことを特徴とす
る。請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の光導
波路部品の製造方法において、前記加熱処理を2時間以
上行うことを特徴とする。
【0006】請求項4記載の発明は、請求項1、2又は
3記載の光導波路部品の製造方法において、前記基板は
SiO2を主成分とするガラス材料からなることを特徴
とする。請求項5記載の発明は、請求項4記載の光導波
路部品の製造方法において、前記ガラス材料は石英ガラ
スであることを特徴とする。請求項6記載の発明は、請
求項1、2、3、4又は5記載の光導波路部品の製造方
法において、前記レーザ光は近赤外波長域のフェムト秒
レーザ光であることを特徴とする。請求項7記載の発明
は、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の光導
波路部品の製造方法によって製造されたことを特徴とす
る光導波路部品である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1に、本発明の光導波路部品の製造方法において用い
られる装置の一例を示す。図1中、符号1は光源であ
り、符号2は光源1から送られたレーザ光である。レー
ザ光2は、ハーフミラー3で反射され、対物レンズ4で
集光される。対物レンズ4によって集光されたレーザ光
2は、導波路が形成される基板5に集光照射される。こ
の基板5として、例えば光学研磨されたガラスが用いら
れるが、これに限定されるものではなく、使用波長帯域
において透明であり、レーザ光の集光照射によって屈折
率上昇領域を誘起することができるものであれば、石英
ガラス、石英を主成分とした石英系ガラス等に限定され
ず、高分子樹脂等、他の材料を用いてもよい。符号6は
精密ステージであり、この精密ステージ6は、CCDカ
メラ7によって基板5の位置がモニタされ、この結果に
基づいて位置が調整される。この精密ステージ6をX軸
方向、Y軸方向またはZ軸方向に走査することにより、
レーザ光2の集光点を基板5内部で相対移動させ、光導
波路として機能する連続した高屈折率領域を基板5内部
に形成することによって、光導波路部品が製造される。
【0008】この例の光導波路部品の製造方法において
は、上述した方法により、石英ガラス等からなる基板5
にフェムト秒レーザを集光照射して作製した光導波路部
品に対して熱処理を行うことによって、光導波路の伝搬
損失及び伝搬損失の偏波依存性を低減している。なお、
伝搬損失の偏波依存性とは、あらゆる偏波を伝搬させた
ときの伝搬損失の最大値と最小値の差として定義される
ものである。加熱処理の温度範囲は、後述するように、
600℃から1000℃の温度範囲内とすることが好ま
しく、加熱処理時間は2時間以上とすることが好まし
い。
【0009】ここでは、中心波長800nm、パルス幅170f
s、繰り返し周波数200kHzのフェムト秒レーザをN.A.0.5
の対物レンズ4で集光して基板5に照射し、この基板5
を30μm/sで走査することによって、長さ20mmの直線
導波路を形成した。この条件を固定し、以下に示す条件
で光導波路を作製し熱処理を行った。以下に、その具体
例を示す。
【0010】(実施例1)光源1から出射したフェムト
秒レーザを、対物レンズ4を用いて基板5に集光照射し
て光導波路を形成した。基板5内部に照射されるレーザ
光の強度は85mWである。作製した光導波路の伝搬損失と
伝搬損失の偏波依存性を評価し、600℃で2時間熱処理を
行った後、再度光導波路の伝搬損失と伝搬損失の偏波依
存性を評価した。図2と図3に、熱処理前と熱処理後で
の伝搬損失と、伝搬損失の偏波依存性を示す。 熱処理
前での伝搬損失は6〜9dB、熱処理前での伝搬損失の偏波
依存性は0.3dBであるのに対し、600℃で2時間の熱処理
後には伝搬損失は4〜5dB、伝搬損失の偏波依存性は0.1d
Bとなり、熱処理の効果が確認された。
【0011】(実施例2)光源1から出射したフェムト
秒レーザを、対物レンズ4を用いて基板5に集光照射し
て光導波路を形成した。基板5内部に照射されるレーザ
光の強度は80mWである。作製した光導波路の伝搬損失
と伝搬損失の偏波依存性を評価し、850℃で2時間熱処理
を行った後、再度光導波路の伝搬損失と伝搬損失の偏波
依存性を評価した。図4と図5に、熱処理前と熱処理後
での伝搬損失と、伝搬損失の偏波依存性を示す。熱処理
前での伝搬損失は5〜7dB、熱処理前での伝搬損失の偏波
依存性は0.1〜0.2dBであるのに対して、850℃で2時間の
熱処理後には伝搬損失は4〜5dB、伝搬損失の偏波依存性
は0.1dBとなり、熱処理の効果が確認された。
【0012】(実施例3)光源1から出射したフェムト
秒レーザを、対物レンズ4を用いて基板5に集光照射し
て光導波路を形成した。基板5表面に照射されるレーザ
光の強度は85mWである。作製した光導波路の伝搬損失と
伝搬損失の偏波依存性を評価し、1000℃で2時間熱処理
を行った後、再度光導波路の伝搬損失と伝搬損失の偏波
依存性を評価した。図6と図7に、熱処理前と熱処理後
での伝搬損失と、伝搬損失の偏波依存性を示す。熱処理
前では伝搬損失は8〜10dB、伝搬損失の偏波依存性は0.1
dBであるのに対して、1000℃で2時間の熱処理後には伝
搬損失は5〜6dB、伝搬損失の偏波依存性は0.05dBとな
り、熱処理の効果が確認された。
【0013】この例の光導波路部品の製造方法による
と、レーザ光2を透明材料からなる基板5に集光照射
し、基板5またはレーザ光導入光学系を走査し、基板5
内部に高屈折率領域を連続的に誘起して光導波路コアを
形成した後、この光導波路コアが形成された基板5を一
定時間加熱処理することにより、伝搬損失を低減し、伝
搬損失の偏波依存性を抑制することが可能な光導波路部
品の製造方法を実現することができる。この効果は、好
ましくは加熱処理の温度範囲を600℃から1000℃
の温度範囲内とし、加熱処理時間を2時間以上とするこ
とによって得ることができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
レーザ光を透明材料からなる基板に集光照射し、基板ま
たはレーザ光導入光学系を走査し、基板内部に高屈折率
領域を連続的に誘起して光導波路コアを形成した後、こ
の光導波路コアが形成された基板を一定時間加熱処理す
ることにより、伝搬損失を低減し、伝搬損失の偏波依存
性を抑制することが可能な光導波路部品の製造方法を実
現することができる。この効果は、好ましくは加熱処理
の温度範囲を600℃から1000℃の温度範囲内と
し、加熱処理時間を2時間以上とすることによって得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路部品の製造方法において用い
られる装置の一例を示す図である。
【図2】本発明の光導波路部品の製造方法において、6
00℃で2時間加熱したときの伝搬損失を、熱処理前の
伝搬損失と比較して示した図である。
【図3】本発明の光導波路部品の製造方法において、6
00℃で2時間加熱したときの伝搬損失の偏波依存性
を、熱処理前の伝搬損失の偏波依存性と比較して示した
図である。
【図4】本発明の光導波路部品の製造方法において、8
50℃で2時間加熱したときの伝搬損失を、熱処理前の
伝搬損失と比較して示した図である。
【図5】本発明の光導波路部品の製造方法において、8
50℃で2時間加熱したときの伝搬損失の偏波依存性
を、熱処理前の伝搬損失の偏波依存性と比較して示した
図である。
【図6】本発明の光導波路部品の製造方法において、1
000℃で2時間加熱したときの伝搬損失を、熱処理前
の伝搬損失と比較して示した図である。
【図7】本発明の光導波路部品の製造方法において、1
000℃で2時間加熱したときの伝搬損失の偏波依存性
を、熱処理前の伝搬損失の偏波依存性と比較して示した
図である。
【符号の説明】
1…光源、2…レーザ光、3…ハーフミラー、4…対物
レンズ、5…基板、6…精密ステージ、7…CCDカメ
ラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四方 朋子 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 佐久間 健 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 細谷 英行 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2H047 KA03 PA00 PA11 PA22 QA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を透明材料からなる基板に集光
    照射し、該基板またはレーザ光導入光学系を走査し、該
    基板内部に高屈折率領域を連続的に誘起して光導波路コ
    アを形成した後、この光導波路コアが形成された基板を
    一定時間加熱処理することを特徴とする光導波路部品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱処理を600℃から1000℃
    の温度範囲内で行うことを特徴とする請求項1記載の光
    導波路部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱処理を2時間以上行うことを特
    徴とする請求項1又は2記載の光導波路部品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記基板はSiO2を主成分とするガラ
    ス材料からなることを特徴とする請求項1、2又は3記
    載の光導波路部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ガラス材料は石英ガラスであること
    を特徴とする請求項4記載の光導波路部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザ光は近赤外波長域のフェムト
    秒レーザ光であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4又は5記載の光導波路部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれかに
    記載の光導波路部品の製造方法によって製造されたこと
    を特徴とする光導波路部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007517248A (ja) * 2003-12-29 2007-06-28 アーテー・ウント・エス・オーストリア・テヒノロギー・ウント・ジュステームテッヒニク・アクチェンゲゼルシャフト 少なくとも一つの光導波路を含むプリント回路基板エレメント、およびそのようなプリント回路基板エレメントの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007517248A (ja) * 2003-12-29 2007-06-28 アーテー・ウント・エス・オーストリア・テヒノロギー・ウント・ジュステームテッヒニク・アクチェンゲゼルシャフト 少なくとも一つの光導波路を含むプリント回路基板エレメント、およびそのようなプリント回路基板エレメントの製造方法

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