JP2003239409A - 木造家屋の換気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 屋根裏や納戸・押入などの空気の出入りの乏
しい部屋空間から揮発性ガスを確実に排出させ、室内環
境上優れた木造家屋を提供する。 【解決手段】 外装材５Ａ，５Ｂと断熱材６Ａ，６Ｂと
の間に間隙７´，７´´を設けた外壁構造部２と屋根構
造部３を備え、各構造部２，３の前記間隙７´，７´´
を互いに連通させて通気間隙７とする。そして該通気間
隙７の前記外壁構造部２側の下端部と前記屋根構造部３
側の上端部にそれぞれ換気口９Ａ，９Ｂを設けて外界と
連通させる。さらに、押入・納戸など適宜の部屋と屋根
裏１２を、また、該屋根裏１２と前記通気間隙７の前記
屋根構造部側部３をそれぞれ通気口１１，１１Ａを介在
させて直接連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、木造家屋の換気装置に
関するものである。 【０００２】 【従来の技術】木造家屋における換気は、外界（屋外）
と隣接する部屋に設けた開閉窓や所謂エアコンによって
いることは、具体例を挙げるまでもない。 【０００３】従って、従来例は、換気は居住空間となる
部屋にだけ限られ、居住空間となる部屋に附属的に設け
られる押入や納戸などの人の出入りの少い空間域の換気
に考慮が払われていないのが現状である。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】木造家屋は、近年人工
的な種々の建材が用いられ、合成塗料や接着剤等々を用
いている関係から、当該建材からトルエン、スチレン或
いはホルムアルデヒド等の有害な物質（有機化合物）が
揮発性のガスとなって永年にわたって放出されているこ
とが知られている。 【０００５】人の出入りが頻繁に行われ、また、日常的
に換気操作（窓の開放やエアコンの運転により）が行わ
れる部屋であれば不都合はないが、押入・納戸などの概
し閉塞されていることが常態である空間域には必然的に
前記のガスが滞留し、その結果、家屋（殊に新築の）全
体として居住者の健康に影響を与えることになる。 【０００６】本発明は斯様な従来の木造家屋に有り勝ち
な環境的な欠陥を回避できる装置を提供すべく創案した
ものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】外装材と断熱材との間に
間隙を設けた外壁構造部と屋根構造部を備え、各構造部
の前記間隙を互いに連通させて通気間隙と成し、該通気
間隙の前記外壁構造部側の下端部と前記屋根構造部側の
上端部にそれぞれ換気口を設けて外界と連通させると共
に、押入・納戸など適宜の部屋と屋根裏を、また、該屋
根裏と前記通気間隙の前記屋根構造部側部をそれぞれ通
気口を介在させて直接連通させた構成とする。 【０００８】 【発明の実施の形態】図面は本発明に係る木造家屋の換
気装置の模式説明図である。 【０００９】実施例の木造家屋Ａは、所謂屋内部１を画
定する外壁構造部２上に屋根構造部３を配して構成し、
屋根構造部３は切妻屋根を構成するようにしてあるが、
片流屋根、寄棟屋根或いは入母屋、方形等の屋根式でも
差し支えなく、屋根構造部３の直下に屋根裏４を備えた
ものであれば良い。 【００１０】外壁構造部２は、外装材５Ａと断熱材６Ａ
との間に間隙７´をまた、屋根構造部３は外装材５Ｂと
断熱材６Ｂとの間に間隙７´´をそれぞれ設けて構成
し、各間隙７´，７´´は連通路７´´´を介して互い
に連通して通気間隙７を構成する。 【００１１】この通気間隙７は、屋根構造部３の間隙７
´´の下端に設けた軒裏換気口８を通して外界と連通す
る一方、前記外壁構造部２側の下端部（間隙７´の下端
部）および前記屋根構造部３側の上端部（間隙７´´上
端部）にそれぞれ設けた換気口９Ａ，９Ｂを通じても外
界（屋外）と連通させてある。 【００１２】外壁構造部２を構成する外装材５Ａは、モ
ルタルや漆喰或いはサイディングボード等の屋外表面に
露出する化粧部の構成材を意味する。 【００１３】屋根構造部３の外装材５Ｂは、かわら、ス
レート金属板、コンクリートなど屋外表面に露出する化
粧部の構成材を意味する。 【００１４】また、断熱材６Ａ，６Ｂは、グラスウール
や発泡材のように断熱効果が優れ、かつ、軽量なものが
望ましく、図示のものは発泡材(プラスチック製の）を
シート状にしたものである。 【００１５】前記の屋内部１は、居間、客間、食堂等の
居住空間となる複数個の部屋を備えると共に、納戸１０
や適宜の前記部屋に附属的に設けた押入を備えており、
これら常態時に閉塞状態におかれて空気の出入の乏しい
納戸１０や押入（図示省略）の天井１０ａには通気口１
１を設けて、該納戸１０と天井１０ａで構成される屋根
裏２を互いに連通し、屋根裏１２は屋根構造部３の断熱
材６Ｂ部側に設けた通気口１１Ａを介して通気間隙７に
連通してある。 【００１６】通気口１１，１１Ａは、所謂がらり装置で
構成するが、換気扇を装置して屋内部１（納戸１０）の
空気を強制的に排出するようにしても良い。換気扇を用
いる場合は、タイマーやセンサ（温度センサやガスセン
サ）によってその運転、停止を行うようにすることがで
きる。 【００１７】なお、間隙７´，７´´は木造家屋に部分
的に設けても良いが、外壁構造部２の全域すなわち屋内
部１全域を取り囲むようにして設けることにより、外装
材に生じ勝ちな結露の発生を防ぎ、耐久的な外壁構造部
を備えた木造家屋を提供できる。 【００１８】１３は基礎コンクリート、１４は土台を示
す。 【００１９】 【発明の効果】本発明は前記の通りの構成であるから、
外界（屋外）と連通している通気間隙は、外界と常時等
圧状態におかれ、従って、通気間隙に雨風が侵入するこ
となく揮発性ガスが屋内において最も溜まり勝ちな、屋
根裏や納戸、押入などの空気の出入の乏しい部屋空間か
ら、確実に排出させることができ、室内環境上優れた木
造家屋を提供できる。 【００２０】また、常態時である閉塞状態のときでも空
気の流れが行われているから、当該納戸や押入に収納し
てある物品の損傷を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】模式説明図。 【符号の説明】 ２ 外壁構造部 ３ 屋根構造部 ５Ａ，５Ｂ 外装材 ６Ａ，６Ｂ 断熱材 ７ 通気間隙 ７´，７´´ 間隙 ９Ａ，９Ｂ 換気口 １１，１１Ａ 通気口 １２ 屋根裏

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 外装材と断熱材との間に間隙を設けた外
   壁構造部と屋根構造部を備え、各構造部の前記間隙を互
   いに連通させて通気間隙と成し、該通気間隙の前記外壁
   構造部側の下端部と前記屋根構造部側の上端部にそれぞ
   れ換気口を設けて外界と連通させると共に、押入・納戸
   など適宜の部屋と屋根裏を、また、該屋根裏と前記通気
   間隙の前記屋根構造部側部をそれぞれ通気口を介在させ
   て直接連通させた、木造家屋の換気装置。