JP2003238836A - 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物 - Google Patents

顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物

Info

Publication number
JP2003238836A
JP2003238836A JP2002036368A JP2002036368A JP2003238836A JP 2003238836 A JP2003238836 A JP 2003238836A JP 2002036368 A JP2002036368 A JP 2002036368A JP 2002036368 A JP2002036368 A JP 2002036368A JP 2003238836 A JP2003238836 A JP 2003238836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
group
weight
monomer
dispersant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002036368A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetomo Takahashi
秀知 高橋
Kenji Ikeda
賢治 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002036368A priority Critical patent/JP2003238836A/ja
Publication of JP2003238836A publication Critical patent/JP2003238836A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】顔料同士の凝集を効果的に防止し、該顔料の良
好な分散を実現する顔料分散剤、これを含む顔料分散組
成物および着色感光性組成物を提供すること。 【解決手段】幹鎖に少なくともウレア基及び/又はウレ
タン基を有する繰り返し単位を有するグラフト共重合体
を含有する顔料分散剤である。グラフト共重合体が、末
端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマ
ー由来の単位と、ウレア基及び/又はウレタン基を含有
する繰り返し単位を有するモノマー由来の単位とを共重
合体単位として含む様態が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料分散剤、それ
を含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物に関し、更
に詳しくは、顔料同士の凝集を効果的に防止し該顔料の
良好な分散を実現する顔料分散剤、該顔料分散剤を含有
し、顔料の分散性、流動性等に優れ、着色力に優れ、塗
料、印刷インキ、カラー表示板等の広い範囲で好適に使
用し得る顔料分散組成物、及び、該顔料分散組成物を含
有し、カラープルーフ等の基体上の多色画像形成や、液
晶カラーディスプレイ等に使用されるカラーフィルタの
製造などに好適に使用し得る着色感光性組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、顔料は、鮮明な色調と高い着
色力とを示し、多くの分野で広く使用されてきている。
顔料は凝集を防ぎ微細化することによって鮮明な色調と
高い着色力とが得られる。従って、実用上重要な顔料
は、一般に、微細な粒子のものが多い。しかし、顔料を
より微細化していくと、該顔料の分散液は高粘度を示す
ことが多い。このため、この顔料分散液を工業的規模で
調製した場合は、該顔料分散液の分散機からの取り出し
が困難となったり、パイプラインによる輸送ができなく
なったり、更には貯蔵中にゲル化して使用不能となる等
の問題がある。
【0003】ところで、前記顔料を含有する着色感光性
組成物は、印刷校正用のプルーフ材料や液晶ディスプレ
イ等に用いるカラーフィルタの材料等として有用であ
り、該着色感光性組成物を用いてカラーフィルタを製造
する場合、品質、製造安定性等の点で優れる顔料分散法
が広く採用されている。この顔料分散法においては、前
記着色感光性組成物の塗布液を透明基板上に塗布して着
色感光性層を設け、あるいは仮支持体上に設けた着色感
光性層を透明基板上に転写して、パターン露光した後、
現像して第一色目の画素パターンを形成し、これを複数
回繰り返して、該透明基板上に複数色の画素パターンを
形成する。
【0004】しかし、ここでは着色材として顔料を用い
るため、該顔料の微細化が十分でない場合には、該顔料
により光が散乱、吸収され、光透過率が低下してしま
う。更に、該顔料による光の散乱、複屈折等で偏光軸が
回転し、液晶表示装置のコントラストも低下してしまう
等の問題がある(1990年第7回色彩光学コンファレ
ンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用
カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中)。このた
め、前記着色感光性組成物においては、前記顔料を高度
に微細化した状態で分散させておくことが必要とされ
る。
【0005】そこで、従来においては、流動性、分散性
等に優れた顔料分散液あるいは着色感光性組成物を得る
ため、種々の分散剤が使用されてきた。該分散剤は、ポ
リマー系分散剤と低分子化合物分散剤とに大別でき、前
記ポリマー系分散剤としては、ポリアクリル酸塩、マレ
イン酸ナトリウムオレフィン共重合体、末端カルボキシ
ル基含有ポリエステル(特公昭54−34009号公
報)、テトラキス(2−ヒドロキシアルキル)エチレン
ジアミンを出発物質とする酸性基及び/又は塩基性基を
有するポリエステル(特開平2−245231号公
報)、マクロモノマー(末端にエチレン性不飽和基を有
するオリゴマー)、水酸基を有するモノマー、カルボキ
シ基含有モノマー及びこれら以外のモノマーの4種から
なる共重合体(特開平8−259876号公報)、マク
ロモノマー(末端にエチレン性不飽和基を有するオリゴ
マー)、窒素原子を有するモノマーからなる共重合体
(特開平10−339949号公報)等が知られてお
り、また、前記低分子化合物分散剤としては、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、アルキルジアミン、アルカノールアミン誘導体(米
国特許第3536510号)等が知られている。
【0006】カラーフィルタ、カラープルーフ等の材料
としての着色感光性組成物においては、これらの分散剤
の中でも、特開平8−259876号、特開平10−3
39949号の各公報記載のマクロモノマー(末端にエ
チレン性不飽和基を有するオリゴマー)を含む共重合体
が有用であり、該マクロモノマー(末端にエチレシ性不
飽和基を有するオリゴマー)を含む共重合体を使用する
ことにより、顔料粒径が小さく、分散安定性に優れた顔
料分散液が得られることが該公報に開示されている。
【0007】しかしながら、特開平8−259876号
の該マクロモノマーを含む共重合体は、顔料に対する吸
着を促進する官能基を有しないため、分散剤として単独
では機能せず、他の分散剤との併用が必要であるという
問題がある。また、該マクロモノマーを含む共重合体を
分散剤として用いた場合、高分子分散剤に見られる増粘
作用については小さくて良好であるが、顔料の微粒子効
果が十分でなく、分散性が十分でないという問題があ
る。また、特開平10−339949号の該マクロモノ
マーを含む共重合体では、顔料に対する吸着を促進する
官能基として窒素原子の導入を試みているが、顔料が酸
性顔料でない場合には強い吸着力を得るのは困難と考え
られ、高コントラスト時に十分な分散安定性を発揮でき
なかったり、分散可能な顔料が限定されてしまう等の問
題がある。
【0008】一方、鮮明な色調と高い着色力とを示す顔
料を含有した着色感光性組成物は、例えばカラープルー
フやカラーフィルタ等を作製するための画像形成材料と
して有用である。該着色感光性組成物を用いて着色画像
を形成する場合、一般に、着色感光性組成物の塗布液を
基板上に塗布、あるいは仮支持体上に設けた着色感光性
層を透明基板上に転写して、該着色感光性組成物による
層を形成した後、露光・現像を行なうが、この現像の際
に用いる現像液としては、環境に与える影響の少ないア
ルカリ性水溶液を使用することが多く、前記着色感光性
組成物による層は、即ち着色感光性組成物中の結合剤
(バインダー)は、前記アルカリ性水溶液に可溶である
ことが要求される。その一方、着色感光性組成物の塗布
液に用いられる溶媒(顔料の分散媒)としては、塗布後
の乾燥の容易さから有機溶剤が有効である。このため、
前記着色感光性組成物中の結合剤は、酸性基を有し、か
つ適当な有機溶媒に溶解し得る性質を有する必要があ
り、該着色感光性組成物においては、有機顔料は、かか
る性質を有し、酸性基を有する前記結合剤中に分散され
る。
【0009】このような着色感光性組成物による層は、
一般に極めて薄く、かつ、薄厚で高い着色濃度を示すこ
とが要求されることから、有機溶媒に可溶の酸性基を有
する結合剤中に、有機顔料を高度に微細化した状態で分
散させることが必要となる。しかし、微細化した顔料の
分散性、流動性等に優れた顔料分散物、それを含む顔料
分散組成物及び着色感光性組成物は、未だ提供されてい
ないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、顔料を凝集させず該顔料の
安定かつ良好な分散性、流動性を実現し、かつ光透過性
に優れ、各種の顔料に使用できる汎用性を有する顔料分
散剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該
顔料分散剤を含有し、顔料の分散性、流動性等に優れ、
かつ着色力が高く、塗料、印刷インキ、カラー表示板等
の広い範囲で好適に使用し得る顔料分散組成物を提供す
ることを目的とする。更に、本発明は、該顔料分散組成
物を含有し、着色力が高く、カラープルーフ等の基体上
の多色画像形成や、液晶カラーディスプレイ等に使用さ
れるカラーフィルタの製造などに好適に使用し得る着色
感光性組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み、本発
明者は鋭意研究を行った結果、幹鎖にウレア基及び/又
はウレタン基を有する繰り返し単位を有するグラフト共
重合体を含有する顔料分散剤を用いれば、上記目的が達
成し得ることを見出し本発明を完成した。
【0012】即ち、本発明は、 <1> 幹鎖にウレア基及び/又はウレタン基を有する繰
り返し単位を有するグラフト共重合体を含有することを
特徴とする顔料分散剤を提供するものである。
【0013】また、本発明は次のものを提供するもので
ある。 <2> 該グラフト共重合体が、末端にエチレン性不飽和
二重結合を有する重合性オリゴマー由来の単位と、ウレ
ア基及び/又はウレタン基を有するモノマー由来の単位
とを共重合体単位として含むものである<1>記載の顔料
分散剤。 <3> グラフト共重合体が、共重合体単位として、重合
性オリゴマー由来の単位を15〜98重量%含み、か
つ、ウレア基及び/又はウレタン基を有するモノマー由
来の単位を1〜40重量%を含むものである<2>記載の
顔料分散剤。 <4> ウレア基及び/又はウレタン基を含有するモノマ
ーが下記一般式(1)
【0014】
【化2】
【0015】[前記一般式(1)において、R11は水素
原子又はメチル基を示す。R12は、単結合又は炭素数1
から10の2価の炭化水素基(該炭化水素基は、置換基
を有していてもよく、分岐、あるいは環構造を形成して
もよく、また途中にエーテル、エステル結合を介しても
よい)を示し、R13は、炭素数1から18の置換基を有
してもよい炭化水素基を示すが有機色素の部分骨格を含
むことはない。またX11、X12及びX13は、それぞれ独
立に、―O―、―N(R14)―(R14は、水素原子又は
炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示す)を示
すが、X12とX13は同時に―O―とならない。m及びn
は、1又は0を示す。]で表される化合物より選択され
る1種又は2種以上である<2>又は<3>記載の顔料分散
剤。 <5> 重合性オリゴマーが、数平均分子量1000〜2
0000のものであり、かつ、末端に(メタ)アクリロ
イル基を有するものである<2>〜<4>のいずれか1つに
記載の顔料分散剤。 <6> <1>〜<5>のいずれか1つに記載の顔料分散剤と
顔料とを有機溶剤中に分散してなることを特徴とする顔
料分散組成物。 <7> <6>記載の顔料分散組成物と、エチレン性不飽和
二重結合を二個以上有する多官能モノマーと、光重合開
始剤とを含有することを特徴とする着色感光性組成物。 <8> <7>の着色感光性組成物及び酸性基を有するバイ
ンダーポリマーを含有することを特徴とする着色感光性
組成物。
【0016】
【発明の実施の形態】≪顔料分散剤≫本発明の顔料分散
剤は、幹鎖にウレア基及び/又はウレタン基を有する繰
り返し単位を有するグラフト共重合体を含有することを
特徴とする。本発明の顔料分散剤は、ウレア基及び/又
はウレタン基を有する繰り返し単位構造を有する幹鎖を
有するグラフト共重合体を含有するため、顔料と吸着部
との相互作用が高く、分散溶媒への溶解性も良好で、分
散安定性に優れる。また、本発明の顔料分散剤は、必要
に応じて適宜選択したその他の成分と併用してもよい。
【0017】(グラフト共重合体)本発明において上記
グラフト共重合体は、図1に示すように、幹鎖(主鎖)
1に、ウレア基及び/又はウレタン基を有する繰り返し
単位3を有してなるが、その他のモノマー等由来の単位
を共重合単位として含んでいてもよい。
【0018】上記グラフト共重合体の重量平均分子量
(Mw)としては、3000〜100000が好まし
く、5000から50000がさらに好ましい。上記重
量平均分子量(Mw)が3000未満であると、顔料の
凝集を防ぐことが困難となり、粘度が上昇してしまうこ
とがある。また、上記重量平均分子量(Mw)が100
000を超えると有機溶媒への溶解性が不足し、粘度が
上昇してしまうことがある。尚、上記重量平均分子量
(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(キャリア:テトラヒドロフラン)によって測定される
ポリスチレン換算重量平均分子量である。
【0019】上記グラフト共重合体は、図1に示すとお
り、ウレア基及び/又はウレタン基を有する繰り返し単
位3を少なくとも有する幹鎖1に重合性オリゴマーによ
るグラフト鎖2がグラフト共重合によって結合してお
り、幹鎖とグラフト鎖との結合部4は、上記重合性オリ
ゴマーにおける末端のエチレン性不飽和結合による重合
反応の結果生じたものである。上記幹鎖1ないし上記グ
ラフト鎖2は、必要に応じて他のモノマー由来の共重合
単位を含んでいてもよい。
【0020】上記グラフト共重合体は、上記重合性オリ
ゴマーにおける末端のエチレン性不飽和二重結合と、ウ
レア基及び/又はウレタン基を有するモノマーとの重合
反応によって形成される。また、幹鎖にウレア基及び/
又はウレタン基を含有するグラフト共重合体は、高分子
反応によって合成することも可能である。例えば、まず
幹鎖にイソシアネート基を含有するグラフト共重合体を
合成し、その後、この共重合体と各種モノアミン化合物
やモノアルコール化合物とを反応させることによっても
合成できる。しかし、幹鎖にイソシアネート基などの反
応性の高い官能基を含有するグラフト共重合体を合成す
る際にゲル化などの副反応が生じる場合があったり、高
分子反応を行う際に反応率が低く、適切にウレア基及び
/又はウレタン基をグラフト共重合体中に導入できなか
ったりする場合があり、合成適性から考えると、重合反
応によって該グラフト共重合体を形成する方が好まし
い。
【0021】上記グラフト共重合体における上記共重合
単位の含有量としては、上記重合性オリゴマー由来の単
位が15〜98重量%であり、好ましくは30〜95重
量%であり、上記ウレア基及び/又はウレタン基を有す
るモノマー由来の単位が1〜40重量%であり、好まし
くは3〜30重量%である。
【0022】上記重合性オリゴマー由来の単位の含有量
が、15重量%未満であると、顔料分散剤としての立体
反発効果が得られず、顔料の凝集の防止ができないこと
がある。また、カラーフィルター等の製造の際の現像適
正が十分でないことがある。更に、分散溶媒への溶解性
が低下し、分散安定化のために必要な吸着層を十分に確
保することが困難となる。この量が98重量%を超える
と、上記ウレア基及び/又はウレタン基を有するモノマ
ー由来の単位の割合が減り、顔料に対する吸着能力が低
下し、分散性を十分に発揮できない場合がある。上記ウ
レア基及び/又はウレタン基を有するモノマー由来の単
位の含有量が1重量%未満であると、顔料に対する吸着
能力が低下し、分散性を十分に発揮できない場合があ
り、40重量%を超えると、上記重合性オリゴマーの割
合が減ることから、顔料分散剤としての立体反発効果が
得られず、顔料の凝集を十分に防止できないことがあ
り、また、分散溶媒への溶解性が低下し、分散安定化の
ために必要な吸着層を十分に確保することが困難となる
ことがある。また、これらと共重合可能な他のモノマー
を使用する場合、該他のモノマーの含有量としては4〜
70重量%の範囲内が好ましい。
【0023】――重合性オリゴマー―― 上記重合性オリゴマー(以下「マクロモノマー」と称す
ることがある)は、エチレン性不飽和二重結合を有する
基を末端に有するオリゴマーである。本発明において
は、上記重合性オリゴマーの中でも、該オリゴマーの両
末端の一方にのみ上記エチレン性不飽和二重結合を有す
る基を有するのが好ましい。
【0024】上記重合性オリゴマーの分子量としては、
ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1000〜
20000であるのが好ましく、2000〜15000
であるのがより好ましい。上記数平均分子量が、100
0未満であると、顔料分散剤としての立体反発効果が十
分でないことがあり、20000を超えると、立体効果
により、顔料への吸着に時間を要することがある。
【0025】上記重合性オリゴマーとしては、一般的に
は、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、スチレ
ン、アクリロニトリルおよびブタジエンから選択された
少なくとも一種のモノマーから形成された単独重合体ま
たは共重合体などが挙げられ、これらの中でも、アルキ
ル(メタ)アクリレートの単独重合体または共重合体、
ポリスチレンなどが好ましい。本発明において、これら
のオリゴマーは、置換基で置換されていてもよく、該置
換基としては、特に制限はないが、例えば、水酸基、ハ
ロゲン原子などが挙げられる。
【0026】上記エチレン性不飽和二重結合を有する基
としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル
基、などが好適に挙げられ、これらの中でも(メタ)ア
クリロイル基が特に好ましい。
【0027】本発明においては、上記重合性オリゴマー
の中でも、下記一般式(2)で表されるオリゴマーが好
ましい。
【0028】
【化3】
【0029】上記一般式(2)において、R21、R23
よびR24は水素原子又はメチル基を示す。R22はOH基
で置換されてもよい炭素数1〜8のアルキレン基を表
し、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。Y21、Y
22は、互いに独立に、フェニル基、炭素数1〜4のアル
キル基を有するフェニル基、又は−COOR25(R
25は、アルコール性水酸基、ハロゲンで置換されてもよ
い炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、又は炭素数
7〜10のアリールアルキル基を示す)を表し、フェニ
ル基又は−COOR26(R26は、アルコール性水酸基で
置換されてもよい炭素1〜4のアルキル基を示す)が好
ましい。p及びqは繰り返し数(整数)を示し、p+q
は20〜200が好ましい。
【0030】上記重合性オリゴマーの具体例としては、
ポリ−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ
スチレンポリマー、ポリメチル(メタ)アクリレート、
ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ−i−ブ
チル(メタ)アクリレート、それらの共重合体であっ
て、分子末端の一個に(メタ)アクリロイル基が結合し
たポリマーが好適に挙げられる。
【0031】上記重合性オリゴマーは、市販品であって
もよいし、適宜合成したものであってもよく、該市販品
としては、例えば、片末端メタクリロイル化ポリスチレ
ンオリゴマー(Mn=6000、商品名:AS−6、東
亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポ
リメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、
商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末
端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリ
ゴマー(Mn=6000、商品名:AB−6、東亜合成
化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチ
ルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トオリゴマー(Mn=7000、商品名:AA−714
SK、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロ
イル化ポリブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品
名:AX707S、東亜合成化学工業(株)製)、片末
端メタクリロイル化ポリ2−エチルヘキシルメタクリレ
ート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー
(Mn=7000、商品名:AY−707S、AY−7
14S、東亜合成化学工業(株)製)、などが挙げられ
る。
【0032】本発明における上記重合性オリゴマーの好
ましい具体例としては、アルキル(メタ)アクリレート
の重合体、および、アルキル(メタ)アクリレートとポ
リスチレンとの共重合体から選択される少なくとも1種
のオリゴマーであって、数平均分子量が1000〜20
000であり、末端に(メタ)アクリロイル基を有する
ものが挙げられる。
【0033】――ウレア基及び/ウレタン基を有するモ
ノマー―― 本発明用いるウレア基及び/ウレタン基を有するモノマ
ーとしては、例えば、次の一般式(1)で表されるもの
が好ましいものとして挙げられる。
【0034】
【化4】
【0035】一般式(1)中、R11は水素原子又はメチ
ル基を示す。R12は、単結合あるいは炭素数1から10
の2価の炭化水素基を示す。該炭化水素基は、置換基を
有していてもよく、分岐、あるいは環構造を形成しても
よく、また途中にエーテル、エステル結合を介して結合
されていてもよい。具体的には、単結合、(CH2l
どのアルキレン(lは1から10の整数)、イソプロピ
リデンなどの分岐アルキレン、シクロへキシレンなどの
環状アルキレン、フェニレン、トルイレン、キシリレ
ン、ナフチレンなどの芳香族環を有する基、(C 2
4O)m、(C36O)nなどのエーテル結合を介するも
の(mは1から5の整数、nは1から3の整数)、(C
2p1―OCO―(CH2p2や(CH2p1―COO
―(CH2p2などのエステル結合を介するもの(p1+
p2は1〜9の整数)、更に炭素炭素二重結合、三重結
合を介するもの、並びにこれらの組み合わせなどが挙げ
られ、(CH2lなどのアルキレン(lは1から10の
整数)、フェニレンなどの芳香族環を有する基、(C2
4O)m、(C36O)nなどのエーテル結合を介する
もの(mは1から5の整数、nは1から3の整数)が好
ましい。
【0036】R13は、炭素数1から18の置換基を有し
てもよい炭化水素基を表す。ただし、有機色素の部分骨
格は含まない。好ましい具体例として、アルキル(例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、2
−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、オクタデシル
等)基、環状アルキル(例えば、シクロブチル、シクロ
ペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、エ
チルシクロヘキシル、シクロオクチル、アダマンチル
等)基、環状構造を有するアルキル(例えば、シクロブ
チルメチル、シクロペンチルメチル、メチルシクロペン
チルメチル、シクロペンチルブチル、シクロヘキシルメ
チル、シクロヘキシルエチル、1−アダマンタンメチ
ル)、アラルキル(例えばベンジル、フェネチル、フェ
ニルプロピル等)基、アリール(例えば、フェニル、ト
ルイル、キシリル、ナフチル等)基、更に置換基を含む
(トリフロロエチル、ヘキサフロロイソプロピル、クロ
ロプロピル、ブロモヘキシル、テトラヒドロフルフリ
ル、メトキシプロピル、メトキシフェニル、ブトキシフ
ェニル、メトキシナフチル、ベンジルオキシフェニル、
メトキシベンジル、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシフ
ェネチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシヘキシル、
カルボキシプロピル、カルボキシペンチル、アセトアミ
ドエチル等)基、などが挙げられる。
【0037】X11、X12、X13は、それぞれ独立に、―
O―、―N(R14)―(R14は、水素原子又は炭素数1
〜6のアルキル基又はフェニル基を示す)を示す。好ま
しくは、―O―、―NH―であり、X12とX13は同時に
―O―とならない。
【0038】上記ウレア基及び/又はウレタン基を含有
するモノマーは、イソシアナート基と水酸基あるいはイ
ソシアナート基とアミノ基等の付加反応を利用して、適
宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナ
ート基含有モノマーとモノアミン類、水酸基含有モノマ
ーとモノイソシアネート、イソシアナート基含有モノマ
ーとモノ水酸基含有化合物、等の付加反応により適宜合
成することができる。
【0039】この付加反応は、例えば非プロトン性の溶
媒(例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸
エチル、クロロホルムなど)中、室温あるいは加熱条件
下で、あるいは触媒(錫化合物、3級アミン類など)の
共存下で室温あるいは必要に応じて加熱すること等で進
行する。
【0040】イソシアナート基含有モノマーの具体例と
しては、例えば、下記のような化合物が挙げられる(R
は水素原子又はメチル基を示す)。
【0041】
【化5】
【0042】水酸基含有モノマーの具体例としては、例
えば、下記のような化合物が挙げられる(Rは水素原子
又はメチル基を表し、nは1以上の整数を示す)。
【0043】
【化6】
【0044】モノイソシアネートの具体例としては、例
えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソ
シアネート、トルイルイソシアネート、フェニルイソシ
アネート等が挙げられる。
【0045】モノアミンの具体例としては、アルキルア
ミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミ
ン、i―プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−
ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2
−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミ
ン、オクタデシルアミン)、環状アルキルアミン(シク
ロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラル
キルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、
アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリル
アミン、ナフチルアミン等)、更に置換基を含むアミン
(トリフロロエチルアミン、ヘキサフロロイソプロピル
アミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン
等)等が挙げられる。
【0046】モノ水酸基含有化合物としては、アルコー
ル類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、i
―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノー
ル、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘ
キサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−
オクタデカノール)、シクロペンタノール、シクロへキ
サノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコ
ール等)、フェノール類(フェノール、クレゾール、ナ
フチルアルコール等)、更に置換基を含むものとして、
フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエ
タノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、
ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシ
フェノール等も挙げられる。
【0047】以下に、ウレア骨格及び/又はウレタン骨
格を含有するモノマーの具体例(例示化合物M−1〜M
−25)を挙げるが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、例えば、上記化合物のイソシアナート基と水酸
基あるいはイソシアネート基とアミノ基等の組み合わせ
を変えたものなども含まれる。
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】――その他のモノマー―― 上記グラフト共重合体は、上記他のモノマーを更に共重
合体単位として含有していてもよく、該他のモノマーと
しては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができるが、例えば、芳香族ビニル化合物(例、スチ
レン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエン)、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレートおよびi−ブチル(メタ)
アクリレート)、(メタ)アクリル酸アルキルアリール
エステル(例、ベンジル(メタ)アクリレート)、グリ
シジル(メタ)アクリレート、カルボン酸ビニルエステ
ル(例、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル)、シア
ン化ビニル(例、(メタ)アクリロニトリルおよびα−
クロロアクリロニトリル)、および脂肪族共役ジエン
(例、1,3−ブタジエンおよびイソプレン)、などが
挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エス
テル、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステルが
好ましい。また、上記以外にエーテル基を含有するモノ
マーを共重合単位として含有していてもよい。エーテル
基を含有するモノマーの例としては、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レートなどが挙げられ、これらは市販品であってもよい
し、適宜合成したものであっても良い。該市販品として
は、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート
(商品名:NKエステルM−40G,M−90G、M−
230G(以上、東亞合成化学工業(株)製);商品
名:ブレンマ−PME−100、PME−200、PM
E−400、PME−1000、PME−2000、P
ME−4000(以上、日本油脂(株)製)、ポリエチ
レングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマ
ーPE−90、PE−200、PE−350(日本油脂
(株)製))、ポリプロピレングリコールモノメタクリ
レート(商品名:ブレンマーPP−500、PP−80
0、PP1000(日本油脂(株)製))、ポリエチレ
ングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレ
ート(商品名:ブレンマー70PEP−370B(日本
油脂(株)製))、ポリエチレングリコールポリテトラ
メチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレ
ンマー55PET−800(日本油脂(株)製))、ポ
リプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール
モノメタクリレート(商品名:ブレンマーNHK−50
50(日本油脂(株)製))などが挙げられる。
【0051】上記グラフト共重合体における該他のモノ
マーの含有量としては、例えば、4〜70重量%が好ま
しい。上記含有率が、4重量%未満であると、塗布膜の
物性の制御ができなくなることがあり、70重量%を超
えると、顔料分散剤としての能力が十分に発揮されない
ことがある。
【0052】グラフト共重合体の好ましい具体例 グラフト共重合体の好ましい具体例としては、下記のも
のが挙げられる。 (1)上記具体例に示したモノマー(例示化合物M−1
〜M−25)/末端メタクリロイル化ポリメチルメタク
リレートオリゴマー共重合体、(2)上記具体例に示し
たモノマー(例示化合物M−1〜M−25)/末端メタ
クリロイル化ポリスチレンオリゴマー共重合体、(3)
上記具体例に示したモノマー(例示化合物M−1〜M−
25)/末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリ
レートオリゴマー共重合体、(4)上記具体例に示した
モノマー(例示化合物M−1〜M−25)/末端メタク
リロイル化ポリ(メチルメタクリレート/2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート)オリゴマー共重合体、(5)
上記具体例に示したモノマー(例示化合物M−1〜M−
25)/メチル(メタ)アクリレート/末端メタクリロ
イル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー共重合体、
(6)上記具体例に示したモノマー(例示化合物M−1
〜M−25)/メチル(メタ)アクリレート/末端メタ
クリロイル化ポリスチレンオリゴマー共重合体、(7)
上記具体例に示したモノマー(例示化合物M−1〜M−
25)/メチル(メタ)アクリレート/末端メタクリロ
イル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー共重合
体、(8)上記具体例に示したモノマー(例示化合物M
−1〜M−25)/メチル(メタ)アクリレート/末端
メタクリロイル化ポリ(メチルメタクリレート/2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート)オリゴマー共重合体、
(9)上記具体例に示したモノマー(例示化合物M−1
〜M−25)/ベンジル(メタ)アクリレート/末端メ
タクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー共
重合体、(10)上記具体例に示したモノマー(例示化
合物M−1〜M−25)/ベンジル(メタ)アクリレー
ト/末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー共重
合体、(11)上記具体例に示したモノマー(例示化合
物M−1〜M−25)/ベンジル(メタ)アクリレート
/末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレート
オリゴマー共重合体、(12)上記具体例に示したモノ
マー(例示化合物M−1〜M−25)/ベンジル(メ
タ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリ(メチル
メタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)オリゴマー共重合体、(13)上記具体例に示した
モノマー(例示化合物M−1〜M−25)/ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリ
ロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー共重合
体、(14)上記具体例に示したモノマー(例示化合物
M−1〜M−25)ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリエチレン
オリゴマー共重合体、(15)上記具体例に示したモノ
マー(例示化合物M−1〜M―25)/メチル(メタ)
アクリレートポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレ
ートオリゴマー共重合体、(16)上記具体例に示した
モノマー(例示化合物M−1〜M−25)/ベンジル
(メタ)アクリレート/ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチ
ルメタクリレートオリゴマー共重合体等が挙げられる。
この中でも、上記具体例に示したモノマー(例示化合物
M−1〜M−6、M−14、M−20)/末端メタクリ
ロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー共重合
体、上記具体例に示したモノマー(例示化合物M−1〜
M−6、M−14、M−20)/末端メタクリロイル化
ポリスチレンオリゴマー共重合体、上記具体例に示した
モノマー(例示化合物M−1〜M−6、M−14、M−
20)/メチル(メタ)アクリレート/末端メタクリロ
イル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー共重合体、
上記具体例に示したモノマー(例示化合物M−1〜M−
6、M−14、M−20)/メチル(メタ)アクリレー
ト/末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー共重
合体、上記具体例に示したモノマー(例示化合物M−1
〜M−6、M−14、M−20)/ベンジル(メタ)ア
クリレート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリ
レートオリゴマー共重合体、上記具体例に示したモノマ
ー(例示化合物M−1〜M−6、M−14、M−20)
/ベンジル(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル
化ポリスチレンオリゴマー共重合体、上記具体例に示し
たモノマー(例示化合物M−1〜M−6、M−14、M
−20)/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレー
トオリゴマー共重合体、上記具体例に示したモノマー
(例示化合物M−1〜M−6、M−14、M−20/ベ
ンジル(メタ)アクリレート/ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリ
メチルメタクリレートオリゴマー共重合体が特に好まし
い。
【0053】前記グラフト共重合体は、前記各共重合体
単位となる成分を、例えば、適切な溶媒中でラジカル重
合させることにより得ることができる。該ラジカル重合
の際、ラジカル重合開始剤を使用することができ、ま
た、更に、連鎖移動剤(例、2−メルカプトエタノール
及びドデシルメルカプタン)を使用することができる。
【0054】適切な溶媒の例としては、用いるモノマ
ー、及び生成するグラフト共重合体の溶解性に応じて、
任意に選択できるが、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−
2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、1−メトキシ−2−プロピルア
セテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ク
ロロホルム、トルエン、キシレン等やこれらの混合物な
どが利用できる。また、ラジカル重合開始剤としては、
2,2‘−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIB
N)、2,2’−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニト
リル)のようなアゾ系、ベンゾイルパーオキシドのよう
な過酸化物系などが利用できる。
【0055】以下に、ウレア骨格及び/又はウレタン骨
格を含有するモノマー、前記グラフト共重合体の合成例
をいくつか例示するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0056】ウレア骨格及び/又はウレタン骨格を含有
するモノマーの合成例 〔合成例1〕2−イソシアナトエチルメタクリレート1
6.9重量部、酢酸エチル40.0重量部の混合溶液を
攪拌しながら、室温でn−ブチルアミン8.05重量部
を滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌し、ヘキサン
1000重量部中に反応溶液を投入した。析出した固体
をろ過後、風乾することで、モノマー(A:例示化合物
M−1)22.0重量部を得た。
【0057】〔合成例2〕合成例1で、n−ブチルアミ
ン8.05重量部をn−ヘキシルアミン10.1重量部
に変更した他は、合成例1と同様の操作を行い、モノマ
ー(B:例示化合物M−2)25.1重量部を得た。
【0058】〔合成例3〕合成例1で、n−ブチルアミ
ン8.05重量部をシクロヘキシルアミン9.92重量
部に変更した他は同様の操作を行い、モノマー(C:例
示化合物M−3)24.2重量部を得た。
【0059】〔合成例4〕合成例1で、n−ブチルアミ
ン8.05重量部をアニリン9.31重量部に変更した
他は同様の操作を行い、モノマー(D:例示化合物M−
4)23.9重量部を得た。
【0060】〔合成例5〕2−イソシアナトエチルメタ
クリレート16.9重量部、酢酸エチル40.0重量部
の混合溶液を攪拌しながら、室温で3−メトキシプロピ
ルアミン8.91重量部を滴下した。滴下終了後、更に
1時間攪拌し、反応液を濃縮することで、モノマー
(E:例示化合物M−5)25.1重量部を得た。
【0061】〔合成例6〕合成例5で、3−メトキシプ
ロピルアミン8.91重量部を2−エチルヘキシルアミ
ン12.9重量部に変更した他は、合成例5と同様の操
作を行い、モノマー(F:例示化合物M−6)29.0
重量部を得た。
【0062】〔合成例7〕ノルマルブチルイソシアネー
ト9.91重量部、酢酸エチル40.0重量部の混合溶
液を攪拌しながら、室温で2−ヒドロキシエチルメタク
リレート13.0重量部を滴下した。滴下終了後、更に
1時間攪拌し、ヘキサン1000重量部中に反応溶液を
投入した。析出した固体をろ過後、風乾することで、モ
ノマー(G:例示化合物M−14)21.3重量部を得
た。
【0063】〔合成例8〕2−イソシアナトエチルメタ
クリレート16.9重量部、酢酸エチル40.0重量
部、ジブチルスズジアセテート0.96重量部の混合溶
液を攪拌しながら、50℃で、n−ブタノ―ル7.41
重量部を滴下した。滴下終了後、更に5時間攪拌し、反
応液を濃縮することで、モノマー(H:例示化合物M−
20)23.6重量部を得た。
【0064】(グラフト共重合体の合成例) 〔合成例9〕1−メトキシ−2−プロピルアセテート4
0.0重量部、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタ
クリレート(数平均分子量:6000、商品名:AA−
6、東亞合成化学工業(株)製)34.0重量部を窒素
置換した三口フラスコに導入し、スリーワンモータにて
攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱し、内温を
78℃まで昇温した。別に調整した下記モノマー溶液と
開始剤溶液とを2時間かけて同時に滴下した。 (モノマー溶液) 前記合成例1で合成したモノマー(A)…………………6.00重量部 1−メトキシ−2−プロピルアセテート…………………43.3重量部 (開始剤溶液) 2,2−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)…0.040重量部 (商品名:V−65、和光純薬(株)製) 1−メトキシ−2−プロピルアセテート…………………10.0重量部 滴下後1時間攪拌し、2,2−アゾビス(2,4―ジメチ
ルバレロニトリル)(商品名:V−65)0.080重
量部を添加し、さらに内温を78℃に2時間保持し、そ
の後加熱して90℃に30分間保った。次いで、反応溶
液を室温まで冷却し、前記グラフト共重合体の1−メト
キシ−2−プロピルアセテート溶液(固形分:30重量
%)を得た。得られたグラフト共重合体(顔料分散剤
1)の重量平均分子量は、25000であった。なお、
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フ(C−R4A、(株)島津製作所製)により測定し
た。
【0065】[合成例10]前記合成例9において、前記
合成例1で合成したモノマー(A)を前記合成例2で合
成したモノマー(B)に代えた外は、前記合成例1と同
様にして、グラフト共重合体の1−メトキシ−2−プロ
ピルアセテート溶液(固形分:30重量%)を得た。得
られたグラフト共重合体(顔料分散剤2)の重量平均分
子量は、28000であった。
【0066】[合成例11]前記合成例9において、前記
合成例1で合成したモノマー(A)を前記合成例4で合
成したモノマー(D)に代えた外は、前記合成例1と同
様にして、グラフト共重合体の1−メトキシ−2−プロ
ピルアセテート溶液(固形分:30重量%)を得た。得
られたグラフト共重合体(顔料分散剤3)の重量平均分
子量は、21000であった。
【0067】[合成例12]前記合成例9において、前記
合成例1で合成したモノマー(A)を前記合成例5で合
成したモノマー(E)に代えた外は、前記合成例1と同
様にして、グラフト共重合体の1−メトキシ−2−プロ
ピルアセテート溶液(固形分:30重量%)を得た。得
られたグラフト共重合体(顔料分散剤4)の重量平均分
子量は、30000であった。
【0068】[合成例13]前記合成例9において、前記
合成例1で合成したモノマー(A)を前記合成例6で合
成したモノマー(F)に代えた外は、前記合成例1と同
様にして、グラフト共重合体の1−メトキシ−2−プロ
ピルアセテート溶液(固形分:30重量%)を得た。得
られたグラフト共重合体(顔料分散剤5)の重量平均分
子量は、29000であった。
【0069】[合成例14]前記合成例9において、前記
合成例1で合成したモノマー(A)を前記合成例7で合
成したモノマー(G)に代えた外は、前記合成例1と同
様にして、グラフト共重合体の1−メトキシ−2−プロ
ピルアセテート溶液(固形分:30重量%)を得た。得
られたグラフト共重合体(顔料分散剤6)の重量平均分
子量は、32000であった。
【0070】[合成例15]前記合成例9において、前記
合成例1で合成したモノマー(A)を前記合成例8で合
成したモノマー(H)に代えた外は、前記合成例1と同
様にして、グラフト共重合体の1−メトキシ−2−プロ
ピルアセテート溶液(固形分:30重量%)を得た。得
られたグラフト共重合体(顔料分散剤7)の重量平均分
子量は、26000であった。
【0071】[合成例16]1−メトキシ−2−プロピル
アセテート40.0重量部、片末端メタクリロイル化ポ
リメチルメタクリレート(数平均分子量:6000、商
品名:AA−6、東亞合成化学工業(株)製)34.0
重量部を窒素置換した三口フラスコに導入し、スリーワ
ンモータにて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加
熱し、内温を78℃まで昇温した。別に調整した下記モ
ノマー溶液と開始剤溶液とを2時間かけて同時に滴下し
た。 (モノマー溶液) 前記合成例1で合成したモノマー(A)…………………2.00重量部 メチルメタクリレート………………………………………4.00重量部 1−メトキシ−2−プロピルアセテート…………………43.3重量部 (開始剤溶液) 2,2−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)…0.067重量部 (商品名:V−65、和光純薬(株)製) 1−メトキシ−2−プロピルアセテート…………………10.0重量部 滴下後1時間攪拌し、2,2−アゾビス(2,4―ジメチ
ルバレロニトリル)(商品名:V−65)0.134重
量部を添加し、さらに内温を78℃に2時間保持し、そ
の後加熱して90℃に30分間保った。次いで、反応溶
液を室温まで冷却し、前記グラフト共重合体の1−メト
キシ−2−プロピルアセテート溶液(固形分:30重量
%)を得た。該グラフト共重合体(顔料分散剤8)の重
量平均分子量は、27000であった。
【0072】[合成例17]1−メトキシ−2−プロピル
アセテート40.0重量部、片末端メタクリロイル化ポ
リメチルメタクリレート(数平均分子量:6000、商
品名:AA−6、東亞合成化学工業(株)製)35.2
重量部を窒素置換した三口フラスコに導入し、スリーワ
ンモータにて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加
熱し、内温を78℃まで昇温した。別に調整した下記モ
ノマー溶液と開始剤溶液とを2時間かけて同時に滴下し
た。 (モノマー溶液) 前記合成例2で合成したモノマー(B)…………………1.20重量部 メチルメタクリレート………………………………………3.60重量部 1−メトキシ−2−プロピルアセテート…………………43.3重量部 (開始剤溶液) 2,2−アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)…0.059重量部 (商品名:V−65、和光純薬(株)製) 1−メトキシ−2−プロピルアセテート…………………10.0重量部 滴下後1時間攪拌し、2,2−アゾビス(2,4―ジメチ
ルバレロニトリル)(商品名:V−65)0.118重
量部を添加し、さらにフラスコ内を78℃に2時間保持
し、その後加熱して90℃に30分間保った。次いで、
反応溶液を室温まで冷却し、前記グラフト共重合体の1
−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液(固形分:3
0重量%)を得た。該グラフト共重合体(顔料分散剤
9)の重量平均分子量は、22000であった。
【0073】[合成例18]前記合成例17において、前
記合成例2で合成したモノマー(B)を前記合成例3で
合成したモノマー(C)に代えた外は、前記合成例17
と同様にして、グラフト共重合体の1−メトキシ−2−
プロピルアセテート溶液(固形分:30重量%)を得
た。得られたグラフト共重合体(顔料分散剤10)の重
量平均分子量は、32000であった。
【0074】本発明の顔料分散剤は、上記グラフト共重
合体のみを含んでいてもよいし、必要に応じて適宜選択
したその他の成分を更に含んでいてもよい。上記その他
の成分としては、公知の分散剤が挙げられ、具体的に
は、ノナノアミド、デカンアミド、ドデカンアミド、N
−ドデシルヘキサデカンアミド、N−オクタデシルプロ
ピオアミド、N,N−ジメチルドデカンアミドおよび
N,N−ジヘキシルアセトアミド等のアミド化合物、ジ
エチルアミン、ジヘプチルアミン、ジブチルヘキサデシ
ルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメタンア
ミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンおよびトリ
オクチルアミン等のアミン化合物、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,
N,N’,N’−(テトラヒドロキシエチル)−1,2
−ジアミノエタン、N,N,N’−トリ(ヒドロキシエ
チル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’
−テトラ(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−
1,2−ジアミノエタン、1,4−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)ピペラジンおよび1−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピペラジシ等のヒドロキシ基を有するアミン、その
他、ペコタミド、イソニペコタミド、ニコチン酸アミド
等の化合物、などが挙げられる。これらは、市販品であ
ってもよいし、適宜合成したものであってもよく、該市
販品としては、例えばシゲノックス−105(商品名、
ハッコールケミカル社製)などが挙げられる。
【0075】上記その他の成分の上記顔料分散剤におけ
る含有量としては、1〜90重量%が好ましく、1〜7
0重量%がより好ましい。上記含有量が90重量%を超
えると、顔料分散剤としての性能が十分に発揮されない
ことがある。
【0076】また、本発明の顔料分散剤は、更に、下記
一般式(3)または(4)で表されるアミン化合物を含
有していてもよい。 一般式(3)
【0077】
【化9】
【0078】上記一般式(3)において、R31およびR
32は、水素原子、または、置換基を有していてもよいア
ルキル基若しくはアラルキル基を表し、これらは互いに
結合して窒素原子を含む5員ないし6員の飽和環を形成
してもよい。この飽和環は、更に酸素原子、硫黄原子お
よび窒素原子から選択される1〜3個の原子を含んでも
よい。R33は、アルキレン基、またはエーテル結合を含
むアルキレン基を示す。X3は、−CON(Y31)(Y
32)、−OCON(Y31)(Y32)、−N(Y3 3)CO
(Y34)、または、−N(Y33)CON(Y31
(Y32)を示す。Y31、Y32、Y33およびY34は、水素
原子、または、置換基を有してもよいアルキル基、アラ
ルキル基若しくはアリール基を示す。
【0079】
【化10】
【0080】上記一般式(4)において、R41、R42
46およびR47は、水素原子、または、置換基を有して
いてもよいアルキル基若しくはアラルキル基を表し、こ
れらは互いに結合して窒素原子を含む5員ないし6員の
飽和環を形成してもよい。この飽和環は、更に酸素原
子、硫黄原子および窒素原子から選択される1〜3個の
原子を含んでもよい。R44およびR45は、アルキレン
基、またはエーテル結合を合むアルキレン基を示す。Z
4は、−CON(Y41)−、−OCON(Y41)−また
はN(Y42)CON(Y43)−、を示す。Y41、Y42
よびY43は、上記一般式(3)におけるY31、Y32およ
びY33と順に同義である。
【0081】上記一般式(3)または(4)で表される
アミン化合物の具体例としては、ビス(2−(1−モル
ホリノ)エチル)テレフタルアミド、などが好適に挙げ
られる。
【0082】また、本発明の顔料分散剤は、各種界面活
性剤を含有していてもよく、該界面活性剤を含有してい
ると分散安定性の向上に有効である。該界面活性剤とし
ては、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸塩、燐酸
エステル塩に代表されるアニオン系界面活性剤、アミン
塩に代表されるカチオン系界面活性剤、アミノカルボン
酸、ベタイン型に代表される両性界面活性剤、などが挙
げられる。
【0083】――分散―― 次に、図面を参照しながら本発明の顔料分散剤による顔
料の分散について説明する。図2は、上記グラフト共重
合体を含む顔料分散剤が、顔料粒子の表面に吸着した状
態を示す概略説明図である。
【0084】図2に示す通り、本発明の顔料分散剤を用
いた場合、該顔料分散剤が、顔料粒子5の表面に吸着す
る。このとき、顔料粒子5の表面には、上記顔料分散剤
における上記グラフト共重合体の幹鎖1に存在するウレ
ア基及び/又はウレタン基を有する繰り返し単位3が吸
着する。顔料粒子5は、上記グラフト共重合体における
幹鎖1で覆われた状態になる。該幹鎖1からはグラフト
鎖2が分岐しており、該グラフト鎖2は、顔料粒子5の
表面から外側に向かって伸びており、顔料粒子5の周辺
を雲が覆うかのようにして存在している。個々の顔料粒
子5の表面に上記グラフト共重合体が吸着しているの
で、顔料粒子5同士は、互いに吸着し凝集することがな
く、微細化した状態のまま、上記グラフト共重合体によ
り均一に分散され、流動し易い状態になる。
【0085】通常の顔料分散剤を着色感光性組成物に用
いた場合には、該着色感光性組成物に含まれる、酸性基
を有するバインダーポリマーにおける該酸性基と、上記
顔料分散剤における窒素原子等とが、塩を形成したり、
強い分子間力で結合したりすることが多いが、本発明の
顔料分散剤の場合には、上記グラフト共重合体における
グラフト鎖2の存在により、このような挙動を抑制する
一方、分散後の安定性を向上させ、分散性向上の効果も
高め得る。また、上記グラフト共重合体によると、有機
顔料を分散する際、増粘を伴うことがなく、有機顔料の
分散性が良好である。
【0086】本発明の顔料分散剤による分散とは、二次
粒子の状態で一般に存在する顔料粒子をほぐして一次粒
子の状態にし、再凝集を防止することを意味する。本発
明の顔料分散剤は、顔料への吸着部位と、該顔料が一次
粒子の形態に分散された後での再凝集を防ぐ立体反発部
位とを有するグラフト型分散剤であり、単独で使用して
も十分に優れた分散効果を発揮する。本発明の顔料分散
剤による顔料の分散は、該顔料分散剤と、顔料との直接
の混合により効果的に達成され、顔料以外に分散され得
る粒子ができるだけ存在しない状態で行なうのが好まし
い。このような状態で顔料の分散を行なうと、本発明の
顔料分散剤が該顔料粒子の周囲に瞬時に吸着し、該顔料
粒子が良好に分散し、良好に流動し、該顔料粒子同士の
凝集が効果的に抑制される。一方、顔料粒子以外に分散
され得る粒子が存在した状態で顔料の分散を行なうと、
本発明の顔料分散剤が、目的とする顔料粒子の表面に吸
着せず、他の粒子表面に吸着し、該顔料分散剤の顔料分
散効果が損なわれることがる。したがって、例えば、感
光材料等を製造する場合等において、顔料を良好に分散
させた状態で該感光材料等中に含有させるには、該顔料
と本発明の顔料分散剤とを早い時期に混合しておくのが
好ましく、感光層用塗布液等の調製時等の遅い時期に本
発明の顔料分散剤を添加・混合するのは好ましくない。
【0087】本発明の顔料分散剤は、公知の顔料の分散
に好適に使用することができ、後述する本発明の顔料分
散組成物および着色感光性組成物に特に好適に使用する
ことができる。
【0088】《顔料分散組成物》本発明の顔料分散物
は、上記本発明の顔料分散剤と、顔料とを、有機溶剤中
に分散してなる。
【0089】―顔料― 上記顔料としては、有機顔料が挙げられる。該有機顔料
としては、例えば、黄色顔料、オレンジ顔料、赤色顔
料、バイオレット顔料、青色顔料、緑色顔料、ブラウン
顔料、黒色顔料、などが挙げられる。
【0090】上記黄色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー
24、C.I.ピグメントイエロー12、C.Iピグメ
ントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー83,
C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメント
イエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、
C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメン
トイエロー117、C.I.ピグメントイエロー12
5、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグ
メントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー1
39、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピ
グメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー
148、C.Iピグメントイエロー153、C.I.ピ
グメントイエロー、C.I.ピグメントイエロー15
4、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグ
メントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー1
85、などが挙げられる。
【0091】上記オレンジ顔料としては、例えば、C.
I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレ
ンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.
ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ
59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグ
メントオレンジ71、などが挙げられる。
【0092】上記赤色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメント
レッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.
I.ピグメントレッド168、C.I.ピクメントレッ
ド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.
ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド2
15、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグ
メントレッド217、C.I.ピグメントレッド22
0、C.I.ピグメンレッド223、C.I.ピグメン
トレッド224、C.I.ピグメントレッド226、
C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメント
レッド228、C.I.ピグメントレッド240、C.
I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレ
ッド209、C.I.ピグメントレッド146、C.
I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド
81、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグ
メントレッド213、C.I.ピグメントレッド27
2、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメ
ントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、
C.I.ピグメントレッド254、などが挙げられる。
【0093】上記バイオレット顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメ
ントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレッ
ト29、C.I.ピグメントバイオレット30、C.
I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピクメンド
バイオレット40、C.I.ピグメントバイオレット5
0、などが挙げられる。
【0094】上記青色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー1
5:6、C.I.ピグメントブルー22、C、I.ピグ
メントブルー60、C.I.ピグメントブルー64、な
どが挙げられる。
【0095】上記緑色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントグリーン7、C.I.ピクメントグリーン3
6、などが挙げられる。上記ブラウン顔料としては、例
えば、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグ
メントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン2
6、などが挙げられる。上記黒色顔料としては、例え
ば、C.I.ピグメントブラック7、などが挙げられ
る。
【0096】これらの顔料は1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0097】―有機溶剤― 上記有機溶剤としては、特に制限はなく、公知のものの
中から適宜選択することができ、例えば、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコー
ルモノアルキルエーテルおよびこれらの酢酸エステル
類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピ
ル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル等の酢酸エステル
類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロ
ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、グリセリン等のアルコール類、などが挙げられ
る。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。これらの中でも、アルキレングリコ
ールモノアルキルエーテル類、およびその酢酸エステル
類、酢酸エステル類、メチルエチルケトン、などが好ま
しい。
【0098】上記顔料の上記顔料分散組成物における含
有量としては、通常5〜80重量%であり、10〜70
重量%が好ましい。上記含有量が、5重量%未満である
と、着色力が十分でないことがあり、80重量%を超え
ると、顔料分散組成物の粘度が上昇することがある。
【0099】上記顔料分散剤の上記顔料分散組成物にお
ける含有量としては、上記顔料100重量部に対し、通
常、0.1〜200重量部であり、1〜50重量部が好
ましい。上記含有量が、0.1重量部未満であると、顔
料分散組成物の粘度が上昇することがあり、200重量
部を超えると、カラーフィルター等の作製の際におい
て、色度を得るための塗布膜の厚みの調整が困難となる
ことがある。
【0100】上記有機溶剤の上記顔料分散組成物におけ
る含有量としては、上記顔料100重量部に対し、通
常、10〜1000重量部であり、20〜500重量部
が好ましい。上記含有量が、10重量部未満であると、
顔料分散組成物の粘度が上昇することがあり、1000
重量部を超えると、貯蔵時のスペース確保が難しくなる
こと等がある。
【0101】本発明の顔料分散組成物は、例えば、以下
の方法により調製することができる。 1)上記顔料と上記顔料分散剤とを予め混合して得られ
る組成物を、上記有機溶剤(またはビヒクル)に添加し
て分散させる方法 2)上記有機溶剤(またはビヒクル)に、上記顔料と上
記顔料分散剤とを別々に添加して分散させる方法 3)上記顔料と上記顔料分散剤とを予め別々に上記有機
溶剤(またはビヒクル)に分散し、得られた分散体を混
合する方法(この場合、上記顔料分散剤を上記有機溶剤
のみで分散してもよい) 4)上記有機溶剤(またはビヒクル)に上記顔料を分散
した後、得られた分散体に上記顔料分散剤を添加する方
【0102】上記ビヒクルとは、塗料が液体状態にある
ときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状で
あって上記顔料と結合して塗膜を固める成分(バイン
ダ)と、これを溶解希釈する成分(上記有機溶剤)とを
含む。
【0103】上記顔料を分散させる際に使用する分散機
としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロール
ミル、アトライタ、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミ
キサー、サンドミル、などの公知の分散機が挙げられ
る。
【0104】上記顔料分散組成物を用いた着色画像の形
成は、例えば、該顔料分散組成物を含む塗布液を、支持
体上に塗布、乾燥して該顔料分散組成物の層を形成し、
あるいは仮支持体上に形成されたこの顔料分散組成物の
層を支持体上に転写し、その上に公知のポジ型またはネ
ガ型の感光性樹脂組成物の層を形成し、露光、現像し、
次いで未露光の上記感光性樹脂組成物の層と共に同じ領
域の上記顔料分散組成物の層を除去する方法などに行な
うことができる。
【0105】《着色感光性組成物》上記着色感光性組成
物は、上記顔料分散組成物と、感光性組成物とを少なく
とも含有する。
【0106】―感光性組成物― 上記感光性組成物としては、例えば、特開平3−282
404号公報に記載されている感光性組成物などが挙げ
られ、具体的には、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダとから
なる感光性組成物、光重合性組成物、アジド化合物とバ
インダとからなる感光性組成物、桂皮酸型感光性組成
物、などが挙げられる。上記感光性組成物としては、ア
ルカリ水溶液により現像可能なものと、有機溶剤により
現像可能なものとが知られているが、公害防止、労働安
全性等の点でアルカリ水溶液により現像可能なものが好
ましい。
【0107】―光重合性組成物― 本発明においては、上記感光性組成物の中でも光重合性
組成物が特に好ましい。該光重合性組成物は、エチレン
性不飽和二重結合を二個以上有する多官能モノマーと、
光重合開始剤とを少なくとも含有し、さらに酸性基を有
するバインダーポリマーを有するのが好ましい。
【0108】――エチレン性不飽和二重結合を二個以上
有する多官能モノマー―― 上記エチレン性不飽和二重結合を二個以上有する多官能
モノマーとしては、例えば、特開昭60−258539
号公報に記載されているような公知の(メタ)アクリル
酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル、な
どが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、(メ
タ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0109】上記エチレン性不飽和二重結合を有する多
官能モノマーの上記着色感光性組成物における含有量と
しては、全固形分に対し、10〜60重量%が好まし
い。上記含有量が、10重量%未満であると、露光時に
おける硬化力が不足することがあり、60重量%を超え
ると、他の素材の能力が発揮され難くなることがある。
【0110】――光重合開始剤―― 上記光重合開始剤としては、波長が約300〜500n
mに少なくとも約50の分子吸光係数を有する化合物を
少なくとも1種使用するのが好ましく、このような化合
物としては、例えば、特開平2−48664号公報、特
開平1−152449号公報、および特開平2−153
353号公報に記載されているような、芳香族ケトン
類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル
類、ポリハロゲン類、などが挙げられる。これらは、1
種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。これらの中でも、4,4’−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、
および4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチ
ル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン]が好ましい。
【0111】上記光重合開始剤の上記着色感光性組成物
における含有量としては、着色感光性組成物の固形分に
対し、0.2〜10重量%が好ましい。上記含有量が、
0.2重量%未満であると、露光感度が低くなることが
あり、10重量%を超えると、露光感度が高くなりすぎ
る(制御が困難になる)ことがある。
【0112】――酸性基を有するバインダーポリマー―
― 上記酸性基を有するバインダーポリマーは、上記顔料の
分散安定性と、アルカリ現像性との両性質を付与し得る
ものであり、例えば、(メタ)アクリル酸と(メタ)ア
クリル酸エステルとの共重合体、スチレン/無水マレイ
ン酸共重合体、およびスチレン/無水マレイン酸共重合
体とアルコール類との反応物、などが挙げられる。これ
らは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。これらの中でも、顔料分散性に優れ、多官能
モノマー、光重合開始剤との相溶性に優れ、アルカリ現
像液溶解性、有機溶剤溶解性、強度、軟化温度等が適当
であるものが好ましく、具体的には(メタ)アクリル酸
と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が好まし
い。
【0113】上記酸性基を有するバインダーポリマーの
重量平均分子量としては、5000〜200000が好
ましい。上記重量平均分子量が、5000未満である
と、塗布膜の形成上問題があることがあり、20000
0を超えると、着色感光性組成物の粘度が高くなること
がある。
【0114】上記酸性基を有するバインダーポリマーの
上記着色感光性組成物における含有量としては、全固形
分に対し、20〜80重量%程度である。上記含有量
が、20重量%未満であると、塗布膜の形成上問題が生
ずることがあり、80重量%を超えると、他の素材の能
力が発揮され難くなることがある。
【0115】上記着色感光性組成物は、例えば、上記顔
料分散組成物と、上記感光性組成物とを、適宜選択した
条件、手法に従って混合することにより調製することが
できる。
【0116】上記着色感光性組成物を用いた着色画像の
形成は、基本的に下記(1)〜(3)の工程により行な
うことができる。 (1)上記顔料分散組成物を調製した後、これを用いて
上記着色感光性組成物を調製する工程 (2)得られた着色感光性組成物を基板上に塗布し乾燥
して、または、別の仮支持体上に塗布し乾燥して形成し
た層を基板上に転写して、着色感光性組成物による層を
形成する工程 (3)基板上に形成された着色感光性組成物による層を
露光、現像し、パターンを形成する工程
【0117】液晶ディスプレイ等に用いたカラーフィル
タの製造は、上記(2)および(3)の工程を繰り返し
行い、2色目以降のパターンを組み合わせることにより
行なうことができる。転写法によるカラーフィルタの製
造方法は、例えば、特開平4−208940号公報、特
開平5−72724号公報、特開平5−80503号公
報、特開平5−173320号公報等に記載されてい
る。
【0118】上記基板としては、ガラス板や透明プラス
ティック板等の透明材料が一般に用いられる。上記基板
と上記着色感光性組成物との密着力を向上させるため
に、市販の各種シランカップリング剤等を上記着色感光
性組成物に添加するか、あるいはあらかじめ上記基板を
カップリング処理しておいてもよい。
【0119】上記着色感光性組成物の塗布液の上記基板
への塗布は、スピンコータ、ロールコータ、バーコー
タ、カーテンコータ等の公知の塗布手段を用いて行なう
ことができる。
【0120】上記仮支持体上に形成された上記着色感光
性組成物による層を、上記基板上に転写する方法として
は、常圧下または減圧下でヒートロールラミネータを用
いる方法が好適に挙げられる。
【0121】上記現像の際に使用される現像液の例とし
ては、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化
物または炭酸塩、炭酸水素塩、アシモニア水、4級アン
モニウム塩の水溶液、等が挙げられる。これらは1種単
独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。こ
れらの中でも、炭酸ナトリウム水溶液が特に好ましい。
【0122】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるも
のではない。
【0123】(実施例1)下記組成の赤色の顔料分散組
成物を調製した。 C.I.ピグメントレッド254…………………8.28重量部 合成例9の顔料分散剤1 (1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液、固形分:30重量%) …………8.28重量部 1−メトキシ−2−プロピルアセテート…………63.44重量部
【0124】上記組成の赤色の顔料組成物を、モーター
ミルM50(アイガー社製)で、直径0.65mmのジ
ルコニアビーズを用いて、周速9m/sで9時間分散
し、赤色の顔料分散組成物を調製した。得られた顔料分
散組成物について下記の評価を行った。 (1)粘度測定:得られた顔料分散組成物について、E
型粘度計を用いてその粘度を測定し、増粘の程度を評価
した。その結果を表1に示した。ここで粘度が低いこと
は、分散安定性、流動性が安定かつ良好であることを示
す。 (2)コントラスト測定:得られた顔料分散組成物をガ
ラス基板上に厚さが6μmになるように塗布し、サンプ
ルを作製した。2枚の偏光板の間にこのサンプルを置
き、偏光軸が平行のときと垂直のときとの透過光量を測
定し、その比をコントラストとした(「1990年第7
回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4“サ
イズTFT−LCD用カラーフィルター、植木、小関、
福永、山中」を参考にした)。その結果を表1に示し
た。ここでコントラストが高いことは、高度に微細化さ
れ透過率、すなわち着色力が高いことを示す。
【0125】(実施例2〜10)実施例1において、顔
料分散剤1を、それぞれ顔料分散剤2〜10に変更した
以外は実施例1と同様にして顔料分散組成物を調整し同
様の評価をした。結果を表1に示す。
【0126】(実施例11)実施例1において、赤色の
顔料分散組成物を下記組成の緑色の顔料分散組成物に代
えた外は、実施例1と同様にして緑色の顔料分散組成物
を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1
に示す。 C.I.ピグメントグリーン36……………………9.20重量部 C.I.ピグメントイエロー138…………………4.96重量部 合成例9の顔料分散剤1 (1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液、固形分:30重量%) ……………14.16重量部 1−メトキシ−2−プロピルアセテート……………51.68重量部
【0127】(実施例12)実施例1において、赤色の
顔料分散組成物を下記組成の青色の顔料分散組成物に代
えた外は、実施例1と同様にして青色の顔料分散組成物
を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1
に示す。 C.I.ピグメントブルー15;6…………………14.20重量部 合成例9の顔料分散剤1 (1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液、固形分:30重量%) ……………14.20重量部 1−メトキシ−2−プロピルアセテート……………51.70重量部
【0128】(比較例1)実施例1において、前記合成
例9の顔料分散剤1の代わりに、前記合成例1のモノマ
ーAとメチルメタクリレートの共重合体(重量比:15
/85、1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液、
固形分:30重量%、重量平均分子量:28000)を
使用した外は、実施例1と同様にして赤色の顔料分散組
成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1に示す。
【0129】(比較例2)実施例1において、前記合成
例9の顔料分散剤1の代わりに、前記合成例2のモノマ
ーBとメチルメタクリレートの共重合体(重量比:15
/85、1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液、
固形分:30重量%、重量平均分子量:30000)を
使用した外は、実施例1と同様にして赤色の顔料分散組
成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1に示す。
【0130】(比較例3)実施例1において、前記合成
例15の顔料分散剤7の代わりに、前記合成例8のモノ
マーHとメチルメタクリレートの共重合体(重量比:1
5/85、1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶
液、固形分:30重量%、重量平均分子量:2500
0)を使用した外は、実施例1と同様にして赤色の顔料
分散組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
【0131】(比較例4)実施例1において、前記合成
例9の顔料分散剤1の代わりに、ブチルメタクリレート
と片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート
(数平均分子量:6000、商品名:AA−6、東亞合
成化学工業(株)製)の共重合体(重量比:15/8
5、1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液、固形
分:30重量%、重量平均分子量:23000)を使用
した外は、実施例1と同様にして赤色の顔料分散組成物
を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1
に示す。
【0132】(比較例5)実施例1において、前記合成
例9の顔料分散剤1の代わりに、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート/メタクリル酸/ベンジルメタクリレー
ト/片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート
(数平均分子量:6000、商品名:AA−6、東亞合
成化学工業(株)製)共重合体(重量比:15/15/
60/10、1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶
液、固形分:30重量%、重量平均分子量:2200
0)を使用した外は、実施例1と同様にして赤色の顔料
分散組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
【0133】(比較例6)実施例12において、前記合
成例9の顔料分散剤1の代わりに、ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミドと片末端メタクリロイル化ポリメチ
ルメタクリレート(数平均分子量:6000、商品名:
AA−6、東亞合成化学工業(株)製)の共重合体(重
量比:15/85、1−メトキシ−2−プロピルアセテ
ート溶液、固形分:30重量%、重量平均分子量:20
000)を使用した外は、実施例12と同様にして青色
の顔料分散組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行
った。
【0134】(実施例13)下記組成を混合し、カラー
フィルター作製用の着色感光性組成物を調製した。 実施例1の赤色の顔料分散組成物……………………32.4重量部 メタクリル酸/ベンジルメタクリレート重合体……………9.0重量部 (モル比:28/72、重量平均分子量:30000、 30wt%−1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液) 4−[p−N,N‘―ジ(エトキシカルボニルメチル)……0.2重量部 ―2,6―ジ(トリクロロメチル)−S−トリアジン ハイドロキノンモノメチルエーテル…………………0.01重量部 1−メトキシ−2−プロピルアセテート………………6
2重量部前記混合は、モーターミルM50(アイガー社
製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い
て、周速9m/sで9時間行った。得られたカラーフィ
ルター作製用の着色感光性組成物について、実施例1と
同様にして粘度を測定し、下記のようにしてカラーフィ
ルタを作製し、実施例1と同様にしてコントラストを測
定した。即ち、ガラス基板上に前記カラーフィルター作
製用の着色感光性組成物を、スピンコーターを用いて塗
布し、100℃で2分間乾燥させて、約2μmの厚みの
膜を形成した。次いで、窒素気流下、超高圧水銀灯で露
光した後、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像した。得ら
れたカラーフィルターのコントラストを実施例1と同様
に測定した。結果を表1に示す。
【0135】(実施例14)実施例13において、実施
例1の赤色の顔料分散組成物を、実施例2の赤色の顔料
分散組成物に代えた外は、実施例13と同様にして着色
感光性組成物を調製し、実施例13と同様にして評価し
た。結果を表1に示す。
【0136】(実施例15〜22)実施例13におい
て、実施例1の赤色の顔料分散組成物を、それぞれ実施
例3〜10の赤色の顔料分散組成物に代えた外は、実施
例13と同様にして着色感光性組成物を調製し、実施例
13と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0137】(実施例23、24)実施例13におい
て、実施例1の赤色の顔料分散組成物を、それぞれ実施
例11及び12の緑色及び青色の顔料分散組成物に代え
た外は、実施例13と同様にして着色感光性組成物を調
製し、実施例13と同様にして評価した。結果を表1に
示す。
【0138】(比較例7)実施例24において、実施例
12の青色の顔料分散組成物を、比較例6の青色の顔料
分散組成物に代えた外は、実施例24と同様にして着色
感光性組成物を調製し、実施例24と同様にして評価し
た。
【0139】(実験)実施例1の顔料分散剤を用いて感
光材料を作成する際に、酸性バインダーや他の成分を分
散・混合するのに先だって、顔料のみを該顔料分散剤を
用いて分散させた後、前記酸性バインダーや他の成分を
混合・分散して感光材料用液を調整した場合(以下、こ
の場合を「前添加」と称する)と、前記酸性バインダー
や他の成分と顔料とを同時に該顔料分散剤を用いて混合
・分散して感光材料用液を調整した場合(以下、この場
合を「後添加」と称する)とを比較した。その結果、前
添加の場合には、前記グラフト共重合体におけるウレア
及び/又はウレタン骨格が顔料の表面に吸着しているた
め、後から前記酸性バインダー等を添加しても、該感光
材料用液の増粘は見られなかった。これに対し、後添加
の場合には、前記グラフト共重合体におけるウレア及び
/又はウレタン骨格が、該顔料分散剤と同時に添加した
前記酸性バインダー等と相互作用し、該感光材料用液に
若干の増粘が認められた。しかしながら、感光材料の作
製は可能であった。
【0140】
【表1】
【0141】表1の結果から、本発明の顔料分散剤を含
有する顔料分散組成物、及びそれを用いた着色感光性組
成物は、粘度が低く、高いコントラストが得られること
が明らかである。高いコントラストが得られるのは、顔
料粒子が微細化された状態で分散されているためである
と推測される。一方、比較例1〜7の顔料分散組成物、
及びそれを用いた着色感光性組成物は、粘度が高く、コ
ントラストも低いことが明らかである。
【0142】
【発明の効果】本発明によると、顔料を凝集させず該顔
料の安定かつ良好な分散性、流動性を実現し、かつ光透
過性にも優れた顔料分散剤を提供することができる。ま
た、本発明によると、該顔料分散剤を含有し、顔料の分
散性、流動性等に優れ、かつ着色力が高く、塗料、印刷
インキ、カラー表示板等の広い範囲で好適に使用し得る
顔料分散組成物を提供することができる。更に、本発明
によると、該顔料分散組成物を含有し、着色力が高く、
カラープルーフ等の基板上の多色画像形成や、液晶カラ
ーディスプレイ等に使用されるカラーフィルターの製造
などに好適に使用し得る着色感光性組成物を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の顔料分散剤の態様を示す概略説
明図である。
【図2】図2は本発明の顔料分散剤が、顔料粒子の表面
に吸着した状態を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 幹鎖 2 グラフト鎖 3 ウレア基及び/又はウレタン基を有する繰り返し単
位 4 幹鎖とグラフト鎖との結合部 5 顔料粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AA03 AA08 AB05 AB06 AC05 BA02 BA07 DC38Z DC43Z DD06X DD18X DD18Z DD46X DE02X DE02Z DE07X DE08Z DE10X DE10Z DE16Z 4J027 AA02 AA04 AA08 BA13 CB09 CD08 4J037 AA30 CC18 CC26 CC29 DD04 DD23 DD24 EE28 EE43 FF02 FF15 FF23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】幹鎖にウレア基及び/又はウレタン基を有
    する繰り返し単位を有するグラフト共重合体を含有する
    ことを特徴とする顔料分散剤。
  2. 【請求項2】グラフト共重合体が、末端にエチレン性不
    飽和二重結合を有する重合性オリゴマー由来の単位と、
    ウレア基及び/又はウレタン基を有するモノマー由来の
    単位とを共重合体単位として含むものである請求項1記
    載の顔料分散剤。
  3. 【請求項3】グラフト共重合体が、共重合体単位とし
    て、重合性オリゴマー由来の単位を15〜98重量%含
    み、かつ、ウレア基及び/又はウレタン基を有するモノ
    マー由来の単位を1〜40重量%を含むものである請求
    項2記載の顔料分散剤。
  4. 【請求項4】ウレア基及び/又はウレタン基を含有する
    モノマーが下記一般式(1) 【化1】 [前記一般式(1)において、R11は水素原子又はメチ
    ル基を示す。R12は、単結合又は炭素数1から10の2
    価の炭化水素基(該炭化水素基は、置換基を有していて
    もよく、分岐、あるいは環構造を形成してもよく、また
    途中にエーテル、エステル結合を介してもよい)を示
    し、R13は、炭素数1から18の置換基を有してもよい
    炭化水素基を示すが有機色素の部分骨格を含むことはな
    い。またX11、X12及びX13は、それぞれ独立に、―O
    ―、―N(R14)―(R14は、水素原子又は炭素数1〜
    6のアルキル基又はフェニル基を示す)を示すが、X12
    とX13は同時に―O―とならない。m及びnは、1又は
    0を示す。]で表される化合物より選択される1種又は
    2種以上である請求項2又は3記載の顔料分散剤。
  5. 【請求項5】重合性オリゴマーが、数平均分子量100
    0〜20000のものであり、かつ、末端に(メタ)ア
    クリロイル基を有するものである請求項2〜4のいずれ
    か1項記載の顔料分散剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項記載の顔料分
    散剤と顔料とを有機溶剤中に分散してなることを特徴と
    する顔料分散組成物。
  7. 【請求項7】請求項6記載の顔料分散組成物と、エチレ
    ン性不飽和二重結合を二個以上有する多官能モノマー
    と、光重合開始剤とを含有することを特徴とする着色感
    光性組成物。
  8. 【請求項8】請求項7記載の着色感光性組成物及び酸性
    基を有するバインダーポリマーを含有することを特徴と
    する着色感光性組成物。
JP2002036368A 2002-02-14 2002-02-14 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物 Pending JP2003238836A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002036368A JP2003238836A (ja) 2002-02-14 2002-02-14 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002036368A JP2003238836A (ja) 2002-02-14 2002-02-14 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003238836A true JP2003238836A (ja) 2003-08-27

Family

ID=27778270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002036368A Pending JP2003238836A (ja) 2002-02-14 2002-02-14 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003238836A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008274218A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Fujifilm Corp 粒子分散物及びインク組成物、並びに、それを用いた画像記録方法及び画像記録物
JP2009057422A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Kao Corp 非水系顔料分散体の製造方法
JP2009288783A (ja) * 2008-04-30 2009-12-10 Sanyo Chem Ind Ltd トナー用樹脂組成物およびトナー組成物
KR20140008519A (ko) * 2011-01-28 2014-01-21 비와이케이-케미 게엠베하 습윤제 및 분산제, 그 제조 방법 및 용도
WO2023149272A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 富士フイルム株式会社 樹脂組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子および画像表示装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008274218A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Fujifilm Corp 粒子分散物及びインク組成物、並びに、それを用いた画像記録方法及び画像記録物
JP2009057422A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Kao Corp 非水系顔料分散体の製造方法
JP2009288783A (ja) * 2008-04-30 2009-12-10 Sanyo Chem Ind Ltd トナー用樹脂組成物およびトナー組成物
KR20140008519A (ko) * 2011-01-28 2014-01-21 비와이케이-케미 게엠베하 습윤제 및 분산제, 그 제조 방법 및 용도
JP2014509931A (ja) * 2011-01-28 2014-04-24 ベーイプシロンカー ヘミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング 湿潤分散剤ならびにその製造方法および使用
US9447292B2 (en) 2011-01-28 2016-09-20 Byk-Chemie Gmbh Wetting and dispersing agent, production method and use thereof
KR101999346B1 (ko) 2011-01-28 2019-07-11 비와이케이-케미 게엠베하 습윤분산제, 그 제조 방법 및 용도
WO2023149272A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 富士フイルム株式会社 樹脂組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子および画像表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4064681B2 (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP3946309B2 (ja) 着色感光性組成物
JP4486282B2 (ja) 顔料分散剤、これを含む顔料分散組成物および着色感光性組成物
JP4717767B2 (ja) 顔料分散組成物
JP4461681B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP4082818B2 (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP4234869B2 (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP5932435B2 (ja) カラーフィルター用青色顔料分散組成物及びそれを含有するカラーフィルター用青色顔料分散レジスト組成物
JP4024955B2 (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP4486279B2 (ja) 顔料分散剤、顔料分散組成物、及び着色感光性組成物
KR100812280B1 (ko) 안료분산 조성물, 그것을 이용한 착색감광성 조성물 및칼라필터
JP2002047441A (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2003252864A (ja) ベンズイミダゾロン化合物、並びに、これを含有する顔料分散剤、顔料分散組成物および着色感光性組成物
JP2001335711A (ja) キノフタロン系化合物、それを含む顔料分散剤、顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2004123853A (ja) 有機顔料の改質方法及び該顔料を用いた顔料分散組成物
JP2003183260A (ja) ベンズイミダゾロン化合物、並びに、これを含有する顔料分散剤、顔料分散組成物および着色感光性組成物
JP2003238836A (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP4244269B2 (ja) 重合体、顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2003277366A (ja) ベンズイミダゾロン化合物、並びに、これを含有する顔料分散剤、顔料分散組成物および着色感光性組成物
JP2002226587A (ja) 重合体、顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2003238835A (ja) 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2003128947A (ja) アゾ化合物、顔料分散剤、及びこれを含む顔料分散組成物並びに着色感光性組成物
JP2003238842A (ja) 顔料分散組成物
JP2001335717A (ja) 顔料分散組成物および着色感光性組成物
JP2003183536A (ja) 顔料分散組成物およびこれを含む着色感光性組成物