JP2003238831A - ロイコ染料および画像表示装置 - Google Patents

ロイコ染料および画像表示装置

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JP2003238831A
JP2003238831A JP2002046282A JP2002046282A JP2003238831A JP 2003238831 A JP2003238831 A JP 2003238831A JP 2002046282 A JP2002046282 A JP 2002046282A JP 2002046282 A JP2002046282 A JP 2002046282A JP 2003238831 A JP2003238831 A JP 2003238831A
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Japan
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carbon atoms
leuco dye
acid
general formula
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JP2002046282A
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Takashi Kato
隆志 加藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】無機材料と強固に連結されるロイコ染料を提供
する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるロイコ染
料。一般式(1) 式中、Leucoはロイコ染料を表す。Linkは2価の連結基
または単結合を表す。Mはケイ素、チタンまたはアルミ
ニウム原子を表す。X1、X2およびX3は各々置換基を表
す。具体的には、たとえば下記構造式の化合物が例示さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なロイコ染
料、特にシランカップリング反応ないしはゾルゲル化反
応が可能な官能基を有するロイコ染料ならびに該化合物
が連結された支持体を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シランカップリング反応は、有機機能材
料と無機材料の複合化手段として広く利用されている。
シランカップリング反応については、吉岡博、日本接着
協会誌、第21巻、第252〜260頁、1985年に詳しい。この
シランカップリング反応が可能である官能基としては、
アルコキシシラン基が有効である。シランカップリング
反応が適用される無機材料としては、シリカ、ガラス、
タルク、アルミナなどが挙げられる。
【0003】ゾルゲル法により合成される各種機能性ガ
ラスは、通常のガラスよりも低温下で調製可能であるた
め、種々の機能を付与することが比較的容易である。特
に、機能性有機物との融合が可能であることから、従来
から無機−有機複合体という観点から多くの研究がなさ
れてきた。機能性ゾルゲルに関する報告としては、作花
澄夫著、ゾル−ゲル法の科学、アグネ承風社、1988年に
詳しい。なかでも、有機色素をゾルゲル法によりガラス
中にドープした、いわゆる有機色素ドープシリカゲル
は、色素レーザー、非線型光学材料などへの展開が期待
されている機能性材料である。
【0004】一方、ロイコ染料は、酸−塩基反応による
発色システムが可能であることから、各種表示材料とし
て広く用いられている。例えば、感熱紙、感圧紙、さら
には感熱プリント材料などが挙げられる。 さらに、ロ
イコ染料は、酸−塩基反応の可逆的発色システムが可能
であることから、例えば、顕色剤との組合わせによる可
逆的感熱表示材料などが知られている。可逆的感熱表示
材料としては、例えば、Polymer Preprints, Japan. 第
42巻、第736頁、1993年に詳しい。このように各種表示
材料として広く利用されているロイコ染料を、無機材
料、特にアルコキシシランなどのガラスと複合させて、
新しい機能を持つ有機−無機複合材料を開発しようとい
う試みとしては、例えば、ロイコ染料をゾルゲル法によ
りガラス中にドープした材料が、報告されている。しか
しながら、これらの報告は、いずれもロイコ染料は、ガ
ラス中のマトリックス中に閉じ込められているだけであ
り、完全に固定化されている訳ではない。よって、使用
法によっては、経時でロイコ染料が周囲の媒質に漏れ出
してしまうという問題があった。また、アルコキシラン
基が共有結合で連結された染料としては、ローダミン染
料の例が、Angew. Chem. Int. Ed. 第39巻、第161-163
頁、2000年に報告されているが、該化合物はロイコ染料
ではなく、可逆的な発色を示すものではなかった。すな
わち、より強固な固定化方法で、無機材料に連結された
ロイコ染料の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記諸問題に
鑑みてなされたものであって、無機材料と強固に連結さ
れるロイコ染料を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく検討を重ねた結果、特定の官能基が共有結合
にて連結されたロイコ染料が、上記課題を達成し得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。上記課題
は下記の手段により達成された。 (1) 下記一般式(1)で表されることを特徴とする
ロイコ染料。一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】式中、Leucoはロイコ染料を表す。Linkは
2価の連結基または単結合(−)を表す。Mはケイ素、
チタンまたはアルミニウム原子を表す。X1、X2およびX
3は各々置換基を表す。
【0009】(2) 一般式(1)で表されるロイコ染
料において、Mがケイ素、X1、X2およびX3が各々アルコ
キシ基であることを特徴とする(1)に記載のロイコ染
料。
【0010】(3) 一般式(1)で表されるロイコ染
料において、Leucoがフルオラン骨格であることを特徴
とする(1)又は(2)に記載のロイコ染料。
【0011】(4) 一般式(1)で表されるロイコ染
料が下記一般式(2)で表されることを特徴とする
(1)に記載のロイコ染料。 一般式(2)
【0012】
【化3】
【0013】式中、Ar1およびAr2は各々アリール基また
はヘテロアリール基を表し、Ar1とAr2が結合してフルオ
ラン骨格を形成してもよい。Ar3 はアリール基またはヘ
テロアリール基を形成する原子群を表すが、Ar1、Ar2
よびAr3の少なくとも1つは、アルコキシシリル基を含
有する置換基が置換している。 (5) 一般式(2)で表されるロイコ染料において、
Ar1とAr2が結合してフルオラン骨格を形成することを特
徴とする(4)に記載のロイコ染料。 (6) 一般式(2)で表されるロイコ染料が下記一般
式(3)で表されることを特徴とする(4)又は(5)
に記載のロイコ染料。 一般式(3)
【0014】
【化4】
【0015】式中、Ra、Rb、Rcは各々、−(Lin
k)−M(X)3または置換基を表す。XはX1と同義であ
る。但し、Ra、Rb、Rcの少なくとも1つは−(Li
nk)−M(X)3であり、かつ分子内に少なくとも1つ
の−(Link)−M(X)3を有する。n1、n2、n3
は各々、0〜4の整数を表す。n1、n2、n3の全て
が0になることはない。n1、n2、n3が2以上のと
きはRa、Rb、Rcの各々は同じでも異なっていても
よい。Link及びMは一般式(1)と同義である。置換基
としては後述の置換基Vが挙げられる。 (7) 一般式(3)で表されるロイコ染料が下記一般
式(3a)で表されることを特徴とする(6)に記載の
ロイコ染料。 一般式(3a)
【0016】
【化5】
【0017】式中、R1、R2、R3は各々、 −(Lin
k)−M(X)3または置換基を表す。XはX1と同義であ
る。但し、R1、R2、R3の少なくとも1つは−(Lin
k)−M(X)3であり、かつ分子内に少なくとも1つの
−(Link)−M(X)3を有する。Link及びMは一般式
(1)と同義である。置換基としては後述の置換基Vが
挙げられる。−(Link)−M(X)3としてはアルコキ
シシリル基を含有する置換基が好ましい。R1、R2、R
3として好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、
アルコキシカルボニル基、またはアルコキシシリル基を
含有する置換基である。 (8) 一般式(2)で表されるロイコ染料が下記一般
式(4)で表されることを特徴とする(4)に記載のロ
イコ染料。 一般式(4)
【0018】
【化6】
【0019】式中、Rd、Re、Rfは各々、 −(Li
nk)−M(X)3または置換基を表す。XはX1と同義で
ある。但し、Rd、Re、Rfの少なくとも1つは−
(Link)−M(X)3であり、かつ分子内に少なくとも
1つの−(Link)−M(X)3を有する。m1、m2、
m3は各々、0〜4の整数を表す。m1、m2、m3の
全てが0になることはない。m1、m2、m3が2以上
のときはRd、Re、Rfの各々は同じでも異なってい
てもよい。Link及びMは一般式(1)と同義である。置
換基としては後述の置換基Vが挙げられる。 (9) 一般式(4)で表されるロイコ染料が下記一般
式(4a)で表されることを特徴とする(8)に記載の
ロイコ染料。 一般式(4a)
【0020】
【化7】
【0021】式中、R1、R2、R3は各々、−(Link)
−M(X)3または置換基を表す。XはX1と同義であ
る。但し、R1、R2、R3の少なくとも1つは−(Lin
k)−M(X)3であり、かつ分子内に少なくとも1つの
−(Link)−M(X)3を有する。Link及びMは一般式
(1)と同義である。置換基としては後述の置換基Vが
挙げられる。−(Link)−M(X)3としてはアルコキ
シシリル基を含有する置換基が好ましい。R1、R2、R
3として好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、
アルコキシカルボニル基、またはアルコキシシリル基を
含有する置換基である。 (10) 支持体上に、請求項1に記載の一般式(1)
で表される化合物をシランカップリング反応により連結
した材料を用いたことを特徴とする画像表示装置。ただ
し、一般式(1)中、X1、X2およびX3の少なくとも1つ
は脱離基である。
【0022】本発明のロイコ染料は、前記一般式(1)
で表されるロイコ染料であることを特徴とする。
【0023】また、前記課題を解決するため、本発明の
画像表示材料は、支持体上に、一般式(1)で表される
化合物がシランカップリング反応により連結されたこと
を特徴とする。
【0024】また、本発明の好ましい態様として、支持
体がガラスであることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載
される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範
囲を示す。
【0026】Leucoで表されるロイコ染料とは、外部環
境の変化、例えば、酸−塩基、熱、圧力、電場、磁場、
光などの刺激により、吸収帯の変化を伴う色素を意味す
る。Leucoで表されるロイコ染料としては、とくに制限
はないが、フタリド系発色団、フルオラン系発色団など
が挙げられる。各々の発色団の具体的な構造式は、「Ch
emistry and Application of Leuco Dyes」(R. Muthyal
a編、Plenum Press、1997年)の第97頁にフタリド系が、
第159頁にフルオラン系発色団が記載されている。Leuco
としては、フルオラン系発色団が好ましい。
【0027】Linkで表される2価の連結基は、炭素原
子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から構成される原子
団からなる。Linkで表される2価の連結基としては、炭
素数1から20のアルキレン基(例えば、メチレン、エ
チレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、シクロヘ
キサンー1,4−ジイル)、炭素数2から20のアルケ
ニレン基(例えば、エテニレン)、炭素数2から20の
アルキニレン基(例えば、エチニレン)、アミド基、エ
ーテル基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エ
ステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル
基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここ
で、Rは水素原子またはアルキル基、アリール基をあら
わす)、炭素数6から40のアリーレン基(例えば、
1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フ
ェニレン、1,4−ナフチレン、4,4’−ビフェニレ
ン)、炭素数1から30のヘテロアリーレン基(例え
ば、ピリジンー2,4−ジイル、チオフェンー2,4−
ジイル、フランー2,4−ジイル)、アゾ基、アゾキシ
基、複素環2価基(例えば、ピペラジンー1,4−ジイ
ル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭
素数0から60の2価の連結基が挙げられる。これらの
連結基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基と
しては、以下に述べる置換基群Vが挙げられる。 置換基群V:炭素数1から30、好ましくは炭素数2か
ら20、更に好ましくは炭素数3から10のアルコキシ
シリル基(例えばトリメトキシシリル、トリエトキシシ
リル、トリプロポキシシリル、トリブトキシシリル、ト
リペンチルオキシシリル)、炭素数18から50、好ま
しくは炭素数18から40、更に好ましくは炭素数18
から30のアリールオキシシリル基(例えばトリフェノ
キシシリル、トリナフトキシシリル、トリ(p−クロロ
フェニルオキシ)シリル、トリ(p−メチルフェニルオ
キシ)シリル)、 炭素数0から50、好ましくは炭素
数1から40、
【0028】更に好ましくは炭素数3から30のヘテロ
アリールオキシシリル基(例えばトリ(2−ピリジルオ
キシ)シリル、トリ(3−ピリジルオキシ)シリル、ト
リ(2−チエニルオキシ)シリル)、炭素数1から3
0、好ましくは炭素数2から20、更に好ましくは炭素
数3から10のアルキルシリル基(例えばトリメチルシ
リル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリブ
チルシリル、トリペンチルシリル)、ハロゲン原子(例
えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シア
ノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキ
シ基、炭素数1から10、好ましくは炭素数2から8、
更に好ましくは炭素数2から5のカルバモイル基(例え
ばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリ
ノカルバモイル)、0から10、好ましくは炭素数2か
ら8、更に好ましくは炭素数2から5のスルファモイル
基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイ
ル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1か
ら20、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは
炭素数1から8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキ
シ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から1
2、更に好ましくは炭素数6から10のアリールオキシ
基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−ク
ロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1から20、好
ましくは炭素数2から12、更に好ましくは炭素数2か
ら8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリク
ロロアセチル)、
【0029】炭素数1から20、好ましくは炭素数2か
ら12、更に好ましくは炭素数2から8のアシルオキシ
基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素
数1から20、好ましくは炭素数2から12、更に好ま
しくは炭素数2から8のアシルアミノ基(例えばアセチ
ルアミノ)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1か
ら10、更に好ましくは炭素数1から8のスルホニル基
(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼ
ンスルホニル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数
1から10、更に好ましくは炭素数1から8のスルフィ
ニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニ
ル、ベンゼンスルフィニル)、アミノ基、
【0030】炭素数1から20、好ましくは炭素数1か
ら12、更に好ましくは炭素数1から8の置換アミノ基
(例えばメチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミ
ノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニル
アミノ、4−エチルフェニルアミノ、3-n-プロピルフェ
ニルアミノ、4-n-プロピルフェニルアミノ、3-n-ブチル
フェニルアミノ、4-n-ブチルフェニルアミノ、3-n-ペン
チルフェニルアミノ、4-n-ペンチルフェニルアミノ、3
−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオ
ロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピ
リジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリ
ルアミノ、N,N-メチルフェニルアミノ、N,N-エチルフェ
ニルアミノ)、炭素数0から15、好ましくは炭素数3
から10、更に好ましくは炭素数3から6のアンモニウ
ム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアン
モニウム)、炭素数0から15、好ましくは炭素数1か
ら10、更に好ましくは炭素数1から6のヒドラジノ基
(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1から1
5、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素
数1から6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−
ジメチルウレイド基)、
【0031】炭素数1から15、好ましくは炭素数1か
ら10、更に好ましくは炭素数1から6のイミド基(例
えばスクシンイミド基)、炭素数1から20、好ましく
は炭素数1から12、更に好ましくは炭素数1から8の
アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロ
ピルチオ)、炭素数6から80、好ましくは炭素数6か
ら40、更に好ましくは炭素数6から30のアリールチ
オ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、
p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフ
チルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキ
シル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシ
ル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシ
ル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2
−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1から8
0、好ましくは炭素数1から40、更に好ましくは炭素
数1から30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリ
ジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−
キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、
炭素数2から20、好ましくは炭素数2から12、更に
好ましくは炭素数2から8のアルコキシカルボニル基
(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2
−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6から20、好
ましくは炭素数6から12、更に好ましくは炭素数6か
ら10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシ
カルボニル)、炭素数1から18、好ましくは炭素数1
から10、更に好ましくは炭素数1から5の無置換アル
キル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、
炭素数1から18、好ましくは炭素数1から10、更に
好ましくは炭素数1から5の置換アルキル基{例えばヒ
ドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カル
ボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルア
ミノメチル、またここでは炭素数2から18、好ましく
は炭素数3から10、更に好ましくは炭素数3から5の
不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シ
クロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)
も置換アルキル基に含まれることにする}、
【0032】炭素数6から20、好ましくは炭素数6か
ら15、更に好ましくは炭素数6から10の置換又は無
置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カ
ルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジク
ロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェ
ニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’
−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフ
ェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニ
ル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフ
ェニル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から
10、更に好ましくは炭素数4から6の置換又は無置換
のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリ
ジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフ
ルフリル)。これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレ
ン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これ
らの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示
した置換基が置換していても良い。Linkで表される2価
の連結基として好ましくは、アルキレン基である。
【0033】Mはケイ素、チタンまたはアルミニウムを
表し、Mとして特に好ましくはケイ素である。
【0034】X1、X2およびX3は各々置換基を表す。ただ
し、画像表示装置として一般式(1)を用いる場合、一
般式(1)中のX1、X2およびX3の少なくとも1つは脱離
基である。脱離基とは、攻撃する求核試薬により追出さ
れる化学種と定義され、「有機化学(上)」(マクマリ
ー著、伊東、児玉ほか訳、東京化学同人、1987年)の第
320頁に詳細が記載されている。脱離基としては、例え
ば、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、ア
ルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステ
ル、アミノ基などが挙げられる。X1、X2およびX3で表さ
れる脱離基として、好ましくはアルコキシ基またはアリ
ーロキシ基であり、特に好ましくはアルコキシ基であ
る。X1、X2およびX3で表される置換基としては、上述の
置換基群Vに記載の置換基が挙げられる。X1、X2およびX
3で表される置換基として好ましくは、アルコキシ基、
アリーロキシ基、アルキル基またはアリール基であり、
特に好ましくは、アルコキシ基である。
【0035】次に、一般式(2)で表される化合物につ
いて説明する。
【0036】式中、Ar1およびAr2は各々アリール基また
はヘテロアリール基を表し、Ar3 はアリール基またはヘ
テロアリール基を形成する原子群を表すが、Ar1、Ar2
よびAr3の少なくとも1つは、アルコキシシリル基を含
有する置換基が置換していることを特徴とする。アリー
ル基としては、例えばフェニル、ナフチル、p−カルボ
キシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロ
フェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニ
ル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−
ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェ
ニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニ
ル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフ
ェニルが挙げられ、ヘテロアリール基としては、例えば
ピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モ
ルホリノ、テトラヒドロフルフリルが挙げられる。さら
にこれらのアリール基およびヘテロアリール基は置換基
を有していてもよく、置換基としては上述の置換基群V
が挙げられる。置換基として好ましくは、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原
子、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキ
シシリル基を含有する置換基である。アルコキシシリル
基としては、無置換アルコキシシリル基が好ましく、例
えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ
プロピルシリル基、トリブチルシリル基などが挙げられ
る。特に好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチル
シリル基である。
【0037】以下に本発明のロイコ染料の具体例を示す
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】本発明のロイコ染料は、「Chemistry and
Application of Leuco Dyes」(R. Muthyala編、Plenum
Press、1997年)に記載の合成方法に従って合成すること
が可能である。
【0043】本発明のロイコ染料は、シランカップリン
グ反応によりガラスなどの無機材料と連結することに用
いられる。シランカップリング反応とは、アルコキシシ
リル、アリールオキシシリルなどのケイ素を含む官能基
が、加水分解および脱水縮合反応を経由して、ガラスな
どの無機材料と共有結合にてカップリングする反応を意
味する。本発明のロイコ染料に含まれるシランカップリ
ング反応が可能な官能基としては、アルコキシシリル基
が好ましく、特に好ましくは、トリメトキシシリル基、
トリエチルシリル基、トリプロポキシシリル基である。
【0044】シランカップリング反応は、いかなるもの
であってもよいが、好ましくは、無機質表面に対する反
応であり、特に好ましくはガラス表面に対する反応であ
る。シランカップリング反応は、原料となるシランカッ
プリング反応が可能である官能基を共有結合で有するロ
イコ染料を含むアルコールおよび水溶液に対して、触媒
として酸あるいはアルカリを添加することが好ましい。
ロイコ染料に対するアルコールの割合はいかなるもので
あってもよいが、好ましくは、ロイコ染料:アルコール
=1:0.1〜1:100であり、特に好ましくは、
1:1〜1:10の範囲である。アルコールとしては、
いかなるものであってもよいが、メタノール、エタノー
ルが好ましい。ロイコ染料に対する水の割合はいかなる
ものであってもよいが、好ましくは、ロイコ染料:水=
1:0.1〜1:1000であり、特に好ましくは、
1:1〜1:100の範囲である。触媒として用いる酸
としては、いかなるものであってもよいが、例えば、塩
酸、硫酸、リン酸、有機スルホン酸などが挙げられる。
触媒として用いるアルカリとしては、いかなるものであ
ってもよいが、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、3級窒素塩基(トリエチルアミン
など)、含窒素複素環(ピリジンなど)などが挙げられ
る。ロイコ染料に対する触媒の割合はいかなるものであ
ってもよいが、好ましくは、ロイコ染料:触媒=1:1
×10-6〜1:1であり、特に好ましくは、1:1×1
-5〜1:1×10-3の範囲である。
【0045】反応温度はいかなるものであってもよい
が、好ましくは0℃から300℃の範囲であり、特に好ま
しくは、20℃から200℃の範囲である。反応時間は
いかなるものであってもよいが、好ましくは1秒から1
00時間であり、特に好ましくは、1分から50時間の
範囲である。
【0046】シランカップリング反応が可能な官能基と
ロイコ染料は、2価の連結基で連結されていてもよく、
また、単結合で直接連結されていてもよい。好ましく
は、2価の連結基で連結されている場合である。また、
本発明のロイコ染料は、ゾルゲル反応を行いロイコ染料
が連結されたゲルを形成することに用いられる。ゾルゲ
ル反応とは、金属の有機化合物の溶液を原料として、加
水分解、重合によって溶液を金属酸化物または水酸化物
の微粒子が溶解したゾルとした後、反応が進行すること
でゲル化させることを特徴とする反応である。ゾルゲル
反応により作られる材料としては、SiO2、TiO2、ZrO2
Al 2O3、BaTiO、LiNbO3、KTaO3などが挙げられる。本発
明のゾルゲル反応としては、アルコキシランを原料と
し、SiO2とロイコ染料が複合化された材料が形成される
反応が好ましい。
【0047】ゾルゲル反応条件については、いかなるも
のであってもよいが、次に記載する条件が好ましい。加
水分解条件としては、原料となるゾルゲル反応が可能で
ある官能基を共有結合で有するロイコ染料を含むアルコ
ールおよび水溶液に対して、触媒として酸あるいはアル
カリを添加することが好ましい。ロイコ染料に対するア
ルコールの割合はいかなるものであってもよいが、好ま
しくは、質量比としてロイコ染料:アルコール=1:
0.1〜1:100であり、特に好ましくは、1:1〜
1:10の範囲である。アルコールとしては、いかなる
ものであってもよいが、メタノール、エタノールが好ま
しい。ロイコ染料に対する水の割合はいかなるものであ
ってもよいが、好ましくは、ロイコ染料:水=1:0.
1〜1:1000であり、特に好ましくは、1:1〜
1:100の範囲である。
【0048】本発明のゾル液には、加水分解/部分縮合
反応を促進する目的で、種々の触媒化合物を好ましく用
ることができる。用いられる触媒は特に制限はなく、用
いたゾル液の構成成分に応じて適量を使用すれば良い。
一般に有効であるのは下記(c1)〜(c5)の化合物であり、
これらの中から好ましい化合物を必要量添加することが
できる。また、これらの群の中2種以上をお互いの促進
効果が阻害されない範囲内で適宜選択して併用すること
ができる。
【0049】(c1)有機または無機の酸 無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、
亜硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、亜燐酸など、有機酸化合
物としてはカルボン酸類(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、
酪酸、コハク酸、シクロヘキサンカルボン酸、オクタン
酸、マレイン酸、2−クロロプロピオン酸、シアノ酢
酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、安息
香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フタル酸など)、スル
ホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホン
酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、燐酸・
ホスホン酸類(燐酸ジメチルエステル、フェニルホスホ
ン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラー
ト、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、ア
ルミン酸など)、ヘテロポリ酸(燐モリブデン酸、燐タ
ングステン酸など)を挙げることができる。
【0050】(c2)有機または無機の塩基 無機塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、アンモニアなど、有機塩基化合物としてはアミ
ン類(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、トリ
エチルアミン、ジブチルアミン、テトラメチルエチレン
ジアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、エタ
ノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、キヌクリジ
ン、アニリン、ピリジンなど)、ホスフィン類(トリフ
ェニルホスフィン、トリメチルホスフィンなど)、金属
アルコキサイド(ナトリウムメチラート、カリウムエチ
ラートなど)を挙げることができる。
【0051】(c3)金属キレート化合物 金属キレート化合物としてはトリ−n−ブトキシエチル
アセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス
(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキ
シトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テ
トラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウ
ム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニ
ウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニ
ウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポ
キシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ
イソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウ
ム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタ
ニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポ
キシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロ
ポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポ
キシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イ
ソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウ
ム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、
トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノア
セチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)
アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが
挙げられる。これらの金属キレート化合物のうち好まし
いものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテート
ジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセト
ナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトア
セテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウムが挙げられる。これらの金属キレート
化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用す
ることができる。また、これらの金属キレート化合物の
部分加水分解物を使用することもできる。
【0052】(c4)有機金属化合物 好ましい有機金属化合物としては特に制限はないが有機
遷移金属が活性が高く、好ましい。中でもスズの化合物
は安定性と活性が良く特に好ましい。これらの具体的化
合物例としては、(C4H9)2Sn(OCOC11H23)2、(C4H9)2Sn(O
COCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOC11H23)2、(C8H17)2
Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、Sn(OCOCC8H17)2などのカルボン
酸型有機スズ化合物;(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C4H
9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2CH2COOC
8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2などのメルカプチ
ド型やスルフィド型の有機スズ化合物、または(C4H9)2S
nO、(C8H 17)2SnO などの有機スズオキサイドとエチルシ
リケートマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フ
タル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物
などの有機スズ化合物などを挙げることができる。
【0053】(c5)金属塩類 金属塩類としては有機酸のアルカリ金属塩(例えばナフ
テン酸ナトリウム、ナフテン酸カリウム、オクタン酸ナ
トリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ラウリル
酸カリウムなど)が好ましく用いられる。
【0054】ゾルゲル触媒化合物の組成物中の割合は、
ゾル液の原料であるに対し、0.01〜50質量%、好
ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5
〜10質量%である。
【0055】(d)溶媒 溶媒はゾル液中の各成分を均一に混合させ、本発明の組
成物の固形分調整をすると同時に、種々の塗布方法に適
用できるようにし、組成物の分散安定性及び保存安定性
を向上させるものである。これらの溶媒は上記目的の果
たせるものであれば特に限定されない。これらの溶媒の
好ましい例として、例えば水、アルコール類、芳香族炭
化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類等が好適
である。
【0056】このうち、アルコール類としては、例えば
1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることがで
き、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽
和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類
の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロ
ピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエ
ーテルなどを挙げることができる。
【0057】また、芳香族炭化水素類の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類
の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
ど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケト
ンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げ
ることができる。これらの有機溶媒は、1種単独である
いは2種以上を混合して使用することもできる。有機溶
媒の組成物中の割合は特に限定されるものではなく、全
固形分濃度を使用目的に応じて調節する量が用いられ
る。
【0058】(e)キレート配位子化合物 ゾル液に金属錯体化合物を用いる場合、硬化反応速度の
調節や液安定性向上の観点でキレート配位能のある化合
物を用いることも好ましい。好ましく用いられるものと
してはβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル
類である。
【0059】このβ−ジケトン類および/またはβ−ケ
トエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、ア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−
プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n
−ブチル、アセト酢酸−sec-ブチル、アセト酢酸−t−
ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン
−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタ
ン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘ
キサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのう
ち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好まし
く、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジ
ケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1種単
独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。
かかるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル
類は、金属キレート化合物1モルに対し2モル以上、好
ましくは3〜20モルであり、2モル未満では得られる
組成物の保存安定性に劣るものとなる。
【0060】(f)水 本発明の好ましいゾル液には、前記(a)ないし(b) 成分
の加水分解・縮合反応用として水を添加する。水の使用
量は、(a)ないし(b) 成分1モルに対し、通常、1.2
〜3.0モル、好ましくは1.3〜2.0モル、程度で
ある。本発明の好ましいゾル液は、その全固形分濃度
が、0.1〜50質量%、好ましくは1〜40質量%で
あり、50質量%を超えると、組成物の保存安定性が悪
化して好ましくない。
【0061】支持体は、いかなる材質のもであってもよ
いが、好ましくは、ガラスあるいはフィルムである。フ
ィルムを形成する材料としては、セルロース誘導体
(例、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース
(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロ
ース、アセチルプロピオニルセルロース及びニトロセル
ロース)、ポリアミド、ポリカーボネート(例、米国特
許第3,023,101号に記載のもの)、ポリエステ
ル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−
シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボ
キシレート及び特公昭48−40414号公報に記載の
ポリエステル)、ポリスチレン、ポリオレフィン(例、
ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテ
ン)、ポリメチルメタクリレート、シンジオタクチック
ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド及びポリオキ
シエチレンを挙げることができる。トリアセチルセルロ
ース、ポリカーボネート及びポリエチレンテレフタレー
トが好ましい。
【0062】次に、本発明の画像表示装置について説明
する。本発明の画像表示装置は、いかなる用途に用いて
もよいが、例えば、調光材料、表示材料、情報記録材料
に応用することが可能である。画像表示をさせる方法と
しては、所望の位置にのみ、ロイコ染料が開環し発色す
る外部刺激(熱、圧力、光、電場、磁場等)を与えるこ
とにより達成される。また、同様に、発色させた状態か
ら、所望の位置にのみ、ロイコ染料が閉環し消色する外
部刺激を与えることにより書き換えることが可能とな
る。ロイコ染料を支持体に固定化する方法としては、前
述の方法が挙げられる。支持体としては、前述のものが
挙げられる。表示装置への実施化については、(1) Japa
n Hardcopy '99論文集 pp241-243(1999),(2)情報メテ゛ィア
学会誌,第53巻,pp1142-1146(1999),(3) Japan Hard
copy 2000,pp89(2000),(4) JapanHardcopy '96論文集
pp65-68(1996),(5)特許3113479号,(6)Adn.Mater.第12
巻,pp94-97(2000)等を参考にできる。
【0063】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量と
その割合、操作等は本発明の主旨から逸脱しない限り適
宜変更することができる。従って本発明の範囲は以下の
具体例に制限されるものではない。
【0064】実施例1(M−1の合成) M−1は下記スキームにて、文献記載の方法に従い合成
した。反応時間、反応温度、触媒等の反応条件は特に限
定されることなく文献に記載の条件等が好適に利用でき
る。
【0065】
【化12】
【0066】実施例2(本発明の化合物1−4の合成)
【0067】
【化13】
【0068】化合物(M-1)1.2g と化合物(M-2)
1.2gとをピリジン 10ml中混合し、室温下30時
間攪拌した。反応液に水を添加した後、有機物を酢酸エ
チルエステルにて抽出し、乾燥、溶媒留去し、得られた
残さをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製した後、
トルエンより再結晶化することで、目的とする本発明の
化合物(1-4) 1.0gを得た。 白色結晶 融点 160−165℃(分解)
【0069】実施例2(本発明の画像表示装置) 本発明の化合物(1−4) 50mgのエタノール溶液
80mlに0.01mol/Lの塩酸水溶液10mlを混合
し、室温下2時間放置した。この溶液にガラスを浸漬さ
せた後、ガラスを引き上げて、110℃で5時間加熱し
た。その結果、表面が赤色に着色されたガラス基板が作
製された。このガラスを水あるいはアルコール溶液に浸
しても、着色が消えることはなかった。一方、水酸化ナ
トリウムアルカリ水溶液に浸したところ、着色が徐々に
消えていき、淡赤色のガラスへと変化し、再び、塩酸水
溶液に浸したところ、赤色が徐々に濃くなった。すなわ
ち、酸塩基相互作用により、可逆的に色変化する画像表
示装置を作製することができた。
【0070】
【発明の効果】本発明のロイコ染料を用いることによ
り、無機材料とロイコ染料を共有結合にて連結すること
が可能であり、ロイコ染料のもつ酸−塩基相互作用に基
づいた可逆的発色機能とガラスのもつ機能とを複合化し
た、新規な画像表示装置を効率的に提供することが可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/30 C09B 11/00 Z C09B 11/00 B41M 5/18 103 L 101A 5/12 103 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA09 BB02 GG01 GG10 2H085 AA07 AA09 BB02 GG01 4H056 BA02 BB05 BB12 BB13 BB14 BB16 BC01 BC04 BD01 BF02E BF02F BF07F BF11F BF13F BF25F BF26E BF37E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されることを特徴と
    するロイコ染料。 一般式(1) 【化1】 式中、Leucoはロイコ染料を表す。Linkは2価の連結基
    または単結合を表す。Mはケイ素、チタンまたはアルミ
    ニウム原子を表す。X1、X2およびX3は各々置換基を表
    す。
  2. 【請求項2】支持体上に、請求項1に記載の一般式
    (1)で表される化合物をシランカップリング反応によ
    り連結した材料を用いたことを特徴とする画像表示装
    置。ただし、一般式(1)中、X1、X2およびX3の少なく
    とも1つは脱離基である。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012500860A (ja) * 2008-08-22 2012-01-12 エスエヌユー アールアンドディービー ファウンデーション シリカ系蛍光ナノ粒子
JP2016027075A (ja) * 2013-11-27 2016-02-18 東友ファインケム株式会社Dongwoo Fine−Chem Co., Ltd. 着色硬化性樹脂組成物
WO2017187970A1 (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 日本ゼオン株式会社 潤滑剤、及び潤滑方法

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