JP2003236754A - ブラスト方法および装置 - Google Patents

ブラスト方法および装置

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JP2003236754A
JP2003236754A JP2002042111A JP2002042111A JP2003236754A JP 2003236754 A JP2003236754 A JP 2003236754A JP 2002042111 A JP2002042111 A JP 2002042111A JP 2002042111 A JP2002042111 A JP 2002042111A JP 2003236754 A JP2003236754 A JP 2003236754A
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Japan
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gas
shot material
blasting
supply system
acceleration
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JP2002042111A
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English (en)
Inventor
Kenji Fukuda
健治 福田
Shoji Sekihara
章司 関原
Hidetoshi Ota
英俊 太田
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたブラスト処理効果を得ることができ、
かつコスト低減を図ることができるブラスト方法および
装置を提供する。 【解決手段】 ショット材Sを供給するショット材供給
系1と、ショット材Sを噴射する噴射ノズル2と、加速
用ガスGを噴射ノズル2に供給する加速用ガス供給系1
1と、被ブラスト物Mを洗浄処理する洗浄部21と、洗
浄部21内のガスをイオン化するイオナイザ24とを備
えたブラスト装置10を用い、窒素ガスGNと、希ガス
であるアルゴンガスGArとの混合ガスを加速用ガスGと
して洗浄部21に供給し、加速用ガスGをイオナイザ2
4でイオン化し、このイオン化混合ガス雰囲気下でショ
ット材Sの噴射を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被ブラスト物にシ
ョット材を噴射し、被ブラスト物から付着物や不要物を
除去するブラスト方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属表面の研磨、鋳物やプラスチック製
品等のバリ取り、半導体ウエハ等の精密部品の洗浄等に
おいて、ショット材を用いたブラスト方法が用いられて
いる。このブラスト方法では、ショット材を加速用ガス
とともに噴射し、被ブラスト物に衝突させることにより
ブラスト(洗浄等)を行う。ショット材としては、スノ
ー状ドライアイス、ペレット状ドライアイス、樹脂片、
砂、重曹、ガラス製や金属製の粉粒体等が用いられてい
る。加速用ガスは、ショット材の種類に応じて適宜選択
されるが、窒素ガス等の不活性ガスや圧縮空気を使用す
るのが一般的である。
【0003】特にスノー状、ペレット状などのドライア
イスをショット材として用いる場合には、ショット材が
使用後昇華するため、被ブラスト物がショット材により
汚染されることが無く、取り扱いが容易となる利点があ
る。そのため、ドライアイスをショット材として用いた
ブラスト方法は、液晶用ガラス基板、複写機のリサイク
ル部品、半導体ウエハ、電気・電子部品、MRヘッド、
プラスチック成形品、精密部品等に付着した有機物、
酸、炭水化物、パーティクル等の除去、バリ除去など、
広範囲の分野において用いられている。
【0004】しかしながら、上記ブラスト方法では、配
管や噴射ノズルとショット材との摩擦により静電気が発
生することがあった。またショット材が被ブラスト物に
衝突した時や、被ブラスト物から離れる時などにおいて
静電気が発生することがあった。静電気が発生した場合
には、ブラスト時に被ブラスト物から剥離した塵埃、シ
ョット材などが帯電し、これらが被ブラスト物やブラス
ト処理室内壁に付着してブラスト効果(洗浄効果等)を
損なうことがあった。
【0005】特開2000−6027号公報には、この
ような不都合を解決し、静電気を除去することができる
ブラスト方法が提案されている。この公報に開示された
ブラスト方法では、内面を導電体で構成したブラスト処
理室を用い、この導電体をアースした状態でブラスト処
理を行う。この方法では、帯電したショット材や塵埃が
処理室内壁面との接触により直ちに除電され、自重によ
り直ちに落下して、集塵装置等の回収装置に効率よく回
収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ブ
ラスト方法では、処理室内に浮遊するショット材や塵埃
等を除電することができないため、この浮遊物を原因と
してブラスト処理(洗浄等)が不十分となることがあっ
た。また、被ブラスト物が不導電体の場合には、被ブラ
スト物の電荷を除去しにくくなる不都合があった。ま
た、静電気によって発生する電荷は、常に正(プラス)
と負(マイナス)のうちいずれか一方となるわけでな
く、条件によってはプラスの電荷が発生したり、逆にマ
イナスの電荷が発生する。このため、塵埃が、被ブラス
ト物の電荷に対し逆の電荷をもつ場合には、塵埃が被ブ
ラスト物に付着しやすくなることがあった。また、被ブ
ラスト物がブラスト処理される前から帯電している場合
には、その電荷を除くことができず、塵埃が被ブラスト
物に付着しやすくなる問題があった。さらには、ブラス
ト処理室を導電体を用いて構成することが必要となるた
め、設備コストがかさむ不都合があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
優れたブラスト処理効果を得ることができ、かつコスト
低減を図ることができるブラスト方法および装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のブラスト方法
は、窒素ガス、希ガス、およびこれら以外のガスのうち
少なくとも2種類を含む混合ガスをイオン化し、このイ
オン化混合ガス雰囲気下でショット材の噴射を行うこと
を特徴とする。本発明では、混合ガスを構成する少なく
とも2種類のガスの濃度のうち、少なくとも1種類の濃
度を5vol%以上とするのが好ましい。
【0009】本発明のブラスト装置は、ショット材を供
給するショット材供給系と、ショット材を噴射する噴射
ノズルと、ショット材を加速させる加速用ガスを噴射ノ
ズルに供給する加速用ガス供給系と、噴射ノズルから噴
射されたショット材によって被ブラスト物をブラスト処
理するブラスト部と、ブラスト部内のガスをイオン化す
るイオン化手段とを備え、加速用ガス供給系が、窒素ガ
ス、希ガス、およびこれら以外のガスのうち少なくとも
2種類を含む混合ガスを加速用ガスとして供給できるよ
うにされていることを特徴とする。本発明のブラスト装
置は、ショット材を供給するショット材供給系と、ショ
ット材を噴射する噴射ノズルと、ショット材を加速させ
る加速用ガスを噴射ノズルに供給する加速用ガス供給系
と、噴射ノズルから噴射されたショット材によって被ブ
ラスト物をブラスト処理するブラスト部と、加速用ガス
をイオン化するイオン化手段とを備え、加速用ガス供給
系が、窒素ガス、希ガス、およびこれら以外のガスのう
ち少なくとも2種類を含む混合ガスを加速用ガスとして
供給できるようにされている構成とすることができる。
本発明のブラスト装置は、ショット材を供給するショッ
ト材供給系と、ショット材を噴射する噴射ノズルと、シ
ョット材を加速させる第1ガスを加速用ガスとして噴射
ノズルに供給する加速用ガス供給系と、噴射ノズルから
噴射されたショット材によって被ブラスト物をブラスト
処理するブラスト部と、第2ガスをブラスト部に供給す
る第2ガス供給系と、ブラスト部内のガスをイオン化す
るイオン化手段とを備え、第1ガスが、窒素ガス、希ガ
ス、およびこれら以外のガスのうち少なくとも1種類を
含み、第2ガスが、窒素ガス、希ガス、およびこれら以
外のガスのうち少なくとも1種類を含み、かつ第1ガス
と異なるガスである構成とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明のブラスト装置の第
1の実施形態を示すものである。このブラスト装置10
は、ショット材S(スノー状ドライアイスTs)を供給
するショット材供給系1と、ショット材Sを噴射する噴
射ノズル2と、ショット材Sを加速させる加速用ガスG
を噴射ノズル2に供給する加速用ガス供給系11と、被
ブラスト物Mを洗浄処理する洗浄部(ブラスト部)21
と、洗浄部21内のガスをイオン化するイオナイザ(イ
オン化手段)24とを備えて構成されている。
【0011】ショット材供給系1は、液化炭酸ガスTL
を貯留する液化炭酸ガス容器3が、ニードル弁などの絞
り手段4を介して管路5により噴射ノズル2に連結され
て構成されている。符号6は圧力計である。
【0012】加速用ガス供給系11は、第1ガスである
窒素ガスGNを充填した窒素ガス容器12と、第2ガス
であるアルゴンガスGArを充填したアルゴンガス容器1
3とを備えている。符号V1は、窒素ガス容器12から
の窒素ガスGNを減圧する減圧弁であり、符号14は、
窒素ガスGNの流量を調整するマスフローコントローラ
であり、符号V2は、アルゴンガス容器13からのアル
ゴンガスGArを減圧する減圧弁であり、符号16は、ア
ルゴンガスGArの流量を調整するマスフローコントロー
ラであり、符号V3は、窒素ガスGNとアルゴンガスGAr
との混合ガスを、圧力を調整して噴射ノズル2に供給す
る弁である。なお、符号14、16で示すマスフローコ
ントローラに代えて、流量調整弁やオリフィスを用いて
も良い。
【0013】洗浄部21は、被ブラスト物Mを載置する
載置台22と、載置台22上の被ブラスト物Mを囲むフ
ード23とを備えている。フード23内部には、上記噴
射ノズル2およびイオナイザ24が配置されている。洗
浄部21は、フード23内の塵埃等を、フード23の下
部開口23aを通して加速用ガスGおよびスノー状ドラ
イアイスTsとともに回収する回収系(図示せず)を備
えている。イオナイザ24としては、交流コロナ放電式
イオナイザ、直流コロナ放電式イオナイザ、紫外線照射
式イオナイザ、または軟X線イオナイザを用いることが
できる。
【0014】なお、このブラスト装置10では、ガス容
器12からの窒素ガスGNと、ガス容器13からのアル
ゴンガスGArとを混合した混合ガスを、噴射ノズル2に
供給するように構成したが、窒素ガスGNとアルゴンガ
スGArとを予め混合した混合ガスを充填したガス容器を
用いることもできる。
【0015】次に、図1に示すブラスト装置10を用い
る場合を例として、本発明のブラスト方法の第1の実施
形態について説明する。被ブラスト物Mとしては、液晶
用ガラス基板、複写機のリサイクル部品、半導体ウエ
ハ、電気・電子部品、MRヘッド、プラスチック成形
品、精密部品等を例示できる。ガス容器12、13から
窒素ガスGNおよびアルゴンガスGArを管路15、17
を通して導出し、減圧弁V1、V2で減圧し、マスフロー
コントローラ14、16に導入する。
【0016】マスフローコントローラ14、16におい
て、窒素ガスGNおよびアルゴンガスGArの流量を調整
した後、これらを管路18で合流させ、混合ガスを噴射
ノズル2に供給し、噴射させる。窒素ガスGNおよびア
ルゴンガスGArの流量は、混合ガス中の窒素ガスGNお
よびアルゴンガスGArのうち少なくとも一方の濃度が、
5vol%以上となるように調整するのが好ましい。こ
の濃度が上記範囲を下回る場合には、洗浄効果が不十分
となりやすくなる。この際、フード23内を、この混合
ガスで置換するのが好ましい。これにより、フード23
の空気(酸素)を排出し、洗浄時にオゾンが発生するの
を防止することができる。
【0017】フード23内の窒素ガスGNとアルゴンガ
スGArは、イオナイザ24によりイオン化される。被ブ
ラスト物Mが、液晶用ガラス基板などの半導体部品等で
ある場合には、回路が静電気により破損しやすいため、
フード23内ガスの荷電を±30Vの範囲内とするのが
好ましい。この際、窒素ガスGNは電子を受け取ってマ
イナスに帯電する一方、電子親和力がゼロであるアルゴ
ンガスGArは電子を奪われてプラスに帯電する。このよ
うに、窒素ガスGNがマイナスに帯電し、アルゴンガス
GArがプラスに帯電するのは、以下の理由によると推察
できる。アルゴンガスは窒素ガスと比較して若干イオン
化エネルギーは大きいが、アルゴンガスは電子親和力が
ゼロであり、電子と結合することがないため、窒素ガス
が電子を引きつけてマイナスとなり、アルゴンガスは電
子を奪われプラスとなると考えられる。
【0018】液化炭酸ガス容器3より液化炭酸ガスTL
を導出し、絞り手段4により自由膨張させてスノー状ド
ライアイスTsを生成させ、管路5により噴射ノズル2
に供給する。噴射ノズル2に供給されたスノー状ドライ
アイスTsは、噴射ノズル2内で、加速用ガスG(窒素
ガスGNとアルゴンガスGArとの混合ガス)に同伴され
て噴射され、載置台22上の被ブラスト物Mに吹き付け
られ、被ブラスト物Mが洗浄される。
【0019】噴射ノズル2に供給されるスノー状ドライ
アイスTsは、管路5や被ブラスト物Mとの接触により
生じる静電気により荷電することがあるが、発生した電
荷は、フード23内でイオン化により帯電した窒素ガス
GN(マイナス帯電)またはアルゴンガスGAr(プラス
帯電)により中和されて除電される。すなわち、スノー
状ドライアイスTsがマイナスに荷電した場合には、ア
ルゴンガスGArによって除電され、プラスに荷電した場
合には、窒素ガスGNによって除電される。
【0020】本実施形態のブラスト方法では、以下の効
果を得ることができる。 (1)窒素ガスGNと、電子親和力がゼロであるアルゴ
ンガスGArをイオナイザ24によってイオン化すること
によって、これら窒素ガスGNおよびアルゴンガスGAr
を、それぞれプラスおよびマイナスに帯電させることが
できる。このため、スノー状ドライアイスTsや、フー
ド23内の塵埃が荷電した場合に、この荷電を正負にか
かわらず除電することができる。従って、塵埃などが電
気的に被ブラスト物Mに付着するのを防止し、優れた洗
浄効果(ブラスト効果)を得ることができる。また、被
ブラスト物Mが半導体製品等である場合に、荷電により
製品に悪影響が及ぶのを防ぐことができる。 (2)フード23に導入されて被ブラスト物に接触する
加速用ガスG(窒素ガスGNおよびアルゴンガスGAr)
を帯電させることができるため、被ブラスト物Mを効率
的に除電することができる。従って、被ブラスト物Mが
不導電体である場合にも、これを除電することができ
る。また被ブラスト物Mが処理前から帯電している場合
にも、これを除電することができる。 (3)導電体を用いて構成されたブラスト処理室を用い
る従来技術に比べ、洗浄部21に特殊な構造を採用する
必要がないため、設備コストを低く抑えることができ
る。
【0021】図2は、本発明のブラスト装置の第2の実
施形態を示すもので、このブラスト装置20は、イオナ
イザ24を加速用ガスGの供給管路18に設けた点で、
図1に示すブラスト装置10と異なる。すなわち、この
ブラスト装置20は、ショット材供給系1と、噴射ノズ
ル2と、加速用ガス供給系11と、洗浄部21と、加速
用ガス供給系11からの加速用ガスGをイオン化するイ
オナイザ24とを備えて構成されている。
【0022】このブラスト装置20を用いて被ブラスト
物Mを洗浄する際には、混合ガス(加速用ガスG)をイ
オナイザ24でイオン化する。これによって、混合ガス
中の窒素ガスGNがマイナスに帯電し、アルゴンガスGA
rがプラスに帯電する。イオン化した混合ガスを噴射ノ
ズル2に供給することによって、フード23内をイオン
化雰囲気とすることができる。なお、効率よく除電を行
うため、フード23内に静電気検出器を取り付け、この
検出器により、除電を行おうとする箇所の帯電量を測定
し、測定値に基づいてイオナイザ24の出力を制御する
ことによって、イオン発生量を制御することが望まし
い。また発生させたイオンの電荷を消滅させないため、
イオナイザ24とフード23との間の配管を樹脂製とす
るのが好ましい。また金属配管を用いる場合には該配管
を極力短くすることが望ましい。
【0023】このブラスト方法では、第1実施形態の方
法と同様に、塵埃が被ブラスト物Mに付着するのを防止
し、優れた洗浄効果(ブラスト効果)を得ることができ
る。さらには、既存のブラスト装置の加速用ガス供給系
の管路にイオナイザを配設することで、ブラスト装置2
0を構成することができるため、設備コストを低く抑え
ることができる。
【0024】図3は、本発明のブラスト装置の第3の実
施形態を示すもので、このブラスト装置30は、アルゴ
ンガス容器13からのアルゴンガスGArを、管路25を
通して直接フード23に導入できるようにされている点
で、図1に示すブラスト装置10と異なる。このブラス
ト装置30は、ショット材供給系1と、噴射ノズル2
と、第1ガスである窒素ガスGNを加速用ガスGとして
噴射ノズル2に供給する加速用ガス供給系11と、洗浄
部21と、第2ガスであるアルゴンガスGArを洗浄部2
1に供給するアルゴンガス供給系(第2ガス供給系)2
6と、イオナイザ24とを備えて構成されている。
【0025】このブラスト装置を用いて被ブラスト物M
を洗浄する際には、窒素ガスGNを、管路15、18を
介して噴射ノズル2に供給するとともに、アルゴンガス
GArを、管路25を介してフード23内に供給する。フ
ード23内の窒素ガスGNとアルゴンガスGArは、イオ
ナイザ24によりイオン化され、窒素ガスGNがマイナ
スに帯電し、アルゴンガスGArがプラスに帯電する。
【0026】このブラスト方法では、第1実施形態の方
法と同様に、塵埃が被ブラスト物Mに付着するのを防止
し、優れた洗浄効果(ブラスト効果)を得ることができ
る。
【0027】上記各実施形態のブラスト方法では、窒素
ガスGNとアルゴンガスGArとを用いる方法を例示した
が、本発明で使用可能なガスはこれらに限定されない。
第1および第2実施形態のブラスト方法では、窒素ガス
GNとアルゴンガスGArとの混合ガスを用いたが、本発
明では、この混合ガスとして、窒素ガス、希ガス、およ
びこれら以外のガスのうち少なくとも2種類を含むもの
を用い、この混合ガスをイオン化したガス雰囲気下でシ
ョット材の噴射を行う方法をとることができる。希ガス
としてはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キ
セノンなどを用いることができる。窒素ガスおよび希ガ
ス以外のガス(以下、「その他ガス」という)として
は、アルコール類、水の気化ガス(水蒸気)、炭酸ガ
ス、酸素を用いることができる。窒素ガスと希ガスとを
含む混合ガスを用いる場合には、窒素ガスがマイナスに
帯電し、希ガスがプラス帯電する。窒素ガスとその他ガ
スとを含む混合ガスを用いる場合には、窒素ガスがマイ
ナスに帯電し、その他ガスがプラス帯電する。希ガスと
その他ガスとを含む混合ガスを用いる場合には、その他
ガスがマイナス帯電し、希ガスがプラスに帯電する。
【0028】また、第3実施形態のブラスト方法では、
第1ガス(加速用ガス)として窒素ガスGNを用い、第
2ガスとしてアルゴンガスGArを用いたが、本発明で
は、第1ガスとして、窒素ガス、希ガス、およびその他
ガスのうち少なくとも1種類を含むものを用い、第2ガ
スとして、窒素ガス、希ガス、およびその他ガスのうち
少なくとも1種類を含み、かつ第1ガスと異なるガスを
用いることができる。窒素ガスと希ガスとを用いる場合
には、窒素ガスがマイナスに帯電し、希ガスがプラス帯
電する。窒素ガスとその他ガスとを用いる場合には、窒
素ガスがマイナスに帯電し、その他ガスがプラス帯電す
る。希ガスとその他ガスとを用いる場合には、その他ガ
スがマイナス帯電し、希ガスがプラスに帯電する。な
お、オゾンにより劣化するおそれがない被ブラスト物を
対象とする場合には、第2ガスとして酸素ガスを使用す
ることもできる。
【0029】使用するガスの選択は、ショット材供給系
統の材質、被ブラスト物に応じて行うことができる。ま
た、本発明では、ショット材として、スノー状ドライア
イスに限らず、ペレット状ドライアイス、重曹、砂、樹
脂片、金属メディア等を用いることができる。
【0030】
【実施例】以下、具体例を示して本発明の効果を明確に
する。 (実施例1)図1に示すブラスト装置10を用いて、半
導体部品である液晶用ガラス基板を被ブラスト物Mとし
て洗浄テストを行った。イオナイザ24としては、交流
コロナ放電式イオナイザを用いた。
【0031】窒素ガス容器12およびアルゴンガス容器
13よりそれぞれ窒素ガスGN、アルゴンガスGArを導
出し、減圧弁V1、V2によりそれぞれ0.5MPaの圧力
に減圧して、管路15、17を通してそれぞれマスフロ
ーコントローラ14、16に導入した。
【0032】マスフローコントローラ14、16におい
て、窒素ガスGNとアルゴンガスGArの流量をそれぞれ
200L/min、20/minに調整し、窒素ガスG
NとアルゴンガスGArとの混合ガス(混合比10:1)
を噴射ノズル2に供給し、管路15、17、18内、お
よびフード23内をこの混合ガス(窒素ガスGN+アル
ゴンガスGAr)で置換した。次いで、イオナイザ24に
よってフード23内のガス雰囲気をイオン化し、フード
23内ガスの荷電を±30Vの範囲内とした。
【0033】次いで、液化炭酸ガスTLを、約6MPaの
圧力で液化炭酸ガスを貯留したガス容器3から液化炭酸
ガスTLを導出し、絞り手段4により自由膨張させてス
ノー状ドライアイスTsを生成させ、これを管路5を通
して噴射ノズル2に供給した。噴射ノズル2に供給され
たスノー状ドライアイスTsを、加速用ガスG(窒素ガ
スGNとアルゴンガスGArとの混合ガス)とともに噴射
し、載置台22に載置された液晶用ガラス基板に吹き付
け、これを洗浄した。
【0034】被ブラスト物Mを1分間洗浄した後、被ブ
ラスト物Mを観察したところ、塵埃がほとんど付着して
いないことが確認された。また被ブラスト物Mの電荷を
測定したところ、22Vであり、この電荷を±30V以
内に抑えることができたことが確認された。
【0035】(比較例)図1に示すブラスト装置10を
用い、アルゴンガスGArを用いずに、窒素ガスGNのみ
を加速用ガスGとして用いること以外は実施例1と同様
にして被ブラスト物Mを1分間洗浄した。洗浄直後に被
ブラスト物Mの電荷を測定したところ、−13kVに帯
電しており、静電気を抑制することができなかったこと
がわかった。洗浄した被ブラスト物M(液晶用ガラス基
板)を調べたところ、静電気により回路に不具合が生じ
たことがわかった。
【0036】被ブラスト物Mのマイナス帯電が大きくな
ったのは、窒素ガスGNがプラスに荷電しにくいため、
スノー状ドライアイスTsの噴射により発生したマイナ
ス電荷を除電することができなかったためであると推察
できる。
【0037】(実施例2)図3に示すブラスト装置30
を用いて、窒素ガスGNを、管路15、18を介して噴
射ノズル2に供給するとともに、アルゴンガスGArを管
路25を介してフード23内に供給し、被ブラスト物M
(液晶用ガラス基板)を洗浄した。窒素ガスGNを、圧
力0.5MPa、流量200L/minで噴射ノズル2に
供給するとともに、アルゴンガスGArを、圧力0.2M
Pa、流量20L/minで噴射ノズル2に供給した。
被ブラスト物Mを1分間洗浄した後、被ブラスト物Mを
観察したところ、塵埃がほとんど付着していないことが
確認された。また被ブラスト物Mの電荷を測定したとこ
ろ、この電荷を±30V以内に抑えることができたこと
が確認された。
【0038】
【発明の効果】本発明のブラスト方法は、窒素ガス、希
ガス、およびこれら以外のガスのうち少なくとも2種類
を含む混合ガスをイオン化し、このイオン化混合ガス雰
囲気下でショット材の噴射を行うので、これらのガス
を、それぞれプラスおよびマイナスに帯電させることが
できる。このため、ブラスト部内でショット材や塵埃が
荷電した場合に、この荷電を正負にかかわらず除電し、
塵埃等が被ブラスト物に付着するのを防止し、優れたブ
ラスト効果を得ることができる。また、ブラスト部に特
殊な構造を採用する必要がないため、設備コストを低く
抑えることができる。従って、コスト低減を図ることが
でき、かつ優れたブラスト処理効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブラスト装置の第1の実施形態を示
す概略構成図である。
【図2】 本発明のブラスト装置の第2の実施形態を示
す概略構成図である。
【図3】 本発明のブラスト装置の第3の実施形態を示
す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・ショット材供給系、2・・・噴射ノズル、11・・・加
速用ガス供給系、21・・・洗浄部(ブラスト部)、24・
・・イオナイザ、10、20、30・・・ブラスト装置、M・
・・被ブラスト物、S・・・ショット材、TL・・・液化炭酸ガ
ス、Ts・・・スノー状ドライアイス、G・・・加速用ガス、
GN・・・窒素ガス、GAr・・・アルゴンガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 英俊 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本酸 素株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショット材を被ブラスト物に向けて噴射
    するブラスト方法であって、 窒素ガス、希ガス、およびこれら以外のガスのうち少な
    くとも2種類を含む混合ガスをイオン化し、このイオン
    化混合ガス雰囲気下でショット材の噴射を行うことを特
    徴とするブラスト方法。
  2. 【請求項2】 混合ガスを構成する少なくとも2種類の
    ガスのうち、少なくとも1種類の濃度が、5vol%以
    上であることを特徴とする請求項1記載のブラスト方
    法。
  3. 【請求項3】 ショット材を供給するショット材供給系
    と、ショット材を噴射する噴射ノズルと、ショット材を
    加速させる加速用ガスを噴射ノズルに供給する加速用ガ
    ス供給系と、噴射ノズルから噴射されたショット材によ
    って被ブラスト物をブラスト処理するブラスト部と、ブ
    ラスト部内のガスをイオン化するイオン化手段とを備
    え、 加速用ガス供給系は、窒素ガス、希ガス、およびこれら
    以外のガスのうち少なくとも2種類を含む混合ガスを加
    速用ガスとして供給できるようにされていることを特徴
    とするブラスト装置。
  4. 【請求項4】 ショット材を供給するショット材供給系
    と、ショット材を噴射する噴射ノズルと、ショット材を
    加速させる加速用ガスを噴射ノズルに供給する加速用ガ
    ス供給系と、噴射ノズルから噴射されたショット材によ
    って被ブラスト物をブラスト処理するブラスト部と、加
    速用ガスをイオン化するイオン化手段とを備え、 加速用ガス供給系は、窒素ガス、希ガス、およびこれら
    以外のガスのうち少なくとも2種類を含む混合ガスを加
    速用ガスとして供給できるようにされていることを特徴
    とするブラスト装置。
  5. 【請求項5】 ショット材を供給するショット材供給系
    と、ショット材を噴射する噴射ノズルと、ショット材を
    加速させる第1ガスを加速用ガスとして噴射ノズルに供
    給する加速用ガス供給系と、噴射ノズルから噴射された
    ショット材によって被ブラスト物をブラスト処理するブ
    ラスト部と、第2ガスをブラスト部に供給する第2ガス
    供給系と、ブラスト部内のガスをイオン化するイオン化
    手段とを備え、 第1ガスが、窒素ガス、希ガス、およびこれら以外のガ
    スのうち少なくとも1種類を含み、 第2ガスが、窒素ガス、希ガス、およびこれら以外のガ
    スのうち少なくとも1種類を含み、かつ第1ガスと異な
    るガスであることを特徴とするブラスト装置。
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