JP4315123B2 - 除電方法 - Google Patents

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本発明は帯電粉体の除電方法に関し、特に工業製品の製造工程において使用される粉体の除電方法に関する。
高分子化合物などの有機粉体あるいはセラミックなどの無機粉体は帯電しやすいため、これらの帯電粉体を原料とする場合、各種プロセスにおいて安全性や生産効率への影響を考慮する必要がある。
例えば、電子部品などを搭載するプリント配線板の基板となる積層板はエポキシ樹脂などを含有する樹脂ワニス中に添加剤としてシリカ粉体、タルク粉体あるいはアルミナ粉体などの無機粉体を混合し、これを成形して製造されている。このような無機粉体は従来有機粉体に比べて帯電量が少なく取り扱いが容易であったが、高性能の積層板を形成するために微粒子化や表面処理が検討されており帯電しやすい粉体となってきている。このため粉体を充填した原料タンクなどの粉体供給部から他の成分と混合するための混合槽へ粉体を搬送する際に配管を通過させる場合、配管内壁に帯電粉体が付着しやすく粉体供給部の減量分を測定することによる減量法では正確な計量ができず他の成分に対して所定量の配合が行われないという問題や、配管内壁に付着した粉体を混合槽に搬送するためには配管外から振動を与える必要があり、著しく生産効率が低下するという問題がある。また、樹脂ワニス調製のために粉体を有機溶媒などの可燃性液体と混合する場合には帯電により放電が発生し、空気などの支燃性ガス雰囲気では粉塵爆発や火災が発生する虞がある。
このため除電を行う必要があるが、帯電粉体の除電方法としては粉体を充填した粉体供給部の外壁を除電することや、予め不活性ガスを粉体供給部内に供給すること、さらには粉体を撹拌しながら除電剤を散布することなどが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平7−192886号
しかしながら、粉体供給部の外壁からのみの除電では間接的な除電であるため粉体などの除電されにくい帯電物では長時間の除電が必要となる。また、一旦除電を行っても粉体供給部内の粉体同士の接触による再帯電の発生や、粉体が原料タンクなどの粉体供給部から搬送される場合には配管内壁との接触による帯電発生のため本質的な解決となっていない。
また、不活性ガスの導入はガスの供給のみであるため除電効果が低く、微粒子で嵩高い粉体では粉体層の内部まで不活性ガスが行き渡らないため十分な除電が行えていないのが現状である。例えば、前記した積層板の製造において使用される無機粉体では安全性確保のために帯電量を20kV未満とすることが必要であるが、粉体供給部での不活性ガスのみによる除電では40kV程度までしか除電できないことが判明した。
さらに除電剤を添加する方法では配合工程において組成が変動してしまうため、他の成分と混合する製造工程では使用することができない。
一方、フィルムなどの長尺の帯電物を走行状態とし、そのフィルムの表面を棒状電極などにより除電することも行われているが、帯電物が粉体の場合、容器内に充填された状態では粉体層の厚さがあるため表面のみが除電されるという問題や、帯電電荷以上の除電が行われると表面のみ除電が進行しすぎて逆極性に帯電させてしまう場合があり、全体が均一に除電された粉体を得ることができず、また粉体の帯電量に応じて除電条件を変更することが困難である。
本発明は上記課題を解決するものであり、帯電粉体が用いられる製造工程において安全性を確保しつつ、生産効率を改善できる帯電粉体の除電方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明の帯電粉体の除電方法は、帯電粉体を流動状態とし、その流動状態にある帯電粉体にイオン化した不活性ガスを供給することにより除電を行うことを特徴とするものである。
また本発明の請求項2に係る発明の除電方法は、上記請求項1に係る発明の除電方法において粉体の自由落下により帯電粉体の流動状態を形成することを特徴とするものである。
また本発明の請求項3に係る発明の除電方法は、上記請求項1に係る発明の除電方法において粉体の搬送気体にイオン化した不活性ガスを用いることにより帯電粉体の流動状態を形成することを特徴とするものである。
またさらに本発明の請求項4に係る発明の除電方法は、上記請求項1〜3のいずれか1項の発明の除電方法において、無機粉体が帯電粉体である場合、前記無機粉体を2〜6kg/分で供給しながら流動状態を形成し、前記流動状態にある無機粉体に前記イオン化した不活性ガスを30〜300L/分で供給しつつ、前記無機粉体を前記イオン化した不活性ガスに30秒〜2分接触することにより帯電量を低減することを特徴とするものである。
請求項1に係る発明の除電方法によれば、イオン化した不活性ガスにより除電を行うため除電効果が高く、不活性ガス単独での除電よりも短時間で効率的に帯電した粉体を電気的に中和することができるとともに、支燃性ガスを用いないため安全性に優れた除電を行うことができる。また、前記不活性ガスを流動状態にある帯電粉体に供給するため連続的な処理が可能であるとともに、粉体層の内部まで除電を行え、処理粉体全体の帯電量を均質化することができ、配管内壁などへの粉体の付着を低減することができるため帯電粉体が用いられる製造工程に利用すれば短時間の搬送処理が可能であり、計量誤差も低減されるため生産効率を改善することができる。さらに、イオン化した不活性ガスを供給することにより除電を行うため除電条件の変更が容易であり、帯電量の異なる粉体を除電する場合も帯電粉体に適した所望の除電を行うことができる。
請求項2に係る発明の除電方法によれば、帯電粉体の流動状態を自由落下によって形成するため製造プロセスで粉体を搬送する途中での除電が可能であり、別途除電処理設備を設ける必要がない。また、本発明の除電方法は短時間での除電が可能であるため、粉体供給部から粉体を搬送する際に粉体を自由落下させることによって流動状態を形成しても十分に除電することができる。
請求項3に係る発明の除電方法によれば、帯電量が多い帯電粉体や除電後の帯電量を低下させたい場合で、粉体の自由落下では帯電粉体とイオン化した不活性ガスの接触時間が十分確保できない場合に、粉体の搬送気体にイオン化した不活性ガスが用いられるため、粉体を十分に除電することができ、配管などへの付着をさらに低減することができる。
請求項4に係る発明の除電方法によれば、帯電粉体が無機粉体である場合に帯電量を低減し、有機溶媒などの可燃性液体と混合する積層板製造時において製造工程の安全性と生産効率を改善することができる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の一形態に係る除電方法を実施する処理装置の一例を示す概略構成図であり、樹脂製の配管2、混合槽3及び配管2の途中で帯電粉体1を除電するためのイオン化した不活性ガス5を配管2内に供給する不活性ガス供給部4からなっている。また、処理装置は防爆エリア内に電気的に接地された状態で配置されており、図示していないが配管2の上方には粉体供給部である原料タンクが配置されており、不活性ガス供給部4は不活性ガスをイオン化する除電装置と繋がっている。
本発明において除電される帯電粉体1としては、具体的には、例えば、シリカ粉体、タルク粉体、アルミナ粉体などの無機粉体や高分子化合物などの有機粉体などを挙げることができる。特にシリカ粉体は微粒子になる程帯電量多くなり、積層板製造の工業原料であるシリカ粉体では粒径が1〜100μmの微粒子が使用されているため、各機器を接地等する除電では十分な除電を行うことができず除電時間が長時間化する傾向があり、また粉体を混合槽3に搬送する際、粉体供給部と混合槽3を繋ぐ配管2の内壁に付着した状態になるとともに、混合槽3で可燃性の有機溶媒などが投入されている場合には安全性に問題がある。例えば上記のようなシリカ粉体は除電されていない場合40kV程度の帯電量であるが、帯電による配管内壁への付着や放電を回避するためには20kV未満、好ましくは10kV以下にする必要がある。
このため本発明では原料タンクから混合槽3へ粉体を搬送する際に配管2の途中で配管2の粉体供給口から排出口の一方向に自由落下して流動状態にある帯電粉体1にイオン化した不活性ガス5を配管2内に供給し、帯電粉体1が所定の帯電量となるようにガス流量を調節して連続的に除電を行う。
本発明の除電装置には従来から公知の帯電を中和するためのイオンを発生する装置を使用することができ、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスをイオン化できるものであれば特に制限されない。例えば、電極に高電圧を印加し、コロナ放電を発生させて電極周囲のガスを正及び負にイオン化する方法や、不活性ガスに軟X線などのエネルギーを照射しイオン化する方法などを挙げることでき、これらの中でも電圧の印加によって正及び負イオンを交互に発生する交流タイプの除電装置が好ましい。このような除電装置を用いると、電極部を通過する不活性ガスの流量によってイオン量を制御することができる。好適な市販の除電装置としては春日電機株式会社製のPAS801ALなどがある。
イオン化した不活性ガス5の帯電粉体1への供給方法は特に制限されず、ファンなどによる送風以外に、圧縮ガスによる吹き付け、配管内を減圧することによる吸引などを用いることができる。
本発明において帯電粉体1がシリカ粉体などの微粒子の無機粉体である場合、20kV未満の帯電量に効率的に除電するため配管内へ供給する無機粉体の量は、2〜6kg/分とすることが好ましい。また、その際イオン化した不活性ガスの流量としては、30〜300L/分とすることが好ましく、100〜200L/分とすることがより好ましい。無機粉体の量を2kg/分以上、イオン化した不活性ガスの流量を30L/分以上とすることにより効率的な除電を行うことができ、無機粉体の量を6kg/分以下、イオン化した不活性ガスの流量を300L/分以下とすることにより微細な粉体を用いた場合でも配管2内での浮遊を抑制し混合槽3への落下時間を低減することができる。また、無機粉体が除電部である配管2内でイオン化した不活性ガスと接触する接触時間は、30秒〜2分とすることが好ましく、1〜2分とすることがより好ましい。接触時間を30秒〜2分とすることにより、帯電量を10kV以下に低減し、微細な粉体の付着も防止することができるとともに、処理の効率化を図ることができる。
上記のような除電条件で除電を行うと、無機粉体が十分に除電されるため除電部である配管2内のみを不活性ガスで充填すれば良く混合槽内などを不活性ガス雰囲気とする必要がなくなるという利点も有する。本発明において帯電粉体の除電後の帯電量は処理時間を長時間とすることにより0kVとすることもできるが、生産効率が低減するため帯電粉体の放電発生電位などを考慮して所定の帯電量となるように除電すればよい。
上記のような除電方法によって帯電粉体を除電することにより、微粒子の嵩高い粉体であっても配管内を自由落下する流動状態で除電されるため混合槽に投入される処理粉体全体を均一に除電することができる。また、帯電粉体を粉体供給部から自由落下させることにより帯電粉体の流動状態を形成しているため処理設備を別途設ける必要もなく、連続的な除電が可能である。さらに、イオン化した不活性ガスを供給することにより除電を行っているため電荷の中和が速く、配管内を自由落下する短時間の処理であっても、十分な除電を行うことができる。
(実施の形態2)
本発明は、実施の形態1において混合槽への供給前に除電した粉体を一旦保持し、その状態でさらにイオン化した不活性ガスで除電することも好ましい形態である。
帯電量を更に低減したい場合や大量の帯電粉体を除電処理する場合、自由落下による流動状態でイオン化した不活性ガスを供給するだけでなく、除電した粉体を混合槽への供給前に更に除電することが好ましい。
図2は本実施の形態の処理装置の一例を示す概略構成図であり、配管2の混合槽3側の端部に落下してきた粉体を混合槽3に供給する前に一旦保持できるようになっている以外は実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同じ部分については説明を省略し、配管2の端部での除電処理について以下に述べる。
図2に示すように粉体供給部から配管2に搬送され自由落下して流動状態にある帯電粉体1は不活性ガス供給部4からのイオン化した不活性ガス5により一定の帯電量まで除電され配管内を搬送される。配管2の混合槽3側の端部は搬送されてきた粉体が堆積するようにダンパ6により閉口されており、この堆積した粉体にさらに一定時間イオン化した不活性ガス5を粉体に供給できるようになっている。本実施の形態における帯電粉体の量及びイオン化した不活性ガス5の流量は実施の形態1と同じ流量とすることができ、配管2の端部で堆積した粉体への供給時間は、1〜2分とすることが好ましい。配管2の端部での除電が終了すると、ダンパ6を開口することにより混合槽3へ搬送される。なお、本実施の形態では配管2の混合槽3側の端部で粉体を保持できる構成としているが、イオン化した不活性ガスを供給できる構造であれば配管2とは別に粉体保持部を設けることもできる。
また本実施の形態では、帯電粉体1の配管2への供給を所定量に分割してバッチ処理で行うことが好ましい。バッチ処理を行うことにより配管2の端部での堆積量を低減できるため堆積した粉体層の除電を短時間で行うことができ、処理効率を向上することができる。
(実施の形態3)
本発明は実施の形態1において除電前に予め帯電粉体の帯電量を測定し、その帯電量の測定結果によって除電条件を変更することも好ましい形態である。
除電前に帯電粉体の帯電量を予め測定することにより適切な除電ができるため処理の短時間化が測れるとともに、逆極性への帯電を防止することができるため好ましい。
図3は本実施の形態の処理装置の一例を示す概略構成図であり、配管2の上方に帯電粉体1の帯電量を測定する測定部7が配置されており、測定部7内にある帯電粉体1の電位を測定できるようになっている以外は実施の形態1と同様である。このため、実施の形態1と同じ部分については説明を省略し、測定部7での処理について以下に述べる。
測定部7は静電気センサなどの帯電量測定器8と接続されており、測定部7内の帯電粉体1の帯電量や極性などを検出できるようになっている。このような測定器を用いて粉体の帯電量を測定する場合、例えば測定部7の内壁面に帯電量測定器8の端子を設置し、その端子により落下する帯電粉体の帯電量を測定することができる。
本実施の形態では上記で測定された帯電量に基づきイオン化した不活性ガス5の流量、粉体の供給量、接触時間などの除電条件が制御される。例えば、粉体の帯電量を電位として検出し、その検出結果をアナログ信号に変換し、それを不活性ガス供給部4のガス流量弁の開度にフィードバックして、除電された粉体の帯電量が所定範囲になるように不活性ガス供給部4から配管2内へのガス流量を制御する方法が挙げられる。
(実施の形態4)
上記各実施の形態では粉体の自由落下により帯電粉体の流動状態を形成する場合について説明したが、本発明は帯電粉体をイオン化した不活性ガスで搬送することにより帯電粉体の流動状態を形成して除電することも好ましい形態である。
帯電量が多い帯電粉体や除電後の帯電量を低下させたい場合で、粉体の自由落下では帯電粉体とイオン化した不活性ガスの接触時間が十分確保できない場合に搬送気体に除電のためのイオン化した不活性ガスを用いることによって効率的な除電ができるため好ましい。また、微粒子の帯電粉体である場合、気体で搬送することにより粉体が浮遊状態となるため処理粉体全体の除電を効率的に行うことができる。
図4は本実施の形態の処理装置の一例を示す概略構成図である。処理装置は他の実施の形態と同様に防爆エリア内に電気的に接地された状態で配置されており、配管2は一方の端部がイオン化した不活性ガス5の不活性ガス供給部4と、他方の端部が真空ポンプ9と繋がっていて、不活性ガス供給部4から流入したガスが真空ポンプ9により吸引され配管2の内部にガスの流路が形成できるようになっている。そして、粉体供給部であるホッパー10から配管内に投入された帯電粉体1は配管2内を流れるイオン化した不活性ガス5によって真空ポンプ9側に搬送され粉体の供給口から排出口に向かって一方向に進行する流動状態が形成される。この搬送時に配管2内を流動する帯電粉体1がイオン化した不活性ガス5と接触するため、処理粉体全体を連続して効率的に除電することができる。
真空ポンプ9側の配管端部には所定サイズのスクリーンなどからなる分離部11が形成されており、イオン化した不活性ガス5により搬送されてきた粉体はこの分離部11によりガスと粉体を分離できるようになっている。そして、分離された粉体は下方に設置された混合槽3内に投入される。
本実施の形態において帯電粉体がシリカ粉体などの微粒子の無機粉体である場合、配管内に供給する無機粉体の量及びイオン化した不活性ガスの流量は実施の形態1と同様の範囲とすることができるが、搬送のために粉体の量は、3〜6kg/分とし、ガス流量を、100〜200L/分とすることが好ましい。
(その他の実施の形態)
上記で説明された各実施の形態はいずれも一例であり、本発明は上記実施の形態で説明されていない各形態を組み合わせた形態とすることもできる。また、上記の各実施の形態ではいずれも粉体供給部と混合槽が配管で連続的に繋がった処理装置で一方向に進行する帯電粉体の流動状態を形成した配管内を除電部として除電を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、連続した工程を取る必要のない製造プロセスでは除電処理を独立した工程とし、除電処理を行った後に他の工程に粉体を移送することもでき、その際ランダムな流動状態の帯電粉体にイオン化した不活性ガスを供給して除電することもできる。なお、具体的な各機器の形状、取り付け位置などは使用される製造工程に合せて適宜変更可能である。例えば、上記各実施の形態では直線状の配管を用いているが、帯電粉体を搬送し、除電処理ができれば必ずしもこれに限定されるものでなく、湾曲した形状のものであってもよい。
実施の形態1の処理装置を利用し、表1に示す各条件でシリカ粉体(粒径:1μm)の除電処理を行った。このシリカ粉体の除電前の帯電量は、粉体供給口側の配管に設置した静電気測定器(春日電機株式会社製,KSD−0103)により測定したところ40kVであった。
原料タンクから樹脂製の配管(径:80mmφ,長さ:8m)にシリカ粉体50kgを連続的に投入した。イオン化した不活性ガスの供給は、窒素ガスを除電装置に供給し、交流高電圧アンプにより通過する不活性ガスをイオン化した後、このガスを配管内にファンによる送風で供給して自由落下により搬送されるシリカ粉体の除電を行い、配管の下方に配置した混合槽にシリカ粉体を充填した。各条件による除電の違いを評価するため、混合槽に充填されたシリカ粉体の帯電量及び投入量に対する充填量の計量誤差を測定した。対比のためイオン化していない窒素ガスを供給して除電した場合と除電を行わずに充填した場合とを併せて示す。
Figure 0004315123
表1に示すように、シリカ粉体の量を3〜6kg/分、ガス流量を30〜200L/分で供給し、接触時間1〜2分の範囲で除電することにより投入量に対して計量誤差を3%以内とでき配管内での付着が低減されていることが分かる。また除電後の帯電量は10kV以下であり、放電発生のない安全な粉体まで除電できることが分かる。
実施の形態2の処理装置を利用し、配管端部のダンパを閉じた状態で実験1の条件と同じ除電条件で配管内に投入されたシリカ粉体に窒素ガスをイオン化した不活性ガスを供給して除電を行うとともに、堆積したシリカ粉体層にさらに1分間連続してガスを供給して除電を行った。この結果、混合槽に充填されたシリカ粉体の帯電量は0kVであり、計量誤差は1%以内であった。
実施の形態4の処理装置を利用し、配管(径:80mmφ,長さ:8m)に、シリカ粉体を6kg/分で投入し、窒素ガスをイオン化した不活性ガスをガス流量200L/分で供給し、配管内を真空ポンプで吸引しながら接触時間1分で実験1と同様にシリカ粉体の除電を行った。この結果混合槽に充填されたシリカ粉体の帯電量は7kVであり、計量誤差は1%以内であった。
本発明の実施の形態1の処理装置を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態2の処理装置を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態3の処理装置を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態4の処理装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1 帯電粉体
2 配管
3 混合槽
4 不活性ガス供給部
5 イオン化した不活性ガス
7 測定部

Claims (4)

  1. 帯電粉体を搬送するための配管内における帯電粉体の除電方法であって、
    前記配管内で、流動状態にある前記帯電粉体にイオン化した不活性ガスを供給することにより除電を行う除電方法であって、
    前記流動状態にある帯電粉体が、粉体の自由落下によるものである除電方法
  2. 前記帯電粉体が無機粉体であり、前記無機粉体を2〜6kg/分で供給しながら流動状態を形成し、前記流動状態にある無機粉体に前記イオン化した不活性ガスを30〜300L/分で供給しつつ、前記無機粉体を前記イオン化した不活性ガスに30秒〜2分接触することにより除電を行う請求項1に記載の除電方法。
  3. 帯電粉体を搬送するための配管内における帯電粉体の除電方法であって、
    前記配管内で、流動状態にある前記帯電粉体にイオン化した不活性ガスを供給することにより除電を行う除電方法であって、
    前記流動状態にある帯電粉体が、粉体の搬送気体に前記イオン化した不活性ガスを用いることによるものである除電方法
  4. 前記帯電粉体が無機粉体であり、前記無機粉体を2〜6kg/分で供給しながら流動状態を形成し、前記流動状態にある無機粉体に前記イオン化した不活性ガスを30〜300L/分で供給しつつ、前記無機粉体を前記イオン化した不活性ガスに30秒〜2分接触することにより除電を行う請求項3に記載の除電方法。
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