JP2003236662A - バルジ成形用素材として用いる重ね合わせ板材とその溶接方法 - Google Patents
バルジ成形用素材として用いる重ね合わせ板材とその溶接方法Info
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- JP2003236662A JP2003236662A JP2002041003A JP2002041003A JP2003236662A JP 2003236662 A JP2003236662 A JP 2003236662A JP 2002041003 A JP2002041003 A JP 2002041003A JP 2002041003 A JP2002041003 A JP 2002041003A JP 2003236662 A JP2003236662 A JP 2003236662A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液圧バルジ成形に適した素材として、溶接代
が少なく材料歩留まりに優れた溶接継手構造をもつ重ね
合わせ板材を提供する。 【解決手段】 輪郭形状が同一の矩形状の上板2と下板
3とを対角線方向にオフセットさせながら重ね合わせ
て、表裏両面側から重ね隅肉溶接による連続溶接を施
す。オフセット量αは母材板厚をtとしたときに0.2
以上確保する。溶接線が閉ループ状のものとなるように
表面側の溶接ビード4と裏面側の溶接ビード5を連続さ
せ、密閉構造の重ね合わせ板材1とする。
が少なく材料歩留まりに優れた溶接継手構造をもつ重ね
合わせ板材を提供する。 【解決手段】 輪郭形状が同一の矩形状の上板2と下板
3とを対角線方向にオフセットさせながら重ね合わせ
て、表裏両面側から重ね隅肉溶接による連続溶接を施
す。オフセット量αは母材板厚をtとしたときに0.2
以上確保する。溶接線が閉ループ状のものとなるように
表面側の溶接ビード4と裏面側の溶接ビード5を連続さ
せ、密閉構造の重ね合わせ板材1とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルジ成形用素材
として用いる重ね合わせ板材とその溶接方法に関し、特
に少なくとも二枚の板材を重ね合わせた上でその全周に
溶接を施してなる素材の板材間に圧力媒体を導入してい
わゆる最中構造あるいは袋構造等の中空状の成形品形状
に拡張もしくは膨出変形させるにあたり、そのバルジ成
形用素材として用いるのに好適な重ね合わせ板材とその
溶接方法に関する。
として用いる重ね合わせ板材とその溶接方法に関し、特
に少なくとも二枚の板材を重ね合わせた上でその全周に
溶接を施してなる素材の板材間に圧力媒体を導入してい
わゆる最中構造あるいは袋構造等の中空状の成形品形状
に拡張もしくは膨出変形させるにあたり、そのバルジ成
形用素材として用いるのに好適な重ね合わせ板材とその
溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる最中構造あるいは袋構造と称さ
れる中空状の成形品を成形する方法として、二枚の板材
を重ね合わせた上でその全周に溶接を施してなる重ね合
わせ板材を金型にて拘束しつつその板材間に例えば液圧
を導入して拡張もしくは膨出変形させる液圧バルジ成形
法が知られている。この場合、重ね合わせ板材を形成す
ることになる各板材は、単純平板状もののほか一部が所
定形状に予備成形されているものでもよく、要は内部が
完全密閉構造となっていればよい。
れる中空状の成形品を成形する方法として、二枚の板材
を重ね合わせた上でその全周に溶接を施してなる重ね合
わせ板材を金型にて拘束しつつその板材間に例えば液圧
を導入して拡張もしくは膨出変形させる液圧バルジ成形
法が知られている。この場合、重ね合わせ板材を形成す
ることになる各板材は、単純平板状もののほか一部が所
定形状に予備成形されているものでもよく、要は内部が
完全密閉構造となっていればよい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような液圧バルジ
成形法に用いる重ね合わせ板材の溶接形態もしくは溶接
継手構造としては、材質の違いにかかわらず例えば図6
の(A)〜(C)に示すようにへり継手構造、重ね隅肉
溶接法あるいは重ねシーム溶接法等による全周連続溶接
が採用されているが、重ね隅肉溶接法および重ねシーム
溶接法の場合には溶接代を十分に大きく確保する必要が
あり、材料歩留まりの低下が余儀なくされる。また、へ
り継手構造の場合には溶接代が比較的小さくて済む利点
がある反面、有効接合面積が小さいためにバルジ成形上
必要な接合強度の確保が難しく、成形可能な成形品の形
状が著しく制約されることとなって好ましくない。な
お、図6において、符号51,52は上下の板材を、5
3は溶接ビードを、54は電極をそれぞれ示している。
成形法に用いる重ね合わせ板材の溶接形態もしくは溶接
継手構造としては、材質の違いにかかわらず例えば図6
の(A)〜(C)に示すようにへり継手構造、重ね隅肉
溶接法あるいは重ねシーム溶接法等による全周連続溶接
が採用されているが、重ね隅肉溶接法および重ねシーム
溶接法の場合には溶接代を十分に大きく確保する必要が
あり、材料歩留まりの低下が余儀なくされる。また、へ
り継手構造の場合には溶接代が比較的小さくて済む利点
がある反面、有効接合面積が小さいためにバルジ成形上
必要な接合強度の確保が難しく、成形可能な成形品の形
状が著しく制約されることとなって好ましくない。な
お、図6において、符号51,52は上下の板材を、5
3は溶接ビードを、54は電極をそれぞれ示している。
【0004】その上、特に図6の(B)の重ね隅肉溶接
法の場合にはいわゆる一筆書き溶接法が最善とされ、こ
れに対応するために例えば図7の(A),(B)に示す
ように上板51と下板52とが相似形ではあっても一方
の板材の輪郭形状を予め他方のものより一回り大きく形
成することが行われるが、双方の板材51,52の形状
の相違のために特に量産工程では上板51と下板52ご
とに独立した打ち抜き用プレス金型が必要となり、設備
費の高騰とともに材料歩留まりの低下を招くこととなっ
て好ましくない。
法の場合にはいわゆる一筆書き溶接法が最善とされ、こ
れに対応するために例えば図7の(A),(B)に示す
ように上板51と下板52とが相似形ではあっても一方
の板材の輪郭形状を予め他方のものより一回り大きく形
成することが行われるが、双方の板材51,52の形状
の相違のために特に量産工程では上板51と下板52ご
とに独立した打ち抜き用プレス金型が必要となり、設備
費の高騰とともに材料歩留まりの低下を招くこととなっ
て好ましくない。
【0005】本発明はこのような課題に着目してなされ
たものであり、とりわけ設備費の高騰や材料歩留まりの
低下を招くことなしに、バルジ成形上必要な溶接接合強
度を容易に確保できるようにした重ね合わせ板材とその
溶接方法を提供するものである。
たものであり、とりわけ設備費の高騰や材料歩留まりの
低下を招くことなしに、バルジ成形上必要な溶接接合強
度を容易に確保できるようにした重ね合わせ板材とその
溶接方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、少なくとも二枚の板材を重ね合わせた上でその全周
に溶接を施してなる素材の板材間に圧力媒体を導入して
成形品形状に拡張変形させるにあたり、そのバルジ成形
用素材として用いる重ね合わせ板材であって、少なくと
も輪郭を同一形状に形成した二枚の板材を両者の輪郭が
いずれの位置でも一致しないように板材平面内で互いに
オフセットさせて、その状態で全周に連続溶接を施した
ことを特徴とする。
は、少なくとも二枚の板材を重ね合わせた上でその全周
に溶接を施してなる素材の板材間に圧力媒体を導入して
成形品形状に拡張変形させるにあたり、そのバルジ成形
用素材として用いる重ね合わせ板材であって、少なくと
も輪郭を同一形状に形成した二枚の板材を両者の輪郭が
いずれの位置でも一致しないように板材平面内で互いに
オフセットさせて、その状態で全周に連続溶接を施した
ことを特徴とする。
【0007】重ね合わせ板材を形成することになる各板
材は、単純平板状もののほか一部が所定形状に予備成形
されているものでもよく、さらに少なくとも輪郭形状が
同一であれば双方の板材の形状が必ずしも完全一致して
いる必要はない。そして、例えば板材が矩形状ものであ
る場合には、二枚の板材同士を対角線方向に積極的にず
らせるようにしてオフセットさせれば、その二枚の板材
同士の輪郭がいずれの位置でも一致しないような関係と
なる。オフセット量は、板材の板厚をtとすると0.2
t以上であることが望ましい。
材は、単純平板状もののほか一部が所定形状に予備成形
されているものでもよく、さらに少なくとも輪郭形状が
同一であれば双方の板材の形状が必ずしも完全一致して
いる必要はない。そして、例えば板材が矩形状ものであ
る場合には、二枚の板材同士を対角線方向に積極的にず
らせるようにしてオフセットさせれば、その二枚の板材
同士の輪郭がいずれの位置でも一致しないような関係と
なる。オフセット量は、板材の板厚をtとすると0.2
t以上であることが望ましい。
【0008】この場合、溶接代の縮小化の上では、請求
項2に記載のように二枚の板材をオフセットさせたこと
によりできた隅部を溶接線として重ね隅肉溶接を施すこ
とが望ましい。
項2に記載のように二枚の板材をオフセットさせたこと
によりできた隅部を溶接線として重ね隅肉溶接を施すこ
とが望ましい。
【0009】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
に記載の発明を方法的な面から捉えたものであって、少
なくとも輪郭を同一形状に形成した二枚の板材を両者の
輪郭がいずれの位置でも一致しないように板材平面内で
互いにオフセットさせ、そのオフセット状態のままでで
全周に連続溶接を施すことを特徴とする。
に記載の発明を方法的な面から捉えたものであって、少
なくとも輪郭を同一形状に形成した二枚の板材を両者の
輪郭がいずれの位置でも一致しないように板材平面内で
互いにオフセットさせ、そのオフセット状態のままでで
全周に連続溶接を施すことを特徴とする。
【0010】同じく請求項4に記載の発明は、請求項2
に記載の発明を方法的な面から捉えたものであって、二
枚の板材をオフセットさせたことによりできた隅部を溶
接線として重ね隅肉溶接を施すことを特徴とする。
に記載の発明を方法的な面から捉えたものであって、二
枚の板材をオフセットさせたことによりできた隅部を溶
接線として重ね隅肉溶接を施すことを特徴とする。
【0011】したがって、これら請求項1〜4に記載の
発明では、少なくとも輪郭形状が同一の二枚の板材を互
いにオフセットさせることにより双方の板材の輪郭線で
あるへり(外周端面)にずれを生じることになるので、
内側に位置することになるへりに沿って例えば重ね隅肉
溶接を施すことで所期の目的が達成される。この場合、
溶接線は重ね合わせ板材の表面側もしくは裏面側におい
ては完全な閉ループ状のものとならずに、表裏両面側に
それぞれ分かれることになるので、表裏両面から溶接を
行って双方の溶接線同士を連続させることにより溶接線
の連続性すなわち全周連続溶接が可能となる。
発明では、少なくとも輪郭形状が同一の二枚の板材を互
いにオフセットさせることにより双方の板材の輪郭線で
あるへり(外周端面)にずれを生じることになるので、
内側に位置することになるへりに沿って例えば重ね隅肉
溶接を施すことで所期の目的が達成される。この場合、
溶接線は重ね合わせ板材の表面側もしくは裏面側におい
ては完全な閉ループ状のものとならずに、表裏両面側に
それぞれ分かれることになるので、表裏両面から溶接を
行って双方の溶接線同士を連続させることにより溶接線
の連続性すなわち全周連続溶接が可能となる。
【0012】
【発明の効果】請求項1,3に記載の発明によれば、同
一形状の板材をオフセットさせながら上下に配置するだ
けで全周連続溶接が可能であるため、バルジ成形上必要
な溶接接合強度を確保しつつ溶接代の縮小化が可能であ
り、材料歩留まりの向上が図れるほか、板材を打ち抜く
ためのプレス型の製作費も併せて低減できる。
一形状の板材をオフセットさせながら上下に配置するだ
けで全周連続溶接が可能であるため、バルジ成形上必要
な溶接接合強度を確保しつつ溶接代の縮小化が可能であ
り、材料歩留まりの向上が図れるほか、板材を打ち抜く
ためのプレス型の製作費も併せて低減できる。
【0013】また、請求項2,4に記載の発明によれ
ば、全周連続溶接を重ね隅肉溶接にて行うようにしたた
め、請求項1,3に記載の発明と同様の効果に加えて、
バルジ成形に必要な溶接接合強度をより大きく確保でき
るほか、重ね合わせ板材の溶接密閉性もより良好なもの
となる利点がある。
ば、全周連続溶接を重ね隅肉溶接にて行うようにしたた
め、請求項1,3に記載の発明と同様の効果に加えて、
バルジ成形に必要な溶接接合強度をより大きく確保でき
るほか、重ね合わせ板材の溶接密閉性もより良好なもの
となる利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の好ましい実施の形
態を示す図であり、(A)は溶接後の重ね合わせ板材の
斜視図を、(B)は同図(A)のA−A線に沿う断面図
をそれぞれ示している。
態を示す図であり、(A)は溶接後の重ね合わせ板材の
斜視図を、(B)は同図(A)のA−A線に沿う断面図
をそれぞれ示している。
【0015】図1の(A),(B)に示すように、先に
述べた液圧バルジ成形に供することを前提とした重ね合
わせ板材1は、中央部が膨出するように予備成形された
二枚の板材2,3を重ね合わせた上で、その周縁部全周
に連続溶接を施すことにより密閉構造のものとして形成
される。すなわち、輪郭形状が同一となるように打ち抜
いた矩形状の上板2と下板3とを互いに重ね合わせる際
に、両者を互いに対角線方向にずらすようにして板材平
面内でオフセットさせ、双方の板材2,3の輪郭同士が
いずれの位置でも一致しないように積極的にオフセット
させるものとする。なお、上板2と下板3の幅寸法L1
はともに等しいものであることは言うまでもない。そし
て、四周各部でのオフセット量αは、上板2および下板
3の板厚をtとしたときに0.2t以上に設定する。
述べた液圧バルジ成形に供することを前提とした重ね合
わせ板材1は、中央部が膨出するように予備成形された
二枚の板材2,3を重ね合わせた上で、その周縁部全周
に連続溶接を施すことにより密閉構造のものとして形成
される。すなわち、輪郭形状が同一となるように打ち抜
いた矩形状の上板2と下板3とを互いに重ね合わせる際
に、両者を互いに対角線方向にずらすようにして板材平
面内でオフセットさせ、双方の板材2,3の輪郭同士が
いずれの位置でも一致しないように積極的にオフセット
させるものとする。なお、上板2と下板3の幅寸法L1
はともに等しいものであることは言うまでもない。そし
て、四周各部でのオフセット量αは、上板2および下板
3の板厚をtとしたときに0.2t以上に設定する。
【0016】上板2と下板3とのオフセットに伴い重ね
合わせ板材1の表面側では上板2側の二辺部2aの輪郭
線であるへりが下板3側のそれよりも内側となり、逆に
重ね合わせ板材1の裏面側では下板3側の二辺部3aの
輪郭線であるへりが上板2側のそれよりも内側となるこ
とから、表裏両面からの溶接によりそれらの内側となる
へりに重ね隅肉溶接にて全周連続溶接を施す。例えば、
重ね合わせ板材1の表面側で内側となる二辺部2aのへ
りに表側の溶接ビード4をもって重ね隅肉溶接を施す一
方、重ね合わせ板材1の裏面側で内側となる二辺部3a
のへりに裏側の溶接ビード5をもって重ね隅肉溶接を施
し、溶接ビード4,5の両端で互いにオーバーラップさ
せて溶接線としての連続性を持たせる。これにより、上
板2と下板3との全周に連続溶接が施されて、完全密閉
構造の重ね合わせ板材1が得られ、この重ね合わせ板材
1は先に述べたように液圧バルジ成形の素材として使用
される。
合わせ板材1の表面側では上板2側の二辺部2aの輪郭
線であるへりが下板3側のそれよりも内側となり、逆に
重ね合わせ板材1の裏面側では下板3側の二辺部3aの
輪郭線であるへりが上板2側のそれよりも内側となるこ
とから、表裏両面からの溶接によりそれらの内側となる
へりに重ね隅肉溶接にて全周連続溶接を施す。例えば、
重ね合わせ板材1の表面側で内側となる二辺部2aのへ
りに表側の溶接ビード4をもって重ね隅肉溶接を施す一
方、重ね合わせ板材1の裏面側で内側となる二辺部3a
のへりに裏側の溶接ビード5をもって重ね隅肉溶接を施
し、溶接ビード4,5の両端で互いにオーバーラップさ
せて溶接線としての連続性を持たせる。これにより、上
板2と下板3との全周に連続溶接が施されて、完全密閉
構造の重ね合わせ板材1が得られ、この重ね合わせ板材
1は先に述べたように液圧バルジ成形の素材として使用
される。
【0017】このように本実施の形態の重ね合わせ板材
1によれば、全く同一形状に形成した板材2,3同士を
オフセットさせながら重ね合わせた上でその全周に重ね
隅肉溶接により連続溶接を施したものであるから、溶接
代の確保のために上板2と下板3とを互いに異なる形状
に打ち抜く必要がない。その上、同一形状の板材2,3
同士の溶接でありながら必要最小限の溶接代のもとでの
重ね隅肉溶接が可能であり、材料歩留まりの向上が図れ
るとともに、液圧バルジ成形に必要な溶接接合強度を確
保できることになる。
1によれば、全く同一形状に形成した板材2,3同士を
オフセットさせながら重ね合わせた上でその全周に重ね
隅肉溶接により連続溶接を施したものであるから、溶接
代の確保のために上板2と下板3とを互いに異なる形状
に打ち抜く必要がない。その上、同一形状の板材2,3
同士の溶接でありながら必要最小限の溶接代のもとでの
重ね隅肉溶接が可能であり、材料歩留まりの向上が図れ
るとともに、液圧バルジ成形に必要な溶接接合強度を確
保できることになる。
【0018】図3〜5は本発明の第2の実施の形態を示
し、図2に示すようないわゆる中抜き変形状をなす中空
状の成形品6を液圧バルジ成形する際に使用される重ね
合わせ板材11の例を示している。
し、図2に示すようないわゆる中抜き変形状をなす中空
状の成形品6を液圧バルジ成形する際に使用される重ね
合わせ板材11の例を示している。
【0019】同図に示すように、予め中抜き形状に打ち
抜いた上板12と下板13とを重ね合わせて両者を対角
線方向にオフセットさせて、そのオフセット量αとして
母材板厚tとしたときに0.2t以上に設定する。そし
て、表裏両面側のからの溶接により、内外周ともに重ね
合わせ板材11の表面側では溶接ビード14をもって重
ね隅肉溶接による連続溶接を施すとともに、重ね合わせ
板材11の裏面側では溶接ビード15をもって重ね隅肉
溶接による連続溶接を施し、溶接線が閉ループ状のもの
となるように図4,5に示すように溶接ビード14,1
5同士を所定のオーバーラップ量βをもってオーバーラ
ップさせながら連続させる。なお、図3において、実線
の矢印7は表面側の溶接ビード14のための溶接トーチ
の移動軌跡を示し、同じく破線の矢印8は裏面側の溶接
ビード15のための溶接トーチの移動軌跡を示してい
る。
抜いた上板12と下板13とを重ね合わせて両者を対角
線方向にオフセットさせて、そのオフセット量αとして
母材板厚tとしたときに0.2t以上に設定する。そし
て、表裏両面側のからの溶接により、内外周ともに重ね
合わせ板材11の表面側では溶接ビード14をもって重
ね隅肉溶接による連続溶接を施すとともに、重ね合わせ
板材11の裏面側では溶接ビード15をもって重ね隅肉
溶接による連続溶接を施し、溶接線が閉ループ状のもの
となるように図4,5に示すように溶接ビード14,1
5同士を所定のオーバーラップ量βをもってオーバーラ
ップさせながら連続させる。なお、図3において、実線
の矢印7は表面側の溶接ビード14のための溶接トーチ
の移動軌跡を示し、同じく破線の矢印8は裏面側の溶接
ビード15のための溶接トーチの移動軌跡を示してい
る。
【0020】この第2の実施の形態の重ね合わせ板材1
1においても先の第1の実施の形態と全く同様の機能が
発揮される。
1においても先の第1の実施の形態と全く同様の機能が
発揮される。
【図1】本発明の好ましい第1の実施の形態を示す図
で、(A)は重ね合わせ板材の斜視図、(B)は同図
(A)のA−A線に沿う拡大断面図。
で、(A)は重ね合わせ板材の斜視図、(B)は同図
(A)のA−A線に沿う拡大断面図。
【図2】図3に示す重ね合わせ板材を素材としてバルジ
成形された成形品を示す斜視図。
成形された成形品を示す斜視図。
【図3】本発明の第2の実施の形態として別の重ね合わ
せ板材の例を示す説明図。
せ板材の例を示す説明図。
【図4】図3のB部拡大図。
【図5】図4のC方向矢視図。
【図6】(A)〜(C)ともに重ね合わせ板材に用いら
れる従来の代表的な溶接継手構造を示す要部断面説明
図。
れる従来の代表的な溶接継手構造を示す要部断面説明
図。
【図7】従来の重ね合わせ板材の構造を示す図で、
(A)はその斜視図、(B)は同図(A)のM−M線に
沿う拡大断面図。
(A)はその斜視図、(B)は同図(A)のM−M線に
沿う拡大断面図。
1…重ね合わせ板材
2…上板(板材)
3…下板(板材)
4…表面側の溶接ビード
5…裏面側の溶接ビード
6…バルジ成形された成形品
11…重ね合わせ板材
12…上板(板材)
13…下板(板材)
14…表面側の溶接ビード
15…裏面側の溶接ビード
α…オフセット量
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 中田 孝行
神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産
自動車株式会社内
Fターム(参考) 4E081 AA08 BA40 DA06
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも二枚の板材を重ね合わせた上
でその全周に溶接を施してなる素材の板材間に圧力媒体
を導入して成形品形状に拡張変形させるにあたり、その
バルジ成形用素材として用いる重ね合わせ板材であっ
て、 少なくとも輪郭を同一形状に形成した二枚の板材を両者
の輪郭がいずれの位置でも一致しないように板材平面内
で互いにオフセットさせて、その状態で全周に連続溶接
を施したことを特徴とするバルジ成形用素材として用い
る重ね合わせ板材。 - 【請求項2】 二枚の板材をオフセットさせたことによ
りできた隅部を溶接線として重ね隅肉溶接を施したこと
を特徴とする請求項1に記載のバルジ成形用素材として
用いる重ね合わせ板材。 - 【請求項3】 少なくとも二枚の板材を重ね合わせた上
でその全周に溶接を施してなる素材の板材間に圧力媒体
を導入して成形品形状に拡張変形させるにあたり、その
バルジ成形用素材として用いる重ね合わせ板材を溶接す
る方法であって、 少なくとも輪郭を同一形状に形成した二枚の板材を両者
の輪郭がいずれの位置でも一致しないように板材平面内
で互いにオフセットさせ、 そのオフセット状態のままでで全周に連続溶接を施すこ
とを特徴とするバルジ成形用素材として用いる重ね合わ
せ板材の溶接方法。 - 【請求項4】 二枚の板材をオフセットさせたことによ
りできた隅部を溶接線として重ね隅肉溶接を施すことを
特徴とする請求項3に記載のバルジ成形用素材として用
いる重ね合わせ板材の溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002041003A JP3591518B2 (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | バルジ成形用素材として用いる重ね合わせ板材とその溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002041003A JP3591518B2 (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | バルジ成形用素材として用いる重ね合わせ板材とその溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003236662A true JP2003236662A (ja) | 2003-08-26 |
JP3591518B2 JP3591518B2 (ja) | 2004-11-24 |
Family
ID=27781522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002041003A Expired - Fee Related JP3591518B2 (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | バルジ成形用素材として用いる重ね合わせ板材とその溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3591518B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100897868B1 (ko) | 2007-05-29 | 2009-05-15 | 진승연 | 금속 성형물 및 이의 성형 방법 |
CN106862361A (zh) * | 2017-03-27 | 2017-06-20 | 浙江摩多巴克斯科技股份有限公司 | 一种超径变轻量化内高压成形工艺 |
-
2002
- 2002-02-19 JP JP2002041003A patent/JP3591518B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100897868B1 (ko) | 2007-05-29 | 2009-05-15 | 진승연 | 금속 성형물 및 이의 성형 방법 |
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