JP2003234445A - 半導体素子搭載用基板材とその製造方法 - Google Patents

半導体素子搭載用基板材とその製造方法

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彰 福井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で、周辺部材との間の熱膨張係数の整合
性に優れ、かつ高い熱伝導性を有する半導体素子搭載用
基板材の製造方法において、セラミックス粒子または金
属粒子を均一に分散することができ、薄肉や複雑な形状
に加工することができ、かつ製造コストの低い方法を提
供する。 【解決手段】 半導体素子搭載用基板材の製造方法は、
セラミックス粒子および金属粒子からなる群より選ばれ
た少なくとも1種の粒子を溶融金属中に分散させること
によって溶融混合物を得る混合工程と、溶融混合物を連
続的に冷却して凝固させることによって鋳造材を得る連
続鋳造工程とを備え、連続鋳造工程において凝固過程を
通じた冷却速度の変化率が50%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置を構
成するヒートシンク材等に用いられる半導体素子搭載用
基板材とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置においては半導体素子
の高速化や集積度の増加が著しく、半導体素子から発生
する熱の影響を無視することができなくなっている。そ
の結果、半導体素子搭載用基板材には、半導体素子から
発生する熱を効率よく除去するために高い熱伝導率が要
求されるようになってきている。
【0003】また、半導体素子搭載用基板材には、半導
体素子との間の界面や、その半導体素子が搭載される半
導体パッケージを構成する周辺部材との間の界面におい
て熱応力によって発生する歪をできるだけ小さくするこ
とが必要である。これに応じて、半導体素子搭載用基板
材の熱膨張係数は、半導体素子や周辺部材の熱膨張係数
に対して大きな差がないように整合性が求められる。
【0004】たとえば、半導体素子を構成する珪素(S
i)の熱膨張係数は4.2×10-6/℃、ガリウム砒素
(GaAs)の熱膨張係数は6.5×10-6/℃であ
る。これに対して、半導体パッケージを構成する周辺部
材がセラミックスから形成される場合には、たとえば、
アルミナ(Al23)の熱膨張係数は6.5×10-6
℃である。周辺部材がプラスチックから形成される場合
には、プラスチックの熱膨張係数は12×10-6〜17
×10-6/℃である。このように、半導体素子を構成す
る材料の熱膨張係数に対して、その半導体素子が搭載さ
れる半導体パッケージを構成する周辺部材の材料の熱膨
張係数は比較的大きい。また、周辺部材に用いられる材
料によっては、その熱膨張係数の大きさはさまざまであ
る。
【0005】したがって、半導体素子搭載用基板材の熱
膨張係数も、半導体素子や周辺部材に応じて、それらの
熱膨張係数に比較的近い熱膨張係数を有する材料が用い
られてきた。
【0006】半導体素子や周辺部材を構成する材料の熱
膨張係数に近い半導体素子搭載用基板材としては、従来
から、たとえば、特開昭52−59572号公報や特開
平6−13494号公報に開示されているように、タン
グステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、ま
たは、これらの金属の複合材(銅−タングステン合金、
銅−モリブデン合金等)が用いられてきた。しかしなが
ら、半導体パッケージの周辺部材がプラスチックから形
成される場合には、プラスチックの剛性が低いために、
基板材を形成する銅−タングステン合金や銅−モリブデ
ン合金のような比重が高い材料と組合わせると、変形が
生じやすくなる。このため、これらの合金材料を基板材
として用いてプラスチック製半導体パッケージに組入れ
ることは制限されてきた。
【0007】また、半導体素子とパッケージとの電気的
接合にワイヤを用いる代わりにはんだボールを用いる方
法(フリップチップ方式)や、マザー基板への接合にピ
ンを用いる代わりにハンダボールを用いる方法(ボール
グリッドアレイ方式)が広く採用されるようになってき
ている。これらの方式を採用する場合、基板材が重い
と、はんだボールが必要以上に潰れる危険性が高くな
る。このため、上記のような銅−タングステン合金や銅
−モリブデン合金を基板材に用いることは困難となる。
【0008】さらに、タングステンやモリブデンは比較
的高価な金属であるため、製造コストの点においても上
記の合金を基板材に用いることには問題がある。
【0009】以上のことから、半導体素子搭載用基板材
に対しては、軽量であり、周辺部材との間の熱膨張係数
の整合性に優れ、かつ安価な材料が望まれている。
【0010】一方、最近では、プラスチック製半導体パ
ッケージにおいても、半導体素子の集積度が急速に増大
してきたため、従来のパッケージ構造では、その集積度
に対応可能な数の端子を設けることが困難になってきて
いる。このため、半導体素子の集積度の増大に対応可能
なパッケージ構造が次々と開発されてきている。したが
って、パッケージ形状の多様化や複雑化に容易に追随す
ることができるように半導体素子搭載用基板材に種々の
形状を付与することが求められてきている。
【0011】以上のようなパッケージ構造の変化は、軽
量化とともに、今後急速に進行していくものと考えられ
る。これに伴って、半導体素子搭載用基板材には、周辺
部材との間で熱膨張係数の整合性に優れ、かつ高い熱伝
導性を有するだけでなく、軽量で、かつ、形状の多様化
や複雑化に容易に追随できるように容易に形状を付与す
ることができる材料が要求されてきている。たとえば、
基板材のサイズはより一層小さくなりつつあり、その形
状は周辺部材との組合わせに応じて、より一層多種多様
のものが要求されてきている。すなわち、基板材には、
より薄い形状やより複雑な形状が求められている。
【0012】従来、基板材の形状は、複数枚の平板状の
材料を接続または積層することによって作られることが
多かった。しかしながら、今後は、パッケージを構成す
る他の部品との配置関係に応じて、基板材の主表面の一
部に凹凸がさまざまなパターンで形成されて一体化した
ものが多くなるものと考えられる。このような形状に対
する要求は、小型から中型までの汎用電子機器に用いら
れる半導体装置(半導体デバイス)において特に強まる
ものと思われる。また、プラスチック製半導体パッケー
ジ以外のパッケージを用いた中型以上の半導体装置にお
いても、上記のような要請は高まりつつある。
【0013】軽量で、周辺部材との間で熱膨張係数の整
合性に優れ、かつ、高い熱伝導性を有する材料として
は、最近では、アルミニウム複合材料がその候補として
提案されている。アルミニウム複合材料の中でも、アル
ミニウム−炭化珪素(Al−SiC)複合材料は、原料
のアルミニウムと炭化珪素がともに比較的安価であり、
かつ、高い熱伝導性を有する材料である。また、熱膨張
係数が小さい炭化珪素(4.2×10-6/℃)と、熱膨
張係数が大きいアルミニウム(23.5×10-6/℃)
とを組合わせることにより、広い範囲で任意の熱膨張係
数を得ることができる。これらの利点のため、アルミニ
ウム−炭化珪素複合材料は半導体素子搭載用基板材とし
て使用され始めている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウム−炭化珪
素複合材料からなる半導体素子搭載用基板材とその製造
方法は、たとえば、特開平10−335538号公報に
開示されている。この公報には、アルミニウム炭化珪素
原料粉末を圧縮成形してさまざまな形状の成形体を作製
し、その成形体を焼結してアルミニウム炭化珪素複合材
料を製造する方法が記載されている。しかしながら、こ
の製造方法で得られたアルミニウム炭化珪素複合材料を
半導体素子搭載用基板材に用いるためには、薄肉の材料
を精度よく形成することが困難であり、製造コストの点
においても問題があった。
【0015】一方、米国特許第6250127号公報で
は、アルミニウム炭化珪素複合材料を製造するための別
の方法が提案されている。この米国特許公報によれば、
量産方法で得られたアルミニウム炭化珪素複合インゴッ
トを熱間押出法でストリップ形状に加工し、さらに熱間
圧延加工によって厚みが1〜2mmのリボン形状に加工
し、これを加熱してスタンピングとコイニング加工によ
ってリッド形状の基板材を製造する方法が記載されてい
る。しかしながら、この製造方法では、薄肉の基板材を
製造することも可能であるが、たとえば、リッド形状に
加工する際に加熱が必要であり、この加熱が製造コスト
を増大させる要因となるという問題があった。さらに、
今後、複雑な形状の基板材が要求されるようになると、
その形状加工のために加熱工程が必須になれば、さらに
製造コストが上昇するのを回避することができなくなる
ので、上記の製造方法は製造コストの点で大きな問題が
ある。
【0016】また、たとえば、特許第3023985号
公報には、金属マトリックス複合材料を鋳造するための
装置とその方法が開示されている。この特許公報には、
金属マトリックスに補強材粒子を分散させた複合材料を
鋳造する方法が開示されている。特に、補強材粒子が均
一に分散した固体鋳造複合材料を製造する方法が記載さ
れている。
【0017】ところで、半導体素子搭載用基板材に複合
材料を用いる場合、通常の構造材料とは異なり、補強材
粒子がより均一に分布していることが要求される。複合
材料を薄板に加工する工程で、補強材粒子が均一に分布
していないと、均一な加工が行なわれないために、薄板
に部分的な反りやうねり等が発生する。また、均一な加
工を行なうことができないため、薄肉への加工や複雑な
形状を付与する加工が困難になり、あるいは不可能にな
る場合がある。上記の加工を行なうことができたとして
も、反りやうねり等が発生するという問題がある。さら
に、複合材料において補強材粒子が均一に分布していな
いと、複合材料の熱膨張係数や熱伝導率等の特性にばら
つきが生じるという問題がある。補強材粒子が均一に分
布していないと、形状を付与した後の表面の粗さが大き
くなり、または補強材粒子が脱落するという問題があ
る。したがって、複合材料を半導体素子搭載用基板材に
用いる場合には、補強材粒子をより均一に分布させるこ
とが要求される。
【0018】このような要求に対して、上記の特許第3
023985号公報には、金属マトリックス複合材料の
鋳造方法において、冷却速度を高くすることにより、補
強材粒子としてセラミックス粒子の分布はより均一とな
り、セラミックス粒子が全くない領域とセラミックス粒
子の濃度が高すぎる領域の発生率が減少することが開示
されている。しかし、冷却速度を高くするだけでは、半
導体素子搭載用基板材に要求される補強材粒子の分布の
均一性を得ることができないという問題があった。すな
わち、通常の構造材に複合材料を用いる上では問題とは
ならなかった程度の補強材粒子の分布の不均一性が、半
導体素子搭載用基板材においては問題となり、補強材粒
子の分布のより一層の均一化が望まれている。
【0019】そこで、この発明の目的は、上述のような
先行技術の背景の下で、軽量で、周辺部材との間での熱
膨張係数の整合性に優れ、高い熱伝導性を有するととも
に、補強材粒子が均一に分布し、薄肉の形状や複雑な形
状に加工することが容易であり、製造コストの低い半導
体素子搭載用基板材を製造することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記の目
的を達成するために種々検討した結果、セラミックス粒
子または金属粒子をより均一に分散した基板材を得るた
めには、連続鋳造工程において冷却速度を高めるだけで
はなく、連続鋳造工程において凝固過程を通じて冷却速
度の変化率を低くすることが必要である、という知見を
得た。この知見に基づいて、この発明に従った半導体素
子搭載用基板材の製造方法は、以下の特徴的な工程を備
える。
【0021】この発明の半導体素子搭載用基板材の製造
方法は、セラミックス粒子および金属粒子の少なくとも
いずれか1種の粒子を溶融金属中に分散させることによ
って溶融混合物を得る混合工程と、溶融混合物を連続的
に冷却して凝固させることによって鋳造材を得る連続鋳
造工程とを備え、連続鋳造工程において凝固過程を通じ
た冷却速度の変化率が50%以下であることを特徴とす
る。
【0022】この発明の製造方法では、連続鋳造工程に
おいて冷却速度の変化率が20%以下であるのが好まし
い。
【0023】また、この発明の製造方法では、連続鋳造
工程において冷却速度は50℃/秒以上であるのが好ま
しい。
【0024】さらに、この発明の製造方法では、連続鋳
造工程において得られる鋳造材の厚みが20mm以下で
あるのが好ましい。
【0025】この発明の製造方法では、連続鋳造工程に
おいて鋳造速度は1000mm/分以上であるのが好ま
しい。
【0026】この発明の製造方法は、鋳造材を板状材に
加工する工程と、板状材に形状を付与する工程とをさら
に備えるのが好ましい。この場合、連続鋳造工程と板状
材に加工する工程とを連続して行なうのがより好まし
い。
【0027】鋳造材を板状材に加工する工程は、圧延加
工によって鋳造材を薄板状材に加工する複数パスの圧延
工程を含むのが好ましい。この場合、複数パスの圧延工
程のうち、少なくとも1回のパスの圧延工程では圧延加
工する前に素材を200℃以上550℃以下の温度に加
熱するのが好ましい。
【0028】板状材に形状を付与する工程は、コイニン
グおよびスタンピングの少なくともいずれか1種の加工
を室温で施すことによって行なわれるのが好ましい。ま
た、板状材に形状を付与する工程は、板状材の一部に腐
食防止処理を施した後、板状材を腐食剤に接触させて、
腐食防止処理を施した部分以外の少なくとも一部を除去
することによって行なわれてもよい。
【0029】この発明の製造方法において連続鋳造工程
は、双ベルト法、ベルト車輪法、双ロール法および横型
鋳造法のいずれかの鋳造法を用いて行なわれるのが好ま
しい。
【0030】上記の連続鋳造工程において凝固過程にあ
る溶融混合物が接触する鋳造工具部材の材料、たとえ
ば、ベルト、車輪、ロールまたは鋳型の材料は、鉄、鉄
合金、銅、銅合金および黒鉛のいずれかの材料を含むの
が好ましい。
【0031】この発明の製造方法において混合工程は、
半溶融状態で機械的に攪拌することによって粒子を溶融
金属中に均一に分散させることによって行なわれるのが
好ましい。
【0032】この発明の製造方法において用いられる溶
融金属は、アルミニウムおよびマグネシウムのいずれか
1種を少なくとも含むのが好ましい。
【0033】また、この発明の製造方法において用いら
れる粒子は、酸化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、
ホウ化チタン、酸化ベリリウム、酸化珪素、モリブデ
ン、ニオブおよびタングステンのいずれか1種を少なく
とも含む材料からなるのが好ましい。
【0034】この発明の製造方法の混合工程において得
られる溶融混合物は、平均粒径が0.1μm以上35μ
m以下の粒子を5体積%以上70体積%以下、溶融金属
中に含有するのが好ましい。
【0035】この発明のもう一つの局面に従った半導体
素子搭載用基板材料は、上述した特徴をいずれかを備え
た製造方法によって製造される。
【0036】好ましくは、この発明の半導体素子搭載用
基板材料は、アルミニウムまたはマグネシウムを主成分
として含む合金中に、酸化アルミニウム、窒化珪素、炭
化珪素、ホウ化チタン、酸化ベリリウム、酸化珪素、モ
リブデン、ニオブおよびタングステンのいずれか1種を
少なくとも含む材料からなる粒子を均一に分散したもの
である。
【0037】上述の製造方法によって得られた半導体素
子搭載用基板材は、軽量で、半導体装置を構成する周辺
部材との熱膨張係数の整合性がよく、かつ、優れた熱伝
導性を有する。また、半導体素子搭載用基板材は、セラ
ミックス粒子または金属粒子が均一に分布しており、薄
肉で、複雑な形状に加工することが容易で、かつ、安価
であるという特徴を有している。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施の形態にお
いては、半導体パッケージとしてセラミックパッケージ
やメタルパッケージに好適であるとともに、特にプラス
チックパッケージ、フリップチップ方式やボールグリッ
ドアレイ方式等のパッケージ方式に好適な熱伝導率と熱
膨張係数を有し、軽量で、今後ますます複雑化する形状
にも対応可能で、かつ、製造コストの低い半導体基板材
の製造方法について種々検討がなされた。従来の溶解・
複合・鋳造法を用いて、金属または合金中にセラミック
ス粒子や金属粒子が分散した複合材料を製造した場合、
鋳造材の各部位において冷却速度等の鋳造条件が変化
し、結晶粒径や、セラミックス粒子または金属粒子の分
布状態が均一な鋳造材を得ることができなかった。その
結果、熱伝導率や熱膨張係数等の特性にばらつきが発生
し、また、鋳造材の後工程での加工性に悪影響を与えて
いた。そこで、本願発明者は、鋳造方法の種々の条件に
ついて検討を重ねた結果、金属または合金中にセラミッ
クス粒子や金属粒子が分散した複合材料の連続鋳造にお
いて、結晶粒径が微細でかつ均一で、セラミックス粒子
や金属粒子の分散が均一な鋳造材を得ることができ、さ
らに鋳造材を薄板に加工した後で形状を付与するための
加工性を良好にするための最適条件を見出した。すなわ
ち、連続鋳造工程において冷却速度を高くするだけでな
く、凝固過程を通じて冷却速度の変化率(同一断面での
場所による変化率、長手方向の場所による変化率)を低
くすることにより、セラミックス粒子または金属粒子を
より均一に分布させることができることを見出した。具
体的な条件としては、連続鋳造工程において凝固過程を
通じた冷却速度の変化率を50%以下にすれば、セラミ
ックス粒子や金属粒子をより均一に分散させることがで
きることを見出した。このような冷却速度の変化率の制
御は、具体的には鋳型等の鋳造工具部材の材質、鋳造材
の厚み、鋳造速度等を最適化することによって達成する
ことができる。
【0039】また、連続鋳造工程と薄板への加工工程と
を連続して行なうことにより、鋳造材を加工するために
再度加熱する必要がなくなり、より低い製造コストで基
板材を製造することが可能になる。また、上記の工程を
連続して行なうことにより、再加熱時に酸化被膜が形成
されるのを防止することができ、表面状態が良好な薄板
を得ることができる。
【0040】上記の鋳造条件において、凝固過程を通じ
た冷却速度の変化率を50%以下とする理由は、鋳造材
の断面内(たとえば表面と中心部)にわたって、また、
長手方向にわたって、結晶粒径と、セラミックス粒子ま
たは金属粒子の分散状態とがより均一になるからであ
る。なお、上記の冷却速度の変化率の下限値は、0.1
%程度である。
【0041】また、溶融混合物から鋳造材を得る連続鋳
造工程において冷却速度は50℃/秒以上であるのが好
ましい。冷却速度を50℃/秒以上にする理由は、冷却
速度が50℃/秒以上になると、鋳造材において結晶粒
がより微細になり、セラミックス粒子または金属粒子を
より均一に分散させることが可能となるからである。な
お、上記の冷却速度の上限値は2000℃/秒程度であ
る。
【0042】さらに、鋳造材の厚みは20mm以下、よ
り最適には10mm以下であるのが好ましい。鋳造材の
厚みが20mm以下であれば、セラミックス粒子または
金属粒子の分散状態がより均一となり、10mm以下に
なると、さらにセラミックス粒子または金属粒子の分散
状態がより均一で結晶粒もより微細となる。なお、鋳造
材の厚みの下限値は0.1mm程度である。
【0043】連続鋳造工程において鋳造速度は1000
mm/分以上であることが好ましい。鋳造速度を100
0mm/分以上にする理由は、鋳造速度が1000mm
/分以上になると、リップルマークがより小さく、表面
状態が良好な鋳造材を得ることができ、セラミックス粒
子または金属粒子の分散状態がより均一で結晶粒もより
微細となるためである。なお、鋳造速度の上限値は10
0m/分程度である。
【0044】連続鋳造工程で用いられるロール鋳造機に
与えられる実効圧下率は50%以下であるのが好まし
い。実効圧下率を50%以下にする理由は、実効圧下率
が50%を超えると鋳造材を得ることができなくなるた
めである。
【0045】連続鋳造工程において得られた鋳造材を薄
板に加工する方法としては、鋳造材を圧延加工により薄
板状にし、圧延加工を複数パス行ない、その複数パスの
うち、少なくとも1パスは圧延加工前に素材を200℃
以上550℃以下の温度に加熱するのが好ましい。この
場合、素材の加熱温度を200℃以上550℃以下にす
る理由は、200℃未満では加工歪が蓄積し、圧延割れ
が生じ、550℃を超えると母相が溶解する可能性があ
るためである。
【0046】薄板に形状を付与する方法としては、室温
でコイニングおよびスタンピング加工する方法がある。
本発明の連続鋳造工程を経由して得られた薄板は、結晶
粒が微細で、セラミックス粒子または金属粒子が均一に
分散している。このため、室温で薄板をコイニングおよ
びスタンピング加工することによって、複雑な形状に容
易に加工することができる。
【0047】また、薄板に形状を付与する別の加工方法
としては、薄板の一部に腐食防止処理を施した後、薄板
を腐食剤に接触させて、腐食防止処理された部分以外の
少なくとも一部を除去する加工方法を採用してもよい。
この場合、本発明の連続鋳造工程を経由して得られた薄
板は、結晶粒が微細で、セラミックス粒子または金属粒
子が均一に分散しているので、表面が非常に平滑で、か
つ複雑な形状の部材を低い製造コストで得ることができ
る。
【0048】金属または合金中にセラミックス粒子また
は金属粒子を分散させた複合材料の連続鋳造方法として
は、双ベルト法、ベルト車輪法、双ロール法、横型鋳造
法等を採用するのが好ましい。いずれの方法を採用して
も、セラミックス粒子または金属粒子を均一に分散させ
た複合材料の連続鋳造を行なうことが可能であるが、薄
板を寸法精度よく製造するためには横型鋳造法を採用す
るのが最も適している。また、双ロール法を採用する
と、圧下を加えることが可能であり、溶融状態で気泡等
の欠陥が存在しても鋳造時において修復することができ
る。
【0049】連続鋳造工程において凝固過程にある溶融
混合物が接触する鋳造工具部材の材料、すなわち、ベル
ト、車輪、ロールの材質や横型鋳造の鋳型の材質が鉄、
鉄合金、銅、銅合金または黒鉛であれば、本発明の作用
効果を達成するための好ましい連続鋳造工程を実現する
ことができる。上記の材質として銅または銅合金を採用
する場合には、連続鋳造工程における冷却速度を最も高
めることができ、その結果、鋳造速度を高くすることが
可能となる。また、上記の材質として黒鉛を採用する場
合には、無潤滑で連続鋳造を行なうことが可能となる。
なお、ベルト、車輪、ロールまたは横型鋳造の鋳型は、
空冷、水冷等により強制的に温度を一定にするのが好ま
しい。
【0050】母相の溶融金属中にセラミックス粒子また
は金属粒子を均一に分散させる方法としては、母相が完
全に液相状態の溶融金属中に攪拌によってセラミックス
粒子または金属粒子を分散させる方法がある。しかし、
母相が半溶融状態のときに攪拌した方が、短時間でより
均一に粒子を分散させることができる。また、母相が半
溶融状態で攪拌した場合、湯流れ性が良好であるため、
後工程の連続鋳造を行なうことが容易になる。特に、薄
板の連続鋳造材を容易に得ることが可能となる。
【0051】軽量で、かつ、周辺部材との間での熱膨張
係数の整合性に優れ、高い熱伝導性を有する半導体素子
搭載用基板材は、母相がアルミニウム、マグネシウムお
よびそれらを主成分とする合金であるのが好ましい。セ
ラミックス粒子または金属粒子は、酸化アルミニウム、
窒化珪素、炭化珪素、ホウ化チタン、酸化ベリリウム、
酸化珪素、モリブデン、ニオブおよびタングステンの少
なくとも1種以上であるのが好ましい。
【0052】また、セラミックス粒子または金属粒子を
短時間で複合化、たとえば攪拌することができ、母相と
粒子との間の反応を少なくし、欠陥の発生を減少させ、
均一に分散させるためには、母相を合金化させるのが好
ましい。母相としてアルミニウム合金を用いる場合に
は、たとえば、そのアルミニウム合金は、珪素(S
i)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、ストロ
ンチウム(Sr)およびカルシウム(Ca)からなる群
より選ばれた少なくとも1種類の元素と不可避不純物を
含むものを用いるのが好ましい。また、母相としてマグ
ネシウム合金を用いる場合には、そのマグネシウム合金
は、たとえば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、
珪素(Si)、チタン(Ti)、カルシウム(Ca)、
ストロンチウム(Sr)、マンガン(Mn)、ジルコニ
ウム(Zr)および希土類元素からなる群より選ばれた
少なくとも1種類の元素と不可避不純物を含むものを用
いるのが好ましい。
【0053】セラミックス粒子または金属粒子の平均粒
径は0.1μm以上35μm以下であればよく、粒子の
含有量は5体積%以上70体積%以下であればよい。平
均粒径が0.1μm以上35μm以下の粒子を用いる理
由は、0.1μm未満では均一に分散させるのが困難で
あり、35μmを超えると溶融状態で静置すると重力偏
析しやすくなるためである。粒子の含有量を5体積%以
上70体積%以下にする理由は、5体積%未満では最終
的に得られる複合材料としての基板材の熱膨張係数や熱
伝導率が母相を構成する金属または合金とほとんど差が
なく、セラミックス粒子または金属粒子を母相中に含有
させる利点がなくなるためであり、70体積%を超える
と粒子を均一に分散させるのが困難になるためである。
【0054】
【実施例】母相としてアルミニウム合金とマグネシウム
合金の2種類の組成を用いて、セラミックス粒子または
金属粒子が母相中に分散した複合材を作製した。
【0055】純度が99.95%のアルミニウムのイン
ゴットを大気中で電気炉にて溶解し、珪素(Si)を添
加して、アルミニウム−8質量%珪素合金を約30kg
作製した。その後、アルゴン(Ar)ガスを用いて溶湯
処理を施した。そして、得られたアルミニウム合金溶湯
を、坩堝と攪拌羽根を有する真空引きが可能な複合炉に
移した。その後、上記のアルミニウム合金溶湯にストロ
ンチウム(Sr)を添加して、アルミニウム−8質量%
珪素−0.1質量%ストロンチウム合金溶湯を作製し
た。この溶湯の表面に形成された酸化膜を除去した後、
1.33Pa(10-2Torr)の圧力まで真空引きし
た。そして、溶湯の温度を595℃に保持した状態で、
溶湯の攪拌を開始した。攪拌羽根の回転数は600rp
mであった。溶湯の攪拌が安定した状態を確認した後、
炭化珪素(SiC)またはホウ化チタン(TiB)の粒
子を添加することにより、粒子が均一に分散した複合材
を各約10kg作製した。このようにして得られた複合
材の母相組成、添加粒子の種類、平均粒径および添加割
合を表1の種類A、BおよびCにそれぞれ示す。
【0056】また、純度が99.95%のマグネシウム
インゴットをアルゴン(Ar)ガス雰囲気中で溶解し
た。この溶湯にアルミニウム(Al)とカルシウム(C
a)を添加して、マグネシウム−2質量%Al−0.5
質量%カルシウム合金を作製した。その後、マグネシウ
ム合金溶湯を上記の複合炉に移した。溶湯の温度を64
0℃に保持した状態で溶湯の攪拌を開始した。攪拌羽根
の回転数は600rpmであった。溶湯の攪拌が安定し
た状態を確認した後、炭化珪素(SiC)またはニオブ
(Nb)の粒子を添加することにより、粒子が均一に分
散した複合材を各約10kg作製した。このようにして
得られた複合材の母相組成、添加粒子の種類、平均粒径
および添加割合を表1の種類DおよびEに示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示す各種類の複合材の溶湯を、双ベ
ルト法、ベルト車輪法、または双ロール法の各種鋳造
機、あるいは横型鋳造機の鋳型まで、樋等の湯道を通じ
て供給することにより、連続鋳造法によって鋳造材を作
製した。なお、比較例として、通常の金型に複合材の溶
湯を鋳造することにより鋳造材を作製した。複合材の種
類、鋳造条件と得られた鋳造材の寸法を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】連続鋳造工程において、複合炉から鋳造機
へ複合材の溶湯を供給する場合に、特に攪拌等を施さな
くても、鋳造材に重力偏析は見られなかった。また、得
られた鋳造材の断面を観察したところ、試料No.1〜
7の鋳造材はいずれも結晶粒が微細で、セラミックス粒
子または金属粒子が均一に分散していることが確認され
た。しかし、比較例の鋳造材では、本発明例の試料N
o.1〜7と比較すると、結晶粒が大きく、セラミック
ス粒子としての炭化珪素(SiC)粒子の分布が不均一
であった。
【0061】図1と図2は、表2の試料No.4の鋳造
材の断面を観察した顕微鏡写真である。図3は、比較例
として作製した鋳造材の断面を観察した顕微鏡写真であ
る。
【0062】得られた試料No.1〜7と比較例の鋳造
材をそれぞれ圧延加工して厚み1.0mmの薄板を作製
した。試料No.3、4、5、7および比較例の鋳造材
については、鋳造材を温度450℃に加熱して、1パス
ごとの厚み減少率を20%にして、厚みが1.0mmに
なるまで熱間圧延加工を施した。また、試料No.1、
2および6の鋳造材については、鋳造材を温度400℃
に加熱して、1パスにおける厚み減少率を20%にし
て、厚みが1.0mmになるまで熱間圧延加工を施し
た。その結果、試料No.1〜7の鋳造材については、
いずれも問題なく、厚みが1.0mmになるまで圧延加
工することができた。しかし、比較例の鋳造材について
は、厚みが1.0mmになるまで圧延加工を施すことが
できたが、得られた圧延材に耳割れが発生していた。
【0063】上記で得られた試料No.1〜7と比較例
の複合材の熱伝導率と熱膨張係数を測定した。熱伝導率
は、円板状試片を用いてレーザーフラッシュ法によって
測定した。熱膨張係数は、柱状試片を用いて差動トラン
ス方式によって測定した。その結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】次に、圧延加工によって得られた試料N
o.1〜7と比較例の各薄板を用いて、幅と長さが30
mmの形状に加工し、中央部に幅と長さが15mmで深
さが0.2mmの凹部を形成した。その結果、試料N
o.1〜7については、室温でスタンピングとコイニン
グによって上記の形状を薄板に付与することができた。
しかし、比較例の試料については、室温でスタンピング
とコイニングによって上記の形状を薄板に付与する加工
を行なったところ、割れが発生し、所望の形状を得るこ
とができなかった。そこで、比較例の試料については、
温度250℃に加熱した状態で薄板にスタンピングとコ
イニングの加工を施すと、問題なく、上記の形状を薄板
に付与することができた。
【0066】また、得られた試料No.1〜7と比較例
の薄板を用いて、上記と同様の形状を薄板に付与するた
めに、腐食処理を薄板に施した。その結果、試料No.
1〜7については、凹部の表面は非常に平滑であった。
しかし、比較例の試料については、本発明例の試料と比
較すると、表面粗さが大きくなっていた。表面粗さを測
定したところ、試料No.1〜7の表面粗さRaは、そ
れぞれ、3.1、3.2、3.5、3.6、3.2、
3.1、3.3μmであり、比較例の試料の表面粗さR
aは11.2μmであった。
【0067】以上に開示された実施の形態や実施例はす
べての点で例示であって制限的なものではないと考慮さ
れるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態や
実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許
請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正
や変形を含むものと解されるべきである。
【0068】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、軽量
で、周辺部材との間の熱膨張係数の整合性に優れ、かつ
高い熱伝導性を有する半導体素子搭載用基板材の製造方
法において、セラミックス粒子または金属粒子を均一に
分布させることができ、かつ、薄肉や複雑な形状に加工
することができ、製造コストの低い製造方法を提供する
ことが可能となる。
【0069】したがって、種々の半導体装置におけるパ
ッケージの軽量化とその構造の変化に容易に追随するこ
とが可能で、軽量でかつ種々の形状の半導体素子搭載用
基板を安価で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例において得られた鋳造材の
断面を示す顕微鏡写真である。
【図2】 この発明の実施例で得られた鋳造材の断面を
さらに拡大して示す顕微鏡写真である。
【図3】 この発明の比較例として得られた鋳造材の断
面を示す顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 11/00 B22D 11/04 114 11/04 114 11/06 320A 11/06 320 330B 330 340A 340 370B 370 11/124 L 11/124 19/14 A 19/14 H01L 23/36 M (72)発明者 池田 利哉 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 高木 義幸 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 福井 彰 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 大町 正弘 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 朝日 康二 富山県富山市岩瀬古志町2番地 株式会社 アライドマテリアル富山製作所内 Fターム(参考) 4E002 AA08 AD04 BC07 BC10 4E004 DA02 DA13 DA23 QA03 QB03 SD01 SD03 SD09 SE01 SE07 5F036 AA01 BB01 BD01 BD13

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粒子および金属粒子からな
    る群より選ばれた少なくとも1種の粒子を溶融金属中に
    分散させることによって溶融混合物を得る混合工程と、 前記溶融混合物を連続的に冷却して凝固させることによ
    って鋳造材を得る連続鋳造工程とを備え、 前記連続鋳造工程において凝固過程を通じた冷却速度の
    変化率が50%以下である、半導体素子搭載用基板材の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記連続鋳造工程において冷却速度の変
    化率が20%以下である、請求項1に記載の半導体素子
    搭載用基板材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記連続鋳造工程において冷却速度は5
    0℃/秒以上である、請求項1または請求項2に記載の
    半導体素子搭載用基板材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記連続鋳造工程において得られる鋳造
    材の厚みが20mm以下である、請求項1から請求項3
    までのいずれか1項に記載の半導体素子搭載用基板材の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記連続鋳造工程において鋳造速度は1
    000mm/分以上である、請求項1から請求項4まで
    のいずれか1項に記載の半導体素子搭載用基板材の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記鋳造材を板状材に加工する工程と、 前記板状材に形状を付与する工程とをさらに備える、請
    求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の半導体
    素子搭載用基板材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記連続鋳造工程と前記板状材に加工す
    る工程とを連続して行なう、請求項6に記載の半導体素
    子搭載用基板材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記鋳造材を板状材に加工する工程は、
    圧延加工によって前記鋳造材を薄板状材に加工する複数
    パスの圧延工程を含む、請求項6または請求項7に記載
    の半導体素子搭載用基板材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記複数パスの圧延工程のうち、少なく
    とも1回のパスの圧延工程では圧延加工する前に素材を
    200℃以上550℃以下の温度に加熱する、請求項8
    に記載の半導体素子搭載用基板材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記板状材に形状を付与する工程は、
    コイニングおよびスタンピングからなる群より選ばれた
    少なくとも1種の加工を室温で施すことによって前記板
    状材に形状を付与する工程を含む、請求項6に記載の半
    導体素子搭載用基板材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記板状材に形状を付与する工程は、
    前記板状材の一部に腐食防止処理を施した後、前記板状
    材を腐食剤に接触させて、前記腐食防止処理を施した部
    分以外の少なくとも一部を除去することによって前記板
    状材に形状を付与する工程を含む、請求項6に記載の半
    導体素子搭載用基板材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記連続鋳造工程は、双ベルト法、ベ
    ルト車輪法、双ロール法および横型鋳造法からなる群よ
    り選ばれた1種の鋳造法を用いて行なわれる、請求項1
    から請求項11までのいずれか1項に記載の半導体素子
    搭載用基板材の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記連続鋳造工程において凝固過程に
    ある溶融混合物が接触する鋳造工具部材の材料は、鉄、
    鉄合金、銅、銅合金および黒鉛からなる群より選ばれた
    1種の材料を含む、請求項1から請求項12までのいず
    れか1項に記載の半導体素子搭載用基板材の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記混合工程は、半溶融状態で機械的
    に攪拌することによって前記粒子を前記溶融金属中に均
    一に分散させる工程を含む、請求項1から請求項13ま
    でのいずれか1項に記載の半導体素子搭載用基板材の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記溶融金属は、アルミニウムおよび
    マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の
    金属を含む、請求項1から請求項14までのいずれか1
    項に記載の半導体素子搭載用基板材の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記粒子は、酸化アルミニウム、窒化
    珪素、炭化珪素、ホウ化チタン、酸化ベリリウム、酸化
    珪素、モリブデン、ニオブおよびタングステンからなる
    群より選ばれた少なくとも1種を含む材料からなる、請
    求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の半導
    体素子搭載用基板材の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記溶融混合物は、平均粒径が0.1
    μm以上35μm以下の前記粒子を5体積%以上70体
    積%以下、前記溶融金属中に含有する、請求項1から請
    求項16までのいずれか1項に記載の半導体素子搭載用
    基板材の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1から請求項17までのいずれ
    か1項に記載の製造方法によって製造された半導体素子
    搭載用基板材。
  19. 【請求項19】 アルミニウムおよびマグネシウムから
    なる群より選ばれた1種の金属を主成分として含む合金
    中に、酸化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、ホウ化
    チタン、酸化ベリリウム、酸化珪素、モリブデン、ニオ
    ブおよびタングステンからなる群より選ばれた少なくと
    も1種を含む材料からなる粒子を均一に分散した、請求
    項18に記載の半導体素子搭載用基板材。
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