JP2003233170A - 水系塗布液、感光性平版印刷版材料及びその製造方法 - Google Patents

水系塗布液、感光性平版印刷版材料及びその製造方法

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JP2003233170A
JP2003233170A JP2002033872A JP2002033872A JP2003233170A JP 2003233170 A JP2003233170 A JP 2003233170A JP 2002033872 A JP2002033872 A JP 2002033872A JP 2002033872 A JP2002033872 A JP 2002033872A JP 2003233170 A JP2003233170 A JP 2003233170A
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JP2002033872A
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English (en)
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Takaaki Kuroki
孝彰 黒木
Kazuhiko Hirabayashi
和彦 平林
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光重合層と支持体との接着性に優れ、耐刷力
と非画線部の汚れ改良の両立が可能であり、更には、高
解像度な平版印刷版を得ることができる感光性平版印刷
版材料及びその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 支持体上に、中間層、エチレン性付加重
合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発
生させる化合物を含有する光重合性層を有する感光性平
版印刷版材料の製造方法に於いて、該中間層が、塗布形
成時に最大版面温度が105〜250℃で熱処理されて
形成されたことを特徴とする感光性平版印刷版材料の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系塗布液、感光
性平版印刷版材料及びその製造方法に関するものであ
り、詳しくは、耐刷性、汚し回復性及びリニアリティに
優れた感光性平版印刷版材料に適用する水系塗布液、感
光性平版印刷版材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、親水化表面処理を行った支持
体上に、光重合性層及び保護層を積層した感光性平版印
刷版材料が知られている。また、特に近年は、迅速に高
解像度の平版印刷版材料を得るため、また、フィルムレ
ス化を目的として、レーザーを使用する画像情報に基づ
くデジタル露光を行い、これを現像して平版印刷版を製
造する方法が汎用化されている。
【0003】例えば一例を挙げると、電子製版システム
や画像処理システム等からの出力信号ないしは通信回線
等により伝送された画像信号により、光源を変調し、感
光性平版印刷版材料に直接走査露光をして、平版印刷版
を形成するシステムが知られている。
【0004】光重合性層は、一般的にアクリル系単量
体、アルカリ可溶性樹脂及び光重合性開始剤、更に必要
に応じて(特にレーザー書込みを行う際)波長に適合さ
せるために増感色素を含有することが知られている。
【0005】また、酸素による重合阻害を防止する目的
で、保護層(酸素遮断層)を設けることも知られてい
る。
【0006】光重合型の感光性平版印刷材料を露光・製
版する光源としては、Arレーザー(488nm)やF
D−YAGレーザー(532nm)の様な長波長の可視
光源が用いられている。更に近年では、例えば、InG
aN系やZnSe系の材料を用い、350nmから45
0nm域で連続発振可能な半導体レーザーが実用段階と
なっている。これらの短波光源を用いた走査露光システ
ムは、半導体レーザーが構造上、安価に製造できるた
め、十分な出力を有しながら、経済的なシステムを構築
できるといった長所を有する。更に、従来のFD−YA
GやArレーザーを使用するシステムに比較して、より
明るいセーフライト下での作業が可能な、感光域がより
短波長な感光性平版印刷版材料を提供できる可能性があ
る。
【0007】光重合型の感光性平版印刷版材料では通
常、画像露光、必要に応じ加熱処理を行った後、保護層
除去のための水洗、未露光部分を溶解除去するための現
像処理、水洗処理、非画像部の親水化のためのフィニッ
シャーガム処理を行い、平版印刷版を得ている。
【0008】このような光重合型の感光性平版印刷版材
料は、一般的には耐刷力が弱く、耐刷力をアップするた
めにシランカップリング剤や特開2001−24944
4公報に記載される様にジアゾニウム塩化合物を使用す
る技術が知られている。しかし、こうした技術を採用し
ても、耐刷力はまだ不十分であり、更に非画線部にイン
クが付着してしまうという問題を抱えていることが判明
した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明に
おいては、光重合層と支持体との接着性に優れ、耐刷力
と非画線部の汚れ改良の両立が可能であり、更には、高
い解像度を有する平版印刷版を得ることができる感光性
平版印刷版材料に適用する水系塗布液、感光性平版印刷
版材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下により達成された。
【0011】1.支持体上に、中間層、エチレン性付加
重合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを
発生させる化合物を含有する光重合性層を有する感光性
平版印刷版材料の製造方法に於いて、該中間層が、塗布
形成時に最大版面温度が105〜250℃で熱処理され
て形成されたことを特徴とする感光性平版印刷版材料の
製造方法。
【0012】2.前記熱処理の処理時間が、1〜60秒
であることを特徴とする上記1に記載の感光性平版印刷
版材料の製造方法。
【0013】3.前記中間層が、エチレン性付加重合性
基を有する化合物を含有する水系塗布液であることを特
徴とする上記1または2に記載の感光性平版印刷版材料
の製造方法。
【0014】4.支持体上に、エチレン性付加重合性基
を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させ
る化合物を含有する光重合性層を有する感光性平版印刷
版材料の製造方法であって、以下のAからEの工程を有
することを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方
法。 A) 支持体を酸性媒体中で電気化学的に粗面化する工
程 B) 前記支持体表面をポリビニルホスフォン酸を含む
水溶液で処理する工程 C) 前記処理された支持体上に、エチレン性付加重合
性基を有する化合物を含有する水系塗布液で処理し中間
層を設ける工程 D) 上記中間層を有する支持体を熱処理する工程 E) エチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性
光線によりラジカルを発生させる化合物を含有してなる
光重合性層を設ける工程 5.前記AからEの工程に、支持体を機械的に粗面化す
る工程を更に有することを特徴とする上記4に記載の感
光性平版印刷版材料の製造方法。
【0015】6.前記水系塗布液が水溶液であることを
特徴とする上記3乃至5のいずれかに記載の感光性平版
印刷版材料の製造方法。
【0016】7.前記水系塗布液が水分散液であること
を特徴とする上記3乃至5のいずれかに記載の感光性平
版印刷版材料の製造方法。
【0017】8.前記水系塗布液が開環重合性基を有す
る化合物を含有することを特徴とする上記3乃至7のい
ずれかに記載の感光性平版印刷版材料の製造方法。
【0018】9.前記水系塗布液がアミノ基を有する化
合物を含有することを特徴とする上記3乃至7のいずれ
かに記載の感光性平版印刷版材料の製造方法。
【0019】10.前記水系塗布液がアルコキシ基を有
する化合物を含有することを特徴とする上記3乃至7の
いずれかに記載の感光性平版印刷版材料の製造方法。
【0020】11.感光性平版印刷版材料の製造方法に
用いる水系塗布液であって、エチレン性付加重合性基を
有する化合物、開環重合性基を有する化合物、アミノ基
を有する化合物またはアルコキシ基を有する化合物を含
有することを特徴とする水系塗布液。
【0021】12.上記1乃至10のいずれかに記載の
感光性平版印刷版材料の製造方法により製造されたこと
を特徴とする感光性平版印刷版材料。
【0022】以下に本発明を更に詳しく説明する。 (支持体)本発明の支持体(以下、単に支持体とも言
う)は、例えばアルミニウム、ステンレス、クロム、ニ
ッケル等の金属板、また、ポリエステルフィルム、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラス
チックフィルムに前述の金属薄膜をラミネートまたは蒸
着したもの等が使用でき、また、ポリエステルフィル
ム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の表面に
親水化処理を施したもの等が使用できるが、アルミニウ
ム支持体が好ましく使用され、この場合、純アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金であっても構わない。
【0023】支持体のアルミニウム合金としては、種々
のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグ
ネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チ
タン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金等
が用いられる。
【0024】本発明に係る支持体は、粗面化(砂目立て
処理)するに先だって表面の圧延油を除去するために脱
脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリ
クレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロ
ン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジ
ョン脱脂処理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛
性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。
脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場
合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜
も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のア
ルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマット
が生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、ク
ロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット
処理を施すことが好ましい。
【0025】本発明における粗面化の方法としては、例
えば、機械的方法、電気化学的方法等が挙げられるが、
酸性媒体中で電気化学的に祖面化することが好ましく、
この場合に、機械的に祖面化する方法を組合せる方法が
好ましい。
【0026】電気化学的に粗面化する方法としては特に
限定されるものではないが、酸性媒体すなわち酸性電解
液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。酸性
電解液は、電気化学的粗面化法に通常用いられる酸性電
解液を使用することができるが、塩酸系または硝酸系電
解液を用いるのが好ましい。電気化学的粗面化方法につ
いては、例えば、特公昭48−28123号公報、英国
特許第896,563号公報、特開昭53−67507
号公報に記載されている方法を用いることができる。
【0027】この粗面化法は、一般には、1〜50ボル
トの範囲の電圧を印加することによって行うことができ
るが、10〜30ボルトの範囲から電圧を設定すること
が好ましい。
【0028】電流密度は、10〜200A/dm2の範
囲を用いることができるが、50〜150A/dm2
範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜500
0c/dm2の範囲を用いることができるが、100〜
2000c/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。
【0029】この粗面化法を行う温度は、10〜50℃
の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲か
ら選ぶことが好ましい。
【0030】電解液として硝酸系電解液を用いて電気化
学的粗面化を行う場合、一般には、1〜50ボルトの範
囲の電圧を印加することによって行うことができるが、
10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密
度は、10〜200A/dm 2の範囲を用いることがで
きるが、20〜100A/dm2の範囲から選ぶのが好
ましい。電気量は、100〜5000c/dm2の範囲
を用いることができるが、100〜2000c/dm2
の範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行
う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができる
が、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液
における硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解
液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、ア
ルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、シュウ酸
等を加えることができる。
【0031】電解液として塩酸系電解液を用いる場合、
一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加すること
によって行うことができるが、2〜30ボルトの範囲か
ら選ぶことが好ましい。電流密度は、10〜200A/
dm2の範囲を用いることができるが、50〜150A
/dm2の範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、10
0〜5000c/dm2の範囲を用いることができる
が、100〜2000c/dm2、更には200〜10
00c/dm2の範囲から選ぶことが好ましい。電気化
学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用い
ることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好
ましい。電解液における塩酸濃度は0.1〜5質量%が
好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化
物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ
酸、酢酸、シュウ酸等を加えることができる。
【0032】上記の電気化学的粗面化法で粗面化した
後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸または
アルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸として
は、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等
が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもア
ルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニ
ウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好まし
い。また、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐
酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に
浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0033】また、本発明に係る機械的に粗面化する方
法も特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホ
ーニング研磨法が好ましい。ブラシ研磨法による粗面化
は、例えば、直径0.2〜0.8mmのブラシ毛を使用
した回転ブラシを回転し、支持体表面に、例えば、粒径
10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させ
たスラリーを供給しながら、ブラシを押し付けて行うこ
とができる。ホーニング研磨による粗面化は、例えば、
粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散
させ、ノズルより圧力をかけ射出し、支持体表面に斜め
から衝突させて粗面化を行うことができる。また、例え
ば、支持体表面に、粒径10〜100μmの研磨剤粒子
を、100〜200μmの間隔で、2.5×103〜1
0×103個/cm2の密度で存在するように塗布したシ
ートを張り合わせ、圧力をかけてシートの粗面パターン
を転写することにより粗面化を行うこともできる。
【0034】上記の方法で粗面化した後、支持体の表面
に食い込んだ研磨剤、形成されたアルミニウム屑等を取
り除くため、酸またはアルカリの水溶液に浸漬すること
が好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗
酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられ
る。これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカリ水
溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解
量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。アルカリ
水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロ
ム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施す
ことが好ましい。
【0035】上記の如くの機械的粗面化処理法、電気化
学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化しても良い
し、また、組合せて粗面化しても良いが、組合せて祖面
化する方法が好ましい。
【0036】次に、上記支持体は、陽極酸化処理を行う
ことができる。本発明において用いることができる陽極
酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用い
ることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持
体上には酸化皮膜が形成される。該陽極酸化処理には、
硫酸及び/または燐酸等を10〜50%の濃度で含む水
溶液を電解液として、電流密度1〜10A/dm2で電
解する方法が好ましく用いられるが、他に、米国特許第
1,412,768号公報に記載されている硫酸中で高
電流密度で電解する方法や、同3,511,661号公
報に記載されている燐酸を用いて電解する方法、クロム
酸、シュウ酸、マロン酸等を1種または2種以上含む溶
液を用いる方法等が挙げられる。形成された陽極酸化被
覆量は、1〜50mg/dm2が適当であり、好ましく
は10〜40mg/dm2である。陽極酸化被覆量は、
例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%
液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1Lの水
に溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被
覆溶解前後の質量変化測定等から求められる。
【0037】陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ
封孔処理を施しても良い。これら封孔処理は、熱水処
理、沸騰水処理、水蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、重ク
ロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム
処理等公知の方法を用いて行うことができる。
【0038】更に、これらの処理を行った後に、本発明
においては、上記の支持体の表面をポリビニルホスフォ
ン酸を含有する水系溶媒で処理することが好ましく、水
系溶媒が水溶液であることが好ましい。
【0039】ポリビニルホスフォン酸を含有する水溶液
とは、ポリビニルホスフォン酸を濃度として、0.01
〜30%含有する水溶液が好ましく、特に好ましくは、
0.05〜10%の水溶液を用いることが好ましい。こ
れより含有濃度が小さいと本発明の効果が小さく、多い
と液粘度が高く取り扱いが困難となる場合があり、上記
の範囲を好ましい範囲として用いることができる。
【0040】また、上記水溶液にはポリビニルホスフォ
ン酸以外の化合物を更に含有する場合も好ましく、含有
される化合物としては、従来公知の水溶性樹脂、水分散
性無機微粒子、酸類、塩基類などを挙げることができ
る。
【0041】具体的には、水溶性樹脂としては、これら
親水性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、
ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、ヒドロキシエチル澱粉、サクローズオクタ
アセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナト
リウム、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリス
チレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミ
ド、無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0042】また、水分散性無機微粒子としては、コロ
イダルシリカ、特開2001−232746記載のネッ
クレス状コロイダルシリカ等が挙げられる。
【0043】また、酸類としては、燐酸、硫酸、硝酸、
塩酸、その他の強酸またはその塩が挙げられる。
【0044】また、塩基類としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモ
ニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム及び水酸化テ
トラブチルアンモニウムを挙げることができる。
【0045】本発明に於いて、これらポリビニルホスフ
ォン酸とともに含有して使用できる化合物は、その水溶
液中の濃度として、0〜40%が好ましく、更に、0〜
20%の範囲で含有する場合が好ましい。
【0046】本発明に係るポリビニルホスフォン酸を含
有する水溶液にて処理する処理時間は、0.5秒から3
分以内が好ましく、より好ましくは1秒から1分以内が
好ましく、特に、2秒から30秒が好ましい。これより
少ないと本発明の効果が小さくなる場合もあり、また、
これより多いと生産性の点で劣ることから、上記範囲が
好ましい。
【0047】また、上記水溶液での処理時の処理温度と
しては、水溶液温度及び被処理支持体が、40〜100
℃の範囲にあることが好ましく、より好ましくは50〜
90℃、特に、60〜80℃が好ましい。これより低い
温度では本発明の効果が小さい場合があり、これより高
い温度では生産安定性の観点から、上記した範囲が好ま
しい。
【0048】(中間層)本発明に係る中間層は、感光性
平版印刷版材料のいかなる位置に層が設けられていても
構わないが、光重合性層(感光層とも言う)と支持体と
の間に設けられることが好ましく、また、中間層の構成
は、1層でも、2層以上の複数層からなる中間層であっ
ても構わない。
【0049】また、感光性平版印刷版材料としての中間
層の厚みは、塗布付量で、0.1〜1000mg/m2
が好ましく、より好ましくは0.5〜500mg/m2
が好ましく、特に好ましくは1〜300mg/m2であ
る。これより少ないと耐刷性が劣化し、これより多いと
経時での現像不良の要因となる場合があり、上記の範囲
が好ましい。この場合の中間層の厚みとは、複数層から
なる場合には、これらの全てを合計した厚みを言う。
【0050】当該中間層は、本発明に係る化合物、すな
わち、アミノ基を有する化合物、アルコキシ基を有する
化合物、開環重合性基を有する化合物、エチレン性付加
重合性基を有する化合物から選ばれる少なくとも1種ま
たは界面活性剤を含有してなることが好ましく、その他
に後述する高分子結合材を含んでも良い。また、他の添
加剤を含有していても良い。
【0051】上記の本発明に係る化合物は、中間層を形
成する組成物中の含有量として、5〜100質量%含有
していることが好ましく、より好ましくは10〜100
質量%、特に好ましくは20〜100質量%での使用で
ある。これより少ないと本発明の効果が小さくなる場合
があり、上記範囲が好ましい。
【0052】上記において、上限は特に限定されなく、
これは中間層の特性として耐刷性向上成分(本発明に係
る化合物)比率が多い液を微量塗工[数mg/m2]し
たものでも、耐刷性向上成分比率の低い液を多く塗工
[数100mg/m2]したものでも、同様の耐刷性性
能を得ることができるため、特に上限を限定するもので
はない。本発明の性能に必要な耐刷性向上成分量は、付
量と耐刷性向上成分との掛け合わせ関数で規定できる。
【0053】すなわち、0.1≦耐刷性向上成分付量
[mg/m2]×添加比率[100%=1]≦1000
が好ましく、特に好ましくは1≦耐刷性向上成分付量
[mg/m2]×添加比率[100%=1]≦300で
ある。
【0054】本発明に係る感光層や中間層などの塗布
は、従来公知の方法を用いて行うことができる。すなわ
ち、下記する様な塗布方法を用いて、中間層塗布組成
物、すなわち素材を溶媒に溶解またはラテックス状(水
分散状)に分散したものを塗布することができる。
【0055】塗布組成物を調製する際に使用する溶剤と
しては、例えば、アルコール:多価アルコールの誘導体
類では、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘ
キサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、またエーテル類:プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、またケトン類、アルデヒド類:
ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシク
ロヘキサノン、またエステル類:乳酸エチル、乳酸ブチ
ル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等が好ましく挙
げられる。
【0056】本発明において、水分散状の水系塗布液と
する分散の方法及び固体分散装置ないしその技術につい
ては、例えば『分散系レオロジーと分散化技術』(梶内
俊夫、薄井洋基 著、1991、信山社出版(株)、p
357〜p403)、『化学工学の進歩第24集』(社
団法人 化学工学会東海支部 編、1990、槙書
店、p184〜p185)、等の記載や、オイルプロテ
クト法と呼ばれる高沸点有機溶媒に該化合物を溶解して
乳化分散する方法、有機溶媒を用いずに固体状態で直接
分散する方法または英国特許第1,193,349号、
RD−16468、米国特許第2,870,012号、
欧州特許第361,322号、同347,837号等に
示されているように、水混和性有機溶媒や塩基性水溶液
に疎水性写真用有用化合物を溶解した後に水中で微粒子
として析出分散させる方法等の任意の方法を用いること
ができる。
【0057】一例を挙げれば、高圧ホモジナイザーにつ
いては、一般には、(a)分散質が狭間隙を高圧、高速
で通過する際に生じる『剪断力』、(b)分散質が高圧
下から常圧に解放される際に生じる『キャビテーション
力』、等の分散力によって微細な粒子への分散が行われ
ると考えられている。この種の分散装置としては、古く
はゴーリンホモジナイザーが挙げられるが、この装置で
は高圧で送られた被分散液が円柱面上の狭い間隙で、高
速流に変換され、その勢いで周囲の壁面に衝突し、その
衝撃力で乳化・分散が行われる。使用圧力は一般には9
80〜5880N/cm2、流速は数m〜30m/秒の
範囲であり、分散効率を上げるために高流速部を鋸刃状
にして衝突回数を増やすなどの工夫を施したものも考案
されている。
【0058】これに対して、近年更に高圧、高流速での
分散が可能となる装置が開発されてきており、その代表
例としてはマイクロフルイダイザー(マイクロフルイデ
ックス・インターナショナル・コーポレーション社)、
ナノマイザー(特殊機化工業(株))などが挙げられ
る。
【0059】分散装置としては、コロイドミル、ホモジ
ナイザー、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式
超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置、マイク
ロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーシ
ョン社製マイクロフルイダイザーM−110S−EH
(G10Zインターラクションチャンバー付き)、M−
110Y(H10Zインターラクションチャンバー付
き)、M−140K(G10Zインターラクションチャ
ンバー付き)、HC−5000(L30ZまたはH23
0Zインターラクションチャンバー付き)、HC−80
00(E230ZまたはL30Zインターラクションチ
ャンバー付き)、デイゾルバー、ポリトロン、ホモミキ
サー、ホモブレンダー、ケデイーミル、ジェットアジタ
ーなど分散作用する要部が液中で高速回転(通常500
〜15000rpm、好ましくは2000〜4000r
pm)するタイプ等が挙げられる。
【0060】分散操作に先だって、原料液を予備分散す
ることが好ましく、予備分散する手段としては公知の分
散手段(例えば、高速ミキサー、ホモジナイザー、高速
衝撃ミル、バンバリーミキサー、ホモミキサー、ニーダ
ー、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ア
トライター、サンドミル、ビーズミル、コロイドミル、
ジェットミル、ローラーミル、トロンミル、高速ストー
ンミル)を用いることができる。機械的に分散する以外
にも、pHコントロールすることで溶媒中に粗分散し、
その後、分散助剤の存在下でpHを変化させて微粒子化
させても良い。このとき、粗分散に用いる溶媒として有
機溶媒を使用しても良く、通常有機溶媒は微粒子化終了
後除去される。
【0061】分散操作では、水性溶媒可溶な分散剤(分
散助剤)の存在下で分散することができる。分散助剤と
しては、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸の共重合
体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重
合体、アクリロメチルプロパンスルホン酸共重合体など
の合成アニオンポリマー、カルボキシメチルデンプン、
カルボキシメチルセルロースなどの半合成アニオンポリ
マー、アルギン酸、ペクチン酸などのアニオン性ポリマ
ー、特開平7−350753号に記載の化合物、或いは
公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性界面活性剤
やその他のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の
公知のポリマー、或いはゼラチン等の自然界に存在する
高分子化合物を適宜選択して用いることができる。
【0062】機械的に分散する以外にも、pHコントロ
ールすることで溶媒中に粗分散し、その後、分散助剤の
存在下でpHを変化させて微粒子化させても良い。この
とき、粗分散に用いる溶媒として有機溶媒を使用しても
良く、通常有機溶媒は微粒子化終了後除去される。
【0063】調製された分散物は、保存時の微粒子の沈
降を抑える目的で攪拌しながら保存したり、親水性コロ
イドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用し
ゼリー状にした状態)で保存したりすることもできる。
また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で防腐剤
を添加することもできる。
【0064】調製された塗布組成物(層塗布液)は、従
来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、感光性平版
印刷版材料を作製することができる。塗布液の塗布方法
としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ
法、ワイヤーバー法、ナイフコータ法、ディップコータ
法、ロールコーター法、リバースロールコータ法、グラ
ビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコー
タ法及び押し出しコータ法等を挙げることができる。
【0065】感光層などの乾燥温度は、一般的には乾燥
温度範囲としては、60〜160℃の範囲が好ましく、
より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは、90
〜120℃の範囲で乾燥することが好ましいが、本発明
においては、中間層の乾燥温度は、下記する熱処理との
関係で設定する温度範囲が好ましい。尚該乾燥と下記熱
処理とは、連続していても良いし、乾燥工程、熱処理工
程と別工程として行う方法であっても良い。
【0066】(中間層の熱処理)本発明の中間層は、塗
布時または塗布後、熱処理することが重要であり、熱処
理条件で大きく性能が異なる。加熱方法は従来公知のど
のような方法で行われても構わないが、具体的には、温
風循環槽、セラミックヒータ、ハロゲンランプ、キセノ
ンフラッシュランプを挙げることが可能である。
【0067】本発明の中間層の熱処理時の最大版面温度
は、105〜250℃が好ましく、120〜200℃が
より好ましく、更には、140〜180℃が好ましい。
また、ここで最大版面温度とは、サーモラベルを用いた
実測値であり、感光性平版印刷版材料の中間層塗布液の
溶媒揮発後の熱処理に与えられる熱量により、到達する
版面温度を言う。
【0068】従来から中間層を設けた発明はいくつか開
示されており、乾燥条件に関しては、一例を挙げると、
ドライヤー内の平衡温度と熱処理時間で管理を行う方法
が挙げられるが、これは該平衡温度と熱処理時間のみの
条件を開示するものであり、この様な場合、同じドライ
ヤー温度でも風量/中間層塗布溶剤/ウエット膜厚等の
条件で感光性平版印刷版材料の版面の到達温度は、全く
異なってしまうことになり、従って、この様に、従来に
おいては、なんら版面の温度制御はされてはいなかっ
た。
【0069】一方、本発明では、版面温度を一定以上の
温度で熱処理することが重要であり、この特定温度領域
で一定時間処理することが性能上非常に好ましいことを
見出し本発明に到ったものである。
【0070】本発明で言う熱処理の処理時間は、前述の
様に中間層の塗布液を塗布し、熱処理を行うが、その溶
媒揮発後の熱処理の時間を言い、好ましくは、1〜60
秒の範囲であり、より好ましくは、5〜30秒である。
これより短いと本発明の好ましい版面温度が得られにく
く、また長いと装置が大型になり、装置が非常に高価に
なってしまうため、上記の範囲が好ましい。
【0071】本発明の中間層の塗布液は、水系塗布液で
あることが好ましく、この水系塗布液が水溶液または水
分散液であることが好ましい。
【0072】本発明の中間層の塗布液は、従来公知の上
記する様な塗布溶剤を特に制限なく使用できるが、より
好ましくは水系塗布液が好ましい。
【0073】水系塗布液とは、水を主成分とする塗布液
を指し、詳細には、塗布液中の、塗布溶剤において、水
が塗布溶剤中の50質量部以上、より好ましくは60質
量部以上である場合が好ましい。また、併用して用いる
ことのできる溶剤としては、水溶性有機溶剤であれば特
に制限はないが、好ましくはアルコール系溶剤が挙げら
れる。
【0074】本発明の水系塗布液を用いることで、製造
時の安全性等に優れ、また液の安定性にも優れ、好まし
く、また、本発明に係る効果を奏する上でも好ましい。
【0075】すなわち、以上の好ましい版面温度で処理
すること、並びに支持体を粗面化し次いでポリビニルホ
スフォン酸処理し、水系塗布液で処理することで、優れ
た耐刷性及び汚れ性能等を安定に且つ安全に得ることが
できるものである。
【0076】(エチレン性付加重合性化合物)本発明の
中間層の塗布液には、エチレン性付加重合性化合物が含
有されることが好ましいが、このエチレン性付加重合性
基を有する化合物は、親水性または水溶性を有している
ものが好ましく、特に好ましくは水溶性のものである。
【0077】水溶性とは、常圧で25℃の純水に24時
間以内に1質量%以上溶解するものをここでは水溶性と
する。この様な化合物を、本発明に係る中間層を形成す
る塗布液中に50質量%以上含有することが特に好まし
い。
【0078】また、本発明においては、純水に対して上
記の溶解性についてその値が上記の範囲にない場合で
も、純水に、酢酸/塩酸などの酸、アンモニア/水酸化
ナトリウム等の塩基を用いたpH調節剤、アルコール/
グリコール/エーテル等の水系溶剤を添加したり、写真
業界で公知のオイルプロテクト分散技術の技術を用いる
ことで、上記した水溶性の化合物と同様にして、それら
も好ましく用いることができる。
【0079】本発明のエチレン性付加重合性基を有する
化合物は、公知の単量体(以下、単に単量体と称する場
合もある)を挙げることができるが、具体的なものとし
ては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリ
レート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノ
キシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアク
リレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリ
レート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドア
クリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプ
ロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソラ
ンアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或い
はこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネー
ト、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、
イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例え
ば、エチレングリコールジアクリレート、ポリテトラメ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコ
ールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレ
ート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジア
クリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリ
コールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン
酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物
のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−
1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカン
ジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロ
ールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6
−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリ
レート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれら
のアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロ
トネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン
酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプ
ロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロール
トリアクリレート、プロピオン酸−ジペンタエリスリト
ールトリアクリレート、プロピオン酸−ジペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアル
デヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の
多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレ
ートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、
マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができ、これ
らのオリゴマーも使用することができる。
【0080】また、上記単量体によるプレポリマーも上
記同様に使用することができる。プレポリマーとして
は、後述する様な化合物等が挙げることができ、また、
適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、またはメタク
リル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好
適に使用できる。これらプレポリマーは、1種または2
種以上を併用しても良いし、上述の単量体及び/または
オリゴマーと混合して用いても良い。
【0081】プレポリマーとしては、例えばアジピン
酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタ
ル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール
酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルター
ル酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒ
ドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プ
ロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価の
アルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)ア
クリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例え
ば、ビスフェノールA−エピクロルヒドリン−(メタ)
アクリル酸、フェノールノボラック−エピクロルヒドリ
ン−(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メ
タ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例
えば、エチレングリコール−アジピン酸−トリレンジイ
ソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポ
リエチレングリコール−トリレンジイソシアネート−2
−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフ
タリルメタクリレート−キシレンジイソシアネート、
1,2−ポリブタジエングリコール−トリレンジイソシ
アネート−2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメ
チロールプロパン−プロピレングリコール−トリレンジ
イソシアネート−2−ヒドロキシエチルアクリレートの
ように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入した
ウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリ
レート、ポリシロキサン−ジイソシアネート−2−ヒド
ロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレ
ート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アク
リロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、
スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げら
れる。
【0082】本発明に好ましく用いられる単量体とし
て、少なくとも1つのエチレン性二重結合基を有する燐
酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、燐酸の水
酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であ
り、分子内にエチレン性二重結合基を有していれば良
く、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する化
合物である。
【0083】この他に特開昭58−212994号公
報、同61−6649号公報、同62−46688号公
報、同62−48589号公報、同62−173295
号公報、同62−187092号公報、同63−671
89号公報、特開平1−244891号公報等に記載の
化合物などを挙げることができ、更に「11290の化
学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記
載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料
編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物な
ども本発明においては好適に用いることができる。これ
らの中で、分子内に2個以上のアクリル基またはメタク
リル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更
に分子量が10,000以下、より好ましくは5,00
0以下のものが好ましい。
【0084】(開環重合性基を有する化合物)本発明の
中間層の塗布液には、開環重合性基を有する化合物が含
有されることが好ましいが、この開環重合性基を有する
化合物は、親水性または水溶性を有しているものが好ま
しく、特に好ましくは水溶性のものである。この水溶性
とは、上記と同意であり、化合物を50質量%以上含有
することが特に好ましい。
【0085】また、本発明に於いては、純水に対して溶
解性の低いものでも、酢酸/塩酸などの酸、アンモニア
/水酸化ナトリウム等の塩基を用いたpH調整剤、アル
コール/グリコール/エーテル等の水系溶剤の添加、写
真業界で公知のオイルプロテクト分散技術等を用いるこ
とにより好ましく用いることができる。
【0086】本発明に係る開環重合性基を有する化合物
における開環重合性基とは、3員環以上の環状の開環性
重合性基が好ましく、活性水素反応性の基が好ましい。
【0087】この様なものとしては、以下の様な骨格を
有する化合物が挙げられる。すなわち、3員環として
は、グリシジルエーテル骨格、エチレンイミン骨格、エ
チレンスルフィド骨格、4員環以上としては、オキセタ
ン骨格、チエタン骨格、テトラヒドロフラン骨格、ピロ
リジン骨格、スルフォラン骨格、テトラヒドロピラン骨
格、ピペリジン骨格、ε−カプロラクタム骨格、ジオキ
サン骨格、モルホリン骨格等を挙げることができる。
【0088】具体的には、エポキシ類、例えば、エポキ
シ化合物a;1分子中にエポキシ基を1個以上有する化
合物であり、エポキシ当量70〜5,000、好ましく
は80〜3,000のものを好適に使用することがで
き、代表例として、例えば、ジシクロペンタジエンジオ
キサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル
−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビ
ス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペー
ト、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル)アジペート、(3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル)アセタール、エチレン
グリコールのビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エーテル、エチレングリコールの3,4−エポキシシク
ロヘキサンカルボン酸ジエステル、(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)メチルアルコール、(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−エ
チル−3−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)
オキシメチルオキセタン、エポリードGT300(ダイ
セル化学工業(株)製、商品名、3官能脂環式エポキシ
樹脂)及び下記式
【0089】
【化1】
【0090】で表される化合物などの脂環式エポキシ基
を含有するエポキシ化合物b;例えば、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリ
セリンジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリ
シジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル、
2,6−ジグリシジルフェニルエーテル、ソルビトール
ポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレ
ート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ブタジ
エンジオキサイド、フタル酸ジグリシジルエステル、3
−エチル−3−グリシジルオキシメチルオキセタンなど
の脂肪族エポキシ基を含有するエポキシ化合物c;例え
ば、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオ
キサイドなどの脂環式エポキシ基及び脂肪族エポキシ基
を含有するエポキシ化合物d;また、上記エポキシ化合
物のうち1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合
物に炭素原子数6〜33を有する脂肪酸(例えば、ラウ
リン酸、オレイン酸、アマニ油脂肪酸など)をエポキシ
基の一部に反応させてなる1分子中にエポキシ基と脂肪
酸エステル基とを有する脂肪酸変性エポキシ化合物など
を挙げることができる。
【0091】また、下記するオキセタン化合物、すなわ
ち、
【0092】
【化2】
【0093】で表されるオキセタン環を分子中に少なく
とも1個含有する化合物であり、例えば、下記一般式
(1)または(2)で表される化合物などを挙げること
ができる。
【0094】
【化3】
【0095】上記一般式(1)及び(2)において、R
1は炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、一般式
(2)においては、2つのR1は同じでも異なっていて
も良い。R3は水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル
基、アルキレン基、ヒドロキシアルキル基、炭素原子数
2〜10の水酸基で置換されていても良いアルコキシア
ルキル基、炭素原子数7〜12の水酸基で置換されてい
ても良いアリール基、アラルキル基、アリールオキシア
ルキル基を表す。また、R4は炭素原子数1〜6のアル
キレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、キシリ
レン基、炭素原子数4〜30のポリアルキレンオキシ基
を表す。
【0096】上記一般式(1)で表されるオキセタン化
合物の代表例としては、3−エチル−3−メトキシメチ
ルオキセタン、3−エチル−3−エトキシメチルオキセ
タン、3−エチル−3−ブトキシメチルオキセタン、3
−エチル−3−ヘキシルオキシメチルオキセタン、3−
メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル
−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−
アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−
(2′−ヒドロキシエチル)オキシメチルオキセタン、
3−エチル−3−(2′−ヒドロキシ−3′−フェノキ
シプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3
−(2′−ヒドロキシ−3′−ブトキシプロピル)オキ
シメチルオキセタン、3−エチル−3−[2′−
(2′′−エトキシエチル)オキシメチル]オキセタ
ン、3−エチル−3−(2′−ブトキシエチル)オキシ
メチルオキセタン、3−エチル−3−ベンジルオキシメ
チルオキセタン、3−エチル−3−(p−tert−ブ
チルベンジルオキシメチル)オキセタンなどを挙げるこ
とができる。
【0097】上記一般式(2)で表されるオキセタン化
合物の代表例としては、上記一般式(2)において、両
方のR1がいずれもエチル基で、R4がメチレン、エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン、フェニ
レン、キシリレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ
(プロピレンオキシ)基である化合物などを挙げること
ができる。
【0098】また、オキセタン化合物としては、前記一
般式(1)または(2)で表される化合物以外に、例え
ば、ビス(3−エチルオキセタニル−3−メチル)オキ
サイドなどを挙げることができる。
【0099】また、スルフィド類を挙げることができ、
具体的には、
【0100】
【化4】
【0101】で表される化合物を挙げることができる。
ここで、R5は炭素数1〜8のアルキル基またはハロゲ
ン原子を表し、直鎖状のアルキル基が好ましく、ハロゲ
ン原子の場合は、塩素原子またはフッ素原子が好まし
い。また、R6としては、
【0102】
【化5】
【0103】で表される基が好ましい(ここで、R7
アダマンチル基などの脂環式基を表し、xは0〜5の整
数を表す。)。また、エピスルフィド誘導体の3〜5量
体であるチオアルデヒド環状3量体、チオアルデヒド環
状4量体、チオアルデヒド環状5量体なども挙げること
ができる。これら環状化合物は、例えば対応する環状エ
ーテルの酸素原子を硫黄原子で置換することで合成する
ことができる。例えば、一般式(3)で表される化合物
は、エポキシ誘導体のエタノール溶液を氷水浴等で冷却
し、例えばイソチオシアン化カリウムまたはチオシアン
化アンモニウム等を滴下しながら反応させて得ることが
できる。
【0104】以上の様なもの等が例示として挙げること
ができるが、本発明において好ましくは、グリシジルエ
ーテル、オキセタン、スルフィド骨格を有する化合物で
ある。具体的な構造としては下記のような置換基を有す
る化合物であり、これらの化合物を本発明において好ま
しく使用することができる。
【0105】
【化6】
【0106】本発明に係る開環重合性基を有する化合物
はこれらの置換基を、分子内に2個以上有する化合物が
好ましく、2個以上10個以下の場合が更に好ましく、
より好ましくは2個以上5個以下である。2個以上の上
記置換基を連結する基は特に限定しないが、−(CH2
CH2O)n−基で連結する場合が好ましく、この場合、
n=1以上20以下の整数が好適で、4以上10以下が
より好ましい。
【0107】本発明に係る開環重合性基を有する化合物
は、当該開環重合性基の他に分子内に有する構造として
は特に限定はしないが、好ましくは−(CH2CH2O)
n−OH基を有することが好ましく、この場合、n=1
以上20以下の整数が好適で、4以上10以下がより好
ましい。
【0108】また、本発明では、1分子中に開環重合性
基及びエチレン性付加重合性基を有する化合物を用いる
ことも好ましく、この化合物は、開環重合性基及びエチ
レン性付加重合性基を1分子中に少なくとも1つずつ有
していれば特に限定されないが、具体的には、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)ア
クリレート、アリルグリシジルエーテルなどの(メチ
ル)グリシジル基含有重合性不飽和モノマー;3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートな
どの脂環式エポキシ基含有重合性不飽和モノマーなどや
下記式で表される化合物を挙げることができる。
【0109】
【化7】
【0110】(上記式において、R8は炭素原子数1〜
6のアルキル基であり、R9は水素原子またはメチル基
である) また、水酸基含有オキセタン(例えば、3−エチル−3
−ヒドロキシメチルオキセタンなど)に該水酸基と反応
し且つオキセタン環とは実質的に反応しない官能基(例
えば、イソシアネート基、メチルエステル基等)及びエ
チレン性不飽和基(アクリロイル基、メタクリロイル
基、ビニル基など)を含有する不飽和モノマー(例え
ば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシア
ネート、メチル(メタ)アクリレートなど)とを反応さ
せてなる化合物なども挙げることができる。
【0111】上記式(化7)表される化合物の具体例と
しては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチル
オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−
メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)
3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメ
チル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキ
シメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイ
ルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリ
ロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−
(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタ
ンなどを挙げることができる。
【0112】また、共栄社化学株式会社のライトエステ
ルG、テトラヒドロフルフリルアリレート並びに下記化
合物が好ましい。
【0113】下記化合物において、nは1以上20以下
の整数が好ましく、4以上10以下である場合がより好
ましい。
【0114】
【化8】
【0115】これらの化合物を1種で、または2種以上
を組合せて使用することができる。 (アミノ基を有する化合物)本発明に係るアミノ基を有
する化合物のアミノ基は、1級、2級、3級または4級
のアミノ基のいずれでも構わないが、1級或いは2級の
アミノ基が好ましい。好ましいアミノ基を有する化合物
としては、下記式で表される化合物であるが、これに限
定されない。
【0116】
【化9】
【0117】式中、R11は1価のエチレン性付加重合性
基を有する有機基を表し、アクリロイル基、メタクリル
ロイル基、ビニル基等を挙げることができ、アクリロイ
ル基またはメタクリロイル基が特に好ましい。Yは、炭
素数1〜10の2価の連結基を表し、アルキレン基、ア
リーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−SO
2−、−SO−、−O−、−S−、−N(R10)−、−
(C=O)−、−COO−、−(P=O)−、−CON
H−等の基単独または組合せて構成される2価の連結基
を挙げることができる。但し、R10は水素原子、アルキ
ル基、アリール基またはアラルキル基を表す。上記の中
でも、アルキレン基、−O−、−(C=O)−、−CO
O−、−CONH−で表される基を単独または組合せて
構成される2価の連結基が好ましい。
【0118】R12及びR13は、それぞれ、水素原子、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール
基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基
またはヘテロ環を表し、好ましくは、水素原子、アルキ
ル基、ヘテロ環を表す。
【0119】本発明で好ましく用いられるアミノ基を有
する化合物は、親水性または水溶性の化合物が好まし
く、特に好ましくは水溶性の化合物である。
【0120】この水溶性とは、上記したものと同意のも
のであり、化合物を50質量%以上含有することが特に
好ましい。
【0121】また、本発明に於いては、純水に対して溶
解性の低いものでも、酢酸/塩酸などの酸、アンモニア
/水酸化ナトリウム等の塩基を用いたpH調整剤、アル
コール/グリコール/エーテル等の水系溶剤の添加、写
真業界で公知のオイルプロテクト分散技術等を用いるこ
とにより好ましく用いることができる。
【0122】また、本発明に係るアミノ基を有する化合
物として、1分子中にアミノ基及びエチレン性付加重合
性基を有する化合物を用いることも好ましい。
【0123】本発明に係る、1分子中にアミノ基及びエ
チレン性付加重合性基を有する化合物の具体的な例とし
ては、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノブチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル
アクリレート及びN,N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、
N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N,
N−ジメチルアミノブチルメタクリレート、N,N−ジ
エチルアミノブチルメタクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノ
プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル
メタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタ
クリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタク
リルアミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、アリルアミン、2−メチルアリルアミン、ジアリル
アミンなどが挙げられるが、特にこれらに限定されな
い。しかし光反応性の面から不飽和基としてアクリル
基、またはメタクリル基を有するアミノ化合物が望まし
い。
【0124】また、次の化合物も好ましく本発明に使用
することができる。
【0125】
【化10】
【0126】(アルコキシ基を有する化合物)本発明の
中間層の塗布液は、アルコキシ基を有する化合物を含有
することが好ましく、本発明で好ましく用いられるアル
コキシ基を有する化合物は、親水性または水溶性を有し
ているものが好ましく、特に好ましくは水溶性ものであ
る。水溶性とは、上記したものと同意のものであり、化
合物を50質量%以上含有することが特に好ましい。
【0127】また、本発明に於いては、純水に対して溶
解性の低いものでも、酢酸/塩酸などの酸、アンモニア
/水酸化ナトリウム等の塩基を用いたpH調整剤、アル
コール/グリコール/エーテル等の水系溶剤の添加、写
真業界で公知のオイルプロテクト分散技術等を用いるこ
とにより好ましく用いることができる。
【0128】本発明に係るアルコキシ基を有する化合物
とは、下記一般式からなる化合物が好ましく用いられ
る。
【0129】Ra(Rb)SiRc(Rd) (Ra〜Rdの少なくとも2個は炭素原子10以下のアル
コキシ基または−OCOCH3基を表し、他は付加重合
性反応基を表す。) 前記一般式における付加重合性反応基としては、アルケ
ニル基、アルキニル基等が挙げられ、Si元素とこれら
付加重合性反応基の間には、種々の連結基が結合されて
いても構わない。アルケニル基の例としては、ビニル
基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ジアルキル
マレイミド基等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。アルキニル基の例としては、アセチレン
基、アルキルアセチレン基等が挙げられるが、これらに
限定されるものではなく、[SilaneCoupli
ng Agents](Edwin P.Pluedd
emann、Plemum Press、1982)等
に記載されたものも挙げられる。
【0130】具体的には、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)
シラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テ
トラキス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、テトラ
キス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラフェノキ
シシラン、テトラアセトキシシランなどを挙げることが
でき、中でもテトラエトキシシランが好ましい。付加重
合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているものと
しては、具体的には、CH2=CH−Si(OCOC
33、CH2=CH−Si(OC253、CH2=C
H−Si(OCH33、CH2=CHCH2−Si(OC
253、CH2=CHCH2NH(CH23−Si(O
CH33、CH2=CHCOO−(CH23−Si(O
CH33、CH2=CHCOO−(CH 23−Si(O
253、CH2=CHCOO−(CH24−Si(O
CH33、CH2=C(CH3)COO−(CH23−S
i(OCH33、CH2=C(CH3)COO−(C
23−Si(OC253、CH2=C(CH3)CO
O−(CH24−Si(OCH33、CH2=C(C
3)COO−(CH25−Si(OCH33、(CH2
=C(CH3)COO−(CH232−Si(OC
32、CH2=C(CH=CH2)−Si(OC
33、CH2=CH−SO2NH−(CH23−Si
(OCH33、CH2=CH−ph−O−Si(OC
33、(ph:ベンゼン環を示す)、CH2=CH−
ph−CONH−(CH23−Si(OCH33、CH
2=CH−ph−CH2NH−(CH23−Si(OCH
33、CH2=CH−ph−CH2NH−C24NH(C
23−Si(OCH33−HClHC≡C−Si(O
253、CH3C≡C−Si(OC253、DMI
−(CH2m−CONH−(CH23−Si(OC
33、(DMI:ジメチルマレイミド基を示す。m=
1〜20)、CH2=CHCH2O−Si(OCH33
(CH2=CHCH2O)4Si、HO−CH2−CH=C
H−Si(OC2 53、CH3CH2CO−CH=CH
−Si(OC253、CH2=CHS−(CH23−S
i(OCH33、CH2=CHCH2O−(CH22−S
CH2−Si(OCH33、CH2=CHCH2S−(C
23−S−Si(OCH33、(CH33CCO−C
H=CH−Si(OC253、(CH2=CH)2N−
(CH22−SCH2−Si(OCH33、CH3COC
H=C(CH3)−O−Si(OCH33を上げること
ができるが、これらに限定されるものではなく、また、
いくつかの化合物を任意の比で混合して用いても構わな
い。
【0131】(界面活性剤)本発明の中間層の塗布液に
は、界面活性剤が含有されることが好ましい。特に、該
中間層の塗布液にエチレン性付加重合性基を有する化合
物または開環重合性基を有する化合物を含有する場合に
含有することが好ましい。
【0132】本発明で使用できる活性剤は、従来公知の
ものを特に制限なく使用でき、具体的には、ノニオン界
面活性剤、アニオン界面活性剤またはフッ素系界面活性
剤が好ましい。
【0133】アニオン界面活性剤の例としては、ラウリ
ルアルコールサルフェートのナトリウム塩、オクチルア
ルコールサルフェートのナトリウム塩、ラウリルアルコ
ールサルフェートのアンモニウム塩、第2ナトリウムア
ルキルサルフェート等の炭素数8〜22の高級アルコー
ル硫酸エステル塩類、例えばアセチルアルコール硫酸エ
ステル塩類、例えばアセチルアルコール硫酸エステルの
ナトリウム塩等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、
例えばドジシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、イ
ソプロピルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、メタ
ニトロベンゼンスルホン酸のナトリウム塩等のアルキル
アリールスルホン酸塩類、例えばC1233CON(CH
3)CH2CH2SO3Na等のアルキルアミドのスルホン
酸塩類、例えばナトリウムスルホンこはく酸ジヘキシル
エステル等の2塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩等
が挙げられる。
【0134】好ましくは、アルキルスルホン酸塩類、ア
ルキルアリールスルホン酸塩類、高級アルコール硫酸エ
ステル塩類、アルキルアミドのスルホン酸塩類、脂肪族
アルコール硫酸エステル塩等であり、このアニオン界面
活性剤は、中間層組成物の総質量に基づいて0.01〜
10質量%が好ましいが、更に好ましくは0.1〜5質
量%の範囲である。
【0135】ノニオン界面活性剤としては各種の化合物
を用いることができる。この活性剤は大別してポリエチ
レングリコール系化合物と多価アルコール系化合物に分
けることができ、ポリエチレングリコール系化合後物が
より好ましく用いられる。中でもオキシエチレン単位が
3以上の繰り返し構造を有し、且つHLB値(Hydr
ophile−Lipophile Balance)
が5以上、更に好ましくは、10〜20のものが好適で
ある。具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
ノニルエーテル、ポペリオキシエチレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシ
エチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリ
ン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド、ポ
リオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンエチレ
ンアビエチルエーテル、ポリオキシエチレンノニンエー
テル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシ
エチレンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセ
リルモノオレート、ポリオキシエチレングリセリルモノ
ステアレート、ポリオキシエチレンプロピレングリコー
ルモノステアレート、オキシエチレンオキシプロピレン
ブロックポリマー、ジスチレン化フェノールポリエチレ
ンオキシド付加物、トリベンジルフェノールポリエチレ
ンオキシド付加物、オクチルフェノールポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレン付加物、グリセロールモノス
テアレート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレート等を挙げることができ
る。
【0136】これらのノニオン界面活性剤の添加量は、
中間層組成物の総質量に基づいて、好ましくは、0.0
01〜5質量%であり、より好ましくは、0.01〜3
質量%の範囲である。また、これらのノニオン界面活性
剤の重量平均分子量は、300〜50000が好まし
く、特に好ましくは、500〜5000の範囲である。
【0137】これらのノニオン界面活性剤は単独で用い
ても良いが、2種以上を併用しても良い。
【0138】また、好ましく用いることができるフッ素
系界面活性剤の例を次に挙げる。
【0139】
【化11】
【0140】また、市販のフッ素系界面活性剤を用いる
こともでき、例えばサーフロン「S−381」、「S−
382」、「SC−101」、「SC−102」、「S
C−103」、「SC−104」(いずれも旭硝子
(株)製)、フロラード「FC−430」、「FC−4
31」、「FC−173」(いずれもフロロケミカル−
住友スリーエム製)、エフトップ「EF352」、「E
F301」、「EF303」(いずれも新秋田化成
(株)製)、シュベゴーフルアー「8035」、「80
36」(いずれもシュベグマン社製)、「BM100
0」、「BM1100」(いずれもビーエム・ヒミー社
製)、メガファック「F−171」、「F−177」
(いずれも大日本インキ化学(株)製)等を挙げること
ができる。
【0141】フッ素系界面活性剤のフッ素含有割合は、
0.05〜2%程度、好ましくは0.1〜1%である。
上記の各種フッ素系界面活性剤は、単独でまたは組合せ
て用いることができる。
【0142】(光重合性層のエチレン性付加重合性基を
有する化合物)本発明の光重合性層(感光層)に用いる
エチレン性付加重合性基を有する化合物は、公知の単量
体(単に単量体と称する場合もある)を挙げることがで
きるが、具体的なものとしては、上記したものを挙げる
ことができる。
【0143】また、感光層には、ホスファゼンモノマ
ー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO変
性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアク
リレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレー
ト、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステ
ル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレ
タン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成
される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプ
レポリマーを含有することができる。
【0144】本発明に好ましく用いられる単量体とし
て、少なくとも1つのエチレン性二重結合基を有する燐
酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、燐酸の水
酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であ
り、分子内にエチレン性二重結合基を有していれば良
く、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する化
合物である。
【0145】この他に特開昭58−212994号公
報、同61−6649号公報、同62−46688号公
報、同62−48589号公報、同62−173295
号公報、同62−187092号公報、同63−671
89号公報、特開平1−244891号公報等に記載の
化合物などを挙げることができ、更に「11290の化
学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記
載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料
編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物な
ども本発明においては好適に用いることができる。これ
らの中で、分子内に2個以上のアクリル基またはメタク
リル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更
に分子量が10,000以下、より好ましくは5,00
0以下のものが好ましい。
【0146】本発明に係る感光層には、上記した単量体
を、感光層を塗布する感光性組成物の1.0〜80.0
質量%の範囲で含有するのが好ましく、より好ましくは
3.0〜70.0質量%の範囲である。
【0147】(高分子結合材)本発明に係る感光層及び
中間層等は、高分子結合材(バインダー)を含有するこ
とが好ましい。当該高分子結合材は、下記(1)〜(1
7)に記載のモノマー(単量体)の少なくとも1種から
なるビニル系共重合体を含有することが好ましい。
【0148】(1)芳香族水酸基を有するモノマー、例
えばo−(またはp−,m−)ヒドロキシスチレン、o
−(またはp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレー
ト等。
【0149】(2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例
えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシ
ブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリ
レート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−
ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキ
シルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)ア
クリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリ
ルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0150】(3)アミノスルホニル基を有するモノマ
ー、例えばm−(またはp−)アミノスルホニルフェニ
ルメタクリレート、m−(またはp−)アミノスルホニ
ルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニル
フェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホ
ニルフェニル)アクリルアミド等。
【0151】(4)スルホンアミド基を有するモノマ
ー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルア
ミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミ
ド等。
【0152】(5)α,β−不飽和カルボン酸類、例え
ばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等。
【0153】(6)置換または無置換のアルキルアクリ
レート、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ア
ミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシ
ル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アク
リル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル
アクリレート、グリシジルアクリレート等。
【0154】(7)置換または無置換のアルキルメタク
リレート、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル
酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニ
ル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−クロロエチ
ル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グ
リシジルメタクリレート等。
【0155】(8)アクリルアミドまたはメタクリルア
ミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N
−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミ
ド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニル
アクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリル
アミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N
−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−
(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0156】(9)弗化アルキル基を含有するモノマ
ー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフル
オロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメ
タクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレー
ト、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフル
オロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシ
ルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキ
シエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド
等。
【0157】(10)ビニルエーテル類、例えば、エチ
ルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オク
チルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
【0158】(11)ビニルエステル類、例えばビニル
アセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレー
ト、安息香酸ビニル等。
【0159】(12)スチレン類、例えばスチレン、メ
チルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0160】(13)ビニルケトン類、例えばメチルビ
ニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケト
ン、フェニルビニルケトン等。
【0161】(14)オレフィン類、例えばエチレン、
プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン
等。
【0162】(15)N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0163】(16)シアノ基を有するモノマー、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテ
ンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シ
アノエチルアクリレート、o−(またはm−,p−)シ
アノスチレン等。
【0164】(17)アミノ基を有するモノマー、例え
ばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレ
タンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アク
リロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0165】上記高分子結合材には、必要に応じてポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹
脂、天然樹脂等、他の任意の高分子結合材が、上記の本
発明に係るビニル系共重合体と共に併用されても良い。
【0166】本発明に係る感光層を塗布する組成物中に
おける上記高分子結合材の含有量は、感光層について1
0〜90質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の
範囲が更に好ましく、20〜50質量%の範囲で使用す
ることが感度の面から好ましい。更に、上記のビニル系
共重合体は、該高分子結合材において、50〜100質
量%であることが好ましく、100質量%であることが
より好ましい。
【0167】本発明に係る高分子結合材に含まれる重合
体の酸価については、10〜150の範囲で使用するの
が好ましく、30〜120の範囲がより好ましく、50
〜90の範囲で使用することが、感光層全体の極性のバ
ランスをとる観点から特に好ましく、これにより感光層
塗布液での顔料の凝集を防ぐことなどができる。
【0168】(活性光線によりラジカルを発生させる化
合物)本発明に係る光重合性層(感光層)には活性光線
によりラジカルを発生させる化合物(以下、光重合開始
剤とも言う)を用いることが好ましく、光重合開始剤と
して好ましく使用できるものは、例えばJ.コーサー
(J.Kosar)著「ライト・センシテイブ・システ
ムズ」第5章に記載されるような、カルボニル化合物、
有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ
化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素
などが挙げられ、英国特許第1,459,563号に開
示されている化合物も好ましい。
【0169】具体的には、以下の例を挙げることができ
るが、これらに限定されない。すなわち、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾイン−i−プロピルエーテル、
α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等の
ベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロ
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,
4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベン
ゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−i
−プロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;
2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン
等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N
−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジ
エトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キ
サントン、ウラニル化合物の他、特公昭59−1281
号公報、同61−9621号公報並びに特開昭60−6
0104号公報に記載のトリアジン誘導体;特開昭59
−1504号公報、同61−243807号公報に記載
の有機過酸化物;特公昭43−23684号公報、同4
4−6413号公報、同44−6413号公報、同47
−1604号公報並びに米国特許第3,567,453
号に記載のジアゾニウム化合物;米国特許第2,84
8,328号、同2,852,379号並びに同2,9
40,853号に記載の有機アジド化合物;特公昭36
−22062号公報、同37−13109号公報、同3
8−18015号公報並びに同45−9610号公報に
記載のo−キノンジアジド類;特公昭55−39162
号公報、特開昭59−14023号公報並びに「マクロ
モレキュルス(Macromolecules)」10
巻,1307頁(1977年)記載の各種オニウム化合
物;特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合
物;特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第1
09,851号、同126,712号並びに「ジャーナ
ル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.
Sci.)」30巻,174頁(1986年)記載の金
属アレン錯体;特開平5−213861号及び同5−2
55347号記載の(オキソ)スルホニウム有機硼素錯
体;特開昭59−152396号公報、特開昭61−1
51197号公報に記載のチタノセン類;「コーディネ
ーション・ケミストリー・レビュー(Coordina
tionChemistry Review)」84
巻,85〜277頁(1988年)並びに特開平2−1
82701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含
有する遷移金属錯体;特開平3−209477号公報に
記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;
四臭化炭素、特開昭59−107344号公報に記載の
有機ハロゲン化合物等。
【0170】中でも好ましいものは、チタノセン類であ
る。チタノセン類の具体例としては、ジ−シクロペンタ
ジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジ
エニル−Ti−ビス―フェニル、ジ−シクロペンタジエ
ニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオ
ロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti
−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−
イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,
4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペ
ンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ
−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシク
ロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−
ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペ
ンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフ
ルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエ
ニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イ
ル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジ
フルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウ
ム(IRUGACURE784:チバスペシャリティー
ケミカルズ社製)等が挙げられるが、これに限定される
ものではない。
【0171】光源にレーザー光を用いる場合、好ましく
は感光層に増感色素を添加することが好ましい。
【0172】可視光から近赤外まで波長増感させる化合
物としては、例えばシアニン、フタロシアニン、メロシ
アニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フ
ルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナ
ジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェ
ニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジ
ン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジ
ゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、
ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合
物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体
等が挙げられ、更に欧州特許第568,993号、米国
特許第4,508,811号、同第5,227,227
号、特開2001−125255公報、特開平11−2
71969号公報等に記載の化合物も用いられる。
【0173】本発明において、上記の光重合開始剤と増
感色素の組合せの好ましい具体例としては、特開200
1−125255公報、特開平11−271969号公
報に記載のある組合せが挙げられる。
【0174】これら重合開始剤の感光層中での含有量は
特に限定されないが、本発明に係るエチレン性付加重合
性基を有する化合物100質量部に対して0.1〜20
質量部が好ましい。また、光重合開始剤と増感色素の配
合比率は、モル比で1:100〜100:1の範囲が、
好ましい。
【0175】(各種添加剤)本発明に係る感光層の塗布
組成物には、上記した成分の他に、感光性平版印刷版材
料の製造中或いは保存中において重合可能な単量体の不
要な重合を阻止するために、重合防止剤を添加すること
が望ましい。適当な重合防止剤としてはハイドロキノ
ン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベン
ゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェ
ニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、2−t−ブチ
ル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチ
ルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙
げられる。
【0176】重合防止剤の添加量は、上記組成物の全固
形分の質量に対して、0.01〜5%が好ましい。また
必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベ
ヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を
添加したり、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏
在させても良い。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成
物の0.5%〜10%が好ましい。
【0177】また、着色剤も使用することができ、着色
剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に
使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料
技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧
等に述べられているものが挙げられる。
【0178】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔
料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的に
は、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラ
ファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウ
ム、酸化鉄、並びに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウム
のクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ
系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェ
ンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシア
ニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙げ
られる。
【0179】これらの中でも、使用する露光レーザーに
対応した分光増感色素の吸収波長域に実質的に吸収を持
たない顔料を選択して使用することが好ましく、この場
合、使用するレーザー波長での積分球を用いた顔料の反
射吸収が0.05以下であることが好ましい。また、顔
料の添加量としては、上記組成物の固形分に対し0.1
〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質
量%である。
【0180】露光光源として、アルゴンレーザー(48
8nm)またはSHG−YAGレーザー(532nm)
を使用する場合には、上記の感光波長領域での顔料吸収
及び現像後の可視画性の観点から、紫色顔料、青色顔料
を用いるのが好ましい。この様なものとしては、例えば
コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレ
ーキ、フォナトーンブルー6G、ビクトリアブルーレー
キ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブル
ーフアーストスカイブルー、インダンスレンブルー、イ
ンジコ、ジオキサンバイオレット、イソビオランスロン
バイオレット、インダンスロンブルー、インダンスロン
BC等を挙げることができる。これらの中で、より好ま
しくはフタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレット
である。
【0181】また、上記組成物は、本発明の性能を損わ
ない範囲で、界面活性剤を塗布性改良剤として含有する
ことができる。その中でも好ましいのはフッ素系界面活
性剤である。
【0182】また、硬化皮膜の物性を改良するために、
無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレー
ト、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を
加えても良い。これらの添加量は全固形分の10%以下
が好ましい。
【0183】(オーバーコート層)本発明に係る感光層
の上側には、オーバーコート層(保護層ないし酸素遮断
層とも言う)を設けることが好ましい。該層は、後述す
る現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高い
ことが好ましい。
【0184】保護層を構成する素材として好ましい例
は、ポリビニルアルコール、ポリサッカライド、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、
膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテー
ト、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、
ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレ
ンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等が
挙げられる。これらの化合物を単独または2種以上併用
し塗布組成物とし用いることができる。特に好ましい化
合物としてはポリビニルアルコールが挙げられる。
【0185】保護層塗布組成物を調製するには、上記の
素材を適当な溶剤に溶解して塗布液とすることができ、
この塗布液を本発明に係る光重合性感光層上に塗布し、
乾燥して保護層を形成することができる。保護層の厚み
は感光性平版印刷版材料として、0.1〜5.0μmが
好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。
保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等
を含有することができる。
【0186】保護層の塗布方法としても、上記例に挙げ
た公知の方法を好適に用いることができる。保護層の乾
燥温度は、感光層の乾燥温度よりも低い方がより好まし
い。好ましくは感光層乾燥温度との差が10℃以上、よ
り好ましくは20℃以上である場合が好ましく、その場
合の上限はせいぜい50℃程度が好ましい。
【0187】また、保護層の乾燥温度が、感光層が含有
するバインダーのガラス転移温度(Tg)より低いこと
が好ましい。保護層の乾燥温度と、感光層が含有するバ
インダーのガラス転移温度(Tg)の差は20℃以上で
あることが好ましく、より好ましくは40℃以上であ
り、その差の上限はせいぜい60℃程度が好ましい。
【0188】(製造方法)本発明に係る感光性平版印刷
版材料は、次の様な製造方法により製造されることが好
ましい。すなわち、上記の如くの粗面化された支持体上
に、上記したエチレン性付加重合性基を有する化合物及
び活性光線によりラジカルを発生させる化合物を含有す
る光重合性層を上記の如く塗布形成する方法が好ましい
が、更に、以下のAからEの工程を順次有する製造方法
がより好ましい。 A) 支持体を酸性媒体中で電気化学的に粗面化する工
程 B) 前記支持体表面をポリビニルホスフォン酸を含む
水溶液で処理する工程 C) 前記処理された支持体上に、エチレン性付加重合
性基を有する化合物を含有する水系塗布液で処理し中間
層を設ける工程 D) 上記中間層を有する支持体を熱処理する工程 E) エチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性
光線によりラジカルを発生させる化合物を含有してなる
光重合性層を設ける工程 また、前記複数の工程に、支持体を機械的に粗面化する
工程を含んでなることも本発明においては好ましい。
【0189】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例にお
ける「部」は、特に断りがない限り「質量部」を表す。
【0190】実施例1 (バインダーの合成)窒素気流下の三ツ口フラスコに、
メタクリル酸12部、メタクリル酸メチル70部、アク
リロニトリル8部、メタクリル酸エチル10部、エタノ
ール500部及びα、α′−アゾビスイソブチロニトリ
ル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間
反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライ
ド3部及びグリシジルメタクリレート2部を加えて3時
間反応させ、アクリル系共重合体1を得た。GPCを用
いて測定した重量平均分子量は約50,000、DSC
(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転移温度(T
g)は約85℃であった。
【0191】(支持体の作製)厚さ0.24mmのアル
ミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保
たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の
脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム
板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸
漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウ
ム板を、0.3質量%の硝酸水溶液中で、25℃、電流
密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒
間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸
化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行
った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板
を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/d
2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行っ
た。この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65
μmであった。
【0192】(支持体の前処理)上記処理を行った後、
続けて表に記載のシリケート処理またはポリビニルホス
フォン酸処理を行った。該シリケート処理及びポリビニ
ルホスフォン酸処理は、下記の様な条件にて行った。
【0193】(シリケート処理)上記の支持体を、3号
ケイ酸ソーダ(SiO2=28〜30%、Na2O=9〜
10%、Fe=0.02%以下、但し左記は濃度%)の
2.5質量%、pH=11.2、70℃の水溶液に15
秒浸漬し、続いて水洗した。表面の蛍光X線分析により
求めたSi元素量から、表面シリケート量は10mg/
2であった。
【0194】(ポリビニルホスフォン酸処理)ポリビニ
ルホスフォン酸の濃度は表1に示す濃度とし、及びビニ
ルホスフォン酸0.2%の80℃の溶液中にアルミニウ
ム板を30秒間通し、乾燥した。
【0195】(中間層熱処理)上記支持体上に、表1記
載の様に中間層の塗布液を膜厚10μmになる様に塗布
し、表2の条件で熱処理した。
【0196】尚、表1中の「MEK」とは、メチルエチ
ルケトンを表し、「MeOH」はメタノールを表す。
【0197】(感光性平版印刷版材料の作製)上記処理
済みの中間層の上に、下記組成の光重合性の感光層塗工
液を乾燥時1.4g/m2になるようワイヤーバーで塗
布し、95℃で1.5分間乾燥した。その後、更に該感
光層上に、下記組成のオーバーコート層塗工液を乾燥時
2.0g/m2になるようにアプリケーターで塗布し、
75℃で1.5分間乾燥して、感光層上にオーバーコー
ト層を有する平版印刷版材料を作製した。
【0198】 《感光層塗工液》 アクリル系共重合体1(合成バインダー,分子量Mw=5万) 35.0部 分光増感色素1 2.0部 分光増感色素2 2.0部 IRGACURE 784(チバスペシャリティケミカルズ製) 4.0部 EO変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌル酸 (アロニクスM−315:東亞合成社製) 35.0部 2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ −5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート (スミライザーGS:住友3M社製) 0.5部 フッ素系界面活性剤(FC−431;住友スリーエム社製) 0.5部 メチルエチルケトン(沸点=79.6℃) 80部 シクロペンタノン(沸点=129℃) 820部
【0199】
【化12】
【0200】 《オーバーコート層塗工液》 ポリビニルアルコール(GL−03:日本合成化学社製) 89部 水溶性ポリアミド(P−70:東レ社製) 10部 界面活性剤(F1405:大日本インキ工業社製) 0.5部 水 900部 《画像形成》以上の様に作製した各感光性平版印刷版材
料について、FD−YAGレーザー光源を搭載したCT
P露光装置(Tigercat:ECRM社製)を用い
て2540dpi(dpiとは、2.54cm当たりの
ドット数を表す)の解像度で画像露光を行った。次い
で、現像前にオーバーコート層を除去する前水洗部、下
記組成の現像液を充填した現像部、版面に付着した現像
液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW
−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)を備えたCT
P自動現像機(PHW32−V:Technigrap
h社製)でプレヒート/現像処理を行い、平版印刷版を
得た。
【0201】 《現像液組成》(下記添加剤を含有する水溶液) Aケイ酸カリ 8.0質量% ペレックスNBL:花王(株)製 3.0質量% 苛性カリ pH=12.3となる添加量 (平版印刷版の評価)上記のようにして得られた平版印
刷版について、以下の検討ないし評価を行った。尚、実
施例2以下についても同様に行った。
【0202】《感度》上記のCTP露光装置で露光光量
を調整し、エネルギーを変化させて露光し、現像した1
00%ベタ部分の濃度を反射濃度計(D−196:グレ
タグマクベス社製)で測定し、飽和ベタ濃度の90%ま
で濃度が低下したエネルギー量を最低必要エネルギーと
し、これを感度とした。
【0203】《耐刷性》画像部の膜減りが観察されず、
且つ、175線・50%の網点露光部が、作製した平版
印刷版面上で50%に再現できる露光量の2倍の光量で
描画した。
【0204】現像して作製した平版印刷版を、印刷機
(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート
紙、印刷インク(東洋インク(株)製トーヨーキングハ
イエコーM紅)及び湿し水(東京インク(株)製H液S
G−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、1000
枚連続印刷後、クリーナーで版面をふき、ハイライト部
の点細り、シャドウ部の絡みの発生する印刷枚数を耐刷
力の指標とした。耐刷力1回は1000枚連続印刷後ク
リーナーでふく作業を指す。多いほど耐刷性が良いこと
を示す。
【0205】《汚し回復》1000枚連続印刷後クリー
ナーでふき、15分後に印刷を再開し、非画線部の地汚
れがなくなる枚数とした。少ないほど良好であることを
示す。
【0206】《90%アミ再現》上記レーザー描画パワ
ーでリニアリティ未補正でアミ点を描画して、90%に
再現されるはずのアミ点領域を500倍の光学顕微鏡で
撮影し、2mm×2mmの範囲の画像部の面積を算出し
てアミ点%として表2に示した。
【0207】《塗布時臭気》塗布巾300mmでディッ
プ供給後、WB掻き取り型塗工装置を用い連続0.5m
塗布し、ドライヤーで乾燥した時の臭気を官能評価し
た。
【0208】 ○…通常の局所排気で臭気なし △…通常の局所排気で極僅か臭気があるが、人が問題な
く作業できる ×…通常の局所排気で臭気あり、防臭マスク必要 《最大版面温度》同じ材質、同じ粗面化、前処理を行っ
た金属支持体にサーモラベル[日油技研工業株式会社製
サーモラベル5E]を貼り付け下記の熱処理を加え
た。サーモラベルが50%以上発色している点を最大版
面温度とした。
【0209】《熱処理》表に記載の各乾燥方法、乾燥設
定条件で、ウエット状態で10μmの中間層の乾燥時間
を計測し、表の熱処理時間を乾燥時間に加えて、熱処理
した。
【0210】以上の様な評価を各感光性平版印刷版材料
について行った。結果は表1及び表2に示す。尚、表中
に示す化合物は、以下のものを使用した。
【0211】
【化13】
【0212】
【表1】
【0213】
【表2】
【0214】実施例2 ポリビニルホスフォン酸(PVPA)処理後の処理に使
用する中間層塗布液を次の様に変更した以外は、実施例
1と同様に行った。
【0215】処理条件:表3の溶液をウエット膜厚10
μmとなるように塗工し、表4の条件で、実施例1と同
様に熱処理した。
【0216】《中間層塗布液》下記組成の界面活性剤溶
液1とエチレン性不飽和基を有する化合物を含む溶液を
各々調製した後、混合して超音波分散器を用いてエチレ
ン性不飽和基を有する化合物をオイルプロテクト分散
し、中間層塗布液を調製した。得られた中間層塗布液を
ワイヤーバーコーティング法により塗布・乾燥し、表3
に示す付量の中間層を形成した。
【0217】 《活性剤溶液1》 界面活性剤〔日本乳化剤(株)製、Newcol 271A〕 5部 純水 50部 《エチレン性不飽和基を有する化合物溶液》 表3のエチレン性化合物 3部 ジオクチルフタレート 3部 酢酸エチル 2部 尚、表3中に用いた化合物は、以下のものを使用した。
EX5000H:共栄社化学株式会社製
【0218】
【化14】
【0219】
【表3】
【0220】
【表4】
【0221】実施例3 実施例1で使用した感光層塗工液について、分光増感色
素1、2及びIRGACURE784に代えて、下記の
様に化合物1〜7を添加した以外は実施例1と同様に、
またオーバーコート層塗工液では下記の様に化合物8を
含有する塗工液を使用した以外は、実施例1と同様に、
中間層、感光層、オーバーコート層を塗布し試料を作製
した。
【0222】 化合物1 0.7質量部 化合物2 0.7質量部 化合物3 0.7質量部 化合物4 0.7質量部 化合物5 0.7質量部 化合物6 0.7質量部 化合物7 4.0質量部 《オーバーコート層塗工液》 ポリビニルアルコール(GL−03:日本合成化学社製) 87部 水溶性ポリアミド(P−70:東レ社製) 10部 化合物8 2部 界面活性剤(F1405:大日本インキ工業社製) 0.5部 水 900部 そして、発振波長405nmのInGaN系半導体レー
ザーを搭載した自作の装置で実施例1同様に露光した。
結果を表5に示す。尚、化合物1〜8は下記の化合物を
使用した。
【0223】
【表5】
【0224】
【化15】
【0225】
【発明の効果】本発明は、光重合層と支持体との接着性
に優れ、耐刷力と非画線部の汚れ改良の両立ができ、更
には、高解像度な平版印刷版を得ることができる感光性
平版印刷版材料及びその製造方法を提供することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/11 G03F 7/11 7/38 501 7/38 501 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA12 AA14 AB03 AC01 AD01 BC13 BC42 BC83 CA00 DA35 DA36 EA01 EA10 FA17 2H096 AA06 BA05 CA03 CA05 DA01 GA08 2H114 AA04 AA23 AA28 BA01 DA04 DA25 DA32 DA54 EA03 EA04 EA05 FA14 GA03 GA08 GA36 GA38

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、中間層、エチレン性付加重
    合性基を有する化合物及び活性光線によりラジカルを発
    生させる化合物を含有する光重合性層を有する感光性平
    版印刷版材料の製造方法に於いて、該中間層が、塗布形
    成時に最大版面温度が105〜250℃で熱処理されて
    形成されたことを特徴とする感光性平版印刷版材料の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱処理の処理時間が、1〜60秒で
    あることを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷
    版材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記中間層が、エチレン性付加重合性基
    を有する化合物を含有する水系塗布液であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の感光性平版印刷版材料
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 支持体上に、エチレン性付加重合性基を
    有する化合物及び活性光線によりラジカルを発生させる
    化合物を含有する光重合性層を有する感光性平版印刷版
    材料の製造方法であって、以下のAからEの工程を有す
    ることを特徴とする感光性平版印刷版材料の製造方法。 A) 支持体を酸性媒体中で電気化学的に粗面化する工
    程 B) 前記支持体表面をポリビニルホスフォン酸を含む
    水溶液で処理する工程 C) 前記処理された支持体上に、エチレン性付加重合
    性基を有する化合物を含有する水系塗布液で処理し中間
    層を設ける工程 D) 上記中間層を有する支持体を熱処理する工程 E) エチレン性付加重合性基を有する化合物及び活性
    光線によりラジカルを発生させる化合物を含有してなる
    光重合性層を設ける工程
  5. 【請求項5】 前記AからEの工程に、支持体を機械的
    に粗面化する工程を更に有することを特徴とする請求項
    4に記載の感光性平版印刷版材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記水系塗布液が水溶液であることを特
    徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の感光性
    平版印刷版材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記水系塗布液が水分散液であることを
    特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の感光
    性平版印刷版材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記水系塗布液が開環重合性基を有する
    化合物を含有することを特徴とする請求項3乃至7のい
    ずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記水系塗布液がアミノ基を有する化合
    物を含有することを特徴とする請求項3乃至7のいずれ
    か1項に記載の感光性平版印刷版材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記水系塗布液がアルコキシ基を有す
    る化合物を含有することを特徴とする請求項3乃至7の
    いずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 感光性平版印刷版材料の製造方法に用
    いる水系塗布液であって、エチレン性付加重合性基を有
    する化合物、開環重合性基を有する化合物、アミノ基を
    有する化合物またはアルコキシ基を有する化合物を含有
    することを特徴とする水系塗布液。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10のいずれか1項に記
    載の感光性平版印刷版材料の製造方法により製造された
    ことを特徴とする感光性平版印刷版材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305740A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 感光性平版印刷版材料用アルミニウム板支持体、その製造方法及び感光性平版印刷版材料
JP2009149649A (ja) * 2007-12-24 2009-07-09 Industry-Academic Cooperation Foundation Yonsei Univ エポキシ基と不飽和二重結合を有する光重合性単量体およびこれを含有する光重合組成物

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