JP2003232766A - 犠牲陽極の検査方法及び検査装置 - Google Patents
犠牲陽極の検査方法及び検査装置Info
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Abstract
の全体を浸漬することなくしかも正確に短時間で評価を
行なうことができる犠牲陽極の検査方法及び検査装置を
提供する。 【解決手段】 第1の容器13に充填された電解質溶液
15aに、検査対象物(例えば、船外機本体11)に電
気的に接続された犠牲陽極16を浸漬する一方、第1の
容器13とは別の第2の容器17に電解質溶液15bを
充填すると共に第2の容器17内の電解質溶液15bに
参照極18を浸漬し、第1の容器13内の電解質溶液1
5aと第2の容器15b内の電解質溶液15bとを塩橋
若しくは液絡し、第2の容器17,参照極18,及び電
解質溶液15bから構成された検査ユニット20を検査
対象物11の欠陥部12に対応配置して犠牲陽極16に
よる電流・電位を検出し、この検出電流・検出電位に基
づいて犠牲陽極16の評価を行なう。
Description
法及び検査装置に関し、さらに詳しくは、犠牲陽極の評
価(特に、塗装を施した金属面に及ぼす効果などの評
価)や犠牲陽極の効果が有効な範囲を判定するための検
査方法及び検査装置に関するものである。
象物)の耐食性を向上させる方法の1つとして、船外機
本体に犠牲陽極を設置する方法がある。船外機は、通常
の塗装された金属よりも苛酷な環境で使用されるため、
その本体(船外機本体)に表面処理や塗装などを施すこ
とにより船外機本体の耐食性を高めるようにしている。
これに加えて、犠牲陽極の効果も併せて発揮させること
により、船外機本体の耐食性を顕著に向上させるように
している。なお、犠牲陽極は、船外機本体の材質よりも
溶解しやすい性質を持つものであり、自らが溶解し、船
外機本体側に電子を供給することにより船外機本体の防
食を図る役目を担うものである。
評価するにあたっては、塩水噴霧試験や複合サイクル試
験、浸食腐食試験(評価する部品を塩溶液中に浸漬して
行なう試験)などを行なうようにしているが、船外機本
体そのものの耐食性を高めるための処理が施されている
ため、塩水噴霧試験、複合サイクル試験、若しくは浸食
腐食試験を行なう際には長期間の試験時間が必要であ
る。
経験と勘に頼ることが多いのが実状である。流電陽極
(犠牲陽極)Aから防食対象物Bに流れる電流Iの分布
は図11(a),(b)に示すように表されることが多
く、この分布や特性データなどを元に犠牲陽極の設置位
置を選択することが多いが、実際に犠牲陽極から船外機
本体までの電流経路の距離以外に、船外機本体や犠牲陽
極の形状,船外機本体の材質,下地処理,及び塗装の種
類や膜厚などの影響を受けるため、その効果を十分に発
揮できていない場合がある。
0中に参照極101を浸漬すると共に電解質溶液102
中に犠牲陽極103及び対極104を浸漬し、これらの
電解質溶液100,102をルギン管105を介して塩
橋してポテンショスタット106にて電位を計測するこ
とにより、犠牲陽極103の特性を測定することは可能
である。しかし、このような実験を行なうには、検査対
象物(被検査物)を試験片として切り出す必要がある。
また、図13に示すように、検査対象物である船外機本
体107の全体を電解質溶液108(海水,人口海水な
ど)中に浸漬して犠牲陽極103の特性を測定する場合
には、測定対象箇所以外の多くの部分も電解質溶液10
8中に浸漬されるため、測定対象箇所だけを測定してい
るか定かではなくなる。さらに、船外機本体107側へ
及ぼす犠牲陽極103の影響を純粋に把握するには、測
定用の電極類を船外機本体107に近接して配置する必
要があるが、そのようにしても他の因子からの影響が多
く、犠牲陽極103の適正な評価が困難である。
ルの全体を電解質溶液中に浸漬して測定することによっ
て概算は可能である。しかしながら、実際の船外機本体
107の表面は平面だけでなく複雑に湾曲した形状(立
体的)の部分もあり、しかも影となる裏側の部分も生じ
るため、単純に計算により犠牲陽極103の影響が船外
機本体107に対してどの程度、どの範囲まで及んでい
るのかについて把握することは難しい。また、算出した
効果が、実際のものと一致しないこともある。
楊極の残余寿命を測定するために流電楊極の表面積を測
定する方法及び装置が開示されているが、この方法及び
装置は、本発明に係る方法及び装置のように犠牲陽極そ
のものの設置位置、量などを決定するものとは異なるも
のである。
たものであって、その目的は、実際の船外機本体に対す
る犠牲陽極の影響(効果)について、犠牲陽極が取付け
られた船外機本体の全体を浸漬することなくしかも正確
に短時間で評価を行なうことができる犠牲陽極の検査方
法及び検査装置を提供することにある。
めに、本発明に係る犠牲陽極の検査方法では、第1の容
器に充填された電解質溶液に、検査対象物に電気的に接
続された犠牲陽極を浸漬する一方、前記第1の容器とは
別の第2の容器に電解質溶液を充填すると共に、前記第
1の容器内の電解質溶液と前記第2の容器内の電解質溶
液とを塩橋若しくは液絡し、前記第2の容器及び電解質
溶液から構成された検査ユニットを検査対象物の欠陥部
に対応配置して前記犠牲陽極に流れる電流を検出し、こ
の検出電流に基づいて前記犠牲陽極の評価を行なうよう
にしている。また、本発明に係る犠牲陽極の検査方法で
は、前記検査ユニットを前記検査対象物の複数箇所の欠
陥部にそれぞれ対応配置し、その際に前記犠牲陽極にそ
れぞれ流れる電流の電流値若しくは電流密度に基づいて
前記犠牲陽極の効果が有効な範囲を判定するようにして
いる。また、本発明に係る犠牲陽極の検査方法では、第
1の容器に充填された電解質溶液に、検査対象物に電気
的に接続された犠牲陽極を浸漬する一方、前記第1の容
器とは別の第2の容器に電解質溶液を充填すると共に前
記第2の容器内の電解質溶液に参照極を浸漬し、前記第
1の容器内の電解質溶液と前記第2の容器内の電解質溶
液とを塩橋若しくは液絡し、前記第2の容器,参照極,
及び電解質溶液から構成された検査ユニットを検査対象
物の欠陥部に対応配置して前記検査対象物の欠陥部の電
位を検出し、この検出電位に基づいて前記犠牲陽極の評
価を行なうようにしている。また、本発明に係る犠牲陽
極の検査方法では、前記検査ユニットを前記検査対象物
の複数箇所の欠陥部にそれぞれ対応配置し、その際の前
記検査対象物の欠陥部の各所における電位に基づいて前
記犠牲陽極の効果が有効な範囲を判定するようにしてい
る。また、本発明に係る犠牲陽極の検査装置では、
(a) 第1の容器内に充填された電解質溶液の中に犠
牲陽極を浸漬して成る第1のセル構成部、(b) 前記
第1の容器とは別の第2の容器と、前記第2の容器内に
密封状態で充填された電解質溶液とを有する第2のセル
構成部としての検査ユニット、(c) 前記第1の容器
内の電解質溶液と前記第2の容器内の電解質溶液とを相
互に塩橋若しくは液絡する電気接続部、(d) 前記犠
牲電極に流れる電流を検出する電流検出手段、をそれぞ
れ具備し、前記検査ユニットを検査対象物の欠陥部に対
応配置したときに前記犠牲陽極に流れる電流を前記電流
検出手段にて検出し、この検出電流に基づいて前記犠牲
陽極を評価するようにしている。また、本発明に係る犠
牲陽極の検査装置では、(a) 第1の容器内に充填さ
れた電解質溶液の中に犠牲陽極を浸漬して成る第1のセ
ル構成部、(b) 前記第1の容器とは別の第2の容器
と、前記第2の容器内に密封状態で充填された電解質溶
液と、前記第2の容器内の電解質溶液に浸漬された参照
極とを有する第2のセル構成部としての検査ユニット、
(c) 前記第1の容器内の電解質溶液と前記第2の容
器内の電解質溶液とを相互に塩橋若しくは液絡する電気
接続部、(d) 前記検査対象物の欠陥部における電位
を検出する電位検出手段、をそれぞれ具備し、前記検査
ユニットを検査対象物の欠陥部に対応配置したときの前
記検査対象物の欠陥部の電位を前記電位検出手段にて検
出し、この検出電位に基づいて前記犠牲陽極を評価する
ようにしている。また、本発明に係る犠牲陽極の検査装
置では、前記参照極に接続されたリード線、及び、前記
検査対象物の欠陥部に接続されたリード線を前記電位検
出手段に接続して前記検査対象物の欠陥部における電位
を計測し、その検出電位に基づいて前記犠牲陽極の評価
を行なうように構成している。また、本発明に係る犠牲
陽極の検査装置では、前記検査ユニットの第2の容器
に、前記第1及び第2の容器内の電解質溶液を相互に連
通するための第1のパイプ部材、並びに、前記第2の容
器の外部からその内部に電解質溶液を導入して前記第2
の容器内の圧力調整,前記第2の容器のエア抜き,及び
前記第2の容器への前記電解質溶液の供給制御を行なう
ための第2のパイプ部材を取付けるようにしている。ま
た、本発明に係る犠牲陽極の検査装置では、前記第2の
容器内への前記第1のパイプ部材の挿入長さを短く設定
して前記第1のパイプ部材の一端部を前記第2の容器の
天壁部の近傍位置に配置すると共に、前記第2の容器内
への前記第2のパイプ部材の挿入長さを前記第1のパイ
プ部材の挿入長さよりも長く設定して前記第2のパイプ
部材の一端部を前記第2の容器の底壁部の近傍位置に配
置するようにしている。また、本発明に係る犠牲陽極の
検査装置では、前記検査ユニットの第2の容器の底壁部
に測定用開口を設け、前記測定用開口に前記参照極を対
応配置すると共に、前記測定用開口内に多孔質体を配置
して前記測定用開口を前記多孔質体にて閉塞するように
している。
に、本発明の原理について簡単に説明すると次の通りで
ある。まず、図14(a)に示すように異種(2種類)
の金属材料から成る金属平板1,2を塩化カリウム溶液
などの電解質溶液3の中に浸漬してこれら両者を導線4
で繋ぐと、イオン化傾向(電解質溶液中の金属・合金の
活性の順列)の相対的に大きな金属材料から成る金属平
板1から導線4を通り、イオン化傾向(電解質溶液中の
金属・合金の活性の順列)の相対的に小さな金属材料か
ら成る金属平板2に電子e- が供給される。この時、金
属平板1はアノード(陽極)、金属平板2はカソード
(陰極)となり、金属平板1は金属平板2に対して犠牲
陽極としての機能を持つこととなる。このことは、電解
質溶液3を図14(b)に示す如く金属平板1用の電解
質溶液3aと金属平板2用の電解質溶液3bとに別々に
分離しても、これらの電解質溶液3a,3bを塩橋若し
くは液絡用エレメント5で相互に繋ぐようにすれば上記
と同様の結果が得られる。
6をもつ塗装金属である防食対象物7を犠牲陽極8に導
線9を介して相互に接続して電解質溶液3の中に浸漬し
た場合には、犠牲陽極8が溶解することにより導線9を
通って電子が流れる。そして、この際の電流Iは、図1
5(a)において破線の矢印で示すような分布となり、
防食対象物7に存在する欠陥部6に集中して流れるよう
になる。この時、図15(b)に示す如き回路ができて
いると考えることができる。なお、この場合、陽極電極
としての犠牲電極8は、電位の発生源として電池とみな
し、図15(a)の回路においては電池Eで示される。
Cの抵抗をr、防食対象物7の塗装Dの抵抗(塗装抵
抗)をr’、電解質溶液3の抵抗をr''、全抵抗をRと
すると、全体の電流Iは、下記の式(1)で表すことが
できる。 I=E/(r+r’+r'') ……… (1)
場合であって、かつ、犠牲陽極8の設置予定位置Pから
欠陥部6までの距離が短い場合(犠牲陽極8の設置予定
位置Pと欠陥部6とが近い場合)には、図16(a)に
示すような回路で表すことができ、そして犠牲陽極8の
設置予定位置Pから欠陥部6までの距離が長い場合(犠
牲陽極8の設置予定位置Pと欠陥部6とが遠い場合)に
は、図16(b)で示すような回路で表すことができ
る。なお、塗装Dの抵抗r’は、防食対象物7の塗装が
均一であるならば一定値であり、防食対象物7を構成す
る金属材料Cの抵抗r、電解質溶液3の抵抗r''は、前
記距離が長いほど大きくなる。
が近い位置にある場合の全抵抗Raは、その場合の前記
抵抗rをra とすれば、下記の式(2)で表される。 Ra=ra+r’+ra'' ……… (2) また、犠牲陽極8の設置予定位置Pと欠陥部6とが遠い
位置にある場合の全抵抗Rb は、その場合の前記抵抗r
をrb とすれば、下記の式(3)で表される。 Rb=rb+r’+rb'' ……… (3) 従って、その際に欠陥部6に流れる電流Ia ,Ib は、
下記の式(4),(5)にそれぞれ表される如くとな
る。 Ia =E/Ra ……… (4) Ib =E/Rb ……… (5)
には、図16(c)で示すような回路で表すことができ
る。この時の全抵抗Rc は、下記の式(6)でされる。 Rc={(ra+r’+ra'')×(rb+r’+rb'')}/{(ra+r’+ ra'')+(rb+r’+rb'')} ……… (6) そして、その際の電流Ic は、下記の式(7)で表され
る。 Ic =E/Rc ……… (7) 従って、欠陥部6が存在する各箇所に流れる電流値Iを
それぞれ測定してこれらの測定値に基づいて、防食に必
要な電流値を下回らず、しかも過防食とならないよう
な、犠牲陽極8の効果を十分に発揮できる犠牲陽極8の
位置,量,並びに表面積を決定することができる。
値、電圧値の測定を短時間で行なうことができ、その電
流値又は電圧値(電位値)に基づいて、従来の評価法と
して用いられている塩水噴霧試験や複合サイクル試験
(例えば1000時間程度の評価時間を要する)よりも
遥かに短時間で犠牲電極8の評価を行なうことが可能で
ある。
図1〜図10を参照して説明する。
検査方法を施行するための検査装置(セル装置)10を
示すものであって、この検査装置10は、船外機本体1
1の欠陥部12に対する犠牲陽極の効果並びに影響範囲
(有効範囲)を測定して評価するための装置である。本
実施形態の検査装置10は、図1に示すように、第1の
容器13に充填された電解質溶液(例えば、塩化ナトリ
ウム溶液)15aに、船外機本体11にリード線14に
て電気的に接続された犠牲陽極16を浸漬する一方、第
1の容器13とは別の第2の容器17に電解質溶液(例
えば、塩化ナトリウム溶液)15bを充填すると共に第
2の容器内17の電解質溶液15bに参照極18を浸漬
し、第1の容器13内の電解質溶液15aと第2の容器
17内の電解質溶液15bとを塩橋若しくは液絡して成
るものであり、第2の容器17,参照極18,及び電解
質溶液15bにて構成された検査ユニット(セル構成
体)20を検査対象物である船外機本体11の欠陥部1
2に対応配置してその際に犠牲陽極16による電流・電
位に基づいて犠牲陽極16の評価を行なうようにしたも
のである。
10は、第1の容器13内に充填された電解質溶液15
aの中に犠牲陽極16を浸漬して成る第1のセル構成部
21、第1の容器13とは別の第2の容器17と、第2
の容器内に密封状態で充填された電解質溶液15bと、
第2の容器17内の電解質溶液15bに浸漬された参照
極18とを有する検査ユニットとしての第2のセル構成
部22、第1の容器13内の電解質溶液15aと第2の
容器17内の電解質溶液15bとを相互に塩橋若しくは
液絡する電気接続部23から成る。そして、犠牲電極1
6に流れる電流を検出するために図1,図3及び図4に
示すようにリード線14に設けられた電流検出手段とし
ての電流計24が備えられている。さらに、電位検出手
段としてのポテンショスタット25が付設されており、
図5に示す場合には、参照極18に接続されたリード線
40、及び、船外機本体11の欠陥部12に接続された
リード線42がポテンショスタット25にそれぞれ接続
されている。一方、図6に示す場合には、参照極18に
接続されたリード線40がポテンショスタット25に接
続されると共に、船外機本体11の複数の欠陥部12に
それぞれ接続された複数のリード線42が切替器62を
介してポテンショスタット25に接続されている。
の容器17は、図2に明示するように、上部及び下部に
開口部を有する筒状の枠体26と、この枠体26の上部
及び下部にそれぞれ嵌着されたシリコン栓27a,27
bとから成る密封容器であって、その内部に電解質溶液
15bが完全密封状態で充填されている。そして、既述
の参照極18がシリコン栓27a(第2の容器17の天
壁部)に貫通されて第2の容器17内の電解質溶液15
b中に浸漬されている。さらに、上述のシリコン栓27
aには、第1及び第2の容器13,17内の電解質溶液
15a,15bを相互に電気的に連通するための第1の
パイプ部材28、並びに、第2の容器13の外部からそ
の内部に新たな電解質溶液15bを導入して第2の容器
17内の圧力調整及び電解質溶液15bの供給調整を行
ないかつ第2の容器17内のエアを抜くための第2のパ
イプ部材29が貫通状態で取付けれられている。すなわ
ち、第2の容器17の天壁部を構成するシリコン栓27
aには、例えばテフロン(登録商標)製の第1及び第2
のパイプ部材28,29が貫通配置されており、第1の
パイプ部材28の一端部がシリコン栓27aの近くで電
解質溶液15b中に浸漬されると共に、第2のパイプ部
材29の一端部がシリコン栓27aに対向するシリコン
栓27b(第2の容器17の底壁部)の近くに配置され
ている。従って、第2の容器27内における2種のパイ
プ部材28,29の電解質溶液15b中への浸漬長さ
は、第1のパイプ部材28については、第2の容器17
のシリコン栓27a(天壁部)の近くでその先端部が終
端となるように相対的に短く設定され、第2のパイプ部
材29については、第1のパイプ部材28の挿入長さよ
りも長く設定されて、その一端部がセル測定面側端部と
なる第2の容器17のシリコン栓27bの近傍位置に配
置されている。
る第1のパイプ部材28の他端部には、塩橋若しくは液
絡用エレメント30の一端部が接続されている。この塩
橋若しくは液絡用エレメント30としては、例えばチュ
ーブ内に塩化カリウム入りの寒天を固めた状態で入れた
ものが使用され、常に同じ抵抗値を示すように調整され
ている。一方、塩橋若しくは液絡用エレメント30の他
端部は、既述の第1の容器13内の電解質溶液15aに
浸漬された状態で固定されている。
(セル測定面底壁部)には、ほぼ中央箇所に測定用開口
31が形成されており、連続気孔を有する多孔質体32
が測定用開口31内に挿入配置されている。そして、第
2の容器17の外部で第2のパイプ部材29に設けられ
たシリンジ33により第2の容器17の内部の圧力を調
整すると共に、測定用開口31ヘの電解質溶液15bの
供給を制御することによって、測定対応面α(図1及び
図2参照)以外への電解質溶液15bの漏れを防ぐよう
に構成されている。一方、既述の参照極18の先端は前
記測定用開口31の近傍の真上位置に配置されると共
に、前記開口面測定用開口31からの距離すなわち第2
の容器17の底面側のシリコン栓27bの測定対応面α
からの距離は最小限に設定されている。因みに、測定用
開口31は、前記測定対応面αの中央位置に配置される
と共に、検査対象物の表面が曲面である場合にも対応で
きるようにその面積が約1cm2 に設定され、その全面積
部分が多孔質体32で閉塞されて第2の容器17内の電
解質溶液15bの漏洩が阻止されるようになっている。
なお、この多孔質体32の厚さは、電解質溶液15bを
通過させることなく確実に保持しつつ、参照極18と測
定対応面αとの間の距離を最短にできるような厚さ(好
ましくは、1mm〜15mm)に選定されている。
容器17の測定対応面αには、測定用開口31以外の部
分に電解質溶液15bが接するのを防ぐためにOリング
34,35が配設されており、これにより、測定対応面
αが検査対象物の測定面に密着し得るように構成されて
いる。なお、測定対応面に当たる部分は、枠体26を密
閉できる部材とし、かつ、検査対象物の測定面を傷つけ
ることの無い材質のシリコン栓27bなどの部材にて構
成されている。
機本体11の犠牲陽極16の検査(評価)を行なう際の
手順について述べると、以下の通りである。まず、防食
対象物である船外機本体11を使用状況と同じように設
置し、図3及び図4に示すように犠牲陽極設置予定位置
Pにリード線14の一端部を接続する。そして、犠牲陽
極16にリード線14の他端部を接続し、その犠牲陽極
16を第1の容器13内の電解質溶液15a中にリード
線14が浸らない状態の下で浸漬する。一方、図3若し
くは図4に示すように、防食対象物である船外機本体1
1の1箇所若しくは複数箇所に、クロスカットなどのよ
うな手法で人工的な欠陥部(欠損部)12を形成する。
次いで、第2のセル構成部22である検査ユニット20
を移動させて検査ユニット20の測定対応面αをOリン
グ34,35を介して船外機本体11の表面上に配置す
ると共に、測定用開口31にて欠陥部12を覆った状態
に設置する(図3及び図4参照)。なお、この際、船外
機本体11と犠牲陽極16とは、第1及び第2の容器1
3,17内の電解質溶液15a,15bの間を繋ぐ塩橋
若しくは液絡用エレメント30を介して相互に電気的に
接続した状態に設定する。
れる電流すなわち犠牲陽極16に流れる電流の電流値・
電流密度を電流計24にて検出(測定)する。かくし
て、欠陥部12の位置を適宜に変更することにより、船
外機本体11の各位置(犠牲陽極16からそれぞれ異な
った距離を隔てた複数箇所)における犠牲陽極16の効
果を、電流値・電流密度で表すことができる。すなわ
ち、犠牲陽極16の表面積及び量、犠牲陽極設置予定位
置Pから欠陥部12までの距離などを適宜に変更し、こ
のときの電流値・電流密度から、船外機本体11におけ
る電流の通り易さの程度を把握することができる。しか
して、その電流密度が、計算上の防食に必要な電流密度
を上回る場合には、その部分(箇所)まで犠牲陽極16
の効果が及んでいることがわかり、その電流密度が、計
算上の防食に必要な電流密度を下回る場合には、その部
分(箇所)まで犠牲陽極16の効果が及んでいないこと
がわかる。従って、犠牲陽極の効果が有効な範囲を判定
することができ、犠牲陽極16の大きさ,量,及び表面
積の検討を行なったり、或いは、犠牲陽極16の設置位
置の検討などを行なうことが可能である。
る電位も併せて測定するようにした実施形態を示してい
る。図5に示す如く欠陥部12を1箇所としたサンプル
の場合には、上記の場合と同様に犠牲陽極16との接続
を継続したままで、欠陥部12にリード線42を接続
し、このリード線42、並びに、参照極18のリード線
40をポテンショスタット25に接続する。また、図6
に示す如く欠陥部12を複数箇所としたサンプルの場合
には、上記の場合と同様に犠牲陽極16との接続を継続
したままで、欠陥部12の各々にリード線42をそれぞ
れ接続し、これらのリード線42、並びに、参照極18
のリード線40を切替器62を介してポテンショスタッ
ト25に接続する。このようにすれば、欠陥部12のそ
れぞれの部位での電位をポテンショスタット25にて測
定することができ、計測された電位に基づいて犠牲陽極
の評価を行なうことができる。
べると、以下の通りである。本発明の実施例では、電解
質溶液15a,15bとして3%塩化ナトリウム水溶液
を用い、犠牲陽極16の面積を1cm2 とした。サンプル
としてはアルミダイカスト材に塗装を施したものを使用
し、犠牲陽極設置予定位置Pから欠陥部12までの実測
距離を5cm,10cm,15cm,20cmとして測定を行な
った。塩橋若しくは液絡用エレメント30の長さは欠陥
部12までの空間距離に設定した。
での距離と、各欠陥部12に流れる電流の電流密度値と
の関係(実験結果)を下記の表2に示す。
したグラフである。なお、図9のグラフの横軸は犠牲陽
極16からの距離、その縦軸は防食に必要な電流密度を
1とした場合のそれぞれの電流密度比である。
箇所だけに存在する場合を想定したサンプルについて測
定したものである。実施例1のセル方式及び比較例1の
浸漬方式においては、共に、同レベルの電流値・電流密
度値を示し、犠牲陽極16からの距離が遠くなるほどそ
の数値は小さくなった。このことは、距離の増加に比例
して犠牲陽極16の効果が徐々に減少していることを示
している。
2が複数箇所に存在する場合を想定したサンプルについ
て測定したものである。実施例2のセル方式及び比較例
2の浸漬方式においては、共に、同レベルの電流値・電
流密度値を示し、距離の増加に伴う犠牲陽極16の効果
の減少傾向は方式によらず同じであった。このことから
も、距離の増加に比例して犠牲陽極の効果が減少してい
ることがわかった。
近いところから電流を供給していくため、1箇所のみに
欠陥部12が存在する場合に測定したのと同じ距離条件
の下でその場合よりも低い電流密度比を示した。電流密
度が小さければ防食の効果が低く、大き過ぎると過防食
となることから、両者の兼ね合いを考え、犠牲陽極16
の設置位置を本発明のセル方式により簡易に決定するこ
とができる。
下記の表3に示す。
トしたグラフである。なお、図10のグラフの縦軸はサ
ンプル素材の金属の自然電位であり、その横軸は犠牲陽
極16からの距離である。各欠陥部12の防食に必要と
される電位は、防食対象物(船外機本体11)を構成す
る金属の自然電位より0.2V〜0.3Vほど低いこと
が求められる。実施例3のサンプルでは、図10のグラ
フ内において多数のドットで示す範囲Mが期待される電
位の範囲である。測定結果から、距離が遠くなっても、
この犠牲陽極16がサンプルの防食に十分な電位を保つ
ことが確認できた。また、距離による電位の変化は小さ
いが、セル方式でも読み取ることができた。
とにより浸漬方式と同等の測定をより簡易に行なうこと
ができることがわかり、本発明の期待する効果(セル方
式の有効性)が確認された。
が、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、
本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可
能である。例えば、検査ユニット17(第2のセル構成
部22)の測定用開口31を船外機本体11の欠陥部1
2に密着状態で対応配置させるための構造は、既述のよ
うな多孔質体32を利用した構造に限定されるものでは
なく、検査ユニット17をクランプで船外機本体11に
設置する構造、検査ユニット17の底面に磁石を埋め込
みかつ船外機本体11の側にも磁場を生ぜしめて磁力を
利用する構造、検査ユニット17と船外機本体11の間
を減圧する構造、或いは検査ユニット17内を減圧する
構造などを適宜に採用することが可能である。また、電
解質溶液15a,15bは、塩化ナトリウムに限定され
るものではなく、導電性の溶液であればどのような溶液
であってもよい。また、ハンドリングを良好にするため
に、電解質溶液15a,15bに増粘剤を加えて粘度を
高めるようにしてもよい。さらに、検査ユニット17の
大きさ,形状,及び材質、測定用開口31と参照極18
との相対的な配置関係も上記に限定されるものではな
く、必要に応じて適宜に変更が可能である。また、塩橋
若しくは液絡用エレメント30の電気抵抗が高いために
測定値に影響を及ぼす場合や、塩橋若しくは液絡用エレ
メント30の両端部の高低差が大きいために検査ユニッ
ト17内の圧力が変化したり、第2の容器17内の電解
質溶液15b中の電解質の量が変化するなどの場合に
は、第2のパイプ部材29の両端に塩化カリウム入り寒
天を装填し、第2のパイプ部材29の内部を電解質溶液
15bによって満たすようにしてもよい。その他、塗装
を施した金属面に対して外部電源などを用いた電気的な
効果を利用して防食を行なう場合も、電気的な防食効果
の影響範囲を簡易に測定することができる。
極に流れる電流を測定すると共に、検査対象物の欠陥部
の電位も測定するために参照極18を使用しているが、
犠牲陽極に流れる電流だけを測定する場合には参照極1
8を設ける必要がなく、第2の容器17及びこの内部に
充填された電解質溶液15bから成る検査ユニット(セ
ル構成体)を用いればよい。
に充填された電解質溶液に、検査対象物に電気的に接続
された犠牲陽極を浸漬する一方、第1の容器とは別の第
2の容器に電解質溶液を充填すると共に、第1の容器内
の電解質溶液と第2の容器内の電解質溶液とを塩橋若し
くは液絡し、第2の容器及び電解質溶液から構成された
検査ユニットを検査対象物の欠陥部に対応配置して犠牲
陽極に流れる電流を検出し、この検出電流に基づいて犠
牲陽極の評価を行なうようにしたものであるから、船外
機本体(防食対象物)などの検査対象物の全体を電解質
溶液中に浸漬する必要がなく、またサンプルを切り出す
ことなく、実際の検査対象物のまま犠牲陽極の効果の評
価を簡易に、場所を限定することなく、測定・評価する
ことができる。しかも、 その測定・評価にあたって
は、他の因子の影響が当該測定値に及ぼす影響は少ない
ため、塗装を施した金属面を有する船外機本体などのよ
うな検査対象物における犠牲陽極の効果を従来の場合よ
りも短時間でしかも正確に測定・評価することが可能で
ある。また、塩橋若しくは液絡によるセル構造を採用し
たことにより、立体的な実際の船外機本体に対しても適
宜に測定・評価を行なうことができる。
ニットを検査対象物の複数箇所の欠陥部にそれぞれ対応
配置し、その際に犠牲陽極にそれぞれ流れる電流の電流
値若しくは電流密度に基づいて犠牲陽極の効果が有効な
範囲を判定するようにしたものであるから、検査対象物
の全体を電解質溶液中に浸漬する必要がなく、またサン
プルを切り出すことなく、実際の検査対象物のまま犠牲
陽極の影響範囲(効果範囲)を簡易に、場所を限定する
ことなく、測定・評価することができる。しかも、 そ
の測定・評価にあたっては、他の因子の影響が当該測定
値に及ぼす影響は少ないため、塗装を施した金属面を有
する船外機本体などのような検査対象物における犠牲陽
極の影響範囲を正確に判定することが可能である。
容器に充填された電解質溶液に、検査対象物に電気的に
接続された犠牲陽極を浸漬する一方、第1の容器とは別
の第2の容器に電解質溶液を充填すると共に第2の容器
内の電解質溶液に参照極を浸漬し、第1の容器内の電解
質溶液と第2の容器内の電解質溶液とを塩橋若しくは液
絡し、第2の容器,参照極,及び電解質溶液から構成さ
れた検査ユニットを検査対象物の欠陥部に対応配置して
検査対象物の欠陥部の電位を検出し、この検出電位に基
づいて犠牲陽極の評価を行なうようにしたものであるか
ら、請求項1に記載の本発明の場合と同様の作用効果を
奏することができる。
ニットを検査対象物の複数箇所の欠陥部にそれぞれ対応
配置し、その際の検査対象物の欠陥部の各所における電
位に基づいて犠牲陽極の効果が有効な範囲を判定するよ
うにしたものであるから、請求項2に記載の本発明の場
合と同様の作用効果を奏することができる。
容器内に充填された電解質溶液の中に犠牲陽極を浸漬し
て成る第1のセル構成部、第1の容器とは別の第2の容
器と、第2の容器内に密封状態で充填された電解質溶液
とを有する第2のセル構成部としての検査ユニット、第
1の容器内の電解質溶液と第2の容器内の電解質溶液と
を相互に塩橋若しくは液絡する電気接続部、犠牲電極に
流れる電流を検出する電流検出手段をそれぞれ具備し、
検査ユニットを検査対象物の欠陥部に対応配置したとき
に犠牲陽極に流れる電流を電流検出手段にて検出し、こ
の検出電流に基づいて犠牲陽極を評価するようにしたも
のであるから、請求項1に記載の本発明に係る犠牲陽極
の検査方法を施行し得る実用的な検査装置を提供するこ
とができる。
容器内に充填された電解質溶液の中に犠牲陽極を浸漬し
て成る第1のセル構成部、第1の容器とは別の第2の容
器と、第2の容器内に密封状態で充填された電解質溶液
と、第2の容器内の電解質溶液に浸漬された参照極とを
有する第2のセル構成部としての検査ユニット、第1の
容器内の電解質溶液と第2の容器内の電解質溶液とを相
互に塩橋若しくは液絡する電気接続部、検査対象物の欠
陥部における電位を検出する電位検出手段をそれぞれ具
備し、検査ユニットを検査対象物の欠陥部に対応配置し
たときの検査対象物の欠陥部の電位を電位検出手段にて
検出し、この検出電位に基づいて犠牲陽極を評価するよ
うにしたものであるから、請求項3に記載の本発明に係
る犠牲陽極の検査方法を施行し得る実用的な検査装置を
提供することができる。
に接続されたリード線、及び、検査対象物の欠陥部に接
続されたリード線を電位検出手段に接続して検査対象物
の欠陥部における電位を計測し、その検出電位に基づい
て犠牲陽極の評価を行なうように構成したものであるか
ら、簡素な構成の検査装置にて犠牲陽極の効果及び影響
範囲(効果範囲)の測定・評価を行なうことができる。
ニットの第2の容器に、第1及び第2の容器内の電解質
溶液を相互に連通するための第1のパイプ部材、並び
に、第2の容器の外部からその内部に電解質溶液を導入
して第2の容器内の圧力調整,第2の容器のエア抜き,
及び第2の容器への電解質溶液の供給制御を行なうため
の第2のパイプ部材を取付けるようにしたものであるか
ら、第2の容器内の電解質溶液の出し入れを簡易に行な
うことができ、電解質溶液の汚染などを防ぐことがで
き、かつ、測定面以外の部分への電解質溶液の漏れに起
因する測定誤差を減少させることができる。
容器内への第1のパイプ部材の挿入長さを短く設定して
第1のパイプ部材の一端部を第2の容器の天壁部の近傍
位置に配置すると共に、第2の容器内への第2のパイプ
部材の挿入長さを第1のパイプ部材の挿入長さよりも長
く設定して第2のパイプ部材の一端部を第2の容器の底
壁部の近傍位置に配置するようにしたものであるから、
第1のパイプ部材にて塩橋或いは液絡を確保することが
できると共に、第2のパイプ部材により第2の容器内の
圧力調整,第2の容器のエア抜き,及び第2の容器への
電解質溶液の供給制御を円滑にかつ確実に行なうことが
できる。
ユニットの第2の容器の底壁部に測定用開口を設け、測
定用開口に参照極を対応配置すると共に、測定用開口内
に多孔質体を配置して測定用開口を多孔質体にて閉塞す
るようにしたものであるから、簡単な構成のものであり
ながら実用に供し得る検査装置を提供することができ
る。
び検査装置によれば、電流、電位の測定結果から犠牲陽
極の効果の分布を把握し、適切に効果を発揮できる犠牲
陽極の配置位置,量,及び表面積を簡易に決定すること
ができる。さらに、本発明の検査方法及び検査装置を用
いることにより、塩水噴霧試験や複合サイクル試験より
遥かに短時間で犠牲陽極の効果及び影響範囲(有効範
囲)を測定・評価を行なうことができる。
めの検査装置の構成図である。
構造を示す断面図である。
配置して犠牲陽極に流れる電流を計測している状況(本
発明の実施例1)を示す図である。
れぞれ対応配置して犠牲陽極に流れる電流を計測してい
る状況(本発明の実施例2)を示す図である。
配置して欠陥部の電位を計測している状況を示す図であ
る。
れぞれ対応配置して欠陥部の電位を計測している状況
(本発明の実施例3)を示す図である。
る。
る。
部に流れる電流の電流密度値との関係(実験結果)をプ
ロットしたグラフである。
からの距離との関係(実験結果)をプロットしたグラフ
である。
である。
を示す図である。
を電解質溶液の中に浸漬した場合にこれらの間に電流が
流れることを説明するための図である。
る防食対象物を犠牲陽極に導線を介して相互に接続して
電解質溶液の中に浸漬した場合に導線を通って電子が流
れることを説明するための図、図15(b)は図15
(a)に示す状態に対応する等価回路である。
する場合であって、かつ、犠牲陽極の設置予定箇所から
欠陥部までの距離が短い場合の等価回路、図16(b)
は、欠陥部が1箇所だけに存在する場合であって、犠牲
陽極の設置予定箇所から欠陥部までの距離が長い場合の
等価回路、図16(c)は、欠陥部が複数箇所に存在す
る場合の等価回路である。
Claims (10)
- 【請求項1】 第1の容器に充填された電解質溶液に、
検査対象物に電気的に接続された犠牲陽極を浸漬する一
方、前記第1の容器とは別の第2の容器に電解質溶液を
充填すると共に、前記第1の容器内の電解質溶液と前記
第2の容器内の電解質溶液とを塩橋若しくは液絡し、前
記第2の容器及び電解質溶液から構成された検査ユニッ
トを検査対象物の欠陥部に対応配置して前記犠牲陽極に
流れる電流を検出し、この検出電流に基づいて前記犠牲
陽極の評価を行なうようにしたことを特徴とする犠牲陽
極の検査方法。 - 【請求項2】 前記検査ユニットを前記検査対象物の複
数箇所の欠陥部にそれぞれ対応配置し、その際に前記犠
牲陽極にそれぞれ流れる電流の電流値若しくは電流密度
に基づいて前記犠牲陽極の効果が有効な範囲を判定する
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の犠牲陽極
の検査方法。 - 【請求項3】 第1の容器に充填された電解質溶液に、
検査対象物に電気的に接続された犠牲陽極を浸漬する一
方、前記第1の容器とは別の第2の容器に電解質溶液を
充填すると共に前記第2の容器内の電解質溶液に参照極
を浸漬し、前記第1の容器内の電解質溶液と前記第2の
容器内の電解質溶液とを塩橋若しくは液絡し、前記第2
の容器,参照極,及び電解質溶液から構成された検査ユ
ニットを検査対象物の欠陥部に対応配置して前記検査対
象物の欠陥部の電位を検出し、この検出電位に基づいて
前記犠牲陽極の評価を行なうようにしたことを特徴とす
る犠牲陽極の検査方法。 - 【請求項4】 前記検査ユニットを前記検査対象物の複
数箇所の欠陥部にそれぞれ対応配置し、その際の前記検
査対象物の欠陥部の各所における電位に基づいて前記犠
牲陽極の効果が有効な範囲を判定するようにしたことを
特徴とする請求項3に記載の犠牲陽極の検査方法。 - 【請求項5】(a) 第1の容器内に充填された電解質
溶液の中に犠牲陽極を浸漬して成る第1のセル構成部、
(b) 前記第1の容器とは別の第2の容器と、前記第
2の容器内に密封状態で充填された電解質溶液とを有す
る第2のセル構成部としての検査ユニット、(c) 前
記第1の容器内の電解質溶液と前記第2の容器内の電解
質溶液とを相互に塩橋若しくは液絡する電気接続部、
(d) 前記犠牲電極に流れる電流を検出する電流検出
手段、をそれぞれ具備し、前記検査ユニットを検査対象
物の欠陥部に対応配置したときに前記犠牲陽極に流れる
電流を前記電流検出手段にて検出し、この検出電流に基
づいて前記犠牲陽極を評価することを特徴とする犠牲陽
極の検査装置。 - 【請求項6】(a) 第1の容器内に充填された電解質
溶液の中に犠牲陽極を浸漬して成る第1のセル構成部、
(b) 前記第1の容器とは別の第2の容器と、前記第
2の容器内に密封状態で充填された電解質溶液と、前記
第2の容器内の電解質溶液に浸漬された参照極とを有す
る第2のセル構成部としての検査ユニット、(c) 前
記第1の容器内の電解質溶液と前記第2の容器内の電解
質溶液とを相互に塩橋若しくは液絡する電気接続部、
(d) 前記検査対象物の欠陥部における電位を検出す
る電位検出手段、をそれぞれ具備し、前記検査ユニット
を検査対象物の欠陥部に対応配置したときの前記検査対
象物の欠陥部の電位を前記電位検出手段にて検出し、こ
の検出電位に基づいて前記犠牲陽極を評価することを特
徴とする犠牲陽極の検査装置。 - 【請求項7】 前記参照極に接続されたリード線、及
び、前記検査対象物の欠陥部に接続されたリード線を前
記電位検出手段に接続して前記検査対象物の欠陥部にお
ける電位を計測し、その検出電位に基づいて前記犠牲陽
極の評価を行なうように構成したことを特徴とする請求
項6に記載の犠牲陽極の検査装置。 - 【請求項8】 前記検査ユニットの第2の容器に、前記
第1及び第2の容器内の電解質溶液を相互に連通するた
めの第1のパイプ部材、並びに、前記第2の容器の外部
からその内部に電解質溶液を導入して前記第2の容器内
の圧力調整,前記第2の容器のエア抜き,及び前記第2
の容器への前記電解質溶液の供給制御を行なうための第
2のパイプ部材を取付けたことを特徴とする請求項5乃
至7の何れか1項に記載の犠牲陽極の検査装置。 - 【請求項9】 前記第2の容器内への前記第1のパイプ
部材の挿入長さを短く設定して前記第1のパイプ部材の
一端部を前記第2の容器の天壁部の近傍位置に配置する
と共に、前記第2の容器内への前記第2のパイプ部材の
挿入長さを前記第1のパイプ部材の挿入長さよりも長く
設定して前記第2のパイプ部材の一端部を前記第2の容
器の底壁部の近傍位置に配置するようにしたことを特徴
とする請求項5乃至8の何れか1項に記載の犠牲陽極の
検査装置。 - 【請求項10】 前記検査ユニットの第2の容器の底壁
部に測定用開口を設け、前記測定用開口に前記参照極を
対応配置すると共に、前記測定用開口内に多孔質体を配
置して前記測定用開口を前記多孔質体にて閉塞したこと
を特徴とする請求項5乃至9に記載の犠牲陽極の検査装
置。
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- 2002-02-08 JP JP2002031617A patent/JP3821004B2/ja not_active Expired - Lifetime
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