JPH0770774A - 鉄筋コンクリート構造物の電気防食方法 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物の電気防食方法

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JPH0770774A
JPH0770774A JP5220809A JP22080993A JPH0770774A JP H0770774 A JPH0770774 A JP H0770774A JP 5220809 A JP5220809 A JP 5220809A JP 22080993 A JP22080993 A JP 22080993A JP H0770774 A JPH0770774 A JP H0770774A
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JP
Japan
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concrete
concrete structure
reinforcing bar
steel material
reinforcing bars
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Pending
Application number
JP5220809A
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English (en)
Inventor
Toshiya Uchibori
利也 内堀
Takeharu Kawaoka
岳晴 川岡
Toyofumi Tanaka
豊文 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Corrosion Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Corrosion Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属溶射皮膜が鉄筋と電気的に接触している
場合でも、簡単に電気防食コンクリート中の鉄筋の防食
効果を評価することができるコンクリート構造物の電気
防食方法を提供しようとするものである。 【構成】 コンクリート構造物中の鉄筋を流電陽極方式
で電気防食する方法において、鉄筋より卑な電位を示す
ように塩分量を調整したコンクリート中に鋼材を収納し
たモニタリング鋼材を、照合電極とともに鉄筋の近傍に
設置し、コンクリート構造物とほぼ同じ塩分量に調整し
たコンクリートで埋め戻し、鋼材と照合電極との電位差
を測定して電気防食効果を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート構造物中
の鉄筋の電気防食効果を評価する手段を備えた鉄筋コン
クリート構造物の電気防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋
が、細骨材に含まれる塩分や海塩粒子の侵入などによっ
て腐食されることが問題となっている。その防食対策と
して、コンクリート構造物の表面に、例えばZn,Zn
−Al合金等の鉄筋より電位の卑な金属溶射皮膜を密着
させ、該鉄筋と金属溶射皮膜を導線で接続して防食電流
を鉄筋に流入させ、電気防食する流電陽極方式がある。
また、コンクリート構造物の表面に難溶性電極と導電性
塗料又は導電性モルタル等を設け、直流電源装置の正極
に難溶性電極、負極に鉄筋をそれぞれ導線で接続して直
流電流を鉄筋に流入させ、電気防食する外部電源方式が
ある。
【0003】一方、電気防食によるコンクリート中の鉄
筋の防食効果は、コンクリート中の鉄筋の近傍に設置し
た照合電極により、図2に示すように、防食電流遮断直
後の鉄筋電位(E0 )と、防食電流遮断した後所定時間
経過後の鉄筋電位(E1 )との電位変化量(分極量:Δ
E)を求め、分極量が100mV以上であれば、鉄筋が
防食状態にあると判定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の電気防食による
コンクリート中の鉄筋の防食効果を判定するためには、
前記金属溶射皮膜や難溶性電極等を該鉄筋と絶縁する必
要がある。ところで、コンクリート構造物によっては、
コンクリートのひび割れやかぶりが浅いために鉄筋の一
部が露出していることがあり、これに金属を溶射する
と、溶射皮膜が鉄筋と電気的に接続を持つことになる。
その際、金属溶射皮膜からの防食電流が鉄筋に流入する
ため、鉄筋は防食されるが、金属溶射皮膜と鉄筋を絶縁
することができないので、電気防食によるコンクリート
中の鉄筋の防食効果を判定することができない。
【0005】金属溶射皮膜と鉄筋を絶縁するためには、
溶射皮膜と鉄筋が電気的に接触している箇所を探し、鉄
筋の回りの溶射皮膜を除去すればよいが、接触箇所が多
い場合や小さなコンクリートのひび割れ箇所で接触して
いる場合はその発見は容易ではない。また、金属溶射前
に、防食対象範囲のコンクリート表面全体を予めモルタ
ル等で被覆する方法もあるが、費用及び工期の面で現実
的でない。
【0006】本発明は、上記の問題点を解消し、金属溶
射皮膜が鉄筋と電気的に接触している場合でも、簡単に
電気防食コンクリート中の鉄筋の防食効果を評価するこ
とができるコンクリート構造物の電気防食方法を提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンクリート
構造物中の鉄筋より電位の卑な金属溶射皮膜をコンク1
ート構造物表面に密着させ、該鉄筋と金属溶射皮膜を導
線で接続して防食電流を鉄筋に流入させて電気防食する
方法において、該コンクリート構造物中の鉄筋より卑な
電位を示すように塩分量を調整したコンクリート中に鋼
材を収納したモニタリング鋼材を予め作製しておき、該
コンクリート構造物の防食対象区画のコンクリートを鉄
筋が完全に露出するまではつり、該モニタリング鋼材及
び照合電極を上記露出させた鉄筋の近傍に設置し、該コ
ンクリート構造物とほぼ同じ塩分量に調整したコンクリ
ートで埋め戻し、該鋼材と照合電極との電位差を測定し
て電気防食効果を評価することを特徴とする鉄筋コンク
リート構造物の電気防食方法である。
【0008】
【作用】図1は、本発明の鉄筋コンクリート構造物の電
気防食方法を説明するための、コンクリート構造物の断
面図である。まず、コンクリート構造物1中の鉄筋2よ
り卑な電位を示すように塩分量を調整したコンクリート
3中に鋼材4を収納してモニタリング鋼材5を予め作製
しておき、そして、鉄筋2をコンクリート中に埋設した
コンクリート構造物1のうち、防食対象区画6のコンク
リートを、鉄筋2が完全に露出するまではつり、モニタ
リング鋼材5及び照合電極7を露出した鉄筋2に沿って
設置し、鉄筋2、鋼材4並びに照合電極7を導線8,
9,10を介してボックス11の端子12にそれぞれ接
続し、コンクリート構造物1とほぼ同じ塩分量に調整し
たコンクリートで埋め戻す。その後、コンクリート構造
物1の表面に鉄筋2より電位の卑な金属、例えばZn,
Zn−Al合金等の溶射皮膜13を密着させ、金属溶射
皮膜13を導線14を介してボックス11の端子12に
接続する。そして、照合電極7の端子と鋼材4の端子を
電位差計15に接続する。
【0009】そして、鉄筋2は、鉄筋2と金属溶射皮膜
13を導線8及び14を介して端子12で接続し、防食
電流を流すことにより防食される。この電気防食に際
し、鋼材4にも防食電流を流し、所定時間経過後、鋼材
4と金属溶射皮膜13を電気的に遮断し、照合電極7に
対する鋼材4の遮断直後の鋼材電位(E0 )と、さらに
所定時間経過経過後の鋼材電位(E1 )との電位変化量
(分極量:ΔE)を電位差計15で求めることにより電
気防食効果を評価することができる。
【0010】このようにして、コンクリート構造物中の
鉄筋2が金属溶射皮膜13と仮に短絡して、鉄筋2の分
極量を直接測定することができない場合でも、モニタリ
ング鋼材5中の鋼材4の分極量を求めることにより、コ
ンクリート構造物中鉄筋2の防食状態を確認することが
できる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)築後30年経過した鉄筋コンクリート桟橋
の床版下面(コンクリート中の塩分量:約1Kg/
3 )の約10m2 を防食対象区画とし、その区画の南
北両端と中央の3か所のコンクリートを鉄筋が完全に露
出するまではつった。予め、塩分量を3Kg/m3 に調
整したコンクリートで鋼材を完全に覆い固めてモニタリ
ング鋼材を準備しておき、上記の露出させた3か所の鉄
筋に沿わせてモニタリング鋼材と鉛照合電極をそれぞれ
設置し、塩分量を1Kg/m3 に調整したコンクリート
で埋め戻した。そして、防食対象区画全域のコンクリー
ト表面に、鉄筋及び鋼材とは絶縁した状態でAl系合金
の溶射皮膜を形成した。なお、鉄筋、鋼材、鉛照合電極
及び溶射皮膜をそれぞれ導線を介して端子に接続した。
【0012】まず、鉛照合電極及び電位差計を用いて、
コンクリート中の鉄筋と鋼材の自然電位を測定した。そ
の結果を飽和硫酸銅電極基準値で換算した値を表1に示
した。いずれの測定位置でも鋼材が鉄筋に対して卑な電
位を示し、電位差は47〜80mVであった。
【0013】
【表1】
【0014】次に、鉄筋並びに鋼材を溶射皮膜と電気的
に接続して2か月間電気防食した。その後、鉄筋並びに
鋼材と溶射皮膜との接続を切り離し、鉛照合電極及び電
位差計で鉄筋と鋼材の防食電流遮断直後の電位(E0
と、さらに3時間経過後の電位(E1 )を測定し、分極
量(ΔE)を求めて表2に示した。その結果、いずれの
測定位置でも鋼材の分極量より鉄筋の分極量の方が大き
く、また、鋼材の分極量が大きくなると、鉄筋の分極量
も大きくなるので、鋼材の分極量を求めることにより、
鉄筋の防食効果を判定することができることが判明し
た。
【0015】
【表2】
【0016】(実施例2)実施例1に隣接する桟橋床版
下面(コンクリート中の塩分量:約1Kg/m3)の約
10m2 を防食対象区画とし、その区画の南北両端と中
央の3か所のコンクリートを鉄筋が完全に露出するまで
はつった。予め、塩分量を3Kg/m3 に調整したコン
クリートで鋼材を完全に覆い固めてモニタリング鋼材を
準備しておき、上記の露出させた3か所の鉄筋に沿わせ
てモニタリング鋼材と鉛照合電極をそれぞれ設置し、塩
分量を1Kg/m3 に調整したコンクリートで埋め戻し
た。なお、比較のために、防食対象区画全域のコンクリ
ート表面に、鉄筋とは短絡した状態でAl系合金の溶射
皮膜を形成した。
【0017】まず、鉛照合電極及び電位差計を用いて、
コンクリート中の鉄筋と鋼材の自然電位を測定した。そ
の結果を飽和硫酸銅電極基準値で換算した値を表3に示
した。いずれの測定位置でも鋼材が鉄筋に対して卑な電
位を示し、電位差は17〜41mVであった。
【0018】
【表3】
【0019】次に、鉄筋並びに鋼材を溶射皮膜と電気的
に接続して2か月間電気防食した。その後、鉄筋並びに
鋼材と溶射皮膜との接続を切り離し、鉛照合電極及び電
位差計で鉄筋(溶射皮膜と短絡した状態にある)と鋼材
の防食電流遮断直後の電位(E0 )と、さらに3時間経
過後の電位(E1 )を測定し、分極量(ΔE)を求めて
表4に示した。その結果、鉄筋の分極量はほとんど測定
できなかったが、鋼材の分極量は 71〜130mVを
示し、鉄筋にも防食効果があることが確認できた。
【0020】
【表4】
【0021】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用して、モニ
タリング鋼材を鉄筋の近傍に埋め込むことにより、コン
クリート構造物中の鉄筋が防食用溶射皮膜と短絡してい
る場合でも鉄筋の防食効果を確認することができ、電気
防食を有効に行うことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気防食方法を説明するためのコンク
リート構造物の断面図である。
【図2】鉄筋の防食効果を確認するためのモニタリング
鋼材の分極量(ΔE)の概念図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物中の鉄筋より電位の
    卑な金属溶射皮膜をコンクリート構造物表面に密着さ
    せ、該鉄筋と金属溶射皮膜を導線で接続して防食電流を
    鉄筋に流入させて電気防食する方法において、該コンク
    リート構造物中の鉄筋より卑な電位を示すように塩分量
    を調整したコンクリート中に鋼材を収納したモニタリン
    グ鋼材を予め作製しておき、該コンクリート構造物の防
    食対象区画のコンクリートを鉄筋が完全に露出するまで
    はつり、該モニタリング鋼材及び照合電極を上記露出さ
    せた鉄筋の近傍に設置し、該コンクリート構造物とほぼ
    同じ塩分量に調整したコンクリートで埋め戻し、該鋼材
    と照合電極との電位差を測定して電気防食効果を評価す
    ることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の電気防食
    方法。
JP5220809A 1993-09-06 1993-09-06 鉄筋コンクリート構造物の電気防食方法 Pending JPH0770774A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6398945B1 (en) 1999-07-22 2002-06-04 Infrastructure Repair Technologies, Inc. Method of treating corrosion in reinforced concrete structures by providing a uniform surface potential
JP2018009217A (ja) * 2016-07-13 2018-01-18 住友大阪セメント株式会社 電気防食方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6398945B1 (en) 1999-07-22 2002-06-04 Infrastructure Repair Technologies, Inc. Method of treating corrosion in reinforced concrete structures by providing a uniform surface potential
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