JP2003232760A - ガス検出方法とその装置 - Google Patents
ガス検出方法とその装置Info
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Abstract
ニングした後、所定時間でのセンサ抵抗の変化率から被
毒を検出する。 【効果】 ガスセンサの被毒を容易に検出できる。
Description
スセンサの被毒の検出に関する。
蒸気などの触媒毒により被毒を受けることが知られ、特
開平2001−194330号は、被毒を受けたガスセ
ンサではヒートクリーニング時に空気中での抵抗値が増
加することを報告している。しかしながらこの公報のデ
ータによれば、被毒検出時のCOに対する警報濃度の分
布は4400〜6300ppmに及び、被毒を検出した時
にはガスセンサは極端に劣化しており、被毒の検出前に
使用者がCO中毒を起こす可能性がある。
な被毒の検出方法と装置とを提供することにある(請求
項1〜9)。請求項2,6の発明での追加の課題は、被
毒時の感度不足を補うことにある。請求項9の発明での
追加の課題は、ガス警報器などにおいて、被毒判定(被
毒の検出)の信頼性を向上させることにある。
えた金属酸化物半導体ガスセンサを加熱した後、安定状
態へ移行する過程での、金属酸化物半導体の抵抗値の変
化の程度を求め、該変化の程度が小さいことからガスセ
ンサの被毒を検出するものである(請求項1)。なおこ
の発明において、抵抗値の変化の程度を求める時間帯
は、例えば加熱中から安定状態への移行の途中や、加熱
後に安定状態へ移行する間の2つの時点の間、などとす
る。
値から基準値を求めて記憶し、該基準値を検出閾値に変
換して、金属酸化物半導体の抵抗値と比較し、金属酸化
物半導体の抵抗値が検出閾値以下でガスを検出すると共
に、被毒検出時に、被毒による感度低下を補うように、
基準値から検出閾値への変換条件を変更する(請求項
2)。
し、かつ該パルス的通電を周期的に繰り返して行うと、
パルス加熱後の抵抗値の増加の程度が小さいことから、
被毒を検出できる(請求項3)。
よる金属酸化物半導体のヒートクリーニングとすると、
ヒートクリーニング後の抵抗値の減少の程度が小さいこ
とから、被毒を検出できる(請求項4)。
加熱時間が2秒以下の場合をいい、パルス加熱時間は好
ましくは1秒以下とし、また特にパルス加熱時間が1秒
以下で、かつパルス加熱とパルス加熱との間に、パルス
加熱時間の50倍、好ましくは100倍以上の非加熱時
間を置くものをいう。ヒートクリーニングとは、ヒート
クリーニング以外の場合にもガスセンサが加熱されるも
ので、かつ電源投入時などの所定のイベントに対して例
えば非定期的に行われるものである。ヒートクリーニン
グの時間は例えば3秒以上とし、ヒートクリーニングで
は、これ以外の加熱時期での加熱温度よりも高い温度に
加熱する。
た金属酸化物半導体ガスセンサと、該ヒータに通電して
金属酸化物半導体を加熱するためのの手段と、加熱後に
安定状態に移行する過程での金属酸化物半導体の抵抗値
の変化の程度を求めて、該変化の程度が小さいことから
ガスセンサの被毒を検出するための被毒検出手段とを備
えたものである(請求項5)。
値から基準値を求めて記憶するための手段と、該基準値
を検出閾値に変換して、金属酸化物半導体の抵抗値と比
較し、金属酸化物半導体の抵抗値が検出閾値以下でガス
を検出するための手段と、被毒検出時に、被毒による感
度低下を補うように、基準値から検出閾値の変換条件を
変更するための手段、とを更に設ける(請求項6)。
電として、かつ該パルス的通電を周期的に繰り返して行
い、パルス加熱後の抵抗値の増加の程度が小さいことか
ら被毒を検出する(請求項7)。
金属酸化物半導体のヒートクリーニングとし、ヒートク
リーニング後の抵抗値の減少の程度が小さいことから被
毒を検出する(請求項8)。
化の程度による被毒の判定結果を統計化するための手段
を設けて、該統計化した被毒の判定結果により、被毒信
号を発生する(請求項7)。統計化は例えば、被毒判定
用の変数を設けて、被毒と判断すると変数の値を増し、
被毒を受けていないと判断すると変数の値を減少させる
ようにし、当然のことであるが変数の値の変分は、抵抗
値の変分の程度に応じて複数段階に変えても良い。また
メモリに容量のある場合は、被毒の判定結果(例えば1
または0,もしくは4ビット程度の階調データ)を複数
回分記憶し、その移動平均を求めても良い。あるいはま
た抵抗値の変化の程度のヒストグラムなどを作成して、
そのメジアンなどで判定しても良い。
ンサでは、高温に加熱した後に安定状態へ移行する間の
抵抗値の変化が、正常なセンサに比べ小さいことを見出
した。なおパルス加熱では、被毒によってパルス加熱後
安定状態へ移行する間に抵抗値が増加し、被毒によって
この抵抗値の増加が小さくなる(図10)。またヒート
クリーニングでは、ヒートクリーニング後安定状態へ移
行する間の抵抗値の減少の程度が、被毒によって小さく
なる(図5)。この発明では、ガスセンサの被毒を検出
できる(請求項1〜9)。請求項2,6の発明では、被
毒による感度の低下を補うことができる。
センサ抵抗が増加し、この増加の程度が被毒で減少する
ことを用いる。低湿雰囲気でパルス加熱中などの抵抗値
は増加するが、パルス加熱後の抵抗値の増加は低湿雰囲
気でより著しくなるので、低湿雰囲気をガスセンサの被
毒と混同することがない。なおパルス加熱後の抵抗値の
ピーク自体を検出すると、センサ抵抗が高すぎて読み込
み難いなどの問題がある。
準状態の正常な空気中とは変化する。そして周囲の雰囲
気をガスセンサの信号のみから正確に判断するのは困難
である。請求項9の発明では、被毒の判断結果を統計化
するので、一時的にガスセンサが被毒の判断を誤らせる
ような雰囲気中に置かれても、誤って被毒であるとする
ことがない。
実施例を示す。図1に用いたガスセンサ2を示すと、4
はアルミナなどの基板で、6はガラスなどを用いた断熱
膜で、8は膜状のヒータ、10はガラス膜やシリカ膜な
どを用いた絶縁膜で、12は膜状の金属酸化物半導体
で、ここでは厚さ20μmのSnO2膜を用いた。基板
4は剛性樹脂製のベースに接着剤などでダイボンドした
が、宙吊りにしてリード線で支えても良い。なおガスセ
ンサの形状,構造,材料自体は任意で、例えばコイル状
のヒータ兼用電極の中心部に検出電極を配置し、これら
をSnO2などの金属酸化物半導体でビーズ状に埋設し
たガスセンサなどでもよい。
は電池電源で、ここでは単5アルカリ乾電池×2の3V
電源とし、22はスイッチ、24は負荷抵抗である。2
6はマイクロコンピュータで、28はサンプリング部で
ADコンバータを備え、30はヒータ制御部で、スイッ
チ22を介してヒータ8をオンする。32はタイマで、
ヒータのオン/オフや金属酸化物半導体12の抵抗値
(センサ抵抗)のサンプリング、被毒の検出などに必要
なタイミング信号を発生する。
終了後の所定時間帯でのセンサ抵抗の変化から、被毒の
有無とその程度とを検出する。被毒検出はここでは所定
時間帯の最初と最後とのセンサ抵抗の比で行い、これ以
外に、所定時間帯の最後などでのセンサ抵抗の値自体な
どを加味してもよい。36は立上り検出部で、センサ抵
抗が不連続に変化することから、呼気が吹き込まれたこ
とを検出する。38はバックグラウンド汚染検出部で、
ヒートクリーニング終了後所定の時間でのセンサ抵抗か
ら、ヒートクリーニングが不足もしくはバックグラウン
ドが汚染されていることを検出する。40はガス検出部
で、例えば立上り検出時のセンサ抵抗と、それから所定
時間経過後のセンサ抵抗との比を用いて、あるいはこの
比に立上り検出時のセンサ抵抗などを加味して、呼気中
のガス濃度を検出する。
て口臭の程度などを表示すると共に、ガスセンサ2が被
毒されており検出不能の場合はその旨を、またバックグ
ラウンドが汚染されており検出不能の場合にはその旨を
表示する。48はスタート処理部で、スイッチ50がオ
ンされたことに伴い、マイクロコンピュータ26をスタ
ートさせ、所定の条件でマイクロコンピュータ26を停
止させる。なおガス検出装置を使用していないときに、
金属酸化物半導体12に検出電流が流れることを防止す
るため、金属酸化物半導体12と電源20との間などに
適宜のスイッチを設けてもよい。
に示す。ガス検出装置の電源がオンされると、例えば6
秒間ヒータ8に連続的に通電して金属酸化物半導体をヒ
ートクリーニングし、その後は例えば250m秒周期
で、例えば8m秒ずつヒータをオンし、ヒータオフ後所
定時間(120m秒)経過時に破線で示すように、サン
プリングパルスを発生させて、センサ抵抗を読み込む。
特性とを示す。スイッチをオンして電源を投入すると、
例えば6秒間ヒートクリーニングし、ヒートクリーニン
グ終了から1秒後(7秒目)のセンサ抵抗と、ヒートク
リーニング終了から4秒後(10秒目)のセンサ抵抗と
の比などにより、被毒の有無とその程度とを検出する。
被毒を検出すると、被毒が極端に著しい場合、LEDな
どを介して被毒により検出不能であることを表示する。
被毒の程度が極端ではない場合、被毒の程度に応じて以
降の検出条件を変更する。
で検出してもよいが、ここではセンサ抵抗の不連続な変
化から立上りを検出する。例えば被毒が存在しない場
合、250m秒間でセンサ抵抗が3LSB以上低下したこ
とをもって立上りとし、被毒を検出した場合、250m
秒間で2LSB以上の変化があれば呼気が吹き込まれたも
のとする。そして立上り検出時のセンサ抵抗を基準値と
して、図2のガス検出部40に記憶する。ここで基準値
が極端に低いのは、ヒートクリーニング不足かバックグ
ラウンド汚染かのいずれかである。そこで例えば、立上
り検出時のセンサ抵抗が所定の基準値よりも低い場合、
基準値の関数として、判定しきい値を変更する。なお判
定しきい値は、基準値に乗算などを行う定数で、基準値
を判定しきい値を用いて変換したものが、検出閾値であ
る。判定しきい値の変更では、基準値に応じて判定しき
い値に乗算する係数を例えば3段階などに不連続に変化
させてもよく、あるいは基準値に応じてこの定数を連続
的に変化させてもよい。
無によりサンプリングのタイミングをシフトさせる。被
毒がない場合、呼気への応答が速いので、例えば立上り
検出から3秒後のセンサ信号を用い、被毒がある場合立
上り検出から5秒後のセンサ信号を用いる。なお被毒が
ない状態からのサンプリング時期のシフトは、被毒の程
度により複数段階に変化させてもよい。呼気中のセンサ
出力と基準値の比などにより、呼気の汚れの程度を検出
する。これはガスセンサが口臭センサの場合、口臭の程
度を表し、アルコールセンサの場合はアルコール濃度と
なる。汚れ判定では例えば3つの検出閾値を設け、これ
らとの比較により、汚れの程度を4段階に分けて検出す
る。
えば3種類用意し、これにバックグラウンド汚染時の判
定しきい値変更用の定数と被毒の程度による定数とを乗
算する。そして被毒が著しい、もしくはバックグラウン
ドが汚染されている場合、基準値からの変化が小さくて
も、呼気が汚染されているものとするように定数を制御
する。このようにして口臭の程度やアルコールの程度を
4段階に識別し、結果をLED44〜46に表示し、そ
の後例えば2秒間程度ヒートクリーニングして、電源を
オフする。
波形を示し、これらは各5ヶのセンサ抵抗の波形の平均
値である。またセンサの被毒は、10ppmのヘキサメチ
ルジシロキサン雰囲気中に1日センサを曝すことにより
行った。ヒートクリーニング中のセンサ抵抗は、正常品
も被毒品も大差なく、ヒートクリーニング終了直後のセ
ンサ抵抗にも大差はない。時刻7秒目〜10秒目の3秒
間でのセンサ抵抗の変化は、被毒品では小さく正常品で
は大きい。なお7秒目での金属酸化物半導体の温度は1
00℃程度、10秒目の間の金属酸化物半導体12の温
度は室温である。そこで10秒目と7秒目との抵抗値の
比、あるいは10秒目や7秒目の抵抗値自体をこれらに
加味したものなどを用いれば、被毒の程度を検出するこ
とができる。
り検出の条件を変更する。これは被毒により呼気中の水
蒸気に対する応答性が低下するためである。そして被毒
すると、呼気に対する応答が低下するので、呼気中出力
のサンプリングの時間を例えば2秒間延長する。また呼
気中のメチルメルカプタンなどに対する感度も低下する
ので、検出閾値の発生に用いた定数を変更する。これら
により被毒の影響を補正して、ほぼ正確に呼気中のメチ
ルメルカプタン濃度やアルコール濃度などを測定するこ
とができる。
カプタンへの感度との関係を示す。この図は17ヶのガ
スセンサに対する測定値を示し、図の左下側の集団は被
毒を受けていないガスセンサで、中央部〜右上の集団は
被毒を受けたガスセンサの集団である。横軸の被毒係数
は10秒目と7秒目とのセンサ抵抗の比で、被毒により
この値は1に近づく。縦軸は12秒目と15秒目との抵
抗値の比で、被毒により感度が失われ、この値も1に近
づく。そして被毒係数とメチルメルカプタン感度とはよ
く相関し、被毒係数により被毒の有無を評価し、かつメ
チルメルカプタン感度の低下を正確に補正し得ることが
分かる。
を例に、第2の実施例を示す。図7に第2の実施例の回
路構成を示すと、用いたガスセンサ2は図1のもので、
図2と同じ符号は同じものを表す。23は金属酸化物半
導体12を電池電源20に接続するためのスイッチで、
60は新たなマイクロコンピュータである。62は新た
なタイマで、64はADコンバータを備えた新たなサン
プリング部で、スイッチ23を制御すると共に、負荷抵
抗24への出力電圧を読み込む。66は新たなヒータ制
御部で、ヒータ信号Hによりスイッチ22をオンさせ
て、ヒータ8に電力を加える。68はCO検出部で、7
0は被毒検出部であり、パルス加熱後のセンサ抵抗の増
加率を統計化し、被毒を検出する。72は新たなI/O
で、COの発生時にはCO検出信号を、被毒検出時には
被毒検出信号を発生し、報知部74によりCOの発生並
びにガスセンサ2の劣化(被毒)を報知する。
す。動作周期は例えば60秒で、そのうち最初の14m
秒の間、ヒータ8をオンして金属酸化物半導体12をパ
ルス的に加熱し、パルス加熱時の最高温度は約400℃
である。そして周期の最初から例えば1秒目のセンサ信
号をサンプリング部で読み込んで、COを検出する。被
毒の検出には、ヒータ8によるパルス加熱(以下単にパ
ルス加熱)後のセンサ抵抗の増加率を用い、ここでは周
期の始めから15m秒目と30m秒目のセンサ信号を用
いる。なおこの実施例では、周期の始めを0m秒として
時刻を表し、例えばパルス加熱の終了時が14m秒で、
被毒検出用の信号のサンプリング時が15m秒と30m
秒である。
行った。50℃相対湿度95%の雰囲気で、ガスセンサ
2を10個使用し、時々恒温恒湿槽から取り出してCO
に対する警報濃度の変化を調べた。なおCOに対する警
報濃度の初期値は100ppmである。10個のガスセン
サ中で最も劣化の激しかったものでは、50℃相対湿度
95%中46日目に、COの警報濃度(ガスセンサの抵
抗値のCO濃度依存性から算出)が100ppmから30
0ppmに増加し、56日目にはCOの警報濃度が100
0ppmに達した。残りの9個のガスセンサでは、56日
目の警報濃度は400ppm以下であった。
たセンサは水蒸気による被毒を受けたものと見なし、以
下被毒センサあるいは被毒品と呼ぶ。図9,図10は、
恒温恒湿槽から取り出した直後の、被毒センサと他の正
常なセンサ(1個)の抵抗値の波形を示している。被毒
センサに対して空気中の抵抗値の波形(20℃相対湿度
65%)を示し、正常センサに対して、空気中と水素1
000ppm中並びにCO100ppm中の波形を示す。図9
には時刻0〜20秒間の波形を示し、図10には時刻0
〜100m秒間の波形を示す。
抗値も高く、パルス加熱終了後の抵抗値の増加率が僅か
である。しかしながらパルス加熱中の抵抗値は、−10
℃などの極端に低温でかつ絶対湿度の低い雰囲気(空気
中)で、正常センサの場合、標準状態の空気から10〜
100倍程度増加するので、パルス加熱中の抵抗値自体
から被毒の有無を検出するのは困難である。これに対し
て、パルス加熱後の抵抗値の増加率は、低温低湿中でむ
しろ増加するので、パルス加熱後の抵抗値の増加率を用
いると、低温低湿中(絶対湿度の低い雰囲気)で、誤っ
て被毒と判断することがない。
の抵抗値の増加率がごく僅かであるが、これは30m秒
目や15m秒目のセンサ抵抗をチェックすること(抵抗
値が低いことをチェック)により、被毒と区別すること
ができる。またこれ以外に梅雨などの多湿期には、パル
ス加熱後のセンサ抵抗の増加率が減少する。しかし正常
品の場合、多湿期でも被毒センサの抵抗の増加率よりは
充分大きな抵抗の増加率(15m秒〜30m秒の間に抵
抗値が10〜20倍程度増加)を示し、また多湿期での
15m秒目のセンサ抵抗(通常は10KΩ程度)は被毒
時の15m秒目のセンサ抵抗(1MΩ程度)よりも充分
に低い。これらのため、15m秒目と30m秒目とのセ
ンサ抵抗の比を用いることにより、被毒の有無を検出で
きる。そして検出の信頼性を増す場合、15m秒目や3
0m秒目のセンサ抵抗の値自体を加味してやればよい。
なお15m秒目や30m秒目は、パルス加熱後の過渡的
な抵抗値の増加を検出するための適宜の時刻の例であ
る。
ルゴリズムを示す。ガスセンサは60秒周期で動作する
が、被毒の検出は7時間毎に行い、これは被毒検出の時
定数を1週間〜30日程度とし、この間の様々な時刻の
信号を用いるためである。
5m秒目でのセンサ抵抗Rs15と、30m秒目でのセン
サ抵抗Rs30とを記憶し、Rs30とRs15との比が10未
満か否かをチェックし、かつRs15が50kΩ以上か否
かをチェックする。図10の例では、被毒品でRs30と
Rs15の比は3程度、正常品で40程度である。また乾
燥雰囲気ではこの比は増加する。水素中や多湿の雰囲気
ではこの比は減少するものの、Rs15が50kΩ以上と
なることはほとんどない。Rs15の値のチェックは省略
してもよく、またRs30のチェックなどに変えてもよ
い。
は危険なので、被毒の有無の検出結果を統計化する。統
計化の原理は、Rs30/Rs15の値の移動平均を求め、移
動平均が例えば10以下になった際に被毒と判断するこ
とである。ここではRs30とRs15の比が10以下で、か
つRs15が50kΩ以下の場合カウンタを1加算する。
ただしカウンタの最大値は255とする。また前記のい
ずれかの条件が満たされない場合、被毒の兆候がないも
のとしてカウンタを1減算し、カウンタの値の最小値は
0とする。次にカウンタの値が32以上か否かをチェッ
クし、カウンタの値が32以上でガスセンサが被毒され
たものとして報知し、以降は被毒の兆候が消滅した場合
にも、被毒検出の結果がキャンセルされないようにカウ
ンタの値を固定する。またカウンタの値が32未満の場
合、被毒がないものとして被毒の報知を行わない。
の値を32とするので、被毒の兆候が生じてから、被毒
の報知を行うまでの最短時間は約9日となる。この期間
は例えば1週間〜30日程度の範囲で適宜に変更でき
る。一旦被毒を報知するとカウンタの値を固定するの
は、それ以降に被毒の兆候が消えても、正常なセンサと
は見なさないためである。しかしながら、被毒を報知す
るためのカウンタの値を32以上,被毒の報知を取り消
すためのカウンタの値を例えば16未満として、被毒の
検出と取り消しとにマージンを持たせ、被毒を報知後も
カウンタの値の増減を認めてもよい。これは一時的な被
毒を受けるが、その後被毒から回復し得る場合に有効で
ある。
の統計化を示さなかったが、図11と同様のアルゴリズ
ムで統計化しても良い。
す図
を示すフローチャート
よる立上りの検出、被毒による呼気中出力のサンプリン
グ時期の変更と、判定しきい値の変更とを示す特性図
ルメルカプタンへの感度との相関を示す特性図
ンを示す図
サの出力波形を示し、被毒センサの空気中の抵抗値の挙
動と、正常センサの空気中及び水素1000ppm中並び
にCO100ppm中の抵抗値の挙動を示す。
の抵抗値の挙動を拡大して示す図
を示すフローチャート
Claims (9)
- 【請求項1】 ヒータを備えた金属酸化物半導体ガスセ
ンサを加熱した後、安定状態へ移行する過程での、金属
酸化物半導体の抵抗値の変化の程度を求め、該変化の程
度が小さいことからガスセンサの被毒を検出する、ガス
検出方法。 - 【請求項2】 前記金属酸化物半導体の抵抗値から基準
値を求めて記憶し、 該基準値を検出閾値に変換して、金属酸化物半導体の抵
抗値と比較し、金属酸化物半導体の抵抗値が検出閾値以
下でガスを検出すると共に、 被毒検出時に、被毒による感度低下を補うように、基準
値から検出閾値への変換条件を変更することを特徴とす
る、請求項1のガス検出方法。 - 【請求項3】 前記加熱がヒータへのパルス的な通電
で、かつ該パルス的通電を周期的に繰り返して行い、パ
ルス加熱後の抵抗値の増加の程度が小さいことから、被
毒を検出するようにしたことを特徴とする、請求項1ま
たは2のガス検出方法。 - 【請求項4】 前記加熱が、ヒータへの通電による金属
酸化物半導体のヒートクリーニングであり、ヒートクリ
ーニング後の抵抗値の減少の程度が小さいことから、被
毒を検出するようにしたことを特徴とする、請求項1ま
たは2のガス検出方法。 - 【請求項5】 ヒータを備えた金属酸化物半導体ガスセ
ンサと、該ヒータに通電して金属酸化物半導体を加熱す
るためのの手段と、加熱後に安定状態に移行する過程で
の金属酸化物半導体の抵抗値の変化の程度を求めて、該
変化の程度が小さいことからガスセンサの被毒を検出す
るための被毒検出手段とを備えた、ガス検出装置。 - 【請求項6】 前記金属酸化物半導体の抵抗値から基準
値を求めて記憶するための手段と、 該基準値を検出閾値に変換して、金属酸化物半導体の抵
抗値と比較し、金属酸化物半導体の抵抗値が検出閾値以
下でガスを検出するための手段と、 被毒検出時に、被毒による感度低下を補うように、基準
値から検出閾値の変換条件を変更するための手段、とを
更に設けたことを特徴とする、請求項5のガス検出装
置。 - 【請求項7】 前記加熱がヒータへのパルス的な通電
で、かつ該パルス的通電を周期的に繰り返して行い、か
つパルス加熱後の抵抗値の増加の程度が小さいことから
被毒を検出するようにしたことを特徴とする、請求項5
または6のガス検出装置。 - 【請求項8】 前記加熱がヒータへの通電による金属酸
化物半導体のヒートクリーニングであり、かつヒートク
リーニング後の抵抗値の減少の程度が小さいことから被
毒を検出するようにしたとを特徴とする、請求項5また
は6のガス検出装置。 - 【請求項9】 被毒検出手段に、抵抗値の変化の程度に
よる被毒の判定結果を統計化するための手段を設けて、
該統計化した被毒の判定結果により、被毒信号を発生す
るようにしたことを特徴とする、請求項5〜8のいずれ
かのガス検出装置。
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