JP2016145738A - ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法 - Google Patents

ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016145738A
JP2016145738A JP2015022495A JP2015022495A JP2016145738A JP 2016145738 A JP2016145738 A JP 2016145738A JP 2015022495 A JP2015022495 A JP 2015022495A JP 2015022495 A JP2015022495 A JP 2015022495A JP 2016145738 A JP2016145738 A JP 2016145738A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output value
gas sensor
gas
semiconductor
poisoning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015022495A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6558907B2 (ja
Inventor
久世 恭
Yasushi Kuze
恭 久世
大石 達也
Tatsuya Oishi
達也 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Cosmos Electric Co Ltd
Original Assignee
New Cosmos Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Cosmos Electric Co Ltd filed Critical New Cosmos Electric Co Ltd
Priority to JP2015022495A priority Critical patent/JP6558907B2/ja
Publication of JP2016145738A publication Critical patent/JP2016145738A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6558907B2 publication Critical patent/JP6558907B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

【課題】シリコーン被毒の影響を受けずに、検知対象となるガス成分の濃度を正確に測定することができ、しかもシリコーン被毒に対するメンテナンスを行う必要のないガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法を提供すること。【解決手段】半導体式ガスセンサを備えるガス濃度測定装置において、半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を判定する被毒度判定手段と、判定されたシリコーン被毒度に対応する補正係数を算出する補正係数算出手段と、補正係数を用いて、前記半導体式ガスセンサの出力値を補正する出力値補正手段と、補正された出力値に基づいてガス濃度を算出するガス濃度算出手段と、を備えることを特徴とするガス濃度測定装置。【選択図】なし

Description

本発明は、検知対象となるガス成分を検知する半導体式ガスセンサの出力値に基づいて、当該ガス成分の濃度を測定するガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法に関する。
検知対象となるガス成分の濃度を測定する従来のガス濃度測定装置として、半導体式ガスセンサを備えるものが知られている。
半導体式ガスセンサは、そのガス感応部にガス成分が接触したときに発生する抵抗値変化を検出し、ガス成分の濃度に応じた出力値を出力するものである。
従来、例えばヘキサメチルジシロキサン(HMDS)等の有機シリコーンガスに半導体式ガスセンサが曝されて被毒すると、図1に示すように、検知対象となるガス成分を含んでいないか、あるいは検知対象となるガス成分の濃度が一定であっても、被毒時間が長くなるほど半導体式ガスセンサの出力値が増加する傾向を示すようになり、検知対象となるガス成分の濃度を正確に測定することが困難になるという問題を抱えていた。
この問題を解決するため、半導体式ガスセンサのガス感応部に被覆層を設けてシリコーン被毒を防止するという方法がこれまで一般的に行われていた。
尚、この様な従来技術に関しては、当業者の間で広く知られているものであるため、先行技術文献を示さない。
ガス感応部に被覆層を設ける方法は、シリコーン被毒を必ずしも十分に防ぎ得るものではなく、またひび割れや剥離が当該被覆層に生じていないかなどを定期的に点検してメンテナンスを行う必要もあり、面倒な作業をユーザーに強いるものであった。
本発明の目的は、シリコーン被毒の影響を受けずに、検知対象となるガス成分の濃度を正確に測定することができ、しかもシリコーン被毒に対するメンテナンスを行う必要のないガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法を提供することにある。
本発明のガス濃度測定装置に係る第1特徴構成は、半導体式ガスセンサを備えるガス濃度測定装置において、前記半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を判定する被毒度判定手段と、判定されたシリコーン被毒度に対応する補正係数を算出する補正係数算出手段と、前記補正係数を用いて、前記半導体式ガスセンサの出力値を補正する出力値補正手段と、補正された出力値に基づいてガス濃度を算出するガス濃度算出手段とを備える点にある。
本構成のごとく、半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を判定し、当該シリコーン被毒度に対応する補正係数を用いて出力値を補正することにより、シリコーン被毒の影響を排除することができる。従って、半導体式ガスセンサのガス感応部に被覆層を設けなくとも、検知対象となるガス成分の濃度を正確に測定することができると共に、シリコーン被毒に対する面倒なメンテナンスを行う必要もない。
第2特徴構成は、前記被毒度判定手段が、前記半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間によってシリコーン被毒度を判定する点にある。
本構成によれば、半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間を測定することによって、半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を正確に判定することが可能となる。その結果、より正確な補正係数が算出されるため、検知対象となるガス成分の濃度をより正確に測定することができる。
第3特徴構成は、前記被毒度判定手段が、前記半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間までの第1所定時間と第2所定時間のそれぞれに出力された第1出力値と第2出力値との差によってシリコーン被毒度を判定する点にある。
本構成によれば、半導体式ガスセンサの出力値が安定化するのを待たずに、そのシリコーン被毒度を判定することができる。従って、検知対象となるガス成分の濃度をより迅速に測定することができる。
本発明のガス濃度測定方法に係る第1特徴構成は、半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を判定する被毒度判定ステップと、判定されたシリコーン被毒度に対応する補正係数を算出する補正係数算出ステップと、前記補正係数を用いて、前記半導体式ガスセンサの出力値を補正する出力値補正ステップと、補正された出力値に基づいてガス濃度を算出するガス濃度算出ステップとを包含する点にある。
本構成のごとく、半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を判定し、当該シリコーン被毒度に対応する補正係数を用いて出力値を補正することにより、シリコーン被毒の影響を排除することができる。従って、半導体式ガスセンサのガス感応部に被覆層を設けなくとも、検知対象となるガス成分の濃度を正確に測定することができると共に、シリコーン被毒に対する面倒なメンテナンスを行う必要もない。
第2特徴構成は、前記被毒度判定ステップが、前記半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間によってシリコーン被毒度を判定する点にある。
本構成によれば、半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間を測定することによって、半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を正確に判定することが可能となる。その結果、より正確な補正係数が算出されるため、検知対象となるガス成分の濃度をより正確に測定することができる。
第3特徴構成は、前記被毒度判定ステップが、半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間までの第1所定時間と第2所定時間のそれぞれに前記半導体式ガスセンサから出力された第1出力値と第2出力値との差によってシリコーン被毒度を判定する点にある。
本構成によれば、半導体式ガスセンサの出力値が安定化するのを待たずに、そのシリコーン被毒度を判定することができる。従って、検知対象となるガス成分の濃度をより迅速に測定することができる。
有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを曝露したときの曝露時間と、検知対象となる種々のガス成分に対する当該半導体式ガスセンサの生出力値との関係を示すグラフである。 半導体式ガスセンサの出力値と通電時間との関係を模式的に示したグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを曝露する前の、当該半導体式ガスセンサの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを2時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを5時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを10時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを18時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを30時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガスに曝露する前の半導体式ガスセンサ、及び有機シリコーンガスに2時間、5時間、10時間、18時間、30時間曝露した半導体式ガスセンサにおける、検知対象となるガス成分の濃度と、出力値(当該ガス成分の濃度が0ppmのときの生出力値を0mVとして換算したときの換算出力値)との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中にそれぞれ2時間、5時間、10時間、18時間、30時間曝露した半導体式ガスセンサにおける、出力値(検知対象となるガス成分の濃度が0ppmのときの生出力値を0mVとして換算したときの換算出力値)と、補正係数との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを曝露する前の、当該半導体式ガスセンサに通電したときの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを2時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサに通電したときの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを5時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサに通電したときの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを10時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサに通電したときの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを18時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサに通電したときの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。 有機シリコーンガス中に半導体式ガスセンサを30時間曝露した後の、当該半導体式ガスセンサに通電したときの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。
〔第1実施形態〕
本発明に係るガス濃度測定装置は、検知対象となるガス成分を検知する半導体式ガスセンサを備え、その出力値に基づいて当該ガス成分の濃度を測定するガス濃度測定装置であって、半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を判定する被毒度判定手段と、判定されたシリコーン被毒度に対応する補正係数Cを算出する補正係数算出手段と、補正係数Cを用いて、半導体式ガスセンサの出力値を補正する出力値補正手段と、補正された出力値に基づいてガス濃度を算出するガス濃度算出手段とを備えるものである。
本発明において検知対象となるガス成分は、特に限定されるものではないが、例えば、水素、エタノール、トルエン等の可燃性ガス、酸素等の支燃性ガス、さらに窒素、二酸化炭素等の不燃性ガスが挙げられる。
本実施形態における被毒度判定手段は、通電後の安定化時間Tを測定する時間測定機能と、種々の曝露時間と当該曝露時間に対応する安定化時間Tと被曝レベルとに関するデータを蓄積する第1データテーブルと、時間測定機能により測定された安定化時間Tを、第1データテーブルに入力して被曝レベルを判定する被曝度判定機能とを備える。
本実施形態における補正係数算出手段は、出力値と補正係数Cとの関係を示す検量線に関するデータを被曝レベル毎に蓄積する第2データテーブルと、被毒度判定手段にて選択された被曝レベルと、半導体式ガスセンサの出力値とを第2データテーブルに入力することによって補正係数を導き出す補正係数算出機能とを備える。
本実施形態における出力値補正手段は、以下の式1により、半導体式ガスセンサの出力値を補正する。
[式1]
補正出力値=出力値/補正係数C
本実施形態におけるガス濃度算出手段は、検知対象となるガス成分の所定のガス濃度と、被曝していない半導体式ガスセンサにおける出力値との関係を示す検量線に関するデータを蓄積する第3データテーブルと、出力値補正手段により算出された補正出力値を第3データテーブルに入力することによってガス濃度を導き出すガス濃度算出機能とを備える。
本願明細書における「シリコーン被毒度」とは、シリコーン被毒の程度を意味するものである。本願明細書におけるシリコーン被毒度は、半導体式ガスセンサが、所定濃度の有機シリコーンガスに曝された曝露時間によって評価されるものとし、当該曝露時間が長ければ長いほど、シリコーン被毒度が高いと判断される。
本願明細書における「安定化時間」とは、半導体式ガスセンサに通電してから、その出力値が安定するまでの時間、即ち、出力値がフラットな状態になるまでに要する時間を意味する(図2参照)。
図3は、シリコーンガスに曝露していない半導体式ガスセンサについて、検知対象となるガス成分を含まない気体中において通電したときの、当該半導体式ガスセンサの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。
図4〜図8のそれぞれは、半導体式ガスセンサを、有機シリコーンガスの一例としての10ppmのHMDS中に2時間、5時間、10時間、18時間、30時間曝露した後、検知対象となるガス成分を含まない気体中において通電したときの、当該半導体式ガスセンサの出力値と通電時間との関係を示すグラフである。
尚、図3〜図8における半導体式ガスセンサの出力値はいずれも、当該半導体式ガスセンサに通電して安定したときの生出力値を0mVとして換算したときの換算出力値である。
図3に示すように、曝露前の安定化時間Tが約1分であるのに対して、図4〜図8に示すように、曝露時間が2時間、5時間、10時間、18時間、30時間と長くなるほど、安定化時間Tも、約2分、約3分、約5分、約6分、約9分と長くなる傾向がある。
このような事実を踏まえ、本発明者らは、シリコーン被毒度が、半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間Tに反映されることを見出した。そして、シリコーン被毒度を安定化時間Tによって判定し、当該シリコーン被毒度に対応する補正係数Cを用いて出力値を補正すれば、シリコーン被毒の影響を受けずに、検知対象となるガス成分の濃度を正確に測定することができるとして、本発明に至った。
以下、本発明に係るガス濃度測定方法について、具体例を交えながら説明する。
本発明に係るガス濃度測定方法は、半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度(被曝レベル)を判定する被毒度判定ステップと、判定されたシリコーン被毒度に対応する補正係数Cを算出する補正係数算出ステップと、補正係数Cを用いて、半導体式ガスセンサの出力値を補正する出力値補正ステップと、補正された出力値に基づいてガス濃度を算出するガス濃度算出ステップと、を包含する。
初めに、第1〜第3データテーブルを作成する。
第1データテーブルを作成するために、半導体式ガスセンサに対する有機シリコーンガスの種々の曝露時間と、当該曝露時間のそれぞれに対応する安定化時間Tに関するデータを採取する。
ここでは有機シリコーンガスの一例として10ppmのHMDSを使用し、さらにHMDS曝露前の半導体式ガスセンサ、及びHMDS中に2時間、5時間、10時間、18時間、30時間それぞれ曝露させた半導体式ガスセンサを用いる。
上記半導体式ガスセンサのそれぞれを、検知対象となるガス成分を含まない気体中において12分間通電し、その出力値が安定となる安定化時間Tを測定する。
図3〜図8に示すように、HMDS曝露前の安定化時間Tが約1分であるのに対して、曝露時間が2時間、5時間、10時間、18時間、30時間のそれぞれの安定化時間Tが、約2分、約3分、約5分、約6分、約9分と測定された。
そのような結果に基づき、安定化時間T、曝露時間P、及び被曝レベルの各データを備える第1データテーブルを例えば以下の表1のように作成する。
Figure 2016145738
次に、上記半導体式ガスセンサのそれぞれを、検知対象となるガス成分を所定濃度で含む気体中に置いて、その出力値を測定する。ここでは、検知対象となるガス成分としてエタノールを使用した例を説明する。例えば10ppm、50ppm、200ppmのエタノールを含む気体のそれぞれを予め調製し、それらの気体について上記半導体式ガスセンサのそれぞれの出力値を測定する。出力値の測定結果を以下の表2及び図9に示す。尚、表2及び図9における出力値(mV)は、エタノールの濃度が0ppmのときの生出力値を0mVとして換算したときの換算出力値である。
Figure 2016145738
次いで、表2の結果から、以下の[式2]により、補正係数Cを算出する。補正係数Cの計算結果を表3に示す。
[式2]
補正係数C=所定エタノール濃度のレベル1〜5のそれぞれにおける出力値/所定エタノール濃度のレベル0における出力値
Figure 2016145738
次いで、表2及び表3より、被曝レベル1〜5毎に、出力値(mV)と補正係数Cとの関係を示す検量線に関する第2データテーブルを図10の如く作成する。
また、所定濃度のエタノールを含む気体をいくつか調製し、エタノール濃度と、被曝されていない半導体式ガスセンサにおける出力値との関係を示す検量線を作成して第3データテーブルとする。
次いで、上記第1〜第3データテーブルを用いて、検知対象のガス成分であるエタノールの濃度を測定する。
まず、被毒度判定ステップにおいて、半導体式ガスセンサに通電した後の安定化時間Tを測定し、測定された安定化時間Tについて、第1データテーブルに基づいて被曝レベル0〜5を判定する。
次いで、補正係数算出ステップにおいて、判定された被曝レベルに基づいて第2データテーブルにおける検量線のいずれかを選択し、選択した検量線と、半導体式ガスセンサから出力された出力値とから補正係数Cを算出する。
次いで、出力値補正ステップにおいて、上記式1により、半導体式ガスセンサの出力値を補正して補正出力値を算出する。
そして、ガス濃度算出ステップにおいて、補正出力値と第3データテーブルとを用いてエタノール濃度を算出する。
尚、上記被毒度判定ステップにおいて被曝レベル0と判定された場合は、半導体式ガスセンサは被毒していないため、上記補正係数算出ステップと出力値補正ステップとを行わずに、ガス濃度算出ステップを行う。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態についての説明を行うが、上記第1実施形態と第2実施形態とは、被毒度判定手段及び被毒度判定手ステップのみが異なるものであるため、それ以外の用語の定義・構成については説明を省略する。
本実施形態における被毒度判定手段は、通電後の半導体式ガスセンサにおける出力値の安定化時間までの第1所定時間と第2所定時間のそれぞれに出力された第1出力値と第2出力値との差に基づいて勾配を算出する勾配算出機能と、種々の曝露時間と当該曝露時間に対応する勾配と被曝レベルとに関するデータを蓄積する第4データテーブルと、勾配算出機能により算出された勾配を第4データテーブルに入力して被曝レベルを判定する被曝度判定機能とを備える。
図11は、シリコーンガスに曝露していない半導体式ガスセンサについて、検知対象となるガス成分を含まない気体中において通電したときの、当該半導体式ガスセンサの生出力値と通電時間との関係を示すグラフである。
図12〜図16は、半導体式ガスセンサを、有機シリコーンガスの一例としての10ppmのHMDS中に2時間、5時間、10時間、18時間、30時間曝露した後、検知対象となるガス成分を含まない気体中において通電したときの、当該半導体式ガスセンサの生出力値と通電時間との関係を示すグラフである。
図11〜図16に示すように、曝露時間が0時間、2時間、5時間、10時間、18時間、30時間と長くなるにつれて、出力値と時間との関係を示したグラフにおける安定化時間までの所定時間(0.5分)での勾配が大きくなる傾向がある(図中の白丸箇所を参照)。
尚、図11〜図16における半導体式ガスセンサの出力値はいずれも、当該半導体式ガスセンサに通電して安定したときの生出力値を0mVとして換算したときの換算出力値である。
このような事実を踏まえ、本発明者らは、図2に示すように、半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間Tまでの第1所定時間t1と第2所定時間t2のそれぞれに出力された第1出力値A1と第2出力値A2との差、即ち、出力値と時間との関係を示したグラフにおける安定化時間までの所定時間での勾配Sにシリコーン被毒度が反映されることについても見出した。そして、シリコーン被毒度を勾配Sによって判定し、当該シリコーン被毒度に対応する補正係数を用いて出力値を補正すれば、シリコーン被毒の影響を受けずに、検知対象となるガス成分の濃度を正確に測定することができるとして、本発明に至った。
本実施形態に係るガス濃度測定方法は、上述の第1実施形態における第1データテーブルの替わりに、以下に説明する第4データテーブルを使用し、それ以外の工程は上記第1実施形態と同様である。
第4データテーブルを作成するために、半導体式ガスセンサに対する有機シリコーンガスの種々の曝露時間と、当該曝露時間のそれぞれに対応する勾配に関するデータを採取する。
ここでは有機シリコーンガスの一例として10ppmのHMDSを使用し、さらにHMDS曝露前の半導体式ガスセンサ、及びHMDS中に2時間、5時間、10時間、18時間、30時間それぞれ曝露させた半導体式ガスセンサを用いる。
上記半導体式ガスセンサのそれぞれを、検知対象となるガス成分を含まない気体中において通電し、その出力値が安定となる安定化時間Tまでの第1所定時間t1における第1出力値A1と、第2所定時間t2における第2出力値A2とを得る。例えば、第1所定時間t1を30秒とし、第2所定時間t2を25秒と設定する。
そして、以下の式3により勾配Sを算出する。
[式3]
勾配S=|(A1−A2)/(t1−t2)|
次いで、勾配S、曝露時間P、及び被曝レベルの各データを備える第4データテーブルを例えば以下の表4のように作成する。
Figure 2016145738
〔その他の実施形態〕
1.上述の曝露時間、被曝レベル、第1所定時間t1及び第2所定時間t2に関しては、上述の実施形態に限定されるものではなく、適宜任意に設定して良い。
2.本発明については、ガス検知器やガス警報器等のような半導体式ガスセンサを備える機器において広く適用することができる。特にガス検知器については、携帯用及び定置式のいずれかを問わずに適用することができるが、携帯用ガス検知器がより好適である。
3.上述の被毒度判定手段及び被毒度判定ステップによる被曝レベルの判定については例えば、バンプテスト(機能検査)を行う際などの非使用時に実施するようにしても良いし、あるいは、検知対象となるガス成分の濃度を実際に現場で測定する直前に実施するようにしても良い。このように被曝レベルの判定を予め終えておくことによって、より迅速かつスムーズに現場でガス成分濃度を測定することが可能となり、いち早く作業者に警報を出すように構成することもできる。
本発明は、ガス検知器やガス警報器等に適用することができる。
T 安定化時間
t1 第1所定時間
t2 第2所定時間
A1 第1出力値
A2 第2出力値
S 勾配

Claims (6)

  1. 半導体式ガスセンサを備えるガス濃度測定装置において、
    前記半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を判定する被毒度判定手段と、
    判定されたシリコーン被毒度に対応する補正係数を算出する補正係数算出手段と、
    前記補正係数を用いて、前記半導体式ガスセンサの出力値を補正する出力値補正手段と、
    補正された出力値に基づいてガス濃度を算出するガス濃度算出手段と、を備えることを特徴とするガス濃度測定装置。
  2. 前記被毒度判定手段が、前記半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間によってシリコーン被毒度を判定することを特徴とする請求項1に記載のガス濃度測定装置。
  3. 前記被毒度判定手段が、前記半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間までの第1所定時間と第2所定時間のそれぞれに出力された第1出力値と第2出力値との差によってシリコーン被毒度を判定することを特徴とする請求項1に記載のガス濃度測定装置。
  4. 半導体式ガスセンサのシリコーン被毒度を判定する被毒度判定ステップと、
    判定されたシリコーン被毒度に対応する補正係数を算出する補正係数算出ステップと、
    前記補正係数を用いて、前記半導体式ガスセンサの出力値を補正する出力値補正ステップと、
    補正された出力値に基づいてガス濃度を算出するガス濃度算出ステップと、を包含することを特徴とするガス濃度測定方法。
  5. 前記被毒度判定ステップが、前記半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間によってシリコーン被毒度を判定することを特徴とする請求項4に記載のガス濃度測定方法。
  6. 前記被毒度判定ステップが、半導体式ガスセンサの出力値の安定化時間までの第1所定時間と第2所定時間のそれぞれに前記半導体式ガスセンサから出力された第1出力値と第2出力値との差によってシリコーン被毒度を判定することを特徴とする請求項4に記載のガス濃度測定方法。
JP2015022495A 2015-02-06 2015-02-06 ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法 Active JP6558907B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015022495A JP6558907B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015022495A JP6558907B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016145738A true JP2016145738A (ja) 2016-08-12
JP6558907B2 JP6558907B2 (ja) 2019-08-14

Family

ID=56686170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015022495A Active JP6558907B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6558907B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018229921A1 (ja) * 2017-06-15 2018-12-20 三菱電機株式会社 空気調和機
EP3623805A1 (en) * 2018-09-13 2020-03-18 STMicroelectronics Srl A method of countering contamination in gas sensors, corresponding circuit, device and computer program product

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286669A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Tokyo Gas Co Ltd 可燃性ガス検知器の検査方法及び装置
JP2002286668A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 New Cosmos Electric Corp ガス検知出力補正方法およびガス検知装置
US20020168772A1 (en) * 2001-05-11 2002-11-14 Lloyd Greg A. Method of detecting poisoning of a MOS gas sensor
JP2003232760A (ja) * 2002-02-06 2003-08-22 Figaro Eng Inc ガス検出方法とその装置
JP2016075532A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 株式会社タニタ ガス測定装置、ガス測定システム、ガス測定方法、およびガス測定プログラム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286669A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Tokyo Gas Co Ltd 可燃性ガス検知器の検査方法及び装置
JP2002286668A (ja) * 2001-03-26 2002-10-03 New Cosmos Electric Corp ガス検知出力補正方法およびガス検知装置
US20020168772A1 (en) * 2001-05-11 2002-11-14 Lloyd Greg A. Method of detecting poisoning of a MOS gas sensor
JP2003232760A (ja) * 2002-02-06 2003-08-22 Figaro Eng Inc ガス検出方法とその装置
JP2016075532A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 株式会社タニタ ガス測定装置、ガス測定システム、ガス測定方法、およびガス測定プログラム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018229921A1 (ja) * 2017-06-15 2018-12-20 三菱電機株式会社 空気調和機
JPWO2018229921A1 (ja) * 2017-06-15 2019-12-19 三菱電機株式会社 空気調和機
EP3623805A1 (en) * 2018-09-13 2020-03-18 STMicroelectronics Srl A method of countering contamination in gas sensors, corresponding circuit, device and computer program product
US11391686B2 (en) 2018-09-13 2022-07-19 Stmicroelectronics S.R.L. Method of countering contamination in gas sensors, corresponding circuit, device and computer program product
US11788980B2 (en) 2018-09-13 2023-10-17 Stmicroelectronics S.R.L. Apparatus of countering contamination in gas sensors including corresponding circuit

Also Published As

Publication number Publication date
JP6558907B2 (ja) 2019-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4591105B2 (ja) 校正方法
US9884269B2 (en) Methods and systems for selective hydrogen gas extraction for dissolved gas analysis applications
US20140360245A1 (en) Functional test for gas sensors
JP4184007B2 (ja) ガスセンサ特性補償装置およびガス濃度測定装置
US20140284478A1 (en) X-ray analyzing apparatus
KR20200125427A (ko) 흡광 분석 장치, 및 흡광 분석 장치용 프로그램이 기록된 프로그램 기록 매체
JP6558907B2 (ja) ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法
KR20220084165A (ko) 가스 센서의 작동 및 교정 방법, 및 관련된 가스 센서
JP5705700B2 (ja) 酸素拡散係数測定装置および酸素拡散係数測定方法
US11740175B2 (en) Method and device for compensating temperature gradient effects
JP2016537641A5 (ja)
US10732067B2 (en) Detecting test gas fluctuations during sniffer leak searching
JP2019219428A (ja) プロトコル適応コンピュータで制御される対象分析物の透過試験器
JP2018532118A (ja) ガスセンサによって測定ガス中のガス濃度を求めるための方法
JP2010085339A (ja) 接触燃焼式ガス検出素子を使用したガス検出装置のゼロ点調整方法
US20120272718A1 (en) Photoacoustic Sensor with Baseline and Span Correction
JP5844556B2 (ja) 熱伝導式ガスセンサの出力補正方法およびガス検知器
JP6004535B2 (ja) ガス検出装置
JP2005043296A (ja) 熱重量測定方法
JP5096081B2 (ja) フッ素ガス測定方法及び装置
US10571391B2 (en) Method for adjusting a measuring device
US20230349877A1 (en) Method and device for compensating temperature change rate dependent effects
CN117129371B (zh) 面密度测量仪的标定方法、装置和可读存储介质
US11112354B2 (en) Method and device for measuring carbon concentration in silicon single crystal
CN113406268B (zh) 用于调整供气系统的方法和具有调整功能的供气系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6558907

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250