JP2003232595A - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置

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JP2003232595A
JP2003232595A JP2002032156A JP2002032156A JP2003232595A JP 2003232595 A JP2003232595 A JP 2003232595A JP 2002032156 A JP2002032156 A JP 2002032156A JP 2002032156 A JP2002032156 A JP 2002032156A JP 2003232595 A JP2003232595 A JP 2003232595A
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heat storage
storage tank
transfer tube
heat exchanger
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JP2002032156A
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Takayuki Setoguchi
隆之 瀬戸口
Mitsuharu Numata
光春 沼田
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Abstract

(57)【要約】 【課題】蓄熱槽内に配置された熱交換器の耐食性を向上
させる。 【解決手段】蓄熱槽(3)には、酢酸ナトリウム3水和
物からなる蓄熱材(5)を充填する。蓄熱槽(3)内に、
蓄熱材(5)と熱媒体との間で熱交換を行う蓄熱側熱交
換器(22)を配置する。蓄熱側熱交換器(22)の伝熱管
(53)の外表面及びフィン(52)には、酸による腐食を
阻止する被覆層(58)を設ける。被覆層(58)をエポキ
シ樹脂材料により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、蓄熱装置に関
し、特に、蓄熱槽内に配置された熱交換器の耐食性を向
上させる対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開2001−20
7163号公報に開示されているように、熱源側の熱を
熱媒体を介して蓄熱槽に一旦蓄熱し、この蓄熱槽の熱を
熱媒体を介して利用側に供給する蓄熱装置が知られてい
る。この蓄熱装置は、例えば蓄熱材が充填された蓄熱槽
にフィンアンドチューブ式の熱交換器を設け、この熱交
換器の伝熱管に熱媒体としての水を通し、蓄熱材によっ
て加熱された水を利用側に供給する給湯等を行う給湯器
などに利用されている。そして、蓄熱槽の蓄熱材として
は、蓄熱量をできるだけ多く確保するために、潜熱蓄熱
材を利用したものがよく用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱交換器では、伝熱管及びフィンがアルミや銅によって
構成されており、無機水和物の蓄熱材を使用した場合に
は、この無機水和物から水和水が分離して蓄熱槽内が酸
性となる特性があることにより、伝熱管及びフィンが徐
々に腐食されてしまう。この結果、蓄熱槽において熱交
換器の破損を招き、蓄熱装置の寿命が短くなってしまう
という問題があった。
【0004】そこで、本願発明は、斯かる点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、蓄熱槽内
に配置された熱交換器の耐食性を向上させることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本願発明は、蓄熱層(3)内に配置された熱交換器
(22)の伝熱管(53)及びフィン(52)に、酸による腐
食を阻止するための被覆層(58)を設けるようにしたも
のである。
【0006】具体的に、第1の解決手段は、蓄熱槽
(3)と、上記蓄熱槽(3)に充填され、水和水の分離に
より酸性を示す無機水和物からなる蓄熱材(5)と、上
記蓄熱槽(3)内に配置され、伝熱管(53)とフィン(5
2)とを有して蓄熱材(5)と熱媒体との間で熱交換を行
う熱交換器(22)とを備え、蓄熱槽(3)に蓄熱された
熱を熱媒体を介して利用側に供給する蓄熱装置を前提と
して、上記熱交換器(22)の伝熱管(53)の少なくとも
外表面及びフィン(52)には、酸による腐食を阻止する
被覆層(58)が設けられている。
【0007】また、第2の解決手段は、上記第1の解決
手段において、蓄熱材(5)は、酢酸ナトリウム3水和
物によって構成されている。
【0008】また、第3の解決手段は、蓄熱用の酢酸ナ
トリウム3水和物(62)が充填された第1蓄熱槽(61)
と、蓄熱用の硫酸ナトリウム10水和物(66)が充填さ
れた第2蓄熱槽(65)と、上記第1蓄熱槽(61)内に配
置され、伝熱管(53)とフィン(52)とを有して酢酸ナ
トリウム3水和物(62)と熱媒体との間で熱交換を行う
第1熱交換器(63)と、上記第2蓄熱槽(65)内に配置
され、伝熱管(53)とフィン(52)とを有して硫酸ナト
リウム10水和物(66)と熱媒体との間で熱交換を行う
第2熱交換器(67)とを備え、各蓄熱槽(61,65)に蓄
熱された熱を熱媒体を介して利用側に供給する蓄熱装置
を前提として、上記各熱交換器(63,67)の伝熱管(5
3)の少なくとも外表面及びフィン(52)には、酸によ
る腐食を阻止する被覆層(58)が設けられている。
【0009】また、第4の解決手段は、蓄熱用の糖アル
コール共晶混合物が充填された第1蓄熱槽(61)と、蓄
熱用の硫酸ナトリウム10水和物(66)が充填された第
2蓄熱槽(65)と、上記第1蓄熱槽(61)内に配置さ
れ、伝熱管(53)とフィン(52)とを有して糖アルコー
ル共晶混合物と熱媒体との間で熱交換を行う第1熱交換
器(63)と、上記第2蓄熱槽(65)内に配置され、伝熱
管(53)とフィン(52)とを有して硫酸ナトリウム10
水和物(66)と熱媒体との間で熱交換を行う第2熱交換
器(67)とを備え、各蓄熱槽(61,65)に蓄熱された熱
を熱媒体を介して利用側に供給する蓄熱装置を前提とし
て、少なくとも上記第2熱交換器(67)の伝熱管(53)
の少なくとも外表面及びフィン(52)には、酸による腐
食を阻止する被覆層(58)が設けられている。
【0010】また、第5の解決手段は、上記第1から第
4の何れか1つの解決手段において、熱交換器(22,63,
67)の伝熱管(53)は銅製であり、フィン(52)はアル
ミ製である。
【0011】また、第6の解決手段は、上記第1から第
4の何れか1つの解決手段において、熱交換器(22,63,
67)の伝熱管(53)及びフィン(52)の双方は、銅製又
はアルミ製である。
【0012】また、第7の解決手段は、上記第1から第
6の何れか1つの解決手段において、フィン(52)は、
プレートフィン又は断面波状の薄板からなるワッフルフ
ィンである。
【0013】また、第8の解決手段は、上記第1から第
7の何れか1つの解決手段において、伝熱管(53)及び
フィン(52)の被覆層(58)は、エポキシ樹脂材料によ
り構成されている。
【0014】また、第9の解決手段は、上記第1から第
7の何れか1つの解決手段において、伝熱管(53)及び
フィン(52)の被覆層(58)は、2液常温硬化形のエポ
キシ樹脂材料により構成されている。
【0015】すなわち、上記第1の解決手段では、蓄熱
槽(3)には、水和水の分離により酸性を示す無機水和
物からなる蓄熱材(5)が充填されると共に、伝熱管(5
3)及びフィン(52)を有する熱交換器(22)が配置さ
れている。そして、この熱交換器(22)では、伝熱管
(53)を流れる熱媒体と蓄熱材(5)との間で伝熱管(5
3)及びフィン(52)を介して熱交換を行い、蓄熱槽
(3)に蓄熱された熱が熱媒体を介して利用側に供給さ
れる。蓄熱材(5)を構成する無機水和物の水和水が該
無機水和物から分離すると、蓄熱槽(35)内は酸性とな
る。そして、この熱交換器(22)の伝熱管(53)の少な
くとも外表面及びフィン(52)には、酸による腐食を阻
止する被覆層(58)が設けられている。
【0016】したがって、蓄熱槽(3)内が酸性となっ
ても、伝熱管(53)及びフィン(52)が腐食することが
ない。この結果、熱交換器(22)の耐食性を向上させる
ことができ、蓄熱装置(1)の寿命を延ばすことができ
る。
【0017】また、上記第2の解決手段では、上記第1
の解決手段において、酢酸ナトリウム3水和物は、融解
して水和水が分離すると酸性を示す。しかしながら、蓄
熱層(3)内に配置された熱交換器(22)の伝熱管(5
3)の少なくとも外表面及びフィン(52)には、酸によ
る腐食を阻止する被覆層(58)が設けられているため
に、伝熱管(53)及びフィン(52)が酸によって腐食す
るのを防止することができる。
【0018】また、上記第3の解決手段では、第1蓄熱
槽(61)には蓄熱用の酢酸ナトリウム3水和物(62)が
充填されると共に第1熱交換器(63)が配置されてい
る。また、第2蓄熱槽(61)には蓄熱用の硫酸ナトリウ
ム10水和物(66)が充填されると共に第2熱交換器
(67)が配置されている。そして、各熱交換器(63,6
7)において、蓄熱槽(61,65)に充填された酢酸ナトリ
ウム3水和物(62)又は硫酸ナトリウム10水和物(6
6)と、伝熱管(53)を流れる熱媒体との間で伝熱管(5
3)及びフィン(52)を介して熱交換を行い、蓄熱槽(6
1,65)に蓄熱された熱が熱媒体を介して利用側に供給さ
れる。第1蓄熱槽(61)に充填された酢酸ナトリウム3
水和物(62)は、融解して水和水が分離すると酸性を示
し、第2蓄熱槽(65)に充填された硫酸ナトリウム10
水和物(66)についても、融解して水和水が分離すると
酸性を示す。そして、これら各熱交換器(63,67)の伝
熱管(53)の少なくとも外表面及びフィン(52)には、
酸による腐食を阻止する被覆層(58)が設けられてい
る。
【0019】したがって、蓄熱層(61,65)内が酸性と
なっても、各熱交換器(63,67)の伝熱管(53)及びフ
ィン(52)が腐食することがない。この結果、両熱交換
器(63,67)の耐食性を向上させることができて、蓄熱
装置(1)の寿命を延ばすことができる。
【0020】また、上記第4の解決手段では、第1蓄熱
槽(61)には、蓄熱用の糖アルコール共晶混合物が充填
されると共に第1熱交換器(63)が配置されている。ま
た、第2蓄熱槽(61)には、蓄熱用の硫酸ナトリウム1
0水和物(66)が充填されると共に第2熱交換器(67)
が配置されている。そして、各熱交換器(63,67)にお
いて、蓄熱槽(61,65)に充填された糖アルコール共晶
混合物又は硫酸ナトリウム10水和物(66)と、伝熱管
(53)を流れる熱媒体との間で伝熱管(53)及びフィン
(52)を介して熱交換を行い、蓄熱槽(61,65)に蓄熱
された熱が熱媒体を介して利用側に供給される。第2蓄
熱槽(65)に充填された硫酸ナトリウム10水和物(6
6)は、融解して水和水が分離すると酸性を示す。そし
て、第2熱交換器(67)の伝熱管(53)の少なくとも外
表面及びフィン(52)には、酸による腐食を阻止する被
覆層(58)が設けられている。
【0021】したがって、第2蓄熱層(65)内が酸性と
なっても、第2熱交換器(67)の伝熱管(53)及びフィ
ン(52)が腐食することがない。この結果、第2熱交換
器(67)の耐食性を向上させることができて、蓄熱装置
(1)の寿命を延ばすことができる。また、第1熱交換
器(63)の被覆層(58)を省略することにより、第1熱
交換器(63)の構成を簡略化することができる。
【0022】また、上記第5の解決手段では、上記第1
から第4の何れか1つの解決手段において、熱交換器
(22,63,67)の伝熱管(53)を銅製とし、フィン(52)
をアルミ製としたために、蓄熱槽(3,61,65)内での熱
交換を効率よく行うことができる。また、伝熱管(53)
の少なくとも外表面及びフィン(52)には、酸による腐
食を阻止する被覆層(58)が設けられているために、伝
熱管(53)を銅製とし、フィン(52)をアルミ製として
も、伝熱管(53)及びフィン(52)の腐食が確実に防止
される。
【0023】また、上記第6の解決手段では、上記第1
から第4の何れか1つの解決手段において、熱交換器
(22,63,67)の伝熱管(53)及びフィン(52)の双方
は、銅製又はアルミ製としたために、蓄熱槽(3,61,6
5)内での熱交換を効率よく行うことができる。また、
伝熱管(53)の少なくとも外表面及びフィン(52)に
は、酸による腐食を阻止する被覆層(58)が設けられて
いるために、伝熱管(53)及びフィン(52)の双方を銅
製又はアルミ製としても腐食が確実に防止される。
【0024】また、上記第7の解決手段では、上記第1
から第6の何れか1つの解決手段において、フィン(5
2)をプレートフィン又は断面波状の薄板からなるワッ
フルフィンに構成したために、蓄熱槽(3,61,65)内で
の熱交換を効率よく行うことができる。
【0025】また、上記第8及び第9の解決手段では、
上記第1から第7の何れか1つの解決手段において、伝
熱管(53)及びフィン(52)の被覆層(58)をエポキシ
樹脂材料により構成するようにしたために、蓄熱層(3,
61,65)内が酸性を示すような状態においても、伝熱管
(53)及びフィン(52)の腐食を確実に防止することが
できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0027】<実施形態1>図1に示すように、実施形
態1に係る蓄熱装置(1)は、熱源側(2)と、熱媒体回
路としての水回路(20)と、蓄熱槽(3)とコントロー
ラ(41)とを備え、給湯システムを構成している。
【0028】熱源側(2)は、いわゆる蒸気圧縮式の冷
媒回路(2A)、即ちヒートポンプによって構成されてい
る。この冷媒回路(2A)は、圧縮機(4)と、冷媒回路
(2A)の冷媒と水回路(20)の水とを熱交換させる熱源
側熱交換器(25)と、液−ガス熱交換器(7)と、減圧
機構としての膨張弁(8)と、蒸発器(9)とが順に接続
されて構成されている。圧縮機(4)の吸入側には、ア
キュムレータ(4A)が設けられている。液−ガス熱交換
器(7)は、冷媒回路(2A)内において熱回収を行うも
のである。液−ガス熱交換器(7)は、熱源側熱交換器
(25)を流出した冷媒が流れる高温側流路(10)と、蒸
発器(9)を流出した冷媒が流れる低温側流路(11)と
を有し、高温側流路(10)を流れる冷媒と低温側流路
(11)を流れる冷媒との間で熱交換を行わせるものであ
る。
【0029】冷媒回路(2A)の冷媒の種類は特に限定さ
れるものではなく、例えば、HFC系冷媒、HCFC系
冷媒等のフロン冷媒、CO2等の自然冷媒であってもよ
い。
【0030】水回路(20)は、ポンプ(21)と、蓄熱槽
(3)内に設けられた蓄熱側熱交換器(22)と、三方弁
(23)と、熱源側熱交換器(25)とが順に水配管(24)
によって接続されて構成されている。
【0031】熱源側熱交換器(25)は、冷媒回路(2A)
の冷媒が流れる高温側流路(25a)と、水回路(20)の
水が流れる低温側流路(25b)とを備えている。高温側
流路(25a)は、その一端が圧縮機(4)の吐出側に接続
され、他端が液−ガス熱交換器(7)の高温側流路(1
0)に接続されている。低温側流路(25b)は、その一端
が三方弁(23)に接続され、他端がポンプ(21)の吸入
側に接続されている。
【0032】ポンプ(21)の吐出側には、逆止弁(26)
が設けられている。逆止弁(26)と蓄熱側熱交換器(2
2)との間には、給湯用配管(27)が接続されている。
給湯用配管(27)は、水回路(20)の温水を図示しない
利用側回路に供給するための供給路である。給湯用配管
(27)には、閉鎖弁(28)が設けられている。給湯用配
管(27)と蓄熱側熱交換器(22)との間には、閉鎖弁
(29)が設けられている。
【0033】水回路(20)は、三方弁(23)をバイパス
する第1バイパス管(30)を備えている。第1バイパス
管(30)には、閉鎖弁(31)が設けられている。また、
水回路(20)は、第2バイパス管(32)を備えている。
第2バイパス管(32)の一端は、閉鎖弁(29)と蓄熱側
熱交換器(22)との間に接続され、第2バイパス管(3
2)の他端は、三方弁(23)と熱源側熱交換器(25)の
低温側流路(25b)との間に接続されている。第2バイ
パス管(32)には、閉鎖弁(33)が設けられている。三
方弁(23)の一端は、水回路(20)に水を供給する給水
配管(34)に接続されている。給水配管(34)には、閉
鎖弁(35)が設けられている。
【0034】蓄熱槽(3)には、蓄熱材(5)が充填され
ている。蓄熱材(5)は、水和水が分離すると酸性を示
す無機水和物である酢酸ナトリウム3水和物(CH3COONa
・3H2O、融点約58℃)(62)が用いられている。
【0035】蓄熱側熱交換器(22)は、フィン(52)
と、該フィン(52)を貫通する伝熱管(53)とを備え、
いわゆるフィンアンドチューブ式の熱交換器に構成され
ている。フィン(52)は、等間隔をおいて配置された複
数のアルミ製の矩形平板によって構成され、いわゆるプ
レートフィンに構成されている。伝熱管(53)は、アル
ミ製であり、蓄熱槽(3)の上端部から下端部に亘って
ジクザク状に配列されて構成されている。そして、伝熱
管(53)の両端は、蓄熱槽(3)の上端部又は下端部に
おいてそれぞれ水回路(20)の水配管(24)に接続され
ている。
【0036】蓄熱側熱交換器(22)のフィン(52)及び
伝熱管(53)の外表面には、酸による腐食を阻止する被
覆層(58)が設けられている。この被覆層(58)は、2
液常温硬化形のエポキシ材料により構成されている。こ
の2液常温硬化形のエポキシ材料として、例えばcemedi
ne1510(セメダイン(株)社製)を用いることができ
る。cemedine1510は、溶剤形エポキシ材料であって、エ
ポキシ樹脂中間体を主剤とし、ポリアミド樹脂を硬化剤
とした2液常温硬化形のエポキシ材料であり、特に酸に
強い特性がある。溶剤形エポキシ材料を使用すること
で、被覆層(58)を薄く塗布することが可能となってい
る。尚、主剤と硬化剤とを混合させる際には、メチルエ
チルケトンを溶剤として使用している。
【0037】酢酸ナトリウム3水和物(62)は、下式に
示すように、相変化により水和水が分離すると共に、酢
酸ナトリウムの一部がイオン化して酸性を示す。
【0038】
【化1】
【0039】そして、この蓄熱材(5)が酸性を示すた
めに、フィン(52)及び伝熱管(53)に、酸による腐食
を阻止する被覆層(58)を設けるようにしている。
【0040】コントローラ(41)は、切換手段としての
切換制御手段(42)と追炊手段(43)とを備えている。
切換制御手段(42)は、蓄熱材(5)に熱を蓄える蓄熱
運転時と、蓄熱槽(3)に蓄えられた熱を熱源側として
利用する蓄熱利用運転時とを切り換えるように構成され
ている。具体的に、切換制御手段(42)は、蓄熱運転時
には、給水配管(34)の閉鎖弁(35)、給湯用配管(2
7)の閉鎖弁(28)、および第2バイパス管(32)の閉
鎖弁(33)を閉鎖し、閉鎖弁(29)および第1バイパス
管(30)の閉鎖弁(31)を開放すると共に、ポンプ(2
1)を駆動させるように構成されている。また、切換制
御手段(42)は、蓄熱利用運転時には、第1バイパス管
(30)の閉鎖弁(31)および第2バイパス管(32)の閉
鎖弁(33)を閉鎖し、閉鎖弁(29)、給水配管(34)の
閉鎖弁(35)および給湯用配管(27)の閉鎖弁(28)を
開放すると共に、ポンプ(21)を停止するように構成さ
れている。
【0041】追炊手段(43)は、蓄熱槽(3)の蓄熱お
よび熱源側(2)の両方を利用して水を加熱する第2蓄
熱利用運転を行うように構成されている。具体的に、追
炊手段(43)は、閉鎖弁(29)および第1バイパス管
(30)の閉鎖弁(31)を閉鎖し、給水配管(34)の閉鎖
弁(35)、第2バイパス管(32)の閉鎖弁(33)、およ
び給湯用配管(27)の閉鎖弁(28)を開放すると共に、
ポンプ(21)及び冷媒回路(2A)を駆動するように構成
されている。
【0042】続いて、本蓄熱装置(1)が実行する蓄熱
運転及び蓄熱利用運転につき、その運転動作について説
明する。
【0043】蓄熱運転は、蓄熱槽(3)の蓄熱材(5)を
融解することにより、当該蓄熱材(5)に熱を蓄える運
転である。冷媒回路(2A)においては、冷媒が以下のよ
うに循環する。すなわち、圧縮機(4)から吐出された
高温の冷媒は、熱源側熱交換器(25)の高温側流路(25
a)内で凝縮する。高温側流路(25a)を流出した高温の
冷媒は、液−ガス熱交換器(7)において、蒸発器(9)
を流出した低温の冷媒と熱交換を行う。液−ガス熱交換
器(7)の高温側流路(10)を流出した冷媒は、膨張弁
(8)によって減圧される。減圧によって温度が低下し
た冷媒は、蒸発器(9)において蒸発する。蒸発器(9)
を流出した冷媒は、液−ガス熱交換器(7)の低温側流
路(11)において高温側流路(10)の高温冷媒と熱交換
を行った後、アキュムレータ(4A)を経て圧縮機(4)
に吸入される。
【0044】水回路(20)においては、給水配管(34)
の閉鎖弁(35)、給湯用配管(27)の閉鎖弁(28)、お
よび第2バイパス管(32)の閉鎖弁(33)は閉鎖され、
閉鎖弁(29)および第1バイパス管(30)の閉鎖弁(3
1)は開放される。そして、水回路(20)の水は、ポン
プ(21)、蓄熱側熱交換器(22)、熱源側熱交換器(2
5)の低温側流路(25b)の順に循環する。
【0045】具体的には、水回路(20)の水は、熱源側
熱交換器(25)の低温側流路(25b)において、冷媒回
路(2A)の高温側流路(25a)を流れる冷媒によって例
えば85℃程度に加熱され、高温の温水となる。この高
温水は、ポンプ(21)を通った後、蓄熱槽(3)内に配
置された蓄熱側熱交換器(22)の伝熱管(53)に流入
し、蓄熱材(5)と熱交換すると共に冷却される。そし
て、この冷却された水は、伝熱管(53)から水回路(2
0)の水配管(24)に流出する。この結果、蓄熱材(5)
は、高温水によって加熱されて融解し、蓄熱材(5)に
熱(潜熱および顕熱)が蓄えられる。このとき、蓄熱材
(5)を構成する酢酸ナトリウム3水和物(62)は、水
和水が分離すると共に、酢酸ナトリウムの一部がイオン
化して酸性を示す。蓄熱が完了するとき、蓄熱材(5)
の温度は例えば上部の温度が約80℃になっている。
【0046】蓄熱側熱交換器(22)を流出した水は例え
ば45℃程度であり、この水は第1バイパス管(30)を
流通し、熱源側熱交換器(25)の低温側流路(25b)に
流入する。熱源側熱交換器(25)の低温側流路(25b)
に流入した水は、冷媒回路(2A)の冷媒によって再び加
熱され、上記の循環動作を繰り返す。
【0047】一方、蓄熱利用運転は、蓄熱槽(3)に蓄
えられた熱を熱源側として利用する出湯時の運転であ
る。本蓄熱装置(1)では、蓄熱利用運転として、蓄熱
槽(3)の蓄熱のみを利用する第1蓄熱利用運転と、蓄
熱槽(3)の蓄熱および熱源側(2)の両方を利用する第
2蓄熱利用運転とを選択的に実行可能である。
【0048】第1蓄熱利用運転では、冷媒回路(2A)は
運転を行わず、水回路(20)は以下のように運転する。
すなわち、コントローラ(41)の切換制御手段(42)に
より、第1バイパス管(30)の閉鎖弁(31)および第2
バイパス管(32)の閉鎖弁(33)は閉鎖され、閉鎖弁
(29)、給水配管(34)の閉鎖弁(35)および給湯用配
管(27)の閉鎖弁(28)は開放される。
【0049】そして、給水配管(34)から供給された常
温の水は蓄熱側熱交換器(22)に流入し、蓄熱材(5)
と熱交換して次第に加熱される。そして、この水は、温
度分布が生じている蓄熱材(5)の上部の温度近く、例
えば約75℃まで加熱されることとなる。そして、この
加熱された水は、蓄熱側熱交換器(22)の上端部側から
水回路(20)の水配管(24)に流出する。蓄熱材(5)
によって加熱された温水は、蓄熱側熱交換器(22)を流
出した後、給湯用配管(27)を通じて、水回路(20)か
ら利用側回路(図示せず)に供給される。
【0050】第2蓄熱利用運転では、冷媒回路(2A)お
よび水回路(20)の両方を運転させる。閉鎖弁(29)お
よび第1バイパス管(30)の閉鎖弁(31)は閉鎖され、
給水配管(34)の閉鎖弁(35)、第2バイパス管(32)
の閉鎖弁(33)、および給湯用配管(27)の閉鎖弁(2
8)は開放される。そして、給水配管(34)から供給さ
れた水は蓄熱側熱交換器(22)に流入し、当該蓄熱側熱
交換器(22)を介して蓄熱材(5)によって加熱され
る。第2蓄熱利用運転でも、水は、上記第1蓄熱運転と
同様に流れ、約75℃程度に加熱された温水となる。
【0051】蓄熱材(5)によって加熱された温水は、
蓄熱側熱交換器(22)を流出し、第2バイパス管(32)
を流通して熱源側熱交換器(25)の低温側流路(25b)
に流入する。低温側流路(25b)に流入した温水は、冷
媒回路(2A)の熱源側熱交換器(25)の高温側流路(25
a)を流れる冷媒によって加熱され、さらに高温の温水
となる。この温水は、例えば85℃程度となっており、
熱源側熱交換器(25)の低温側流路(25b)を流出した
後、給湯用配管(27)を通じて、水回路(20)から利用
側回路(図示せず)に供給される。
【0052】このように、第2蓄熱利用運転では、蓄熱
槽(3)によって加熱された水を熱源側(2)によって更
に加熱するので、より高温の温水を生成することができ
る。つまり、第2蓄熱利用運転によれば、熱源側(2)
によるいわゆる追い焚き運転が可能となる。
【0053】以上説明したように、本実施形態1に係る
蓄熱装置(1)によれば、蓄熱槽(3)には、酢酸ナトリ
ウム3水和物からなる蓄熱材(5)が充填されると共
に、伝熱管(53)及びフィン(52)を有する蓄熱側熱交
換器(22)が配置されている。そして、この蓄熱側熱交
換器(22)では、伝熱管(53)を流れる水と蓄熱材
(5)との間で伝熱管(53)及びフィン(52)を介して
熱交換を行い、蓄熱槽(3)に蓄熱された熱が水を介し
て利用側に供給される。蓄熱材(5)を構成する酢酸ナ
トリウム3水和物の水和水が該酢酸ナトリウム3水和物
から分離すると、蓄熱槽(35)内は酸性となる。そし
て、この蓄熱側熱交換器(22)の伝熱管(53)の外表面
及びフィン(52)には、酸による腐食を阻止する被覆層
(58)が設けられている。
【0054】したがって、蓄熱槽(3)内が酸性となっ
ても、伝熱管(53)及びフィン(52)が腐食することが
ない。この結果、蓄熱側熱交換器(22)の耐食性を向上
させることができて、蓄熱装置(1)の寿命を延ばすこ
とができる。
【0055】また、蓄熱側熱交換器(22)の伝熱管(5
3)及びフィン(52)の双方をアルミ製としたために、
蓄熱槽(3)内での熱交換を効率よく行うことができ
る。また、伝熱管(53)の外表面及びフィン(52)に
は、酸による腐食を阻止する被覆層(58)が設けられて
いるために、伝熱管(53)及びフィン(52)の双方をア
ルミ製としても腐食が確実に防止される。
【0056】また、フィン(52)をプレートフィンに構
成したために、蓄熱槽(3)内での熱交換を効率よく行
うことができる。
【0057】また、伝熱管(53)及びフィン(52)の被
覆層(58)を2液常温硬化形のエポキシ樹脂材料により
構成するようにしたために、蓄熱層(3)内が酸性を示
すような状態においても、伝熱管(53)及びフィン(5
2)の腐食を確実に防止することができる。
【0058】<実施形態2>本実施形態2に係る蓄熱装
置(1)は、図2に示すように、実施形態1と異なり、
第1蓄熱槽である高温側蓄熱槽(61)と第2蓄熱槽であ
る低温側蓄熱槽(65)とを備えている。尚、図2では、
容器(51)を実線で描くところを便宜上仮想線にて描い
ている。また、ここでは、実施形態1と同一構成要素に
は同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0059】高温側蓄熱槽(61)と低温側蓄熱槽(65)
とは、内部が隔壁(70)によって上下2つに区画された
容器(51)により構成されている。そして、この容器
(51)内の上側の一方が高温側蓄熱槽(61)に構成され
ると共に、他方が低温側蓄熱槽(65)に構成されてい
る。
【0060】高温側蓄熱槽(61)には、高温側蓄熱材と
しての酢酸ナトリウム3水和物(CH 3COONa・3H2O、融点
約58℃)(62)が充填されている。低温側蓄熱槽(6
5)には、低温側蓄熱材としての硫酸ナトリウム10水
和物(Na2SO4・10H20、融点32℃)(66)が充填されて
いる。
【0061】高温側蓄熱槽(61)内には第1熱交換器で
ある高温側熱交換器(63)が、低温側蓄熱槽(65)内に
は第2熱交換器である低温側熱交換器(67)がそれぞれ
設けられている。高温側熱交換器(63)及び低温側熱交
換器(67)は、それぞれフィン(52)と、該フィン(5
2)を貫通する伝熱管(53)とを備え、いわゆるフィン
アンドチューブ式の熱交換器に構成されている。フィン
(52)は、等間隔をおいて配置された複数の矩形平板に
よって構成され、いわゆるプレートフィンに構成されて
いる。フィン(52)は、各蓄熱槽(61,65)の略全幅に
亘って形成されている。
【0062】高温側熱交換器(63)の伝熱管(53)は、
複数設けられており、それらの上端部がそれぞれ水回路
(20)の水配管(24)に対して互いに並列に接続されて
いる。各伝熱管(53)は、略鉛直方向に沿って複数本並
ぶように略水平方向に延びる水平部(54)と、略鉛直方
向に互いに隣接する水平部(54)同士をその端部におい
て互い違いに接続する接続部(55)とを備え、高温側蓄
熱槽(61)の上端部から下端部に亘ってジクザク状に配
列されて構成されている。そして、高温側熱交換器(6
3)の各伝熱管(53)の下端部同士がそれぞれ接続され
ている。
【0063】低温側熱交換器(67)の伝熱管(53)は、
複数設けられており、それらの下端部がそれぞれ水回路
(20)の水配管(24)に対して互いに並列に接続されて
いる。各伝熱管(53)は、略鉛直方向に沿って複数本並
ぶように略水平方向に延びる水平部(54)と、略鉛直方
向に互いに隣接する水平部(54)同士をその端部におい
て互い違いに接続する接続部(55)とを備え、低温側蓄
熱槽(65)の上端部から下端部に亘ってジクザク状に配
列されて構成されている。そして、低温側熱交換器(6
7)の各伝熱管(53)の上端部同士がそれぞれ接続され
ている。
【0064】そして、高温側熱交換器(63)の各伝熱管
(53)の下端部と低温側熱交換器(67)の各伝熱管(5
3)の上端部とが橋渡し管(71)によって相互に接続さ
れて、各伝熱管(53)において水が高温側蓄熱槽(61)
の上端から低温側蓄熱槽(65)の下端に亘って、又はそ
の逆方向に流れるようになっている。
【0065】高温側熱交換器(63)及び低温側熱交換器
(67)の伝熱管(53)の外表面及びフィン(52)には、
酸による腐食を阻止する被覆層(58)が設けられてい
る。この被覆層(58)は、2液常温硬化形のエポキシ材
料により構成されている。この2液常温硬化形のエポキ
シ材料として、例えばcemedine1510(セメダイン(株)
社製)を用いることができる。
【0066】酢酸ナトリウム3水和物(62)及び硫酸ナ
トリウム10水和物(66)は、相変化により水和水が分
離すると共に、酢酸ナトリウムの一部又は硫酸ナトリウ
ムがイオン化して酸性を示す。したがって、蓄熱槽(6
1,65)内が酸性になるために、フィン(52)及び伝熱管
(53)に、酸による腐食を阻止する被覆層(58)を設け
るようにしている。
【0067】本蓄熱装置(1)の運転動作について説明
する。尚、熱源側(2)の運転動作、及び各運転時にお
ける各閉鎖弁の開閉動作は実施形態1と同様であるの
で、ここではその説明を省略し、高温側熱交換器(63)
及び低温側熱交換器(67)における動作についてのみ説
明する。
【0068】まず、蓄熱運転では、熱源側熱交換器(2
5)で加熱された高温水は、ポンプ(21)を通った後、
高温側蓄熱槽(61)に配置された高温側熱交換器(63)
に流入する。そして、この高温水は、分流すると共にそ
の上端部側から各伝熱管(53)に流入し、水平部(54)
及び接続部(55)を通って高温側熱交換器(63)を流
れ、酢酸ナトリウム3水和物(62)と熱交換して次第に
冷却される。その後、この冷却された高温水は、橋渡し
管(71)を通って低温側熱交換器(67)に流入する。こ
の結果、酢酸ナトリウム3水和物(62)は高温水によっ
て加熱されて上部から順に融解し、酢酸ナトリウム3水
和物(62)に熱(潜熱および顕熱)が蓄えられる。この
とき、酢酸ナトリウム3水和物(62)は、水和水が分離
すると共に酢酸ナトリウムの一部がイオン化し、高温側
蓄熱層(61)内は酸性となる。蓄熱が完了するとき、酢
酸ナトリウム3水和物(62)の温度は例えば上部で80
℃程度、下部で40℃程度となる。
【0069】そして、この水は低温側熱交換器(67)に
おいて再び分流すると共にその上端部側から各伝熱管
(53)に流入し、水平部(54)及び接続部(55)を通っ
て低温側熱交換器(67)を流れて、硫酸ナトリウム10
水和物(66)と熱交換して次第に冷却されて低温水とな
る。この結果、硫酸ナトリウム10水和物(66)は水に
よって加熱されて上部から順に融解し、硫酸ナトリウム
10水和物(66)に熱(潜熱および顕熱)が蓄えられ
る。このとき、硫酸ナトリウム10水和物(66)は、水
和水が分離すると共に硫酸ナトリウムがイオン化し、低
温側蓄熱層(65)内は酸性となる。蓄熱が完了すると
き、硫酸ナトリウム10水和物(66)の温度は例えば上
部で40℃程度、下部で20℃程度となる。
【0070】そして、低温側熱交換器(67)を流出した
低温の水は例えば25℃程度となっており、この低温水
は、第1バイパス管(30)を流通し、熱源側熱交換器
(25)の低温側流路(25b)に流入し、高温側流路(25
a)を流れる冷媒回路(2A)の冷媒によって再び加熱さ
れる。このような循環が繰り返される。
【0071】一方、第1蓄熱利用運転では、給水配管
(34)から供給された常温の水は低温側蓄熱槽(65)に
配置された低温側熱交換器(67)に流入する。この常温
水は、低温側熱交換器(67)において分流して各伝熱管
(53)を流れる。このとき、常温水は硫酸ナトリウム1
0水和物(66)と熱交換することによって次第に加熱さ
れる。そして、この加熱された水は、橋渡し管(71)を
通って高温側蓄熱槽(61)に配置された高温側熱交換器
(63)に流入する。この水は、高温側熱交換器(63)に
おいて分流し、各伝熱管(53)を流れる。このとき、水
は酢酸ナトリウム3水和物(62)によって更に約75℃
程度まで加熱されて温水となる。この温水は高温側熱交
換器(63)を流出した後、給湯用配管(27)を通じて、
水回路(20)から利用側回路(図示せず)に供給され
る。
【0072】また、第2蓄熱利用運転においても、給水
配管(34)から供給された常温の水は各熱交換器(63,6
7)で上記蓄熱利用運転と同様に加熱されて温水とな
る。そして、この温水は、第2バイパス管(32)を流通
して熱源側熱交換器(25)の低温側流路(25b)に流入
し、冷媒回路(2A)の冷媒によって更に加熱された後、
給湯用配管(27)を通じて、水回路(20)から利用側回
路(図示せず)に供給される。
【0073】以上説明したように、本実施形態2に係る
蓄熱装置によれば、高温側蓄熱槽(61)には蓄熱用の酢
酸ナトリウム3水和物(62)が充填されると共に高温側
熱交換器(63)が配置されている。また、低温側蓄熱槽
(61)には蓄熱用の硫酸ナトリウム10水和物(66)が
充填されると共に低温側熱交換器(67)が配置されてい
る。そして、各熱交換器(63,67)において、蓄熱槽(6
1,65)に充填された酢酸ナトリウム3水和物(62)又は
硫酸ナトリウム10水和物(66)と、伝熱管(53)を流
れる水との間で伝熱管(53)及びフィン(52)を介して
熱交換を行い、蓄熱槽(61,65)に蓄熱された熱が水を
介して利用側に供給される。高温側蓄熱槽(61)に充填
された酢酸ナトリウム3水和物(62)は、融解して水和
水が分離すると酸性を示し、低温側蓄熱槽(65)に充填
された硫酸ナトリウム10水和物(66)についても、融
解して水和水が分離すると酸性を示す。そして、これら
各熱交換器(63,67)の伝熱管(53)の外表面及びフィ
ン(52)には、酸による腐食を阻止する被覆層(58)が
設けられている。
【0074】したがって、蓄熱層(61,65)内が酸性と
なっても、各熱交換器(63,67)の伝熱管(53)及びフ
ィン(52)が腐食することがない。この結果、両熱交換
器(63,67)の耐食性を向上させることができ、蓄熱装
置(1)の寿命を延ばすことができる。
【0075】その他の構成、作用及び効果は実施形態1
と同様である。
【0076】
【発明のその他の実施の形態】上記各実施形態につい
て、熱交換器(22,63,67)の被覆層(58)は、エポキシ
材料による構成に限られるものではなく、酸に強い特性
を有する他の材料で構成されたものであってもよい。ま
た、エポキシ樹脂材料は、2液常温硬化形に限られるも
のではない。
【0077】また、上記各実施形態では、蓄熱側熱交換
器(22)のフィン(52)を平板によって構成したが、こ
れに代え、フィン(52)を断面波状の薄板からなるワッ
フルフィンによって構成してもよい。このような構成に
すると更に伝熱性能を向上させることができる。
【0078】また、上記各実施形態について、伝熱管
(53)及びフィン(52)をアルミ製としたが、これに代
え、伝熱管(53)を銅製とし、フィン(52)をアルミ製
としてもよい。また、伝熱管(53)及びフィン(52)を
双方とも銅製としてもよい。このような構成において
も、蓄熱槽(3,61,65)内での熱交換を効率よく行うこ
とができる。また、伝熱管(53)の外表面及びフィン
(52)には、酸による腐食を阻止する被覆層(58)が設
けられているために、伝熱管(53)及びフィン(52)の
腐食が確実に防止される。
【0079】また、上記実施形態1では、蓄熱材(5)
として酢酸ナトリウム3水和物を使用したが、このよう
な構成に限られるものではなく、水和水が分離すると酸
性を示す他の無機水和物を使用しても同様の作用効果を
得ることができる。
【0080】また、上記実施形態2では、高温側蓄熱槽
(65)の蓄熱材として酢酸ナトリウム3水和物(62)を
使用したが、これに代え、糖アルコール共晶混合物を使
用してもよい。この場合において、高温側熱交換器(6
3)の伝熱管(53)の外表面及びフィン(52)に設けら
れた被覆層(58)を省略する構成としてもよい。このよ
うにすると、高温側熱交換器(63)の構成を簡略化する
ことができる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2に
係る発明によれば、蓄熱槽(35)内が酸性となっても、
伝熱管(53)及びフィン(52)が腐食することがないた
めに、熱交換器(22)の耐食性を向上させることがで
き、蓄熱装置(1)の寿命を延ばすことができる。
【0082】また、請求項3に係る発明によれば、蓄熱
層(61,65)内が酸性となっても、各熱交換器(63,67)
の伝熱管(53)及びフィン(52)が腐食することがな
い。この結果、両熱交換器(63,67)の耐食性を向上さ
せることができて、蓄熱装置(1)の寿命を延ばすこと
ができる。
【0083】また、請求項4に係る発明によれば、第2
蓄熱層(65)内が酸性となっても、第2熱交換器(67)
の伝熱管(53)及びフィン(52)が腐食することがな
い。この結果、第2熱交換器(67)の耐食性を向上させ
ることができ、蓄熱装置(1)の寿命を延ばすことがで
きる。また、第1熱交換器(63)の被覆層(58)を省略
することにより、第1熱交換器(63)の構成を簡略化す
ることができる。
【0084】また、請求項5に係る発明によれば、熱交
換器(22,63,67)の伝熱管(53)を銅製とし、フィン
(52)をアルミ製としたために、蓄熱槽(3,61,65)内
での熱交換を効率よく行うことができる。また、伝熱管
(53)及びフィン(52)には、酸による腐食を阻止する
被覆層(58)が設けられているために、伝熱管(53)を
銅製とし、フィン(52)をアルミ製としても腐食が確実
に防止される。
【0085】また、請求項6に係る発明によれば、熱交
換器(22,63,67)の伝熱管(53)及びフィン(52)の双
方は、銅製又はアルミ製としたために、蓄熱槽(3,61,6
5)内での熱交換を効率よく行うことができる。また、
伝熱管(53)及びフィン(52)には、酸による腐食を阻
止する被覆層(58)が設けられているために、伝熱管
(53)及びフィン(52)の双方を銅製又はアルミ製とし
ても腐食が確実に防止される。
【0086】また、請求項7に係る発明によれば、フィ
ン(52)をプレートフィン又は断面波状の薄板からなる
ワッフルフィンに構成したために、蓄熱槽(3,61,65)
内での熱交換を効率よく行うことができる。
【0087】また、請求項8及び9に係る発明によれ
ば、伝熱管(53)及びフィン(52)の被覆層(58)をエ
ポキシ樹脂材料により構成するようにしたために、蓄熱
層(3,61,65)内が酸性を示すような状態においても、
伝熱管(53)及びフィン(52)の腐食を確実に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る蓄熱装置の全体構成を示す図
である。
【図2】実施形態2における高温側蓄熱槽及び低温側蓄
熱槽の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
(3) 蓄熱槽 (5) 蓄熱材 (22) 蓄熱側熱交換器 (52) フィン (53) 伝熱管 (58) 被覆層 (61) 高温側蓄熱槽 (62) 酢酸ナトリウム3水和物 (63) 高温側熱交換器 (65) 低温側蓄熱槽 (66) 硫酸ナトリウム10水和物 (67) 低温側熱交換器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱槽(3)と、 上記蓄熱槽(3)に充填され、水和水の分離により酸性
    を示す無機水和物からなる蓄熱材(5)と、 上記蓄熱槽(3)内に配置され、伝熱管(53)とフィン
    (52)とを有して蓄熱材(5)と熱媒体との間で熱交換
    を行う熱交換器(22)とを備え、 蓄熱槽(3)に蓄熱された熱を熱媒体を介して利用側に
    供給する蓄熱装置において、 上記熱交換器(22)の伝熱管(53)の少なくとも外表面
    及びフィン(52)には、酸による腐食を阻止する被覆層
    (58)が設けられていることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 蓄熱材(5)は、酢酸ナトリウム3水和物によって構成
    されていることを特徴とする蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 蓄熱用の酢酸ナトリウム3水和物(62)
    が充填された第1蓄熱槽(61)と、 蓄熱用の硫酸ナトリウム10水和物(66)が充填された
    第2蓄熱槽(65)と、 上記第1蓄熱槽(61)内に配置され、伝熱管(53)とフ
    ィン(52)とを有して酢酸ナトリウム3水和物(62)と
    熱媒体との間で熱交換を行う第1熱交換器(63)と、 上記第2蓄熱槽(65)内に配置され、伝熱管(53)とフ
    ィン(52)とを有して硫酸ナトリウム10水和物(66)
    と熱媒体との間で熱交換を行う第2熱交換器(67)とを
    備え、 各蓄熱槽(61,65)に蓄熱された熱を熱媒体を介して利
    用側に供給する蓄熱装置において、 上記各熱交換器(63,67)の伝熱管(53)の少なくとも
    外表面及びフィン(52)には、酸による腐食を阻止する
    被覆層(58)が設けられていることを特徴とする蓄熱装
    置。
  4. 【請求項4】 蓄熱用の糖アルコール共晶混合物が充填
    された第1蓄熱槽(61)と、 蓄熱用の硫酸ナトリウム10水和物(66)が充填された
    第2蓄熱槽(65)と、 上記第1蓄熱槽(61)内に配置され、伝熱管(53)とフ
    ィン(52)とを有して糖アルコール共晶混合物と熱媒体
    との間で熱交換を行う第1熱交換器(63)と、 上記第2蓄熱槽(65)内に配置され、伝熱管(53)とフ
    ィン(52)とを有して硫酸ナトリウム10水和物(66)
    と熱媒体との間で熱交換を行う第2熱交換器(67)とを
    備え、 各蓄熱槽(61,65)に蓄熱された熱を熱媒体を介して利
    用側に供給する蓄熱装置において、 少なくとも上記第2熱交換器(67)の伝熱管(53)の少
    なくとも外表面及びフィン(52)には、酸による腐食を
    阻止する被覆層(58)が設けられていることを特徴とす
    る蓄熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れか1項において、 熱交換器(22,63,67)の伝熱管(53)は銅製であり、フ
    ィン(52)はアルミ製であることを特徴とする蓄熱装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1から4の何れか1項において、 熱交換器(22,63,67)の伝熱管(53)及びフィン(52)
    の双方は、銅製又はアルミ製であることを特徴とする蓄
    熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6の何れか1項において、 フィン(52)は、プレートフィン又は断面波状の薄板か
    らなるワッフルフィンであることを特徴とする蓄熱装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7の何れか1項において、 伝熱管(53)及びフィン(52)の被覆層(58)は、エポ
    キシ樹脂材料により構成されていることを特徴とする蓄
    熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から7の何れか1項において、 伝熱管(53)及びフィン(52)の被覆層(58)は、2液
    常温硬化形のエポキシ樹脂材料により構成されているこ
    とを特徴とする蓄熱装置。
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