JP2003231996A - 表面処理装置用バレル - Google Patents

表面処理装置用バレル

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Abstract

(57)【要約】 【課題】稼働中のバレルメッキ装置の蓋を投入口に確実
に固定させて、蓋の歪みによる被処理品の落下又は挟み
込みを防ぐ。 【解決手段】蓋3の裏面の辺縁部分に、外周溝30、内
周溝31と、その溝30、31で挟まれる間隙33を設
ける。溝30、31にパッキンを填め込み、間隙33の
気密性を確保させる。蓋3が枠板11上に載置された
際、間隙33に連なるバキューム孔14から空気を吸引
して間隙33をほぼ真空にすることで、蓋3を枠板11
に密着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型若しくは微小
部品の表面にメッキその他の加工処理を施す樽状の外形
に作られた表面処理装置用バレルに関し、特に、メッキ
対象品を出し入れするための投入口の蓋の閉じ方を改善
した表面処理装置用バレルに関する。
【0002】
【従来の技術】図33には、従来の表面処理装置用バレ
ルを備えたバレルメッキ装置500の外観が示されてい
る。このバレルメッキ装置500は、外形が樽状に作ら
れた本体502と、蓋503とから主に構成されてい
る。本体502全体は、6角形の柱が横倒しにされた外
観を有しており、柱の上面と底面に相当する部分それぞ
れが、円形平板504と円形平板505とで閉じられて
いる。そして、この円形平板504、505の円中心を
軸として、バレルメッキ装置500全体が回転される。
【0003】また、本体502の6角形をした外周側面
の一辺が、メッキ品である被対象物を出し入れする投入
口506とされており、この投入口506に蓋503が
被せられている(図35参照)。また、この蓋503の
外部上面には、固定具507、508、509が装備さ
れており、蓋503を投入口506に密着及び固定させ
るために使用される。
【0004】図34には、バレルメッキ装置500の投
入口506部分を上観した様子が示されている。図35
には、図34に描かれているバレルメッキ装置500の
垂直断面で、しかもIII−III’方向に観た、投入口50
6部分の断面図が示されている。この投入口506に、
板状の蓋503が嵌合されることで、投入口506が閉
じられる。この蓋503のセンターラインには、3個の
固定板510が設けられている。この固定板510は、
中心部分にボルト511が螺合されており、さらに、こ
のボルト511の頭部が蓋503に回転自在に貫通され
ている。
【0005】また、ボルト511の先端には、取手51
2が固定されており、この取手512によってボルト5
11が回転される。ボルト511が回転されると、ボル
ト511に螺合されている固定板510が上下動され
る。また、固定板510の先端513は、バレルメッキ
装置500の投入口506脇に立設されている辺縁リブ
514の穴515にはめ込まれる。
【0006】この穴515に固定板510の先端513
が填め込まれた後、取手512によってボルト511が
回転されると、固定板510が蓋503から離れる方向
に持ち上げられる。他方、固定板510の先端513が
穴515に嵌合しているので、固定板510が撓まされ
る。この撓んだ固定板510の反発力により、蓋503
が投入口506に密着され、投入口506が完全に閉じ
られることになる。
【0007】この様な構造のバレルメッキ装置500内
に、メッキなどの処理が施される品物、つまり、被処理
物が、投入口506から投入される。その後、蓋503
が投入口506に被せられ、固定板510によって固定
される。そして、バレルメッキ装置500全体が、約5
0度前後の温度に加温されたメッキ液等の処理液中に浸
された後、バレルメッキ装置500の長手方向を中心軸
として回転される。これにより、バレルメッキ装置50
0内に投入された被処理物がメッキ液に満遍なく浸され
る。
【0008】ところで、メッキ処理などでは、pH値の
異なる複数の液にバレルメッキ装置500が順次に浸さ
れる。例えば、酸性の液体、洗浄水などの中性の液体、
アルカリ性の液体などである。これらの液体は、それぞ
れの液体で異なる温度に保持されている。特に、メッキ
液は、その処理進行速度を速めるべく、常温よりやや高
い温度に加温されている。このように、温度の異なる液
中にバレルメッキ装置500は連続的に浸される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、電気製品全体の
小型化に伴い、その電気製品に使用される各部品も小さ
くかつ薄くなっている。このため、メッキや表面加工処
理を施すべき品物も微小化若しくは薄片化されたものが
増えつつある。ところで、バレルメッキ装置500は、
一般的には、PP(ポリプロピレン)、PVDF(ポリ
フッ化ビニリデン)などの耐薬品性に優れるプラスチッ
クで製造されている。その理由は、メッキ液その他の処
理液によってバレルメッキ装置500が腐食されるのを
防止したり、メッキ処理中におけるメッキ対象品の破損
を防止したりするのが主な理由である。
【0010】しかし、バレルメッキ装置500がプラス
チックで作られることで様々な問題が発生している。そ
れは、蓋503全体が反り返り、蓋503と本体502
との間に隙間が発生することである。蓋503は、上述
されたように、3つの固定板510でのみ、本体502
に固定されている。このため、メッキ作業中にバレルメ
ッキ装置500が回転されて、蓋503が下側になった
とき、本体502内に収納されているメッキ対象品の大
多数が蓋503上に落下すると共に、蓋503上にのし
掛かることとなる。つまり、蓋503のみで、被処理物
全体の重みが支えられることとなる。
【0011】この結果、蓋503において、固定板51
0で固定されていない部分(以下、辺縁部分516と呼
称、図34参照)は、メッキ対象品の荷重によって、蓋
503を開ける方向に強い力を受けることとなる。他
方、バレルメッキ装置500が回転され、蓋503が上
側に来たときは、メッキ対象品がバレルメッキ装置50
0の底に落ちるので、蓋503に何らの荷重もかからな
い。つまり、バレルメッキ装置500が回転され続ける
と、蓋503への荷重の印加と、その印加される荷重の
解放とが交互に繰り返されることとなる。
【0012】また、上述されたように、メッキ処理中、
バレルメッキ装置500は、異なる温度の液体に連続的
に浸される。このため、蓋503は、加温と冷却が交互
に施されることとなり、歪みが発生しやすい状況下にあ
る。しかも、酸性の液体中にも浸されるので、その酸性
液体による化学的な影響も考えられる。これら、温度環
境の変化、pH値の異なる液による化学的な影響、被処
理物による加重の印加及び停止の繰り返しなどの様々な
外因が複合的に影響しあうことで、蓋503が徐々に歪
んで反り返ることとなる。
【0013】蓋503に歪みが生ずると、蓋503と本
体502との間に隙間が発生し、メッキ対象品がその隙
間から漏れ出たり、その隙間に挟まったりする場合があ
る。このような品物は、メッキなどの表面処理が十分に
施されず、不良品となる。つまり、メッキ処理の歩留ま
りが悪化することとなり、生産性の低下といった問題が
生じている。
【0014】加えて、その隙間から漏れ出る被処理物
は、バレルメッキ装置500が浸される処理液の入った
桶中に落下することとなり、作業終了後に、それら落下
した被処理物を回収するといった、煩わしい作業が生じ
ている。また、蓋503の反り返りにより、蓋503を
投入口506に固定する際、固定板510の先端513
が辺縁リブ514の穴515に良好に填らないので、ハ
ンマーなどによって叩いて填め込むといった煩わしい作
業が必要となっている。
【0015】そこで、本発明は、このような蓋503の
反り返りなどの経年変化によって発生する隙間を防止
し、生産性の向上を高めることを目的としてなされたも
ので、蓋の密着性をより強固にしたバレルメッキ装置を
提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、バレルメッキ装置の本体と接する蓋の
周囲に細長いパッキンを2重に張り巡らす。そして、そ
の2重にされたパッキンの間の間隙を真空にすること
で、蓋と本体との密着性をより強固な物とした。
【0017】
【発明の実施の形態】(1)本発明のバレルメッキ装
置。 図1には、本発明のバレルメッキ装置1の外観が示され
ている。なお、この図1には、蓋3が閉じられたバレル
メッキ装置1の様子が示されている。図2には、蓋3が
外されたバレル本体2のみの外観が示されている。図3
には、図1に示されたバレルメッキ装置1をI−I’方
向に観た垂直断面の様子が示されている。図4には、本
発明のバレルメッキ装置1で使用される蓋3の表側が示
されている。
【0018】図5には、その蓋3の裏側が示されてい
る。バレルメッキ装置1のバレル本体2は、径方向の断
面がほぼ六角形でしかも中が空洞の角柱が、横に寝かさ
れた形状に作られている(図1、3参照)。しかもその
横に寝かされた六角柱の両端(柱の上部と下部の開口部
分に相当)には、平歯車4、5が溶接されて、バレル本
体2の両端が塞がれている。
【0019】なお、ここでの溶接とは、バレル本体2の
素材である合成樹脂と同等の素材からなる溶接部材を溶
融させ、その溶融部材によってフィレットを形成させつ
つ、二つの部品を接合させることを意味する。上記平歯
車4、5は、円形の板の周りにギァーの歯29が設けら
れている。この平歯車4、5は、回転動力、例えば、親
となる回転装置のモーター(図示しない)などに連接さ
れて、バレルメッキ装置1の回転に利用される。
【0020】また、平歯車4、5の何れか一方のみか又
は双方共が、平歯車でなく、単純な円形の板とされても
よい。つまり、回転動力が、バレルメッキ装置1の左右
の端一方からのみ伝達されてもよいし、他の機構により
バレル本体2が回転されもよい。なお、平歯車4、5の
円中心には、バレル本体2が回転される際の支持軸(図
示せず)が挿入される円形の穴6が開けられている。な
お、この穴6に貫通される支持軸は、メッキ処理などの
際には、メッキ電極の一方に活用される。
【0021】バレル本体2の周囲を取り巻く六箇所の平
面(6角柱周囲の各面)には、微小穴7が多数、規則的
に配列されて開けられている。この微小穴7は、処理液
がバレル本体2内部に効率よく流入させるためのもので
ある。なお、この微小穴7の穴径は、1ミリから数ミリ
程度とされるが、具体的には、バレル本体2内に投入さ
れるメッキ対象品(被処理物)の大きさによって定めら
れるのが好ましい。
【0022】つまり、バレル本体2内に入れられた被処
理品が確実に、抜け落ちない穴の大きさとされると共
に、処理液の流出入が最も効率良く行われる大きさに定
められる。その他、バレル本体2の外周面には、この外
周面を補強するため、円周方向に取り巻く、フランジ9
が三カ所、等間隔に設けられている。なお、このフラン
ジ9は、省略されてもよいし、バレル本体2内部にこの
フランジ9が設けられても良い。
【0023】次に、被処理品を投入するための、バレル
本体2の投入口10について説明する。投入口10は、
バレル本体2である6角柱の1つの側面を切り取る形で
形成されている(図2、図3参照)。つまり、横に寝か
された6角柱の6面のうち、1つの面が投入口10とし
て開口されている。そして、この投入口10の開口部分
の周りを取り囲むように、やや幅の狭い板材が四角形に
象られた枠板11が、その開口部分に溶接されている。
この枠板11は、厚みが均一で、しかもその表面が平坦
かつ滑らかに作られている。
【0024】この滑らかに作られた枠板11の上面15
に蓋3が載置される(図1、図2参照)。また、枠板1
1の側面12には、この側面12に垂直方向に、二つの
バキューム孔13、14が開けられている。なお、この
バキューム孔13、14は、枠板11の途中まで刳り抜
かれた孔であり、枠板11を完全には貫通されてはいな
い。
【0025】このバキューム孔13、14の内部には、
枠板11の上面15(蓋3が載置される面)へと穿たれ
た微小穴16がそれぞれの孔に4つ設けられている。こ
れら連接されたバキューム孔13、14と、それぞれの
微小穴16とにより、枠板11の側面12から上面15
へと繋がる空気の流出入路が形成される。
【0026】次に、蓋3の構造について説明する(図
3、4、5参照)。蓋3は、約15.5ミリ厚の板材
で、かつ長方形に作られている。しかも、蓋3の四隅に
ある4つのコーナー17は、面取りされている。つま
り、長方形の4つの角が直線的に切り取られて蓋3は作
られている。蓋3の表面18全体には、バレル本体2側
面に設けられている微小穴7と同じ穴径の、微小穴19
が多数開けられている。
【0027】なお、この微小穴19は、その穴と穴との
間が等間隔で、しかも規則的に配列して設けられてい
る。さらに、各微小穴19は、蓋3全体の強度不足を回
避すべく、表面18が長方形をした4つの区画20、2
1、22、23に分けられ、それら各区画内にのみ設け
られている。
【0028】各区画20、21、22、23は、同一面
積(広さ)で、かつ長方形の形とされている。これらの
区画20、21、22、23それぞれの間に、リブ2
4、25が形成されている。また、各区画20、21、
22、23は、表面18より多少窪んだ形状に作られて
いる(図1、図3参照)。つまり、各区画20、21、
22、23は、蓋3の表面18に長方形の均一な凹みと
なるように形成されている。
【0029】そして、この各区画20、21、22、2
3内に、多数の微小穴19が規則的に配列して穿設され
ている。また、蓋3における裏面26の縁周りの面上、
つまり、裏面26における最も外側の面には、この蓋3
全体を取り巻く外周パッキン27と内周パッキン28と
が埋め込まれている。
【0030】図6には、蓋3及び枠板11のパッキン2
7、28近傍(図3の中括弧32で示された範囲)の垂
直断面の様子が拡大して示されている。このパッキン2
7、28の素材は、アクリロニトリル・ブタジエンゴム
(=ニトリルゴム、NBR)とされている。
【0031】その他には、天然ゴムや、スチレン・ブタ
ジエンゴム(=SBR)、合成ゴムが用いられても良
い。なお、以下に記述されるOリングその他のパッキン
やゴムリングも、これらNBR、SBR、天然ゴム、合
成ゴムの何れかで作られている。これらパッキン27、
28それぞれが、埋め込まれる外周溝30、内周溝31
が、蓋3の裏面26の外周りに掘られて形成されてい
る。
【0032】この溝30、31は、垂直断面形状が台形
でしかも、溝の開口部の幅が、溝の底辺より広げられ
た、所謂、「アリ溝」で形成されている。このアリ溝の
働きにより、パッキン27、28が各溝30、31から
容易に離脱しない。なお、パッキン27、28は、各溝
30、31より多少突出する大きさに作られている。つ
まり、パッキン27、28が、蓋3の裏面26より多少
突出する大きさに作られている。
【0033】枠板11の上面15上に載置される蓋3の
裏面26部分は、底の浅い凹み47に加工されている。
この凹み47が形成されることにより、裏面26の外縁
部分には、四角形のガイド突起48が垂下するように形
成される。つまり、ガイド突起48が蓋3の裏面26か
ら下方に向けて突出した構造に作られている。また、ガ
イド突起48は、蓋3の裏面26において、2つの長辺
部分にのみ形成されている(図3、5参照)。このガイ
ド突起48と凹み47とにより、枠板11上に載置され
る蓋3の位置が容易に確定される。蓋3の凹み47内に
上記された溝30、31が設けられている。なお、凹み
47の面は滑らかな面に形成されている。
【0034】また、蓋3における凹み47の内縁部分に
は、傾斜面49が形成されている(図6参照)。この傾
斜面49は、蓋3がバレル本体2の枠板11上に載置さ
れた際、枠板11の内側に位置する内面50と、蓋3の
裏面26との間にV字型の空間を設ける働きがある。傾
斜面49と内面50との間で形成されるこのV字型の空
間により、バレル本体2内に収納された被処理品が、蓋
3と枠板11との間に填り込むことが防止される。
【0035】つまり、傾斜面49がないと、蓋3の裏面
26に形成された凹み47と枠板11の内面50との間
にほぼ同じ幅を持った隙間ができるので、その隙間に被
処理品が填り込む虞がある。そこで、蓋3と枠板11の
内面50との間に被処理品が填り込むことを防止すべ
く、傾斜面49が形成されている。
【0036】凹み47における溝30、31の間は薄く
(浅く)削られて、間隙33が設けられている。つま
り、蓋3が、バレル本体2の枠板11上に載置されたと
き、間隙33ができるように、溝30、31の間にある
凹み47の面が削られている。ただし、凹み47のその
他の面は、枠板11の上面15に密着するように滑らか
に形成されている。
【0037】この間隙33のほぼ中央に、上記された枠
板11の各微小穴16(図2、6参照)が開口されてい
る。なお、各微小穴16は、バキューム孔13、14そ
れぞれに繋がっているので、蓋3が枠板11上に載置さ
れたとき、間隙33と外界34との間を、微小穴16及
びバキューム孔13、14を介して、空気の流出入が可
能となっている。
【0038】次に、バキューム孔14の構造について説
明する(図6参照)。このバキューム孔14が設けられ
ている枠板11には、上述されたように、バキューム孔
13も作られている。バキューム孔14は、空気の吸い
出し(流出)に用いられ、バキューム孔13は空気の流
入(リーク)に用いられる。つまり、バキューム孔14
には、真空引き用ホース35が挿入されて、間隙33部
分の空気が吸い出される。
【0039】他方、バキューム孔13には、リークピン
38(図2参照)が挿入されて、バキューム孔13を介
して間隙33へ空気が流れ込むことが抑止される。バキ
ューム孔13、14は、ほぼ同様な構造に作られてお
り、内径の小さな深部36と、その深部36より内径が
やや大きなホース挿入部37とから主に作られている
(図6参照)。
【0040】深部36の更なる奥には、雌ねじが内壁面
に切られたネジ穴39が設けられている。このネジ穴3
9には、先端部分に雄ねじが形成されたピンバルブ40
がねじ込まれている。このピンバルブ40の根本には、
傘型シール41が取り付けられている。この傘型シール
41は、上述されたNBRなどの弾性部材で作られてお
り、しかも、ピンバルブ40の外周面を取り巻く傘に似
た構造のシール材である。しかも、傘型シール41は、
その弾性力により、周りから加わる力に対して傘を開く
方向に復元力が発揮される。
【0041】また、ピンバルブ40がバキューム孔14
の深部36にねじ込まれると、傘型シール41の傘状に
広がる裾部分で、深部36が密閉される。したがって、
ピンバルブ40がバキューム孔14に取り付けられる
と、微小穴16からバキューム孔14を経て外界34方
向(図6参照)への空気の流出は滑らかに行われるが、
外界34からバキューム孔14を経て微小穴16への空
気の流入が傘型シール41によって阻止される。
【0042】さらに、バキューム孔14のホース挿入部
37の内壁面には、この内壁面を周回方向に取り巻く溝
42が掘られている。この溝42に、Oリング43が填
め込まれている。なお、この溝42も、上記された溝3
0、31と同様なアリ溝に形成されてもよいし、単なる
四角形の溝でもよい。ホース挿入部37には、真空引き
用ホース35が挿入されるが、その真空引き用ホース3
5の周りにOリング43が完全に密着される。
【0043】これにより、真空引き用ホース35が挿入
された時、バキューム孔14内部の気密性がこのOリン
グ43で保持される。また、真空引き用ホース35は、
真空ポンプ(図示せず)に繋げられており、バキューム
孔14内部の空気が、真空引き用ホース35を介して吸
引される。この結果、蓋3の間隙33の空気が、微小穴
16、バキューム孔14及び傘型シール41を経て吸い
出されることになる。
【0044】もう一つのバキューム孔13は、上記バキ
ューム孔14とほぼ同様の構造であり、ネジ穴39を備
える深部36がバキューム孔13内に設けられている
(図示せず)。このバキューム孔13に挿入されるリー
クピン38は、球形若しくは板状の取手44と、その取
手44から水平に延びる棒状のロッド45とから主に構
成されている(図2参照)。
【0045】また、ロッド45の根本部分には、上記の
NBRなどから作られたOリング46が巻装されている
と共に、ロッド45の先端部分(Oリング46が装着さ
れた部分より先の部分)が雄ねじ等に加工されている。
そして、この様な構造のリークピン38が、バキューム
孔13にねじ込まれることで、バキューム孔13の気密
性が保持されている。
【0046】(2)本発明のバレルメッキ装置1の使用
方法の説明。 バレルメッキ装置1は、図示しない回転装置の支持軸に
装着される。支持軸が、上述されたように、平歯車4、
5の中央に設けられた穴6(図1、2参照)に挿入され
ることで、この支持軸に回動自在にバレルメッキ装置1
が保持される。このようなバレルメッキ装置1の蓋3が
外され、バレル本体2の投入口10から、メッキなどの
処理が施される被処理品がバレル本体2内に投入され
る。
【0047】この後、蓋3がバレル本体2の枠板11上
に載置される。蓋3が枠板11上に載置される際、蓋3
の裏面26に設けられた二本のガイド突起48(図5参
照)により、枠板11の短手方向(図2の矢印52方
向)の位置が容易に定められる。また、枠板11の長手
方向(図2の矢印51方向)の位置は、枠板11の両脇
にある平歯車4、5により、容易に確定される。
【0048】バレル本体2の枠板11上に蓋3が載置さ
れた後、バキューム孔13にリークピン38が装着され
(図2参照)、バキューム孔14に真空引き用ホース3
5が挿入される(図6参照)。なお、バキューム孔14
の深部36には、傘型シール41を具備するピンバルブ
40が予め挿入固定されている。バキューム孔14に真
空引き用ホース35が挿入された状態で、真空ポンプに
よりバキューム孔14から空気が吸い出される。この真
空引き圧力は、最大で約0.1メガパスカル前後である
が、0.06〜0.08メガパスカル程度に吸引されれ
ば十分である。
【0049】バキューム孔14から空気が吸い出される
と、バキューム孔14奥に装着されたピンバルブ40の
傘型シール41、バキューム孔14の深部36及び、枠
板11の微小穴16を経て、蓋3と枠板11との間に形
成された間隙33の空気が吸い出される。なお、ピンバ
ルブ40の傘型シール41は、弾性部材で作られている
ので、バキューム孔14の深部36から外界34へと流
れる空気の流速により、傘を閉じる形となり、その空気
の流れを妨げることはない。
【0050】こうしてバキューム孔14から空気が吸引
されると、間隙33内の空気圧が下がるので、相対的に
気圧の高い外気圧により蓋3が枠板11の上面15に押
しつけられる。つまり、蓋3が枠板11の上面15に吸
着させられることになる。上記されたように、バキュー
ム孔14の真空引き圧力が0.08メガパスカル程度と
されると、間隙33が設けられた蓋3の外周部分全体に
は、およそ120キロの力が印加されることになる。こ
れにより、蓋3は、バレル本体2の枠板11と完全に密
着するので、バレル本体2の投入口10が閉じられたこ
ととなる。
【0051】バキューム孔14から上記した所定圧力で
真空引きされると、バキューム孔14に挿入された真空
引き用ホース35が引き抜かれる。真空引き用ホース3
5が引き抜かれても、傘型シール41の働きにより、外
界34から間隙33へと空気が進入することがない。な
ぜなら、傘型シール41は、NBRなどの弾性部材で作
られていると共に、気圧の高い外界34からバキューム
孔14内へ空気が流れ込もうとするので、傘型シール4
1の裾部分が押され、傘を開く形となる。このため、傘
型シール41の裾部分がバキューム孔14の内壁面に密
着するので、バキューム孔14に繋がる間隙33内の気
密性が保持されることとなる。
【0052】この後、バレルメッキ装置1全体が処理槽
内の処理液中に浸され、その液内でバレルメッキ装置1
が回転される。例えば、処理液がメッキ液であると、バ
レルメッキ装置1の中心に通された支持軸がマイナス
極、外側の処理槽がプラス極として電圧が印加されて、
メッキ処理が施される。メッキ液は、バレル本体2の各
微小穴7と、蓋3の微小穴19を経てバレル本体2内に
進入するので、バレル本体2内の被処理品が良好にメッ
キ液に晒される。
【0053】こうして処理槽内でバレルメッキ装置1が
所定時間回転されて処理が完了されると、バレルメッキ
装置1が処理槽から取り出される。そして、バレル本体
2内から被処理品を取り出す場合は、バキューム孔13
に装着されたリークピン38が外されることで、蓋3に
ある間隙33の真空状態が解除される。この結果、枠板
11に蓋3が吸着していた力が解放されるので、蓋3が
枠板11より簡単に外すことができる。
【0054】その後、バレル本体2の投入口10から被
処理品が取り出されることで、処理が完了される。この
ように、本発明による蓋3は、真空吸着によりバレル本
体2の枠板11に密着されるので、その脱着が極めて容
易なことと、蓋3全体がバレル本体2に吸着されている
ので、蓋3が歪むことと、蓋3とバレル本体2との間に
被処理物が入る込むような隙間が発生しない。
【0055】(3)第2実施例。 図7には、本発明の第2実施例の蓋3の部分拡大図が示
されている。図7に示されている部分拡大の場所は、図
6に示された第1実施例の蓋3と同じように、枠板11
上に載置された蓋3のパッキン27、28が設けられて
いる場所であり、それは、図3の中括弧32で示される
部分に相当する。したがって、この第2実施例における
パッキン27、28近傍以外の各部材の構造は、上記第
1実施例と同じとされている。
【0056】なお、説明に使用される符号は、同一構造
の部材には、上記第1実施例と同じ符号が用いられてい
る。なお、図7において、図6で示されたバキューム孔
14、微小穴16等については、説明の便宜のため、そ
の描画が省略されているが、バキューム孔14、微小穴
16の構造は図6に示されたものと同じである。
【0057】この第2実施例(図7)の特徴は、パッキ
ン27、28が、枠板11側に設けられている点にあ
る。すなわち、枠板11の上面15に「アリ溝」の外周
溝55及び内周溝56が、所定の間隔を開けて設けられ
ている。この外周溝55内に外周パッキン27が嵌合さ
れており、内周溝56内に内周パッキン28が嵌合され
ている。そして、溝55、56の間にある枠板11の上
面15部分が薄く削られて、間隙57が設けられてい
る。
【0058】なお、蓋3の裏面26には、間隙、アリ溝
等は何ら設けられておらず、裏面26が滑らかな平面に
仕上げられている。また、蓋3の外縁部分の裏面26に
は、第1実施例と同じように、ガイド突起48が設けら
れており、蓋3が枠板11上に載置される際、案内部材
として、このガイド突起48が用いられる。
【0059】枠板11に作られた間隙57に、第1実施
例で説明された微小穴16(図2、6参照)と同じ微小
穴が複数、穿設されている。微小穴16は、バキューム
孔14(図7では図示せず、図6参照)へと繋がってお
り、バキューム孔14に挿入された真空引き用ホース3
5(第1実施例と同一構造)を介して間隙57の空気が
吸引されることで、蓋3が枠板11の上面15に吸着さ
れる。
【0060】蓋3を枠板11から外すのは、第1実施例
と同様に、バキューム孔13に挿入されているリークピ
ン38が引き抜かれることで、行われる。なお、この第
2実施例のバレルメッキ装置1による使用方法等は、上
記第1実施例と同じであるので、その説明は省略する。
【0061】(4)第3実施例。 図8には、本発明の第3実施例の蓋3及び枠板11の部
分拡大図が示されている。図8に示されている部分拡大
の場所は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じよう
に、枠板11上に載置された蓋3のパッキン27、28
が設けられている場所であり、それは、図3の中括弧3
2で示される部分に相当する。したがって、この第3実
施例におけるパッキン27、28近傍以外の部材の構造
は、上記第1実施例と同じとされている。
【0062】なお、説明に使用される符号は、同一構造
の部材には、上記第1実施例と同じ符号が用いられてい
る。なお、図8において、図6で示されたバキューム孔
14、微小穴16等については、説明の便宜のため、そ
の描画が省略されているが、バキューム孔14、微小穴
16の構造は図6の第1実施例と同じである。
【0063】この第3実施例(図8)の特徴は、枠板1
1の上面15に、上方に突出され、かつ四角形の凸ブロ
ック58が設けられている点にある。また、蓋3の裏面
26における凹み47部分に、この凸ブロック58と完
全に嵌合する凹部59が設けられている。さらに、凸ブ
ロック58の上面に、「アリ溝」の外周溝60及び内周
溝61が、所定の間隔を開けて設けられている。
【0064】そして、外周溝60内に外周パッキン27
が嵌合されており、内周溝61内に内周パッキン28が
嵌合されている。そして、溝60、61の間にある凸ブ
ロック58の上面部分が薄く削られて、間隙57が設け
られている。なお、蓋3の凹部59には、間隙、アリ溝
等は何ら設けられておらず、凹部59の表面が滑らかな
平面に仕上げられている。また、蓋3の外縁部分の裏面
26には、第1実施例と同じように、ガイド突起48が
設けられており、蓋3が枠板11上に載置される際、案
内部材として、このガイド突起48が用いられる。
【0065】そして、凸ブロック58上に作られた間隙
57に、第1実施例で説明された微小穴16(図2、6
参照)と同じ微小穴が複数、開けられている。微小穴1
6は、バキューム孔14(図8では図示せず、図6参
照)へと繋がっており、バキューム孔14に挿入された
真空引き用ホース35(第1実施例と同一構造)を介し
て間隙57の空気が吸引されることで、蓋3の凹部59
が、枠板11の凸ブロック58に吸着される。
【0066】蓋3を枠板11から外すのは、第1実施例
と同様に、バキューム孔13に挿入されているリークピ
ン38が引き抜かれることで、行われる。なお、この第
3実施例のバレルメッキ装置1による使用方法等は、上
記第1実施例と同じであるので、その説明は省略する。
【0067】(5)第4実施例。 図9には、本発明の第4実施例の蓋3の部分拡大図が示
されている。図9に示されている部分拡大の場所は、図
6に示された第1実施例の蓋3と同じように、枠板11
上に載置された蓋3のパッキン27、28が設けられて
いる場所であり、それは、図3の中括弧32で示される
部分に相当する。したがって、この第4実施例における
パッキン27、28近傍以外の部材の構造は、上記第1
実施例と全て同じとされている。
【0068】なお、説明に使用される符号は、同一構造
の部材には、上記第1〜3実施例と同じ符号が用いられ
ている。なお、図9において、図6で示されたバキュー
ム孔14、微小穴16等については、説明の便宜のた
め、その描画が省略されているが、バキューム孔14、
微小穴16の構造は図6の第1実施例と同じである。
【0069】この第4実施例(図9)の特徴は、枠板1
1の上面15に、上方に突出され、かつ四角形の凸ブロ
ック58が設けられている点にある。また、蓋3の裏面
26における凹み47部分に、この凸ブロック58と完
全に嵌合する凹部59が設けられている。さらに、本第
4実施例では、上記第3実施例と異なり、パッキン2
7、28が填め込まれるアリ溝が、凹部59側に設けら
れている。つまり、凸ブロック58の上面に接触する凹
部59の表面に、「アリ溝」の外周溝62及び内周溝6
3が、所定の間隔を開けて設けられている。そして、外
周溝62内に外周パッキン27が嵌合されており、内周
溝63内に内周パッキン28が嵌合されている。
【0070】そして、溝62、63の間にある凹部59
の表面部分が薄く削られて、間隙64が設けられてい
る。なお、枠板11の凸ブロック58には、間隙、アリ
溝等は何ら設けられておらず、凸ブロック58の表面が
滑らかな平面に仕上げられている。また、蓋3の外縁部
分の裏面26には、第1実施例と同じように、ガイド突
起48が設けられており、蓋3が枠板11上に載置され
る際、案内部材として、このガイド突起48が用いられ
る。
【0071】そして、凸ブロック58の上面に、第1実
施例で説明された微小穴16(図2、6参照)と同じ微
小穴が複数、開けられている。凸ブロック58に穿設さ
れた微小穴16は、間隙64に向けて開口されており、
間隙64内の空気が、この微小穴16で吸い出される。
すなわち、微小穴16は、第1実施例と同様に、バキュ
ーム孔14(図9では図示せず、図6参照)へと繋がっ
ており、バキューム孔14に挿入された真空引き用ホー
ス35(第1実施例と同一構造)を介して間隙64の空
気が吸引されることで、蓋3の凹部59が、枠板11の
凸ブロック58に吸着される。
【0072】蓋3を枠板11から外すのは、第1実施例
と同様に、バキューム孔13に挿入されているリークピ
ン38が引き抜かれることで、行われる。なお、この第
4実施例のバレルメッキ装置1による使用方法等は、上
記第1実施例と同じであるので、その説明は省略する。
【0073】(6)第5実施例。 図10には、本発明の第5実施例の蓋3の部分拡大図が
示されている。図10に示されている部分拡大の場所
は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じように、枠
板11上に載置された蓋3のパッキン27、28が設け
られている場所であり、それは、図3の中括弧32で示
される部分に相当する。したがって、この第5実施例に
おけるパッキン27、28近傍以外の部材の構造は、上
記第1実施例と全て同じとされている。
【0074】なお、説明に使用される符号は、同一構造
の部材には、上記第1〜4実施例と同じ符号が用いられ
ている。なお、図10において、図6で示されたバキュ
ーム孔14、微小穴16等については、説明の便宜のた
め、その描画が省略されているが、バキューム孔14、
微小穴16の構造は図6の第1実施例と同じである。
【0075】この第5実施例(図10)の特徴は、上記
第4実施例と同じように、蓋3に凹部59が、枠板11
に凸ブロック58がそれぞれ設けられている。ただし、
パッキン27、28の設置位置が上記第4実施例と異な
る。すなわち、内周パッキン28が填め込まれる「アリ
溝」構造の内周溝66が、凸ブロック58の上面に設け
られている。しかし、外周パッキン27が填め込まれる
外周溝65は、凸ブロック58の外側に位置する側面6
7に設けられている。
【0076】つまり、外周溝65、内周溝66の配置位
置が、枠板11の凸ブロック58上において、側面と上
面とにそれぞれ分離されている。そして、外周溝65か
ら内周溝66へと繋がる凸ブロック58の表面部分が薄
く削られて、逆L字型の間隙68が設けられている。
【0077】また、蓋3の凹部59の内壁面及び裏面2
6と、枠板11の上面15とは滑らかな平面に仕上げら
れおり、蓋3と枠板11の上面15との密着性が確保さ
れている。しかも、凹部59が枠板11の凸ブロック5
8に嵌合されると、外周パッキン27は、凹部59の内
壁面に密着されると共に、内周パッキン28が凹部59
の内壁面に密着される。
【0078】これにより、間隙68の気密性が保たれ
る。なお、蓋3の外縁部分の裏面26には、上記第1〜
4実施例と同じように、ガイド突起48が設けられてお
り、蓋3が枠板11上に載置される際、案内部材とし
て、このガイド突起48が用いられる。
【0079】凸ブロック58上に形成された間隙68に
は、第1実施例で説明された微小穴16(図2、6参
照)と同じ微小穴が複数、開けられている。間隙68上
に開口するように設けられたこの微小穴16は、第1実
施例と同様に、バキューム孔14(図10では図示せ
ず、図6参照)へと繋がっており、バキューム孔14に
挿入された真空引き用ホース35(第1実施例と同一構
造)を介して間隙68の空気が吸引される。
【0080】これにより、蓋3の凹部59が、枠板11
の凸ブロック58に吸着される。蓋3を枠板11から外
すのは、第1実施例と同様に、バキューム孔13に挿入
されているリークピン38が引き抜かれることで、行わ
れる。なお、この第5実施例のバレルメッキ装置1によ
る使用方法等は、上記第1実施例と同じであるので、そ
の説明は省略する。
【0081】(7)第6実施例。 図11には、本発明の第6実施例の蓋3の部分拡大図が
示されている。図11に示されている部分拡大の場所
は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じように、枠
板11上に載置される蓋3のパッキン27、28が設け
られている場所であり、それは、図3の中括弧32で示
される部分に相当する。したがって、この第6実施例に
おけるパッキン27、28近傍以外の部材の構造は、上
記第1実施例等と全て同じに作られている。
【0082】なお、説明に使用される符号は、同一構造
の部材には、上記第1〜5実施例と同じ符号が用いられ
ている。なお、図11において、図6で示されたバキュ
ーム孔14、微小穴16等については、説明の便宜のた
め、その描画が省略されているが、バキューム孔14、
微小穴16の構造は図6の第1実施例と同じである。
【0083】この第6実施例(図11)の特徴は、上記
第4、5実施例と同じように、蓋3に凹部59が、枠板
11に凸ブロック58がそれぞれ設けられている。ただ
し、パッキン27、28の設置位置が上記第5実施例と
異なる。すなわち、内周パッキン28が填め込まれる
「アリ溝」構造の内周溝69が、凹部59の天井面(内
壁面)に設けられている。外周パッキン27が填め込ま
れる外周溝70は、凹部59の外側の内壁面71部分に
設けられている。
【0084】つまり、外周溝70、内周溝69の配置位
置が、蓋3の凹部59の内壁面における、側面と上面と
にそれぞれ分離されて設けられている。そして、外周溝
70から内周溝69へと繋がる凹部59の内壁面部分が
薄く削られて、逆L字型の間隙72が設けられている。
【0085】また、枠板11の上面15及び凸ブロック
58の各表面と、これらの各面に接する蓋3の裏面26
及び凹部59の内壁面とは、滑らかな平面に仕上げられ
おり、蓋3と枠板11の上面15との密着性が確保され
ている。しかも、凹部59が枠板11の凸ブロック58
に嵌合されると、外周パッキン27は、凸ブロック58
の側面に密着されると共に、内周パッキン28が凸ブロ
ック58の上面に密着される。
【0086】これにより、間隙72の気密性が保たれ
る。なお、蓋3の外縁部分の裏面26には、上記第1〜
5実施例と同じように、ガイド突起48が設けられてお
り、蓋3が枠板11上に載置される際、案内部材とし
て、このガイド突起48が用いられる。
【0087】間隙72に対面する凸ブロック58の上面
に、第1実施例で説明された微小穴16(図2、6参
照)と同じ微小穴が複数、開けられている。間隙72に
向けて開口するこの微小穴16は、第1実施例と同様
に、バキューム孔14(図11では図示せず、図6参
照)へと繋がっており、バキューム孔14に挿入された
真空引き用ホース35(第1実施例と同一構造)を介し
て間隙72の空気が吸引される。これにより、蓋3の凹
部59が、枠板11の凸ブロック58に吸着される。
【0088】蓋3を枠板11から外すのは、第1実施例
と同様に、バキューム孔13に挿入されているリークピ
ン38が引き抜かれることで、行われる。なお、この第
6実施例のバレルメッキ装置1による使用方法等は、上
記第1実施例と同じであるので、その説明は省略する。
【0089】(8)第7実施例。 図12には、本発明の第7実施例の蓋3の部分拡大図が
示されている。図12に示されている部分拡大の場所
は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じように、枠
板11上に載置される蓋3のパッキン27、28が設け
られている場所であり、それは、図3の中括弧32で示
される部分に相当する。したがって、この第7実施例に
おけるパッキン27、28近傍以外の各部材の構造は、
上記第1実施例等と全て同じに作られている。
【0090】なお、説明に使用される符号は、同一構造
の部材には、上記第1〜6実施例と同じ符号が用いられ
ている。なお、図12において、図6で示されたバキュ
ーム孔14、微小穴16等については、説明の便宜のた
め、その描画が省略されているが、バキューム孔14、
微小穴16の構造は図6の第1実施例と同じである。
【0091】この第7実施例(図12)の特徴は、上記
6実施例と異なり、蓋3側に四角形の凸ブロック73が
設けられており、枠板11側に、この凸ブロック73と
完全に嵌合する凹み74が設けられている点である。さ
らに、凸ブロック73の外側に向いた面に「アリ溝」構
造の外周溝75が設けられており、凸ブロック73の下
面に「アリ溝」構造の内周溝76が設けられている。そ
して、外周溝75に外周パッキン27が、内周溝76に
内周パッキン28が各々填め込まれている。また、外周
溝75と内周溝76とを繋ぐ、凸ブロック73の表面部
分が薄く削られて、L字型の間隙77が設けられてい
る。
【0092】また、枠板11の上面15及び凹み74の
各内面と、これらの各面に接する蓋3の裏面26及び凸
ブロック73の表面とは、滑らかな平面に仕上げられお
り、蓋3と枠板11の上面15との密着性が確保されて
いる。しかも、凸ブロック73が枠板11の凹み74に
嵌合されると、外周パッキン27は、凹み74の側面に
密着されると共に、内周パッキン28が凹み74の底面
に密着される。
【0093】これにより、間隙77の気密性が保たれ
る。なお、蓋3の外縁部分の裏面26には、上記第1〜
6実施例と同じように、ガイド突起48が設けられてお
り、蓋3が枠板11上に載置される際、案内部材とし
て、このガイド突起48が用いられる。
【0094】間隙77に対面する凹み74の底面部分に
は、第1実施例で説明された微小穴16(図2、6参
照)と同じ微小穴が複数、開けられている。間隙77に
向けて開口するこの微小穴16は、第1実施例と同様
に、バキューム孔14(図12では図示せず、図6参
照)へと繋がっており、バキューム孔14に挿入された
真空引き用ホース35(第1実施例と同一構造)を介し
て間隙77の空気が吸引される。
【0095】これにより、蓋3の凸ブロック73が、枠
板11の凹み74に吸着される。蓋3を枠板11から外
すのは、第1実施例と同様に、バキューム孔13に挿入
されているリークピン38が引き抜かれることで、行わ
れる。なお、この第7実施例のバレルメッキ装置1によ
る使用方法等は、上記第1実施例と同じであるので、そ
の説明は省略する。
【0096】(9)第8実施例。 図13には、本発明の第8実施例の蓋3の部分拡大図が
示されている。図13に示されている部分拡大の場所
は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じように、枠
板11上に載置される蓋3のパッキン27、28が設け
られている場所であり、それは、図3の中括弧32で示
される部分に相当する。したがって、この第8実施例に
おけるパッキン27、28近傍以外の各部材の構造は、
上記第1実施例等と全て同じに作られている。
【0097】なお、説明に使用される符号は、同一構造
の部材には、上記第1〜7実施例と同じ符号が用いられ
ている。なお、図13において、図6で示されたバキュ
ーム孔14、微小穴16等については、説明の便宜のた
め、その描画が省略されているが、バキューム孔14、
微小穴16の構造は図6の第1実施例と同じである。
【0098】この第8実施例(図13)の特徴は、上記
7実施例と同様に、蓋3側に四角形の凸ブロック73が
設けられており、この凸ブロック73と完全に嵌合する
凹み74が枠板11側に設けられているところにある。
しかし、パッキン27、28が填め込まれるアリ溝が、
蓋3、枠板11それぞれに分かれて設けられている点が
上記だ7実施例と相違する。
【0099】具体的には、凸ブロック73の外側に向い
た面に「アリ溝」構造の外周溝78が設けられいる。し
かし、内周パッキン28が填め込まれる内周溝79は、
枠板11の凹み74の内側の面88に設けられている。
また、凹み74の底の一部が薄く削りとられると共に、
外周溝78と内周溝79とを繋ぐ、「コ」の字型の間隙
80が設けられている。
【0100】なお、枠板11の上面15と、蓋3の裏面
26及び凸ブロック73の表面とは、滑らかな平面に仕
上げられおり、蓋3と枠板11の上面15との密着性が
確保されている。しかも、凸ブロック73が枠板11の
凹み74に嵌合されると、外周パッキン27は、凹み7
4の側面に密着されると共に、内周パッキン28が凸ブ
ロック73の側面に密着される。
【0101】これにより、間隙80の気密性が保たれ
る。なお、蓋3の外縁部分の裏面26には、上記第1〜
7実施例と同じように、ガイド突起48が設けられてお
り、蓋3が枠板11上に載置される際の、案内部材とし
て、このガイド突起48が用いられる。
【0102】間隙80には、第1実施例で説明された微
小穴16(図2、6参照)と同じ微小穴が複数、開けら
れている。間隙80に向けて開口するこの微小穴16
は、第1実施例と同様に、バキューム孔14(図13で
は図示せず、図6参照)へと繋がっており、バキューム
孔14に挿入された真空引き用ホース35(第1実施例
と同一構造)を介して間隙80の空気が吸引される。
【0103】これにより、蓋3の凸ブロック73が、枠
板11の凹み74に吸着される。また、蓋3を枠板11
から外すのは、第1実施例と同様に、バキューム孔13
に挿入されているリークピン38が引き抜かれること
で、行われる。なお、この第8実施例のバレルメッキ装
置1による使用方法等は、上記第1実施例と同じである
ので、その説明は省略する。
【0104】(10)第9実施例。 図14には、本発明の第9実施例の蓋3の部分拡大図が
示されている。図14に示されている部分拡大の場所
は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じように、枠
板11上に載置される蓋3のパッキン27、28が設け
られている場所であり、それは、図3の中括弧32で示
される部分に相当する。したがって、この第9実施例に
おけるパッキン27、28近傍以外の各部材の構造は、
上記第1実施例等と全て同じに作られている。
【0105】なお、説明に使用される符号は、同一構造
の部材には、上記第1〜8実施例と同じ符号が用いられ
ている。なお、図14において、図6で示されたバキュ
ーム孔14、微小穴16等については、説明の便宜のた
め、その描画が省略されているが、バキューム孔14、
微小穴16の構造は図6の第1実施例と同じである。
【0106】この第9実施例(図14)の特徴は、上記
8実施例と異なり、枠板11側に四角形の凸ブロック8
9が設けられており、この凸ブロック89と完全に嵌合
する凹み90が蓋3側に設けられているところにある。
さらに、凸ブロック89の外側に向いた面に「アリ溝」
構造の外周溝91が設けられいる。内周パッキン28が
填め込まれる内周溝92は、蓋3の凹み90の内側の面
93に設けられている。また、凹み90の内壁面(天井
部分)の一部が薄く削りとられると共に、外周溝91と
内周溝92とを繋ぐ、「コ」の字型の間隙94が設けら
れている。
【0107】なお、枠板11の上面15と、蓋3の裏面
26及び凸ブロック89の表面とは、滑らかな平面に仕
上げられおり、蓋3と枠板11の上面15との密着性が
確保されている。しかも、凸ブロック89が蓋3の凹み
90に嵌合されると、外周パッキン27は、凹み90の
側面に密着されると共に、内周パッキン28が凸ブロッ
ク89の側面に密着される。
【0108】これにより、間隙94の気密性が保たれ
る。なお、蓋3の外縁部分の裏面26には、上記第1〜
8実施例と同じように、ガイド突起48が設けられてお
り、蓋3が枠板11上に載置される際の、案内部材とし
て、このガイド突起48が用いられる。
【0109】間隙94に向けて、凸ブロック89の上面
に、第1実施例で説明された微小穴16(図2、6参
照)と同じ微小穴が複数、開けられている。この微小穴
16は、第1実施例と同様に、バキューム孔14(図1
4では図示せず、図6参照)へと繋がっており、バキュ
ーム孔14に挿入された真空引き用ホース35(第1実
施例と同一構造)を介して間隙94の空気が吸引され
る。
【0110】これにより、蓋3の凹み90が、枠板11
の凸ブロック89に吸着される。なお、蓋3を枠板11
から外すのは、第1実施例と同様に、バキューム孔13
に挿入されているリークピン38が引き抜かれること
で、行われる。なお、この第9実施例のバレルメッキ装
置1による使用方法等は、上記第1実施例と同じである
ので、その説明は省略する。
【0111】(11)第10実施例。 図15には、本発明の第10実施例の蓋3の部分拡大図
が示されている。図16には、本第10実施例の蓋3と
枠板11とが示されている。図15に示されている部分
拡大の場所は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じ
ように、枠板11上に載置される蓋3のパッキン27、
28が設けられている場所であり、それは、図3の中括
弧32で示される部分に相当する。
【0112】したがって、この第10実施例におけるパ
ッキン27、28近傍以外の各部材の構造は、上記第1
実施例等と全て同じに作られている。なお、説明に使用
される符号は、同一構造の部材には、上記第1〜9実施
例と同じ符号が用いられている。
【0113】この第10実施例(図15)の特徴は、上
記1〜9実施例と比較した場合、蓋3の辺縁部分及び枠
板11の構造自体が多少異なる。すなわち、枠板11の
端が、蓋3の側面を囲うと共に蓋3の表面18と同一の
高さまで延びる側壁面ブロック95に加工されている。
つまり、枠板11の最も外側に位置する辺96、97
(図16参照)部分が上方に折り曲げられて、長尺なへ
り(=側壁面ブロック95)が枠板11全体を取り囲む
様に作られており、その取り囲まれた側壁面ブロック9
5の内側に蓋3が填め込まれる(図16の矢印98方
向)。
【0114】側壁面ブロック95における、蓋3と接す
る面は、テーパー形状の斜面103に形成されており、
蓋3の填め込みが容易とされている(図15参照)。そ
して、側壁面ブロック95と接する蓋3の側面99内
に、「アリ溝」構造の外周溝100と内周溝101とが
所定間隔を開けて形成されている。外周溝100には、
外周パッキン27が填め込まれており、内周溝101に
は、内周パッキン28が填め込まれている。
【0115】また、外周溝100と内周溝101の間の
側面99の表面部分が薄く削られて間隙102が形成さ
れている。なお、蓋3と枠板11とが接する各面は滑ら
かな平面に形成されており、蓋3と枠板11との密着性
が確保されている。加えて、蓋3の側面99部分の外形
寸法は、枠板11の辺96、97部分に作られた各側壁
面ブロック95間より若干短く作られても良い。
【0116】具体的には、蓋3が枠板11に填め込まれ
た際、蓋3の裏面26と、枠板11の上面15とが完全
に密着するよう、蓋3の外形寸法が調整されて作られて
いるのが好ましい。つまり、枠板11上に蓋3が填め込
まれた際、蓋3の裏面26と枠板11の上面15との間
に隙間が生じない大きさに蓋3が作られている必要があ
る。
【0117】しかも、蓋3が枠板11上に載置された
際、外周パッキン27、内周パッキン28が側壁面ブロ
ック95の斜面103に密着されるだけの、大きさを蓋
3が備える必要はある。このように作られた蓋3が、枠
板11上に載置されると、パッキン27、28が側壁面
ブロック95の斜面103に密着するので、間隙102
の気密性が確保される。
【0118】また、側壁面ブロック95には、間隙10
2に向けて開口する傾斜微小穴104が掘られている。
この傾斜微小穴104は、バキューム孔14に繋がって
おり、間隙102の空気が、傾斜微小穴104を経てバ
キューム孔14へと導かれる。そして、バキューム孔1
4に挿入された真空引き用ホース35(第1実施例と同
一構造)を介して間隙102の空気が吸引される。
【0119】これにより、蓋3の側面99と、枠板11
の斜面103とが吸着されるので、蓋3が枠板11に密
着される。なお、蓋3を枠板11から外すのは、第1実
施例と同様に、バキューム孔13(図2参照)に挿入さ
れているリークピン38が引き抜かれることで、行われ
る。なお、この第10実施例のバレルメッキ装置1によ
る使用方法等は、上記第1実施例と同じであるので、そ
の説明は省略する。
【0120】(12)第11実施例。 図17には、本発明の第11実施例の蓋3の部分拡大図
が示されている。図17に示されている部分拡大の場所
は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じように、枠
板11上に載置される蓋3のパッキン27、28が設け
られている場所であり、それは、図3の中括弧32で示
される部分に相当する。したがって、この第11実施例
におけるパッキン27、28近傍以外の各部材の構造
は、上記第1実施例等と全て同じに作られている。な
お、説明に使用される符号は、同一構造の部材には、上
記第1〜10実施例と同じ符号が用いられている。
【0121】この第11実施例(図17)の特徴は、枠
板11の端部分に上方に突出された凸ブロック105が
作られている。また、蓋3の辺縁部分が、この凸ブロッ
ク105に嵌合するL字型の凹み106に加工されてい
る。凹み106の天井部分に相当する内壁面に「アリ
溝」構造の外周溝107が作られており、凹み106の
側部にある内壁面に内周溝108が作られている。
【0122】そして、外周溝107から内周溝108へ
と繋がる凹み106の内壁面部分が薄く削られて間隙1
09が作られている。外周溝107に、外周パッキン2
7が填め込まれ、内周溝108に、内周パッキン28が
填め込まれている。なお、蓋3と枠板11とが接する各
面(上面15、裏面26等)は滑らかな平面に形成され
ており、蓋3と枠板11との密着性が確保されている。
【0123】枠板11の凸ブロック105内には、間隙
109に向けて開口された複数の微小穴16が垂直方向
に穿設されている。この微小穴16(図17では図示せ
ず、図2、6参照)は、上記第1実施例と同じように、
枠板11内に設けられたバキューム孔14と繋げられて
いる。蓋3が枠板11上に載置されると、外周パッキン
27が凸ブロック105の上面に密着されると共に、内
周パッキン28が凸ブロック105の側面に密着され
る。これにより、間隙109の気密性が確保される。
【0124】そして、バキューム孔14に挿入された真
空引き用ホース35(第1実施例と同一構造)でバキュ
ーム孔14内が真空引きされると、間隙109の空気が
吸引される。これにより、蓋3と、枠板11とが密着さ
れる。なお、蓋3を枠板11から外すのは、第1実施例
と同様に、バキューム孔13(図2参照)に挿入されて
いるリークピン38が引き抜かれることで、行われる。
なお、この第11実施例のバレルメッキ装置1による使
用方法等は、上記第1実施例と同じであるので、その説
明は省略する。
【0125】(13)第12実施例。 図18には、本発明の第12実施例の蓋3の部分拡大図
が示されている。図18に示されている部分拡大の場所
は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じように、枠
板11上に載置される蓋3のパッキン27、28が設け
られている場所であり、それは、図3の中括弧32で示
される部分に相当する。したがって、この第12実施例
におけるパッキン27、28近傍以外の各部材の構造
は、上記第1実施例等と全て同じに作られている。な
お、説明に使用される符号は、同一構造の部材には、上
記第1〜11実施例と同じ符号が用いられている。
【0126】この第12実施例(図18)の特徴は、枠
板11の端部分に上方に突出された台形ブロック110
が作られている。つまり、枠板11の内側に向けて傾斜
した斜面111と、その斜面111に連なる平坦な上面
112とを備える台形に台形ブロック110が形成され
ている。また、蓋3が、枠板11上に載置された際、蓋
3の辺縁部分が、この台形ブロック110に嵌合する凹
面部113に加工されている。そして、台形ブロック1
10の上面112に接する凹面部113に「アリ溝」構
造の外周溝114が作られており、台形ブロック110
の斜面111に接する凹面部113に「アリ溝」構造の
内周溝115が作られている。
【0127】外周溝114に外周パッキン27が填め込
まれており、内周溝115に内周パッキン28が填め込
まれている。さらに、外周溝114から内周溝115に
連なる凹面部113の表面部分が薄く削られて、折れ曲
がった間隙116が形成されている。なお、蓋3と枠板
11とが接する各面(上面15、裏面26等)は滑らか
な平面に形成されており、蓋3と枠板11との密着性が
確保されている。
【0128】台形ブロック110の内部でしかも上面1
12内部に、間隙116へ向けて開口された複数の微小
穴16が垂直方向に穿設されている。この微小穴16
(図18では図示せず、図2、6参照)は、上記第1実
施例と同じように、枠板11内に設けられたバキューム
孔14と繋げられている。蓋3が枠板11上に載置され
ると、外周パッキン27が台形ブロック110の上面1
12に密着されると共に、内周パッキン28が台形ブロ
ック110の斜面111に密着される。これにより、間
隙116の気密性が確保される。
【0129】そして、バキューム孔14に挿入された真
空引き用ホース35(第1実施例と同一構造)でバキュ
ーム孔14内が真空引きされると、間隙116の空気が
吸引される。これにより、蓋3の凹面部113と、枠板
11の台形ブロック110とが密着される。なお、蓋3
を枠板11から外すのは、第1実施例と同様に、バキュ
ーム孔13(図2参照)に挿入されているリークピン3
8が引き抜かれることで、行われる。なお、この第12
実施例のバレルメッキ装置1による使用方法等は、上記
第1実施例と同じであるので、その説明は省略する。
【0130】(14)第13実施例。 図19には、本発明の第13実施例の蓋3の部分拡大図
が示されている。図20には、本第13実施例による蓋
3、枠板11及び、本第13実施例の特徴である囲い板
117の外観が示されている。本第13実施例では、蓋
3の周囲が囲い板117によって完全に囲まれる。つま
り、囲い板117は、枠板11と同じように、PEEK
(ポリエーテル・エーテル・ケトン)などの素材で作ら
れた細木がほぼ四角形の形に囲まれた形状に作られてお
り、しかも囲い板117の内周面120が、蓋3の外周
面118と同一サイズに形成されている(図20参
照)。よって、囲い板117の内周面120内に、蓋3
が完全に嵌合される。
【0131】また、図19に示されている部分拡大の場
所は、図6に示された第1実施例の蓋3と同じように、
枠板11上に載置される蓋3と囲い板117の部分であ
る。なお、この第13実施例における蓋3、囲い板11
7以外の各部材の構造は、上記第1実施例等と全て同じ
に作られている。なお、説明に使用される符号は、同一
構造の部材には、上記第1〜12実施例と同じ符号が用
いられている。枠板11上に囲い板117と蓋3が載置
されるが(図19参照)、囲い板117の下面に「アリ
溝」構造の外周溝121が作られている。
【0132】また、蓋3の外周面118に「アリ溝」構
造の第1内周溝122が形成されており、蓋3の裏面2
6に同じ構造の第2内周溝123が形成されている。こ
れ故、枠板11上に蓋3と囲い板117が載置された場
合、外周溝121、第1内周溝122、第2内周溝12
3それぞれの相対的な位置が三角形の頂点となるように
配置されている(図19参照)。外周溝121には、外
周パッキン124が、第1内周溝122には第1内周パ
ッキン125が、第2内周溝123には第2内周パッキ
ン126がそれぞれ填め込まれている。
【0133】さらに、囲い板117の下面において、溝
121から溝123方向にあるその下面部分が薄く削ら
れると共に、蓋3の裏面26における溝123から溝1
21方向にある裏面26部分も薄く削られて水平間隙1
27が形成されている。さらに、蓋3において、第1内
周溝122より下に位置する外周面118部分も薄く削
られて、垂直間隙128が作られている。これら水平間
隙127と垂直間隙128により逆T字型の間隙が、枠
板11、蓋3、117の間に形成される。蓋3、囲い板
117及び枠板11とがそれぞれに接する各面(上面1
5、裏面26、外周面118等)は滑らかな平面に形成
されており、蓋3と囲い板117と枠板11との密着性
が確保されている。
【0134】また、枠板11の上面15には、水平間隙
127へ向けて開口された複数の微小穴16が垂直方向
に穿設されている。この微小穴16(図19では図示せ
ず、図2、6参照)は、上記第1実施例と同じように、
枠板11内に設けられたバキューム孔14と繋げられて
いる。蓋3が囲い板117と共に枠板11上に載置され
ると、外周パッキン124及び第2内周パッキン126
が枠板11の上面15に密着されると共に、第1内周パ
ッキン125が囲い板117の内周面120に密着され
る。これにより、水平間隙127及び垂直間隙128の
気密性が確保される。
【0135】そして、バキューム孔14に挿入された真
空引き用ホース35(第1実施例と同一構造)でバキュ
ーム孔14内が真空引きされると、水平間隙127及び
垂直間隙128の空気が吸引される。これにより、蓋3
が囲い板117と吸着しつつ枠板11の上面15に吸着
される。なお、蓋3及び囲い板117を枠板11から外
すのは、第1実施例と同様に、バキューム孔13(図2
参照)に挿入されているリークピン38が引き抜かれる
ことで、行われる。なお、この第13実施例のバレルメ
ッキ装置1による使用方法等は、上記第1実施例と同じ
であるので、その説明は省略する。
【0136】(15)第1補助具。 図21には、枠板11上に載置された蓋3を、更に上方
より押さえる第1補助具である補助具130の装着状態
が示されている。図22には、図21のバレルメッキ装
置1のII−II’方向に観る垂直断面の様子が示されてい
る。図23には、補助具130が使用される際に用いら
れる蓋3の外観が示されている。図24には、補助具1
30の装着時を示す図が示されている。補助具130
は、丸くかつ細長い心棒軸131を中心に、その心棒軸
131の軸端132、軸端133部分の軸中心に、長尺
かつ薄い板で作られた押し板134、押し板135がそ
れぞれ填め込まれて作られている。
【0137】つまり、補助具130は、全体がH型の外
観を有した補助具である。なお、心棒軸131の長さ
は、蓋3の長辺方向の長さにほぼ等しく作られている。
他方、この補助具130が装着される平歯車5の内側の
面136には、円柱状の小さなロッド137、138が
水平に溶接されている。同様に、平歯車4の内側の面に
も円柱状の小さなロッド139、140が水平に溶接さ
れている。これらロッド137、138とロッド13
9、140の下に補助具130の心棒軸131が填め込
まれる。つまり、平歯車4の内面に二つの並列配置され
たロッド137、138の間に、心棒軸131の丸い外
周が填め込まれて固定される(図22参照)。
【0138】また、蓋3の表面18の四隅には、押し板
134、135の両端を下から押し上げるためのピン1
41、142、143、144が立設されている(図2
3参照)。これらピン141、142、143、144
は、頭頂部分が丸く、しかも小さな突起状の物で、その
高さは、心棒軸131の半径長より若干大きく作られて
いる。上記押し板134、135の板の長さは、ピン1
41と平歯車5に取り付けられたロッド138との間の
長さ(図22の中括弧147)より大きくされている。
【0139】上記補助具130は、蓋3の固定補助に用
いられる。つまり、枠板11上に蓋3が載置され、その
蓋3が、真空引きで枠板11に固定されるが、その後、
蓋3の上方より蓋3をさらに押さえて固定の補助に用い
られる。以下、補助具130の装着方法について説明す
る。心棒軸131を、蓋3の長手方向(図21の矢印5
1方向)と平行に保持しつつ、ロッド137、138、
ロッド139、140の下へと滑り込まされる(図22
の矢印145方向)。図24には、補助具130の押し
板134がロッド137、138の下に挿入された状態
が示されている。この状態で、押し板134の端146
がピン141の上に乗せられる。
【0140】この状態では、ロッド137、138が補
助具130の水平スライドの動きを妨げることはない。
つまり、押し板134、135は、何らの外力を受けて
いない。そして、心棒軸131がロッド137、13
8、139、140の下に強く押し込まれる。すると、
ロッド137、138で心棒軸131の軸端132部分
が、ロッド139、140で心棒軸131の軸端133
部分がそれぞれ挟持される(図21、22参照)。ピン
141、142、143、144の高さは、心棒軸13
1の半径の長さより大きく作られているので、ピン14
1、142、143、144で押し板134、135の
両端が押し上げられることとなる。
【0141】この結果、押し板134、135が心棒軸
131を中心にUの字状に撓まされることになる(図2
2参照)。逆に、押し板134、135の反発力によ
り、蓋3のピン141、142、143、144部分が
枠板11に強く押しつけられることとなる。これによ
り、枠板11への蓋3の固定が補助される。このよう
に、補助具130は、蓋3のバレル本体2への固定を補
助するために用いられる。なお、補助具130の素材
は、バレルメッキ装置1と同様な、PEEKその他の強
化プラスチックが用いられる。
【0142】(16)第2補助具。 図25には、本発明で使用される第2の補助具148の
外観が示されている。図26には、蓋3における補助具
148の取り付け位置の様子が示されている。図27に
は、補助具148が取り付けられたバレルメッキ装置1
の側方から観る垂直断面の様子が示されている。この補
助具148は、螺子を指で直接回すことが出来るよう、
螺子の頭部に、つまり149が設けられた、所謂、ちょ
う螺子である。しかも、螺子部分には、上下方向に所定
間隔を開けて2つのOリング150、151が巻装され
ている。
【0143】この補助具148により、蓋3の固定を補
助するべく、蓋3の六ヶ所(図26に示された、蓋3の
各補助具148の位置)に雌ねじ152が螺設されてい
る。この雌ねじ152は、蓋3の表面18から裏面26
までを完全に貫通されている。また、蓋3の六ヶ所に設
けられた雌ねじ152に対応する、枠板11の六ヶ所に
も、雌ねじ153が設けられている(図27参照)。こ
のような蓋3の雌ねじ152と、枠板11の雌ねじ15
3は、外周パッキン27と内周パッキン28との間に設
けられている。
【0144】そして、蓋3が枠板11上に真空引きで吸
着される際、雌ねじ152と雌ねじ153とを貫通させ
るように補助具148がねじ込まれることで、蓋3の固
定が補助される。なお、補助具148のOリング150
が蓋3内部に位置し、Oリング151が枠板11内部に
位置するので、パッキン27、28で仕切られる間隙3
3の気密性が保持される。
【0145】また、雌ねじ152、153の穿設位置
は、パッキン27、28の間である必要は必ずしもな
く、パッキン27、28の間から外れた位置に設けられ
ても良い。その場合には、Oリング150、151が不
要となる。さらに、補助具148で蓋3を固定する箇所
は、蓋3の四隅のみであってもよい。
【0146】(17)第3補助具。 図28には、本発明で使用される第3の補助具であるレ
バー式クランパー154の平面図が示されている。図2
9には、このレバー式クランパー154を用いて蓋3が
枠板11に固定された様子が示されている。このレバー
式クランパー154は、回転支持ピン155を中心に回
動される平板状のレバー156と、このレバー156の
ほぼ中央に装着された楕円形のリング157と、このリ
ング157が掛け止めされるフック板158とから構成
されている。そして、レバー156が引き起こされた状
態(図28では、手前側)で、リング157の先端部分
が、フック板158のフック159に掛け止めされる。
【0147】その後、レバー156が倒されることで、
フック板158とレバー156との間に牽引力が生成さ
れる。これは、レバー156の回動支点が回転支持ピン
155であり、リング157の取り付け位置がレバー1
56の側面のほぼ中央という位置関係のズレによる。つ
まり、梃子の原理が利用されたものである。
【0148】レバー式クランパー154の回転支持ピン
155(レバー156)は、枠板11の側面12に装着
されており、フック板158は、蓋3の側面にビスなど
で装着されている。そして、レバー式クランパー154
のリング157が、フック板158のフック159に掛
けられた状態で、レバー156が倒されると、上記され
たように、フック板158とレバー156との間で、牽
引力が生成されるので、枠板11への蓋3の固定が補助
される。なお、レバー式クランパー154は、蓋3の一
方の側面に、等間隔で3カ所か、若しくは2カ所ずつ装
備される。
【0149】よって、蓋3全体では、6カ所(図26に
示された、補助具148が取り付けられた位置の蓋3の
側面)か又は4カ所がレバー式クランパー154で固定
される。このレバー式クランパー154の素材は、ステ
ンレスその他の腐食に強い金属が好ましいが、場合によ
っては、PEEKその他の硬質プラスチックで作られて
も良い。
【0150】(18)第4補助具。 図30には、本発明で用いられる第4の補助具160の
外観が示されている。この補助具160は、蓋3の上に
載置された角棒163から引き出されたゴムリング16
4が、枠板11の側面12に設けられたフックピン16
5に、引かれつつ掛けられる。これにより、蓋3の枠板
11上への固定が補助される。ゴムリング164は、弾
力性のあるゴム、NBRその他の素材が輪状に作られて
いる。このゴムリング164が、角棒163の端部を上
下方向から貫通されたピン161に巻装されて、角棒1
63の端から引き出されている。
【0151】なお、角棒163の両端それぞれから、ゴ
ムリング164が引き出されており、その両端のゴムリ
ング164で蓋3の対向する二つ辺を、短手方向に上方
から挟みつつ、枠板11の側面12に設けられたフック
ピン165に掛けられる。蓋3上には、3本(若しくは
2本)の角棒163が短手方向に並べて設置されるが、
その間隔は、ほぼ等間隔とされている(図31参照)。
【0152】(19)第5補助具。 図32には、本発明で用いられる第5の補助具166の
外観が示されている。この補助具166は、PEEKそ
の他のプラスチック材料を用いたコの字型の外観を持つ
部品であり、上下所定間隔を開けつつ平行に配置された
上方プレート167と下方プレート168とを、1つの
板で上下に繋いだ形状に作られている。そして、枠板1
1上に真空引きで吸着された蓋3の上面に、上方プレー
ト167が填め込まれ、枠板11の下面に下方プレート
168が填め込まれる。これにより、蓋3と枠板11と
が上下方向からクリップされるので、蓋3の固定が補助
される。
【0153】補助具166が装着される蓋3の位置は、
第3補助具(レバー式クランパー154)と同様、蓋3
の側部に少なくとも2カ所(3箇所以上でも良い)設置
される。なお、上方プレート167、下方プレート16
8の内側に小さな鉤爪を設けて、蓋3及び枠板11から
容易に離脱させないようにしてもよい。
【0154】上記された各補助具は、枠板11への蓋3
の固定をサポートするものであり、本発明では、必ずし
も必要とされない。特に、蓋3の裏面26の周囲に張り
巡らされた二本のパッキン27、28の間にできる間隙
が略真空にされることで、強い吸引力で蓋3が、バレル
本体2の投入口10の枠板11に固定される。特に、本
発明のように、パッキン27、28の間に形成される間
隙33の圧力が0.07メガパスカル前後に真空引きさ
れると、蓋3は1キロ/1平方センチメートルの力で固
定されることとなる。
【0155】これにより、内部に被処理物が投入され
て、バレルメッキ装置1が回転されても、蓋3が外れる
ことはない。しかも、蓋3の周囲全体が枠板11に密着
されているので、蓋3と、バレル本体2の枠板11との
間に隙間が発生することはない。
【0156】(20)応用例。 本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能である。例えば、微小穴7、
19の開けられた部分を1つのブロック部品とし、その
ブロック部品を交換することで、穴の径を変えることが
できるバレルメッキ装置1とされてもよい。例えば、蓋
3に設けられた区画20、21、22、23それぞれ
が、単体の1枚板の部品とし、それらの区画20、2
1、22、23部分の板を交換できるようにする。各区
画20、21、22、23内には、微小穴19が開けら
れているので、各区画20、21、22、23の板を交
換することで、微小穴19の径を変更させることができ
る。
【0157】本発明のバレルメッキ装置1であるバレル
本体2、枠板11、ピンバルブ40、リークピン38、
平歯車4、5、蓋3、囲い板117、補助具130、補
助具148、角棒163及び補助具166等は、PEE
K、耐熱塩化ビニール、PP=ポリプロピレン、PVD
F(ポリフッ化ビニリデン)、ステンレスの何れかで作
られても良いし、ガラス、炭素繊維、陶器、磁器、セラ
ミックスなどで製造されてもよい。また、蓋3がステン
レスなどの金属で作られ、バレル本体2がPEEK、P
VDFなどのプラスチックで作られても良いし、バレル
本体2が金属で作られ、蓋3がプラスチックで作られて
も良い。つまり、各部品それぞれが異なる素材で作られ
ても良い。
【0158】また、蓋3と枠板11との間に形成される
間隙を作るための溝(外周溝30その他)の数について
も、3個以上でもよく、本発明では、その数を限定する
ものではない。特に、第13実施例のように、蓋3と枠
板11以外の囲い板117を1個以上用いて、溝の数を
増加させ、間隙の形状をより複雑にしてもよい。間隙3
3の形状についても、直線的なものや、Tの字型や、L
の字型、Vの字型以外の様々な形に作られても良い。
【0159】さらにまた、パッキン(外周パッキン27
その他)が填め込まれる溝も、蓋3の裏側のみならず、
枠板11の上面など如何なる位置に設けられても良く、
本発明では特にその位置を限定するものではない。
【0160】また、枠板11への蓋3の固定をサポート
する補助具(補助具130その他)の形状及び使用法に
ついても、上記各例に本発明は限定するものではない。
例えば、枠板11脇の平歯車4、5の内側に溝を掘り、
その溝に蓋3がスライドされて填め込まれた後、真空引
きで蓋3が枠板11に固定される方法でもよい。補助具
166(図32)のプレート167、168が蓋3と枠
板11それぞれの側面に突き刺すことで蓋3と枠板11
との固定が補助される器具でもよい。ゴムリング164
を両端に具備する角棒163が、丸棒で作られていても
良い。蓋3上に載置され、蓋3の固定補助に用いられる
角棒163が3本以上であってもよい。
【0161】さらに、上記各実施例では、枠板11上に
蓋3が載置された後、真空引きで蓋3が枠板11に吸着
されたが、枠板11の内側(バレル本体2内)から蓋3
が装着されて、吸着されてもよい。例えば、枠板11の
開口部分からバレル本体2内へ、蓋3が挿入された後、
枠板11の裏側に蓋3が持ち上げられて付着され、真空
引きで固定されてもよい。つまり、蓋3が落とし蓋のよ
うな構造でもよい。
【0162】さらにまた、蓋3全体の外形についても、
上記各実施例のような長方形のみならず、正方形、円
形、楕円形、三角形、菱形等如何なる外形であってもよ
い。
【0163】パッキン27、28が填め込まれる溝3
0、31その他の溝の断面形状についても、上記各実施
例のような「アリ溝」以外の形状でもよい。例えば、四
角形、円形、楕円形、三角形等如何なる形でもよい。し
かも、パッキン27、28その他のパッキンの断面形状
についても、円形、楕円形、正方形その他の多角形等如
何なる形状でもよい。
【0164】また、枠板11の側面に設けられるバキュ
ーム孔13、14についても、1つのバキューム孔で、
吸引と空気のリークが行われてもよい。つまり、バキュ
ーム孔14内に装着される傘型シール41を備えたピン
バルブ40を抜き差しする手段を設けることで、バキュ
ーム孔13とリークピン38が省かれても良い。加え
て、バキューム孔13及びバキューム孔14が蓋3の側
面に設けられても良い。
【0165】蓋3の外周部分を全体に取り巻くように設
けられたパッキン27、28についても、小さな円形の
パッキンが蓋3の周囲に分散して配置されると共に、そ
の円形のパッキン内に円形の間隙が設けられても良い。
つまり、蓋3の裏面26(図5参照)において、上記第
1実施例で埋めこまれたパッキン27、28の部分に小
さな円形のパッキンを間欠的に配置する。そして、その
円形のパッキン内を間隙として、真空引きさせるように
してもよい。なお、その複数の間隙から空気を吸い出す
べく、枠板11上に微小穴16が多数設けられる必要は
ある。
【0166】パッキン27、28、外周パッキン12
4、第1内周パッキン125、第2内周パッキン12
6、Oリング150、151及びゴムリング164の素
材についても、NBR、天然ゴム、スチレン・ブタジエ
ンゴム(=SBR)、合成ゴムなど如何なるものが用い
られても良い。しかし、好ましくは、メッキ処理液など
の薬剤に対する耐性の強い素材が用いられるのが好まし
い。
【0167】上記微小穴19の形状は、丸穴、角穴、長
穴、十字形、星形、直線状スリット、曲線状スリット、
スプライン状、ジグザグ状など、どのような形状でもよ
い。間隙33、57、64、80…は、蓋3側、枠板1
1側、いずれ側に形成されてもよい。間隙33、57、
64、80…は、1つの蓋3または1つの枠板11に、
複数箇所設けられてもよい。間隙33、57、64、8
0…は、上述のように1つの蓋3または1つの枠板11
の周面に全て形成されてもよいし、周面の一部だけに設
けられてもよい。
【0168】上述した外周パッキン27、内周パッキン
28、外周パッキン124、第1内周パッキン125、
第2内周パッキン126は、間隙33、57、64、8
0…の周縁のほか、間隙33、57、64、80…の周
縁のやや内側、間隙33、57、64、80…の外側に
設けられてもよい。このパッキン27、28、124、
125、126は、間隙33、57、64、80…の形
成されていない蓋3または枠板11に設けられ、間隙3
3、57、64、80…に対向する位置に設けられても
よい。
【0169】上述したように間隙33、57、64、8
0…は、蓋3と枠板11とが接する面にいくらかの空気
のある隙間を形成する凹んだものである。上述した外周
パッキン27、内周パッキン28、外周パッキン12
4、第1内周パッキン125、第2内周パッキン126
は、細長い環状のものであり、間隙33、57、64、
80…の周囲に埋め込まれ、この間隙33、57、6
4、80…を塞いで、当該間隙33、57、64、80
…の周囲からの気密性を保持するものである。上記微小
穴16とバキューム孔14は、上記間隙33、57、6
4、80…に繋がり、当該間隙33、57、64、80
…の内部の空気を吸引するためのものである。この空気
の吸引によって上記間隙33、57、64、80…の気
圧を下げ、これにより上記蓋3を上記枠板11に密着さ
せることができる。
【0170】(21)請求項の解説。 [1]本発明の表面処理装置用バレル/バレルメッキ装
置は、表面に微小穴(微小穴19)を多数備える板で作
られた蓋(蓋3)と、 この蓋によって閉じられる本体
(バレル本体2)の投入口(投入口10)の周囲に形成
された枠板(枠板11)と、 この蓋と枠板とが接する
面に隙間を形成する間隙(間隙33、57、64、80
他)であって、蓋または枠板に形成された間隙と、 上
記蓋及び枠板の何れか一方にのみか(第1実施例〜第7
実施例、第10実施例等)、又はそれぞれに埋め込まれ
た(第8、9実施例)細長い環状のパッキン(外周パッ
キン27、内周パッキン28、外周パッキン124、第
1内周パッキン125、第2内周パッキン126)であ
って、上記間隙の周囲に埋め込まれ、この間隙を塞い
で、当該間隙の周囲からの気密性を保持するためのパッ
キンと、 上記間隙に繋がり、当該間隙の内部の空気を
吸引するため、上記蓋か又は上記枠板に穿たれた吸引孔
(微小穴16とバキューム孔14)とを備え、 この空
気の吸引によって上記間隙の気圧を下げ、これにより上
記蓋を上記枠板に密着させることを特徴とする。(これ
により、簡便な操作で蓋3を枠板11に吸着させて固定
させることができる。)
【0171】[2]上記特徴に加え、上記枠板と接する
上記蓋の面に凹部又は凸部(凹部59)を設けると共
に、この蓋に設けられた凹部又は凸部に密着して嵌合す
る、凸部又は凹部(凸ブロック58)を上記枠板の上記
蓋と接する面に設けたことを特徴とする。(これによ
り、枠板11上で蓋3がずれることを確実に防止でき
る。)
【0172】[3]上記特徴に加え、上記蓋に設けられ
た凹部又は凸部と、上記枠板に設けられた凸部又は凹部
との間の一部か又は全体に上記間隙(間隙57、間隙7
2、間隙77、水平間隙127、垂直間隙128他)が
形成されることを特徴とする。(これにより、蓋3と枠
板11との吸着部分を拡大させることができる。)
【0173】[4]上記特徴に加え、上記蓋に設けられ
た凹部又は凸部にのみ、上記パッキンが埋め込まれて
(第6実施例、第7実施例)、上記間隙の両端の気密性
を保持させるか、又は、上記枠板に設けられた凸部又は
凹部にのみ、上記パッキンが埋め込まれて(第3実施
例、第5実施例)、上記間隙の両端の気密性を保持させ
るか、又は、上記蓋に設けられた凸部又は凹部に一方の
パッキンが埋め込まれ、上記枠板に設けられた凸部又は
凹部に他方のパッキンが埋め込まれて(第8実施例、第
9実施例)、上記間隙の両端の気密性を保持させること
を特徴とする。(これにより、間隙の気密性を高めるこ
とができる。)
【0174】[5]上記特徴の他、上記蓋の全周囲を密
着しつつ囲う囲い板(囲い板117)と、この囲い板
と、上記蓋及び枠板とが接する面に上記間隙(水平間隙
127、垂直間隙128)が形成されると共に、これら
蓋、枠板及び囲い板それぞれにリング状のパッキン(外
周パッキン124、第1内周パッキン125、第2内周
パッキン126)が埋め込まれて、上記間隙の気密性が
確保されることを特徴とする。(これにより、蓋3のズ
レを防止しつつ、蓋3と枠板11との吸着性を高められ
る。)
【0175】[6]上記特徴に加え、上記蓋が上記枠板
に固定される際、上記蓋の外部に取り付けられて、上記
枠板へ上記蓋を押さえつける補助具(補助具130、補
助具148他)を備えることを特徴とする。(これによ
り、枠板11への蓋3の固定をより確実に行える。)
【0176】[7]上記[6]において、上記補助具
が、上記蓋の四隅を上方より押さえるH型の板材(補助
具130)か、又は、上記蓋と枠板とを貫通して螺子止
めする螺子手段(補助具148)か、又は、上記蓋及び
枠板の側面に装着されるクランパー(レバー式クランパ
ー154)か、又は、上記蓋及び枠板の側面に装着され
る弾性部材による牽引手段(角棒163とゴムリング1
64とフックピン165からなる補助具160)か、又
は、上記蓋及び枠板の側面に装着される挟持手段(補助
具166)であることを特徴とする。(これにより、枠
板11への蓋3の固定をより確実に行える。)
【0177】[8]上記特徴に加え、上記蓋、枠板、本
体、補助具それぞれがPEEK、耐熱塩化ビニール、ポ
リプロピレン、PVDF、ステンレス、ガラス、炭素繊
維、陶器、磁器、セラミックスの何れかで作られている
ことと、上記パッキンがアクリロニトリル・ブタジエン
ゴム、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、合成ゴム
の何れかで作られていることを特徴とする。(これによ
り、処理液に対する耐腐食性が高まる。)
【0178】[9]上記特徴に加え、上記パッキンが埋
め込まれる溝の断面形状が多角形(アリ溝、四角形、円
形、楕円形、正方形等)に形成されていることと、上記
吸入孔(バキューム孔14)に空気の逆流防止弁(傘型
シール41)が封入されていることと、上記蓋又は枠板
に、ピン(リークピン38)の着脱で、上記間隙(間隙
33等)への空気流入をさせるリーク孔(バキューム孔
13)が設けてあることとを特徴とする。(これによ
り、簡便な方法で、枠板11に吸着している蓋3を外す
ことができる。)
【0179】[10]本発明のバレルメッキ装置は、表
面に微小穴(微小穴19)を多数備える板で作られた蓋
(蓋3)と、この蓋によって閉じられる本体(バレル本
体2)の投入口(投入口10)の周囲に形成された枠板
(枠板11)と、この蓋と枠板とが接する面(上面15
と裏面26)に形成される間隙(間隙33、57、6
4、80他)と、この間隙の端を塞いで気密性を保持す
るべく、上記蓋及び枠板の何れか一方にのみか(第1実
施例〜第7実施例、第10実施例等)、又はそれぞれに
埋め込まれた(第8、9実施例)リング状のパッキン
(外周パッキン27、内周パッキン28、外周パッキン
124、第1内周パッキン125、第2内周パッキン1
26)と、上記間隙内部の空気を吸引するため、上記蓋
か又は上記枠板に穿たれた吸引孔(微小穴16とバキュ
ーム孔14)とを備えることを特徴とする。(これによ
り、簡便な操作で蓋3を枠板11に吸着させて固定させ
ることができる。)
【0180】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、蓋の
裏面の辺縁部分に、二つ以上の溝を設けて、それらの溝
に、蓋の周囲全体を取り巻くパッキンを填め込む。そし
て、その二つ以上の溝の間に間隙を設け、その間隙を減
圧することで、蓋をバレル本体の投入口部分に作られた
枠板に、強力に吸着させる。これにより、蓋がバレル本
体の投入口に確実かつ強固に固定される。この結果、被
処理品が内部に投入されて、処理液中でバレル本体が回
転されても、被処理物の重み、酸性(アルカリ性その他
の)処理液の影響及び、温度変化などによって蓋が歪む
ことをより確実に防止できる。しかも、蓋が固定される
バレル本体部分に隙間が極めて出来にくいので、バレル
本体と蓋との間に被処理品が填り込むことや、バレル本
体から被処理品が落下するといったことを確実に防止で
きる。これにより、処理対象品に不良品が発生すること
を極力防止でき、生産性をより高めることができる。し
かも、蓋の経年変化が小さいので、バレルメッキ装置自
体のランニングコストの低減に寄与できる。
【0181】また、バレル本体への蓋の固定が、真空引
き用ホースによる吸引のみで実施できると共に、バレル
本体からの蓋の開放も、簡単な構造のピンを引き抜くだ
けで行えるので、ハンマーによる取手の叩き(若しくは
取手の回転)といった従来の煩わしい作業を必要とせ
ず、蓋閉めと蓋開放作業が極めて簡便となる。さらに、
蓋には、従来のようなカシメ固定具がないので、蓋全体
に微小孔を設けることが可能である。このため、微小孔
の全数と各孔の径の総和で定まる、蓋全体の開口率が、
従来装置に比べて改善されるので、処理液のバレル本体
内への流出入がより迅速かつ滑らかになる。結果、メッ
キ、洗浄、還元、中和その他の処理に必要な時間の短縮
に寄与できる。すなわち、被処理品への処理時間の短縮
による製造コストの低減に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のバレルメッキ装置1の外観を示す。
【図2】 蓋3が外されたバレルメッキ装置1の外観を
示す。
【図3】 バレルメッキ装置1の垂直断面を示す。
【図4】 蓋3の表面18を示す。
【図5】 蓋3の裏面26を示す。
【図6】 第1実施例の蓋3及び枠板11の垂直断面の
様子を示す。
【図7】 第2実施例の蓋3及び枠板11の垂直断面の
様子を示す。
【図8】 第3実施例の蓋3及び枠板11の垂直断面の
様子を示す。
【図9】 第4実施例の蓋3及び枠板11の垂直断面の
様子を示す。
【図10】 第5実施例の蓋3及び枠板11の垂直断面
の様子を示す。
【図11】 第6実施例の蓋3及び枠板11の垂直断面
の様子を示す。
【図12】 第7実施例の蓋3及び枠板11の垂直断面
の様子を示す。
【図13】 第8実施例の蓋3及び枠板11の垂直断面
の様子を示す。
【図14】 第9実施例の蓋3及び枠板11の垂直断面
の様子を示す。
【図15】 第10実施例の蓋3及び枠板11の垂直断
面の様子を示す。
【図16】 第10実施例の蓋3及び枠板11の外観を
示す。
【図17】 第11実施例の蓋3及び枠板11の垂直断
面の様子を示す。
【図18】 第12実施例の蓋3及び枠板11の垂直断
面の様子を示す。
【図19】 第13実施例の蓋3及び枠板11の垂直断
面の様子を示す。
【図20】 第13実施例の蓋3、囲い板117、枠板
11の外観を示す。
【図21】 補助具130の外観とバレルメッキ装置1
の外観を示す。
【図22】 補助具130及びバレルメッキ装置1の垂
直断面の様子を示す。
【図23】 補助具130が使用される蓋3の外観を示
す。
【図24】 補助具130の使用方法説明の様子を示
す。
【図25】 補助具148の外観を示す。
【図26】 蓋3への補助具148の装着位置を示す。
【図27】 補助具148が装着されたバレルメッキ装
置1の垂直断面の様子を示す。
【図28】 レバー式クランパー154の外観を示す。
【図29】 蓋3及び枠板11にレバー式クランパー1
54が装備された様子を示す。
【図30】 補助具160の外観を示す。
【図31】 補助具160が付けられた角棒163の装
着の様子を示す。
【図32】 補助具166の様子を示す。
【図33】 従来のバレルメッキ装置500の外観を示
す。
【図34】 従来のバレルメッキ装置500の上観の様
子を示す。
【図35】 従来のバレルメッキ装置500の投入口5
06の垂直断面の様子を示す。
【符号の説明】
1…バレルメッキ装置、2…バレル本体、3…蓋、4…
平歯車、5…平歯車、6…穴、7…微小穴、9…フラン
ジ、10…投入口、11…枠板、12…側面、13…バ
キューム孔、14…バキューム孔、15…上面、16…
微小穴、17…コーナー、18…表面、19…微小穴、
20、21、22、23…区画、24、25…リブ、2
6…裏面、27…外周パッキン、28…内周パッキン、
29…歯、30…外周溝、31…内周溝、32…中括
弧、33…間隙、34…外界、35…真空引き用ホー
ス、36…深部、37…ホース挿入部、38…リークピ
ン、39…ネジ穴、40…ピンバルブ、41…傘型シー
ル、42…溝、43…Oリング、44…取手、45…ロ
ッド、46…Oリング、47…凹み、48…ガイド突
起、49…傾斜面、50…内面、51…矢印、52…矢
印、55…外周溝、56…内周溝、57…間隙、58…
凸ブロック、59…凹部、60…外周溝、61…内周
溝、62…外周溝、63…内周溝、64…間隙、65…
外周溝、66…内周溝、67…側面、68…間隙、69
…内周溝、70…外周溝、71…内壁面、72…間隙、
73…凸ブロック、74…凹み、75…外周溝、76…
内周溝、77…間隙、78…外周溝、79…内周溝、8
0…間隙、88…面、89…凸ブロック、90…凹み、
91…外周溝、92…内周溝、93…面、94…間隙、
95…側壁面ブロック、96、97…辺、98…矢印、
99…側面、100…外周溝、101…内周溝、102
…間隙、103…斜面、104…傾斜微小穴、105…
凸ブロック、106…凹み、107…外周溝、108…
内周溝、109…間隙、110…台形ブロック、111
…斜面、112…上面、113…凹面部、114…外周
溝、115…内周溝、116…間隙、117…囲い板、
118…外周面、120…内周面、121…外周溝、1
22…第1内周溝、123…第2内周溝、124…外周
パッキン、125…第1内周パッキン、126…第2内
周パッキン、127…水平間隙、128…垂直間隙、1
30…補助具、131…心棒軸、132…軸端、133
…軸端、134…押し板、135…押し板、136…
面、137…ロッド、138…ロッド、139…ロッ
ド、140…ロッド、141…ピン、141、142、
143、144…ピン、145…矢印、146…端、1
47…中括弧、148…補助具、149…つまり、15
0…Oリング、151…Oリング、152…雌ねじ、1
53…雌ねじ、154…レバー式クランパー、155…
回転支持ピン、156…レバー、157…リング、15
8…フック板、159…フック、160…補助具、16
1…ピン、163…角棒、164…ゴムリング、165
…フックピン、166…補助具、167…上方プレー
ト、168…下方プレート、500…バレルメッキ装
置、502…本体、503…蓋、504…円形平板、5
05…円形平板、506…投入口、507…固定具、5
08、509…固定具、510…固定板、511…ボル
ト、512…ボルト、513…先端、514…辺縁リ
ブ、515…穴、516…辺縁部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 修久 愛知県名古屋市西区木前町80番地 朝明化 工機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に微小穴を多数備える板で作られた
    蓋と、 この蓋によって閉じられる本体の投入口の周囲に形成さ
    れた枠板と、 この蓋と枠板とが接する面に隙間を形成する間隙であっ
    て、蓋または枠板に形成された間隙と、 上記蓋及び枠板の何れか一方にのみか、又はそれぞれに
    埋め込まれた細長い環状のパッキンであって、上記間隙
    の周囲に埋め込まれ、この間隙を塞いで、当該間隙の周
    囲からの気密性を保持するためのパッキンと、 上記間隙に繋がり、当該間隙の内部の空気を吸引するた
    め、上記蓋か又は上記枠板に穿たれた吸引孔とを備え、 この空気の吸引によって上記間隙の気圧を下げ、これに
    より上記蓋を上記枠板に密着させることを特徴とする表
    面処理装置用バレル。
  2. 【請求項2】 上記枠板と接する上記蓋の面に凹部又は
    凸部を設けると共に、この蓋に設けられた凹部又は凸部
    に密着して嵌合する、凸部又は凹部を上記枠板の上記蓋
    と接する面に設けたことを特徴とする請求項1記載の表
    面処理装置用バレル。
  3. 【請求項3】 上記蓋に設けられた凹部又は凸部と、上
    記枠板に設けられた凸部又は凹部との間の一部か又は全
    体に上記間隙が形成されることを特徴とする請求項2記
    載の表面処理装置用バレル。
  4. 【請求項4】 上記蓋に設けられた凹部又は凸部にの
    み、上記パッキンが埋め込まれて、上記間隙の両端の気
    密性を保持させるか、 又は、上記枠板に設けられた凸部又は凹部にのみ、上記
    パッキンが埋め込まれて、上記間隙の両端の気密性を保
    持させるか、 又は、上記蓋に設けられた凸部又は凹部に一方のパッキ
    ンが埋め込まれ、上記枠板に設けられた凸部又は凹部に
    他方のパッキンが埋め込まれて、上記間隙の両端の気密
    性を保持させることを特徴とする請求項3記載の表面処
    理装置用バレル。
  5. 【請求項5】 上記蓋の全周囲を密着しつつ囲う囲い板
    と、 この囲い板と、上記蓋及び枠板とが接する面に上記間隙
    が形成されると共に、これら蓋、枠板及び囲い板それぞ
    れにリング状のパッキンが埋め込まれて、上記間隙の気
    密性が確保されることを特徴とする請求項1又は2記載
    の表面処理装置用バレル。
  6. 【請求項6】 上記蓋が上記枠板に固定される際、上記
    蓋の外部に取り付けられて、上記枠板へ上記蓋を押さえ
    つける補助具を備えることを特徴とする請求項1、2、
    3、4又は5記載の表面処理装置用バレル。
  7. 【請求項7】 上記補助具が、上記蓋の四隅を上方より
    押さえるH型の板材か、 又は、上記蓋と枠板とを貫通して螺子止めする螺子手段
    か、 又は、上記蓋及び枠板の側面に装着されるクランパー
    か、 又は、上記蓋及び枠板の側面に装着される弾性部材によ
    る牽引手段か、 又は、上記蓋及び枠板の側面に装着される挟持手段であ
    ることを特徴とする請求項6記載の表面処理装置用バレ
    ル。
  8. 【請求項8】 上記蓋、枠板、本体、補助具それぞれが
    耐熱塩化ビニール、ポリプロピレン、PVDF、PEE
    K、ステンレス、ガラス、炭素繊維、陶器、磁器、セラ
    ミックスの何れかで作られていることと、 上記パッキンがアクリロニトリル・ブタジエンゴム、天
    然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、合成ゴムの何れか
    で作られていることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6又は7記載の表面処理装置用バレル。
  9. 【請求項9】 上記パッキンが埋め込まれる溝の断面形
    状が多角形に形成されていることと、 上記吸入孔に空気の逆流防止弁が封入されていること
    と、 上記蓋又は枠板に、ピンの着脱で、上記間隙への空気流
    入をさせるリーク孔が設けてあることとを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の表面処理
    装置用バレル。
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