JP2003231981A - 酸洗槽におけるライン速度の制御方法 - Google Patents

酸洗槽におけるライン速度の制御方法

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JP2003231981A
JP2003231981A JP2002035089A JP2002035089A JP2003231981A JP 2003231981 A JP2003231981 A JP 2003231981A JP 2002035089 A JP2002035089 A JP 2002035089A JP 2002035089 A JP2002035089 A JP 2002035089A JP 2003231981 A JP2003231981 A JP 2003231981A
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line speed
pickling tank
pickling
hot
temperature
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JP2002035089A
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Tetsuo Yasuda
哲生 安田
Shuichi Fukutani
秀一 福谷
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホットコイルの表面に付着したスケールを効
率よく除去するようにライン速度を自動制御することが
できる酸洗槽におけるライン速度の制御方法を提供する
こと。 【解決手段】 ホットコイルの長手方向の各位置に対応
する熱延仕上げ圧延機出側温度、巻き取り温度、酸洗前
スキンパスの有無、酸洗槽の浴温度と濃度、酸洗槽前テ
ンションレベラーの調圧率および伸び率の各データに基
づいて酸洗槽におけるライン速度を制御するようにし
た。また、必要に応じて熱延デスケーリングの有無、鋼
中成分のデータのいずれか、あるいは双方のデータを加
えてライン速度を制御することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットコイルの表
面に付着したスケールを効率よく除去するようにライン
速度を自動制御することができる酸洗槽におけるライン
速度の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ホットコイルの表面に付着し
たスケールを除去する目的で酸洗槽を利用するのが一般
的である。この場合、酸洗槽を通過するホットコイルの
ライン速度は生産性を考慮するとできるだけ高速化する
のが好ましいが、スケール除去に大きく影響するため如
何に限界近くまで速度を上げるかが課題となる。即ち、
ライン速度が早すぎる場合は完全にスケール除去ができ
ず不良品を発生させることとなり、一方、ライン速度が
遅い場合は生産性が大きく低下するとともに、酸により
コイル表面が侵食されて酸減りと称される欠陥を生じ歩
留まりロスを発生させる要因となるのである。
【0003】そこで、脱スケール性(酸洗性)がホット
コイルの巻き取り温度が高くなるに従い低下する点に着
目し、コイル巻き取り温度の計測データに基づいてライ
ン速度を制御するようにしたものが、特開昭59−20
9415号公報として先に提案されている。しかしなが
ら、本発明者が同じ鋼中成分の材料でスケール残りが発
生する限界ライン速度を測定した結果、図2に示される
ように、両者の関係はある程度の幅があって1:1で決
定することができないことを確認した。即ち、コイルの
巻き取り温度はライン速度を決定する重要なファクター
ではあるが、これのみでは完全な制御はできないのであ
る。従って、スケール残りが発生する因子(以下、デス
ケ性作用因子という)を解明し、より精度の高いライン
速度の制御方法の開発が望まれているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、コイルの巻き取り温度だけで
なくその他の種々のデスケ性作用因子を基にライン速度
を決定することで、より精度の高い速度設定を行い、ホ
ットコイルの表面に付着したスケールを効率よく除去す
るようにライン速度を自動制御することができる酸洗槽
におけるライン速度の制御方法を提供することを目的と
して完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の酸洗槽におけるライン速度の制御
方法は、ホットコイルの長手方向の各位置に対応する熱
延仕上げ圧延機出側温度、巻き取り温度、酸洗前スキン
パスの有無、酸洗槽の浴温度と濃度、酸洗槽前テンショ
ンレベラーの調圧率および伸び率の各データに基づいて
酸洗槽におけるライン速度を制御することを特徴とする
ものである。
【0006】なお、必要に応じて熱延デスケーリングの
有無、鋼中成分のデータのいずれか、あるいは双方のデ
ータを加えて酸洗槽におけるライン速度を制御すること
もでき、これを請求項2に係る発明とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しつつ本発明
の好ましい実施の形態を示す。図1は、熱延ラインから
酸洗ラインまでの工程フロー図を示すもので、Aは熱延
ライン、Bは酸洗ライン、Sはホットコイルである。ま
た、1は熱延ラインの前段に配置した熱延デスケーリン
グ用の高圧デスケーリングスプレー、2はホットコイル
Sを所定温度に冷却するための水冷装置、3aはホット
コイルSの仕上げ圧延機出側の温度を検出するための温
度検出器、3bはホットコイルSの巻き取り温度を検出
するための温度検出器、4は熱延を終えたホットコイル
Sを巻き取るコイラー、5はホットコイルSを酸洗ライ
ンへ供給するアンコイラー、6はテンションレベラー、
7は酸洗槽、8は酸洗を終えたホットコイルSを巻き取
るコイラーであり、以上の構成は従来の酸洗ラインの構
成と基本的に同じである。
【0008】そして本発明では、酸洗後にスケール残り
が発生する因子、即ちデスケ性作用因子としてホットコ
イルSの長手方向の各位置に対応する熱延仕上げ圧延機
出側温度、巻き取り温度、酸洗前スキンパスの有無、酸
洗槽の浴温度と濃度、酸洗槽前テンションレベラーの調
圧率および伸び率を考慮し、これらの各データに基づい
て酸洗槽におけるライン速度を制御する点に特徴的構成
を有するものであり、従来の巻き取り温度のみで制御し
ていたものに比べて、より精度の高い速度設定を行うこ
とができるのである。
【0009】酸洗における脱スケール性(酸洗性)は、
熱延仕上げ圧延機出側温度又はホットコイルの巻き取り
温度が高くなるに従ってスケール発生量が増加するため
ライン速度を遅くする必要がある点は従来から知られて
おり、熱延仕上げ圧延機出側温度又はコイル巻き取り温
度の計測データに基づいてライン速度を制御する必要が
ある。このホットコイルSの長手方向の各位置に対応す
る巻き取り温度は、前記温度検出器3bによってコイル
のフロント部、ミドル部、テール部の複数箇所を測定
し、その平均値を検出する。熱延仕上げ圧延機の出側温
度は前記温度検出器3aによって通板する鋼板の複数箇
所を測定し、その平均値を検出する。
【0010】酸洗前スキンパスは、コイルの形状を整え
る目的でロールの圧下により行われるが、スキンパスを
行った場合にはスケール層に無数のクラックが形成さ
れ、酸洗時において該クラックから処理液が浸み込んで
クラックの剥離を促進し高い脱スケール性を奏するた
め、酸洗ライン速度を早くすることができる。従って、
スキンパスの有無をデスケ性作用因子として取り込みラ
イン速度を制御する。また、スキンパスがある場合は更
にその調圧率を考慮して、より細かな速度設定を行うこ
とが好ましい。
【0011】酸洗槽7の温度は、温度が高いほどスケー
ル残りの発生が少なくなる傾向があり、酸洗ライン速度
を早くすることができる。また酸洗槽7の濃度も、濃度
が高いほどスケール残りの発生が少なくなる傾向があ
り、酸洗ライン速度を早くすることができる。従って、
これら酸洗槽の温度と濃度をデスケ性作用因子として取
り込みライン速度を制御する。
【0012】酸洗槽7の直前に設置されたテンションレ
ベラーは、前記スキンパスと同様にスケール層に無数の
クラックを形成することになる。従って、このレベラー
の調圧率および伸び率をデスケ性作用因子として取り込
みライン速度を制御することは非常に有効である。
【0013】更には、デスケ性作用因子として必要に応
じて熱延デスケーリングの有無、鋼中成分のデータのい
ずれか、あるいは双方のデータを加えてライン速度を制
御することも好ましい。熱延デスケーリングは、ホット
コイルSが熱延ラインAに入る直前で高圧デスケーリン
グスプレー1によりSi被膜等の除去処理を目的に行わ
れているものであるが、この熱延デスケーリングの有
無、およびデスケーリングした場合は一定値まではスプ
レー圧が高いほど酸洗ライン速度を早くできる傾向があ
るため、デスケ性作用因子として取り込みライン速度を
制御することが有効である。
【0014】鋼中成分は、例えばSi、P、Al等の成
分が含まれている場合は、緻密なスケールが形成される
ためにスケールの剥離性が低下する要因となり、ホット
コイルSがこれらの成分を含有する場合はライン速度を
遅くすることが望ましい。従って、鋼中成分のデータを
デスケ性作用因子として取り込みライン速度を制御する
ことは有効である。
【0015】本発明では、図1に示されるように、デー
タロギング用計算機20、生産管理用計算機21、酸洗
ライン制御用計算機22が設けられており、前記熱延デ
スケーリング、およびホットコイルSの巻き取り温度の
データはデータロギング用計算機20に入力される。ま
た、酸洗前スキンパスの有無、および鋼中成分のデータ
は生産管理用計算機21に入力され、酸洗槽の温度と濃
度のデータは酸洗ライン制御用計算機22に入力され
る。そして、これらのデスケ性作用因子を基に酸洗ライ
ン制御用計算機22により最適なライン速度が算出さ
れ、これにより速度制御装置23aを作動させて酸洗槽
6の手前にあるブライドル10a、および/または酸洗
槽6の直後にあるブライドル10bを作動してホットコ
イルSを最適な速度で搬送するのである。
【0016】このように、本発明によれば従来のように
コイルの巻き取り温度だけを基にライン速度を制御する
のと異なり、複数個のデータをデスケ性作用因子として
取り込んでライン速度を制御するので、より精度の高い
速度設定を行うことができ、スケール除去不良の発生を
完全に回避できるとともに、限界スピードによる繰業で
大幅な生産性の向上が図れることとなる。
【0017】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明はコイルの巻き取り温度だけでなくその他の種々のデ
スケ性作用因子を基にライン速度を決定することで、よ
り精度の高い速度設定を行い、ホットコイルの表面に付
着したスケールを効率よく除去するようにライン速度を
自動制御することができるものである。よって本発明は
従来の問題点を一掃した酸洗槽におけるライン速度の制
御方法として、産業の発展に寄与するところは極めて大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延ラインから酸洗ラインまでの工程フロー図
である。
【図2】ホットコイルの巻き取り温度と酸洗槽における
ライン速度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 高圧デスケーリングスプレー 3a 温度検出器 3b 温度検出器 6 テンションレベラー 7 酸洗槽 10a ブライドル 10b ブライドル 20 データロギング用計算機 21 生産管理用計算機 22 酸洗ライン制御用計算機 23a 速度制御装置 23b 速度制御装置 A 熱延ライン B 酸洗ライン S ホットコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K053 PA02 PA12 QA01 RA14 SA05 TA02 TA16 YA02 YA03 YA23 YA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホットコイルの長手方向の各位置に対応
    する熱延仕上げ圧延機出側温度、巻き取り温度、酸洗前
    スキンパスの有無、酸洗槽の浴温度と濃度、酸洗槽前テ
    ンションレベラーの調圧率および伸び率の各データに基
    づいて酸洗槽におけるライン速度を制御することを特徴
    とする酸洗槽におけるライン速度の制御方法。
  2. 【請求項2】 必要に応じて熱延デスケーリングの有
    無、鋼中成分のデータのいずれか、あるいは双方のデー
    タを加えて酸洗槽におけるライン速度を制御する請求項
    1に記載の酸洗槽におけるライン速度の制御方法。
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