JP2003231776A - 水透過性の低いトリアセチルセルロースフィルム - Google Patents

水透過性の低いトリアセチルセルロースフィルム

Info

Publication number
JP2003231776A
JP2003231776A JP2002360656A JP2002360656A JP2003231776A JP 2003231776 A JP2003231776 A JP 2003231776A JP 2002360656 A JP2002360656 A JP 2002360656A JP 2002360656 A JP2002360656 A JP 2002360656A JP 2003231776 A JP2003231776 A JP 2003231776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
compound
tac
weight
cellulose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002360656A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4223794B2 (ja
Inventor
William J Gamble
ジェームズ ギャンブル ウィリアム
Joseph L Lippert
エル.リッパート ジョセフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JP2003231776A publication Critical patent/JP2003231776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4223794B2 publication Critical patent/JP4223794B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/49Phosphorus-containing compounds
    • C08K5/51Phosphorus bound to oxygen
    • C08K5/52Phosphorus bound to oxygen only
    • C08K5/521Esters of phosphoric acids, e.g. of H3PO4
    • C08K5/523Esters of phosphoric acids, e.g. of H3PO4 with hydroxyaryl compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2301/00Characterised by the use of cellulose, modified cellulose or cellulose derivatives
    • C08J2301/08Cellulose derivatives
    • C08J2301/10Esters of organic acids
    • C08J2301/12Cellulose acetate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2323/00Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/03Viewing layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/031Polarizer or dye
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2323/00Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/05Bonding or intermediate layer characterised by chemical composition, e.g. sealant or spacer
    • C09K2323/057Ester polymer, e.g. polycarbonate, polyacrylate or polyester

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水の蒸気透過速度の低下したTACフィルム
を提供する。 【解決手段】 (a)非置換トリフェニルホスフェート
化合物及び(b)低級アルキル置換トリフェニルホスフ
ェートエステル化合物を含むトリアセチルセルロースフ
ィルムが開示される。このようなフィルムは、水の蒸気
透過速度の低下を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的コンポーネ
ントの分野、特にトリフェニルモノホスフェート化合物
及び低級アルキル置換トリフェニルホスフェートエステ
ル化合物を含む組合せ可塑剤を含んでなる保護用トリア
セチルセルロースポリマーフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】可塑化剤は、長い間、溶媒流延三酢酸セ
ルロース(トリアセチルセルロース又はTACとも呼ば
れる)ポリマーフィルムの物理的特性を増強することが
知られている。また、可塑化剤は、流延シート成形及び
乾燥工程の間の溶媒の放出の助けをする。TACフィル
ムは、偏光板製造に於いて大きい市場を見出してきた。
この工程に於いて、染色され、配向されたポリビニルア
ルコール(PVA)シートが、TACシートの保護層の
間に接着される。アセテートカバー層(両側)は、活性
PVA層を、物理的損傷及びPVAに対して化学的分解
を起こさせて、偏光効率の低下になる環境物質から保護
する。水は、特に熱と共に、PVAを溶解して、潜在的
に、活性の配向したPVAシートに変える。熱い高湿度
環境がもたらすものは、配向したPVAの溶解/緩和及
び/又は偏光効果を与える配向した染料の分解、それに
続く偏光効率に於ける低下である。
【0003】保護層の水分又は水蒸気透過に於ける小さ
い減少は、通常の及び高い湿度環境条件下で偏光板の寿
命を改良するであろう。この属性は、自動車でのような
高熱、高湿度状況下で機能し得る、2個の偏光板を含む
液晶ディスプレーのために重要である。
【0004】光学活性PVAシートのための保護カバー
層として、多数の異なったポリマーが提案されてきた。
今日まで、ポリマー押出によって、所望の低い複屈折特
性を有するカバーシートを製造することはできなかっ
た。一般的に、全ての現在の偏光子カバーシートは、溶
媒流延TACから製造されている。現在の工業仕様は、
5ナノメートルよりも小さい複屈折を有するLCD偏光
子カバーシートを必要とする。溶媒流延の利点は、溶媒
が形成されているウエブから出るとき、ポリマーフィル
ムに加えられる極めて低い応力である。溶媒シート流延
には、適当な溶媒中の20〜40%固形ポリマー固体が
含まれる。ポリマー鎖は溶媒系中で移動性であり、ホッ
パーコーティングの応力は、溶媒除去の前に流延表面で
容易に緩和される。低い応力は、低い配向及び付随する
光学的異方性になる。
【0005】押出は溶融/流延方法である。押出ダイ
は、急速に冷却しているポリマーウエブの中に応力を誘
発する。成形されたシートの急速な熱冷却の間に、ポリ
マー緩和の機会はほとんど無い。一層応力がバランスし
たシートを製造するために、テンタリングを使用するこ
とができる。しかしながら、今日までの結果は、偏光子
カバーシートについての低い複屈折の厳しい必要条件に
適合していない。
【0006】TACポリマーは、アセチル化度の変化す
るセルロース鎖主鎖を有する。TACは、セルロース主
鎖上の置換が約2.4〜3のアセチル置換点で変化す
る。セルロース主鎖上での他の置換基は、ヒドロキシル
基、プロピル基又はブチル基であってよい。LCDカバ
ーシートは、2.8〜2.9の範囲内のTAC置換で製
造される。このアセチル置換度は最適ポリマー特性(例
えば、透明性、物理的強度及びポリマー溶解度)を生じ
る。TACはポリマー分子量が高い傾向がある。これ
は、それが形成される極めて大きいセルロース鎖に起因
している。転化工程に於いて、長いセルロース鎖は分子
量が低下し、アセチル化される。セルロース鎖は実際に
は螺旋状である。転化で三酢酸セルロースに付加された
アセチル基はポリマー鎖に嵩高の側鎖基を付加する。こ
れは、嵩高の側鎖基を有する長い螺旋状鎖を有するポリ
マー系になる。TACは、それが融点を有しないので、
熱的に押し出すことはできない(それは、最初に酸化さ
れるであろう)。水素結合もセルロースシート成形に於
いて役割を演じる。急速な水素結合と組み合わさった、
嵩高の側鎖基を有する長い螺旋状ポリマー鎖は、非常に
低いオーダを有するポリマー系になる。それ故、TAC
は、無定形ポリマーシートを形成するのに非常に良好な
ポリマーである。溶媒流延の低い応力と組み合わさった
TACポリマー配向の根本的な不足によって、極めて等
方性のLCDカバーシートのための独特のポリマー系が
形成される。これらの根本的利点は、溶媒流延三酢酸セ
ルロースが、LCDカバーシート応用の大部分を占める
ことを可能にしてきた。
【0007】保護層の低い複屈折は、液晶ディスプレイ
に於ける透明性のために重要である。カバーシート内の
配向は、ポリビニルアルコール活性層内の特別の配向に
反作用して、完全パッケージの偏光効率を損傷する。L
CDスクリーンには、4個のカバーシートと共に2個の
偏光子が含有されている。カバーシート内の不適切な配
向は、また、得られるディスプレイの焦点及び透明性を
低下させるであろう。低遅延カバーシートについての主
なニーズが、工業を、TACシートの万能の受入の方向
に推進してきたが、水の蒸気透過が問題である。
【0008】解決法が提案されてきた。特許文献1に
は、押出成形し及び溶媒流延したポリノルボルネンの使
用が示唆されている。実施例2bは、±5%(40ナノ
メートル)の遅延配向に於けるLCDカバーシート(8
0ミクロン)変動を示している。これは、80ミクロン
LCDカバーシートのために典型的に必要な5ナノメー
トルよりも遙かに大きい。ポリノルボルネンは非常に低
い水分吸収を有するが、光学的遅延は、高品質LCDデ
ィスプレイの必要条件に適合するためには高すぎる。特
許文献1では、また、ポリエチレンテレフタレート及び
ポリカーボネートシートは、劣った遅延品質を有してお
り、LCDディスプレイ画像を歪ませると述べられてい
る。
【0009】代わりの解決法が、特許文献2に示されて
いる。この場合に、偏光素子をサンドイッチ状にするた
めに二重層が使用されている。この場合に、フッ素化ポ
リマーがポリエステル又は酢酸酪酸セルロース内側層の
外側に積層されている。この方法は、製造するために追
加の費用を加える。追加の層は、また、光路境界面を生
じ、光の回折に加わり、光路遅延を増加させ、そして劣
ったLCDスクリーン透明性になる。
【0010】他の提案された解決法は、特許文献3でカ
バーされている。この場合に、押出成形されたポリプロ
ピレン及びポリエチレンの固有的に高い複屈折は意図的
に配向されている。このカバーシートは、それらが積層
されている活性偏光子と同じ方向に配向されている。こ
のアプローチは、カバーシートに於ける光学的異方性の
効果を意図的に制御することを試みる。光の非直交ビー
ムで、カバーシートは、光が偏光層に到達する前に光に
配向を与えるであろう。このアプローチの欠点は、カバ
ーシートの配向が、得られるLCDスクリーンの無歪み
視野角を非常に狭くするであろうことである。この方法
に伴う他の問題点は、2個の異方性カバーシートの正確
な配向についての必要条件である。カバーシートがお互
い及び活性偏光層に対して正確に配向されていないと、
偏光子効率の劣化が存在するであろう。
【0011】水の蒸気透過性を低下させるための他の方
法は、TACカバーシート中に可塑剤としてしばしば存
在する成分である、トリフェニルホスフェート(TP
P)のレベルを上昇させることである。これは、TAC
シートについて水の蒸気透過に於ける適度の低下になる
が、これは殆ど、所望されるように有効ではない。更に
重要なことに、カバーシートの中へのTPP含有を単純
に増加させることに伴う他の困難性が存在する。TPP
は移動性であり、シート硬化の間にシート表面が崩落し
たときシート表面の方に移動する。これによって、シー
ト形成機械に於けるTPP発生汚れ問題が起こる。これ
は表面欠陥及び追加の機械クリーニング費用になる。表
面TPPに富んだシートは、また、偏光子積層困難を起
こし、この富化表面は一層多孔質になり、かき傷がつき
やすくなるであろう。TAC偏光子カバーシートには、
一般的に、TACシート中に10〜12重量%のTPP
が含有されている。このレベルが15重量%にまで上昇
すると、TACシートの機械的特性は望ましくないよう
に低下するであろう。カバーシートの引張特性が過剰の
TPP添加により低下するとき、望ましくないポリマー
延伸の危険が増加する。カバーシートは、シート及び偏
光子積層物を形成するために必要な日常的な取り扱いの
間に、延伸/配向を一層受けやすくなるので、これは望
ましくない結果である。
【0012】特許文献3には、水分耐久性を改良するた
めに、TAC保護フィルムと共に又はTAC保護フィル
ムの代わりに使用することができる、幾つかの保護材料
が示唆されている。全て、非常に低い水蒸気透過速度
(WVTR又はMVTR、水分蒸気透過速度)(典型的
に、10g未満/(m・日))を有している。これら
の示唆された材料の何れもが、現在、LCD市場のため
の偏光子の製造で使用されていないことが明らかであ
る。TACの優れた光学的特性は、それがほぼ400〜
600g/(m・日)の水蒸気透過速度を有していて
も、TACフィルムによって製造された偏光子の低下し
た耐久性に打ち勝っている。
【0013】その他の関連文献として非特許文献1があ
る。
【特許文献1】米国特許第5,516,456号
【特許文献2】米国特許第4,416,946号
【特許文献3】米国特許第4,564,545号
【非特許文献1】Gamble等著「Triacetyl Cellulose Fi
lm With Reduced Water Transmission Property」
【0014】
【発明が解決しようとする課題】解決すべき問題点は、
水の蒸気透過速度が低下したTACフィルムを提供する
ことである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)非置換
トリフェニルホスフェート化合物及び(b)低級アルキ
ル置換トリフェニルホスフェートエステルを含んでなる
トリアセチルセルロースフィルムを提供する。このよう
なフィルムは、低下した水の蒸気透過速度を示す。
【0016】本発明は、更に、(a)フィルムの少なく
とも6重量%の非置換トリフェニルホスフェート化合物
及び(b)フィルムの少なくとも1重量%の完全にエス
テル化された低級アルキル置換トリフェニルホスフェー
トエステル化合物を含有する組合せ可塑剤を含むトリア
セチルセルロースフィルムを提供する。
【0017】更に、流延の前に上記の可塑化成分をセル
ロースドープに添加することを含んでなる、トリアセチ
ルセルロースフィルムの水の蒸気透過耐性の改良方法が
提供される。また、このフィルムの積層物を含む偏光子
素子、この偏光子素子を含む液晶画像形成素子及びこの
液晶素子を含む光学デバイスが提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】一つの態様に於いて、本発明のフ
ィルムは、(a)非置換トリフェニルホスフェート化合
物及び(b)低級アルキル置換トリフェニルホスフェー
トエステル化合物を含むトリアセチルセルロース(TA
C)フィルムを含んでなる。
【0019】「低級アルキル」によって、炭素数12未
満、典型的に炭素数8未満のアルキル基を含むことが意
味される。t−ブチルのようなブチル基を使用する態様
が有用であると見出された。このアルキル基は、必須で
はないが、置換されていてよい。
【0020】このTACフィルムは、フィルムの全部又
は主要部分が三酢酸セルロースであるポリマーフィルム
である。任意の公知の原料又は添加物をこのフィルムで
使用することができる。このTACポリマーの平均アセ
チル価は、好ましくは50〜70%の範囲内、特に55
〜65%の範囲内である。重量平均分子量は、好ましく
は150,000〜250,000、特に180,00
0〜220,000の範囲内である。酢酸セルロースの
多分散度指数(数平均分子量で割った重量平均分子量)
は、典型的には2〜7、特に2.5〜4の範囲内であ
る。酢酸セルロースは、アセチル価がこの範囲を満足す
る限り、プロピオン酸又は酪酸のような脂肪酸を使用し
てエステル化することができる。他の場合に、酢酸セル
ロースには、アセチル価がこの範囲を満足する限り、プ
ロピオン酸セルロース又は酪酸セルロースのような他の
セルロースエステルが含有されていてよい。
【0021】酢酸セルロースフィルムには、一般的に可
塑剤が含有される。可塑剤の例には、トリフェニルホス
フェート、ビフェニリルフェニルホスフェート、トリク
レジルホスフェート及びクレジルジフェニルホスフェー
トのようなリン酸エステル並びにフタル酸ジエチル、フ
タル酸ジメトキシフェニル、グリコール酸エチルフタリ
ルエチル及びフタル酸ジメチルのようなフタル酸エステ
ルが含まれる。合計可塑剤は、好ましくはフィルム中
に、20重量%以下の量で含有され、一般的に5〜15
重量%の範囲内である。
【0022】化合物(b)である低級アルキル置換フェ
ニルホスフェートエステルは、成分(b)を含まない同
じフィルムに比較して、フィルムの水の蒸気透過速度を
低下させるのに十分なように選択される。特に有用な例
は、モノ(t−ブチルフェニル)ジフェニルホスフェー
ト、ジ(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート及
びトリ(t−ブチルフェニル)ホスフェートである。混
合物が便利に使用される。
【0023】成分(b)のための適当な化合物は、式
(I): (CO−)nP(=O)(−OCR)m (I) (式中、少なくとも1個のR基は独立に選択された炭素
数12未満の低級アルキル基であり、mは少なくとも1
であり、そしてm+n=3である)によって表される。
本発明の有用な態様には、これらに限定されないが、R
がブチル、例えばt−ブチル基のような炭素数8未満の
基であるものが含まれる。
【0024】本発明は、更に、(a)可塑剤の55〜9
4重量%の非置換トリフェニルホスフェート化合物及び
(b)可塑剤の6〜45重量%の低級アルキル置換フェ
ニルホスフェートエステル化合物を含むトリアセチルセ
ルロースフィルムを提供する。本発明は、また、水の蒸
気透過性の低いフィルムの形成方法、このようなTAC
フィルム層を含む偏光子素子、液晶画像形成素子及び光
学デバイスを提供する。
【0025】このTACフィルムの化合物(a)の分量
は、望ましくは、フィルムの6〜15重量%、典型的に
10〜12重量%である。成分(b)は、適当にはフィ
ルムの1〜5重量%、典型的には1〜4重量%の量で存
在する。所望により、成分(b)は「n」の異なった値
を有する式(I)の化合物の混合物のような1種又はそ
れ以上の化合物からなっていてよい。
【0026】このTACフィルムは、望ましくは80ミ
クロン厚さのフィルムの遅延(retardation)が5nm
よりも小さいような複屈折を示す。このフィルムは、適
当には、セルロース単位当たり2.4〜3、典型的に
2.7〜2.9部位のトリアセチルセルロースのアセチ
ル化度を有する。このフィルムの重量平均分子量は、一
般には150,000〜250,000又は典型的に1
80,000〜220,000である。
【0027】実施例に示されるように、TACフィルム
に改良された水の蒸気透過耐性を与える方法は、流延の
前に可塑化成分をセルロースドープに添加することから
なる。
【0028】本発明の偏光子素子は、本発明のフィルム
の積層物を有する偏光子を含む。液晶画像形成素子は、
このような偏光子を含む。本発明の光学デバイスには、
このような液晶素子が含まれる。
【0029】LCDカバーシート水蒸気透過速度は、高
い湿度及び温度条件で偏光板の安定性のために重要であ
る。TACカバーシートは、水溶性PVA偏光子を、緩
和/溶解及び得られる偏光効率の低下から保護するため
に必要とされる。
【0030】追加のTPPは、TACカバーシート中の
水分透過をごく僅か低下させるであろうが、望ましくな
いTPP移動はシート濃度の関数である。シート内の1
1%を越えるTPPレベルは、TACシート表面上の過
剰のTPPブルームに至るであろう。これは表面欠陥を
生じ、得られるカバーシートは一層引っ掻きを受けやす
い。ここで試験した代わりの可塑剤は、シート表面に移
動し、美欠陥を作る傾向を示さなかった。
【0031】試験した可塑剤の中で、低級アルキル置換
フェニルホスフェートエステル化合物は、完全に乾燥し
たシート内でWVTRを低下させる際に成功であった
(そしてまた、未処理の加工したシートとして2〜3重
量%の残留溶媒を含有していた)。特に良好な可塑剤
は、完全にエステル化した低級アルキルフェニルホスフ
ェートエステルの混合物である。
【0032】15重量%を越えるTPP及び追加物の組
合せた量を使用することは、一般的に、フィルムを延伸
する能力を限定する引張強度の低下のために望ましくな
い。
【0033】他の方法で特に記載しない限り、用語
「基」、「置換」又は「置換基」の使用は、水素以外の
任意の基又は原子を意味する。更に、本明細書に於い
て、置換可能な水素を含有する化合物又は基を参照する
とき、置換されていない形のみならず、置換基が意図す
る有用性のために必要な特性を破壊しない限り、本明細
書に記載されたような任意の置換基又は置換基群で更に
置換されたその形をも包含することが意図される。適当
には、置換基は、ハロゲンであってよいか又は炭素、ケ
イ素、酸素、窒素、リン若しくは硫黄の原子によって分
子の残りに結合されていてよい。置換基は、また、例え
ば、塩素、臭素若しくはフッ素のようなハロゲン;ニト
ロ;ヒドロキシル;シアノ;カルボキシル又は更に置換
されていてよい基、例えば、メチル、トリフルオロメチ
ル、エチル、t−ブチル、3−(2,4−ジ−t−ペン
チルフェノキシ)プロピル、シクロヘキシル及びテトラ
デシルのような、直鎖若しくは分枝鎖若しくは環式アル
キルを含むアルキル;エチレン、2−ブテンのようなア
ルケニル;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ、2−メトキシエトキシ、sec−ブトキシ、ヘキシ
ルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、テトラデシルオ
キシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エ
トキシ及び2−ドデシルオキシエトキシのようなアルコ
キシ;フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4,6
−トリメチルフェニル、ナフチルのようなアリール;フ
ェノキシ、2−メチルフェノキシ、α−若しくはβ−ナ
フチルオキシ及び4−トリルオキシのようなアリールオ
キシ;アセトアミド、ベンズアミド、ブチルアミド、テ
トラデカンアミド、α−(2,4−ジ−t−ペンチルフ
ェノキシ)アセトアミド、α−(2,4−ジ−t−ペン
チルフェノキシ)ブチルアミド、α−(3−ペンタデシ
ルフェノキシ)−ヘキサンアミド、α−(4−ヒドロキ
シ−3−t−ブチルフェノキシ)テトラデカンアミド、
2−オキソ−ピロリジン−1−イル、2−オキソ−5−
テトラデシルピロリン−1−イル、N−メチルテトラデ
カンアミド、N−スクシンイミド、N−フタルイミド、
2,5−ジオキソ−1−オキサゾリジニル、3−ドデシ
ル−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリル、N−アセチ
ル−N−ドデシルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、
フェノキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ、ヘキサデシルオキシカルボニルアミノ、2,
4−ジ−t−ブチルフェノキシカルボニルアミノ、フェ
ニルカルボニルアミノ、2,5−(ジ−t−ペンチルフ
ェニル)カルボニルアミノ、p−ドデシルフェニルカル
ボニルアミノ、p−トリルカルボニルアミノ、N−メチ
ルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−メチル−
N−ドデシルウレイド、N−ヘキサデシルウレイド、
N,N−ジオクタデシルウレイド、N,N−ジオクチル
−N′−エチルウレイド、N−フェニルウレイド、N,
N−ジフェニルウレイド、N−フェニル−N−p−トリ
ルウレイド、N−(m−ヘキサデシルフェニル)ウレイ
ド、N,N−(2,5−ジ−t−ペンチルフェニル)−
N′−エチルウレイド及びt−ブチルカルボンアミドの
ようなカルボンアミド;メチルスルホンアミド、ベンゼ
ンスルホンアミド、p−トリルスルホンアミド、p−ド
デシルベンゼンスルホンアミド、N−メチルテトラデシ
ルスルホンアミド、N,N−ジプロピルスルファモイル
アミノ及びヘキサデシルスルホンアミドのようなスルホ
ンアミド;N−メチルスルファモイル、N−エチルスル
ファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−
ヘキサデシルスルファモイル、N,N−ジメチルスルフ
ァモイル、N−[3−(ドデシルオキシ)プロピル]ス
ルファモイル、N−[4−(2,4−ジ−t−ペンチル
フェノキシ)ブチル]スルファモイル、N−メチル−N
−テトラデシルスルファモイル及びN−ドデシルスルフ
ァモイルのようなスルファモイル;N−メチルカルバモ
イル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−オクタデシ
ルカルバモイル、N−[4−(2,4−ジ−t−ペンチ
ルフェノキシ)ブチル]カルバモイル、N−メチル−N
−テトラデシルカルバモイル及びN,N−ジオクチルカ
ルバモイルのようなカルバモイル;アセチル、(2,4
−ジ−t−アミルフェノキシ)アセチル、フェノキシカ
ルボニル、p−ドデシルオキシフェノキシカルボニル、
メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、テトラデシ
ルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオ
キシカルボニル、3−ペンタデシルオキシカルボニル及
びドデシルオキシカルボニルのようなアシル;メトキシ
スルホニル、オクチルオキシスルホニル、テトラデシル
オキシスルホニル、2−エチルヘキシルオキシスルホニ
ル、フェノキシスルホニル、2,4−ジ−t−ペンチル
フェノキシスルホニル、メチルスルホニル、オクチルス
ルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ドデシルス
ルホニル、ヘキサデシルスルホニル、フェニルスルホニ
ル、4−ノニルフェニルスルホニル及びp−トリルスル
ホニルのようなスルホニル;ドデシルスルホニルオキシ
及びヘキサデシルスルホニルオキシのようなスルホニル
オキシ;メチルスルフィニル、オクチルスルフィニル、
2−エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニ
ル、ヘキサデシルスルフィニル、フェニルスルフィニ
ル、4−ノニルフェニルスルフィニル及びp−トリルス
ルフィニルのようなスルフィニル;エチルチオ、オクチ
ルチオ、ベンジルチオ、テトラデシルチオ、2−(2,
4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エチルチオ、フェニ
ルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ
及びp−トリルチオのようなチオ;アセチルオキシ、ベ
ンゾイルオキシ、オクタデカノイルオキシ、p−ドデシ
ルアミドベンゾイルオキシ、N−フェニルカルバモイル
オキシ、N−エチルカルバモイルオキシ及びシクロヘキ
シルカルボニルオキシのようなアシルオキシ;フェニル
アニリノ、2−クロロアニリノ、ジエチルアミン、ドデ
シルアミンのようなアミン;1−(N−フェニルイミ
ド)エチル、N−スクシンイミド若しくは3−ベンジル
ヒダントイニルのようなイミノ;ジメチルホスフェート
及びエチルブチルホスフェートのようなホスフェート;
ジエチルホスファイト及びジヘキシルホスファイトのよ
うなホスファイト;2−フリル、2−チエニル、2−ベ
ンズイミダゾリルオキシ若しくは2−ベンゾチアゾリル
のような複素環式基、複素環式オキシ基若しくは複素環
式チオ基(これらのそれぞれは、置換されていてよく、
炭素原子並びに酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択
された少なくとも1種のヘテロ原子から構成された3〜
7員の複素環式環を含有する);トリエチルアンモニウ
ムのような第四級アンモニウム並びにトリメチルシリル
オキシのようなシリルオキシであってよい。
【0034】所望により、この置換基は、それ自体、記
載した置換基で1回又はそれ以上更に置換されていてよ
い。使用される具体的な置換基は、具体的な応用のため
に所望の望ましい特性を達成するために、当業者によっ
て選択することができ、これには、例えば、疎水性基、
可溶化基、ブロック基及び離脱(releasing)又は離脱可
能基が含まれてよい。分子が2個又はそれ以上の置換基
を有してよいとき、他の方法で規定されない限り、置換
基は一緒に結合して縮合環のような環を形成することが
できる。一般的に、上記の基及びその置換基には、炭素
数48以下、典型的に炭素数1〜36、通常炭素数24
未満のものが含まれてよいが、選択された特別の置換基
に依存して、より大きい数が可能である。
【0035】本発明は、任意の液晶ディスプレイデバイ
スと関連させて使用することができ、その典型的な配列
を以下に説明する。液晶(LC)は、電子ディスプレイ
のために広く使用されている。これらのディスプレイシ
ステムに於いて、LC層は、典型的に、偏光子層と検光
子層との間に配置され、定位軸(normal axis)に対して
層を通過する方位ねじれを示す配向ベクトルを有する。
この検光子は、その吸収軸が偏光子の吸収軸に対して垂
直であるように配向されている。偏光子によって偏光さ
れた入射光は、液晶セルを通過し、セルを横切る電圧の
適用により変化させることができる、液晶中の分子配向
により影響を受ける。この原理を使用することによっ
て、環境光を含む外部光源からの光の透過を制御するこ
とができる。この制御を達成するために必要なエネルギ
ーは、一般的に、陰極線管のような他のディスプレイで
使用される蛍光材料のために必要とされるものよりも遙
かに小さい。従って、LC技術は、これらに限定されな
いが、軽量、低電力消費量及び長い操作寿命が重要な特
徴である、デジタル時計、電卓、ポータブルコンピュー
タ、電子ゲームを含む多数の応用のために使用される。
【0036】アクティブマトリクス液晶ディスプレイ
(LCD)では、各液晶ピクセルを駆動するためのスイ
ッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)が使用
される。これらのLCDは、個々の液晶ピクセルを選択
的に駆動させることができるので、クロストーク無しに
より高い精細度の画像を表示することができる。光学モ
ード干渉(OMI)ディスプレイは、「通常は白」であ
る、即ち、光はオフ状態でディスプレイ層を透過する液
晶ディスプレイである。「膜補償超ねじれネマチック(f
ilm-compensated super-twisted nematic)」(FST
N)LCDは通常は黒である。即ち、光透過は、電圧が
掛けられていないときオフ状態で阻止される。OMIデ
ィスプレイは、報告によれば、より速い応答時間及びよ
り広い作動温度範囲を有する。
【0037】白熱電球から又は太陽からの通常の光は、
ランダムに偏光している。即ち、これには、全ての可能
性のある方向に配向している波が含まれる。偏光子は、
入射光ビームから二つの垂直平面偏光成分の一つを選択
的に除去することによって、光のランダムに偏った
(「偏っていない」)ビームを、偏ったビームに転換す
る機能をする二色性材料である。直線偏光子は、液晶デ
ィスプレイ(LCD)デバイスの重要な成分である。
【0038】LCDデバイスで使用するための十分な光
学的性能を有する高二色比偏光子の幾つかの種類が存在
する。これらの偏光子は、一つの偏光成分を透過する
が、他の相互に直交する成分を吸収する(この効果は、
二色性として知られている)材料の薄いシートから製造
される。最も一般的に使用されるプラスチックシート偏
光子は、PVAポリマー鎖をほぼ平行な様式で整列する
薄い一軸延伸ポリビニルアルコール(PVA)フィルム
から構成されている。次いで、整列したPVAを、PV
Aに吸着し、PVAによって一軸に配向されるようにな
って、中性グレー色を有する高度に異方性のマトリック
スを作る、ヨウ素分子又は着色二色染料の組合せでドー
プする(例えば、EP第0 182 632 A2号、住友化学工業
株式会社、参照)。この壊れやすいPVAフィルムを機
械的に支持するために、次いで、これを、両側に、トリ
アセチルセルロース(TAC)の堅い層又は同様の支持
体で積層する。
【0039】コントラスト、色再生及び安定なグレース
ケール強度は、液晶技術を使用する電子ディスプレイの
重要な品質属性である。液晶ディスプレイのコントラス
トを制限する主な要因は、暗又は「黒」ピクセル状態に
ある液晶素子又はセルを通過する「漏れ」に対する光に
ついての性質である。更に、液晶ディスプレイの漏れ及
びそれでコントラストは、ディスプレイスクリーンを見
る角度にも依存する。典型的に、最適コントラストは、
ディスプレイへの垂直入射の周りを中心とする狭い視野
角の内でのみ観察され、視野角が増加したとき急速に落
ちる。カラーディスプレイに於いて、漏れ問題はコント
ラストを劣化させるのみならず、カラー再生の付随する
劣化を伴って色又は色相シフトを起こす。黒状態光漏れ
に加えて、典型的なねじれネマチック液晶ディスプレイ
に於ける狭い視野角問題は、液晶材料の光学的異方性の
ために、視野角の関数としての輝度−電圧曲線内のシフ
トによって悪くなる。
【0040】
【実施例】トリフェニルホスフェートと組み合わせて種
々の添加物を使用して得られた水の蒸気透過速度を比較
するために、サンプルを製造した。このサンプルは以下
のようにして製造した。
【0041】サンプルは、69.8重量%の塩化メチレ
ン、8重量%のメタノール、2重量%のブタノール、1
8重量%の三酢酸セルロース及び2.2重量%のトリフ
ェニルホスフェートを均一に混合することによって製造
した。この材料を、加熱(90℃)及び溶媒混合物の蒸
気圧によって加えられた圧力(3.5kg/cmゲー
ジ(50psig)で密閉した容器)下で、8時間攪拌
した。この得られたセルロースドープを濾過し、それを
ポンプ輸送することができる装置の中に入れた。別のポ
ンプを有する注入部を使用して、50重量%の塩化メチ
レン及び50重量%の添加物化合物の混合物を添加し
た。この注入は、2又は4重量%の可塑剤(乾燥シート
CTA+TPPに比較したとき)を、流れるドープ流に
添加するために正確なスケールで計量した。次いで、こ
のドープ流を、4個のスタティックミキサーに通過させ
て、均一なドープ溶液を製造した。このドープ溶液を、
ホッパー(ダイ)から高度に研磨した流延ドラムの上に
流延した。溶媒を蒸発させ、約2分間の乾燥時間の後
で、流延フィルムを流延表面から剥がした。このサンプ
ルシートを、強制空気オーブン内で125℃で更なる乾
燥に付した。次いで、サンプルを、GCヘッドスペース
測定により乾燥度についてモニターした。
【0042】特別の可塑剤種類が「WVTR低下剤」と
しての利点を与える可能性を調査するために、11%の
TPPを含有するドープに添加した、2%及び4%レベ
ルでの種々の代わりの共可塑剤添加物を使用して、実験
を実施した。得られたサンプルを乾燥させ、試験した。
水の蒸気透過速度(WVTR)は、ASTM試験方法F
1249を使用して、37.8℃及び100%RHの公
知の試験条件で5cm 永久金属マスクを利用する、モ
コン(Mocon)3/31水の蒸気透過試験システムから得
た。15時間後に、重複測定値を平均した。
【0043】ここで使用した化合物b−1は、ソルチア
社(Solutia, Inc)によって、サンティサイザー(Santici
zer)(登録商標)154として供給され、43〜44重
量%のp−t−ブチルフェニルジフェニルホスフェー
ト、14重量%のジ−p−t−ブチルフェニルモノフェ
ニルホスフェート、2重量%のトリ−p−t−ブチルフ
ェニルホスフェート及び40〜41重量%のトリフェニ
ルホスフェートからなる4種のトリフェニルホスフェー
トの混合物からなる。
【0044】
【表1】
【0045】この結果は、本発明の組合せ(例13及び
14)が、成分(b)を含まない対照サンプル1及び2
に比較して並びに成分(b)の代わりに代替添加物を含
有するサンプル3〜12に比較して、水の蒸気透過速度
が低下することを示している。望ましくは、式(I)中
の少なくとも1個のR基は、ブチル基、例えばt−ブチ
ル基のような、独立に選択された炭素数8未満の低級ア
ルキル基である。適当には、(b)は、2種又はそれ以
上の、それぞれ、1、2及び3からなる群から選択され
たnを有する完全にエステル化されたホスフェートエス
テル化合物の混合物である。
【0046】フィルム中の化合物(a)は、好ましく
は、フィルムの10〜12重量%の量で存在する。トリ
アセチルセルロースのアセチル化度は、セルロース単位
当たり2.4〜3部位、典型的に、2.7〜2.9部位
である。トリアセチルセルロースの重量平均分子量は、
150,000〜250,000、適当には180,0
00〜220,000の範囲内である。
【0047】トリアセチルセルロースフィルムに水の蒸
気透過耐性を改良するのに有用である本発明の方法は、
流延の前に請求項1に記載の成分をセルロース性ドープ
に添加することからなる。
【0048】光学デバイスには、本発明の液晶素子が含
まれる。
【0049】本発明のトリアセチルセルロースフィルム
の態様には、(a)フィルムの少なくとも6重量%の非
置換トリフェニルホスフェート化合物及び(b)フィル
ムの少なくとも1重量%の完全にエステル化された低級
アルキル置換トリフェニルホスフェートエステル化合物
を含む可塑剤の組合せが含まれる。
【0050】本明細書中で参照した特許及び他の刊行物
の全内容を、参照して本明細書に含める。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョセフ エル.リッパート アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,ピックウィック ドライブ 122 Fターム(参考) 2H049 BA02 BB33 BC09 BC22 2H091 FA08X FA08Z FB02 FB12 FC01 FC07 FD06 FD14 HA07 HA10 KA02 LA06 4F071 AA09 AC15 AE04 AF09 AH19 4J002 AB021 EW046 EW047 FD026 FD027 GP00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)非置換トリフェニルホスフェート
    化合物及び(b)低級アルキル置換トリフェニルホスフ
    ェートエステル化合物を含んでなるトリアセチルセルロ
    ースフィルム。
  2. 【請求項2】 化合物(b)が、化合物(b)を含まな
    い同じフィルムに比較して、フィルムの水蒸気透過速度
    を低下させるのに十分な量で存在する請求項1に記載の
    フィルム。
  3. 【請求項3】 化合物(b)が完全にエステル化された
    ホスフェート化合物である請求項1に記載のフィルム。
  4. 【請求項4】 化合物(b)が、モノ(アルキルフェニ
    ル)−ジ(非置換フェニル)ホスフェートエステル、ジ
    (アルキルフェニル)−モノ(非置換フェニル)ホスフ
    ェートエステル又はトリ(アルキルフェニル)−ホスフ
    ェートエステル化合物である請求項3に記載のフィル
    ム。
  5. 【請求項5】 化合物(b)が、式(I): (CO−)nP(=O)(−OCR)m (I) (式中、少なくとも1個のR基は独立に選択された炭素
    数12未満の低級アルキル基であり、mは少なくとも1
    であり、そしてm+n=3である)によって表される請
    求項3に記載のフィルム。
  6. 【請求項6】 フィルム中の化合物(a)の全量がフィ
    ルムの6〜15重量%である請求項1に記載のフィル
    ム。
  7. 【請求項7】 フィルム中の化合物(b)の全量がフィ
    ルムの1〜5重量%である請求項1に記載のフィルム。
  8. 【請求項8】 トリアセチルセルロースフィルムが80
    ミクロン厚さのフィルムの遅延が5nmより小さいよう
    な複屈折を示す請求項1に記載のフィルム。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のフィルムの積層物を含
    んでなる偏光子素子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の偏光子素子を含んで
    なる液晶画像形成素子。
JP2002360656A 2001-12-13 2002-12-12 水透過性の低いトリアセチルセルロースフィルム Expired - Fee Related JP4223794B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/017787 2001-12-13
US10/017,787 US6746732B2 (en) 2001-12-13 2001-12-13 Triacetyl cellulose film with reduced water transmission property

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003231776A true JP2003231776A (ja) 2003-08-19
JP4223794B2 JP4223794B2 (ja) 2009-02-12

Family

ID=21784543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002360656A Expired - Fee Related JP4223794B2 (ja) 2001-12-13 2002-12-12 水透過性の低いトリアセチルセルロースフィルム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6746732B2 (ja)
JP (1) JP4223794B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006176596A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Daicel Chem Ind Ltd セルロースエステル系樹脂組成物
WO2008090677A1 (ja) * 2007-01-25 2008-07-31 Konica Minolta Opto, Inc. セルロースエステルペレット、セルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7252733B2 (en) * 2004-05-04 2007-08-07 Eastman Kodak Company Polarizer guarded cover sheet with adhesion promoter
TWI567432B (zh) 2004-11-09 2017-01-21 Zeon Corp A polarizing plate, a manufacturing method thereof, and a liquid crystal display device
US7662456B2 (en) * 2005-12-12 2010-02-16 Eastman Kodak Company Guarded cover sheet for LCD polarizers and method of making the same
US20110319531A1 (en) 2010-06-29 2011-12-29 Eastman Chemical Company Cellulose ester compositions
US9273195B2 (en) 2010-06-29 2016-03-01 Eastman Chemical Company Tires comprising cellulose ester/elastomer compositions
US20130150484A1 (en) 2011-12-07 2013-06-13 Eastman Chemical Company Cellulose esters in pneumatic tires
KR101540155B1 (ko) * 2013-10-14 2015-07-28 주식회사 씨티씨 투명성이 향상된 트리아세틸 셀룰로오스 필름 및 이의 제조방법
US10077342B2 (en) 2016-01-21 2018-09-18 Eastman Chemical Company Elastomeric compositions comprising cellulose ester additives

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH623660A5 (ja) * 1977-12-16 1981-06-15 Bbc Brown Boveri & Cie
US4416946A (en) 1982-04-05 1983-11-22 American Hoechst Corporation High stability polarizer
JPH0612362B2 (ja) 1983-03-01 1994-02-16 住友化学工業株式会社 耐久性の優れた偏光板
US5516456A (en) 1994-02-24 1996-05-14 Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. Liquid crystal display panel
JP4081849B2 (ja) * 1998-04-28 2008-04-30 コニカミノルタホールディングス株式会社 セルロースアシレート溶液の調製方法、セルロースアシレートフィルムの製造方法
US6242631B1 (en) * 1998-09-21 2001-06-05 Akzo Nobel Nv Triaryl phosphate ester composition

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006176596A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Daicel Chem Ind Ltd セルロースエステル系樹脂組成物
WO2008090677A1 (ja) * 2007-01-25 2008-07-31 Konica Minolta Opto, Inc. セルロースエステルペレット、セルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置
US8142864B2 (en) 2007-01-25 2012-03-27 Konica Minolta Opto, Inc. Cellulose ester pellets, cellulose ester film, manufacturing method of cellulose ester film, polarizing plate, and liquid crystal display
KR101367041B1 (ko) 2007-01-25 2014-03-10 코니카 미놀타 어드밴스드 레이어즈 인코포레이티드 셀룰로오스 에스테르 펠릿, 셀룰로오스 에스테르 필름, 셀룰로오스 에스테르 필름의 제조 방법, 편광판 및 액정 표시 장치
JP5446270B2 (ja) * 2007-01-25 2014-03-19 コニカミノルタ株式会社 セルロースエステルペレット、セルロースエステルフィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4223794B2 (ja) 2009-02-12
US6746732B2 (en) 2004-06-08
US20030118753A1 (en) 2003-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4261175B2 (ja) 水透過性の低いトリアセチルセルロースフィルム
JP5237730B2 (ja) 光学フィルム、偏光板、及びvaモード液晶表示装置
JP5222064B2 (ja) セルロースアシレート積層フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置
JP4856995B2 (ja) 光学樹脂フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP4223794B2 (ja) 水透過性の低いトリアセチルセルロースフィルム
JP2007009181A (ja) セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP5250082B2 (ja) ポリマーフィルム、位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置及び紫外線吸収剤
JP5232465B2 (ja) 長尺光学積層体の製造方法、長方形状光学積層体の製造方法、及び液晶パネル
JP2012133386A (ja) 光学フィルム並びにそれを用いた光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2010024423A (ja) セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2006096023A (ja) セルロースアシレートフィルム、その製造方法、光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP2010215878A (ja) セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP5140520B2 (ja) セルロースエステルフィルムの製造方法、位相差フィルム、それを用いた偏光板、及び液晶表示装置
JP6156367B2 (ja) 位相差フィルムの製造方法
JP2009269970A (ja) 光学フィルム
KR101197069B1 (ko) 셀룰로오즈 아실레이트 필름, 광학 보상 필름, 편광판 및액정 표시장치
JP5046606B2 (ja) ポリマーフィルム、これを用いた偏光板及び液晶表示装置
US20090202748A1 (en) Resin film, production method thereof, polarizing plate and liquid crystal display device
JP2005242337A (ja) ポリマーフィルムおよびポリマー溶液の調製方法
JP5699519B2 (ja) 位相差フィルム、位相差フィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置
JP2004243628A (ja) セルロースエステルフィルム、その製造方法、光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP4813217B2 (ja) 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2010024424A (ja) セルロースエステルフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2007293180A (ja) 光学補償シートおよびその製造方法、偏光板、ならびに液晶表示装置
JP5878449B2 (ja) セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081021

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131128

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees