JP2003231437A - 車イス用乗降装置を備えた自動車 - Google Patents

車イス用乗降装置を備えた自動車

Info

Publication number
JP2003231437A
JP2003231437A JP2002033261A JP2002033261A JP2003231437A JP 2003231437 A JP2003231437 A JP 2003231437A JP 2002033261 A JP2002033261 A JP 2002033261A JP 2002033261 A JP2002033261 A JP 2002033261A JP 2003231437 A JP2003231437 A JP 2003231437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor
lifting
wheelchair
partition
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002033261A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003231437A5 (ja
Inventor
Kazuhiko Kami
一彦 香味
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2002033261A priority Critical patent/JP2003231437A/ja
Priority to PCT/JP2003/001350 priority patent/WO2003065961A1/ja
Priority to KR10-2004-7009955A priority patent/KR20040077685A/ko
Publication of JP2003231437A publication Critical patent/JP2003231437A/ja
Publication of JP2003231437A5 publication Critical patent/JP2003231437A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60PVEHICLES ADAPTED FOR LOAD TRANSPORTATION OR TO TRANSPORT, TO CARRY, OR TO COMPRISE SPECIAL LOADS OR OBJECTS
    • B60P1/00Vehicles predominantly for transporting loads and modified to facilitate loading, consolidating the load, or unloading
    • B60P1/44Vehicles predominantly for transporting loads and modified to facilitate loading, consolidating the load, or unloading having a loading platform thereon raising the load to the level of the load-transporting element
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60PVEHICLES ADAPTED FOR LOAD TRANSPORTATION OR TO TRANSPORT, TO CARRY, OR TO COMPRISE SPECIAL LOADS OR OBJECTS
    • B60P1/00Vehicles predominantly for transporting loads and modified to facilitate loading, consolidating the load, or unloading
    • B60P1/44Vehicles predominantly for transporting loads and modified to facilitate loading, consolidating the load, or unloading having a loading platform thereon raising the load to the level of the load-transporting element
    • B60P1/4414Vehicles predominantly for transporting loads and modified to facilitate loading, consolidating the load, or unloading having a loading platform thereon raising the load to the level of the load-transporting element and keeping the loading platform parallel to the ground when raising the load
    • B60P1/4435Vehicles predominantly for transporting loads and modified to facilitate loading, consolidating the load, or unloading having a loading platform thereon raising the load to the level of the load-transporting element and keeping the loading platform parallel to the ground when raising the load the loading platform being suspended by wires, chains or the like from horizontal rails, e.g. the rails forming part of the vehicle floor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61GTRANSPORT, PERSONAL CONVEYANCES, OR ACCOMMODATION SPECIALLY ADAPTED FOR PATIENTS OR DISABLED PERSONS; OPERATING TABLES OR CHAIRS; CHAIRS FOR DENTISTRY; FUNERAL DEVICES
    • A61G3/00Ambulance aspects of vehicles; Vehicles with special provisions for transporting patients or disabled persons, or their personal conveyances, e.g. for facilitating access of, or for loading, wheelchairs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61GTRANSPORT, PERSONAL CONVEYANCES, OR ACCOMMODATION SPECIALLY ADAPTED FOR PATIENTS OR DISABLED PERSONS; OPERATING TABLES OR CHAIRS; CHAIRS FOR DENTISTRY; FUNERAL DEVICES
    • A61G3/00Ambulance aspects of vehicles; Vehicles with special provisions for transporting patients or disabled persons, or their personal conveyances, e.g. for facilitating access of, or for loading, wheelchairs
    • A61G3/02Loading or unloading personal conveyances; Facilitating access of patients or disabled persons to, or exit from, vehicles
    • A61G3/06Transfer using ramps, lifts or the like
    • A61G3/066Transfer using ramps, lifts or the like using a lowering device for a part of the floor of the vehicle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60PVEHICLES ADAPTED FOR LOAD TRANSPORTATION OR TO TRANSPORT, TO CARRY, OR TO COMPRISE SPECIAL LOADS OR OBJECTS
    • B60P1/00Vehicles predominantly for transporting loads and modified to facilitate loading, consolidating the load, or unloading
    • B60P1/003Vehicles predominantly for transporting loads and modified to facilitate loading, consolidating the load, or unloading vehicles with loading gates

Abstract

(57)【要約】 【課題】利用者の乗降スペースを車室面積内に確保する
ことで、車外に余分なスペースを要せず、狭い場所でも
乗降が容易なので乗降場所に限定がなく、かつ雨、雪、
強風などの気象条件にも対応でき、安全性の高い、車イ
ス用乗降装置を備えた自動車を提供する。 【解決手段】車両本体の後部に開閉可能な開口部11を
有し、互いに平行に間隙をあけた2本のサイドフレーム
を車両長さ方向に沿って有する。車イス用乗降装置10
は自動車のリアゲート付近の車室フロア15を除去され
た部分に位置する。通常は車イス用乗降装置10の昇降
用フロア13と車室フロアは同じ高さである。車イス用
乗降装置10の昇降用フロア13は、車両本体の後部の
各サイドフレームの間に開口部11に臨むよう設けられ
る。昇降用フロア13は昇降装置14により昇降可能で
ある。隔壁が昇降用フロア13と車両本体の車室フロア
15との間に昇降用フロア13とともに昇降するよう設
けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両本体の後部に
開閉可能な開口部を有し、互いに平行に間隙をあけた2
本のサイドフレームを車両長さ方向に沿って有する、車
イス用乗降装置を備えた自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車イス利用者の乗降装置として
は、例えばリアゲート側にアーム式リフトを設け、弧を
描くように車外に突出降下してリフトに乗り、車室・車
外間を乗降するものや、サイドドア開口部から電動式の
シートが車外に回転しながら降下して車外で車イスから
乗り替えて乗降するものがある。これら従来の車イス用
乗降装置を備えた自動車は、いずれも車外で乗降装置に
乗り込む方法を採用してある。
【0003】このため、従来の車イス用乗降装置を備え
た自動車では、雨天や雪の日など車イスのハンドルを操
作する介護人の他にカサを差す人が必要であったり、足
元が滑りやすかったりといった多くの難点や危険があ
る。
【0004】また、従来のリフト式の車イス用乗降装置
を備えた自動車の場合、構造上、リフトフロアと地面と
の高低差が大きく、スロープを設けても乗降や車室内で
の移動がスムーズにできない。さらに、この従来のタイ
プでは、リフトの作動システム上、アームが大きく突き
出るので他の付属装置、保護装置などで、車室にムダな
スペースを取られるうえ、軽量小型化が困難である。さ
らに、リフト下降時はフロアが後部外側に大きく突出し
てくるため、乗降スペースを余分に必要とする。特に、
大きなものでは軽自動車1台分の乗降スペースを要する
ものもあり、狭い場所では乗降りが困難で、かつ、作動
時は危険で側に寄れないなど利用者にとって不便、難点
が多い。
【0005】また、従来の、サイドドア開口部から電動
シートが回転しながら下降するタイプの場合、道端から
広く乗降スペースを確保しなければならないことから、
他の通行車両の前方視界のさまたげになったり、狭い道
幅の道路で他の車両が通行できなかったり、雨天時等に
カサを差していても電動シートや車イスの座や背に雨が
かかってぬれてしまうなど、利用者にとって難点が多
い。このため、このような従来のものでは、いずれも乗
降場所を限定されているのが現状である。
【0006】実公平7−12170号公報に示す従来の
技術では、トラックの荷台の一部を昇降させる方法を採
用しており、後部のシャシフレーム(メインフレーム)
を取り除いてある。トラックはその用途からメインフレ
ームが頑強に作られ、かつリアオーバーハングが長いた
め、後軸後方のメインフレームの一部を除去して床の一
部を昇降させることが可能である。しかし、大型トラッ
ク等と異なり、小型、中型のバン、ワゴン形状の車両
は、本来一部に荷重が集中する重量物に対応できる構造
になく、さらにリアオーバーハングが短く、かつリーフ
スプリングのリアハンガー部(シャックルブラケット)
があるため、メインフレームを移動することが不可能な
ことから、床昇降装置を設けることが困難である。
【0007】また、前述の従来技術とは異なるもので、
特許公表平11−508848号公報に示すものがあ
る。すなわち、ライトバン形式の車両のサイドドア付近
の車室フロアを除去して、除去部にリフト平板を設け、
当該リフト平板が地面まで降下して、車イスを乗降させ
るものである。また、このサイドドア側の車室フロアを
除去する際、シャシー部材、または、サブフレームの一
部を除去し、開口部の一部とルーフに補強を施し、走行
時には車両の構造的剛性を維持するため、ドア補強部材
内にラッチされるようにドア内に補強部材を設けてあ
る。この従来の技術では、リフト平板を設置するために
車幅の広い車両を使用するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般のライ
トバン形式の車幅は、外車であっても1.8m〜2m程
度、大型のバスに至っても最大2.5mである。自動車
の強度・剛性は、フレーム車の場合、その総重量の10
0%をフレームで支えるように作られ、モノコック車の
場合には、その総重量の60%以上をフロア及びサイド
フレーム(サイドメンバー)で支えるように作られてい
る。
【0009】また、車イスを乗降させるスペースを確保
するためには、車幅に対して1m程度、フロアを開口除
去しなければならない。自動車の下面には、フレーム車
の場合、メインフレーム等があり、モノコック車の場
合、メインサイドフレームとサブメンバー(ロッカーパ
ネルなど)がある。
【0010】一般のライトバン形式の自動車の外板外側
からメインフレームまたはメインサイドフレームまでの
距離は、30cm程度、大型バスに至っても50cm程
度である。これは、自動車の重量を支えるタイヤからア
クスルシャフト取付位置までの距離がありすぎると、片
持ち梁としてのアクスルシャフトに大きな曲げモーメン
トがかかり、危険なため、タイヤ内面から干渉せずにで
きる限り近い位置にメインフレームまたはメインサイド
フレームが設けられるためである。この自動車シャシー
構造に必須の条件を満たしたうえで、特許公表平11−
508848号公報に示す自動車にリフト平板設置のた
めのフロア開口を施すと、特許公表平11−50884
8号公報に示すようにシャシー部材またはサブフレーム
の一部を除去するだけでは済まず、メインフレーム1そ
のものを除去する必要が生じる。
【0011】メインフレームは、ホイールベース間の荷
重の80%以上を支えるだけでなく、フロント軸の左右
とリア軸の左右をX字状に結んで発生するねじれに対抗
するねじれ剛性を確保している。特にねじれ剛性につい
ては、部材の長さと断面形状が同一の条件において、左
右のメインフレーム(サイドフレーム)間の距離が近く
なる程、低下する。もちろん、片側のメインフレームを
中間で完全に除去したとき、様々な種類や角度から生じ
る外力、応力に対応できず、応力集中点を境にシャシ
ー、残されたフレーム、サブフレームなどはへの字に曲
がり、壁面、ルーフ等はつぶれてしまう。
【0012】工学基準において、自動車のねじれ剛性は
0.3kgmm2 /rad以上と定められている。ねじ
れの低剛性は、走行中の段差、高低差などに起因する振
動による小刻みなねじれ、及び各輪のバウンド、リバウ
ンドによる大きなねじれ、駐停車時の4輪接地地面の高
低差によるねじれなどを引き起こし、さらに、溶接部の
はがれ、破断、取付ボルトのせん断、各構造部材の疲れ
破断などを因として、走行中に自動車が崩壊し、人命に
係わる大事故に発展する恐れがある。このため、自動車
のねじれ剛性は、非常に重要である。
【0013】さて、特許公表平11−508848号公
報に示す従来技術では、スライドドア側室内フロアおよ
びメインフレームの除去により、車両の屋根に隣接して
縦軸補強部材が設けられ、この補強部材に対してサブフ
レームが除去された領域の上部に、横梁及び斜めの梁が
設けられている。しかし、実際上は、物理的、工学的に
これら補強によってメインフレームを含むフロアの50
%以上を除去した車両の剛性を維持することは不可能で
ある。なぜなら、シャシーを平面として例えたとき、車
両に生じるねじれに対応するために設けられたルーフ上
の補強と、フロア側を接続する縦の補強であるドア包囲
フレームには、左右それぞれ上に突き上げようとする荷
重と下に押し戻そうとする荷重がかかる。
【0014】例えば、1つのタイヤが高低差5cmの位
置に乗り上げたとき、シャシーにはねじれ角が生じ、前
記フレームは左右それぞれ上下に数cm交差するように
移動しようとする。このとき、包囲フレームがボディに
溶接等接続されていなければ、直接、ルーフ補強に伝達
し、ルーフ補強が頑強である程、ボディと接続された部
位に応力が集中する。そして、補強部材がねじれに対応
しきれない状態になるか、ボディとの接合部の耐久力が
低下する。
【0015】また、補強を施しても最も肝心な開口部前
端外側と後端外側を結ぶ補強は、この位置に補強を入れ
ると車イスが出入できないため、物理的に不可能であ
る。従って、フロア開口によって残されたフロア部には
改造前の倍の曲げ荷重がかかり、ねじれについては幅が
狭くなったことによって数倍から10倍のねじれ応力が
かかってくるのである。
【0016】これによって、開口部前端外側と後端部外
側は、常にそれぞれが上下逆方向へ移動を繰り返してい
る。この繰り返しは、残されたフロアや補強部材とボデ
ィとの接合部及び補強部材どうしの接合部の疲労強度を
極度に低下させて破断へと導く。
【0017】また、特許公表平11−508848号公
報に示す従来技術では、頑強な補強を施しているが、補
強が頑強なほど、薄いボディ鋼板との接合部に応力が集
中する。
【0018】さらに、特許公表平11−508848号
公報に示す従来技術では、ドア下部にラッチを設け、閉
じたとき、ドア補強部材とボディ側補強部材がラッチに
よって接続され、強度剛性を復帰させるようになってい
る。しかしながら、前述のようにメインフレーム等の自
動車の荷重の大半を支える部材を取り去り、その代わり
とは成り得ない補強を施された車両では、走行時には時
に総重量の数倍に達する曲げやねじりの力に対し、間接
的なラッチなどで支え切れるものではなく、ドアは即時
にねじれてしまう。さらに、フロア、ドアのねじれから
ラッチには対応し得ない曲げ剪断がかかって、ラッチは
破壊し、危険極まりない。このように、特許公表平11
−508848号公報に示す従来技術では、人命に係わ
る事故を引き起こすおそれがある。
【0019】そこで、メインフレーム間の床のみを除去
して昇降装置を設けることにより、リアオーバーハング
部の強度剛性を低下させず、かつ、三方または四方に隔
壁を設けることで、走行時も乗降時も安全性を確保で
き、小型中型のバン、ワゴン形状車に対応可能な、車イ
ス用乗降装置を備えた自動車の車イス乗降装置の開発が
望まれる。
【0020】本発明は、このような従来の課題に着目し
てなされたもので、利用者の乗降スペースを車室面積内
に確保することで、車外に余分なスペースを要せず、狭
い場所でも乗降が容易なので乗降場所に限定がなく、か
つ雨、雪、強風などの気象条件にも対応でき、安全性の
高い、車イス用乗降装置を備えた自動車を提供すること
を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の本発明に係る車イス用乗降装置を備えた
自動車は、車両本体の後部に開閉可能な開口部を有し、
互いに平行に間隙をあけた2本のサイドフレームを車両
長さ方向に沿って有する、車イス用乗降装置を備えた自
動車であって、前記車イス用乗降装置は、前記車両本体
の後部の各サイドフレームの間に前記開口部に臨むよう
設けられた昇降用フロアと、前記昇降用フロアを動力に
より昇降させる昇降装置とを有することを、特徴とす
る。
【0022】請求項1の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車では、サイドフレームの間で昇降用フロ
アを昇降装置により昇降させることができる。昇降用フ
ロアに車イスを乗せて昇降させれば、車イスを容易に車
両本体に乗降りさせることができる。昇降用フロアは、
サイドフレームの間に設けられているため、車両本体の
ねじれ剛性を低下させず、安全性が高い。また、利用者
の乗降スペースを車室面積内に確保することで、車外に
余分なスペースを要せず、狭い場所でも乗降を容易にす
ることができる。さらに、昇降部は車室面積内の一部で
あるから、自動車の屋根と壁により、雨、雪、強風など
の気象条件から、車イスの利用者を保護することができ
る。昇降用フロアは、車両本体の後部に開口部に臨むよ
う設けられているため、車両本体の後部から乗降りする
ことができる。このため、道端から広く乗降スペースを
確保する必要がなく、狭い道幅の道路でも他の車両の通
行を妨げにくい。昇降用フロアは、車両本体の車室フロ
アと同じ高さから路面に接する高さまで昇降可能である
ことが好ましい。
【0023】例えば、本発明に係る車イス用乗降装置を
備えた自動車は、バン、バス、ワゴン車などのリアゲー
ト付近のフロアパネルで、車イス利用者が乗降に必要な
スペース分除去し、当該スペースの左右に隔壁を、前方
に隔壁兼用の扉を設け、ほぼ垂直に昇降する昇降用フロ
アを設置して成る。
【0024】請求項2の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車は、請求項1の車イス用乗降装置を備え
た自動車において、隔壁と、隔壁用昇降装置とを有し、
前記隔壁は前記昇降用フロアと前記車両本体の車室フロ
アとの間に前記昇降用フロアとともに昇降するよう設け
られ、前記隔壁用昇降装置は前記昇降用フロアが前記車
室フロアと高さが一致するとき前記隔壁を動力により下
降可能な構成を有することを、特徴とする。
【0025】請求項2の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車では、昇降用フロアが隔壁で車室フロア
との間を隔てられているため、昇降する際、利用者や物
が車室フロアと昇降用フロアとの間の間隙に挟まるのを
防ぐことができ、安全である。隔壁は、昇降用フロアが
車室フロアと高さが一致するとき下降させることがで
き、昇降用フロアと車室フロアとの間の通過を容易にす
る。下降した隔壁は、隔壁用昇降装置により元の高さま
で上昇可能である。なお、隔壁は、上端が昇降用フロア
の高さ以下の高さになるまで下降することが好ましい。
【0026】請求項2の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車では、前記昇降用フロアは側壁を有し、
前記隔壁および前記側壁は前記昇降用フロアと前記車両
本体の車室フロアとの間に設けられ、最下位のときの前
記昇降用フロアから前記車室フロアまでの高さ以上の高
さを有することが好ましい。この場合、車室フロアと昇
降用フロアとの間の間隙が常に隔壁および側壁により隔
てられるため、安全性が高い。
【0027】請求項3の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車では、請求項2の車イス用乗降装置を備
えた自動車において、前記隔壁は複数の板状部材から成
り、各板状部材は重ね合わせられ隣合う板状部材に対し
高さ方向にスライド可能に連結しており、前記隔壁用昇
降装置は最上部の板状部材より下側の板状部材が下方か
らの圧力に対して上方に相対的に移動可能に最上部の板
状部材に固定されていることを、特徴とする。
【0028】請求項3の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車では、隔壁が下降するとき下方に障害物
があると、隔壁を構成する下側の板状部材が最上部の板
状部材に対してスライドして上方に相対的に移動し、障
害物の高さを吸収する。このため、隔壁および隔壁用昇
降装置に負担がかかって故障するのを防止することがで
きる。
【0029】請求項4の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車では、請求項2または3の車イス用乗降
装置を備えた自動車において、1対の支柱を有し、前記
隔壁は各支柱の間にスライド可能に設けられ、各支柱お
よび前記隔壁用昇降装置は前記昇降用フロアと一体的に
設けられていることを、特徴とする。
【0030】請求項4の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車では、隔壁が各支柱の間をスライドして
昇降する。各支柱および隔壁用昇降装置は、昇降用フロ
アと一体的に設けられているため、昇降用フロアととも
に昇降し、車室フロアと昇降用フロアとを昇降の際に常
に隔てて安全化を図る。
【0031】請求項5の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車では、請求項2または3の車イス用乗降
装置を備えた自動車において、1対の支柱を有し、前記
隔壁は各支柱の間にスライド可能に設けられ、各支柱お
よび前記隔壁用昇降装置は前記車室フロアと一体的に設
けられており、前記隔壁用昇降装置は前記昇降用フロア
の昇降に合わせて前記隔壁を動力により昇降させる構成
を有することを、特徴とする。
【0032】請求項5の本発明に係る車イス用乗降装置
を備えた自動車では、隔壁が各支柱の間をスライドして
昇降する。隔壁は、隔壁用昇降装置によって昇降用フロ
アの昇降に合わせて昇降することにより、車室フロアと
昇降用フロアとを昇降の際に常に隔て、安全化を図る。
【0033】特に、本発明に係る車イス用乗降装置を備
えた自動車において、前記隔壁は昇降用フロアの前部に
設けられ、前記昇降用フロアの最前方左右端部又は前記
昇降用フロアが設置される車室フロアの開口部前方左右
端部に左右支柱を設け、前記隔壁はその左右支柱に固定
されて上下にスライドするガイドに接続されて上下に動
作する機能を有し、前記昇降用フロアが昇降する際に
は、前記昇降用フロアと一体になって前記隔壁が動作し
て前記昇降用フロアと車室フロアとの間に生じる隙間を
塞ぎ、車イス及び車イス乗員の体の一部又は全部が挟ま
らないように保護し、前記昇降用フロアが上昇して前記
車室フロアと同じ高さにあるときのみ、前記隔壁は前記
昇降用フロアから独立して単独で下降することができ、
上面が前記昇降用フロアの上面とフラットになって車イ
スが前記昇降用フロアと車室フロア間を円滑に移動でき
るようになっていることが好ましい。さらに、隔壁を複
数枚の板状部材等を縦にスライドするガイドで接続し、
下面が接触したとき、板状部材が縦にスライドして高低
差分を吸収するようにすることが好ましい。
【0034】この構成において、隔壁は上下にスライド
するガイドにより上下に動作し、昇降用フロアが昇降す
る際にはロック機能により昇降用フロアと一体になって
昇降し、隔壁としての役割を果たすようになっている。
そして、昇降用フロアが上昇して車室フロアと同じ高さ
になったとき、ロック機能は解除されて任意に隔壁を下
降・上昇させることができるようになっている。この構
成で、下降する隔壁は上面が昇降用フロアの上面と車室
フロアと同じ高さで停止し、車イスは昇降装置と車室間
を円滑に移動できる。隔壁は、下降・上昇により開閉を
行ない、車室内に於いて扉開閉時の軌道スペースを要し
ない。
【0035】隔壁は、1枚式であっても複数枚を上下に
スライドする方式であってもよい。特に複数枚の場合、
隔壁が下降した際に着地面の凸部があっても、柔軟にス
トローク調整できるため、舗装地、未舗装地など、場所
を選ばないメリットがある。
【0036】隔壁は鋼製、樹脂製、木製などいかなる材
質であってもよい。隔壁は、前記昇降用フロアに設置し
ても、前記昇降用フロアの設置される車室フロア開口部
の前記昇降用フロアが隣接する位置に設置してもよい。
隔壁の上下軌道確保の方法は、スライドレール、ラック
&ピニオン等歯車式、リンク式など、ガイドとなるもの
であればいかなる方法でもよい。
【0037】隔壁の昇降駆動は、モーター、油圧・空圧
アクチュエータなどいかなる動力を用いてもよい。ま
た、隔壁を軽金属、樹脂製など、軽量なものにしたとき
など、隔壁の昇降駆動は、人力によるものであってもよ
い。隔壁への動力伝達は、歯車式、チェーン式、ワイヤ
ー式、リンク式及びアクチュエータなどによる直接式な
どいかなる方法であってもよい。
【0038】以下、本発明に係る車イス用乗降装置を備
えた自動車の好適な一例について説明する。車イス用乗
降装置の隔壁は、通常電動式動力によって昇降する。隔
壁は自動車の後部左右サイドメンバー間フロアを開口し
て設置される前記昇降用フロアの前部に設けられる。前
記昇降用フロアの前部左右には隔壁を上下動作させるた
めのガイドを固定する支柱が設けられており、隔壁は、
左右支柱間に位置し、前記ガイドを接続されて動力によ
り昇降する。
【0039】前記昇降用フロアが最上昇位置以外にある
とき、前記昇降用フロアの駆動装置側に設置されるリミ
ットスイッチにより隔壁の動力に電気は流れないように
配線されるため、前記昇降用フロアが昇降するとき、お
よび下降着地しているときには、隔壁は前記昇降用フロ
アの固定的隔壁となって、前記昇降用フロアと車室フロ
ア間に生じる隙間を塞ぎ、前記昇降用フロアに乗り込ん
だ車イスおよび車イス乗員が前記昇降用フロアの下降時
に前方に脱落したり、上昇時に隙間に挟まるなどの事故
を防止し、安全を確保する。また、強風時などの前方か
らの風の吹き抜けを防止し、車イス乗員を悪天候から保
護する。
【0040】前記昇降用フロアが最上昇停止位置にある
ときのみ、前記リミットスイッチを介した電気配線によ
って隔壁の動力に通電する。そして、下降スイッチによ
って隔壁は車室外へと下降を開始し、隔壁の上面が前記
昇降用フロア上面および車室フロア上面と同じ高さにな
ったとき停止する。車室内に扉の軌道スペースを要せ
ず、前方に平坦な通路と扉の無い広い出入口の空間がで
き、車イス乗員は、円滑に車室と前記昇降用フロア間を
移動できる。移動が完了したら、上昇スイッチにより隔
壁は上昇して隔壁として機能する。
【0041】なお、隔壁の上昇停止位置には電源から前
記昇降用フロアへの通電する為のリミットスイッチが設
けられており、隔壁が上昇停止位置以外では、前記昇降
用フロアが作動しないように安全が考慮されている。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態について説明する。図1〜図16は、本発明の実
施の形態を示している。図1に示すように、車イス用乗
降装置10を備えた自動車は、車両本体の後部に開閉可
能な開口部11を有するバン型車から成る。その自動車
は、図3(A),(B)に示すように、互いに平行に間
隙をあけた2本のサイドフレーム12を車両長さ方向に
沿って有する。
【0043】図3(A)に示すように、車イス用乗降装
置10は、昇降用フロア13と昇降装置14とを有す
る。昇降用フロア13は、車両本体の後部の各サイドフ
レーム12の間に開口部11に臨むよう設けられてい
る。昇降装置14は、平行運動機構14aと駆動装置1
4bとから成り、昇降用フロア13を駆動装置14bに
より昇降させるようになっている。
【0044】車イス用乗降装置10は、バン型自動車の
リアゲート付近の車室フロア(車室フロアパネル)15
を除去した位置に設けられている。図1に示すように、
昇降用フロア13には、車両前方に向かって、左右に側
壁16が設けられている。昇降用フロア13の前方に
は、隔壁17が設けられている。昇降用フロア13に
は、前部のコーナーに1対の支柱18が設けられてい
る。隔壁17は、各支柱18の間に上下にスライド可能
に設けられている。隔壁17は、昇降用フロア13と車
両本体の車室フロア15との間に昇降用フロア13とと
もに昇降するよう設けられている。図4および図5に示
すように、支柱18および側壁16の上部には、隔壁用
昇降装置30が固定されている。各支柱18および隔壁
用昇降装置30は、昇降用フロア13と一体的に設けら
れている。
【0045】図11(A)〜(C)に示すように、隔壁
17は、複数の板状部材17a,17bから成り、各板
状部材17a,17bは重ね合わせられ,隣合う板状部
材に対し高さ方向にスライド可能に連結している。な
お、隔壁17は、各板状部材17a,17bが図13
(A)に示すように層状に重ね合わせられていても、図
7、図10および図13(B)に示すように入れ子式に
重ね合わせられていてもよい。
【0046】隔壁用昇降装置30は、ワイヤ巻取り部3
1を備えたモータから成っている。ワイヤ巻取り部31
に巻き付けられたワイヤ32は、隔壁17の板状部材1
7aの上端に取り付けられている。これにより、最上部
の板状部材17aより下側の板状部材17bは、下方か
らの圧力に対して上方に相対的に移動可能である。隔壁
用昇降装置30は、昇降用フロア13が車室フロア15
と高さが一致するとき隔壁17を動力により下降可能と
なっている。開口部11には、開閉可能なバックドア1
9が設けられている。
【0047】図1に示す平行運動機構14a及び駆動装
置14bは、一方が車室フロア15に設置される駆動装
置固定フレーム20に、もう一方は車イス用乗降装置1
0の側壁16に固定されている。図2(A),(B)に
示すように、昇降用フロア13が車室フロア15側に上
昇したとき、車室フロア15と昇降用フロア13の上面
がほぼフラットになる位置で外気遮断されるように、車
室フロア15の開口端部上面にツメ21が突出し、ツメ
21の下面にはウェザーストリップ22が取り付けられ
ている。ツメ21は数mmの薄板なので、車室フロア1
5と昇降用フロア13とを車イスが移動する際にさまた
げになるような段差はできない。また、車室フロア15
の開口部11は、図3(A),(B)に示すように周囲
補強されるので、強度の低下はない。図1に示すよう
に、車両本体は、後部に突出したリアボディオーバーハ
ング23を有する。また、図3(B)に示すように、車
両本体は、ボディパネルインナー23a、ボディパネル
アウナー23b、開口部補強フレームフロント23c、
開口部補強フレームサイド23dを有する。なお、リア
ボディオーバーハング23は、ホイールハウス23eの
後部側に設けられる(図1参照)。
【0048】車イス用乗降装置10を備えた自動車で
は、サイドフレーム12の間で昇降用フロア13を昇降
装置14により昇降させることができる。昇降用フロア
13に車イスを乗せて昇降させれば、車イスを容易に車
両本体に乗降りさせることができる。昇降用フロア13
は、サイドフレーム12の間に設けられているため、車
両本体のねじれ剛性を低下させず、安全性が高い。ま
た、利用者の乗降スペースを車室面積内に確保すること
で、車外に余分なスペースを要せず、狭い場所でも乗降
を容易にすることができる。さらに、自動車の屋根と壁
により、雨、雪、強風などの気象条件から、車イスの利
用者を保護することができる。昇降用フロア13は、車
両本体の後部に開口部11に臨むよう設けられているた
め、車両本体の後部から乗降りすることができる。この
ため、道端から広く乗降スペースを確保する必要がな
く、狭い道幅の道路でも他の車両の通行を妨げにくい。
昇降用フロア13は、車両本体の車室フロア15と同じ
高さから路面に接する高さまで昇降可能であることが好
ましい。
【0049】以下、隔壁17について詳細に説明する。
隔壁17は、車イス用乗降装置1の左右の昇降用フロア
13の側壁5の前部に隣接するガイド取付支柱18左右
間に位置し、ガイド取付支柱18に固定されるガイド3
3と接続され、昇降用フロア13が昇降する際の落差に
よって生じる昇降用フロア13と車室フロア15の隙間
を塞ぐ前部隔壁の役割を果たしている。
【0050】図9に示すように、ガイド33は、上下に
スライドする複数段階のスライドレール状の構造となっ
ており、ガイド33に接続された隔壁17は、車イス用
乗降装置1の昇降ストローク分だけ上下にスライドする
よう、自在になっている。隔壁17の上部にはフック3
4が設けられており、フック34には車イス用乗降装置
1の昇降用フロア13の側壁5の上部に設置された隔壁
用昇降装置30のワイヤ巻取り部31に巻かれるワイヤ
32が接続される。隔壁17の高さは、車イス用乗降装
置1が昇降する際に、昇降用フロア13と車室フロア1
5との間に生じる隙間を塞ぎ、かつ、車イス用乗降装置
1が昇降用フロア13と車室フロア15上面が同じ高さ
になる状態のとき、隔壁17を最下降させたときに隔壁
17の上面が前記2つのフロアと同じ高さになるように
決定される。図14に示すように、隔壁17の下端に
は、外気遮断用のシート38が設けられている。
【0051】なお、図10および図11に示すように、
隔壁17は降下の際に真下路面に凸部があったり障害物
があった場合や、車両のサスペンション劣化や空車時と
積車時の荷重差による床面地上高の変移があっても複数
枚の板状部材17a,17bがスライドレール等のガイ
ド33によって縦に自在にスライドされているため、通
常は自重によって最大ストローク状態になっているが、
下面が着地した後、高低差分を吸収する。このため、隔
壁17の上面は昇降用フロア13の上面及び車室フロア
15の上面と同じ高さになるまで確実に下降する。
【0052】隔壁17は隔壁用昇降装置30の動力を伝
達するワイヤ32によって正転の巻き取り時は動力によ
って上昇し、逆転の巻き戻し時はワイヤ32のたるみに
よって自重で下降するが隔壁17を軽金属製や樹脂製で
軽量化したときなどは下降も動力化することができる。
なお、隔壁用昇降装置30のモーターの正逆切替は6P
スイッチ1ヶによって行われる。
【0053】図6に示すように、隔壁17をガイド33
を介して接続している支柱18の隔壁17の最上昇位置
付近には上昇リミットスイッチ35が設けられ、最下降
位置付近には下降リミットスイッチ36が設けられてお
り、隔壁17の上部に設けられるツメ37によって最上
昇位置及び最下降位置でそれぞれのリミットボタン35
dが押され、電気的に隔壁用昇降装置30が停止する。
【0054】図12はリミットスイッチ35の拡大図で
ある。リミットスイッチ35の下部には、電源入力端子
35a、リミットボタン14が押されることにより通電
されるオープン端子35b、リミットボタン14が押さ
れることにより通電がカットされるクローズ端子35c
の3つの端子が付いている。
【0055】電源入力端子35aにはスイッチを介して
電源の+配線が接続され、クローズ端子35cから隔壁
用昇降装置30の+入力へ配線され、オープン端子35
cから車イス用乗降装置1の+入力に配線されている。
これによって、隔壁17が隔壁用昇降装置30への通電
により最上昇して上昇リミットスイッチ35のリミット
ボタン35dがツメ37によって押されたとき、隔壁用
昇降装置30への通電はカットされて隔壁17は停止
し、同時に車イス用乗降装置1の+入力に通電し、昇降
作動が可能になる。一方、昇降用フロア13の最上昇位
置には−入力のリミットスイッチが設けられており、昇
降用フロア13が最上昇位置にあるときだけ隔壁17の
モーターにマイナス側が通電されるように誤作動を防止
する配線がされている。
【0056】以下、作用について説明する。車イス用乗
降装置1は1BOX車などの車室スペース内にある。車
室後部のサイドメンバー間フロアを開口した車室フロア
開口部11に設置された車イス用乗降装置1は、両サイ
ドに昇降用フロア13の側壁16を有し昇降用フロア1
3の側壁16の前部に隣接する取付支柱18にはガイド
33を介して隔壁17が接続されている。
【0057】後部は開口されていて、車両のバックドア
を開け、車両の後部壁面などに設置された車イス用乗降
装置1の下降スイッチを入れると昇降用フロア13は下
降着地して車イスは即時に車両後面から車イス用乗降装
置1の昇降用フロア13に乗り入れることができる。
【0058】車イスを昇降用フロア13に乗り入れた
ら、車イス用乗降装置1の上昇スイッチを入れると昇降
用フロア13は上昇を開始し、昇降用フロア13の床面
地上高が車室フロア15の床面地上高と同じ位置になっ
たとき、通電が切断されて停止する。車イス用乗降装置
1の動力源への電気配線は、最上昇位置及び最下降位置
で通電が切断されるようにリミットスイッチを介して接
続されている。
【0059】図8に示すように、昇降用フロア13の最
下降着地位置から最上昇位置までの上昇行程時には昇降
用フロア13と車室フロア15との間に昇降落差による
隙間の変動が生じており、最下降着地位置で数10cm
だった隙間は昇降用フロア13の上昇によって徐々に狭
まり、最上昇位置ではゼロになる。
【0060】隔壁17は前記上昇時の変動する隙間に車
イスや車イス乗員の体の一部などが挟まらないように安
全を確保し、下降時の変動する隙間にあっては、車イス
や車イス乗員が脱落しないように安全を確保し、かつ、
悪天候時などに前部からの風雨雪の吹き抜けなどを防い
で車イス乗員を保護する。
【0061】図15(A)〜(C)に示すように、隔壁
17は隔壁用昇降装置30によって昇降する。このと
き、昇降用フロア13が最上昇位置にあるときのみ作動
するように隔壁用昇降装置30の電源からの配線は昇降
用フロア13の最上昇位置に設置されたリミットスイッ
チを経由しているため、昇降用フロア13が昇降作動し
ている間は誤作動の心配はなく、固定的な隔壁17とし
て昇降用フロア13と一体で昇降し、前部に車外との隙
間を生じさせることなく車イス乗員を保護する。
【0062】昇降用フロア13が前記最上昇位置に達し
て停止すると、隔壁17を昇降作動させる隔壁用昇降装
置30に隔壁17の昇降切替スイッチを経由して電源か
ら通電される。同スイッチを下降にすると、隔壁17は
上面が昇降用フロア13の上面と車室フロア15の上面
と平坦になる位置まで下降し、下降リミットスイッチ3
6によって停止し、昇降用フロア13前部には昇降用フ
ロア13内幅分の車室への通路ができ上がる。昇降用フ
ロア13が最上昇位置にあるとき、同装置と一体の高さ
にある隔壁17の下方には隔壁17を1枚分落とし込め
る地面までの空間があるから隔壁17の上面が昇降用フ
ロア13上面及び車室フロア15上面と平坦になるまで
円滑に下降する。なお、隔壁17を停止させると同時に
車イス用乗降装置1の動力を作動させるための電源から
の通電がなされる上昇リミットスイッチ35が設けられ
ている。従って、隔壁17が最上昇位置以外の昇降作動
又は最下降位置に停止しているときは万一誤って車イス
用乗降装置1の昇降スイッチを入れても車イス用乗降装
置1は作動せず安全である。
【0063】隔壁17が最下降位置に達し停止したと
き、昇降用フロア13と車室フロア15は平坦なひとつ
のフロアとなる。また、従来の扉、シャッター類と異な
り、隔壁17は車外の空間を利用して通路を確保するた
め、室内に扉の開閉軌道スペースや収納スペースを必要
とせず、狭い車室空間を更に狭くするムダを省ける上
に、開いた扉が車イスの移動の障害になったりすること
もなく、車イスは円滑に昇降用フロア13と車室フロア
15間を移動できる。
【0064】車イス用乗降装置10を備えた自動車は、
昇降フロアが昇降する際に生じる昇降用フロア13と車
室フロア15間の隙間を塞ぎ車イス乗員の安全性を確保
し、かつ、外気の吹き抜けを防止して快適な乗降空間を
提供した上で、昇降用フロア13と車室間移動の通路を
確保し、しかも扉開閉時に於ける車室間の扉開閉軌道ス
ペース確保を必要としない事で乗降装置設置による車室
間の省スペースを図ることができる。
【0065】なお、前述の構成を図16(A)で示すと
き、各支柱18および隔壁用昇降装置30は、図16
(B)に示すように、車室フロア15と一体的に設けら
れていてもよい。この場合、隔壁用昇降装置30は昇降
用フロア15の昇降に合わせて隔壁17を動力により昇
降させるようになっている。
【0066】
【発明の効果】本発明に係る車イス用乗降装置を備えた
自動車によれば、利用者の乗降スペースを車室面積内に
確保することで、車外に余分なスペースを要せず、狭い
場所でも乗降が容易なので乗降場所に限定がなく、かつ
雨、雪、強風などの気象条件にも対応でき、安全性の高
いものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の車イス用乗降装置を備え
た自動車の、車イス用乗降装置の上昇下降時を示す全体
図である。
【図2】図1に示す車イス用乗降装置が上昇したときの
開口部の外気遮断のしくみを示す図である。
【図3】図1に示す車イス用乗降装置を備えた自動車
の、(A)後部側の平面図および(B)開口部の補強の
状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示す車イス用乗降装置の昇降用フロア周
辺の斜視図である。
【図5】図1に示す車イス用乗降装置の平面図である。
【図6】図1に示す車イス用乗降装置の隔壁用昇降装置
を示す側面図である。
【図7】図1に示す車イス用乗降装置の隔壁を示す説明
断面図である。
【図8】図1に示す車イス用乗降装置の昇降用フロアと
車室フロアとの隙間の変移を示す説明図である。
【図9】図1に示す車イス用乗降装置のガイドの構造を
示す説明断面図である。
【図10】図1に示す車イス用乗降装置の隔壁の動作を
示す説明図である。
【図11】隔壁の(A)他の構成を示す全体説明図、
(B)他の構成の動作を示す側面説明図、(C)他の構
成の動作を示す正面説明図である。
【図12】図1に示す車イス用乗降装置で用いるリミッ
トスイッチの構成を示す説明図である。
【図13】隔壁の他の構成を示す説明図である。
【図14】車室フロアと昇降用フロアとの間の外気遮断
構造を示す説明図である。
【図15】隔壁の動作を示す説明図である。
【図16】図1に示す車イス用乗降装置の(A)隔壁周
辺の構成、(B)他の隔壁周辺の構成を示す説明平面図
である。
【符号の説明】
10 車イス用乗降装置 11 開口部 12 サイドフレーム 13 昇降用フロア 14 昇降装置 15 車室フロア 16 側壁 17 隔壁 18 支柱 19 バックドア 20 駆動装置固定フレーム 21 ツメ 23 リアボディオーバーハング 33 ガイド 30 隔壁用昇降装置 31 ワイヤ巻取り部 32 ワイヤ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両本体の後部に開閉可能な開口部を有
    し、互いに平行に間隙をあけた2本のサイドフレームを
    車両長さ方向に沿って有する、車イス用乗降装置を備え
    た自動車であって、 前記車イス用乗降装置は、前記車両本体の後部の各サイ
    ドフレームの間に前記開口部に臨むよう設けられた昇降
    用フロアと、前記昇降用フロアを動力により昇降させる
    昇降装置とを有することを、 特徴とする車イス用乗降装置を備えた自動車。
  2. 【請求項2】隔壁と、隔壁用昇降装置とを有し、前記隔
    壁は前記昇降用フロアと前記車両本体の車室フロアとの
    間に前記昇降用フロアとともに昇降するよう設けられ、
    前記隔壁用昇降装置は前記昇降用フロアが前記車室フロ
    アと高さが一致するとき前記隔壁を動力により下降可能
    な構成を有することを、特徴とする請求項1記載の車イ
    ス用乗降装置を備えた自動車。
  3. 【請求項3】前記隔壁は複数の板状部材から成り、各板
    状部材は重ね合わせられ隣合う板状部材に対し高さ方向
    にスライド可能に連結しており、前記隔壁用昇降装置は
    最上部の板状部材より下側の板状部材が下方からの圧力
    に対して上方に相対的に移動可能に最上部の板状部材に
    固定されていることを、特徴とする請求項2記載の車イ
    ス用乗降装置を備えた自動車。
  4. 【請求項4】1対の支柱を有し、前記隔壁は各支柱の間
    にスライド可能に設けられ、各支柱および前記隔壁用昇
    降装置は前記昇降用フロアと一体的に設けられているこ
    とを、特徴とする請求項2または3記載の車イス用乗降
    装置を備えた自動車。
  5. 【請求項5】1対の支柱を有し、前記隔壁は各支柱の間
    にスライド可能に設けられ、各支柱および前記隔壁用昇
    降装置は前記車室フロアと一体的に設けられており、前
    記隔壁用昇降装置は前記昇降用フロアの昇降に合わせて
    前記隔壁を動力により昇降させる構成を有することを、
    特徴とする請求項2または3記載の車イス用乗降装置を
    備えた自動車。
JP2002033261A 2002-02-08 2002-02-08 車イス用乗降装置を備えた自動車 Pending JP2003231437A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002033261A JP2003231437A (ja) 2002-02-08 2002-02-08 車イス用乗降装置を備えた自動車
PCT/JP2003/001350 WO2003065961A1 (fr) 2002-02-08 2003-02-07 Automobile avec dispositif de chargement/dechargement pour fauteuil roulant
KR10-2004-7009955A KR20040077685A (ko) 2002-02-08 2003-02-07 휠체어용 승강장치를 갖춘 자동차

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002033261A JP2003231437A (ja) 2002-02-08 2002-02-08 車イス用乗降装置を備えた自動車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003231437A true JP2003231437A (ja) 2003-08-19
JP2003231437A5 JP2003231437A5 (ja) 2005-08-18

Family

ID=27677996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002033261A Pending JP2003231437A (ja) 2002-02-08 2002-02-08 車イス用乗降装置を備えた自動車

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2003231437A (ja)
KR (1) KR20040077685A (ja)
WO (1) WO2003065961A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009101995A (ja) * 2007-10-01 2009-05-14 Maple Kotsu:Kk ユニバーサルデザイン仕様バス

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017005944A1 (es) * 2015-07-09 2017-01-12 Euromobility, S.L. Módulo de transporte, vehículo autopropulsado y uso de dicho módulo de transporte

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1087012A (en) * 1965-03-18 1967-10-11 Hipope Ltd Improvements in or relating to hydraulically operated lifts for road vehicles
JPS5936522Y2 (ja) * 1979-12-12 1984-10-08 関東自動車工業株式会社 身体障害者用自動車
JP2002209945A (ja) * 2001-01-24 2002-07-30 Kazuhiko Kami 車イス用乗降装置を備えた自動車

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009101995A (ja) * 2007-10-01 2009-05-14 Maple Kotsu:Kk ユニバーサルデザイン仕様バス

Also Published As

Publication number Publication date
KR20040077685A (ko) 2004-09-06
WO2003065961A1 (fr) 2003-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9603759B2 (en) Vehicle wheelchair lift
JP3749543B2 (ja) 車椅子搬送用車両
US20160074261A1 (en) Vehicle wheelchair lift
WO2019209773A1 (en) Automated rear door opener
US20070126260A1 (en) Vehicle door opening system
CN104999953A (zh) 一种汽车起重尾板结构
JP2003231437A (ja) 車イス用乗降装置を備えた自動車
JP2002209945A (ja) 車イス用乗降装置を備えた自動車
JP3458064B2 (ja) フォーク式立体駐車装置
JPS6319482Y2 (ja)
AU2009100751A4 (en) Transit vehicle
AU750311B2 (en) Ramp device for transport vehicles
JP4753891B2 (ja) 積荷移動装置
AU694012B2 (en) Wheel chair transport vehicle
JP2552094Y2 (ja) 機械式駐車場における乗降設備
EP0298924B1 (en) An apparatus to increase the storage capacity of a room and in particular of a motor car garage
JP5134905B2 (ja) フォーク式立体駐車装置
EP0472785A1 (en) Vehicle with a multifunctional load-carrying body
JP2552095Y2 (ja) 機械式駐車場における乗降装置
CA2217454C (en) Wheel chair transport vehicle
JP2002204814A (ja) 車両の車椅子乗降リフト装置
JP2003135528A (ja) 車椅子用車両
JPH0214504Y2 (ja)
JP3104968U (ja) 簡易福祉車両
JP5912476B2 (ja) 身障者等バス乗降用昇降装置及び該装置を備えたバス

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080304