JP2003231223A - フィルム塗装物 - Google Patents

フィルム塗装物

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JP2003231223A
JP2003231223A JP2002030652A JP2002030652A JP2003231223A JP 2003231223 A JP2003231223 A JP 2003231223A JP 2002030652 A JP2002030652 A JP 2002030652A JP 2002030652 A JP2002030652 A JP 2002030652A JP 2003231223 A JP2003231223 A JP 2003231223A
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JP2002030652A
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Toshiro Nanbu
俊郎 南部
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐汚染性、耐折り曲げ性、密着性に優れたフ
ィルム塗装物を提供する。 【解決手段】 (A)主鎖が実質的にビニル系共重合体
鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に炭素原子に
結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個
有すると共に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にア
ルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重
合体(A)成分100重量部、架橋剤としてイソシアナ
ート基を2個以上含有する化合物(C)成分1〜100
重量部、イソシアナートシラン、アミノシラン、アミノ
シランとイソシアナートシランの反応物、アミノシラン
とエポキシシランの反応物のいずれか1種以上からなる
(D)成分0.01〜20重量部、硬化触媒(E)成分
0.01〜10重量部を含有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料用硬化性樹脂
組成物を合成樹脂フィルムに塗布した塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築構造物、バス、輸送車、乗用
車、内装材などに意匠性を付与するために、合成樹脂フ
ィルムあるいは表面処理された合成樹脂フィルムに予め
塗装された塗装フィルムを貼り付けて使用されている。
これらを屋外で使用する場合は耐候性や耐汚染性が不十
分であるために、改良が要求されている。これらに使用
される塗料としてはアクリルウレタン樹脂塗料、フッ素
樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料を用い
ることがWO94/06870や特開平6−14545
3などに開示されており、耐候性、耐汚染性を向上させ
たりしている。しかし、これらの中でアクリルシリコン
塗料については無機基材に対する密着性は良好である
が、有機塗膜については、他の2種に比較して密着性が
不十分であり、塗り重ねによりちぢみを生じる場合があ
った。また、耐溶剤性が不足する傾向があるため、その
上にエポキシ系塗料が塗布された時ちぢみを生じる場合
や、フィルムに塗布した場合に耐折り曲げ性が不十分な
場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のごと
き実状に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、従来用いられたアクリルシリコン塗料の欠点を
克服し、常温または加熱で硬化性を有する塗料用硬化性
樹脂組成物を提供し、アクリルシリコン樹脂塗料からの
塗膜と同様に優れた耐候性を有するとともに、優れた密
着性、耐溶剤性、耐衝撃性を同時に有する塗装物を提供
することである。
【0004】さらに、硬化剤の貯蔵時の安定性を飛躍的
に向上させることも目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の構成か
らなる塗装物を提供するものであり、これにより上記目
的が達成される。 1)主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖
末端および/または側鎖に 一般式(I): (式中、 R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12
のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0
〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水
分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共
に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性
水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)
成分100重量部、架橋剤としてイソシアナート基を2
個以上含有する化合物(C)成分1〜100重量部、イ
ソシアナートシラン、アミノシラン、アミノシランとイ
ソシアナートシランの反応物、アミノシランとエポキシ
シランの反応物のいずれか1種以上からなる(D)成分
0.01〜20重量部、硬化触媒(E)成分0.01〜
10重量部からなる塗料用硬化性樹脂組成物を合成樹脂
フィルムあるいは表面処理された合成樹脂フィルムに塗
布したフィルム塗装物。 2)前記、ビニル系共重合体(A)成分100重量部に
対して、一般式(II): (R3O)4-b −Si−R4 b (II) (式中、 R3は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価
の炭化水素基、 R4は炭素数1〜10のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水
素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合
物および/またはその部分加水分解縮合物(B)成分1
〜100重量部配合されてなる請求項1に記載の塗料用
硬化性樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理
された合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。 3)前記硬化触媒(D )成分が有機錫化合物である請
求項1〜2のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組
成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理された合成樹
脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。 4)前記有機錫化合物(D)成分が分子内にS原子を含
有する錫系化合物である請求項3に記載の塗料用硬化性
樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理された
合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。 5)メタリック粉末および/または着色顔料を含有する
塗料が塗布された塗布面にトップコ−トクリア−塗料が
塗布されてなる塗装物であって、前記トップコ−トクリ
ア−塗料が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料
用硬化性樹脂組成物を主成分として含有することを特徴
とする塗装物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理され
た合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の塗料用硬化性組成物に含
有される上記各成分、およびその他の成分について順に
説明する。 (A)成分 本発明に用いられる(A)成分の形態としては、主鎖が
実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および
/または側鎖に一般式(I): (式中、 R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基、 R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基及びアラルキル基から選ばれた1価の炭
化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原
子に結合した加水分解性シリル基(シラノール基を含む
概念である)を1分子中に少なくとも1個有し、かつ、
主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少
なくとも1個有するビニル系共重合体である。前記共重
合体は、その主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からな
るため、得られる硬化性樹脂組成物を用いて形成される
塗膜の耐候性、耐薬品性等が優れたものとなり、また、
加水分解性シリル基が炭素原子に結合しているため、塗
膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性等も優れている。
【0007】(A)成分において、上記一般式(I)で
表される加水分解性シリル基は分子中に1個以上あれば
よいが、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜
の耐溶剤性が優れるという点から、2〜10個あること
が好ましい。
【0008】上記一般式(I)において、R1は水素原
子または炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましく
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル
基等の炭素数1〜4のアルキル基である。かかるアルキ
ル基の炭素数が10を超える場合には、加水分解性シリ
ル基の反応性が低下する傾向にある。また、前記R
1が、例えばフェニル基、ベンジル基等のアルキル基以
外の基である場合にも、加水分解性シリル基の反応性が
低下するので好ましくない。
【0009】また、上記一般式(I)において、R2
水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、好
ましくは、前記R1において具体例を示した炭素数1〜
4のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜25のアリ
ール基、ベンジル基等の炭素数7〜12のアラルキル基
から選ばれた1価の炭化水素基であり、これらの中で
は、得られる組成物が硬化性に優れるという点からアル
キル基が好ましい。
【0010】前記 ビニル系共重合体中の アルコール性
水酸基当量(アルコール性水酸基1モルを含むビニル系
共重合体の量(g))は、300g/モル以上及び又は
3,000g/モル以下であることが好ましい。更に好
ましく、500g/モル以上及び又は2,500g/モ
ル以下、特には、700g/モル以上及び又は2,00
0g/モル以下が好ましい。水酸基当量が小さいあるい
は300g/モル未満の場合には、得られる硬化性組成
物を用いて形成された塗膜の貯蔵安定性、耐酸性が十分
でなく、また、大きいあるいは3,000g/モルを超
える場合には、組成物の硬化性が劣る傾向にある。
【0011】ビニル系共重合体は例えば下記(1)〜
(3)等を含有する共重合成分を重合することによって
製造することができる。 (1)加水分解性シリル基含有ビニル単量体(モノマー
(a−1))、 (2)水酸基含有ビニル系単量体(モノマー(a−
2))、 (3)共重合可能なその他の単量体(モノマー(a−
3))。
【0012】上記モノマー(a−1)としては、例えば
以下のものが挙げられる。
【0013】
【化1】 などの一般式(III)
【0014】
【化2】 (式中、R5は、水素原子またはメチル基を表し、R
6は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
6〜10のアリール基、または、炭素数7〜10のアラ
ルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であって
も異なっていてもよい。R7は炭素数1〜10のアルキ
ル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異
なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表
される化合物;
【0015】
【化3】 などの一般式(IV)
【0016】
【化4】 (式中、R5、 R6、 R7、aは前記と同じ、nは1〜
12の整数を示す。)で表される化合物;
【0017】
【化5】 などの一般式(V):
【0018】
【化6】 (中、R5、R6、 R7、a、nは前記と同じ)で表され
る化合物;
【0019】
【化7】 などの一般式(VI):
【0020】
【化8】 (式中、R5、R6、R7およびaは前記と同じ、pは1
〜14の整数を示す)で表される化合物や、前記一般式
(I)で表される加水分解性シリル基をウレタン結合ま
たはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アク
リレート等である。これらは単独で用いてもよく2種以
上併用してもよい。これらの中では、取扱いが容易で低
価格であり、反応副生成物が生じないという点から前記
一般式(V)で表される化合物が好ましい。
【0021】モノマー(a−1)の使用量は、共重合成
分全量中5%(重量%、以下同様)以上及び又は60%
以下が好ましく、10%以上及び又は50%以上である
のがさらに好ましい。かかるモノマー(a−1)の使用
量が少ないあるいは5%未満である場合には、得られる
硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐酸性が不充分
となる傾向にあり、多いあるいは60%を超える場合に
は、硬化性組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0022】次に、上記モノマー(a−2)としては、
例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、アロニクス5700(東亜合成化学工業
(株)製)、4−ヒドロキシスチレン、HE−10、H
E−20、HP−1、HP−20等の末端に水酸基を有
するアクリル酸エステルオリゴマー(以上、日本触媒化
学工業(株)製)、ブレンマーPPシリーズ(ポリプロ
ピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシ
リーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコ
ールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレ
ンマーAP−400(ポリプロピレングリコールモノア
クリレート)、ブレンマーAE−350(ポリエチレン
グリコールモノアクリレート)、ブレンマーNKH−5
050(ポリプロピレングリコールポリトリメチレンモ
ノアクリレート)、ブレンマーGLM(グリセロールモ
ノメタクリレート)等の化合物(以上、日本油脂(株)
製)、水酸基含有ビニル系化合物とε−カプロラクトン
の反応によって得られるε−カプロラクトン変性ヒドロ
キシアルキルビニル系共重合性化合物等が挙げられる。
【0023】また、上記ε−カプロラクトン変性ヒドロ
キシアルキルビニル系共重合性化合物の代表例として
は、例えば一般式(VII):
【0024】
【化9】 で表される化合物が挙げられる。その具体例としては、
例えばPlaccelFA−1(R6は水素原子、qは
1)、Placcel FA−4(R6は水素原子、q
は4)、Placcel FM−1(R6は水素原子、
qは1)、Placcel FM−4(R6は水素原
子、qは4)(以上、ダイセル化学工業(株)製)、T
ONE M−100(R6は水素原子、qは2)、TO
NE M−201(R6はメチル基、qは1)、(以
上、UCC社製)等が挙げられる。
【0025】これらのモノマー(a−4)は、単独で用
いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0026】上記モノマー(a−4)の中では、得られ
る硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐酸性および
耐水性が優れるという点から、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートおよびε−カプロラクトン変性ヒドロキシ
アルキルビニル系共重合性化合物が好ましく、特に2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0027】前記モノマー(a−2)の使用量は、共重
合成分全量中0〜50%が好ましく、2%以上及び又は
35%以下であることがさらに好ましい。かかるモノマ
ー(a−4)の使用量が多いあるいは50%を超える場
合には、硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐水性
および耐酸性が低下する傾向にある。
【0028】上記モノマー(a−3)としては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、
ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフ
ルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
アミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、A
A−6、AB−6、AK−5等の化合物(以上、東亜合
成化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸のヒドロキ
シアルキルエステル類等のα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸また
はリン酸エステル類との縮合生成物等のリン酸エステル
基含有ビニル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合
を含む(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘
導体や、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレ
ン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、
これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等
の塩;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸の酸無水
物、これらと炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有
するアルコールとのジエステルまたはハーフエステル等
の不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ジアリルフタレート等のビニルエステルや
アリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエ
ーテル等のアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジ
アミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル
酸ジアミド、N−ビニルピロリドン等のアミド基含有ビ
ニル系化合物;メチルビニルエーテル、シクロヘキシル
ビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロ
プレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオ
ロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビ
ニルスルホン酸等のその他のビニル系化合物等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用して
もよい。
【0029】なお、モノマー(a−3)として、アミ
ン、カルボン酸、スルホン酸、リン酸系の基を有する極
性モノマーを用いる場合には、重合時の架橋反応を抑え
るために、その使用量を共重合成分全量の5%以下とな
るようにすることが望ましい。
【0030】本発明においては、得られる硬化性組成物
を用いて形成される塗膜の耐候性、耐溶剤性、耐衝撃性
等を向上させる目的で、ビニル系共重合体の50%を超
えない範囲で、ウレタン結合やシロキサン結合により形
成されたセグメントを、ビニル系共重合体主鎖中に含ま
れるように使用してもよい。
【0031】本発明に用いられるビニル系共重合体は、
前記モノマー(a−1)、モノマー(a−2)、モノマ
ー(a−3)等を含有する共重合成分から、例えば特開
昭54−36395号公報、特開昭57−55954号
公報等に記載の方法によって製造することができるが、
合成の容易さ等の点からアゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によっ
て製造するのが好ましい。
【0032】前記溶液重合法に用いられる重合溶液は、
非反応性のものであればよく、特に限定はないが、例え
ばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン
等の炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エス
テル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、
n−ブタノール等のアルコール類;エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のエーテル
類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチル
アセトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケ
トン、アセトン等のケトン類等が挙げられる。
【0033】上記重合溶媒は、単独で用いてもよく、2
種以上併用してもよいが、重合溶剤中のメタノールやブ
タノール等のアルコール類の量が共重合成分100重量
部に対して少ないあるいは1重量部未満の場合には、重
合時にゲル化を起こす可能性があるので、重合溶媒中に
は、共重合成分100重量部に対してアルコール類が1
重量部以上及び又は30重量部以下の割合で含有される
ようにするのが好ましい。
【0034】また、上記溶液重合の際に連鎖移動剤を用
いることにより、得られるビニル系共重合体の分子量を
調節してもよい。
【0035】前記連鎖移動剤の具体例としては、例えば
n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカ
プタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシ
シラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OC
33、(CH3O)3Si−S8−Si(OCH33
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
併用してもよい。
【0036】例えば前記γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン等の加水分解性シリル基を分子中に有する
連鎖移動剤を用いる場合には、ビニル系共重合体の主鎖
末端に加水分解性シリル基を導入することができるので
好ましい。
【0037】かかる連鎖移動剤の使用量は、共重合成分
に対して0.1%以上及び又は10%以下であるのが好
ましい。
【0038】本発明においては、本発明の組成物から形
成される塗膜の耐汚染性を向上させるための成分とし
て、次の一般式(II): (R3O)4-b−Si−R4 b (II) (式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル
基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜1
0のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭
素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水
素基、bは0または1を示す)(B)(以下、シリコン
化合物等(B)ともいう)を使用することが出来る。シ
リコン化合物等(B)は該塗膜と被塗物との密着性を向
上させるための成分としても使用することが出来る。シ
リコン化合物等(B)をアクリル系共重合体(A)と混
合させたものは常温硬化性を有する組成物となり、該組
成物を用いて形成される塗膜はすぐれた耐汚染性を有す
るが、該塗膜がすぐれた耐汚染性を有する理由はまだ定
かには判明していない。おそらくアクリル系共重合体
(A)とシリコン化合物等(B)との相対的硬化速度の
違いと相溶性に起因し、表面硬度および親水性が向上す
ることが影響しているものと考えられる。
【0039】前記一般式(II)において、R3は炭素
数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは
たとえばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基、
好ましくはたとえばベンジル基などの炭素数7〜9のア
ラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
【0040】前記アルキル基の炭素数が10を超える場
合には、シリコン化合物等(B)の反応性が低下するよ
うになる。また、R1が前記アルキル基、アリール基、
アラルキル基以外の場合にも反応性が低下するようにな
る。
【0041】また、前記一般式(II)において、R4
は炭素数1〜10、好ましくはR3と同様の炭素数1〜
4のアルキル基、好ましくはR1と同様の炭素数6〜9
のアリール基、好ましくはR3と同様の炭素数7〜9の
アラルキル基から選ばれた1価の炭化水素である。
【0042】前記一般式(II)において、(R3O)
4-bは4ーbが3以上になるように、すなわちbが0ま
たは1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形
成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、bが
0であるのが好ましい。
【0043】一般式(II)中に存在する(R3O)4-b
の数が2個以上の場合、2個以上含まれるR3は同じで
あってもよく、異なっていてもよい。
【0044】前記一般式(II)の具体例としては、た
とえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケー
ト、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピ
ルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi
−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3ーグリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリse
c−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラ
ン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブト
キシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられ
る。
【0045】また、前記シリコン化合物等(B)の具体
例としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルキル
シリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合
させて得られるものがあげられ、たとえばMSi51、
MSi53、ESi28、ESi40、HAS−1、H
AS−10、EMS30/70やEMS40/60やE
MS485等のEMSシリーズ、EPSiシリーズ(以
上、コルコート(株)製)、MS51、MS56、MS
51B15、MS56S、MS56SB5(以上、三菱
化学(株)製)、シリケート40、シリケート45、シ
リケート48、FR―3、mih028、mih032
(以上、多摩化学(株)製)などのテトラアルキルシリ
ケートの部分加水分解分解縮合物や、たとえばAFP−
1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシラ
ンの部分加水分解分解縮合物などが挙げられる。
【0046】前記シリコン化合物等(B)のうちでは、
ベース樹脂、特にアクリル系共重合体(A)との相溶
性、えられる本発明の組成物の硬化性が良好で、該組成
物を用いて形成される塗膜の硬度にすぐれるという点か
ら、MSi51、MS51、MS56、MS51B1
5、MS56S、MS56SB5(テトラメトキシシラ
ンの部分加水分解分解縮合物)やESi40、シリケー
ト40、シリケート45、シリケート48、ESi48
(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、FR
−3、EMSシリーズ(テトラメトキシシランとテトラ
エトキシシランの共部分加水分解縮合物)などのテトラ
アルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物を用いる
のが好ましい。
【0047】さらに、前記シリコン化合物等(B)のな
かでは、縮合度の高いMS56やMS56S、シリケー
ト45、シリケート48ESi48、FR−3、EMS
シリーズなどが初期から接触角を低下させるという点か
ら好ましい。(B)成分の使用量は(A)成分100重
量部に対して1〜100重量部、好ましくは5重量部以
上及び又は100重量部以下、さらに好ましくは10重
量部以上及び又は80重量部以下、あるいは70重量部
以下である。(B)成分が少ないあるいは1重量部未満
の場合には耐汚染性の効果が充分でなく、多いあるいは
100重量部を超える場合には耐衝撃性が低下する。
【0048】本発明の組成物には、(A)成分に対して
架橋剤としてイソシアナ−ト基を2個以上有する化合物
(C)成分が含有される。前記、イソシアナ−ト基を2
個以上有する化合物としては、脂肪族系もしくは芳香族
系のものが挙げられる。
【0049】脂肪族系多官能性イソシアナ−トの具体例
として、常温硬化用でヘキサメチレンジイソシアナ−
ト、ジシクロヘキシルメタン4,4‘−イソシアナ−
ト、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナ−
ト、イソフォロンジイソシアナ−トがあり、構造として
は単量体、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレ−
ト型がある。加熱硬化用としてはブロックタイプのもの
がある。そのブロック剤としてはメチルアルコ−ル、エ
チルアルコ−ル、n−プロピルアルコ−ル、イソ−プロ
ピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、sec−ブチ
ルアルコ−ル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、
ブチルセルソルブ、ベンジルアルコ−ル、フルフリルア
ルコ−ル、シクロヘキシルアルコ−ル、フェノ−ル、o
−クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p―クレゾ−ル、p−
tert−ブチルフェノ−ル、チモ−ル、p−ニトロフ
ェノ−ル、β―ナフト−ルなどがある。また、芳香族多
官能性イソシアナ−トとしては、2,4―トリレンジイ
ソシアナ−ト、2,6―トリレンジイソシアナ−ト、ジ
フェニルメタン−4,4‘−ジイソシアナ−ト、キシレ
ンジイソシアナ−ト、ポリメチレン−ポリフェニレル−
ポリイソシアナ−ト、などがある。これにも、ビュレッ
ト型、ウレジオ型、イソシアヌレ−ト型がある。これら
の化合物は、2種以上混合して用いることもできる。前
記、イソシアナ−ト化合物(C)成分の使用量は、
(A)成分100重量部に対して1重量部以上及び又は
100重量部以下、好ましくは5重量部以上及び又は8
0重量部以下、更に好ましくは10重量部以上及び又は
60重量部以下である。(C)成分が少ないあるいは
0.1重量部未満の場合には、得られる組成物の硬化性
が低下するようになり、また多いあるいは100重量部
を超えると、該組成物を用いて得られた塗膜に未反応の
イソシアナ−ト化合物あるいはイソシアナ−ト基が残存
し、耐候性の低下や塗り重ね時にちぢみを生じる原因と
なる。
【0050】さらに、本発明の組成物には、合成樹脂フ
ィルムに対する対する密着性を向上させる目的として、
イソシアナートシラン、アミノシラン、アミノシランと
イソシアナートシランの反応物、アミノシランとエポキ
シシランの反応物のいずれか1種以上からなる(D)成
分が含有される。
【0051】前記(D)成分の具体例としては、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(トリメト
キシシリルプロピル)アミン、γ−ウレイドプロピルト
リメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、 N−ベンジル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、 N−ビニルベンジル−γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シ
ラン類を用いることができる。また、上記アミノ基含有
シラン類と反応させるイソシアネート基含有シラン類と
しては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、
3−トリメトキシシリルプロピルイソシアヌレート等の
イソシアネート基含有シラン類等を挙げることができ
る。また、上記アミノ基含有シラン類と反応させるエポ
キシ基含有シラン類としては、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポ
キシ基含有シラン類等を挙げることができる。
【0052】特に、合成樹脂フィルムに対する対する密
着性を向上できる点から、ビス(トリメトキシシリルプ
ロピル)アミン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ンとγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランの
反応物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチ
ルジメトキシシランとγ−イソシアネートプロピルトリ
メトキシシランの反応物、γ−アミノプロピルトリメト
キシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランの反応物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシランとγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランの反応物が更に好ましい。
【0053】前記(D)成分の使用量は、(A)の成分
100重量部に対して0.01重量部以上及び又は20
重量部以下、好ましくは、0.1重量部以上及び又は1
0重量部以下、更に好ましくは0.5重量部以上及び又
は5重量部以下である。使用量が少ないあるいは0.0
1重量部以下では密着性が不十分であり、また、多いあ
るいは20重量部を越えると耐候黄変性や硬化性の低下
が懸念される。
【0054】イソシナ−ト化合物とともに配合する硬化
触媒(E)としては有機金属化合物が使用される。その
中では、錫系化合物の場合が塗膜の硬化性の点から好ま
しい。また、貯蔵安定性と硬化活性を考慮して分子内に
S原子を有する化合物が更に好ましい。
【0055】前記錫化合物の具体例としては、ジオクチ
ル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジオクチル
錫オキサイドまたはジブチル錫オキサイドとシリケ−ト
との縮合物、ジブチル錫ジオクトエ−ト、ジブチル錫ジ
ラウレ−ト、ジブチル錫ジステアレ−ト、ジブチル錫ジ
アセチルアセトナ−ト、ジブチル錫ビス(エチルマレ−
ト)、ジブチル錫ビス(ブチルマレ−ト)、ジブチル錫
ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジブチル錫ビス
(オレイルマレ−ト)、スタナスオクトエ−ト、ステア
リン酸錫、ジ−n−ブチル錫ラルレ−トオキサイドがあ
る。また、分子内にS原子有する錫化合物としては、ジ
ブチル錫ビスイソノニル−3―メルカプトプロピオネ−
ト、ジオクチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロ
ピオネ−ト、オクチルブチル錫ビスイソノニル−3−メ
ルカプトプロピオネ−ト、ジブチル錫ビスイソオクチル
チオグルコレ−ト、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオ
グルコレ−ト、オクチルブチル錫ビスイソオクチルチオ
グルコレ−トなどが挙げられる。
【0056】前記錫化合物のうちでは、分子内にS原子
を有する化合物が、イソシアナ−トを配合した場合の貯
蔵安定性および可使時間が良好であることから好まし
く、特に、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプ
ト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−トが硬
化性と貯蔵安定性、可使時間のバランスの点から好まし
い。
【0057】前記硬化触媒(E)成分は単独でもよく、
また、2種類以上併用してもよい。
【0058】前記(E)成分の使用量は、(A)成分1
00重量部に対して0.01重量部以上及び又は10重
量部以下、好ましくは、0.1重量部以上及び又は8重
量部以下、より好ましくは0.3重量部以上及び又は5
重量部以下である。さらに、有機金属化合物(E)成分
の量が多いあるいは10重量部を超えると、該組成物を
用いて形成した塗膜の表面光沢など外観性の低下傾向が
認められるので好ましくない。
【0059】前記脱水剤の具体例としては、たとえばオ
ルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチ
ル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチ
ル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピ
オン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチ
ル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オ
ルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルな
どの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメ
タン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシ
プロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチル
シリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルシリケ−
ト(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシラ
ンなどが挙げられる。この中では、脱水効果の点から、
オルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いても
よく、2種以上併用してもよい。
【0060】前記脱水剤は、(A)成分と(B)成分の
合計100重量部に対して100重量部以下好ましくは
50重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下で使
用される。また、樹脂(A)成分を重合する前の成分に
加えてもよく、樹脂(A)成分の重合中に加えてもよ
く、また、得られた樹脂(A)成分とそのほかの成分と
の混合時に加えてもよく特に制限はない。
【0061】また、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物に
は、通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、群青、
紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラッ
ク、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ
系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、
アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有
機顔料などの顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロ
ース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;
エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素
樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブ
チラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えて
もよい。
【0062】本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、たと
えば浸漬、吹き付け、刷毛などを用いた塗布やグラビア
印刷などの方法によって被塗物に塗布され、常温でその
まま、または30℃以上で焼き付けて硬化せしめる。
【0063】本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、合成
樹脂フィルムなどの上塗り用の塗料として好適に使用さ
れる。
【0064】本発明に使用される合成樹脂フィルムは材
質を問わず従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ
ジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・テト
ラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチ
レン・パーフルオロプロポキシビニルエーテル共重合
体、ナイロン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカー
ボネート、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体、ポリアセタール、AS樹脂、ABS
樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シ
リコン樹脂、ポリエステル樹脂などからなるフィルムを
挙げることが。また、これらのフィルムは紫外線吸集
剤、充填材、熱安定剤などを含むものであってもよい。
【0065】また、予めフィルム表面をコロナ放電など
による表面処理やプライマーや着色塗料などが塗装され
ていてもよい。
【0066】次に、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物を
実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
【0067】製造例1(樹脂(A−1)成分の製造)以
下製造例の部は重量部を表す。撹拌機、温度計、還流冷
却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器
にキシレン40部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ11
0℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン14部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレ−ト13部、メチルメタクリレ−ト25部、n−
ブチルメタクリレ−ト18部、n−ブチルアクリレ−ト
15部、スチレン15部、キシレン18部および2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル3.8部からなる混
合物を滴下ロ−トにより5時間かけて等速滴下した。滴
下終了後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.
2部およびトルエン8部を1時間かけて等速滴下した
後、更に、110℃で2時間攪拌してから冷却し、樹脂
溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50%の樹脂
(A)−1を得た。得られた樹脂(A)−1の平均分子
量は6000であった。
【0068】製造例2(樹脂(A−2)成分の製造) 撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴
下ロ−トを備えた反応器にキシレン40部を仕込み、窒
素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、2
−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト13部、メチルメタ
クリレ−ト22部、n−ブチルメタクリレ−ト18部、
n−ブチルアクリレ−ト12部、スチレン15部、キシ
レン18部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル3.8部からなる混合物を滴下ロ−トにより5時間か
けて等速滴下した。滴下終了後、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.2部およびトルエン8部を1時間
かけて等速滴下した後、更に、110℃で2時間攪拌し
てから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分
濃度が50%の樹脂(A)−2を得た。得られた樹脂
(A)−2の平均分子量は6300であった。
【0069】製造例3(樹脂(A−3)成分の製造) 撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴
下ロ−トを備えた反応器にキシレン40部を仕込み、窒
素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6.5部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト13部、メチルメ
タクリレ−ト29部、n−ブチルメタクリレ−ト18
部、n−ブチルアクリレ−ト18.5部、スチレン15
部、キシレン18部および2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル3.8部からなる混合物を滴下ロ−トにより
5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.2部およびトルエン8部
を1時間かけて等速滴下した後、更に、110℃で2時
間攪拌してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹
脂固形分濃度が50%の樹脂(A)−3を得た。得られ
た樹脂(A)−3の平均分子量は6200であった。
【0070】製造例4(樹脂(A−4)成分の製造) 撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴
下ロ−トを備えた反応器にキシレン40部を仕込み、窒
素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン11部、メ
チルメタクリレ−ト42部、 n−ブチルアクリレ−ト
31部、スチレン15部、N−メチロールアクリルアミ
ド、キシレン18部および2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル3.8部からなる混合物を滴下ロ−トにより
5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.2部およびトルエン8部
を1時間かけて等速滴下した後、更に、110℃で2時
間攪拌してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹
脂固形分濃度が50%の樹脂(A)−4を得た。得られ
た樹脂(A)−4の平均分子量は6100であった。
【0071】実施例及び比較例 実施例1〜7及び比較例1〜2 表1に示した白エナメル塗料をキシレンで希釈してフォ
ードカップ#4粘度で約25秒に調整し、塩化ビニール
製フィルム上に乾燥膜厚で約30μmとなるように塗装
し評価用フィルムを作製した。得られたフィルムを70
℃×30分乾燥させ、更に、23℃にて7日間養生を行
った。(表1中の各成分は重量部である。) 得られた塗膜の耐汚染性、耐候性、接触角、耐折り曲げ
性について以下の方法に従って評価した。
【0072】
【表1】 (イ)耐汚染性(ΔL値) 得られたフィルムをアルミ板に貼り付け、初期および大
阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(30°傾斜屋外曝露)
後の塗膜表面の色彩をCR―300色差計(ミノルタ
製)を用いて各々測定し、得られたL値(明度)から曝
露前のL値との差(ΔL値)を求めた。 (ロ)接触角 初期及び大阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(30°傾斜
屋外曝露)後の塗膜表面の水との静的接触角を接触角測
定器(協和界面科学株式会社製CAS−150型)で測
定した。 (ハ)耐折り曲げ性 得られたフィルムを折り曲げでクラックの発生有無を評
価した。 判定方法 ○:クラックなし ×:クラックあり (ニ)密着性 各粘着シートを湿潤試験機(49℃×98%RH)に7
日間試験した後、取り出し、23℃にて2時間放置後に
2次密着性を評価した。 判定方法 ○:異常なし △:一部剥離 ×:完全剥離 結果を表1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01A AB01H AH06A AK01B AK15 AK52A AK79A AL01A AL05A BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CA02 CB10C DE01A EH46 EH462 EJ86 EJ862 EJ98 EJ983 GB08 GB33 JB07 JB12A JK10 JL08A JL09 JL11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖から
    なり、主鎖末端および/または側鎖に 一般式(I): (式中、 R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
    ル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
    基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12
    のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0
    〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水
    分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共
    に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性
    水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)
    成分100重量部、架橋剤としてイソシアナート基を2
    個以上含有する化合物(C)成分1〜100重量部、イ
    ソシアナートシラン、アミノシラン、アミノシランとイ
    ソシアナートシランの反応物、アミノシランとエポキシ
    シランの反応物のいずれか1種以上からなる(D)成分
    0.01〜20重量部、硬化触媒(E)成分0.01〜
    10重量部からなる塗料用硬化性樹脂組成物を合成樹脂
    フィルムあるいは表面処理された合成樹脂フィルムに塗
    布したフィルム塗装物。
  2. 【請求項2】前記、ビニル系共重合体(A)成分100
    重量部に対して、一般式(II): (R3O)4-b −Si−R4 b (II) (式中、 R3は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
    ル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価
    の炭化水素基、 R4は炭素数1〜10のアルキル基、ア
    リール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水
    素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合
    物および/またはその部分加水分解縮合物(B)成分1
    〜100重量部配合されてなる請求項1に記載の塗料用
    硬化性樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理
    された合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。
  3. 【請求項3】前記硬化触媒(D )成分が有機錫化合物
    である請求項1〜2のいずれか一項に記載の塗料用硬化
    性樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理され
    た合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。
  4. 【請求項4】前記有機錫化合物(D)成分が分子内にS
    原子を含有する錫系化合物である請求項3に記載の塗料
    用硬化性樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処
    理された合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。
  5. 【請求項5】メタリック粉末および/または着色顔料を
    含有する塗料が塗布された塗布面にトップコ−トクリア
    −塗料が塗布されてなる塗装物であって、前記トップコ
    −トクリア−塗料が、請求項1〜4のいずれか一項に記
    載の塗料用硬化性樹脂組成物を主成分として含有するこ
    とを特徴とする組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面
    処理された合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装
    物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103205142A (zh) * 2013-01-15 2013-07-17 浙江鹏孚隆科技有限公司 一种有机改性陶瓷不粘涂层及其涂覆方法
KR101288847B1 (ko) 2012-01-02 2013-07-23 (주)하나실업 핸드백지의 표면무늬 형성방법

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