JP2003231223A - フィルム塗装物 - Google Patents
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Abstract
ィルム塗装物を提供する。 【解決手段】 (A)主鎖が実質的にビニル系共重合体
鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に炭素原子に
結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個
有すると共に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にア
ルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重
合体(A)成分100重量部、架橋剤としてイソシアナ
ート基を2個以上含有する化合物(C)成分1〜100
重量部、イソシアナートシラン、アミノシラン、アミノ
シランとイソシアナートシランの反応物、アミノシラン
とエポキシシランの反応物のいずれか1種以上からなる
(D)成分0.01〜20重量部、硬化触媒(E)成分
0.01〜10重量部を含有するものとする。
Description
組成物を合成樹脂フィルムに塗布した塗装物に関する。
車、内装材などに意匠性を付与するために、合成樹脂フ
ィルムあるいは表面処理された合成樹脂フィルムに予め
塗装された塗装フィルムを貼り付けて使用されている。
これらを屋外で使用する場合は耐候性や耐汚染性が不十
分であるために、改良が要求されている。これらに使用
される塗料としてはアクリルウレタン樹脂塗料、フッ素
樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料を用い
ることがWO94/06870や特開平6−14545
3などに開示されており、耐候性、耐汚染性を向上させ
たりしている。しかし、これらの中でアクリルシリコン
塗料については無機基材に対する密着性は良好である
が、有機塗膜については、他の2種に比較して密着性が
不十分であり、塗り重ねによりちぢみを生じる場合があ
った。また、耐溶剤性が不足する傾向があるため、その
上にエポキシ系塗料が塗布された時ちぢみを生じる場合
や、フィルムに塗布した場合に耐折り曲げ性が不十分な
場合があった。
き実状に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、従来用いられたアクリルシリコン塗料の欠点を
克服し、常温または加熱で硬化性を有する塗料用硬化性
樹脂組成物を提供し、アクリルシリコン樹脂塗料からの
塗膜と同様に優れた耐候性を有するとともに、優れた密
着性、耐溶剤性、耐衝撃性を同時に有する塗装物を提供
することである。
に向上させることも目的とする。
らなる塗装物を提供するものであり、これにより上記目
的が達成される。 1)主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖
末端および/または側鎖に 一般式(I): (式中、 R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12
のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0
〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水
分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共
に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性
水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)
成分100重量部、架橋剤としてイソシアナート基を2
個以上含有する化合物(C)成分1〜100重量部、イ
ソシアナートシラン、アミノシラン、アミノシランとイ
ソシアナートシランの反応物、アミノシランとエポキシ
シランの反応物のいずれか1種以上からなる(D)成分
0.01〜20重量部、硬化触媒(E)成分0.01〜
10重量部からなる塗料用硬化性樹脂組成物を合成樹脂
フィルムあるいは表面処理された合成樹脂フィルムに塗
布したフィルム塗装物。 2)前記、ビニル系共重合体(A)成分100重量部に
対して、一般式(II): (R3O)4-b −Si−R4 b (II) (式中、 R3は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価
の炭化水素基、 R4は炭素数1〜10のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水
素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合
物および/またはその部分加水分解縮合物(B)成分1
〜100重量部配合されてなる請求項1に記載の塗料用
硬化性樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理
された合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。 3)前記硬化触媒(D )成分が有機錫化合物である請
求項1〜2のいずれか一項に記載の塗料用硬化性樹脂組
成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理された合成樹
脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。 4)前記有機錫化合物(D)成分が分子内にS原子を含
有する錫系化合物である請求項3に記載の塗料用硬化性
樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理された
合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。 5)メタリック粉末および/または着色顔料を含有する
塗料が塗布された塗布面にトップコ−トクリア−塗料が
塗布されてなる塗装物であって、前記トップコ−トクリ
ア−塗料が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料
用硬化性樹脂組成物を主成分として含有することを特徴
とする塗装物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理され
た合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。
有される上記各成分、およびその他の成分について順に
説明する。 (A)成分 本発明に用いられる(A)成分の形態としては、主鎖が
実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および
/または側鎖に一般式(I): (式中、 R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基、 R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基及びアラルキル基から選ばれた1価の炭
化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原
子に結合した加水分解性シリル基(シラノール基を含む
概念である)を1分子中に少なくとも1個有し、かつ、
主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少
なくとも1個有するビニル系共重合体である。前記共重
合体は、その主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からな
るため、得られる硬化性樹脂組成物を用いて形成される
塗膜の耐候性、耐薬品性等が優れたものとなり、また、
加水分解性シリル基が炭素原子に結合しているため、塗
膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性等も優れている。
表される加水分解性シリル基は分子中に1個以上あれば
よいが、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜
の耐溶剤性が優れるという点から、2〜10個あること
が好ましい。
子または炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましく
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル
基等の炭素数1〜4のアルキル基である。かかるアルキ
ル基の炭素数が10を超える場合には、加水分解性シリ
ル基の反応性が低下する傾向にある。また、前記R
1が、例えばフェニル基、ベンジル基等のアルキル基以
外の基である場合にも、加水分解性シリル基の反応性が
低下するので好ましくない。
水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、好
ましくは、前記R1において具体例を示した炭素数1〜
4のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜25のアリ
ール基、ベンジル基等の炭素数7〜12のアラルキル基
から選ばれた1価の炭化水素基であり、これらの中で
は、得られる組成物が硬化性に優れるという点からアル
キル基が好ましい。
水酸基当量(アルコール性水酸基1モルを含むビニル系
共重合体の量(g))は、300g/モル以上及び又は
3,000g/モル以下であることが好ましい。更に好
ましく、500g/モル以上及び又は2,500g/モ
ル以下、特には、700g/モル以上及び又は2,00
0g/モル以下が好ましい。水酸基当量が小さいあるい
は300g/モル未満の場合には、得られる硬化性組成
物を用いて形成された塗膜の貯蔵安定性、耐酸性が十分
でなく、また、大きいあるいは3,000g/モルを超
える場合には、組成物の硬化性が劣る傾向にある。
(3)等を含有する共重合成分を重合することによって
製造することができる。 (1)加水分解性シリル基含有ビニル単量体(モノマー
(a−1))、 (2)水酸基含有ビニル系単量体(モノマー(a−
2))、 (3)共重合可能なその他の単量体(モノマー(a−
3))。
以下のものが挙げられる。
6は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
6〜10のアリール基、または、炭素数7〜10のアラ
ルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であって
も異なっていてもよい。R7は炭素数1〜10のアルキ
ル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異
なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表
される化合物;
12の整数を示す。)で表される化合物;
る化合物;
〜14の整数を示す)で表される化合物や、前記一般式
(I)で表される加水分解性シリル基をウレタン結合ま
たはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アク
リレート等である。これらは単独で用いてもよく2種以
上併用してもよい。これらの中では、取扱いが容易で低
価格であり、反応副生成物が生じないという点から前記
一般式(V)で表される化合物が好ましい。
分全量中5%(重量%、以下同様)以上及び又は60%
以下が好ましく、10%以上及び又は50%以上である
のがさらに好ましい。かかるモノマー(a−1)の使用
量が少ないあるいは5%未満である場合には、得られる
硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐酸性が不充分
となる傾向にあり、多いあるいは60%を超える場合に
は、硬化性組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、アロニクス5700(東亜合成化学工業
(株)製)、4−ヒドロキシスチレン、HE−10、H
E−20、HP−1、HP−20等の末端に水酸基を有
するアクリル酸エステルオリゴマー(以上、日本触媒化
学工業(株)製)、ブレンマーPPシリーズ(ポリプロ
ピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシ
リーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコ
ールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレ
ンマーAP−400(ポリプロピレングリコールモノア
クリレート)、ブレンマーAE−350(ポリエチレン
グリコールモノアクリレート)、ブレンマーNKH−5
050(ポリプロピレングリコールポリトリメチレンモ
ノアクリレート)、ブレンマーGLM(グリセロールモ
ノメタクリレート)等の化合物(以上、日本油脂(株)
製)、水酸基含有ビニル系化合物とε−カプロラクトン
の反応によって得られるε−カプロラクトン変性ヒドロ
キシアルキルビニル系共重合性化合物等が挙げられる。
キシアルキルビニル系共重合性化合物の代表例として
は、例えば一般式(VII):
例えばPlaccelFA−1(R6は水素原子、qは
1)、Placcel FA−4(R6は水素原子、q
は4)、Placcel FM−1(R6は水素原子、
qは1)、Placcel FM−4(R6は水素原
子、qは4)(以上、ダイセル化学工業(株)製)、T
ONE M−100(R6は水素原子、qは2)、TO
NE M−201(R6はメチル基、qは1)、(以
上、UCC社製)等が挙げられる。
いてもよく、2種以上併用してもよい。
る硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐酸性および
耐水性が優れるという点から、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートおよびε−カプロラクトン変性ヒドロキシ
アルキルビニル系共重合性化合物が好ましく、特に2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
合成分全量中0〜50%が好ましく、2%以上及び又は
35%以下であることがさらに好ましい。かかるモノマ
ー(a−4)の使用量が多いあるいは50%を超える場
合には、硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐水性
および耐酸性が低下する傾向にある。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、
ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフ
ルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
アミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、A
A−6、AB−6、AK−5等の化合物(以上、東亜合
成化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸のヒドロキ
シアルキルエステル類等のα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸また
はリン酸エステル類との縮合生成物等のリン酸エステル
基含有ビニル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合
を含む(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘
導体や、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレ
ン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、
これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等
の塩;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸の酸無水
物、これらと炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有
するアルコールとのジエステルまたはハーフエステル等
の不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ジアリルフタレート等のビニルエステルや
アリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエ
ーテル等のアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジ
アミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル
酸ジアミド、N−ビニルピロリドン等のアミド基含有ビ
ニル系化合物;メチルビニルエーテル、シクロヘキシル
ビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロ
プレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオ
ロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビ
ニルスルホン酸等のその他のビニル系化合物等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用して
もよい。
ン、カルボン酸、スルホン酸、リン酸系の基を有する極
性モノマーを用いる場合には、重合時の架橋反応を抑え
るために、その使用量を共重合成分全量の5%以下とな
るようにすることが望ましい。
を用いて形成される塗膜の耐候性、耐溶剤性、耐衝撃性
等を向上させる目的で、ビニル系共重合体の50%を超
えない範囲で、ウレタン結合やシロキサン結合により形
成されたセグメントを、ビニル系共重合体主鎖中に含ま
れるように使用してもよい。
前記モノマー(a−1)、モノマー(a−2)、モノマ
ー(a−3)等を含有する共重合成分から、例えば特開
昭54−36395号公報、特開昭57−55954号
公報等に記載の方法によって製造することができるが、
合成の容易さ等の点からアゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によっ
て製造するのが好ましい。
非反応性のものであればよく、特に限定はないが、例え
ばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン
等の炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エス
テル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、
n−ブタノール等のアルコール類;エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のエーテル
類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチル
アセトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケ
トン、アセトン等のケトン類等が挙げられる。
種以上併用してもよいが、重合溶剤中のメタノールやブ
タノール等のアルコール類の量が共重合成分100重量
部に対して少ないあるいは1重量部未満の場合には、重
合時にゲル化を起こす可能性があるので、重合溶媒中に
は、共重合成分100重量部に対してアルコール類が1
重量部以上及び又は30重量部以下の割合で含有される
ようにするのが好ましい。
いることにより、得られるビニル系共重合体の分子量を
調節してもよい。
n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカ
プタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシ
シラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OC
H3)3、(CH3O)3Si−S8−Si(OCH3)3等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
併用してもよい。
トキシシラン等の加水分解性シリル基を分子中に有する
連鎖移動剤を用いる場合には、ビニル系共重合体の主鎖
末端に加水分解性シリル基を導入することができるので
好ましい。
に対して0.1%以上及び又は10%以下であるのが好
ましい。
成される塗膜の耐汚染性を向上させるための成分とし
て、次の一般式(II): (R3O)4-b−Si−R4 b (II) (式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル
基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜1
0のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭
素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水
素基、bは0または1を示す)(B)(以下、シリコン
化合物等(B)ともいう)を使用することが出来る。シ
リコン化合物等(B)は該塗膜と被塗物との密着性を向
上させるための成分としても使用することが出来る。シ
リコン化合物等(B)をアクリル系共重合体(A)と混
合させたものは常温硬化性を有する組成物となり、該組
成物を用いて形成される塗膜はすぐれた耐汚染性を有す
るが、該塗膜がすぐれた耐汚染性を有する理由はまだ定
かには判明していない。おそらくアクリル系共重合体
(A)とシリコン化合物等(B)との相対的硬化速度の
違いと相溶性に起因し、表面硬度および親水性が向上す
ることが影響しているものと考えられる。
数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは
たとえばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基、
好ましくはたとえばベンジル基などの炭素数7〜9のア
ラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
合には、シリコン化合物等(B)の反応性が低下するよ
うになる。また、R1が前記アルキル基、アリール基、
アラルキル基以外の場合にも反応性が低下するようにな
る。
は炭素数1〜10、好ましくはR3と同様の炭素数1〜
4のアルキル基、好ましくはR1と同様の炭素数6〜9
のアリール基、好ましくはR3と同様の炭素数7〜9の
アラルキル基から選ばれた1価の炭化水素である。
4-bは4ーbが3以上になるように、すなわちbが0ま
たは1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形
成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、bが
0であるのが好ましい。
の数が2個以上の場合、2個以上含まれるR3は同じで
あってもよく、異なっていてもよい。
とえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケー
ト、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピ
ルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi
−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3ーグリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリse
c−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラ
ン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブト
キシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられ
る。
例としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルキル
シリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合
させて得られるものがあげられ、たとえばMSi51、
MSi53、ESi28、ESi40、HAS−1、H
AS−10、EMS30/70やEMS40/60やE
MS485等のEMSシリーズ、EPSiシリーズ(以
上、コルコート(株)製)、MS51、MS56、MS
51B15、MS56S、MS56SB5(以上、三菱
化学(株)製)、シリケート40、シリケート45、シ
リケート48、FR―3、mih028、mih032
(以上、多摩化学(株)製)などのテトラアルキルシリ
ケートの部分加水分解分解縮合物や、たとえばAFP−
1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシラ
ンの部分加水分解分解縮合物などが挙げられる。
ベース樹脂、特にアクリル系共重合体(A)との相溶
性、えられる本発明の組成物の硬化性が良好で、該組成
物を用いて形成される塗膜の硬度にすぐれるという点か
ら、MSi51、MS51、MS56、MS51B1
5、MS56S、MS56SB5(テトラメトキシシラ
ンの部分加水分解分解縮合物)やESi40、シリケー
ト40、シリケート45、シリケート48、ESi48
(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、FR
−3、EMSシリーズ(テトラメトキシシランとテトラ
エトキシシランの共部分加水分解縮合物)などのテトラ
アルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物を用いる
のが好ましい。
かでは、縮合度の高いMS56やMS56S、シリケー
ト45、シリケート48ESi48、FR−3、EMS
シリーズなどが初期から接触角を低下させるという点か
ら好ましい。(B)成分の使用量は(A)成分100重
量部に対して1〜100重量部、好ましくは5重量部以
上及び又は100重量部以下、さらに好ましくは10重
量部以上及び又は80重量部以下、あるいは70重量部
以下である。(B)成分が少ないあるいは1重量部未満
の場合には耐汚染性の効果が充分でなく、多いあるいは
100重量部を超える場合には耐衝撃性が低下する。
架橋剤としてイソシアナ−ト基を2個以上有する化合物
(C)成分が含有される。前記、イソシアナ−ト基を2
個以上有する化合物としては、脂肪族系もしくは芳香族
系のものが挙げられる。
として、常温硬化用でヘキサメチレンジイソシアナ−
ト、ジシクロヘキシルメタン4,4‘−イソシアナ−
ト、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナ−
ト、イソフォロンジイソシアナ−トがあり、構造として
は単量体、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレ−
ト型がある。加熱硬化用としてはブロックタイプのもの
がある。そのブロック剤としてはメチルアルコ−ル、エ
チルアルコ−ル、n−プロピルアルコ−ル、イソ−プロ
ピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、sec−ブチ
ルアルコ−ル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、
ブチルセルソルブ、ベンジルアルコ−ル、フルフリルア
ルコ−ル、シクロヘキシルアルコ−ル、フェノ−ル、o
−クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p―クレゾ−ル、p−
tert−ブチルフェノ−ル、チモ−ル、p−ニトロフ
ェノ−ル、β―ナフト−ルなどがある。また、芳香族多
官能性イソシアナ−トとしては、2,4―トリレンジイ
ソシアナ−ト、2,6―トリレンジイソシアナ−ト、ジ
フェニルメタン−4,4‘−ジイソシアナ−ト、キシレ
ンジイソシアナ−ト、ポリメチレン−ポリフェニレル−
ポリイソシアナ−ト、などがある。これにも、ビュレッ
ト型、ウレジオ型、イソシアヌレ−ト型がある。これら
の化合物は、2種以上混合して用いることもできる。前
記、イソシアナ−ト化合物(C)成分の使用量は、
(A)成分100重量部に対して1重量部以上及び又は
100重量部以下、好ましくは5重量部以上及び又は8
0重量部以下、更に好ましくは10重量部以上及び又は
60重量部以下である。(C)成分が少ないあるいは
0.1重量部未満の場合には、得られる組成物の硬化性
が低下するようになり、また多いあるいは100重量部
を超えると、該組成物を用いて得られた塗膜に未反応の
イソシアナ−ト化合物あるいはイソシアナ−ト基が残存
し、耐候性の低下や塗り重ね時にちぢみを生じる原因と
なる。
ィルムに対する対する密着性を向上させる目的として、
イソシアナートシラン、アミノシラン、アミノシランと
イソシアナートシランの反応物、アミノシランとエポキ
シシランの反応物のいずれか1種以上からなる(D)成
分が含有される。
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(トリメト
キシシリルプロピル)アミン、γ−ウレイドプロピルト
リメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、 N−ベンジル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、 N−ビニルベンジル−γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シ
ラン類を用いることができる。また、上記アミノ基含有
シラン類と反応させるイソシアネート基含有シラン類と
しては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、
3−トリメトキシシリルプロピルイソシアヌレート等の
イソシアネート基含有シラン類等を挙げることができ
る。また、上記アミノ基含有シラン類と反応させるエポ
キシ基含有シラン類としては、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポ
キシ基含有シラン類等を挙げることができる。
着性を向上できる点から、ビス(トリメトキシシリルプ
ロピル)アミン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ンとγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランの
反応物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチ
ルジメトキシシランとγ−イソシアネートプロピルトリ
メトキシシランの反応物、γ−アミノプロピルトリメト
キシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランの反応物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシランとγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランの反応物が更に好ましい。
100重量部に対して0.01重量部以上及び又は20
重量部以下、好ましくは、0.1重量部以上及び又は1
0重量部以下、更に好ましくは0.5重量部以上及び又
は5重量部以下である。使用量が少ないあるいは0.0
1重量部以下では密着性が不十分であり、また、多いあ
るいは20重量部を越えると耐候黄変性や硬化性の低下
が懸念される。
触媒(E)としては有機金属化合物が使用される。その
中では、錫系化合物の場合が塗膜の硬化性の点から好ま
しい。また、貯蔵安定性と硬化活性を考慮して分子内に
S原子を有する化合物が更に好ましい。
ル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジオクチル
錫オキサイドまたはジブチル錫オキサイドとシリケ−ト
との縮合物、ジブチル錫ジオクトエ−ト、ジブチル錫ジ
ラウレ−ト、ジブチル錫ジステアレ−ト、ジブチル錫ジ
アセチルアセトナ−ト、ジブチル錫ビス(エチルマレ−
ト)、ジブチル錫ビス(ブチルマレ−ト)、ジブチル錫
ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジブチル錫ビス
(オレイルマレ−ト)、スタナスオクトエ−ト、ステア
リン酸錫、ジ−n−ブチル錫ラルレ−トオキサイドがあ
る。また、分子内にS原子有する錫化合物としては、ジ
ブチル錫ビスイソノニル−3―メルカプトプロピオネ−
ト、ジオクチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロ
ピオネ−ト、オクチルブチル錫ビスイソノニル−3−メ
ルカプトプロピオネ−ト、ジブチル錫ビスイソオクチル
チオグルコレ−ト、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオ
グルコレ−ト、オクチルブチル錫ビスイソオクチルチオ
グルコレ−トなどが挙げられる。
を有する化合物が、イソシアナ−トを配合した場合の貯
蔵安定性および可使時間が良好であることから好まし
く、特に、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプ
ト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−トが硬
化性と貯蔵安定性、可使時間のバランスの点から好まし
い。
また、2種類以上併用してもよい。
00重量部に対して0.01重量部以上及び又は10重
量部以下、好ましくは、0.1重量部以上及び又は8重
量部以下、より好ましくは0.3重量部以上及び又は5
重量部以下である。さらに、有機金属化合物(E)成分
の量が多いあるいは10重量部を超えると、該組成物を
用いて形成した塗膜の表面光沢など外観性の低下傾向が
認められるので好ましくない。
ルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチ
ル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチ
ル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピ
オン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチ
ル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オ
ルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルな
どの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメ
タン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシ
プロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチル
シリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルシリケ−
ト(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシラ
ンなどが挙げられる。この中では、脱水効果の点から、
オルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いても
よく、2種以上併用してもよい。
合計100重量部に対して100重量部以下好ましくは
50重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下で使
用される。また、樹脂(A)成分を重合する前の成分に
加えてもよく、樹脂(A)成分の重合中に加えてもよ
く、また、得られた樹脂(A)成分とそのほかの成分と
の混合時に加えてもよく特に制限はない。
は、通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、群青、
紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラッ
ク、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ
系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、
アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有
機顔料などの顔料;希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロ
ース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;
エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素
樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブ
チラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えて
もよい。
えば浸漬、吹き付け、刷毛などを用いた塗布やグラビア
印刷などの方法によって被塗物に塗布され、常温でその
まま、または30℃以上で焼き付けて硬化せしめる。
樹脂フィルムなどの上塗り用の塗料として好適に使用さ
れる。
質を問わず従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ
ジエン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・テト
ラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチ
レン・パーフルオロプロポキシビニルエーテル共重合
体、ナイロン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカー
ボネート、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体、ポリアセタール、AS樹脂、ABS
樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シ
リコン樹脂、ポリエステル樹脂などからなるフィルムを
挙げることが。また、これらのフィルムは紫外線吸集
剤、充填材、熱安定剤などを含むものであってもよい。
による表面処理やプライマーや着色塗料などが塗装され
ていてもよい。
実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
下製造例の部は重量部を表す。撹拌機、温度計、還流冷
却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器
にキシレン40部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ11
0℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン14部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレ−ト13部、メチルメタクリレ−ト25部、n−
ブチルメタクリレ−ト18部、n−ブチルアクリレ−ト
15部、スチレン15部、キシレン18部および2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル3.8部からなる混
合物を滴下ロ−トにより5時間かけて等速滴下した。滴
下終了後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.
2部およびトルエン8部を1時間かけて等速滴下した
後、更に、110℃で2時間攪拌してから冷却し、樹脂
溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50%の樹脂
(A)−1を得た。得られた樹脂(A)−1の平均分子
量は6000であった。
下ロ−トを備えた反応器にキシレン40部を仕込み、窒
素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、2
−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト13部、メチルメタ
クリレ−ト22部、n−ブチルメタクリレ−ト18部、
n−ブチルアクリレ−ト12部、スチレン15部、キシ
レン18部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル3.8部からなる混合物を滴下ロ−トにより5時間か
けて等速滴下した。滴下終了後、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.2部およびトルエン8部を1時間
かけて等速滴下した後、更に、110℃で2時間攪拌し
てから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分
濃度が50%の樹脂(A)−2を得た。得られた樹脂
(A)−2の平均分子量は6300であった。
下ロ−トを備えた反応器にキシレン40部を仕込み、窒
素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6.5部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト13部、メチルメ
タクリレ−ト29部、n−ブチルメタクリレ−ト18
部、n−ブチルアクリレ−ト18.5部、スチレン15
部、キシレン18部および2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル3.8部からなる混合物を滴下ロ−トにより
5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.2部およびトルエン8部
を1時間かけて等速滴下した後、更に、110℃で2時
間攪拌してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹
脂固形分濃度が50%の樹脂(A)−3を得た。得られ
た樹脂(A)−3の平均分子量は6200であった。
下ロ−トを備えた反応器にキシレン40部を仕込み、窒
素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン11部、メ
チルメタクリレ−ト42部、 n−ブチルアクリレ−ト
31部、スチレン15部、N−メチロールアクリルアミ
ド、キシレン18部および2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル3.8部からなる混合物を滴下ロ−トにより
5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.2部およびトルエン8部
を1時間かけて等速滴下した後、更に、110℃で2時
間攪拌してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹
脂固形分濃度が50%の樹脂(A)−4を得た。得られ
た樹脂(A)−4の平均分子量は6100であった。
ードカップ#4粘度で約25秒に調整し、塩化ビニール
製フィルム上に乾燥膜厚で約30μmとなるように塗装
し評価用フィルムを作製した。得られたフィルムを70
℃×30分乾燥させ、更に、23℃にて7日間養生を行
った。(表1中の各成分は重量部である。) 得られた塗膜の耐汚染性、耐候性、接触角、耐折り曲げ
性について以下の方法に従って評価した。
阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(30°傾斜屋外曝露)
後の塗膜表面の色彩をCR―300色差計(ミノルタ
製)を用いて各々測定し、得られたL値(明度)から曝
露前のL値との差(ΔL値)を求めた。 (ロ)接触角 初期及び大阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(30°傾斜
屋外曝露)後の塗膜表面の水との静的接触角を接触角測
定器(協和界面科学株式会社製CAS−150型)で測
定した。 (ハ)耐折り曲げ性 得られたフィルムを折り曲げでクラックの発生有無を評
価した。 判定方法 ○:クラックなし ×:クラックあり (ニ)密着性 各粘着シートを湿潤試験機(49℃×98%RH)に7
日間試験した後、取り出し、23℃にて2時間放置後に
2次密着性を評価した。 判定方法 ○:異常なし △:一部剥離 ×:完全剥離 結果を表1に示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖から
なり、主鎖末端および/または側鎖に 一般式(I): (式中、 R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12
のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0
〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水
分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共
に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性
水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)
成分100重量部、架橋剤としてイソシアナート基を2
個以上含有する化合物(C)成分1〜100重量部、イ
ソシアナートシラン、アミノシラン、アミノシランとイ
ソシアナートシランの反応物、アミノシランとエポキシ
シランの反応物のいずれか1種以上からなる(D)成分
0.01〜20重量部、硬化触媒(E)成分0.01〜
10重量部からなる塗料用硬化性樹脂組成物を合成樹脂
フィルムあるいは表面処理された合成樹脂フィルムに塗
布したフィルム塗装物。 - 【請求項2】前記、ビニル系共重合体(A)成分100
重量部に対して、一般式(II): (R3O)4-b −Si−R4 b (II) (式中、 R3は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価
の炭化水素基、 R4は炭素数1〜10のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水
素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合
物および/またはその部分加水分解縮合物(B)成分1
〜100重量部配合されてなる請求項1に記載の塗料用
硬化性樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理
された合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。 - 【請求項3】前記硬化触媒(D )成分が有機錫化合物
である請求項1〜2のいずれか一項に記載の塗料用硬化
性樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処理され
た合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。 - 【請求項4】前記有機錫化合物(D)成分が分子内にS
原子を含有する錫系化合物である請求項3に記載の塗料
用硬化性樹脂組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面処
理された合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装物。 - 【請求項5】メタリック粉末および/または着色顔料を
含有する塗料が塗布された塗布面にトップコ−トクリア
−塗料が塗布されてなる塗装物であって、前記トップコ
−トクリア−塗料が、請求項1〜4のいずれか一項に記
載の塗料用硬化性樹脂組成物を主成分として含有するこ
とを特徴とする組成物を合成樹脂フィルムあるいは表面
処理された合成樹脂フィルムに塗布したフィルム塗装
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002030652A JP2003231223A (ja) | 2002-02-07 | 2002-02-07 | フィルム塗装物 |
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---|---|---|---|
JP2002030652A JP2003231223A (ja) | 2002-02-07 | 2002-02-07 | フィルム塗装物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003231223A true JP2003231223A (ja) | 2003-08-19 |
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ID=27774325
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002030652A Pending JP2003231223A (ja) | 2002-02-07 | 2002-02-07 | フィルム塗装物 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003231223A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103205142A (zh) * | 2013-01-15 | 2013-07-17 | 浙江鹏孚隆科技有限公司 | 一种有机改性陶瓷不粘涂层及其涂覆方法 |
KR101288847B1 (ko) | 2012-01-02 | 2013-07-23 | (주)하나실업 | 핸드백지의 표면무늬 형성방법 |
-
2002
- 2002-02-07 JP JP2002030652A patent/JP2003231223A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101288847B1 (ko) | 2012-01-02 | 2013-07-23 | (주)하나실업 | 핸드백지의 표면무늬 형성방법 |
CN103205142A (zh) * | 2013-01-15 | 2013-07-17 | 浙江鹏孚隆科技有限公司 | 一种有机改性陶瓷不粘涂层及其涂覆方法 |
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