JP2003230816A - 脱臭触媒並びに生ごみ処理機排ガスの脱臭方法および脱臭装置 - Google Patents

脱臭触媒並びに生ごみ処理機排ガスの脱臭方法および脱臭装置

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正人 保坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫黄成分による被毒を抑制し、高湿度条件で
多様な臭気を比較的低温で十分に除去することができる
脱臭触媒、生ごみ処理機排ガスの脱臭方法、および脱臭
装置を提供する必要があった。 【解決手段】 チタン酸化物を主成分とする第1の脱臭
触媒と、白金族系金属を主成分とする第二の脱臭触媒か
らなる生ごみ処理機排ガスの脱臭方法であり、その装置
として、脱臭触媒と、前記脱臭触媒を加熱する手段と、
生ごみ処理部で発生するガスを導入する導入口と、排ガ
スを排出する排ガス出口から構成され、前記脱臭触媒が
チタン酸化物を主成分とする第1の脱臭触媒と、前記第
1の触媒の下流側に設けられた白金族系金属を主成分と
する第2の脱臭触媒から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生ごみ処理機から
排出される排気ガスの処理装置と、それに用いる脱臭触
媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生ごみ処理機には、加熱乾燥
方式や、微生物を用いたバイオ処理方式などが利用され
ている。しかし、いずれの方式でも発生ガスによる臭気
が問題となっている。この臭気は、主に、有機硫黄化合
物、アンモニアやアミン類、酢酸や吉草酸などの脂肪
酸、アルデヒド、アルコールなどの可燃性化合物から構
成される。
【0003】この臭気を除去するために、吸着式、オゾ
ン酸化式、酸化分解(燃焼)式、微生物分解式などが開
発され、改良されている。これらの中でも、触媒を用い
た酸化分解触媒式には、生ごみ処理機をコンパクトに
し、さらにメンテナンスの必要がないという利点があ
る。一般的に、触媒にはPtやPdを担持した活性アル
ミナ(Al23)などが用いられ、ヒータなどの加熱手
段により、300℃以上に加熱されることで使用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような触媒の脱
臭能力は、触媒の酸化分解温度を上げると向上する。し
かしながら、エネルギー消費量を低減させるために、よ
り低い温度で脱臭機能を発揮する触媒が求められてい
る。
【0005】臭気に対する低温(300℃以下)で脱臭
機能を発揮する触媒は、Mn酸化物系触媒をはじめいく
つか開発されている。しかしながら、生ごみ処理時に発
生する臭気の中で、メルカプタンなどの硫黄系臭気が触
媒毒となり、該硫黄系臭気やその他の脂肪酸やアミン系
などの臭気の分解に対する低温活性が阻害されたり、二
硫化ジメチルなどの部分酸化物を形成し、臭いの変質が
生じるなどの問題点があった。
【0006】硫黄分による被毒は、触媒成分との硫酸塩
の形成などの化学的結合によるものや、反応中間体の付
着、さらには触媒上でのSOxの滞留などのメカニズム
によって生じている。Mn酸化物系触媒とを用いた場合
には硫酸塩が形成されて活性消失し、反応温度帯が10
0℃近くも高温化する結果となっていた。同様の被毒は
いわゆる担持白金属系金属触媒でも担体成分が化合物を
形成する場合にも生じることが多かった。
【0007】したがって、本用途ではSOxと反応しに
くい担体を使用した担持白金属系金属触媒を用いること
が好ましいが、そのような場合でも硫黄化合物の反応中
間体による被毒が生じ、問題となっていた。その度合い
は弱吸着したSOxなどで触媒表面を覆われる場合より
も強く被毒され、低温活性を阻害する結果となってい
た。
【0008】一例として(表1)にPt/ZrO2触媒
に対してSO2、硫化メチル((CH 3)−S−(C
3))、またはメチルメルカプタン(CH3SH)20
00ppmを含む空気をSV=20000/h条件下、
250℃で8h流通させた後の酢酸分解率の低下度合い
を示している。被毒の度合いは、特にメチルメルカプタ
ンが大きく、硫黄系臭気の分解によって生成するSO2
よりも、メルカプタン系臭気の分解過程における部分酸
化的中間体の付着が触媒活性を低下させていることを示
している。また、理由は明らかではないが、硫化メチル
はS−H結合を有していないため、被毒効果が生じにく
いものと考えられる。
【0009】
【表1】
【0010】さらに、メルカプタン系の化合物は、反応
温度やガスと触媒の接触時間が十分でない場合、あるい
は部分的に高濃度で硫黄化合物が供給された場合に、脱
水素的な二量化反応が生じやすく、S−S結合を有する
二硫化メチル((CH3)−SS−(CH3))などの部
分化合物に変質し下流部分の触媒成分を被毒する、ある
いはそのまま変質した臭気として排出されるといったも
う一つの問題点も生じていた。そのため、二硫化メチル
などの被毒性副生成物を形成することなしに、これらの
有機硫黄化合物を完全に除去することが可能な触媒が求
められていた。
【0011】本発明は、このような従来の生ごみ処理機
に特に顕著な触媒脱臭の課題を考慮し、硫黄成分による
被毒を抑制し、臭気を比較的低温で十分に除去すること
ができる脱臭触媒および生ごみ処理機排ガスの脱臭装置
を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、チタン酸化物
を主成分とする第1の脱臭触媒と、白金族系金属を主成
分とする第二の脱臭触媒からなる生ごみ処理機排ガスの
脱臭方法であり、その装置として、脱臭触媒と、前記脱
臭触媒を加熱する手段と、生ごみ処理部で発生するガス
を導入する導入口と、排ガスを排出する排ガス出口から
構成され、前記脱臭触媒がチタン酸化物を主成分とする
第1の脱臭触媒と、前記第1の触媒の下流側に設けられ
た白金族系金属を主成分とする第2の脱臭触媒から構成
された生ごみ処理機排ガスの脱臭装置、または、チタン
酸化物を主成分とする第1脱臭触媒層と、前記第1脱臭
触媒層の下層側に設けられた白金族系金属を主成分とす
る第2脱臭触媒層が同一基材上に形成されている脱臭触
媒とする。また、上記チタン酸化物を主成分とする第1
の脱臭触媒または第1脱臭触媒層として、Rh、Ru、
Cu、Agから選択される少なくとも一つをチタン酸化
物を主成分とする担体に担持してなる脱臭触媒であり、
さらにこれらとPtまたはPdから選択される少なくと
も一種を複合担持してなる脱臭触媒とし、さらに前記R
h、Ru、Cu,Agから選択される少なくとも一種
と、PtまたはPdから選択される少なくとも一種の比
率が1:8〜1:2の範囲とする。また、前記脱臭触媒
が塩基性化合物と複合化された上記記載の脱臭触媒とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、脂肪酸やアミンなど
の臭気成分に高い低温活性を示す担持白金族系金属触媒
が生ごみ処理槽からの排ガスと接触する前に、前記排ガ
スを別途設けた脱臭触媒体、あるいは脱臭触媒層により
排ガス中に含まれるメルカプタンなどの有機硫黄化合物
を95%以上、好ましくは99%以上SO2等の弱毒性
化合物に分解するとともに、前記担持白金族系金属触媒
に対する被毒作用を軽減することで、脂肪酸やアミン系
臭気の低温分解を効率的に行うものである。
【0014】本発明では、生ごみ処理機排ガスのような
高湿度で多量に発生するガス中においても、反応生成物
等の吸着等により触媒性能が低下することなく、メルカ
プタンなどの有機硫黄化合物を300℃以下の温度でS
2まで分解除去する触媒として、チタン酸化物を主成
分とし、特にRh、Ru、Cu、Agから選択される少
なくとも一つを前記チタン酸化物を主成分とする担体に
担持したものを用いている。ここでチタン酸化物を主成
分とするとは、少なくとも触媒構成成分で少なくとも5
0%以上のチタン酸化物を含むことを意味するものであ
る。これらの組成とすることで、メルカプタンを99.
5%以上分解し、二硫化メチルなどの部分酸化生成物の
形成や過度な酸化生成物であるSO3を抑制すること
で、主分解生成物のSO2に変換する。上記チタン酸化
物は、二酸化チタンであれば結晶形態はアナタースのも
ので、表面積は10m2/g以上のものが触媒金属を分
散担持する上で好ましいが、一部ルチル型の結晶形態を
含んでいても表面積が維持されていれば特に大きく性能
が低下するものではなく、本用途に用いることができ
る。また、チタン酸化物をSiO2やZrO2などと複合
化した形態とした担体を用いても構わないが、表面組成
で50%以上のチタン酸化物が存在していることが好ま
しい。チタン酸化物自体もメルカプタンを分解する作用
を有しているが、前記の触媒金属を担持することで、よ
り副生成物やチタン酸化物上への吸着物の形成なしに有
機硫黄分解触媒として作用する。担持されるRh、R
u、Cu、Agについては0.1〜30wt%程度の担
持されていることが好ましい。
【0015】また、チタン酸化物に担持されるRh、R
u、Cu、Agは、特にこれらとPtまたはPdと複合
化することにより、さらに不完全酸化生成物の形成を抑
制し、分解性能が改善される。本発明では、その至適範
囲をRh、Ru、Cu、Ag:PtまたはPd=1:8
〜1:2としている。
【0016】上記脱臭触媒を有機硫黄化合物分解触媒と
して用い、低温活性に優れた白金族系金属触媒と組み合
わせることで、被毒性硫黄系臭気の分解を完全に行うと
ともに、被毒性ガスや共存臭気を低減することで白金族
系金属触媒の低温活性を損なうことなくその他の脂肪酸
やアミン類などの臭気成分を除去することができる。
【0017】一つの方法は、脱臭触媒を二つに分割し、
第1脱臭触媒として上流側に本発明請求項4〜7に記載
の脱臭触媒を、第2脱臭触媒として下流側に白金族系金
属触媒を配置する方法である。上流側に配置された第1
脱臭触媒では、メルカプタンなどの被毒性硫黄化合物が
完全にSO2まで分解されるために、下流側に位置した
白金族系金属触媒に対して300℃以下でも被毒効果が
激減し、その他の臭気成分に対する低温活性を保持する
ことが可能となる。
【0018】さらに塩基性化合物を複合化した本発明請
求項7に記載の脱臭触媒を用いることで、生成したSO
2が塩基性化合物に捕捉されることになるため、下流に
配置される第2脱臭触媒としての選択肢をMn系酸化物
などにさらに広げることができ、その結果より低コスト
の脱臭触媒を提供することが可能となる。
【0019】本発明のもう一つの方法は、白金族系金属
触媒(第1脱臭触媒層)の上層に本発明請求項4〜7に
記載の脱臭触媒を第2脱臭触媒層として設ける方法であ
り、第2脱臭触媒層で有機硫黄化合物を分解し、速やか
に下流に放出することで下層の第1脱臭触媒層の被毒を
軽減し、その他の臭気成分の低温分解効率を維持するも
のである。
【0020】(実施の形態1)本発明実施の形態の基本
構成を図2に示す。1の脱臭触媒ユニットは、2の第1
脱臭触媒体とその下流に設けられた3の第2脱臭触媒体
から構成される。2の第1脱臭触媒体と3の第2脱臭触
媒体は、ケーシング4により脱臭触媒ユニット1に固定
され、電気ヒータ5によって温度センサ6の位置が20
0℃以上に制御加熱されることで7のガス導入口から供
給される排ガス成分に対して脱臭機能を発揮するように
なる。2の第1脱臭触媒体と3の第2脱臭触媒体で浄化
された排ガスは排ガス出口8から排出されることにな
る。ここで、2の第1脱臭触媒体は、本発明請求項4〜
7に記載の組成からなる触媒材料をハニカム基材(材質
コージライト)にウォッシュコートで被膜形成したもの
である。また、3の第2脱臭触媒体の組成については、
脂肪酸やアミン系臭気に低温活性を保有している組成が
好ましく、本発明実施の形態では白金族系金属触媒の例
としてPt/ZrO2を担持したものを用いている。
【0021】上記実施の形態1の構成とすることで、排
ガス中に比較的高い濃度の硫黄化合物が含まれている場
合にも、2の第1脱臭触媒体で効率的にSO2まで分解
されてその下流に位置する3の第2脱臭触媒体に供給さ
れるため、直接的にこれらの硫黄化合物が3の第2脱臭
触媒体に供給されるよりも被毒が軽減され、共存する脂
肪酸などの低温分解活性の低下を抑制することができ
る。
【0022】また、本発明の触媒組成では、硫黄系化合
物を効率的にSO2に変換することが可能であるが、さ
らに塩基性化合物を複合することで生成したSO2を吸
着させることで、下流側に放散させることがない。ま
た、その複合化の手法としては、硫黄化合物が請求項4
〜6に記載の脱臭触媒上で反応した後に塩基性化合物で
捕捉されるように、脱臭触媒の下流、または脱臭触媒の
上層に設けられることが好ましい。ここで用いられる塩
基性化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Z
n、Mn、Feなどの遷移金属、La、Ndなどの希土
類金属の酸化物や炭酸塩などを用いることが可能である
が、これらをアルミナなどの担体に分散したものや、ゼ
オライトなどの酸点にイオン交換されているものを用い
ても構わない。
【0023】(実施の形態2)第二の実施の形態は、装
置の基本構成は第一の実施の形態と同様であるが、脱臭
触媒体9を図3に示すようにハニカム基材10上に被覆
形成された白金族系金属触媒であるPt/ZrO2から
なる第2脱臭触媒層12上に、本発明請求項4〜7に記
載の組成からなる第2脱臭触媒層11を形成している点
で異なっている。
【0024】上記実施の形態2の構成とすることで有機
硫黄化合物は上層の第2脱臭触媒層12で効率的に分解
作用を受け、そのまま排気されることになる。そのた
め、第2脱臭触媒層12にはSO2の接触確率が減少す
ることになり、被毒が大幅に抑制されることになる。
【0025】
【実施例】(実施例1)酸化チタン粉末(石原産業製M
C−90)に硝酸ロジウム(a)、硝酸ルテニウム
(b)を金属換算で1wt%となるように混合した。得
られた混合物を150℃で4時間乾燥させた後、400
℃で焼成してRhまたはRuを1wt%担持した脱臭触
媒1−a、1−bを得た。
【0026】(実施例2)酸化チタン粉末(石原産業製
MC−90)に硝酸銅(a)、硝酸銀(b)を金属換算
で10wt%となるように混合した。得られた混合物を
150℃で4時間乾燥させた後、300℃で焼成してC
u、またはAgを10wt%担持した脱臭触媒2−a、
2−bを得た。
【0027】(実施例3)酸化チタン粉末(石原産業製
MC−90)に硝酸ルテニウムおよびジニトロジアンミ
ン白金塩を金属換算でRu:Pt=4:1(a)、1:
1(b)、1:2(c)、1:4(d)、RuとPt合
計で1wt%となるように混合した。得られた混合物を
150℃で4時間乾燥させた後、300℃で焼成して脱
臭触媒3−(a)、3−(b)、3−(c)、3−
(d)を得た。
【0028】(実施例4)酸化チタン粉末(石原産業製
MC−90)に硝酸ルテニウムおよびジニトロジアンミ
ン白金塩を金属換算でRu:Pt=1:4、RuとPt
合計で2wt%となるように混合した。さらに得られた
混合物を150℃で4時間乾燥させた後、400℃で焼
成した。次いで同重量の酸化カルシウムと混合すること
によってRuとPt合計で1wt%と酸化カルシウムを
50wt%含む脱臭触媒4を得た。
【0029】(比較例1)酸化チタン粉末(石原産業製
MC−90)にジニトロジアンミン白金塩をPt換算で
1wt%となるように混合した。得られた混合物を15
0℃で4時間乾燥させた後、400℃で焼成して脱臭触
媒5を得た。
【0030】(比較例2)酸化チタン粉末(石原産業製
MC−90)に硝酸Mn、硝酸鉄をそれぞれ金属換算で
10wt%となるように混合した。得られた混合物を1
50℃で4時間乾燥させた後、300℃で焼成してM
n、またはFeを10wt%担持した脱臭触媒6−
(a)、6−(b)を得た。
【0031】(比較例3)市販のアルミナ粉末(比表面
積100m2/g)(a)、ジルコニア粉末(比表面積
20m2/g)(b)、にジニトロジアンミン白金塩を
Pt換算で1wt%となるように混合した。得られた混
合物を150℃で4時間乾燥させた後、400℃で焼成
して脱臭触媒7−(a)、7−(b)を得た。
【0032】(比較例4)市販のMn、Cuの複合酸化
物から構成されるホプカライトをそのまま脱臭触媒8と
した。
【0033】上記実施例および比較例で作成した脱臭触
媒について、硫黄系臭気の分解特性を調べた。ペレット
(0.5〜1μm□)化した脱臭触媒0.5gに対し、
メチルメルカプタン2000ppm含む酸素を100c
c/minで供給し、250℃におけるメルカプタンの
除去率、二量化生成物である二硫化ジメチルの副成率を
調べた。反応生成物としては、SO2、二硫化メチル、
硫化メチル、硫黄、その他のジメチルスルホンなど部分
酸化物が観察されたが、特にSO2、もしくは二硫化メ
チルが多量に発生した。メチルメルカプタンの除去率と
不完全反応状態の指標とした二硫化ジメチルの副成率に
ついて(表2)に示す。
【0034】
【表2】
【0035】以上の結果より、二酸化チタンを担体とす
るNo.1−(a)〜6−(b)、8では、比較例で示
したPt担持アルミナ7−(a)やジルコニア7−
(b)などに比べてメチルメルカプタンが効率的に除去
されることがわかる。しかしながら、比較例であるP
t、Mn、またはFeのみを担持したNo.5、6−
(a)、6−(b)、およびホプカライトNo.8では
二硫化ジメチルに10%以上も変換されている。それに
対して、本発明の実施例No.1−(a)〜No.4の
組成では、メチルメルカプタンの分解率が高く、かつ二
硫化ジメチルの副成率が極めて低く、また、SO2とし
て分解されていた。特にNo.3−(c)、3−(d)
のRuとPtの比率を1:2、1:4とした場合は、低
い金属担持率でも高いメチルメルカプタン分解率と低い
二硫化ジメチル副成率が得られた。なお、本実施例では
示さなかったが、RuとPtの比率は1:2〜1:8の
範囲が至適であり、かつSVがより高い場合に複合化し
た効果がより顕著に現れた。また、本実施例では、Ru
−Ptの複合組成について述べたが、Ruと複合化され
るものはPdでも良く、またPtとRh、Cu、Agそ
れぞれを複合化した場合についても同様の効果が確認さ
れた。また、No.4のように塩基性化合物を共存させ
ることによってさらに二硫化ジメチル副成率を半減させ
ることができる。
【0036】次に実施例および比較例で作成した脱臭触
媒を水と混合してスラリー化し、市販のコージライトハ
ニカム(日本碍子製、400cell/inch2、φ
50×長さ20mm)に含浸、乾燥、300℃で焼成す
ることにより、固形分で約80g/L(ハニカム容積)
被覆形成した第1脱臭触媒体2を得た。
【0037】次に、実施の形態1と同様の反応装置を用
い、メチルメルカプタン200ppm含む空気(露点3
0℃)をSV=20000/hで供給し、250℃で1
00hの耐久試験を行った。ここで第2脱臭触媒体3と
してはPt/ZrO2を上記と同様のコージライトハニ
カム(400cell/inch2、φ50×長さ20
mm)に固形分で80g/L担持した触媒を基準として
用いた。ここで、200ppmの硫黄系臭気で100h
の耐久試験は、生ごみ処理装置の構成にもよるが、硫黄
系臭気1ppmとして、累積で約20000h程度の運
転時間に相当するものとした。
【0038】100hの耐久試験後、硫黄系臭気以外の
生ごみ処理機排ガスの臭気成分のモデルとして酢酸を選
択し、酢酸200ppm含む空気をSV=20000/
hで供給し、250℃における分解特性を調べた。その
結果を(表3)に示す。
【0039】
【表3】
【0040】No.3−(c)のみの組み合わせの場合
は、もともと酢酸の分解活性がPt/ZrO2より劣る
ために、性能低下は少ないが脂肪酸を含有する生ごみ処
理機排ガスの脱臭には不向きである。表3の結果より、
第2脱臭触媒体の上流側に、本発明のNo.1−(a)
〜4までの脱臭触媒組成を第一の脱臭触媒として使用す
ることで、硫黄被毒を軽減することができる。これは第
2脱臭触媒体であるPt/ZrO2に直接的にメチルメ
ルカプタンが供給されず、より被毒性の少ないSO2
形で供給されるためと考えられる。特に塩基性酸化物を
混合した組成では、SO2がトラップされるために抑制
されていることがわかる。なお、本実施例では臭気の希
釈は空気のみによって行っているが、水蒸気が存在する
場合や酸素濃度が低下した場合についても同様の効果が
発揮される。また、メチルメルカプタンの濃度を200
ppm条件での一例を示したが、メチルメルカプタンの
濃度が希薄なほど低温で分解が生じるため、脱臭触媒は
より低い温度に設定することが可能である。
【0041】次に、実施の形態2として、Pt/ZrO
2を第1脱臭触媒層11として固形分で40g/L担持
したコージライトハニカム(400cell/inch
2、φ50×長さ40mm)上に、実施例および比較例
で作製した第2脱臭触媒層12を固形分で約40g/L
(ハニカム容積)被覆形成し、脱臭触媒体9を得た。上
記実施の形態1と同様に、メチルメルカプタン200p
pm含む空気をSV=20000/hで供給し、触媒2
50℃で100hの耐久試験を行った。被毒試験後の2
50℃における酢酸の分解率その結果を(表4)に示
す。
【0042】
【表4】
【0043】以上より、本発明の組成、とりわけNo.
3−(c)、3−(d)の組成と、低温活性組成である
Pt/ZrO2をハニカム上で二層化することにより、
硫黄臭気による耐久試験後も初期と同様の酢酸分解率を
得ることができる。これはメチルメルカプタンが第1脱
臭触媒層11で効率的にSO2に分解され、下層のPt
(第1脱臭触媒層12)上に滞留することなく排ガス出
口に放出されるためと考えられる。ここで、No.2−
(a)の組成を複合化した場合は、酢酸分解率がやや低
いが、第1脱臭触媒層11中のCuなどの活性成分と第
2脱臭触媒層のPtとが層界面で相互作用した結果と考
えられる。同様の傾向は2−(b)Agの場合にも観察
された。No.3−(c)、3−(d)の組成では担持
金属の中でPtの比率が高く、二層化した場合でも第二
の脱臭触媒の低温活性を損なうことがない。なお、本実
施の形態1、2では脱臭触媒の温度を250℃とした
が、生ごみ処理機排ガス中の水蒸気が影響しにくい温度
帯として、100℃以上、より好ましくは180〜30
0℃の範囲内で用いられることが好ましい。また、脱臭
触媒体を通過するガスのSVは数千〜80000/h程
度の範囲内であることが好ましいが、これに限定される
ものではない。
【0044】
【発明の効果】本発明記載のように、Ru、Rh、C
u、Agをチタン酸化物に担持した脱臭触媒を用いるこ
とにより、生ごみ処理機排ガスのような高湿度条件下に
おいても、副生成物を形成することなしに完全な硫黄系
臭気の脱臭をより低温で長時間に渡って行うことが可能
となる。
【0045】また、本発明の触媒構成を有する脱臭方
法、および脱臭装置を用いることで、アミンや脂肪酸な
どの臭気分解に高い低温活性を示す触媒の耐久性を確保
する事が可能となり、低温で多様な臭気の除去を可能と
する脱臭装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1に記載の脱臭装置の概略図
【図2】本実施の形態2に記載の脱臭装置の概略図と触
媒層方向の断面拡大図
【符号の説明】
1 脱臭触媒ユニット 2 第1脱臭触媒体 3 第2脱臭触媒体 4 ケーシング 5 電気ヒータ 6 温度センサ 7 ガス導入口 8 排ガス出口 9 脱臭触媒体 10 基材 11 第1脱臭触媒層 12 第2脱臭触媒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/89 B01D 53/36 H B09B 3/00 B09B 3/00 ZABD ZAB 303M (72)発明者 鈴木 基啓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 CC15 HH05 JJ01 KK08 LL03 MM07 NN01 QQ12 4D004 AA03 CA18 CA42 CA48 CC09 4D048 AA22 AB01 AB03 BA07X BA08X BA30X BA32X BA33X BA34X BA35X BA41X BB02 CC43 CC44 CC46 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA05B BC31B BC32B BC70B BC71B BC75B CA04 CA07 CA10 CA17 DA06 EA19 ED07 EE06 EE09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン酸化物を主成分とする第1の脱臭
    触媒と、白金族系金属を主成分とする第二の脱臭触媒か
    らなる生ごみ処理機排ガスの脱臭方法。
  2. 【請求項2】 脱臭触媒と、前記脱臭触媒を加熱する手
    段と、生ごみ処理部で発生するガスを導入する導入口
    と、排ガスを排出する排ガス出口から構成され、前記脱
    臭触媒がチタン酸化物を主成分とする第1の脱臭触媒
    と、前記第1の触媒の下流側に設けられた白金族系金属
    を主成分とする第2の脱臭触媒から構成されることを特
    徴とする生ごみ処理機排ガスの脱臭装置。
  3. 【請求項3】 チタン酸化物を主成分とする第1脱臭触
    媒層と、前記第1脱臭触媒層の下層側に設けられた白金
    族系金属を主成分とする第2脱臭触媒層が同一基材上に
    形成されていることを特徴とする脱臭触媒。
  4. 【請求項4】 Rh、Ru、Cu、Agから選択される
    少なくとも一つをチタン酸化物を主成分とする担体に担
    持してなる脱臭触媒。
  5. 【請求項5】 前記Rh、Ru、Cu、Agから選択さ
    れる少なくとも一種と、PtまたはPdから選択される
    少なくとも一種をチタン酸化物を主成分とする担体に担
    持してなる請求項4記載の脱臭触媒。
  6. 【請求項6】 前記Rh、Ru、Cu、Agから選択さ
    れる少なくとも一種と、PtまたはPdから選択される
    少なくとも一種の比率が1:8〜1:2の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の脱臭触媒。
  7. 【請求項7】 前記脱臭触媒が塩基性化合物と複合化さ
    れていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記
    載の脱臭触媒。
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