JP2003230316A - 植物栽培マット体及びその関連技術 - Google Patents

植物栽培マット体及びその関連技術

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JP2003230316A
JP2003230316A JP2002029709A JP2002029709A JP2003230316A JP 2003230316 A JP2003230316 A JP 2003230316A JP 2002029709 A JP2002029709 A JP 2002029709A JP 2002029709 A JP2002029709 A JP 2002029709A JP 2003230316 A JP2003230316 A JP 2003230316A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた保水性と吸水性を有し、余分な水の排
水性と根の通気性に優れ、植物を快適な環境で生育させ
得、而も生産性が高く製造コストが抑えられる。 【解決手段】 ポリエステル系合成繊維を含む繊維22
にバインダー繊維24と肥料粒26・保持材27が分散
した繊維の立体的集合体を、バインダー繊維24の溶融
温度に加熱後プレスし、バインダー繊維24を冷却・硬
化させて繊維同士を結合させ、繊維間に無数の空隙を形
成して繊維マット20とする。支持体30に透孔34を
形成し、支持部32の下側に支柱部36と空間形成部3
8を設ける。各支持体側凸部35が対応するマット結合
用貫通孔28の下部に嵌合するよう支持部32上に繊維
マット20を積層する。上下連通したマット結合用貫通
孔28と支持体結合用孔39に結合材40を挿入して支
持体30上に繊維マット20の位置決めと積層結合を行
う。繊維マット20にて生育した植物の根は透孔34を
挿通し、空間形成部38に張る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、コンク
リートやアスファルト等の人工地盤、庭園、公園、ゴル
フ場、サッカー場、テニスコート等の競技場の表面緑化
に使用される植物栽培マット体及びその関連技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、屋上や庭に構築しているコ
ンクリート面に、芝等の植物を栽培する植物栽培マット
体を開発した(特開平11−75531号公報)。この
公報に記載している植物栽培マット体は、図8に示され
るように、植物透過立体生育層8の下に栽培床9を積層
し、さらに、栽培床9の下に水溜層10を設けている。
【0003】植物透過立体生育層8は、太くて硬い繊維
の不織布である。この不織布は、たとえば、太さを0.
5乃至3mmとするポリエステル、ナイロン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ピニル、ポリエチレン等のプラスチッ
ク製の透明繊維をカールする形状に変形し、これを立体
的に方向性なく集合して、熱圧縮したもの、たとえば、
東亜紡織製の「フィルトロン」である。
【0004】栽培床9は、短い円筒状に成形した無数の
発泡合成樹脂を板状に熱圧縮して結合した合成樹脂発泡
体9Aと、この合成樹脂発泡体9Aの貫通部にはめ込ん
だプラスチックフォームまたは不織布からなる吸水材9
Bとを使用している。
【0005】水溜層10は、透水性のないプラスチック
シート11を、上方に開口する水溜12を設けた形状に
成形している。水溜12に水を蓄えて、栽培床9と植物
透過立体生育層8に水分を補給する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の構造の植物栽培
マット体は、上に芝マット13を載せて芝を生育でき
る。ただ、この構造の植物栽培マット体は、栽培床に独
特の構造のものを使用するので製造コストが極めて高く
なる。さらに、この構造の栽培床は、充分な保水性を実
現するために、貫通部を設けて不織布等の吸水材をはめ
こんで固定するなど、手間のかかる製造工程が必要で製
造コストがさらに高くなる。また、栽培床が充分な保水
性がないために、その下面に水溜層を設ける必要があ
り、全体として積層枚数が多くなって、施工コストが高
くなる欠点がある。
【0007】また、水耕栽培の栽培床として、ロックウ
ールやガラス繊維等の無機繊維が使用される。無機繊維
自体は耐久性があるので、数年の使用に耐えるが、数年
も使用すると、無機繊維が目詰まりして栽培床としての
性能が低下する。このため、数年使用すると、栽培床を
廃棄して新しいものに交換する必要がある。ロックウー
ルやガラス繊維は、焼却できないので、田畑に投棄して
廃棄している。しかしながら、これ等を田畑に投棄する
と、微細な繊維となってきらきらと飛散して公害の原因
となっている。このため、栽培床を田畑に廃棄する方法
は禁止される方向にある。
【0008】本発明は、従来技術に存した上記のような
課題に鑑み行われたものであって、その目的とするとこ
ろは、優れた保水性及び吸水性を有すると共に、余分な
水の排水性及び根の通気性に優れ、植物を快適な環境で
生育させることができ、而も生産性が高く製造コストが
抑えられる植物栽培マット体、並びにその植物栽培マッ
ト体を容易に形成することができる繊維マット、植物栽
培マット体用支持体及び植物栽培マット構成体を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の植物栽培マット体は、すのこ状部を備えた支持体に
おける前記すのこ状部の上面部を形成する支持部上に繊
維マットが積層結合してなる植物栽培マット体であっ
て、前記繊維マットは、合成繊維を含む繊維が立体的に
集合され、所定の圧力でプレスされて前記繊維の間に無
数の空隙ができる状態で前記繊維の交点がバインダーで
結合されてなるものであり、前記支持体におけるすのこ
状部は、前記繊維マットにおいて生育した植物の根が挿
通し得る上方開口の透孔を前記支持部のほぼ全上面部に
わたり有すると共に、前記支持部の下方に空間形成部を
有し、その空間形成部は、前記支持体を載置面上に載置
した状態において、前記透孔を通じて支持部の下方に伸
びた植物の根が張ることができ、隣り合う透孔をそれぞ
れ通じて支持部の下方に伸びた植物の根同士が側方に張
ることにより交錯し合い得、支持体の側方外部との間に
空気及び水が流通し得るように支持体の側方外部に開口
し、前記透孔は、空間形成部を介して支持体の側方外部
と通じるものであり、前記繊維マットにおける複数箇所
に、その厚さ方向のマット結合用貫通孔を有すると共
に、前記支持体における前記マット結合用貫通孔に対応
する箇所に、その厚さ方向の支持体結合用孔を有し、前
記支持体における支持部上に前記繊維マットが積層する
ことにより上下に連通した状態の互いに対応するマット
結合用貫通孔と支持体結合用孔に、繊維マットと支持体
とを上下に結合させる結合材が挿入されて両者が上下に
結合したものであることを特徴とする。
【0010】この植物栽培マット体は、支持体を載置面
上に載置し、支持部上に積層結合された繊維マットにお
いて植物を生育させる。載置面は、一般的には平坦面で
あるが、傾斜面とすることもできる。植物の生育は、例
えば芝苗等の苗を繊維マット上に載せて生育させたり、
繊維マットに植物の種子を蒔き又は埋め込み、それを発
芽させて生育させることができる。繊維マットに直接に
種子を蒔いた場合、その上から土や紙等を載せた後に散
水して種子を発芽させることが好ましい。
【0011】繊維マットは、合成繊維を含む繊維が立体
的に集合され、所定の圧力でプレスして繊維の間に無数
の空隙ができる状態で繊維の交点をバインダーで結合し
てなるものであるから、内部に無数の空隙を設けて優れ
た保水性と吸水性を実現し、植物を快適な環境で生育さ
せることができる。
【0012】繊維マットは支持体におけるすのこ状部の
支持部上に積層結合されており、その支持部のほぼ全上
面部にわたり、繊維マットにおいて生育した植物の根が
挿通し得る上方開口の透孔を有する。その支持部の下方
には空間形成部を有し、その空間形成部は、支持体を載
置面上に載置した状態において、透孔を通じて支持部の
下方に伸びた植物の根が張ることができ、隣り合う透孔
をそれぞれ通じて支持部の下方に伸びた植物の根同士が
側方に張ることにより交錯し合い得る。そのため、繊維
マットにおいて生育を開始した植物の根が透孔を通って
支持部の下方の空間形成部において縦横に張ることが可
能であり、植物の生育が進むことにより、繊維マットと
支持体との結合が漸次強化される。
【0013】また、繊維マットにおける余分な水は、支
持体の支持部のほぼ全上面部にわたり有する上方開口の
透孔を通じて空間形成部に流下し、空間形成部は、支持
体を載置面上に載置した状態において、支持体の側方外
部との間に空気及び水が流通し得るように支持体の側方
外部に開口し、而も、透孔は、空間形成部を介して支持
体の側方外部と通じるものである。そのため、その水は
支持体の側方外部に排水可能であり、空間形成部は通気
性が維持されるため、空間形成部において縦横に張った
根は、根腐れすることが防がれて植物の生育に好適な環
境が得られる。
【0014】支持体における支持部上に繊維マットを積
層して互いに対応するマット結合用貫通孔と支持体結合
用孔が上下に連通した状態で、その上下に連通したマッ
ト結合用貫通孔と支持体結合用孔に結合材を挿入するこ
とにより、繊維マットを支持体における支持部上に水平
方向に位置決めすると共に、繊維マットと支持体とを上
下に結合させることができる。位置決めと共に積層結合
を容易且つ確実に行い得るため、生産性が高い。
【0015】繊維マットを構成する主材料は、合成繊維
を含む繊維である。合成繊維と天然繊維が混合したもの
でもよく、合成繊維のみでもよい。合成繊維としては、
ポリエステル系合成繊維、たとえばテトロン(登録商
標)が適している。ポリエステル系合成繊維は、強靭で
耐久性に富み、而も耐薬品性に優れているので、長期間
安定して使用することができる。従って、50重量%以
上のポリエステル系合成繊維を含むものとすることが好
ましい。さらに好ましくは70重量%以上、最適には8
0重量%以上である。尤も、ポリアミド系合成繊維やポ
リアクリル系合成繊維等の他種の合成繊維であってもよ
い。
【0016】上記繊維マットを構成する繊維は、合成繊
維を含む繊維で編み組みされた織布の廃棄屑から分離さ
れた廃棄繊維を含むものであることが望ましい。縫製工
場等で多量に発生している織布の廃棄屑を有効に再利用
して製造することができ、原料コストを低下させるとが
できる。このような廃棄繊維としては、織布の廃棄屑を
開繊して繊維状に加工したものを使用することができ
る。開繊は、例えば、織布の廃棄屑を表面から針で引っ
かいて繊維状に加工することにより行い得るが、これに
限るものではない。廃棄屑を繊維状及び繊維マットに加
工する方法は、現在使用され、あるいはこれから開発さ
れる全ての方法を利用できる。
【0017】本発明における繊維マットは、このような
繊維が、立体的に集合される(すなわち繊維の方向が揃
わないように方向性なく集合される)と共に、その集合
繊維中にバインダー(繊維同士を結合させるための物
質)が適宜分散した状態で配され、一定方向に所定の圧
力でプレスされて繊維の間に無数の空隙ができる状態で
前記繊維の交点がバインダーで結合されてなるものとす
ることができる。なお、このような繊維マットは、前記
のように立体的に集合された繊維をニードルパンチによ
り絡合させたものを用いることも可能である。
【0018】バインダーとしては、繊維マットを構成す
る主材料としての繊維よりも融点の低い繊維を用いるこ
とが好ましい。このような繊維としては、低融点のポリ
エステル繊維等の低融点の合成繊維を用いることが好ま
しいが、これに限るものではない。
【0019】低融点繊維をバインダー繊維として用いる
場合、例えば次のようにして繊維マットを得ることがで
きる。
【0020】すなわち、繊維マットを構成する主材料と
しての繊維中に、繊維同士を結合させるためのバインダ
ー繊維を混合する。バインダー繊維は、他の繊維中にな
るべく均一に分散させることが望ましい。バインダー繊
維の添加量は、例えば全体の5乃至30重量%とするこ
とができる。バインダー繊維の添加量が少ないと、繊維
を十分に結合させることができなくなるおそれがあり。
バインダー繊維の添加量が多すぎると、繊維の間の空隙
率が低下するおそれがある。
【0021】バインダー繊維が添加分散された繊維を、
所定の厚さに方向性なく立体的に集合させた後、バイン
ダー繊維のみが熱溶融する温度に加熱すると共に加圧
し、バインダー繊維以外の繊維の交点を熱溶融されたバ
インダー繊維で結合する。所定の厚さに集合した繊維を
プレスして薄くする割合は、用途によって最適値に設定
されるが、例えば、集合した状態の厚さに対して10乃
至50%、好適には約20%とする。
【0022】繊維の集合体を薄くプレスすると、繊維間
の空隙が小さくなって保水性が向上し、排水性が低下す
る。同じ量の繊維の集合体を厚くプレスすると、排水性
が良くなるが保水性が低下する。従って、繊維の集合体
をプレスする度合いは、保水性と排水性とを考慮して、
栽培する植物に最適な値とすることが望ましい。
【0023】繊維マットの厚さは、例えば、コンクリー
トの表面に芝苗を載せて生育させる場合や、コンクリー
トの表面に花等の種を蒔いてこれを生育させる場合、1
乃至5cmとすることができる。好ましくは1.5乃至
3cmである。
【0024】水耕栽培の栽培床に使用される植物栽培マ
ット体は、好ましい厚さが5乃至50cm、好ましくは
10乃至30cmであるから、プレスしてこの厚さとな
るように、バインダー繊維を添加した繊維を集合する。
【0025】繊維マットを構成する主材料としての繊維
にバインダー繊維を混合して立体的に(繊維の方向が揃
わないように方向性なく)集合させた繊維を加熱状態で
プレスし、バインダー繊維を溶融させて繊維同士を結合
することにより、繊維の間の空隙を少なくすることなく
(すなわち、保水性と排水性を低下させることなく)繊
維を所定の厚さに圧縮して結合させ、繊維マットを得る
ことができる。繊維の集合体を加熱状態でプレスし、バ
インダー繊維を溶融させて繊維同士を結合させるには、
例えば、繊維の集合体を、バインダー繊維が溶融する温
度まで加熱した後プレスし、バインダー繊維を冷却・硬
化させて繊維を結合させる方法をとることができる。こ
の方法によれば、繊維の集合体をコールドプレスで加圧
することにより、効率良く繊維マットを製造することが
できる。また、繊維の集合体を熱板で加熱しながら加圧
して、バインダー繊維を溶融させることにより繊維を結
合させるサーマルボンド又はホットプレスによる方法を
とることもできる。
【0026】バインダーの他の例としては、未硬化の状
態では液状又はペースト状のバインダーを挙げることが
できる。この場合、例えば、繊維マットを構成する繊維
を集合させる際に、その繊維に対し液状又はペースト状
のバインダーを噴霧し、その後、繊維の集合体をプレス
してバインダーを硬化させることにより繊維を結合させ
て繊維マットを得ることができる。
【0027】また、繊維マットは、繊維の空隙に肥料が
添加されてなるものとすることができる。この繊維マッ
トは、繊維の集合体中に肥料(例えば粒状又は粉状のも
の)を分散させた状態で、それを所定の圧力でプレス
し、繊維の間に無数の空隙ができる状態で繊維の交点を
バインダーで結合させることにより得ることができる。
この繊維マットは、植物を生育させる際の肥料及び保持
材を予め備えている。保持材は、水に溶出した肥料の一
部を一旦保持した後、徐々にその肥料を放出するもので
ある。このような保持材としては、例えば、ゼオライト
等(塩基置換容量の多いもの)であって、肥料を保持し
得ると共に保持した肥料を徐々に放出するものを用いる
ことができる。このような保持材を用いることにより、
肥料が栽培植物に対し相当期間にわたり供給されること
になる。肥料を保持した保持材は、繊維の隙間から移動
しない大きさの粒とすることが望ましい。
【0028】また、繊維マットの内部に予め種子を埋設
しておくこともできる。この場合、種子を蒔く手間を省
略することができ、散水により容易に発芽させることが
できる。種子の埋設は、繊維の集合体をプレスしてバイ
ンダーで繊維を結合させる前後を問わない。また、前記
のように肥料を繊維の空隙に添加させておけば、肥料を
施す手間も省かれる。
【0029】前記支持体におけるすのこ状部は、そのす
のこ状部の上面部を形成する支持部上に積層結合された
繊維マットにおいて生育した植物の根が挿通し得る上方
開口の透孔を前記支持部のほぼ全上面部にわたり有す
る。
【0030】前記支持体は、全体がすのこ状部であるも
のとすることができるほか、すのこ状部でない部分を有
していてもよい。
【0031】すのこ状部の上面部は、透孔を除いた部分
がほぼ一定高さであるものすることができるほか、例え
ば、凸部及び凹部の両方又は一方を有するものとするこ
ともできる。
【0032】上方開口の透孔は、支持部上に積層結合さ
れた繊維マットにおいて生育した植物の根が挿通し得る
ものである。すのこ状部は、上方開口の透孔を上面部に
多数満遍なく有するものであることが好ましい。平面視
において、すのこ状部の上面部の面積に対する透孔の総
面積の割合は、例えば35乃至95%とすることができ
るが、好ましくは70乃至95%、より好ましくは80
乃至95%である。透孔は上面部において偏りなく満遍
なく有することが望ましい。
【0033】支持体におけるすのこ状部は、そのすのこ
状部の上面部を形成する支持部の下方に空間形成部を有
する。
【0034】その空間形成部は、支持体を載置面上に載
置した状態において、前記透孔を通じて支持部の下方
に伸びた植物の根が張ることができ、隣り合う透孔を
それぞれ通じて支持部の下方に伸びた植物の根同士が側
方に張ることにより交錯し合い得、支持体の側方外部
との間に空気及び水が流通し得るように支持体の側方外
部に開口し、前記透孔は、空間形成部を介して支持体
の側方外部と通じるものである。
【0035】空間形成部の高さは、例えば5乃至100
mmとすることができるが、好ましくは10乃至60m
m、より好ましくは15乃至40mmである。すのこ状
部のうち、そのすのこ状部の上面部を形成する支持部の
下方の部分の空隙率は、例えば50乃至95%とするこ
とができるが、好ましくは70乃至95%、より好まし
くは80乃至95%である。
【0036】空間形成部は、支持体の側方外部との間に
空気及び水が流通し得るように支持体の側方外部に開口
している部分を含めて、下方に開放されていることが好
ましい。この場合、空間形成部から側方外部への排水性
に優れる。
【0037】空間形成部は、支持体を載置面上に載置し
た状態において、任意の隣り合う透孔をそれぞれ通じて
支持部の下方に伸びた植物の根同士が側方に張ることに
より交錯し合い得るものであることが望ましい。透孔を
通じて支持部の下方に伸びた植物の根が、空間形成部に
おいて多方向に伸びてできるだけ自在に張ることができ
ることが、植物の生育上望ましく、繊維マットと支持体
との結合も強化される。
【0038】支持体結合用孔は、貫通孔とするのが一般
的であるが、上端が開口し下端部が閉塞したものであっ
てもよい。
【0039】マット結合用貫通孔は、例えば、繊維マッ
トの外周部付近における間隔をおいた位置(例えば繊維
マットが平面方形状である場合における四隅等)に設け
るものとすることができる。支持体結合用孔はそれに対
応する位置である。マット結合用貫通孔及び支持体結合
用孔の水平断面形状は、円形とするのが最も一般的であ
るが、これに限らず例えば多角形状とすることもでき
る。
【0040】結合材は、例えば、マット側抜止部(例え
ばマット結合用貫通孔の周囲に拡開する平頭部等の拡開
部)と支持体側抜止部(例えば支持体結合用孔の周囲に
拡開する尖頭形の鉤状部)を備え、上下に連通した状態
の互いに対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔
に結合材を挿入すると、挿入時にマット結合用貫通孔及
び支持体結合用孔を通過し得、挿入完了時にはマット結
合用貫通孔又は支持体結合用孔からの離脱が阻止される
ものとすることができ、特に、マット側抜止部と支持体
側抜止部の間を例えば棒状又は板状の連結部又は脚部と
したものとすることができる。より具体的には、大径平
頭部の中央部下方に、少なくとも内方にたわみ得る二股
状の脚部を有し、各脚部の下端部に、下方を向く尖頭状
をなし、上側が脚部よりも拡開した鉤状をなす抜止尖頭
部を有し、その抜止尖頭部が、挿入時に内方に押圧され
た状態でマット結合用貫通孔および/または支持体結合
用孔を通過し得、挿入完了時には抜止尖頭部が外方に開
いてそれらの上側によりマット結合用貫通孔又は支持体
結合用孔からの離脱が阻止されるものとすることができ
る。
【0041】なお、マット結合用貫通孔又は支持体結合
用孔に、挿入時は結合材の挿入を許し、挿入完了時には
結合材の離脱を阻止する機構、例えば一定方向に結合材
を挿入する際には拡開し、逆方向には拡開しない(又は
拡開しにくい)弁状又は舌片状の抜け止め機構(例えば
支持体結合用孔内又は支持体結合用孔の下部若しくは下
方に、下向きに結合材を挿入する際に下方に屈曲しつつ
内端部が外向きに開き、上方には屈曲しないか又は屈曲
しにくい内方突出の複数の舌片部[例えば合成樹脂製の
もの]からなるもの)を有するものとすることもでき
る。
【0042】下向き(一定方向の一例)に結合材を挿入
する際には拡開し、逆方向には拡開しにくい抜け止め機
構としては、例えば前記のような舌片部の場合、舌片部
自体の機能として上向きには屈曲しにくいもの、舌片部
自体は上下に同様に屈曲し得るが舌片部が上向きに屈曲
しようとすると当接する屈曲防止部を上側に設けたも
の、舌片部自体は上向きにも下向きにも同様に屈曲し得
るが、結合材の先端部が例えば上側が外方に拡がった形
状の尖頭形の鉤状部となっていて結合材を下向きに挿入
する際には舌片部が下向きに屈曲して拡開し易いが、一
旦、尖頭形の鉤状部が通過して舌片部の屈曲が解除され
て舌片部が元の位置に復元すると、外方に拡がった鉤状
部の上側部分によって舌片部を上向きに屈曲させること
が困難なもの等を挙げることができる。
【0043】結合材は合成樹脂又はその他の材料からな
るものとすることができ、再生材料を用いることが好ま
しい。また結合材は、特に、生分解性材料からなるもの
であることが好ましい。結合材が分解されるまでに、栽
培植物の根が透孔を通じて支持部の下方に伸び、空間形
成部において張るので、支持体と繊維マットの積層結合
を維持する上で問題ない。而も、栽培した植物が枯れた
り植物を変更したりする場合に、繊維マットを交換する
際、結合材が分解していれば交換が容易である。
【0044】また例えば、上下に連通した状態の互いに
対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔に、挿入
して硬化するこにより繊維マットと支持体とを上下に結
合させる充填接着剤、好ましくは硬化状態において弾力
性を有する充填接着剤を結合材とすることもできる。
【0045】本発明の植物栽培マット体は、上記繊維マ
ットが圧縮されていない状態において上記結合材の下端
部の下方に空間を有し、前記繊維マットが植物栽培状態
にある場合にその繊維マットが通常受け得る上方からの
圧力と支持体における支持部の上面との間で圧縮された
状態において、前記結合材がその周囲の繊維マットの上
部の下降と共に上記支持体に対し下降し得るものである
ことが望ましい。
【0046】繊維マットがその上で植物を栽培する状態
にある場合に、その上を人が踏むと、繊維マットは支持
体における支持部の上面との間で圧縮され、繊維マット
の上部が支持体上で支持体に対し下降する。その際に、
結合材が共に下降するので、繊維マット上で栽培する植
物も共に下降する。そのため、植物が繊維マットから分
離することが防がれる。繊維マットの上部が支持体に対
し下降した際に結合材が下降しないと、結合材が栽培植
物を押し上げてその植物を繊維マットから分離させてし
まうおそれがある。なお、結合材は、支持体からの上方
脱落が防がれ、支持体に対し下降可能なものとすること
ができる。また、前記の空間は、支持体結合用孔が貫通
孔である場合は空間形成部、支持体結合用孔の下端が閉
塞されている場合には、支持体結合用孔内の下側空間と
することができる。
【0047】また本発明の植物栽培マット体は、位置決
め用のマット側凹部および/またはマット側凸部を繊維
マットの下面側に有し、前記マット側凹部に嵌合する位
置決め用の支持体側凸部および/または前記マット側凸
部に嵌合する位置決め用の支持体側凹部を支持体におけ
る支持部の上面側に有するものとすることができる。
【0048】支持体における支持部上に繊維マットを積
層して互いに対応するマット側凹部と支持体側凸部およ
び/またはマット側凸部と支持体側凹部を嵌合させるこ
とにより、繊維マットを支持体における支持部上に水平
方向に位置決めして、互いに対応するマット結合用貫通
孔と支持体結合用孔が上下に連通した状態とすることが
できる。このようにして上下に連通したマット結合用貫
通孔と支持体結合用孔に結合材を挿入することにより、
位置決めと共に積層結合を容易且つ確実に行い得る。
【0049】マット側凹部および/またはマット側凸部
は繊維マットの下面側の複数箇所に設けることができ、
支持体側凸部および/または支持体側凹部はそれに対応
する箇所に設けることができる。マット側凹部、マット
側凸部、支持体側凸部、及び支持体側凹部は、非貫通孔
又は貫通孔とすることができ、その各水平断面形状は円
形又は多角形等の種々の形状とすることもできる。
【0050】またマット側凹部、マット側凸部、支持体
側凸部、及び支持体側凹部を非貫通孔とする場合、比較
的大きい面積で1又は2以上設けることができる。この
場合、多角形状又は例えば十字形状等の非円形水平断面
とすることにより、1つのマット側凹部又はマット側凸
部と支持体側凸部又は支持体側凹部により繊維マットを
支持体における支持部上に水平方向に位置決めし、互い
に対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔が上下
に連通した状態とすることができる。支持体側凸部及び
支持体側凹部が比較的大きい面積である場合、その上面
部をすのこ状部とすることが望ましい。
【0051】また、上記マット側凹部が繊維マットを厚
さ方向に貫通する貫通孔であり、そのマット側凹部に嵌
合する支持体側凸部の高さが、繊維マットが植物を栽培
する状態にある場合にその繊維マットが通常受け得る上
方からの圧力と支持体における支持部の上面との間で圧
縮された状態において繊維マットの上面から突出するこ
とのない高さとすることが好ましい。
【0052】繊維マットがその上で植物を栽培する状態
にある場合に、その上を人が踏むと、繊維マットは支持
体における支持部の上面との間で圧縮され、繊維マット
の上部が支持体上で支持体に対し下降して繊維マット上
で栽培する植物も共に下降する。その際に、支持体側凸
部の上端は、高さが変化しないが、繊維マットの上面か
ら突出することはないので、支持体側凸部の上端が植物
を繊維マットから押し上げて分離させることが防がれ
る。支持体側凸部の上端が繊維マットの上面から突出す
ると、支持体側凸部が栽培植物を押し上げてその植物を
繊維マットから分離させてしまうおそれがある。
【0053】更に、上記支持体側凸部が、上記支持体結
合用孔の外周部が支持体における支持部の上面から上方
に突出するよう形成されてなるものであり、上記マット
側凹部が上記マット結合用貫通孔であるものが好まし
い。
【0054】支持体における支持部上に繊維マットを積
層して互いに対応するマット側凹部に支持体側凸部を嵌
合させることにより、繊維マットを支持体における支持
部上に水平方向に位置決めし、互いに対応するマット結
合用貫通孔と支持体結合用孔が上下に連通した状態とす
ることができ、その上下に連通したマット結合用貫通孔
と支持体結合用孔に結合材を挿入することにより、位置
決めと共に積層結合を容易且つ確実に行い得る。支持体
側凸部を、支持体結合用孔の外周部が支持体における支
持部の上面から上方に突出するよう形成したものとする
ことにより、マット側凹部と支持体側凸部を別に設ける
ことを必要としなくなる。
【0055】支持体側凸部が、支持体結合用孔の外周部
が支持体における支持部の上面から上方に突出するよう
形成されてなるものである場合、その支持体側凸部は周
方向に連続したもの、例えば円筒状部や多角形筒状部で
あってもよく、周方向に連続しないものでもよい。
【0056】なお、上記マット側凸部が、上記マット結
合用貫通孔の外周部が繊維マットの下面から下方に突出
するよう形成されてなるものであり、上記支持体側凹部
が上記支持体結合用貫通孔であるものとすることもでき
る。
【0057】本発明の植物栽培マット体は、載置面上に
複数隣接配列することができるが、その際に、各植物栽
培マット体の支持体における空間形成部の側方外部に対
する開口を介して、隣接する植物栽培マット体の空間形
成部に根が張ることが可能であることが望ましい。
【0058】支持体の具体例として、支持体を載置面上
に載置した状態においてすのこ状部における支持部を支
持する複数の支柱部が、分散配置されてなり、各支柱部
の下端位置と支持部との間の空間のうち各支柱部を除く
部分が空間形成部であるものを挙げることができる。ま
た、この支持体は、前記空間形成部が、各支柱部を除く
部分において支持体の側方外部に開口するものとするこ
とができる。この場合、空間形成部の排水性及び通気性
により優れたものとなる。
【0059】前記すのこ状部は実質上のたわみ又は破壊
を生じることなく支持部上に少なくとも成人を支持し得
る剛性及び強度を備えるものであることが望ましい。実
質上のたわみというのは、支持部上に少なくとも成人を
支持した状態において、支持部に設けられた透孔を通っ
て空間形成部に張った根を損傷させる程度のたわみを言
う。この場合、植物栽培マット体上を歩行することによ
り透孔を通って空間形成部に張った根を損傷させること
がないので植物の育成を妨げず、植物栽培マット体上を
歩行する際の歩行性も良い。
【0060】この植物栽培マット体は、繊維マットにお
いて植物が生育した状態又は繊維マットにおいて植物が
生育し、その植物の根が透孔を通って空間形成部に張っ
た状態で移動することもできる。支持体の剛性が十分に
高ければ、植物栽培マット体の移動も容易である。
【0061】この植物栽培マット体における支持体は、
その外周部に、支持体同士を相互に隣接連結し得る連結
部を備えたものとすることができる。このように支持体
に連結部を有する場合、支持体同士を相互に隣接連結す
ることにより、載置面上における各植物栽培マット体の
位置決めが容易となる。
【0062】また、支持体を載置面上に載置した状態に
おいてすのこ状部における支持部を支持する複数の支柱
部が分散配置されてなり、各支柱部の下端位置と支持部
との間の空間のうち各支柱部を除く部分が空間形成部で
ある場合において、支持体がこのような連結部を有する
とき、空間形成部が、支柱部および/または連結部を除
く部分において支持体の側方外部に開口するものとする
ことができる。この場合、空間形成部の排水性及び通気
性により優れたものとなる。
【0063】なお、このような連結部を備える例とし
て、支持体が方形状をなす場合に、その隣り合う2辺に
それぞれ嵌合突起部を有し、残りの隣り合う2辺にそれ
ぞれ嵌合突起部が嵌合し得る嵌合環状部を有するものを
挙げることができる。
【0064】なお、以上のような支持体は、何れも合成
樹脂等の成型材料により、射出成型等により一体成型可
能なものであることが望ましい。
【0065】本発明の繊維マットは、すのこ状部を備え
た支持体における前記すのこ状部の上面部を形成する支
持部上に積層結合して植物栽培マット体を構成するため
の繊維マットであって、合成繊維を含む繊維が立体的に
集合され、所定の圧力でプレスされて前記繊維の間に無
数の空隙ができる状態で前記繊維の交点がバインダーで
結合されてなり、その厚さ方向のマット結合用貫通孔を
複数箇所に有し、そのマット結合用貫通孔に対応する箇
所に厚さ方向の支持体結合用孔が設けられた支持体の支
持部上に積層することにより上下に連通した状態の互い
に対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔に、繊
維マットと支持体とを上下に結合させる結合材が挿入さ
れて両者が上下に結合され得るものであることを特徴と
する。
【0066】この繊維マットは、支持体における支持部
の上面側に設ける支持体側凸部に嵌合する位置決め用の
マット側凹部および/または前記支持部の上面側に設け
る支持体側凹部に嵌合するマット側凸部を繊維マットの
下面側に有するものであることが望ましい。
【0067】本発明の植物栽培マット体用支持体は、す
のこ状部を備え、そのすのこ状部の上面部を形成する支
持部上に繊維マットを積層結合して植物栽培マット体を
構成するための支持体であって、前記すのこ状部は、前
記繊維マットにおいて生育した植物の根が挿通し得る上
方開口の透孔を前記支持部のほぼ全上面部にわたり有す
ると共に、前記支持部の下方に空間形成部を有し、その
空間形成部は、載置面上に載置した状態において、前記
透孔を通じて支持部の下方に伸びた植物の根が張ること
ができ、隣り合う透孔をそれぞれ通じて支持部の下方に
伸びた植物の根同士が側方に張ることにより交錯し合い
得、側方外部との間に空気及び水が流通し得るように側
方外部に開口し、前記透孔は、空間形成部を介して側方
外部と通じるものであり、厚さ方向の支持体結合用孔を
複数箇所に有し、その支持体結合用孔に対応する箇所に
厚さ方向のマット結合用貫通孔が設けられた繊維マット
が支持部上に積層することにより上下に連通した状態の
互いに対応するマット結合用貫通孔と支持体結合用孔
に、繊維マットと支持体とを上下に結合させる結合材が
挿入されて両者が上下に結合され得るものであることを
特徴とする。
【0068】この植物栽培マット体用支持体は、繊維マ
ットの下面側に設けるマット側凹部に嵌合する位置決め
用の支持体側凸部および/または繊維マットの下面側に
設けるマット側凸部に嵌合する位置決め用の支持体側凹
部を支持部の上面側に有するものであることが好まし
い。
【0069】また、植物栽培マット体用支持体は、上記
支持体側凸部が、上記支持体結合用孔の外周部が支持体
における支持部の上面から上方に突出するよう形成され
てなるものであることが好ましい。
【0070】本発明の植物栽培マット構成体は、すのこ
状部を備えた支持体と、支持体における前記すのこ状部
の上面部を形成する支持部上に積層結合するための繊維
マットを有してなる植物栽培マット構成体であって、前
記繊維マットは、合成繊維を含む繊維が立体的に集合さ
れ、所定の圧力でプレスされて前記繊維の間に無数の空
隙ができる状態で前記繊維の交点がバインダーで結合さ
れてなるものであり、前記支持体におけるすのこ状部
は、前記繊維マットにおいて生育した植物の根が挿通し
得る上方開口の透孔を前記支持部のほぼ全上面部にわた
り有すると共に、前記支持部の下方に空間形成部を有
し、その空間形成部は、前記支持体を載置面上に載置し
た状態において、前記透孔を通じて支持部の下方に伸び
た植物の根が張ることができ、隣り合う透孔をそれぞれ
通じて支持部の下方に伸びた植物の根同士が側方に張る
ことにより交錯し合い得、支持体の側方外部との間に空
気及び水が流通し得るように支持体の側方外部に開口
し、前記透孔は、空間形成部を介して支持体の側方外部
と通じるものであり、前記繊維マットにおける複数箇所
に、その厚さ方向のマット結合用貫通孔を有すると共
に、前記支持体における前記マット結合用貫通孔に対応
する箇所に、その厚さ方向の支持体結合用孔を有し、位
置決め用のマット側凹部および/またはマット側凸部を
前記繊維マットの下面側に有し、前記マット側凹部に嵌
合する位置決め用の支持体側凸部および/または前記マ
ット側凸部に嵌合する位置決め用の支持体側凹部を前記
支持体における支持部の上面側に有し、支持体における
支持部上に繊維マットを積層して対応するマット側凹部
と支持体側凸部および/またはマット側凸部と支持体側
凹部を嵌合させることにより、対応するマット結合用貫
通孔と支持体結合用孔が上下に連通することを特徴とす
る。
【0071】支持体における支持部上に繊維マットを積
層して互いに対応するマット側凹部と支持体側凸部およ
び/またはマット側凸部と支持体側凹部を嵌合させるこ
とにより、繊維マットを支持体における支持部上に水平
方向に位置決めして、互いに対応するマット結合用貫通
孔と支持体結合用孔が上下に連通した状態とすることが
できる。このようにして上下に連通したマット結合用貫
通孔と支持体結合用孔に結合材を挿入することにより、
位置決めと共に積層結合を容易且つ確実に行い、植物栽
培マット体を得ることができる。
【0072】この植物栽培マット構成体は、上記マット
側凹部が繊維マットを厚さ方向に貫通する貫通孔であ
り、そのマット側凹部に嵌合する支持体側凸部の高さ
が、繊維マットが植物を栽培する状態にある場合にその
繊維マットが通常受け得る上方からの圧力と支持体にお
ける支持部の上面との間で圧縮された状態において繊維
マットの上面から突出することのない高さであることが
好ましい。
【0073】また、植物栽培マット構成体は、上記支持
体側凸部が、上記支持体結合用孔の外周部が支持体にお
ける支持部の上面から上方に突出するよう形成されてな
るものであり、上記マット側凹部が上記マット結合用貫
通孔であることが好ましい。
【0074】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1乃至
図7を参照しつつ説明する。
【0075】図1乃至図7は、何れも本発明の実施の形
態の一例としての植物栽培マット体に関するものであっ
て、そのうち図1は、支持体におけるすのこ状部の上面
部を形成する支持部上に、結合材を用いて繊維マットを
積層結合してなる植物栽培マット体を、コンクリート製
の載置面上に載置し、繊維マット上に芝苗を載せた状態
の断面図である。また図2は支持体の要部平面図、図3
は支持体の要部拡大正面図、図4は図2におけるIV−IV
線要部拡大断面図、図5は結合材の正面図、図6は支持
体の平面概略図、図7は繊維マットの平面概略図であ
る。
【0076】繊維マット20は、ポリエステル系合成繊
維を約80%含む繊維22で編み組みされた織布の廃棄
屑を開繊して繊維状に加工したものを主材料とし、これ
に、全体の約20重量%の低融点のポリエステル繊維を
バインダー繊維24として混合分散させ、更に繊維の集
合体中に肥料粒26及び保持材27(ゼオライト等)を
分散させたものを用いて製造したものである。すなわ
ち、これらの繊維を所定の厚さに方向性なく立体的に集
合させた繊維の集合体に肥料粒26及び保持材27を分
散させたものを、バインダー繊維24が溶融する温度ま
で加熱した後、集合した状態の厚さに対して約25%の
厚さとなるようプレスし、バインダー繊維24を冷却・
硬化させて繊維同士を結合させ繊維の間に無数の空隙を
形成させることにより、繊維の空隙に肥料粒26及び保
持材27が添加された繊維マット20が得られた。平面
視正方形状(形状はこれに限らない)の繊維マット20
の四隅部にはそれぞれ軸線方向が厚さ方向である円柱形
状のマット結合用貫通孔28が設けられている。
【0077】繊維マット20と実質上同一の平面視正方
形状(形状はこれに限らない)をなす支持体30は、合
成樹脂の射出成型により一体成型されたものであり、全
体がすのこ状部で、その上面部を形成する支持部32
は、碁盤目の各目の対角線を結んだ形状の格子状をな
す。支持部32の全上面部にわたり多数満遍なく形成さ
れている上方開口の透孔34は、支持部32上に積層結
合された繊維マット20において生育した植物の根が挿
通し得るものであり、何れも平面視において略直角二等
辺三角形状(透孔の形状はこれに限るものでなく、例え
ばその他の三角形、正方形、長方形、その他の多角形、
円形、楕円形等を任意に採用し得る。)をなす。支持部
32の上面部は、透孔34及び支持体30の四隅部に設
けられた支持体側凸部35を除いた部分がほぼ一定高さ
である。支持部32における格子の交点の下側には、そ
れぞれ支柱部36が形成されている。支柱部36は、支
持体30を載置面C上に載置した状態において支持部3
2を支持するものであり、各支柱部36の下端位置(載
置面位置)と支持部32との間の空間のうち各支柱部3
6を除く部分が空間形成部38である。
【0078】支持体側凸部35は、繊維マット20にお
けるマット結合用貫通孔28に対応する箇所に設けられ
ている。支持体側凸部35は、非圧縮状態の繊維マット
20の厚さの約3分の1支持部32から上方に突出した
円筒形状をなし、その外径はマット結合用貫通孔28の
内径よりやや小さい。支持体側凸部35の内周側は、支
持部32を上下に貫通する支持体結合用孔39の上部を
構成する。支持体結合用孔39の下端部は、やや内径が
拡大した拡径部39aに形成されている。
【0079】結合材40は、合成樹脂製(好ましくは生
分解性合成樹脂)であって、マット結合用貫通孔28の
外径より外径が大きな円板状をなす大径平頭部40aの
中央部下方に二股状の脚部40bを有し、各脚部40b
の下端部に、下方を向く尖頭状をなし、上側が脚部40
bよりも拡開した鉤状をなす抜止尖頭部40cを有して
なる。
【0080】支持体30の支持部32上に、各支持体側
凸部35が対応するマット結合用貫通孔28の下部に嵌
合するように繊維マット20を積層すると、繊維マット
20を支持体30における支持部32上に水平方向に位
置決めし、互いに対応するマット結合用貫通孔28と支
持体結合用孔39が上下に連通した状態とすることがで
きる。このように上下に連通したマット結合用貫通孔2
8と支持体結合用孔39に、マット結合用貫通孔28の
上開口から抜止尖頭部40cを下向きにして結合材40
を挿入すると、支持体結合用孔39通過の際に両抜止尖
頭部40c同士がその支持体結合用孔39の内周部によ
り内方に押圧されて脚部40b同士が互いに内方にたわ
んだ状態でその両抜止尖頭部40cが支持体結合用孔3
9を通過した後、両脚部40bが外方に拡がって両抜止
尖頭部40cも外方に復元する。すると、抜止尖頭部4
0cの拡開した上側部は、支持体結合用孔39の下端の
拡径部39aの上端面に掛止され、大径平頭部40aが
繊維マット20の上面に掛止され、支持体30に対する
繊維マット20の位置決めと共に積層結合を容易且つ確
実に行い得る。なお、大径平頭部40aの中央部には、
下側が両脚部40bの間に開口する貫通孔が設けられて
いるので水や空気が通じ得る。
【0081】繊維マット20上に載置された芝苗Gの生
育が進むと、その根が繊維マット20に張り、更に、透
孔34を通じて支持部32の下方に伸びて空間形成部3
8にも根が張ることになる。任意の隣り合う透孔34を
それぞれ通じて支持部32の下方に伸びた根同士は、空
間形成部38において側方に張ることにより交錯し合い
得る。また、何れの透孔34も、空間形成部38を介し
て支持体30の側方外部と通じる。透孔34を通じて支
持部32の下方に伸びた根が、空間形成部38において
多方向に伸びてできるだけ自在に張ることができるの
で、芝苗Gの生育上望ましく、繊維マット20と支持体
30との結合も強化される。
【0082】また、空間形成部38は、下方に開放され
ており、支柱部36を除く部分において支持体30の側
方外部に開口している。従って支持体30の側方外部と
の間に空気及び水が流通し得、空間形成部38から側方
外部への排水性に優れる。而も、植物栽培マット体Mを
載置面C上に複数隣接配列した場合、各植物栽培マット
体Mの支持体30における空間形成部38の側方外部に
対する開口を介して、隣接する植物栽培マット体Mの空
間形成部38に根が張ることが可能である。
【0083】支持体30は、実質上のたわみ又は破壊を
生じることなく支持部32上に少なくとも成人を支持し
得る剛性及び強度を備える。従って、植物栽培マット体
M上を歩行することにより透孔34を通って空間形成部
38に張った根を損傷させることがないので芝苗G等の
植物の育成を妨げず、植物栽培マット体M上を歩行する
際の歩行性も良い。
【0084】また、結合材40の周辺において芝苗G上
を人が踏むと、繊維マット20は支持体30における支
持部32の上面との間で圧縮され、繊維マット20の上
部が支持体30上で支持体30に対し下降する。結合材
40の抜止尖頭部40cは、拡開した上側部が支持体結
合用孔39の下端の拡径部39aの上端面に掛止されて
いるので、上方移動は不可能であるが、下方移動は載置
面Cに達するまで自由である。そのため、人が踏んで圧
縮される範囲内で繊維マット20の上部が支持体30上
で支持体30に対し下降すると、結合材40が共に下降
し、繊維マット20上で栽培する芝苗Gも共に下降す
る。そのため、芝苗Gが繊維マット20から分離するこ
とが防がれる。また、人が踏んで圧縮される範囲内で繊
維マット20の上部が支持体30上で支持体30に対し
下降して結合材40の大径平頭部40aが共に下降して
も、支持体側凸部35の上端部が大径平頭部40aの下
面に当接することはないので、結合材40の下降による
芝苗Gの下降を妨げない。そのため、芝苗Gが繊維マッ
ト20から分離することが防がれる。
【0085】また、図2に二点鎖線で示すように、支持
体30の隣り合う2辺にそれぞれ嵌合突起部42を設
け、残りの隣り合う2辺にそれぞれ嵌合突起部42が嵌
合し得る嵌合環状部44を設けることにより、支持体3
0同士を相互に隣接連結し得るものとして、載置面C上
における各植物栽培マット体Mの位置決めの容易化等を
図ることもできる。
【0086】なお、以上の実施の形態についての記述に
おける上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜の
ためのものであって、実際の使用状態等を限定するもの
ではない。また以上の実施の形態についての記述におけ
る構成部品の寸法、個数、材質、形状、その相対配置な
どは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、
この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものでは
なく、単なる説明例に過ぎない。
【0087】
【発明の効果】本発明の植物栽培マット体は、支持体に
おけるすのこ状部の支持部上に積層結合された繊維マッ
トが、内部に無数の空隙を有して優れた保水性と吸水性
を実現し、その繊維マットにおいて生育を開始した植物
の根が透孔を通って支持部の下方の空間形成部において
縦横に張ることが可能である。繊維マットにおける余分
な水は支持体の側方外部に排水可能であり、空間形成部
は通気性が維持されるため、空間形成部において縦横に
張った根は、根腐れすることが防がれて植物の生育に好
適な環境が得られる。また、植物の生育が進むことによ
り、繊維マットと支持体との結合が漸次強化される。
【0088】而も、支持体における支持部上に繊維マッ
トを積層して互いに対応するマット結合用貫通孔と支持
体結合用孔が上下に連通した状態で、その上下に連通し
たマット結合用貫通孔と支持体結合用孔に結合材を挿入
することにより、繊維マットを支持体における支持部上
に水平方向に位置決めすると共に、繊維マットと支持体
とを上下に結合させることができる。位置決めと共に積
層結合を容易且つ確実に行い得るため、生産性が高く、
製造コストが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】植物栽培マット体をコンクリート製の載置面上
に載置して芝苗を載せた状態の断面図である。
【図2】支持体の要部平面図である。
【図3】支持体の要部拡大正面図である。
【図4】図2におけるIV−IV線要部拡大断面図である。
【図5】結合材の正面図である。
【図6】支持体の平面概略図である。
【図7】繊維マットの平面概略図である。
【図8】本発明者が先に開発した植物栽培マット体の断
面図である。
【符号の説明】
M 植物栽培マット体 C 載置面 G 芝苗 20 繊維マット 22 繊維 24 バインダー繊維 26 肥料粒 27 保持材 28 マット結合用貫通孔 30 支持体 32 支持部 34 透孔 35 支持体側凸部 36 支柱部 38 空間形成部 39 支持体結合用孔 39a 拡径部 40 結合材 40a 大径平頭部 40b 脚部 40c 抜止尖頭部 42 嵌合突起部 44 嵌合環状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 安代 徳島県徳島市住吉1丁目7番4号 (72)発明者 塚本 講司 兵庫県伊丹市北伊丹6丁目67 山崎産業株 式会社内 Fターム(参考) 2B022 AA05 AB04 BA23 BB03

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】すのこ状部を備えた支持体における前記す
    のこ状部の上面部を形成する支持部上に繊維マットが積
    層結合してなる植物栽培マット体であって、前記繊維マ
    ットは、合成繊維を含む繊維が立体的に集合され、所定
    の圧力でプレスされて前記繊維の間に無数の空隙ができ
    る状態で前記繊維の交点がバインダーで結合されてなる
    ものであり、前記支持体におけるすのこ状部は、前記繊
    維マットにおいて生育した植物の根が挿通し得る上方開
    口の透孔を前記支持部のほぼ全上面部にわたり有すると
    共に、前記支持部の下方に空間形成部を有し、その空間
    形成部は、前記支持体を載置面上に載置した状態におい
    て、前記透孔を通じて支持部の下方に伸びた植物の根が
    張ることができ、隣り合う透孔をそれぞれ通じて支持部
    の下方に伸びた植物の根同士が側方に張ることにより交
    錯し合い得、支持体の側方外部との間に空気及び水が流
    通し得るように支持体の側方外部に開口し、前記透孔
    は、空間形成部を介して支持体の側方外部と通じるもの
    であり、前記繊維マットにおける複数箇所に、その厚さ
    方向のマット結合用貫通孔を有すると共に、前記支持体
    における前記マット結合用貫通孔に対応する箇所に、そ
    の厚さ方向の支持体結合用孔を有し、前記支持体におけ
    る支持部上に前記繊維マットが積層することにより上下
    に連通した状態の互いに対応するマット結合用貫通孔と
    支持体結合用孔に、繊維マットと支持体とを上下に結合
    させる結合材が挿入されて両者が上下に結合したもので
    あることを特徴とする植物栽培マット体。
  2. 【請求項2】上記繊維マットが圧縮されていない状態に
    おいて上記結合材の下端部の下方に空間を有し、前記繊
    維マットが植物栽培状態にある場合にその繊維マットが
    通常受け得る上方からの圧力と支持体における支持部の
    上面との間で圧縮された状態において、前記結合材がそ
    の周囲の繊維マットの上部の下降と共に上記支持体に対
    し下降し得るものである請求項1記載の植物栽培マット
    体。
  3. 【請求項3】位置決め用のマット側凹部および/または
    マット側凸部を繊維マットの下面側に有し、前記マット
    側凹部に嵌合する位置決め用の支持体側凸部および/ま
    たは前記マット側凸部に嵌合する位置決め用の支持体側
    凹部を支持体における支持部の上面側に有する請求項1
    又は2記載の植物栽培マット体。
  4. 【請求項4】上記マット側凹部が繊維マットを厚さ方向
    に貫通する貫通孔であり、そのマット側凹部に嵌合する
    支持体側凸部の高さが、繊維マットが植物栽培状態にあ
    る場合にその繊維マットが通常受け得る上方からの圧力
    と支持体における支持部の上面との間で圧縮された状態
    において繊維マットの上面から突出することのない高さ
    である請求項3記載の植物栽培マット体。
  5. 【請求項5】上記支持体側凸部が、上記支持体結合用孔
    の外周部が支持体における支持部の上面から上方に突出
    するよう形成されてなるものであり、上記マット側凹部
    が上記マット結合用貫通孔である請求項3又は4記載の
    植物栽培マット体。
  6. 【請求項6】上記結合材が生分解性材料からなるもので
    ある請求項1乃至5の何れかに記載の植物栽培マット
    体。
  7. 【請求項7】上記繊維マットが、繊維に、バインダーと
    して低融点のポリエステル系合成繊維が混合され、立体
    的に集合した繊維が加熱状態でプレスされて、低融点の
    ポリエステル系合成繊維の溶融により繊維同士が結合さ
    れてなるものである請求項1乃至6の何れかに記載の植
    物栽培マット体。
  8. 【請求項8】上記繊維マットにおける繊維の空隙に肥料
    が添加されてなる請求項1乃至7の何れかに記載の植物
    栽培マット体。
  9. 【請求項9】上記繊維マットを構成する繊維が、合成繊
    維を含む繊維で編み組みされた織布の廃棄屑から分離さ
    れた廃棄繊維を含む請求項1乃至8の何れかに記載の植
    物栽培マット体。
  10. 【請求項10】上記すのこ状部が、上方開口の透孔を上
    面部に多数満遍なく有するものである請求項1乃至9の
    何れかに記載の植物栽培マット体。
  11. 【請求項11】上記空間形成部は、上記支持体を載置面
    上に載置した状態において、任意の隣り合う透孔をそれ
    ぞれ通じて支持部の下方に伸びた植物の根同士が側方に
    張ることにより交錯し合い得るものである請求項1乃至
    10の何れかに記載の植物栽培マット体。
  12. 【請求項12】上記支持体を載置面上に載置した状態に
    おいて上記すのこ状部における支持部を支持する複数の
    支柱部が、分散配置されてなり、各支柱部の下端位置と
    支持部との間の空間のうち各支柱部を除く部分が空間形
    成部である請求項1乃至11の何れかに記載の植物栽培
    マット体。
  13. 【請求項13】上記空間形成部が、上記支柱部を除く部
    分において支持体の側方外部に開口する請求項12記載
    の植物栽培マット体。
  14. 【請求項14】支持体の外周部に、支持体同士を相互に
    隣接連結し得る連結部を備えた請求項1乃至12の何れ
    かに記載の植物栽培マット体。
  15. 【請求項15】支持体の外周部に、支持体同士を相互に
    隣接連結し得る連結部を備えており、上記支持体を載置
    面上に載置した状態において、上記空間形成部が、上記
    支柱部および/または前記連結部を除く部分において支
    持体の側方外部に開口する請求項14記載の植物栽培マ
    ット体。
  16. 【請求項16】上記すのこ状部が、実質上のたわみ又は
    破壊を生じることなく支持部上に少なくとも成人を支持
    し得る剛性及び強度を備える請求項1乃至15の何れか
    に記載の植物栽培マット体。
  17. 【請求項17】すのこ状部を備えた支持体における前記
    すのこ状部の上面部を形成する支持部上に積層結合して
    植物栽培マット体を構成するための繊維マットであっ
    て、合成繊維を含む繊維が立体的に集合され、所定の圧
    力でプレスされて前記繊維の間に無数の空隙ができる状
    態で前記繊維の交点がバインダーで結合されてなり、そ
    の厚さ方向のマット結合用貫通孔を複数箇所に有し、そ
    のマット結合用貫通孔に対応する箇所に厚さ方向の支持
    体結合用孔が設けられた支持体の支持部上に積層するこ
    とにより上下に連通した状態の互いに対応するマット結
    合用貫通孔と支持体結合用孔に、繊維マットと支持体と
    を上下に結合させる結合材が挿入されて両者が上下に結
    合され得るものであることを特徴とする繊維マット。
  18. 【請求項18】支持体における支持部の上面側に設ける
    支持体側凸部に嵌合する位置決め用のマット側凹部およ
    び/または前記支持部の上面側に設ける支持体側凹部に
    嵌合するマット側凸部を繊維マットの下面側に有する請
    求項17記載の繊維マット。
  19. 【請求項19】すのこ状部を備え、そのすのこ状部の上
    面部を形成する支持部上に繊維マットを積層結合して植
    物栽培マット体を構成するための支持体であって、前記
    すのこ状部は、前記繊維マットにおいて生育した植物の
    根が挿通し得る上方開口の透孔を前記支持部のほぼ全上
    面部にわたり有すると共に、前記支持部の下方に空間形
    成部を有し、その空間形成部は、載置面上に載置した状
    態において、前記透孔を通じて支持部の下方に伸びた植
    物の根が張ることができ、隣り合う透孔をそれぞれ通じ
    て支持部の下方に伸びた植物の根同士が側方に張ること
    により交錯し合い得、側方外部との間に空気及び水が流
    通し得るように側方外部に開口し、前記透孔は、空間形
    成部を介して側方外部と通じるものであり、厚さ方向の
    支持体結合用孔を複数箇所に有し、その支持体結合用孔
    に対応する箇所に厚さ方向のマット結合用貫通孔が設け
    られた繊維マットが支持部上に積層することにより上下
    に連通した状態の互いに対応するマット結合用貫通孔と
    支持体結合用孔に、繊維マットと支持体とを上下に結合
    させる結合材が挿入されて両者が上下に結合され得るも
    のであることを特徴とする植物栽培マット体用支持体。
  20. 【請求項20】繊維マットの下面側に設けるマット側凹
    部に嵌合する位置決め用の支持体側凸部および/または
    繊維マットの下面側に設けるマット側凸部に嵌合する位
    置決め用の支持体側凹部を支持部の上面側に有する請求
    項19記載の植物栽培マット体用支持体。
  21. 【請求項21】上記支持体側凸部が、上記支持体結合用
    孔の外周部が支持体における支持部の上面から上方に突
    出するよう形成されてなるものである請求項20記載の
    植物栽培マット体用支持体。
  22. 【請求項22】すのこ状部を備えた支持体と、支持体に
    おける前記すのこ状部の上面部を形成する支持部上に積
    層結合するための繊維マットを有してなる植物栽培マッ
    ト構成体であって、前記繊維マットは、合成繊維を含む
    繊維が立体的に集合され、所定の圧力でプレスされて前
    記繊維の間に無数の空隙ができる状態で前記繊維の交点
    がバインダーで結合されてなるものであり、前記支持体
    におけるすのこ状部は、前記繊維マットにおいて生育し
    た植物の根が挿通し得る上方開口の透孔を前記支持部の
    ほぼ全上面部にわたり有すると共に、前記支持部の下方
    に空間形成部を有し、その空間形成部は、前記支持体を
    載置面上に載置した状態において、前記透孔を通じて支
    持部の下方に伸びた植物の根が張ることができ、隣り合
    う透孔をそれぞれ通じて支持部の下方に伸びた植物の根
    同士が側方に張ることにより交錯し合い得、支持体の側
    方外部との間に空気及び水が流通し得るように支持体の
    側方外部に開口し、前記透孔は、空間形成部を介して支
    持体の側方外部と通じるものであり、前記繊維マットに
    おける複数箇所に、その厚さ方向のマット結合用貫通孔
    を有すると共に、前記支持体における前記マット結合用
    貫通孔に対応する箇所に、その厚さ方向の支持体結合用
    孔を有し、位置決め用のマット側凹部および/またはマ
    ット側凸部を前記繊維マットの下面側に有し、前記マッ
    ト側凹部に嵌合する位置決め用の支持体側凸部および/
    または前記マット側凸部に嵌合する位置決め用の支持体
    側凹部を前記支持体における支持部の上面側に有し、支
    持体における支持部上に繊維マットを積層して対応する
    マット側凹部と支持体側凸部および/またはマット側凸
    部と支持体側凹部を嵌合させることにより、対応するマ
    ット結合用貫通孔と支持体結合用孔が上下に連通するこ
    とを特徴とする植物栽培マット構成体。
  23. 【請求項23】上記マット側凹部が繊維マットを厚さ方
    向に貫通する貫通孔であり、そのマット側凹部に嵌合す
    る支持体側凸部の高さが、繊維マットが植物栽培状態に
    ある場合にその繊維マットが通常受け得る上方からの圧
    力と支持体における支持部の上面との間で圧縮された状
    態において繊維マットの上面から突出することのない高
    さである請求項22記載の植物栽培マット構成体。
  24. 【請求項24】上記支持体側凸部が、上記支持体結合用
    孔の外周部が支持体における支持部の上面から上方に突
    出するよう形成されてなるものであり、上記マット側凹
    部が上記マット結合用貫通孔である請求項22又は23
    記載の植物栽培マット構成体。
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JP2012225471A (ja) * 2011-04-22 2012-11-15 Yamazaki Corp 結合具
WO2020211292A1 (zh) * 2019-04-15 2020-10-22 广东省水利水电科学研究院 一种生态防护植生毯及其制备方法和应用

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