JP2003230306A - 野菜移植機 - Google Patents

野菜移植機

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JP2003230306A
JP2003230306A JP2002146920A JP2002146920A JP2003230306A JP 2003230306 A JP2003230306 A JP 2003230306A JP 2002146920 A JP2002146920 A JP 2002146920A JP 2002146920 A JP2002146920 A JP 2002146920A JP 2003230306 A JP2003230306 A JP 2003230306A
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紀彦 宗好
Yoshinori Yoshida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂で形成される苗供給カップをチェー
ンで連結し、苗供給カップの側面に駆動輪を直接当接し
て回転駆動すると、苗供給カップの外周が削れることが
あり、また、過負荷がかかって変形した場合などは全て
のカップを交換する必要があった。 【解決手段】 長円状に連結した苗搬送体を連続的に回
転駆動しながら、苗搬送体に苗を挿入して、受継部15
0で苗126を移植爪151内に投入して、該移植爪1
51を畝125中へ移動して開いて移植する野菜移植機
101において、苗搬送体を苗搬送ポット148とポッ
ト取付基部140より構成し、該ポット148をポット
取付基部140に対して着脱自在に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長円状に連結した
苗搬送体を連続的に回転駆動しながら、苗搬送体に苗を
挿入して、受継部で苗を移植爪内に投入して、該移植爪
を畝中へ移動して開いて移植する野菜移植機に関し、特
に、玉葱の苗を二条ずつ移植する移植機の技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、移植爪を左右一対有し、該移
植爪の上方に苗供給部を配置して、苗を苗供給部のカッ
プ内に挿入して、該苗を挿入したカップを受継部へ搬送
して、該受継部においてカップより移植爪内に苗を落下
させて投入して、該移植爪を畝中に下降させながら移動
して、下端側において移植爪を開いて苗を植えつける野
菜移植機が公知となっている。
【0003】例えば、特開2002−84826の技術
である。この技術は、2条植えの植付部を備えたもので
あり、左右一対の苗供給装置と左右一対の移植爪を有
し、苗供給装置は苗供給カップを複数円周上に配置した
ターンテーブルを左右一対配置して、ターンテーブルに
取り付けたラチェットを回動して間欠駆動し、苗供給カ
ップより順に移植爪に落下させて、移植する構成として
いた。また、ターンテーブルの代わりに、苗供給カップ
を弾性体からなるチェーンで互いに連結して、駆動輪と
従動輪の間に巻回して苗供給カップを長円状に配置し
て、間欠駆動して移植するようにしていた。また、駆動
輪および従動輪は十文字状に形成されて、駆動輪および
従動輪の外周には、苗供給カップとの当接部が四つ形成
される構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の野菜移
植機では、苗供給カップは成形性が容易で軽量であるた
めに合成樹脂で形成され、そして、該苗供給カップをチ
ェーンで連結し、苗供給カップの側面に駆動輪が直接当
接して回転駆動されるので、苗供給カップの外周が削れ
ることがあり、また、過負荷がかかって変形した場合な
どは全てのカップを交換する必要があった。また、苗供
給カップから移植爪への受継位置が正確に一致していな
いと、苗が確実に移植爪に受け渡すことができないが、
従来の弾性体のチェーンで苗カップを連結すると、伸び
が発生し、ターンテーブルに比べて位置決めを正確にす
ることが難しく、調整も容易でなかった。また、駆動輪
および従動輪が十文字状で外周上に苗供給カップとの当
接部が四つのみ形成される構成のため、長円状となる苗
供給カップ連の端部(円弧状部)には、2または3の苗
供給カップのみが位置する。作業者は、前記端部(円弧
状部)に位置する苗搬送体に苗の供給を行うが、この部
位に位置する苗供給カップの数が少ないと、苗供給が行
われないうちに苗搬送体が端部(円弧状部)より移動し
てしまうなど、苗供給を失敗する恐れがある。そこで本
発明は効率の良い作業ができる移植機の苗供給装置を提
供しようとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。請求項1においては、長円状に連
結した苗搬送体を連続的に回転駆動しながら、苗搬送体
に苗を挿入して、受継部で苗を移植爪内に投入して、該
移植爪を畝中へ移動して開いて移植する野菜移植機にお
いて、苗搬送体を連結体とポットより構成し、該ポット
を連結体に対して着脱自在に構成したものである。
【0006】また、請求項2においては、前記連結体は
嵌合環の両側に連結部を配置して無端状に連結し、前記
ポットは上部が拡開した筒状に構成し、前記嵌合環の内
周と、前記ポットの外周に、それぞれ凹部または凸部を
設けて嵌合可能としたものである。
【0007】また、請求項3においては、前記連結体は
嵌合環の両側に連結部を配置して無端状に連結し、前記
嵌合環の搬送方向前側にシャッターの前部を枢支し、該
シャッターの後部左右一側にローラーを配置したもので
ある。
【0008】また、請求項4においては、前記シャッタ
ーを金属製とし、前記ローラーを合成樹脂で構成したも
のである。
【0009】また、請求項5においては、前記連結体は
嵌合環の両側に連結部を配置して無端状に連結し、機体
フレーム上の左右両側に配置したスプロケットに嵌合環
が当接するように配設するとともに、該スプロケットの
中心部に位置調整部を形成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】これより、本発明の二つの実施形
態を説明する。まず、本発明の第一実施例の野菜移植機
1について、図1から図13を用いて説明する。図1は
本発明の第一実施例である歩行型野菜移植機の全体的な
構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は機体
フレームとミッションケース部分の側面図、図4は機体
フレーム部分の平面図、図5は苗供給部の平面図、図6
は受継部の後面断面図、図7は同じく平面図、図8は移
植部の後面図、図9は同じく側面図、図10は同じく平
面図、図11は移植爪の側面断面図、図12は覆土輪支
持部の側面図、図13は覆土輪部分の後面図である。
【0011】第一実施例である玉葱用の歩行型の野菜移
植機1について、全体構成から説明する。図1、図2に
おいて、野菜移植機1は、機体フレーム2の前部上にエ
ンジン3を載置し、前後中央部上に走行ミッションケー
ス4と植付けミッションケース5を配置し、機体フレー
ム2後部上から後方にハンドル部材となるハンドルフレ
ーム6を水平方向に連設して、該ハンドルフレーム6の
中途部上に苗供給部7を配置し、ハンドルフレーム6後
部を運転操作部9としている。
【0012】前記機体フレーム2の前部には前輪支持軸
10を横架し、該前輪支持軸10の両側に前輪支持フレ
ーム11・11の一端を取り付け、該前輪支持フレーム
11・11の他端に前輪12・12を支持している。ま
た、機体フレーム2の中途部より回動支持軸13・14
を横架し、走行ミッションケース4より後輪駆動軸15
を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸15の両側に駆
動ケース16・16を連設して、該駆動ケース16・1
6の後部に後輪17・17を支持している。そして、前
輪支持フレーム11と駆動ケース16はリンク機構を介
して連結されるとともに、機体フレーム2下部に設けた
油圧シリンダ19とリンク機構を介して駆動ケース16
が連結され、該油圧シリンダ19を伸縮させることによ
り前輪支持フレーム11と駆動ケース16が前輪支持軸
10及び後輪駆動軸15を中心に回動されて、機体を昇
降可能としている。
【0013】そして、植付けミッションケース5の後部
であって後述する後フレーム2b・2b(図3、図4に
図示)の間の苗供給部7の下方に移植部20が配置さ
れ、後フレーム2b・2bで保護できるとともに、該移
植部20は移植爪51を昇降して、上端位置で苗供給部
7より苗26を受け取り、下端位置で移植爪51を開い
て畝25中に苗を落下させて、その後方に配置した覆土
輪22により苗の根部に土を寄せて覆土して移植する構
成としている。
【0014】次に各部の構成を説明する。まず、走行部
及び植付け部を支えるシャーシから説明する。図3、図
4に示すように、シャーシは機体フレーム2と、該機体
フレーム2に連設する走行ミッションケース4と植付け
ミッションケース5と、該走行ミッションケース4と植
付けミッションケース5とを連結する連結部材となる連
結プレート30と、前記植付けミッションケース5と機
体フレーム2を連結するハンドルフレーム6から構成さ
れ、それぞれを連結固定することにより補強部材を必要
とせず補強し合い剛性を高める構成としている。
【0015】前記機体フレーム2は側面視略逆「へ」字
状に構成して、該機体フレーム2を前フレーム2aと後
フレーム2bから構成して略前後中央部で連結し、該前
フレーム2aはプレート状に構成してその前部上にエン
ジン3を載置固定し、後部上にステー2cを介して走行
ミッションケース4を載置固定している。前記後フレー
ム2bは横フレーム2dから左右両側より後方へパイプ
を延設した平面視Π状に構成して、該前部の左右水平方
向の横フレーム2dに前フレーム2a後端を固設してい
る。左側の後フレーム2bの前後中途部上より中柱2e
を立設している。また、前フレーム2a後部に前記回動
支点軸13を支持して側方に突出し、横フレーム2d延
長上に回動支点軸14を支持し、走行ミッションケース
4下部に後輪駆動軸15をそれぞれ左右水平方向に平行
に支持している。
【0016】そして、前フレーム2aの前後方向の左右
中心線を走行部(機体)の中心線として、左右一側(本
実施例では進行方向左側)に偏位して回動支持軸13・
14と後輪駆動軸15が側方に延設されて、野菜移植機
1が畝25を跨いで走行するときに、走行部が左右一側
に偏位して走行し、後述するように往路と復路で左右一
側2列ずつ(往路で1条目と二条目を、復路で3条目と
4条目を)移植できるようにしている。なお、左右の前
輪12・12と後輪17・17は畝25の形状や幅等に
合わせて左右位置(車幅)を調整できるようにしてい
る。
【0017】そして、図2、図3に示すように、前記後
フレーム2bの後部上及び中柱2e上部にハンドルフレ
ーム6の前部が連結され、該ハンドルフレーム6の前部
を植付けミッションケース5上部と連結し、前後中途部
上に苗供給部7と左右の苗載台31・31を支持し、後
部に昇降レバー32や主クラッチレバー33や作業レバ
ーやアクセルレバーやサイドクラッチレバーや高さ調節
レバー等の操作レバーを配置している。
【0018】前記ハンドルフレーム6は平面視「E」状
に右フレーム6Rと中フレーム6Mと左フレーム6Lか
ら構成し、右フレーム6Rと中フレーム6Mの前部間に
植付けミッションケース5を支持固定し、前後中途部間
に連結プレート34を架設して、該連結プレート34の
下面に前記右側の後フレーム2b後端上部が固設され
る。このようにして3者が互いに連結固定されて剛性を
アップしている。該連結プレート34下部には苗供給部
7の駆動ケースが付設される。
【0019】また、中フレーム6Mと左フレーム6Lの
前後中途部間に補強パイプ6aが連結され、該左フレー
ム6Lの前部下面には前記中柱2e上端が連結固定され
る。このようにして、右フレーム6Rと中フレーム6M
と左フレーム6Lの間で連結固定することで剛性をアッ
プしている。また、右フレーム6Rの前後中途部より苗
載台フレーム35が外側方に突設されて苗載台31を取
り付け、左フレーム6Lより苗載台フレーム36を外側
方に突設して苗載台31を取り付けている。
【0020】本実施例では、機体右側のハンドルフレー
ム6側部の後輪17後方(苗供給部7の右斜め後方)に
主作業者23が位置し、機体左側のハンドルフレーム6
側部の後輪17後方(苗供給部7の左斜め後方)に補助
作業者24が位置し、或いは、一人作業の場合は機体右
側のみ位置し、主作業者23は前記操作レバーを操作す
るとともに、苗載台31から苗26を取り、苗供給部7
の各苗搬送ポット40に一つずつ(あるいは所定本数ず
つ)苗を挿入していく。補助作業者24は主作業者23
が苗搬送ポット40に挿入できなかった苗搬送ポット4
0に苗を挿入して補完する。
【0021】前記走行ミッションケース4と植付けミッ
ションケース5はそれぞれ上下方向に向けて機体中央部
の前後に並設され、該走行ミッションケース4と植付け
ミッションケース5の左右一側に連結プレート30を貼
設して両ケースを連結する構成として一体的な構成物と
している。そして、前述のように前フレーム2aの後部
上に走行ミッションケース4を固設し、後フレーム2b
上部にハンドルフレーム6を介して植付けミッションケ
ース5の上部を固設している。こうして,側面視におい
て、機体フレーム2が逆「へ」字状に折れ曲がり状に構
成されている中央の凹部上方を、走行ミッションケース
4と植付けミッションケース5と連結プレート30によ
り連結固定することによって、側面視で三角形を構成す
ることができて剛性を高めているのである。
【0022】次に苗供給部7について図2、図5、図
6、図7より説明する。図2に示すように、前記左フレ
ーム6Lの中途部より補助作業者24側(機体中心と反
対側)へ平面視U字状の支持フレーム37が水平側方へ
突設され、該支持フレーム37とハンドルフレーム6の
前後中途部上に、板体を長円形(長リング形)に構成し
た苗搬送台39が略水平に固設されている。
【0023】そして、図2、図5に示すように、駆動ス
プロケット41が連結プレート34上に、従動スプロケ
ット42が支持フレーム37上にそれぞれ回転自在に支
持して配置され、該駆動スプロケット41と従動スプロ
ケット42にチェーン状に連結した苗搬送ポット40連
が巻回されている。該駆動スプロケット41へは前記植
付けミッションケース5よりチェーン等の伝動機構を介
して動力が伝達される。このようにして苗供給部7が構
成される。
【0024】こうして、苗搬送台39が機体中心から偏
位した車輪(前輪12・後輪17)側へ延設されること
で、苗供給部7が畝25を跨ぐように配設されて、二条
植えの場合、四条の植付け幅を跨ぐようになり、畝25
の両側に位置する主作業者23と補助作業24の両者が
苗供給部7に対面して苗載台31より苗を取って苗搬送
ポット40に苗を供給できるようにしている。そして、
主作業者23が位置する走行部側に駆動スプロケット4
1を配置して苗供給部7を駆動するようにして、植付け
ミッションケース5からの駆動伝達経路が短く、伝達機
構をコンパクトに構成できるようにしている。また、苗
搬送ポット40連を長円形とすることで前後に左右方向
の直線部分(または円弧状の略直線部分)を構成するこ
とができて、左右方向の搬送距離を長くして苗を挿入す
るための時間を長くして苗供給を行なえる時間を長くし
て挿入抜けがないようにできて、移植するタイミングを
従来よりも速くすることで移植効率を上げられるように
している。なお、本実施例では苗搬送を長円形としてい
るが、少なくとも直線部分が苗供給部7と後述する受継
部50にあればよく、三角形状に構成することも四角形
状または多角形状に構成することも可能である。
【0025】前記苗搬送ポット40は、図6、図7に示
すように、筒体の上部を拡開した漏斗状に構成し、上方
より苗を挿入し易い形状としている。苗搬送ポット40
の下部外周には連結板43が直径方向に延設して水平方
向に固設され、該連結板43の端部同士が隣接する苗搬
送ポット40の連結板43と枢支ピン44により互いに
回動自在に枢結され、苗搬送ポット40と連結板43と
枢支ピン44によりチェーン状に連結して無端体を構成
して、チェーン等を不要として簡単な構成としている。
そして、該苗搬送ポット40の上下中途部側面に前記駆
動スプロケット41と従動スプロケット42の外周面が
当接するようにして、本実施例では平面視右回り回動し
て、補助作業者24側で反転して受継部50側へ苗を搬
送するようにしている。なお、駆動スプロケット41と
従動スプロケット42は上下複数枚(本実施例では二
枚)配置して、苗搬送ポット40の上下中途部に当接し
て安定して搬送できるようにしている。但し、チェーン
やベルト等の無端体に直接苗搬送ポット40を固定し、
チェーンまたはベルトを回動駆動する構成とすることも
可能である。
【0026】前記連結板43の一側の下部(搬送方向前
部が好ましい)にはプレート状の蓋体45の一側が支点
ピン46により枢支され、該蓋体45の他側の上面で前
記苗搬送ポット40の下面を蓋する構成としている。つ
まりシャッターとしている。そして、該蓋体45の他側
の下面の左右一側にはローラ47が回転自在に枢支さ
れ、苗搬送台39上を転動するようにしている。該ロー
ラ47は苗搬送ポット40毎に取り付けられるが、搬送
方向に対して左右交互にローラ47が配置されている。
つまり、一つの苗供給部7において、多数連結した苗搬
送ポット40・40・・・は偶数個とし、それぞれ順に
番号を付したときに、奇数に位置する苗搬送ポット40
と偶数に位置する苗搬送ポットでは搬送方向に対して交
互に左右逆側にローラ47・47・・・を配置している
のである。言い換えれば、奇数(または偶数)のローラ
47は内周側に、偶数(または奇数)のローラ47は外
周側に配置するのである。
【0027】そして、前記苗搬送台39は前記ローラ4
7が転動するレールの役目を果たしており、該苗搬送台
39の前記ローラ47が転動する経路において、受継部
50、つまり、機体上方の苗搬送台39の前部側に開口
部(または切欠)39a・39bを左右前後位置をズラ
せて並設配置して、該開口部39a・39bでローラ4
7を支えるものがなくなり支点ピン46を中心に蓋体4
5が下方に回動して、苗搬送ポット40の下方を開口
し、苗を移植部20に落下させるようにしている。
【0028】即ち、左右方向に長い長円形の苗搬送台3
9の前部右側の苗搬送ポット40の移動軌跡部に開口部
39a・39bを搬送方向に沿って開口し、該開口部3
9a・39bは苗搬送ポット40の底面積よりも大きく
して苗を落下できるようにするとともに、搬送方向に対
しては連結した苗搬送ポット40の3ピッチまたは5ピ
ッチ離れた位置に開口しており、この間隔は条幅(条間
隔)に合わせている。そして、進行方向に対して一方は
左右一側を、他方は左右他側をそれぞれローラ47が落
ち込むように位置を合わせて側方に大きく開口し、ロー
ラ47が位置しない側は苗搬送ポット40の底面よも若
干広げる程度で苗は落下する(蓋体45が下方へ回動で
きる)が、進行方向前後隣接する苗搬送ポット40に付
設されているローラ47は落ち込まないようにしてい
る。つまり、開口部39a・39bは苗搬送ポット40
の搬送方向中心線に対して、互いに左右逆側に広げて開
口している。そして、開口部39a・39b内における
進行方向終端側のローラ47が通過する位置には、徐々
に上昇して苗搬送台39のローラ47転動面につながる
スロープ(傾斜面)39c・39cがそれぞれ設けられ
て、ローラ47が引っ掛かることなく移動に伴って徐々
に蓋体45が閉じるようにしている。
【0029】このように、苗供給部7は長円状に苗搬送
ポット40・40・・・が配置されて、機体後方の主作
業者23と補助作業者24が位置する前を順に通過し
て、その通過時に苗26を苗搬送ポット40内に挿入
し、その前方の移植部20が位置する上方へ回転移動さ
せる。この移植部20上方位置において、3ピッチ離れ
たローラ47・47が同時に開口部39a・39b内に
落ち込み、蓋体45・45を下方に回動して開き、苗を
落下させて移植部20の移植爪51・51内に投入する
ようにしている。この落下させる部分を受継部50とす
る。つまり、受継部50は駆動スプロケット41が位置
する苗供給部7の駆動側に位置し、機体側に位置するこ
とによって移植部20と近づけることができて受継が良
好となる。そして、ローラ47・47はスロープ39c
・39cに当接して徐々に上昇して蓋体45・45を閉
じるのである。従って、一つの移植爪51に対して苗搬
送ポット40から一つおきに供給される。つまり、奇数
となる苗搬送ポット40は左右の開口部の左側(または
右側)、偶数となる苗搬送ポット40は右側(または左
側)の開口部で下方の蓋体45が開かれ、奇数と偶数で
左右の条(1条と2条または3条と4条)の移植爪51
・51に落下することになる。よって、同時2条の植付
けが可能となり、左右条の間隔も一定に保てるのであ
る。
【0030】次に、移植部20について図8乃至図10
より説明する。前記後フレーム2b・2bの間の機体中
央部における植付けミッションケース5の後方に移植部
20が配設され、該移植部20は、左右一側に配置され
駆動部となるロータリケース52と、左右中央部に位置
して受継部50から畝25へ搬送する左右の移植爪51
・51と、左右他側方に配置してガイド部となる昇降ガ
イド53と、これらを連結するアームやリンク等から構
成されている。ロータリケース52と昇降ガイド53は
左右機体フレーム2に固定され、この間に移植爪51・
51が配設され、該移植爪51・51は前記受継部50
の下方で側面視楕円状の軌跡で昇降するように構成され
ている。
【0031】前記ロータリケース52は一端が機体フレ
ーム2より左右水平方向に突設した支点軸54に回転自
在に支持され、該ロータリケース52の外側側面の支点
軸54外周部に伝動体となるスプロケット55が固設さ
れ、チェーン等の伝動手段を介して前記植付けミッショ
ンケース5と連動連結され、該移植部20と前記苗供給
部7が同期して駆動するように構成されている。尚、ス
プロケット55の代わりに歯車等により伝動する構成と
することもでき限定するものではない。
【0032】前記ロータリケース52内には三つの歯車
が直列的に配置してそれぞれ噛合され、ロータリケース
52他側より出力軸56を前記スプロケット55と反対
側に突出している。該出力軸56上にアーム57の一端
が固設されている。こうして、ロータリケース52が一
回転すると同時にアーム57が逆方向に一回転するよう
に前記歯車が設定されている。前記アーム57の他端に
連結軸59の一端が固設され、該連結軸59上に条幅に
合わせて移植爪支持体60・60の一側(前側)が軸受
を介して回転自在に支持されている。該移植爪支持体6
0・60の前後中途部間には連結補助軸62が連結され
て、剛性をアップしている。該移植爪支持体60は左右
のプレートより構成して、左右のプレート間の連結軸5
9上に開閉カム61を固設している。
【0033】前記移植爪支持体60の他側(後側)には
漏斗状のカップ60aを形成して、受継部50より苗が
入り易くし、該カップ60a下部に開閉可能に移植爪5
1を配置している。移植爪51の開閉機構は、前記カッ
プ60aの前部と後部に同距離はなれた位置に爪支点軸
63・63を左右水平方向に設け、該爪支点軸63に移
植爪51の上部の前後一端を枢支している。そして、移
植爪51は前後略対称に構成したくちばし状の爪部51
a・51aを合わせた状態で苗を収納支持し、開いた状
態で苗を落下させるようにしており、合わせる側の爪部
51a上部のカップ60aの左右両側に枢支軸64・6
4を設けて前後の爪部51a・51aを連結している。
そして、該枢支軸64・64とカップ60a上部との間
にバネ69・69を介装して、枢支軸64・64を持ち
上げるようにして、移植爪51を閉じるように付勢して
いる。
【0034】また、前記開閉カム61側に位置する爪部
51aの爪支点軸63上には当接アーム65の一端が枢
支され、該当接アーム65の他端にローラ66を設けて
前記開閉カム61の外周に当接するように構成してい
る。該当接アーム65と爪部51a上部との間には爪開
閉量調節機構67が設けられており、該爪開閉量調節機
構67は両者間にボルト68を螺装して、該ボルト68
を回動することにより両者の間隔を調節して、爪部51
aの回動量を調節できるようにしている。
【0035】つまり、前記バネ69により爪部51aは
閉じるように付勢され、支点軸63に対して反対側に位
置する当接アーム65の先端は開閉カム61に当接され
て回動が規制されている。即ち、開閉カム61の外周形
状によって爪部51aが回動して移植爪51が開閉され
ることになるのである。このように構成することによっ
て、常に移植爪51は閉じ方向に付勢され、開閉カム6
1により強制的に開くように制御されるため、開き位置
でロックするような構成では、十分な開きが得られない
とロックできずに苗を落とすことができない場合があっ
たが、本実施例のように構成することで確実に開いて苗
を落下させることができるのである。
【0036】そして、前記ロータリケース52と左右反
対側に位置する移植爪支持体60の前部が上方に延出さ
れて延出部60bが形成され、該延出部60bより支持
軸70が昇降ガイド53側の側方に突出され、該支持軸
70の端部にローラ71を設けて上下方向に配置した昇
降ガイド53に嵌入して、移植爪51の昇降をガイドす
るようにしている。
【0037】このような構成において、移植爪51が上
昇端に位置して爪部51a・51aは閉じて、受継部5
0において、苗供給部7より苗が投入されると、植付け
ミッションケース5からの動力によりロータリケース5
2が回動され、アーム57も同時に回動されて、左右の
一対の移植爪51・51は同時に、昇降ガイド53に沿
って下降し、植付け爪51は略楕円軌跡を描いて下降す
る。そして、下端位置まで下降すると、開閉カム61の
回動により、該開閉カム61に当接した当接アーム65
が回動されて(開閉カム61の小径部に当接する)、爪
支点軸63・63を中心に爪部51aが回動されて、移
植爪51・51が開かれ、畝25中の下端位置で苗が落
下放出されるのである。更に回動すると、移植爪51・
51が上昇されて、上昇位置で開閉カム61の回転によ
り左右一対の移植爪51・51が同時に閉じられるので
ある。
【0038】次に覆土輪22の支持構成について図1
2、図13より説明する。前記左右の後フレーム2b・
2bの前後中途部下面から下方にステー72・72が突
設され、該ステー72・72に覆土輪フレーム73の前
端が支点軸80により枢支されて枢支部としている。該
枢支部近傍に後述するロック部89が設けられている。
該覆土輪フレーム73は平面視U字状に構成し、後端部
より後方にハンドル74を突出し、左右中央部より上方
に支持ステー75を突設し、下方に取付フレーム76を
垂設している。
【0039】前記取付ステー76下端に前後方向に枢支
軸90を突設し、該枢支軸90上に覆土輪支持フレーム
91の下部を枢支している。該覆土輪支持フレーム91
は後面視において、横「E」型に構成して、中央のフレ
ーム下部に前記枢支軸90を枢支し、左右両側のフレー
ムと中央のフレームの下部の間に覆土輪22・22・2
2・22を左右一対ずつ回転自在に配置している。この
一対の覆土輪22・22は前記移植爪51・51の進行
方向の線を跨ぐ構成としている。こうして、左右中央下
部に枢支軸90を配置して左右の覆土輪22・22・・
・を左右傾倒自在に支持して、畝25上面の傾斜に追随
して覆土精度を高め、移植後の苗26の根部の両側を押
さえる構成としている。
【0040】前記支持ステー75の上部に左右方向に枢
支軸77を設け、該枢支軸77に延設部材となるガイド
杆78の一側が摺動自在に挿入され、該枢支軸77の両
側のガイド杆78上には付勢部材となるバネ79a・7
9bが外嵌されている。該ガイド杆78の他端は前記ハ
ンドルフレーム6(中フレーム6M)の後部に支点軸8
1により回転自在に支持されている。このように構成す
ることによって、前記覆土輪22は前記バネ79bの付
勢力により下方へ押圧するように付勢されている。そし
て、作業終了時や回行するときに、ハンドル74を持っ
て覆土輪22を上昇させると、枢支軸77が支点軸80
・81を結ぶ線上よりも上方に位置すると死点越えとな
って、覆土輪22を上昇した位置に維持することができ
るのである。
【0041】次に、覆土輪22を上昇させた位置にロッ
クするためのロック部89の構成について説明する。前
記枢支部近傍にはロック部89が設けられている。該ロ
ック部89は前記覆土輪フレーム73の回動基部側に枢
支軸93によりロックアーム94の一端を枢支し、該ロ
ックアーム94の他側には長手方向と上方(支点軸80
に対して半径方向)に延びるL字状の長孔94aが形成
され、一方、機体フレーム2(後フレーム2b)の前記
ステー72よりも上方位置に係止ピン95を突出して、
該係止ピン95を前記長孔94aに挿入している。
【0042】更に、前記ロックアーム94の他端(上
端)にワイヤー96とバネ97の一端が連結され、該バ
ネ97の他端は前方の後フレーム2bに連結されてロッ
クアーム94を前方へ回動するように付勢し、ワイヤー
96の他端は前記昇降レバー32の回動基部設けたアー
ム99と連結している。該昇降レバー32には更に図示
しないワイヤー等を介してエンジン3近傍に設けた油圧
操作レバーと連結され、該昇降レバー32の操作により
前記油圧シリンダ19を作動させて機体を昇降可能とし
ている。
【0043】このような構成において、前記ハンドル7
4を持ち上げて覆土輪22を上昇させると、ロックアー
ム94も持ち上げられて、係止ピン95が長孔94aに
沿って下降し、覆土輪22が上昇位置で前述の如く死点
越えによって上昇位置で維持される位置に至ると、係止
ピン95が長孔94aの垂直部94bに入り、ロックア
ーム94はバネ97の引っ張り力により下方へ回動付勢
され、係止ピン95が長孔94aの垂直部94bに維持
され、覆土輪22が自重等により下方へ回動しようとし
ても、垂直部94bに係止ピン95が係合されて回動で
きず、覆土輪22は上昇位置にロックされることにな
る。そして、作業開始時や回行後の作業再開時に、昇降
レバー32を機体が下降するように、前方へ回動操作す
ると、ワイヤー96が引っ張られてロックアーム94を
後方へ回動し、この回動によって長孔94aの内面が係
止ピン95を下方に押して覆土輪フレーム73を下方へ
押し、死点越え部分を通過させて覆土輪22を下げるの
である。つまり、昇降レバー32の下降操作に連動して
覆土輪22を下降することができるのである。このよう
にして昇降レバー32の下降操作で覆土輪22も同時に
下降させて操作性を向上しているのである。なお、本実
施例においては、2条植えとしているが、移植爪及びそ
の駆動機構を更に一対左右方向に付加して4条植えとす
ることも可能である。また、本実施例では走行部が進行
方向右側に偏心しているが、左側に偏心した構成とする
ことも可能である。
【0044】次に、本発明の第二実施例の野菜移植機1
01について、図14から図31を用いて説明する。図
14は本発明の第二実施例である歩行型野菜移植機10
1の全体的な構成を示した側面図、図15は同じく平面
図、図16は機体フレームとミッションケース部分の側
面図、図17は機体フレーム部分の平面図、図18は苗
供給部の平面図、図19は受継部の後面断面図、図20
は同じく平面図、図21は移植部の後面図、図22は同
じく側面図、図23は同じく平面図、図24は昇降ガイ
ド153およびロータリケース152の支持構造を示す
側面図、図25は灌水ポンプ187を示す側面図、図2
6は移植爪151のスクレパー機構を示す平面図、図2
7は同じく後面図、図28は覆土輪支持部の側面図、図
29は同じく平面図、図30は同じく後面図、図31は
同じく後面図である。
【0045】第二実施例の野菜移植機101と第一実施
例の野菜移植機1とは、基本構成は同一のものである。
両移植機1・101において、異なる構成の部位には、
明細書の記載中にその旨を記す。また、両移植機1・1
01において、特徴的である共通部分も、その旨を明細
書の記載中に記す。
【0046】まず、野菜移植機101の全体構成から説
明する。図14、図15において、野菜移植機101
は、機体フレーム102の前部上にエンジン103を載
置し、前後中央部上にミッションケース104を配置
し、機体フレーム102後部上から後方にハンドル部材
となるハンドルフレーム106を水平方向に連設して、
該ハンドルフレーム106の中途部上に苗供給部107
を配置し、ハンドルフレーム106後部を運転操作部1
09としている。
【0047】前記機体フレーム102の前部には前輪支
持軸110を横架し、該前輪支持軸110の両側に前輪
支持フレーム111・111の一端を取り付け、該前輪
支持フレーム111・111の他端に前輪112・11
2を支持している。また、機体の最前部には、左右一対
の畦ローラ218・218を設けている(図14に図
示)。また、ミッションケース104より後輪駆動軸1
15を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸115の両
側に駆動ケース116・116を連設して、該駆動ケー
ス116・116の後部に後輪117・117を支持し
ている。そして、前輪支持フレーム111と駆動ケース
116はリンク機構を介して連結されるとともに、機体
フレーム102下部に設けた油圧シリンダとリンク機構
を介して駆動ケース116が連結され、該油圧シリンダ
を伸縮させることにより前輪支持フレーム111と駆動
ケース116が前輪支持軸110及び後輪駆動軸115
を中心に回動されて、機体を昇降可能としている。
【0048】そして、ミッションケース104の後部で
あって後述する後フレーム102b・102bの間の苗
供給部107の下方に移植部120が配置され、後フレ
ーム102b・102bで保護できるとともに、該移植
部120は移植爪151を昇降して、最上位置で苗供給
部107より苗126を受け取り、下端位置で移植爪1
51を開いて畝125中に苗を落下させて、その後方に
配置した覆土輪122により苗の根部に土を寄せて覆土
して移植する構成としている。
【0049】野菜移植機101は、機体フレーム102
上(ハンドルフレーム106上)に設けた苗供給部10
7より苗を移植爪151内に投入して、該移植爪151
を畝中へ移動して移植を行う移植機である。苗供給部1
07には、後述するように、長円状に連結した苗搬送体
を連続的に回転駆動する構成を設けている。該苗搬送体
は苗搬送ポット148とポット取付基部148より構成
される。また、受継部150において、苗が苗搬送体よ
り移植爪151へ投入される。
【0050】次に各部の構成について説明する。まず、
走行部及び植付け部を支えるシャーシから説明する。図
16、図17に示すように、シャーシは機体フレーム1
02と、該機体フレーム102に連設するミッションケ
ース104と、該ミッションケース104と機体フレー
ム102とに支持されるハンドルフレーム106から構
成され、それぞれを連結固定することにより補強部材を
必要とせず補強し合い剛性を高める構成としている。
【0051】両実施例間での相違点の一について説明す
る。第二実施例における機体フレーム102の構成は、
第一実施例における機体フレーム2の構成とは、異なる
ものとなっている。前記機体フレーム2が溶接等による
固定式であるのに対し、機体フレーム102は各フレー
ム部材の合体構成であり、シャーシをミッションケース
104の前後で分割可能である。
【0052】機体フレーム102は、側面視略逆「へ」
字状に構成される。機体フレーム102は、前パイプフ
レーム102fと後パイプフレーム102dとを備え、
両パイプフレーム102f・102d間は、左右に配置
する連結フレーム102h・102hにより連結され
る。前パイプフレーム102fは前記前輪支持軸110
を内部で軸支し、後パイプフレーム102dは前記後輪
駆動軸115を内部で軸支する。両パイプフレーム10
2f・102d間で、前記連結フレーム102h・10
2hの内側に、支持フレーム102aが橋架される。支
持フレーム102aはプレート状に構成して、その前部
上にエンジン103を載置固定し、後部上にステー10
2cを介してミッションケース104を載置固定してい
る。連結フレーム102h・102h間は、橋架フレー
ム102jにより橋架される。橋架フレーム102jと
前パイプフレーム102fとの間は、支持フレーム2a
の左右に配置される橋架フレーム102k・102kに
より橋架される。また、後パイプフレーム102dの後
端には、左右方向に延出する後部支持フレーム102n
が連結されており、該後部支持フレーム102nの左右
両端に、後方へ延出する後フレーム102b・102b
が連結されている。各後フレーム102bの前後中途部
上には、ハンドルフレーム106(後述)と連結される
中柱102eが立設される。また、後部支持フレーム1
02nの左右中央には後方へ延出する後中央フレーム1
02mが連結されており、該後中央フレーム102mの
後部上に、ハンドルフレーム106(後述)と連結され
る中柱102gが立設される。以上の各フレーム部材に
より、分割式の機体フレーム102が構成される。特
に、ミッションケース104の前後で、シャーシの全体
を前シャーシと後シャーシの二分割することが可能であ
る。なお、各フレーム部材の連結はボルト締結固定によ
り行われ、各フレーム部材への分割や、各フレーム部材
を合体させての機体フレーム102の形成が容易であ
る。
【0053】そして、前フレーム102aの前後方向の
左右中心線を走行部(機体)の中心線として、左右一側
(本実施例では進行方向左側)に偏位して後輪駆動軸1
15が側方に延設されて、野菜移植機101が畝125
を跨いで走行するときに、走行部が左右一側に偏位して
走行し、後述するように往路と復路で左右一側二列ずつ
(往路で一条目と二条目を、復路で三条目と四条目を)
移植できるようにしている。なお、左右の前輪112・
112と後輪117・117は畝125の形状や幅等に
合わせて左右位置(車幅)を調整できるようにしてい
る。
【0054】また、図15、図16に示すように、前記
後フレーム102bの後部上にハンドルフレーム106
の前部が連結され、該ハンドルフレーム106の前部を
ミッションケース104上部と連結し、前後中途部上に
苗供給部107と左右の苗載台131・131を支持
し、後部に昇降レバー132や主クラッチレバー133
や作業レバーやアクセルレバーやサイドクラッチレバー
や高さ調節レバー等の操作レバーを配置している。
【0055】前記ハンドルフレーム106は、図15に
示すように、平面視「E」状に右フレーム106Rと中
フレーム106Mと左フレーム106Lから構成し、右
フレーム106Rと中フレーム106Mの前部間にミッ
ションケース104を支持固定し、前後中途部間に連結
プレート134を架設して、各連結プレート134の下
面に前記後フレーム102b・102b後端上部が固設
される。このようにして三者が互いに連結固定されて剛
性をアップしている。該連結プレート134下部には苗
供給部107の駆動ケースが付設される。
【0056】右フレーム106Rおよび左フレーム10
6Lの前部下面には、前記中柱102e・102e上端
が連結固定される。また、中フレームMの前部下面に
は、前記中柱102g上端が連結される。このようにし
て、ハンドルフレーム106と機体フレーム102とを
連結固定することで剛性をアップしている。また、右フ
レーム106Rの前後中途部より苗載台フレーム135
が外側方に突設されて苗載台131を取り付け、左フレ
ーム106Lより苗載台フレーム136を外側方に突設
して苗載台131を取り付けている。
【0057】本実施例では、機体右側のハンドルフレー
ム106側部の後輪117後方に主作業者123(図1
5に図示)が位置し、機体左側のハンドルフレーム10
6側部の後輪117後方に補助作業者124(図15に
図示)が位置し、或いは、一人作業の場合は機体右側の
み位置し、主作業者123は前記操作レバーを操作する
とともに、苗載台131から苗126を取り、苗供給部
107の各苗搬送ポット148に一つずつ(あるいは所
定本数ずつ)苗を挿入していく。補助作業者124は主
作業者123が苗搬送ポット148に挿入できなかった
苗搬送ポット148に苗を挿入して補完する。
【0058】両実施例間での相違点の二について説明す
る。第一実施例では、走行駆動用の変速機構(走行ミッ
ションケース4)と、移植部120等を駆動する作業駆
動用の変速機構(植付けミッションケース5)とが別設
されているのに対し、第二実施例では、一体型(兼用
型)のミッションケース104が備えられている。
【0059】ミッションケース104は、前述のように
支持フレーム102aの後部上に固設され、後フレーム
102b・102b上部にハンドルフレーム106を介
してミッションケース104の上部を固設している。こ
うして、側面視において、機体フレーム102が逆
「へ」字状に折れ曲がり状に構成されている中央の凹部
上方を、一体型のミッションケース104により連結固
定することによって、側面視で三角形を構成することが
できて剛性を高めているのである。
【0060】両実施例間での相違点の三について説明す
る。第一実施例においては、野菜移植機1に設ける前輪
12・12および後輪17・17は、平面視平行に設け
られているが、第二実施例では、前輪112・112が
トーイン式に設けられている。左右一対の前輪112・
112は、図15(平面視)に示すように、トーイン式
に設けられ、平面視「ハ」字状に配置している。このた
め、野菜移植機101の走行直進性が向上している。
【0061】次に苗供給部107について図15、図1
8、図19、図20より説明する。図15に示すよう
に、ハンドルフレーム106上に苗供給部107が配置
されている。つまり、前記左フレーム106Lの中途部
より補助作業者124側(機体中心と反対側)へ平面視
「コ」字状の支持フレーム137が水平側方へ突設さ
れ、該支持フレーム137とハンドルフレーム106の
前後中途部上に、板体を長円形(長リング形)に構成し
た苗搬送台139が略水平に固設されている。
【0062】そして、図18に示すように、駆動スプロ
ケット141が左フレーム106Lと中フレーム106
Mと右フレーム106Rを連結する連結プレート134
上に、従動スプロケット142が左フレーム106Lよ
り側方へ突設した支持フレーム137上にそれぞれ回転
自在に支持して配置され、該駆動スプロケット141と
従動スプロケット142に無端状に連結したポット取付
基部140連が巻回されている。ポット取付基部140
にはそれぞれ、一の苗が挿入される苗搬送ポット148
が保持される。該駆動スプロケット141へは前記ミッ
ションケース104よりチェーン等の伝動機構を介して
動力が伝達される。このようにして苗供給部107が構
成される。
【0063】以上において、ポット取付基部140は、
それぞれを連結して長円状を形成する連結体である。ま
た、連結体であるポット取付基部140と、苗搬送ポッ
ト148とは、苗搬送手段としての苗搬送体を構成す
る。後述するが、苗搬送ポット148は、ポット取付基
部140(連結体)に対して着脱自在である。
【0064】両実施例間での相違点の四について説明す
る。苗搬送体を駆動する手段としての駆動スプロケット
141と、該駆動スプロケット141に従動する従動ス
プロケット142とは、第二実施例においては、特に、
アルミニウム製としている。第一実施例においては、駆
動スプロケット41および従動スプロケット42の素材
は限定していない。
【0065】前記駆動スプロケット141および従動ス
プロケット142は、金属、特に、アルミニウムで成型
される。また、両スプロケット141・142には、自
らの回転中心回りに、それぞれ中抜き部分141a・1
42aが放射状に多数形成されている。そして、両スプ
ロケット141・142は、中抜き部分141a・14
2aの形成により軽量化が図られると共に、金属製(ア
ルミ製)とすることで剛性が保たれている。また、両ス
プロケット141・142は、アルミ製であるので、成
型が容易である。
【0066】両実施例間での特徴的な共通点の一につい
て記す。苗搬送体の駆動手段としてのスプロケット14
1・142(第二実施例)と、スプロケット41・42
(第一実施例)とは、どちらにおいても、苗搬送体が当
接する当接部が五つ以上形成されている。該当接部は、
スプロケットの歯間に形成されるものである。つまり言
い換えると、両実施例の駆動および従動スプロケットに
おいて、それぞれスプロケットの歯が五つ以上形成され
ている。
【0067】両スプロケット141・142の外周に
は、該スプロケット141・142の有する歯と歯との
間に、それぞれ、ポット取付基部140(連結体)の嵌
合環158との当接部141c・142cが形成されて
いる。該当接部141c・142cは嵌合環158と係
合するように、円弧状に形成される。両スプロケット1
41・142がそれぞれ有する当接部141c・142
cの形成数は、本実施例では、16となっている。この
ため、長円状となるポット取付基部140連の円弧状と
なる一端部には、両スプロケット141・142の回動
位置によらず、8から9のポット取付基部140が位置
することとなる。
【0068】そして、主作業者123は、右側の後輪1
17の後方を歩行して、長円状となるポット取付基部1
40連の右端部より苗126をポット取付基部140へ
供給する。また、補助作業者124は、左側の後輪11
7の後方に歩行して、長円状となるポット取付基部14
0連の右左端部より苗126をポット取付基部140へ
供給する。
【0069】ポット取付基部140連の円弧状となる端
部は、作業者123・124による苗供給位置である。
両側の苗供給位置はそれぞれ、左右に位置する前記苗載
台131・131の近傍に位置する。このため、作業者
123・124はそれぞれ、片手の往復運動により、苗
載台131から苗供給位置の苗搬送ポット148に苗供
給が可能である。以上において、常時位置するポット取
付基部140の数が多ければ多いほど、作業者123・
124は、苗搬送ポット148への苗の供給を確実に行
うことができると共に、一方の作業者のみにより確実な
苗供給を行うことも可能となる。つまり、2条植えにお
ける苗供給を、一人の作業者により行うことが可能であ
る。前記スプロケット141・142にそれぞれ、嵌合
環158に対する当接部141c・142cを五つ以上
形成することで、当接部が四つである十文字形の駆動輪
(スプロケット)を用いる場合と比べて、円弧状部を移
動する苗搬送ポット148の数が多いので、同じ搬送速
度であれば苗を挿入する機会が増加して苗供給を確実に
行うことが可能である。
【0070】また、苗搬送台139が機体中心から偏位
した車輪(前輪112・後輪117)側へ延設されるこ
とで、苗供給部107が畝125を跨ぐように配設され
て、二条植えの場合、四条の植付け幅を跨ぐようにな
り、畝125の両側に位置する主作業者123と補助作
業者124の両者が苗供給部107に対面して苗載台1
31より苗を取って苗搬送ポット148に苗を供給でき
るようにしている。そして、主作業者123が位置する
走行部側に駆動スプロケット141を配置して苗供給部
107を駆動するようにして、ミッションケース104
からの駆動伝達経路が短く、伝達機構をコンパクトに構
成できるようにしている。また、ポット取付基部140
連を長円形とすることで前後に左右方向の直線部分(ま
たは円弧状の略直線部分)を構成することができて、左
右方向の搬送距離を長くして苗を挿入するための時間を
長くして苗供給を行なえる時間を長くして挿入抜けがな
いようにできて、移植するタイミングを従来よりも速く
することで移植効率を上げられるようにしている。な
お、本実施例では苗搬送を長円形としているが、少なく
とも直線部分が苗供給部107と後述する受継部150
にあればよく、三角形状に構成することも四角形状また
は多角形状に構成することも可能である。
【0071】両実施例間での相違点の五について説明す
る。第一実施例において一体である苗搬送体(苗搬送ポ
ット40)は、第二実施例では、機能毎に二つの部材に
分割される構成としている。第二実施例では苗搬送体
を、互いに連結されて無端体を構成する連結体(ポット
取付基部140)と、苗を挿入するポット(苗搬送ポッ
ト148)とで、構成している。
【0072】前記ポット取付基部140(連結体)につ
いて、図19、図20を用いて説明する。ポット取付基
部140は、苗搬送ポット148を着脱自在とする嵌合
環158と、該嵌合環158の両側に形成される第一連
結部143aと第二延出部143b・143bとを備え
る。嵌合環158は、上下を開口した筒体である。ま
た、連結体であるポット取付基部140は、次のように
して無端状に連結される。水平面内で延出する第一連結
部143aと、第二連結部143b・143bとは、嵌
合環158の外周面に突設されている。また、第二連結
部143b・143bは、それぞれ第一延出部143a
の上下に位置する位置関係となる。隣接するポット取付
基部140・140間において、一方のポット取付基部
140の第一連結部143aと、他方のポット取付基部
140の第二連結部143b・143bとは、平面視重
複する。そして、第一連結部143aおよび第二連結部
143b・143bが、上方より枢支ピン144を挿入
して互いに左右回動自在に枢結されて、ポット取付基部
140・140間が連結される。以上のようにポット取
付基部140を構成して、ポット取付基部140・14
0・・・を無端状に左右揺動自在に連結して無端体を構
成し、チェーン等を不要として簡単な構成としている。
【0073】そして、該ポット取付基部140の上下中
途部側面に前記駆動スプロケット141と従動スプロケ
ット142の外周面とが当接するようにして、本実施例
では平面視右回り回動して、補助作業者124側で反転
して受継部150側へ苗を搬送するようにしている。な
お、駆動スプロケット141と従動スプロケット142
は外周面に多数形成した凹部をポット取付基部140の
上下中途部に当接して安定して搬送できるようにしてい
る。但し、チェーンやベルト等の無端体に直接ポット取
付基部140を固定し、チェーンまたはベルトを回動駆
動する構成とすることも可能である。
【0074】両実施例間での相違点の六について説明す
る。第二実施例では、前述したように、苗搬送体を苗搬
送ポット148とポット取付基部140との二分割構成
として着脱可能に構成するので、ポット取付基部140
からの苗搬送ポット148の抜け防止構成が設けられて
いる。
【0075】前記苗搬送ポット148は、図19、図2
0に示すように、筒体の上部を拡開した形状に構成し、
上方より苗を挿入し易い形状としている。一方、ポット
取付基部140の嵌合環158は内部に、苗搬送ポット
148を挿入可能に形成されており、苗搬送ポット14
8の外周面が嵌合環158の内周面に略当接した状態で
保持される。この状態の嵌合環158に対する苗搬送ポ
ット148の位置を、苗搬送ポット148の保持位置と
する。以上構成により、苗搬送ポット148はポット取
付基部140に対し着脱式に構成される。苗を挿入する
苗搬送ポット148と、ポット取付基部140とが別体
であるので、苗搬送ポット148の破損時等には苗搬送
ポット148のみを交換するだけでよく、メンテナンス
性が向上する。また、一条植えや半端な条ができた場合
には、一つおきに、つまり、ポット連の奇数または偶数
番目の苗搬送ポット148を取り外すことで、間違いな
く容易に一条植えができる。また、奇数または偶数番目
の苗搬送ポット148の色を他と異なるように構成する
ことで、条毎に別の種類の苗を間違いなく挿入して植え
つけることができる。また、苗搬送ポット148は合成
樹脂製であり、下部のポット取付基部140への挿入部
がスリガラス状に形成され、上部が透明体である。一
方、ポット取付基部140はアルミ製である。このた
め、苗搬送ポット148をポット取付基部140に対し
着脱式としながら、走行時の振動等により、苗搬送ポッ
ト148とポット取付基部140との間で擦れ合って、
相互が摩耗したり、異音を発生するなどの不具合が生じ
ない。また、透明であるので、短い苗を挿入した場合で
も、挿入ミスがないことも容易に判断できるのである。
【0076】また、ポット取付基部140と苗搬送ポッ
ト148とには、苗搬送ポット148の抜け防止構成が
設けられており、互いが嵌合可能に構成されている。図
19に示すように、苗搬送ポット148の外周面上に突
起148aが設けられると共に、嵌合環158の内周面
には、前記保持位置での突起148aに対応する位置
に、嵌合孔158aが形成されている。前記保持位置で
は、嵌合孔158aに突起148aが嵌合し、ポット取
付基部140と苗搬送ポット148との嵌合位置となっ
ている。該両部材の嵌合により、ポット取付基部140
からの苗搬送ポット148の抜けが防止される。特に、
苗搬送ポット148は前述したように合成樹脂製なの
で、苗搬送ポット148を撓ませて、嵌合孔158aと
突起148aとの係合・離脱を図ることができ、係合・
離脱が容易である。
【0077】このため、走行時の振動あるいは機体を運
搬車での積載移動時などの風圧等により、苗搬送ポット
148がポット取付基部140から脱落することがな
い。なお、本実施例(第二実施例)では、苗搬送ポット
148の外周面に凸部として突起148aを形成し、嵌
合環158の内周面に凹部として嵌合孔158aを形成
して、苗搬送ポット148の抜け防止を構成している。
本発明は、この構成に限定されるものではなく、嵌合環
158の内周面と、苗搬送ポット148の外周面とに、
それぞれ凹部または凸部が形成される構成であれば良
い。例えば、凹部としては、貫通孔である嵌合孔158
aに代えて、窪みを形成するものとしても良い。また、
嵌合環158に凸部を形成し、苗搬送ポット148に凹
部を形成する構成としても良い。また、ネジ式のように
回転させて嵌合固定することも可能である。
【0078】両実施例間での相違点の七について説明す
る。第一実施例では、前記シャッター45に設けるロー
ラ47を金属製としているが、第二実施例では、シャッ
ター145に設けるローラ147は樹脂製とし、シャッ
ター145の板厚を厚くしている。
【0079】ポット取付基部140・140間の連結箇
所(第一連結部143aおよび第二連結部143b・1
43b)の下方には、図19、図20に示すように、シ
ャッター145の回動支点、つまり、シャッター145
の支持部が設けられている。シャッター145は、板状
部材の折曲加工により形成された部材であり、平面部1
45aと、平面部145aの一側に形成される回動支持
部145bと、他側に形成されるローラ取付部145c
とが備えられる。回動支持部145bは、シャッター1
45の搬送方向前側で、前記板状部材が断面視U字状に
折曲されて形成された部位である。該回動支持部145
bに挿入される支点ピン146を、ポット取付基部14
0の外周面下部に突設されるシャッター支持部143c
に水平方向に固定して、シャッター145がポット取付
基部140に対して上下回動自在に係止される。そし
て、平面部145aで前記苗搬送ポット148の下面を
蓋する構成としている。また、シャッター145の枢支
位置(支点ピン146および回動支持部145b)は、
後述するシャッター145の開閉構成のため、シャッタ
ー145において搬送方向の前側に設けられている。ロ
ーラ支持部145cは、シャッター145の搬送方向後
側の左右一側で、前記板状部材を平面部145aに対し
て垂直下方に板面が進行方向と平行となるように折曲し
た部位である。ローラ支持部145cにはローラ147
が配置され、該ローラ147は進行方向に対して直角水
平方向に支持ピン149を支持して、シャッター145
に対し回転自在に枢支される。
【0080】シャッター145は金属製であり、ローラ
支持部145cと平面部145aとはそれぞれ、金属製
の一体成型部材(シャッター145)の一部として形成
されている。苗搬送ポット148の搬送方向より見て、
シャッタ145は「L」字形状である。前記ローラ支持
部145cは一端をL字状に折り曲げるだけの構成なの
で簡単に製作することができる。このため、ローラ14
7の取付部材と、苗搬送ポット148の下面を蓋する部
材とを別体で構成して、両部材を溶接等の連結方法によ
り連結する場合と比べ、シャッター145の剛性を保つ
ことができる。そして、シャッター145(ローラ支持
部145c)の板厚を厚く形成して、錘を付設すること
なくシャッター145がスムースに回動できるようにし
ている。前記第一実施例ではシャッター45を薄く構成
して、ローラ47を金属製として重くして錘の役割を果
たしている。
【0081】シャッター145に設けるローラ147
は、苗搬送台139上を転動するようにしている。該ロ
ーラ147はポット取付基部140毎に取り付けられる
が、搬送方向に対して左右交互にローラ147が配置さ
れている。つまり、一つの苗供給部107において、多
数連結したポット取付基部140・140・・・は偶数
個とし、それぞれ順に番号を付したときに、奇数に位置
するポット取付基部140と偶数に位置するポット取付
基部140では搬送方向に対して交互に左右逆側にロー
ラ147・147・・・を配置しているのである。言い
換えれば、奇数(または偶数)のローラ147は内周側
に、偶数(または奇数)のローラ147は外周側に配置
するのである。
【0082】また、ローラ147は合成樹脂で形成され
て、自己潤滑性を有する合成樹脂とすることにより簡単
な構成でスムースな回転が得られるようにしている。そ
して、ローラ147が金属製(アルミ製)の苗搬送台3
9上を転動する際に、相互が摩耗したり、異音が発生す
るのを、防止している。
【0083】そして、前記苗搬送台139は前記ローラ
147が転動するレールの役目を果たしている。転動さ
せることでシャッターが摺接する構成に比べて摩擦が小
さく摩耗も殆どなく、動力負荷が小さく、騒音も小さく
なる。そして、該苗搬送台139の前記ローラ147が
転動する経路において、機体上方の苗搬送台139の前
部側に開口部(または切欠)139a・139bを左右
前後位置をズラせて並設配置している。該開口部139
a・139bでローラ147を支えるものがなくなり支
点ピン46を中心にシャッター145が下方に回動する
と、ポット取付基部140の下方が開口されて、苗が移
植部120に落下するようにしている。つまり、前記受
継部150とは、苗搬送台139から移植部120へ苗
を受け渡す部位のことである。
【0084】即ち、左右方向に長い長円形の苗搬送台1
39の前部右側のポット取付基部140の移動軌跡部に
開口部139a・139bを搬送方向に沿って開口し、
該開口部139a・139bはポット取付基部140の
底面積よりも大きくして苗を落下できるようにするとと
もに、搬送方向に対しては連結したポット取付基部14
0の3ピッチまたは5ピッチ離れた位置に開口してお
り、この間隔は条幅(条間隔)に合わせている。そし
て、進行方向に対して一方は左右一側を、他方は左右他
側をそれぞれローラ147が落ち込むように位置を合わ
せて側方に大きく開口し、ローラ147が位置しない側
はポット取付基部140の底面よも若干広げる程度で苗
は落下する(シャッター145が下方へ回動できる)
が、進行方向前後隣接するポット取付基部140に付設
されているローラ147は落ち込まないようにしてい
る。つまり、開口部139a・139bはポット取付基
部140の搬送方向中心線に対して、互いに左右逆側に
広げて開口している。
【0085】そして、開口部139a・139b内にお
ける進行方向終端側のローラ147が通過する位置に
は、徐々に上昇して苗搬送台139のローラ147転動
面につながるスロープ(傾斜面)139c・139cが
それぞれ設けられている。スロープ139c・139c
の傾斜方向は、搬送方向に対し前高後低であり、ローラ
147が引っ掛かることなく移動に伴って徐々にシャッ
ター145が閉じるようにしている。シャッター145
の開閉は、ローラ147の下方に、該ローラ147の当
接する苗搬送台139の有無により行われる。特に、シ
ャッター145において、開放から閉鎖に至る際には、
スロープ139cにローラ147が案内されることで行
われる。シャッター145の開閉構成が以上のようなも
のであるので、前述したように、シャッター145の枢
支位置を搬送方向の前側とすることで、シャッター14
5がスロープ139cとの当接時に、必ず閉鎖方向に回
転するようにしている。シャッター145の枢支位置を
搬送方向の後側に設ける場合は、シャッター145の開
放角度やスロープ139cの傾斜角度の大きさによって
は、シャッター145のスロープ139cへの当接時
に、さらに開放方向へ回動したり、シャッター145が
スロープ139cに抵抗したりする可能性がある。
【0086】このように、苗供給部107は長円状にポ
ット取付基部140・140・・・が配置されて、機体
後方の主作業者123と補助作業者124が位置する前
を順に通過して、その通過時に苗126を苗搬送ポット
148内に挿入し、その前方の移植部120が位置する
上方へ回転移動させる。この移植部120上方位置にお
いて、3ピッチ離れたローラ147・147が同時に開
口部139a・139b内に落ち込み、シャッター14
5・145を下方に回動して開き、苗を落下させて移植
部120の移植爪151・151内に投入するようにし
ている。この落下させる部分を受継部150とする。つ
まり、受継部150は駆動スプロケット141が位置す
る苗供給部107の駆動側に位置し、機体側に位置する
ことによって移植部120と近づけることができて受継
が良好となる。そして、ローラ147・147はスロー
プ139c・139cに当接して徐々に上昇してシャッ
ター145・145を閉じるのである。従って、一つの
移植爪151に対してポット取付基部140から一つお
きに供給される。つまり、奇数となるポット取付基部1
40は左右の開口部の左側(または右側)、偶数となる
ポット取付基部140は右側(または左側)の開口部で
下方のシャッター145が開かれ、奇数と偶数で左右の
条(1条と2条または3条と4条)の移植爪151・1
51に落下することになる。よって、同時2条の植付け
が可能となり、左右条の間隔も一定に保てるのである。
【0087】前記駆動スプロケット141および従動ス
プロケット142には、前述したように、連結体である
ポット取付基部140連が巻回されている。支持フレー
ム137上に回転自在に支持される両スプロケット14
1・142は、機体フレーム102の左右両側に配置さ
れている。そして、ポット取付基部140の嵌合環15
8が、両スプロケット141・142と当接するように
配置される。スプロケット141・142の外周に形成
される歯は、嵌合環158・158間に嵌まり込むと共
に、前記歯間の外周は、嵌合環158の外周面と滑らか
に接するように、円弧状の凹部に形成されている。そし
て、両スプロケット141・142と当接して係合する
ポット取付基部140連は、駆動スプロケット141の
駆動により駆動される。
【0088】両実施例間での特徴的な共通点の二につい
て記す。苗搬送体の駆動手段としての駆動スプロケット
141(第二実施例)と、駆動スプロケット41(第一
実施例)とには、自らに巻回する苗搬送体連との係合位
置を調整するための、位置調整部が形成されている。
【0089】駆動スプロケット141の中心部には、自
らに巻回するポット取付基部140連との係合位置を調
整するための、位置調整部が形成されている。図18に
示すように、駆動スプロケット141と同心に駆動軸1
82が設けられている。駆動軸182には支持板183
が固設されており、該支持板183には、後述のボルト
184を締結可能とする一対のボルト孔(不図示)が形
成されている。また、駆動スプロケット141には、駆
動軸182を挟んで対抗する一対の調整用長孔141b
・141bが形成されている。該一対の調整用長孔14
1b・141bにより、前記位置調整部が構成される。
そして、支持板183に調整用長孔141b・141b
を挿通するボルト184・184を締結することで、駆
動スプロケット141が駆動軸182に固定される。ま
た、調整用長孔141bの形成長さの範囲内で、駆動軸
182(支持板183)に対する駆動スプロケット14
1の固定位置を調整可能である。調整用長孔141b・
141bは、駆動軸182と同心となる円弧に沿って形
成されており、ボルト184による締結を緩めた状態
で、支持板183に対し駆動スプロケット141を回転
移動可能である。
【0090】このため、前記受継部150において、苗
搬送ポット148を備えるポット取付基部140(連結
体)から移植部120への苗の受渡しに際し、前記位置
調整により、苗供給部107での苗搬送と、移植部12
0での苗搬送とのタイミング合わせを図ることができ
る。なお、苗供給部107および移植部120は共に、
ミッションケース104から駆動力を得ており、同期し
て駆動するものであるため、タイミングがズレた場合に
は、タイミング調整を要する。また、該タイミング合わ
せは、より詳細には、シャッター145の開放タイミン
グと、移植部120に設ける移植爪151が自らの移動
軌跡の最上位置(苗受取位置)へ到達するタイミングと
の調整である。
【0091】両実施例間での特徴的な共通点の三につい
て記す。苗搬送体の上端位置はそれぞれ、第一実施例の
ハンドルフレーム6および第二実施例のハンドルフレー
ム106の上端位置よりも、高くなるように構成されて
いる。
【0092】前記苗搬送ポット148の上端位置は、図
14で矢視Aに示すように、ハンドルフレーム106の
上端位置よりも高くなるように、構成されている。この
ため、主作業者123および補助作業者124が、苗搬
送ポット148に苗を供給する際に、ハンドルフレーム
106が障害とならないので、苗供給が容易なものとな
っている。
【0093】次に、移植部120について図21乃至図
24より説明する。前記後フレーム102b・102b
の間の機体中央部におけるミッションケース104の後
方に移植部120が配設される。該移植部120は、機
体左右対称位置に配置して受継部150から畝125へ
搬送する左右一対の移植爪151・151と、各移植爪
151の左右一側にそれぞれ配置され駆動ケースとなる
ロータリケース152・152と、各移植爪151の左
右他側に配置してガイド部となる昇降ガイド153・1
53と、これらを連結するアームやリンク等から構成さ
れている。ロータリケース152・152と昇降ガイド
153・153は機体フレーム102に固定され、この
間に移植爪151・151が配設され、該移植爪151
・151は前記受継部150の下方で側面視楕円状の軌
跡で昇降するように構成されている。
【0094】両実施例間での相違点の八および九につい
て説明する。第二実施例では、移植爪151を駆動する
駆動ケース(ロータリケース152)が、左右の移植爪
151・151に対応して左右に設けられている。第一
実施例では、一つの駆動ケース(ロータリケース52)
より動力を分岐して、左右の移植爪51・51を駆動す
る。また、第二実施例では、移植爪151の移動軌跡を
案内する昇降ガイド153・153が、左右の移植爪1
51・151に対応して左右に設けられている。第一実
施例では、一つの昇降ガイド53により左右の移植爪5
1・51を案内する。
【0095】前記左右のロータリケース152はそれぞ
れ、図21から図24に示すように、左右の支持台12
1に固設した左右方向の支持軸154に、回転自在に支
持される。右側の支持台121は、後中央フレーム10
2mと中柱102gとに支持される支持フレーム138
に、ボルト締結固定される。また、左側の支持台121
は、左側の後フレーム102bと左側の中柱102eと
に支持される支持フレーム138に、ボルト締結固定さ
れる。支点軸154はそれぞれ、一端側がロータリケー
ス152に挿入される。支点軸154の他端側では、支
点軸154と同軸に、伝動体となるスプロケット155
がロータリケース152に固設されている。ミッション
ケース104からは、図21に示すように、左右方向に
植付出力軸104aが延出されており、該植付出力軸1
04aには、各支点軸154のスプロケット155と左
右位置が対応する位置に、スプロケット127・127
が設けられている。そして、左右それぞれで、スプロケ
ット127・155間をチェーン等の伝動手段を介して
ミッションケース104と連動連結され、該移植部12
0と前記苗供給部107が同期して駆動するように構成
されている。また、支持フレーム138にはボルト締結
孔が上下方向の長溝に形成されており、支持フレーム1
38に対する支持台121(スプロケット155)の締
結固定位置を変更して、チェーンのテンションを調整可
能である。尚、スプロケット127・155の代わりに
歯車等により伝動する構成とすることもでき限定するも
のではない。
【0096】以上のようにして、各移植爪151を左右
でそれぞれロータリケース(駆動ケース)152と連結
して、それぞれ独立して駆動する構成としている。左右
の移植爪151・151を同時に一つの駆動ケースで駆
動する場合には、両移植爪151・151の同期を図る
ため両移植爪151・151を連結部材を介して連結す
ることとなる。この場合、駆動ケースに対して近い側と
遠い側とで作用する駆動力に不均衡が生じ、左右で植付
性能が異なったり、駆動時につっぱるなどの抵抗が生じ
たりする。以上のように、二つのロータリケース(駆動
ケース)152により移植爪151・151を独立して
駆動することで、各移植爪151に作用する駆動力の不
均衡を無くし、左右で同一の植付性能が発揮されるよう
にしている。
【0097】前記ロータリケース152内には三つの歯
車が直列的に配置してそれぞれ噛合され、ロータリケー
ス152他側より出力軸156を前記スプロケット15
5と反対側に突出している。該出力軸156上にアーム
157の一端が固設されている。こうして、ロータリケ
ース152が一回転すると同時にアーム157が逆方向
に一回転するように前記歯車が設定されている。前記ア
ーム157の他端には、移植爪支持軸159の一端が固
設され、該移植爪支持軸159の他端側には、図22、
図23に示すように、左右のプレートより構成される移
植爪支持体160の一側(前側)が軸受を介して回転自
在に支持されている。また、左右のプレート間の移植爪
支持軸159上には、開閉カム161を固設している。
【0098】移植爪151は、くちばし状となる前後一
対の爪体128・129から構成される。爪体128・
129はそれぞれ、土中に貫入する正面視(後面視)三
角形状の爪部128a・129aを備えている。爪部1
28a・129bはそれぞれ、中空の円錐状部材を、中
心軸に沿った平面で分割して形成される部材の一方およ
び他方である。爪体128・129は略同様の構成であ
るので、爪体128について説明し、その後に爪体12
9に関しては、爪体128と相違する点について説明す
る。爪体128の爪部128aの上端には、平板状の基
部128bが設けられる。前後方向(くちばし状によ
る)反開孔側の左右両端には、上方へ延出する一対の第
一支持部128c・128cが設けられ、開孔側の左右
両端には、上方へ延出する一対の第二支持部128d・
128dが設けられる。爪体129にも、基部129
b、第一支持部129c・129c、第二支持部129
d・129dが備えられ、同様の構成であるが、第二支
持部129d・129d間の間隔は、爪体128の第二
支持部128d・128d間よりも幅広に形成されてい
る。この点が相違している。そして、支持部129d・
129d間に支持部128d・128dが配置され、移
植爪151の左右で、支持部128d・129d間がそ
れぞれ枢支軸164により枢支されて、爪体128・1
29が開閉可能とされる。また、平板状の基部128b
・129bは、図23に示すように、爪部128a・1
29aと平面視重複する部位が切除されて、移植爪15
1の上方から投下された苗126が爪部128a・12
9aの内部に収納されるようにしている。
【0099】前記移植爪支持体160の他側(後側)に
は漏斗状のカップ160aを形成して、前記受継部15
0よりカップ160aに苗が入り易くし、該カップ16
0a下部に開閉可能に移植爪151を配置している。移
植爪151の開閉機構は、前記カップ160aの前方と
後方に同距離離れた位置に、爪支点軸163・163を
一対ずつ左右水平方向に設け、該爪支点軸163に移植
爪151の前後一端(前記第一支持部128c・129
c)を枢支している。カップ160aの前後には、カッ
プ160aと固設される移植爪支持体160が位置し、
カップ160aの前後で、移植爪支持体160および爪
体128・129間に爪支点軸163・163が設けら
れる。そして、移植爪151は前後略対称に構成したく
ちばし状の爪部128a・129aを合わせた状態で苗
を収納支持し、開いた状態で苗を落下させるようにして
いる。また、前記枢支軸164・164とカップ160
a上部との間にバネ169・169を介装し、枢支軸1
64・164を持ち上げるようにして、移植爪151を
閉じるように付勢している。
【0100】両実施例間での相違点の十について説明す
る。第二実施例では、移植爪151は取付位置を変更す
ることで、左右の移植爪151・151間の間隔を変更
可能としている。第一実施例では、左右の移植爪51・
51間の間隔は固定である。
【0101】平面視において、爪部128a・129a
の上端部により形成される円の中心は、カップ160a
の中心に対し、左右方向にズラした位置となるように、
移植爪151は構成されている。爪部128a・129
aの上端の円内部に、カップ160a下端円が納まるよ
うに、該上端円は前記下端円よりも大きく形成されるの
で、前記上端円と前記下端円の中心がズレていても、受
継部150における苗の受渡しは確実に行われる。爪体
128・129において、爪部128a・129aはそ
れぞれ、基部128b・128bの左右中心よりも左右
方向にズラした位置に設けられている。前述したよう
に、爪体128・129は略同様の構成であり、前後位
置を置換して、移植部120に設けることが可能であ
る。爪体128・129の前後位置を置換すると、爪部
128a・129aの基部128b・128bに対する
左右位置が逆転することとなる。このため、移植爪15
1・151の取付間隔を調整することで、苗の植付幅を
調節することができる。図21に示す移植爪151・1
51は、植付幅が広く取られた場合の配置である。図2
1に示す状態より、爪体128・129の取付位置の置
換を行うことで、植付幅を狭くした配置とすることが可
能である。
【0102】前記開閉カム161側に位置する爪体12
9の爪支点軸163上には当接アーム165の一端が枢
支され、該当接アーム165の他端にローラ166を設
けて前記開閉カム161の外周に当接するように構成し
ている。該当接アーム165と爪体129の第一支持部
129c・129cとの間には、爪開閉量調節機構16
7が設けられており、該爪開閉量調節機構167は両者
間にボルト168を螺装して、該ボルト168を回動す
ることにより両者の間隔を調節して、爪体129の回動
量を調節できるようにしている。なお、爪体129と爪
体128の取付位置を置換した場合には、爪開閉量調節
機構167は、当接アーム165と爪体128の第一支
持部129c・129c間に位置する。そして、前記と
同様にして、爪体128の回動量を調節可能である。
【0103】つまり、前記バネ169により爪体128
・129は閉じるように付勢され、支点軸163に対し
て反対側に位置する当接アーム165の先端は開閉カム
161に当接されて回動が規制されている。即ち、開閉
カム161の外周形状によって爪体129が回動して移
植爪151が開閉されることになるのである。このよう
に構成することによって、常に移植爪151は閉じ方向
に付勢され、開閉カム161により強制的に開くように
制御されるため、開き位置でロックするような構成で
は、十分な開きが得られないとロックできずに苗を落と
すことができない場合があったが、本実施例のように構
成することで確実に開いて苗を落下させることができる
のである。
【0104】また、前記ロータリケース152と左右反
対側に位置する移植爪支持体160の前部で、移植爪支
持体160より支持軸170が昇降ガイド153側の側
方に突出され、該支持軸170の端部にローラ171を
設けて上下方向に配置した昇降ガイド153に嵌入し
て、移植爪151の昇降をガイドするようにしている。
【0105】両実施例間での特徴的な共通点の四につい
て記す。移植爪51の移動軌跡を案内する昇降ガイド5
3(第一実施例)の支持構造と、移植爪151の移動軌
跡を案内する昇降ガイド153(第二実施例)の支持構
造とは、同様のものである。ただし第二実施例では、一
対の昇降ガイド153・153が備えられている。
【0106】一対の昇降ガイド153・153は、図2
1、図23に示すように、ハンドルフレーム106と機
体フレーム102との間に架設されている。より詳細に
は、左側の昇降ガイド153は、図23、図24に示す
ように、前記中フレーム106Mと前記支持フレーム1
38とに支持されている。なお、該昇降ガイド153
は、支持フレーム138の左側に固定され、ロータリケ
ース152を回動自在に設ける前記支持台121は、支
持フレーム138の左側に固定される。また、右側の昇
降ガイド153は、前記右フレーム106Rと右側の前
記後フレーム102bとに支持されている。昇降ガイド
153・153はそれぞれ、移植爪151に対し、ロー
タリケース152の反対側(左右他側)に配置されてお
り、ロータリケース152の移動軌跡と交わることがな
く、駆動の障害とならない。
【0107】このような構成において、移植爪151が
上昇端に位置して爪体128・129は閉じて、受継部
150において、苗供給部107より苗が投入される
と、ミッションケース104からの動力によりロータリ
ケース152が回動され、アーム157も同時に回動さ
れて、左右の一対の移植爪151・151は同時に、昇
降ガイド153に沿って下降し、移植爪151は略楕円
軌跡を描いて下降する。そして、下端位置まで下降する
と、開閉カム161の回動により、該開閉カム161に
当接した当接アーム165が回動されて(開閉カム16
1の小径部に当接する)、爪支点軸163・163を中
心に爪体129が回動されて、移植爪151・151が
開かれ、畝125中の下端位置で苗が落下放出されるの
である。更に回動すると、移植爪151・151が上昇
されて、上昇位置で開閉カム161の回転により左右一
対の移植爪151・151が同時に閉じられるのであ
る。
【0108】両実施例間での相違点の十一、十二につい
て説明する。第二実施例の野菜移植機101には、移植
爪151への灌水機構が備えられる。つまり、該野菜移
植機101には、水タンク186(相違点の十一)およ
び灌水ポンプ187(相違点の十二)が備えられる。第
一実施例の野菜移植機1は、灌水機構を備えない。
【0109】移植爪151への灌水機構について、図1
4、図15、図17、図22、図25を用いて説明す
る。該灌水機構は、シャーシに設ける水タンク186お
よび灌水ポンプ187と、移植爪151の内部に挿入さ
れる灌水管188と、これらの部材間を連結するパイプ
やホース等の連通部材からなる。
【0110】一対の水タンク186・186は、図1
4、図15に示すように、前後方向では、前記前パイプ
フレーム102fと前記橋架フレーム102jとの間
で、左右方向では、エンジン3およびミッションケース
4の側方となる部位に配置され、野菜移植機1の機体前
側部に配置される。水タンク186の支持構成は、次の
ようなものである。前記前パイプフレーム102fと前
記橋架フレーム102jとの間には、図17に示すよう
に、矩形状の支持フレーム108aが橋架され、支持フ
レーム108aの下端には第一ガイドフレーム108b
が固設されている。第一ガイドフレーム108bは、正
面視「L」字状、側面視および平面視では矩形状となる
環状のフレームであり、右端部が上方に延出している。
また、左側の前記連結フレーム102h上には、下方が
開放側となる「コ」字形状の第二ガイドフレーム108
cが固設されている。支持フレーム108aは側面視で
は、上方が開放側となる「コ」字形状のフレームであ
り、支持フレーム108aの最下位置は、前パイプフレ
ーム102fおよび橋架フレーム102jの下方となっ
ている。このため、支持フレーム108a上に載置され
る左右一対の水タンク186・186は、前後方向に滑
ることがない。また、一対の水タンク186・186の
右側には、第一ガイドフレーム108bの上方延出部が
位置し、左側には、第二ガイドフレーム108cが位置
する。このため、水タンク186・186は、左右への
傾動を制止される。以上のようにして、水タンク186
・186は、機体前側部の各フレームにより安定的に支
持される。
【0111】灌水ポンプ187は、図25に示すよう
に、後パイプフレーム102d上に立設した支柱217
に支持される。支柱217上には支持フレーム187a
が固設され、支持フレーム187aの前部にシリンダ1
87bが固設される。シリンダ187bには後方に延出
するプランジャ187cが挿入されており、プランジャ
187cの後端にはローラ187dが回動自在に設けら
れている。また、支持フレーム187aの後部には、ロ
ーラ187dと当接するアーム187eが枢支されてお
り、アーム187eの反枢支側の端部には、ローラ18
7fが回動自在に設けられている。一方、前記植付出力
軸104aにはスプロケット127・127間に、図2
1に示すように、カム192が固設されており、該カム
192はローラ187fと当接する。そして、植付出力
軸104aの回転により、ローラ187fを枢支するア
ーム187eが前後回転し、ローラ187dを介してプ
ランジャ187cが進退動されて、灌水ポンプ187が
駆動する。以上のように、移植部120を駆動する植付
出力軸104aにカム192を設けて、灌水ポンプ18
7の駆動を行っているので、灌水ポンプ187からの水
送出タイミングと、移植部120における移植爪151
・151の植付けタイミングとを、同調させることが可
能である。
【0112】シリンダ187bには、吸入口と吐出口と
が設けられ、吸入口と水タンク186とが灌水ホース1
98aを介して連結され、吐出口と移植爪151に設け
る灌水管188とが同じく灌水ホース198bを介して
連結される。
【0113】灌水管188は前記移植爪支持体160に
固設されており、一端が移植爪支持体160の前方に延
出して灌水ポンプ187の吐出口と連結され、他端が移
植爪151の爪体128・129間に挿入されている。
以上のようにして、灌水ポンプ187の駆動により、水
タンク186内の水を灌水ホース198a・198bを
介して、移植爪151内に挿入した灌水管188に送水
して灌水する構成としている。このため、苗が土中に安
定して保持されると共に、植付直後の給水作業も不要と
なり、活着性が向上する。
【0114】両実施例間での相違点の十三について説明
する。第二実施例では、前記灌水機構を備えることに伴
って、移植爪151のスクレパー機構が備えられる。第
一実施例では、スクレパー機構は備えない。
【0115】移植爪151のスクレパー機構について、
図22、図26、図27を用いて説明する。移植爪15
1には、前記灌水機構により水が供給される。本スクレ
パー機構は、植付時に供給される水のため、畝中への貫
入時に爪体128・129に付着する泥を除くものであ
る。前記後フレーム102b・102bの前部下面には
それぞれ、図22に示すように、支持フレーム201・
201が固設されており、各支持フレーム201の下端
部に支持アーム202が枢支されて昇降回動自在であ
る。支持アーム202の前後中途部と、後フレーム10
2bの支持フレーム201後部とには、スプリング20
3が張設されており、支持アーム202の開放端(反枢
支側端部)が常時上方に付勢されている。
【0116】支持アーム202には、該支持アーム20
2に沿って移動自在とされる移動体204・204がそ
れぞれ設けられており、左右の移動体204・204間
に一対のスクレパーワイヤー205・205が張設され
ている。一対であるスクレパーワイヤー205・205
は、中央部で交わるように平面視「X」字状に設けら
れ、スクレパーワイヤー205・205と移動体204
・204とによって、二つの空間が生じるようにしてい
る。スクレパーワイヤー205・205は、移植爪15
1・151との位置関係では、移植爪151・151の
左右外側に張設されており、移植爪151・151の外
周に当接するように配置されている。そして、前記空間
の一方に、一方の移植爪151の爪体128・129が
挿入され、前記空間の他方に、他方の移植爪151の爪
体128・129が挿入される。また、スクレパーワイ
ヤー205・205の一端側(本実施例左側)は、それ
ぞれスプリング206を介して移動体204に連結され
ている。このため、移植爪151の上下動に伴って、ス
クレパーワイヤー205・205は爪体128・129
の外周に当接したまま、前後に伸張および収縮する。
【0117】このため、ロータリケース152の駆動に
よる移植爪151の上下動に伴って、スクレパーワイヤ
ー205・205により、移植爪151の外周の付着物
を除去することができる。特に、移植爪151に灌水す
る灌水機構を設けた場合には移植爪151の外周に泥が
付着するが、スクレパーワイヤー205・205によ
り、該泥を除去可能である。また、本実施例(第二実施
例)では、スクレパーワイヤー205・205を交差さ
せる構成としたが、スクレパーワイヤー205・205
を左右方向に平行に設けるようにしてもよい。なお、以
上の効果は、スクレパーワイヤー205・205の支持
構造を、機体フレーム102(後フレーム102b・1
02b)に対し昇降回動自在とした支持アーム202・
202に設ける構成に限定されない。スクレパーワイヤ
ー205・205が、移植爪151・151の左右に配
置される構成であれば、機体フレーム102に対して固
定した状態で張設する構成であっても良い。
【0118】スクレパーワイヤー205・205は、前
述したように、機体フレーム102に対し揺動自在とし
た支持アーム202・202に設けられており、移植爪
151の上下動に伴って上下動する。図22に示すよう
に、移植爪151が最上位置(苗受取位置)にあるとき
には、支持アーム202・202も最上位置にあり、移
植爪151が下端位置(苗植付位置)にあるときは、最
下位置となる。移植爪151が最上位置のとき、爪体1
28・129の下端部のみが前記空間に挿入され、移植
爪151が下端位置のとき、爪体128・129の上部
が前記空間内に位置する。また、前記空間は移植爪15
1の下降に伴って、三角形状(移植爪151の最上位
置)から五角形状(図26に図示)に拡張する。
【0119】以上のように、上下動する移植爪151に
対し、スクレパーワイヤー205・205が、移植爪1
51の上昇時に移植爪151の下端に位置し、下降時に
移植爪151の上部に位置するように構成して、移植爪
151の上下動にスクレパーワイヤー205・205が
連動するようにしている。このため、移植爪151の上
下動によって、移植爪151とスクレパーワイヤー20
5・205との当接部位に加わる衝撃を和らげて、該当
接部位の摩耗の防止と、移植爪151が上下動時に受け
る抵抗の軽減とが図られるようにしている。前記衝撃
は、支持アーム202を上方に付勢するスプリング20
3により、吸収されて低減される。
【0120】前記移動体204は、図27に示すよう
に、機体外側を開放側とする断面視「コ」字状の取付部
材207を備え、該取付部材207の開放側(図27中
左側)の上下間を連結ピン208・208により連結
し、支持アーム202を囲うようにしている。取付部材
207の閉鎖側端面(図27中右側端面)には、機体内
側へ延出するプレート219が固設されており、該プレ
ート219には一対の取付孔219a・219aが形成
されている。該取付孔219a・219aに、左側の移
動体204においては、スクレパーワイヤー205・2
05の端部に設ける前記スプリング206の一端が取付
けられる。また、右側の移動体では、該取付孔219a
・219aに、スクレパーワイヤー205・205の他
端(反スプリング206側端)に取り付けた取付板20
5a・205aが、連結ピン220・220を介して連
結される。そして、左右の移動体204・204間で、
スクレパーワイヤー205とスプリング206との連結
体が一対、張設されるようにしている。一方、前記連結
ピン208・208にはそれぞれ、同軸上にローラ20
9が設けられており、ローラ209は連結ピン208に
対して回動自在である。そして、ローラ209・209
は、スプリング206による機体内向きへの付勢力によ
り支持アーム202側面に当接し、支持アーム202に
沿って転動可能である。以上構成により、移動体204
・204は、支持アーム202に沿って摺動自在であ
る。
【0121】以上のようにして、スクレパーワイヤー2
05・205の両側は、機体フレーム102(後フレー
ム102b・102b)に対して昇降回動自在に設けた
支持アーム202・202に、移動体204・204を
介して、摺動自在に取り付けられている。また、支持ア
ーム202・202は、左右一対設けた移植爪151・
151の外側に位置している。このため、上下に移動す
る移植爪151の移動軌跡が側面視曲線状となり、移植
爪151が上下動に加えて前後動をも行う場合でも、ス
クレパーワイヤー205・205が移植爪151に追従
して前後動でき、スクレパーワイヤー205・205と
移植爪151外周との当接が確実に行われる。したがっ
て、移植爪151外周の付着物(泥)の除去作業の効率
が向上する。
【0122】次に覆土輪122の支持構成について図2
8乃至図31より説明する。前記左右の後フレーム10
2b・102bの前後中途部下面から下方にステー17
2・172が突設され、該ステー172・172に覆土
輪フレーム173の前端が支点軸180により枢支され
て枢支部としている。該枢支部近傍に後述するロック部
189が設けられている。該覆土輪フレーム173は平
面視U字状に構成し、後端部より後方にハンドル174
を突出し、左右中央部より上方に支持ステー175を突
設し、下方に取付フレーム176を垂設している。
【0123】前記取付ステー176下端に前後方向に枢
支軸190を突設し、該枢支軸190上に覆土輪支持フ
レーム191の下部を枢支している。該覆土輪支持フレ
ーム191は後面視において、横「E」型に構成して、
中央のフレーム下部に前記枢支軸190を枢支し、左右
両側のフレームと中央のフレームの下部の間に覆土輪1
22・122・122・122を左右一対ずつ回転自在
に配置している。この一対の覆土輪122・122・・
・は前記移植爪151・151の進行方向の線を跨ぐ構
成としている。こうして、左右中央下部に枢支軸90を
配置して左右の覆土輪122・122・・・を左右傾倒
自在に支持して、畝125上面の傾斜に追随して覆土精
度を高め、移植後の苗126の根部の両側を押さえる構
成としている。
【0124】覆土輪122・122・・・は、覆土輪支
持フレーム191に次のようにして支持されている。覆
土輪支持フレーム191の左右下端部にはそれぞれ、図
29、図30に示すように、前後方向に延出する支持フ
レーム210が固設されており、支持フレーム210の
前端部には覆土輪支持フレーム191の内側へ延出する
車軸211が突設されている。該車軸211に覆土輪1
22が回動自在に支持される。覆土輪支持フレーム19
1の中央下端部にも、前後方向に延出する支持フレーム
212が固設されており、支持フレーム210の前端部
には左右両側へ延出する車軸211・211が突設され
ている。該車軸211に覆土輪122が回動自在に支持
され、中央の支持フレーム212により二輪の覆土輪1
22・122が支持される。また、覆土輪支持フレーム
191の下部となる該支持フレーム212に、前記枢支
軸190が回動自在に設けられている。
【0125】両実施例間での相違点の十四について説明
する。第二実施例では、前記灌水機構を備えるために、
覆土輪122・122のスクレパー機構が備えられてい
る。第一実施例には、覆土輪22・22のスクレパー機
構は備えない。
【0126】左右の支持フレーム210・210の後端
部にはそれぞれ、図29、図30に示すように、覆土輪
支持フレーム191の内側へ延出するスクレパー213
が固設されている。スクレパー213は覆土輪122の
外周後端に当接し、覆土輪122の外周形状に合わせて
切欠きを設けた平面視略矩形状(台形状)に形成され
る。同じく、中央の支持フレーム212の後端部にも、
左右両側へ延出する一対のスクレパー213・213が
固設されている。各スクレパー213はそれぞれ覆土輪
122の外周後端に常時当接し、覆土輪122の外周上
に付着した泥等の付着物を除去する。このため、前記灌
水機構により移植爪151内への灌水を行って畝上に泥
が生じても、覆土輪122に付着した泥を除去できる。
【0127】両実施例間での相違点の十五について説明
する。第二実施例では、覆土輪122・122間のトレ
ッドを調整可能に構成されている。第一実施例では、覆
土輪22・22のトレッドは固定に構成されている。
【0128】前記左右で一対ずつ設けられる覆土輪12
2・122は、両覆土輪122・122間のトレッドを
調整可能に構成されている。前記車軸211には、図3
0に示すように、該車軸211の延出方向に沿って、外
径の異なる二つの部位が形成されている。両部位は、覆
土輪122に挿入される枢支部211aと、支持フレー
ム210・212への固設側の基部211bとである。
基部211bは枢支部211aより外径が大きく形成さ
れている。枢支部211aは、覆土輪122中央部の車
軸支持部の左右幅よりも長く形成されており、車軸21
1上での覆土輪122の取付位置を、枢支部211aに
沿って調整可能である。車軸211の先端(反固設側
端)に、枢支部211aの外径より幅広とした制止板2
14を配置し、ボルト215により締結固定して、車軸
211から覆土輪122が脱落するのを防止する。ま
た、枢支部211aの同軸上にボス216を設けて、覆
土輪122が枢支部211aに沿って摺動することを制
止する。図30において、左端の覆土輪122のよう
に、枢支部211aの後端側にボス216・216を配
置することで、該覆土輪122の取付位置を右側(内
側)に寄せることができる。該覆土輪122に対向する
左から二番目の覆土輪122は、図30においては、枢
支部211aの先端側および後端側に一つずつボス21
6をそれぞれ配置している。該覆土輪122において
も、枢支部211aの後端側にボス216・216を配
置することで、該覆土輪122の取付位置を左側(外
側)に寄せることができる。以上のようにして、対抗す
る一対の覆土輪122・122間のトレッドを、狭める
ことが可能である。対向する覆土輪122・122間に
おいて、枢支部211aの先端側にボス216・216
を配置すると、両覆土輪122・122間のトレッドは
広げられる。
【0129】以上のように、覆土輪122の車軸211
を、外径の異なる二つの部位を有すると共に、短径側の
部位である枢支部211aの形成長さを、覆土輪122
が摺動自在となる長さとし、ボス216を設けて覆土輪
122の摺動を制止する構成とすることで、対向する覆
土輪122・122間のトレッドの調整が可能である。
ボス216を、覆土輪122に対し、枢支部211aの
先端側もしくは後端側に付け替えるだけで覆土輪122
の左右取付位置を調整可能であり、調整構造が簡単で耐
久性に優れると共に、調整が容易である。
【0130】前記支持ステー175の上部に左右方向に
枢支軸77を設け、該枢支軸177に延設部材となるガ
イド杆178の一側が摺動自在に挿入され、該枢支軸1
77の両側のガイド杆178上には付勢部材となるバネ
179a・179bが外嵌されている。該ガイド杆17
8の他端は前記ハンドルフレーム106(中フレーム6
M)の後部に支点軸181により回転自在に支持されて
いる。このように構成することによって、前記覆土輪1
22は前記バネ179bの付勢力により下方へ押圧する
ように付勢されている。そして、作業終了時や回行する
ときに、ハンドル174を持って覆土輪122を上昇さ
せると、枢支軸177が支点軸180・181を結ぶ線
上よりも上方に位置すると死点越えとなって、覆土輪1
22を上昇した位置に維持することができるのである。
【0131】次に、覆土輪122を上昇させた位置にロ
ックするためのロック部189の構成について、図2
8、図31を用いて説明する。前記枢支部近傍にはロッ
ク部189が設けられている。該ロック部189は前記
覆土輪フレーム173の回動基部側に枢支軸193によ
りロックアーム94の一端を枢支し、該ロックアーム1
94の他側には長手方向と上方(支点軸180に対して
半径方向)に延びるL字状の長孔194aが形成され、
一方、機体フレーム102(後フレーム2b)の前記ス
テー172よりも上方位置に係止ピン195を突出し
て、該係止ピン195を前記長孔194aに挿入してい
る。
【0132】更に、前記ロックアーム194の他端(上
端)にワイヤー196とバネ197の一端が連結され、
該バネ197の他端は前方の後フレーム102bに連結
されてロックアーム194を前方へ回動するように付勢
し、ワイヤー196の他端は前記昇降レバー132の回
動基部設けたアーム199と連結している。該昇降レバ
ー132には更に図示しないワイヤー等を介してエンジ
ン103近傍に設けた油圧操作レバーと連結され、該昇
降レバー132の操作により前記油圧シリンダ119を
作動させて機体を昇降可能としている。
【0133】このような構成において、前記ハンドル1
74を持ち上げて覆土輪122を上昇させると、ロック
アーム194も持ち上げられて、係止ピン195が長孔
194aに沿って下降し、覆土輪122が上昇位置で前
述の如く死点越えによって上昇位置で維持される位置に
至ると、係止ピン195が長孔194aの垂直部194
bに入り、ロックアーム194はバネ197の引っ張り
力により下方へ回動付勢され、係止ピン195が長孔1
94aの垂直部194bに維持され、覆土輪122が自
重等により下方へ回動しようとしても、垂直部194b
に係止ピン195が係合されて回動できず、覆土輪12
2は上昇位置にロックされることになる。そして、作業
開始時や回行後の作業再開時に、昇降レバー132を機
体が下降するように、前方へ回動操作すると、ワイヤー
196が引っ張られてロックアーム194を後方へ回動
し、この回動によって長孔194aの内面が係止ピン1
95を下方に押して覆土輪フレーム73を下方へ押し、
死点越え部分を通過させて覆土輪122を下げるのであ
る。つまり、昇降レバー132の下降操作に連動して覆
土輪122を下降することができるのである。このよう
にして昇降レバー132の下降操作で覆土輪122も同
時に下降させて操作性を向上しているのである。なお、
本実施例においては、2条植えとしているが、移植爪及
びその駆動機構を更に一対左右方向に付加して4条植え
とすることも可能である。また、本実施例では走行部が
進行方向右側に偏心しているが、左側に偏心した構成と
することも可能である。
【0134】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏するのである。即ち、請求項
1に示す如く、長円状に連結した苗搬送体を連続的に回
転駆動しながら、苗搬送体に苗を挿入して、受継部で苗
を移植爪内に投入して、該移植爪を畝中へ移動して開い
て移植する野菜移植機において、苗搬送体を連結体とポ
ットより構成し、該ポットを連結体に対して着脱自在に
構成したので、苗を挿入するポットと、ポットの取付基
部となる連結体とが別体であるので、ポットの破損時等
には該ポットのみを交換するだけでよく、メンテナンス
性が向上する。
【0135】請求項2に示す如く、前記連結体は嵌合環
の両側に連結部を配置して無端状に連結し、前記ポット
は上部が拡開した筒状に構成し、前記嵌合環の内周と、
前記ポットの外周に、それぞれ凹部または凸部を設けて
嵌合可能としたので、ポットには上方より苗を挿入し易
い。また、連結体からのポットの抜けが防止される。特
に、ポットを合成樹脂製とすると、ポットを撓ませてポ
ットと連結体との係合・離脱を図ることができ、係合・
離脱が容易である。
【0136】請求項3に示す如く、前記連結体は嵌合環
の両側に連結部を配置して無端状に連結し、前記嵌合環
の搬送方向前側にシャッターの前部を枢支し、該シャッ
ターの後部左右一側にローラーを配置したので、搬送方
向に対し前高後低となる傾斜面を設けることで、ローラ
が傾斜面に引っ掛かることなく移動に伴って徐々にシャ
ッターを閉じさせることができる。
【0137】請求項4の如く、前記シャッターを金属製
とし、前記ローラーを合成樹脂で構成したので、折曲加
工によりシャッターに回動支持部やローラの取付部を一
体成型可能であると共に、剛性を保つことができる。ロ
ーラが当接する部位を金属製としても、相互が摩耗した
り、異音が発生するのを、防止できる。
【0138】請求項5の如く、前記連結体は嵌合環の両
側に連結部を配置して無端状に連結し、機体フレーム上
の左右両側に配置したスプロケットに嵌合環が当接する
ように配設するとともに、該スプロケットの中心部に位
置調整部を形成したので、前記受継部において、ポット
を備える連結体から移植部への苗の受渡しに際し、位置
調整部での位置調整により、連結体による苗搬送と、移
植部での苗搬送とのタイミング合わせを図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る歩行型野菜移植機の全
体的な構成を示した側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】機体フレームとミッションケース部分の側面図
である。
【図4】機体フレーム部分の平面図である。
【図5】苗供給部の平面図である。
【図6】受継部の後面断面図である。
【図7】同じく平面図である。
【図8】移植部の後面図である。
【図9】同じく側面図である。
【図10】同じく平面図である。
【図11】移植爪の側面断面図図である。
【図12】覆土輪支持部の側面図である。
【図13】覆土輪部分の後面図である。
【図14】本発明の第二実施例である歩行型野菜移植機
101の全体的な構成を示した側面図である。
【図15】同じく平面図である。
【図16】機体フレームとミッションケース部分の側面
図である。
【図17】機体フレーム部分の平面図である。
【図18】苗供給部の平面図である。
【図19】受継部の後面断面図である。
【図20】同じく平面図である。
【図21】移植部の後面図である。
【図22】同じく側面図である。
【図23】同じく平面図である。
【図24】昇降ガイド153およびロータリケース15
2の支持構造を示す側面図である。
【図25】灌水ポンプ187を示す側面図である。
【図26】移植爪151のスクレパー機構を示す平面図
である。
【図27】同じく後面図である。
【図28】覆土輪支持部の側面図である。
【図29】同じく平面図である。
【図30】同じく後面図である。
【図31】同じく後面図である。
【符号の説明】
1・101 野菜移植機 2・102 機体フレーム 7・107 苗供給部 20・120 植付部 25・125 畝 26・126 苗 40・148 苗搬送ポット 140 ポット取付基部 50・150 受継部 51・151 移植爪 140 ポット取付基部
【手続補正書】
【提出日】平成14年11月7日(2002.11.
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 野菜移植機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長円状に連結した
苗搬送体を連続的に回転駆動しながら、苗搬送体に苗を
挿入して、受継部で苗を移植爪内に投入して、該移植爪
を畝中へ移動して開いて移植する野菜移植機に関し、特
に、玉葱の苗を二条ずつ移植する移植機の技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、移植爪を左右一対有し、該移
植爪の上方に苗供給部を配置して、苗を苗供給部のカッ
プ内に挿入して、該苗を挿入したカップを受継部へ搬送
して、該受継部においてカップより移植爪内に苗を落下
させて投入して、該移植爪を畝中に下降させながら移動
して、下端側において移植爪を開いて苗を植えつける野
菜移植機が公知となっている。
【0003】例えば、特開2002−84826の技術
である。この技術は、2条植えの植付部を備えたもので
あり、左右一対の苗供給装置と左右一対の移植爪を有
し、苗供給装置は苗供給カップを複数円周上に配置した
ターンテーブルを左右一対配置して、ターンテーブルに
取り付けたラチェットを回動して間欠駆動し、苗供給カ
ップより順に移植爪に落下させて、移植する構成として
いた。また、ターンテーブルの代わりに、苗供給カップ
を弾性体からなるチェーンで互いに連結して、駆動輪と
従動輪の間に巻回して苗供給カップを長円状に配置し
て、間欠駆動して移植するようにしていた。また、駆動
輪および従動輪は十文字状に形成されて、駆動輪および
従動輪の外周には、苗供給カップとの当接部が四つ形成
される構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の野菜移
植機では、苗供給カップは成形性が容易で軽量であるた
めに合成樹脂で形成され、そして、該苗供給カップをチ
ェーンで連結し、苗供給カップの側面に駆動輪が直接当
接して回転駆動されるので、苗供給カップの外周が削れ
ることがあり、また、過負荷がかかって変形した場合な
どは全てのカップを交換する必要があった。また、苗供
給カップから移植爪への受継位置が正確に一致していな
いと、苗が確実に移植爪に受け渡すことができないが、
従来の弾性体のチェーンで苗カップを連結すると、伸び
が発生し、ターンテーブルに比べて位置決めを正確にす
ることが難しく、調整も容易でなかった。また、駆動輪
および従動輪が十文字状で外周上に苗供給カップとの当
接部が四つのみ形成される構成のため、長円状となる苗
供給カップ連の端部(円弧状部)には、2または3の苗
供給カップのみが位置する。作業者は、前記端部(円弧
状部)に位置する苗搬送体に苗の供給を行うが、この部
位に位置する苗供給カップの数が少ないと、苗供給が行
われないうちに苗搬送体が端部(円弧状部)より移動し
てしまうなど、苗供給を失敗する恐れがある。そこで、
本発明は効率の良い作業ができる移植機の苗供給装置を
提供しようとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。請求項1においては、長円状に連
結した苗搬送体を連続的に回転駆動しながら、苗搬送体
に苗を挿入して、受継部で苗を移植爪内に投入し、該移
植爪を畝中へ移動して開いて移植する野菜移植機におい
て、該苗搬送体は両側に連結部を配置して無端状に連結
し、該苗搬送体の搬送方向前側にシャッターの前部を枢
支し、該シャッターの後部左右一側に、シャッターを開
閉するローラを付設したものである。
【0006】請求項2においては、請求項1記載の野菜
移植機において、苗搬送体を連結体とポットより構成
し、該ポットを連結体に対して着脱自在に構成したもの
である。
【0007】請求項3においては、請求項2記載の野菜
移植機において、前記連結体は嵌合環の両側に連結部を
配置して無端状に連結し、前記ポットは上部が拡開した
筒状に構成し、前記嵌合環の内周と、前記ポットの外周
に、それぞれ凹部または凸部を設けて嵌合可能としたも
のである。
【0008】請求項4においては、請求項3記載の野菜
移植機において、前記シャッターを金属製とし、前記ロ
ーラーを合成樹脂で構成したものである。
【0009】請求項5においては、請求項1記載の野菜
移植機において、前記連結体は嵌合環の両側に連結部を
配置して無端状に連結し、機体フレーム上の左右両側に
配置したスプロケットに嵌合環が当接するように配設す
るとともに、該スプロケットの中心部に位置調整部を形
成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】これより、本発明の二つの実施形
態を説明する。まず、本発明の第一実施例の野菜移植機
1について、図1から図13を用いて説明する。図1は
本発明の第一実施例である歩行型野菜移植機の全体的な
構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は機体
フレームとミッションケース部分の側面図、図4は機体
フレーム部分の平面図、図5は苗供給部の平面図、図6
は受継部の後面断面図、図7は同じく平面図、図8は移
植部の後面図、図9は同じく側面図、図10は同じく平
面図、図11は移植爪の側面断面図、図12は覆土輪支
持部の側面図、図13は覆土輪部分の後面図である。
【0011】第一実施例である、玉葱用の歩行型の野菜
移植機1について全体構成から説明する。図1、図2に
おいて、野菜移植機1は、機体フレーム2の前部上にエ
ンジン3を載置し、前後中央部上に走行ミッションケー
ス4と植付けミッションケース5を配置し、機体フレー
ム2の後部上から後方にハンドル部材となるハンドルフ
レーム6を水平方向に連設して、該ハンドルフレーム6
の中途部上に苗供給部7を配置し、ハンドルフレーム6
後部を運転操作部9としている。
【0012】前記機体フレーム2の前部には前輪支持軸
10を横架し、該前輪支持軸10の両側に前輪支持フレ
ーム11・11の一端を取り付け、該前輪支持フレーム
11・11の他端に前輪12・12を支持している。ま
た、機体フレーム2の中途部より回動支持軸13・14
を横架し、走行ミッションケース4より後輪駆動軸15
を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸15の両側に駆
動ケース16・16を連設して、該駆動ケース16・1
6の後部に後輪17・17を支持している。そして、前
輪支持フレーム11と駆動ケース16はリンク機構を介
して連結されるとともに、機体フレーム2下部に設けた
油圧シリンダ19とリンク機構を介して駆動ケース16
が連結され、該油圧シリンダ19を伸縮させることによ
り前輪支持フレーム11と駆動ケース16が前輪支持軸
10及び後輪駆動軸15を中心に回動されて、機体を昇
降可能としている。
【0013】そして、植付けミッションケース5の後部
であって後述する後フレーム2b・2b(図3、図4に
図示)の間の苗供給部7の下方に移植部20が配置さ
れ、後フレーム2b・2bで保護できるとともに、該移
植部20は移植爪51を昇降して、上端位置で苗供給部
7より苗26を受け取り、下端位置で移植爪51を開い
て畝25中に苗を落下させて、その後方に配置した覆土
輪22により苗の根部に土を寄せて覆土して移植する構
成としている。
【0014】次に、各部の構成を説明する。まず、走行
部及び植付け部を支えるシャーシから説明する。図3、
図4に示すように、シャーシは機体フレーム2と、該機
体フレーム2に連設する走行ミッションケース4と植付
けミッションケース5と、該走行ミッションケース4と
植付けミッションケース5とを連結する連結部材となる
連結プレート30と、前記植付けミッションケース5と
機体フレーム2を連結するハンドルフレーム6から構成
され、それぞれを連結固定することにより補強部材を必
要とせず補強し合い、剛性を高める構成としている。
【0015】前記機体フレーム2は側面視略逆「へ」字
状に構成して、該機体フレーム2を前フレーム2aと後
フレーム2bから構成して略前後中央部で連結し、該前
フレーム2aはプレート状に構成してその前部上にエン
ジン3を載置固定し、後部上にステー2cを介して走行
ミッションケース4を載置固定している。前記後フレー
ム2bは横フレーム2dから左右両側より後方へパイプ
を延設した平面視Π状に構成して、該前部の左右水平方
向の横フレーム2dに前フレーム2a後端を固設してい
る。左側の後フレーム2bの前後中途部上より中柱2e
を立設している。また、前フレーム2a後部に前記回動
支点軸13を支持して側方に突出し、横フレーム2d延
長上に回動支点軸14を支持し、走行ミッションケース
4下部に後輪駆動軸15をそれぞれ左右水平方向に平行
に支持している。
【0016】そして、前フレーム2aの前後方向の左右
中心線を走行部(機体)の中心線として、左右一側(本
実施例では進行方向左側)に偏位して、回動支持軸13
・14と後輪駆動軸15が側方に延設されて、野菜移植
機1が畝25を跨いで走行するときに、走行部が左右一
側に偏位して走行し、後述するように往路と復路で左右
一側2列ずつ(往路で1条目と二条目を、復路で3条目
と4条目を)移植できるようにしている。なお、左右の
前輪12・12と後輪17・17は畝25の形状や幅等
に合わせて左右位置(車幅)を調整できるようにしてい
る。
【0017】そして、図2、図3に示すように、前記後
フレーム2bの後部上及び中柱2e上部にハンドルフレ
ーム6の前部が連結され、該ハンドルフレーム6の前部
を植付けミッションケース5上部と連結し、前後中途部
上に苗供給部7と左右の苗載台31・31を支持し、後
部に昇降レバー32や主クラッチレバー33や作業レバ
ーやアクセルレバーやサイドクラッチレバーや高さ調節
レバー等の操作レバーを配置している。
【0018】前記ハンドルフレーム6は、平面視「E」
状に右フレーム6Rと中フレーム6Mと左フレーム6L
から構成し、右フレーム6Rと中フレーム6Mの前部間
に植付けミッションケース5を支持固定し、前後中途部
間に連結プレート34を架設して、該連結プレート34
の下面に前記右側の後フレーム2b後端上部が固設され
る。このようにして3者が互いに連結固定されて剛性を
アップしている。該連結プレート34下部には苗供給部
7の駆動ケースが付設される。
【0019】また、中フレーム6Mと左フレーム6Lの
前後中途部間に補強パイプ6aが連結され、該左フレー
ム6Lの前部下面には前記中柱2e上端が連結固定され
る。このようにして、右フレーム6Rと中フレーム6M
と左フレーム6Lの間で連結固定することで剛性をアッ
プしている。また、右フレーム6Rの前後中途部より苗
載台フレーム35が外側方に突設されて苗載台31を取
り付け、左フレーム6Lより苗載台フレーム36を外側
方に突設して苗載台31を取り付けている。
【0020】本実施例では、機体右側のハンドルフレー
ム6側部の後輪17後方(苗供給部7の右斜め後方)に
主作業者23が位置し、機体左側のハンドルフレーム6
側部の後輪17後方(苗供給部7の左斜め後方)に補助
作業者24が位置し、或いは、一人作業の場合は機体右
側のみ位置し、主作業者23は前記操作レバーを操作す
るとともに、苗載台31から苗26を取り、苗供給部7
の各苗搬送ポット40に一つずつ(あるいは所定本数ず
つ)苗を挿入していく。補助作業者24は主作業者23
が苗搬送ポット40に挿入できなかった苗搬送ポット4
0に苗を挿入して補完する。
【0021】前記走行ミッションケース4と植付けミッ
ションケース5はそれぞれ上下方向に向けて機体中央部
の前後に並設され、該走行ミッションケース4と植付け
ミッションケース5の左右一側に連結プレート30を貼
設して両ケースを連結する構成として一体的な構成物と
している。そして、前述のように前フレーム2aの後部
上に走行ミッションケース4を固設し、後フレーム2b
上部にハンドルフレーム6を介して植付けミッションケ
ース5の上部を固設している。こうして,側面視におい
て、機体フレーム2が逆「へ」字状に折れ曲がり状に構
成されている中央の凹部上方を、走行ミッションケース
4と植付けミッションケース5と連結プレート30によ
り連結固定することによって、側面視で三角形を構成す
ることができて剛性を高めているのである。
【0022】次に、苗供給部7について図2、図5、図
6、図7より説明する。図2に示すように、前記左フレ
ーム6Lの中途部より、補助作業者24側(機体中心と
反対側)へ平面視U字状の支持フレーム37が水平側方
へ突設され、該支持フレーム37とハンドルフレーム6
の前後中途部上に、板体を長円形(長リング形)に構成
した苗搬送台39が略水平に固設されている。
【0023】そして、図2、図5に示すように、駆動ス
プロケット41が連結プレート34上に、従動スプロケ
ット42が支持フレーム37上にそれぞれ回転自在に支
持して配置され、該駆動スプロケット41と従動スプロ
ケット42にチェーン状に連結した苗搬送ポット40連
が巻回されている。該駆動スプロケット41へは前記植
付けミッションケース5よりチェーン等の伝動機構を介
して動力が伝達される。このようにして苗供給部7が構
成される。
【0024】こうして、苗搬送台39が機体中心から偏
位した車輪(前輪12・後輪17)側へ延設されること
で、苗供給部7が畝25を跨ぐように配設されて、二条
植えの場合、四条の植付け幅を跨ぐようになり、畝25
の両側に位置する主作業者23と補助作業24の両者が
苗供給部7に対面して苗載台31より苗を取って苗搬送
ポット40に苗を供給できるようにしている。そして、
主作業者23が位置する走行部側に駆動スプロケット4
1を配置して苗供給部7を駆動するようにして、植付け
ミッションケース5からの駆動伝達経路が短く、伝達機
構をコンパクトに構成できるようにしている。また、苗
搬送ポット40連を長円形とすることで前後に左右方向
の直線部分(または円弧状の略直線部分)を構成するこ
とができて、左右方向の搬送距離を長くして苗を挿入す
るための時間を長くして苗供給を行なえる時間を長くし
て挿入抜けがないようにできて、移植するタイミングを
従来よりも速くすることで移植効率を上げられるように
している。なお、本実施例では苗搬送を長円形としてい
るが、少なくとも直線部分が苗供給部7と後述する受継
部50にあればよく、三角形状に構成することも四角形
状または多角形状に構成することも可能である。
【0025】前記苗搬送ポット40は、図6、図7に示
すように、筒体の上部を拡開した漏斗状に構成し、上方
より苗を挿入し易い形状としている。苗搬送ポット40
の下部外周には連結板43が直径方向に延設して水平方
向に固設され、該連結板43の端部同士が隣接する苗搬
送ポット40の連結板43と枢支ピン44により互いに
回動自在に枢結され、苗搬送ポット40と連結板43と
枢支ピン44によりチェーン状に連結して無端体を構成
して、チェーン等を不要として簡単な構成としている。
そして、該苗搬送ポット40の上下中途部側面に前記駆
動スプロケット41と従動スプロケット42の外周面が
当接するようにして、本実施例では平面視右回り回動し
て、補助作業者24側で反転して受継部50側へ苗を搬
送するようにしている。なお、駆動スプロケット41と
従動スプロケット42は上下複数枚(本実施例では二
枚)配置して、苗搬送ポット40の上下中途部に当接し
て安定して搬送できるようにしている。但し、チェーン
やベルト等の無端体に直接苗搬送ポット40を固定し、
チェーンまたはベルトを回動駆動する構成とすることも
可能である。
【0026】前記連結板43の一側の下部(搬送方向前
部が好ましい)にはプレート状の蓋体45の一側が支点
ピン46により枢支され、該蓋体45の他側の上面で前
記苗搬送ポット40の下面を蓋する構成としている。つ
まりシャッターとしている。そして、該蓋体45の他側
の下面の左右一側にはローラ47が回転自在に枢支さ
れ、苗搬送台39上を転動するようにしている。該ロー
ラ47は苗搬送ポット40毎に取り付けられるが、搬送
方向に対して左右交互にローラ47が配置されている。
つまり、一つの苗供給部7において、多数連結した苗搬
送ポット40・40・・・は偶数個とし、それぞれ順に
番号を付したときに、奇数に位置する苗搬送ポット40
と偶数に位置する苗搬送ポットでは搬送方向に対して交
互に左右逆側にローラ47・47・・・を配置している
のである。言い換えれば、奇数(または偶数)のローラ
47は内周側に、偶数(または奇数)のローラ47は外
周側に配置するのである。
【0027】そして、前記苗搬送台39は前記ローラ4
7が転動するレールの役目を果たしており、該苗搬送台
39の前記ローラ47が転動する経路において、受継部
50、つまり、機体上方の苗搬送台39の前部側に開口
部(または切欠)39a・39bを左右前後位置をズラ
せて並設配置して、該開口部39a・39bでローラ4
7を支えるものがなくなり支点ピン46を中心に蓋体4
5が下方に回動して、苗搬送ポット40の下方を開口
し、苗を移植部20に落下させるようにしている。
【0028】即ち、左右方向に長い長円形の苗搬送台3
9の前部右側の苗搬送ポット40の移動軌跡部に開口部
39a・39bを搬送方向に沿って開口し、該開口部3
9a・39bは苗搬送ポット40の底面積よりも大きく
して苗を落下できるようにするとともに、搬送方向に対
しては連結した苗搬送ポット40の3ピッチまたは5ピ
ッチ離れた位置に開口しており、この間隔は条幅(条間
隔)に合わせている。そして、進行方向に対して一方は
左右一側を、他方は左右他側をそれぞれローラ47が落
ち込むように位置を合わせて側方に大きく開口し、ロー
ラ47が位置しない側は苗搬送ポット40の底面よも若
干広げる程度で苗は落下する(蓋体45が下方へ回動で
きる)が、進行方向前後隣接する苗搬送ポット40に付
設されているローラ47は落ち込まないようにしてい
る。つまり、開口部39a・39bは苗搬送ポット40
の搬送方向中心線に対して、互いに左右逆側に広げて開
口している。そして、開口部39a・39b内における
進行方向終端側のローラ47が通過する位置には、徐々
に上昇して苗搬送台39のローラ47転動面につながる
スロープ(傾斜面)39c・39cがそれぞれ設けられ
て、ローラ47が引っ掛かることなく移動に伴って徐々
に蓋体45が閉じるようにしている。
【0029】このように、苗供給部7は長円状に苗搬送
ポット40・40・・・が配置されて、機体後方の主作
業者23と補助作業者24が位置する前を順に通過し
て、その通過時に苗26を苗搬送ポット40内に挿入
し、その前方の移植部20が位置する上方へ回転移動さ
せる。この移植部20上方位置において、3ピッチ離れ
たローラ47・47が同時に開口部39a・39b内に
落ち込み、蓋体45・45を下方に回動して開き、苗を
落下させて移植部20の移植爪51・51内に投入する
ようにしている。この落下させる部分を受継部50とす
る。つまり、受継部50は駆動スプロケット41が位置
する苗供給部7の駆動側に位置し、機体側に位置するこ
とによって移植部20と近づけることができて受継が良
好となる。そして、ローラ47・47はスロープ39c
・39cに当接して徐々に上昇して蓋体45・45を閉
じるのである。従って、一つの移植爪51に対して苗搬
送ポット40から一つおきに供給される。つまり、奇数
となる苗搬送ポット40は左右の開口部の左側(または
右側)、偶数となる苗搬送ポット40は右側(または左
側)の開口部で下方の蓋体45が開かれ、奇数と偶数で
左右の条(1条と2条または3条と4条)の移植爪51
・51に落下することになる。よって、同時2条の植付
けが可能となり、左右条の間隔も一定に保てるのであ
る。
【0030】次に、移植部20について図8乃至図10
より説明する。前記後フレーム2b・2bの間の機体中
央部における植付けミッションケース5の後方に移植部
20が配設され、該移植部20は、左右一側に配置され
駆動部となるロータリケース52と、左右中央部に位置
して受継部50から畝25へ搬送する左右の移植爪51
・51と、左右他側方に配置してガイド部となる昇降ガ
イド53と、これらを連結するアームやリンク等から構
成されている。ロータリケース52と昇降ガイド53は
左右機体フレーム2に固定され、この間に移植爪51・
51が配設され、該移植爪51・51は前記受継部50
の下方で側面視楕円状の軌跡で昇降するように構成され
ている。
【0031】前記ロータリケース52は一端が機体フレ
ーム2より左右水平方向に突設した支点軸54に回転自
在に支持され、該ロータリケース52の外側側面の支点
軸54外周部に伝動体となるスプロケット55が固設さ
れ、チェーン等の伝動手段を介して前記植付けミッショ
ンケース5と連動連結され、該移植部20と前記苗供給
部7が同期して駆動するように構成されている。尚、ス
プロケット55の代わりに歯車等により伝動する構成と
することもでき限定するものではない。
【0032】前記ロータリケース52内には三つの歯車
が直列的に配置してそれぞれ噛合され、ロータリケース
52他側より出力軸56を前記スプロケット55と反対
側に突出している。該出力軸56上にアーム57の一端
が固設されている。こうして、ロータリケース52が一
回転すると同時にアーム57が逆方向に一回転するよう
に前記歯車が設定されている。前記アーム57の他端に
連結軸59の一端が固設され、該連結軸59上に条幅に
合わせて移植爪支持体60・60の一側(前側)が軸受
を介して回転自在に支持されている。該移植爪支持体6
0・60の前後中途部間には連結補助軸62が連結され
て、剛性をアップしている。該移植爪支持体60は左右
のプレートより構成して、左右のプレート間の連結軸5
9上に開閉カム61を固設している。
【0033】前記移植爪支持体60の他側(後側)には
漏斗状のカップ60aを形成して、受継部50より苗が
入り易くし、該カップ60a下部に開閉可能に移植爪5
1を配置している。移植爪51の開閉機構は、前記カッ
プ60aの前部と後部に同距離はなれた位置に爪支点軸
63・63を左右水平方向に設け、該爪支点軸63に移
植爪51の上部の前後一端を枢支している。そして、移
植爪51は前後略対称に構成したくちばし状の爪部51
a・51aを合わせた状態で苗を収納支持し、開いた状
態で苗を落下させるようにしており、合わせる側の爪部
51a上部のカップ60aの左右両側に枢支軸64・6
4を設けて前後の爪部51a・51aを連結している。
そして、該枢支軸64・64とカップ60a上部との間
にバネ69・69を介装して、枢支軸64・64を持ち
上げるようにして、移植爪51を閉じるように付勢して
いる。
【0034】また、前記開閉カム61側に位置する爪部
51aの爪支点軸63上には当接アーム65の一端が枢
支され、該当接アーム65の他端にローラ66を設けて
前記開閉カム61の外周に当接するように構成してい
る。該当接アーム65と爪部51a上部との間には爪開
閉量調節機構67が設けられており、該爪開閉量調節機
構67は両者間にボルト68を螺装して、該ボルト68
を回動することにより両者の間隔を調節して、爪部51
aの回動量を調節できるようにしている。
【0035】つまり、前記バネ69により爪部51aは
閉じるように付勢され、支点軸63に対して反対側に位
置する当接アーム65の先端は開閉カム61に当接され
て回動が規制されている。即ち、開閉カム61の外周形
状によって爪部51aが回動して移植爪51が開閉され
ることになるのである。このように構成することによっ
て、常に移植爪51は閉じ方向に付勢され、開閉カム6
1により強制的に開くように制御されるため、開き位置
でロックするような構成では、十分な開きが得られない
とロックできずに苗を落とすことができない場合があっ
たが、本実施例のように構成することで確実に開いて苗
を落下させることができるのである。
【0036】そして、前記ロータリケース52と左右反
対側に位置する移植爪支持体60の前部が上方に延出さ
れて延出部60bが形成され、該延出部60bより支持
軸70が昇降ガイド53側の側方に突出され、該支持軸
70の端部にローラ71を設けて上下方向に配置した昇
降ガイド53に嵌入して、移植爪51の昇降をガイドす
るようにしている。
【0037】このような構成において、移植爪51が上
昇端に位置して爪部51a・51aは閉じて、受継部5
0において、苗供給部7より苗が投入されると、植付け
ミッションケース5からの動力によりロータリケース5
2が回動され、アーム57も同時に回動されて、左右の
一対の移植爪51・51は同時に、昇降ガイド53に沿
って下降し、植付け爪51は略楕円軌跡を描いて下降す
る。そして、下端位置まで下降すると、開閉カム61の
回動により、該開閉カム61に当接した当接アーム65
が回動されて(開閉カム61の小径部に当接する)、爪
支点軸63・63を中心に爪部51aが回動されて、移
植爪51・51が開かれ、畝25中の下端位置で苗が落
下放出されるのである。更に回動すると、移植爪51・
51が上昇されて、上昇位置で開閉カム61の回転によ
り左右一対の移植爪51・51が同時に閉じられるので
ある。
【0038】次に、覆土輪22の支持構成について図1
2、図13より説明する。前記左右の後フレーム2b・
2bの前後中途部下面から下方にステー72・72が突
設され、該ステー72・72に覆土輪フレーム73の前
端が支点軸80により枢支されて枢支部としている。該
枢支部近傍に後述するロック部89が設けられている。
該覆土輪フレーム73は平面視U字状に構成し、後端部
より後方にハンドル74を突出し、左右中央部より上方
に支持ステー75を突設し、下方に取付フレーム76を
垂設している。
【0039】前記取付ステー76下端に前後方向に枢支
軸90を突設し、該枢支軸90上に覆土輪支持フレーム
91の下部を枢支している。該覆土輪支持フレーム91
は後面視において、横「E」型に構成して、中央のフレ
ーム下部に前記枢支軸90を枢支し、左右両側のフレー
ムと中央のフレームの下部の間に覆土輪22・22・2
2・22を左右一対ずつ回転自在に配置している。この
一対の覆土輪22・22は前記移植爪51・51の進行
方向の線を跨ぐ構成としている。こうして、左右中央下
部に枢支軸90を配置して左右の覆土輪22・22・・
・を左右傾倒自在に支持して、畝25上面の傾斜に追随
して覆土精度を高め、移植後の苗26の根部の両側を押
さえる構成としている。
【0040】前記支持ステー75の上部に左右方向に枢
支軸77を設け、該枢支軸77に延設部材となるガイド
杆78の一側が摺動自在に挿入され、該枢支軸77の両
側のガイド杆78上には付勢部材となるバネ79a・7
9bが外嵌されている。該ガイド杆78の他端は前記ハ
ンドルフレーム6(中フレーム6M)の後部に支点軸8
1により回転自在に支持されている。このように構成す
ることによって、前記覆土輪22は前記バネ79bの付
勢力により下方へ押圧するように付勢されている。そし
て、作業終了時や回行するときに、ハンドル74を持っ
て覆土輪22を上昇させると、枢支軸77が支点軸80
・81を結ぶ線上よりも上方に位置すると死点越えとな
って、覆土輪22を上昇した位置に維持することができ
るのである。
【0041】次に、覆土輪22を上昇させた位置にロッ
クするためのロック部89の構成について説明する。前
記枢支部近傍にはロック部89が設けられている。該ロ
ック部89は前記覆土輪フレーム73の回動基部側に枢
支軸93によりロックアーム94の一端を枢支し、該ロ
ックアーム94の他側には長手方向と上方(支点軸80
に対して半径方向)に延びるL字状の長孔94aが形成
され、一方、機体フレーム2(後フレーム2b)の前記
ステー72よりも上方位置に係止ピン95を突出して、
該係止ピン95を前記長孔94aに挿入している。
【0042】更に、前記ロックアーム94の他端(上
端)にワイヤー96とバネ97の一端が連結され、該バ
ネ97の他端は前方の後フレーム2bに連結されてロッ
クアーム94を前方へ回動するように付勢し、ワイヤー
96の他端は前記昇降レバー32の回動基部設けたアー
ム99と連結している。該昇降レバー32には更に図示
しないワイヤー等を介してエンジン3近傍に設けた油圧
操作レバーと連結され、該昇降レバー32の操作により
前記油圧シリンダ19を作動させて機体を昇降可能とし
ている。
【0043】このような構成において、前記ハンドル7
4を持ち上げて覆土輪22を上昇させると、ロックアー
ム94も持ち上げられて、係止ピン95が長孔94aに
沿って下降し、覆土輪22が上昇位置で前述の如く死点
越えによって上昇位置で維持される位置に至ると、係止
ピン95が長孔94aの垂直部94bに入り、ロックア
ーム94はバネ97の引っ張り力により下方へ回動付勢
され、係止ピン95が長孔94aの垂直部94bに維持
され、覆土輪22が自重等により下方へ回動しようとし
ても、垂直部94bに係止ピン95が係合されて回動で
きず、覆土輪22は上昇位置にロックされることにな
る。そして、作業開始時や回行後の作業再開時に、昇降
レバー32を機体が下降するように、前方へ回動操作す
ると、ワイヤー96が引っ張られてロックアーム94を
後方へ回動し、この回動によって長孔94aの内面が係
止ピン95を下方に押して覆土輪フレーム73を下方へ
押し、死点越え部分を通過させて覆土輪22を下げるの
である。つまり、昇降レバー32の下降操作に連動して
覆土輪22を下降することができるのである。このよう
にして昇降レバー32の下降操作で覆土輪22も同時に
下降させて操作性を向上しているのである。なお、本実
施例においては、2条植えとしているが、移植爪及びそ
の駆動機構を更に一対左右方向に付加して4条植えとす
ることも可能である。また、本実施例では走行部が進行
方向右側に偏心しているが、左側に偏心した構成とする
ことも可能である。
【0044】次に、本発明の第二実施例の野菜移植機1
01について、図14から図31を用いて説明する。図
14は本発明の第二実施例である歩行型野菜移植機10
1の全体的な構成を示した側面図、図15は同じく平面
図、図16は機体フレームとミッションケース部分の側
面図、図17は機体フレーム部分の平面図、図18は苗
供給部の平面図、図19は受継部の後面断面図、図20
は同じく平面図、図21は移植部の後面図、図22は同
じく側面図、図23は同じく平面図、図24は昇降ガイ
ド153およびロータリケース152の支持構造を示す
側面図、図25は灌水ポンプ187を示す側面図、図2
6は移植爪151のスクレパー機構を示す平面図、図2
7は同じく後面図、図28は覆土輪支持部の側面図、図
29は同じく平面図、図30は同じく後面図、図31は
同じく後面図である。
【0045】第二実施例の野菜移植機101と第一実施
例の野菜移植機1とは、基本構成は同一のものである。
両移植機1・101において、異なる構成の部位には、
明細書の記載中にその旨を記す。また、両移植機1・1
01において、特徴的である共通部分も、その旨を明細
書の記載中に記す。
【0046】まず、野菜移植機101の全体構成から説
明する。図14、図15において、野菜移植機101
は、機体フレーム102の前部上にエンジン103を載
置し、前後中央部上にミッションケース104を配置
し、機体フレーム102後部上から後方にハンドル部材
となるハンドルフレーム106を水平方向に連設して、
該ハンドルフレーム106の中途部上に苗供給部107
を配置し、ハンドルフレーム106後部を運転操作部1
09としている。
【0047】前記機体フレーム102の前部には前輪支
持軸110を横架し、該前輪支持軸110の両側に前輪
支持フレーム111・111の一端を取り付け、該前輪
支持フレーム111・111の他端に前輪112・11
2を支持している。また、機体の最前部には、左右一対
の畦ローラ218・218を設けている(図14に図
示)。また、ミッションケース104より後輪駆動軸1
15を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸115の両
側に駆動ケース116・116を連設して、該駆動ケー
ス116・116の後部に後輪117・117を支持し
ている。そして、前輪支持フレーム111と駆動ケース
116はリンク機構を介して連結されるとともに、機体
フレーム102下部に設けた油圧シリンダとリンク機構
を介して駆動ケース116が連結され、該油圧シリンダ
を伸縮させることにより前輪支持フレーム111と駆動
ケース116が前輪支持軸110及び後輪駆動軸115
を中心に回動されて、機体を昇降可能としている。
【0048】そして、ミッションケース104の後部で
あって後述する後フレーム102b・102bの間の苗
供給部107の下方に移植部120が配置され、後フレ
ーム102b・102bで保護できるとともに、該移植
部120は移植爪151を昇降して、最上位置で苗供給
部107より苗126を受け取り、下端位置で移植爪1
51を開いて畝125中に苗を落下させて、その後方に
配置した覆土輪122により苗の根部に土を寄せて覆土
して移植する構成としている。
【0049】野菜移植機101は、機体フレーム102
上(ハンドルフレーム106上)に設けた苗供給部10
7より苗を移植爪151内に投入して、該移植爪151
を畝中へ移動して移植を行う移植機である。苗供給部1
07には、後述するように、長円状に連結した苗搬送体
を連続的に回転駆動する構成を設けている。該苗搬送体
は苗搬送ポット148とポット取付基部148より構成
される。また、受継部150において、苗が苗搬送体よ
り移植爪151へ投入される。
【0050】次に、各部の構成について説明する。ま
ず、走行部及び植付け部を支えるシャーシから説明す
る。図16、図17に示すように、シャーシは機体フレ
ーム102と、該機体フレーム102に連設するミッシ
ョンケース104と、該ミッションケース104と機体
フレーム102とに支持されるハンドルフレーム106
から構成され、それぞれを連結固定することにより補強
部材を必要とせず補強し合い剛性を高める構成としてい
る。
【0051】両実施例間での相違点の一について説明す
る。第二実施例における機体フレーム102の構成は、
第一実施例における機体フレーム2の構成とは、異なる
ものとなっている。前記機体フレーム2が溶接等による
固定式であるのに対し、機体フレーム102は各フレー
ム部材の合体構成であり、シャーシをミッションケース
104の前後で分割可能である。
【0052】機体フレーム102は、側面視略逆「へ」
字状に構成される。機体フレーム102は、前パイプフ
レーム102fと後パイプフレーム102dとを備え、
両パイプフレーム102f・102d間は、左右に配置
する連結フレーム102h・102hにより連結され
る。前パイプフレーム102fは前記前輪支持軸110
を内部で軸支し、後パイプフレーム102dは前記後輪
駆動軸115を内部で軸支する。両パイプフレーム10
2f・102d間で、前記連結フレーム102h・10
2hの内側に、支持フレーム102aが橋架される。支
持フレーム102aはプレート状に構成して、その前部
上にエンジン103を載置固定し、後部上にステー10
2cを介してミッションケース104を載置固定してい
る。連結フレーム102h・102h間は、橋架フレー
ム102jにより橋架される。橋架フレーム102jと
前パイプフレーム102fとの間は、支持フレーム2a
の左右に配置される橋架フレーム102k・102kに
より橋架される。また、後パイプフレーム102dの後
端には、左右方向に延出する後部支持フレーム102n
が連結されており、該後部支持フレーム102nの左右
両端に、後方へ延出する後フレーム102b・102b
が連結されている。各後フレーム102bの前後中途部
上には、ハンドルフレーム106(後述)と連結される
中柱102eが立設される。また、後部支持フレーム1
02nの左右中央には後方へ延出する後中央フレーム1
02mが連結されており、該後中央フレーム102mの
後部上に、ハンドルフレーム106(後述)と連結され
る中柱102gが立設される。以上の各フレーム部材に
より、分割式の機体フレーム102が構成される。特
に、ミッションケース104の前後で、シャーシの全体
を前シャーシと後シャーシの二分割することが可能であ
る。なお、各フレーム部材の連結はボルト締結固定によ
り行われ、各フレーム部材への分割や、各フレーム部材
を合体させての機体フレーム102の形成が容易であ
る。
【0053】そして、前フレーム102aの前後方向の
左右中心線を走行部(機体)の中心線として、左右一側
(本実施例では進行方向左側)に偏位して後輪駆動軸1
15が側方に延設されて、野菜移植機101が畝125
を跨いで走行するときに、走行部が左右一側に偏位して
走行し、後述するように往路と復路で左右一側二列ずつ
(往路で一条目と二条目を、復路で三条目と四条目を)
移植できるようにしている。なお、左右の前輪112・
112と後輪117・117は畝125の形状や幅等に
合わせて左右位置(車幅)を調整できるようにしてい
る。
【0054】また、図15、図16に示すように、前記
後フレーム102bの後部上にハンドルフレーム106
の前部が連結され、該ハンドルフレーム106の前部を
ミッションケース104上部と連結し、前後中途部上に
苗供給部107と左右の苗載台131・131を支持
し、後部に昇降レバー132や主クラッチレバー133
や作業レバーやアクセルレバーやサイドクラッチレバー
や高さ調節レバー等の操作レバーを配置している。
【0055】前記ハンドルフレーム106は、図15に
示すように、平面視「E」状に右フレーム106Rと中
フレーム106Mと左フレーム106Lから構成し、右
フレーム106Rと中フレーム106Mの前部間にミッ
ションケース104を支持固定し、前後中途部間に連結
プレート134を架設して、各連結プレート134の下
面に前記後フレーム102b・102b後端上部が固設
される。このようにして三者が互いに連結固定されて剛
性をアップしている。該連結プレート134下部には苗
供給部107の駆動ケースが付設される。
【0056】右フレーム106Rおよび左フレーム10
6Lの前部下面には、前記中柱102e・102e上端
が連結固定される。また、中フレームMの前部下面に
は、前記中柱102g上端が連結される。このようにし
て、ハンドルフレーム106と機体フレーム102とを
連結固定することで剛性をアップしている。また、右フ
レーム106Rの前後中途部より苗載台フレーム135
が外側方に突設されて苗載台131を取り付け、左フレ
ーム106Lより苗載台フレーム136を外側方に突設
して苗載台131を取り付けている。
【0057】本実施例では、機体右側のハンドルフレー
ム106側部の後輪117後方に主作業者123(図1
5に図示)が位置し、機体左側のハンドルフレーム10
6側部の後輪117後方に補助作業者124(図15に
図示)が位置し、或いは、一人作業の場合は機体右側の
み位置し、主作業者123は前記操作レバーを操作する
とともに、苗載台131から苗126を取り、苗供給部
107の各苗搬送ポット148に一つずつ(あるいは所
定本数ずつ)苗を挿入していく。補助作業者124は主
作業者123が苗搬送ポット148に挿入できなかった
苗搬送ポット148に苗を挿入して補完する。
【0058】両実施例間での相違点の二について説明す
る。第一実施例では、走行駆動用の変速機構(走行ミッ
ションケース4)と、移植部120等を駆動する作業駆
動用の変速機構(植付けミッションケース5)とが別設
されているのに対し、第二実施例では、一体型(兼用
型)のミッションケース104が備えられている。
【0059】ミッションケース104は、前述のように
支持フレーム102aの後部上に固設され、後フレーム
102b・102b上部にハンドルフレーム106を介
してミッションケース104の上部を固設している。こ
うして、側面視において、機体フレーム102が逆
「へ」字状に折れ曲がり状に構成されている中央の凹部
上方を、一体型のミッションケース104により連結固
定することによって、側面視で三角形を構成することが
できて剛性を高めているのである。
【0060】両実施例間での相違点の三について説明す
る。第一実施例においては、野菜移植機1に設ける前輪
12・12および後輪17・17は、平面視平行に設け
られているが、第二実施例では、前輪112・112が
トーイン式に設けられている。左右一対の前輪112・
112は、図15(平面視)に示すように、トーイン式
に設けられ、平面視「ハ」字状に配置している。このた
め、野菜移植機101の走行直進性が向上している。
【0061】次に、苗供給部107について図15、図
18、図19、図20より説明する。図15に示すよう
に、ハンドルフレーム106上に苗供給部107が配置
されている。つまり、前記左フレーム106Lの中途部
より補助作業者124側(機体中心と反対側)へ平面視
「コ」字状の支持フレーム137が水平側方へ突設さ
れ、該支持フレーム137とハンドルフレーム106の
前後中途部上に、板体を長円形(長リング形)に構成し
た苗搬送台139が略水平に固設されている。
【0062】そして、図18に示すように、駆動スプロ
ケット141が左フレーム106Lと中フレーム106
Mと右フレーム106Rを連結する連結プレート134
上に、従動スプロケット142が左フレーム106Lよ
り側方へ突設した支持フレーム137上にそれぞれ回転
自在に支持して配置され、該駆動スプロケット141と
従動スプロケット142に無端状に連結したポット取付
基部140連が巻回されている。ポット取付基部140
にはそれぞれ、一の苗が挿入される苗搬送ポット148
が保持される。該駆動スプロケット141へは前記ミッ
ションケース104よりチェーン等の伝動機構を介して
動力が伝達される。このようにして苗供給部107が構
成される。
【0063】以上において、ポット取付基部140は、
それぞれを連結して長円状を形成する連結体である。ま
た、連結体であるポット取付基部140と、苗搬送ポッ
ト148とは、苗搬送手段としての苗搬送体を構成す
る。後述するが、苗搬送ポット148は、ポット取付基
部140(連結体)に対して着脱自在である。
【0064】両実施例間での相違点の四について説明す
る。苗搬送体を駆動する手段としての駆動スプロケット
141と、該駆動スプロケット141に従動する従動ス
プロケット142とは、第二実施例においては、特に、
アルミニウム製としている。第一実施例においては、駆
動スプロケット41および従動スプロケット42の素材
は限定していない。
【0065】前記駆動スプロケット141および従動ス
プロケット142は、金属、特に、アルミニウムで成型
される。また、両スプロケット141・142には、自
らの回転中心回りに、それぞれ中抜き部分141a・1
42aが放射状に多数形成されている。そして、両スプ
ロケット141・142は、中抜き部分141a・14
2aの形成により軽量化が図られると共に、金属製(ア
ルミ製)とすることで剛性が保たれている。また、両ス
プロケット141・142は、アルミ製であるので、成
型が容易である。
【0066】両実施例間での特徴的な共通点の一につい
て記す。苗搬送体の駆動手段としてのスプロケット14
1・142(第二実施例)と、スプロケット41・42
(第一実施例)とは、どちらにおいても、苗搬送体が当
接する当接部が五つ以上形成されている。該当接部は、
スプロケットの歯間に形成されるものである。つまり言
い換えると、両実施例の駆動および従動スプロケットに
おいて、それぞれスプロケットの歯が五つ以上形成され
ている。
【0067】両スプロケット141・142の外周に
は、該スプロケット141・142の有する歯と歯との
間に、それぞれ、ポット取付基部140(連結体)の嵌
合環158との当接部141c・142cが形成されて
いる。該当接部141c・142cは嵌合環158と係
合するように、円弧状に形成される。両スプロケット1
41・142がそれぞれ有する当接部141c・142
cの形成数は、本実施例では、16となっている。この
ため、長円状となるポット取付基部140連の円弧状と
なる一端部には、両スプロケット141・142の回動
位置によらず、8から9のポット取付基部140が位置
することとなる。
【0068】そして、主作業者123は、右側の後輪1
17の後方を歩行して、長円状となるポット取付基部1
40連の右端部より苗126をポット取付基部140へ
供給する。また、補助作業者124は、左側の後輪11
7の後方に歩行して、長円状となるポット取付基部14
0連の右左端部より苗126をポット取付基部140へ
供給する。
【0069】ポット取付基部140連の円弧状となる端
部は、作業者123・124による苗供給位置である。
両側の苗供給位置はそれぞれ、左右に位置する前記苗載
台131・131の近傍に位置する。このため、作業者
123・124はそれぞれ、片手の往復運動により、苗
載台131から苗供給位置の苗搬送ポット148に苗供
給が可能である。以上において、常時位置するポット取
付基部140の数が多ければ多いほど、作業者123・
124は、苗搬送ポット148への苗の供給を確実に行
うことができると共に、一方の作業者のみにより確実な
苗供給を行うことも可能となる。つまり、2条植えにお
ける苗供給を、一人の作業者により行うことが可能であ
る。前記スプロケット141・142にそれぞれ、嵌合
環158に対する当接部141c・142cを五つ以上
形成することで、当接部が四つである十文字形の駆動輪
(スプロケット)を用いる場合と比べて、円弧状部を移
動する苗搬送ポット148の数が多いので、同じ搬送速
度であれば苗を挿入する機会が増加して苗供給を確実に
行うことが可能である。
【0070】また、苗搬送台139が機体中心から偏位
した車輪(前輪112・後輪117)側へ延設されるこ
とで、苗供給部107が畝125を跨ぐように配設され
て、二条植えの場合、四条の植付け幅を跨ぐようにな
り、畝125の両側に位置する主作業者123と補助作
業者124の両者が苗供給部107に対面して苗載台1
31より苗を取って苗搬送ポット148に苗を供給でき
るようにしている。そして、主作業者123が位置する
走行部側に駆動スプロケット141を配置して苗供給部
107を駆動するようにして、ミッションケース104
からの駆動伝達経路が短く、伝達機構をコンパクトに構
成できるようにしている。また、ポット取付基部140
連を長円形とすることで前後に左右方向の直線部分(ま
たは円弧状の略直線部分)を構成することができて、左
右方向の搬送距離を長くして苗を挿入するための時間を
長くして苗供給を行なえる時間を長くして挿入抜けがな
いようにできて、移植するタイミングを従来よりも速く
することで移植効率を上げられるようにしている。な
お、本実施例では苗搬送を長円形としているが、少なく
とも直線部分が苗供給部107と後述する受継部150
にあればよく、三角形状に構成することも四角形状また
は多角形状に構成することも可能である。
【0071】両実施例間での相違点の五について説明す
る。第一実施例において一体である苗搬送体(苗搬送ポ
ット40)は、第二実施例では、機能毎に二つの部材に
分割される構成としている。第二実施例では苗搬送体
を、互いに連結されて無端体を構成する連結体(ポット
取付基部140)と、苗を挿入するポット(苗搬送ポッ
ト148)とで、構成している。
【0072】前記ポット取付基部140(連結体)につ
いて、図19、図20を用いて説明する。ポット取付基
部140は、苗搬送ポット148を着脱自在とする嵌合
環158と、該嵌合環158の両側に形成される第一連
結部143aと第二延出部143b・143bとを備え
る。嵌合環158は、上下を開口した筒体である。ま
た、連結体であるポット取付基部140は、次のように
して無端状に連結される。水平面内で延出する第一連結
部143aと、第二連結部143b・143bとは、嵌
合環158の外周面に突設されている。また、第二連結
部143b・143bは、それぞれ第一延出部143a
の上下に位置する位置関係となる。隣接するポット取付
基部140・140間において、一方のポット取付基部
140の第一連結部143aと、他方のポット取付基部
140の第二連結部143b・143bとは、平面視重
複する。そして、第一連結部143aおよび第二連結部
143b・143bが、上方より枢支ピン144を挿入
して互いに左右回動自在に枢結されて、ポット取付基部
140・140間が連結される。以上のようにポット取
付基部140を構成して、ポット取付基部140・14
0・・・を無端状に左右揺動自在に連結して無端体を構
成し、チェーン等を不要として簡単な構成としている。
【0073】そして、該ポット取付基部140の上下中
途部側面に前記駆動スプロケット141と従動スプロケ
ット142の外周面とが当接するようにして、本実施例
では平面視右回り回動して、補助作業者124側で反転
して受継部150側へ苗を搬送するようにしている。な
お、駆動スプロケット141と従動スプロケット142
は外周面に多数形成した凹部をポット取付基部140の
上下中途部に当接して安定して搬送できるようにしてい
る。但し、チェーンやベルト等の無端体に直接ポット取
付基部140を固定し、チェーンまたはベルトを回動駆
動する構成とすることも可能である。
【0074】両実施例間での相違点の六について説明す
る。第二実施例では、前述したように、苗搬送体を苗搬
送ポット148とポット取付基部140との二分割構成
として着脱可能に構成するので、ポット取付基部140
からの苗搬送ポット148の抜け防止構成が設けられて
いる。
【0075】前記苗搬送ポット148は、図19、図2
0に示すように、筒体の上部を拡開した形状に構成し、
上方より苗を挿入し易い形状としている。一方、ポット
取付基部140の嵌合環158は内部に、苗搬送ポット
148を挿入可能に形成されており、苗搬送ポット14
8の外周面が嵌合環158の内周面に略当接した状態で
保持される。この状態の嵌合環158に対する苗搬送ポ
ット148の位置を、苗搬送ポット148の保持位置と
する。以上構成により、苗搬送ポット148はポット取
付基部140に対し着脱式に構成される。苗を挿入する
苗搬送ポット148と、ポット取付基部140とが別体
であるので、苗搬送ポット148の破損時等には苗搬送
ポット148のみを交換するだけでよく、メンテナンス
性が向上する。また、一条植えや半端な条ができた場合
には、一つおきに、つまり、ポット連の奇数または偶数
番目の苗搬送ポット148を取り外すことで、間違いな
く容易に一条植えができる。また、奇数または偶数番目
の苗搬送ポット148の色を他と異なるように構成する
ことで、条毎に別の種類の苗を間違いなく挿入して植え
つけることができる。また、苗搬送ポット148は合成
樹脂製であり、下部のポット取付基部140への挿入部
がスリガラス状に形成され、上部が透明体である。一
方、ポット取付基部140はアルミ製である。このた
め、苗搬送ポット148をポット取付基部140に対し
着脱式としながら、走行時の振動等により、苗搬送ポッ
ト148とポット取付基部140との間で擦れ合って、
相互が摩耗したり、異音を発生するなどの不具合が生じ
ない。また、透明であるので、短い苗を挿入した場合で
も、挿入ミスがないことも容易に判断できるのである。
【0076】また、ポット取付基部140と苗搬送ポッ
ト148とには、苗搬送ポット148の抜け防止構成が
設けられており、互いが嵌合可能に構成されている。図
19に示すように、苗搬送ポット148の外周面上に突
起148aが設けられると共に、嵌合環158の内周面
には、前記保持位置での突起148aに対応する位置
に、嵌合孔158aが形成されている。前記保持位置で
は、嵌合孔158aに突起148aが嵌合し、ポット取
付基部140と苗搬送ポット148との嵌合位置となっ
ている。該両部材の嵌合により、ポット取付基部140
からの苗搬送ポット148の抜けが防止される。特に、
苗搬送ポット148は前述したように合成樹脂製なの
で、苗搬送ポット148を撓ませて、嵌合孔158aと
突起148aとの係合・離脱を図ることができ、係合・
離脱が容易である。
【0077】このため、走行時の振動あるいは機体を運
搬車での積載移動時などの風圧等により、苗搬送ポット
148がポット取付基部140から脱落することがな
い。なお、本実施例(第二実施例)では、苗搬送ポット
148の外周面に凸部として突起148aを形成し、嵌
合環158の内周面に凹部として嵌合孔158aを形成
して、苗搬送ポット148の抜け防止を構成している。
本発明は、この構成に限定されるものではなく、嵌合環
158の内周面と、苗搬送ポット148の外周面とに、
それぞれ凹部または凸部が形成される構成であれば良
い。例えば、凹部としては、貫通孔である嵌合孔158
aに代えて、窪みを形成するものとしても良い。また、
嵌合環158に凸部を形成し、苗搬送ポット148に凹
部を形成する構成としても良い。また、ネジ式のように
回転させて嵌合固定することも可能である。
【0078】両実施例間での相違点の七について説明す
る。第一実施例では、前記シャッター45に設けるロー
ラ47を金属製としているが、第二実施例では、シャッ
ター145に設けるローラ147は樹脂製とし、シャッ
ター145の板厚を厚くしている。
【0079】ポット取付基部140・140間の連結箇
所(第一連結部143aおよび第二連結部143b・1
43b)の下方には、図19、図20に示すように、シ
ャッター145の回動支点、つまり、シャッター145
の支持部が設けられている。シャッター145は、板状
部材の折曲加工により形成された部材であり、平面部1
45aと、平面部145aの一側に形成される回動支持
部145bと、他側に形成されるローラ取付部145c
とが備えられる。回動支持部145bは、シャッター1
45の搬送方向前側で、前記板状部材が断面視U字状に
折曲されて形成された部位である。該回動支持部145
bに挿入される支点ピン146を、ポット取付基部14
0の外周面下部に突設されるシャッター支持部143c
に水平方向に固定して、シャッター145がポット取付
基部140に対して上下回動自在に係止される。そし
て、平面部145aで前記苗搬送ポット148の下面を
蓋する構成としている。また、シャッター145の枢支
位置(支点ピン146および回動支持部145b)は、
後述するシャッター145の開閉構成のため、シャッタ
ー145において搬送方向の前側に設けられている。ロ
ーラ支持部145cは、シャッター145の搬送方向後
側の左右一側で、前記板状部材を平面部145aに対し
て垂直下方に板面が進行方向と平行となるように折曲し
た部位である。ローラ支持部145cにはローラ147
が配置され、該ローラ147は進行方向に対して直角水
平方向に支持ピン149を支持して、シャッター145
に対し回転自在に枢支される。
【0080】シャッター145は金属製であり、ローラ
支持部145cと平面部145aとはそれぞれ、金属製
の一体成型部材(シャッター145)の一部として形成
されている。苗搬送ポット148の搬送方向より見て、
シャッタ145は「L」字形状である。前記ローラ支持
部145cは一端をL字状に折り曲げるだけの構成なの
で簡単に製作することができる。このため、ローラ14
7の取付部材と、苗搬送ポット148の下面を蓋する部
材とを別体で構成して、両部材を溶接等の連結方法によ
り連結する場合と比べ、シャッター145の剛性を保つ
ことができる。そして、シャッター145(ローラ支持
部145c)の板厚を厚く形成して、錘を付設すること
なくシャッター145がスムースに回動できるようにし
ている。前記第一実施例ではシャッター45を薄く構成
して、ローラ47を金属製として重くして錘の役割を果
たしている。
【0081】シャッター145に設けるローラ147
は、苗搬送台139上を転動するようにしている。該ロ
ーラ147はポット取付基部140毎に取り付けられる
が、搬送方向に対して左右交互にローラ147が配置さ
れている。つまり、一つの苗供給部107において、多
数連結したポット取付基部140・140・・・は偶数
個とし、それぞれ順に番号を付したときに、奇数に位置
するポット取付基部140と偶数に位置するポット取付
基部140では搬送方向に対して交互に左右逆側にロー
ラ147・147・・・を配置しているのである。言い
換えれば、奇数(または偶数)のローラ147は内周側
に、偶数(または奇数)のローラ147は外周側に配置
するのである。
【0082】また、ローラ147は合成樹脂で形成され
て、自己潤滑性を有する合成樹脂とすることにより簡単
な構成でスムースな回転が得られるようにしている。そ
して、ローラ147が金属製(アルミ製)の苗搬送台3
9上を転動する際に、相互が摩耗したり、異音が発生す
るのを、防止している。
【0083】そして、前記苗搬送台139は前記ローラ
147が転動するレールの役目を果たしている。転動さ
せることでシャッターが摺接する構成に比べて摩擦が小
さく摩耗も殆どなく、動力負荷が小さく、騒音も小さく
なる。そして、該苗搬送台139の前記ローラ147が
転動する経路において、機体上方の苗搬送台139の前
部側に開口部(または切欠)139a・139bを左右
前後位置をズラせて並設配置している。該開口部139
a・139bでローラ147を支えるものがなくなり支
点ピン46を中心にシャッター145が下方に回動する
と、ポット取付基部140の下方が開口されて、苗が移
植部120に落下するようにしている。つまり、前記受
継部150とは、苗搬送台139から移植部120へ苗
を受け渡す部位のことである。
【0084】即ち、左右方向に長い長円形の苗搬送台1
39の前部右側のポット取付基部140の移動軌跡部に
開口部139a・139bを搬送方向に沿って開口し、
該開口部139a・139bはポット取付基部140の
底面積よりも大きくして苗を落下できるようにするとと
もに、搬送方向に対しては連結したポット取付基部14
0の3ピッチまたは5ピッチ離れた位置に開口してお
り、この間隔は条幅(条間隔)に合わせている。そし
て、進行方向に対して一方は左右一側を、他方は左右他
側をそれぞれローラ147が落ち込むように位置を合わ
せて側方に大きく開口し、ローラ147が位置しない側
はポット取付基部140の底面よりも若干広げる程度で
苗は落下する(シャッター145が下方へ回動できる)
が、進行方向前後隣接するポット取付基部140に付設
されているローラ147は落ち込まないようにしてい
る。つまり、開口部139a・139bはポット取付基
部140の搬送方向中心線に対して、互いに左右逆側に
広げて開口している。
【0085】そして、開口部139a・139b内にお
ける進行方向終端側のローラ147が通過する位置に
は、徐々に上昇して苗搬送台139のローラ147転動
面につながるスロープ(傾斜面)139c・139cが
それぞれ設けられている。スロープ139c・139c
の傾斜方向は、搬送方向に対し前高後低であり、ローラ
147が引っ掛かることなく移動に伴って徐々にシャッ
ター145が閉じるようにしている。シャッター145
の開閉は、ローラ147の下方に、該ローラ147の当
接する苗搬送台139の有無により行われる。特に、シ
ャッター145において、開放から閉鎖に至る際には、
スロープ139cにローラ147が案内されることで行
われる。シャッター145の開閉構成が以上のようなも
のであるので、前述したように、シャッター145の枢
支位置を搬送方向の前側とすることで、シャッター14
5がスロープ139cとの当接時に、必ず閉鎖方向に回
転するようにしている。シャッター145の枢支位置を
搬送方向の後側に設ける場合は、シャッター145の開
放角度やスロープ139cの傾斜角度の大きさによって
は、シャッター145のスロープ139cへの当接時
に、さらに開放方向へ回動したり、シャッター145が
スロープ139cに抵抗したりする可能性がある。
【0086】このように、苗供給部107は長円状にポ
ット取付基部140・140・・・が配置されて、機体
後方の主作業者123と補助作業者124が位置する前
を順に通過して、その通過時に苗126を苗搬送ポット
148内に挿入し、その前方の移植部120が位置する
上方へ回転移動させる。この移植部120上方位置にお
いて、3ピッチ離れたローラ147・147が同時に開
口部139a・139b内に落ち込み、シャッター14
5・145を下方に回動して開き、苗を落下させて移植
部120の移植爪151・151内に投入するようにし
ている。この落下させる部分を受継部150とする。つ
まり、受継部150は駆動スプロケット141が位置す
る苗供給部107の駆動側に位置し、機体側に位置する
ことによって移植部120と近づけることができて受継
が良好となる。そして、ローラ147・147はスロー
プ139c・139cに当接して徐々に上昇してシャッ
ター145・145を閉じるのである。従って、一つの
移植爪151に対してポット取付基部140から一つお
きに供給される。つまり、奇数となるポット取付基部1
40は左右の開口部の左側(または右側)、偶数となる
ポット取付基部140は右側(または左側)の開口部で
下方のシャッター145が開かれ、奇数と偶数で左右の
条(1条と2条または3条と4条)の移植爪151・1
51に落下することになる。よって、同時2条の植付け
が可能となり、左右条の間隔も一定に保てるのである。
【0087】前記駆動スプロケット141および従動ス
プロケット142には、前述したように、連結体である
ポット取付基部140連が巻回されている。支持フレー
ム137上に回転自在に支持される両スプロケット14
1・142は、機体フレーム102の左右両側に配置さ
れている。そして、ポット取付基部140の嵌合環15
8が、両スプロケット141・142と当接するように
配置される。スプロケット141・142の外周に形成
される歯は、嵌合環158・158間に嵌まり込むと共
に、前記歯間の外周は、嵌合環158の外周面と滑らか
に接するように、円弧状の凹部に形成されている。そし
て、両スプロケット141・142と当接して係合する
ポット取付基部140連は、駆動スプロケット141の
駆動により駆動される。
【0088】両実施例間での特徴的な共通点の二につい
て記す。苗搬送体の駆動手段としての駆動スプロケット
141(第二実施例)と、駆動スプロケット41(第一
実施例)とには、自らに巻回する苗搬送体連との係合位
置を調整するための、位置調整部が形成されている。
【0089】駆動スプロケット141の中心部には、自
らに巻回するポット取付基部140連との係合位置を調
整するための、位置調整部が形成されている。図18に
示すように、駆動スプロケット141と同心に駆動軸1
82が設けられている。駆動軸182には支持板183
が固設されており、該支持板183には、後述のボルト
184を締結可能とする一対のボルト孔(不図示)が形
成されている。また、駆動スプロケット141には、駆
動軸182を挟んで対抗する一対の調整用長孔141b
・141bが形成されている。該一対の調整用長孔14
1b・141bにより、前記位置調整部が構成される。
そして、支持板183に調整用長孔141b・141b
を挿通するボルト184・184を締結することで、駆
動スプロケット141が駆動軸182に固定される。ま
た、調整用長孔141bの形成長さの範囲内で、駆動軸
182(支持板183)に対する駆動スプロケット14
1の固定位置を調整可能である。調整用長孔141b・
141bは、駆動軸182と同心となる円弧に沿って形
成されており、ボルト184による締結を緩めた状態
で、支持板183に対し駆動スプロケット141を回転
移動可能である。
【0090】このため、前記受継部150において、苗
搬送ポット148を備えるポット取付基部140(連結
体)から移植部120への苗の受渡しに際し、前記位置
調整により、苗供給部107での苗搬送と、移植部12
0での苗搬送とのタイミング合わせを図ることができ
る。なお、苗供給部107および移植部120は共に、
ミッションケース104から駆動力を得ており、同期し
て駆動するものであるため、タイミングがズレた場合に
は、タイミング調整を要する。また、該タイミング合わ
せは、より詳細には、シャッター145の開放タイミン
グと、移植部120に設ける移植爪151が自らの移動
軌跡の最上位置(苗受取位置)へ到達するタイミングと
の調整である。
【0091】両実施例間での特徴的な共通点の三につい
て記す。苗搬送体の上端位置はそれぞれ、第一実施例の
ハンドルフレーム6および第二実施例のハンドルフレー
ム106の上端位置よりも、高くなるように構成されて
いる。
【0092】前記苗搬送ポット148の上端位置は、図
14で矢視Aに示すように、ハンドルフレーム106の
上端位置よりも高くなるように、構成されている。この
ため、主作業者123および補助作業者124が、苗搬
送ポット148に苗を供給する際に、ハンドルフレーム
106が障害とならないので、苗供給が容易なものとな
っている。
【0093】次に、移植部120について図21乃至図
24より説明する。前記後フレーム102b・102b
の間の機体中央部におけるミッションケース104の後
方に移植部120が配設される。該移植部120は、機
体左右対称位置に配置して受継部150から畝125へ
搬送する左右一対の移植爪151・151と、各移植爪
151の左右一側にそれぞれ配置され駆動ケースとなる
ロータリケース152・152と、各移植爪151の左
右他側に配置してガイド部となる昇降ガイド153・1
53と、これらを連結するアームやリンク等から構成さ
れている。ロータリケース152・152と昇降ガイド
153・153は機体フレーム102に固定され、この
間に移植爪151・151が配設され、該移植爪151
・151は前記受継部150の下方で側面視楕円状の軌
跡で昇降するように構成されている。
【0094】両実施例間での相違点の八および九につい
て説明する。第二実施例では、移植爪151を駆動する
駆動ケース(ロータリケース152)が、左右の移植爪
151・151に対応して左右に設けられている。第一
実施例では、一つの駆動ケース(ロータリケース52)
より動力を分岐して、左右の移植爪51・51を駆動す
る。また、第二実施例では、移植爪151の移動軌跡を
案内する昇降ガイド153・153が、左右の移植爪1
51・151に対応して左右に設けられている。第一実
施例では、一つの昇降ガイド53により左右の移植爪5
1・51を案内する。
【0095】前記左右のロータリケース152はそれぞ
れ、図21から図24に示すように、左右の支持台12
1に固設した左右方向の支持軸154に、回転自在に支
持される。右側の支持台121は、後中央フレーム10
2mと中柱102gとに支持される支持フレーム138
に、ボルト締結固定される。また、左側の支持台121
は、左側の後フレーム102bと左側の中柱102eと
に支持される支持フレーム138に、ボルト締結固定さ
れる。支点軸154はそれぞれ、一端側がロータリケー
ス152に挿入される。支点軸154の他端側では、支
点軸154と同軸に、伝動体となるスプロケット155
がロータリケース152に固設されている。ミッション
ケース104からは、図21に示すように、左右方向に
植付出力軸104aが延出されており、該植付出力軸1
04aには、各支点軸154のスプロケット155と左
右位置が対応する位置に、スプロケット127・127
が設けられている。そして、左右それぞれで、スプロケ
ット127・155間をチェーン等の伝動手段を介して
ミッションケース104と連動連結され、該移植部12
0と前記苗供給部107が同期して駆動するように構成
されている。また、支持フレーム138にはボルト締結
孔が上下方向の長溝に形成されており、支持フレーム1
38に対する支持台121(スプロケット155)の締
結固定位置を変更して、チェーンのテンションを調整可
能である。なお、スプロケット127・155の代わり
に歯車等により伝動する構成とすることもでき限定する
ものではない。
【0096】以上のようにして、各移植爪151を左右
でそれぞれロータリケース(駆動ケース)152と連結
して、それぞれ独立して駆動する構成としている。左右
の移植爪151・151を同時に一つの駆動ケースで駆
動する場合には、両移植爪151・151の同期を図る
ため両移植爪151・151を連結部材を介して連結す
ることとなる。この場合、駆動ケースに対して近い側と
遠い側とで作用する駆動力に不均衡が生じ、左右で植付
性能が異なったり、駆動時につっぱるなどの抵抗が生じ
たりする。以上のように、二つのロータリケース(駆動
ケース)152により移植爪151・151を独立して
駆動することで、各移植爪151に作用する駆動力の不
均衡を無くし、左右で同一の植付性能が発揮されるよう
にしている。
【0097】前記ロータリケース152内には三つの歯
車が直列的に配置してそれぞれ噛合され、ロータリケー
ス152他側より出力軸156を前記スプロケット15
5と反対側に突出している。該出力軸156上にアーム
157の一端が固設されている。こうして、ロータリケ
ース152が一回転すると同時にアーム157が逆方向
に一回転するように前記歯車が設定されている。前記ア
ーム157の他端には、移植爪支持軸159の一端が固
設され、該移植爪支持軸159の他端側には、図22、
図23に示すように、左右のプレートより構成される移
植爪支持体160の一側(前側)が軸受を介して回転自
在に支持されている。また、左右のプレート間の移植爪
支持軸159上には、開閉カム161を固設している。
【0098】移植爪151は、くちばし状となる前後一
対の爪体128・129から構成される。爪体128・
129はそれぞれ、土中に貫入する正面視(後面視)三
角形状の爪部128a・129aを備えている。爪部1
28a・129bはそれぞれ、中空の円錐状部材を、中
心軸に沿った平面で分割して形成される部材の一方およ
び他方である。爪体128・129は略同様の構成であ
るので、爪体128について説明し、その後に爪体12
9に関しては、爪体128と相違する点について説明す
る。爪体128の爪部128aの上端には、平板状の基
部128bが設けられる。前後方向(くちばし状によ
る)反開孔側の左右両端には、上方へ延出する一対の第
一支持部128c・128cが設けられ、開孔側の左右
両端には、上方へ延出する一対の第二支持部128d・
128dが設けられる。爪体129にも、基部129
b、第一支持部129c・129c、第二支持部129
d・129dが備えられ、同様の構成であるが、第二支
持部129d・129d間の間隔は、爪体128の第二
支持部128d・128d間よりも幅広に形成されてい
る。この点が相違している。そして、支持部129d・
129d間に支持部128d・128dが配置され、移
植爪151の左右で、支持部128d・129d間がそ
れぞれ枢支軸164により枢支されて、爪体128・1
29が開閉可能とされる。また、平板状の基部128b
・129bは、図23に示すように、爪部128a・1
29aと平面視重複する部位が切除されて、移植爪15
1の上方から投下された苗126が爪部128a・12
9aの内部に収納されるようにしている。
【0099】前記移植爪支持体160の他側(後側)に
は漏斗状のカップ160aを形成して、前記受継部15
0よりカップ160aに苗が入り易くし、該カップ16
0a下部に開閉可能に移植爪151を配置している。移
植爪151の開閉機構は、前記カップ160aの前方と
後方に同距離離れた位置に、爪支点軸163・163を
一対ずつ左右水平方向に設け、該爪支点軸163に移植
爪151の前後一端(前記第一支持部128c・129
c)を枢支している。カップ160aの前後には、カッ
プ160aと固設される移植爪支持体160が位置し、
カップ160aの前後で、移植爪支持体160および爪
体128・129間に爪支点軸163・163が設けら
れる。そして、移植爪151は前後略対称に構成したく
ちばし状の爪部128a・129aを合わせた状態で苗
を収納支持し、開いた状態で苗を落下させるようにして
いる。また、前記枢支軸164・164とカップ160
a上部との間にバネ169・169を介装し、枢支軸1
64・164を持ち上げるようにして、移植爪151を
閉じるように付勢している。
【0100】両実施例間での相違点の十について説明す
る。第二実施例では、移植爪151は取付位置を変更す
ることで、左右の移植爪151・151間の間隔を変更
可能としている。第一実施例では、左右の移植爪51・
51間の間隔は固定である。
【0101】平面視において、爪部128a・129a
の上端部により形成される円の中心は、カップ160a
の中心に対し、左右方向にズラした位置となるように、
移植爪151は構成されている。爪部128a・129
aの上端の円内部に、カップ160a下端円が納まるよ
うに、該上端円は前記下端円よりも大きく形成されるの
で、前記上端円と前記下端円の中心がズレていても、受
継部150における苗の受渡しは確実に行われる。爪体
128・129において、爪部128a・129aはそ
れぞれ、基部128b・128bの左右中心よりも左右
方向にズラした位置に設けられている。前述したよう
に、爪体128・129は略同様の構成であり、前後位
置を置換して、移植部120に設けることが可能であ
る。爪体128・129の前後位置を置換すると、爪部
128a・129aの基部128b・128bに対する
左右位置が逆転することとなる。このため、移植爪15
1・151の取付間隔を調整することで、苗の植付幅を
調節することができる。図21に示す移植爪151・1
51は、植付幅が広く取られた場合の配置である。図2
1に示す状態より、爪体128・129の取付位置の置
換を行うことで、植付幅を狭くした配置とすることが可
能である。
【0102】前記開閉カム161側に位置する爪体12
9の爪支点軸163上には当接アーム165の一端が枢
支され、該当接アーム165の他端にローラ166を設
けて前記開閉カム161の外周に当接するように構成し
ている。該当接アーム165と爪体129の第一支持部
129c・129cとの間には、爪開閉量調節機構16
7が設けられており、該爪開閉量調節機構167は両者
間にボルト168を螺装して、該ボルト168を回動す
ることにより両者の間隔を調節して、爪体129の回動
量を調節できるようにしている。なお、爪体129と爪
体128の取付位置を置換した場合には、爪開閉量調節
機構167は、当接アーム165と爪体128の第一支
持部129c・129c間に位置する。そして、前記と
同様にして、爪体128の回動量を調節可能である。
【0103】つまり、前記バネ169により爪体128
・129は閉じるように付勢され、支点軸163に対し
て反対側に位置する当接アーム165の先端は開閉カム
161に当接されて回動が規制されている。即ち、開閉
カム161の外周形状によって爪体129が回動して移
植爪151が開閉されることになるのである。このよう
に構成することによって、常に移植爪151は閉じ方向
に付勢され、開閉カム161により強制的に開くように
制御されるため、開き位置でロックするような構成で
は、十分な開きが得られないとロックできずに苗を落と
すことができない場合があったが、本実施例のように構
成することで確実に開いて苗を落下させることができる
のである。
【0104】また、前記ロータリケース152と左右反
対側に位置する移植爪支持体160の前部で、移植爪支
持体160より支持軸170が昇降ガイド153側の側
方に突出され、該支持軸170の端部にローラ171を
設けて上下方向に配置した昇降ガイド153に嵌入し
て、移植爪151の昇降をガイドするようにしている。
【0105】両実施例間での特徴的な共通点の四につい
て記す。移植爪51の移動軌跡を案内する昇降ガイド5
3(第一実施例)の支持構造と、移植爪151の移動軌
跡を案内する昇降ガイド153(第二実施例)の支持構
造とは、同様のものである。ただし第二実施例では、一
対の昇降ガイド153・153が備えられている。
【0106】一対の昇降ガイド153・153は、図2
1、図23に示すように、ハンドルフレーム106と機
体フレーム102との間に架設されている。より詳細に
は、左側の昇降ガイド153は、図23、図24に示す
ように、前記中フレーム106Mと前記支持フレーム1
38とに支持されている。なお、該昇降ガイド153
は、支持フレーム138の左側に固定され、ロータリケ
ース152を回動自在に設ける前記支持台121は、支
持フレーム138の左側に固定される。また、右側の昇
降ガイド153は、前記右フレーム106Rと右側の前
記後フレーム102bとに支持されている。昇降ガイド
153・153はそれぞれ、移植爪151に対し、ロー
タリケース152の反対側(左右他側)に配置されてお
り、ロータリケース152の移動軌跡と交わることがな
く、駆動の障害とならない。
【0107】このような構成において、移植爪151が
上昇端に位置して爪体128・129は閉じて、受継部
150において、苗供給部107より苗が投入される
と、ミッションケース104からの動力によりロータリ
ケース152が回動され、アーム157も同時に回動さ
れて、左右の一対の移植爪151・151は同時に、昇
降ガイド153に沿って下降し、移植爪151は略楕円
軌跡を描いて下降する。そして、下端位置まで下降する
と、開閉カム161の回動により、該開閉カム161に
当接した当接アーム165が回動されて(開閉カム16
1の小径部に当接する)、爪支点軸163・163を中
心に爪体129が回動されて、移植爪151・151が
開かれ、畝125中の下端位置で苗が落下放出されるの
である。更に回動すると、移植爪151・151が上昇
されて、上昇位置で開閉カム161の回転により左右一
対の移植爪151・151が同時に閉じられるのであ
る。
【0108】両実施例間での相違点の十一、十二につい
て説明する。第二実施例の野菜移植機101には、移植
爪151への灌水機構が備えられる。つまり、該野菜移
植機101には、水タンク186(相違点の十一)およ
び灌水ポンプ187(相違点の十二)が備えられる。第
一実施例の野菜移植機1は、灌水機構を備えない。
【0109】移植爪151への灌水機構について、図1
4、図15、図17、図22、図25を用いて説明す
る。該灌水機構は、シャーシに設ける水タンク186お
よび灌水ポンプ187と、移植爪151の内部に挿入さ
れる灌水管188と、これらの部材間を連結するパイプ
やホース等の連通部材からなる。
【0110】一対の水タンク186・186は、図1
4、図15に示すように、前後方向では、前記前パイプ
フレーム102fと前記橋架フレーム102jとの間
で、左右方向では、エンジン3およびミッションケース
4の側方となる部位に配置され、野菜移植機1の機体前
側部に配置される。水タンク186の支持構成は、次の
ようなものである。前記前パイプフレーム102fと前
記橋架フレーム102jとの間には、図17に示すよう
に、矩形状の支持フレーム108aが橋架され、支持フ
レーム108aの下端には第一ガイドフレーム108b
が固設されている。第一ガイドフレーム108bは、正
面視「L」字状、側面視および平面視では矩形状となる
環状のフレームであり、右端部が上方に延出している。
また、左側の前記連結フレーム102h上には、下方が
開放側となる「コ」字形状の第二ガイドフレーム108
cが固設されている。支持フレーム108aは側面視で
は、上方が開放側となる「コ」字形状のフレームであ
り、支持フレーム108aの最下位置は、前パイプフレ
ーム102fおよび橋架フレーム102jの下方となっ
ている。このため、支持フレーム108a上に載置され
る左右一対の水タンク186・186は、前後方向に滑
ることがない。また、一対の水タンク186・186の
右側には、第一ガイドフレーム108bの上方延出部が
位置し、左側には、第二ガイドフレーム108cが位置
する。このため、水タンク186・186は、左右への
傾動を制止される。以上のようにして、水タンク186
・186は、機体前側部の各フレームにより安定的に支
持される。
【0111】灌水ポンプ187は、図25に示すよう
に、後パイプフレーム102d上に立設した支柱217
に支持される。支柱217上には支持フレーム187a
が固設され、支持フレーム187aの前部にシリンダ1
87bが固設される。シリンダ187bには後方に延出
するプランジャ187cが挿入されており、プランジャ
187cの後端にはローラ187dが回動自在に設けら
れている。また、支持フレーム187aの後部には、ロ
ーラ187dと当接するアーム187eが枢支されてお
り、アーム187eの反枢支側の端部には、ローラ18
7fが回動自在に設けられている。一方、前記植付出力
軸104aにはスプロケット127・127間に、図2
1に示すように、カム192が固設されており、該カム
192はローラ187fと当接する。そして、植付出力
軸104aの回転により、ローラ187fを枢支するア
ーム187eが前後回転し、ローラ187dを介してプ
ランジャ187cが進退動されて、灌水ポンプ187が
駆動する。以上のように、移植部120を駆動する植付
出力軸104aにカム192を設けて、灌水ポンプ18
7の駆動を行っているので、灌水ポンプ187からの水
送出タイミングと、移植部120における移植爪151
・151の植付けタイミングとを、同調させることが可
能である。
【0112】シリンダ187bには、吸入口と吐出口と
が設けられ、吸入口と水タンク186とが灌水ホース1
98aを介して連結され、吐出口と移植爪151に設け
る灌水管188とが同じく灌水ホース198bを介して
連結される。
【0113】灌水管188は前記移植爪支持体160に
固設されており、一端が移植爪支持体160の前方に延
出して灌水ポンプ187の吐出口と連結され、他端が移
植爪151の爪体128・129間に挿入されている。
以上のようにして、灌水ポンプ187の駆動により、水
タンク186内の水を灌水ホース198a・198bを
介して、移植爪151内に挿入した灌水管188に送水
して灌水する構成としている。このため、苗が土中に安
定して保持されると共に、植付直後の給水作業も不要と
なり、活着性が向上する。
【0114】両実施例間での相違点の十三について説明
する。第二実施例では、前記灌水機構を備えることに伴
って、移植爪151のスクレパー機構が備えられる。第
一実施例では、スクレパー機構は備えない。
【0115】移植爪151のスクレパー機構について、
図22、図26、図27を用いて説明する。移植爪15
1には、前記灌水機構により水が供給される。本スクレ
パー機構は、植付時に供給される水のため、畝中への貫
入時に爪体128・129に付着する泥を除くものであ
る。前記後フレーム102b・102bの前部下面には
それぞれ、図22に示すように、支持フレーム201・
201が固設されており、各支持フレーム201の下端
部に支持アーム202が枢支されて昇降回動自在であ
る。支持アーム202の前後中途部と、後フレーム10
2bの支持フレーム201後部とには、スプリング20
3が張設されており、支持アーム202の開放端(反枢
支側端部)が常時上方に付勢されている。
【0116】支持アーム202には、該支持アーム20
2に沿って移動自在とされる移動体204・204がそ
れぞれ設けられており、左右の移動体204・204間
に一対のスクレパーワイヤー205・205が張設され
ている。一対であるスクレパーワイヤー205・205
は、中央部で交わるように平面視「X」字状に設けら
れ、スクレパーワイヤー205・205と移動体204
・204とによって、二つの空間が生じるようにしてい
る。スクレパーワイヤー205・205は、移植爪15
1・151との位置関係では、移植爪151・151の
左右外側に張設されており、移植爪151・151の外
周に当接するように配置されている。そして、前記空間
の一方に、一方の移植爪151の爪体128・129が
挿入され、前記空間の他方に、他方の移植爪151の爪
体128・129が挿入される。また、スクレパーワイ
ヤー205・205の一端側(本実施例左側)は、それ
ぞれスプリング206を介して移動体204に連結され
ている。このため、移植爪151の上下動に伴って、ス
クレパーワイヤー205・205は爪体128・129
の外周に当接したまま、前後に伸張および収縮する。
【0117】このため、ロータリケース152の駆動に
よる移植爪151の上下動に伴って、スクレパーワイヤ
ー205・205により、移植爪151の外周の付着物
を除去することができる。特に、移植爪151に灌水す
る灌水機構を設けた場合には移植爪151の外周に泥が
付着するが、スクレパーワイヤー205・205によ
り、該泥を除去可能である。また、本実施例(第二実施
例)では、スクレパーワイヤー205・205を交差さ
せる構成としたが、スクレパーワイヤー205・205
を左右方向に平行に設けるようにしてもよい。なお、以
上の効果は、スクレパーワイヤー205・205の支持
構造を、機体フレーム102(後フレーム102b・1
02b)に対し昇降回動自在とした支持アーム202・
202に設ける構成に限定されない。スクレパーワイヤ
ー205・205が、移植爪151・151の左右に配
置される構成であれば、機体フレーム102に対して固
定した状態で張設する構成であっても良い。
【0118】スクレパーワイヤー205・205は、前
述したように、機体フレーム102に対し揺動自在とし
た支持アーム202・202に設けられており、移植爪
151の上下動に伴って上下動する。図22に示すよう
に、移植爪151が最上位置(苗受取位置)にあるとき
には、支持アーム202・202も最上位置にあり、移
植爪151が下端位置(苗植付位置)にあるときは、最
下位置となる。移植爪151が最上位置のとき、爪体1
28・129の下端部のみが前記空間に挿入され、移植
爪151が下端位置のとき、爪体128・129の上部
が前記空間内に位置する。また、前記空間は移植爪15
1の下降に伴って、三角形状(移植爪151の最上位
置)から五角形状(図26に図示)に拡張する。
【0119】以上のように、上下動する移植爪151に
対し、スクレパーワイヤー205・205が、移植爪1
51の上昇時に移植爪151の下端に位置し、下降時に
移植爪151の上部に位置するように構成して、移植爪
151の上下動にスクレパーワイヤー205・205が
連動するようにしている。このため、移植爪151の上
下動によって、移植爪151とスクレパーワイヤー20
5・205との当接部位に加わる衝撃を和らげて、該当
接部位の摩耗の防止と、移植爪151が上下動時に受け
る抵抗の軽減とが図られるようにしている。前記衝撃
は、支持アーム202を上方に付勢するスプリング20
3により、吸収されて低減される。
【0120】前記移動体204は、図27に示すよう
に、機体外側を開放側とする断面視「コ」字状の取付部
材207を備え、該取付部材207の開放側(図27中
左側)の上下間を連結ピン208・208により連結
し、支持アーム202を囲うようにしている。取付部材
207の閉鎖側端面(図27中右側端面)には、機体内
側へ延出するプレート219が固設されており、該プレ
ート219には一対の取付孔219a・219aが形成
されている。該取付孔219a・219aに、左側の移
動体204においては、スクレパーワイヤー205・2
05の端部に設ける前記スプリング206の一端が取付
けられる。また、右側の移動体では、該取付孔219a
・219aに、スクレパーワイヤー205・205の他
端(反スプリング206側端)に取り付けた取付板20
5a・205aが、連結ピン220・220を介して連
結される。そして、左右の移動体204・204間で、
スクレパーワイヤー205とスプリング206との連結
体が一対、張設されるようにしている。一方、前記連結
ピン208・208にはそれぞれ、同軸上にローラ20
9が設けられており、ローラ209は連結ピン208に
対して回動自在である。そして、ローラ209・209
は、スプリング206による機体内向きへの付勢力によ
り支持アーム202側面に当接し、支持アーム202に
沿って転動可能である。以上構成により、移動体204
・204は、支持アーム202に沿って摺動自在であ
る。
【0121】以上のようにして、スクレパーワイヤー2
05・205の両側は、機体フレーム102(後フレー
ム102b・102b)に対して昇降回動自在に設けた
支持アーム202・202に、移動体204・204を
介して、摺動自在に取り付けられている。また、支持ア
ーム202・202は、左右一対設けた移植爪151・
151の外側に位置している。このため、上下に移動す
る移植爪151の移動軌跡が側面視曲線状となり、移植
爪151が上下動に加えて前後動をも行う場合でも、ス
クレパーワイヤー205・205が移植爪151に追従
して前後動でき、スクレパーワイヤー205・205と
移植爪151外周との当接が確実に行われる。したがっ
て、移植爪151外周の付着物(泥)の除去作業の効率
が向上する。
【0122】次に、覆土輪122の支持構成について図
28乃至図31より説明する。前記左右の後フレーム1
02b・102bの前後中途部下面から下方にステー1
72・172が突設され、該ステー172・172に覆
土輪フレーム173の前端が支点軸180により枢支さ
れて枢支部としている。該枢支部近傍に後述するロック
部189が設けられている。該覆土輪フレーム173は
平面視U字状に構成し、後端部より後方にハンドル17
4を突出し、左右中央部より上方に支持ステー175を
突設し、下方に取付フレーム176を垂設している。
【0123】前記取付ステー176下端に前後方向に枢
支軸190を突設し、該枢支軸190上に覆土輪支持フ
レーム191の下部を枢支している。該覆土輪支持フレ
ーム191は後面視において、横「E」型に構成して、
中央のフレーム下部に前記枢支軸190を枢支し、左右
両側のフレームと中央のフレームの下部の間に覆土輪1
22・122・122・122を左右一対ずつ回転自在
に配置している。この一対の覆土輪122・122・・
・は前記移植爪151・151の進行方向の線を跨ぐ構
成としている。こうして、左右中央下部に枢支軸90を
配置して左右の覆土輪122・122・・・を左右傾倒
自在に支持して、畝125上面の傾斜に追随して覆土精
度を高め、移植後の苗126の根部の両側を押さえる構
成としている。
【0124】覆土輪122・122・・・は、覆土輪支
持フレーム191に次のようにして支持されている。覆
土輪支持フレーム191の左右下端部にはそれぞれ、図
29、図30に示すように、前後方向に延出する支持フ
レーム210が固設されており、支持フレーム210の
前端部には覆土輪支持フレーム191の内側へ延出する
車軸211が突設されている。該車軸211に覆土輪1
22が回動自在に支持される。覆土輪支持フレーム19
1の中央下端部にも、前後方向に延出する支持フレーム
212が固設されており、支持フレーム210の前端部
には左右両側へ延出する車軸211・211が突設され
ている。該車軸211に覆土輪122が回動自在に支持
され、中央の支持フレーム212により二輪の覆土輪1
22・122が支持される。また、覆土輪支持フレーム
191の下部となる該支持フレーム212に、前記枢支
軸190が回動自在に設けられている。
【0125】両実施例間での相違点の十四について説明
する。第二実施例では、前記灌水機構を備えるために、
覆土輪122・122のスクレパー機構が備えられてい
る。第一実施例には、覆土輪22・22のスクレパー機
構は備えない。
【0126】左右の支持フレーム210・210の後端
部にはそれぞれ、図29、図30に示すように、覆土輪
支持フレーム191の内側へ延出するスクレパー213
が固設されている。スクレパー213は覆土輪122の
外周後端に当接し、覆土輪122の外周形状に合わせて
切欠きを設けた平面視略矩形状(台形状)に形成され
る。同じく、中央の支持フレーム212の後端部にも、
左右両側へ延出する一対のスクレパー213・213が
固設されている。各スクレパー213はそれぞれ覆土輪
122の外周後端に常時当接し、覆土輪122の外周上
に付着した泥等の付着物を除去する。このため、前記灌
水機構により移植爪151内への灌水を行って畝上に泥
が生じても、覆土輪122に付着した泥を除去できる。
【0127】両実施例間での相違点の十五について説明
する。第二実施例では、覆土輪122・122間のトレ
ッドを調整可能に構成されている。第一実施例では、覆
土輪22・22のトレッドは固定に構成されている。
【0128】前記左右で一対ずつ設けられる覆土輪12
2・122は、両覆土輪122・122間のトレッドを
調整可能に構成されている。前記車軸211には、図3
0に示すように、該車軸211の延出方向に沿って、外
径の異なる二つの部位が形成されている。両部位は、覆
土輪122に挿入される枢支部211aと、支持フレー
ム210・212への固設側の基部211bとである。
基部211bは枢支部211aより外径が大きく形成さ
れている。枢支部211aは、覆土輪122中央部の車
軸支持部の左右幅よりも長く形成されており、車軸21
1上での覆土輪122の取付位置を、枢支部211aに
沿って調整可能である。車軸211の先端(反固設側
端)に、枢支部211aの外径より幅広とした制止板2
14を配置し、ボルト215により締結固定して、車軸
211から覆土輪122が脱落するのを防止する。ま
た、枢支部211aの同軸上にボス216を設けて、覆
土輪122が枢支部211aに沿って摺動することを制
止する。図30において、左端の覆土輪122のよう
に、枢支部211aの後端側にボス216・216を配
置することで、該覆土輪122の取付位置を右側(内
側)に寄せることができる。該覆土輪122に対向する
左から二番目の覆土輪122は、図30においては、枢
支部211aの先端側および後端側に一つずつボス21
6をそれぞれ配置している。該覆土輪122において
も、枢支部211aの後端側にボス216・216を配
置することで、該覆土輪122の取付位置を左側(外
側)に寄せることができる。以上のようにして、対抗す
る一対の覆土輪122・122間のトレッドを、狭める
ことが可能である。対向する覆土輪122・122間に
おいて、枢支部211aの先端側にボス216・216
を配置すると、両覆土輪122・122間のトレッドは
広げられる。
【0129】以上のように、覆土輪122の車軸211
を、外径の異なる二つの部位を有すると共に、短径側の
部位である枢支部211aの形成長さを、覆土輪122
が摺動自在となる長さとし、ボス216を設けて覆土輪
122の摺動を制止する構成とすることで、対向する覆
土輪122・122間のトレッドの調整が可能である。
ボス216を、覆土輪122に対し、枢支部211aの
先端側もしくは後端側に付け替えるだけで覆土輪122
の左右取付位置を調整可能であり、調整構造が簡単で耐
久性に優れると共に、調整が容易である。
【0130】前記支持ステー175の上部に左右方向に
枢支軸77を設け、該枢支軸177に延設部材となるガ
イド杆178の一側が摺動自在に挿入され、該枢支軸1
77の両側のガイド杆178上には付勢部材となるバネ
179a・179bが外嵌されている。該ガイド杆17
8の他端は前記ハンドルフレーム106(中フレーム6
M)の後部に支点軸181により回転自在に支持されて
いる。このように構成することによって、前記覆土輪1
22は前記バネ179bの付勢力により下方へ押圧する
ように付勢されている。そして、作業終了時や回行する
ときに、ハンドル174を持って覆土輪122を上昇さ
せると、枢支軸177が支点軸180・181を結ぶ線
上よりも上方に位置すると死点越えとなって、覆土輪1
22を上昇した位置に維持することができるのである。
【0131】次に、覆土輪122を上昇させた位置にロ
ックするためのロック部189の構成について、図2
8、図31を用いて説明する。前記枢支部近傍にはロッ
ク部189が設けられている。該ロック部189は前記
覆土輪フレーム173の回動基部側に枢支軸193によ
りロックアーム94の一端を枢支し、該ロックアーム1
94の他側には長手方向と上方(支点軸180に対して
半径方向)に延びるL字状の長孔194aが形成され、
一方、機体フレーム102(後フレーム2b)の前記ス
テー172よりも上方位置に係止ピン195を突出し
て、該係止ピン195を前記長孔194aに挿入してい
る。
【0132】更に、前記ロックアーム194の他端(上
端)にワイヤー196とバネ197の一端が連結され、
該バネ197の他端は前方の後フレーム102bに連結
されてロックアーム194を前方へ回動するように付勢
し、ワイヤー196の他端は前記昇降レバー132の回
動基部設けたアーム199と連結している。該昇降レバ
ー132には更に図示しないワイヤー等を介してエンジ
ン103近傍に設けた油圧操作レバーと連結され、該昇
降レバー132の操作により前記油圧シリンダ119を
作動させて機体を昇降可能としている。
【0133】このような構成において、前記ハンドル1
74を持ち上げて覆土輪122を上昇させると、ロック
アーム194も持ち上げられて、係止ピン195が長孔
194aに沿って下降し、覆土輪122が上昇位置で前
述の如く死点越えによって上昇位置で維持される位置に
至ると、係止ピン195が長孔194aの垂直部194
bに入り、ロックアーム194はバネ197の引っ張り
力により下方へ回動付勢され、係止ピン195が長孔1
94aの垂直部194bに維持され、覆土輪122が自
重等により下方へ回動しようとしても、垂直部194b
に係止ピン195が係合されて回動できず、覆土輪12
2は上昇位置にロックされることになる。そして、作業
開始時や回行後の作業再開時に、昇降レバー132を機
体が下降するように、前方へ回動操作すると、ワイヤー
196が引っ張られてロックアーム194を後方へ回動
し、この回動によって長孔194aの内面が係止ピン1
95を下方に押して覆土輪フレーム73を下方へ押し、
死点越え部分を通過させて覆土輪122を下げるのであ
る。つまり、昇降レバー132の下降操作に連動して覆
土輪122を下降することができるのである。このよう
にして昇降レバー132の下降操作で覆土輪122も同
時に下降させて操作性を向上しているのである。なお、
本実施例においては、2条植えとしているが、移植爪及
びその駆動機構を更に一対左右方向に付加して4条植え
とすることも可能である。また、本実施例では走行部が
進行方向右側に偏心しているが、左側に偏心した構成と
することも可能である。
【0134】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏するのである。即ち、請求項
に示す如く、長円状に連結した苗搬送体を連続的に回
転駆動しながら、苗搬送体に苗を挿入して、受継部で苗
を移植爪内に投入し、該移植爪を畝中へ移動して開いて
移植する野菜移植機において、該苗搬送体は両側に連結
部を配置して無端状に連結し、該苗搬送体の搬送方向前
側にシャッターの前部を枢支し、該シャッターの後部左
右一側に、シャッターを開閉するローラを配置した
で、搬送方向に対し前高後低となる傾斜面を設けること
で、ローラが傾斜面に引っ掛かることなく移動に伴って
徐々にシャッターを閉じさせることができる。
【0135】請求項2に示す如く、苗搬送体を連結体と
ポットより構成し、該ポットを連結体に対して着脱自在
に構成したので、苗を挿入するポットと、ポットの取付
基部となる連結体とが別体であるので、ポットの破損時
等には該ポットのみを交換するだけでよく、メンテナン
ス性が向上する。
【0136】請求項3に示す如く、前記連結体は嵌合環
の両側に連結部を配置して無端状に連結し、前記ポット
は上部が拡開した筒状に構成し、前記嵌合環の内周と、
前記ポットの外周に、それぞれ凹部または凸部を設けて
嵌合可能としたので、ポットには上方より苗を挿入し易
い。また、連結体からのポットの抜けが防止される。特
に、ポットを合成樹脂製とすると、ポットを撓ませてポ
ットと連結体との係合・離脱を図ることができ、係合・
離脱が容易である。
【0137】請求項4の如く、前記シャッターを金属製
とし、前記ローラーを合成樹脂で構成したので、折曲加
工によりシャッターに回動支持部やローラの取付部を一
体成型可能であると共に、剛性を保つことができる。ロ
ーラが当接する部位を金属製としても、相互が摩耗した
り、異音が発生するのを、防止できる。
【0138】請求項5の如く、前記連結体は嵌合環の両
側に連結部を配置して無端状に連結し、機体フレーム上
の左右両側に配置したスプロケットに嵌合環が当接する
ように配設するとともに、該スプロケットの中心部に位
置調整部を形成したので、前記受継部において、ポット
を備える連結体から移植部への苗の受渡しに際し、位置
調整部での位置調整により、連結体による苗搬送と、移
植部での苗搬送とのタイミング合わせを図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る歩行型野菜移植機の全
体的な構成を示した側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】機体フレームとミッションケース部分の側面図
である。
【図4】機体フレーム部分の平面図である。
【図5】苗供給部の平面図である。
【図6】受継部の後面断面図である。
【図7】同じく平面図である。
【図8】移植部の後面図である。
【図9】同じく側面図である。
【図10】同じく平面図である。
【図11】移植爪の側面断面図図である。
【図12】覆土輪支持部の側面図である。
【図13】覆土輪部分の後面図である。
【図14】本発明の第二実施例である歩行型野菜移植機
101の全体的な構成を示した側面図である。
【図15】同じく平面図である。
【図16】機体フレームとミッションケース部分の側面
図である。
【図17】機体フレーム部分の平面図である。
【図18】苗供給部の平面図である。
【図19】受継部の後面断面図である。
【図20】同じく平面図である。
【図21】移植部の後面図である。
【図22】同じく側面図である。
【図23】同じく平面図である。
【図24】昇降ガイド153およびロータリケース15
2の支持構造を示す側面図である。
【図25】灌水ポンプ187を示す側面図である。
【図26】移植爪151のスクレパー機構を示す平面図
である。
【図27】同じく後面図である。
【図28】覆土輪支持部の側面図である。
【図29】同じく平面図である。
【図30】同じく後面図である。
【図31】同じく後面図である。
【符号の説明】 1・101 野菜移植機 2・102 機体フレーム 7・107 苗供給部 20・120 植付部 25・125 畝 26・126 苗 40・148 苗搬送ポット 140 ポット取付基部 50・150 受継部 51・151 移植爪 140 ポット取付基部 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年2月26日(2003.2.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 野菜移植機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長円状に連結した
苗搬送体を連続的に回転駆動しながら、苗搬送体に苗を
挿入して、受継部で苗を移植爪内に投入して、該移植爪
を畝中へ移動して開いて移植する野菜移植機に関し、特
に、玉葱の苗を二条ずつ移植する移植機の技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、移植爪を左右一対有し、該移
植爪の上方に苗供給部を配置して、苗を苗供給部のカッ
プ内に挿入して、該苗を挿入したカップを受継部へ搬送
して、該受継部においてカップより移植爪内に苗を落下
させて投入して、該移植爪を畝中に下降させながら移動
して、下端側において移植爪を開いて苗を植えつける野
菜移植機が公知となっている。
【0003】例えば、特開2002−84826の技術
である。この技術は、2条植えの植付部を備えたもので
あり、左右一対の苗供給装置と左右一対の移植爪を有
し、苗供給装置は苗供給カップを複数円周上に配置した
ターンテーブルを左右一対配置して、ターンテーブルに
取り付けたラチェットを回動して間欠駆動し、苗供給カ
ップより順に移植爪に落下させて、移植する構成として
いた。また、ターンテーブルの代わりに、苗供給カップ
を弾性体からなるチェーンで互いに連結して、駆動輪と
従動輪の間に巻回して苗供給カップを長円状に配置し
て、間欠駆動して移植するようにしていた。また、駆動
輪および従動輪は十文字状に形成されて、駆動輪および
従動輪の外周には、苗供給カップとの当接部が四つ形成
される構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の野菜移
植機では、苗供給カップは成形性が容易で軽量であるた
めに合成樹脂で形成され、そして、該苗供給カップをチ
ェーンで連結し、苗供給カップの側面に駆動輪が直接当
接して回転駆動されるので、苗供給カップの外周が削れ
ることがあり、また、過負荷がかかって変形した場合な
どは全てのカップを交換する必要があった。また、苗供
給カップから移植爪への受継位置が正確に一致していな
いと、苗が確実に移植爪に受け渡すことができないが、
従来の弾性体のチェーンで苗カップを連結すると、伸び
が発生し、ターンテーブルに比べて位置決めを正確にす
ることが難しく、調整も容易でなかった。また、駆動輪
および従動輪が十文字状で外周上に苗供給カップとの当
接部が四つのみ形成される構成のため、長円状となる苗
供給カップ連の端部(円弧状部)には、2または3の苗
供給カップのみが位置する。作業者は、前記端部(円弧
状部)に位置する苗搬送体に苗の供給を行うが、この部
位に位置する苗供給カップの数が少ないと、苗供給が行
われないうちに苗搬送体が端部(円弧状部)より移動し
てしまうなど、苗供給を失敗する恐れがある。そこで、
本発明は効率の良い作業ができる移植機の苗供給装置を
提供しようとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。請求項1においては、長円状に連
結した苗搬送体を連続的に回転駆動しながら、苗搬送体
に苗を挿入して、受継部で苗を移植爪内に投入し、該移
植爪を畝中へ移動して開いて移植する野菜移植機におい
て、該苗搬送体は苗搬送ポットとポット取付基部により
構成され、隣接するポット取付基部間において、一方の
ポット取付基部の第一連結部と、他方のポット取付基部
の第二連結部とを平面視重複配置し、該第一連結部およ
び第二連結部の上方より枢支ピンを挿入して互いに左右
回動自在に枢結された無端体とし、該ポット取付基部間
の連結箇所である第一連結部および第二連結部の下方に
は、シャッター支持部143cを設け、該シャッター支
持部143cに、シャッター145の回動支点である回
動支持部145bと、該回動支持部145bに挿入され
る支点ピン146を水平方向に枢支し、該苗搬送体の搬
送方向前側にシャッター145の前部を枢支し、該シャ
ッター145の後部左右一側に、シャッター145を開
閉するローラを付設したものである。
【0006】請求項2においては、請求項1記載の野菜
移植機において、苗搬送体を苗搬送ポットとポット取付
基部により構成し、該苗搬送ポットをポット取付基部
対して着脱自在に構成したものである。
【0007】請求項3においては、請求項2記載の野菜
移植機において、前記ポット取付基部は嵌合環の両側に
連結部を配置して無端状に連結し、前記苗搬送ポット
上部が拡開した筒状に構成し、前記嵌合環の内周と、前
苗搬送ポットの外周に、それぞれ凹部または凸部を設
けて嵌合可能としたものである。
【0008】請求項4においては、請求項1記載の野菜
移植機において、前記シャッターを金属製とし、前記ロ
ーラーを合成樹脂で構成したものである。
【0009】請求項5においては、請求項1記載の野菜
移植機において、前記ポット取付基部は嵌合環の両側に
連結部を配置して無端状に連結し、機体フレーム上の左
右両側に配置したスプロケットに嵌合環が当接するよう
に配設するとともに、該スプロケットの中心部に位置調
整部を形成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】これより、本発明の二つの実施形
態を説明する。まず、本発明の第一実施例の野菜移植機
1について、図1から図13を用いて説明する。図1は
本発明の第一実施例である歩行型野菜移植機の全体的な
構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は機体
フレームとミッションケース部分の側面図、図4は機体
フレーム部分の平面図、図5は苗供給部の平面図、図6
は受継部の後面断面図、図7は同じく平面図、図8は移
植部の後面図、図9は同じく側面図、図10は同じく平
面図、図11は移植爪の側面断面図、図12は覆土輪支
持部の側面図、図13は覆土輪部分の後面図である。
【0011】第一実施例である、玉葱用の歩行型の野菜
移植機1について全体構成から説明する。図1、図2に
おいて、野菜移植機1は、機体フレーム2の前部上にエ
ンジン3を載置し、前後中央部上に走行ミッションケー
ス4と植付けミッションケース5を配置し、機体フレー
ム2の後部上から後方にハンドル部材となるハンドルフ
レーム6を水平方向に連設して、該ハンドルフレーム6
の中途部上に苗供給部7を配置し、ハンドルフレーム6
後部を運転操作部9としている。
【0012】前記機体フレーム2の前部には前輪支持軸
10を横架し、該前輪支持軸10の両側に前輪支持フレ
ーム11・11の一端を取り付け、該前輪支持フレーム
11・11の他端に前輪12・12を支持している。ま
た、機体フレーム2の中途部より回動支持軸13・14
を横架し、走行ミッションケース4より後輪駆動軸15
を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸15の両側に駆
動ケース16・16を連設して、該駆動ケース16・1
6の後部に後輪17・17を支持している。そして、前
輪支持フレーム11と駆動ケース16はリンク機構を介
して連結されるとともに、機体フレーム2下部に設けた
油圧シリンダ19とリンク機構を介して駆動ケース16
が連結され、該油圧シリンダ19を伸縮させることによ
り前輪支持フレーム11と駆動ケース16が前輪支持軸
10及び後輪駆動軸15を中心に回動されて、機体を昇
降可能としている。
【0013】そして、植付けミッションケース5の後部
であって後述する後フレーム2b・2b(図3、図4に
図示)の間の苗供給部7の下方に移植部20が配置さ
れ、後フレーム2b・2bで保護できるとともに、該移
植部20は移植爪51を昇降して、上端位置で苗供給部
7より苗26を受け取り、下端位置で移植爪51を開い
て畝25中に苗を落下させて、その後方に配置した覆土
輪22により苗の根部に土を寄せて覆土して移植する構
成としている。
【0014】次に、各部の構成を説明する。まず、走行
部及び植付け部を支えるシャーシから説明する。図3、
図4に示すように、シャーシは機体フレーム2と、該機
体フレーム2に連設する走行ミッションケース4と植付
けミッションケース5と、該走行ミッションケース4と
植付けミッションケース5とを連結する連結部材となる
連結プレート30と、前記植付けミッションケース5と
機体フレーム2を連結するハンドルフレーム6から構成
され、それぞれを連結固定することにより補強部材を必
要とせず補強し合い、剛性を高める構成としている。
【0015】前記機体フレーム2は側面視略逆「へ」字
状に構成して、該機体フレーム2を前フレーム2aと後
フレーム2bから構成して略前後中央部で連結し、該前
フレーム2aはプレート状に構成してその前部上にエン
ジン3を載置固定し、後部上にステー2cを介して走行
ミッションケース4を載置固定している。前記後フレー
ム2bは横フレーム2dから左右両側より後方へパイプ
を延設した平面視Π状に構成して、該前部の左右水平方
向の横フレーム2dに前フレーム2a後端を固設してい
る。左側の後フレーム2bの前後中途部上より中柱2e
を立設している。また、前フレーム2a後部に前記回動
支点軸13を支持して側方に突出し、横フレーム2d延
長上に回動支点軸14を支持し、走行ミッションケース
4下部に後輪駆動軸15をそれぞれ左右水平方向に平行
に支持している。
【0016】そして、前フレーム2aの前後方向の左右
中心線を走行部(機体)の中心線として、左右一側(本
実施例では進行方向左側)に偏位して、回動支持軸13
・14と後輪駆動軸15が側方に延設されて、野菜移植
機1が畝25を跨いで走行するときに、走行部が左右一
側に偏位して走行し、後述するように往路と復路で左右
一側2列ずつ(往路で1条目と二条目を、復路で3条目
と4条目を)移植できるようにしている。なお、左右の
前輪12・12と後輪17・17は畝25の形状や幅等
に合わせて左右位置(車幅)を調整できるようにしてい
る。
【0017】そして、図2、図3に示すように、前記後
フレーム2bの後部上及び中柱2e上部にハンドルフレ
ーム6の前部が連結され、該ハンドルフレーム6の前部
を植付けミッションケース5上部と連結し、前後中途部
上に苗供給部7と左右の苗載台31・31を支持し、後
部に昇降レバー32や主クラッチレバー33や作業レバ
ーやアクセルレバーやサイドクラッチレバーや高さ調節
レバー等の操作レバーを配置している。
【0018】前記ハンドルフレーム6は、平面視「E」
状に右フレーム6Rと中フレーム6Mと左フレーム6L
から構成し、右フレーム6Rと中フレーム6Mの前部間
に植付けミッションケース5を支持固定し、前後中途部
間に連結プレート34を架設して、該連結プレート34
の下面に前記右側の後フレーム2b後端上部が固設され
る。このようにして3者が互いに連結固定されて剛性を
アップしている。該連結プレート34下部には苗供給部
7の駆動ケースが付設される。
【0019】また、中フレーム6Mと左フレーム6Lの
前後中途部間に補強パイプ6aが連結され、該左フレー
ム6Lの前部下面には前記中柱2e上端が連結固定され
る。このようにして、右フレーム6Rと中フレーム6M
と左フレーム6Lの間で連結固定することで剛性をアッ
プしている。また、右フレーム6Rの前後中途部より苗
載台フレーム35が外側方に突設されて苗載台31を取
り付け、左フレーム6Lより苗載台フレーム36を外側
方に突設して苗載台31を取り付けている。
【0020】本実施例では、機体右側のハンドルフレー
ム6側部の後輪17後方(苗供給部7の右斜め後方)に
主作業者23が位置し、機体左側のハンドルフレーム6
側部の後輪17後方(苗供給部7の左斜め後方)に補助
作業者24が位置し、或いは、一人作業の場合は機体右
側のみ位置し、主作業者23は前記操作レバーを操作す
るとともに、苗載台31から苗26を取り、苗供給部7
の各苗搬送ポット40に一つずつ(あるいは所定本数ず
つ)苗を挿入していく。補助作業者24は主作業者23
が苗搬送ポット40に挿入できなかった苗搬送ポット4
0に苗を挿入して補完する。
【0021】前記走行ミッションケース4と植付けミッ
ションケース5はそれぞれ上下方向に向けて機体中央部
の前後に並設され、該走行ミッションケース4と植付け
ミッションケース5の左右一側に連結プレート30を貼
設して両ケースを連結する構成として一体的な構成物と
している。そして、前述のように前フレーム2aの後部
上に走行ミッションケース4を固設し、後フレーム2b
上部にハンドルフレーム6を介して植付けミッションケ
ース5の上部を固設している。こうして,側面視におい
て、機体フレーム2が逆「へ」字状に折れ曲がり状に構
成されている中央の凹部上方を、走行ミッションケース
4と植付けミッションケース5と連結プレート30によ
り連結固定することによって、側面視で三角形を構成す
ることができて剛性を高めているのである。
【0022】次に、苗供給部7について図2、図5、図
6、図7より説明する。図2に示すように、前記左フレ
ーム6Lの中途部より、補助作業者24側(機体中心と
反対側)へ平面視U字状の支持フレーム37が水平側方
へ突設され、該支持フレーム37とハンドルフレーム6
の前後中途部上に、板体を長円形(長リング形)に構成
した苗搬送台39が略水平に固設されている。
【0023】そして、図2、図5に示すように、駆動ス
プロケット41が連結プレート34上に、従動スプロケ
ット42が支持フレーム37上にそれぞれ回転自在に支
持して配置され、該駆動スプロケット41と従動スプロ
ケット42にチェーン状に連結した苗搬送ポット40連
が巻回されている。該駆動スプロケット41へは前記植
付けミッションケース5よりチェーン等の伝動機構を介
して動力が伝達される。このようにして苗供給部7が構
成される。
【0024】こうして、苗搬送台39が機体中心から偏
位した車輪(前輪12・後輪17)側へ延設されること
で、苗供給部7が畝25を跨ぐように配設されて、二条
植えの場合、四条の植付け幅を跨ぐようになり、畝25
の両側に位置する主作業者23と補助作業24の両者が
苗供給部7に対面して苗載台31より苗を取って苗搬送
ポット40に苗を供給できるようにしている。そして、
主作業者23が位置する走行部側に駆動スプロケット4
1を配置して苗供給部7を駆動するようにして、植付け
ミッションケース5からの駆動伝達経路が短く、伝達機
構をコンパクトに構成できるようにしている。また、苗
搬送ポット40連を長円形とすることで前後に左右方向
の直線部分(または円弧状の略直線部分)を構成するこ
とができて、左右方向の搬送距離を長くして苗を挿入す
るための時間を長くして苗供給を行なえる時間を長くし
て挿入抜けがないようにできて、移植するタイミングを
従来よりも速くすることで移植効率を上げられるように
している。なお、本実施例では苗搬送を長円形としてい
るが、少なくとも直線部分が苗供給部7と後述する受継
部50にあればよく、三角形状に構成することも四角形
状または多角形状に構成することも可能である。
【0025】前記苗搬送ポット40は、図6、図7に示
すように、筒体の上部を拡開した漏斗状に構成し、上方
より苗を挿入し易い形状としている。苗搬送ポット40
の下部外周には連結板43が直径方向に延設して水平方
向に固設され、該連結板43の端部同士が隣接する苗搬
送ポット40の連結板43と枢支ピン44により互いに
回動自在に枢結され、苗搬送ポット40と連結板43と
枢支ピン44によりチェーン状に連結して無端体を構成
して、チェーン等を不要として簡単な構成としている。
そして、該苗搬送ポット40の上下中途部側面に前記駆
動スプロケット41と従動スプロケット42の外周面が
当接するようにして、本実施例では平面視右回り回動し
て、補助作業者24側で反転して受継部50側へ苗を搬
送するようにしている。なお、駆動スプロケット41と
従動スプロケット42は上下複数枚(本実施例では二
枚)配置して、苗搬送ポット40の上下中途部に当接し
て安定して搬送できるようにしている。但し、チェーン
やベルト等の無端体に直接苗搬送ポット40を固定し、
チェーンまたはベルトを回動駆動する構成とすることも
可能である。
【0026】前記連結板43の一側の下部(搬送方向前
部が好ましい)にはプレート状の蓋体45の一側が支点
ピン46により枢支され、該蓋体45の他側の上面で前
記苗搬送ポット40の下面を蓋する構成としている。つ
まりシャッターとしている。そして、該蓋体45の他側
の下面の左右一側にはローラ47が回転自在に枢支さ
れ、苗搬送台39上を転動するようにしている。該ロー
ラ47は苗搬送ポット40毎に取り付けられるが、搬送
方向に対して左右交互にローラ47が配置されている。
つまり、一つの苗供給部7において、多数連結した苗搬
送ポット40・40・・・は偶数個とし、それぞれ順に
番号を付したときに、奇数に位置する苗搬送ポット40
と偶数に位置する苗搬送ポットでは搬送方向に対して交
互に左右逆側にローラ47・47・・・を配置している
のである。言い換えれば、奇数(または偶数)のローラ
47は内周側に、偶数(または奇数)のローラ47は外
周側に配置するのである。
【0027】そして、前記苗搬送台39は前記ローラ4
7が転動するレールの役目を果たしており、該苗搬送台
39の前記ローラ47が転動する経路において、受継部
50、つまり、機体上方の苗搬送台39の前部側に開口
部(または切欠)39a・39bを左右前後位置をズラ
せて並設配置して、該開口部39a・39bでローラ4
7を支えるものがなくなり支点ピン46を中心に蓋体4
5が下方に回動して、苗搬送ポット40の下方を開口
し、苗を移植部20に落下させるようにしている。
【0028】即ち、左右方向に長い長円形の苗搬送台3
9の前部右側の苗搬送ポット40の移動軌跡部に開口部
39a・39bを搬送方向に沿って開口し、該開口部3
9a・39bは苗搬送ポット40の底面積よりも大きく
して苗を落下できるようにするとともに、搬送方向に対
しては連結した苗搬送ポット40の3ピッチまたは5ピ
ッチ離れた位置に開口しており、この間隔は条幅(条間
隔)に合わせている。そして、進行方向に対して一方は
左右一側を、他方は左右他側をそれぞれローラ47が落
ち込むように位置を合わせて側方に大きく開口し、ロー
ラ47が位置しない側は苗搬送ポット40の底面よも若
干広げる程度で苗は落下する(蓋体45が下方へ回動で
きる)が、進行方向前後隣接する苗搬送ポット40に付
設されているローラ47は落ち込まないようにしてい
る。つまり、開口部39a・39bは苗搬送ポット40
の搬送方向中心線に対して、互いに左右逆側に広げて開
口している。そして、開口部39a・39b内における
進行方向終端側のローラ47が通過する位置には、徐々
に上昇して苗搬送台39のローラ47転動面につながる
スロープ(傾斜面)39c・39cがそれぞれ設けられ
て、ローラ47が引っ掛かることなく移動に伴って徐々
に蓋体45が閉じるようにしている。
【0029】このように、苗供給部7は長円状に苗搬送
ポット40・40・・・が配置されて、機体後方の主作
業者23と補助作業者24が位置する前を順に通過し
て、その通過時に苗26を苗搬送ポット40内に挿入
し、その前方の移植部20が位置する上方へ回転移動さ
せる。この移植部20上方位置において、3ピッチ離れ
たローラ47・47が同時に開口部39a・39b内に
落ち込み、蓋体45・45を下方に回動して開き、苗を
落下させて移植部20の移植爪51・51内に投入する
ようにしている。この落下させる部分を受継部50とす
る。つまり、受継部50は駆動スプロケット41が位置
する苗供給部7の駆動側に位置し、機体側に位置するこ
とによって移植部20と近づけることができて受継が良
好となる。そして、ローラ47・47はスロープ39c
・39cに当接して徐々に上昇して蓋体45・45を閉
じるのである。従って、一つの移植爪51に対して苗搬
送ポット40から一つおきに供給される。つまり、奇数
となる苗搬送ポット40は左右の開口部の左側(または
右側)、偶数となる苗搬送ポット40は右側(または左
側)の開口部で下方の蓋体45が開かれ、奇数と偶数で
左右の条(1条と2条または3条と4条)の移植爪51
・51に落下することになる。よって、同時2条の植付
けが可能となり、左右条の間隔も一定に保てるのであ
る。
【0030】次に、移植部20について図8乃至図10
より説明する。前記後フレーム2b・2bの間の機体中
央部における植付けミッションケース5の後方に移植部
20が配設され、該移植部20は、左右一側に配置され
駆動部となるロータリケース52と、左右中央部に位置
して受継部50から畝25へ搬送する左右の移植爪51
・51と、左右他側方に配置してガイド部となる昇降ガ
イド53と、これらを連結するアームやリンク等から構
成されている。ロータリケース52と昇降ガイド53は
左右機体フレーム2に固定され、この間に移植爪51・
51が配設され、該移植爪51・51は前記受継部50
の下方で側面視楕円状の軌跡で昇降するように構成され
ている。
【0031】前記ロータリケース52は一端が機体フレ
ーム2より左右水平方向に突設した支点軸54に回転自
在に支持され、該ロータリケース52の外側側面の支点
軸54外周部に伝動体となるスプロケット55が固設さ
れ、チェーン等の伝動手段を介して前記植付けミッショ
ンケース5と連動連結され、該移植部20と前記苗供給
部7が同期して駆動するように構成されている。なお、
スプロケット55の代わりに歯車等により伝動する構成
とすることもでき限定するものではない。
【0032】前記ロータリケース52内には三つの歯車
が直列的に配置してそれぞれ噛合され、ロータリケース
52他側より出力軸56を前記スプロケット55と反対
側に突出している。該出力軸56上にアーム57の一端
が固設されている。こうして、ロータリケース52が一
回転すると同時にアーム57が逆方向に一回転するよう
に前記歯車が設定されている。前記アーム57の他端に
連結軸59の一端が固設され、該連結軸59上に条幅に
合わせて移植爪支持体60・60の一側(前側)が軸受
を介して回転自在に支持されている。該移植爪支持体6
0・60の前後中途部間には連結補助軸62が連結され
て、剛性をアップしている。該移植爪支持体60は左右
のプレートより構成して、左右のプレート間の連結軸5
9上に開閉カム61を固設している。
【0033】前記移植爪支持体60の他側(後側)には
漏斗状のカップ60aを形成して、受継部50より苗が
入り易くし、該カップ60a下部に開閉可能に移植爪5
1を配置している。移植爪51の開閉機構は、前記カッ
プ60aの前部と後部に同距離はなれた位置に爪支点軸
63・63を左右水平方向に設け、該爪支点軸63に移
植爪51の上部の前後一端を枢支している。そして、移
植爪51は前後略対称に構成したくちばし状の爪部51
a・51aを合わせた状態で苗を収納支持し、開いた状
態で苗を落下させるようにしており、合わせる側の爪部
51a上部のカップ60aの左右両側に枢支軸64・6
4を設けて前後の爪部51a・51aを連結している。
そして、該枢支軸64・64とカップ60a上部との間
にバネ69・69を介装して、枢支軸64・64を持ち
上げるようにして、移植爪51を閉じるように付勢して
いる。
【0034】また、前記開閉カム61側に位置する爪部
51aの爪支点軸63上には当接アーム65の一端が枢
支され、該当接アーム65の他端にローラ66を設けて
前記開閉カム61の外周に当接するように構成してい
る。該当接アーム65と爪部51a上部との間には爪開
閉量調節機構67が設けられており、該爪開閉量調節機
構67は両者間にボルト68を螺装して、該ボルト68
を回動することにより両者の間隔を調節して、爪部51
aの回動量を調節できるようにしている。
【0035】つまり、前記バネ69により爪部51aは
閉じるように付勢され、支点軸63に対して反対側に位
置する当接アーム65の先端は開閉カム61に当接され
て回動が規制されている。即ち、開閉カム61の外周形
状によって爪部51aが回動して移植爪51が開閉され
ることになるのである。このように構成することによっ
て、常に移植爪51は閉じ方向に付勢され、開閉カム6
1により強制的に開くように制御されるため、開き位置
でロックするような構成では、十分な開きが得られない
とロックできずに苗を落とすことができない場合があっ
たが、本実施例のように構成することで確実に開いて苗
を落下させることができるのである。
【0036】そして、前記ロータリケース52と左右反
対側に位置する移植爪支持体60の前部が上方に延出さ
れて延出部60bが形成され、該延出部60bより支持
軸70が昇降ガイド53側の側方に突出され、該支持軸
70の端部にローラ71を設けて上下方向に配置した昇
降ガイド53に嵌入して、移植爪51の昇降をガイドす
るようにしている。
【0037】このような構成において、移植爪51が上
昇端に位置して爪部51a・51aは閉じて、受継部5
0において、苗供給部7より苗が投入されると、植付け
ミッションケース5からの動力によりロータリケース5
2が回動され、アーム57も同時に回動されて、左右の
一対の移植爪51・51は同時に、昇降ガイド53に沿
って下降し、植付け爪51は略楕円軌跡を描いて下降す
る。そして、下端位置まで下降すると、開閉カム61の
回動により、該開閉カム61に当接した当接アーム65
が回動されて(開閉カム61の小径部に当接する)、爪
支点軸63・63を中心に爪部51aが回動されて、移
植爪51・51が開かれ、畝25中の下端位置で苗が落
下放出されるのである。更に回動すると、移植爪51・
51が上昇されて、上昇位置で開閉カム61の回転によ
り左右一対の移植爪51・51が同時に閉じられるので
ある。
【0038】次に、覆土輪22の支持構成について図1
2、図13より説明する。前記左右の後フレーム2b・
2bの前後中途部下面から下方にステー72・72が突
設され、該ステー72・72に覆土輪フレーム73の前
端が支点軸80により枢支されて枢支部としている。該
枢支部近傍に後述するロック部89が設けられている。
該覆土輪フレーム73は平面視U字状に構成し、後端部
より後方にハンドル74を突出し、左右中央部より上方
に支持ステー75を突設し、下方に取付フレーム76を
垂設している。
【0039】前記取付ステー76下端に前後方向に枢支
軸90を突設し、該枢支軸90上に覆土輪支持フレーム
91の下部を枢支している。該覆土輪支持フレーム91
は後面視において、横「E」型に構成して、中央のフレ
ーム下部に前記枢支軸90を枢支し、左右両側のフレー
ムと中央のフレームの下部の間に覆土輪22・22・2
2・22を左右一対ずつ回転自在に配置している。この
一対の覆土輪22・22は前記移植爪51・51の進行
方向の線を跨ぐ構成としている。こうして、左右中央下
部に枢支軸90を配置して左右の覆土輪22・22・・
・を左右傾倒自在に支持して、畝25上面の傾斜に追随
して覆土精度を高め、移植後の苗26の根部の両側を押
さえる構成としている。
【0040】前記支持ステー75の上部に左右方向に枢
支軸77を設け、該枢支軸77に延設部材となるガイド
杆78の一側が摺動自在に挿入され、該枢支軸77の両
側のガイド杆78上には付勢部材となるバネ79a・7
9bが外嵌されている。該ガイド杆78の他端は前記ハ
ンドルフレーム6(中フレーム6M)の後部に支点軸8
1により回転自在に支持されている。このように構成す
ることによって、前記覆土輪22は前記バネ79bの付
勢力により下方へ押圧するように付勢されている。そし
て、作業終了時や回行するときに、ハンドル74を持っ
て覆土輪22を上昇させると、枢支軸77が支点軸80
・81を結ぶ線上よりも上方に位置すると死点越えとな
って、覆土輪22を上昇した位置に維持することができ
るのである。
【0041】次に、覆土輪22を上昇させた位置にロッ
クするためのロック部89の構成について説明する。前
記枢支部近傍にはロック部89が設けられている。該ロ
ック部89は前記覆土輪フレーム73の回動基部側に枢
支軸93によりロックアーム94の一端を枢支し、該ロ
ックアーム94の他側には長手方向と上方(支点軸80
に対して半径方向)に延びるL字状の長孔94aが形成
され、一方、機体フレーム2(後フレーム2b)の前記
ステー72よりも上方位置に係止ピン95を突出して、
該係止ピン95を前記長孔94aに挿入している。
【0042】更に、前記ロックアーム94の他端(上
端)にワイヤー96とバネ97の一端が連結され、該バ
ネ97の他端は前方の後フレーム2bに連結されてロッ
クアーム94を前方へ回動するように付勢し、ワイヤー
96の他端は前記昇降レバー32の回動基部設けたアー
ム99と連結している。該昇降レバー32には更に図示
しないワイヤー等を介してエンジン3近傍に設けた油圧
操作レバーと連結され、該昇降レバー32の操作により
前記油圧シリンダ19を作動させて機体を昇降可能とし
ている。
【0043】このような構成において、前記ハンドル7
4を持ち上げて覆土輪22を上昇させると、ロックアー
ム94も持ち上げられて、係止ピン95が長孔94aに
沿って下降し、覆土輪22が上昇位置で前述の如く死点
越えによって上昇位置で維持される位置に至ると、係止
ピン95が長孔94aの垂直部94bに入り、ロックア
ーム94はバネ97の引っ張り力により下方へ回動付勢
され、係止ピン95が長孔94aの垂直部94bに維持
され、覆土輪22が自重等により下方へ回動しようとし
ても、垂直部94bに係止ピン95が係合されて回動で
きず、覆土輪22は上昇位置にロックされることにな
る。そして、作業開始時や回行後の作業再開時に、昇降
レバー32を機体が下降するように、前方へ回動操作す
ると、ワイヤー96が引っ張られてロックアーム94を
後方へ回動し、この回動によって長孔94aの内面が係
止ピン95を下方に押して覆土輪フレーム73を下方へ
押し、死点越え部分を通過させて覆土輪22を下げるの
である。つまり、昇降レバー32の下降操作に連動して
覆土輪22を下降することができるのである。このよう
にして昇降レバー32の下降操作で覆土輪22も同時に
下降させて操作性を向上しているのである。なお、本実
施例においては、2条植えとしているが、移植爪及びそ
の駆動機構を更に一対左右方向に付加して4条植えとす
ることも可能である。また、本実施例では走行部が進行
方向右側に偏心しているが、左側に偏心した構成とする
ことも可能である。
【0044】次に、本発明の第二実施例の野菜移植機1
01について、図14から図31を用いて説明する。図
14は本発明の第二実施例である歩行型野菜移植機10
1の全体的な構成を示した側面図、図15は同じく平面
図、図16は機体フレームとミッションケース部分の側
面図、図17は機体フレーム部分の平面図、図18は苗
供給部の平面図、図19は受継部の後面断面図、図20
は同じく平面図、図21は移植部の後面図、図22は同
じく側面図、図23は同じく平面図、図24は昇降ガイ
ド153およびロータリケース152の支持構造を示す
側面図、図25は灌水ポンプ187を示す側面図、図2
6は移植爪151のスクレパー機構を示す平面図、図2
7は同じく後面図、図28は覆土輪支持部の側面図、図
29は同じく平面図、図30は同じく後面図、図31は
同じく後面図である。
【0045】第二実施例の野菜移植機101と第一実施
例の野菜移植機1とは、基本構成は同一のものである。
両移植機1・101において、異なる構成の部位には、
明細書の記載中にその旨を記す。また、両移植機1・1
01において、特徴的である共通部分も、その旨を明細
書の記載中に記す。
【0046】まず、野菜移植機101の全体構成から説
明する。図14、図15において、野菜移植機101
は、機体フレーム102の前部上にエンジン103を載
置し、前後中央部上にミッションケース104を配置
し、機体フレーム102後部上から後方にハンドル部材
となるハンドルフレーム106を水平方向に連設して、
該ハンドルフレーム106の中途部上に苗供給部107
を配置し、ハンドルフレーム106後部を運転操作部1
09としている。
【0047】前記機体フレーム102の前部には前輪支
持軸110を横架し、該前輪支持軸110の両側に前輪
支持フレーム111・111の一端を取り付け、該前輪
支持フレーム111・111の他端に前輪112・11
2を支持している。また、機体の最前部には、左右一対
の畦ローラ218・218を設けている(図14に図
示)。また、ミッションケース104より後輪駆動軸1
15を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸115の両
側に駆動ケース116・116を連設して、該駆動ケー
ス116・116の後部に後輪117・117を支持し
ている。そして、前輪支持フレーム111と駆動ケース
116はリンク機構を介して連結されるとともに、機体
フレーム102下部に設けた油圧シリンダとリンク機構
を介して駆動ケース116が連結され、該油圧シリンダ
を伸縮させることにより前輪支持フレーム111と駆動
ケース116が前輪支持軸110及び後輪駆動軸115
を中心に回動されて、機体を昇降可能としている。
【0048】そして、ミッションケース104の後部で
あって後述する後フレーム102b・102bの間の苗
供給部107の下方に移植部120が配置され、後フレ
ーム102b・102bで保護できるとともに、該移植
部120は移植爪151を昇降して、最上位置で苗供給
部107より苗126を受け取り、下端位置で移植爪1
51を開いて畝125中に苗を落下させて、その後方に
配置した覆土輪122により苗の根部に土を寄せて覆土
して移植する構成としている。
【0049】野菜移植機101は、機体フレーム102
上(ハンドルフレーム106上)に設けた苗供給部10
7より苗を移植爪151内に投入して、該移植爪151
を畝中へ移動して移植を行う移植機である。苗供給部1
07には、後述するように、長円状に連結した苗搬送体
を連続的に回転駆動する構成を設けている。該苗搬送体
は苗搬送ポット148とポット取付基部148より構成
される。また、受継部150において、苗が苗搬送体よ
り移植爪151へ投入される。
【0050】次に、各部の構成について説明する。ま
ず、走行部及び植付け部を支えるシャーシから説明す
る。図16、図17に示すように、シャーシは機体フレ
ーム102と、該機体フレーム102に連設するミッシ
ョンケース104と、該ミッションケース104と機体
フレーム102とに支持されるハンドルフレーム106
から構成され、それぞれを連結固定することにより補強
部材を必要とせず補強し合い剛性を高める構成としてい
る。
【0051】両実施例間での相違点の一について説明す
る。第二実施例における機体フレーム102の構成は、
第一実施例における機体フレーム2の構成とは、異なる
ものとなっている。前記機体フレーム2が溶接等による
固定式であるのに対し、機体フレーム102は各フレー
ム部材の合体構成であり、シャーシをミッションケース
104の前後で分割可能である。
【0052】機体フレーム102は、側面視略逆「へ」
字状に構成される。機体フレーム102は、前パイプフ
レーム102fと後パイプフレーム102dとを備え、
両パイプフレーム102f・102d間は、左右に配置
する連結フレーム102h・102hにより連結され
る。前パイプフレーム102fは前記前輪支持軸110
を内部で軸支し、後パイプフレーム102dは前記後輪
駆動軸115を内部で軸支する。両パイプフレーム10
2f・102d間で、前記連結フレーム102h・10
2hの内側に、支持フレーム102aが橋架される。支
持フレーム102aはプレート状に構成して、その前部
上にエンジン103を載置固定し、後部上にステー10
2cを介してミッションケース104を載置固定してい
る。連結フレーム102h・102h間は、橋架フレー
ム102jにより橋架される。橋架フレーム102jと
前パイプフレーム102fとの間は、支持フレーム2a
の左右に配置される橋架フレーム102k・102kに
より橋架される。また、後パイプフレーム102dの後
端には、左右方向に延出する後部支持フレーム102n
が連結されており、該後部支持フレーム102nの左右
両端に、後方へ延出する後フレーム102b・102b
が連結されている。各後フレーム102bの前後中途部
上には、ハンドルフレーム106(後述)と連結される
中柱102eが立設される。また、後部支持フレーム1
02nの左右中央には後方へ延出する後中央フレーム1
02mが連結されており、該後中央フレーム102mの
後部上に、ハンドルフレーム106(後述)と連結され
る中柱102gが立設される。以上の各フレーム部材に
より、分割式の機体フレーム102が構成される。特
に、ミッションケース104の前後で、シャーシの全体
を前シャーシと後シャーシの二分割することが可能であ
る。なお、各フレーム部材の連結はボルト締結固定によ
り行われ、各フレーム部材への分割や、各フレーム部材
を合体させての機体フレーム102の形成が容易であ
る。
【0053】そして、前フレーム102aの前後方向の
左右中心線を走行部(機体)の中心線として、左右一側
(本実施例では進行方向左側)に偏位して後輪駆動軸1
15が側方に延設されて、野菜移植機101が畝125
を跨いで走行するときに、走行部が左右一側に偏位して
走行し、後述するように往路と復路で左右一側二列ずつ
(往路で一条目と二条目を、復路で三条目と四条目を)
移植できるようにしている。なお、左右の前輪112・
112と後輪117・117は畝125の形状や幅等に
合わせて左右位置(車幅)を調整できるようにしてい
る。
【0054】また、図15、図16に示すように、前記
後フレーム102bの後部上にハンドルフレーム106
の前部が連結され、該ハンドルフレーム106の前部を
ミッションケース104上部と連結し、前後中途部上に
苗供給部107と左右の苗載台131・131を支持
し、後部に昇降レバー132や主クラッチレバー133
や作業レバーやアクセルレバーやサイドクラッチレバー
や高さ調節レバー等の操作レバーを配置している。
【0055】前記ハンドルフレーム106は、図15に
示すように、平面視「E」状に右フレーム106Rと中
フレーム106Mと左フレーム106Lから構成し、右
フレーム106Rと中フレーム106Mの前部間にミッ
ションケース104を支持固定し、前後中途部間に連結
プレート134を架設して、各連結プレート134の下
面に前記後フレーム102b・102b後端上部が固設
される。このようにして三者が互いに連結固定されて剛
性をアップしている。該連結プレート134下部には苗
供給部107の駆動ケースが付設される。
【0056】右フレーム106Rおよび左フレーム10
6Lの前部下面には、前記中柱102e・102e上端
が連結固定される。また、中フレームMの前部下面に
は、前記中柱102g上端が連結される。このようにし
て、ハンドルフレーム106と機体フレーム102とを
連結固定することで剛性をアップしている。また、右フ
レーム106Rの前後中途部より苗載台フレーム135
が外側方に突設されて苗載台131を取り付け、左フレ
ーム106Lより苗載台フレーム136を外側方に突設
して苗載台131を取り付けている。
【0057】本実施例では、機体右側のハンドルフレー
ム106側部の後輪117後方に主作業者123(図1
5に図示)が位置し、機体左側のハンドルフレーム10
6側部の後輪117後方に補助作業者124(図15に
図示)が位置し、或いは、一人作業の場合は機体右側の
み位置し、主作業者123は前記操作レバーを操作する
とともに、苗載台131から苗126を取り、苗供給部
107の各苗搬送ポット148に一つずつ(あるいは所
定本数ずつ)苗を挿入していく。補助作業者124は主
作業者123が苗搬送ポット148に挿入できなかった
苗搬送ポット148に苗を挿入して補完する。
【0058】両実施例間での相違点の二について説明す
る。第一実施例では、走行駆動用の変速機構(走行ミッ
ションケース4)と、移植部120等を駆動する作業駆
動用の変速機構(植付けミッションケース5)とが別設
されているのに対し、第二実施例では、一体型(兼用
型)のミッションケース104が備えられている。
【0059】ミッションケース104は、前述のように
支持フレーム102aの後部上に固設され、後フレーム
102b・102b上部にハンドルフレーム106を介
してミッションケース104の上部を固設している。こ
うして、側面視において、機体フレーム102が逆
「へ」字状に折れ曲がり状に構成されている中央の凹部
上方を、一体型のミッションケース104により連結固
定することによって、側面視で三角形を構成することが
できて剛性を高めているのである。
【0060】両実施例間での相違点の三について説明す
る。第一実施例においては、野菜移植機1に設ける前輪
12・12および後輪17・17は、平面視平行に設け
られているが、第二実施例では、前輪112・112が
トーイン式に設けられている。左右一対の前輪112・
112は、図15(平面視)に示すように、トーイン式
に設けられ、平面視「ハ」字状に配置している。このた
め、野菜移植機101の走行直進性が向上している。
【0061】次に、苗供給部107について、図15、
図18、図19、図20より説明する。図15に示すよ
うに、ハンドルフレーム106上に苗供給部107が配
置されている。つまり、前記左フレーム106Lの中途
部より補助作業者124側(機体中心と反対側)へ平面
視「コ」字状の支持フレーム137が水平側方へ突設さ
れ、該支持フレーム137とハンドルフレーム106の
前後中途部上に、板体を長円形(長リング形)に構成し
た苗搬送台139が略水平に固設されている。
【0062】そして、図18に示すように、駆動スプロ
ケット141が左フレーム106Lと中フレーム106
Mと右フレーム106Rを連結する連結プレート134
上に、従動スプロケット142が左フレーム106Lよ
り側方へ突設した支持フレーム137上にそれぞれ回転
自在に支持して配置され、該駆動スプロケット141と
従動スプロケット142に無端状に連結したポット取付
基部140連が巻回されている。ポット取付基部140
にはそれぞれ、一の苗が挿入される苗搬送ポット148
が保持される。該駆動スプロケット141へは前記ミッ
ションケース104よりチェーン等の伝動機構を介して
動力が伝達される。このようにして苗供給部107が構
成される。
【0063】以上において、ポット取付基部140は、
それぞれを連結して長円状を形成する連結体である。ま
た、連結体であるポット取付基部140と、苗搬送ポッ
ト148とは、苗搬送手段としての苗搬送体を構成す
る。後述するが、苗搬送ポット148は、ポット取付基
部140(連結体)に対して着脱自在である。
【0064】両実施例間での相違点の四について説明す
る。苗搬送体を駆動する手段としての駆動スプロケット
141と、該駆動スプロケット141に従動する従動ス
プロケット142とは、第二実施例においては、特に、
アルミニウム製としている。第一実施例においては、駆
動スプロケット41および従動スプロケット42の素材
は限定していない。
【0065】前記駆動スプロケット141および従動ス
プロケット142は、金属、特に、アルミニウムで成型
される。また、両スプロケット141・142には、自
らの回転中心回りに、それぞれ中抜き部分141a・1
42aが放射状に多数形成されている。そして、両スプ
ロケット141・142は、中抜き部分141a・14
2aの形成により軽量化が図られると共に、金属製(ア
ルミ製)とすることで剛性が保たれている。また、両ス
プロケット141・142は、アルミ製であるので、成
型が容易である。
【0066】両実施例間での特徴的な共通点の一につい
て記す。苗搬送体の駆動手段としてのスプロケット14
1・142(第二実施例)と、スプロケット41・42
(第一実施例)とは、どちらにおいても、苗搬送体が当
接する当接部が五つ以上形成されている。該当接部は、
スプロケットの歯間に形成されるものである。つまり言
い換えると、両実施例の駆動および従動スプロケットに
おいて、それぞれスプロケットの歯が五つ以上形成され
ている。
【0067】両スプロケット141・142の外周に
は、該スプロケット141・142の有する歯と歯との
間に、それぞれ、ポット取付基部140(連結体)の嵌
合環158との当接部141c・142cが形成されて
いる。該当接部141c・142cは嵌合環158と係
合するように、円弧状に形成される。両スプロケット1
41・142がそれぞれ有する当接部141c・142
cの形成数は、本実施例では、16となっている。この
ため、長円状となるポット取付基部140連の円弧状と
なる一端部には、両スプロケット141・142の回動
位置によらず、8から9のポット取付基部140が位置
することとなる。
【0068】そして、主作業者123は、右側の後輪1
17の後方を歩行して、長円状となるポット取付基部1
40連の右端部より苗126をポット取付基部140へ
供給する。また、補助作業者124は、左側の後輪11
7の後方に歩行して、長円状となるポット取付基部14
0連の右左端部より苗126をポット取付基部140へ
供給する。
【0069】ポット取付基部140連の円弧状となる端
部は、作業者123・124による苗供給位置である。
両側の苗供給位置はそれぞれ、左右に位置する前記苗載
台131・131の近傍に位置する。このため、作業者
123・124はそれぞれ、片手の往復運動により、苗
載台131から苗供給位置の苗搬送ポット148に苗供
給が可能である。以上において、常時位置するポット取
付基部140の数が多ければ多いほど、作業者123・
124は、苗搬送ポット148への苗の供給を確実に行
うことができると共に、一方の作業者のみにより確実な
苗供給を行うことも可能となる。つまり、2条植えにお
ける苗供給を、一人の作業者により行うことが可能であ
る。前記スプロケット141・142にそれぞれ、嵌合
環158に対する当接部141c・142cを五つ以上
形成することで、当接部が四つである十文字形の駆動輪
(スプロケット)を用いる場合と比べて、円弧状部を移
動する苗搬送ポット148の数が多いので、同じ搬送速
度であれば苗を挿入する機会が増加して苗供給を確実に
行うことが可能である。
【0070】また、苗搬送台139が機体中心から偏位
した車輪(前輪112・後輪117)側へ延設されるこ
とで、苗供給部107が畝125を跨ぐように配設され
て、二条植えの場合、四条の植付け幅を跨ぐようにな
り、畝125の両側に位置する主作業者123と補助作
業者124の両者が苗供給部107に対面して苗載台1
31より苗を取って苗搬送ポット148に苗を供給でき
るようにしている。そして、主作業者123が位置する
走行部側に駆動スプロケット141を配置して苗供給部
107を駆動するようにして、ミッションケース104
からの駆動伝達経路が短く、伝達機構をコンパクトに構
成できるようにしている。また、ポット取付基部140
連を長円形とすることで前後に左右方向の直線部分(ま
たは円弧状の略直線部分)を構成することができて、左
右方向の搬送距離を長くして苗を挿入するための時間を
長くして苗供給を行なえる時間を長くして挿入抜けがな
いようにできて、移植するタイミングを従来よりも速く
することで移植効率を上げられるようにしている。な
お、本実施例では苗搬送を長円形としているが、少なく
とも直線部分が苗供給部107と後述する受継部150
にあればよく、三角形状に構成することも四角形状また
は多角形状に構成することも可能である。
【0071】両実施例間での相違点の五について説明す
る。第一実施例において一体である苗搬送体(苗搬送ポ
ット40)は、第二実施例では、機能毎に二つの部材に
分割される構成としている。第二実施例では苗搬送体
を、互いに連結されて無端体を構成する連結体(ポット
取付基部140)と、苗を挿入するポット(苗搬送ポッ
ト148)とで、構成している。
【0072】前記ポット取付基部140(連結体)につ
いて、図19、図20を用いて説明する。ポット取付基
部140は、苗搬送ポット148を着脱自在とする嵌合
環158と、該嵌合環158の両側に形成される第一連
結部143aと第二延出部143b・143bとを備え
る。嵌合環158は、上下を開口した筒体である。ま
た、連結体であるポット取付基部140は、次のように
して無端状に連結される。水平面内で延出する第一連結
部143aと、第二連結部143b・143bとは、嵌
合環158の外周面に突設されている。また、第二連結
部143b・143bは、それぞれ第一延出部143a
の上下に位置する位置関係となる。隣接するポット取付
基部140・140間において、一方のポット取付基部
140の第一連結部143aと、他方のポット取付基部
140の第二連結部143b・143bとは、平面視重
複する。そして、第一連結部143aおよび第二連結部
143b・143bが、上方より枢支ピン144を挿入
して互いに左右回動自在に枢結されて、ポット取付基部
140・140間が連結される。以上のようにポット取
付基部140を構成して、ポット取付基部140・14
0・・・を無端状に左右揺動自在に連結して無端体を構
成し、チェーン等を不要として簡単な構成としている。
【0073】そして、該ポット取付基部140の上下中
途部側面に前記駆動スプロケット141と従動スプロケ
ット142の外周面とが当接するようにして、本実施例
では平面視右回り回動して、補助作業者124側で反転
して受継部150側へ苗を搬送するようにしている。な
お、駆動スプロケット141と従動スプロケット142
は外周面に多数形成した凹部をポット取付基部140の
上下中途部に当接して安定して搬送できるようにしてい
る。但し、チェーンやベルト等の無端体に直接ポット取
付基部140を固定し、チェーンまたはベルトを回動駆
動する構成とすることも可能である。
【0074】両実施例間での相違点の六について説明す
る。第二実施例では、前述したように、苗搬送体を苗搬
送ポット148とポット取付基部140との二分割構成
として着脱可能に構成するので、ポット取付基部140
からの苗搬送ポット148の抜け防止構成が設けられて
いる。
【0075】前記苗搬送ポット148は、図19、図2
0に示すように、筒体の上部を拡開した形状に構成し、
上方より苗を挿入し易い形状としている。一方、ポット
取付基部140の嵌合環158は内部に、苗搬送ポット
148を挿入可能に形成されており、苗搬送ポット14
8の外周面が嵌合環158の内周面に略当接した状態で
保持される。この状態の嵌合環158に対する苗搬送ポ
ット148の位置を、苗搬送ポット148の保持位置と
する。以上構成により、苗搬送ポット148はポット取
付基部140に対し着脱式に構成される。苗を挿入する
苗搬送ポット148と、ポット取付基部140とが別体
であるので、苗搬送ポット148の破損時等には苗搬送
ポット148のみを交換するだけでよく、メンテナンス
性が向上する。また、一条植えや半端な条ができた場合
には、一つおきに、つまり、ポット連の奇数または偶数
番目の苗搬送ポット148を取り外すことで、間違いな
く容易に一条植えができる。また、奇数または偶数番目
の苗搬送ポット148の色を他と異なるように構成する
ことで、条毎に別の種類の苗を間違いなく挿入して植え
つけることができる。また、苗搬送ポット148は合成
樹脂製であり、下部のポット取付基部140への挿入部
がスリガラス状に形成され、上部が透明体である。一
方、ポット取付基部140はアルミ製である。このた
め、苗搬送ポット148をポット取付基部140に対し
着脱式としながら、走行時の振動等により、苗搬送ポッ
ト148とポット取付基部140との間で擦れ合って、
相互が摩耗したり、異音を発生するなどの不具合が生じ
ない。また、透明であるので、短い苗を挿入した場合で
も、挿入ミスがないことも容易に判断できるのである。
【0076】また、ポット取付基部140と苗搬送ポッ
ト148とには、苗搬送ポット148の抜け防止構成が
設けられており、互いが嵌合可能に構成されている。図
19に示すように、苗搬送ポット148の外周面上に突
起148aが設けられると共に、嵌合環158の内周面
には、前記保持位置での突起148aに対応する位置
に、嵌合孔158aが形成されている。前記保持位置で
は、嵌合孔158aに突起148aが嵌合し、ポット取
付基部140と苗搬送ポット148との嵌合位置となっ
ている。該両部材の嵌合により、ポット取付基部140
からの苗搬送ポット148の抜けが防止される。特に、
苗搬送ポット148は前述したように合成樹脂製なの
で、苗搬送ポット148を撓ませて、嵌合孔158aと
突起148aとの係合・離脱を図ることができ、係合・
離脱が容易である。
【0077】このため、走行時の振動あるいは機体を運
搬車での積載移動時などの風圧等により、苗搬送ポット
148がポット取付基部140から脱落することがな
い。なお、本実施例(第二実施例)では、苗搬送ポット
148の外周面に凸部として突起148aを形成し、嵌
合環158の内周面に凹部として嵌合孔158aを形成
して、苗搬送ポット148の抜け防止を構成している。
本発明は、この構成に限定されるものではなく、嵌合環
158の内周面と、苗搬送ポット148の外周面とに、
それぞれ凹部または凸部が形成される構成であれば良
い。例えば、凹部としては、貫通孔である嵌合孔158
aに代えて、窪みを形成するものとしても良い。また、
嵌合環158に凸部を形成し、苗搬送ポット148に凹
部を形成する構成としても良い。また、ネジ式のように
回転させて嵌合固定することも可能である。
【0078】両実施例間での相違点の七について説明す
る。第一実施例では、前記シャッター45に設けるロー
ラ47を金属製としているが、第二実施例では、シャッ
ター145に設けるローラ147は樹脂製とし、シャッ
ター145の板厚を厚くしている。
【0079】ポット取付基部140・140間の連結箇
所(第一連結部143aおよび第二連結部143b・1
43b)の下方には、図19、図20に示すように、シ
ャッター145の回動支点、つまり、シャッター145
の支持部が設けられている。シャッター145は、板状
部材の折曲加工により形成された部材であり、平面部1
45aと、平面部145aの一側に形成される回動支持
部145bと、他側に形成されるローラ取付部145c
とが備えられる。回動支持部145bは、シャッター1
45の搬送方向前側で、前記板状部材が断面視U字状に
折曲されて形成された部位である。該回動支持部145
bに挿入される支点ピン146を、ポット取付基部14
0の外周面下部に突設されるシャッター支持部143c
に水平方向に固定して、シャッター145がポット取付
基部140に対して上下回動自在に係止される。そし
て、平面部145aで前記苗搬送ポット148の下面を
蓋する構成としている。また、シャッター145の枢支
位置(支点ピン146および回動支持部145b)は、
後述するシャッター145の開閉構成のため、シャッタ
ー145において搬送方向の前側に設けられている。ロ
ーラ支持部145cは、シャッター145の搬送方向後
側の左右一側で、前記板状部材を平面部145aに対し
て垂直下方に板面が進行方向と平行となるように折曲し
た部位である。ローラ支持部145cにはローラ147
が配置され、該ローラ147は進行方向に対して直角水
平方向に支持ピン149を支持して、シャッター145
に対し回転自在に枢支される。
【0080】シャッター145は金属製であり、ローラ
支持部145cと平面部145aとはそれぞれ、金属製
の一体成型部材(シャッター145)の一部として形成
されている。苗搬送ポット148の搬送方向より見て、
シャッタ145は「L」字形状である。前記ローラ支持
部145cは一端をL字状に折り曲げるだけの構成なの
で簡単に製作することができる。このため、ローラ14
7の取付部材と、苗搬送ポット148の下面を蓋する部
材とを別体で構成して、両部材を溶接等の連結方法によ
り連結する場合と比べ、シャッター145の剛性を保つ
ことができる。そして、シャッター145(ローラ支持
部145c)の板厚を厚く形成して、錘を付設すること
なくシャッター145がスムースに回動できるようにし
ている。前記第一実施例ではシャッター45を薄く構成
して、ローラ47を金属製として重くして錘の役割を果
たしている。
【0081】シャッター145に設けるローラ147
は、苗搬送台139上を転動するようにしている。該ロ
ーラ147はポット取付基部140毎に取り付けられる
が、搬送方向に対して左右交互にローラ147が配置さ
れている。つまり、一つの苗供給部107において、多
数連結したポット取付基部140・140・・・は偶数
個とし、それぞれ順に番号を付したときに、奇数に位置
するポット取付基部140と偶数に位置するポット取付
基部140では搬送方向に対して交互に左右逆側にロー
ラ147・147・・・を配置しているのである。言い
換えれば、奇数(または偶数)のローラ147は内周側
に、偶数(または奇数)のローラ147は外周側に配置
するのである。
【0082】また、ローラ147は合成樹脂で形成され
て、自己潤滑性を有する合成樹脂とすることにより簡単
な構成でスムースな回転が得られるようにしている。そ
して、ローラ147が金属製(アルミ製)の苗搬送台3
9上を転動する際に、相互が摩耗したり、異音が発生す
るのを、防止している。
【0083】そして、前記苗搬送台139は前記ローラ
147が転動するレールの役目を果たしている。転動さ
せることでシャッターが摺接する構成に比べて摩擦が小
さく摩耗も殆どなく、動力負荷が小さく、騒音も小さく
なる。そして、該苗搬送台139の前記ローラ147が
転動する経路において、機体上方の苗搬送台139の前
部側に開口部(または切欠)139a・139bを左右
前後位置をズラせて並設配置している。該開口部139
a・139bでローラ147を支えるものがなくなり支
点ピン46を中心にシャッター145が下方に回動する
と、ポット取付基部140の下方が開口されて、苗が移
植部120に落下するようにしている。つまり、前記受
継部150とは、苗搬送台139から移植部120へ苗
を受け渡す部位のことである。
【0084】即ち、左右方向に長い長円形の苗搬送台1
39の前部右側のポット取付基部140の移動軌跡部に
開口部139a・139bを搬送方向に沿って開口し、
該開口部139a・139bはポット取付基部140の
底面積よりも大きくして苗を落下できるようにするとと
もに、搬送方向に対しては連結したポット取付基部14
0の3ピッチまたは5ピッチ離れた位置に開口してお
り、この間隔は条幅(条間隔)に合わせている。そし
て、進行方向に対して一方は左右一側を、他方は左右他
側をそれぞれローラ147が落ち込むように位置を合わ
せて側方に大きく開口し、ローラ147が位置しない側
はポット取付基部140の底面よりも若干広げる程度で
苗は落下する(シャッター145が下方へ回動できる)
が、進行方向前後隣接するポット取付基部140に付設
されているローラ147は落ち込まないようにしてい
る。つまり、開口部139a・139bはポット取付基
部140の搬送方向中心線に対して、互いに左右逆側に
広げて開口している。
【0085】そして、開口部139a・139b内にお
ける進行方向終端側のローラ147が通過する位置に
は、徐々に上昇して苗搬送台139のローラ147転動
面につながるスロープ(傾斜面)139c・139cが
それぞれ設けられている。スロープ139c・139c
の傾斜方向は、搬送方向に対し前高後低であり、ローラ
147が引っ掛かることなく移動に伴って徐々にシャッ
ター145が閉じるようにしている。シャッター145
の開閉は、ローラ147の下方に、該ローラ147の当
接する苗搬送台139の有無により行われる。特に、シ
ャッター145において、開放から閉鎖に至る際には、
スロープ139cにローラ147が案内されることで行
われる。シャッター145の開閉構成が以上のようなも
のであるので、前述したように、シャッター145の枢
支位置を搬送方向の前側とすることで、シャッター14
5がスロープ139cとの当接時に、必ず閉鎖方向に回
転するようにしている。シャッター145の枢支位置を
搬送方向の後側に設ける場合は、シャッター145の開
放角度やスロープ139cの傾斜角度の大きさによって
は、シャッター145のスロープ139cへの当接時
に、さらに開放方向へ回動したり、シャッター145が
スロープ139cに抵抗したりする可能性がある。
【0086】このように、苗供給部107は長円状にポ
ット取付基部140・140・・・が配置されて、機体
後方の主作業者123と補助作業者124が位置する前
を順に通過して、その通過時に苗126を苗搬送ポット
148内に挿入し、その前方の移植部120が位置する
上方へ回転移動させる。この移植部120上方位置にお
いて、3ピッチ離れたローラ147・147が同時に開
口部139a・139b内に落ち込み、シャッター14
5・145を下方に回動して開き、苗を落下させて移植
部120の移植爪151・151内に投入するようにし
ている。この落下させる部分を受継部150とする。つ
まり、受継部150は駆動スプロケット141が位置す
る苗供給部107の駆動側に位置し、機体側に位置する
ことによって移植部120と近づけることができて受継
が良好となる。そして、ローラ147・147はスロー
プ139c・139cに当接して徐々に上昇してシャッ
ター145・145を閉じるのである。従って、一つの
移植爪151に対してポット取付基部140から一つお
きに供給される。つまり、奇数となるポット取付基部1
40は左右の開口部の左側(または右側)、偶数となる
ポット取付基部140は右側(または左側)の開口部で
下方のシャッター145が開かれ、奇数と偶数で左右の
条(1条と2条または3条と4条)の移植爪151・1
51に落下することになる。よって、同時2条の植付け
が可能となり、左右条の間隔も一定に保てるのである。
【0087】前記駆動スプロケット141および従動ス
プロケット142には、前述したように、連結体である
ポット取付基部140連が巻回されている。支持フレー
ム137上に回転自在に支持される両スプロケット14
1・142は、機体フレーム102の左右両側に配置さ
れている。そして、ポット取付基部140の嵌合環15
8が、両スプロケット141・142と当接するように
配置される。スプロケット141・142の外周に形成
される歯は、嵌合環158・158間に嵌まり込むと共
に、前記歯間の外周は、嵌合環158の外周面と滑らか
に接するように、円弧状の凹部に形成されている。そし
て、両スプロケット141・142と当接して係合する
ポット取付基部140連は、駆動スプロケット141の
駆動により駆動される。
【0088】両実施例間での特徴的な共通点の二につい
て記す。苗搬送体の駆動手段としての駆動スプロケット
141(第二実施例)と、駆動スプロケット41(第一
実施例)とには、自らに巻回する苗搬送体連との係合位
置を調整するための、位置調整部が形成されている。
【0089】駆動スプロケット141の中心部には、自
らに巻回するポット取付基部140連との係合位置を調
整するための、位置調整部が形成されている。図18に
示すように、駆動スプロケット141と同心に駆動軸1
82が設けられている。駆動軸182には支持板183
が固設されており、該支持板183には、後述のボルト
184を締結可能とする一対のボルト孔(不図示)が形
成されている。また、駆動スプロケット141には、駆
動軸182を挟んで対抗する一対の調整用長孔141b
・141bが形成されている。該一対の調整用長孔14
1b・141bにより、前記位置調整部が構成される。
そして、支持板183に調整用長孔141b・141b
を挿通するボルト184・184を締結することで、駆
動スプロケット141が駆動軸182に固定される。ま
た、調整用長孔141bの形成長さの範囲内で、駆動軸
182(支持板183)に対する駆動スプロケット14
1の固定位置を調整可能である。調整用長孔141b・
141bは、駆動軸182と同心となる円弧に沿って形
成されており、ボルト184による締結を緩めた状態
で、支持板183に対し駆動スプロケット141を回転
移動可能である。
【0090】このため、前記受継部150において、苗
搬送ポット148を備えるポット取付基部140(連結
体)から移植部120への苗の受渡しに際し、前記位置
調整により、苗供給部107での苗搬送と、移植部12
0での苗搬送とのタイミング合わせを図ることができ
る。なお、苗供給部107および移植部120は共に、
ミッションケース104から駆動力を得ており、同期し
て駆動するものであるため、タイミングがズレた場合に
は、タイミング調整を要する。また、該タイミング合わ
せは、より詳細には、シャッター145の開放タイミン
グと、移植部120に設ける移植爪151が自らの移動
軌跡の最上位置(苗受取位置)へ到達するタイミングと
の調整である。
【0091】両実施例間での特徴的な共通点の三につい
て記す。苗搬送体の上端位置はそれぞれ、第一実施例の
ハンドルフレーム6および第二実施例のハンドルフレー
ム106の上端位置よりも、高くなるように構成されて
いる。
【0092】前記苗搬送ポット148の上端位置は、図
14で矢視Aに示すように、ハンドルフレーム106の
上端位置よりも高くなるように、構成されている。この
ため、主作業者123および補助作業者124が、苗搬
送ポット148に苗を供給する際に、ハンドルフレーム
106が障害とならないので、苗供給が容易なものとな
っている。
【0093】次に、移植部120について図21乃至図
24より説明する。前記後フレーム102b・102b
の間の機体中央部におけるミッションケース104の後
方に移植部120が配設される。該移植部120は、機
体左右対称位置に配置して受継部150から畝125へ
搬送する左右一対の移植爪151・151と、各移植爪
151の左右一側にそれぞれ配置され駆動ケースとなる
ロータリケース152・152と、各移植爪151の左
右他側に配置してガイド部となる昇降ガイド153・1
53と、これらを連結するアームやリンク等から構成さ
れている。ロータリケース152・152と昇降ガイド
153・153は機体フレーム102に固定され、この
間に移植爪151・151が配設され、該移植爪151
・151は前記受継部150の下方で側面視楕円状の軌
跡で昇降するように構成されている。
【0094】両実施例間での相違点の八および九につい
て説明する。第二実施例では、移植爪151を駆動する
駆動ケース(ロータリケース152)が、左右の移植爪
151・151に対応して左右に設けられている。第一
実施例では、一つの駆動ケース(ロータリケース52)
より動力を分岐して、左右の移植爪51・51を駆動す
る。また、第二実施例では、移植爪151の移動軌跡を
案内する昇降ガイド153・153が、左右の移植爪1
51・151に対応して左右に設けられている。第一実
施例では、一つの昇降ガイド53により左右の移植爪5
1・51を案内する。
【0095】前記左右のロータリケース152はそれぞ
れ、図21から図24に示すように、左右の支持台12
1に固設した左右方向の支持軸154に、回転自在に支
持される。右側の支持台121は、後中央フレーム10
2mと中柱102gとに支持される支持フレーム138
に、ボルト締結固定される。また、左側の支持台121
は、左側の後フレーム102bと左側の中柱102eと
に支持される支持フレーム138に、ボルト締結固定さ
れる。支点軸154はそれぞれ、一端側がロータリケー
ス152に挿入される。支点軸154の他端側では、支
点軸154と同軸に、伝動体となるスプロケット155
がロータリケース152に固設されている。ミッション
ケース104からは、図21に示すように、左右方向に
植付出力軸104aが延出されており、該植付出力軸1
04aには、各支点軸154のスプロケット155と左
右位置が対応する位置に、スプロケット127・127
が設けられている。そして、左右それぞれで、スプロケ
ット127・155間をチェーン等の伝動手段を介して
ミッションケース104と連動連結され、該移植部12
0と前記苗供給部107が同期して駆動するように構成
されている。また、支持フレーム138にはボルト締結
孔が上下方向の長溝に形成されており、支持フレーム1
38に対する支持台121(スプロケット155)の締
結固定位置を変更して、チェーンのテンションを調整可
能である。なお、スプロケット127・155の代わり
に歯車等により伝動する構成とすることもでき限定する
ものではない。
【0096】以上のようにして、各移植爪151を左右
でそれぞれロータリケース(駆動ケース)152と連結
して、それぞれ独立して駆動する構成としている。左右
の移植爪151・151を同時に一つの駆動ケースで駆
動する場合には、両移植爪151・151の同期を図る
ため両移植爪151・151を連結部材を介して連結す
ることとなる。この場合、駆動ケースに対して近い側と
遠い側とで作用する駆動力に不均衡が生じ、左右で植付
性能が異なったり、駆動時につっぱるなどの抵抗が生じ
たりする。以上のように、二つのロータリケース(駆動
ケース)152により移植爪151・151を独立して
駆動することで、各移植爪151に作用する駆動力の不
均衡を無くし、左右で同一の植付性能が発揮されるよう
にしている。
【0097】前記ロータリケース152内には三つの歯
車が直列的に配置してそれぞれ噛合され、ロータリケー
ス152他側より出力軸156を前記スプロケット15
5と反対側に突出している。該出力軸156上にアーム
157の一端が固設されている。こうして、ロータリケ
ース152が一回転すると同時にアーム157が逆方向
に一回転するように前記歯車が設定されている。前記ア
ーム157の他端には、移植爪支持軸159の一端が固
設され、該移植爪支持軸159の他端側には、図22、
図23に示すように、左右のプレートより構成される移
植爪支持体160の一側(前側)が軸受を介して回転自
在に支持されている。また、左右のプレート間の移植爪
支持軸159上には、開閉カム161を固設している。
【0098】移植爪151は、くちばし状となる前後一
対の爪体128・129から構成される。爪体128・
129はそれぞれ、土中に貫入する正面視(後面視)三
角形状の爪部128a・129aを備えている。爪部1
28a・129bはそれぞれ、中空の円錐状部材を、中
心軸に沿った平面で分割して形成される部材の一方およ
び他方である。爪体128・129は略同様の構成であ
るので、爪体128について説明し、その後に爪体12
9に関しては、爪体128と相違する点について説明す
る。爪体128の爪部128aの上端には、平板状の基
部128bが設けられる。前後方向(くちばし状によ
る)反開孔側の左右両端には、上方へ延出する一対の第
一支持部128c・128cが設けられ、開孔側の左右
両端には、上方へ延出する一対の第二支持部128d・
128dが設けられる。爪体129にも、基部129
b、第一支持部129c・129c、第二支持部129
d・129dが備えられ、同様の構成であるが、第二支
持部129d・129d間の間隔は、爪体128の第二
支持部128d・128d間よりも幅広に形成されてい
る。この点が相違している。そして、支持部129d・
129d間に支持部128d・128dが配置され、移
植爪151の左右で、支持部128d・129d間がそ
れぞれ枢支軸164により枢支されて、爪体128・1
29が開閉可能とされる。また、平板状の基部128b
・129bは、図23に示すように、爪部128a・1
29aと平面視重複する部位が切除されて、移植爪15
1の上方から投下された苗126が爪部128a・12
9aの内部に収納されるようにしている。
【0099】前記移植爪支持体160の他側(後側)に
は漏斗状のカップ160aを形成して、前記受継部15
0よりカップ160aに苗が入り易くし、該カップ16
0a下部に開閉可能に移植爪151を配置している。移
植爪151の開閉機構は、前記カップ160aの前方と
後方に同距離離れた位置に、爪支点軸163・163を
一対ずつ左右水平方向に設け、該爪支点軸163に移植
爪151の前後一端(前記第一支持部128c・129
c)を枢支している。カップ160aの前後には、カッ
プ160aと固設される移植爪支持体160が位置し、
カップ160aの前後で、移植爪支持体160および爪
体128・129間に爪支点軸163・163が設けら
れる。そして、移植爪151は前後略対称に構成したく
ちばし状の爪部128a・129aを合わせた状態で苗
を収納支持し、開いた状態で苗を落下させるようにして
いる。また、前記枢支軸164・164とカップ160
a上部との間にバネ169・169を介装し、枢支軸1
64・164を持ち上げるようにして、移植爪151を
閉じるように付勢している。
【0100】両実施例間での相違点の十について説明す
る。第二実施例では、移植爪151は取付位置を変更す
ることで、左右の移植爪151・151間の間隔を変更
可能としている。第一実施例では、左右の移植爪51・
51間の間隔は固定である。
【0101】平面視において、爪部128a・129a
の上端部により形成される円の中心は、カップ160a
の中心に対し、左右方向にズラした位置となるように、
移植爪151は構成されている。爪部128a・129
aの上端の円内部に、カップ160a下端円が納まるよ
うに、該上端円は前記下端円よりも大きく形成されるの
で、前記上端円と前記下端円の中心がズレていても、受
継部150における苗の受渡しは確実に行われる。爪体
128・129において、爪部128a・129aはそ
れぞれ、基部128b・128bの左右中心よりも左右
方向にズラした位置に設けられている。前述したよう
に、爪体128・129は略同様の構成であり、前後位
置を置換して、移植部120に設けることが可能であ
る。爪体128・129の前後位置を置換すると、爪部
128a・129aの基部128b・128bに対する
左右位置が逆転することとなる。このため、移植爪15
1・151の取付間隔を調整することで、苗の植付幅を
調節することができる。図21に示す移植爪151・1
51は、植付幅が広く取られた場合の配置である。図2
1に示す状態より、爪体128・129の取付位置の置
換を行うことで、植付幅を狭くした配置とすることが可
能である。
【0102】前記開閉カム161側に位置する爪体12
9の爪支点軸163上には当接アーム165の一端が枢
支され、該当接アーム165の他端にローラ166を設
けて前記開閉カム161の外周に当接するように構成し
ている。該当接アーム165と爪体129の第一支持部
129c・129cとの間には、爪開閉量調節機構16
7が設けられており、該爪開閉量調節機構167は両者
間にボルト168を螺装して、該ボルト168を回動す
ることにより両者の間隔を調節して、爪体129の回動
量を調節できるようにしている。なお、爪体129と爪
体128の取付位置を置換した場合には、爪開閉量調節
機構167は、当接アーム165と爪体128の第一支
持部129c・129c間に位置する。そして、前記と
同様にして、爪体128の回動量を調節可能である。
【0103】つまり、前記バネ169により爪体128
・129は閉じるように付勢され、支点軸163に対し
て反対側に位置する当接アーム165の先端は開閉カム
161に当接されて回動が規制されている。即ち、開閉
カム161の外周形状によって爪体129が回動して移
植爪151が開閉されることになるのである。このよう
に構成することによって、常に移植爪151は閉じ方向
に付勢され、開閉カム161により強制的に開くように
制御されるため、開き位置でロックするような構成で
は、十分な開きが得られないとロックできずに苗を落と
すことができない場合があったが、本実施例のように構
成することで確実に開いて苗を落下させることができる
のである。
【0104】また、前記ロータリケース152と左右反
対側に位置する移植爪支持体160の前部で、移植爪支
持体160より支持軸170が昇降ガイド153側の側
方に突出され、該支持軸170の端部にローラ171を
設けて上下方向に配置した昇降ガイド153に嵌入し
て、移植爪151の昇降をガイドするようにしている。
【0105】両実施例間での特徴的な共通点の四につい
て記す。移植爪51の移動軌跡を案内する昇降ガイド5
3(第一実施例)の支持構造と、移植爪151の移動軌
跡を案内する昇降ガイド153(第二実施例)の支持構
造とは、同様のものである。ただし第二実施例では、一
対の昇降ガイド153・153が備えられている。
【0106】一対の昇降ガイド153・153は、図2
1、図23に示すように、ハンドルフレーム106と機
体フレーム102との間に架設されている。より詳細に
は、左側の昇降ガイド153は、図23、図24に示す
ように、前記中フレーム106Mと前記支持フレーム1
38とに支持されている。なお、該昇降ガイド153
は、支持フレーム138の左側に固定され、ロータリケ
ース152を回動自在に設ける前記支持台121は、支
持フレーム138の左側に固定される。また、右側の昇
降ガイド153は、前記右フレーム106Rと右側の前
記後フレーム102bとに支持されている。昇降ガイド
153・153はそれぞれ、移植爪151に対し、ロー
タリケース152の反対側(左右他側)に配置されてお
り、ロータリケース152の移動軌跡と交わることがな
く、駆動の障害とならない。
【0107】このような構成において、移植爪151が
上昇端に位置して爪体128・129は閉じて、受継部
150において、苗供給部107より苗が投入される
と、ミッションケース104からの動力によりロータリ
ケース152が回動され、アーム157も同時に回動さ
れて、左右の一対の移植爪151・151は同時に、昇
降ガイド153に沿って下降し、移植爪151は略楕円
軌跡を描いて下降する。そして、下端位置まで下降する
と、開閉カム161の回動により、該開閉カム161に
当接した当接アーム165が回動されて(開閉カム16
1の小径部に当接する)、爪支点軸163・163を中
心に爪体129が回動されて、移植爪151・151が
開かれ、畝125中の下端位置で苗が落下放出されるの
である。更に回動すると、移植爪151・151が上昇
されて、上昇位置で開閉カム161の回転により左右一
対の移植爪151・151が同時に閉じられるのであ
る。
【0108】両実施例間での相違点の十一、十二につい
て説明する。第二実施例の野菜移植機101には、移植
爪151への灌水機構が備えられる。つまり、該野菜移
植機101には、水タンク186(相違点の十一)およ
び灌水ポンプ187(相違点の十二)が備えられる。第
一実施例の野菜移植機1は、灌水機構を備えない。
【0109】移植爪151への灌水機構について、図1
4、図15、図17、図22、図25を用いて説明す
る。該灌水機構は、シャーシに設ける水タンク186お
よび灌水ポンプ187と、移植爪151の内部に挿入さ
れる灌水管188と、これらの部材間を連結するパイプ
やホース等の連通部材からなる。
【0110】一対の水タンク186・186は、図1
4、図15に示すように、前後方向では、前記前パイプ
フレーム102fと前記橋架フレーム102jとの間
で、左右方向では、エンジン3およびミッションケース
4の側方となる部位に配置され、野菜移植機1の機体前
側部に配置される。水タンク186の支持構成は、次の
ようなものである。前記前パイプフレーム102fと前
記橋架フレーム102jとの間には、図17に示すよう
に、矩形状の支持フレーム108aが橋架され、支持フ
レーム108aの下端には第一ガイドフレーム108b
が固設されている。第一ガイドフレーム108bは、正
面視「L」字状、側面視および平面視では矩形状となる
環状のフレームであり、右端部が上方に延出している。
また、左側の前記連結フレーム102h上には、下方が
開放側となる「コ」字形状の第二ガイドフレーム108
cが固設されている。 支持フレーム108aは側面視
では、上方が開放側となる「コ」字形状のフレームであ
り、支持フレーム108aの最下位置は、前パイプフレ
ーム102fおよび橋架フレーム102jの下方となっ
ている。このため、支持フレーム108a上に載置され
る左右一対の水タンク186・186は、前後方向に滑
ることがない。また、一対の水タンク186・186の
右側には、第一ガイドフレーム108bの上方延出部が
位置し、左側には、第二ガイドフレーム108cが位置
する。このため、水タンク186・186は、左右への
傾動を制止される。以上のようにして、水タンク186
・186は、機体前側部の各フレームにより安定的に支
持される。
【0111】灌水ポンプ187は、図25に示すよう
に、後パイプフレーム102d上に立設した支柱217
に支持される。支柱217上には支持フレーム187a
が固設され、支持フレーム187aの前部にシリンダ1
87bが固設される。シリンダ187bには後方に延出
するプランジャ187cが挿入されており、プランジャ
187cの後端にはローラ187dが回動自在に設けら
れている。また、支持フレーム187aの後部には、ロ
ーラ187dと当接するアーム187eが枢支されてお
り、アーム187eの反枢支側の端部には、ローラ18
7fが回動自在に設けられている。一方、前記植付出力
軸104aにはスプロケット127・127間に、図2
1に示すように、カム192が固設されており、該カム
192はローラ187fと当接する。そして、植付出力
軸104aの回転により、ローラ187fを枢支するア
ーム187eが前後回転し、ローラ187dを介してプ
ランジャ187cが進退動されて、灌水ポンプ187が
駆動する。以上のように、移植部120を駆動する植付
出力軸104aにカム192を設けて、灌水ポンプ18
7の駆動を行っているので、灌水ポンプ187からの水
送出タイミングと、移植部120における移植爪151
・151の植付けタイミングとを、同調させることが可
能である。
【0112】シリンダ187bには、吸入口と吐出口と
が設けられ、吸入口と水タンク186とが灌水ホース1
98aを介して連結され、吐出口と移植爪151に設け
る灌水管188とが同じく灌水ホース198bを介して
連結される。
【0113】灌水管188は前記移植爪支持体160に
固設されており、一端が移植爪支持体160の前方に延
出して灌水ポンプ187の吐出口と連結され、他端が移
植爪151の爪体128・129間に挿入されている。
以上のようにして、灌水ポンプ187の駆動により、水
タンク186内の水を灌水ホース198a・198bを
介して、移植爪151内に挿入した灌水管188に送水
して灌水する構成としている。このため、苗が土中に安
定して保持されると共に、植付直後の給水作業も不要と
なり、活着性が向上する。
【0114】両実施例間での相違点の十三について説明
する。第二実施例では、前記灌水機構を備えることに伴
って、移植爪151のスクレパー機構が備えられる。第
一実施例では、スクレパー機構は備えない。
【0115】移植爪151のスクレパー機構について、
図22、図26、図27を用いて説明する。移植爪15
1には、前記灌水機構により水が供給される。本スクレ
パー機構は、植付時に供給される水のため、畝中への貫
入時に爪体128・129に付着する泥を除くものであ
る。前記後フレーム102b・102bの前部下面には
それぞれ、図22に示すように、支持フレーム201・
201が固設されており、各支持フレーム201の下端
部に支持アーム202が枢支されて昇降回動自在であ
る。支持アーム202の前後中途部と、後フレーム10
2bの支持フレーム201後部とには、スプリング20
3が張設されており、支持アーム202の開放端(反枢
支側端部)が常時上方に付勢されている。
【0116】支持アーム202には、該支持アーム20
2に沿って移動自在とされる移動体204・204がそ
れぞれ設けられており、左右の移動体204・204間
に一対のスクレパーワイヤー205・205が張設され
ている。一対であるスクレパーワイヤー205・205
は、中央部で交わるように平面視「X」字状に設けら
れ、スクレパーワイヤー205・205と移動体204
・204とによって、二つの空間が生じるようにしてい
る。スクレパーワイヤー205・205は、移植爪15
1・151との位置関係では、移植爪151・151の
左右外側に張設されており、移植爪151・151の外
周に当接するように配置されている。そして、前記空間
の一方に、一方の移植爪151の爪体128・129が
挿入され、前記空間の他方に、他方の移植爪151の爪
体128・129が挿入される。また、スクレパーワイ
ヤー205・205の一端側(本実施例左側)は、それ
ぞれスプリング206を介して移動体204に連結され
ている。このため、移植爪151の上下動に伴って、ス
クレパーワイヤー205・205は爪体128・129
の外周に当接したまま、前後に伸張および収縮する。
【0117】このため、ロータリケース152の駆動に
よる移植爪151の上下動に伴って、スクレパーワイヤ
ー205・205により、移植爪151の外周の付着物
を除去することができる。特に、移植爪151に灌水す
る灌水機構を設けた場合には移植爪151の外周に泥が
付着するが、スクレパーワイヤー205・205によ
り、該泥を除去可能である。また、本実施例(第二実施
例)では、スクレパーワイヤー205・205を交差さ
せる構成としたが、スクレパーワイヤー205・205
を左右方向に平行に設けるようにしてもよい。なお、以
上の効果は、スクレパーワイヤー205・205の支持
構造を、機体フレーム102(後フレーム102b・1
02b)に対し昇降回動自在とした支持アーム202・
202に設ける構成に限定されない。スクレパーワイヤ
ー205・205が、移植爪151・151の左右に配
置される構成であれば、機体フレーム102に対して固
定した状態で張設する構成であっても良い。
【0118】スクレパーワイヤー205・205は、前
述したように、機体フレーム102に対し揺動自在とし
た支持アーム202・202に設けられており、移植爪
151の上下動に伴って上下動する。図22に示すよう
に、移植爪151が最上位置(苗受取位置)にあるとき
には、支持アーム202・202も最上位置にあり、移
植爪151が下端位置(苗植付位置)にあるときは、最
下位置となる。移植爪151が最上位置のとき、爪体1
28・129の下端部のみが前記空間に挿入され、移植
爪151が下端位置のとき、爪体128・129の上部
が前記空間内に位置する。また、前記空間は移植爪15
1の下降に伴って、三角形状(移植爪151の最上位
置)から五角形状(図26に図示)に拡張する。
【0119】以上のように、上下動する移植爪151に
対し、スクレパーワイヤー205・205が、移植爪1
51の上昇時に移植爪151の下端に位置し、下降時に
移植爪151の上部に位置するように構成して、移植爪
151の上下動にスクレパーワイヤー205・205が
連動するようにしている。このため、移植爪151の上
下動によって、移植爪151とスクレパーワイヤー20
5・205との当接部位に加わる衝撃を和らげて、該当
接部位の摩耗の防止と、移植爪151が上下動時に受け
る抵抗の軽減とが図られるようにしている。前記衝撃
は、支持アーム202を上方に付勢するスプリング20
3により、吸収されて低減される。
【0120】前記移動体204は、図27に示すよう
に、機体外側を開放側とする断面視「コ」字状の取付部
材207を備え、該取付部材207の開放側(図27中
左側)の上下間を連結ピン208・208により連結
し、支持アーム202を囲うようにしている。取付部材
207の閉鎖側端面(図27中右側端面)には、機体内
側へ延出するプレート219が固設されており、該プレ
ート219には一対の取付孔219a・219aが形成
されている。該取付孔219a・219aに、左側の移
動体204においては、スクレパーワイヤー205・2
05の端部に設ける前記スプリング206の一端が取付
けられる。また、右側の移動体では、該取付孔219a
・219aに、スクレパーワイヤー205・205の他
端(反スプリング206側端)に取り付けた取付板20
5a・205aが、連結ピン220・220を介して連
結される。そして、左右の移動体204・204間で、
スクレパーワイヤー205とスプリング206との連結
体が一対、張設されるようにしている。一方、前記連結
ピン208・208にはそれぞれ、同軸上にローラ20
9が設けられており、ローラ209は連結ピン208に
対して回動自在である。そして、ローラ209・209
は、スプリング206による機体内向きへの付勢力によ
り支持アーム202側面に当接し、支持アーム202に
沿って転動可能である。以上構成により、移動体204
・204は、支持アーム202に沿って摺動自在であ
る。
【0121】以上のようにして、スクレパーワイヤー2
05・205の両側は、機体フレーム102(後フレー
ム102b・102b)に対して昇降回動自在に設けた
支持アーム202・202に、移動体204・204を
介して、摺動自在に取り付けられている。また、支持ア
ーム202・202は、左右一対設けた移植爪151・
151の外側に位置している。このため、上下に移動す
る移植爪151の移動軌跡が側面視曲線状となり、移植
爪151が上下動に加えて前後動をも行う場合でも、ス
クレパーワイヤー205・205が移植爪151に追従
して前後動でき、スクレパーワイヤー205・205と
移植爪151外周との当接が確実に行われる。したがっ
て、移植爪151外周の付着物(泥)の除去作業の効率
が向上する。
【0122】次に、覆土輪122の支持構成について図
28乃至図31より説明する。前記左右の後フレーム1
02b・102bの前後中途部下面から下方にステー1
72・172が突設され、該ステー172・172に覆
土輪フレーム173の前端が支点軸180により枢支さ
れて枢支部としている。該枢支部近傍に後述するロック
部189が設けられている。該覆土輪フレーム173は
平面視U字状に構成し、後端部より後方にハンドル17
4を突出し、左右中央部より上方に支持ステー175を
突設し、下方に取付フレーム176を垂設している。
【0123】前記取付ステー176下端に前後方向に枢
支軸190を突設し、該枢支軸190上に覆土輪支持フ
レーム191の下部を枢支している。該覆土輪支持フレ
ーム191は後面視において、横「E」型に構成して、
中央のフレーム下部に前記枢支軸190を枢支し、左右
両側のフレームと中央のフレームの下部の間に覆土輪1
22・122・122・122を左右一対ずつ回転自在
に配置している。この一対の覆土輪122・122・・
・は前記移植爪151・151の進行方向の線を跨ぐ構
成としている。こうして、左右中央下部に枢支軸90を
配置して左右の覆土輪122・122・・・を左右傾倒
自在に支持して、畝125上面の傾斜に追随して覆土精
度を高め、移植後の苗126の根部の両側を押さえる構
成としている。
【0124】覆土輪122・122・・・は、覆土輪支
持フレーム191に次のようにして支持されている。覆
土輪支持フレーム191の左右下端部にはそれぞれ、図
29、図30に示すように、前後方向に延出する支持フ
レーム210が固設されており、支持フレーム210の
前端部には覆土輪支持フレーム191の内側へ延出する
車軸211が突設されている。該車軸211に覆土輪1
22が回動自在に支持される。覆土輪支持フレーム19
1の中央下端部にも、前後方向に延出する支持フレーム
212が固設されており、支持フレーム210の前端部
には左右両側へ延出する車軸211・211が突設され
ている。該車軸211に覆土輪122が回動自在に支持
され、中央の支持フレーム212により二輪の覆土輪1
22・122が支持される。また、覆土輪支持フレーム
191の下部となる該支持フレーム212に、前記枢支
軸190が回動自在に設けられている。
【0125】両実施例間での相違点の十四について説明
する。第二実施例では、前記灌水機構を備えるために、
覆土輪122・122のスクレパー機構が備えられてい
る。第一実施例には、覆土輪22・22のスクレパー機
構は備えない。
【0126】左右の支持フレーム210・210の後端
部にはそれぞれ、図29、図30に示すように、覆土輪
支持フレーム191の内側へ延出するスクレパー213
が固設されている。スクレパー213は覆土輪122の
外周後端に当接し、覆土輪122の外周形状に合わせて
切欠きを設けた平面視略矩形状(台形状)に形成され
る。同じく、中央の支持フレーム212の後端部にも、
左右両側へ延出する一対のスクレパー213・213が
固設されている。各スクレパー213はそれぞれ覆土輪
122の外周後端に常時当接し、覆土輪122の外周上
に付着した泥等の付着物を除去する。このため、前記灌
水機構により移植爪151内への灌水を行って畝上に泥
が生じても、覆土輪122に付着した泥を除去できる。
【0127】両実施例間での相違点の十五について説明
する。第二実施例では、覆土輪122・122間のトレ
ッドを調整可能に構成されている。第一実施例では、覆
土輪22・22のトレッドは固定に構成されている。
【0128】前記左右で一対ずつ設けられる覆土輪12
2・122は、両覆土輪122・122間のトレッドを
調整可能に構成されている。前記車軸211には、図3
0に示すように、該車軸211の延出方向に沿って、外
径の異なる二つの部位が形成されている。両部位は、覆
土輪122に挿入される枢支部211aと、支持フレー
ム210・212への固設側の基部211bとである。
基部211bは枢支部211aより外径が大きく形成さ
れている。枢支部211aは、覆土輪122中央部の車
軸支持部の左右幅よりも長く形成されており、車軸21
1上での覆土輪122の取付位置を、枢支部211aに
沿って調整可能である。車軸211の先端(反固設側
端)に、枢支部211aの外径より幅広とした制止板2
14を配置し、ボルト215により締結固定して、車軸
211から覆土輪122が脱落するのを防止する。ま
た、枢支部211aの同軸上にボス216を設けて、覆
土輪122が枢支部211aに沿って摺動することを制
止する。図30において、左端の覆土輪122のよう
に、枢支部211aの後端側にボス216・216を配
置することで、該覆土輪122の取付位置を右側(内
側)に寄せることができる。該覆土輪122に対向する
左から二番目の覆土輪122は、図30においては、枢
支部211aの先端側および後端側に一つずつボス21
6をそれぞれ配置している。該覆土輪122において
も、枢支部211aの後端側にボス216・216を配
置することで、該覆土輪122の取付位置を左側(外
側)に寄せることができる。以上のようにして、対向す
る一対の覆土輪122・122間のトレッドを、狭める
ことが可能である。対向する覆土輪122・122間に
おいて、枢支部211aの先端側にボス216・216
を配置すると、両覆土輪122・122間のトレッドは
広げられる。
【0129】以上のように、覆土輪122の車軸211
を、外径の異なる二つの部位を有すると共に、短径側の
部位である枢支部211aの形成長さを、覆土輪122
が摺動自在となる長さとし、ボス216を設けて覆土輪
122の摺動を制止する構成とすることで、対向する覆
土輪122・122間のトレッドの調整が可能である。
ボス216を、覆土輪122に対し、枢支部211aの
先端側もしくは後端側に付け替えるだけで覆土輪122
の左右取付位置を調整可能であり、調整構造が簡単で耐
久性に優れると共に、調整が容易である。
【0130】前記支持ステー175の上部に左右方向に
枢支軸77を設け、該枢支軸177に延設部材となるガ
イド杆178の一側が摺動自在に挿入され、該枢支軸1
77の両側のガイド杆178上には付勢部材となるバネ
179a・179bが外嵌されている。該ガイド杆17
8の他端は前記ハンドルフレーム106(中フレーム6
M)の後部に支点軸181により回転自在に支持されて
いる。このように構成することによって、前記覆土輪1
22は前記バネ179bの付勢力により下方へ押圧する
ように付勢されている。そして、作業終了時や回行する
ときに、ハンドル174を持って覆土輪122を上昇さ
せると、枢支軸177が支点軸180・181を結ぶ線
上よりも上方に位置すると死点越えとなって、覆土輪1
22を上昇した位置に維持することができるのである。
【0131】次に、覆土輪122を上昇させた位置にロ
ックするためのロック部189の構成について、図2
8、図31を用いて説明する。前記枢支部近傍にはロッ
ク部189が設けられている。該ロック部189は前記
覆土輪フレーム173の回動基部側に枢支軸193によ
りロックアーム94の一端を枢支し、該ロックアーム1
94の他側には長手方向と上方(支点軸180に対して
半径方向)に延びるL字状の長孔194aが形成され、
一方、機体フレーム102(後フレーム2b)の前記ス
テー172よりも上方位置に係止ピン195を突出し
て、該係止ピン195を前記長孔194aに挿入してい
る。
【0132】更に、前記ロックアーム194の他端(上
端)にワイヤー196とバネ197の一端が連結され、
該バネ197の他端は前方の後フレーム102bに連結
されてロックアーム194を前方へ回動するように付勢
し、ワイヤー196の他端は前記昇降レバー132の回
動基部設けたアーム199と連結している。該昇降レバ
ー132には更に図示しないワイヤー等を介してエンジ
ン103近傍に設けた油圧操作レバーと連結され、該昇
降レバー132の操作により前記油圧シリンダ119を
作動させて機体を昇降可能としている。
【0133】このような構成において、前記ハンドル1
74を持ち上げて覆土輪122を上昇させると、ロック
アーム194も持ち上げられて、係止ピン195が長孔
194aに沿って下降し、覆土輪122が上昇位置で前
述の如く死点越えによって上昇位置で維持される位置に
至ると、係止ピン195が長孔194aの垂直部194
bに入り、ロックアーム194はバネ197の引っ張り
力により下方へ回動付勢され、係止ピン195が長孔1
94aの垂直部194bに維持され、覆土輪122が自
重等により下方へ回動しようとしても、垂直部194b
に係止ピン195が係合されて回動できず、覆土輪12
2は上昇位置にロックされることになる。そして、作業
開始時や回行後の作業再開時に、昇降レバー132を機
体が下降するように、前方へ回動操作すると、ワイヤー
196が引っ張られてロックアーム194を後方へ回動
し、この回動によって長孔194aの内面が係止ピン1
95を下方に押して覆土輪フレーム73を下方へ押し、
死点越え部分を通過させて覆土輪122を下げるのであ
る。つまり、昇降レバー132の下降操作に連動して覆
土輪122を下降することができるのである。このよう
にして昇降レバー132の下降操作で覆土輪122も同
時に下降させて操作性を向上しているのである。なお、
本実施例においては、2条植えとしているが、移植爪及
びその駆動機構を更に一対左右方向に付加して4条植え
とすることも可能である。また、本実施例では走行部が
進行方向右側に偏心しているが、左側に偏心した構成と
することも可能である。
【0134】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏するのである。請求項1に示
す如く、長円状に連結した苗搬送体を連続的に回転駆動
しながら、苗搬送体に苗を挿入して、受継部で苗を移植
爪内に投入し、該移植爪を畝中へ移動して開いて移植す
る野菜移植機において、該苗搬送体は苗搬送ポットとポ
ット取付基部により構成され、隣接するポット取付基部
間において、一方のポット取付基部の第一連結部と、他
方のポット取付基部の第二連結部とを平面視重複配置
し、該第一連結部および第二連結部の上方より枢支ピン
を挿入して互いに左右回動自在に枢結された無端体と
し、該ポット取付基部間の連結箇所である第一連結部お
よび第二連結部の下方にはシャッター支持部143cを
設け、該シャッター支持部143cに、シャッター14
5の回動支点である回動支持部145bと、該回動支持
部145bに挿入される支点ピン146を水平方向に枢
支し、該苗搬送体の搬送方向前側にシャッター145の
前部を枢支し、該シャッター145の後部左右一側に、
シャッター145を開閉するローラを付設したので、搬
送方向に対し前高後低となる傾斜面を設けることで、ロ
ーラが傾斜面に引っ掛かることなく、移動に伴って徐々
にシャッターを閉じさせることができる。
【0135】請求項2に示す如く、苗搬送体を苗搬送ポ
ット148とポット取付基部140より構成し、該苗搬
送ポット148をポット取付基部140に対して着脱自
在に構成したので、苗を挿入する苗搬送ポット148
と、ポットの取付基部となる連結体とが別体であるの
で、ポットの破損時等には該ポットのみを交換するだけ
でよく、メンテナンス性が向上する。
【0136】請求項3に示す如く、ポット取付基部は嵌
合環の両側に連結部を配置して無端状に連結し、前記
搬送ポットは上部が拡開した筒状に構成し、前記嵌合環
の内周と、前記苗搬送ポットの外周に、それぞれ凹部ま
たは凸部を設けて嵌合可能としたので、ポットには上方
より苗を挿入し易い。また、連結体からのポットの抜け
が防止される。特に、ポットを合成樹脂製とすると、ポ
ットを撓ませてポットと連結体との係合・離脱を図るこ
とができ、係合・離脱が容易である。
【0137】請求項4の如く、前記シャッターを金属製
とし、前記ローラーを合成樹脂で構成したので、折曲加
工によりシャッターに回動支持部やローラの取付部を一
体成型可能であると共に、剛性を保つことができる。ま
た、ローラが当接する部位を金属製としても、相互が摩
耗したり、異音が発生するのを、防止できる。
【0138】請求項5の如く、ポット取付基部は嵌合環
の両側に連結部を配置して無端状に連結し、機体フレー
ム上の左右両側に配置したスプロケットに嵌合環が当接
するように配設するとともに、該スプロケットの中心部
に位置調整部を形成したので、前記受継部において、ポ
ットを備える連結体から移植部への苗の受渡しに際し、
位置調整部での位置調整により、連結体による苗搬送
と、移植部での苗搬送とのタイミング合わせを図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る歩行型野菜移植機の全
体的な構成を示した側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】機体フレームとミッションケース部分の側面図
である。
【図4】機体フレーム部分の平面図である。
【図5】苗供給部の平面図である。
【図6】受継部の後面断面図である。
【図7】同じく平面図である。
【図8】移植部の後面図である。
【図9】同じく側面図である。
【図10】同じく平面図である。
【図11】移植爪の側面断面図図である。
【図12】覆土輪支持部の側面図である。
【図13】覆土輪部分の後面図である。
【図14】本発明の第二実施例である歩行型野菜移植機
101の全体的な構成を示した側面図である。
【図15】同じく平面図である。
【図16】機体フレームとミッションケース部分の側面
図である。
【図17】機体フレーム部分の平面図である。
【図18】苗供給部の平面図である。
【図19】受継部の後面断面図である。
【図20】同じく平面図である。
【図21】移植部の後面図である。
【図22】同じく側面図である。
【図23】同じく平面図である。
【図24】昇降ガイド153およびロータリケース15
2の支持構造を示す側面図である。
【図25】灌水ポンプ187を示す側面図である。
【図26】移植爪151のスクレパー機構を示す平面図
である。
【図27】同じく後面図である。
【図28】覆土輪支持部の側面図である。
【図29】同じく平面図である。
【図30】同じく後面図である。
【図31】同じく後面図である。
【符号の説明】 1・101 野菜移植機 2・102 機体フレーム 7・107 苗供給部 20・120 植付部 25・125 畝 26・126 苗 40・148 苗搬送ポット 140 ポット取付基部 50・150 受継部 51・151 移植爪 140 ポット取付基部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B060 AA01 AC02 AD01 AE01 BA03 BA09 BB05 CB01 CB05 CB22 CC05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長円状に連結した苗搬送体を連続的に回
    転駆動しながら、苗搬送体に苗を挿入して、受継部で苗
    を移植爪内に投入して、該移植爪を畝中へ移動して開い
    て移植する野菜移植機において、苗搬送体を連結体とポ
    ットより構成し、該ポットを連結体に対して着脱自在に
    構成したことを特徴とする野菜移植機。
  2. 【請求項2】 前記連結体は嵌合環の両側に連結部を配
    置して無端状に連結し、前記ポットは上部が拡開した筒
    状に構成し、前記嵌合環の内周と、前記ポットの外周
    に、それぞれ凹部または凸部を設けて嵌合可能としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の野菜移植機。
  3. 【請求項3】 前記連結体は嵌合環の両側に連結部を配
    置して無端状に連結し、前記嵌合環の搬送方向前側にシ
    ャッターの前部を枢支し、該シャッターの後部左右一側
    にローラーを配置したことを特徴とする請求項1記載の
    野菜移植機。
  4. 【請求項4】 前記シャッターを金属製とし、前記ロー
    ラーを合成樹脂で構成したことを特徴とする請求項3記
    載の野菜移植機。
  5. 【請求項5】 前記連結体は嵌合環の両側に連結部を配
    置して無端状に連結し、機体フレーム上の左右両側に配
    置したスプロケットに嵌合環が当接するように配設する
    とともに、該スプロケットの中心部に位置調整部を形成
    したことを特徴とする請求項1記載の野菜移植機。
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