JP2003229720A - 圧電発振器の製造方法及び圧電発振器 - Google Patents

圧電発振器の製造方法及び圧電発振器

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JP2003229720A
JP2003229720A JP2002027302A JP2002027302A JP2003229720A JP 2003229720 A JP2003229720 A JP 2003229720A JP 2002027302 A JP2002027302 A JP 2002027302A JP 2002027302 A JP2002027302 A JP 2002027302A JP 2003229720 A JP2003229720 A JP 2003229720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時間の経過とともに発振周波数が変化するこ
とがなく、また封止用ガラスの細り現象が生じない圧電
発振器の提供を目的とする。 【解決手段】 音叉型圧電振動片22を実装する第1キ
ャビティ20と、ICチップ32を実装する第2キャビ
ティ30とを、音叉型圧電振動片22の厚さ方向に縦列
形成したパッケージ10からなる圧電発振器1であっ
て、パッケージ10における第1キャビティ20と第2
キャビティ30との連通孔40を、圧電振動片22にお
ける質量調整部(錘25)に相対して形成するととも
に、連通孔40が金属ロウ材で封止されている構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電発振器および
その製造方法に関するものであり、特に圧電振動片およ
びICチップを厚さ方向に並べてそれぞれ独立したキャ
ビティに実装した圧電発振器およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電気回路において一定の周波数を得るた
め、圧電発振器が利用されている。圧電発振器は、発振
回路を構成する圧電振動片およびICチップを、パッケ
ージ内部に実装したものである。
【0003】図7に従来技術に係る圧電発振器の説明図
を示す。同図(1)はD−D線における平面断面図であ
り、同図(2)はE−E線における側面断面図である。
図7の圧電発振器201は、ATカット圧電振動片22
2を実装する第1キャビティ220と、ICチップ23
2を実装する第2キャビティ230とを、圧電振動片2
22の厚さ方向に縦列形成する、セラミック材料等から
なるパッケージ210で構成されている。なお、第1キ
ャビティ220における圧電振動片の挿入口と、第2キ
ャビティ230におけるICチップの挿入口とは、前記
縦列方向の両端部に形成されている。そして、第1キャ
ビティ220内部に圧電振動片222が実装され、その
挿入口にはリッド228が固着されている。なお圧電振
動片222は、エポキシ系やシリコーン系の合成樹脂材
料等からなる導電性接着剤226により、第1キャビテ
ィ220の底部に固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した圧電発振器の
製造工程では、圧電振動片222を実装した後に、リッ
ド228を固着する。このリッド228の固着工程はシ
ーム溶接等の方法により行われるが、いずれもパッケー
ジ210の温度上昇を伴うものである。
【0005】この温度上昇により、圧電振動片222の
実装に使用した導電性接着剤226からガスが発生す
る。また、パッケージ210のセラミック材料等に含ま
れる水分等が蒸発して、第1キャビティ220内部に放
出される。なお、リッド226の固着により第1キャビ
ティ220は密閉されるので、発生したガスは第1キャ
ビティ220内部に残留する。そして、残留したガスが
徐々に圧電振動片222に付着し、時間の経過とともに
圧電発振器201の発振周波数を変化させるという問題
がある。
【0006】一方、パッケージ210の温度上昇によ
り、圧電振動片222が熱応力を受けて、その共振周波
数が変化する。なお、圧電振動片222をプラズマ化し
たエッチングガスで処理することにより、また圧電振動
片222にレーザを照射することにより、圧電振動片2
22自体を所定の共振周波数に調整する方法がある。し
かし、リッド226の固着により第1キャビティ220
は密閉されるので、これらの調整方法の実施は不可能で
ある。なお、ICチップ232の容量調整による圧電発
振器201の周波数調整は可能であるが、その調整範囲
には限界がある。
【0007】本発明は上記問題点に着目し、時間の経過
とともに発振周波数が変化することのない圧電発振器及
びその製造方法の提供を目的とする。また、リッドの固
着後にも圧電振動片自体の周波数調整が可能な圧電発振
器及びその製造方法の提供を目的とする。さらに、連通
孔を容易に形成することが可能であり、また連通孔にお
ける封止の信頼性を高めることが可能な、圧電発振器及
びその製造方法の提供を目的とする。
【0008】ところで、低周波数の圧電発振器を得るた
め、音叉型の圧電振動片を使用して上述した圧電発振器
を構成する方法が検討されている。図8に音叉型圧電振
動片を使用した場合の圧電発振器の説明図を示す。同図
(1)は平面図であり、同図(2)はF−F線における
側面断面図である。音叉型圧電振動片322は、周囲の
ガスの抵抗により共振周波数が変動するので、第1キャ
ビティ320内部を真空状態に封止して周波数調整を行
う必要がある。そこで、圧電振動片の挿入口に透明なガ
ラスリッド328を固着して、第1キャビティ320内
部を真空封止した後に、ガラスリッド328越しに圧電
振動片322にレーザを照射することにより、圧電振動
片322の周波数調整を行う方法が提案されている。こ
の場合、質量調整用の錘325を備えた音叉型圧電振動
片322を実装し、レーザ照射により錘325の一部を
除去して圧電振動片322の質量を調整することによ
り、圧電振動片322の周波数調整を行う。
【0009】このガラスリッド328は、封止用ガラス
327を介してパッケージ310に固着する。そして、
ガラスリッド328の固着工程では、封止用ガラス32
7を加熱するため、パッケージ310の温度上昇を伴
う。よって上記と同様に、第1キャビティ320内部に
新たなガスが発生する。そして、ガラスリッド328の
固着により第1キャビティ320は密閉されるので、第
1キャビティ320内部の圧力が上昇する。これによ
り、硬化途中の封止用ガラス327の一部が外側に押し
広げられ、封止幅Wが細くなるいわゆる細り現象が生じ
る。その結果、第1キャビティ320の封止安定性が害
されるという問題がある。
【0010】一方、レーザの照射により除去された錘3
25は、飛散して第1キャビティ320の内面上に付着
する。ところが、第1キャビティ320を構成するパッ
ケージ310はセラミック材料等からなるため、金属材
料等からなる錘325との密着性は弱い。その結果、一
度付着した錘が第1キャビティ320の内面上から離脱
する可能性がある。そして、離脱した錘が圧電振動片3
22の電極323の間に再付着して、電極323を短絡
させるという問題がある。
【0011】本発明は上記問題点に着目し、封止用ガラ
スの細り現象が生じない圧電振動片及びその製造方法の
提供を目的とする。また、レーザ照射によって除去され
た錘により、音叉型圧電振動片の電極が短絡することの
ない、圧電振動片及びその製造方法の提供を目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る圧電発振器の製造方法は、圧電振動片
を実装する第1キャビティと、ICチップを実装する第
2キャビティとを、前記圧電振動片の厚さ方向に縦列形
成したパッケージからなる圧電発振器の製造方法であっ
て、前記第1キャビティ内部に圧電振動片を実装する工
程と、前記第1キャビティにおける前記圧電振動片の挿
入口にリッドを固着する工程と、前記第1キャビティ内
部と外部との連通孔から前記第1キャビティ内部のガス
を排出する工程と、前記連通孔を遮蔽する工程と、を順
次行う構成とした。この場合、リッドの固着工程におい
て第1キャビティ内部に発生したガスは、ガス排出工程
において連通孔から外部に排出される。よって、発生し
たガスが第1キャビティ内部に残留して、圧電振動片に
付着することがない。従って、時間の経過とともに圧電
発振器の発振周波数が変化することがない。
【0013】なお前記パッケージは、前記圧電振動片の
厚さ方向にセラミックシートを積層して形成され、前記
第1キャビティと前記第2キャビティとの仕切り壁が、
前記セラミックシートを少なくとも2層重ねて形成され
るとともに、前記仕切り壁に前記連通孔が形成されてい
る構成としてもよい。これにより、連通孔を容易に形成
することができる。
【0014】また、前記リッドを固着する工程は、前記
第1キャビティにおける前記圧電振動片の挿入口の周縁
部に封止用ガラスを塗布する工程と、前記挿入口にガラ
ス製のリッドを配置する工程と、前記第1キャビティ内
部と外部との連通孔を開放しつつ、前記封止用ガラスを
加熱して、前記リッドを固着する工程と、を順次行う構
成としてもよい。この場合、リッドの装着工程において
新たなガスが発生しても、連通孔から外部に逃げるた
め、第1キャビティ内部の圧力は上昇しない。従って、
封止用ガラスの細り現象が生じることはない。
【0015】また、前記リッドを固着する工程の後に、
前記連通孔を介して前記圧電振動片を所定の周波数に調
整する工程を有する構成としてもよい。例えば、連通孔
を介して第1キャビティ内部にプラズマ化したエッチン
グガスを導入することにより、また連通孔を介して圧電
振動片にレーザを照射することにより、リッドの固着後
にも圧電振動片自体の周波数調整が可能となる。
【0016】また、前記連通孔を遮蔽する工程の後に、
前記圧電振動片の特性を測定し、前記圧電振動片の使用
可否を判断する工程と、前記第2キャビティ内部に前記
ICチップを実装する工程と、前記リッド越しに、前記
圧電振動片の質量調整部に対してレーザを照射すること
により、前記圧電発振器を所定の周波数に調整する工程
と、を順次行う構成としてもよい。これにより、リッド
の固着後にも圧電振動片自体の周波数調整が可能とな
る。
【0017】なお上記に加えて、圧電振動片とICチッ
プとをそれぞれ独立したキャビティに実装することによ
り、ICチップの実装に使用した導電性接着剤から発生
するガスが圧電振動片に付着することはないので、時間
の経過とともに発振周波数が変化することがなくなる。
また、ICチップを実装する前に圧電振動片の使用可否
を判断するので、圧電振動片の不良を原因として良品の
ICチップを実装した圧電発振器を廃棄することがなく
なり、コストを削減することができる。また、第1キャ
ビティにリッドを固着した後にICチップを実装するの
で、ICチップが高温状態となることがなくなり、Au
線によるワイヤボンディングやFCBなど様々な実装方
法を採用することができる。また、圧電振動片のみを実
装したパッケージの在庫を確保しておき、温度補償型や
電圧制御型等の異なるICチップを実装することによ
り、多品種の圧電発振器を短納期で出荷することができ
る。
【0018】また、前記圧電発振器を所定の周波数に調
整する工程は、金属ロウ材により遮蔽された前記連通孔
に相対する前記圧電振動片の質量調整部に対して、レー
ザを照射することにより行う構成としてもよい。連通孔
を遮蔽する金属ロウ材は、同じ金属材料からなる錘を捕
捉することができる。従って、レーザ照射によって除去
された錘により、音叉型圧電振動片の電極が短絡するこ
とがない。
【0019】また、前記圧電振動片は、音叉型圧電振動
片である構成としてもよい。これにより、周囲のガスの
影響により共振周波数が変動しやすい音叉型圧電振動片
を使用する場合でも、その周囲を真空状態に保持するこ
とができるので、時間の経過とともに発振周波数が変化
することがない。
【0020】一方、本発明に係る圧電発振器は、請求項
1ないし6のいずれかに記載の圧電発振器の製造方法を
使用して製造した構成とした。これにより、請求項1な
いし6の効果を伴った圧電発振器を提供することができ
る。
【0021】また、圧電振動片を実装する第1キャビテ
ィと、ICチップを実装する第2キャビティとを、前記
圧電振動片の厚さ方向に縦列形成したパッケージからな
る圧電発振器であって、前記圧電振動片の厚さ方向に複
数のセラミックシートを積層して前記パッケージを形成
し、前記第1キャビティと前記第2キャビティとの仕切
り壁を構成するセラミックシートに、前記第1キャビテ
ィと前記第2キャビティとの連通孔を形成するととも
に、前記連通孔が金属ロウ材で封止されている構成とし
た。これにより、連通孔を容易に形成することができ
る。
【0022】また、前記仕切り壁を少なくとも2層のセ
ラミックシートで構成するとともに、前記第2キャビテ
ィに面する前記セラミックシートにおける前記連通孔の
開口面積が、少なくとも前記仕切り壁を構成する他のい
ずれかの前記セラミックシートにおける前記連通孔の開
口面積より、大きく形成されている構成としてもよい。
これにより、溶解した金属ロウ材が第1キャビティ側に
突出して固化するのを防止することが可能となり、圧電
振動片と金属ロウ材との当接を回避することができる。
従って、発振周波数が変化することがない。
【0023】また前記連通孔は、前記ICチップの実装
部に形成されている構成としてもよい。この場合、連通
孔の上に接着剤を介してICチップが実装されるので、
連通孔における封止の信頼性を極めて高くすることがで
きる。また前記連通孔は、前記圧電振動片における質量
調整部に相対して形成されている構成としてもよい。こ
の場合、レーザの照射によって除去された錘により、音
叉型圧電振動片の電極が短絡することがない。
【0024】また、圧電振動片を実装する第1キャビテ
ィと、ICチップを実装する第2キャビティとを、前記
圧電振動片の厚さ方向に縦列形成したパッケージからな
る圧電発振器であって、前記パッケージにおける前記第
1キャビティと前記第2キャビティとの連通孔を、前記
圧電振動片における質量調整部に相対して形成するとと
もに、前記連通孔が金属ロウ材で封止されている構成と
した。この場合、レーザの照射によって除去された錘に
より、音叉型圧電振動片の電極が短絡することがない。
【0025】また、前記圧電振動片は、音叉型圧電振動
片である構成としてもよい。これにより、周囲のガスの
影響により共振周波数が変動しやすい音叉型圧電振動片
を使用する場合でも、時間の経過とともに発振周波数が
変化することがない。
【0026】また、前記ICチップを実装した前記第2
キャビティの内部に、樹脂を充填した構成とすることが
できる。これにより、ICチップで発生した熱が樹脂を
介して放熱されるので、圧電振動片の実装に使用した導
電性接着剤に伝達されて、第1キャビティ内部に新たな
ガスを発生させることがない。従って、時間の経過とと
もに発振周波数が変化することがない。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係る圧電振動片及びその
製造方法の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳
細に説明する。なお以下に記載するのは本発明の実施形
態の一態様にすぎず、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0028】最初に、第1実施形態について説明する。
図1に第1実施形態に係る圧電発振器の説明図を示す。
同図(1)は平面図であり、同図(2)はA−A線にお
ける側面断面図である。第1実施形態に係る圧電発振器
は、音叉型圧電振動片22を実装する第1キャビティ2
0と、ICチップ32を実装する第2キャビティ30と
を、圧電振動片22の厚さ方向に縦列形成したパッケー
ジ10からなる圧電発振器1であって、パッケージ10
における第1キャビティ20と第2キャビティ30との
連通孔40を、圧電振動片22における質量調整部(錘
25)に相対して形成するとともに、連通孔40が金属
ロウ材で封止されているものである。
【0029】第1実施形態に係る圧電発振器1のパッケ
ージ10は、所定の形状にブランクしたセラミックシー
トを、実装する圧電振動片22の厚さ方向に積層して構
成する。そのパッケージ10には、圧電振動片22を実
装する第1キャビティ20と、ICチップ32を実装す
る第2キャビティ30とを、実装する圧電振動片22の
厚さ方向に縦列形成する。また、第1キャビティ20に
おける圧電振動片22の挿入口と、第2キャビティ30
におけるICチップ32の挿入口とを、縦列方向両端部
に形成する。さらに、第1キャビティ20と第2キャビ
ティ30との仕切り壁12の表面等には、圧電振動片2
2及びICチップ32を実装する電極パッド13、及び
発振回路を構成する配線パターン(不図示)を形成す
る。なお、圧電振動片の先端部分の下方における仕切り
壁には、圧電振動片の逃げ穴を設けるのが好ましい。圧
電発振器に作用した衝撃力により、圧電振動片の先端部
分が大きく変位した場合でも、仕切り壁との当接を回避
して、圧電振動片の破損を防止することができるからで
ある。
【0030】一方、パッケージ10における第1キャビ
ティ20と第2キャビティ30との仕切り壁12には、
両キャビティの連通孔40を形成する。連通孔40は、
実装する圧電振動片22の質量調整部である錘25に相
対して、その下方に形成する。図2に連通孔形成部分の
拡大図を示す。連通孔は金属ロウ材42により遮蔽す
る。金属ロウ材42には、ガスの発生が少なく封止安定
性に優れた、Au−Sn合金又はAu−Ge合金等を使
用する。そして図2に示すように、仕切り壁12を2枚
のセラミックシートで構成した場合には、第2キャビテ
ィ30側のシート12bの孔径より、第1キャビティ2
0側のシート12aの孔径を小さくして、連通孔40を
形成する。これにより、溶解した金属ロウ材42が第1
キャビティ20側に突出して固化するのを防止すること
が可能となり、圧電振動片22と金属ロウ材42との当
接が回避される。また、セラミック材料等からなる仕切
り壁12と、金属ロウ材42との接着性を向上するた
め、連通孔40の内周面にはNi/Auメッキ43を施
す。なお連通孔40は、仕切り壁12の表裏両面に形成
した配線パターン間を導通するための、スルーホールと
して機能させることも可能である。
【0031】第1実施形態では、低〜中周波数の圧電発
振器を得るため、水晶等の圧電材料により音叉型に形成
した圧電振動片22を第1キャビティ20に実装する。
音叉型圧電振動片22は、2本の振動腕24の表面に、
Au材料等により励振電極23を形成したものである。
この励振電極23に通電することにより、各振動腕24
は水平方向に励振される。さらに、各振動腕24の先端
部分には質量調整部を設ける。質量調整部には、励振電
極23と同じAu材料等により錘25形成する。この錘
25の一部をレーザ等で除去して質量を調整することに
より、圧電振動片22の共振周波数の調整が可能とな
る。なお、錘25を振動腕の先端部分に設けるのは、少
量の錘25を除去するだけで大幅な周波数調整が可能と
なるからである。
【0032】ところで、音叉型圧電振動片22は、周囲
のガスの抵抗により共振周波数が変動するので、第1キ
ャビティ20の内部を真空状態に封止して周波数調整を
行う必要がある。そこで、圧電振動片の挿入口に透明な
ガラスリッド28を固着して、第1キャビティ20内部
を真空封止した後に、ガラスリッド28越しに圧電振動
片22にレーザを照射することにより、圧電振動片22
2の周波数調整を行う。ガラスリッド28は、第1キャ
ビティ20における圧電振動片の挿入口より大きな長方
形状とする。なお、ガラスリッド28の四隅には面取り
等を設けて、クラックの発生を防止するのが好ましい。
一方、ガラスリッド28は、封止用ガラス27を介して
パッケージ10に固着する。封止用ガラス27には、低
融点ガラスを使用する。
【0033】一方、第2キャビティ30に実装するIC
チップ(集積回路素子)32には、帰還増幅器のみを構
成する通常のICチップの他にも、周囲温度の変化によ
る周波数変化を少なくする温度補償回路を付加した温度
補償型のICチップや、外部からの入力電圧により出力
周波数を可変または変調可能とした電圧制御型のICチ
ップ等を使用することができる。さらに、ICチップ3
2の容量を増加させるコンデンサや抵抗等の電子部品
を、追加して実装することも可能である。また、ICチ
ップの代わりにコンデンサや抵抗等の電子部品を実装す
ることも可能である。
【0034】上述した第1実施形態に係る圧電発振器の
製造方法につき、図1及び図3を用いて説明する。図3
には、第1実施形態に係る圧電発振器の製造方法のフロ
ーチャートを示す。
【0035】まず、上記のように形成したパッケージ1
0の第1キャビティ20内部に、圧電振動片22を実装
する(S60)。具体的には、まずパッケージ10の仕
切り壁12の表面に形成した電極パッド13上に、ゲル
状の導電性接着剤26を塗布する(S61)。導電性接
着剤26は、金属粉や導電性カーボン等の導電性物質
を、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの合成樹脂中に
分散させたものであり、代表的なものはAgペーストで
ある。次に、前記電極パッド13上に、圧電振動片22
の接続電極を配置して実装する(S62)。次に、導電
性接着剤26を乾燥させ硬化させる(S63)。乾燥条
件は、例えば180℃で60分以上とする。
【0036】次に、第1キャビティ20における圧電振
動片の挿入口に、リッド28を固着する(S65)。具
体的には、まず前記挿入口の周縁部におけるパッケージ
10上に、封止用ガラス27を塗布する(S66)。次
に、前記挿入口を覆うようにリッド28を配置する(S
67)。次に、加熱して封止用ガラス27を溶解させ、
ガラスリッド28とセラミックパッケージ10とを固着
する(S68)。加熱条件は、例えば320℃で15分
程度とする。なお、ステップ68で高温加熱を行うた
め、圧電振動片22の実装に使用した導電性接着剤26
からガスが発生する。また、パッケージ10のセラミッ
ク材料内部に含まれていた水分等が蒸発して、第1キャ
ビティ20内部に放出される。しかし、連通孔40を開
放しつつ封止用ガラス27の加熱を行うので、新たなガ
スが発生しても、第1キャビティ20内部の圧力が上昇
することはない。
【0037】次に、第1キャビティ20内部を真空封止
する(S70)。最初に、パッケージ10をベークする
(S71)。ベーク条件は、例えば270℃で60分程
度とする。これにより、導電性接着剤26から未発生の
ガスを発生させ、またパッケージ10のセラミック材料
内部に残留する水分等を蒸発させる。次に、パッケージ
10を真空チャンバ内に配置して、真空ポンプ等により
チャンバ内を真空引きする(S72)。すると、第1キ
ャビティ20内部における、導電性接着剤26から発生
したガス、及びパッケージ10から放出された水蒸気等
が、連通孔40を通って第1キャビティ20の外部に排
出される。そして、第1キャビティ20の内部は真空状
態となる。
【0038】次に、連通孔40に金属ロウ材42を配置
する(S73)。金属ロウ材42は、Au−Sn合金又
はAu−Ge合金等により、球状に成形したもの等を使
用する。金属ロウ材42は、第2キャビティ30側から
連通孔40の開口部に配置する。なお、金属ロウ材42
の直径を連通孔40の最小径より大きく形成し、配置し
た金属ロウ材42が第1キャビティ20側に落下するの
を防止する。次に、レーザを照射して金属ロウ材42を
溶解し、図2に示すように連通孔40を遮蔽する(S7
4)。ステップ73及び74を真空状態で行うことによ
り、第1キャビティ20内部が真空状態に封止される。
【0039】ここで、第1キャビティ20内部に実装し
た圧電振動片22の特性検査を行う(S75)。具体的
には、圧電振動片22の単品状態での共振周波数、CI
値、及び絶縁抵抗等を測定する。そして、実装した圧電
振動片22が使用可能か判断する(S76)。特に、圧
電振動片22の共振周波数が、後述(S90)する周波
数調整により調整可能な範囲内にあるか判断する。そし
て、各特性の測定値が許容範囲外であり、圧電振動片2
2が使用不可能と判断された場合には、パッケージ10
ごと圧電振動片22を廃棄する(S77)。このよう
に、ICチップ32を実装する前に圧電振動片22の使
用可否を判断するので、圧電振動片22の不良を原因と
して、良品のICチップ32を実装した圧電発振器1を
廃棄することがなくなり、コストを削減することができ
る。なお、第1キャビティ20を封止した後に圧電振動
片22の特性を測定するので、圧電振動片22の使用可
否を的確に判断することができる。
【0040】一方、ステップ76において圧電振動片2
2が使用可能と判断された場合には、第2キャビティ3
0にICチップ32を実装する(S80)。具体的に
は、まずパッケージ10の仕切り壁12の表面に、導電
性接着剤を塗布する(S81)。なお、連通孔40をI
Cチップ32の実装部分に形成した場合には、連通孔4
0を遮蔽する金属ロウ材を、ICチップ32の接着剤と
して利用することも可能である。そして、ICチップ3
2をダイボンディングする(S82)。次に、導電性接
着剤を乾燥させ硬化させる(S83)。乾燥条件は、例
えば200℃で60分以上とする。次に、第2キャビテ
ィ30の内表面に形成した電極パッドと、ICチップ3
2の電極端子とを電気的に接続する(S84)。なお、
リッドの固着後にICチップの実装を行うので、リッド
固着時の高温によりICチップの電気的接続部分に共晶
が発生することはない。従って、ICチップの電気的接
続には、Au線によるワイヤボンディング、Al線によ
るウエッジボンディングのほか、FCB(フリップチッ
プボンディング)等の様々な方法を使用することができ
る。
【0041】次に、第2キャビティ30内部を樹脂でポ
ッティングする(S85)。具体的には、液状のエポキ
シ樹脂等を第2キャビティ30内部に充填し、ICチッ
プ32及びボンディングワイヤ等を樹脂内部に埋没させ
る。なお、真空状態で樹脂を注入することにより、樹脂
内部への気泡の混入を防止するのが好ましい。次に、注
入した樹脂を乾燥させ硬化させる(S86)。乾燥条件
は、例えば100℃で60分及び150℃で120分と
する。このように、ICチップ32を実装した第2キャ
ビティ30内部に樹脂を充填することにより、ICチッ
プ32で発生した熱は樹脂を介して放熱される。よっ
て、圧電振動片22の実装に使用した導電性接着剤に伝
達されて、第1キャビティ20内部に新たなガスを発生
させることがない。従って、時間の経過とともに発振周
波数が変化することがない。
【0042】なお上記のように、圧電振動片22とIC
チップ32とをそれぞれ独立したキャビティに実装する
ことにより、ICチップ32の実装に使用した導電性接
着剤36から発生するガスが、圧電振動片22に付着す
ることはない。従って、時間の経過とともに発振周波数
が変化することがなくなる。また、圧電振動片22のみ
を実装したパッケージ10の在庫を確保しておき、温度
補償型や電圧制御型等の異なるICチップ32を実装す
ることにより、多品種の圧電発振器を短納期で出荷する
ことができる。
【0043】次に、圧電発振器1の周波数調整を行う
(S90)。図4にレーザ照射による周波数調整方法の
説明図を示す。具体的には、図4(1)に示すように、
圧電振動片22の先端部分における錘25にレーザ50
を照射して、圧電振動片22の質量を調整することによ
り、圧電発振器を所定の発振周波数に調整する。ここ
で、連通孔40に相対する部分の錘25に対してレーザ
50を照射することにより、飛散した錘を連通孔40内
の金属ロウ材42に捕捉させることができる。なお、レ
ーザ50の焦点を圧電振動片22の裏側に設定すること
により、裏側の錘25のみを除去することができる。な
お、ステップ85の樹脂ポッティング工程の前に、圧電
発振器の周波数調整を行ってもよい。このように、IC
チップ32を実装した後に圧電振動片22自体の周波数
調整を行うので、容量の小さいICチップ32を使用す
ることができる。なお、ICチップ32の容量調整を併
用して、周波数調整を行ってもよい。上記に加え、必要
に応じて、圧電発振器の消費電流等につき検査を行う。
以上により、圧電発振器1が完成する。
【0044】第1実施形態に係る圧電発振器の製造方法
では、第1キャビティ内部で発生したガスにより、時間
の経過とともに発振周波数が変化することがなく、また
細り現象も生じない。
【0045】上述したように、リッドの装着工程におい
て、第1キャビティ内部に新たなガスが発生する。そし
て、従来技術に係る圧電発振器の製造方法では、リッド
の装着により第1キャビティは密閉されるので、発生し
たガスが圧電振動片に付着し、時間の経過とともに発振
周波数が変化するという問題がある。また、発生したガ
スにより第1キャビティ内部の圧力が上昇し、硬化途中
の封止用ガラスを押し広げてその一部を細らせる、いわ
ゆる細り現象が生じるという問題がある。
【0046】しかし、第1実施形態に係る圧電発振器の
製造方法では、第1キャビティ内部に圧電振動片を実装
する工程と、第1キャビティにおける圧電振動片の挿入
口の周縁部に封止用ガラスを塗布する工程と、挿入口に
ガラス製のリッドを配置する工程と、第1キャビティ内
部と外部との連通孔を開放しつつ、封止用ガラスを加熱
してリッドを固着する工程と、を有する構成とした。こ
の場合、リッド装着工程において新たなガスが発生して
も、連通孔から外部に逃げるため、第1キャビティ内部
の圧力は上昇しない。従って、封止用ガラスの細り現象
は生じない。
【0047】さらに、第1実施形態に係る圧電発振器の
製造方法では、連通孔を通して第1キャビティ内部のガ
スを排出して、第1キャビティ内部を真空状態にする工
程と、連通孔を遮蔽する工程とを有する構成とした。こ
の場合、リッド固着工程において発生した新たなガス
は、ガス排出工程において連通孔から外部に排出され
る。従って、発生したガスが第1キャビティ内部に残留
して圧電振動片に付着することがなく、時間の経過とと
もに発振周波数が変化することがない。なお、第1キャ
ビティ内部に、圧電振動片以外のものを実装した場合で
も、そこから発生するガスにより発振周波数が変化する
ことはない。
【0048】一方、音叉型圧電振動片は、周囲のガスの
抵抗により共振周波数が変動するので、キャビティ内部
を真空状態に封止して周波数調整を行う必要がある。そ
こで、キャビティ内部を真空封止した後に、ガラスリッ
ド越しに音叉型圧電振動片にレーザを照射して、圧電振
動片の質量を調整することにより周波数調整を行う。こ
こで、従来技術に係る圧電振動片の製造方法では、レー
ザの照射により除去された錘が、ミクロンオーダーで形
成された圧電振動片の電極間に付着して、その電極を短
絡させるという問題がある。
【0049】しかし、第1実施形態に係る圧電振動片の
製造方法では、金属ロウ材により遮蔽された連通孔に相
対する圧電振動片に対して、レーザを照射することによ
り周波数調整を行う構成とした。連通孔を遮蔽する金属
ロウ材は、同じ金属材料からなる錘を捕捉することがで
きる。従って、レーザ照射によって除去された錘によ
り、音叉型圧電振動片の電極が短絡することがない。
【0050】次に、第2実施形態について説明する。図
5に第2実施形態に係る圧電発振器の説明図を示す。同
図(1)は平面図であり、同図(2)はB−B線におけ
る側面断面図である。第2実施形態に係る圧電発振器
は、ATカット圧電振動片122を実装する第1キャビ
ティ120と、ICチップ132を実装する第2キャビ
ティ130とを、圧電振動片122の厚さ方向に縦列形
成したパッケージ110からなる圧電発振器101であ
って、パッケージ110における第1キャビティ120
と第2キャビティ130との連通孔140を、ATカッ
ト圧電振動片122における質量調整部(励振電極12
3)に相対して形成するとともに、連通孔140が金属
ロウ材で封止されているものである。なお、第1実施形
態と同様の構成となる部分については、その説明を省略
する。
【0051】第2実施形態におけるパッケージ110
も、第1実施形態と同様に、圧電振動片122を実装す
る第1キャビティ120と、ICチップ132を実装す
る第2キャビティ130とを、実装する圧電振動片12
2の厚さ方向に縦列形成する。また、パッケージ110
における第1キャビティ120と第2キャビティ130
との仕切り壁112には、両キャビティの連通孔140
を形成する。なお、ATカット圧電振動片122では、
励振電極123の形成部が質量調整部となる。よって連
通孔140は、励振電極123に相対して形成する。な
お、連通孔をICチップの実装部に形成すれば、連通孔
の上に接着剤を介してICチップが実装されるので、連
通孔における封止の信頼性を極めて高くすることができ
る。図5では、例としてパッケージ110の中央部に形
成している。
【0052】第2実施形態では、中〜高周波数の圧電発
振器を得るため、ATカット圧電振動片122を第1キ
ャビティ120に実装する。ATカット圧電振動片12
2は、水晶等の圧電材料からなる矩形平板の表面に、励
振電極123を形成したものである。この励振電極12
3に通電することにより、圧電振動片122には厚みす
べり振動が励振される。なお、ATカット圧電振動片1
22では、必ずしも第1キャビティ120の内部を真空
状態に封止して周波数調整を行う必要はない。そこで、
第2実施形態では金属製またはセラミック製等のリッド
128を使用する。
【0053】第2実施形態に係る圧電発振器の製造方法
について、図5及び図6を用いて説明する。図6には、
第2実施形態に係る圧電発振器の製造方法のフローチャ
ートを示す。なお、第1実施形態と同様の構成となる部
分については、その説明を省略する。
【0054】まず、第1キャビティ120内部に、圧電
振動片を実装する(S160)。その具体的な方法は、
第1実施形態と同様である。次に、第1キャビティ12
0における圧電振動片の挿入口に、リッド128を固着
する(S165)。具体的には、まず前記挿入口を覆う
ようにリッド128を配置する(S166)。次に、シ
ーム溶接や電子ビーム等により、金属リッド128とセ
ラミックパッケージ110とを接合する(S167)。
なお、ステップ167ではパッケージ110の温度上昇
を伴うため、圧電振動片122の実装に使用した導電性
接着剤126からガスが発生する。また、パッケージ1
10のセラミック材料内部に含まれていた水分等が蒸発
して、第1キャビティ120の内部に放出される。しか
し、連通孔140を開放しつつリッド128の固着を行
うので、第1キャビティ120内部の圧力が上昇するこ
とはない。
【0055】ここで、圧電振動片122の周波数調整を
行う(S168)。具体的には、プラズマ化したエッチ
ングガスを連通孔140から第1キャビティ120内部
に導入して、圧電振動片122の励振電極123をエッ
チングすることにより、所定の共振周波数に調整する。
なお、連通孔140から圧電振動片122の励振電極1
23にレーザを照射することにより、周波数調整を行う
こともできる。
【0056】次に、第1キャビティ120内部を窒素雰
囲気で封止する(S170)。なお第1実施形態と同様
に、最初にパッケージ110をベークする(S17
1)。次に、連通孔140から第1キャビティ120内
部のガスを排出する(S172)。すると、第1キャビ
ティ120内部における、導電性接着剤126から発生
したガス、及びパッケージ110から放出された水蒸気
等が、連通孔140からパッケージ110の外部に排出
される。そして、窒素チャンバ内にパッケージ110を
配置し、第1キャビティ120内部に窒素ガスを流入さ
せる。次に、第1実施形態と同様に、連通孔140に金
属ロウ材を配置する(S173)。次に、レーザを照射
して金属ロウ材を溶解し、連通孔140を遮蔽する(S
174)。ステップ173及び174を窒素雰囲気で行
うことにより、第1キャビティ120内部が窒素雰囲気
で封止される。
【0057】ここで、第1キャビティ120内部に実装
した圧電振動片122の特性検査を行う(S175)。
なお、ステップ168において圧電振動片122の周波
数調整を行っているので、ここではCI値及び絶縁抵抗
等を測定する。
【0058】次に、第2キャビティ130内部にICチ
ップ132を実装する(S180)。さらに、第2キャ
ビティ130内部を樹脂138でポッティングする(S
185)。これらの具体的な方法は、第1実施形態と同
様である。
【0059】次に、圧電発振器101全体での特性検査
を行う(S190)。同時に、ICチップ132の容量
を調整することにより、圧電発振器を所定の周波数に調
整する作業を行ってもよい。以上により、圧電発振器1
01が完成する。
【0060】第2実施形態においても、リッドの装着工
程において発生した新たなガスは、ガス排出工程におい
て連通孔から外部に排出される。従って、発生したガス
が第1キャビティ内部に残留して圧電振動片に付着する
ことがなく、時間の経過とともに圧電振動片の共振周波
数が変化することがない。
【0061】また、第2実施形態では、リッドの固着工
程の後に、連通孔を介して圧電振動片を所定の周波数に
調整する工程を有する構成とした。すなわち、例えば連
通孔を介して第1キャビティ内部にプラズマ化したエッ
チングガスを導入することにより、また連通孔を介して
圧電振動片にレーザを照射することにより、リッドの固
着後にも圧電振動片自体の周波数調整が可能となる。
【0062】
【発明の効果】圧電振動片を実装する第1キャビティ
と、ICチップを実装する第2キャビティとを、前記圧
電振動片の厚さ方向に縦列形成したパッケージからなる
圧電発振器の製造方法であって、前記第1キャビティ内
部に圧電振動片を実装する工程と、前記第1キャビティ
における前記圧電振動片の挿入口にリッドを固着する工
程と、前記第1キャビティ内部と外部との連通孔から前
記第1キャビティ内部のガスを排出する工程と、前記連
通孔を遮蔽する工程と、を有する構成としたので、時間
の経過とともに圧電発振器の発振周波数が変化すること
がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る圧電発振器の説明図であ
り、(1)は平面図であり、(2)はA−A線における
側面断面図である。
【図2】 連通孔部分の拡大図である。
【図3】 第1実施形態に係る圧電発振器の製造方法の
フローチャートである。
【図4】 レーザ照射による周波数調整方法の説明図で
ある。
【図5】 第2実施形態に係る圧電発振器の説明図であ
り、(1)はB−B線における平面断面図であり、
(2)はC−C線における側面断面図である。
【図6】 第2実施形態に係る圧電発振器の製造方法の
フローチャートである。
【図7】 従来技術に係る圧電発振器の説明図であり、
(1)はD−D線における平面断面図であり、(2)は
E−E線における側面断面図である。
【図8】 音叉型圧電振動片を使用した場合の圧電発振
器の説明図であり、(1)は平面図であり、(2)はF
−F線における側面断面図である。
【符号の説明】
1………圧電発振器、10………パッケージ、12……
…仕切り壁、20………第1キャビティ、22………圧
電振動片、23………励振電極、24………振動腕、2
5………錘、26………導電性接着剤、27………封止
用ガラス、28………リッド、30………第2キャビテ
ィ、32………ICチップ、34………ボンディングワ
イヤ、36………導電性接着剤、38………樹脂、40
………連通孔、42………金属ロウ材、43………Ni
/Auメッキ、50………レーザ、101………圧電発
振器、110………パッケージ、112………仕切り
壁、120………第1キャビティ、122………圧電振
動片、123………励振電極、126………導電性接着
剤、128………リッド、130………第2キャビテ
ィ、132………ICチップ、138………樹脂、14
0………連通孔、201………圧電発振器、210……
…パッケージ、220………第1キャビティ、222…
……圧電振動片、226………導電性接着剤、228…
……リッド、230………第2キャビティ、232……
…ICチップ、310………パッケージ、320………
第1キャビティ、322………音叉型圧電振動片、32
3………電極、325………錘、328………ガラスリ
ッド。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動片を実装する第1キャビティ
    と、ICチップを実装する第2キャビティとを、前記圧
    電振動片の厚さ方向に縦列形成したパッケージからなる
    圧電発振器の製造方法であって、 前記第1キャビティ内部に圧電振動片を実装する工程
    と、 前記第1キャビティにおける前記圧電振動片の挿入口に
    リッドを固着する工程と、 前記第1キャビティ内部と外部との連通孔を通して前記
    第1キャビティ内部のガスを排出する工程と、 前記連通孔を遮蔽する工程と、 を順次行うことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記パッケージは、 前記圧電振動片の厚さ方向にセラミックシートを積層し
    て形成され、 前記第1キャビティと前記第2キャビティとの仕切り壁
    が、前記セラミックシートを少なくとも2層重ねて形成
    されるとともに、 前記仕切り壁に前記連通孔が形成されていることを特徴
    とする、請求項1に記載の圧電発振器の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記リッドを固着する工程は、 前記第1キャビティにおける前記圧電振動片の挿入口の
    周縁部に封止用ガラスを塗布する工程と、 前記挿入口にガラス製のリッドを配置する工程と、 前記第1キャビティ内部と外部との連通孔を開放しつ
    つ、前記封止用ガラスを加熱して、前記リッドを固着す
    る工程と、 を順次行うことを特徴とする請求項1または2に記載の
    圧電発振器の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記リッドを固着する工程の後に、前記
    連通孔を介して前記圧電振動片を所定の周波数に調整す
    る工程を行うことを特徴とする請求項1または2に記載
    の圧電発振器の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記連通孔を遮蔽する工程の後に、 前記圧電振動片の特性を測定し、前記圧電振動片の使用
    可否を判断する工程と、 前記第2キャビティ内部に前記ICチップを実装する工
    程と、 前記リッド越しに、前記圧電振動片の質量調整部に対し
    てレーザを照射することにより、前記圧電発振器を所定
    の周波数に調整する工程と、 を順次行うことを特徴とする請求項3に記載の圧電発振
    器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記圧電発振器を所定の周波数に調整す
    る工程は、金属ロウ材により遮蔽された前記連通孔に相
    対する前記圧電振動片の質量調整部に対して、レーザを
    照射することにより行うことを特徴とする請求項5に記
    載の圧電発振器の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記圧電振動片は、音叉型圧電振動片で
    あることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
    載の圧電発振器の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の圧
    電発振器の製造方法を使用して製造したことを特徴とす
    る圧電発振器。
  9. 【請求項9】 圧電振動片を実装する第1キャビティ
    と、ICチップを実装する第2キャビティとを、前記圧
    電振動片の厚さ方向に縦列形成したパッケージからなる
    圧電発振器であって、 前記圧電振動片の厚さ方向に複数のセラミックシートを
    積層して前記パッケージを形成し、 前記第1キャビティと前記第2キャビティとの仕切り壁
    を構成するセラミックシートに、前記第1キャビティと
    前記第2キャビティとの連通孔を形成するとともに、 前記連通孔が金属ロウ材で封止されていることを特徴と
    する圧電発振器。
  10. 【請求項10】 前記仕切り壁を少なくとも2層のセラ
    ミックシートで構成するとともに、前記第2キャビティ
    に面する前記セラミックシートにおける前記連通孔の開
    口面積が、少なくとも前記仕切り壁を構成する他のいず
    れかの前記セラミックシートにおける前記連通孔の開口
    面積より、大きく形成されていることを特徴とする、請
    求項9に記載の圧電発振器。
  11. 【請求項11】 前記連通孔は、前記ICチップの実装
    部に形成されていることを特徴とする、請求項9または
    10に記載の圧電発振器。
  12. 【請求項12】 前記連通孔は、前記圧電振動片におけ
    る質量調整部に相対して形成されていることを特徴とす
    る、請求項9ないし11のいずれかに記載の圧電発振
    器。
  13. 【請求項13】 前記圧電振動片は、音叉型圧電振動片
    であることを特徴とする、請求項9ないし12のいずれ
    かに記載の圧電発振器。
  14. 【請求項14】 前記ICチップを実装した前記第2キ
    ャビティの内部に、樹脂を充填したことを特徴とする請
    求項8ないし13のいずれかに記載の圧電発振器。
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