JP2003229298A - X線発生装置及び露光装置 - Google Patents

X線発生装置及び露光装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマを含む容器の内壁からの反射・散乱
を低減し、容器内に収納されている部品の温度上昇を抑
制することのできるX線発生装置を提供する。 【解決手段】 本発明のX線発生装置は、真空容器10
7を具備し、該真空容器107に組み込まれたガラス製
の窓102を通してレーザ光源から放出されたパルスレ
ーザ光100が標的材料上に集光され、プラズマ104
が生成され、このプラズマ104からX線が輻射され
る。真空容器107の内側に、カーボンブラック膜10
8が形成されている。これにより、真空容器107内壁
からの赤外からX線領域の電磁波の光の反射・散乱によ
るミラー105などの部品の加熱を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線露光装置の光
源として用いて好適なX線発生装置、及び露光装置に関
するものである。特には、プラズマを含む容器の内壁か
らの反射・散乱を低減し、容器内に収納されている部品
の温度上昇を抑制することのできるX線発生装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、X線分析装置やX線露光装置等の
X線機器の光源として、レーザプラズマX線源や放電プ
ラズマX線源が注目されている。レーザプラズマX線源
(以下、LPXと呼ぶ)は、励起用のパルスレーザ光を
真空容器内の標的材料に集光照射してプラズマを生成
し、このプラズマからX線を輻射させる光源である。こ
のLPXは、小型でありながらアンジュレータ(シンク
ロトロンラジエーション)に匹敵するほどの輝度をも
つ。
【0003】また、Dense Plasma Focus (DPF)などの放
電プラズマを用いたX線源は、電極にパルス高電圧を印
加して放電を起こし、この放電で動作ガスをイオン化し
てプラズマを生成し、このプラズマから輻射されるX線
を利用する光源である。この放電プラズマX線源は、小
型であり、輻射されるX線量が多く、低コストであると
いう特徴がある。放電プラズマX線源の代表的なもの
は、デンスプラズマフォーカス(以下、DPFと呼ぶ)
やホローカソード型、キャピラリー型である。
【0004】上述したような、LPXや放電プラズマX
線源は、次世代半導体露光装置として期待されている波
長13nmのEUV(Extreme Ultra Violet)光を用い
た縮小露光装置の光源として近年注目を集めている。
【0005】EUV露光装置においては光学素子に多層
膜ミラーを用いるのが通常である。このような多層膜ミ
ラーとしては、反射波長が13nm近傍になるように、
Mo層とSi層とを交互に積層した多層膜ミラーがもっ
とも有望と考えられている。このような多層膜ミラーの
反射帯域は約2%であり、従って、中心波長が13.5
nmであるとすると、反射帯域は13.365〜13.
635nmである。上記反射帯域以外のEUV光は結像
(パターン転写)には全く寄与していない。
【0006】上述した、プラズマX線源は、投入パワー
から多層膜ミラーへの反射帯域内への変換効率はあまり
高くなく、例えばXeガスをターゲットとして用いたL
PXにおいては、レーザーエネルギーから立体角2πs
rの中へ放出される、波長が13nm、バンド幅(B
W)が2%であるEUV光への変換効率は、約0.6%
/2πsr/2%BWである。
【0007】一方、EUV露光装置に必要とされる照明
光学系に入射されるEUV光のパワーは約50Wであ
り、プラズマからのEUV光の取り込み立体角をπsr
とすると、レーザー光の投入パワーは15kWとなる。
このレーザー光の投入パワーの大部分はプラズマに吸収
され、吸収されたレーザー光のパワーのうち数10%程
度は標的材料を吹き飛ばす運動エネルギーとして消費さ
れ、残りのパワーは赤外域からX線領域の広い波長範囲
の輻射として周囲に放出される。また、照射レーザー光
の一部はプラズマや標的材料により散乱される。
【0008】照明光学系の最初のミラー(以下、C1ミ
ラーと呼ぶ)は、プラズマX線源からのEUV光をでき
る限り多く取り込み、かつミラーの大きさをできる限り
小さくするため、すなわちミラーの製作を容易にするた
めに、プラズマ近傍(例えばプラズマから10〜20c
mの距離)に配置される。多層膜の反射率は70%程度
であり、このためC1に入射するin-band EUVパワ
ー50Wのうち15Wは多層膜ミラーに吸収されてしま
う。また、多層膜の帯域外の赤外から軟X線の領域にわ
たる広い範囲の輻射の大部分も多層膜ミラーにより吸収
される。
【0009】上述のように吸収されたエネルギーは多層
膜やミラー基板の温度を上昇させる。多層膜の温度が、
吸収したエネルギーにより上昇すると、多層膜ミラーを
構成する物質間の境界面(上記の例においてはMoとS
iとの境界)での拡散が激しくなり、EUV光に対する
反射率が低下してしまう。例えば、投入レーザーパワー
が10kWでありプラズマから15cmの距離に配置さ
れた多層膜ミラーの温度は数100℃に上昇すると予想
される。例えば、多層膜ミラーがMo/Siからなる多
層膜を備える場合は、300℃程度の温度でMo/Si
製多層膜の界面拡散が起こり、ミラーの反射率が著しく
低下する。また、300℃程度の高温に達しなくても、
ある程度の高温状態が長時間続くと、次第にMo/Si
製多層膜の界面拡散が起こって反射率が徐々に低下す
る。
【0010】上述した内容は、プラズマから直接ミラー
に入射する輻射による温度の上昇であるが、実際には、
プラズマから直接ミラーに入射する輻射による温度上昇
以外に、間接的にミラーにプラズマからの輻射が照射さ
れて更に多層膜ミラーの温度が上昇する。
【0011】LPXや放電X線源等のプラズマX線源で
はプラズマを生成し、かつ発生したEUV光を伝播させ
るためには真空環境が必要となる。このため、標的材料
や放電電極を真空容器内に配置する必要がある。従来の
プラズマX線源では、真空容器としてステンレスやアル
ミニウム製容器が用いられており、その内表面、は特に
処理をされずに金属光沢になっているか、又は高真空ま
で排気することができるように電解研磨等が行われて鏡
面になっている。
【0012】そのため、プラズマから輻射された赤外か
ら紫外域の輻射は真空容器の内壁によって、反射・散乱
され、真空容器内に配置されているC1ミラーを照射
し、ミラーの温度を不必要に上昇させる。真空容器内に
配置されている部品としては、上述した多層膜ミラーの
他に、ターゲット材料供給部材(XeガスジェットLP
Xの場合はガスを噴出させるノズル)、放電電極(放電
プラズマX線源の場合)、可視光カットX線透過用フィ
ルター等がある。可視光カットX線透過フィルターは微
細パターン形成に支障を来すプラズマから放射される赤
外・可視・紫外域の光を遮断し、必要なEUV光のみを
透過させるものである。一般に物質のEUV光に対する
吸収は大きいため、フィルターの厚さは非常に薄く、例
えば150nm程度に作成されている。このため、フィ
ルターに過度の熱負荷がかかった場合、フィルターが破
損してしまう可能性もある。
【0013】上述したような真空容器内の部品の不必要
な加熱は、多層膜ミラーの反射特性のみならず、様々な
部品の性能の低下を引き起こす。このため、ガスジェッ
トノズルが効率的にXeクラスターや液滴状のターゲッ
ト材料を作成するためには、ノズルの温度を下げておく
必要がある。また、放電電極の溶融を回避するために放
電電流以外の要因による温度の上昇をできる限り抑制す
る必要がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情を考慮してなされたものであり、その目的は、プラ
ズマを含む容器の内壁からの反射・散乱を低減し、容器
内に収納されている部品の温度上昇を抑制することので
きるX線発生装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明にかかるX線発生装置は、標的材料をプラズ
マ化し、該プラズマからX線を輻射させるX線源と、該
X線源を収容する真空容器と、を具備するX線発生装置
であって、上記真空容器の内側に、赤外からX線領域の
電磁波に対して吸収率が高い材料で形成された内壁が設
けられていることを特徴とする。上記X線発生装置によ
れば、真空容器の内側に、赤外からX線領域の電磁波に
対して吸収率が高い材料で形成された内壁が設けられて
おり、赤外からX線領域までの広いスペクトルの範囲の
光を吸収する。それにより、真空容器内壁から反射・散
乱する赤外からX線領域の光によりミラーなどの部品が
加熱されることを防止できる。
【0016】また、本発明にかかるX線発生装置は、標
的材料をプラズマ化し、該プラズマからX線を輻射させ
るX線源と、該X線源を収容する真空容器と、を具備す
るX線発生装置であって、上記真空容器の内側に、針
状、細線状又はブレード状の部材を、その先端がプラズ
マに向くように配列されていることを特徴とする。上記
X線発生装置によれば、真空容器の内側に、針状、細線
状又はブレード状の部材が設けられており、プラズマか
ら輻射された光が針状、細線状又はブレード状の部材の
側面に当たり、反射を繰り返して結果として内壁に吸収
されてしまう。それにより、真空容器内壁からの赤外か
らX線領域の光の反射・散乱によりミラーなどの部品が
加熱されることを防止できる。
【0017】また、本発明にかかるX線発生装置は、標
的材料をプラズマ化し、該プラズマからX線を輻射させ
るX線源と、該X線源を収容する真空容器と、を具備す
るX線発生装置であって、上記真空容器が、赤外から紫
外域に対して透過率の高い材料で形成されていることを
特徴とする。上記X線発生装置によれば、真空容器が、
赤外から紫外域に対して透過率の高い材料で形成されて
おり、赤外から紫外域までの広いスペクトルの範囲の光
が透過するため、壁面で反射することがなく、真空容器
内の部品が加熱されることを防止できる。
【0018】また、本発明にかかる露光装置は、上記本
発明にかかるX線発生装置と、該X線発生装置から発生
したX線をマスクに照射させる照明光学系と、該マスク
から反射した光を感応基板上に投影結像させる投影光学
系と、を具備することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態に
ついては、本発明をレーザープラズマX線源に適用した
例について述べる。図1は、本発明の第1の実施の形態
に係る露光装置のX線発生装置を模式的に示す断面図で
ある。図1のX線発生装置は、真空容器107を備えて
いる。この真空容器107には、図示しない真空ポンプ
(真空排気装置)が付設されており、真空容器107内
は、真空ポンプにより排気されて数Torr以下に減圧
されている。真空容器107内が真空ポンプによって減
圧されることで、パルスレーザ光100が途中で気中放
電せず、プラズマ104から輻射されたX線が吸収によ
り著しく減衰しないようになっている。
【0020】真空容器107には、ガラス製の窓102
が組み込まれており、この窓102の外側にはレンズ1
01が配置されている。レーザ光源(図示せず)から放
出されたパルスレーザ光100は、レンズ101で集光
され窓102を通して標的材料に集光され、プラズマ1
04が生成され、このプラズマ104からX線が輻射さ
れる。なお、この際、プラズマに吸収されなかったレー
ザ光は真空容器の壁面に当たって真空容器内107を加
熱しないように、窓110を透過して真空容器107の
外に導かれる。
【0021】なお、この例では、標的材料はノズル10
3から超音速で噴出されているXeガスである。ガスジ
ェットノズル103は、Xeガスが紙面垂直方向に噴出
されるように配置されており、ガスジェットノズル10
3から噴出されたXeガスは、プラズマ104が生成さ
れた後に、真空ポンプ(図示せず)により真空容器10
7の外に排気される。
【0022】プラズマ104の近くには、集光用の多層
膜楕円ミラー(以下、単にミラーという)105が配置
されており、このミラーは、反射面にMo/Si製の多
層膜が施されている。この多層膜は、波長13.4nm
のX線を反射するように構成されており、反射面の各点
で反射率が最大となるように周期長が変えられている。
ミラー105の裏面は冷却水により冷却されており(図
示せず)、ミラー105によって反射されたEUV光1
06は可視光カットX線フィルター109を透過し、次
段の照明光学系に誘導される。可視光カットX線フィル
ター109は、微細パターン形成の際に支障となる、プ
ラズマから放射される赤外・可視・紫外域の光を遮断
し、必要なEUV光のみを透過させるためのフィルター
である。
【0023】図1に示すX線発生装置においては、内側
にカーボンブラックから形成された膜108が形成され
ている。カーボンブラックは、赤外からX線領域の電磁
波に対して吸収率が高い材料である。従って、カーボン
ブラック膜108が形成されることにより、真空容器1
07の内壁からの赤外からX線領域の電磁波の光の反射
・散乱によるミラー105などの部品が加熱されること
が防止できる。
【0024】カーボンブラック膜108によりプラズマ
104からの輻射が壁面で吸収されるため、真空容器1
07の壁の温度が上昇するので、真空容器107の壁面
を冷却することができるように、冷却用のジャケットが
取り付けられている(図示せず)。赤外からX線領域の
電磁波に対して吸収率が高い材料としては、カーボンブ
ラック以外のものも使用可能であり、このような材料と
しては、例えばベンゼン煤やアクアダック等が挙げられ
る。
【0025】また、赤外からX線領域の電磁波に対して
吸収率が高い材料としては、多孔質のものを用いてもよ
い。このような多孔質材料の表面には微小の孔が無数に
存在している。この無数の孔の中に入った光は孔の内壁
で反射・散乱を繰り返し孔の外に再び出ることはない。
すなわち理想的な黒体とみなすことができ、このため赤
外からX線領域までの全ての輻射を吸収することができ
る。このような多孔質の材料としては、例えば活性炭が
挙げられる。
【0026】カーボンブラック膜108は、カーボンブ
ラックを真空容器107の内壁に塗布することにより形
成することができるが、塗布ではなく内壁自身を改質し
て、赤外からX線領域の電磁波に対して吸収率が高い材
料で作成してもよい。例えば、真空容器107がアルミ
ニウム製である場合には真空容器107をアルマイト処
理し黒色に変化させてもよい。
【0027】また、赤外からX線領域の電磁波に対して
吸収率が高い材料で作成されている板やシートを真空容
器107の内壁に貼り付けてもよい。例えば、黒色の板
(カーボンの板)やシート、表面に無数の孔のある板
(ポーラスシリコン等)を真空容器107の内壁に貼り
付けてもよい。
【0028】上述したような、多孔質材料を用いる場
合、真空容器107内の真空度は高くならないが、プラ
ズマX線源ではプラズマを生成し、かつ発生したEUV
光106を伝播させるのに必要な真空度があればよい。
一般に、そのために必要な圧力は数10分の1Torr
〜数Torrであるので、多孔質材料等を用いることに
は問題はない。多孔質材料やシート等は、真空容器10
7の内壁全面に塗布又は貼り付けてもよいが、プラズマ
104からの輻射があたる部分にのみ塗布又は貼り付け
てもよい。
【0029】次に、本発明の第2の実施の形態に係る露
光装置のX線発生装置について図面を参照して説明す
る。図2は、本発明の第2の実施の形態に係る露光装置
のX線発生装置を模式的に示す断面図である。図2に示
すX線発生装置は、大部分は図1に示すX線発生装置と
同様であるので、全体的な説明は省略する。図2に示す
X線発生装置及び図1に示すX線発生装置の異なる点
は、図2に示すX線発生装置においては、真空容器20
7の内側に、多数の針状部材208が、針の先端がプラ
ズマ204に向くように備えられている点である。
【0030】針状部材208の拡大図を図3に示す。図
3に示すように、プラズマ204から輻射された光20
6は、針状部材208の側面に当たり、反射を繰り返し
て針状部材208の内部に進み、いずれは針状部材20
8に吸収されてしまう。従って、ほぼ理想的な黒体とし
て赤外からX線領域の広い波長域の光を吸収することが
できる。なお、針状部材208の材質としては、特に制
限はないが、例えばステンレス鉄又はアルミニウム等の
金属を用いることができ、またガラス、カーボン又は有
機物等を用いることもできる。
【0031】また、図2及び図3において、針状部材2
08は先端が尖った形状をしているが、必ずしも先端が
尖った形状でなくてもよく、直径が十分に小さい形状で
あればよい。また、針状部材208に代え、細線状又は
ブレード状の部材としてもよい。例えば、グラスファイ
バー、カーボンファイバー又は金属製の細線を束ねたよ
うなものであってもよく、ブレード状の板を複数並べた
ものであってもよい。
【0032】次に、本発明の第3の実施の形態に係る露
光装置のX線発生装置について図面を参照して説明す
る。図4は、本発明の第3の実施の形態に係る露光装置
のX線発生装置を模式的に示す断面図である。図4に示
すX線発生装置は、大部分は図1に示すX線発生装置と
同様であるので、全体的な説明は省略する。
【0033】図4に示すX線発生装置及び図1に示すX
線発生装置の異なる点は、図4に示すX線発生装置にお
いては、真空容器407が石英ガラスで形成されている
点である。石英ガラスは、赤外から紫外域に対して透過
率の高い材料である。従って、真空容器407を石英ガ
ラスで形成することにより、EUV光406が壁面で反
射して真空容器407内の部品を加熱することが防止で
きる。赤外から紫外域に対して透過率の高い材料として
は、石英ガラス以外のものを用いてもよく、そのような
材料としては、例えばフッ化マグネシウム(MgF2)、フ
ッ化カルシウム(CaF2)等が挙げられる。
【0034】また、図4に示すX線発生装置の真空容器
407の内壁及び/又は外壁に反射防止膜をコートして
もよい。真空容器407の内壁及び/又は外壁に反射防
止膜をコートすることにより、更に反射光量が減少する
ので好ましい。図4に示すX線発生装置においては、真
空容器407は全体が石英ガラス製であるが、機械的に
強度が必要な部分を金属部品で形成し、石英ガラス部と
接合した複合的なものであってもよい。上記説明におい
ては、本発明のX線発生装置をレーザープラズマX線源
に適用したものについて説明したが、本発明のX線発生
装置は放電プラズマX線源に適用することもできる。
【0035】次に、本発明の露光装置の一例について図
面を参照して説明する。図5は、本発明の実施の形態に
係る露光装置199の全体構成を示す図である。なお、
図5における露光装置においては、図の右上に示すX線
発生装置199として図2に示すX線発生装置を用いて
いる。図5に示すように、X線発生装置199は、露光
チャンバ50の上部に設置されている。露光チャンバ5
0内には、X線発生装置199からのEUV光照射を受
ける照明光学系56が配置されている。照明光学系56
は、コンデンサー系の反射鏡、フライアイ光学系の反射
鏡等で構成されており、ミラー205で反射したX線を
円弧状に整形し、図5の左方に向かって照射する。
【0036】照明光学系56の図5の左方には、X線反
射鏡52が配置されている。X線反射鏡52は、図5の
右側の反射面52aが凹型をした円形をしており、図示
せぬ保持部材により垂直に保持されている。X線反射鏡
52の図5の右方には、光路折り曲げ反射鏡51が斜め
に配置されている。光路折り曲げ反射鏡51の上方に
は、反射型マスク53が、反射面が下になるように水平
に配置されている。照明光学系56から放出されたX線
は、X線反射鏡52により反射集光された後に、光路折
り曲げ反射鏡51を介して、反射型マスク53の反射面
に達する。
【0037】反射鏡51、52の基体は、反射面52a
が高精度に加工された石英の基板からなる。この反射面
52aには、X線発生装置のミラー205の反射面と同
様に、Mo/Siの多層膜が形成されている。なお、波
長が10〜15nmのX線を用いる場合には、Ru(ル
テニウム)、Rh(ロジウム)等の物質と、Si、Be
(ベリリウム)、B4C(4ホウ化炭素)等の物質とを
組み合わせた多層膜でもよい。
【0038】反射型マスク53の反射面にも多層膜から
なる反射鏡が形成されている。この反射膜には、ウェハ
59に転写するパターンに応じたマスクパターンが形成
されている。マスクステージ55は、少なくともY方向
に移動可能であり、光路折り曲げ反射鏡51で反射され
たX線を順次マスク53上に照射する。
【0039】反射型マスク53の下部には、順に投影光
学系57、ウェハ59が配置されている。投影光学系5
7は、複数の反射鏡等からなり、反射型マスク53で反
射されたX線を所定の縮小倍率(例えば1/4)に縮小
し、ウェハ59上に結像する。ウェハ59は、XYZ方
向に移動可能なウェハステージ54に吸着等により固定
されている。
【0040】露光動作を行う際には、照明光学系56に
より反射型マスク53の反射面にX線を照射する。その
際、投影光学系57に対して反射型マスク53及びウェ
ハ59を投影光学系の縮小倍率により定まる所定の速度
比で相対的に同期走査する。これにより、反射型マスク
53の回路パターンの全体をウェハ59上の複数のショ
ット領域の各々にステップアンドスキャン方式で転写す
る。なお、ウェハ59のチップは例えば25×25mm
角であり、レジスト上で0.07μmL/SのICパタ
ーンが露光できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のX線発生
装置によれば、真空容器の内側に、赤外からX線領域の
電磁波に対して吸収率が高い材料で形成された内壁が設
けられており、赤外からX線領域までの広いスペクトル
の範囲の光を吸収する。それにより、真空容器内壁から
の赤外からX線領域の光の反射・散乱によりミラーなど
の部品が加熱されることを防止できる。
【0042】また、本発明のX線発生装置によれば、真
空容器の内側に、針状、細線状又はブレード状の部材が
設けられており、プラズマから輻射された光が針状、細
線状又はブレード状の部材の側面に当たり、反射を繰り
返して結果として内壁に吸収されてしまう。それによ
り、真空容器内壁からの赤外からX線領域の光の反射・
散乱によりミラーなどの部品が加熱されることを防止で
きる。
【0043】また、本発明のX線発生装置によれば、真
空容器が、赤外から紫外域に対して透過率の高い材料で
形成されており、赤外から紫外域までの広いスペクトル
の範囲の光が透過するため、壁面で反射することがな
く、真空容器内の部品が加熱されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る露光装置のX
線発生装置を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る露光装置のX
線発生装置を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態のX線発生装置の針
状部材の拡大図を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る露光装置のX
線発生装置を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る露光装置の全体構成
を示す図である。
【符号の説明】
100、200、400 パルスレーザ光 101、201、401 レンズ 102、202、402 窓 103、203、403 ノズル 104、204、404 プラズマ 105、205405 多層膜楕円ミラー 106、206、406 EUV光 107、207、407 真空容器 108 カーボンブラック膜 208 針状部材 109、209、409 可視光カットX線フィルター 199 X線発生装置 50 露光チャンバ 51 光路折り曲げ反射鏡 52 X線反射鏡 53 反射型マスク 54 ウェハステージ 55 マスクステージ 56 照明光学系 57 投影光学系 59 ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05G 1/00 H01L 21/30 531S // G21K 7/00 H05G 1/00 R

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標的材料をプラズマ化し、該プラズマか
    らX線を輻射させるX線源と、該X線源を収容する真空
    容器と、を具備するX線発生装置であって、 上記真空容器の内側に、赤外からX線領域の電磁波に対
    して吸収率が高い材料で形成された内壁が設けられてい
    ることを特徴とするX線発生装置。
  2. 【請求項2】 標的材料をプラズマ化し、該プラズマか
    らX線を輻射させるX線源と、 該X線源を収容する真空容器と、 を具備するX線発生装置であって、 上記真空容器の内側に、針状、細線状又はブレード状の
    部材を、その先端がプラズマに向くように配列されてい
    ることを特徴とするX線発生装置。
  3. 【請求項3】 標的材料をプラズマ化し、該プラズマか
    らX線を輻射させるX線源と、該X線源を収容する真空
    容器と、を具備するX線発生装置であって、上記真空容
    器が、赤外から紫外域に対して透過率の高い材料で形成
    されていることを特徴とするX線発生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のX
    線発生装置と、該X線発生装置から発生したX線をマス
    クに照射させる照明光学系と、該マスクから反射した光
    を感応基板上に投影結像させる投影光学系と、 を具備することを特徴とする露光装置。
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