JP2003229092A - 外部電極放電ランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光量が大きくし、しかも長寿命化が図れる
外電電極放電ランプを実現する。 【解決手段】 内部に放電媒体を封入した管状のガラス
ランプ容器２０の軸方向両端の外周部に電極７０，８０
を形成した外部電極放電ランプ１２であって、電極は、
可塑性を有する箔状の金属導体３１，４１の内周面に導
電性粘着剤３２，４２の層を設けたものであり、導電性
粘着剤の層は、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系、ポリイ
ミド樹脂系、エポキシ樹脂系の中から選ばれた１又は複
数のものであり、その中に導電粒子が分散されているも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内部に放電媒体を
封入した管状のガラスランプ容器の軸方向両端の外周部
に電極を形成した外部電極放電ランプに関する。

【０００２】

【従来の技術】液晶ディスプレイのバックライトとし
て、実開昭６１−１２６５５９号公報に記載されたよう
な、管状ガラスランプ容器の両端それぞれの外周に電極
を備える、誘電体バリア放電型低圧放電ランプ（本明細
書では、「外部電極放電ランプ」と称する）を用いるこ
とができる。

【０００３】この従来の外部電極放電ランプ１０は、図
８に示す構成であり、両端が封止された管状ガラスラン
プ容器２０の内部に希ガス若しくは水銀と希ガスの混合
ガスのようなイオン化が可能な充填剤５０を封入し、ま
たガラスランプ容器２０の内周面に蛍光体層６０を形成
し、さらにガラスランプ容器２０の両端外周に電極７
０，８０として導線３０，４０をコイル状に巻着してい
る。

【０００４】

【特許文献１】実開昭６１−１２６５５９号公報

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】一般に、外部電極放電
ランプは、図９に示す等価回路のようにコンデンサと見
なすことができる。そしてコンデンサの場合、その容量
Ｃは、数１式のように表わされる。

【０００６】

【数１】 ただし、εはガラス容器の誘電率、Ｓは外部電極の実効
面積、ｄはガラス容器の肉厚である。

【０００７】これより、ガラスランプ容器２０の仕様が
一定であれば、容量Ｃは外部電極の面積Ｓにおおむね比
例する。

【０００８】ところが、上述した従来の外部電極放電ラ
ンプでは、電極７０，８０の面積がコイルの線接触面積
分しか取れないために、この電極面積Ｓを大きくするこ
とができず、それだけ発光量を大きくできない問題点が
あった。

【０００９】外部電極放電ランプの発光量を改善するた
めには、電極面積を大きくする必要があるが、そのため
には図１０に示したような電極７０，８０を採用した誘
電バリア放電型低圧放電ランプが考えられる。この図１
０に示した外部電極放電ランプ１１の構成は、ガラスラ
ンプ容器２０の内部は図８のものと同様であるが、電極
７０，８０としてアルミニウムテープを用い、ガラスラ
ンプ容器２０の両端の外周に巻着している。したがっ
て、電極７０，８０は、箔状の金属導体３１，４１をア
クリル系粘着剤３３，４３によって貼着した構造になっ
ている。

【００１０】この構成にすることにより、上述したよう
に電極７０，８０の面積Ｓを大きく取ることができ、放
電ランプとしての発光量を改善することができる。

【００１１】しかしながら、この図１０に示した構成の
外部電極放電ランプの場合にも次のような改善すべき課
題がある。それは、電極７０，８０として用いている金
属導体３１，４１をガラスランプ容器２０に貼着するた
めのアクリル系粘着剤３３，４３が発光に伴う高温条件
では炭化して面抵抗値にムラが生じ、局部的に抵抗値が
低くなった部分に電流が集中し、ガラスランプ容器２０
の電流が集中して流れる部分に穴開きが発生したり、粘
着剤の粘着強度が弱まって金属箔がガラス表面から剥が
れやすくなるという技術的課題である。

【００１２】この図１０に示した外部電極放電ランプを
さらに改善するために、電極として金属箔を導電性粘着
剤によりガラスランプ容器の外周に貼着する対策も考え
られる。ところが、金属箔をガラス表面に貼着するため
の導電性粘着剤としてアクリル系粘着剤中に鉄粒子のよ
うな導電性粒子を分散させたものを用いた場合、図１０
に示した外部電極放電ランプの場合と同様、ランプ電流
が高いときや周囲温度が高いときに粘着剤が炭化し、金
属箔とガラス表面との間の面抵抗値にムラが生じ、局部
的に抵抗値の低くなったところに電流が集中して高温と
なり、ガラス容器に穴開きが発生したり、粘着剤の粘着
強度が弱まって金属箔がガラス表面から剥がれやすくな
るという技術的課題が残される。

【００１３】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたもので、発光量を大きくし、しかも長寿命化が図
れる外部電極放電ランプを提供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、内部
に放電媒体を封入した管状のガラスランプ容器の軸方向
両端の外周部に電極を形成した外部電極放電ランプであ
って、前記電極は、可塑性を有する導電体層の内周面に
粘着剤層を設けたものであり、前記粘着剤層は、シリコ
ン樹脂系、フッ素樹脂系、ポリイミド樹脂系、エポキシ
樹脂系の中から選ばれた１又は複数のものであり、その
中に導電粒子が分散されていることを特徴とするもので
ある。

【００１５】請求項２の発明は、内部に放電媒体を封入
した管状のガラスランプ容器の軸方向両端の外周部に電
極を形成した外部電極放電ランプであって、前記電極
は、前記ガラスランプ容器の外周に粘着剤によって貼着
された可塑性を有する導電体層と、当該導電体層の外周
に取付けられた当接金属導体から成ることを特徴とする
ものである。

【００１６】請求項３の発明は、請求項２の外部電極放
電ランプにおいて、前記粘着剤層は、シリコン樹脂系、
フッ素樹脂系、ポリイミド樹脂系、エポキシ樹脂系の中
から選ばれた１又は複数のものであり、その中に導電粒
子が分散されていることを特徴とするものである。

【００１７】請求項４の発明は、請求項１又は３の外部
電極放電ランプにおいて、前記粘着剤中の導電粒子は、
鉄、ニッケル、銀、カーボンの中から選ばれた１又は複
数のものであることを特徴とするものである。

【００１８】請求項５の発明は、請求項１又は２の外部
電極放電ランプにおいて、前記電極の導電体層は、スズ
箔又はアルミニウム箔又は銅箔の少なくとも１つである
ことを特徴とするものである。

【００１９】請求項６の発明は、内部に放電媒体を封入
した管状のガラスランプ容器の軸方向両端の外周部に電
極を形成した外部電極放電ランプであって、前記電極は
金属メッシュ布であり、前記金属メッシュ布は、粘着剤
によって前記ガラスランプ容器の外周面に貼接されてい
ることを特徴とするものである。

【００２０】請求項７の発明は、請求項６の外部電極放
電ランプにおいて、前記粘着剤は、その中に導電粒子が
分散混入された導電性粘着剤であることを特徴とするも
のである。

【００２１】請求項８の発明は、請求項６又は７の外部
電極放電ランプにおいて、前記粘着剤は、エポキシ系、
シリコン系、フッ素系、ポリイミド系の少なくとも１つ
から選ばれたものであることを特徴とするものである。

【００２２】請求項９の発明は、請求項６〜８の外部電
極放電ランプにおいて、前記金属メッシュ布は、ニッケ
ル、鉄、銅、アルミニウム、スズの少なくとも１つから
選ばれたものであることを特徴とするものである。

【００２３】請求項１０の発明は、内部に放電媒体を封
入した管状のガラスランプ容器の軸方向両端の外周部に
電極を形成した外部電極放電ランプであって、前記電極
は、エンボス加工されたエンボス金属箔であり、前記エ
ンボス金属箔は、粘着剤によって前記ガラスランプ容器
の外周面に貼接されており、かつ、当該エンボス金属箔
のエンボス加工部分が前記ガラスランプ容器の外表面に
対して他の部分より薄い粘着剤層を介して貼接されてい
ることを特徴とするものである。

【００２４】請求項１１の発明は、請求項１０の外部電
極放電ランプにおいて、前記粘着剤は、その中に導電粒
子が分散混入された導電性粘着剤であることを特徴とす
るものである。

【００２５】請求項１２の発明は、請求項１０又は１１
の外部電極放電ランプにおいて、前記粘着剤は、エポキ
シ系、シリコン系、フッ素系、ポリイミド系の少なくと
も１つから選ばれたものであることを特徴とするもので
ある。

【００２６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図１は本発明の第１の実施の形態の
外部電極放電ランプ１２の断面構造を示している。本実
施の形態の外部電極放電ランプ１２は、両端が封止され
た管状ガラスランプ容器２０の内部に希ガス若しくは水
銀と希ガスの混合ガスのようなイオン化が可能な充填剤
５０を封入し、またガラスランプ容器２０の内周面に必
要に応じて蛍光体層６０を形成し、さらにガラスランプ
容器２０の両端外周に、電極７０，８０として箔状の金
属導体３１，４１を下記の組成の導電性粘着剤３２，４
２により貼着した構造である。

【００２７】電極７０，８０を構成する金属導体３１，
４１には、例えば、可塑性を有するスズ箔又はアルミニ
ウム箔又は銅箔を用いる。そして導電性粘着剤３２，４
２には、例えば、耐熱温度の高いシリコン樹脂系、フッ
素樹脂系又はポリイミド樹脂系の粘着剤に、鉄粒子、ニ
ッケル粒子、銀粒子又はカーボン粒子のような導電粒子
を分散させたものを用いる。さらに、粘着剤にはエポキ
シ樹脂系を用いることもできる。

【００２８】粘着剤に混入させる導電粒子として、鉄粒
子やニッケル粒子を選択すれば安価で高信頼性の導電性
を得ることができ、銀粒子を選択すれば低抵抗値で高信
頼性の導電性を得ることができ、カーボン粒子を選択す
ればより安価にして導電性を得ることができる。

【００２９】なお、放電ランプ１２の製造に当たって
は、上記の組成の導電性粘着剤が裏面に塗布されている
金属テープをガラスランプ容器２０の両端外周部に巻着
することによって製造することになる。

【００３０】以上より、本実施の形態の外部電極放電ラ
ンプによれば、電極の形成が容易であると共に、ランプ
電流が高い場合にも周囲温度が高い場合にもランプの動
作中に発生する粘着剤の劣化による粘着剤層の抵抗値の
ムラの発生を抑制でき、ガラス容器の電極部に穴開きが
発生するのを防止できると共に、電極の金属箔がガラス
容器から剥がれることも防止でき、長期に渡って安定し
て高光量で発光させることができる。

【００３１】次に、本発明の第２の実施の形態の外部電
極放電ランプについて、図２及び図３を用いて説明す
る。第２の実施の形態は、固定具兼電極として当接金属
導体９０，１００を用いる外部電極放電ランプ１３であ
る。この実施の形態の外部電極放電ランプ１３では、当
接金属導体９０，１００を電極７０，８０とするので、
ガラスランプ容器２０との密着性が必要である。

【００３２】ところが、当接金属導体９０，１００を直
接にガラスランプ容器２０の端部外周に取付けても、剛
体であるためにガラスランプ容器２０の外周面との密着
性が悪く、したがって、数１式に示した電極面積Ｓを設
計値通りに実現するのが難しい。

【００３３】そこで、本実施の形態の外部電極放電ラン
プ１３では、当接金属導体９０，１００の内周とガラス
ランプ容器２０の外周面との間の密着性を上げるため
に、ガラスランプ容器２０の両端外周部に、裏面に粘着
剤３４，４４の塗布された金属テープ３５，４５のよう
な可塑性導電材料を巻き付け、この金属テープ３５，４
５の外周に当接金属導体９０，１００を嵌めている。

【００３４】これにより、当接金属導体９０，１００
と、可塑性を有する内部の金属テープ３５，４５とが密
着し、さらに金属テープ３５，４５がガラスランプ容器
２０の外周面と密着し、結果的に、当接金属導体９０，
１００とガラスランプ容器２０の外周面との電気的な密
着性が良くなり、実質的な電極面積Ｓが当接金属導体単
体をガラスランプ容器２０に嵌着した場合の電極面積よ
りも大幅に改善される。

【００３５】なお、可塑性導電材料には、銀ペーストを
採用することもできる。また、金属テープ３５，４５の
裏面の粘着剤には、第１の実施の形態と同様の樹脂粘着
剤を用い、かつ金属粒子を分散させた導電性粘着剤を用
いることにより、ランプ性能のいっそうの向上が図れ
る。

【００３６】次に、本発明の第３の実施の形態の外部電
極放電ランプ１４について、図４を用いて説明する。本
実施の形態は、金属メッシュ布３６，４６を粘着剤３
７，４７により管状ガラスランプ容器２０の両端外周部
に貼接することによって電極７０，８０を構成したこと
を特徴とする。その他の構成は、図１に示した第１の実
施の形態と同様であり、同一の符号は同一の要素を示し
ている。

【００３７】この実施の形態の場合、金属メッシュ布３
６，４６を管状ガラスランプ容器２０の表面に押し付け
て当接すると、金属メッシュ布３６，４６の繊維がガラ
ス表面にごく薄い粘着剤層を介して当接することにな
り、金属メッシュ布３６，４６とガラスランプ容器２０
の表面との間の抵抗値分布のムラの発生を抑制でき、局
所的に電流密度が増大してガラスランプ管に穴が開くこ
とを防止できる。さらに、金属メッシュ布３６，４６に
は厚み方向に隙間が多数存在するため、金属メッシュ布
３６，４６を管状ガラスランプ容器２０の表面に強く押
し付けて貼り付けることで、粘着剤３７，４７の層と管
状ガラスランプ容器２０の表面との間の気泡を無くすこ
とができる。

【００３８】本実施の形態において、金属メッシュ布３
６，４６の材質として、ニッケル、鉄、銅、アルミニウ
ム、スズの少なくとも１つから選ぶことができ、それに
より、安価で信頼性の高い外部電極を形成することがで
きる。

【００３９】また、粘着剤３７，４７として耐熱性の高
いエポキシ系，シリコン系、フッ素系又はポリイミド系
を用いることで、金属メッシュ布３６，４６とガラスラ
ンプ容器２０の表面との間の抵抗値分布のムラの発生を
さらに無くすことができる。

【００４０】次に、本発明の第４の実施の形態の外部電
極放電ランプ１５について、図５を用いて説明する。本
実施の形態の特徴は、粘着剤層中に導電粒子を分散させ
た導電性粘着剤３８，４８を用いて金属メッシュ布３
６，４６を管状ガラスランプ容器２０の両端外周部に貼
接したことを特徴とする。その他の構成は、図１に示し
た第１の実施の形態と同様であり、同一の符号は同一の
要素を示している。

【００４１】本実施の形態においても、金属メッシュ布
３６，４６の材質として、ニッケル、鉄、銅、アルミニ
ウム、スズの少なくとも１つから選ぶことができ、それ
により、安価で信頼性の高い外部電極を形成することが
できる。

【００４２】また、導電性粘着剤３８，４８として耐熱
性の高いエポキシ系，シリコン系、フッ素系又はポリイ
ミド系の粘着剤中に、鉄、ニッケル、銀、カーボンの中
から選ばれた１又は複数の導電粒子を分散混入したもの
を用いることができ、それによって、金属メッシュ布３
６，４６とガラスランプ容器２０の表面との間の抵抗値
分布のムラの発生をさらに無くすことができる。

【００４３】次に、本発明の第５の実施の形態の外部電
極放電ランプ１６について、図６を用いて説明する。本
実施の形態は、エンボス加工されたエンボス金属箔３
９，４９を粘着剤３７，４７により管状ガラスランプ容
器２０の両端外周部に貼接することによって電極７０，
８０を構成したことを特徴とする。その他の構成は、図
１に示した第１の実施の形態と同様であり、同一の符号
は同一の要素を示している。

【００４４】エンボス金属箔３９，４９は、内側に凸に
なった部分で管状ガラスランプ容器２０の表面にごく薄
い粘着剤層を介して接しており、外側に凸になった部分
の裏側には粘着剤３７，４７の層が形成され、エンボス
金属箔３９，４９をガラスランプ容器２０の表面に固定
している。

【００４５】粘着剤３７，４７として耐熱性の高いエポ
キシ系、シリコン系、フッ素系、ポリイミド系を用いる
ことができる。

【００４６】この実施の形態の場合、エンボス金属箔３
９，４９とガラスランプ容器２０の表面との間の粘着剤
層をごく薄くしたために、ランプ点灯中の粘着剤の劣化
による金属箔とガラスとの間の抵抗値分布のムラの発生
を抑制でき、局所的に電流密度が増大してガラスに穴が
開くことを防止できる。

【００４７】次に、本発明の第６の実施の形態の外部電
極放電ランプ１７について、図７を用いて説明する。本
実施の形態は、エンボス加工されたエンボス金属箔３
９，４９を導電粒子を分散させた導電性粘着剤３８，４
８により管状ガラスランプ容器２０の両端外周部に貼接
することによって電極７０，８０を構成したことを特徴
とする。その他の構成は、図１に示した第１の実施の形
態と同様であり、同一の符号は同一の要素を示してい
る。

【００４８】本実施の形態の外部電極放電ランプ１７に
おいても、第５の実施の形態の外部電極放電ランプ１６
の場合と同様に、エンボス金属箔３９，４９の内側に凸
となった部分はガラスランプ容器２０の表面にごく薄い
粘着剤層を介して接触し、その外側に凸になった部分の
裏側に導電性粘着剤３８，４８の層が形成され、エンボ
ス金属箔３９，４９をガラス表面に固定している。

【００４９】導電性粘着剤３８，４８には、耐熱性の高
いエポキシ系，シリコン系、フッ素系又はポリイミド系
の粘着剤中に、鉄、ニッケル、銀、カーボンの中から選
ばれた１又は複数の導電粒子を分散混入したものを用い
ることができる。

【００５０】本実施の形態の外部電極放電ランプ１７で
は、粘着剤層も導電性にしたことにより、エンボス金属
箔３９，４９の内側に凸になった部分とガラス表面との
間の部分における粘着剤の劣化による粘着剤層の抵抗値
変化を更に低減でき、金属箔とガラスの間の抵抗値分布
のムラの発生をより確実に無くすことができる。

【００５１】

【実施例】本実施の形態に対応する実施例の外部電極放
電ランプと、比較例の外部電極放電ランプについて説明
する。

【００５２】（実施例１） ＜管状ガラスランプ容器＞ 材質：硼珪酸ガラス、寸法：外径２．６ｍｍ、内径２．
０ｍｍ、全長３５０ｍｍ。

【００５３】＜電極の金属箔＞ アルミニウム箔、寸法：厚み０．１ｍｍ、電極長２０ｍ
ｍ。

【００５４】＜電極の導電性粘着剤＞ 材料：シリコン樹脂系粘着剤に鉄粒子を分散。

【００５５】＜蛍光体層＞ 材質：三波長蛍光体、層厚：２０μｍ。

【００５６】＜充填剤＞ （１）封入ガス：ネオンとアルゴンとの混合ガス（組成
比：ネオン／アルゴン＝９０モル％／１０モル％）、封
入圧：６０Ｔｏｒｒ。

【００５７】（２）水銀：封入量３ｍｇ。

【００５８】（比較例１）電極の粘着剤の組成以外は実
施例１と共通である。

【００５９】電極の粘着剤は、アクリル系粘着剤を用い
た。粘着剤に導電粒子は分散させていない。

【００６０】以上の実施例１、比較例１の仕様の外部電
極放電ランプに対して、ランプ電流６ｍＡで点灯試験を
実施した。この点灯試験の結果は、比較例１のものでは
約７０〜１０００時間でガラス容器に穴開きが発生した
のに対して、実施例１のものでは５０００時間の連続点
灯でもガラス容器に穴開きが発生しなかった。

【００６１】（実施例２） ＜管状ガラスランプ容器＞ 材質：硼珪酸ガラス、寸法：外径２．６ｍｍ、内径２．
０ｍｍ、全長３５０ｍｍ。

【００６２】＜当接金属導体＞ 材質：ステンレス製メッシュ、寸法：厚み０．２ｍｍ、
電極長：２０ｍｍ。

【００６３】＜金属テープ＞ アクリル系樹脂粘着剤を塗布したアルミニウム箔、寸
法：厚み０．１ｍｍ、電極長２０ｍｍ。

【００６４】＜蛍光体層＞ 材質：三波長蛍光体、層厚：２０μｍ。

【００６５】＜充填剤＞ （１）封入ガス：ネオンとアルゴンとの混合ガス（組成
比：ネオン／アルゴン＝９０モル％／１０モル％）、封
入圧：６０Ｔｏｒｒ。

【００６６】（２）水銀：封入量３ｍｇ。

【００６７】（比較例２）金属テープを用いずに、実施
例２と共通のガラスランプ容器の両端に当接金属導体を
取付けた。

【００６８】以上の実施例２、比較例２の仕様の外部電
極放電ランプに対して、電極間に３５００Ｖ、５０ｋＨ
ｚの高周波電圧を供給したところ、比較例２のものでは
約６ｍＡの電流が流れたのに対して、実施例２の場合、
８ｍＡの電流を流すことができた。

【００６９】これより、実施例２の外部電極放電ランプ
では、ガラスランプ容器に直接に当接金属導体を取付け
る場合よりもガラスランプ容器表面と当接金属導体との
密着性が良好になり、印加電圧を同じくする場合には発
光量を増加させることができ、また発光量を同じくする
場合には消費電力を少なくできる。

【００７０】（実施例３） ＜管状ガラスランプ容器＞ 材質：ホウ珪酸ガラス。

【００７１】寸法：外径２．６ｍｍ、内径２．０ｍｍ、
全長３７９ｍｍ。

【００７２】＜外部電極＞ ニッケルメッシュ布＋導電性シリコーン粘着剤層。

【００７３】外部電極長さ：１７ｍｍ。

【００７４】＜蛍光体層＞ 材質：三波長蛍光体。

【００７５】厚み：２０μｍ。

【００７６】＜充填材＞ 封入ガス：ネオンとアルゴンの混合ガス（組成比：ネオ
ン／アルゴン＝９０モル％／１０モル％）。

【００７７】封入圧：８ｋＰａ。

【００７８】水銀：封入量３ｍｇ。

【００７９】（実施例４） ＜管状ガラスランプ容器＞ 材質：ホウ珪酸ガラス。

【００８０】寸法：外径２．６ｍｍ、内径２．０ｍｍ、
全長３７９ｍｍ。

【００８１】＜外部電極＞ エンボスアルミ箔＋導電性シリコーン粘着剤層。

【００８２】外部電極長さ：１７ｍｍ。

【００８３】＜蛍光体層＞ 材質：三波長蛍光体。

【００８４】厚み：２０μｍ。

【００８５】＜充填材＞ 封入ガス：ネオンとアルゴンの混合ガス（組成比：ネオ
ン／アルゴン＝９０モル％／１０モル％）。

【００８６】封入圧：８ｋＰａ。

【００８７】水銀：封入量３ｍｇ。

【００８８】（比較例３） ＜管状ガラスランプ容器＞ 材質：ホウ珪酸ガラス。

【００８９】寸法：外径２．６ｍｍ、内径２．０ｍｍ、
全長３７９ｍｍ。

【００９０】＜外部電極＞ アルミ箔＋アクリル粘着剤層。

【００９１】外部電極長さ：１７ｍｍ。

【００９２】＜蛍光体層＞ 材質：三波長蛍光体。

【００９３】厚み：２０μｍ。

【００９４】＜充填材＞ 封入ガス：ネオンとアルゴンの混合ガス（組成比：ネオ
ン／アルゴン＝９０モル％／１０モル％）。

【００９５】封入圧：８ｋＰａ。

【００９６】水銀：封入量３ｍｇ。

【００９７】実施例３、実施例４それぞれの放電ランプ
と比較例３の放電ランプとを、ランプ電流５ｍＡで５０
００時間点灯したところ、比較例３では約７０〜１００
０時間でガラスに穴が開いたのに対し、実施例３、実施
例４それぞれの放電ランプでは５０００時間点灯させて
もガラスに穴が開かなかった。

【００９８】これは、実施例３、実施例４の放電ランプ
の場合、ランプ点灯中に発生する外部電極の金属メッシ
ュ布あるいはエンボス金属箔と管状ガラスランプ容器と
の間の抵抗値の変化を抑制し、抵抗値分布のムラの発生
を防止することで、ガラスに穴が開くことを防止できた
ものと考えられる。

【００９９】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、電極の形
成が容易であると共に、ランプ電流が高い場合にも周囲
温度が高い場合にもランプの動作中に発生する粘着剤の
劣化による粘着剤層の抵抗値のムラの発生を抑制でき、
ガラス容器の電極部に穴開きが発生するのを防止できる
と共に、電極の金属箔がガラス容器から剥がれることも
防止でき、長期に渡って安定して高光量で発光させるこ
とができる。

【０１００】また、本発明によれば、当接金属導体とガ
ラスランプ容器の外周面との電気的な密着性が良く、実
質的な電極面積を当接金属導体単体をガラスランプ容器
に嵌着した場合の電極面積よりも大幅に改善でき、この
結果として効率の向上が図れる。

【０１０１】また、本発明によれば、ランプ点灯中に発
生する金属メッシュ布と管状ガラスランプ容器との間の
抵抗値の変化を抑制し、抵抗値分布のムラの発生を防止
することで、ガラスに穴が開くことを防止でき、長寿命
化が図れる。

【０１０２】さらに、本発明によれば、ランプ点灯中に
発生するエンボス金属箔と管状ガラスランプ容器との間
の抵抗値の変化を抑制し、抵抗値分布のムラの発生を防
止することで、ガラスに穴が開くことを防止でき、長寿
命化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の外部電極放電ラン
プの軸方向の断面図。

【図２】本発明の第２の実施の形態の外部電極放電ラン
プの軸方向の断面図。

【図３】上記第２の実施の形態の外部電極放電ランプの
軸に垂直な方向の断面図。

【図４】本発明の第３の実施の形態の外部電極放電ラン
プの軸方向の断面図。

【図５】本発明の第４の実施の形態の外部電極放電ラン
プの軸方向の断面図。

【図６】本発明の第５の実施の形態の外部電極放電ラン
プの軸方向の断面図。

【図７】本発明の第６の実施の形態の外部電極放電ラン
プの軸方向の断面図。

【図８】従来例の外部電極放電ランプの軸方向の断面
図。

【図９】外部電極放電ランプの等価回路。

【図１０】比較例の外部電極放電ランプの軸方向の断面
図。

【符号の説明】

１２〜１７ 放電ランプ ２０ ガラスランプ容器 ３１ 金属導体 ３２ 導電性粘着剤 ３４ 粘着剤 ３５ 金属テープ ３６ 金属メッシュ布 ３７ 粘着剤 ３８ 導電性粘着剤 ３９ エンボス金属箔 ４１ 金属導体 ４２ 導電性粘着剤 ４４ 粘着剤 ４５ 金属テープ ４６ 金属メッシュ布 ４７ 粘着剤 ４８ 導電性粘着剤 ４９ エンボス金属箔 ５０ 充填剤 ６０ 蛍光体層 ７０，８０ 電極 ９０ 当接金属導体 １００ 当接金属導体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 将実 愛媛県今治市旭町５丁目２番地の１ ハリ ソン東芝ライティング株式会社内 (72)発明者 平尾 智将 愛媛県今治市旭町５丁目２番地の１ ハリ ソン東芝ライティング株式会社内

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に放電媒体を封入した管状のガラス
   ランプ容器の軸方向両端の外周部に電極を形成した外部
   電極放電ランプであって、 前記電極は、可塑性を有する導電体層の内周面に粘着剤
   層を設けたものであり、 前記粘着剤層は、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系、ポリ
   イミド樹脂系、エポキシ樹脂系の中から選ばれた１又は
   複数のものであり、その中に導電粒子が分散されている
   ことを特徴とする外部電極放電ランプ。
2. 【請求項２】 内部に放電媒体を封入した管状のガラス
   ランプ容器の軸方向両端の外周部に電極を形成した外部
   電極放電ランプであって、 前記電極は、前記ガラスランプ容器の外周に粘着剤によ
   って貼着された可塑性を有する導電体層と、当該導電体
   層の外周に取付けられた当接金属導体から成ることを特
   徴とする外部電極放電ランプ。
3. 【請求項３】 前記粘着剤層は、シリコン樹脂系、フッ
   素樹脂系、ポリイミド樹脂系、エポキシ樹脂系の中から
   選ばれた１又は複数のものであり、その中に導電粒子が
   分散されていることを特徴とする請求項２に記載の外部
   電極放電ランプ。
4. 【請求項４】 前記粘着剤中の導電粒子は、鉄、ニッケ
   ル、銀、カーボンの中から選ばれた１又は複数のもので
   あることを特徴とする請求項１又は３に記載の外部電極
   放電ランプ。
5. 【請求項５】 前記電極の導電体層は、スズ箔又はアル
   ミニウム箔又は銅箔の少なくとも１つであることを特徴
   とする請求項１〜４のいずれかに記載の外部電極放電ラ
   ンプ。
6. 【請求項６】 内部に放電媒体を封入した管状のガラス
   ランプ容器の軸方向両端の外周部に電極を形成した外部
   電極放電ランプであって、 前記電極は金属メッシュ布であり、 前記金属メッシュ布は、粘着剤によって前記ガラスラン
   プ容器の外周面に貼接されていることを特徴とする外部
   電極放電ランプ。
7. 【請求項７】 前記粘着剤は、その中に導電粒子が分散
   混入された導電性粘着剤であることを特徴とする請求項
   ６に記載の外部電極放電ランプ。
8. 【請求項８】 前記粘着剤は、エポキシ系、シリコン
   系、フッ素系、ポリイミド系の少なくとも１つから選ば
   れたものであることを特徴とする請求項６又は７に記載
   の外部電極放電ランプ。
9. 【請求項９】 前記金属メッシュ布は、ニッケル、鉄、
   銅、アルミニウム、スズの少なくとも１つから選ばれた
   ものであることを特徴とする請求項６〜８のいずれかに
   記載の外部電極放電ランプ。
10. 【請求項１０】 内部に放電媒体を封入した管状のガラ
    スランプ容器の軸方向両端の外周部に電極を形成した外
    部電極放電ランプであって、 前記電極は、エンボス加工されたエンボス金属箔であ
    り、 前記エンボス金属箔は、粘着剤によって前記ガラスラン
    プ容器の外周面に貼接されており、かつ、当該エンボス
    金属箔のエンボス加工部分が前記ガラスランプ容器の外
    表面に対して他の部分より薄い粘着剤層を介して貼接さ
    れていることを特徴とする外部電極放電ランプ。
11. 【請求項１１】 前記粘着剤は、その中に導電粒子が分
    散混入された導電性粘着剤であることを特徴とする請求
    項１０に記載の外部電極放電ランプ。
12. 【請求項１２】 前記粘着剤は、エポキシ系、シリコン
    系、フッ素系、ポリイミド系の少なくとも１つから選ば
    れたものであることを特徴とする請求項１０又は１１に
    記載の外部電極放電ランプ。