JP2003227569A - ガスケット - Google Patents

ガスケット

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JP2003227569A JP2002025038A JP2002025038A JP2003227569A JP 2003227569 A JP2003227569 A JP 2003227569A JP 2002025038 A JP2002025038 A JP 2002025038A JP 2002025038 A JP2002025038 A JP 2002025038A JP 2003227569 A JP2003227569 A JP 2003227569A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ガスケット1は、例えばアルミ製のシリ
ンダヘッドと鋳鉄製のシリンダブロックとの間に挟持さ
れてその部分をシールするようになっている。ガスケッ
ト1を構成するガスケット基板2の一方の表面にのみグ
ラファイトを含むグラファイト層Gを形成してあり、他
方の表面には、グラファイト以外の材料を成分とするコ
ート層(ゴム層C)を形成してある。ガスケット1を複
数枚のガスケット基板から構成してもよい。 【効果】 グラファイト層Gをガスケット基板2の一方
の表面にのみ形成しているので、従来のように両面にグ
ラファイト層を形成したガスケットに比べ、低コストで
耐久性および生産性の高いガスケットを提供することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスケットに関し、
より詳しくは、ガスケット基板にグラファイト層を形成
したガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン等に用いられるガスケッ
トにおいて、ガスケット基板の両面に、グラファイトを
含むグラファイト層を形成したものが知られている。こ
のガスケットは、例えばアルミ製のシリンダヘッドと鋳
鉄製のシリンダブロックを用いたエンジンに使用されて
いる。すなわち上記エンジンにおいては、アルミのほう
が鋳鉄に比べて熱膨張による伸びが大きいことから、エ
ンジンを使用するうちにシリンダヘッドの変形量がシリ
ンダブロックの変形量よりも大きくなり、ガスケット基
板の両面には、シリンダヘッドとシリンダブロックの変
形量の差によってスラスト方向に応力がかかる。しかる
に上記ガスケットを用いれば、上記グラファイト層によ
ってガスケット基板はシリンダヘッドおよびシリンダブ
ロックと互いに摺動し合って上記応力を受け流すので、
ガスケットの損傷が防止されるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ガ
スケットにおいては、グラファイト層は一般に0.1m
m程度の厚みを有しており、他の成分を有するコート
層、例えばゴムを含むゴム層が0.02mm程度の厚み
で形成されるのに比べて厚く形成されている。しかも、
このグラファイト層はガスケット基板の両面に形成され
ているため、ガスケットの全体の厚みが厚くなり、グラ
ファイト層が薄く形成されるゴム層などに比べてへたり
が大きいこととあわせて、ガスケットの耐久性が低いと
いう問題がある。そして、ガスケット基板にグラファイ
ト層を形成するには、高いコストと生産性の低さが問題
となっており、さらにグラファイト層は柔らかいため、
グラファイト層の形成したガスケットの取り扱いには十
分な注意が必要となる。さらにまた、シール性向上のた
め、ガスケットを上下2枚のガスケット基板によって構
成する場合、これら2枚のガスケット基板の両面にグラ
ファイト層が形成されることで、ガスケットの厚みはさ
らに厚くなり、耐久性の低下が著しくなる。以上のよう
な問題に対し、本願発明は従来のガスケットに比べ、低
コストで耐久性および生産性の高いガスケットを提供す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1によ
るガスケットは、1枚のガスケット基板からなるガスケ
ットにおいて、上記ガスケット基板の一方の表面にのみ
グラファイトを含むグラファイト層を形成したことを特
徴とするものである。また、請求項3によるガスケット
は、複数のガスケット基板を積層させてなるガスケット
において、最も外側となる2つの表面のうち、一方の表
面にのみグラファイトを含むグラファイト層を形成し、
上記ガスケット基板の互いに重合する重合面にはグラフ
ァイト層を形成しないことを特徴とするものである。
【0005】上記請求項1のガスケットによれば、ガス
ケット基板の片面のみにグラファイト層を形成している
ので、ガスケット自体の厚さを従来のガスケットに比べ
て減少させることができ、それによってガスケットの耐
久性を向上させることができるとともに、低コストで生
産性の高いガスケットを提供することができる。また、
上記請求項3のガスケットによれば、複数枚のガスケッ
ト基板のうち、互いに向き合う重合面にはグラファイト
層を形成していないので、ガスケット自体の厚さが従来
のガスケットに比べて減少し、したがって従来のガスケ
ットに比べてガスケットの耐久性を向上させることがで
きるとともに、低コストで生産性の高いガスケットを提
供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る第1実施例につ
いて説明すると、図1及び図2において、ガスケット1
は、図示しないアルミ製のシリンダヘッドと鋳鉄製のシ
リンダブロックとの間に挟持されてそれらの間をシール
するようになっている。本実施例のガスケット1は、一
枚の金属製のガスケット基板2から構成してあり、この
ガスケット基板2には、図示しないシリンダブロックの
シリンダボアに合わせて穿設した複数の燃焼室孔3と、
図示しない締結ボルトを挿通するための複数のボルト孔
4と、潤滑油を流通させるための油孔5と、冷却水を流
通させるための水孔6と、ブローバイガスを流通させる
ためのブローバイ孔7とをそれぞれ穿設している。ま
た、図2に示すように、ガスケット基板2には、燃焼室
孔3を囲繞してその下方側に、すなわち図示しないシリ
ンダブロック側に向けて膨出する無端状のフルビードか
らなるボアビード8と、ガスケット1の外周を囲繞する
無端状のハーフビードからなる外周ビード9を形成して
いる。そして、ガスケット基板2のシリンダブロックと
接する表面には、グラファイトを主成分とするグラファ
イト層Gを形成してあり、またガスケット基板2のシリ
ンダヘッドと接する表面には、ゴムを主成分とするコー
ト層としてのゴム層Cを形成してある。また、このとき
の上記グラファイト層Gの厚みは0.05〜0.1mm
の範囲で形成し、ゴム層Cは0.02〜0.03mmの
範囲で形成するのが望ましい。
【0007】上述したように、本実施例においては、上
記グラファイト層Gは表面粗さの粗い鋳鉄製のシリンダ
ブロック側に設けてあるので、表面粗さが粗くてもその
部分における良好なシール性を確保することができる。
他方、他方の面にはゴム層Cを形成しているので、その
部分におけるシール性も確保することができる。また、
上述したようにシリンダヘッドの素材がアルミであり、
シリンダブロックが鋳鉄製であるので、両者の間に熱膨
張による差が生じるが、上記グラファイト層Gを介して
ガスケット基板2とシリンダブロックとを摺動させるこ
とができるので、ガスケット1の損傷を防ぐことができ
る。さらに、ガスケット基板2の片面のみにグラファイ
ト層Gを形成しているので、両面にグラファイト層を形
成していた従来のガスケットに比較してガスケット1自
体の厚さを減少させることができ、それによって耐久性
の向上を期待することができる。また、ガスケット基板
2の一方の面のみにグラファイト層Gを形成すればよい
ことから、ガスケット1の製造にかかるコストを抑える
ことができ、さらに生産性を高めるといった効果も得ら
れる。
【0008】つぎに、図3は本願発明の第2実施例につ
いて示したものであり、本実施例のガスケット1は2枚
の金属製のガスケット基板2A、2Bから構成してあ
る。これらガスケット基板2A、2Bにも、第1実施例
のガスケット1と同様に、図示しないシリンダブロック
のシリンダボアに合わせて穿設した複数の燃焼室孔3
や、ボルト孔、油孔等をそれぞれ穿設している。本実施
例では、上記ガスケット基板2A、2Bには、燃焼室孔
3を囲繞して互いに離隔する方向に膨出する無端状のボ
アビード8と、ガスケット1の外周を囲繞して互いに離
隔する方向に膨出する無端状の外周ビード9を形成して
いる。そして本実施例においては、互いに重合するガス
ケット基板2A、2Bの最も外側となる2つの表面の双
方に上記グラファイト層Gを形成している。すなわち、
下方側のガスケット基板2Bにおけるシリンダブロック
と接する表面と、上方側のガスケット基板2Aにおける
シリンダヘッドと接する表面とに、上記グラファイト層
Gを形成している。そして、上記ガスケット基板2A、
2Bの互いに重合する重合面にはグラファイト層は形成
しておらず、本実施例においては、下方側のガスケット
基板2Bにおける上方側のガスケット基板2Aと接する
重合面に、上記ゴム層Cを形成してある。本実施例にお
いては、上記グラファイト層Gの厚みは0.05〜0.
1mmの範囲で形成するのが望ましく、一方のゴム層C
は約0.01mmで形成するのが望ましい。
【0009】以上のような構成を有するガスケット1で
は、2枚のガスケット基板2A、2Bを用いているの
で、第1実施例における1枚のガスケット基板2を用い
たガスケット1に比べ、高いシール性を得ることができ
る。すなわち、本実施例のガスケット1においては、シ
リンダブロックとシリンダヘッドに接する面にグラファ
イト層Gを形成しているので、それらの表面粗さが共に
粗い場合であってもその部分を良好にシールすることが
できる。また、両ガスケット基板2A、2Bの互いに重
合する重合面にゴム層Cを形成してあるので、その間の
シール性を確保することができる。さらに、シリンダヘ
ッドとシリンダブロックとが熱膨張によって変形して
も、ガスケット基板2Aはグラファイト層Gによってシ
リンダヘッドと摺動し、ガスケット基板2Bはグラファ
イト層Gによってシリンダブロックと摺動するので、ガ
スケット1全体にかかる応力が受け流されてガスケット
1の損傷が防止されることとなる。そして、各ガスケッ
ト基板2A、2Bには片面にのみグラファイト層Gが形
成されているので、全ての面にグラファイト層を形成し
た場合に比較してガスケット1全体の厚さを減少させる
ことができ、それによってガスケット1の耐久性を向上
させることができる。また、第1実施例と同様、各ガス
ケット基板2A、2Bの一方の面のみにグラファイト層
Gを形成すればよいので、コストを抑えることができ、
さらに生産性を高めるといった効果も得られる。なお、
本実施例においてゴム層Cは下方側のガスケット基板2
Bの上面に設けられているが、これに代えて上方側のガ
スケット基板2Aの下面に形成してもよいことは言うま
でもなく、さらに両方のガスケット基板2A、2Bの重
合面にゴム層Cを形成してもよい。
【0010】さらに、図4は第3実施例のガスケット1
を示したものであり、本実施例におけるガスケット基板
2A、2Bは上記第2実施例と同一の構成を有してい
る。そして本実施例においては、互いに重合するガスケ
ット基板2A、2Bの最も外側となる2つの表面のう
ち、下方側のガスケット基板2Bにおけるシリンダブロ
ックと接する表面のみに、グラファイト層Gを形成して
いる。つまり、それ以外の面である上方側のガスケット
基板2Aにおけるシリンダヘッドと接する表面や、双方
のガスケット基板2A、2Bの互いに重合する重合面に
はグラファイト層は形成していない。しかるに本実施例
においては、上方側のガスケット基板2Aの両面にゴム
層Cを形成してある。つまり上方側のガスケット基板2
Aにおけるシリンダヘッドと接する表面と、上方側のガ
スケット基板2Aにおける下方側のガスケット基板2B
と接する重合面とのそれぞれに、上記ゴム層Cを形成し
てある。本実施例においても、上記グラファイト層Gの
厚みは0.05〜0.1mmの範囲で形成するのが望ま
しく、一方のゴム層Cは約0.01mmで形成するのが
望ましい。
【0011】本実施例においては、シリンダブロックに
接する面にグラファイト層Gを形成しているので、その
表面粗さが粗い場合であってもその部分を良好にシール
することができる。また、シリンダヘッドに接する面
と、両ガスケット基板2A、2Bの互いに重合する重合
面とにゴム層Cを形成してあるので、その間のシール性
も確保することができる。さらに、シリンダヘッドとシ
リンダブロックとが熱膨張によって変形しても、上記グ
ラファイト層Gによってその変形を受け流すことができ
るので、ガスケット1の損傷を防止することができる。
その他の作用効果は、第2実施例と同等である。なお、
本実施例においては、ゴム層Cは上方側のガスケット基
板2Aの下面に設けられているが、これに代えて下方側
のガスケット基板2Bの上面に形成してもよく、さらに
は両方のガスケット基板2A、2Bの重合面にゴム層C
を形成してもよい。
【0012】なお、上記各実施例においてはコート層と
してゴム層Cが用いられているが、これに限定されるも
のではない。上記コート層としては、ゴム、モリブデ
ン、フッ素、接着剤、合成樹脂の少なくともいずれかを
含むものであることが好ましい。またコート層は、1層
のコート層で形成するほかに、複数のコート層を積層さ
せてもよい。さらに、上記グラファイト層Gやコート層
はガスケット基板2の全面に形成する必要はなく、必要
部位に形成することも可能である。さらにまた、上記実
施例で用いられるガスケット1はエンジンに使用されて
いるが、上記ガスケット1はこの他にも気体、液体をシ
ールするガスケット全般に応用することが可能である。
【0013】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来の
ガスケットに比べて低コストで耐久性および生産性が高
いガスケットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるガスケットの平面図。
【図2】図1におけるII−II断面を示す側面図。
【図3】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図4】本発明の第3実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ガスケット 2、2A、2B ガスケッ
ト基板 G グラファイト層 C ゴム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神野 修 愛知県豊田市緑ヶ丘3丁目65番地 大豊工 業株式会社内 Fターム(参考) 3J040 BA01 EA06 EA17 EA28 EA46 FA01 FA05 FA11 HA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚のガスケット基板からなるガスケッ
    トにおいて、上記ガスケット基板の一方の表面にのみグ
    ラファイトを含むグラファイト層を形成したことを特徴
    とするガスケット。
  2. 【請求項2】 上記グラファイト層の形成されていない
    他方の表面に、グラファイト以外の材料を成分とするコ
    ート層を形成したことを特徴とする請求項1に記載のガ
    スケット。
  3. 【請求項3】 複数のガスケット基板を積層させてなる
    ガスケットにおいて、最も外側となる2つの表面のう
    ち、一方の表面にのみグラファイトを含むグラファイト
    層を形成し、上記ガスケット基板の互いに重合する重合
    面にはグラファイト層を形成しないことを特徴とするガ
    スケット。
  4. 【請求項4】 上記グラファイト層が形成されていない
    他方の表面に、グラファイトを含むグラファイト層を形
    成したことを特徴とする請求項3に記載のガスケット。
  5. 【請求項5】 上記グラファイト層が形成されていない
    他方の表面に、グラファイト以外の材料を成分とするコ
    ート層を形成したことを特徴とする請求項3に記載のガ
    スケット。
  6. 【請求項6】 上記ガスケット基板の互いに重合する重
    合面の少なくともいずれか一方に、グラファイト以外の
    材料を成分とするコート層を形成したことを特徴とする
    請求項3ないし請求項5のいずれかに記載のガスケッ
    ト。
  7. 【請求項7】 上記コート層は、ゴム、モリブデン、フ
    ッ素、接着剤、合成樹脂の少なくともいずれかを含むこ
    とを特徴とする請求項2、請求項5又は請求項6に記載
    のガスケット。
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