JP2003227121A - 弾性材製品の取り付け構造および取り付け方法 - Google Patents

弾性材製品の取り付け構造および取り付け方法

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Takeshi Oki
剛 沖
Nobuyasu Ikoma
信康 生駒
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Shibata Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造物に弾性材製品を取り付ける方法は、構
造物に設けたボルトに弾性材製品に形成したボルト穴を
合わせ、ナットによって固定するのが一般であるが、構
造物に取り付ける弾性材製品は長尺物であったり、大き
な面積を有するものであったりするために、大きいばか
りでなく重量も非常に重いものであり、複数のアンカー
ボルトに合う個所に設けたボルト穴をそれぞれに合わせ
て取り付ける作業はクレーン等の重機を用いた非常に困
難な作業であった。 【解決手段】 弾性材製品を固定板を介して構造物に接
着材で固定したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岸壁に取る付ける
防舷材や砂防ダム、橋梁等の構造物の保護材とするゴム
や合成樹脂等の弾性材製品の取り付け構造およびそに取
り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、構造物に大型の弾性材製品を取り
付ける方法は、構造物に設けたボルトに弾性材製品に形
成したボルト穴を合わせ、ナットによって固定するのが
一般であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術に
よると、構造物に取り付ける弾性材製品は長尺物であっ
たり、大きな面積を有するものであったりするために、
大きいばかりでなく重量も非常に重いものであり、複数
のアンカーボルトに合う個所に設けたボルト穴をそれぞ
れに合わせて取り付ける作業はクレーン等の重機を用い
た非常に困難な作業であった。
【0004】また、構造物の所定位置に弾性材製品を取
り付けるようにボルトを構造物に取り付ける際には構造
物の配筋を避けなければならないもので、その位置合わ
せは大変な作業でもあった。さらに、既設の弾性材製品
を交換する場合には、複数の既設のボルトを撤去するた
めに、その周囲のコンクリートをハツラなければなら
ず、しかも位置合わせをして新しいボルトを取り付けた
後に新規モルタルによる埋め戻しを行わなければならな
い等の問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、弾性材
製品を固定板を介して構造物に接着材で固定したことを
特徴とする。さらに具体的には、弾性材製品に固定板を
接着材で接着し、固定材を構造物に接着材で固定したこ
とを特徴とする。また、弾性材製品の製造時に固定板を
一体に構成し、その固定材を構造物に接着材で固定した
ことを特徴とする。また、これらの構造において、固定
材と構造物間の接着材をモルタルとしたことを特徴とす
る。
【0006】そこで、このような構造にする弾性材製品
のの取り付け方法としては、弾性材製品に固定板を取り
付け、その後に固定板を介して構造物に接着材で固定す
ることを特徴とする方法もしくは構造物に固定板を接着
材で取り付け、その後に固定板を介して弾性材製品を取
り付けることを特徴とする弾性材製品の取り付け方法で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態例を図
面を用いて説明する。 第1実施の形態例 図1は断面説明図である。ゴムや合成樹脂等による弾性
材製品1の取り付け面に鉄やステンレス等の金属製の固
定板2を取り付ける。
【0008】この固定板2の取り付け状態は、図示の如
く接着材3によって取り付けてもよく、また、図2に示
す如く、弾性材製品1の製造時に取り付けることができ
る。例えは、材質がゴムの場合には弾性材製品1の製造
時の加硫工程時にゴム面に一体に取り付けることができ
る。このようにして取り付け面に固定板2を取り付けた
弾性材製品1は、構造物4にこれも上記接着材3と同一
もしくは異なる接着材5によって取り付けて固定する。
【0009】この接着材3は、弾性材製品1と固定板2
との接着性に適したものがよく、また接着材5は構造物
4と固定板2との接着性に適したものがよく、構造物4
の材質によって決定することができ、通常の接着材や構
造物3がコンクリート、鉄、木材等の場合にはモルタル
(コンクリートを含む概念である。)を接着材とするこ
とができる。なお、水中作業の場合には水中用のものを
使用する。
【0010】モルタルを接着材とした場合の付着強度を
従来のボルトによる取り付け強度と比較する。付着強度
の比較をV型防舷材150H×1000L(反力:1
1.3tf、摩擦係数0.3)を例に、既存工法「ボル
ト取り付け(M22、4本)」の場合と本実施の形態例
はモルタルを接着材として使用した場合とで比較を行っ
た。
【0011】防舷材に作用する剪断力:0.3×11.
3×103 =3390kgf ボルトの許容剪断力:※1 800kgf/cm2 ×π
×1.92942 /4×4=9356kgf 本実施の形態例:※2 6.0kgf/cm2 ×※3 (10×106×2) =12720kgf ※1 :SS400の許容剪断応力 ※2 :形鋼とコンクリートの許容付着応力度(コンクリート の設計基準強度180kgf/cm2 の場合) 「港湾の施設の技術上の基準・同解説」 ※3 :固定板表面積(cm2 )仮定値 また、固定板2に弾性材製品1や接着材5との接着強度
を高めるための手段を施すことは任意であり、例えば、
固定板2の表面に凹凸を形成して表面積を大きくして接
着材との接着面積を大きくしたり、図3に示す如く、固
定板2の表面に複数の突起6を設けておいてもよく、そ
の突起6の先端を曲折しておくとよりよい。
【0012】さらに、図4に示す如く、弾性材製品1の
強度の増強をはかるために、天然繊維、化学繊維等の織
布、不織布もしくは金属等の補強材7を弾性材中にその
弾性材と交互になるように積層配置した構造としてもよ
く、その積層個所は全体でも図示する如く、補強を特に
必要とする個所の部分的なものでもよい。このように固
定板2を取り付けた弾性材製品1を構造物4に取り付け
るには、図5に示する如く、構造物4の弾性材製品1の
取り付け個所に、弾性材製品1と型枠8を仮固定する
(a)。このとき、弾性材製品1の重量が大きい場合に
は仮設の足場を組んで下から支持したり上から吊り下げ
たりして弾性材製品1を支える。
【0013】型枠8で囲まれた構造物4と固定板2間に
接着材5、本実施の形態例ではモルタルを流し込む
(b)。接着材5の養生後、型枠8を取り外して完了す
る(c)。なお、十分な厚さの接着材5を施すことによ
り、図6に示す如く、構造物4面に凹凸のあっても平滑
面にするような事前工事を施すことなく取り付けること
ができる。
【0014】以上説明したように、弾性材製品1に予め
固定板2を接着して取り付けておき、その固定板2を接
着材によって構造物4に取り付けるようにしたことによ
り、従来接着が困難であった弾性材製品を構造物に接着
固定ができることになる。 第2実施の形態例 上記の実施の形態例では弾性材製品1に予め固定板2を
接着しておく構造であったが、構造物4に予め固定板2
を接着しておき、その固定板2に弾性材製品1を接着固
定するようにしてもよいものである。
【0015】そこで、本実施の形態例は、図7に示す如
く、弾性材製品1の形状に対応できる形状もしくは大き
さの固定板2を複数、構造物4の弾性材製品1を取り付
ける個所に型枠8と共に設ける(a)。その型枠8で囲
まれた構造物4と固定板2間に接着材5、本実施の形態
例ではモルタルを流し込むことにより構造物4の所定個
所に固定板2を取り付ける(b)。
【0016】その後、その固定板2に弾性材製品1を接
着材3によって取り付けて構造物4と一体にする
(c)。なお、接着材に養生が必要な場合にはこの最後
の工程まで型枠8を付けておけばよい。つまり、型枠8
は必要でなくなったときに適宜に外せばよい。また、固
定板2および弾性材製品1等の構造は上記第1実施の形
態例のものと同様でよく、接着材も水中作業の場合は水
中用のものを使用する。
【0017】なお、上記の構成において、構造物がコン
クリートの場合には、そのコンクリート成形時に固定板
2を所定個所に取り付けて、予め固定しておくこともで
きる。このように、工事手順の具合や工事現場の具合に
よって固定板2の取り付け順序を、構造物4に先に固定
し、その後にその固定板2に弾性材製品1を取り付ける
ようにしても上記実施の形態例と同様の効果を得ること
ができる。
【0018】以上各実施の形態例で説明した構成による
と、接着が困難であった弾性材製品とコンクリートや鉄
製の構造物とをボルトを使用しないで取り付け固定する
ことができることになる。また、これによって、既設弾
性材製品の交換においては、従来のアンカーボルトを撤
去するための多大な労力と構造物の一部破壊が必要であ
ったが、本発明では、接着材をハツルことによって既設
弾性材製品を取り外すことができ、交換作業が極めて容
易に行えることになる。
【0019】さらに、構造物の弾性材製品の取り付け面
の凹凸状態にかかわらず接着材の厚さで対応することが
できることになり、弾性材製品の構造物への取り付けに
際して平滑加工等の下加工の必要がなく、取り付けの現
場作業だけで工事を行うことができる。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明した本発明によると、弾
性材製品を固定板を介して構造物に接着固定するように
したことにより、接着が困難であった弾性材製品とコン
クリートや鉄製の構造物とをボルトを使用しないで取り
付けることが可能となり、弾性材製品の取り付け作業性
が極めて向上することになる。
【0021】また、既設弾性材製品の交換においては、
固定板と構造物間の接着材をハツルだけで取り外すこと
が可能となり、交換作業が極めて容易となる。例えば、
岸壁に取り付けた防舷材は、従来は岸壁に設けたアンカ
ーボルトによって取り付けていたために、固定用のナッ
トとアンカーボルトが錆びついてしまい、それを取り除
く作業は大変な作業となり、しかも、そのアンカーボル
トは再度の使用は不可能なために前回とは異なる個所に
穴をあけて新しいアンカーボルトを取り付けなければな
らない等の作業が必要であったが、そのような作業が一
切なくなることになる。
【0022】さらに、接着材の厚さによって構造物の取
り付け面の凹凸を吸収することができ、構造物の取り付
け面を平滑にする作業を必要としない効果を有する。ま
た、水中での作業が容易であり、水中構造物への弾性材
製品の取り付け作業や交換作業が容易となる効果を有す
る。また、取り付け強度は、固定板の面積で適宜に定め
ることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態例を示す断面説明図
【図2】第1実施の形態例の他の例を示す断面説明図
【図3】固定板の他の例を示す断面説明図
【図4】弾性材製品の他の例を示す断面説明図
【図5】弾性材製品の取り付け方法を示す説明図
【図6】構造物の例を示す断面説明図
【図7】第1実施の形態例の弾性材製品の取り付け方法
を示す説明図
【符号の説明】
1 弾性材製品 2 固定板 3 接着材 4 構造物 5 接着材 6 突起 7 補強材 8 型枠

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性材製品を固定板を介して構造物に接
    着材で固定したことを特徴とする弾性材製品の取り付け
    構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、弾性材製品に固定板
    を接着材で接着し、固定材を構造物に接着材で固定した
    ことを特徴とする弾性材製品の取り付け構造。
  3. 【請求項3】 請求項1において、弾性材製品の製造時
    に固定板を一体に構成し、その固定材を構造物に接着材
    で固定したことを特徴とする弾性材製品の取り付け構
    造。
  4. 【請求項4】 請求項1において、固定材と構造物間の
    接着材をモルタルとしたことを特徴とする弾性材製品の
    取り付け構造。
  5. 【請求項5】 弾性材製品に固定板を取り付け、その後
    に固定板を介して構造物に接着材で固定することを特徴
    とする弾性材製品の取り付け方法。
  6. 【請求項6】 構造物に固定板を接着材で取り付け、そ
    の後に固定板を介して弾性材製品を取り付けることを特
    徴とする弾性材製品の取り付け方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016034817A (ja) * 2014-08-04 2016-03-17 株式会社エルモ 接着式防舷材を取付けた船舶及び、接着式による防舷材の船体への取付け工事方法。
KR20170017875A (ko) * 2014-06-17 2017-02-15 시바타 코교 가부시키가이샤 방현재, 방현재의 부착 방법 및 방현재의 제조 방법
KR20210009900A (ko) * 2019-07-18 2021-01-27 삼성중공업 주식회사 펜더 조립체

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KR102492084B1 (ko) * 2014-06-17 2023-01-26 시바타 코교 가부시키가이샤 방현재, 안벽, 및 방현재의 제조 방법
JP2016034817A (ja) * 2014-08-04 2016-03-17 株式会社エルモ 接着式防舷材を取付けた船舶及び、接着式による防舷材の船体への取付け工事方法。
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KR102640082B1 (ko) * 2019-07-18 2024-02-22 삼성중공업 주식회사 펜더 조립체

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