JP2003227037A - ストレッチ性織編物用ポリエステル複合中空繊維 - Google Patents

ストレッチ性織編物用ポリエステル複合中空繊維

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JP2003227037A
JP2003227037A JP2002025211A JP2002025211A JP2003227037A JP 2003227037 A JP2003227037 A JP 2003227037A JP 2002025211 A JP2002025211 A JP 2002025211A JP 2002025211 A JP2002025211 A JP 2002025211A JP 2003227037 A JP2003227037 A JP 2003227037A
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Mitsue Yoshimura
三枝 吉村
Koichi Iohara
耕一 庵原
Mitsuo Matsumoto
三男 松本
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理によって発現する優れた捲縮性能とス
トレッチ性能とを有する、ストレッチ性織編物用ポリエ
ステル複合中空繊維を提供すること。 【解決手段】 高収縮側がポリトリメチレンテレフタレ
ートである、互いに熱収縮特性が異なる2種類のポリエ
ステルからなるサイドバイサイド型複合中空繊維であっ
て、横断面形状に中空部を有し、該中空部の外接円直径
Dと該断面の外接円直径Eとの比D/Eが0.08〜
0.40であり、かつ、沸水処理後の捲縮率(TC2)
が8〜45%および25%伸長弾性回復率が60%以上
であるポリエステル複合中空繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストレッチ性織編
物用として好適なポリエステル複合中空繊維に関するも
のである。さらに詳しくは、織編物に優れた嵩高性と高
いストレッチ性とを賦与することができるポリエステル
複合中空繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは衣料用布帛素材としてそ
の優れた特性を生かし広く使用されている。近年、スト
レッチ性に富んだ織編物が多く開発されており、ポリエ
ステルがその素材として盛んに使用されている。織編物
にストレッチ機能を付与するため、極限粘度の異なる2
種類のポリエステルをサイドバイサイド型に接合した潜
在捲縮性の複合繊維を使用することはよく知られてい
る。
【0003】このようなストレッチ性織編物用に使用可
能なポリエステル複合繊維を得るためには、例えば2種
のポリエステルの極限粘度差を可能な限り大きくし、繊
維にしたときの熱収縮差を大きくして潜在捲縮性を充分
に付与しておくことが望ましい。しかし、2種類のポリ
エステルの極限粘度差増大とともに、吐出糸条の屈曲、
ピクツキ、旋回等が進行し、ついには吐出糸条が紡糸口
金面に付着して断糸するという現象が起こる。このよう
な異常吐出現象が起こると、紡糸運転に支障をきたすの
みならず、屈曲、ピクツキ、旋回等異常吐出を経た吐出
糸条には、冷却・固化の過程で繊維構造斑が形成されや
すく、得られるポリエステル複合繊維は品質斑が多く、
ストレッチ織編物に使用できなくなることが多い。
【0004】このような問題を改善するため、特公昭6
1−60163号公報には、1対をなす吐出孔が口金面
と直交する方向に対してなす各々の傾斜角度および1対
の吐出孔間の距離等を適正化した溶融紡糸用口金から、
互いに粘度の異なるポリエステルを吐出させてサイドバ
イサイド型に接合させる複合繊維の製造方法が提案され
ている。確かにこの溶融紡糸口金を用いれば、2種類の
ポリエステルの極限粘度差が大きくても吐出ポリマー屈
曲、ピクツキ、旋回等を少なくすることができる。しか
しながら、本発明者らの検討によれば、高収縮側のポリ
エステルとしてポリトリメチレンテレフタレートを用い
る場合、両ポリエステルの接合状態によっては得られる
複合繊維の潜在捲縮性に大きな斑が発生しやすく、その
ままでストレッチ織編物用として使用するには問題とな
る場合の多いことが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、熱処理により
安定して顕在化する優れた潜在捲縮性を有し、かつ、高
いストレッチ性を有する織編物を得るに適したストレッ
チ性織編物用ポリエステル複合繊維を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等の研究によれ
ば、上記課題は、互いに熱収縮特性の異なる2種類のポ
リエステルからなるサイドバイサイド型複合繊維におい
て、高収縮側のポリエステルがポリトリメチレンテレフ
タレートであり、該複合繊維の横断面形状に中空部を有
すると共に該中空部の外接円直径Dと横断面の外接円直
径Eとの比(D/E)が0.08〜0.40であり、か
つ、0.00177cN/dtexの負荷をかけて沸水
中20分間処理して捲縮を発現させた後の捲縮率(TC
2)が8〜45%および25%伸長弾性回復率が60%
以上であることを特徴とするストレッチ性織編物用ポリ
エステル複合中空繊維、により達成できることが見出さ
れた。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態について詳
細に説明する。本発明においては、後述する優れた伸長
弾性回復性能と潜在捲縮性能とをポリエステル複合繊維
に付与するため、互いに熱収縮特性の異なる2種類のポ
リエステルの内少なくとも高収縮側のポリエステルをポ
リトリメチレンテレフタレートとする必要がある。その
理由は、潜在捲縮が顕在化された複合繊維のストレッチ
性を発現しているコイル状捲縮の伸縮特性は、低収縮成
分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となるた
め、高収縮側に用いるポリエステルには高い伸長性およ
び回復性が求められるからである。さらにポリトリメチ
レンテレフタレートはヤング率も非常に低いので、小さ
な負荷でも容易に伸長すると共に、伸長回復時のヒステ
リシスロスも少なく、優れたストレッチ性能を発現させ
ることができる。
【0008】なお、ここでいうポリトリメチレンテレフ
タレートとは、トリメチレンテレフタレート単位を主た
る繰返し単位とするポリエステルであり、例えば全酸成
分を基準として10モル%以下、好ましくは5モル%以
下の割合で他の成分が共重合されていてもかまわない。
好ましく用いられる共重合成分としては、酸成分として
フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸などをあげることがで
き、また、グリコール成分としてブチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、2,2−
ビス{4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロ
パンなどをあげることができる。
【0009】かかるポリエステルの極限粘度(オルソク
ロロフェノールを溶媒とし、温度35℃で測定)は、あ
まりに高くなりすぎると安定に紡糸することが困難にな
り、逆に低くなりすぎると得られる複合繊維の機械的特
性が低下したり製糸時の安定性も低下しやすくなるた
め、0.7〜1.5の範囲が適当である。
【0010】複合繊維を構成する他方の低収縮成分は、
前記の高収縮成分であるポリトリメチレンテレフタレー
トとの界面接着性が安定している繊維形成性ポリエステ
ルであれば特に限定されるものではない。なかでも、ポ
リトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートが、その力学的特
性およびコストの観点から好ましく、特にポリトリメチ
レンテレフタレートは、複合繊維としてのヤング率を低
くでき、しかもコイル伸縮の支点となる低収縮成分がポ
リトリメチレンテレフタレートとなることによりヒステ
リシスロスがより一層小さくなり、ソフト感とストレッ
チ感に優れた織編物を提供することができるので好まし
い。さらに、共重合ポリトリメチレンテレフタレートを
用いると、よりソフトで高いストレッチ性の織編物が得
られる。
【0011】なお、上記のポリトリメチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等の低収縮側ポリエステルには、熱収縮特性
を満足する範囲内で他の共重合成分を含んでいてもよ
い。好ましく用いられる共重合成分としては、例えばイ
ソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
アジピン酸、ダイマー酸、セバシン酸、5−ナトリウム
スルフォイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのジオール類を挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
【0012】かかる低収縮側のポリエステルの極限粘度
は、高収縮側のポリトリメチレンテレフタレートよりも
熱収縮性能が低ければ任意である。通常は極限粘度が小
さくなるほど熱収縮特性は小さくなるが、得られる複合
繊維の力学的特性は低下する傾向にあるので0.45以
上であることが望ましい。特に低収縮側のポリエステル
もポリトリメチレンテレフタレートである場合、該ポリ
エステルのガラス転移温度が40℃付近であり、室温で
も徐々に結晶化が進行しやすいという経時安定性に問題
があるため、0.55以上であることが望ましい。ま
た、潜在捲縮性能の観点からは両ポリトリメチレンテレ
フタレートの極限粘度差は0.1以上、特に0.2以上
であることが望ましく、一方製糸時の安定性の観点から
は極限粘度差は1.1以下、特に0.8以下とすること
が望ましい。
【0013】以上に説明した高収縮側ポリエステルおよ
び低収縮側ポリエステルには、それぞれ必要に応じて、
酸化チタンなどの艶消し剤、ヒンダードフェノール系化
合物等の酸化防止剤、滑剤としてのシリカやアルミナの
微粒子、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、難燃剤、抗菌
剤、導電性付与剤等を配合してもよい。
【0014】次に、本発明の複合中空繊維は、上述の互
いに熱収縮特性が異なるポリエステルをサイドバイサイ
ド型に接合したものであるが、その複合比は、後述する
横断面形状等の要件を満足する限り限定する必要はな
い。例えば20/80〜80/20の範囲が適当であ
り、特に60/40〜40/60の範囲が好ましい。
【0015】本発明においては、該複合中空繊維の横断
面形状に中空部を有すると共に、該中空部の外接円直径
D(図1)と横断面の外接円直径E(図1)との比(D
/E)が0.08〜0.40、好ましくは0.1〜0.
3の範囲となっていることが肝要である。
【0016】熱収縮特性の異なるポリエステルをサイド
バイサイド型に複合紡糸する際、吐出糸条の屈曲、ピク
ツキ、旋回等の異常吐出を抑制するため、従来一対の吐
出孔(図2)から各々溶融ポリエステルを吐出後接合さ
せる方式の口金を使用する方法が採用されていたが、例
えば両ポリエステルの極限粘度差を大きくして捲縮性能
を向上させようとすると、上記の異常吐出を完全には抑
制することができないという問題があった。本発明にお
いてはかかる問題を解決するため、上記のとおり、繊維
横断面形状を中空形状とし、該中空部の外接円直径Dと
横断面の外接円直径Eとの比(D/E)が0.08〜
0.40の範囲にすることが重要であり、中空部がなか
ったり、該D/Eが0.08未満である場合には、吐出
時の屈曲、ピクツキ、旋回等を抑制することができなく
なり、得られる複合中空繊維は冷却・固化過程での繊維
構造斑を内在するものとなり、また、紡糸断糸も頻発し
て安定に溶融紡糸することができなくなる。一方、D/
Eが0.40を越える場合には、極限粘度の異なる2種
のポリマーの接合が不安定となり、吐出糸条の揺れ、単
糸間の中空率のばらつき等が発生し、得られたポリエス
テル複合中空繊維の品質斑が発生する。また、中空率が
大きくなり過ぎて、強度・伸度の低下が起こる。特に複
合中空繊維の両ポリエステルがポリトリメチレンテレフ
タレートである場合には、該ポリエステルがガラス転移
点および結晶化温度の低い易結晶性ポリマーであるた
め、わずかな冷却ゾーンの温度斑にも影響を受けやすく
なる。
【0017】さらに、本発明のポリエステル複合中空繊
維においては、織編物拘束下を想定した0.00177
cN/dtex(2mg/de)荷重下での沸水中20
分間の捲縮発現処理(潜在捲縮の顕在化処理)を施した
後の捲縮率(TC2)が8〜45%であることが必要で
ある。この捲縮率(TC2)が8%未満の場合には、得
られる織編物のストレッチ性が乏しくなり、ストレッチ
性織編物用途には適さない。一方、捲縮率(TC2)が
45%を越える場合には、捲縮による収縮が大きくなり
すぎるため、得られる織編物表面が粗荒となる。特に織
物に使用した場合にその傾向が大きい。なお、より好ま
しい捲縮率(TC2)の範囲は10〜35%である。
【0018】また、本発明のポリエステル複合中空繊維
は、上記沸水処理により捲縮を発現させた後の25%伸
長弾性回復率が60%以上であることが必要である。一
般に、衣服の着脱および運動時、身体各部位による布帛
の伸長率は5〜25%の範囲にあり、25%の伸長率は
ひじの曲げ伸ばし運動に相当する。したがって、25%
伸長における弾性回復が良好である必要があり、25%
伸長弾性回復率が60%以上、好ましくは80%以上と
することにより、伸長後の回復は速やかとなり、スムー
ズなストレッチ感を実感することとなる。25%伸長弾
性回復率が60%未満の場合には、概ね伸長応力が高く
なり、着脱時や運動時に締め付け感が強く、身体の動き
が拘束される感じを持つようになり、さらには、長期使
用によって型崩れやたるみなどが発生しやすくなるので
好ましくない。
【0019】このような優れた伸長弾性回復率と潜在捲
縮性能をポリエステル複合中空繊維に付与するために、
本発明においては、前述のように高収縮のポリエステル
としてポリトリメチレンテレフタレートを用いるのであ
る。
【0020】なお、ポリエステル複合中空繊維の単繊維
繊度は特に限定する必要はなく、用途に応じて適宜設定
すれば良いが、ストレッチ織編物用としては通常1〜1
0dtexの範囲、特に2〜5dtexの範囲が適当で
ある。
【0021】このような本発明のポリエステル複合中空
繊維は、単独で織編物としても良いが、他の自己伸長繊
維や弾性回復性能に優れた低収縮繊維と混繊して用いる
と、ストレッチ性に加えてふくらみ感や反撥感を付与す
ることができるのでより好ましい。また、本発明のポリ
エステル複合中空繊維は、ストレッチ織編物用以外とし
ても使用することができ、例えば不織布、クッション材
などのストレッチ性布帛に使用することができる。
【0022】以上に説明した本発明のポリエステル複合
中空繊維は、例えば以下に述べる方法により製造するこ
とができる。すなわち、ポリトリメチレンテレフタレー
トとこれよりも熱収縮特性の低い他のポリエステルと
を、例えば図3に示すような形状のスリットが対となっ
た吐出孔が複数個同一円周上に配置され、図2のような
断面形状の吐出孔を穿設した紡糸口金から溶融吐出し、
吐出された夫々のポリマー流を、接合し、中空部を持つ
繊維横断面形状となるようにする。この際、各々のポリ
エステルの流量比、溶融粘度差、親和性等に応じて、上
記の吐出スリットの開口幅およびスリット対配置位置の
ピッチ円周直径(PCD)を調整すれば、該中空部の外
接円の直径Dと繊維横断面の外接円の直径Eとの比D/
Eが0.08〜0.40の範囲となるようにすることが
できる。
【0023】合流されたポリマー流は冷却・固化した
後、一旦巻き取ってから延伸する2工程法により製糸し
てもよいし、一旦巻き取ることなく連続して延伸する直
接紡糸延伸法により製糸してもよい。なお、2工程法に
よる製糸の場合、ポリトリメチレンテレフタレートのガ
ラス転移温度および結晶化温度が低いことによる、未延
伸糸の保管時における結晶化進行を抑制するため、ある
程度配向結晶化した状態の未延伸糸を製造しておくこと
が好ましく、紡糸速度は2000〜3500m/min
の範囲が望ましい。
【0024】次に、本発明のポリエステル複合中空繊維
の溶融紡糸に際し、勘案すべき因子について述べる。紡
糸温度は、高融点側のポリエステルに十分な熱量を与え
て完全溶融させた状態で紡糸できる温度であれば任意で
あるが、紡糸温度があまりに高くなりすぎると高収縮側
に用いられるポリトリメチレンテレフタレートが熱分解
して、得られる複合中空繊維の弾性回復性能が低下する
傾向にあるので、低収縮側のポリエステルを適宜選択し
て、紡糸温度250〜275℃の範囲で紡糸できるよう
にするのが好ましい。
【0025】また、ポリエステル複合未延伸糸の延伸条
件は、用いられるポリエステルの種類および得られる複
合中空繊維の目標品質に応じて適宜設定すれば良い。例
えば延伸予熱温度40〜90℃で、ポリエステル複合中
空繊維の伸度が25〜45%となるような延伸倍率で延
伸し、次いで温度110〜200℃で熱セットすれば良
い。
【0026】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例における各評価項目は次の方法
で測定した。
【0027】(1)極限粘度 純度98%以上のオルソ―クロロフェノールを溶媒と
し、温度35℃で測定した。
【0028】(2)ポリマー吐出状態 複合紡糸中に、紡糸口金より吐出されているポリマーの
流下状態を観察し、次の基準で吐出状態を格付けした。 レベル1:吐出糸条がほぼ一定の流下線を描いて、安定
に走行している。 レベル2:吐出糸条に小さな屈曲、ピクツキ、旋回等が
見られる。 レベル3:吐出糸条が大きく屈曲、ピクツキあるいは旋
回している。一部ポリマーが紡糸口金面に接触し、断糸
が頻発している。
【0029】(3)捲縮率(TC2) 試料繊維に44.15×10-3cN/dtex(50m
g/de)の張力をかけて約3333dtex(300
0de)となる迄巻き、カセを作成する。カセ作成後、
176.6×10-3cN/dtex(200mg/d
e)相当の荷重を負荷し、1分経過後の長さL0(c
m)を測定する。L0測定後、176.6×10-3cN
/dtex(200mg/de)相当荷重を除去し、
1.77×10-3cN/dtex(2mg/de)相当
の荷重を負荷した状態で100℃沸水中で20分間処理
する。沸水処理後、直ちに全荷重を除去し、24時間フ
リー状態で40℃以下で自然乾燥する。自然乾燥後のカ
セに再び1.77×10-3cN/dtex(2mg/d
e)と176.6×10-3cN/dtex(200mg
/de)相当の荷重を負荷し1分間経過後の長さL
1(cm)を測定する。L1測定後直ちに176.6×1
-3cN/dtex(200mg/de)相当荷重を除
去し、1分間経過後の長さL2(cm)を測定し、下記
算出式により捲縮率(TC2)を算出した。 TC2(%)=(L1−L2)/L0×100
【0030】(4)25%伸長弾性回復率 試料繊維を10ターンしたカセ(長さ30cm)を作成
し、1.77×10-3cN/dtex(2mg/de)
の荷重を負荷した状態で100℃沸水中で20分間処理
する。沸水処理後、直ちに荷重を除去し、24時間フリ
ー状態で40℃以下の温度で自然乾燥した。次いで8
8.3×10-3cN/dtex(100mg/de)の
荷重をかけてコイル状捲縮を延びきった状態とし、島津
製作所引張り試験機テンシロンにて、初期サンプル長2
00mm、試験速度200mm/minで25%伸長
後、直ちに同速度で回復させて伸長回復曲線をとる。回
復時初荷重と同じになったときのサンプル長をL25(m
m)とし、下記式で25%伸長弾性回復率を計算した。 25%伸長弾性回復率(%)=((50−(L25−20
0))/50)×100
【0031】(5)強度、伸度 試料繊維を温度25℃、湿度60%の恒温恒湿に保たれ
た部屋に1昼夜放置した後、サンプル長さ200mmを
島津製作所引張り試験機テンシロンに88.3×10-3
cN/dtex(100mg/de)の荷重をかけてセ
ットし、200mm/minの速度にて引張り、破断時
の強度および伸度を測定した。
【0032】[実施例1〜3、比較例1〜2]極限粘度
1.05のポリトリメチレンテレフタレートと極限粘度
0.65のポリトリメチレンテレフタレートを各々溶融
後、表1に記載の複合比率にて、図3に示すような形状
で0.10mmの開口幅の吐出スリット対が表1に示す
ピッチ円周直径(PCD)で円周上に配置され、図2の
ような断面形状の吐出後合流型吐出孔を24対穿設した
紡糸口金を用いて紡糸温度260℃にて吐出し、冷却固
化後紡糸速度2600m/minで巻き取って、表1に
記載のD/E値を有する88dtex/24filam
entの複合未延伸糸を得た。この時のポリマー吐出状
態を表1に示す。
【0033】得られた複合未延伸糸を、予熱ローラー温
度80℃、延伸倍率1.65倍で延伸し、セットローラ
ー温度150℃にて熱セットし、5%のオーバーフィー
ドをかけて600m/minで巻き取り、55dtex
/24filamentのポリエステル複合中空繊維を
得た。得られたポリエステル複合中空繊維のD/E値、
捲縮率(TC2)、25%伸長弾性回復率および強度、
伸度を表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】これらの表から明らかなように、D/E値
が適正範囲を超える比較例1では、ポリエステル複合中
空繊維の強度、伸度の低下傾向が認められ、極限粘度の
異なる2種のポリマーの接合が不安定であったことが示
唆されている。また、単糸間の中空率のバラツキも多か
った。D/E値が0.08未満である比較例2では、ポ
リマー吐出時の屈曲、ピクツキ、旋回等が激しく、紡糸
断糸が頻発して安定に紡糸巻き取りすることができなか
った。
【0037】[実施例4〜8、比較例3〜5]表3に記
載の2種のポリエステル(表中では各々ポリエステルA
/ポリエステルBと表示)を溶融後、図3に示すような
形状で0.10mmの開口幅の吐出スリット対が表3に
示すピッチ円周直径(PCD)で円周上に配置され、図
2のような断面形状の吐出後合流型吐出孔を24対穿設
した紡糸口金を用い、表3に記載の紡糸温度にて50:
50の比率で吐出し複合し、表3に記載の紡糸速度で巻
き取り、各々表3に記載のD/E値および繊度の複合未
延伸糸を得た。この時のポリマー吐出状態を表3に示
す。
【0038】得られた複合未延伸糸を、表4に記載の予
熱ローラー温度、セットローラー温度および延伸倍率で
延伸熱処理し、5%のオーバーフィードをかけて600
m/minで巻き取り、55dtex/24filam
entのポリエステル複合中空繊維を得た。得られたポ
リエステル複合中空繊維のD/E値、捲縮率(TC
2)、25%伸長弾性回復率および強度、伸度を表4に
示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】表4から明らかなように、D/E値が0.
42である比較例3においては、吐出糸条の激しい糸揺
れおよび旋回が発生し、得られたポリエステル複合中空
繊維の伸度低下が認められた。また、25%伸長弾性回
復率が60%未満となった。
【0042】紡糸速度が1300m/minである比較
例4においては、未延伸糸の保管経時とともに延伸工程
での単糸切れが多くなった。また、25%伸長弾性回復
率が60%未満となった。
【0043】これに対して、極限粘度の高いポリトリメ
チレンテレフタレートと分子量4000のポリエチレン
グリコールを7重量%共重合したポリトリメチレンテレ
フタレートを組み合わせた実施例5においては、ポリエ
チレングリコール共重合ポリトリメチレンテレフタレー
トのヤング率がポリトリメチレンテレフタレート対比さ
らに低いために、非常に柔らかい風合いを持つ織編物が
できた。
【0044】極限粘度の高いポリトリメチレンテレフタ
レートと極限粘度の低いポリブチレンテレフタレートと
を組合せた実施例6においては、ポリブチレンテレフタ
レートの結晶化が速いことにより、捲縮コイルの外側に
ポリブチレンテレフタレートが配置された構造が発現し
た。このような潜在捲縮性能のポリエステル複合中空繊
維を使用すれば、ソフトで鮮明染色性に優れたストレッ
チ織編物の開発が可能である。
【0045】極限粘度の高いポリトリメチレンテレフタ
レートと極限粘度の低いの5−ナトリウムイソフタル酸
2.6mol%共重合ポリトリメチレンテレフタレート
とを組み合せた実施例7のポリエステル複合中空繊維
は、単独使いあるいはナイロンやウレタンとの交編織に
適している。
【0046】極限粘度の高いイソフタル酸10mol%
共重合ポリトリメチレンテレフタレートと極限粘度の低
いポリトリメチレンテレフタレートの組合せである実施
例8においては、比較的小さいレベルの捲縮が発現して
おり、このポリエステル複合中空繊維は無撚・有撚でさ
まざまな商品開発にも適している。
【0047】極限粘度0.80のイソフタル酸10mo
l%共重合ポリトリメチレンテレフタレートと極限粘度
0.71のポリトリメチレンテレフタレートとの組合せ
である比較例5におけるポリエステル複合中空繊維の熱
収縮性能は不十分で、捲縮率(TC2)は著しく低い値
となった。
【0048】
【発明の効果】本発明のポリエステル複合中空繊維によ
れば、織編物に、優れた嵩高性と高いストレッチ性に富
んだ風合を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル複合中空繊維の横断面を
例示した模式図である。
【図2】本発明で使用する紡糸口金吐出孔の1実施態様
を示した断面図である。
【図3】本発明で使用する紡糸口金吐出孔の1実施態様
を示した上面図である。
【符号の説明】
D :複合繊維横断面の中空部外接円の直径 E :複合中空繊維横断面の外接円の直径 1 :複合中空繊維横断面の外接円 2 :複合中空繊維の一方のポリエステル成分 3 :複合繊維横断面の中空部外接円 4 :複合中空繊維の他方のポリエステル成分 5 :ポリマー導入部 6 :ポリマー吐出面 7 :吐出孔を隔てる部分(吐出孔間隔) 8 :ポリマー吐出スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 三男 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 Fターム(参考) 4L041 AA08 AA20 AA25 BA02 BA05 BA09 BA42 BA59 BA60 BC05 BC17 CA08 DD01 DD04 DD10 4L048 AA22 AA30 AA39 AA46 AA51 AA55 AB07 AC12 CA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに熱収縮特性の異なる2種類のポリ
    エステルからなるサイドバイサイド型複合繊維におい
    て、高収縮側のポリエステルがポリトリメチレンテレフ
    タレートであり、該複合繊維の横断面形状に中空部を有
    すると共に該中空部の外接円直径Dと横断面の外接円直
    径Eとの比(D/E)が0.08〜0.40であり、か
    つ、0.00177cN/dtexの負荷をかけて沸水
    中20分間処理して捲縮を発現させた後の捲縮率(TC
    2)が8〜45%および25%伸長弾性回復率が60%
    以上であることを特徴とするストレッチ性織編物用ポリ
    エステル複合中空繊維。
  2. 【請求項2】 低収縮側のポリエステルが、高収縮側の
    ポリエステルよりも極限粘度が低いポリトリメチレンテ
    レフタレートである請求項1記載のストレッチ性織編物
    用ポリエステル複合中空繊維。
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