JP2003226541A - ガラス母材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

ガラス母材の製造方法及び製造装置

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JP2003226541A
JP2003226541A JP2002025820A JP2002025820A JP2003226541A JP 2003226541 A JP2003226541 A JP 2003226541A JP 2002025820 A JP2002025820 A JP 2002025820A JP 2002025820 A JP2002025820 A JP 2002025820A JP 2003226541 A JP2003226541 A JP 2003226541A
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Tomohiro Ishihara
朋浩 石原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明ガラス化に用いられる加熱装置からの塩
素、フッ素ガスの漏れを防止すること。 【解決手段】 ガラス微粒子堆積体を収納し、ガラス微
粒子堆積体を熱処理するための炉心管、この外周にあ
り、母材を直接若しくは間接的に加熱するためのヒータ
ー、これら炉心管、ヒーターを中心に収納した炉体、炉
体及び炉心管の少なくとも一方に不活性ガスを供給する
ガス供給装置、炉心管内のガスを排気する排気管、炉体
又は炉心管又は排気管内の圧力を計測する圧力計、上記
ガラス微粒子堆積体を炉心管内に挿入するための搬送機
構、ガラス微粒子堆積体を吊るす支持棒及びガラス微粒
子堆積体を炉心管内に挿入した後に炉体を気密にするた
めの上蓋からなるガラス母材の製造装置を用いて、ガラ
ス母材を製造する方法において、上蓋と支持棒とのクリ
アランス部に外気とは隔離された複数の空間を設け、そ
の空間内の雰囲気ガスを排気若しくは空間へ不活性ガス
を流すことを特徴とするガラス母材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス微粒子堆積
体の合成を経てガラス母材を製造する方法、特にガラス
微粒子堆積体を透明ガラス化する際に使用する加熱装置
からハロゲンガスが外へもれないガラス母材の製造方法
及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス微粒子堆積体の製造方法と
してはVAD法やOVD法が知られている。これらの合
成方法は、ガラス微粒子合成用バーナーにガラス原料ガ
ス及び燃焼ガス等を供給してガラス原料を酸水素火炎中
で加水分解若しくは酸化することによりガラス微粒子を
生成することを基本としている。上記公知方法におい
て、ガラス微粒子堆積体の脱水・脱気処理及び透明ガラ
ス化処理方法としては特開昭61−270232号公報
に示されているような手段がある。ここでは第1加熱処
理でガラス微粒子堆積体を脱水剤を用いて脱水・脱気し
て、続く第2加熱処理において不活性ガス(O2 を含
む)雰囲気中で透明ガラス化処理を行っている。また、
このような形態でガラス化を実施する際に、炉心管内か
らのガス漏れを防ぐ手段として特開2000−2262
24号公報に開示された方法がある。ここでは炉心管で
発生するピンホールからのガス漏れを検知し、ガス漏れ
を未然に防ぐ手法を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法では、ガ
ラス微粒子堆積体を塩素系ガス(脱水剤)で脱水し、さ
らに不活性ガス雰囲気下若しくは不活性ガスと塩素系ガ
スの混合雰囲気下で透明ガラス化する。若しくは、塩素
系ガスで脱水後、プロファイル(屈折率)調整のためS
iF4 などのガスを用いてF添加を行い、その後、不活
性ガス雰囲気下若しくは不活性ガスとハロゲンガスの混
合雰囲気下で透明ガラス化する。この場合、加熱炉装置
からハロゲンガス(塩素系ガス、F化合物)がもれ、装
置の設置された室内の金属部品を腐食させ、室内雰囲気
中の金属系ダスト量が増加する。さらに、室内にガラス
微粒子堆積装置が設置された場合は、ガラス微粒子の堆
積中に室内雰囲気中の金属系ダストが混入し、最終的に
得られるガラス母材中に多数の金属不純物が存在するこ
ととなる。本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、
上蓋とガラス微粒子堆積体の支持棒とのクリアランス部
に外気とは隔離された複数の空間を設け該空間内のガス
を排気するか、空間内へ不活性ガスを投入することで特
材ガスが炉心管外へ漏れるのを防止することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記事実に鑑み、ガラス
微粒子堆積体の加熱装置から発生する特材ガスもれを防
ぐ手段として加熱装置上部に設置する上蓋とガラス微粒
子堆積体を吊るす支持棒とのクリアランス部に外気とは
隔離された複数の空間設け、その空間雰囲気中のガスを
排気したり、空間中に不活性ガスを投入することが有効
であることを見出した。すなわち、上記の目的は、具体
的には以下に示す発明又は態様によって達成できること
を確認した。本明細書でヒーター温度とは「ヒーター中
心位置におけるヒーター外表面温度」を意味する。 (1)ガラス微粒子堆積体を収納し、ガラス微粒子堆積
体を熱処理するための炉心管、この外周にあり、母材を
直接若しくは間接的に加熱するためのヒーター、好まし
くは、ヒーターの外周への熱放出を防止するヒートシー
ルド、これら炉心管、ヒーター、好ましくは、ヒートシ
ールドを中心に収納した炉体、炉体及び炉心管の少なく
とも一方に不活性ガスを供給するガス供給装置、炉心管
内のガスを排気する排気管、炉体又は炉心管又は排気管
内の圧力を計測する圧力計、上記ガラス微粒子堆積体を
炉心管内に挿入するための搬送機構、ガラス微粒子堆積
体を吊るす支持棒及びガラス微粒子堆積体を炉心管内に
挿入した後に炉体を気密にするための上蓋からなるガラ
ス母材の製造装置を用いて、ガラス母材を製造する方法
において、上蓋と支持棒とのクリアランス部に外気とは
隔離された複数の空間を設け、空間へ不活性ガスを流す
ことを特徴とするガラス母材の製造方法。
【0005】(2)上記空間のいずれかの空間において
空間内の雰囲気ガスを排気しかつ排気を実施していない
空間へ不活性ガスを流すことを特徴とする上記(1)記
載のガラス母材の製造方法。 (3)クリアランス部に設けられた外気とは隔離された
複数の空間において空間内の雰囲気ガスの排気と不活性
ガスの投入を長手方向で交互に行うことを特徴とする上
記(1)又は(2)記載のガラス母材の製造方法。 (4)クリアランス部に設けられた外気とは隔離された
複数の空間において長手方向の下段部分の空間において
空間内の雰囲気ガス排気を行い、長手方向の上段部分の
空間において不活性ガスの投入を行うことを特徴とする
上記(1)又は(2)記載のガラス母材の製造方法。
【0006】(5)不活性ガスを投入する空間内の圧力
を炉心管内圧力よりも高く管理することを特徴とする上
記(1)〜(4)いずれかに記載のガラス母材の製造方
法。 (6)不活性ガスを投入する空間内の圧力を長手方向の
上段側に向かって圧力を高く管理することを特徴とする
上記(1)〜(5)いずれかに記載のガラス母材の製造
方法。
【0007】(7)ガラス微粒子堆積体を収納し、ガラ
ス微粒子堆積体を熱処理するための炉心管、この外周に
あり、母材を直接あるいは間接的に加熱するためのヒー
ター、ヒーターの外周への熱放出を防止するヒートシー
ルド、炉心管、ヒーター、ヒートシールドを中心に収納
した炉体、炉体及び炉心管の少なくとも一方に不活性ガ
スを供給するガス供給装置、炉心管内のガスを排気する
排気管、炉体又は炉心管又は排気管内の圧力を計測する
圧力計、上記ガラス微粒子堆積体を炉心管内に挿入する
ための搬送機構、ガラス微粒子堆積体を吊るす支持棒、
およびガラス微粒子堆積体を炉心管内に挿入した後に炉
体を気密にするための上蓋からなるガラス母材の製造装
置において、上蓋と支持棒とのクリアランス部に外気と
は隔離された複数の空間を設け、空間へ不活性ガスを流
すことを特徴とするガラス母材の製造装置。 (8)上記空間のいずれかの空間において空間内の雰囲
気ガスを排気しつつ排気を実施していない空間へ不活性
ガスを流すことを特徴とする上記(7)記載のガラス母
材の製造装置。
【0008】(9)クリアランス部に設けられた外気と
は隔離された複数の空間において空間内の雰囲気ガスを
排気する空間と不活性ガスを投入する空間とを長手方向
で交互に設置することを特徴とする上記(7)又は
(8)に記載のガラス母材の製造装置。 (10)クリアランス部に設けられた外気とは隔離され
た複数の空間において空間内の雰囲気ガスを排気する空
間を長手方向の下段側に設け、不活性ガスの投入を行う
空間を長手方向で上段側に設けることを特徴とする上記
(7)〜(9)のいずれかに記載のガラス母材の製造装
置。 (11)不活性ガスの投入を行う空間内の圧力を測定す
るための圧力モニター装置が設置されてあることを特徴
とする上記(7)〜(10)いずれかに記載のガラス母
材の製造装置。
【0009】
【発明の実施の形態】〔1〕上記(1)、(2)、
(7)、(8)においては、ガラス微粒子堆積体を透明
ガラス化させる装置に上方に設置する上蓋とガラス微粒
子を吊るす支持棒とのクリアランス部に外気とは隔離さ
れた複数の空間を設け、空間へ不活性ガスを流すか又は
いずれかの空間において空間内の雰囲気ガスを排気しか
つ排気を実施していない空間へ不活性ガスを流す。これ
らにより炉心管内雰囲気と装置外雰囲気との気密性が増
し、炉心管内で使用するハロゲンガスが炉心管外へ漏れ
にくくなる。また、複数の空間は最低でも2つ以上設け
ることが好ましい。設備的な制限がなければより多いほ
ど効果は高まる。しかしながら、設備的な制限などによ
り10以下とする場合が多い。
【0010】図1は、本発明のガラス母材の製造方法を
実施するのに適した装置を示すもので、上部に母材の出
し入れ口を有する炉体1、炉体中に設置されたヒーター
3、ヒーター3と母材11とを隔離する炉心管2、母材
11挿入後に炉体上部の母材11の出し入れ口を密封す
る上蓋5、ヒーター温度をモニターする放射温度計7、
覗き窓8、及びガラス微粒子堆積体を上下にトラバース
させる昇降機9、ガラス微粒子堆積体を吊るす支持棒1
0、炉心管2にハロゲンガスを供給するハロゲンガス供
給装置21、不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置
22、炉心管2内のガスを排気する排気管23、炉体1
又は炉心管2又は排気管内の圧力を計測する圧力計14
からなる。
【0011】この装置を用いて、ガラス微粒子堆積体の
脱水・焼結を次のようにして行う。先ず、コア/クラッ
ド部を有するコアガラスロッドの両端にガラスダミーロ
ッドを溶着して出発ガラスロッドを作製する。この出発
ロッドの外周にガラス微粒子を堆積させ、得られた堆積
体を用いて上記図1に示される構成の装置により母材の
脱水・焼結を行う。このガラス母材を図1におけるスタ
ート位置に設置し、炉内温度を昇温させると同時に、炉
内に特定比率のCl2 とHeとの混合ガスを流す。炉心
管温度を特定温度範囲内に保持し、そこから母材を適当
な速度で下降させる。母材が図1のトラバース最終位置
(最下端)に到着した時点で母材を引き上げてスタート
位置に戻す(脱水)。
【0012】また、最終位置に到着した時点で昇温を開
始し、同時に炉内には特定比率のCl2 とHeとの混合
ガス若しくはHeガスのみを流し、炉心管温度が特定温
度範囲になった時点で母材を適当な速度で下降させ、最
下端に到着した時点で母材を引き上げ炉内ヒーターの電
源を切る(透明化)。こうして、ガラス母材を作製す
る。
【0013】脱水時の炉内温度は、1000〜1300
℃に維持するのが好ましく、更に好ましくは1200〜
1300℃の範囲に維持するのが好ましい。また、焼結
時の炉内温度は、1400〜1600℃に維持するのが
良く、更に好ましくは、1520〜1570℃の範囲で
維持することが好ましい。
【0014】〔2〕上記(3)、(4)、(9)、(1
0)においては、外気とは隔離された複数の空間におい
て空間内の雰囲気ガスの排気と不活性ガスの投入を長手
方向で交互に行うか、又は、外気とは隔離された複数の
空間において長手方向の下段部分の空間において空間内
の雰囲気ガス排気を行い、長手方向の上段部分において
不活性ガスの投入を行う。このような空間内雰囲気ガス
の排気形態及び空間内への不活性ガスの投入形態とする
ことで、炉心管内のハロゲンガスが炉心管外へ漏れるこ
とをより効果的に防止することができる。
【0015】図2は、上記空間を模式的に示すもので、
上蓋5と支持棒10とのクリアランス部18に外気とは
隔離された複数の閉ざされた空間24を設け、該空間2
4内の雰囲気ガスを排気装置20を経て排気するか、該
空間24に不活性ガス供給装置19により不活性ガスを
流してハロゲンガスの漏洩を防止する。各配管はポート
を経て該空間に連結されている。 〔3〕上記(5)においては不活性ガスを投入する空間
内の圧力を炉心管内圧力よりも高くする。これにより炉
心管内のハロゲンガスは空間内に入りにくくなり、結果
として装置外にハロゲンガスが漏れにくくなる。
【0016】〔4〕上記(6)においては、不活性ガス
を投入する空間内の圧力を長手方向の上段側に向かって
圧力を高く管理する。こうすることで炉心管内のハロゲ
ンガスは上方へと移動しにくくなり、結果として装置外
にハロゲンガスが漏れにくくなる。
【0017】〔5〕上記(11)においては、上記不活
性ガスの投入を行う空間内の圧力を測定するために圧力
モニター装置を設置する。圧力値を所望の値に管理する
ことでハロゲンガスの装置外への漏れを防止する。本発
明においては、上記構成を採ることで、通常上蓋と支持
棒との間のクリアランスから漏れる塩素量が0.2〜
0.3ppm程度に達するものを0.01〜0.05p
pmに抑えることが可能となる。このように優れた効果
は後述する実施例のデータによっても裏付けられる。
【0018】
【実施例】(実施例1)コア/クラッド部を有する直径
20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッ
ドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロ
ッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、
この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター
長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行った。
図1、図2に示されるように、上蓋と支持棒とのクリア
ランス部において、計6段の空間を設け、空間へは最下
段の空間より雰囲気ガスの排気、不活性ガスによるパー
ジを交互に実施した。下から2、4、6段目の空間内へ
流す不活性ガスパージ流量は20、30、40SLM流
し、この空間内圧を室圧差で+100,150,200
Paになるよう管理した。また、炉心管内圧は室圧差で
−20Paに管理した。作製中、装置の上蓋上部へ塩素
ガス検知器を設置し、塩素ガスの漏れ量を確認した。こ
のガラス母材をスタート位置(図1)に設置し、炉内を
昇温すると同時に炉内にCl2 :2LとHe:20Lの
混合ガスを流した。炉内温度(炉心管温度)を1300
℃にキープし、そこから母材を速度10mm/分で下降
させた。トラバースの最下端(図1)に母材が到着した
時点で母材を引き上げてスタート位置に戻した。同時に
昇温を開始し、炉内にはCl2 :2LとHe:20Lの
混合ガスを流した。炉内温度が1550℃になった時点
で母材を速度3mm/分で下降させて、最下端に到着し
た時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電
源を切り、母材を引き上げた。ガラス母材の作製中、塩
素ガス検知器により塩素漏れ量が0.01ppm以下に
なっていることを確認した。脱水時の炉内温度は100
0〜1300℃に維持するのが良く、さらに好ましくは
1200〜1300℃の範囲で維持することが好まし
い。また、焼結時の炉内温度は1400〜1600℃に
維持するのが良く、さらに好ましくは1520〜157
0℃の範囲で維持することが好ましい。排気を行ってい
る空間内の圧力は室圧差で−50Paであったが、基本
的には炉心管内と上蓋と支持棒クリアランス部に設けた
空間内の圧力とを管理すればよい。
【0019】(実施例2)コア/クラッド部を有する直
径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロ
ッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発
ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積さ
せ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒー
ター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行っ
た。図1、図2に示されるように、上蓋と支持棒とのク
リアランス部において、計6段の空間を設け、空間へは
最下段の3段では雰囲気ガスの排気を行い、上段3段で
は不活性ガスによるパージを実施した。不活性ガスパー
ジは室間毎に20SLM流し、この空間内圧が室圧差で
それぞれ+100Paになるよう管理した。また、炉心
管内圧は室圧差で−20Paに管理した。作製中、装置
の上蓋上部へ塩素ガス検知器を設置し、塩素ガスの漏れ
量を確認した。このガラス母材をスタート位置(図1)
に設置し、炉内を昇温すると同時に炉内にCl2 :2L
とHe:20Lの混合ガスを流した。炉内温度(炉心管
温度)を1300℃にキープし、そこから母材を速度1
0mm/分で下降させた。トラバースの最下端(図1)
に母材が到着した時点で母材を引き上げてスタート位置
に戻した。同時に昇温を開始し、炉内にはCl2 :2L
とHe:20Lの混合ガスを流した。炉内温度が155
0℃になった時点で母材を速度3mm/分で下降させ
て、最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時
に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラ
ス母材の作製中、塩素ガス検知器により塩素漏れ量が
0.02〜0.03ppmになっていることを確認し
た。
【0020】(実施例3)コア/クラッド部を有する直
径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロ
ッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発
ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積さ
せ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒー
ター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行っ
た。図1、図2に示されるように、上蓋と支持棒とのク
リアランス部において、計6段の空間を設け、空間へは
最下段の空間より雰囲気ガスの排気、不活性ガスによる
パージを交互に実施した。不活性ガスパージは室間毎に
2SLM流し、この空間内圧を室圧差で0Paに管理し
た。また、炉心管内圧は室圧差で0Paに管理した。作
製中、装置の上蓋上部へ塩素ガス検知器を設置し、塩素
ガスの漏れ量を確認した。このガラス母材をスタート位
置(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉内にC
2 :2LとHe:20Lの混合ガスを流した。炉内温
度(炉心管温度)を1300℃にキープし、そこから母
材を速度10mm/分で下降させた。トラバースの最下
端(図1)に母材が到着した時点で母材を引き上げてス
タート位置に戻した。同時に昇温を開始し、炉内にはC
2 :2LとHe:20Lの混合ガスを流した。炉内温
度が1550℃になった時点で母材を速度3mm/分で
下降させて、最下端に到着した時点で、母材を引き上げ
ると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げ
た。ガラス母材の作製中、塩素ガス検知器により塩素漏
れ量が0.03〜0.05ppmになっていることを確
認した。
【0021】(比較例1)コア/クラッド部を有する直
径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロ
ッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発
ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積さ
せ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒー
ター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行っ
た。上蓋と支持棒とのクリアランス部に空間を設けなか
った。炉心管内圧は室圧差で−10Paに管理した。作
製中、装置の上蓋上部へ塩素ガス検知器を設置し、塩素
ガスの漏れ量を確認した。このガラス母材をスタート位
置(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉内にC
2 :2LとHe:20Lの混合ガスを流した。炉内温
度(炉心管温度)を1300℃にキープし、そこから母
材を速度10mm/分で下降させた。トラバースの最下
端(図1)に母材が到着した時点で母材を引き上げてス
タート位置に戻した。同時に昇温を開始し、炉内にはC
2 :2LとHe:20Lの混合ガスを流した。炉内温
度が1550℃になった時点で母材を速度3mm/分で
下降させて、最下端に到着した時点で、母材を引き上げ
ると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げ
た。ガラス母材の作製中、塩素ガス検知器により塩素漏
れ量が0.2〜0.3ppmになっていることを確認し
た。なお、異物含有量の少ない母材は気泡数が少なく、
その結果断線頻度が減少することが知られているので、
上記実施例、比較例で得られたガラス母材中の気泡数を
測定して得られた結果を下記の表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明に係るガラス母材の製造方法、製
造装置においては、特に上蓋と支持棒とのクリアランス
部に設けられた空間を利用して雰囲気ガスの排気若しく
は不活性ガスの投入を行うことによりガラス微粒子堆積
体を透明ガラス化する際に用いられる加熱装置からの塩
素やフッ素などのハロゲンガスの漏れを効率的に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するのに適する装置の概念
図である。
【図2】図1の排気及びガスパージのための空間を詳細
に示す拡大図。
【符号の説明】 1 炉体 2 炉心管 3 ヒーター 4 ヒー
トシールド 5 上蓋 6 下蓋 7 放射温度計 8 覗き
窓 9 昇降装置 10 支持棒 11 母材 12 排気ライン
13 ガスパージ 14 圧力測定 15 排気及びガスパージのための
空間 16 炉心管内圧力測定ポート 17 圧力測定
18 クリアランス 19 不活性ガス供給装置 20 排気装置 21 ハロゲンガス供給装置 22 不活性ガス供給
装置 23 排気管 24 閉ざされた空間

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス微粒子堆積体を収納し、ガラス微
    粒子堆積体を熱処理するための炉心管、この外周にあ
    り、母材を直接若しくは間接的に加熱するためのヒータ
    ー、これら炉心管、ヒーターを中心に収納した炉体、炉
    体及び炉心管の少なくとも一方に不活性ガスを供給する
    ガス供給装置、炉心管内のガスを排気する排気管、炉体
    又は炉心管又は排気管内の圧力を計測する圧力計、上記
    ガラス微粒子堆積体を炉心管内に挿入するための搬送機
    構、ガラス微粒子堆積体を吊るす支持棒及びガラス微粒
    子堆積体を炉心管内に挿入した後に炉体を気密にするた
    めの上蓋からなるガラス母材の製造装置を用いて、ガラ
    ス母材を製造する方法において、上蓋と支持棒とのクリ
    アランス部に外気とは隔離された複数の空間を設け、空
    間へ不活性ガスを流すことを特徴とするガラス母材の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 上記空間のいずれかの空間において空間
    内の雰囲気ガスを排気しかつ排気を実施していない空間
    へ不活性ガスを流すことを特徴とする請求項1記載のガ
    ラス母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 クリアランス部に設けられた外気とは隔
    離された複数の空間において空間内の雰囲気ガスの排気
    と不活性ガスの投入を長手方向で交互に行うことを特徴
    とする請求項1又は2記載のガラス母材の製造方法。
  4. 【請求項4】 クリアランス部に設けられた外気とは隔
    離された複数の空間において長手方向の下段部分の空間
    において空間内の雰囲気ガス排気を行い、長手方向の上
    段部分の空間において不活性ガスの投入を行うことを特
    徴とする請求項1又は2記載のガラス母材の製造方法。
  5. 【請求項5】 不活性ガスを投入する空間内の圧力を炉
    心管内圧力よりも高く管理することを特徴とする請求項
    1〜4いずれか一項に記載のガラス母材の製造方法。
  6. 【請求項6】 不活性ガスを投入する空間内の圧力を長
    手方向の上段側に向かって圧力を高く管理することを特
    徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載のガラス母材
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 ガラス微粒子堆積体を収納し、ガラス微
    粒子堆積体を熱処理するための炉心管、この外周にあ
    り、母材を直接あるいは間接的に加熱するためのヒータ
    ー、炉心管、ヒーターを中心に収納した炉体、炉体及び
    炉心管の少なくとも一方に不活性ガスを供給するガス供
    給装置、炉心管内のガスを排気する排気管、炉体又は炉
    心管又は排気管内の圧力を計測する圧力計、上記ガラス
    微粒子堆積体を炉心管内に挿入するための搬送機構、ガ
    ラス微粒子堆積体を吊るす支持棒、およびガラス微粒子
    堆積体を炉心管内に挿入した後に炉体を気密にするため
    の上蓋からなるガラス母材の製造装置において、上蓋と
    支持棒とのクリアランス部に外気とは隔離された複数の
    空間を設け、空間へ不活性ガスを流すことを特徴とする
    ガラス母材の製造装置。
  8. 【請求項8】 上記空間のいずれかの空間において空間
    内の雰囲気ガスを排気しつつ排気を実施していない空間
    へ不活性ガスを流すことを特徴とする請求項7記載のガ
    ラス母材の製造装置。
  9. 【請求項9】 クリアランス部に設けられた外気とは隔
    離された複数の空間において空間内の雰囲気ガスを排気
    する空間と不活性ガスを投入する空間とを長手方向で交
    互に設置することを特徴とする請求項7又は8記載のガ
    ラス母材の製造装置。
  10. 【請求項10】 クリアランス部に設けられた外気とは
    隔離された複数の空間において空間内の雰囲気ガスを排
    気する空間を長手方向の下段側に設け、不活性ガスの投
    入を行う空間を長手方向で上段側に設けることを特徴と
    する請求項7〜9のいずれかに記載のガラス母材の製造
    装置。
  11. 【請求項11】 不活性ガスの投入を行う空間内の圧力
    を測定するための圧力モニター装置が設置されてあるこ
    とを特徴とする請求項7〜10いずれか一項に記載のガ
    ラス母材の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012121737A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Fujikura Ltd 光ファイバー母材製造装置
CN111386249A (zh) * 2017-12-01 2020-07-07 古河电气工业株式会社 玻璃体的制造装置、玻璃体的制造方法、套件搬运机构及套件加热机构

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