JP2003225970A - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents

ガスバリア性積層フィルム

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JP2003225970A
JP2003225970A JP2002025827A JP2002025827A JP2003225970A JP 2003225970 A JP2003225970 A JP 2003225970A JP 2002025827 A JP2002025827 A JP 2002025827A JP 2002025827 A JP2002025827 A JP 2002025827A JP 2003225970 A JP2003225970 A JP 2003225970A
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Japan
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film
glass
gas barrier
temperature
thin film
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JP2002025827A
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Inventor
Hideki Yamaguchi
日出樹 山口
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Kansai Research Institute KRI Inc
Original Assignee
Kansai Research Institute KRI Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機電界発光素子の封止膜に適用できるガスバ
リア性を有した柔軟で透明なフィルムを提供する。 【解決手段】ガスバリア性積層フィルムは、可視光全光
線透過率が80%以上の透明なプラスチックフィルム基材
と厚みが10nmから1μmのガラス薄膜の少なくとも2層を
有する。プラスチックフィルム基材の熱分解温度が、使
用するガラスの軟化温度以上であり、このプラスチック
フィルム基材上にガラス薄膜を形成した後、前記ガラス
の軟化温度以上であって前記熱分解温度以下の温度で熱
処理を行う等して積層膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明基材上にガラ
ス薄膜を形成することによって優れたガスバリア性を有
する透明ガスバリア性フィルムに関する。さらに詳しく
は、有機電界発光素子のガスバリア層として必要なバリ
ア性を有したガスバリア性積層フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電界発光素子は、古くから研究されZnS
等の無機材料を用いた素子では発光駆動電圧が200V程度
と高いことが知られている。また、近年では有機電界発
光素子の開発がさかんに行われ、10V以下で十分な発光
特性が得られるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような有機電界発
光素子の実用化にとって最も大きな課題の1つは信頼性
の確保であり、具体的には、ダークスポットと呼ばれる
非発光領域の生成を防ぎ、輝度の低下を抑えることであ
る。ダークスポットは、素子内部に侵入した水分や酸素
により促進されるため、これらガスの侵入を防ぐ封止材
料が必要不可欠となっている。
【0004】一方、透明バリア材としてはプラスチック
を積層したフィルムやプラスチック基材上に真空成膜法
により無機薄膜を形成した積層フィルムがあり、各種包
装用として利用されている。しかし、有機電界発光素子
基板にはこれらの千から十万倍ともいわれる厳しいガス
バリア性が求められており、未だこれを満足する画期的
な技術は報告されていない。
【0005】従って、本発明の目的は、有機電界発光素
子の封止膜に適用できるガスバリア性を有した柔軟で透
明なフィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために、鋭意検討した結果、透明なプラスチ
ック基材とガラス薄膜を積層することによってガスバリ
アの優れた透明で柔軟性を有するフィルムが得られるこ
とを見出した。
【0007】すなわち、請求項1のガスバリア性積層フ
ィルムは、上記の課題を解決するために、可視光全光線
透過率が80%以上のプラスチックフィルム基材と、厚み
が10nm〜1μmのガラス薄膜との少なくとも2層を有する
ことを特徴としている。
【0008】請求項2のガスバリア性積層フィルムは、
上記の課題を解決するために、前記プラスチックフィル
ム基材の熱分解温度が、使用するガラスの軟化温度以上
であり、このプラスチックフィルム基材上にガラス薄膜
を形成した後、前記ガラスの軟化温度以上であって前記
熱分解温度以下の温度で熱処理を行って積層膜を形成し
てなることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、次の構成、すなわち、
可視光全光線透過率が80%以上の透明なプラスチックフ
ィルム基材と厚みが10nmから1μmのガラス薄膜との、少
なくとも2層の積層膜を有するガスバリア性積層フィル
ムである。
【0010】前記プラスチックフィルムの熱分解温度
が、使用するガラスの軟化温度以上であり、このプラス
チックフィルム上にガラス薄膜を形成した後、ガラスの
軟化温度以上であって基材の分解温度以下の温度で熱処
理を行って積層膜を形成することが好ましい。
【0011】ガラスは、一旦溶融温度以上で溶融状態を
経て緻密化した透明なものが使用できるが、好ましくは
軟化温度が700℃以下のガラスを用いる。ガラスの厚み
は10nm〜1μmの範囲内に調整する。10nmよりも薄い場合
には、ピンホール等の欠陥が生じやすく十分なガスバリ
ア性が得られない場合がある。また、1μmよりも厚い場
合には、ガスバリア積層フィルムとして十分な柔軟性が
得られず、割れや剥離が生じることによりバリア性の大
幅な低下がみられる場合があり好ましくない。
【0012】ガラスと基材との積層方法としては、例え
ばソーダガラスを溶融成形して薄膜を作製し、接着剤を
介して積層する方法がある。この場合のプラスチックフ
ィルム基材原料としては、可視光全光線透過率が80%以
上の透明フィルムとして利用されるような原料であれば
特に限定されない。具体的な例としては、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、
ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の非晶性ポリ
オレフィン、三酢酸セルロース、セロハン等のセルロー
ス系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体加水分解物、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニル、ポリイミド等を挙げることができるが、好まし
くはポリエステルである。
【0013】また、耐熱性の高いプラスチック基材上に
直接ガラス薄膜を形成し、軟化温度以上に加熱して緻密
化する方法がある。ガラス薄膜形成法としては、ガラス
微粒子を分散したペーストやゾルゲル法を用いた塗料な
どを塗布して成膜する方法やスパッタ等の真空成膜法を
用いてもよい。成膜後にはガラスの軟化温度以上であっ
て基材の分解温度以下の温度で熱処理を行ないガラス薄
膜の緻密化を行う。このため、ガラスは低融点のガラス
が好ましく、基材としてはガラスの軟化温度以上の耐熱
性を有する高耐熱性基材を用いる必要がある。また、熱
処理時には、同時に圧力を加えることが望ましい。
【0014】低融点のガラスとしては、鉛系低融点ガラ
ス、リン酸系低融点ガラス等の各種低融点ガラスを用い
ることができるが、プラスチック基材の耐熱性を考慮す
ると400℃以下の軟化温度を持つ融点の低いものが好ま
しい。
【0015】耐熱性透明プラスチック基材としては、用
いるガラスの軟化温度で熱分解しないものであれば限定
されず、ポリイミド、ポリシルセスキオキサン等のフィ
ルムを用いることができる。
【0016】また、本発明の積層フィルムには用途等に
応じて、更に種々のラミネート層が形成されても良い。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるも
のではない。
【0018】〔実施例1〕市販のソーダガラスを溶融
し、ガラス細工によりシャボン玉状の薄膜を形成すると
同時に、予め片面に粘着剤を塗布した厚み25μmの二軸
延伸ポリエステルフィルムの粘着面に張り合わせて透明
な積層膜を作製した。これを、一辺が12cm正方形に切断
して評価用の試料とした。ガラス層の厚みは570nmであ
った。酸素および水蒸気透過度を同圧法により20℃、80
%RHの条件で測定した。いずれのガスについても0.01以
下であった。単位は酸素がcc/m2/day,水蒸気がg/m2/da
yである。また、直径3cmの筒に巻きつけても割れや剥離
は発生しなかった。
【0019】〔実施例2〕実施例1と同様な操作で、ガ
ラス層の厚みは390nmの積層フィルムを作製した。酸素
および水蒸気透過度は、いずれのガスについても0.01以
下であった。また、直径3cmの筒に巻きつけても割れや
剥離は発生しなかった。
【0020】〔比較例1〕実施例1と同様な操作で、ガ
ラス層の厚みは1320nmの積層フィルムを作製した。酸素
および水蒸気透過度は、いずれのガスについても0.01以
下であった。しかし、直径3cmの筒に巻きつけると割れ
が発生し、剥離が見られた。
【0021】〔実施例3〕軟化温度が340℃のリン酸−
亜鉛系低融点ガラス粉末をさらに粉砕し、エタノールに
分散して静置した。沈降した成分を除去し、上澄みの分
散液を得た。この分散液の濃度は1.3%であった。これ
にテトラエトキシシランをリン酸で加水分解したシリケ
ートゾルを固形分に対して5重量部バインダーと添加
し、厚みが6μmのポリフェニルシルセスキオキサンフィ
ルムに塗布し、110℃で1時間乾燥後、350℃で10分間熱
処理を行った。さらに、同じ厚みのポリフェニルシルセ
スキオキサンフィルムをガラス膜上に積層し、370℃、3
MPaで3分間プレスして積層フィルムを得た。ガラス層の
厚みは680nmであった。酸素および水蒸気透過度は、い
ずれのガスについても0.01以下であった。また、直径3c
mの筒に巻きつけても割れや剥離は発生しなかった。
【0022】〔比較例2〕実施例3と同様な操作で、プレ
ス温度を300℃としてガラス層の厚みが720nmの積層フィ
ルムを作製した。酸素透過度は、95であった。
【0023】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、ガ
ラス薄膜をプラスチック基材上に積層することによっ
て、高度なガスバリア性を持ち、さらに透明性および柔
軟性に優れたフィルムが得られる。かかる積層フィルム
は、有機電界発光素子をはじめ水蒸気や酸素等の各種ガ
スの遮断を必要とする物品の包装用フィルムとして有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB08 AB12 AB13 BA07 BB01 DB03 4F100 AG00B AK01A AK41 AT00A BA02 EC18 EC182 GB41 JA05A JD02 JK17 JN01A YY00B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光全光線透過率が80%以上のプラス
    チックフィルム基材と、厚みが10nm〜1μmのガラス薄膜
    との少なくとも2層を有するガスバリア性積層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記プラスチックフィルム基材の熱分解
    温度が、使用するガラスの軟化温度以上であり、このプ
    ラスチックフィルム基材上にガラス薄膜を形成した後、
    前記ガラスの軟化温度以上であって前記熱分解温度以下
    の温度で熱処理を行って積層膜を形成してなることを特
    徴とする請求項1記載のガスバリア性積層フィルム。
JP2002025827A 2002-02-01 2002-02-01 ガスバリア性積層フィルム Pending JP2003225970A (ja)

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