JP2003225958A - 多孔質材料及びスタンパブルシート - Google Patents

多孔質材料及びスタンパブルシート

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸音特性及び表皮接着性をともに向上させる
ことを可能とした多孔質材料及びスタンパブルシートを
提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂と強化用繊維とを含んでな
る多孔質基材層1の一方の面に、非通気性層2が設けら
れ、他方の面に、熱可塑性樹脂よりも融点が高く、一部
繊維どうしが融着した融着部3aを含む繊維層3を介し
て、通気層4と、表皮層5とが順次設けられるととも
に、繊維層3の融着部3a上面に形成された通気性層4
は残存させ、繊維層3の非融着部3b上面に積層された
通気性層4は、多孔質基材層1中に含浸させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質材料及びス
タンパブルシートに関し、特に、吸音特性及び表皮接着
性をさらに向上させるために有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内の騒音を低減させるために、そ
の天井などの内装材に吸音機能を付与した材料が広く適
用されている。ここで、自動車用内装材として用いられ
る材料には、優れた吸音特性のみならず、軽量で、優れ
た剛性を有し、且つ、良好な加工成形性が望まれてい
る。また、内装材における車内側の表面に貼合される表
皮層との接着性に優れ、且つ、この表皮層の汚れを防止
するため、車内側から車外側へ非通気性が確保された構
造であることが要望されている。
【0003】そこで、近年、自動車用内装材として、ス
タンパブルシートを膨張成形し、強化用繊維とそれらを
相互に接着する熱可塑性樹脂からなる多孔質材料とな
し、この一面に、熱可塑性樹脂などによって表皮層を貼
合させてなる多孔質材料が注目されつつあり、その吸音
特性、表皮接着性、剛性をさらに向上させるための種々
な手段が提案されている。
【0004】例えば、特開平10−100299号公報
において、図6に示す多孔質材料101Aのように、多
孔質基材層11の音源側(図6における上側)となる面
に、メルトフローレイト(MFR:Melt Flow
Rate)の小さな熱可塑性樹脂(例えば、MFR=
2g/10分のポリプロピレン)を含浸させて微細な空
隙を設けた通気性層41と、表皮層51とを順次積層す
るとともに、音源とは反対側(図6における下側)とな
る面に非通気性層21を積層するという手段が提案され
ている。
【0005】この手段によれば、多孔質材料101Aに
おける非通気性を確保することで表皮層51の汚れを防
止できるとともに、音源側に微細な空隙を有する通気性
層41を設けたことによって、吸音特性を向上させるこ
とが可能となった。また、表皮接着性や剛性を向上させ
る手段としては、例えば、特開2000−15729号
公報において、図7に示す多孔質材料101Bのよう
に、多孔質基材層11の音源側 (図7における上側)と
なる面に、非通気性層21を介して、MFRの大きな熱
可塑性樹脂(例えば、MFR=3〜50g/10分の直
鎖状低密度ポリエチレン)からなる通気性層42と、表
皮層51とを順次積層するという手段が提案されてい
る。
【0006】この手段によれば、非通気性層21を、多
孔質基材層11と通気性層42との間に介装するととも
に、通気性層42としてMFRの大きな熱可塑性樹脂を
適用したことによって、多孔質基材層11と表皮層51
との表皮接着性を向上させることが可能となった。同様
に、特開平9−109307号公報において、図8に示
す多孔質材料101Cのように、多孔質基材層11の音
源側(図8における上側)となる面に、多孔質基材層1
1を構成する熱可塑性樹脂よりも融点の高い有機繊維不
織布31を介して、非通気性層21と、通気性層43
と、表皮層51とを順次積層するという手段が提案され
ている。
【0007】この手段によれば、多孔質基材層11と、
非通気性層21及び通気性層43とが、有機繊維不織布
31を介して積層されることによって、多孔質基材層1
1と表皮51との表皮接着性を向上させることが可能と
なった。
【0008】
【発明が解決するための課題】しかしながら、上記特開
平10−100299号公報においては、MFRが小さ
い熱可塑性樹脂が含浸した通気性層41が形成されてい
るため、多孔質基材層11と表皮層51との表皮接着強
度が低いという不具合があった。ここで、表皮接着性を
改善するために、熱可塑性樹脂の厚みを大きくするとい
う手段が考えられるが、通気性層41の厚みも大きくな
るため、通気性が低下し吸音特性が良好ではなくなると
いう恐れがあった。また、多孔質材料101Aの重量が
増大するため、自動車用内装材として要望される軽量化
が確保できなくなるという恐れもあった。
【0009】また、上記特開2000−15729号公
報及び特開平9−109307号公報においては、非通
気性層21が音源側に積層されているため、この非通気
性層21で音を反射し、吸音特性が劣るという不具合が
あった。そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされた
ものであり、吸音特性及び表皮接着性をともに向上させ
ることを可能とした多孔質材料と、当該多孔質材料を得
るための原材料として好適なスタンパブルシートとを提
供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決しようとする手段】このような課題を解決
するために、本発明における多孔質材料は、熱可塑性樹
脂と強化用繊維とを含んでなる多孔質基材層の一方の面
に、非通気性層が設けられ、他方の面に、前記熱可塑性
樹脂よりも融点が高く、一部繊維どうしが融着した融着
部を含む繊維層を介して、通気層と、表皮層とが順次設
けられているとともに、前記繊維層の融着部上面に形成
された前記通気性層は残存し、前記繊維層の融着部以外
の上面に積層された前記通気性層は、前記多孔質基材層
中に含浸していることを特徴としている。
【0011】本発明における多孔質材料によれば、多孔
質基材層の音源側となる面に、この多孔質基材層を構成
する熱可塑性樹脂よりも融点が高く、一部繊維どうしが
融着した融着部を含む繊維層を介して、通気性層を積層
するとともに、繊維層の融着部上面に形成された通気性
層は残存し、繊維層の融着部以外の上面に形成された通
気性層は多孔質基材層中に含浸していることによって、
通気性層には多孔質基材層に至る複数の孔が形成された
状態となっている。このため、音は、この孔を通過して
多孔質基材層に吸音されるようになるため、吸音特性を
向上させることが可能となる。
【0012】また、繊維層の融着部上面には通気性層が
残存していることによって、確実に表皮層との接着がな
されるようになるため、表皮接着性を向上させることが
可能となる。さらに、多孔質基材層の音源とは反対側の
面に非通気性層が積層されていることによって、多孔質
材料の音源側から反対側への非通気性が確保できるた
め、表皮層の汚れを防止することが可能となる。
【0013】ここで、本発明における繊維層とは、有機
繊維から構成されてもよいし、無機繊維から構成されて
もよい。また、この繊維層は、通気性を有するのであれ
ば、織布状であっても、不織布状であっても構わない。
また、繊維層における融着部の形状は、矩形状、円形
状、多角形状などいずれの形態であってもよく、その融
着部は規則的に形成されても、不規則的に形成されても
構わない。
【0014】本発明におけるスタンパブルシートは、熱
可塑性樹脂と強化用繊維とを含んでなるスタンパブルシ
ートの一方の面に、非通気性層が設けられ、他方の面
に、前記熱可塑性樹脂よりも融点が高く、一部繊維どう
しが融着した融着部を含む繊維層を介して、通気性層が
設けられていることを特徴としている。本発明における
スタンパブルシートによれば、本発明における多孔質材
料を容易に実現することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の多孔
質材料の一構成例を示す断面図である。図2は、本発明
における多孔質材料の一構成材料である繊維層を示し、
(a)は平面図、(b)は図2(a)における2A−2
A線に沿う一部拡大断面図である。
【0016】本実施形態における多孔質材料100は、
例えば自動車用内装材として使用され、多孔質基材層1
における音源となる車内側(図1における上側)の面に
繊維層3を介して、音が透過可能な通気性層4が設けら
れ、多孔質基材層1における車外側(図1における下
側)の面に、車内側から車外側への非通気性を確保する
非通気性層2が設けられている。そして、この多孔質材
料100における通気性層4の上面には、表皮層5が設
けられている。
【0017】ここで、多孔質基材層1は、強化用繊維
と、この強化用繊維を相互に点接着する熱可塑性樹脂
と、から構成された微細な空隙構造を有している。強化
用繊維は、無機繊維或いは有機繊維のいずれかを単独で
使用してもよいし、これらの複合体を使用してもよい。
無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ボ
ロン繊維、ステンレス繊維、 その他の金属繊維などが挙
げられ、これら一種を単独で用いても良いし、二種以上
で組み合わせて用いてもよい。また、有機繊維として
は、例えば、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリア
ミド繊維、麻などの天然繊維などが挙げられ、これら一
種を単独で用いても良いし、二種以上で組み合わせて用
いてもよい。なお、低コストで高い補強効果を得るため
に、ガラス繊維を用いることがさらに好ましい。
【0018】この強化用繊維の繊維長さは、補強効果、
膨張性、及び賦形性を確保するという点から、5〜30
mmが好ましく、さらに好ましくは10〜26mmとす
るのがよい。また、強化用繊維の直径は、補強効果及び
膨張性を確保するという点から、5〜30μmが好まし
く、さらに好ましくは10〜25μmとするのがよい。
さらに、熱可塑性樹脂との濡れ性や接着性を改良するた
めに、シランカップリング剤などによる処理が施される
ことが好ましい。
【0019】熱可塑性樹脂は、多孔質基材層1における
マトリックスを構成する成分であり、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール
や、ポリアミド共重合体、エチレンー塩化ビニル共重合
体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、スチレンーブタジ
エンーアクリロニトリル共重合体などの共重合体や、E
PM、EPDMなどの熱可塑性エラストマーを単独或い
は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、
強度、剛性及び成形性を向上させるために、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ま
しい。この中でも、強度、剛性及び成形性のバランスに
優れ、且つ、低コストであるポリプロピレンを用いるこ
とがさらに好ましく、具体的には、MFR(測定条件:
JISK6758に準拠、210℃、21.6N)が1
〜200g/10分の範囲であるポリプロピレンが最適
である。ここで、強化用繊維との接着性を向上させるた
めに、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物など
の酸や、エポキシ化合物などの種々の化合物で変性処理
を行った熱可塑性樹脂を用いることもできる。例えば、
ポリプロピレンを、マレイン酸、無水マレイン酸、アク
リル酸などをグラフト共重合することで、分子内に酸無
水物基、カルボキシル基などの変性基が形成された熱可
塑性樹脂を用いると、強度を向上させることが可能とな
る。
【0020】なお、多孔質基材層1における強化用繊維
と熱可塑性樹脂との含有割合は、曲げ強度及び曲げ弾性
率などの機械的強度の高い多孔質材料を得るために、強
化用繊維/熱可塑性樹脂の重量比が、10/90〜70
/30の範囲が好ましい。繊維層3は、多孔質基材層1
を構成する熱可塑性樹脂よりも高い融点を有するととも
に、図2に示すように、部分的に繊維どうしが熱融着さ
れた融着部3aと、それ以外の非融着部3bとから構成
されている。この繊維層3は、有機繊維或いは無機繊維
で構成されており、これらの繊維が織布状であっても、
不織布状であってもよく、その構造が中空状であって
も、二種類の成分による芯鞘状から構成されていてもよ
い。例えば、有機繊維としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン系や、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリアセタールなどの樹脂を単
体或いはこれらを主成分とする共重合体(例えば、エチ
レンー塩化ビニル共重合体や、エチレンー酢酸ビニル共
重合体など)としたものから構成してもよいし、グラフ
ト化合物や、これらの樹脂のブレンド品を溶融紡糸した
ものや、フェノールなどの熱硬化性樹脂繊維を単体或い
はブレンド品から構成してもよい。また、無機繊維とし
ては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などが挙げら
れ、これらを一種単独で用いてもよいし、二種以上組み
合わせて用いてもよい。これらは、有機繊維と無機繊維
とを組み合わせてもよい。無機繊維を用いる場合、無機
繊維の融点が非常に高いため、多孔質基材層1を構成す
る熱可塑性樹脂よりも高い融点を有する樹脂を用い、無
機繊維どうしを接着させるのが好ましい。特に、多孔質
基材層1を構成する熱可塑性樹脂がポリプロピレンであ
る場合には、繊維層3を、ポリエステル樹脂やポリアミ
ド樹脂から構成することが好ましく、具体的には、エル
タス(商標名、旭化成工業株式会社製)や、エクーレ
(商標名、東洋紡績株式会社製)などが挙げられる。な
お、繊維層3として用いる繊維の目付量は、10〜10
0g/m2 、さらに好ましくは10〜50g/m2 の範
囲とするとよい。ここで、目付量が10g/m2 未満と
すると、剛性を向上させる効果が小さく、通気性層4の
多孔質基材層1中への含浸を抑制する効果が低下してし
まう。一方、目付量が100g/m2 を超えると、多孔
質材料100の重量が重くなってしまう。
【0021】この繊維層3の融着部3aは、エンボスロ
ールなどの加工により、多孔質基材層1よりも高い融点
を持つ繊維どうしを熱融着させることにより形成されて
おり、融着部3aの形状は、図2(a)に示すように、
矩形状に限らず、例えば、円形状、多角形状などいずれ
の形態であってもよい。また、融着部3aは、図2
(a)に示すように、規則的に形成されてもよいし、不
規則的に形成されてもよい。ここで、通気性層4の多孔
質基材層1中への含浸を効果的に抑制するために、規則
的に千鳥格子状、或いは斑状などの模様になっているこ
とが好ましい。
【0022】なお、図2(b)において、融着部3a
は、厚み方向に単層の繊維からなる模式図が示されてい
るが、複数の繊維が積層・融着されていてもよい。通気
性層4は、少なくとも一層の熱可塑性樹脂から構成され
ており、多孔質材料100の形成工程において、多孔質
基材層1と表皮層5とを接着するために積層されてい
る。この通気性層4の形成材料としては、少なくとも多
孔質材料100の形成工程における加熱温度で溶融可能
な融点を有するものであれば、いずれの熱可塑性樹脂を
用いても構わない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン系樹脂が挙げられ、特に、低
融点で低コストを実現可能なポリエチレン系樹脂が好ま
しい。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル
共重合樹脂、エチレンーエチルアクリレート共重合樹
脂、エチレンーアクリル酸共重合樹脂、エチレンーメチ
ルアクリレート共重合樹脂、エチレンーメチルメタクリ
レート共重合樹脂、エチレンーメタクリル酸共重合樹脂
を単独或いは二種以上組み合わせたものが挙げられる。
【0023】この通気性層4の融点は、90〜140℃
であることが望ましい。ここで、90℃以下において
は、高温雰囲気下での表皮層5との接着性が低下してし
まい、140℃以上においては、冷却プレス成形時に通
気性層4が固化し、表皮接着強度を確保することが困難
となってしまう。また、通気性層4のMFR(JISK
6760に準拠、190℃、21.6N)は、3g/1
0min以上、好ましくは、5〜100g/10min
以上としたものがよい。ここで、MFRが3g/10m
in未満となると、表皮接着性が低下してしまう。さら
に、通気性層4の厚みは、通常10μm以上であり、十
分な接着性を実現するために、30〜100μmの範囲
とすることが望ましい。
【0024】ここで、本実施形態において、通気性層4
として、一層の熱可塑性樹脂を用いたが、これに限ら
ず、二層以上の層から構成するようにしても構わない。
表皮層5は、通気性を確保でき、通気性層4を構成する
熱可塑性樹脂との接着を可能とする材料であれば、いず
れの材料から構成しても構わない。例えば、植物繊維、
動物繊維などの天然繊維や、セルロース系、ポリアミド
系、ポリエステル系、ポリアクリル系、ポリプロピレン
系の合成樹脂繊維などからなる織布或いは不織布が好適
に用いられる。また、例えばポリウレタン発泡体のよう
に連続気泡を有する発泡シートを、通気性層4と表皮層
5との間の面に設けてもよい。発砲シートを設けること
で、吸音特性をさらに向上させることが可能となる。
【0025】非通気性層2は、多孔質材料100の非通
気性を確保することで、通気性層4側がフィルタとして
機能することを抑制し、表皮層5の汚れを防止するため
に積層されており、多孔質基材層1を構成する熱可塑性
樹脂及び通気性層4よりも高い融点を有する樹脂であれ
ば、熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂から構成すること
ができる。この中でも、成形性を向上させるという観点
から、熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、具体的に
は、上述した多孔質基材層1を構成可能な熱可塑性樹脂
を用いることができる。例えば、多孔質基材層1を構成
する熱可塑性樹脂がポリプロピレンである場合には、非
通気性層2をポリアミド、ポリエチレンテレフタレート
などで構成することが望ましい。
【0026】この非通気性層2の厚みは、非通気性を維
持するために、5μm以上が好ましく、さらに好ましく
は10〜50μmの範囲とすることが望ましい。なお、
本実施形態における非通気性とは、ASTM(Amer
ican Society of Test Mate
rials:アメリカ材料試験協会)−D737に準拠
して測定された通気度が0cm3 /cm2 ・secのも
のを指す。
【0027】ここで、多孔質基材層1と、通気性層4お
よび非通気性層3との接着性を向上させるために、多孔
質基材層1と接着する通気性層4および非通気性層2と
のそれぞれの間に基材接着樹脂層(図示しない)を設け
るようにしても構わない。基材接着樹脂層は、多孔質基
材層1を構成する熱可塑性樹脂と同一或いは類似の構造
を有する熱可塑性樹脂によって構成されていることが好
ましい。この類似の構造とは、ホモポリマーに対する共
重合体やブレンド品、或いはグラフト品などを意味す
る。特に、多孔質基材層1としてポリプロピレンを用い
る場合には、多孔質基材1に対する接着性の観点から、
ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、より好
ましくは、ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレンを用
いるとよい。
【0028】また、この基材接着樹脂層のほか、通気性
層4および非通気性層2のそれぞれの層間に、別の樹脂
層を設けた三層以上の多層構造としても構わない。例え
ば、このような樹脂層としては、隣接層間をなじませる
ための仲介層や、内層及び外層をともに溶融することで
その流動性を調整するための層などが挙げられ、様々な
機能を発現させることが可能となる。
【0029】なお、通気性層4および非通気性層2に他
の樹脂層を積層して多層化を実現させる方法としては、
例えば、ドライラミネート法や共押し出し法など、いず
れの方法を用いることができる。次に、本発明における
多孔質材料100の製造方法について、図3〜図4を参
照して説明する。
【0030】まず、強化用繊維と粒状の熱可塑性樹脂と
を、空気の微小気泡が分散した界面活性剤水溶液に分散
させる。そして、得られた分散液を、多孔性支持体を介
して脱水することにより、分散液中の固形分を堆積さ
せ、その堆積物を乾燥して不織布状のウェブを得る。こ
こで、このウェブの厚みは、1〜10mmであり、強化
用繊維の中に、熱可塑性樹脂の粒子が均一に分散された
構成をしている(ウェブ形成工程)。なお、強化用繊維
と熱可塑性樹脂は、界面活性剤水溶液などの分散媒を用
いずに、乾式で混合しても構わない。
【0031】次に、このウェブの一方の面に、繊維層3
と、通気性層4とを順次積層し、他方の面に、非通気性
層2を積層した積層体を形成する。ここで、繊維層3と
通気性層4は、あらかじめ積層されたものを使用しても
よい。そして、この積層体を、ウェブを構成する熱可塑
性樹脂の融点以上、且つ、繊維層3の融点或いは非通気
性層2の融点のうちいずれか低い方の融点以下の温度で
加熱することで熱可塑性樹脂を溶融させたのち、冷却盤
間で加圧してシート状に固化し、図3に示すような、緻
密なスタンパブルシート10を形成する(スタンパブル
シート形成工程)。
【0032】なお、熱可塑性樹脂がポリプロピレン(融
点162℃)で、繊維層3がポリエスエチレンテレフタ
レート(融点255℃)で、非通気性層2がポリアミド
(融点220℃)である場合には、このスタンパブルシ
ート形成工程における加熱温度は170〜215℃、よ
り好ましくは、180〜210℃とするとよい。ここ
で、220℃以上の温度で加熱してしまうと、非通気性
層2を構成するポリアミドが溶融し、非通気性が損なわ
れてしまう。また、冷却盤間における加圧は、10〜5
00N/cm2 の範囲とすることが望ましい。ここで、
500N/cm2を超える圧力を加えると、スタンパブ
ルシート10を構成する強化用繊維の破損を招きやすい
からである。さらに、スタンパブルシート10中には、
酸化防止剤や対光安定剤、金属不活性化剤、難燃剤、カ
ーボンブラックなどの添加剤・着色剤などを含有させる
こともできる。これらは、例えば、粒状の熱可塑性樹脂
に予め配合したり、コーティングしたりする方法や、ウ
ェブの製造工程中に、スプレーなどで添加する方法など
によって含有させることができる。
【0033】次いで、このスタンパブルシート10を、
ウェブを構成する熱可塑性樹脂の融点以上、且つ、繊維
層3の融点或いは非通気性層2の融点のうちいずれか低
い方の融点以下の温度で再加熱する。すると、スタンパ
ブルシート10を構成する熱可塑性樹脂と通気性層4と
が溶解し、スタンパブルシート10と通気性層4とが接
着されるとともに、スタンパブルシート10は、強化用
繊維の拘束が解かれ厚み方向に膨張するとともに、熱可
塑性樹脂が強化用繊維どうしを互いに接着させた多孔質
基材層1となる。また、繊維層3における融着部3a直
上の通気性層4は繊維層3の上面に残存し、非融着部3
b直上の通気性層4は、その直下の多孔質基材層1中に
含浸して含浸層Gを形成する(図4参照)。
【0034】次いで、この通気性層4の上面に表皮層5
を積層した後、成形金型内に設置し、金型スペーサの高
さやプレスの型締め高さなどを調整した後加圧成形す
る。すると、繊維層3の融着部3a直上に残存した通気
性層4と、表皮層とが融着し、図1に示すように、スタ
ンパブルシート10に表皮層5が一体化された多孔質材
料100を完成させることができる(多孔質材料形成工
程)。
【0035】なお、多孔質材料形成工程における加熱温
度は、多孔質基材層1を構成する熱可塑性樹脂の融点以
上、且つ、繊維層3の融点或いは非通気性層2の融点の
うちいずれか低い方の融点未満の間で適宜選択すること
ができる。例えば、熱可塑性樹脂がポリプロピレン(融
点162℃)で、繊維層3がポリエチレンテレフタレー
ト(融点255℃)で、非通気性層2がポリアミド(融
点220℃)である場合には、この多孔質材料形成工程
における加熱温度は170〜215℃、より好ましく
は、180〜210℃とするとよい。
【0036】ここで、スタンパブルシート10の加熱方
法としては、熱盤加熱や遠赤外線加熱、近赤外線加熱、
通風式加熱などが挙げられ、特に限定されるものではな
い。また、金型温度は、多孔質基材層1を構成する熱可
塑性樹脂の凝固点以下であればよく、ハンドリング性や
生産性の点から、通常、室温〜60℃の範囲とすること
が好ましい。さらに、成形圧力は、製品形状により異な
るが、過剰の圧力は強化用繊維を破断させてしまうた
め、通常は10〜500N/cm2 の範囲とすることが
好ましい。
【0037】上記構成の本実施形態における多孔質材料
100によれば、繊維層3の融着部3a直上に積層され
た通気性層4は残存し、非融着部3b直上に積層された
通気性層4は多孔質基材層1中に含浸していることによ
って、音は、通気性層4が多孔質基材層1に含浸するこ
とで形成された孔Hを通過して、多孔質基材層1に吸音
されるため、吸音特性を向上させることが可能となる。
【0038】また、繊維層3の融着部3a直上に残存し
ている通気性層4と、表皮層5とが確実に接着するた
め、表皮接着性を向上させることが可能となる。さら
に、多孔質基材層1の音源側とは反対側の面に非通気性
層2が形成されているため、多孔質材料100における
非通気性を確保することができるため、表皮層5の汚れ
を抑制することが可能となる。
【0039】ここで、本実施形態において、多孔質基材
層1となるスタンパブルシート10への通気性層4及び
非通気性層2の貼合方法として、あらかじめ順次積層し
ておいた非通気性層2、スタンパブルシート10の形成
材料であるウェブ、繊維層3、及び通気性層4を加熱圧
縮によって貼合させたが、この貼合方法はこれに限らな
い。例えば、まず、ウェブのみを加熱圧縮させてスタン
パブルシート10を形成したのち、このスタンパブルシ
ート10の両面に繊維層3、通気性層4および非通気性
層2を熱融着させる貼合方法を用いても構わない。
【0040】
【実施例】以下、本実施形態における多孔質材料におけ
る吸音特性、表皮接着性、及び通気性を、比較例と比べ
て確認した結果について説明する。表1は、実施例及び
比較例における多孔質材料に用いた繊維層、通気性層及
び非通気性層の構成材料を示す。なお、実施例及び比較
例において、多孔質基材層を構成する熱可塑性樹脂及び
強化用繊維と、表皮層の構成材料は、下記に示す同様の
条件で行った。 (構成材料) 熱可塑性樹脂:ポリプロピレン粒子(ホモポリプロピレ
ン、融点162℃、MFR65g/10min) 強化用繊維:ガラス繊維、繊維長さ25mm、直径17
μm 表皮層:ポリエチレンテレフタレート不織布、目付け量
230g/m2 、ホットメルト層なし
【0041】
【表1】
【0042】<実施例1>まず、乾燥重量で、ポリプロ
ピレン50%、ガラス繊維50%の割合となるように泡
液中で混合分散し、脱泡後乾燥して、目付け量700g
/m2 のウェブを得た。次に、得られたウェブの両面
に、表1に示す構成の繊維層及び通気性層と非通気性層
とを積層し、積層体を形成する。そして、この積層体を
スタンパブルシート形成工程における加熱温度として2
00℃で加熱した後、25℃の冷却盤間に配置して30
N/cm2 の圧力でプレス成形し、ガラス繊維とポリプ
ロピレンとが一体的に緻密に固化したスタンパブルシー
トを得た。
【0043】次いで、このスタンパブルシートを、多孔
質材料形成工程における加熱温度として200℃で加熱
したのち、通気性層との貼合面に表皮層を積層し、膨張
成形用金型(温度:室温)内に配置し、圧力0.2N/
cm2 で金型を型閉じして、平板状の多孔質材料を得
た。このとき、表皮層が貼合された多孔質基材層の厚み
は3.0mmであった。 <実施例2>実施例1と同様の方法によって、実施例1
とは繊維層、通気性層及び非通気性層の構成材料を変
え、多孔質材料を形成した。 <比較例1>実施例2において、繊維層の構成材料のみ
を変え、多孔質材料を形成した。 <比較例2>実施例1と同様の方法によって、表1に示
すように、繊維層は積層せず、通気性層を3層構造に変
え、多孔質材料を形成した。
【0044】次に、上記実施例及び比較例によって得ら
れた多孔質材料において常温での表皮剥離強度測定試
験、通気度測定試験、垂直入射吸音率測定試験を行い、
多孔質材料の表皮接着性、通気性及び吸音特性の評価と
して表2及び図5に示す。ここで、表皮剥離強度測定試
験は、多孔質材料から長さ150mm、幅25mmの剥
離試験(Tピール試験)片を切り出し、端から50mm
の長さで表皮層を多孔質基材層から剥離する。そして、
剥離した表皮層と多孔質基材層とをそれぞれチャックに
把持させて、180°の方向に引張速度50mm/mi
n、温度23℃で、引張試験を行った。結果は表2に示
す。
【0045】また、通気度測定試験は、ASTM−D7
37に準拠し、通気度が0cm3 /cm2 ・secのも
のを合格(○)とし、それよりも大きいものを不合格
(×)とした。結果は表2に示す。さらに、垂直入射吸
音率測定試験は、JIS A 1405に準拠して垂直
入射吸音率の測定を行った。垂直入射吸音率が1.0の
とき、音は完全に吸音されることを示す。結果は図5に
示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示すように、多孔質基材層を構成す
る熱可塑性樹脂よりも低い融点を有する繊維層を介層し
た比較例1と比べて、多孔質基材層を構成する熱可塑性
樹脂よりも高い融点を有する繊維層を介層させた実施例
1、実施例2においては、高い表皮接着強度を備えてい
ることが分かる。これは、比較例1のように、多孔質基
材の上面に、この多孔質基材を構成する熱可塑性樹脂よ
りも低い融点を有する繊維層を積層したことによって、
多孔質基材層の融点よりも高い温度での加熱を行うスタ
ンパブルシート形成時において、繊維層及び通気性層が
多孔質基材層中に含浸してしまうため、表皮接着強度が
低下してしまうためであると考えられる。
【0048】また、図5に示すように、多孔質基材層と
通気性層との間に繊維層を介層せず、通気性層を3層構
造とした比較例2と比べて、多孔質基材層と通気性層と
の間に、多孔質基材層を構成する熱可塑性樹脂よりも高
い融点を有する繊維層を介層させた実施例1、実施例2
においては、垂直入射吸音率が良好であるということが
分かる。
【0049】これは、比較例2において、通気性層とし
て、多孔質材料形成工程における加熱温度よりも高い融
点を有する層を含んで形成したことによって、通気性層
が溶解せず、音源となる表皮層側に非通気性層として形
成されてしまうため、吸音特性が低下してしまうためで
あると考えられる。以上の結果より、多孔質基材層の上
面に、この多孔質基材層を構成する熱可塑性樹脂よりも
高い融点を有する繊維層を介して通気性層を積層したこ
とによって、多孔質材料形成工程において、音源側の通
気性層に複数の孔が形成されるようになるため、吸音特
性及び表皮接着強度をともに向上させていることが確認
できた。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における多
孔質材料によれば、熱可塑性樹脂と強化用繊維とを含ん
でなる多孔質基材層の一方の面に、非通気性層が設けら
れ、他方の面に、熱可塑性樹脂よりも融点が高く、一部
繊維どうしが融着した融着部を含む繊維層を介して、通
気層と、表皮層とが順次設けられているとともに、繊維
層の融着部上面に形成された通気性層は残存し、繊維層
の融着部以外の上面に積層された通気性層は、多孔質基
材層中に含浸していることによって、吸音特性及び表面
接着性をともに向上させることが可能となる。本発明に
おけるスタンパブルシートによれば、本発明における多
孔質材料を容易に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における多孔質材料の一構成例を示す断
面図である。
【図2】本発明における多孔質材料の一構成材料である
繊維層を示し、(a)は平面図、(b)は図2(a)に
おける2A−2A線に沿う一部拡大断面図である。
【図3】本発明における多孔質材料の一製造過程を示
し、本発明におけるスタンパブルシートを説明する断面
図である。
【図4】本発明における多孔質材料の一製造工程を示す
断面図である。
【図5】垂直入射吸音率測定試験の結果を示す図であ
る。
【図6】従来の多孔質材料の一構成例を示す断面図であ
る。
【図7】従来の多孔質材料の他の構成例を示す断面図で
ある。
【図8】従来の多孔質材料の他の構成例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1、11 多孔質基材層 2、21 非通気性層 3 繊維層 3a 融着部 3b 非融着部 4、41、42、43 通気性層 5、51 表皮層 10 スタンパブルシート 100、101A、101B、101C 多孔質材料 G 含浸層 H 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 藤川 嘉博 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 久保 秀穂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 ケープ ラシート株式会社内 (72)発明者 花谷 誠二 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 ケープ ラシート株式会社内 Fターム(参考) 3D023 BA01 BA03 BB02 BD01 BE07 BE20 4F055 AA23 BA13 CA17 EA04 EA05 FA05 GA20 4F100 AG00 AK01A AK01B AK01D AK07 AK42 AS00E BA05 BA10A BA10E BA44C DC16D DG01B DG06 DG15 DH00B DJ00B DJ01C EC03C EJ82B GB33 JA04C JB16B JH01 JL11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と強化用繊維とを含んでな
    る多孔質基材層の一方の面に、非通気性層が設けられ、
    他方の面に、前記熱可塑性樹脂よりも融点が高く、一部
    繊維どうしが融着した融着部を含む繊維層を介して、通
    気層と、表皮層とが順次設けられているとともに、 前記繊維層の融着部上面に形成された前記通気性層は残
    存し、前記繊維層の融着部以外の上面に積層された前記
    通気性層は、前記多孔質基材層中に含浸していることを
    特徴とする多孔質材料。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂と強化用繊維とを含んでな
    るスタンパブルシートの一方の面に、非通気性層が設け
    られ、他方の面に、前記熱可塑性樹脂よりも融点が高
    く、一部繊維どうしが融着した融着部を含む繊維層を介
    して、通気性層が設けられていることを特徴とするスタ
    ンパブルシート。
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