JP2003225717A - 打抜加工用金型及び打抜板の製造方法 - Google Patents

打抜加工用金型及び打抜板の製造方法

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JP2003225717A JP2002026889A JP2002026889A JP2003225717A JP 2003225717 A JP2003225717 A JP 2003225717A JP 2002026889 A JP2002026889 A JP 2002026889A JP 2002026889 A JP2002026889 A JP 2002026889A JP 2003225717 A JP2003225717 A JP 2003225717A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 打抜板の製造コストを大幅に増大させること
なく、外枠の低容積化が可能な打抜加工用金型及び打抜
板の製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明に係る打抜加工用金型30は、上
型32と下型62とを備えている。上型32の下端に取
り付けられたホルダ36aのスライドスペース36aa
には、上型ストリッパー38が遊挿される。また、上型
ストリッパー38の両側面であって、下型62に立設さ
れるガイドピン74の下流側には、外枠切断ピン46
a、46bが設けられ、上型ストリッパー38の先端面
中央には、外枠切断ピン46cが設けられる。また、下
型62に立設されるパンチ64aの側壁に沿って上下動
する下型ストリッパー66には、外枠切断ピン46a〜
46cに対応する位置に、それぞれ、外枠切断ピン誘導
穴が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、打抜加工用金型及
び打抜板の製造方法に関し、更に詳しくは、金属板、樹
脂板等の種々の材料からなる母板から所定の形状を有す
る製品(以下、これを「打抜板」という。)を打ち抜く
ために用いられる打抜加工用金型及び打抜板の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】打抜加工は、金属製のパンチとダイを用
いて、せん断力により板状材料(母板)から種々の形状
を有する製品(打抜板)を打ち抜く加工方法であり、各
種の金属製品や樹脂製品の製造に用いられている。
【0003】例えば、各種電子機器に用いられるプリン
ト回路板に電子部品を装着するためのチップマウンター
や自動挿入機などの電子部品自動装着機(以下、これを
「自装機」という。)は、搬送の関係から、ワークの大
きさに上限と下限がある。また、自装機に使用するワー
クの外形は、実質的に長方形であること、すなわち、少
なくとも交差する一対の辺が直線であり、かつこれらが
直交していることが要求される。
【0004】そのため、小型、かつ異形のプリント回路
板上に自装機を用いて電子部品を装着する場合には、自
装機で搬送可能な大きさ、形状を有する基板(以下、こ
れを「実装用基板」という。)に複数のプリント回路板
を作り込み、この状態で自装機に通す方法が用いられて
いる。
【0005】このような実装用基板は、以下のような方
法により製造するのが一般的である。まず、図9(a)
に示すように、所定の回路パターン(図示せず)が形成
された樹脂製の母板10(以下、これを「プリント配線
母板10」という。)に、位置決め用のガイド穴12、
12…を形成する。次いで、ガイド穴12、12…を基
準としてプリント回路板14、14…のプッシュバック
加工を行い、プリント回路板14、14…がプリント配
線母板10に仮止めされた状態とする。
【0006】次に、同じくガイド穴12、12…を基準
として、順次、プリント配線母板10を所定寸法の長方
形に打ち抜く。これにより、プリント配線母板10は、
図9(b)に示すように、所定個数のプリント回路板1
4、14…を含む実装用基板(打抜板)16、16…
と、実装用基板16、16…が打ち抜かれた後に残った
外枠10aに分離する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】母板から打抜板を打ち
抜いた後に残る外枠は、そのままの状態で工場内に一旦
保管された後、運送業者により処理場まで運送され、そ
こで処理されるのが一般的である。
【0008】しかしながら、外枠は、打ち抜かれる前の
母板の外形を保っているために、重量に比して容積が大
きいという特徴がある。そのため、廃材である外枠を保
管するためには、原材料である母板と同一のスペースが
必要になるという問題がある。また、外枠を処理場に運
送する際の運送費用は、通常、重量単位ではなく体積単
位で計算されるので、運送費用も増大するという問題が
ある。
【0009】一方、この問題を解決するために、別工程
を設けて、外枠を低容積化することも考えられる。しか
しながら、この方法では、打抜板の製造に要する工数が
増し、打抜板の製造コストを大幅に増大させるという問
題がある。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、打抜板
の製造コストを大幅に増大させることなく、外枠の低容
積化が可能な打抜加工用金型及び打抜板の製造方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る打抜加工用金型は、母板から打抜板を打
ち抜くための打抜手段と、前記打抜板が打ち抜かれた後
に残る前記母板の外枠を切断するための切断手段とを備
えていることを要旨とする。
【0012】この場合、前記切断手段は、上型又は下型
のいずれか一方に立設された1又は2以上の外枠切断ピ
ンと、他方に形成された前記外枠切断ピンを誘導するた
めの1又は2以上の外枠切断ピン誘導孔とを備えている
ことが望ましい。また、前記切断手段は、前記母板の位
置決めに用いられるガイドピンの下流側に設けられてい
ることが望ましい。
【0013】また、前記切断手段は、前記外枠の内、横
枠部分の1箇所又は2箇所以上を切断するための横枠切
断手段、及び/又は、前記外枠の内、縦枠部分の1箇所
又は2箇所以上を切断するための縦枠切断手段を備えて
いることが望ましい。さらに、前記切断手段は、前記打
抜手段の周囲に隣接して設けられていても良く、あるい
は、前記母材の送り幅に相当する距離だけ、前記打抜手
段の下流側に設けられていても良い。
【0014】本発明に係る打抜加工用金型は、切断手段
を備えているので、打抜板の打抜加工と同時に、外枠の
所定部分が切断される。そのため、外枠を単純形状を有
する小片に分断するのが容易化し、打抜板の製造コスト
を増大させることなく、外枠を低容積化することができ
る。
【0015】また、本発明に係る打抜板の製造方法は、
母板から打抜板を打ち抜くための打抜工程と、前記打抜
板が打ち抜かれた後に残る前記母板の外枠を切断するた
めの切断工程とを備えていることを要旨とする。
【0016】この場合、前記切断工程は、第1の打抜工
程による第1の打抜板の打ち抜きと同時に、前記外枠の
内、前記第1の打抜板に隣接する部分を切断するもので
あっても良い。あるいは、前記切断工程は、第1の打抜
工程により第1の打抜板を打ち抜き、次いで前記母板を
所定の送り幅で下流側に搬送した後、第2の打抜工程に
より第2の打抜板を打ち抜くと同時に、前記外枠の内、
前記第1の打抜板に隣接していた部分を切断するもので
あっても良い。
【0017】さらに、前記切断工程は、前記外枠の内、
横枠部分の1箇所又は2箇所以上を切断する横枠切断工
程、及び/又は、前記外枠の内、縦枠部分の1箇所又は
2箇所以上を切断する縦枠切断工程を備えていることが
望ましい。
【0018】本発明に係る打抜板の製造方法は、切断工
程を備えているので、打抜板の打抜加工と同時に、外枠
の所定部分が切断される。そのため、外枠を単純形状を
有する小片に分断するのが容易化し、打抜板の製造コス
トを増大させることなく、外枠を低容積化することがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。初めに、本発明
の第1の実施の形態に係る打抜加工用金型について説明
する。図1及び図2に、本実施の形態に係る打抜加工用
金型30を示す。本実施の形態に係る打抜加工用金型3
0は、上型32と下型62とを備えている。
【0020】上型32は、図1(a)及び図1(b)に
示すように、上型ベース板34と、4つのホルダ36a
〜36dとを備えている。上型ベース板34と、ホルダ
36a〜36dは、ノックピン(図示せず)により位置
決めした状態で重ね合わせ、締結ボルト(図示せず)に
より締結されている。
【0021】最先端に位置するホルダ36aには、スラ
イドスペース36aaが設けられている。また、スライ
ドスペース36aa内には、打ち抜かれる打抜板の外形
と同一形状を有する上型ストリッパー38が遊挿されて
いる。さらに、上型ストリッパー38は、ホルダ36b
の上から遊挿され、かつホルダ36b、36c内を上下
動可能な落下止めボルト40により支持されている。す
なわち、上型ストリッパー38は、上型32から落下す
ることなく、スライドスペース36aa内を上下動可能
となっている。
【0022】また、上型ストリッパー38の先端は、無
負荷状態において、ホルダ36aの下面から突出してい
ることが望ましい。無負荷状態における突出部分の長さ
は、スライドスペース36aaからの打抜板の排出を容
易に行える長さであれば良く、特に限定されるものでは
ない。
【0023】また、ホルダ36aの四隅には、上型32
を下型62に誘導するためのポスト誘導穴42、42…
が形成されている。さらに、ホルダ36aの表面には、
後述する下型52に立設されたガイドピンの先端を挿入
するための、ガイドピン誘導穴44、44が設けられて
いる。
【0024】ホルダ36bには、母板から打抜板を打ち
抜いた後に残る外枠を切断するための外枠切断ピン46
a〜46cが固定されている。本実施の形態において
は、上型ストリッパー38の両側面に隣接して、2個の
外枠切断ピン46a、46bが設けられ、上型ストリッ
パー38の先端面(母板の搬送方向に対して上流側の
面)の中央部分に隣接して、1個の外枠切断ピン46c
が設けられている。さらに、側面に設けられた外枠切断
ピン46a、46bは、ガイドピン誘導穴44より母板
の搬送方向に対して下流側に設けられている。
【0025】また、外枠切断ピン46a〜46cは、そ
の先端がホルダ36aの上面から突出するように、その
長さが定められる。突出部分の長さは、母板を傷つける
ことなく、母板の外枠部分を切断可能な長さであれば良
く、特に限定されるものではない。
【0026】なお、本実施の形態においては、外枠切断
ピン46a〜46cと上型ストリッパー38とを近接さ
せ、1回のプレスで外枠がほぼ完全に切断されるように
なっているが、両者の間に所定の隙間を設けても良い。
両者の間の隙間が大きくなると、プレス後も外枠全体が
繋がった状態となるが、このような場合であっても、外
枠に僅かな外力を加えるだけで、連結部分を容易に切断
することができる。
【0027】但し、隙間の大きさが過大になると、外枠
の連結部分の切断が煩雑となるだけではなく、打抜板の
周囲に大きな突起が残る場合がある。実装用基板の場
合、その周囲に大きな突起が形成されると、自装機によ
る自動実装が困難となるので好ましくない。従って、1
回のプレスで外枠をほぼ完全に切断し、かつ打抜板の周
囲に大きな突起が形成されるのを防ぐためには、隙間の
大きさは、0.5mm以下が好ましく、さらに好ましく
は、0.1mm以下である。
【0028】また、打抜板に部品穴、窓等の貫通穴を設
ける必要がある場合には、上型32に所定個数の貫通穴
形成ピンを設けても良い。本実施の形態においては、上
型32に、合計2個の貫通穴形成ピン48、48が設け
られている。貫通穴形成ピン48、48は、その先端が
ホルダ36aの先端面とほぼ同一水平面上にくるよう
に、ホルダ36bに固定されている。そのため、貫通穴
形成ピン48、48は、上型ストリッパー38がホルダ
36a内のスライドスペース36aaを上昇するに伴
い、上型ストリッパー38の表面から突き出るようにな
っている。
【0029】ホルダ36b、36c内には、押さえピン
50、50…が上下動可能となるように、上下方向に遊
挿されている。また、ホルダ36dには、押さえ板可動
スペース36ddが設けられ、押さえ板可動スペース3
6dd内には、押さえ板52が載置されている。さら
に、押さえ板52の上には、上型ベース板34に設けら
れた貫通穴から挿入されるノックピン54、54が載置
されている。
【0030】押さえピン50、50…は、無負荷状態に
おいて、その下端が上型ストリッパー38の上面に当接
し、その上端が押さえ板52の下面に当接するように、
その長さが定められている。また、ノックピン54、5
4は、無負荷状態において、その先端が上型ベース板3
4の上面から僅かに突出するように、その長さが定めら
れている。
【0031】下型62は、図2(a)〜図2(c)に示
すように、下型ベース板64と、下型ストリッパー66
とを備えている。下型ベース板64には、打抜板の形状
と同一形状を有するパンチ64aが凸設されている。パ
ンチ64aには、上型32に設けられる貫通穴形成ピン
48、48に対応する位置に、下型ベース板64を貫通
する貫通穴形成ピン誘導穴64b、64bが設けられて
いる。
【0032】また、下型ベース板64には、ホルダ36
aに設けられたポスト誘導穴42、42…に対応する位
置に、ポスト68、68…が立設されている。ポスト6
8、68は、無負荷状態において、その先端が下型スト
リッパー66の上面から所定の長さだけ突き出すように
なっている。
【0033】下型ストリッパー66には、パンチ64a
と同一形状の貫通穴が設けられており、パンチ64aの
側壁面に沿って下型ストリッパー66が上下動可能にな
っている。下型ストリッパー66は、下型ベース板64
の下方から遊挿されるボルト70、70…によって上方
向への移動が規制され、かつ、下型ベース板64と下型
ストリッパー66の間に介挿されるウレタンゴム等から
なる弾性部材72、72…によって上方向に付勢されて
いる。
【0034】下型ストリッパー66の上面には、上型3
2に設けられたガイドピン誘導穴44、44に対応する
位置に、ガイドピン74、74が立設されている。ま
た、下型ストリッパー66には、上型32に設けられた
外枠切断ピン46a〜46cに対応する位置に、これら
を誘導するための外枠切断ピン誘導穴76a〜76dが
設けられている。さらに、下型ベース板64には、外枠
切断ピン誘導穴76a〜76dに対応する位置に、それ
ぞれ、抜きカスを排出するための貫通孔(抜きカス排出
口)64c〜64cが設けられている。
【0035】次に、図1及び図2に示す打抜加工用金型
30を用いた打抜板の製造方法について説明する。な
お、本実施の形態に係る打抜用金型30及びこれを用い
た打抜板の製造方法は、種々の材料からなる母板に対し
て適用可能であるが、ここでは、プリント配線母板(母
板)10から実装用基板(打抜板)16を打ち抜く打抜
加工に適用した例について説明する。
【0036】まず、図3(a)に示すように、下型62
の上にプリント配線母板(母板)10を載せる。この
時、プリント配線母板10に予めガイド穴を形成してお
き、このガイド穴に、下型62に立設されたガイドピン
74、74を挿入し、プリント配線母板10の位置を固
定する。
【0037】次に、上型32を下降させると、やがて、
上型ストリッパー38及びその周囲に隣接して設けられ
た外枠切断ピン46a〜46cが、プリント配線母板1
0の上面に接触する。上型32をさらに下降させると、
図3(b)に示すように、プリント配線母板10の外枠
部分が、外枠切断ピン46a〜46cにより切断され
る。この時、抜きカス11aは、下型62に形成された
抜きカス排出口64cを通って下型62の下方に排出さ
れる。
【0038】上型32をさらに下降させると、プリント
配線母板10の中心部分は、パンチ64aの上面と上型
ストリッパー38の下面と間に狭持された状態となる。
一方、プリント配線母板10の外枠部分は、ホルダ36
aと下型ストリッパー66により狭持された状態のま
ま、下方に押圧される。そのため、図3(c)に示すよ
うに、プリント配線母板10から実装用基板(打抜板)
16が打ち抜かれ、これに伴い、上型ストリッパー38
及び実装用基板16は、スライドスペース36aaに沿
ってホルダ36aの内部に潜り込む。
【0039】また、上型ストリッパー38が上方に移動
するに伴い、上型ストリッパー38の下面から貫通孔形
成ピン48、48の先端が突出するので、実装用基板1
6には、所定の形状及び個数を有する貫通穴が形成され
る。この時、抜きカス11bは、貫通穴形成ピン誘導穴
64b、64bを通って下型62の下方に排出される。
また、弾性部材72により上方に付勢されている下型ス
トリッパー66は、ホルダ36aによって下方に押圧さ
れ、パンチ64aの側壁に沿って下方に移動する。
【0040】実装用基板16の打抜が終了した後、上型
32を上昇させると、下型ストリッパー66は、弾性部
材72の付勢力によって、元の位置(図3(a)に示す
位置)まで自動的に復元する。
【0041】一方、上型ストリッパー38及び打ち抜か
れた実装用基板16は、上型32を上昇させた直後は、
当初はスライドスペース36aa内に潜り込んだままで
ある。しかしながら、上型32が上死点に近づくと、ノ
ックピン54、54が下方に押圧される。その結果、ノ
ックピン54、54が、押さえ板52及び押さえピン5
0、50を介して、上型ストリッパー38が下方に押し
下げ、スライドスペース36aaから実装用基板16が
排出される。また、ノックピン54、54が完全に押し
下げられると、上型ストリッパー38は、元の位置(図
3(a)に示す位置)まで復元する。
【0042】図4に、打抜加工前のプリント配線母板1
0、並びに、図1及び2に示す打抜加工用金型30によ
り打ち抜かれた実装用基板16及びプリント配線母板1
0から実装用基板16を打ち抜いた後に残る外枠10a
を示す。
【0043】打抜加工前のプリント配線母板10は、図
4(a)に示すように、外枠部分に位置決め用のガイド
穴12〜12が形成されている。また、中央部分に
は、プッシュバック加工により、所定の形状を有する所
定個数のプリント回路板14、14…が仮止めされた状
態になっている。
【0044】このプリント配線母板10に形成された1
列目のガイド穴12、12に打抜加工用金型30の
ガイドピン74、74を挿入し、1回目の打抜加工を行
うと、図4(b)に示すように、1個目の実装用基板1
及び貫通穴14a、14aが打ち抜かれる。また、
これと同時に、外枠10aの内、プリント配線母板10
の搬送方向と平行になっている部分(以下、これを「縦
枠部分」)の2箇所が、外枠切断ピン46a、46bに
より切断され、搬送方向に対して垂直になっている部分
(以下、これを「横枠部分」という。)の1箇所が外枠
切断ピン46cにより切断される。その結果、外枠10
aの前方部分が、2個のL字型片10b 、10b
して切り離される。
【0045】次に、プリント配線母板10を下流側に送
り、2列目のガイド穴12、12 にガイドピン7
4、74を挿入し、2回目の打抜加工を行うと、図4
(b)に示すように、2個目の実装用基板16及び貫
通穴14a、14aが打ち抜かれる。また、これと同時
に、縦枠部分の2箇所及び横枠部分の1箇所が新たに切
断される。その結果、外枠10aの前方部分が、2個の
T字型片10b、10b として新たに切り離され
る。
【0046】以下、同様にして、プリント配線母板10
を下流側にステップ送りしながら、最後(n回目)の打
抜加工を行うと、図4(b)に示すように、n個目の実
装用基板16及び貫通穴14a、14aが打ち抜かれ
る。また、これと同時に、縦枠部分の2箇所及び横枠部
分の1箇所が新たに切断される。その結果、残った外枠
10aが、2個のT字型片10b、10bと、1個
のC字型片10bn+ に切り離される。
【0047】次に、本実施の形態に係る打抜加工用金型
及び打抜板の製造方法の作用について説明する。本実施
の形態に係る打抜加工用金型30は、スライドスペース
36aaを有するホルダ36aと、スライドスペース3
6aa内に遊挿された上型ストリッパー38と、下型に
立設されるパンチ64aと、パンチ64aの側壁面を上
下動する下型ストリッパー66とを備えた打抜手段に加
えて、上型32に立設された外枠切断ピン46a〜46
bと、下型62に形成された外枠切断ピン誘導穴76a
〜76cとを備えた切断手段を有しているので、実装用
基板16の打ち抜きと同時に、外枠10aを小片に分断
することができる。
【0048】そのため、外枠の容積が著しく小さくな
り、外枠の保管スペースを小さくすることができる。ま
た、外枠を廃棄処理する際の運送コストも大幅に削減す
ることができる。しかも、外枠を小容積化するための別
個の工程が不要であるので、打抜板の製造コストを大幅
に増大させることもない。
【0049】また、外枠切断ピン46a〜46cが、ガ
イドピン74、74に対して母板の搬送方向の上流側に
設けられている場合には、外枠10aから切り離された
小片は、ガイドピン74、74に係止された状態とな
る。そのため、打抜加工を行う都度、作業者が小片を手
で排除する必要があり、作業が繁雑となる。
【0050】これに対し、本実施の形態においては、外
枠切断ピン46a〜46cは、いずれも、ガイドピン7
4、74に対して下流側に設けられているので、外枠1
0aが切断されることにより形成された小片は、打抜加
工用金型30のいずれの部分にも拘束されない状態とな
る。そのため、打ち抜き加工後に生じた小片を下型62
表面から排除するのが極めて容易化する。
【0051】次に、本発明の第2の実施の形態に係る打
抜加工用金型及び打抜板の製造方法について説明する。
本実施の形態に係る打抜加工用金型は、外枠切断ピン及
び外枠切断ピン誘導穴の個数及び配置が、上述した本発
明の第1の実施の形態に係る打抜加工用金型30とは異
なっている。
【0052】図5(a)に、本実施の形態に係る打抜加
工用金型80に備えられる下型ストリッパー82の平面
図を示す。本実施の形態において、下型ストリッパー8
2には、合計4個の外枠切断ピン誘導穴76a、76
b、76d、76eが設けられている。これらの内、外
枠切断ピン誘導穴76a、76bは、いずれも、ガイド
ピン74、74の下流側であって、パンチ64aの側面
に隣接して設けられている。一方、外枠切断ピン誘導穴
76d、76eは、それぞれ、パンチ64aの先端面の
角部であって、パンチ64aに隣接して設けられてい
る。
【0053】なお、図示はしないが、上型には、外枠切
断ピン誘導穴76a、76b、76d、76eに対応す
る位置に、それぞれ外枠切断ピンが設けられている。ま
た、その他の点については、第1の実施の形態に係る打
抜加工用金型30と同一であるので、説明を省略する。
【0054】次に、図5(a)に示す打抜加工用金型8
0を用いた打抜板の製造方法について説明する。外枠部
分にガイド穴12〜12が形成され、かつ中央部分
に所定個数のプリント回路板14、14…が仮止めされ
たプリント配線母板に対して、1列目のガイド穴1
、12を基準として、1回目の打抜加工を行う
と、図5(b)に示すように、1個目の実装用基板16
及び貫通孔14a、14aが打ち抜かれる。
【0055】また、これと同時に、外枠10aの内、縦
枠部分の2箇所及び横枠部分の2箇所が、それぞれ4個
の外枠切断ピン(図示せず)により切断される。その結
果、外枠10aの前方部分が、縦枠部分を構成していた
2個のI字型片(A)10c 、10cと、横枠部分
を構成していた1個のI字型片(B)10dとして切
り離される。
【0056】次に、プリント配線母板10を下流側に送
り、2列目のガイド穴12、12 を基準として、2
回目の打抜加工を行うと、図5(b)に示すように、2
個目の実装用基板16及び貫通孔14a、14aが打
ち抜かれる。また、これと同時に、縦枠部分の2箇所及
び横枠部分の2箇所が新たに切断される。その結果、外
枠10aの前方部分が、2個のI字型片(A)10
、10cと、1個のI字型片(B)10dとし
て新たに切り離される。
【0057】以下、同様にして、プリント配線母板10
を下流側にステップ送りしながら、最後(n回目)の打
抜加工を行うと、図5(b)に示すように、n個目の実
装用基板16及び貫通孔14a、14aが打ち抜かれ
る。また、これと同時に、縦枠部分の2箇所及び横枠部
分の2箇所が新たに切断される。その結果、残った外枠
10aは、2個のI字型片(A)10c、10c
と、1個のI字型片(B)10dと、1個のC字型
片10dn+1に切り離される。
【0058】以上のように、本実施の形態に係る打抜加
工用金型80は、4個の外枠切断ピンを所定の位置に配
置しているので、外枠10aの大部分を、直線状の小片
に分断することができる。そのため、極めて低コストで
外枠10aを低容積化することができる。
【0059】次に、本発明の第3の実施の形態に係る打
抜加工用金型及び打抜板の製造方法について説明する。
本実施の形態に係る打抜加工用金型は、外枠切断ピン及
び外枠切断ピン誘導穴の個数及び配置が、上述した本発
明の第1の実施の形態に係る打抜加工用金型30とは異
なっている。
【0060】図6(a)に、本実施の形態に係る打抜加
工用金型84に備えられる下型ストリッパー86の平面
図を示す。本実施の形態において、下型ストリッパー8
6には、合計2個の外枠切断ピン誘導穴76a、76b
が設けられている。これらの外枠切断ピン誘導穴76
a、76bは、いずれも、ガイドピン74、74の下流
側であって、パンチ64aの側面に隣接して設けられて
いる。
【0061】なお、図示はしないが、上型には、外枠切
断ピン誘導穴76a、76bに対応する位置に、それぞ
れ外枠切断ピンが設けられている。また、その他の点に
ついては、第1の実施の形態に係る打抜加工用金型30
と同一であるので、説明を省略する。
【0062】次に、図6(a)に示す打抜加工用金型8
4を用いた打抜板の製造方法について説明する。外枠部
分にガイド穴12〜12が形成され、かつ中央部分
に所定個数のプリント回路板14、14…が仮止めされ
たプリント配線母板に対して、1列目のガイド穴1
、12を基準として、1回目の打抜加工を行う
と、図6(b)に示すように、1個目の実装用基板16
及び貫通孔14a、14aが打ち抜かれる。また、こ
れと同時に、外枠10aの内、縦枠部分の2箇所が、そ
れぞれ2個の外枠切断ピン(図示せず)により切断され
る。その結果、外枠10aの前方部分が、1個のC字型
片10eとして切り離される。
【0063】次に、プリント配線母板10を下流側に送
り、2列目のガイド穴12、12 を基準として、2
回目の打抜加工を行うと、図6(b)に示すように、2
個目の実装用基板16及び貫通孔14a、14aが打
ち抜かれる。また、これと同時に、外枠切断ピンによ
り、縦枠部分の2箇所が新たに切断される。その結果、
外枠10aの前方部分が、1個のH字型片10eとし
て新たに切り離される。
【0064】以下、同様にして、プリント配線母板10
を下流側にステップ送りしながら、最後(n回目)の打
抜加工を行うと、図6(b)に示すように、n個目の実
装用基板16及び貫通孔14a、14aが打ち抜かれ
る。また、これと同時に、縦枠部分の2箇所が新たに切
断される。その結果、残った外枠10aが、1個のH字
型片10eと、1個のC字型片10en+1に切り離
される。
【0065】本実施の形態に係る打抜加工用金型84
は、2個の外枠切断ピンを所定の位置に配置しているの
で、外枠10aの大部分を、H型の小片に分断すること
ができる。そのため、極めて低コストで外枠10aを低
容積化することができる。
【0066】次に、本発明の第4の実施の形態に係る打
抜加工用金型及び打抜板の製造方法について説明する。
本実施の形態に係る打抜加工用金型は、外枠切断ピン及
び外枠切断ピン誘導穴の個数及び配置が、上述した本発
明の第1の実施の形態に係る打抜加工用金型30とは異
なっている。
【0067】図7(a)に、本実施の形態に係る打抜加
工用金型88に備えられる下型ストリッパー90の平面
図を示す。本実施の形態において、下型ストリッパー9
0には、1個の外枠切断ピン誘導穴76cが設けられて
いる。この外枠切断ピン誘導穴76cは、パンチ64a
の先端面の中央部分に隣接して設けられている。
【0068】なお、図示はしないが、上型には、外枠切
断ピン誘導穴76cに対応する位置に、外枠切断ピンが
設けられている。また、その他の点については、第1の
実施の形態に係る打抜加工用金型30と同一であるの
で、説明を省略する。
【0069】次に、図7(a)に示す打抜加工用金型8
8を用いた打抜板の製造方法について説明する。外枠部
分にガイド穴12〜12が形成され、かつ中央部分
に所定個数のプリント回路板14、14…が仮止めされ
たプリント配線母板に対して、1列目のガイド穴1
、12を基準として、1回目の打抜加工を行う
と、図7(b)に示すように、1個目の実装用基板16
及び貫通孔14a、14aが打ち抜かれる。また、こ
れと同時に、外枠10aの内、横枠部分の1箇所が、1
個の外枠切断ピン(図示せず)により切断される。
【0070】次に、プリント配線母板10を下流側に送
り、2列目のガイド穴12、12 を基準として、2
回目の打抜加工を行うと、図7(b)に示すように、2
個目の実装用基板16及び貫通孔14a、14aが打
ち抜かれる。また、これと同時に、横枠部分の1箇所が
新たに切断される。
【0071】以下、同様にして、プリント配線母板10
を下流側にステップ送りしながら、最後(n回目)の打
抜加工を行うと、図7(b)に示すように、n個目の実
装用基板16及び貫通孔14a、14aが打ち抜かれ
る。また、これと同時に、横枠部分の1箇所が新たに切
断される。
【0072】本実施の形態に係る打抜加工用金型88
は、上述した第1〜第3の実施の形態に係る打抜加工用
金型と異なり、外枠10aが複数の小片に分断されるこ
とはない。しかしながら、外枠10aは、横枠部分の1
箇所で連結しているのみであるので、手作業により連結
部分を2個の櫛形片に容易に分断することができる。ま
た、縦枠部分の1箇所又は2箇所以上を手作業によりさ
らに分断すれば、比較的低コストで外枠10aを低容積
化することができる。
【0073】次に、本発明の第5の実施の形態に係る打
抜加工用金型及び打抜板の製造方法について説明する。
本実施の形態に係る打抜加工用金型は、外枠切断ピン及
び外枠切断ピン誘導穴の配置が、上述した本発明の第1
の実施の形態に係る打抜加工用金型30とは異なってい
る。
【0074】図8(a)に、本実施の形態に係る打抜加
工用金型92に備えられる下型ストリッパー94の平面
図を示す。本実施の形態において、下型ストリッパー9
4は、第1の実施の形態に係る打抜加工用金型30に備
えられる下型ストリッパー66の約2倍の面積を有して
いる。パンチ64a(打抜手段)は、下型ストリッパー
94の内、母板の搬送方向に対して上流側に設けられて
いる。
【0075】また、下型ストリッパー94には、左右の
縦枠部分を切断するための2つの外枠切断ピン誘導穴7
6f、76gと、横枠部分の中央を切断するための1つ
の外枠切断ピン誘導穴76hが設けられている。しかし
ながら、これらの外枠切断ピン誘導穴76f〜76g
は、パンチ64aの周囲に隣接して設けられているので
はなく、母板の送り幅に相当する距離だけ離れて、パン
チ64aの下流側に設けられている。この点が、上述し
た第1の実施の形態とは異なる。
【0076】なお、図示はしないが、上型の先端面は、
下型ストリッパー94とほぼ同一の面積を有している。
また、上型には、外枠切断ピン誘導穴76f〜76hに
対応する位置に、合計3個の外枠切断ピンが設けられて
いる。その他の点については、第1の実施の形態に係る
打抜加工用金型30と同一であるので、説明を省略す
る。
【0077】次に、図8(a)に示す打抜加工用金型9
2を用いた打抜板の製造方法について説明する。外枠部
分にガイド穴12、12…が形成され、かつ中央部
分に所定個数のプリント回路板14、14…が仮止めさ
れたプリント配線母板10に対して、1列目のガイド穴
12、12を基準として、1回目の打抜加工を行う
と、図8(b)に示すように、1個目の実装用基板16
及び貫通孔14a、14aが打ち抜かれる。
【0078】次に、プリント配線母板10を下流側に送
り、2列目のガイド穴12、12 を基準として、2
回目の打抜加工を行うと、図7(c)に示すように、2
個目の実装用基板16及び貫通孔14a、14aが打
ち抜かれる。また、これと同時に、外枠切断ピン誘導穴
76f〜76h及び外枠切断ピン(図示せず)により、
外枠の内、1個目の実装用基板16が打ち抜かれた後
に残った縦枠部分の2箇所及び横枠部分の1箇所が切断
される。
【0079】以下、同様にして、プリント配線母板10
を下流側にステップ送りしながら、打抜加工を繰り返す
と、n個目の実装用基板16(第2の打抜板)及び貫
通孔14a、14aを打ち抜くと同時に、外枠の内、直
前の工程で打ち抜かれた(n−1)個目の実装用基板1
n−1(第1の打抜板)に隣接していた縦枠部分の2
箇所及び横枠部分の1箇所が新たに切断される。
【0080】以上のように、本実施の形態に係る打抜加
工用金型92は、3個の外枠切断ピンをパンチ64aに
対して下流側に配置したので、打抜板の打抜と同時に、
外枠を小片に分断することができる。そのため、極めて
低コストで外枠を低容積化することができる。
【0081】また、打抜板が実装用基板であり、かつ実
装用基板の外周部に近接してプリント配線が形成されて
いる場合において、パンチ64aの周囲に隣接して外枠
切断ピンを配置すると、外枠を切断する際に発生する応
力によって、実装用基板の外周部近傍に形成された配線
を傷つけるおそれがある。しかしながら、本実施の形態
に係る打抜加工用金型92は、パンチ64aに対して下
流側に外枠切断ピンが設けられているので、外枠切断時
に配線を傷つけることがない。
【0082】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改変が可能である。
【0083】例えば、上記実施の形態では、1個から4
個の外枠切断ピンが所定の位置に配置された打抜加工用
金型について説明したが、外枠切断ピンの個数及び配置
は、これに限定されるものではなく、母板の材質や形
状、打抜板の大きさ、金型の用途等に応じて、その個数
及び/又は配置を適宜選択することができる。
【0084】例えば、外枠切断ピンの個数は、5個以上
であっても良い。また、横枠部分の2箇所のみが切断さ
れるように、2個の外枠切断ピンを配置しても良く、あ
るいは、横枠部分の1箇所及び縦枠部分の1箇所が切断
されるように、2個の外枠切断ピンを配置しても良い。
【0085】また、上述した第4の実施の形態におい
て、横枠部分の1箇所のみを切断する外枠切断ピンを備
えた打抜加工用金型88について説明したが、本発明に
係る打抜加工用金型は、左右いずれか一方の縦枠部分を
切断するための1個の外枠切断ピンを備えたものであっ
ても良い。この場合、他方の縦枠部分が連結したままと
なっているが、手作業により容易に2個以上の分断する
ことができるので、従来の方法に比して低コストで外枠
を低容積化することができる。
【0086】また、上記実施の形態において、外枠切断
ピンは、いずれも上型に取り付けられる構造となってい
るが、外枠切断ピンを下型に立設し、上型には、外枠切
断ピンに対応する位置に外枠切断ピン誘導穴を設けるよ
うにしても良い。
【0087】また、上記実施の形態においては、いずれ
も外枠切断ピンにより外枠がほぼ完全に切断される場合
について主に説明したが、外枠切断ピンにより外枠を部
分的に切断し、すべてのプレス終了後に連結部分を手作
業により完全に切断しても良い。あるいは、複数個の外
枠切断ピンの内、一部により外枠の該当部分をほぼ完全
に切断し、他の一部により外枠の該当部分を部分的に切
断しても良い。
【0088】また、外枠を部分的に切断する場合におい
て、外枠切断ピンを上型に立設する時には、外枠切断ピ
ンの周囲に、ウレタンゴム等からなる弾性部材を配置す
るのが好ましい。この場合、弾性部材の先端面は、無負
荷状態において、外枠切断ピンの先端面とほぼ同一水平
面上にあることが望ましい。
【0089】外枠切断ピンの周囲に弾性部材を配置する
と、プレス時に弾性部材の先端面から外枠切断ピンが突
き出すので、外枠を容易に部分切断することができる。
また、上型を上昇させるときには、弾性部材がその復元
力によって外枠を下方に押し下げるので、外枠切断ピン
の周囲に部分切断された外枠が引っかかることもない。
なお、外枠を部分的に切断する場合において、外枠切断
ピンを下型に立設するときには、このような弾性部材
は、必ずしも必要ではない。
【0090】また、上記第1〜第4の実施の形態におい
て、外枠切断ピンは、いずれも上型ストリッパーの外側
に配置されているが、上型ストリッパーの周囲に浅い凹
溝を形成し、この凹溝に外枠切断ピンの側端部を遊挿し
ても良い。このような構成とすると、1回のプレスによ
って外枠を確実、かつ完全に切断することができる。
【0091】また、上記実施の形態において、プッシュ
バック加工により異形のプリント回路板が仮止めされた
プリント配線母板から長方形の実装用基板を打ち抜く例
について説明したが、プリント回路板自身が自装機で搬
送可能な形状を有している場合には、プリント配線母板
から直接プリント回路板を打ち抜く製造工程に対して本
発明を適用することができる。さらに、本発明の適用範
囲は、樹脂製のプリント配線母板の打抜加工に限定され
るものではなく、金属板等、他の材料の打抜加工に対し
ても適用できる。
【0092】
【発明の効果】本発明に係る打抜加工用金型は、母板か
ら打抜板を打ち抜いた後に残る外枠を切断するための切
断手段を備えているので、低コストで、外枠を低容積化
できるという効果がある。また、このような切断手段
を、母板の位置決めに用いるガイドピンの下流側に設け
た場合には、外枠が切断された後に残る小片の排除が容
易化し、作業効率が向上するという効果がある。
【0093】また、外枠の内、縦枠部分の少なくとも1
箇所又は横枠部分の少なくとも1箇所を切断すれば、外
枠を容易に低容積化することができる。特に、縦枠部分
の2箇所以上及び/又は横枠部分の2箇所以上を切断す
る場合には、外枠を単純形状を有する小片に分断するの
が容易化するという効果がある。
【0094】さらに、切断手段が打抜手段の周囲に隣接
して設けられている場合には、金型全体を小型化するこ
とができ、金型費用を削減できるという効果がある。一
方、切断手段が打抜手段の下流側に設けられている場合
には、外枠を切断する際に、打抜板の外周部分を傷つけ
るおそれがないという効果がある。
【0095】そのため、本発明に係る打抜加工用金型を
打抜板の製造工程に適用すれば、外枠を低コストで低容
積化することができ、工場内における外枠の保管スペー
スを著しく縮小することができる。また、外枠を処理場
に輸送する際の運送費用を大幅に削減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(b)は、本発明の第1の実施の形態に
係る打抜加工用金型の上型の底面図であり、図1(a)
は、そのA−A’線断面図である。
【図2】 図2(a)は、本発明の第1の実施の形態に
係る打抜加工用金型の下型の平面図であり、図1(b)
は、そのB−B’線断面図、図1(c)は、そのC−
C’線断面図である。
【図3】 図1及び図2に示す打抜加工用金型を用いた
打抜板の製造方法を示す工程図である。
【図4】 図4(a)は、打抜加工前のプリント配線母
板の平面図であり、図4(b)は、図1及び図2に示す
打抜加工用金型を用いた打抜加工後の実装用基板及び外
枠の状態を示す平面図である。
【図5】 図5(a)は、本発明の第2の実施の形態に
係る打抜加工用金型の下型ストリッパーの平面図であ
り、図5(b)は、図5(a)に示す打抜加工用金型を
用いてプリント配線母板を打抜加工した後の実装用基板
及び外枠の状態を示す平面図である。
【図6】 図6(a)は、本発明の第3の実施の形態に
係る打抜加工用金型の下型ストリッパーの平面図であ
り、図6(b)は、図6(a)に示す打抜加工用金型を
用いてプリント配線母板を打抜加工した後の実装用基板
及び外枠の状態を示す平面図である。
【図7】 図7(a)は、本発明の第4の実施の形態に
係る打抜加工用金型の下型ストリッパーの平面図であ
り、図7(b)は、図7(a)に示す打抜加工用金型を
用いてプリント配線母板を打抜加工した後の実装用基板
及び外枠の状態を示す平面図である。
【図8】 図8(a)は、本発明の第5の実施の形態に
係る打抜加工用金型の下型ストリッパーの平面図であ
り、図8(b)は、図8(a)に示す打抜加工用金型の
使用方法を説明する概略構成図である。
【図9】 図9(a)は、打抜加工前のプリント配線母
板の平面図であり、図9(b)は、従来の方法を用いて
打抜加工した後の実装用基板及び外枠の状態を示す平面
図である。
【符号の説明】
10 プリント配線母板(母板) 10a 外枠 16 実装用基板(打抜板) 30 打抜加工用金型 32 上型 36a ホルダ(打抜手段) 38 上型ストリッパー(打抜手段) 46a〜46c 外枠切断ピン(切断手段) 62 下型 64a パンチ(打抜手段) 66 下型ストリッパー(打抜手段) 74 ガイドピン 76a〜76c 外枠切断ピン誘導穴(切断手段)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母板から打抜板を打ち抜くための打抜手
    段と、 前記打抜板が打ち抜かれた後に残る前記母板の外枠を切
    断するための切断手段とを備えた打抜加工用金型。
  2. 【請求項2】 前記切断手段は、上型又は下型のいずれ
    か一方に立設された1又は2以上の外枠切断ピンと、 他方に形成された前記外枠切断ピンを誘導するための1
    又は2以上の外枠切断ピン誘導孔とを備えている請求項
    1に記載の打抜加工用金型。
  3. 【請求項3】 前記切断手段は、前記母板の位置決めに
    用いられるガイドピンの下流側に設けられている請求項
    1又は2に記載の打抜加工用金型。
  4. 【請求項4】 前記切断手段は、前記外枠の内、横枠部
    分の1箇所又は2箇所以上を切断するための横枠切断手
    段を備えている請求項1から3までのいずれかに記載の
    打抜加工用金型。
  5. 【請求項5】 前記切断手段は、前記外枠の内、縦枠部
    分の1箇所又は2箇所以上を切断するための縦枠切断手
    段を備えている請求項1から4までのいずれかに記載の
    打抜加工用金型。
  6. 【請求項6】 前記切断手段は、前記打抜手段の周囲に
    隣接して設けられている請求項1から5までのいずれか
    に記載の打抜加工用金型。
  7. 【請求項7】 前記切断手段は、前記母材の送り幅に相
    当する距離だけ、前記打抜手段の下流側に設けられてい
    る請求項1から5までのいずれかに記載の打抜加工用金
    型。
  8. 【請求項8】 母板から打抜板を打ち抜くための打抜工
    程と、 前記打抜板が打ち抜かれた後に残る前記母板の外枠を切
    断するための切断工程とを備えた打抜板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記切断工程は、第1の打抜工程による
    第1の打抜板の打ち抜きと同時に、前記外枠の内、前記
    第1の打抜板に隣接する部分を切断するものである請求
    項8に記載の打抜板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記切断工程は、第1の打抜工程によ
    り第1の打抜板を打ち抜き、次いで前記母板を所定の送
    り幅で下流側に搬送した後、 第2の打抜工程により第2の打抜板を打ち抜くと同時
    に、前記外枠の内、前記第1の打抜板に隣接していた部
    分を切断するものである請求項8に記載の打抜板の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記切断工程は、前記外枠の内、横枠
    部分の1箇所又は2箇所以上を切断する横枠切断工程を
    備えている請求項8から10までのいずれかに記載の打
    抜板の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記切断手段は、前記外枠の内、縦枠
    部分の1箇所又は2箇所以上を切断する縦枠切断工程を
    備えている請求項8から11までのいずれかに記載の打
    抜板の製造方法。
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